JP5319500B2 - ペリクル - Google Patents

ペリクル Download PDF

Info

Publication number
JP5319500B2
JP5319500B2 JP2009263118A JP2009263118A JP5319500B2 JP 5319500 B2 JP5319500 B2 JP 5319500B2 JP 2009263118 A JP2009263118 A JP 2009263118A JP 2009263118 A JP2009263118 A JP 2009263118A JP 5319500 B2 JP5319500 B2 JP 5319500B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pellicle
meth
weight
acrylic acid
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009263118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011107468A (ja
Inventor
浩平 矢野
泰輝 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei E Materials Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2009263118A priority Critical patent/JP5319500B2/ja
Priority to TW099139404A priority patent/TWI579354B/zh
Priority to CN201010552835.XA priority patent/CN102073213B/zh
Priority to KR1020100114269A priority patent/KR101371949B1/ko
Publication of JP2011107468A publication Critical patent/JP2011107468A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5319500B2 publication Critical patent/JP5319500B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、LSI、超LSIなどの半導体デバイスあるいは液晶表示板などを製造する際に、マスクに異物が付着することを防止するために使用されるリソグラフィー用ペリクルに関する。特に高解像度を必要とする露光において使用されるエキシマレーザーを使用したリソグラフィー用ペリクルに関する。特に好ましくは200nm以下の紫外光露光に使用されるリソグラフィー用ペリクルに関する。
半導体製造のフォトリソグラフィー工程において、ウエハー上に集積回路に対応したフォトレジストパターンを形成するためには、ステッパー(縮小投影露光装置)等の半導体製造装置が使用されている。ペリクルは枠形状を有するペリクル枠の一端面に透明薄膜を張設したものであり、異物が回路パターンを形成するためマスク上に直接付着することを防止するものである。従って、仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しないため、異物の像による半導体集積回路の短絡や断線等を防ぐことができ、フォトリソグラフィー工程の製造歩留まりを向上させることができる。
近年、半導体装置の高集積化に伴って、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光の短波長化が進められている。すなわち、ウエハー上に集積回路パターンを描写する際に、より狭い線幅で微細な回路パターンを描画できる技術が要求されている。これに対応するために、例えば、フォトリソグラフィー用ステッパーの露光光として、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)から進んでKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)さらに、F2エキシマレーザー(波長157nm)等のより短波長の光が用いられようとしている。
ペリクルをマスク上に固定する方法としては、粘着剤で剥離可能に固定する方法が通常使用され、そのための粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系、シリコーン系等のものが知られている(特許文献1参照)。粘着剤層は一端面にペリクル膜が張設されたペリクル枠の他端面に形成されるのであり、露光工程においてマスクからペリクルが剥がれるなどの問題がないよう、上記粘着剤にはある一定荷重をかけても剥がれない耐荷重性が求められる。
一方、上述した露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、露光に伴うペリクル膜またはマスクの汚れ(「ヘイズ」と呼ばれる。)が発生する頻度は高くなってきており、それに従い、ペリクルやマスクの取替え頻度も高くなってきている。このような状況の下、適切な粘着力を安定して有するとともに、貼り替え時にマスク上に糊残りしないペリクル用粘着剤が望まれている。特に200nmよりも波長の短い光を用いるフォトリソグラフィー工程においては上述のヘイズがより発生しやすいため、ペリクルのマスクからの剥離時にマスク上に粘着剤が糊残りしないという特質がより求められている。その一方で、現在KrFエキシマレーザー(波長248nm)を用いるフォトリソグラフィー工程においてペリクル用粘着剤として使用されているシリコーン系粘着剤は、マスク上に粘着剤が糊残りしやすく、又、耐荷重性も十分でないという問題があった。
ペリクル剥離後の糊残りを改善する方法として、特許文献2には凝集破断強度が20g/mm2以上である粘着層を有するペリクルが開示されている。しかし、粘着剤の糊残りと耐荷重性の問題は一般にトレードオフの関係にあり、糊残りの少ない粘着剤は耐荷重性に乏しく、露光中に粘着剤が剥がれてしまうという問題が生じていた。
特開平05−281711号公報 特開2006−146085号公報
本発明は、マスクからペリクルを剥離する際に糊残りが発生しにくく、且つ、耐荷重性に優れたペリクルを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の発明で上記課題が解決することがわかった。
すなわち本発明は
