JP2017090718A - ペリクル - Google Patents
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Abstract
Description
近年、半導体製造装置の高集積化に伴って、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光の短波長化が進められている。すなわち、ウエハー上にフォトレジストパターンを形成する際に、より狭い線幅で微細なパターンを描画できる技術が要求されている。これに対応するために、例えば、ステッパーの露光光として、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)から進んで、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等のより短波長の光が用いられてきている。
[1]
ペリクル枠と、
前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、
前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、
前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、
前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含み、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上6.0以下である、ペリクル。
[2]
前記粘着剤層の断面方向の平坦度が20μm以下である、[1]に記載のペリクル。
[3]
前記粘着剤層の周方向の平坦度が15μm以下である、[1]又は[2]に記載のペリクル。
[4]
前記粘着剤層の20%伸張/24時間緩和後残留応力値が、1.0mN/mm2以上12.0mN/mm2以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のペリクル。
中でも、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の炭素数3〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルだと、反応の自由度が高い事や水酸基が露出しやすいために架橋反応性に優れている等の点からが好ましい。また、カルボキシル基を持たない事でマスクとの経時的な反応性がなくなり糊残りも低減できる。
重量平均分子量の制御方法について、公知の方法で制御できる。具体的には、一般に重合反応するときのモノマー濃度が高いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にあり、重合開始剤量の量が少ないほど、又、重合温度が低いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にある。一般的に、重量平均分子量が大きいほど凝集力が大きくなり、凝集力が大きいほど、残留応力値αと最大応力値αmaxとの値は大きくなる傾向がある。
多官能性エポキシ化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
そして、粘着剤層の断面方向の平坦度とは、ペリクル枠上の粘着剤層の任意の12点について、各々断面方向での断面における最も高い箇所の高さから最も低い箇所の高さを引いた値(高低差)を測定し、得られた12点についての値(高低差)の平均値を算出したものを言う。ここで、「断面における」「高さ」とは、ペリクル枠の他端面と粘着剤層との界面から、粘着剤層の表面(マスクに貼り付けられる側の面)までの距離をいう。
具体的には、以下のようにして測定される。
ここで、粘着剤層の周方向とは、ペリクル枠の辺に平行な方向をいう。そして、粘着剤層の周方向の平坦度と次のようにして得られる値をいう。
粘着剤層をその幅の中央(断面方向の中央)でペリクル枠の辺に平行に切断した場合に得られる断面における各辺の中央の4点及びコーナーの4点の計8点において、その高さを測定し、一番高い値から一番低い値を差し引いた値を周方向の平坦度とする。
粘着剤層の断面方向及び周方向の平坦度は、ペリクル枠の平坦度を良くすることや、粘着剤層をペリクル枠上に設ける際に使用する塗布成型機の条件を調整することにより上記範囲に調整することができる。
成型機の条件に限定はないが、例えば、成型を平坦度の高い定盤に挟み込むことによって行うことや2段階で行うことが特に有効である。さらに、2段階で成型を行う場合、成型温度は、1段目の温度より、2段目の温度を高く設定することが好ましい。なお、成型温度は粘着剤組成物の組成に応じて適宜決定することができるが、1段目の成型温度は70〜180℃程度であることが好ましく、2段目の成型温度は150℃〜210℃程度であることが好ましい。
また、ペリクル枠の平坦性は、ペリクル枠の周方向において平坦度を15μm以下にすることが好ましい。
このような構造をとることにより、マスクに貼り付けた時に気泡が抜けやすくなり、エアパス等の心配がなくなる。外側の高さは、中央部及び内側の高さより高いことがより好ましく、特に、外側が一番高く、中央部が一番低く、内側が外側よりは低いが中央部より高いことが好ましい。この場合、気泡が抜けやすいことに加え、貼り付け時に均一にマスクにペリクルの荷重がかかるようになるために更に好ましい。
