JP2015114502A - ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マスクからペリクルを剥離した時の糊残りを十分に防止できるペリクルを提供する。【解決手段】ペリクル1は、ペリクル枠2と、ペリクル枠2の一端面2eに張設されたペリクル膜3と、ペリクル枠2の他端面2fに直接又は間接的に付着した非架橋型のアクリル系粘着剤10とを備え、非架橋型のアクリル系粘着剤10における水酸基、カルボキシル基、エポキシ基の合計の官能基濃度が、0.008mmol/g以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、LSI、超LSIなどの半導体素子あるいは液晶表示板などの半導体装置を製造する際に、マスク(フォトマスク)に異物が付着することを防止するために使用されるフォトリソグラフィー用ペリクルに関する。
半導体製造のフォトリソグラフィー工程において、ウエハー上に集積回路に対応したフォトレジストパターンを形成するためには、ステッパー(縮小投影露光装置)等の半導体製造装置が使用されている。ペリクルは、枠形状を有するペリクル枠の一端面に透明薄膜を張設したものであり、異物がマスク上に直接付着し、回路パターンの欠陥を形成することを防止するものである。具体的には、仮にフォトリソグラフィー工程において異物がペリクル上に付着したとしても、フォトレジストが塗布されたウエハー上にこれらの異物は結像しなくなる。これにより、異物の像による回路パターンの欠陥に起因した半導体集積回路の短絡及び断線等を防ぐことができ、フォトリソグラフィー工程の製造歩留まりを向上させることができる。
近年、半導体装置の高集積化に伴って、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光の短波長化が進められている。すなわち、ウエハー上に集積回路パターンを描写する際に、より狭い線幅で微細な回路パターンを描画できる技術が要求されている。これに対応するために、例えば、フォトリソグラフィー用ステッパーの露光光として、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)から進んでKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)さらに、Fエキシマレーザー(波長157nm)等のより短波長の光が用いられようとしている。
近年の露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、露光に伴うペリクル膜又はマスクの汚れの発生する頻度が高くなったことで、ペリクル及びマスクの取替え頻度も高くなっている。ここで、ペリクルをマスク上に固定する方法としては、粘着剤で剥離可能に固定する方法が通常使用される。粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系、シリコーン系等のもの(特許文献1参照)、また、熱可塑性エラストマー系のもの(特許文献2参照)が知られている。
特開平05−281711号公報 国際公報第2012−004951号
粘着剤は、適切な粘着力を安定して有するとともに、ペリクルの取換え時、マスクからペリクルを剥離する際に粘着剤が凝集破壊し、粘着剤の一部がマスクへ付着したままの状態となること(以下、この現象を糊残りという)を防ぐことが望まれている。しかしながら、近年の露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、特許文献1に記載された粘着剤では洩れ光による粘着剤の分解でマスクと結合しやすくなり、ペリクルをマスクから剥離する際に、マスク表面上に粘着剤の糊残りが生じやすくなる。また、特許文献2に記載された粘着剤でも、アクリル系粘着剤においては糊残り防止の点で課題がある。特に、200nm以下の短波長を用いる場合、ヘイズと呼ばれるマスクの汚れが発生する。そのため、ペリクルの取換え頻度が高くなることから、マスクからの剥離時にマスク上に粘着剤が糊残りしないことが求められている。
本発明は、上記問題に鑑み、マスクからペリクルを剥離した時の糊残りを十分に防止できるペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係るペリクルは、ペリクル枠と、ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、ペリクル枠の他端面に直接又は間接的に付着した非架橋型のアクリル系粘着剤と、を備え、上記非架橋型のアクリル系粘着剤において、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基の合計の官能基濃度が、0.008mmol/g以下であることを特徴とする。
