JP5548109B2 - 粘着シート用基材フィルムの製造方法、粘着シート用基材フィルムおよび粘着シート - Google Patents

粘着シート用基材フィルムの製造方法、粘着シート用基材フィルムおよび粘着シート Download PDF

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Description

本発明は、半導体製品(例:半導体ウエハ)や光学製品(例:レンズ)を精密加工する工程等において、例えば当該製品を保持あるいは保護するために使用することのできる粘着シートを構成する基材フィルム(粘着シート用基材フィルム)の製造方法に関する。また本発明は、前記製造方法により得られた粘着シート用基材フィルムおよび前記基材フィルムを有する粘着シートに関する。
従来、半導体製品や光学製品の精密加工等において、例えば当該製品を保持あるいは保護するために粘着シートが使用されている。粘着シートを構成する基材フィルム(粘着シート用基材フィルム)の成形法の一つとして、溶液流延法がある。
溶液流延法は、重合体を溶媒(または分散媒)に溶解(または分散)させ、得られた溶液(または分散液)を支持体上に室温で流延して乾燥した後、形成されたフィルムを支持体から剥離して、フィルムを得る方法である。
特許文献1および2には、溶液流延法を利用して製造された基材フィルムが開示されている。特許文献1には、粘着テープに用いられる基材であって、ウレタンアクリレートオリゴマーと反応性希釈モノマーとを含む配合物を放射線硬化させて得られる基材が開示されている。特許文献2には、半導体製品保持シートの支持体に用いられる複合フィルムであって、ウレタンポリマーとラジカル重合性モノマーとを含む混合物を剥離ライナー上に塗布し、放射線を照射して塗膜を硬化させて得られる複合フィルムが開示されている。
特開平09−253964号公報 特開2003−171475号公報
近年の半導体製品の精密加工等では、その加工時に高温処理を伴うことが多い。このような高温処理時に半導体製品の保持あるいは保護を目的として従来公知の粘着シートを用いた場合、本発明者らの検討によれば粘着シートを構成する基材フィルムの質量が減少して(すなわち基材フィルムが劣化して)、粘着シート本来の性能が失われてしまうことが判明した。
半導体製品の精密加工等に対する要求が厳しくなるにつれ上記質量減少が問題となり、上記質量減少をいかに防止するかが課題となることが判明した。すなわち前記課題は従来問題視されていなかった新たな課題である。
本発明者らは上記質量減少について、基材フィルムの製造過程に着目した。従来公知の基材フィルムは、高分子量の重合体成分と低分子量のエネルギー線重合性モノマーとを含む塗布液を用いて室温下の溶液流延法により塗膜を形成し、続いてエネルギー線(例:紫外線)照射により前記塗膜を硬化させることによって製造されている。低分子量のエネルギー線重合性モノマーは、主に塗布液の粘度調整および基材フィルムの性能制御を目的として配合されている。
しかしながら、エネルギー線照射により塗膜の硬化を進めたとしても、未反応のエネルギー線重合性モノマーが基材フィルム中に残存してしまうことがある。
したがって、半導体加工時等で高温処理を伴う場合、基材フィルム中の未反応のエネルギー線重合性モノマー(さらにはその副生成物)が揮発し、アウトガスとして発生して、基材フィルムの質量が減少すると考えられる。
他方、上記溶液流延法により塗膜を形成する際に、エネルギー線重合性モノマーに代えて溶媒または分散媒を用いて塗布液を調製することも考えられる。しかしながら、前記調製法は、塗膜形成後の溶媒または分散媒の除去のための乾燥に非常に時間がかかり、現実的ではない。また乾燥が不充分である場合は、溶媒または分散媒が基材フィルム中に残存することになるため、高温環境下において上記と同様にアウトガスが発生してしまう。
本発明の課題は、高温環境下においてもアウトガスの発生が少なく、かつ粘着シート用途で使用可能な破断伸度等を有する粘着シート用基材フィルムおよびその製造方法、ならびに前記基材フィルムを有する粘着シートを提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の工程を有する粘着シート用基材フィルムの製造方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の粘着シート用基材フィルムの製造方法は、(1)エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含む塗膜形成材料を加熱して塗布液とし、前記塗布液を支持体上に流延させ、塗膜を形成する工程、および(2)前記塗膜にエネルギー線を照射する工程を有する。
前記塗膜形成材料は希釈剤を実質的に含まない材料であることが好ましく、ここで前記希釈剤とは、例えば、分子量1000以下のエネルギー線重合性モノマー、質量平均分子量1000以下であってかつ前記ウレタンアクリレートオリゴマー以外のエネルギー線重合性オリゴマー、非反応性の溶媒および分散媒、ならびに前記ウレタンアクリレートオリゴマー中に残存したその原料モノマーである。前記塗膜形成材料は更に光重合開始剤を含み、前記エネルギー線は紫外線であることが好ましい。
前記ウレタンアクリレートオリゴマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定されるポリスチレン換算の質量平均分子量は1,000〜10,000であり、質量平均分子量/数平均分子量は1.00〜2.00であることが好ましい。
前記基材フィルムの昇温前の25℃での質量をW25、昇温速度20℃/分で25℃から180℃まで昇温して180℃で60分間保持したときの質量をW180とした場合、熱質量保持率(100×W180/W25)は98.0〜100%であることが好ましい。
前記粘着シートは半導体加工用粘着シートであることが好ましい。
本発明の粘着シート用基材フィルムは、上述の粘着シート用基材フィルムの製造方法により得られる。本発明の粘着シートは、上述の製造方法により得られた基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層とを有する。
本発明によれば、高温環境下においてもアウトガスの発生が少なく、かつ粘着シート用途で使用可能な破断伸度等を有する粘着シート用基材フィルムおよびその製造方法、ならびに前記基材フィルムを有する粘着シートを提供することができる。
本発明では、エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含む塗膜形成材料を加熱することによってその粘度を低減させ塗布液となし、前記塗布液を支持体上に流延させる。このため、塗膜形成材料の調製時に希釈剤(例:エネルギー線重合性モノマー、溶媒)を多量に配合してその粘度を低減させる必要がない。したがって、高温環境下においても、残存した希釈剤に起因するアウトガスの発生が少ない基材フィルムが得られる。また本発明では、アウトガスの発生を防ぐことができるので、周辺の装置等の汚染を低減することができる。更に本発明では、高分子量のエネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることができるので、充分な破断伸度等を有する基材フィルムが得られる。
以下、本発明の粘着シート用基材フィルムの製造方法、前記製造方法により得られた粘着シート用基材フィルム、および前記製造方法により得られた基材フィルムを有する粘着シートについて説明する。
〔粘着シート用基材フィルムの製造方法〕
本発明の粘着シート用基材フィルムの製造方法は、(1)エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含む塗膜形成材料を加熱して塗布液とし、前記塗布液を支持体上に流延させ、塗膜を形成する工程、および(2)前記塗膜にエネルギー線を照射する工程を有する。
〈工程(1)〉
工程(1)では、エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含む塗膜形成材料を調製し、前記材料を加熱してなる塗布液を支持体上に流延させ、塗膜を形成する。
塗膜形成材料の加熱温度は、室温を上回る温度であり、通常40〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは60〜100℃である。このように塗膜形成材料を加熱して塗布液とし、加熱された状態で塗布液を支持体上に流延させることにより、すなわち「加熱流延法」を採用することにより、粘度の低減を目的とする低分子量の希釈剤の使用を抑制できる。
塗膜形成材料の加熱方法は特に限定されないが、電気温調、水温調、蒸気温調、油温調などの方法が挙げられる。塗布装置としては、加熱供給部および塗布部を有する塗布装置等を用いることができる。例えば、塗膜形成材料を加熱供給部に供給し、前記供給部で前記材料を加熱して塗工に適した粘度の塗布液に調製し、続いて塗布部において当該塗布部も加熱された状態で前記塗布液を支持体上に流延する方法が挙げられる。このように塗布装置も上記温度範囲で加熱することが好ましい。
上記加熱温度における塗布液の粘度は、塗布液を支持体上に流延することができれば特に限定されない。上記加熱により塗布液の粘度を、500〜20,000mPa・sに調整することが好ましく、1,000〜10,000mPa・sに調整することがより好ましく、1,500〜5,000mPa・sに調整することが更に好ましい。粘度が高すぎると、支持体上に安定に塗布液を流延することができないことがある。粘度が低すぎると、基材フィルムの厚みや平坦性の制御が困難になることがある。塗布液の粘度は、粘弾性測定装置(例えばPaar Physica社製、製品名「Physica MCR300 Rheometer」)により測定される。
塗布部の塗布手段としては特に限定されず、例えば、ロールナイフコーター、リップコーター、ダイコーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、ロールコーターを用いることができる。これらの中でも、精度よく基材フィルムの厚みを制御できることから、ダイコーターが好ましい。塗布液の塗工量は、最終的に得られる基材フィルムの膜厚に応じて決定される。
−塗膜形成材料−