粘着剤層の断面方向における断面の形状は、上述の断面方向の平坦度の測定の時と同様に、12点の断面を観察することにより確認することができる。この場合に、12点のうち、少なくとも6点以上において上記条件を満たしていることが好ましく、9点以上において満たしていることがより好ましく、すべてにおいて満たしていることが特に好ましい。
粘着剤層の断面形状は、粘着剤層をペリクル枠上に設ける際に使用する塗布成型機の条件を上記形状になるように設定することにより、上記のような形状とすることができる。
本実施形態において、「20%伸長/24時間緩和後残留応力値」とは、粘着剤層を20%伸長後に24時間緩和させた時の残留応力値αを意味する。
すなわち、上記粘着剤層の断面方向の平坦度を20μm以下とすることに加え、更に貼付け安定後の残留応力に着目し、前記残留応力値αを特定範囲とすることでマスク歪を更に低減することができる。
前記残留応力値αの値が大きいほど、残留応力が大きく、マスクを変形させる力が強いためマスク歪が大きくなる。一方、αの値が小さいほどマスクを変形させる力は小さいが、マスクを保管する時にマスクとペリクルとがずれる可能性がある。
以上の観点から、本実施形態においては、残留応力値αを1.0〜12.0mN/mm2の範囲内とすることが好ましい。残留応力値αをこのような範囲にすることにより、マスク歪を低減させ、なおかつ、マスク保管時にマスクとペリクルとがずれることが無いことが分かった。
残留応力値αは、2.5mN/mm2以上11.0mN/mm2以下であることがより好ましく、3.5mN/mm2以上10.5mN/mm2以下であることがさらに好ましい。残留応力値αがこの範囲内であれば、特に貼付け直後からの残留応力も小さくなり、直後から安定後までのマスクを変形させる力が小さくなりマスク歪に特に好ましい。
また、残留応力値αが、5.5mN/mm2以上10.0mN/mm2以下であることがとりわけ好ましく、6.0mN/mm2以上9.5mN/mm2以下であることが特に好ましい。残留応力値αがこの範囲内であれば、凝集力も適度になるため、マスクからペリクルを剥離したときの糊残りを低減することができる。
粘着剤層の残留応力値αは、粘着剤組成物の組成比や硬化剤量によって上記範囲に調整することができる。
粘着剤層の応力保持率は、粘着剤として柔軟性の高い材料を使用することにより上記範囲に調整することができる。
本実施形態のペリクルは、例えば、以下の方法で好適に製造することができる。
第一に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤又は硬化剤溶液とを混合し粘着剤前駆体組成物を得る。この場合、所望の厚み・幅のマスク粘着剤層を塗布するために、粘着剤前駆体組成物を更に溶媒で希釈し、溶液濃度(粘度)を調整することができる。希釈のための溶媒は、溶解性、蒸発速度などの観点から選ばれる。好ましい溶媒としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、トルエン等が挙られるが、これらに制限されるものではない。
ディスペンサーでの塗布において溶媒で希釈することによって、塗布液の糸引きが少なく、安定した幅・厚みに調整することが容易となる。
かかる乾燥温度については、溶媒及び残存モノマーの沸点、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分解温度を考慮し、50〜200℃であることが好ましく、60〜190℃であることがより好ましい。
乾燥、架橋後に、粘着面を保護するための保護フィルムF(離型シート)を貼ってもよい。
なお、ペリクル膜3のペリクル枠2への貼り付け(張設)は、粘着剤層の形成の前後、いずれでもよく、ペリクル枠2の他端面2fに粘着剤層10を設けた後、ペリクル枠2の一端面2eにペリクル膜3を貼付けてもよい。
粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、ペリクル枠の表面の凹凸を吸収でき、マスクの平坦性を確保しつつ粘着剤層からのアウトガスが問題のないレベルとなり、マスクに圧着した時のマスク歪を低減させたペリクルとすることができる。
本実施形態において用いられる保護フィルムFは、一般的にはポリエステルなどの厚さ30〜200μm程度のフィルムを用いる。また、粘着剤層10から保護フィルムFを剥がす際の剥離力が大きいと、剥がす際に粘着剤層10が変形する恐れがあるので、適切な剥離力になるように、粘着剤と接するフィルム表面にシリコーンやフッ素などの離型処理を行ってもよい。粘着面を保護するための保護フィルムFを貼った後、加重をかけて、粘着剤表面を略平坦に成型してもよい。
本実施形態において、ペリクル枠としては矩形の形状をした従来公知のものを陽極酸化や塗装等の表面処理を行い使用することができる。また、粘着剤層の平坦度を高めるために、事前にペリクル枠に加熱処理や荷重加熱処理等で断面方向や周方向の平坦度を高めておくことが好ましい。
また、ペリクル膜及びその張設方法についても限定はなく、従来公知のもの及び方法を使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを下記の方法により求めた。
測定装置:
・東ソー社製の高速GPC装置「HLC−8320」
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SUPER HZ3000×2」および 「HZ2000×2」を直列に連結
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流量:0.6ml/分
