JP2015156438A - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

半導体チップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015156438A
JP2015156438A JP2014030805A JP2014030805A JP2015156438A JP 2015156438 A JP2015156438 A JP 2015156438A JP 2014030805 A JP2014030805 A JP 2014030805A JP 2014030805 A JP2014030805 A JP 2014030805A JP 2015156438 A JP2015156438 A JP 2015156438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor chip
adhesive sheet
resin composition
curable resin
sensitive adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014030805A
Other languages
English (en)
Inventor
泰史 藤本
Yasushi Fujimoto
泰史 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2014030805A priority Critical patent/JP2015156438A/ja
Publication of JP2015156438A publication Critical patent/JP2015156438A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】ダイシング後の分割チップに対して加熱しつつプロービング検査を行っても、工程上の不具合を生じさせることなく、半導体チップを製造できるようにする。
【解決手段】本発明の半導体チップの製造方法は、基材と該基材の上に設けられた粘着剤層とを備える粘着シートを、前記粘着剤層を介して半導体ウエハに貼付する貼付工程と、半導体ウエハを、ダイシングして複数の半導体チップに個片化するダイシング工程と、前記粘着シートを80℃以上に加熱しつつ、前記粘着シート上の半導体チップにプローブを接触させて検査するプローブ検査工程と、前記半導体チップが設けられた前記粘着シートを延伸する延伸工程とを備え、前記基材が、硬化性樹脂組成物の硬化物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハから個々の半導体チップへと分割された(個片化された)半導体チップに対してプローブを接触させて検査するプローブ検査工程を含む半導体チップの製造方法に関する。
従来、半導体製造プロセスにおいては、半導体ウエハ上に形成された多数のデバイスの電気特性が確認されるために、プロービング検査が行われている。プロービング検査は、従来、半導体チップに個片化される前のウエハに対して行われるのが一般的であった。
一方で、近年、自動車やスマートフォン等のコンシューマ製品には数多くの半導体チップが搭載されるようになってきており、半導体チップの不良率は最終製品のコストや品質に大きく影響を与えるようになってきている。特に、アプリケーションプロセッサーや車載用パワーデバイスで使用される半導体チップでは、不良率の低下が求められている。
しかし、半導体チップに個片化される前のウエハに対してプロービング検査が行われると、ダイシングやグラインド工程においてデバイスに不良が生じても、そのデバイスは不良と判定されずに最終製品に搭載されることとなり、不良率を十分に低下することができない。
そこで、近年、不良率をより低減させることを目的として、ダイシング後の分割チップにおいてプロービング検査を行う方法が行われるようになってきている(例えば、特許文献1〜3参照)。ダイシング後の分割チップに対してプロービング検査を行う場合、例えば、吸着テーブルに保持されたダイシングシート上の半導体チップに対して検査を行うことが知られている。
また、従来、ウエハの厚さを調整する裏面研削に先立ってダイシングを行う、先ダイシング法が知られている。先ダイシング法は、ダイシングによりウエハ表面から切り込み溝を形成しておき、その後、少なくとも切り込み溝の底面に達するように裏面を研削し、裏面研削により厚さ調整と半導体ウエハのチップへの分離を同時に行うものである。
特開2013−115217号公報 特開2011−071149号公報 特開2007−19237号公報
ところで、近年、広い温度範囲にわたる電気特性を確認するために、半導体チップを加熱してプロービング検査を行うことが考えられている。そのため、ダイシング後の分割チップに対してプロービング検査を行う場合、例えば、吸着テーブルを加熱しつつプロービング検査を行うことになり、ダイシングシートが高温下に晒されることになる。しかし、ダイシングシートは、高温下に晒されると、溶融または軟化して吸着テーブルに固着し、工程上の不具合が生じることがある。
また、先ダイシング法では、分離された複数の半導体チップが転写シートに転写され、その転写シート上の複数の半導体チップに対して、プロービング検査を行うことが検討されている。しかし、転写シートも同様に、検査時に高温下に晒されると、溶融または軟化して吸着テーブルに固着し、工程上の不具合が生じるおそれがある。
さらに、ダイシングシート及び転写シートは、半導体チップをピックアップする前に、エキスパンド(延伸)する必要があるため、エキスパンドしても破断しない特性のものが求められている。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、個片化した半導体チップに対して加熱しつつプロービング検査を行っても、工程上の不具合を生じることがなく、半導体チップを製造できる半導体チップの製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ダイシングシート又は転写シート等を構成する粘着シートの基材として、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものを使用することで、粘着シートが延伸時に破断したり、プロービング検査工程において軟化又は溶融したりする等の工程上の不具合が生じることなく、半導体チップを製造できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
(1)基材と該基材の上に設けられた粘着剤層とを備える粘着シートを、前記粘着剤層を介して半導体ウエハ又は個片化された複数の半導体チップに貼付する貼付工程と、
半導体ウエハを、ダイシングして複数の半導体チップに個片化するダイシング工程と、
前記粘着シートを80℃以上に加熱しつつ、前記粘着シート上の個片化された半導体チップにプローブを接触させて検査するプローブ検査工程と、
前記複数の半導体チップが設けられた前記粘着シートを延伸する延伸工程とを備え、
前記基材が、硬化性樹脂組成物の硬化物である半導体チップの製造方法。
(2)前記硬化性樹脂組成物が、エネルギー線硬化型樹脂組成物である上記(1)に記載の半導体チップの製造方法。
(3)前記硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する上記(2)に記載の半導体チップの製造方法。
(4)前記基材が融点を有さない上記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
(5)前記硬化性樹脂組成物が、エネルギー線重合性モノマーを含有しない上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
(6)前記基材が、前記硬化性樹脂組成物を加熱して塗布液とし、その塗布液を支持体上に流延させて塗膜を形成し、その塗膜を硬化することで形成したものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
(7)前記粘着シートが、前記基材の前記粘着剤層が設けられた面とは反対側の面に設けられるトップコート層を備え、該トップコート層が、前記硬化性樹脂組成物とは異なる組成を有する第2の硬化性樹脂組成物の硬化物である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
(8)前記プローブ検査工程において、前記粘着シートをテーブル上に配置して、前記粘着シート及び半導体チップが前記テーブルによって加熱される上記(1)〜(8)のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
本発明では、ダイシング後の分割チップに対して加熱しつつプロービング検査を行っても、工程上の不具合を生じさせることなく、半導体チップを製造できる。
半導体ウエハに貼付された粘着シートを示す模式的な断面図である。 半導体ウエハをダイシングして半導体チップに個片化した状態を示す模式的な断面図である。 プローブ検査工程における粘着シートを示す模式的な断面図である。 先ダイシング法において、ダイシングされた半導体ウエハを表面保護シートに貼付した状態を示す模式的な断面図である。 先ダイシング法において、裏面研削により半導体ウエハが分離された状態を示す模式的な断面図である。 先ダイシング法において、複数のチップが転写シート(粘着シート)に転写されるときの状態を示す模式的な断面図である。
以下の記載において、「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されるポリスチレン換算の値であり、具体的には実施例に記載の方法に基づいて測定した値である。