[1]ペリクル枠と、該ペリクル枠の一端面にペリクル膜を有し、他端面に粘着剤を有するペリクルであって、該粘着剤が、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとエポキシ基との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、多官能性エポキシ化合物との反応生成物を含み、且つ、該粘着剤の引っ張り速度30mm/minでの引っ張り試験によって得られる23℃における300%モジュラス値が50〜350mN/mmであることを特徴とするペリクル。
[2]該粘着剤が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部と多官能性エポキシ化合物0.05〜3重量部との反応生成物を含む粘着剤であることを特徴とする[1]に記載のペリクル。
[3]前記多官能性エポキシ化合物が2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載のペリクル。
[4]前記エポキシ基との反応性を有する官能基を有するモノマーとしてアクリル酸を含み、該アクリル酸の量が該(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーに対し0.1〜5重量%であることを特徴とする[1]〜[3]に記載のペリクル。
[5]前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量が70万〜250万であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のペリクル。
に関する発明である。
本発明によれば、マスクからペリクルを剥離する際に糊残りが発生しにくく、且つ、耐荷重性に優れたペリクルを提供することが出来る。
本願発明のペリクルに使用する粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と多官能性エポキシ化合物との反応生成物を含む粘着剤であって、該(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下「A成分」という。)と、エポキシ基との反応性を有する官能基を有するモノマー(以下「B成分」という。)との少なくとも2つのモノマー成分を共重合させることによって得られる共重合体である粘着剤がマスクとの接着力が十分で、且つ、剥離後の糊残りが少ないという点で好ましい。
アルキルエステル共重合体は、A成分が99〜80重量%、B成分が1〜20重量%である単量体混合物の共重合体であることがマスクへの適度な接着力を発現することができ、より好ましい。
ここで、A成分のモノマーを、炭素数4〜14のアルキル基が直鎖状のもの(以下「A1成分」という。)と炭素数4〜14のアルキル基が分岐状のもの(以下「A2成分」という。)に分けた場合に、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、A2成分が9〜59%である単量体混合物の共重合体であると、粘着力に優れるのでより好ましい。A1成分が40〜90重量%、A2成分が9〜59重量%、B成分が1〜20重量%である単量体混合物の共重合体であると、剥離後の糊残りが少なくなりさらに好ましい。
A1成分のアクリレ―ト系モノマーは、アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、具体的には、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ) アクリル酸ドデシル、(メタ) アクリル酸ラウリルなどの直鎖脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルがあげられる。これらは単独でも2種以上併せて用いてもよい。なかでも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチルなどの炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、マスクとの適度な接着性を発現するため、好ましく用いられる。
A2成分のアクリレ―ト系モノマーは、分岐状のアルキル鎖を持つものであり、具体的には、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルがあげられる。これらは単独でも2 種以上併せて用いてもよい。なかでも、共重合性の点から、(メタ)アクリル酸イソブチルや(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく用いられる。
B成分のモノマーは、上記A成分のモノマーと共重合可能なモノマーであって、エポキシ基との反応性を有するモノマーである。例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシル基含有モノマーである。これらは単独でも2 種以上併せて用いてもよい。なかでも、共重合性、汎用性等の点から、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。特に糊残りの点から(メタ)アクリル酸が好ましく、(メタ)アクリル酸は(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーに対し0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜4重量%、さらに好ましくは0.8〜3重量%含有することが良い。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体において、上記のA1成分のアクリレート系モノマーは、モノマー混合物中、40〜90重量%、好ましくは45〜80重量%の割合で用いられる。また、A2成分は9〜59重量%、好ましくは15〜50重量%、B成分は1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%となるようにするのがよい。
このような(メタ)アクリルエステル共重合体の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合などの公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリルエステル共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などいずれでもよい。なお、溶液重合においては、重合溶媒として、たとえば、酢酸エチル、トルエンなどが用いられる。
