JP2010180356A - インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】特にシリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際に、前記シリコーンブランケットの表面の濡れ性等に影響を及ぼしにくいため、溶剤除去の工程を実施する回数を少なくしたり省略したりしてもシリコーンブランケットの使用寿命を延長できるインキ組成物を提供する。
【解決手段】インキ組成物は、重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であるアクリル樹脂と、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満の溶剤と、顔料とを含む。
【選択図】なし
【解決手段】インキ組成物は、重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であるアクリル樹脂と、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満の溶剤と、顔料とを含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも表面がシリコーンゴムからなるシリコーンブランケットを用いる印刷法に適したインキ組成物に関するものである。
例えばプラズマディスプレイパネル(PDP)を構成する電磁波シールドのシールドパターンや前面板の電極等の、基板の面積と比較してごく微細な線幅を有する導電パターンを前記基板のほぼ全面に形成して前記電磁波シールド等を製造するために、従来はいわゆるフォトリソグラフ法を利用した導電パターンの形成方法が採用されてきた。しかし近時、前記フォトリソグラフ法に代えてできるだけ工程数を少なく、消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして短時間で生産性良く導電パターンを形成するために印刷法、特に凹版オフセット印刷法や反転印刷法等を利用して導電パターンを形成することが普及しつつある(特許文献1、2等参照)。
このうち凹版オフセット印刷法では、前記導電パターンに対応した凹部を有する凹版を用意し、前記凹部に、顔料として導電性粉末を用いたインキ組成物(以下「導電性ペースト」と記載することがある)を充填し、充填した前記導電性ペーストをブランケットの表面に転写したのち基板の表面に再転写して焼き付けることで、前記基板の表面に、凹版の凹部のパターンに対応した導電パターンが形成されて電磁波シールド等が製造される。
また反転印刷法では、ブランケットの表面のほぼ全面に厚みが均一になるように導電性ペーストを塗布し、次いで前記ブランケットを凹版の表面に接触させて、前記表面の導電性ペーストのうち凹版の凹部以外の表面と接触した導電性ペーストを凹版の表面に転写させて選択的に除去した後、ブランケットの表面に残った導電性ペーストを基板の表面に転写して焼き付けることで、前記基板の表面に凹版の凹部のパターンに対応した導電パターンが形成されて電磁波シールド等が製造される。
これらの印刷法によれば、例えば凹版の凹部をフォトリソグラフ法によって形成することで、従来の、基板の表面に直接にフォトリソグラフ法によって形成する場合とほぼ同等の、高い精度を有する導電パターンを有する電磁波シールド等を製造できる。
またフォトリソグラフ法では、導電パターンを形成するために多数の工程を要する上、マスクパターンを用いたエッチングやプレーティング等を組み合わせて導電パターンを形成しているため、そのもとになる導電材料を、実際に形成する導電パターンが必要とする量以上に多量に使用したり、あるいはマスクパターンのもとになり導電パターンの形成後は除去しなければならない感光性樹脂等を多量に使用したりする必要がある。しかもエッチングや除去等によって発生するこれら多量の廃材は、個別に回収して再利用することが困難である。
またフォトリソグラフ法では、導電パターンを形成するために多数の工程を要する上、マスクパターンを用いたエッチングやプレーティング等を組み合わせて導電パターンを形成しているため、そのもとになる導電材料を、実際に形成する導電パターンが必要とする量以上に多量に使用したり、あるいはマスクパターンのもとになり導電パターンの形成後は除去しなければならない感光性樹脂等を多量に使用したりする必要がある。しかもエッチングや除去等によって発生するこれら多量の廃材は、個別に回収して再利用することが困難である。