また、本明細書中の記載において、例えば「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
以下、本発明を実施形態を用いてさらに詳細に説明する。
[粘着シート]
本発明において使用される粘着シートは、基材と該基材の上に設けられた粘着剤層とを備える。以下、粘着シートの各部材について説明する。
<基材>
本発明の基材は、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものである。また、硬化性樹脂組成物は、紫外線等で硬化することが可能なエネルギー線硬化型樹脂組成物であることが好ましい。エネルギー線硬化型樹脂組成物は、主剤としてウレタン(メタ)アクリレート、イソプレン(メタ)アクリレート、ブタジエン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、及び重合性の官能基を側鎖に有する重合体で例示されるエネルギー線硬化性成分から選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。重合性の官能基を側鎖に有する重合体が有する重合性の官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、アルケニル基等が挙げられ、重合体の骨格としては、アクリル共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート共重合体等が挙げられる。これらのエネルギー線硬化性成分は(メタ)アクリロイル基等の重合性の官能基を有する。主剤は分子内に2つ以上の重合性の官能基を有することが好ましく、分子内に2つ以上4つ以下の重合性の官能基を有することが好ましく、分子内に2つ又は3つの重合性官能基を有することがさらに好ましい。エネルギー線硬化性成分がこのような分子構造をとると、硬化物中に三次元架橋が形成され、硬化物が融点を有しなくなる傾向がある。また、過度に架橋密度が増加することなく、後述する粘着シートの延伸工程を行うことがより容易となる。エネルギー線硬化性成分の中ではウレタン(メタ)アクリレートがさらに好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートを主剤として使用すると、基材は、タック性が低く、また、後述する製造方法において加熱されても溶融又は軟化することなく、さらには柔軟性が高いため、後述する製造方法において工程上の不具合がより生じにくくなる。硬化性樹脂組成物に含有される主剤は、通常、オリゴマーであり、重量平均分子量(Mw)が1,000以上となるものである。
(ウレタン(メタ)アクリレート)
以下、硬化性樹脂組成物がエネルギー線硬化型樹脂組成物であり、主剤としてウレタン(メタ)アクリレートを使用する場合についてより詳細に説明する。
硬化性樹脂組成物に含有されるウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基とウレタン結合とを有する化合物であって、通常、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである。ウレタン(メタ)アクリレートは、分子内に(メタ)アクリロイル基を有するため、エネルギー線照射により重合硬化して皮膜を形成する。上述したエネルギー線硬化性成分の分子構造の好ましい態様に対応して、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、分子内に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、分子内に2つ以上4つ以下の(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましく、分子内に2つ又は3つの(メタ)アクリロイル基を有することがさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの好ましい一例としては、両末端に(メタ)アクリロイル基を有する2官能性の脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価イソシアネート化合物と、ヒドロキシル基またはイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオール化合物とを反応させることにより得られる。具体的には、ポリオール化合物と多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、ポリオール化合物と多価イソシアネート化合物とを反応させて得られる末端ヒドロキシル基含有ウレタンプレポリマーに、イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを更に反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートなどの2価のジイソシアネートが挙げられる。
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。イソシアネート基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが挙げられる。
ポリオール化合物としては、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば特に限定されない。具体的なポリオール化合物としては、例えば、アルキレン型、ポリカーボネート型、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物が挙げられる。ポリオール化合物としては、2官能のジオール、3官能のトリオール、4官能以上のポリオールのいずれであってもよいが、2官能のジオールが好ましく、ポリエーテル型ジオール、ポリカーボネート型ジオールがより好ましい。また、硬化性樹脂組成物が、後述するエネルギー線重合性モノマーを含有しない場合にはポリエーテル型ジオールを使用し、エネルギー線重合性モノマーを含有する場合には、ポリカーボネート型ジオールを使用することがより好ましい。
ポリエーテル型ジオールは、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015156438
上記式(1)中、Rは、2価の炭化水素基であるが、アルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましい。炭素数1〜6のアルキレン基の中でも、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基が好ましく、プロピレン基、テトラメチレン基がより好ましい。
また、nは、アルキレンオキサイドの繰り返し単位数であり、通常、10〜250であるが、好ましくは25〜205、より好ましくは40〜185である。nが上記範囲であれば、得られるウレタン(メタ)アクリレートのウレタン結合濃度を適度にして、基材の柔軟性を高めやすくなる。
上記式(1)で表される化合物の中でも、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましく、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。
ポリエステル型ポリオールはポリオール化合物と多塩基酸成分を重縮合させることにより得られる。ポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレングリコールまたはプロピレングリコール付加物等の公知の各種グリコール類などが挙げられる。
ポリエステル型ポリオールの製造に用いられる多塩基酸成分としては、一般にポリエステルの多塩基酸成分として知られている化合物を使用することができる。
具体的な多塩基酸成分としては、例えば、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族二塩基酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の二塩基酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多塩基酸等の芳香族多塩基酸、これらに対応する無水物やその誘導体及びダイマー酸、水添ダイマー酸等が挙げられる。これらの中でも、適度の硬度を有する塗膜を形成する観点から、芳香族多塩基酸が好ましい。
ポリエステル型ポリオールを製造するためのエステル化反応には、必要に応じて各種公知の触媒を使用してもよい。当該触媒としては、例えば、ジブチルスズオキサイド、オクチル酸第一スズ等のスズ化合物、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のアルコキシチタン等が挙げられる。
ポリカーボネート型ジオールは、特に限定されないが、ポリアルキレンカーボネートジオールが例示される。ポリアルキレンカーボネートジオールは、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、又は、テトラメチレン、ペンタメチレン及びヘキサメチレンの中から選ばれる二種以上の混合アルキレン鎖を有する共重合体等で例示される炭素数4〜8程度の直鎖状アルキレン基を繰り返し単位として有するものが挙げられる。これらの中では、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、またはペンタメチレン及びヘキサメチレンからなる混合アルキレン鎖を有する共重合体で例示される炭素数5〜6の直鎖状アルキレン基を繰り返し単位として有するものがより好ましい例として挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、上記したように通常1,000以上であるが、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,500〜8,000、さらに好ましくは4,000〜7,000である。重量平均分子量(Mw)が前記下限値以上であると基材において充分な破断伸度が得られる。また、重量平均分子量(Mw)が前記上限値以下であると塗布液において、エネルギー線重合性モノマーを含有しなくても成膜に最適な粘度を発現しやすくなる。