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率計
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
保護フィルム付ペリクルの保護フィルムをゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取り、レーザー変位計の台座にペリクル膜面を下にして設置した。
各辺の中央4点と、該点から左右に20mmの位置にある8点との合計12点について、ペリクル枠の辺に平行な方向に対して垂直な方向で切断した場合に得られる断面の高さを、実際には切断はせずにレーザー変位計で測定し、各々の点について一番高い値から一番低い値を差し引いた値(高低差)を算出した。
得られた12点についての値(高低差)の平均を求め、これを粘着剤層の断面(幅)方向の平坦度とした。
保護フィルム付ペリクルの保護フィルムをゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取り、レーザー変位計の台座にペリクル膜面を下にして設置した。
粘着剤層をその幅の中央でペリクル枠の辺に平行に切断した場合に得られる断面の、各辺の中央の4点及びコーナーの4点の計8点において、その高さをレーザー変位計を用いて実際には粘着剤層を切断せずに測定し、一番高い値から一番低い値を差し引いた値(高低差)を求めた。求めた値(高低差)を粘着剤層の周方向の平坦度とした。
保護フィルム付ペリクルを切断して、その一辺を切り出し、切り出した一辺に設けられている粘着剤層から粘着剤層が変形しないようにゆっくりと保護フィルムを剥離し、その後、ペリクル枠から粘着剤層をゆっくりと剥離した。その際、剥離しにくいときは、シッカロールを手及び粘着剤層に付着しながらゆっくりと剥離し、剥離した粘着剤層の長手方向の伸び率が5%以下になるようにした。
剥離した粘着剤層について、引張応力(N)を下記の装置にて測定した。
装置名:オートグラフ(SHIMAZU EZ−S 島津製作所製)
ロードセル: 1N (クリップ式チャック)
チャック間: 40mm
クロスヘッドスピード: 100mm/min
具体的には、上記装置にて、粘着剤層を伸度20%まで長手方向に引張した後、クロスヘッドを停止して緩和させ、24時間後の引張応力(N)を測定した。
別途、粘着剤層の断面積(mm2)を測定しておき、上記のようにして得られた24時間緩和後の引張応力(残留応力)(N)を粘着剤層の断面積(mm2)で割ることで、単位面積当たりの24時間緩和後の残留応力値α(N/mm2)を求めた。
また、20%まで伸長した時の最大応力値αmaxと、その後に24時間緩和させた時の残留応力値αとから応力保持率(=α/αmax×100)(%)を求めた。
なお、粘着剤層の断面積は、次のようにして測定した。
上記保護フィルム付ペリクルから、先に引張応力測定用に切り出した辺とは別の一辺を切断し、その後、粘着剤層が変形しないようにゆっくりと保護フィルムを剥離してペリクル枠付きの粘着剤層を取り出した。次いで、これを粘着剤層の長手方向(ペリクル枠の辺方向)に垂直に約1cmの長さに切断し、樹脂にて包埋し、樹脂を自然に硬化させた。その後、研磨機にて断面研磨し、その後、マイクロスコープにて形状を測定し粘着剤層の断面積を算出した。なお、粘着剤層の断面積は、保護フィルムが切断しやすい場合は、保護フィルム付で測定してもよい。
保護フイルムを剥がしたペリクルに加重を掛けて、6025クロム付きマスクブランクス基材にペリクルを貼付した。貼付には簡易型マウンターを用いた。加重は15kgfであり、加重時間は60secであった。
ペリクルを貼り付けた基材を、70℃±2℃で5日間加熱した。その後室温まで冷却し、基材を水平に固定し、ペリクルのひとつの角を引張試験機により、マスク面に対し垂直に5mm/minの速度で引き上げ、ペリクルを基材から剥離した。基材表面の様子を観察し、残存したペリクル用粘着剤によって被覆されている部分の面積(糊残り面積)を測定した。糊残り面積に基づき、各ペリクルの糊残り量を以下の基準で評価した。なお、下記の「全体の貼付け面積」とは、ペリクルを基材から剥離する前に基材表面においてペリクルと密着していた部分の面積である。
◎ :糊残り面積が全体の貼付け面積の0−5%である。
○ :糊残り面積が全体の貼付け面積の6−20%である。
△ :糊残り面積が全体の貼付け面積の21−100%である。
マスクの歪評価は、Tropel社製のFlatMaster200を用いて測定した。まず、マスク(6025石英)について、ペリクルを貼りつける前の平坦度を測定した。その後、ペリクルをマスクに簡易型マウンター(加重:5kgf、45sec)を用いて貼り付け、ペリクル貼り付け後のマスクの平坦度を測定した(測定範囲:135mm×110mm)。
貼り付け前後の平坦度の差し引きを行い、ペリクルを貼り付けたことでどれだけマスクが変形したかを算出した。
◎:ペリクルを貼り付けたとことによるマスクの変形量が25nm以下
△:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が25nm超45nm以下
×:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が45nm超