また、本発明に係るペリクルにおいて、非架橋型のアクリル系粘着剤は、アクリル系ベースポリマー(A)と粘着付与剤(B)とを含有することがこのましい。
また、本発明に係るペリクルにおいて、アクリル系ベースポリマー(A)は、ブロックポリマーであることが好ましい。
また、本発明に係るペリクルにおいて、ブロックポリマーは、下記一般式(I)で示される構造を重合体主鎖中に有することが好ましい。
−(a1)−(b)−(a2)− (I)
ここで、上記式(I)中、(a1)及び(a2)は、それぞれガラス転移温度80℃以上のポリマーを示し、(b)はガラス転移温度30℃以下のポリマーを示す。
また、本発明に係るペリクルにおいて、上記一般式(I)における(a1)及び(a2)は、それぞれ、主として炭素数1〜14のメタクリル酸アルキルエステルからなり、上記一般式(I)における(b)は、主として炭素数1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなることが好ましい。
また、本発明に係るペリクルにおいて、非架橋型のアクリル系粘着剤における粘着付与剤(B)の含有量が、15質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
また、本発明に係るペリクル付フォトマスクは、フォトマスクに上記のいずれかのペリクルが装着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体素子の製造方法は、上記のペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、マスクからペリクルを剥離した時の糊残りを十分に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るペリクルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。 本発明の一実施形態に係るペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1は、本実施形態に係るペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠2と、ペリクル枠2の一端面2eに張設されたペリクル膜3と、ペリクル枠2の他端面2fに直接又は間接的に付着した粘着剤10と、粘着剤10に粘着され、この粘着剤10を保護する保護フィルムFとを備えている。粘着剤10が他端面2fに直接付着しているとは、粘着剤10が他端面2fに物理的に直接接触する態様で、粘着剤10が他端面2fに付着していることを意味する。また、粘着剤10が他端面2fに間接的に付着しているとは、粘着剤10と他端面2fとの間に他の部材(例えば、他の粘着剤)が介在しており、当該他の部材は付着等の態様で他端面2fに固定されており、粘着剤10は当該他の部材に物理的に直接付着していることを意味する。図3は、本実施形態に係るペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を模式的に示す図である。図3に示すように、本実施形態のペリクル付フォトマスク30は、ペリクル1とフォトマスク20とを備える。ペリクル1の他端面2fが、粘着剤10を介して、フォトマスク20のパターン20Pが形成されている側の端面20fに装着されている。基板60を露光するために、ペリクル付フォトマスク30の上方から当該ペリクル付フォトマスク30に露光光40を照射する。露光光40は、ペリクル付フォトマスク30を経た後、例えば投光光学系50によって集光され、表面にフォトレジスト62が設けられた基板60に照射される。その後、現像工程、エッチング工程等の所定の工程を経ることにより、フォトマスク20のパターン20Pが基板60の表面に転写される。基板60は例えば半導体材料からなる。上述のようなペリクル付フォトマスク30を用いてフォトマスク20のパターン20Pを基板60の表面に転写する工程は、例えば半導体素子の製造工程の一部である。
(粘着剤10)
本実施形態に係るペリクルに使用する粘着剤10(アクリル系粘着剤)は、非架橋型のアクリル系粘着剤であり、該粘着剤10における水酸基、カルボキシル基、エポキシ基の合計の官能基濃度が、0.008mmol/g以下である。ここで言う非架橋型とは、本発明の効果を奏する範囲で、硬化材との反応生成物を含む場合も含まれる。また、本実施形態に係るペリクルに使用するアクリル系粘着剤10は、良好な弾性接着性を与える観点から、アクリル系ベースポリマー(A)と、粘着付与剤(B)が含まれることが好ましい。上記の合計の官能基濃度は、更に0.006mmol/g以下、更には、0.004mmol/g以下が好ましい。上記範囲であれば、マスクからペリクルを剥離するときに糊残りが低減され好ましい。また、上記の合計の官能基濃度は、0mmol/gであってもよいが、上記官能基が含有されている場合において、0.0005mmol/g以上、又は0.001mmol/g以上であってもよい。
