JP2011162594A - 導電性ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線、あるいは印刷形状や線幅の再現性の低下等を生じることなく良好に印刷できる凹版オフセット印刷用導電性ペーストを提供する。
【解決手段】単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下であるメタクリル酸エステルモノマーと、前記ガラス転移温度Tgが+15℃以上であるメタクリル酸エステルモノマーと、スチレンモノマーとを共重合させてなり、前記スチレンモノマーの割合が5〜40質量%で、かつ理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を含む凹版オフセット印刷用導電性ペーストである。
【選択図】なし
【解決手段】単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下であるメタクリル酸エステルモノマーと、前記ガラス転移温度Tgが+15℃以上であるメタクリル酸エステルモノマーと、スチレンモノマーとを共重合させてなり、前記スチレンモノマーの割合が5〜40質量%で、かつ理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を含む凹版オフセット印刷用導電性ペーストである。
【選択図】なし
Description
本発明は、凹版オフセット印刷用導電性ペーストに関するものである。
例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)を構成する前面板の電極パターンや電磁波シールドのシールドパターン等の、基板の面積と比較してごく微細な線幅を有する導電パターンを前記基板のほぼ全面に形成して前記前面板等を製造するために、従来はいわゆるフォトリソグラフ法を利用した形成方法が採用されてきた。
しかし近時、前記フォトリソグラフ法に代えてできるだけ工程数を少なく、消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして短時間で生産性良くパターン形成をするために印刷法、特に凹版オフセット印刷法を利用することが普及しつつある。
しかし近時、前記フォトリソグラフ法に代えてできるだけ工程数を少なく、消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして短時間で生産性良くパターン形成をするために印刷法、特に凹版オフセット印刷法を利用することが普及しつつある。
前記凹版オフセット印刷法では、印刷する導電パターンに対応した凹部を有する版(凹版)の前記凹部に充てんした導電性ペーストを、前記版からブランケットの表面に転写させ、次いで前記ブランケットの表面から基板の表面に再転写させることで、前記基板の表面に導電パターンが形成される。
ブランケットとしては、導電性ペーストの離型性に優れるため前記再転写時の転写率を向上できるシリコーンゴムによって少なくともその表面が形成されたシリコーンブランケットが広く用いられる。
ブランケットとしては、導電性ペーストの離型性に優れるため前記再転写時の転写率を向上できるシリコーンゴムによって少なくともその表面が形成されたシリコーンブランケットが広く用いられる。
また導電性ペーストとしては、金属粉末等の導電性粉末、バインダ樹脂、ガラスフリット、並びに前記バインダ樹脂を溶解するとともに導電性粉末やガラスフリットを分散させるための溶剤等を含むものが用いられる。
前記導電性ペーストを用いて形成した導電パターンは、所定の導電性を得るために焼成してバインダ樹脂その他を除去するのが一般的である。
前記導電性ペーストを用いて形成した導電パターンは、所定の導電性を得るために焼成してバインダ樹脂その他を除去するのが一般的である。
バインダ樹脂は、導電性ペーストを調製してから、凹版オフセット印刷法によって基板の表面に印刷し、さらに焼成するまでの間、前記導電性ペーストの粘性や流動性等を、前記凹版オフセット印刷に適した範囲に調整するために機能するとともに、印刷後の導電パターン中で導電性粉末、およびガラスフリットを結着するためのバインダとして機能する。またガラスフリットは、焼成によってバインダ樹脂等を除去した後に、前記導電性粉末を基板表面に結着させるためのバインダとして機能する。
バインダ樹脂としては、前記焼成によって容易に熱分解して除去できる熱分解温度の低い樹脂、特にアクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が好適に使用される(例えば特許文献1、2等)。
しかし、前記アクリル樹脂等を含む従来の導電性ペーストを用いた凹版オフセット印刷では、例えば線幅およそ60μm以上の導電パターンであれば、断線等を生じることなく良好に印刷をすることが可能であるが、線幅が前記範囲を下回る微細な導電パターンを印刷しようとすると、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への導電性ペーストの再転写時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じやすいという問題がある。
しかし、前記アクリル樹脂等を含む従来の導電性ペーストを用いた凹版オフセット印刷では、例えば線幅およそ60μm以上の導電パターンであれば、断線等を生じることなく良好に印刷をすることが可能であるが、線幅が前記範囲を下回る微細な導電パターンを印刷しようとすると、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への導電性ペーストの再転写時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じやすいという問題がある。
近時、前記PDP等のより一層の高画質化、高輝度化等が求められつつあり、これらの要求に対応するため、電極パターンやシールドパターン等の導電パターンについては現状よりも微細化する必要が生じてきている。そのためには、たとえ線幅が60μm未満の微細な導電パターンであっても転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じないことが必要とされる。
本発明の目的は、線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線等とを生じることなく良好に印刷できる凹版オフセット印刷用導電性ペーストを提供することにある。
本発明は、
(1) 単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、
(2) 単独重合体のガラス転移温度Tgが+15℃以上である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、および