単量体としてブチルアクリレート(BA)/2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)/4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)とを、質量比75:20:5の割合で用い、以下に示すリビングラジカル重合により、BA/2EHA/4HBAの(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を製造した。
リビングラジカル重合は、アルゴン置換したグローブボックス内で、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル)を60℃で20時間反応させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を得た。
反応終了後、反応器をグローブボックスから取出し、反応溶液を酢酸エチル500mlに溶解後、GPCにて測定を行った。結果を表1に示す。
また反応終了後、酢酸エチルを反応溶液に添加して、不揮発分濃度31質量%のアクリル共重合体溶液を得た(重量平均分子量110万)。
得られたアクリル共重合体溶液100質量部とイソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)0.4質量部とを撹拌混合し、粘着剤前駆体組成物を得た。
陽極酸化処理したアルミニウム合金製のペリクル枠(外径113mm×149mm、内径109mm×145mm、高さ3.2mm、フレームのマスク側の平坦度は13μm)を用意した。なお、ペリクル枠には、取扱いを容易にするためピン穴としてペリクル膜を張設する方の端面から1.7mmとなる位置に、ペリクル枠外辺側面のコーナー部からそれぞれ25mmの位置に、穴径1.6mmφ、深さ1.2mmのジグ穴を4ヵ所設けた。
得られた粘着剤前駆体組成物を、ペリクル枠の一方の端面上にディスペンサーで塗布した。これを高精細成型機にて2段階で加熱乾燥・成型・キュア(1段階目:100℃、8分、2段階目:180℃、8分)して成型を行い、粘着剤層を形成した。
その後、粘着剤層の表面にシリコーン離型処理した厚さ100μmのポリエステル製保護フィルムを貼り合わせ、養生させ、粘着力を安定化させた。形成された粘着剤層の厚さは、0.3mmであった。
次いで、ペリクル枠の他端面に接着剤を用いてペリクル膜を張設してペリクルを作製した。
得られたペリクルについて、粘着剤層の平坦度を測定したところ、断面方向の平坦度は7.3μm、周方向の平坦度は11.2μmであり、粘着剤層の断面形状は、外側>内側>中央部の順で高いものであった。
得られたペリクルについて、20%伸長/24時間緩和後残留応力値αの測定とマスクの歪評価とマスクからの糊残り評価とを実施した。結果を表1に示す。
単量体としてブチルアクリレート/4−ヒドロキシエチルアクリレートとを、質量比97:3の割合にし、開始剤をエチルー2−メチルー2−n−ブチルテラニループロピオネートにし、イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)0.6質量部にして重合した以外は、実施例1と同様に粘着剤前駆体組成物を得た。次いで、得られた粘着剤前駆体組成物を用いた以外は実施例1と同様にペリクルを作製し、実施例1と同様の評価を測定した。結果を表1に示す。粘着剤層の断面の形状は、外側>中央部>内側の順で高いものであった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル90質量部、2−エチルヘキシルアクリレート20質量部、ブチルアクリレート75質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート5質量部、重合開始剤2,2−アゾビス(イソブチルニトリル)(AIBN)0.2質量部を仕込み、拡販しながら酢酸エチルの還流温度で7時間反応させた。反応終了後、トルエン95質量部を添加して室温まで冷却し、固形分31質量%である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を用いた以外は実施例1と同様にペリクルを作製し、実施例1と同様の評価を測定した。結果を表1に示す。粘着剤層の断面の形状は、外側>中央部>内側の順で高いものであった。
2 ペリクル枠
2e,2f ペリクル枠の端面
3 ペリクル膜
10 粘着剤層
F 保護フィルム
Claims (4)
- ペリクル枠と、
前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、
前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、
前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、
前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含み、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量分布(Mw/Mn)が1.0以上6.0以下である、ペリクル。 - 前記粘着剤層の断面方向の平坦度が20μm以下である、請求項1に記載のペリクル。
- 前記粘着剤層の周方向の平坦度が15μm以下である、請求項1又は2に記載のペリクル。
- 前記粘着剤層の20%伸張/24時間緩和後残留応力値が、1.0mN/mm2以上12.0mN/mm2以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペリクル。
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