(エネルギー線重合性モノマー)
基材を構成する硬化性樹脂組成物は、主剤に加えて、さらにエネルギー線重合性モノマーを含有していてもよいが、含有しないほうが好ましい。エネルギー線重合性モノマーを含有しないと、三次元網目構造に取り込まれない重合性モノマーの重合物に起因したアウトガスの発生を防止することができる。
エネルギー線重合性モノマーは、エネルギー線の照射により、他の成分と重合可能な化合物であり、樹脂成分を除くものである。なお、「樹脂成分」とは、構造中に繰り返し構造を有するオリゴマー又は高分子量体を指し、重量平均分子量が1,000以上の化合物を意味する。
エネルギー線重合性モノマーは、具体的には、分子内にエネルギー線重合性の二重結合を有し、分子量1000未満のものが挙げられ、好ましくは、多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの比較的嵩高いものが挙げられ、これらのなかではイソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましい。比較的嵩高い(メタ)アクリレートを使用することで、基材の柔軟性を向上させやすくなる。
硬化性樹脂組成物におけるエネルギー線重合性モノマーとしては、上記した多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートを単独で使用することが好ましいが、多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレート以外のものも使用可能である。そのようなエネルギー線重合性モノマーとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20程度のアルキル基を有する(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの単環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等、水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有する(メタ)アクリレート:ベンジルアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、o−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、m−クレゾールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート等の芳香族構造を有する(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンアクリレート、モルホリンアクリレート、イミドアクリレート等の複素環構造を有する(メタ)アクリレート;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;スチレンおよびその誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、マレイン酸のモノまたはジエステル、N,N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレート以外のエネルギー線重合性モノマーは、硬化性樹脂組成物において、多環の脂環式構造を有する(メタ)アクリレートと併用してもよいが、単独で使用してもよい。
硬化性樹脂組成物がエネルギー線重合性モノマーを含有する場合、主剤に対するエネルギー線重合性モノマーの質量比は、通常2/98〜50/50、好ましくは5/95〜45/65、さらに好ましくは10/90〜40/60である。
なお、主剤及びエネルギー線重合性モノマーの合計量は、硬化性樹脂組成物全量に対して、通常70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上含有される。
主剤およびエネルギー線重合性モノマーの混合物(エネルギー線重合性モノマーを含有しない場合は、主剤単独)の40℃における動粘度は、通常500〜4,000,000mPa・s、好ましくは1,000〜1,000,000mPa・s、より好ましくは2,000〜500,000mPa・sである。これらの40℃における動粘度を上記範囲とすることで、硬化性樹脂組成物の粘度を塗布ないし流延に最適な粘度としやすくなる。
(光重合開始剤)
硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤を用いることにより、エネルギー線硬化型樹脂組成物の重合硬化に必要なエネルギー線の照射量および照射時間を少なくすることができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、2−クロールアンスラキノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキサイドが挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れ、アウトガスの要因となりにくいことから、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイドが好ましい。
光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤は、硬化性樹脂組成物中のウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して、好ましくは0.01〜4.0質量部、より好ましくは0.05〜2.0質量部、更に好ましくは0.1〜1.0質量部の割合で用いることができる。
(添加剤)
硬化性樹脂組成物には、必要に応じてその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、老化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤が挙げられる。これらの添加剤のうち、高温処理環境下において基材の劣化の原因となり得る低分子量成分は、使用を低減することが好ましい。
本発明の基材は融点を有さないことが好ましい。基材は融点を有さないことで、後述するプローブ検査工程において加熱されても、溶融することがなく、例えばテーブルに融着することが防止される。
なお、融点を有さないとは、以下の実施例で詳述する示差走査熱量分析で融点を測定しても、熱流変化において、固体の融解による1mW以上の吸熱ピークがないことをいう。
本発明の基材は、上記硬化性樹脂組成物を成膜し、これを硬化させることで形成することができる。
硬化性樹脂組成物の成膜方法としては、例えば、「加熱流延法」が挙げられる。加熱流延法とは、硬化性樹脂組成物を加熱してなる塗布液を支持体上に流延させ、塗膜を形成する方法である。
加熱流延法は、硬化性樹脂組成物がエネルギー線重合性モノマーを含有しない場合に好ましく使用される。上記硬化性樹脂組成物がエネルギー線重合性モノマーを含有しない場合には、エネルギー線硬化性成分がエネルギー線重合性モノマーで希釈されず成膜性が低下することがあるが、加熱流延法を使用することで、そのような組成物であっても成膜が容易となる。そのため、組成物の粘度を低下させるためのエネルギー重合性モノマー等の希釈剤の量を減らし、さらには、希釈剤を実質的に含有させないようにすることができ、基材のアウトガス量を抑えることができる。
「加熱流延法」を採用する場合の硬化性樹脂組成物の加熱温度は、室温を上回る温度であり、通常40〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは60〜100℃である。
上記加熱温度における塗布液の粘度は、塗布液を支持体上に流延することができれば特に限定されない。上記加熱温度における塗布液の粘度を、500〜20,000mPa・sに調整することが好ましく、1,000〜10,000mPa・sに調整することがより好ましく、1,500〜5,000mPa・sに調整することが更に好ましい。粘度が上記上限値以下とすることで、支持体上に安定に塗布液を流延することができる。また、粘度を下限値以上とすることで、基材の厚みや平坦性の制御を容易にすることができる。塗布液の粘度は後述する実施例に記載される方法で測定されたものである。
なお、硬化性樹脂組成物の加熱方法は特に限定されないが、電気温調、水温調、蒸気温調、油温調などの方法が挙げられる。塗布装置としては、加熱供給部および塗布部を有する塗布装置等を用いることができる。例えば、硬化性樹脂組成物を加熱供給部に供給し、前記供給部で前記材料を加熱して流延に適した粘度の塗布液に調製し、続いて塗布部において当該塗布部も加熱された状態で前記塗布液を支持体上に流延する方法が挙げられる。このように塗布装置も上記温度範囲で加熱することが好ましい。
塗布部の塗布手段としては特に限定されず、例えば、ロールナイフコーター、リップコーター、ダイコーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、ロールコーターを用いることができる。これらの中でも、精度よく基材の厚みを制御できることから、ダイコーターが好ましい。