具体的な溶液重合例としては、反応は窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤として、たとえば、モノマー全量100重量部に対して、アゾビスイソブチロニトリル0.01〜2.0重量部加え、通常、50〜70℃程度で、8〜30時間程度行われる。ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に限定されず適宜選択して使用することができる。
好ましい重合開始剤としては、たとえば、アゾ系の2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸などや過酸化物系のベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
本願発明のペリクルに使用する粘着剤は、特に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と多官能性エポキシ化合物からなる架橋剤との反応生成物を含む粘着剤であることが好ましい。
かかる架橋剤としては、多官能性エポキシ化合物以外にも、金属塩、金属アルコキシド、アルデヒド系化合物、非アミノ樹脂系アミノ化合物、尿素系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物など、通常の粘着剤に使用される架橋剤をあげることができるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基成分との反応性の点から、多官能性エポキシ化合物が好ましい。
具体的には、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどがあげられる。これらの中でも2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物が好ましく、4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物が反応性の点から好適に用いられる。反応性が良いと粘着剤と塗布後、架橋反応が速やかに終了するので、特性が短時間で安定し、生産性の面で優れる。
本願発明者らが鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の平均分子量と架橋剤の含有量を、粘着剤の引っ張り速度30mm/minでの引っ張り試験によって得られる23℃における300%モジュラス値が50〜350mN/mmとなるよう調節すると粘着剤の耐荷重性に優れ、且つ、糊残りのしにくい粘着剤となることを見出した。ここで300%モジュラス値とは23℃65%RH雰囲気下、粘着層の厚みが0.2mm、幅が1.5mmの粘着剤サンプルをオートグラフを用いてチャック間10mm、引っ張り速度30mm/minで引っ張ったときの300%歪での単位断面積あたりの応力を意味する。300%モジュラス値は主に(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量と架橋剤の含有量によってコントロールされる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量が大きくなるほど、300%モジュラス値も大きくなり、多官能性エポキシ化合物の含有量が多くなるほど、300%モジュラス値も大きくなる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は300%モジュラス値が50〜350mN/mmとなる範囲であればよいが、特に重量平均分子量が70万以上、250万以下であると、粘着剤層の凝集力、接着力が適度な大きさになり、糊残りしにくく、且つ、十分な接着力、耐荷重性を持つ粘着剤となり、好ましい。重量平均分子量は、好ましくは90万以上230万以下、さらに好ましくは100万以上200万以下が好ましい。
重量平均分子量の制御方法については公知の方法で制御できる。具体的には、一般に重合反応するときのモノマー濃度が高いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にあり、重合開始剤量の量が少ないほど、又、重合温度が低いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にある。
多官能性エポキシ化合物の含有量は、300%モジュラス値が50〜350mN/mmとなる範囲であればよいが、特に前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部に対して、0.05〜3 重量部であることが好ましく、0.1〜2.5重量部であることがより好ましい。更には、0.15〜2.0重量部がより好ましい。多官能性エポキシ化合物の含有量が上記範囲であると、架橋密度が適度な密度となり、糊残りしにくく、且つ、十分な接着力、耐荷重性を有する粘着剤となる。
上記、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量と多官能性エポキシ化合物の含有量の範囲の中でも、特に粘着剤の引っ張り速度30mm/minでの引っ張り試験によって得られる23℃における300%モジュラス値が50〜350mN/mmとなる範囲の値が好ましく、さらに好ましくは80〜300mN/mm、さらに好ましくは100〜280mN/mmが良い。300%モジュラスが50〜350mN/mmであると、十分な接着性と、耐荷重性を有し、且つ、剥離時の糊残りも少なくなり、好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と多官能性エポキシ化合物との反応生成物を得るための反応は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体溶液と多官能性エポキシ化合物溶液を秤量し、均一に混ざるように混合・攪拌し、溶剤を加熱乾燥除去した後に、加温することで迅速に進行する。
また、粘着剤組成物には、上記の反応生成物以外に、必要に応じて、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線安定剤などの従来公知の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種類または2種以上を使用することが可能である。ただし、所望する物性が得られるように、添加量は適時設定することが好ましい。
本発明のペリクルは、例えば以下の方法で好適に製造することができる。