塗膜形成材料は、エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーの他、光重合開始剤を含むことが好ましく、得られる基材フィルムの用途に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
《エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマー》
エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマー(以下「ウレタンアクリレート(A)」ともいう。)は、(メタ)アクリロイル基とウレタン結合とを有するオリゴマー化合物である。「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称であり、「(メタ)アクリレート」についても同様である。
ウレタンアクリレート(A)は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するため、エネルギー線照射により重合硬化して皮膜を形成する。ウレタンアクリレート(A)として分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーを用いると、基材フィルムのタックを抑制することができる。
ウレタンアクリレート(A)は、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオール化合物とを反応させることにより得られる。
一例として、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレートや、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させて得られる末端ヒドロキシル基含有ウレタンプレポリマーに、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタンアクリレートが挙げられる。ウレタンアクリレート(A)の好ましい一例としては、2官能性の脂肪族ウレタンアクリレートが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどのジイソシアネートが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、アルキレン型、ポリカーボネート型、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールなどが挙げられる。
ウレタンアクリレート(A)としては、製品を用いることもできる。例えば、CN9893、CN964、CN9001、CN9788、CN9783、PRO35025、PRO35028、PRO35108(以上、サートマー社製)が挙げられる。
ウレタンアクリレート(A)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタンアクリレート(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は、通常1,000〜10,000、好ましくは2,500〜8,000、より好ましくは4,000〜7,000である。Mwが前記下限値以上であると基材フィルムにおいて充分な破断伸度が得られ、Mwが前記上限値以下であると塗布液において流延に最適な粘度が発現できる。ウレタンアクリレート(A)のMwおよび後述するMw/Mnの測定条件は実施例に記載のとおりである。
ウレタンアクリレート(A)の40℃での粘度は、通常500〜4,000,000mPa・s、好ましくは1,000〜1,000,000mPa・s、より好ましくは2,000〜500,000mPa・sである。ウレタンアクリレート(A)の粘度は、粘弾性測定装置(例えばPaar Physica社製、製品名「Physica MCR300 Rheometer」)により測定される。
従来、ウレタンアクリレート(A)の質量平均分子量が高く、塗布液の粘度が大きくなると、室温での塗工が困難となるため、低分子量の希釈剤を用いてウレタンアクリレート(A)を希釈する必要があった。しかしながら、このような「溶液流延法」では得られる基材フィルム中に希釈剤が残存してしまい、残存した希釈剤が高温環境下におけるアウトガスの原因になると考えられる。
本発明では、塗膜形成材料を加熱して粘度を低減させて塗布液となし、加熱された状態で塗布液を支持体上に流延させるため、すなわち「加熱流延法」を用いるため、低分子量の希釈剤を特に必要としない。したがって、高温環境下におけるアウトガスの発生を抑制することができる。
また本発明では、室温での溶液流延法では塗工が困難であった、高分子量のウレタンアクリレート(A)を含む高粘度の塗膜形成材料も、(加熱して粘度を低減させることにより)塗工することが可能である。したがって、破断伸度等に優れた基材フィルムを得ることができる。
ウレタンアクリレート(A)の質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、通常1.00〜2.00、好ましくは1.10〜1.80、より好ましくは1.20〜1.60である。Mwが上記範囲にあり、かつMw/Mnが前記範囲にあるウレタンアクリレート(A)では、低重合度の成分が少ないため、よりアウトガスの発生を抑制することができる。