硬化性樹脂組成物がエネルギー重合性モノマーを含有する場合、硬化性樹脂組成物は粘度が低くなりやすく成膜性が良好であり、硬化性樹脂組成物の塗布方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。
また、硬化性樹脂組成物が塗布ないし流延される支持体としては、例えば、透明樹脂からなるフィルム等のプラスチックフィルムや、金属ベルトを用いることができる。前記透明樹脂は、基材と支持体とが接着しないか、あるいは接着してもその接着力が小さく基材を支持体から容易に剥離できる、易剥離性の支持体を形成可能な透明樹脂であれば特に限定されない。
透明樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂が挙げられる。これらの中でも、特に安価で入手が容易であるポリエスエル樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
支持体上に形成した塗膜の硬化は、エネルギー線硬化型の硬化性樹脂組成物である場合には、エネルギー線を照射することにより行う。エネルギー線照射のタイミングは特に限定されない。例えば、塗膜形成直後で塗膜が加熱された状態にあるときにエネルギー線を照射してもよく、塗膜形成後に塗膜をしばらく放置した後(放熱後)にエネルギー線を照射してもよい。上記塗膜を硬化することにより、支持体上に基材を形成することができる。
エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線が挙げられる。これらの中でも、紫外線が好ましい。エネルギー線の照射条件は、エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化できれば特に限定されない。
本発明では、例えば、上記塗膜に紫外線照射を行うことにより硬化膜を形成し、得られた硬化膜上に剥離フィルム等をラミネートした後に、上記硬化膜に紫外線照射を更に行うことにより硬化をさらに進めて基材を形成し、続いて支持体から基材を剥離することによって、基材を得ることができる。
<粘着剤層>
粘着剤層を形成する粘着剤は、例えば、アクリル粘着剤、ゴム粘着剤、シリコーン粘着剤、ポリビニルエーテル粘着剤が挙げられるが、これらの中ではアクリル粘着剤が好ましい。また、粘着剤としては、エネルギー線硬化型、加熱発泡型、水膨潤型ものを挙げることもでき、これらの中では、紫外線硬化型又は電子線硬化型等のエネルギー線硬化型の粘着剤が好ましく、紫外線硬化型の粘着剤がより好ましい。
エネルギー線硬化型の粘着剤を用いることによって、粘着シートが半導体ウエハや半導体チップに貼付された状態では、確実に半導体ウエハや半導体チップを保持あるいは保護できる。一方、粘着シートを剥離する際にはエネルギー線を照射して粘着剤層の粘着力を低下させることにより、半導体チップ等の被着体にダメージを与えず、また粘着剤を被着体に残すことなく、粘着シートを被着体から剥離することができる。
エネルギー線硬化型の粘着剤は、アクリル系共重合体等のベースポリマーと、エネルギー線硬化型樹脂を含む添加型のエネルギー線硬化型粘着剤であってもよいが、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーを、アクリル系共重合体等のベースポリマーとして用いたいわゆる内在型のエネルギー線硬化型粘着剤であってもよい。
なお、粘着剤は、アクリル系共重合体等のベースポリマーに加えて、さらに必要に応じて架橋剤、光重合開始剤等を含むものである。
粘着剤層は、上述の基材上に、粘着剤をロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、リバースコーターなどの公知の手法により、適宜の厚みで塗工、乾燥させて形成することができる。
基材の粘着剤層が設けられる側の面には、基材と粘着剤層との密着性を向上させるために、プラズマ処理やコロナ処理を施してもよく、あるいはプライマー等の他の層を積層してもよい。また、必要に応じ粘着剤層の上に剥離シートを貼り合わせて、粘着剤層を保護してもよい。
基材の厚みは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、通常25〜1000μm、好ましくは50〜500μm、より好ましくは80〜300μmである。粘着剤層の厚みは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、通常3〜100μm、好ましくは5〜70μmである。
<トップコート層>
粘着シートは、基材の粘着剤層が設けられた面とは反対側の面に設けられるトップコート層を備えてもよい。粘着シートは、トップコート層を設けることで、基材の耐熱性をさらに向上させることができる。
トップコート層の硬化後の50〜200℃におけるDSC(示差走査熱量)測定において、0.1J/g以上のピークを有しないことが好ましい。DSC測定で上記ピークがない(発熱または吸熱が実質的に起こらない)場合は、加熱によりトップコート層が変形しにくくなり、基材が後述するヒータープレート等に密着しにくくなる。
なお、DSC測定は、約10mgのサンプルを示差走査熱量計(Perkin Elmer社製Pyris 1)を用いて、昇温速度10℃/minで常温から220℃まで測定して行うもので、50〜200℃に現れる最大の吸熱または発熱のエネルギー量をDSCピークとする。
トップコート層は、硬化性樹脂組成物の硬化物である。トップコート層を形成する硬化性樹脂組成物(以下、便宜上、第2の硬化性樹脂組成物ということがある)は、基材を形成する硬化性樹脂組成物(以下、便宜上、第1の硬化性樹脂組成物ということがある)の組成と異なるものである。
また、粘着シートにおいて、第2の硬化性樹脂組成物は、第1の硬化性樹脂組成物よりも硬化後の架橋密度が高くなるように選択することが好ましい。このようにすることにより、DSC測定で発熱または吸熱が起きにくくなる。
第2の硬化性樹脂組成物は、主剤として、ウレタン(メタ)アクリレート、側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するポリマー、又はこれらの混合物等を含有することが好ましい。側鎖にエネルギー線硬化性の官能基を有するポリマーを第2の硬化性樹脂組成物に含有させれば、架橋密度を下げることなく基材との密着性を向上させることができる。このようなポリマーとしては、例えば、主鎖がアクリルポリマーであり、側鎖にエネルギー線硬化性二重結合を官能基として有するものが使用できる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、上記で説明した基材において使用されるウレタン(メタ)アクリレートと同様のものが使用可能である。
また、第2の硬化性樹脂組成物は、エネルギー線硬化型樹脂組成物であることが好ましい。第2の硬化性樹脂組成物がエネルギー線硬化型樹脂組成物である場合、上記主剤に加えて、分子量が1000以下のエネルギー線重合性モノマーを含有することが好ましい。エネルギー線重合性モノマーとしては、上記で説明した基材において使用されるエネルギー線重合性モノマーと同様であるが、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの3官能基以上の多官能(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
これら多官能(メタ)アクリレートを使用することでトップコート層の架橋密度を高くすることができる。
トップコート層の架橋密度を高くするために、第2の硬化性樹脂組成物におけるエネルギー線重合性モノマーの含有率は、第1の硬化性樹脂組成物におけるエネルギー線重合性モノマーの含有率よりも高いことが好ましい。
また、基材との密着を向上させるため、第2の硬化性樹脂組成物は、バインダー成分を含有していてもよい。バインダー成分を使用すると、バインダー中のポリマーに起因して、DSC測定で発熱または吸熱が起きる可能性がある。しかし、バインダー成分と硬化性化合物が充分に相溶していれば、硬化後ではバインダー成分のミクロ分子運動が抑制され、発熱または吸熱の量は少なくすることができ、後述するテーブル等との密着を抑えることができる。このようなバインダー成分としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
第2の硬化性樹脂組成物は、さらにフィラーを含有することが好ましい。ここでフィラーとしては、たとえば炭酸カルシウム、シリカ、雲母などの無機フィラー、鉄、鉛等の金属フィラーが用いられる。トップコート層の後述する表面粗さは、添加されるフィラーの量によって適宜に調整でき、フィラーの量を多くすることで、表面粗さは増加する。添加されるフィラーの量は、フィラーの種類により適宜調整されるが、硬化性成分(主剤及びエネルギー線重合性モノマーの合計)100質量部に対して、好ましくは1〜200質量部、さらに好ましくは5〜100質量部程度が適当である。
トップコート層は、上記した基材上に直接、第2の硬化性樹脂組成物を成膜、硬化することでトップコート層を形成できる。また、第2の硬化性樹脂組成物を液状状態で支持体上に薄膜状に流延し、さらにその上に第1の硬化性樹脂組成物を流延することにより、トップコート層付きの基材を成膜できる。このときの硬化を行う手順は、それぞれの成膜の直後でもよいし、基材の成膜の後一括で行ってもよい。トップコート層を流延により成膜する場合は、その表面粗さは支持体表面の粗さに対しても依存するようになるので、適当な表面粗さを有する支持体を選択することが好ましい。
トップコート層の厚みは特には限定されないが、好ましくは0.2〜20μm、特に好ましくは0.5〜5μm程度である。