第一に、上述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体溶液と多官能性エポキシ化合物溶液とを混合し粘着剤前駆体組成物を得る。この場合、所定の厚み・幅のマスク粘着剤層を塗布するために、粘着剤前駆体組成物をさらに溶媒で希釈し、溶液濃度(粘度)を調整する。希釈のための溶媒は、溶解性、蒸発速度などの観点から選ばれる。好ましい溶媒の具体例としては、アセトン、酢酸エチル、トルエンがあげられるが、これらに限定されるものではない。
第二に、該粘着剤前駆体組成物を、一端面に接着されたペリクル膜を有するペリクル枠の他端面に塗布する。塗布方法は、特に限定されるものではないが、ディスペンサーを用いて塗布することが好ましい。前記粘着剤前駆体組成物中のアクリル共重合体溶液(溶媒と(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体からなる溶液をいう。)粘度については特に限定はされないが、好ましくは50P以下、より好ましくは10〜40P、さらに好ましくは20〜30P程度の粘度である(B型粘度計、25℃)。ディスペンサーでの塗布において溶媒で希釈することによって、塗布液の糸引きが少なく、安定した幅・厚みに調整することが容易となる。
第三に、塗布した粘着剤層を加熱乾燥させることにより、溶媒及び/又は残存モノマーを除去することができる。さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基と多官能エポキシ化合物とが加熱反応して架橋構造を形成すると、ペリクル枠と粘着剤組成物とが一体化し、ペリクル枠表面に密着する。
かかる乾燥温度については、溶媒および残存モノマーの沸点、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分解温度を考慮し、50〜200℃であることが好ましく、60〜190℃であることが好ましい。
乾燥、架橋後に、粘着面を保護するための離型シートを貼っても良い。離型シートは、一般的にはポリエステルなどの厚さ30〜200μm程度のフィルムを用いる。また、粘着剤から離型シートを剥がす際の剥離力が大きいと、剥がす際に粘着剤が変形する恐れがあるので、適切な剥離力になるように、粘着剤と接するフィルム表面にシリコーンやフッ素などの離型処理を行っても良い。
粘着面を保護するための離型シートを貼った後、加重をかけて、粘着剤表面を略平坦に成型しても良い。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されない。
<実施例1>
(粘着剤前駆体組成物の調整)
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体1は、周知の方法により調整した。具体的には、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチル(30重量部)を入れ、イソブチルアクリレート/ブチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルアクリレート/2、2’−アゾビスイソブチロニトリルの混合物(32重量部)を48/48/1.5/2.5/1.0の重量比で仕込み、窒素雰囲気下中、この反応溶液を60℃で8時間反応する。反応終了後、トルエン(38重量部)を添加して、不揮発分濃度32重量% のアクリル共重合体溶液を得た(重量平均分子量120万)。得られたアクリル共重合体溶液100重量部に多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、不揮発分濃度5%、トルエン溶液)を0.25重量部添加・攪拌混合し、粘着剤前駆体組成物を得た。
(粘着剤付ペリクルの作製)
その後、一端面にペリクル膜を接着したアルミ合金製のペリクル枠(外径113mm×149mm、内径109mm×145mm、高さ4.8mm)の他端面に調合した上記粘着剤組成物をディスペンサーで塗布した。これを2段階で加熱乾燥・キュア(1段階:100℃、8分;2段階:180℃、8分)して、上記粘着剤前駆体組成物からなる粘着剤層(厚み0.2mm)を形成した実施例1のペリクルを得た。ついで、シリコーン離型処理した厚さ100μmのポリエステル製保護フィルムを貼り合わせ、室温(20±3℃)にて3日間養生させ、粘着力を安定化させ、粘着剤付ペリクルを作製した。
得られた粘着剤付ペリクルについて、以下の方法で評価を実施した。
(剥離性評価)
実施例で得た粘着剤付ペリクルについて、該護フィルムを剥がして、6025クロム付きマスクブランクス基材に簡易型マウンターで荷重(30Kgf、60sec)貼付を行い、ペリクルを貼り付けた基材を得た。
ペリクルを貼り付けた基材を、室温(20±3℃)にて2時間放置後、基材を水平に固定し、ペリクルのひとつの角を引張試験機により、マスク面に対し垂直に5mm/minの速度で引き上げ、ペリクルの剥離を行った。剥離性は、各被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。
◎:糊残り面積が全体の貼付け面積の0〜5%
○:糊残り面積が全体の貼付け面積の6〜20%
×:糊残り面積が全体の貼付け面積の21〜100%
(耐荷重試験)
実施例で得た粘着剤付ペリクルについて、該護フィルムを剥がして、6025石英ブランクス基材および6025クロム付きマスクブランクス基材に簡易型マウンターで加重(30Kgf、60sec)貼付を行い、ペリクルを貼り付けた基材を得た。
ペリクルを貼り付けた基材に1.2Kgの錘をつけ室温で放置した。基材からペリクルが剥離するまでの時間を以下の基準で評価した。
◎:3日経過してもエアパスなし
○:1日経過後にペリクルが基材から落下する
×:3時間経過後にペリクルが基材から落下する
(分子量測定)
粘着剤試料を真空乾燥し、溶剤を除去した。試料に溶離液を加えて1.0mg/mLとなるように調整した。0.5ミクロンフィルターでろ過し、ろ液をGPC試料とした。GPCの測定条件は下記する。
GPC データ処理:東ソー GPC-8020
装置:東ソー HLC-8220GPC
カラム:TSKgel SuperHZN-M(4.6mmI.D.×15cm) 1本+
TSKgelSuperHZ2000(4.6mmI.D.×15cm)1本
オーブン:40℃
溶離液:0.35mL/min CHCl3
試料量:50μl(1.0mg/mL)
検出器:RI
較正曲線:ポリスチレン
(モジュラス測定)
粘着層の厚みが0.2mm、幅が1.5mmの粘着剤サンプルをオートグラフを用いてチャック間10mm、引っ張り速度30mm/min、23℃で引っ張り、そのときの力を測定した。
300%引っ張ったときの力を試料の断面積で割り、その値を300%モジュラス値とした。
<実施例2>