(官能基について)
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を、合計で上記濃度(0.008mmol/g)を超えて含む粘着剤は、露光中に迷光が粘着剤にあたった時にマスクの表面と反応しやすくなり、これが糊残りの原因の一つになる。例えば、マスクが石英ガラスからなる場合は、その表面に水酸基が存在する。その水酸基と官能基との間で水素結合やイオン結合などの結合がおこり、経時と共に当該結合が強固になると考えられる。そのため、マスクからペリクルを剥離する際に、マスクに糊残りが生じる。水酸基、カルボキシル基、エポキシ基は、マスクの表面に存在する水酸基やシリカ、金属イオンなどと水素結合やイオン結合などの結合をおこしやすいためマスクの糊残りが特に問題となる。粘着剤中の水酸基、カルボキシル基については、一般的な方法としてJIS K0070に準じて、各濃度を測定することができる。また、粘着剤中のエポキシ価については、一般的な方法としてASTM D−1652に準じて濃度を測定することができる。
(アクリル系ベースポリマー(A))
本実施形態において、アクリル系ベースポリマー(A)は、ガラス転移温度が−25℃以上であり、80℃以下であることが好ましい。特に、−25℃以上60℃以下、更には、−25℃以上30℃以下が好ましい。また、アクリル系ベースポリマー(A)は、粘着剤10をペリクル枠に厚く塗布することが容易となり、ペリクルをマスクに貼り付けた際のマスク歪を低減することが容易となる観点から、ブロックポリマーであることが好ましい。また、ブロックポリマーの機能に影響を与えない程度に、当該ブロックポリマーにアクリル系ポリマー等を入れても良い。
上記ブロックポリマーは、ガラス転移温度が−25℃以上であることが好ましく、80℃以下であることが好ましい。特に、−25℃以上70℃以下、更には、−25℃以上60℃以下が好ましい。
上記ブロックポリマーは、一般式(I) −(a1)−(b)−(a2)− で示される構造を重合体主鎖中に有することが好ましい。式(I)の(a1)及び(a2)のガラス転移温度は、80℃以上であることが好ましい。式(I)の(b)のガラス転移温度は、30℃以下であることが好ましい。また、式(I)の(b)は、ガラス転移温度が30℃以下である重合体を主鎖中に有するブロックポリマーであることが好ましい。このブロックポリマーには極性官能基を含まないことが好ましい。
式(I)の(a1)及び(a2)で示される重合体ブロック(以下、これらの重合体ブロックを「重合体ブロックa」と呼ぶ)を構成するモノマー成分は、主として炭素数が1〜14のメタクリル酸アルキルエステルであることが、重合体ブロックaのガラス転移温度を80℃以上とする観点から好ましい。前記メタクリル酸アルキルエステルとしては例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸2−ヘキシルデシルなどの1種又は2種以上を挙げることができる。但し、重合体ブロックaのガラス転移温度を80℃以上とする観点から、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル等の、メタクリル酸及び炭素数3以下のアルコールからなるエステルを主体とすることが、より好ましい。ここで、「主として」とは、重合体ブロックa全体の内少なくとも半分を超え、好ましくは80%以上を炭素数が1〜14のメタクリル酸アルキルエステルが占めていることを指す。また、重合体ブロックaの少なくとも何れかが、炭素数が1〜14のメタクリル酸アルキルエステルからなっていてもよい。
式(I)の重合体ブロックaには、少ない割合(例えば半分未満、好ましくは20%未満)であれば、例えば、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル等のアルキルエステル以外のメタクリル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のアクリル酸アルキルエステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン、といったモノマーに由来する構成成分が含まれていてもよい。重合体ブロックaのガラス転移温度が80℃以上であると、高温下での保持力及び凝集力が十分に得られ好ましい。