粘着シートの粘着剤層が設けられる側とは反対側の面は、粗面であってもよい。粗面とすることで、粘着シートの後述するテーブル等との接触面積を減らすことができ、加熱時のテーブル等への密着を抑制できる。粗面である場合、上記反対側の面の表面粗さは、好ましくは、0.05〜1.0μmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5μmである。表面粗さを上記上限値以下とすることで、粘着シートが滑ることで作業性が悪くなることが防止される。なお、表面粗さRzとは、JIS B0601に準じて測定したものをいう。
また、上記粗面は、トップコート層が設けられない場合には、基材に直接形成してもよいが、トップコート層を設け、その表面を粗面とすることが好ましい。トップコート層は、上記したように、フィラーを配合することで粗面としやすくなる。
[半導体チップの製造方法]
次に、上記粘着シートを使用する本発明の半導体チップの製造方法について説明する。
半導体チップの製造方法は、上記粘着シートを、粘着剤層を介して半導体ウエハ又は個片化された半導体チップに貼付する貼付工程と、半導体ウエハを、ダイシングすることで複数の半導体チップに個片化するダイシング工程と、粘着シートを80℃以上に加熱しつつ、粘着シート上の個片化された半導体チップにプローブを接触させて検査するプローブ検査工程と、複数の半導体チップが設けられた粘着シートを延伸する延伸工程とを備えるものである。
本発明では、粘着シートは、上記貼付工程において、ダイシングする前の半導体ウエハに貼付され、ダイシング工程において半導体ウエハを保護するダイシングシートとして使用されることが好ましい。以下、このように粘着シートがダイシングシートとして使用される場合の半導体チップの製造方法を第1の実施形態として各工程について詳細に説明する。
<貼付工程>
本製造方法では、まず、図1に示すように、少なくとも基材11と粘着剤層12とを備える粘着シート10を、粘着剤層12を介して半導体ウエハ14の表面に貼付する。
半導体ウエハ14は、通常、略円板状に形成されており、その表面には各種回路が形成される。また、半導体ウエハ14は、特に限定されないが、シリコンウエハでもよいし、セラミック、ガラス、サファイア系等のウエハであってもよい。
粘着シート10は、好ましくは、図1に示すように、半導体ウエハ14よりも一回り大きく形成されており、粘着シート10の中央領域は、半導体ウエハ14に貼付されるとともに、粘着シート10の外周領域は、粘着剤層12を介してリングフレーム13に貼付される。リングフレーム13は、後述するダイシング工程、プローブ検査工程、延伸工程において粘着シート10を支持することが好ましい。
<ダイシング工程>
次に、粘着シート10を貼付した半導体ウエハ14を、図2に示すように、ダイシングして、複数の半導体チップ15に個片化する。
ダイシングとしては、特に限定されないが、ブレードダイシング、レーザダイシングなどの公知の方法を用いることができ、例えば、ウエハを貫通するように切り込むことで行うものである。切り込みは、通常、半導体ウエハ14の粘着シート10に接着される側の面とは反対側の面(裏面)から形成される。また、半導体ウエハ14と合わせて粘着シートも部分的に切り込んでもよい。
なお、ダイシング工程では、ダイシングにより完全に各半導体チップに分離させて個片化する必要はなく、後の工程で個々のチップに完全に分離できるようにウエハを、各チップに対応した領域に区分する状態としてあればよく、本明細書では、そのような状態とされたものも個片化された半導体チップとする。例えば、半導体ウエハを貫通する切込みを設けて分離させる代わりに、レーザにより半導体ウエハに改質領域を形成し、複数の半導体チップをその改質領域を介して接続した状態にしておいてもよい。この場合、後述する延伸工程等において改質領域が破壊されることで、複数の半導体チップは完全に分離されたものとなる。
<プローブ検査工程>
次に、粘着シート10上の個片化された半導体チップ15にプローブを接触させて、半導体チップ15を検査する。
具体的には、個片化された半導体チップ15を保持する粘着シート10は、図3に示すように、テーブル20上に配置される。テーブル20は、粘着シート10を吸着することができる吸着テーブルであることが好ましい。具体的には、テーブル20の内部に、テーブル20の上面に通じ、かつ真空源に接続された不図示の真空経路が設けられ、真空経路を負圧にすることでテーブル20上に配置された粘着シート10を吸着する。
また、テーブル20は、その上面を加熱することができるものである。テーブル20が加熱されると、テーブル20上に配置された粘着シート10、及び半導体チップも加熱されることとなる。
加熱された各半導体チップ15には、不図示のプローブを接触させて、各半導体チップ15を検査する。半導体チップ15の検査方法は、特に限定されないが、例えば個々のチップ15の通電状態を確認して、各チップ15の良否を判定する方法が挙げられる。
プローブ検査工程において、粘着シート10は、80℃以上に加熱されるものである。本発明では、上記加熱温度が80℃未満であると、高温時における半導体チップの動作状態を確認できず、半導体チップの信頼性を十分に高めることができない。
また、プローブ検査工程における粘着シートは、半導体チップの信頼性をより高めるために、好ましくは90℃以上、より好ましくは120℃以上に加熱されるものである。また、その加熱温度の上限は特に限定されないが、通常200℃以下に、好ましくは180℃以下に、より好ましくは150℃以下に加熱される。
本発明では、上記したように、粘着シートの基材が硬化性樹脂組成物の硬化物からなるため、上記のように加熱しても溶融ないし軟化することがない。したがって、粘着シートが溶融ないし軟化してテーブル20に固着されることが防止される。
また、本発明のプローブ検査工程では、半導体チップは低温度から高温度にわたって検査が行われてもよい。具体的には、−40〜30℃程度の温度から上記の加熱温度(例えば、80℃以上の所定温度)に昇温させ、粘着シートの温度が変化させられて検査が行われてもよい。また、昇温した後、降温され、上記昇温と降温が複数回繰り返されてもよい。このように、温度を変化させることで、半導体チップの広い温度範囲にわたる動作状態を確認することができる。
また、例えば上記の加熱温度で所定時間(例えば、10分〜2時間程度)保持されてもよい。
<延伸工程>
本発明では、個片化された複数の半導体チップ15が取り付けられた粘着シート10を延伸する。
延伸は、特に限定されないが、通常、粘着シート10の中心から面方向外側に向かう引張力を付与して行うものである。より具体的には、複数の半導体チップが取り付けられた粘着シート10の中央領域と、リングフレーム13に支持された外周領域との間の領域に例えば筒状の冶具をあてがい、外周領域を重力方向に向かって引っ張る方法が挙げられる。このような延伸工程により、粘着シート10上の個片化された半導体チップ間の距離は、広げられることとなる。
また、上記したように、改質領域が設けられる場合には、延伸工程において、改質領域が破壊され、個々の半導体チップ15に分離されることが好ましい。
なお、延伸工程は、通常、プローブ検査工程を行った後に行うものであるが、プローブ検査工程を行う前に行ってもよい。
延伸工程によりチップ間の距離が広げられた半導体チップ15は、ピックアップ工程によりピックアップされる。ピックアップの方法は、特に限定されないが、例えば粘着シート10を介してピンなどで下側から突き上げて、真空コレット等によりピックアップする方法がある。ピックアップされた半導体チップは、実装されパッケージングされる。
また、粘着剤層12が、エネルギー線硬化型の粘着剤で形成される場合には、ピックアップ工程の前に、粘着剤層12に紫外線等のエネルギー線を照射して、粘着剤層12を硬化して、粘着剤層の粘着力を低下させることが好ましい。粘着剤層12の粘着力を低下させることで、半導体チップ15にダメージを与えずに、半導体チップ15を容易に粘着シート10からピックアップすることが可能になる。なお、粘着剤層に対するエネルギー線の照射は、通常、ダイシング工程及びプローブ検査工程を行った後に行う。
なお、本発明の製造方法は、上記方法に限定されず、貼付工程の前にダイシング工程を行い、個片化された半導体チップに、粘着シートを貼付してもよい。その具体例としては、先ダイシング法により半導体チップを製造する場合が挙げられる。先ダイシング法では、上記の粘着シートは、例えば、別のシート上に設けられた個片化された複数の半導体チップが、転写されるための転写シートとして使用される。
以下、先ダイシング法により半導体チップを製造する方法を第2の実施形態として、第1の実施形態との相違点を図4〜6を参照しつつ説明する。なお、以下の第2の実施形態では、特に言及しない構成は、第1の実施形態と同様である。
本方法では、まず、ダイシング工程において、ダイシングにより、各種回路が形成された半導体ウエハ14の表面からそのウエハ厚さよりも浅い切り込み溝21を形成する。半導体ウエハは、この切り込み溝21により、後の工程で複数の半導体チップ15に分離されるように個片化されることになる(図4参照)。
次に、切り込み溝21が形成されたウエハ表面(すなわち、個片化された複数の半導体チップ15)に表面保護シート22を貼付する。表面保護シート22は、保護シート用基材23と、保護シート用基材23の上に設けられた保護シート用粘着剤層24とを備え、保護シート用粘着剤層24を介して半導体ウエハ14に貼付される。これら保護シート用基材23及び保護シート用粘着剤層24に使用される材料は、公知のものから適宜選択可能である。
次に、少なくとも切り込み溝21の底部に達するように半導体ウエハ14の裏面を研削する。この研削により、図5に示すように、切り込み溝21がウエハを貫通する切り込み21Aとなり、半導体ウエハ14は切り込み21Aにより個々の半導体チップ15に分離される。