《光重合開始剤》
塗膜形成材料には、光重合開始剤(以下「光重合開始剤(B)」ともいう。)を含有させてもよい。光重合開始剤(B)を用いることにより、ウレタンアクリレート(A)の重合硬化に必要なエネルギー線の照射量および照射時間を少なくすることができる。
光重合開始剤(B)としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、2−クロールアンスラキノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れ、アウトガスの要因となりにくいことから、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤(B)は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(B)は、塗膜形成材料中のウレタンアクリレート(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜4.0質量部、より好ましくは0.05〜2.0質量部、更に好ましくは0.1〜1.0質量部の割合で用いることができる。
《添加剤》
塗膜形成材料には、得られる基材フィルムの用途に応じてその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤が挙げられる。これらの添加剤のうち、高温処理環境下において基材フィルムの劣化の原因となり得る低分子量成分は、使用を低減することが好ましい。
《希釈剤》
低分子量の希釈剤は高温環境下におけるアウトガスの原因となり得る。このため、塗布液は低分子量の希釈剤を実質的に含まないことが好ましく、したがって塗膜形成材料は低分子量の希釈剤を実質的に含まないことが好ましい。
塗膜形成材料(あるいは塗布液)が希釈剤を「実質的に含まない」とは、塗膜形成材料(あるいは塗布液)には粘度低減等を目的とした希釈剤が多量に配合されていないことを意味する。特に、塗膜形成材料(あるいは塗布液)には希釈剤が添加剤として外部より配合されないことが好ましい。他方、ウレタンアクリレート(A)の製品中に残存した希釈剤やウレタンアクリレート(A)の合成時に不可避的に残存した希釈剤は、塗膜形成材料(あるいは塗布液)中に含まれていてもよい。例えば塗膜形成材料(あるいは塗布液)中の希釈剤の含有量は、前記残存した成分等も考慮すれば、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、塗膜形成材料中には希釈剤は含まれないことが特に好ましい。
塗膜形成材料(あるいは塗布液)中に含有されないことが好ましい希釈剤としては、例えば、(1)分子量1000以下のエネルギー線重合性モノマー、(2)質量平均分子量1000以下であってかつウレタンアクリレート(A)以外のエネルギー線重合性オリゴマー、(3)非反応性(非重合性)の溶媒または分散媒、(4)ウレタンアクリレート(A)中に残存したウレタンアクリレート(A)の原料モノマー(未反応モノマー)、すなわち成分(A)の製造過程の精製工程で排除しきれなかった原料モノマー(未反応モノマー)が挙げられる。
上記エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンアクリレート、スチレンおよびその誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸のモノまたはジエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、モルホリンアクリレート、イミドアクリレート、p−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、o−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、m−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、オリゴエステルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが挙げられる。
上記非反応性の溶媒または分散媒としては、例えば、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、エチルベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノール、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、イソブチルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、2−メトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラヒドロフラン,ジクロロメタン、パークロロエチレン、四塩化炭素、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