式(I)の(b)で示される重合体ブロック(以下、これを「重合体ブロックb」と呼ぶ)を構成するモノマー成分は、主として炭素数1〜14のアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルであることが重合体ブロックbのガラス転移温度を30℃以下とする観点から好ましい。重合体ブロックbを構成しえるアクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどの1種又は2種以上をあげることができる。また、重合体ブロックbを構成し得るメタクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸2−ヘキシルデシルなどの1種又は2種以上を挙げることができる。ただし、重合体ブロックbを、メタクリル酸アルキルエステルを主たるモノマー成分として用いて構成する場合には、そのガラス転移温度を30℃以下にするために、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ペンタデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸2−ヘキシルデシルなどの、メタクリル酸と炭素素4以上のアルコールとのエステルを主体とすることが好ましい。重合体ブロックbには、マスクへの糊残りと耐光性に悪影響を与えない範囲において、他の構成成分を含んでいてもよい。
重合体ブロックbのガラス転移温度が30℃以下であることで、粘着力、保持力が十分に得られるため好ましい。
上記ブロックポリマーは、式(I)の(a1)及び(a2)のように、2個の重合体ブロックaの間に1個の重合体ブロックbが位置する構造を有する。しかしながら、上記の3個の重合体ブロックを所定の順序で含んでいれば、これらの3個の重合体ブロックのみから構成されるブロック共重合体だけでなく、さらに1個以上の他の重合体ブロックを含む4個以上の重合体ブロックから構成されるブロック共重合体を含んでいてもよい。上述の他の重合体ブロックは、重合体ブロックa又はbと同種の重合体ブロックでもよいし、それとは別種の重合体ブロックcでもよい。別種の重合体ブロックcとしては、エチレン、プロピレン等のオレフィン及びε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトンなどによって構成される重合体ブロックが例示される。
本実施形態において好ましいブロック共重合体としては、重合体ブロックa−重合体ブロックb−重合体ブロックa、重合体ブロックa−重合体ブロックb−重合体ブロックa−重合体ブロックb、重合体ブロックa−重合体ブロックb−重合体ブロックa−重合体ブロックcなどが挙げられる。
ブロック共重合体の分子量は、重量平均分子量で10,000〜500,000の範囲にあるのが好ましく、30,000〜450,000、特に50,000〜400,000の範囲内にあるのがより好ましい。ブロック共重合体の重量平均分子量が10,000〜500,000の範囲であることで、リビング重合法等で重合でき、分子量分布が小さく不純物が少ないブロック共重合体が得られる。これにより、粘着剤10の糊残りが改善され、粘着剤10を厚く塗布することが可能になることから好ましい。また、上記観点から、分子量分布としては、M/Mが1.0〜2.0であることが好ましい。
そして、ブロック共重合体では、分子中に含まれる重合体ブロックbの総質量を基準とした場合における重合体ブロックaの総質量の割合(a/b)は、5/95〜80/20であると好ましい。更には、a/bは、10/90〜75/25であるとより好ましい。a/bが5/95以上であることで、粘着剤10の凝集力が十分に得られ、高い保持力が得られる傾向となる。また、a/bが80/20以下であることで、粘着力が十分に得られる傾向となる。
上述したブロック共重合体であれば、重合体中に嵩高い分岐構造を持った側鎖を形成し得る。このため、粘着剤10を厚く塗布することが可能になり、ペリクルをマスクに貼り付けた際のマスク歪を低減することが可能になる。
また、ブロック共重合体には、マスクへの糊残りと、アクリル系ベースポリマー(A)の耐光性とに悪影響を与えない程度に、分子側鎖中又は分子主鎖末端に水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基等の官能基を有していてもよい。
これらのブロック共重合体の具体例としては、商品名「クラリティ(登録商標)」シリーズ(株式会社クラレ製)、商品名「Nanostrength」シリーズ(アルケマ株式会社製)等を挙げることができる。
(粘着付与剤(B))
粘着付与剤(B)は、アクリル系ベースポリマー(A)に接着性を付与するものであればよく、例えば、ロジン及びその誘導体、ポリテルペン樹脂及びその水素化物、テルペンフェノール樹脂及びその水素化物、石油系樹脂、アクリル系ポリマーなどがある。この中でも、官能基を調整可能なアクリル系ポリマーが最も好ましい。このアクリル系ポリマーは、ガラス転移温度が−30℃以下であることが好ましく、−33℃以下であることがより好ましく、−35℃以下であることがさらに好ましい。アクリル系ポリマーのガラス転移温度が−30℃以下であると、環境温度が低い場合でも良好な弾性接着性を有し、作業性も良好となる。下限は特に制限はないが、取り扱いの容易性、入手のし易さから、ガラス転移温度が−90℃以上であることが好ましい。なお、本実施形態に用いられる化合物等のガラス転移温度は、DSC(示差走査熱量測定)にて得た値である。