(3) スチレンモノマー
を共重合させてなり、前記各モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%以上、40質量%以下で、かつ理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含むことを特徴とする凹版オフセット印刷用導電性ペーストである。
(1) 単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、
(2) 単独重合体のガラス転移温度Tgが+15℃以上である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、および
(3) スチレンモノマー
を共重合させてなり、前記各モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%以上、40質量%以下で、かつ理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含むことを特徴とする凹版オフセット印刷用導電性ペーストである。
前記課題を解決するため、発明者は、先に説明したように凹版オフセット印刷時に導電性ペーストの流動性や粘度や揺変性、あるいは凹版、シリコーンブランケット、基板等に対する親和性、粘着性等を規定して、前記転写時や再転写時の転写性等の、導電性ペーストの印刷適性を左右する重要な因子となるバインダ樹脂について検討をした。
その結果、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いる系では、前記アクリル樹脂のガラス転移温度を+15℃以下とすると導電性ペーストの転写性が向上し、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時に、たとえ線幅が60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線等を生じることなく良好に印刷できることを見出した。
その結果、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いる系では、前記アクリル樹脂のガラス転移温度を+15℃以下とすると導電性ペーストの転写性が向上し、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時に、たとえ線幅が60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線等を生じることなく良好に印刷できることを見出した。
しかしアクリル樹脂として単一のアクリル系モノマーからなり、ガラス転移温度が前記+15℃以下であるものを用いた場合には印刷後、焼成するまでの間に導電性ペーストが流動して印刷形状の再現性が低下したり、線幅が設計値より大幅に拡がって線幅の再現性が低下したりするという問題もあった。
そこでアクリル樹脂についてさらに検討した結果、前記(1)〜(3)の3種のモノマーを共重合させてなり、前記モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が前記範囲内で、かつアクリル樹脂全体でのフォックス(FOX)の式、すなわち式(a):
(TgT)−1=M1/Tg1+M2/Tg2+・・・+Mm/Tgm (a)
〔式中、M1、M2、・・・Mmは、それぞれアクリル樹脂を構成する各モノマーの質量比であってM1+M2+・・・+Mm=1である。またTg1、Tg2、・・・Tgmは、前記各モノマーを単独で重合させた単独重合体のガラス転移温度(絶対温度値)を示す。フォックスの式については、例えばBulletin of the American Physical Society, Series 2, Vol 1, No. 3, pp. 123 (1956)等参照。〕
で求められる理論ガラス転移温度TgTが+15℃(288K)以下であるアクリル樹脂を用いればよいことを見出した。
そこでアクリル樹脂についてさらに検討した結果、前記(1)〜(3)の3種のモノマーを共重合させてなり、前記モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が前記範囲内で、かつアクリル樹脂全体でのフォックス(FOX)の式、すなわち式(a):
(TgT)−1=M1/Tg1+M2/Tg2+・・・+Mm/Tgm (a)
〔式中、M1、M2、・・・Mmは、それぞれアクリル樹脂を構成する各モノマーの質量比であってM1+M2+・・・+Mm=1である。またTg1、Tg2、・・・Tgmは、前記各モノマーを単独で重合させた単独重合体のガラス転移温度(絶対温度値)を示す。フォックスの式については、例えばBulletin of the American Physical Society, Series 2, Vol 1, No. 3, pp. 123 (1956)等参照。〕
で求められる理論ガラス転移温度TgTが+15℃(288K)以下であるアクリル樹脂を用いればよいことを見出した。
すなわち本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストにおいては、前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーの機能によって、アクリル樹脂全体での理論ガラス転移温度TgTを前記範囲内として、先に説明したように導電性ペーストの転写性を向上させることができる。
そのため、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への導電性ペーストの再転写時に、たとえ線幅が60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線等を生じることなく良好に印刷できる。
そのため、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への導電性ペーストの再転写時に、たとえ線幅が60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線等を生じることなく良好に印刷できる。
また前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーと共重合させた(2)のメタクリル酸エステルモノマー、および(3)のスチレンモノマーの機能によって、印刷後、焼成するまでの間に導電性ペーストが流動して印刷形状の再現性が低下したり、線幅が設計値より大幅に拡がって線幅の再現性が低下したりするのを防止することもできる。
したがって本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストによれば、線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線、あるいは印刷形状や線幅の再現性の低下等の問題を生じることなく、良好に印刷をすることが可能となる。