上記ウレタンアクリレート(A)中に残存した未反応モノマー(成分(A)の原料モノマー)としては、例えば、上述のポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物が挙げられる。なお、上述のヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートは、上記(1)のエネルギー線重合性モノマーに分類される。
アウトガスの抑制を考慮すれば、上記(質量平均)分子量を超える、低分子量成分の配合も避けることが好ましい。したがって、低分子量の希釈剤としては、(1’)分子量が好ましくは2500以下、より好ましくは4000以下のエネルギー線重合性モノマー、(2’)質量平均分子量が好ましくは2500以下、より好ましくは4000以下であってかつウレタンアクリレート(A)以外の上記エネルギー線重合性オリゴマーを挙げることができる。
上記(質量平均)分子量の希釈剤を塗膜形成材料(あるいは塗布液)に実質的に配合しないことによって、よりアウトガスの発生を抑制することができる。同様の理由で、質量平均分子量1000未満のウレタンアクリレート(A)を塗膜形成材料(あるいは塗布液)に別途配合することは、好ましくないことがある。
上記エネルギー線重合性オリゴマーの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(実施例に記載の〔試験4〕と同様である。)により測定されるポリスチレン換算の値である。
−支持体−
支持体としては、例えば、透明樹脂からなるフィルム等のプラスチックフィルムや、金属ベルトを用いることができる。前記透明樹脂は、基材フィルムと支持体とが接着しないか、あるいは接着してもその接着力が小さく基材フィルムを支持体から容易に剥離できる、易剥離性の支持体を形成可能な透明樹脂であれば特に限定されない。
透明樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に安価で入手が容易であるポリエスエル樹脂(例:ポリエチレンテレフタレートフィルム)が好ましい。
〈工程(2)〉
工程(2)は、上記塗膜にエネルギー線を照射する工程である。エネルギー線照射のタイミングは特に限定されない。例えば、塗膜形成直後で塗膜が加熱された状態にあるときにエネルギー線を照射してもよく、塗膜形成後に塗膜をしばらく放置した後(放熱後)にエネルギー線を照射してもよい。上記塗膜を硬化することにより、支持体上に基材フィルムを形成することができる。
エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線が挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。エネルギー線の照射条件は、ウレタンアクリレート(A)を硬化できれば特に限定されない。
本発明では、支持体から基材フィルムをきれいに剥離するために、例えば、上記塗膜に紫外線照射を行うことにより硬化膜を形成し、得られた硬化膜上に剥離フィルム等をラミネートした後に、上記硬化膜に紫外線照射を更に行うことにより基材フィルムを形成し、続いて支持体から基材フィルムを剥離することによって、製品としての基材フィルムを得ることができる。
〔粘着シート用基材フィルム〕
本発明の粘着シート用基材フィルムは、上記製造方法により得られる。
本発明の基材フィルムの厚みは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、通常25〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは80〜300μmである。
基材フィルムは、無色であっても着色されていてもよい。また、透明でも不透明でもよい。粘着シートを構成する粘着剤層が紫外線硬化型である場合は、粘着剤層を硬化させるために照射される紫外線の波長に対して基材フィルムは透過性を有することが好ましい。
本発明の基材フィルムの熱質量保持率は、好ましくは98.0〜100%、より好ましくは98.5〜100%である。熱質量保持率は、基材フィルムの昇温前の25℃での質量をW25、昇温速度20℃/分で25℃から180℃まで昇温して180℃で60分間保持したときの質量をW180とした場合、100×W180/W25にて定義される。熱質量保持率をより高めるためには、例えば、塗膜形成材料中の低分子量成分を可能な限り低減させる、光重合開始剤(B)の含有量を可能な限り低減させる、吸水性を低下させる、塗膜形成後の紫外線照射によって生成する副反応生成物を抑制する等の手段が挙げられる。
本発明の基材フィルムは、熱質量保持率が通常は上記範囲にあり、高温環境下においてもアウトガスの発生が少ないため、耐熱性に優れるとともに、周辺の装置等の汚染を低減することができる。
本発明の基材フィルムの引張弾性率は、好ましくは50〜2,500MPa、より好ましくは80〜1,000MPaである。例えば、ウレタンアクリレート(A)を構成するポリオールおよびポリイソシアネートのモル配合比率を調整する、ポリオール、ポリイソシネネート、およびヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートの種類や分子骨格を変更することにより、引張弾性率を前記範囲に調整することができる。