ガラス転移温度が上記範囲(−30℃以下)である場合、アクリル系ポリマーは、常温で液体となるため扱いやすい。また、アクリル系ポリマーを用いることにより、ロジン系樹脂等の従来の粘着付与剤をアクリル系粘着剤10に配合しなかったとしても、ペリクルの粘着剤10として使用可能な粘着力を発現できる。これは、アクリル系ポリマーを用いることにより、アクリル系ベースポリマー(A)に含まれる、接着性及び柔軟性を有するモノマー成分と、相溶性が良くなるためだと考えられる。また、アクリル系ポリマーは、アクリル系ベースポリマー(A)と疑似架橋のような構成をとること、及び耐光性がよいことなどから、従来の粘着付与剤のように表面にしみでてくる割合が小さくなり、粘着剤10の糊残りが抑制される。
また、最近の露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、パターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としてダブルパターニングが知られており、通常、2枚のマスクを用いて2回露光する。このため、形成される2つのパターン同士の位置精度を高くすることが重要になる。即ち、1回目の露光により得られるパターンと2回目の露光により得られるパターンとの位置精度が低いと、所望するパターンを得ることができないことになる。このため、形成される2つのパターンの位置ずれを小さくする必要があるため、マスクに求められる平坦性が必要になっている。この時、マスクにペリクルを貼り付けると、マスク歪が生じることがある。
このマスク歪が発生する原因の一つとして、ペリクルをマスクに粘着剤を介して圧着するときに、ペリクル枠の歪が、粘着剤を通して伝わることが考えられる。そのため、ペリクル枠の歪をマスクに伝わらないようにするために、粘着剤10を柔らかくして変形させることで、ペリクル枠の歪みエネルギーを緩和させ、結果的にマスク歪を低減させることになると考えられている。アクリル系ポリマーのガラス転移点が上記範囲内(−30℃以下)であれば、アクリル系ベースポリマー(A)と疑似架橋のような構成をとることが可能となり、柔軟性を発揮できる。これにより、上述したマスク歪を低減することができるようになる。
上記アクリル系ポリマーの含有量は、粘着剤10全体に対して15質量%以上80質量%以下であることが好ましい。18質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。15質量%以上であることで、適切な接着力を得ることができ、80質量%以下であることで、凝集力を適切な範囲とでき、保持力が向上する。アクリル系ポリマーの含有量が上記の範囲とすることで、ペリクルをマスクに貼り付けた後にペリクルがマスクから落下することを防止できる。
アクリル系ポリマーは、軟化剤としての役割も兼ね備えることができる観点から、炭素数が1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル系重合体又は共重合体からなることが好ましい。これらの重合体又は共重合体は、ジブロック、トリブロック等も含み、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキル系単量体を重合させるか、又は、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキル系単量体と(メタ)アクリル酸アルキル系単量体以外の他の単量体との混合物を重合させても得られる。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」を意味する。
(メタ)アクリル酸アルキル系単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル等、直鎖脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、又は分岐状のアルキル鎖をもつ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。また、上記他の単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル系単量体と共重合体可能な単量体、例えば酢酸ビニル、スチレン等を用いることができる。
なかでも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルなどの炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル等で形成される重合体又は共重合体が、アクリル系ベースポリマー(A)の接着性を発現できるモノマー成分と相溶性をもちやすいため好ましい。また、上述の重合体又は共重合体は、軟化剤としての役割も兼ね備えることができる。