したがって本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストによれば、線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線、あるいは印刷形状や線幅の再現性の低下等の問題を生じることなく、良好に印刷をすることが可能となる。
本発明によれば、線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線、あるいは印刷形状や線幅の再現性の低下等を生じることなく良好に印刷できる凹版オフセット印刷用導電性ペーストを提供することができる。
本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストは、
(1) 単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、
(2) 単独重合体のガラス転移温度Tgが+15℃以上である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、および
(3) スチレンモノマー
を共重合させてなり、前記各モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%以上、40質量%以下で、かつ前記式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含むことを特徴とする。
(1) 単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、
(2) 単独重合体のガラス転移温度Tgが+15℃以上である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、および
(3) スチレンモノマー
を共重合させてなり、前記各モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%以上、40質量%以下で、かつ前記式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含むことを特徴とする。
前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしては、例えばメタクリル酸2−エチルヘキシル(単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃)、メタクリル酸ラウリル(単独重合体のガラス転移温度Tg=−65℃)、メタクリル酸ステアリル(単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃)等が挙げられる。
前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーは、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーは、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
また(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしては、例えばメタクリル酸n−ブチル(単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃)、メタクリル酸n−プロピル(単独重合体のガラス転移温度Tg=+35℃)、メタクリル酸エチル(単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃)、メタクリル酸メチル(単独重合体のガラス転移温度Tg=+105℃)等が挙げられる。
前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーも、いずれか1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
(3)のスチレンモノマー(単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃)の、(1)〜(3)の各モノマーの総量中に占める割合は、先に説明したように5質量%以上、40質量%以下に限定される。その理由は下記のとおりである。
(3)のスチレンモノマー(単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃)の、(1)〜(3)の各モノマーの総量中に占める割合は、先に説明したように5質量%以上、40質量%以下に限定される。その理由は下記のとおりである。
すなわちスチレンモノマーの割合が前記範囲未満では、たとえ、組み合わせる(1)(2)のメタクリル酸エステルモノマーの種類と割合とを調整して、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを前記範囲内に維持できたとしても、先に説明した、スチレンモノマーを共重合させることによる、印刷後、焼成するまでの間に導電性ペーストが流動して印刷形状や線幅の再現性が低下するのを防止する効果が得られない。
また前記範囲を超えてもそれ以上の効果が得られないだけでなく、たとえ、組み合わせる(1)(2)のメタクリル酸エステルモノマーの種類と割合とを調整して、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを前記範囲内に維持できたとしても、前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーによる、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時の転写性を向上させる効果が阻害されるため、前記再転写時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じてしまう。
(1)(2)のメタクリル酸エステルモノマーの割合は、前記スチレンモノマーの割合や、各メタクリル酸エステルモノマーの単独重合体のガラス転移温度Tg等に応じて、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下の範囲内としうる任意の範囲に設定できる。
ただし先に説明した(1)のメタクリル酸エステルモノマーによる、前記理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下として、導電性ペーストの転写性を向上する効果と、(2)のメタクリル酸エステルモノマーによる、導電性ペーストが流動して印刷形状や線幅の再現性が低下するのを防止する効果とを両立させること、および両効果のバランスを取ることを考慮すると、前記両メタクリル酸エステルモノマーの質量比W1/W2は、式(b):