引張弾性率が上記範囲を下回る場合、フィルムを製造する際に、フィルムが柔軟であるためにシワ、ヨレのような外観不良が発生しやすく、粘着シートとしてラミネートする際にもフィルムが引っ張られることで伸びやすくなり、ハンドリング性が悪くなることがある。またフィルムをカッターで裁断する際に、裁断部分で部分的な引延しが発生するために、断面に毛羽立ち等の外観不良が発生しやすくなることがある。
引張弾性率が上記範囲を上回る場合、例えば基材フィルムの厚みが100μm以上のときはロール状のテープにすることが困難となることがあり、さらに凹凸を有する被着体にテープを貼り付けたときに、基材フィルムの剛性によって、テープを貼り付けた被着体から浮きや剥がれが発生しやすくなることがある。
本発明の基材フィルムの破断伸度は、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。例えば高分子量のウレタンアクリレート(A)を用いることにより、破断伸度を前記範囲に調整することができる。判断伸度が前記値以上の場合、基材フィルムは良好なエキスパンド適性を有し、特に半導体用途におけるエキスパンド工程において有用である。
本発明の基材フィルムは、高温環境下における劣化が少ないとともに、上記範囲の引張弾性率や破断伸度等を通常有しているので、半導体加工用テープのプロセス材料として特に優れている。
本発明の基材フィルムのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは25℃以上、より好ましくは30〜80℃である。Tgが前記範囲にあれば、基材フィルムとして適切な剛性が発現する。Tgが前記下限値未満であると、基材フィルムの粘着性が高くなり、ハンドリング性が悪くなることがある。Tgが80℃を超えると、基材フィルムの剛性が増すため、特に小径の芯でロール状に基材フィルムを巻き取る際に、巻き跡が残る等の外観不良が発生することがある。
これら物性の測定条件は実施例に記載のとおりである。
〔粘着シート〕
本発明の粘着シートは、上記粘着シート用基材フィルムの製造方法により得られた基材フィルムと、前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層とを有する。
粘着剤層を形成する粘着剤は、例えば、アクリル粘着剤、ゴム粘着剤、シリコーン粘着剤、ポリビニルエーテル粘着剤が挙げられる。また、エネルギー線硬化型、加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤を挙げることもできる。これらの中でも、エネルギー線硬化型(例:紫外線硬化、電子線硬化)の粘着剤が好ましく、紫外線硬化型の粘着剤がより好ましい。
エネルギー線硬化型の粘着剤を用いることによって、(1)粘着シートが半導体製品や光学製品等に貼付された状態では確実に当該製品を保持あるいは保護でき、(2)粘着シートを剥離する際にはエネルギー線を照射して粘着シートの粘着力を低下させることにより、当該製品にダメージを与えずにかつ粘着剤を残すことなく、粘着シートを当該製品から剥離することができる。
エネルギー線硬化型の粘着剤は、主としてエネルギー線硬化型樹脂とアクリル共重合体とを含み、必要に応じて架橋剤、光重合開始剤等を含む。アクリル共重合体としては、側鎖にエネルギー線重合性基を有するアクリル共重合体を用いてもよい。
粘着シートは、上述の基材フィルム上に、粘着剤をロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどの公知の手法により、適宜の厚みで塗工、乾燥させて粘着剤層を形成し、次いで必要に応じ粘着剤層上に剥離シートを貼り合わせることによって得られる。
基材フィルムの上面、すなわち粘着剤層が設けられる側の面には、基材フィルムと粘着剤層との密着性を向上させるために、プラズマ処理やコロナ処理を施してもよく、あるいはプライマー等の他の層を積層してもよい。
基材フィルムの厚みは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、通常25〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは80〜300μmである。粘着剤層の厚みは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、通常5〜100μm、好ましくは10〜70μmである。
本発明の粘着シートは、半導体製品(例:半導体ウエハ)や光学製品(例:レンズ)を保持・加工する際に使用することができ、特に半導体加工用粘着シートとして好適である。例えば、半導体ウエハのバックグラインド工程でウエハの回路面を保護するために回路面に貼付される粘着シート、ダイシング工程やエキスパンディング工程でウエハ裏面に貼付される粘着シート、ダイシング・ダイボンディング兼用シート、その他精密部品加工時の保護材料として用いることができる。
以下、実施例をもとに本発明を更に詳細に説明する。