アクリル系ポリマーの分子量は、重量平均分子量で850以上70,000以下であることが好ましく、900以上68,000以下であることがより好ましい。アクリル系ポリマーの重量平均分子量が、850以上であることで充分な接着強度が得られ、70,000以下であることで粘度を適切な範囲に制御でき、作業性を良好にする観点から好ましい。
また、重量平均分子量が850以上70,000以下であることで、アクリル系ベースポリマー(A)と相溶しやすくなる。このため、アクリル系ベースポリマー(A)の粘着力を良好に発現するとともに、糊残りを改善することが可能になる。
アクリル系ポリマーの平均分子量は、M/Mが1.0以上2.0以下の範囲であることが、糊残りを防止する観点から好ましい。また、粘着剤10をペリクル枠に厚く塗布することが可能になり、且つ、ペリクルをマスクに貼り付けた際のマスク歪を低減することが可能となる観点から、ブロックポリマーであることが好ましい。
アクリル系ポリマーには、様々な機能を持たせるために官能基を取り入れることが多いが、ここでは糊残りの観点から官能基が少ない方が好ましい。アクリル系ポリマーの具体例としては、商品名「ARUFON(登録商標)」シリーズ(東亞合成株式会社製)、商品名「クラリティ(登録商標)」シリーズ(株式会社クラレ製)等を挙げることができる。商品名「ARUFON(登録商標)」シリーズは、重合開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を使用しないため不純物が少なく、M/Mが1.0〜2.0と分子量分布が狭いため糊残り防止性に特に優れる。更に、官能基の観点から「ARUFON(登録商標)UPシリーズ」が好ましい。また、商品名「クラリティ(登録商標)」シリーズは、ハードセグメント及びソフトセグメントをもつブロック共重合体であるため、ペリクル枠に厚く塗布できることからマスク歪の低減に特に優れる。さらに、商品名「クラリティ(登録商標)」シリーズは、M/Mが1.0〜2.0と分子量分布が狭いため、糊残り防止性にも優れる。
本実施形態のペリクルは、例えば以下の方法で好適に製造することができる。
第一に、粘着付与剤(B)としての上述のアクリル系ポリマーとアクリル系ベースポリマー(A)とを混合し、粘着剤組成物を得る。この場合、粘着剤10を、所定の厚み・幅のマスク粘着剤層としてペリクル枠2の端面に付着(塗布)するために、粘着剤組成物をさらに溶媒で希釈し、溶液濃度(粘度)を調整する。
第二に、粘着剤組成物を、一端面2eに張設されたペリクル膜3を有するペリクル枠2の他端面2fに塗布する。塗布方法は、特に限定されるものではないが、粘着剤組成物を溶媒で希釈した場合は、ディスペンサー又はシリンジを用いて塗布することが好ましい。また、粘着剤組成物を熱溶融して塗布するホットメルト法を用いてもよい。
第三に、粘着剤組成物を溶媒で希釈した場合は、塗布した粘着剤組成物を加熱乾燥させることにより成型した粘着剤10を、ペリクル枠2の他端面2fに密着させる。ホットメルト法で粘着剤組成物を塗布した場合は、塗布した粘着剤組成物を成型後冷却した粘着剤10を、ペリクル枠2の他端面2fに密着させる。粘着物組成物を乾燥又は冷却後、粘着剤10の粘着面を保護するための保護フィルムFを貼ってもよい。保護フィルムFは、例えばポリエステル製の厚さ30〜200μmのフィルム等が用いられる。また、粘着剤10から保護フィルムFを剥がす際の剥離力が大きいと、剥離の際に粘着剤10が変形するおそれがある。したがって、適切な剥離力になるように、粘着剤10と接する保護フィルムF表面にシリコーン又はフッ素などを用いた離型処理を予め行っていてもよい。
粘着剤10の粘着面を保護するための保護フィルムFを貼った後、加重をかけて、粘着剤表面を略平坦に成型してもよい。
以下、実施例及び比較例によって本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらにより何ら限定されない。
アクリル系ベースポリマー(A)、粘着付与剤(B)は下記の物を用いた。また、官能基価を合わせて示す。
(アクリル系ベースポリマー(A))
・クラリティ(登録商標)LA2140e(株式会社クラレ製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・クラリティ(登録商標)LA2330(株式会社クラレ製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・Nanostrength M−85(アルケマ株式会社製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・ARUFON(登録商標)UC3000(東亞合成株式会社製)(カルボキシル基価 74mgKOH/g)
(粘着付与剤(B))