多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、不揮発分濃度5%、トルエン溶液)を0.15重量部に変えること以外は実施例1と同様の方法でペリクルサンプルを作製し評価した
<実施例3>
多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、不揮発分濃度5%、トルエン溶液)を1.8重量部に変えること以外は実施例1と同様の方法でペリクルサンプルを作製し評価した
<実施例4>
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体2は、周知の方法により調整した。具体的には、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチル(30重量部)を入れ、ブチルアクリレート/アクリル酸2、2’−アゾビスイソブチロニトリルの混合物(32重量部)を99/1/1.0の重量比で仕込み、窒素雰囲気下中、この反応溶液を60℃で8時間反応する。反応終了後、トルエン(38重量部)を添加して、不揮発分濃度32重量% のアクリル共重合体溶液を得た(重量平均分子量180万)。得られたアクリル共重合体溶液100重量部に多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、不揮発分濃度5%、トルエン溶液)を0.15重量部添加・攪拌混合し、粘着剤前駆体組成物を得た。以下実施例1と同様にペリクルサンプルを作製し、評価した。
<実施例5>
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体3は、周知の方法により調整した。具体的には、攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に酢酸エチル(50重量部)を入れ、ブチルアクリレート/アクリル酸/2、2’−アゾビスイソブチロニトリルの混合物(32重量部)を99/1/1.0の重量比で仕込み、窒素雰囲気下中、この反応溶液を65℃で8時間反応する。反応終了後、トルエン(18重量部)を添加して、不揮発分濃度32重量% のアクリル共重合体溶液を得た(重量平均分子量60万)。得られたアクリル共重合体溶液100重量部に多官能性エポキシ化合物(1,3−ビスN,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、不揮発分濃度5%、トルエン溶液)を0.25重量部添加・攪拌混合し、粘着剤前駆体組成物を得た。以下実施例1と同様にペリクルサンプルを作製し、評価した。
<比較例1>
多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを3.2部に変えたこと以外は実施例1と同様の方法でペリクルサンプルを作製し、評価した。
<比較例2>
多官能性エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを0.03部に変えたこと以外は実施例1と同様の方法でペリクルを作製し評価した。
<比較例3>
シリコーン粘着剤(東レダウコーニング(株)製、SD4580(商品名)不揮発分濃度40%、トルエン/キシレン溶液)100重量部に対して硬化剤(東レダウコーニング(株)製、SRX212)を0.9重量部添加し粘着剤前駆体組成物を得た。以下実施例1と同様にペリクルサンプルを作製し、評価した。
<比較例4>
スチレンエチレンブチレンスチレンのゴム系ホットメルト粘着剤を端面にペリクル膜を接着したアルミ合金製のペリクル枠(外径113mm×149mm、内径109mm×145mm、高さ4.8mm)の他端面に塗布した。以下実施例1と同様にペリクルサンプルを作製し評価した。
Figure 0005319500
本発明のペリクルは、マスクからペリクルを剥離する際に糊残りが発生しにくく、且つ、耐荷重性に優れたペリクルであるため、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等のリソグラフィー工程において好適に用いることが出来る。

Claims (5)

  1. ペリクル枠と、該ペリクル枠の一端面にペリクル膜を有し、他端面に粘着剤を有するペリクルであって、該粘着剤が、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとエポキシ基との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、多官能性エポキシ化合物との反応生成物を含み、且つ、該粘着剤の引っ張り速度30mm/minでの引っ張り試験によって得られる23℃における300%モジュラス値が50〜350mN/mmであることを特徴とするペリクル。
  2. 該粘着剤が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100重量部と多官能性エポキシ化合物0.05〜3重量部との反応生成物を含む粘着剤であること特徴とする請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記多官能性エポキシ化合物が2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のペリクル。
  4. 前記エポキシ基との反応性を有する官能基を有するモノマーとしてアクリル酸を含み、該アクリル酸の量が該(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を構成する全モノマーに対し0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のペリクル。
  5. 前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量が70万〜250万であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のペリクル。
JP2009263118A 2009-11-18 2009-11-18 ペリクル Active JP5319500B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009263118A JP5319500B2 (ja) 2009-11-18 2009-11-18 ペリクル
TW099139404A TWI579354B (zh) 2009-11-18 2010-11-16 Mask mask
CN201010552835.XA CN102073213B (zh) 2009-11-18 2010-11-17 表膜
KR1020100114269A KR101371949B1 (ko) 2009-11-18 2010-11-17 펠리클