45/55≦W1/W2≦90/10 (b)
〔式中、W1は(1)のメタクリル酸エステルモノマーの質量、W2は(2)のメタクリル酸エステルモノマーの質量を示す〕
を満足する範囲内であるのが好ましい。
ただし先に説明した(1)のメタクリル酸エステルモノマーによる、前記理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下として、導電性ペーストの転写性を向上する効果と、(2)のメタクリル酸エステルモノマーによる、導電性ペーストが流動して印刷形状や線幅の再現性が低下するのを防止する効果とを両立させること、および両効果のバランスを取ることを考慮すると、前記両メタクリル酸エステルモノマーの質量比W1/W2は、式(b):
45/55≦W1/W2≦90/10 (b)
〔式中、W1は(1)のメタクリル酸エステルモノマーの質量、W2は(2)のメタクリル酸エステルモノマーの質量を示す〕
を満足する範囲内であるのが好ましい。
前記(1)〜(3)のモノマーを共重合させてなるアクリル樹脂の、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下に限定される理由は、先に説明したとおりである。
すなわち理論ガラス転移温度TgTが前記範囲を超えるアクリル樹脂をバインダ樹脂として含む導電性ペーストは転写性が低いため、例えば線幅が60μm以下の微細な導電パターンを印刷する際に、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じてしまう。
すなわち理論ガラス転移温度TgTが前記範囲を超えるアクリル樹脂をバインダ樹脂として含む導電性ペーストは転写性が低いため、例えば線幅が60μm以下の微細な導電パターンを印刷する際に、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じてしまう。
なおアクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTは、前記範囲内でも−15℃以上であるのが好ましい。理論ガラス転移温度TgTが前記範囲未満では、導電ペーストの、基板の表面への再転写時に線幅が拡がってしまうという問題を生じるおそれがある。
本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストは、バインダ樹脂として前記アクリル樹脂を含むこと以外は従来と同様に構成できる。
本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストは、バインダ樹脂として前記アクリル樹脂を含むこと以外は従来と同様に構成できる。
すなわち導電性ペーストは、前記バインダ樹脂に導電性粉末、ガラスフリット、および溶剤等の各種成分を適宜配合して調製することができる。
このうち導電性粉末としては、例えば銀、銅、金、白金、ニッケル、アルミニウム、鉄、パラジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト等の金属の粉末や前記金属の2種以上の合金の粉末、銀メッキ銅等のメッキ複合体の粉末、酸化銀、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ルテニウム等の金属酸化物の粉末などの1種または2種以上が挙げられる。
このうち導電性粉末としては、例えば銀、銅、金、白金、ニッケル、アルミニウム、鉄、パラジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト等の金属の粉末や前記金属の2種以上の合金の粉末、銀メッキ銅等のメッキ複合体の粉末、酸化銀、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ルテニウム等の金属酸化物の粉末などの1種または2種以上が挙げられる。
中でも高い導電性を有する上、高絶縁性の酸化物を生成しにくい耐酸化性に優れるため導電性に優れた導電パターンを形成できる銀が好ましい。
導電性粉末は、粒度分布の50%累積径D50が0.05μm以上、特に0.1μm以上であるのが好ましく、10μm以下、特に2μm以下であるのが好ましい。導電性粉末の粒径を前記範囲内とすることにより、凹版オフセット印刷法に使用する際の印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できる導電性ペーストを調製できる。
導電性粉末は、粒度分布の50%累積径D50が0.05μm以上、特に0.1μm以上であるのが好ましく、10μm以下、特に2μm以下であるのが好ましい。導電性粉末の粒径を前記範囲内とすることにより、凹版オフセット印刷法に使用する際の印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できる導電性ペーストを調製できる。
また導電性粉末の形状は、前記印刷適正を向上するためには球状ないし粒状であるのが好ましく、前記導電性粉末同士の接触面積を大きくして導電パターンの導電性を高めるためには鱗片状であるのが好ましい。また、導電性粉末を細密充填して導電パターンの導電性をさらに高めるためには、前記鱗片状の導電性粉末と球状または粒状の導電性粉末とを併用してもよい。
導電性粉末の含有割合は、アクリル樹脂100質量部あたり500質量部以上、特に800質量部以上であるのが好ましく、2000質量部以下、特に1600質量部以下であるのが好ましい。導電性粉末の含有割合がこの範囲内であれば、先に説明した特性を有するアクリル樹脂と組み合わせた際に、前記凹版オフセット印刷法に適した粘度を有する導電性ペーストを調製できる。また前記導電性ペーストを印刷して形成した導電パターンに、例えばPDPを構成する前面板の電極パターンや電磁波シールドのシールドパターン等に適した良好な導電性を付与できる。
ガラスフリットとしては、導電性ペーストを基板の表面に印刷した後の焼成によってアクリル樹脂が分解または揮散するのと前後して軟化もしくは溶融し、アクリル樹脂に代わって導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を結着するバインダとして機能する種々のガラス材料からなる粉末が使用可能である。
前記ガラスフリットとしては例えばホウケイ酸ガラスの粉末や、あるいは酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物を含有するガラスの粉末等の1種または2種以上が挙げられる。
前記ガラスフリットとしては例えばホウケイ酸ガラスの粉末や、あるいは酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物を含有するガラスの粉末等の1種または2種以上が挙げられる。