・ARUFON(登録商標)UP1190(東亞合成株式会社製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・ARUFON(登録商標)UP1080(東亞合成株式会社製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・ARUFON(登録商標)UP1000(東亞合成株式会社製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・クラリティ(登録商標)LA1114(株式会社クラレ製)(水酸基、カルボキシル基、エポキシ基を含まず)
・ARUFON(登録商標)UP2000(東亞合成株式会社製)(水酸基価 20mgKOH/g)
・ARUFON(登録商標)UG4000(東亞合成株式会社製)(エポキシ価 0.7meq/g)
・パインクリスタル(登録商標)KE−311(荒川化学工業株式会社製)(カルボキシル基価 7.3mgKOH/g)
粘着付与剤(B)としてのアクリル系ポリマー・アクリル系ベースポリマー(A)の分子量、ガラス転移温度及び各共重合成分の含有量の測定は、以下に記載される装置及び条件に沿って行った。
(1)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量測定
・装置:東ソー株式会社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(HLC−8320)
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel SUPER HZ3000×2」および「HZ2000×2」を直列に連結
・溶離液:テトラヒドロフラン
・溶離液流量:0.6ml/分
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率(RI)計
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
(2)DSC(示差走査熱量測定)によるガラス転移温度測定
・装置:TAインスツルメント社製 DSCQ2000
・密閉パン
・温度範囲:−80℃〜60℃
・昇温速度:5℃/min
・試料重量:10mg
(3)プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)分光法による、各共重合成分の含有量測定
・装置:日本電子株式会社製核磁気共鳴装置(JNM−LA400)
・溶媒:重クロロホルム
なお、1H−NMRスペクトルにおいて、3.6ppmおよび4.0ppm付近のシグナルは、それぞれ、メタクリル酸メチル単位のエステル基(−O−CH3)およびアクリル酸n−ブチル単位のエステル基−O−CH2−CH2−CH2−CH3)に帰属するため、これらのシグナルの積分値の比によって共重合成分の含有量を求めた。
<実施例1>
(ペリクルの作製)
粘着付与剤(B)としてアクリル系ポリマーの「クラリティ LA1114(株式会社クラレ製)」70質量部と、アクリル系ベースポリマー(A)としてアクリル系ブロック共重合体「クラリティ LA2140e(株式会社クラレ製)」30質量部とを、全体で48gとなるように混合して原料混合物を得た。得られた原料混合物をラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、内容量:60mL)に投入した後、密閉した。200℃、100rpmで20分間混練して、塊状のマスク粘着剤を得た。約10gのマスク粘着剤を加熱タンク(タンク内温度:200℃)に投入して溶融させた。
一方、陽極酸化処理したアルミニウム合金製のペリクル枠(外径113mm×149mm、内径109mm×145mm、高さ2.9mm)を用意した。ここで、ピン穴として膜接着剤塗布端面から1.7mmとなる位置に、ペリクル枠外辺側面のコーナー部からそれぞれ25mmの位置に、穴径1.6mmφ、深さ1.2mmのジグ穴を4ヵ所設けた。加熱タンクに連通する針先から押出した溶融状態のマスク粘着剤を、ペリクル枠の一方の端面上に塗布してマスク粘着剤層を形成した。形成されたマスク粘着剤層の厚さは、0.6mmであった。その後、マスク粘着剤層の表面にシリコーン離型処理した厚さ100μmのポリエステル製保護フィルムを貼り合わせた。上記のペリクル枠の他端面に膜接着剤層を介してペリクル膜を貼付けしてペリクルを作製した。
得られたペリクルについて、剥離性評価及びマスクの歪評価を実施した。それぞれの結果を表1に記載する。
Figure 2015114502
(剥離性評価)
実施例1で得た粘着剤付ペリクルについて、保護フィルムを剥がして、6025クロム付きマスクブランクス基材に簡易型マウンターで加重(30Kgf、60sec)貼付を行い、ペリクルを貼り付けたマスク基材を得た。マスク基材を、室温(20±3℃)にて2時間放置後、マスク基材を水平に固定し、引張試験機により、ペリクルの各長辺に2個ずつあるピン穴、計4個を把持して各長辺を同時に、マスク面に対し垂直に5mm/minの速度で引き上げ、ペリクルの剥離を行った。剥離性は、各被着体表面の様子を観察し、以下の基準で評価した。本実施例での糊残りとは、凝集破壊により粘着剤の一部がマスクに付着したままの状態となることを言う。