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009263118A JP5319500B2 (ja) 2009-11-18 2009-11-18 ペリクル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011107468A JP2011107468A (ja) 2011-06-02
JP5319500B2 true JP5319500B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=44230992

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009263118A Active JP5319500B2 (ja) 2009-11-18 2009-11-18 ペリクル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5319500B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7332891B2 (ja) 2019-12-26 2023-08-24 澁谷工業株式会社 送液システムおよび送液方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6105188B2 (ja) * 2009-11-18 2017-03-29 旭化成株式会社 ペリクル
JP5785489B2 (ja) * 2011-12-27 2015-09-30 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ペリクル
JP5756744B2 (ja) * 2011-12-27 2015-07-29 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ペリクル用粘着剤組成物
JP6326059B2 (ja) * 2013-10-15 2018-05-16 旭化成株式会社 ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法
JP6543044B2 (ja) * 2015-02-23 2019-07-10 旭化成株式会社 ペリクル
JP6805495B2 (ja) * 2016-01-08 2020-12-23 大日本印刷株式会社 防塵体の剥離方法、防塵体の剥離装置
US10353283B2 (en) * 2016-07-11 2019-07-16 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Adhesive for pellicle, pellicle, and method of selecting adhesive for pellicle

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2955095B2 (ja) * 1991-12-13 1999-10-04 日東電工株式会社 表面保護フィルム用粘着剤
JP2002299378A (ja) * 2001-03-30 2002-10-11 Lintec Corp 導電体付接着シート、半導体装置製造方法および半導体装置
JP5030044B2 (ja) * 2004-11-18 2012-09-19 綜研化学株式会社 貼合用の圧着性再剥離型粘着剤組成物及びその用途
JP2006146085A (ja) * 2004-11-24 2006-06-08 Shin Etsu Chem Co Ltd 大型ペリクル
JP5114811B2 (ja) * 2007-03-07 2013-01-09 綜研化学株式会社 光学フィルム用粘着剤および粘着加工光学フィルム
WO2009051059A1 (ja) * 2007-10-19 2009-04-23 Sekisui Chemical Co., Ltd. フォトマスク保護用粘着テープ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7332891B2 (ja) 2019-12-26 2023-08-24 澁谷工業株式会社 送液システムおよび送液方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011107468A (ja) 2011-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5319500B2 (ja) ペリクル
JP5484785B2 (ja) ペリクル用粘着材組成物
JP5785489B2 (ja) ペリクル
TWI447191B (zh) 壓敏性膠黏劑組成物,偏光板和液晶顯示器
JP6105188B2 (ja) ペリクル
JP5639438B2 (ja) 感温性粘着剤
CN105683834B (zh) 表膜、带表膜的光掩模及半导体元件的制造方法
JP6430118B2 (ja) ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法
JP5756744B2 (ja) ペリクル用粘着剤組成物
KR101861931B1 (ko) 펠리클
JP5319501B2 (ja) ペリクル
JP2024014872A (ja) 樹脂
JP2020160466A (ja) ペリクル
JP2005023114A (ja) 感圧型両面接着テープ又はシート
JP7274636B2 (ja) ペリクル
TWI579354B (zh) Mask mask
JP2017090718A (ja) ペリクル
JP2005023115A (ja) 感圧型両面接着テープ又はシート
WO2023149347A1 (ja) ペリクル、露光原版、及び露光装置、並びにペリクルの作製方法、及びマスク用粘着剤層の試験方法
WO2023038139A1 (ja) ペリクル、露光原版、露光装置、及びペリクルの製造方法
JP2019131638A (ja) 粘着剤組成物、粘着シート、及び粘着剤の製造方法
WO2023149343A1 (ja) ペリクル、露光原版、及び露光装置、並びにペリクルの作製方法、及びマスク用粘着剤層の試験方法
JP2023087882A (ja) 再剥離型粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5319500

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350