〔試験1〕基材フィルムの熱質量保持率の測定
熱分析装置((株)島津製作所製:DTG60)を使用して、試験片(実施例・比較例で得られた基材フィルム)を昇温速度20℃/分で25℃から180℃まで昇温し、180℃で60分間保持した。試験片の昇温前の25℃での質量W25、および前記保持直後での質量W180から、熱質量保持率(100×W180/W25)を算出した。
〔試験2〕基材フィルムの引張弾性率および破断伸度の測定
幅15mm、長さ140mmおよび厚み100μmを有する試験片(実施例・比較例で得られた基材フィルム)の両端20mm部分に試験片引張用の止め具を貼付し、JIS K7161:1994およびJIS K7127:1999に準拠し、万能試験機((株)島津製作所製:オートグラフAG−IS 500N)を使用して、前記試験片の止め具部分をセットし、温度23℃にて基材フィルムの引張弾性率および破断伸度を測定した。なお、破断伸度は試験片が降伏点を持たない場合には引張破壊ひずみの値とし、降伏点を持つ場合には引張破壊呼びひずみの値とした。
〔試験3〕基材フィルムのガラス転移温度の測定
動的粘弾性自動測定器(オリエンテック社製、製品名「レオバイブロンDDV−II−EP」)を用いて、試験片(実施例・比較例で得られた基材フィルム)に対して測定周波数11Hzにて−50〜200℃の範囲で1℃ずつ昇温した際の粘弾性測定を行った。貯蔵弾性率と損失弾性率との比(損失弾性率/貯蔵弾性率)であるtanδのピークトップの温度を基材フィルムのガラス転移温度(Tg)とした。
〔試験4〕質量平均分子量および分子量分布の測定
ウレタンアクリレート(A)の質量平均分子量(Mw)および分子量分布(質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は、標準ポリスチレン換算値とし、以下の装置および条件にて測定した。
・装置名:HLC−8220GPC、東ソー(株)製
・カラム:TSKgelGMHXL、TSKgelGMHXLおよびTSKgel2000HXLをこの順で連結したもの
・溶媒:テトラヒドロフラン
・測定温度:40℃
・流速:1ml/分
・検出器:示差屈折計
[実施例1]
ウレタンアクリレート(A)として末端に反応性二重結合を有する2官能性の脂肪族ウレタンアクリレート(サートマー社製、製品名「CN9893」)100質量部に、光重合開始剤(B)としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(BASF社製、製品名「Darocure TPO」、固形分濃度100%)を0.5質量部配合して、常温ワックス状の塗膜形成材料を得た。
上記塗膜形成材料を電気温調により100℃に加熱して粘度を低下させて塗布液(100℃における粘度:2,160mPa・s)とし、予め100℃に加熱されたダイコーターを使用して、支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、製品名「T−100」、厚み38μm)上に塗膜の厚みが100μmとなるように前記塗布液を流延させた。
流延直後の塗膜に紫外線を照射して塗膜を硬化させた。紫外線照射直後の硬化膜上に剥離フィルム(リンテック(株)製、製品名「SP−PET381031C」、厚み38μm)の剥離面をラミネートした。なお、紫外線照射装置として、ベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィクス(株)製、製品名「ECS−401GX」、場合によってはユニット式UV装置に置換え)を使用した。紫外線の照射条件としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィクス(株)製、製品名「H04−L41」)を使用し、紫外線ランプ高さ:150mm、紫外線ランプ出力:3kw(換算出力120mW/cm)、光線波長365nmの照度:271mW/cm2、光量:177mJ/cm2とした。光量の測定は、紫外線光量計((株)オーク製作所製、製品名「UV−351」)を使用した。
次いで、上記紫外線照射装置および高圧水銀ランプを使用して、紫外線の照射条件を紫外線ランプ高さ:150mm、紫外線ランプ出力:3kw、光線波長365nmの照度:271mW/cm2、光量:600mJ/cm2(上記紫外線光量計にて光量を測定)とし、剥離フィルム側から上記硬化膜に紫外線を2回照射して、基材フィルムを得た。
なお、紫外線の総光量は1377mJ/cm2であった。
[実施例2〜5]
実施例1において、表2に記載の種類・量(単位:質量部)のウレタンアクリレート(A)および光重合開始剤(B)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、基材フィルムを得た。
[比較例1]
ウレタンアクリレート(A)として上記製品「CN9893」50質量部に、希釈剤として2−フェノキシエチルアクリレート(サートマー社製、製品名「SR339A」、分子量192)を50質量部配合し、更に光重合開始剤(B)として上記製品「Darocure TPO」を0.5質量部配合して、常温液体の塗膜形成材料(25℃における粘度:2,300mPa・s)を得た。