◎:糊残り面積が貼付け面積全体の内0%以上5%以下
○:糊残り面積が貼付け面積全体の内5%超10%以下
△:糊残り面積が貼付け面積全体の内10%超20%以下
×:糊残り面積が貼付け面積全体の内20%超100%以下
(マスクの歪評価)
マスクの歪み等による変形の評価は、Tropel社製のFlatMaster200を用いて測定した。まず、マスク(6025石英)について、ペリクルを貼りつける前の平坦度を測定した。その後に実施例1で得た粘着剤付ペリクルを当該マスクに貼り付け、ペリクル貼り付け後のマスクの平坦度を測定した(測定範囲:135mm×110mm)。貼り付け前後の平坦度の差し引きを行い、ペリクルを貼り付けたことでどれだけ6025石英が変形したかを算出した。
ペリクルの石英への貼り付けは簡易型マウンターで行った(加重:15Kgf、60sec)。
◎:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が25nm以下
○:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が25nm超35nm以下
△:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が35nm超60nm以下
×:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が60nm超
<実施例2〜10、比較例1〜4>
表1に記載した配合となるように各成分を混合して混合物を得たこと以外は、実施例1と同様にペリクルを作製した。得られたペリクルに対して実施例1と同様の評価を実施した。これらの結果も、表1に記載する。
本発明によれば露光後のマスクへの糊残りを十分に防止できる。本発明は、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレイ)等のリソグラフィー工程において好適に用いることができ、特に高解像度を必要とする露光において使用されるエキシマレーザーを使用したリソグラフィー工程、好ましくは200nm以下の紫外光露光を使用したリソグラフィー工程の際に好適に用いることができる。
1…ペリクル、2…ペリクル枠、2e,2f…ペリクル枠の端面、3…ペリクル膜、10…粘着剤、F…保護フィルム。

Claims (8)

  1. ペリクル枠と、
    前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、
    前記ペリクル枠の他端面に直接又は間接的に付着した非架橋型のアクリル系粘着剤と、
    を備え、
    前記非架橋型のアクリル系粘着剤において、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基の合計の官能基濃度が、0.008mmol/g以下である、ペリクル。
  2. 前記非架橋型のアクリル系粘着剤は、アクリル系ベースポリマー(A)と粘着付与剤(B)とを含有する、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記アクリル系ベースポリマー(A)は、ブロックポリマーである、請求項2に記載のペリクル。
  4. 前記ブロックポリマーは、下記一般式(I)で示される構造を重合体主鎖中に有し、
    式(I)中、(a1)及び(a2)は、それぞれガラス転移温度80℃以上のポリマーを示し、(b)はガラス転移温度30℃以下のポリマーを示す、請求項3に記載のペリクル。
    −(a1)−(b)−(a2)− (I)
  5. 前記一般式(I)における(a1)及び(a2)は、それぞれ、主として炭素数1〜14のメタクリル酸アルキルエステルからなり、
    前記一般式(I)における(b)は、主として炭素数1〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる、請求項4に記載のペリクル。
  6. 前記非架橋型のアクリル系粘着剤における粘着付与剤(B)の含有量が、15質量%以上、80質量%以下である、請求項2〜5のいずれか一項に記載のペリクル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のペリクルが装着されている、ペリクル付フォトマスク。
  8. 請求項7に記載のペリクル付フォトマスクによって基板を露光する工程を備える、半導体素子の製造方法。
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