次に、図6に示すように、表面保護シート22上に貼付されている複数の半導体チップ15に、粘着シート(転写シート)10が貼付され、その後、表面保護シート22を剥離する。ここで、粘着シート10は、上記で説明したものと同様の粘着シートが使用される。複数の半導体チップ15が貼付された粘着シート10は、その後、第1の実施形態と同様に、プローブ検査工程、延伸工程等が行われ、パッケージングされる。
なお、以上で説明した製造方法では、粘着シート10が基材と粘着剤層の2層からなるものを示したが、粘着シート10はトップコート層を有してもよい。トップコート層を有する場合には、基材11はトップコート層を介してテーブル20上に配置されることになる。これにより、基材11はテーブル20に直接接触されることが防止されるため、粘着シート10がテーブル20に固着したりする不具合がさらに生じにくくなる。
以上のように、本発明によれば、個片化した半導体チップに対してプローブ検査を行うので、半導体チップの不良率を低減させることができる。また、半導体チップは、プローブ検査工程において高温度で加熱されるため、高温における半導体チップの動作状態を確認でき、より信頼性の高い半導体チップを得ることができる。
さらに、粘着シートの基材として、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものを使用することで、加熱しつつ行うプロービング検査において粘着シートが、軟化又は溶融したり、また、粘着シートが延伸時に破断したりすることが防止される。そのため、工程上の不具合を生じさせることなく、半導体チップを製造できる。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
本発明における測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
[重量平均分子量(Mw)]
ゲル浸透クロマトグラフ装置を用いて、下記の条件下で測定し、標準ポリスチレン換算にて測定した値を用いた。
(測定条件)
測定装置:製品名「HLC−8220GPC」、東ソー株式会社製)
カラム:製品名「TSKGel SuperHZM-M」、東ソー株式会社製)
展開溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
[融点]
基材から4.0mgを取り出し、示差走査熱量計(TAインスツルメンツ社製、Q2000)により昇温速度5℃/分、測定温度範囲23℃〜200℃で測定した際に、1mW以上の吸熱ピークが観測されない場合を融点がないとした。
[粘度]
粘弾性測定装置(Paar Physica社製、製品名「Physica MCR300 Rheometer」)により測定したものである。
[ダイシング評価]
実施例および比較例で製造した粘着シートの粘着剤層に8インチ用金属製リングフレームとシリコンウエハを貼付し、ダイシング装置(DISCO社製,DFD-651)にセットし、以下の条件でダイシングを行った。ダイシングを行った結果、チップずれや、切断片が生じなかったものを“A”と評価し、チップずれや切断片が生じたものを“C”と評価した。
ワーク(被着体):100μm厚み、直径200mm(8インチ)のシリコンウエハ
ダイシングブレード:ディスコ社製 NBC-ZH2050SE27HECC
ブレード回転数:30,000rpm
ダイシングスピード:50mm/秒
切り込み条件:シリコンウエハとともに、粘着シートが粘着剤層表面より30μmの深さで切り込まれるように(すなわち、基材が20μmの深さで切り込まれるように)、実施した。
ダイシング条件:各半導体チップが8mm×8mmとなるように実施した。
[プロービング評価]
各実施例および比較例で製造した粘着シートを用いて、上記ダイシング評価試験と同様に半導体ウエハをダイシングして、半導体チップに個片化した。その個片化した半導体チップ及びリングフレームが取り付けられた粘着シートを、プロービング装置(東京エレクトロン社製 WDF8DP)にセットし、以下の各条件でテーブルの上面(すなわち、粘着シート)を加熱しつつ、半導体チップにプローブを接触させて、プロービング検査を行った。プロービング検査において、基材の溶融がなく、粘着シートが加熱テーブルに固着しなかったものを“A”と評価し、基材の溶融がないものの、粘着シートが加熱テーブルに固着したものを“B”と評価し、基材の溶融があり、粘着シートが加熱テーブルに固着したものを“C”と評価した。
(1)60℃×1時間、(2)90℃×1時間、(3)130℃×1時間
[エキスパンド評価]
各実施例、比較例のダイシングテープに、シリコンウエハ(100μm厚み、直径200mm(8インチ))及び8インチ用金属製リングフレームを貼付し、DISCO社製DFD651を使い以下の条件でダイシングを行った。
<ブレードダイシング条件>
ダイシングブレード:DISCO社製NBC-ZH2050HECC
ブレード回転数:30,000rpm
ダイシングスピード:50mm/秒
カット方法:シングルダウンカット
切り込み条件:シリコンウエハとともに、粘着シートが粘着剤層表面より30μmの深さで切り込まれるように(すなわち、基材が20μmの深さで切り込まれるように)、実施した。
ダイシング条件:各半導体チップが8mm×8mmとなるように実施した。
ダイシング後、エキスパンディング冶具(NECマシナリー社製,ダイボンダーCSP-100VX)を用いて、粘着シートを速度60mm/分で5mm引き落とした。このときのウエハ全体の拡張状態を目視で確認し、判定を行った。結果を表1に示す。粘着シートが均一に延伸され、延伸後も各チップが均一に配列されていたものを“A”と評価し、延伸時に粘着シートが裂けたものを“C”と評価した。
[実施例1]
〔粘着剤組成物の作製〕
ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレート=62/10/28(質量比)を反応させて得られたアクリル系重合体と、該アクリル系重合体100g当たり30.2g(アクリル系重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート単位100モル当たり80モル)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて得られたエネルギー線硬化型アクリル系重合体(重量平均分子量:60万)100質量部、光重合開始剤(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASFジャパン株式会社製、製品名:イルガキュア184))3質量部、及び架橋剤(多価イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製 コロネートL))8.6質量部を溶媒中で混合し、粘着剤組成物を得た。
〔基材の作製〕
ウレタン(メタ)アクリレートとして末端にアクリロイル基を有し、かつポリエーテル骨格を有する2官能脂肪族ウレタンアクリレート(サートマー社製、製品名「CN9893」、Mw:4370、40℃における動粘度:990,000mPa・s)100質量部に、光重合開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(BASF社製、製品名「Darocure TPO」、固形分濃度100%)を0.5質量部配合して、常温ワックス状の硬化性樹脂組成物を得た。
上記硬化性樹脂組成物を電気温調により100℃に加熱して粘度を低下させて塗布液(100℃における粘度:2,160mPa・s)とし、予め100℃に加熱されたダイコーターを使用して、支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、製品名「T−100」、厚み38μm)上に塗膜の厚みが100μmとなるように前記塗布液を流延させた。
流延直後の塗膜に、支持体から遠い側から紫外線を照射して塗膜を硬化させた。紫外線照射直後の硬化膜上に剥離フィルム(リンテック(株)製、製品名「SP−PET381031C」、厚み38μm)の剥離面をラミネートした。なお、紫外線照射装置として、ベルトコンベア式紫外線照射装置(アイグラフィクス(株)製、製品名「ECS−401GX」)を使用した。紫外線の照射条件としては、高圧水銀ランプ(アイグラフィクス(株)製、製品名「H04−L41」)を使用し、紫外線ランプ高さ:150mm、紫外線ランプ出力:3kw(換算出力120mW/cm)、光線波長365nmの照度:271mW/cm2、光量:177mJ/cm2とした。光量の測定は、紫外線光量計((株)オーク製作所製、製品名「UV−351」)を使用した。
次いで、上記紫外線照射装置および高圧水銀ランプを使用して、紫外線の照射条件を紫外線ランプ高さ:150mm、紫外線ランプ出力:3kw、光線波長365nmの照度:271mW/cm2、光量:600mJ/cm2(上記紫外線光量計にて光量を測定)とし、剥離フィルム側から、上記硬化膜に紫外線を2回照射し、さらに硬化を進めて、支持体、剥離フィルム間に形成された基材を得た。基材は、支持体、剥離フィルムから剥離して使用した。なお、硬化性樹脂組成物に対する紫外線の総光量は1377mJ/cm2となった。得られた基材は、融点がなく、その厚みが100μmであった。
次いで、剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET381031C)に、上記粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、その後乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)し、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。その後、上記で得た基材と、粘着剤層を貼り合わせて粘着シートを得た。粘着シートは、剥離フィルムを剥離して、各種評価に使用した。