ただしガラスフリットとしては、アクリル樹脂が軟化し、溶融し、さらに分解または揮散する温度以上で、かつ導電性粉末の融点以下の温度範囲、特に400℃以上、550℃以下で軟化または溶融するものを用いるのが好ましい。かかるガラスフリットは、焼成時にアクリル樹脂が分解または揮散した後に軟化または溶融を開始して導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を結着するバインダとしての機能を発揮する。そのため焼成によって形成される導電パターン中にアクリル樹脂が分解または揮散した後が空隙となって残って導電性が低下するのを抑制できる。
また前記ガラスフリットは、導電性粉末の融点以下の温度で軟化または溶融を開始してバインダとしての機能を発揮するので、焼成の温度を引き下げることができ、焼成に要する時間やエネルギー等を削減して前面板等の生産性をも向上できる。
ガラスフリットは、粒度分布の50%累積径D50が0.1μm以上、特に0.2μm以上であるのが好ましく、5μm以下、特に3μm以下であるのが好ましい。ガラスフリットの粒径を前記範囲内とすることにより、凹版オフセット印刷法に使用する際の印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できる導電性ペーストを調製できる。また導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を良好に結着させて導電性、密着性、および強度等に優れた導電パターンを形成できる。
ガラスフリットは、粒度分布の50%累積径D50が0.1μm以上、特に0.2μm以上であるのが好ましく、5μm以下、特に3μm以下であるのが好ましい。ガラスフリットの粒径を前記範囲内とすることにより、凹版オフセット印刷法に使用する際の印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できる導電性ペーストを調製できる。また導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を良好に結着させて導電性、密着性、および強度等に優れた導電パターンを形成できる。
ガラスフリットの含有割合は、前記機能をいずれも良好に発揮させることを考慮すると、アクリル樹脂100質量部あたり5質量部以上、特に10質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましい。
溶剤としては、前記アクリル樹脂を良好に溶解して導電性ペーストを形成しうる種々の溶剤が使用可能であり、特に沸点が150℃以上である溶剤が好ましい。沸点が150℃未満である溶剤を使用した場合には、導電性ペーストが印刷時に乾燥しやすくなって、良好な印刷を続けることができないおそれがある。
溶剤としては、前記アクリル樹脂を良好に溶解して導電性ペーストを形成しうる種々の溶剤が使用可能であり、特に沸点が150℃以上である溶剤が好ましい。沸点が150℃未満である溶剤を使用した場合には、導電性ペーストが印刷時に乾燥しやすくなって、良好な印刷を続けることができないおそれがある。
前記溶剤としては、例えばヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ステアリルアルコール、セリルアルコール、シクロヘキサノール、α−テルピネオール等のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(セロソルブアセタート)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート(ブチルセロソルブアセタート)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(カルビトールアセタート)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート(ブチルカルビトールアセタート)等のアルキルエーテル類の1種または2種以上が挙げられる。
溶剤の含有割合は、導電性ペーストに求められる粘度等の特性に合わせて適宜設定すればよい。凹版オフセット印刷法に適した導電性ペーストの粘度は、せん断速度が10(1/s)であるとき3Pa・s以上、特に5Pa・s以上であるのが好ましく、40Pa・s以下、特に30Pa・s以下であるのが好ましい。
導電性ペーストには、前記各成分に加えて、例えばレベリング剤、分散剤、揺変性付与剤(チキソトロピック粘性付与剤)、消泡剤、充填剤、可塑剤、硬化触媒等の種々の配合剤を任意の含有割合で含有させることもできる。導電性ペーストは、前記各成分を所定の割合で配合後、3本ロール、ボールミル、アトライター、サンドミル、遊星タイプミキサー等を用いて混練して調製される。
導電性ペーストには、前記各成分に加えて、例えばレベリング剤、分散剤、揺変性付与剤(チキソトロピック粘性付与剤)、消泡剤、充填剤、可塑剤、硬化触媒等の種々の配合剤を任意の含有割合で含有させることもできる。導電性ペーストは、前記各成分を所定の割合で配合後、3本ロール、ボールミル、アトライター、サンドミル、遊星タイプミキサー等を用いて混練して調製される。
本発明の凹版オフセット印刷用導電性ペーストは、例えばガラス基板等の基板の表面に凹版オフセット印刷法によって印刷して、アクリル樹脂の熱分解温度以上で、かつガラスフリットが軟化または溶融する温度で焼成することにより、PDPの前面板の電極パターンや、電磁波シールドのシールドパターン等の導電パターンを形成するために好適に用いることができる。
凹版オフセット印刷法では、前記導電性ペーストを凹版の凹部に充填し、次いでブランケットの表面に転写させた後、前記ブランケットの表面から基板の表面に再転写させる。ブランケットとしては、前記ブランケットの表面から基板の表面への導電性ペーストの転写率を高めるために、少なくともその表面がシリコーンゴムで形成されたシリコーンブランケットを用いるのが好ましい。前記シリコーンゴムとしては、例えば未硬化時に液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムが好ましい。
前記液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムを下地上に塗布し、硬化させて表面層を形成すると、前記表面層の表面を、硬化時に液またはペーストのセルフレベリング効果によって平滑化できる。そのため高精度の導電パターンを形成するために好適な、表面粗さが極めて小さいブランケットを得ることができる。また前記液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムを金型内に注入し、表面層の形状に成形しながら硬化させることによってブランケットを製造してもよい。