上記塗膜形成材料を、ダイコーターで25℃にて支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、製品名「T−100」、厚み38μm)上に塗膜の厚みが100μmとなるように流延させた。
紫外線照射装置としてベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィクス(株)製、製品名「ECS−401GX」)を使用し、実施例1と同様の工程・装置条件で紫外線照射を行い、基材フィルムを得た。
[比較例2〜5]
比較例1において、表2に記載の種類・量(単位:質量部)のウレタンアクリレート(A)、光重合開始剤(B)および希釈剤を用いたこと以外は比較例1と同様にして、基材フィルムを得た。
[比較例6]
実施例1において、常温ワックス状の塗膜形成材料をそのまま塗布液(25℃における粘度:23,434Pa・s)として用い、ダイコーターで25℃にて上記支持体上に流延させようとしたが、当該温度では流動化せず、塗布することができなかった。
実施例および比較例で使用した各成分の詳細を以下に示す。
2官能性の脂肪族ウレタンアクリレート(サートマー社製)※
Figure 0005548109
※不純物(溶媒や重合禁止剤等)の含有量は1質量%未満である。
希釈剤(サートマー社製)
・2−フェノキシエチルアクリレート(製品名「SR339A」、分子量192)
・3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート
(製品名「CD420」、分子量196)
・イソオクチルアクリレート(製品名「SR440」、分子量184)
・イソデシルアクリレート(製品名「SR395」、分子量212)
光重合開始剤(BASF社製)
・ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド
(製品名「Darocure TPO」、固形分濃度100%)
実施例および比較例の評価結果を表2に示す。比較例1〜5の基材フィルムは熱質量保持率が98.0%未満であった。比較例6では常温ワックス状の塗膜形成材料であるため流動化せず、塗布することができなかった。一方、実施例の基材フィルムは98.0%以上の熱質量保持率を有している。近年の精密加工に対する要求が厳しくなっていることを考慮すれば、この差は極めて価値がある。
また、実施例の基材フィルムは上記のように熱質量保持率が高いため、当該基材フィルムを有する粘着シートも従来公知の粘着シートより熱質量保持率が高い。したがって本発明の粘着シートは、特に半導体製品の保持あるいは保護を高温下で行う際に有用である。
Figure 0005548109

Claims (7)

  1. (1)エネルギー線重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含む塗膜形成材料を加熱して塗布液とし、前記塗布液を支持体上に流延させ、塗膜を形成する工程、および
    (2)前記塗膜にエネルギー線を照射する工程
    を有し、
    前記塗膜形成材料が希釈剤を実質的に含まない材料であり、
    前記希釈剤とは、分子量1000以下のエネルギー線重合性モノマー、質量平均分子量1000以下であってかつ前記ウレタンアクリレートオリゴマー以外のエネルギー線重合性オリゴマー、非反応性の溶媒および分散媒、ならびに前記ウレタンアクリレートオリゴマー中に残存したその原料モノマーである、
    粘着シート用基材フィルムの製造方法。
  2. 前記塗膜形成材料が更に光重合開始剤を含み、
    前記エネルギー線が紫外線である、
    請求項1に記載の粘着シート用基材フィルムの製造方法。
  3. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定されるポリスチレン換算の質量平均分子量が1,000〜10,000であり、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの質量平均分子量/数平均分子量が1.00〜2.00である、請求項1または2に記載の粘着シート用基材フィルムの製造方法。
  4. 前記基材フィルムの昇温前の25℃での質量をW25、昇温速度20℃/分で25℃から180℃まで昇温して180℃で60分間保持したときの質量をW180とした場合、熱質量保持率(100×W180/W25)が98.0〜100%である、請求項1〜の何れか一項に記載の粘着シート用基材フィルムの製造方法。
  5. 前記粘着シートが半導体加工用粘着シートである、請求項1〜の何れか一項に記載の粘着シート用基材フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の粘着シート用基材フィルムの製造方法により得られた粘着シート用基材フィルム。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の製造方法により得られた基材フィルムと、
    前記基材フィルム上に設けられた粘着剤層と
    を有する粘着シート。
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