[実施例2]
両末端にアクリロイル基を有し、ペンタメチレンカーボネート単位と、ヘキサメチレンカーボネート単位を繰り返し単位として有するポリカーボネートジオールを原料ポリオール化合物として用いた2官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(Mw:5700)と、エネルギー線硬化性モノマーとしてイソボルニルアクリレートとを含有する配合物(質量比(ウレタンアクリレートオリゴマー:イソボルニルアクリレート)=70:30、40℃における動粘度:26,500mPa・s、新中村化学社製、UA−5673IB)100重量部に対して、光重合開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド(BASF社製、製品名「Darocure TPO」、固形分濃度100%)を0.5重量部加えてエネルギー線硬化型樹脂組成物を調整した。
得られたエネルギー線硬化型樹脂組成物を60℃で加温しながらファウンテンダイ方式でポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステル社製、製品名「T−100」、厚み38μm)上に厚みが100μmとなるように塗布し、エネルギー線硬化型樹脂組成物層を成膜した。紫外線照射装置としてアイグラフィクス社製 ベルトコンベア式紫外線照射装置(製品名:ECS−401GX)を使用し、高圧水銀ランプ(アイグラフィクス社製高圧水銀ランプ 製品名:H04−L41)にて、紫外線ランプ高さ150mm、紫外線ランプ出力3kw(換算出力120mW/cm)、光線波長365nmの照度が271mW/cm2、光量が177mJ/cm2(紫外線光量計:株式会社オーク製作所社製 UV−351)となる装置条件で、塗膜に支持体から遠い側から紫外線照射を行った。紫外線照射直後に、エネルギー線硬化型樹脂組成物層の上に剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET3801)をラミネートした。なお、ラミネートは、剥離フィルムの剥離処理面がエネルギー線硬化型樹脂組成物層と接するように行った。次いで、同紫外線照射装置を使用し、紫外線ランプ高さ150mm、光線波長365nmの照度が271mW/cm2、光量が600mJ/cm2(紫外線光量計:株式会社オーク製作所社製 UV−351)の条件にて、ラミネートした剥離フィルム側から2回の紫外線照射を行ない、エネルギー線硬化型樹脂組成物層をさらに硬化し、基材を得た。なお、エネルギー線硬化型樹脂組成物層に対する紫外線の総光量は1377mJ/cm2とした。得られた基材は、融点がなく、その厚みが100μmであった。
剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET381031C)に、実施例1と同様の粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、その後乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)し、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。次いで、上記製造方法にて得た基材を粘着剤層に貼り合わせて粘着シートを得た。粘着シートは、剥離フィルムを剥離して、各種評価に使用した。
[比較例1]
剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET381031C)に、実施例1と同様の粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、その後乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)し、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。次いで、ポリ塩化ビニルフィルム(可塑剤としてジオクチルフタレートを25重量%含有)からなる基材(荷重たわみ温度78℃、厚み:100μm)を粘着剤層に貼り合わせて、粘着シートを得た。粘着シートは、剥離フィルムを剥離して、各種評価に使用した。
[比較例2]
剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET381031C)に、実施例1と同様の粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、その後乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)し、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。次いで、エチレンメタクリル酸共重合体からなる基材(融点93℃、厚み:80μm)を粘着剤層に貼り合わせて、粘着シートを得た。粘着シートは、剥離フィルムを剥離して、各種評価に使用した。
[比較例3]
剥離フィルム(リンテック社製 SP−PET381031C)に、実施例1と同様の粘着剤組成物を、乾燥後の厚みが10μmとなるように塗布し、その後乾燥(乾燥条件:100℃、1分間)し、剥離フィルム上に形成された粘着剤層を得た。次いで、押出成膜法により製造された厚さ50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(融点260℃)を基材として用意し、その基材と粘着剤層を貼り合わせて粘着シートを得た。粘着シートは、剥離フィルムを剥離して、各種評価に使用した。
Figure 2015156438
以上の実施例1、2では、粘着シートの基材が、硬化性樹脂組成物の硬化物からなるため、高温度で加熱してプローピング評価試験を行っても、基材が溶融ないし軟化されることが防止されるとともに、エキスパンド評価試験において粘着シートが破断されることが防止された。そのため、ダイシング後の分割チップに対して加熱しつつプロービング検査を行っても、工程上の不具合を生じることがなく、半導体チップを製造できる。
一方で、比較例1〜3のように、粘着シートの基材が、硬化性樹脂組成物の硬化物以外のものからなると、プローピング評価試験において、基材が軟化ないし溶融してテーブルに固着し、あるいは、エキスパンド評価試験において粘着シートが破断した。したがって、ダイシング後の分割チップに対して加熱しつつプロービング検査を行うと、工程上の不具合が生じて、半導体チップを製造することができない。
10 粘着シート
11 基材
12 粘着剤層
13 リングフレーム
14 半導体ウエハ
15 半導体チップ
20 テーブル
21 切り込み溝
22 表面保護シート

Claims (8)

  1. 基材と該基材の上に設けられた粘着剤層とを備える粘着シートを、前記粘着剤層を介して、半導体ウエハ又は個片化された複数の半導体チップに貼付する貼付工程と、
    半導体ウエハを、ダイシングして複数の半導体チップに個片化するダイシング工程と、
    前記粘着シートを80℃以上に加熱しつつ、前記粘着シート上の個片化された半導体チップにプローブを接触させて検査するプローブ検査工程と、
    前記複数の半導体チップが設けられた前記粘着シートを延伸する延伸工程とを備え、
    前記基材が、硬化性樹脂組成物の硬化物である半導体チップの製造方法。
  2. 前記硬化性樹脂組成物が、エネルギー線硬化型樹脂組成物である請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  3. 前記硬化性樹脂組成物が、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
  4. 前記基材が融点を有さない請求項1〜3のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  5. 前記硬化性樹脂組成物が、エネルギー線重合性モノマーを含有しない請求項1〜4のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  6. 前記基材が、前記硬化性樹脂組成物を加熱して塗布液とし、その塗布液を支持体上に流延させて塗膜を形成し、その塗膜を硬化することで形成したものである請求項1〜5のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  7. 前記粘着シートが、前記基材の前記粘着剤層が設けられた面とは反対側の面に設けられるトップコート層を備え、該トップコート層が、前記硬化性樹脂組成物とは異なる組成を有する第2の硬化性樹脂組成物の硬化物である請求項1〜6のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  8. 前記プローブ検査工程において、前記粘着シートをテーブル上に配置して、前記粘着シート及び半導体チップが前記テーブルによって加熱される請求項1〜7のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