凹版としては、その表面に所望の導電パターンの平面形状と高さに対応する平面形状と深さとを有する凹部を形成しうる種々の材料からなるものを用いることができる。前記材料としては、例えば42アロイ、ステンレス鋼等の金属や、ソーダライムガラス、ノンアルカリガラス等のガラス等が挙げられる。
特に、凹版に優れた耐久性が要求される場合には金属製の凹版が好適であり、凹部について極めて高度な寸法精度が要求される場合には加工性が良好なガラス製の凹版が好ましい。また、特に優れた耐久性を求められる場合には、金属製の凹版の表面にさらに硬質クロムメッキ処理等を施してもよい。
特に、凹版に優れた耐久性が要求される場合には金属製の凹版が好適であり、凹部について極めて高度な寸法精度が要求される場合には加工性が良好なガラス製の凹版が好ましい。また、特に優れた耐久性を求められる場合には、金属製の凹版の表面にさらに硬質クロムメッキ処理等を施してもよい。
凹版オフセット印刷法の具体的な印刷条件は特に限定されず、常法に従って適宜設定できる。例えば凹版の凹部への導電性ペーストの充填は、ドクターブレードやスキージ等を用いたドクタリング等の常法に従って行えばよい。また1回目の転写工程での、凹版の凹部からブランケットの表面への転写速度や、2回目の転写工程での、ブランケットの表面から基板の表面への転写速度は、例えば凹版の凹部の幅および深さ、凹版や基板の種類、導電性ペーストの物性、導電パターンに要求される線幅や三次元形状の精度等の諸条件を考慮しつつ、常法に従って適宜設定することができる。
印刷後の焼成条件は、アクリル樹脂を速やかに熱分解させて除去すると共にガラスフリットを溶融させ、流動させて導電性粉末を結着させ、さらには良好に導電接続させることができる任意の温度に設定できる。その好適な焼成条件としては、焼成温度が400℃以上、特に500℃以上であるのが好ましく、700℃以下、特に650℃以下であるのが好ましい。また焼成時間は1分間以上、特に2分間以上であるのが好ましく、10分間以下、特に7分間以下であるのが好ましい。
焼成によって得られる導電パターンの厚みは、前記導電パターンの線幅等に応じて適宜設定できる。
例えば導電パターンが電磁波シールドのシールドパターンであってその線幅が10μm以上、30μm以下程度である場合、厚みは1μm以上、3μm以下程度であるのが好ましい。導電パターンの厚みが前記範囲未満では断線とそれに伴うシールド不良が発生しやすくなるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、導電パターンの表面の平坦性が低下するおそれがある。
例えば導電パターンが電磁波シールドのシールドパターンであってその線幅が10μm以上、30μm以下程度である場合、厚みは1μm以上、3μm以下程度であるのが好ましい。導電パターンの厚みが前記範囲未満では断線とそれに伴うシールド不良が発生しやすくなるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、導電パターンの表面の平坦性が低下するおそれがある。
以下の実施例、比較例における導電性ペーストの調製、および試験を、特記した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
アクリル樹脂としては、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕30質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕10質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕20質量部、並びに
* スチレンモノマー〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕40質量部
を共重合させたアクリル樹脂を用いた。
〈実施例1〉
アクリル樹脂としては、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕30質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕10質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕20質量部、並びに
* スチレンモノマー〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕40質量部
を共重合させたアクリル樹脂を用いた。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が40質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=−14.6℃であった。
前記アクリル樹脂100質量部に、導電性粉末としての銀粉末(粒度分布の50%累積径D50=0.5μm)900質量部、Bi系ガラスフリット(溶融温度:520℃、粒度分布の50%累積径D50=1.0μm)30質量部、並びに溶剤としてのテルピネオール、およびラウリルアルコールを配合し、遊星タイプミキサーを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂100質量部に、導電性粉末としての銀粉末(粒度分布の50%累積径D50=0.5μm)900質量部、Bi系ガラスフリット(溶融温度:520℃、粒度分布の50%累積径D50=1.0μm)30質量部、並びに溶剤としてのテルピネオール、およびラウリルアルコールを配合し、遊星タイプミキサーを用いて混練して導電性ペーストを調製した。
〈実施例2〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕70質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕10質量部、および
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕20質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕70質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕10質量部、および
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕20質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が20質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=+13.2℃であった。