JP2014030805A 2014-02-20 2014-02-20 半導体チップの製造方法 Pending JP2015156438A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030805A JP2015156438A (ja) 2014-02-20 2014-02-20 半導体チップの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014030805A JP2015156438A (ja) 2014-02-20 2014-02-20 半導体チップの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015156438A true JP2015156438A (ja) 2015-08-27

Family

ID=54775585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014030805A Pending JP2015156438A (ja) 2014-02-20 2014-02-20 半導体チップの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015156438A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6196751B1 (ja) * 2016-03-31 2017-09-13 三井化学東セロ株式会社 部品製造用フィルム及び部品の製造方法
WO2017169747A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 三井化学東セロ株式会社 部品製造用フィルム及び部品の製造方法
JP2018113356A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 リンテック株式会社 半導体加工用シートおよび半導体装置の製造方法
JPWO2017188196A1 (ja) * 2016-04-28 2018-08-30 リンテック株式会社 保護膜形成用フィルム及び保護膜形成用複合シート
JPWO2017170450A1 (ja) * 2016-03-30 2018-12-27 三井化学東セロ株式会社 半導体装置の製造方法
JP2019212797A (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 株式会社ディスコ ウェーハの加工方法及び研削装置
CN112778924A (zh) * 2019-11-07 2021-05-11 日东电工株式会社 切割带和切割芯片接合薄膜
WO2022172990A1 (ja) * 2021-02-10 2022-08-18 三井化学東セロ株式会社 電子部品の製造方法、製造用フィルム及び製造用具

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004065510A1 (ja) * 2003-01-22 2004-08-05 Lintec Corporation 粘着シート、半導体ウエハの表面保護方法およびワークの加工方法
JP2012116932A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Lintec Corp 粘着シート用基材フィルムの製造方法、粘着シート用基材フィルムおよび粘着シート
WO2012157615A1 (ja) * 2011-05-19 2012-11-22 電気化学工業株式会社 粘着シートおよび電子部品の製造方法
JP2013135041A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Lintec Corp 保護膜形成層付ダイシングシートおよびチップの製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004065510A1 (ja) * 2003-01-22 2004-08-05 Lintec Corporation 粘着シート、半導体ウエハの表面保護方法およびワークの加工方法
JP2012116932A (ja) * 2010-11-30 2012-06-21 Lintec Corp 粘着シート用基材フィルムの製造方法、粘着シート用基材フィルムおよび粘着シート
WO2012157615A1 (ja) * 2011-05-19 2012-11-22 電気化学工業株式会社 粘着シートおよび電子部品の製造方法
JP2013135041A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Lintec Corp 保護膜形成層付ダイシングシートおよびチップの製造方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2017170450A1 (ja) * 2016-03-30 2018-12-27 三井化学東セロ株式会社 半導体装置の製造方法
KR102082065B1 (ko) * 2016-03-31 2020-02-26 미쓰이 가가쿠 토세로 가부시키가이샤 부품 제조용 필름 및 부품의 제조 방법
WO2017169747A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 三井化学東セロ株式会社 部品製造用フィルム及び部品の製造方法
US11942349B2 (en) 2016-03-31 2024-03-26 Mitsui Chemicals Tohcello, Inc. Film for component manufacture and component manufacturing method
JP6196751B1 (ja) * 2016-03-31 2017-09-13 三井化学東セロ株式会社 部品製造用フィルム及び部品の製造方法
KR20180100647A (ko) * 2016-03-31 2018-09-11 미쓰이 가가쿠 토세로 가부시키가이샤 부품 제조용 필름 및 부품의 제조 방법
US11276600B2 (en) 2016-03-31 2022-03-15 Mitsui Chemicals Tohcello, Inc. Film for component manufacture and component manufacturing method
JPWO2017188196A1 (ja) * 2016-04-28 2018-08-30 リンテック株式会社 保護膜形成用フィルム及び保護膜形成用複合シート
JP2018113356A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 リンテック株式会社 半導体加工用シートおよび半導体装置の製造方法
JP2019212797A (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 株式会社ディスコ ウェーハの加工方法及び研削装置
JP7061021B2 (ja) 2018-06-06 2022-04-27 株式会社ディスコ ウェーハの加工方法及び研削装置
CN112778924A (zh) * 2019-11-07 2021-05-11 日东电工株式会社 切割带和切割芯片接合薄膜
WO2022172990A1 (ja) * 2021-02-10 2022-08-18 三井化学東セロ株式会社 電子部品の製造方法、製造用フィルム及び製造用具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015156438A (ja) 半導体チップの製造方法
TWI481692B (zh) 晶圓加工用帶
KR102510144B1 (ko) 반도체 가공용 점착 시트
TWI547985B (zh) Cutting sheet and semiconductor wafer manufacturing method
KR20180122610A (ko) 반도체 가공용 점착 테이프, 및 반도체 장치의 제조 방법
KR102085533B1 (ko) 필름, 워크 가공용 시트 기재 및 워크 가공용 시트
JP2007302797A (ja) 半導体ウエハ又は半導体基板加工用粘着シート
TWI683881B (zh) 切割片與半導體晶片之製造方法
TWI771521B (zh) 半導體裝置之製造方法
TW202016234A (zh) 半導體加工用黏著帶及半導體裝置的製造方法
WO2019216262A1 (ja) 半導体チップの製造方法
KR20210023871A (ko) 반도체 가공용 점착 테이프 및 반도체 장치의 제조 방법
JP6792700B2 (ja) 加工検査対象物の加熱剥離方法
CN113613893B (zh) 粘合片及半导体装置的制造方法
CN111527594A (zh) 粘合片及半导体装置的制造方法
JP2013197390A (ja) ダイシングシートおよび半導体チップの製造方法
KR20170029416A (ko) 보호막 형성용 필름
JPWO2019181732A1 (ja) 粘着テープおよび半導体装置の製造方法
JP6717484B2 (ja) 粘着シート
WO2019235217A1 (ja) 硬化封止体の製造方法
JP7427530B2 (ja) ダイシングテープ用の基材フィルムおよびダイシングテープ
JP7185637B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP7157861B1 (ja) 半導体装置の製造方法
TWI461498B (zh) Cut sticky ribbon
KR20230160228A (ko) 반도체 가공용 점착 테이프 및 반도체 장치의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170919

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180911