〈実施例3〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕25質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕30質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕5質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈実施例3〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕25質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕30質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕5質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=−13.7℃であった。
〈実施例4〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ラウリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−65℃〕50質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−プロピル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+35℃〕20質量部、およびメタクリル酸メチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+105℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕10質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈実施例4〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ラウリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−65℃〕50質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−プロピル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+35℃〕20質量部、およびメタクリル酸メチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+105℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕10質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が10質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=−13.3℃であった。
〈比較例1〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕30質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕40質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕10質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例1〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕30質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕40質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕10質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が10質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=+24.1℃であった。
〈比較例2〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕20質量部、並びに
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕40質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例2〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕20質量部、並びに
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸n−ブチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+20℃〕40質量部、およびメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕20質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が0質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=−14.8℃であった。
〈比較例3〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕20質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕10質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕50質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例3〉
アクリル樹脂として、
* 前記(1)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸ステアリル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−100℃〕20質量部、およびメタクリル酸2−エチルヘキシル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=−10℃〕20質量部、
* 前記(2)のメタクリル酸エステルモノマーとしてのメタクリル酸エチル〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+65℃〕10質量部、並びに
* スチレン〔単独重合体のガラス転移温度Tg=+100℃〕50質量部
を共重合させたアクリル樹脂を同量用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記アクリル樹脂は、全モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が50質量%、式(a)で求められる理論ガラス転移温度TgT=+8.5℃であった。
〈印刷試験〉
実施例、比較例で調製した導電性ペーストを、凹版オフセット印刷法によってガラス基板上に印刷し、焼成して導電パターンを形成した。導電性ペーストは、印刷に先立ち、必要に応じて適量のブチルカルビトールアセタートを加えて、せん断速度が10(1/s)であるときの粘度が8Pa・sとなるように調整した。
〈印刷試験〉
実施例、比較例で調製した導電性ペーストを、凹版オフセット印刷法によってガラス基板上に印刷し、焼成して導電パターンを形成した。導電性ペーストは、印刷に先立ち、必要に応じて適量のブチルカルビトールアセタートを加えて、せん断速度が10(1/s)であるときの粘度が8Pa・sとなるように調整した。
凹版オフセット印刷法の実施には、精密印刷用の凹版オフセット印刷機(OPM社製)を用いた。また凹版としては、ソーダライムガラスの片面に線幅30μm、ピッチ200μm、深さ10μmのメッシュパターンに対応した凹部が形成されたものを用いた。
印刷用ブランケットとしては、液状の常温硬化型(付加型)シリコーンゴムを硬化させて形成した表面層を有するシリコーンブランケットを用いた。ガラス基板としては、厚み2.8mm、対角寸法22インチの、高歪点ガラス製のガラス基板〔旭硝子(株)製のPD200〕を用いた。
印刷用ブランケットとしては、液状の常温硬化型(付加型)シリコーンゴムを硬化させて形成した表面層を有するシリコーンブランケットを用いた。ガラス基板としては、厚み2.8mm、対角寸法22インチの、高歪点ガラス製のガラス基板〔旭硝子(株)製のPD200〕を用いた。
焼成には焼成炉〔光洋サーモシステム(株)製のベルト炉〕を使用し、焼成条件は焼成温度570℃、焼成時間5分間とした。
前記印刷から焼成までの工程を、同じ導電性ペーストおよび同じ印刷用ブランケットを使用して連続して実施し、印刷1枚目の印刷直後の印刷用ブランケットの表面を観察して、前記表面に導電性ペーストの残渣があったものを転写不良(×)、残渣がなかったものを完全転写(○)として評価した。
前記印刷から焼成までの工程を、同じ導電性ペーストおよび同じ印刷用ブランケットを使用して連続して実施し、印刷1枚目の印刷直後の印刷用ブランケットの表面を観察して、前記表面に導電性ペーストの残渣があったものを転写不良(×)、残渣がなかったものを完全転写(○)として評価した。
また完全転写(○)と評価したものについては、基板上に転写された焼成前の導電パターンの線幅を測定して、前記版における設計幅(=30μm)に対する変化率(%)を求めた。前記変化率が100%に近いほど、印刷形状や線幅の再現性は良好であるといえる。
以上の結果を表1に示す。
以上の結果を表1に示す。
表1の実施例1〜4、比較例1の結果より、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTが+15℃を超える場合には、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時の導電性ペーストの転写性が低下して、線幅60μm以下の微細な導電パターンの印刷時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じることが判った。
また実施例1〜4、比較例2の結果より、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下の範囲内としても、前記アクリル樹脂中に含まれるスチレンモノマーの割合が5質量%未満では、印刷後、焼成するまでの間に導電性ペーストが流動して線幅が設計値より大幅に拡がること、そのため印刷形状や線幅の再現性が低下することが判った。
また実施例1〜4、比較例2の結果より、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下の範囲内としても、前記アクリル樹脂中に含まれるスチレンモノマーの割合が5質量%未満では、印刷後、焼成するまでの間に導電性ペーストが流動して線幅が設計値より大幅に拡がること、そのため印刷形状や線幅の再現性が低下することが判った。
さらに実施例1〜4、比較例3の結果より、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下の範囲内としても、前記アクリル樹脂中に含まれるスチレンモノマーの割合が40質量%を超える場合には、特にシリコーンブランケットの表面から基板の表面への再転写時の導電性ペーストの転写性が低下して、線幅60μm以下の微細な導電パターンの印刷時に、転写不良とそれに伴う導電パターンの断線とを生じることが判った。
これに対し実施例1〜4の結果より、前記(1)〜(3)の3種のモノマーを共重合させてなり、アクリル樹脂の理論ガラス転移温度TgTを+15℃以下の範囲内で、かつアクリル樹脂中に含まれるスチレンモノマーの割合を5質量%以上、40質量%以下とした場合には、線幅60μm以下の微細な導電パターンであっても、転写不良とそれに伴う断線、あるいは印刷形状や線幅の再現性の低下等を生じることなく良好に印刷できることが確認された。
Claims (1)
- (1) 単独重合体のガラス転移温度Tgが0℃以下である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、
(2) 単独重合体のガラス転移温度Tgが+15℃以上である少なくとも1種のメタクリル酸エステルモノマー、および
(3) スチレンモノマー
を共重合させてなり、前記各モノマーの総量中に占めるスチレンモノマーの割合が5質量%以上、40質量%以下で、かつ理論ガラス転移温度TgTが+15℃以下であるアクリル樹脂を、バインダ樹脂として含むことを特徴とする凹版オフセット印刷用導電性ペースト。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2015114502A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法 |
-
2010
- 2010-02-05 JP JP2010023986A patent/JP2011162594A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015114502A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | ペリクル、ペリクル付フォトマスク及び半導体素子の製造方法 |
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