これに対し凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法では、凹版およびブランケットを繰り返し使用できる上、導電性ペーストの使用量はほぼ導電パターンを形成するのに必要な分だけで済み、多量の廃材が発生するおそれもないため資源の節約に繋がる上、前記のように工程数も少なくて済む。そのため前記印刷法によれば、フォトリソグラフ法に比べて消費エネルギーを小さく、使用する材料の無駄を少なく、そして工程数を少なくして、電磁波シールド等を短時間で生産性良く製造できる。
導電性ペーストとしては、例えば分子量が10000以上、60000以下、酸価が50mgKOH/g以下であるアクリル樹脂(バインダ樹脂)と、顔料としての銀粉末と、前記アクリル樹脂100質量部あたりおよそ211質量部以上、660質量部以下程度の溶剤とを含むもの等が提案されている(特許文献3参照)。
ブランケットとしては、少なくともその表面がシリコーンゴムによって形成されたシリコーンブランケットが広く用いられる。シリコーンブランケットは導電性ペーストと常に接触することから、印刷を繰り返すうちに、前記導電性ペースト中に含まれる溶剤が含浸されて徐々に膨潤し、それに伴ってシリコーンブランケットの表面の、導電性ペーストに対する濡れ性が徐々に上昇する。
ブランケットとしては、少なくともその表面がシリコーンゴムによって形成されたシリコーンブランケットが広く用いられる。シリコーンブランケットは導電性ペーストと常に接触することから、印刷を繰り返すうちに、前記導電性ペースト中に含まれる溶剤が含浸されて徐々に膨潤し、それに伴ってシリコーンブランケットの表面の、導電性ペーストに対する濡れ性が徐々に上昇する。
そしてこの濡れ性の上昇に伴って、シリコーンブランケットが凹版表面の微小な汚れを転写するようになったり、導電性ペーストをシリコーンブランケットの表面から基板の表面に再転写させる工程において、前記導電性ペーストが基板の表面に完全に転写されずにシリコーンブランケットの表面に残る転写不良(パイリング)が発生しやすくなったりする結果、安定して高精度で良好な印刷を行えなくなるに至る。また、例えば前面板の電極の場合は、その中でも線幅ができるだけ小さいことが求められるデータ電極等の線幅が徐々に大きくなって、あらかじめ設定された線幅の許容範囲を超えるに至る。
この時点でシリコーンブランケットが使用寿命に至ったとみなされるため、印刷を停止してシリコーンブランケットを交換する必要が生じる。しかし電磁波シールド等の生産性を向上すること等を考慮すると、前記膨潤を抑制してシリコーンブランケットの使用寿命をできるだけ延長し、交換の回数を極力減らすことが重要である。そこでシリコーンブランケットの使用寿命を延長するため、例えば連続印刷の合間等に、前記シリコーンブランケットに含浸された溶剤を除去することが考えられ、そのための方法が種々提案されている。
最も簡単には、シリコーンブランケットの表面に熱風を吹き付けることで、含浸された溶剤を揮散させて除去する熱風乾燥法が考えられる。この方法は装置も簡単で効果も大きい。しかし熱風乾燥を繰り返すと、例えばシリコーンブランケットをブランケット胴の周囲に円筒状に巻きつけて保持する方式の印刷機において、前記ブランケット胴の温度が徐々に上昇して、その周囲に巻きつけたシリコーンブランケットや、前記シリコーンブランケットが繰り返し圧接される凹版等が熱膨張して印刷精度が低下したり、導電性ペーストが乾燥しやすくなって転写不良を生じたりしやすくなるといった問題を生じる。
シリコーンブランケットの表面に溶剤を吸収する機能を有する溶剤吸収体を当接させて、含浸された溶剤を前記溶剤吸収体によって吸収して除去することが提案されている。この方法では加熱を要しないため、前記印刷精度の問題や導電性ペーストの乾燥の問題等は生じないが、溶剤吸収体自体も溶剤を吸収するにつれてその吸収能力が低下するため、これを定期的に交換したり、あるいは吸収した溶剤を除去したりする必要がある。また溶剤吸収体がシリコーンブランケットの表面に接触しているため、前記溶剤吸収体を形成する繊維等が異物として導電パターン中に混入したりするおそれもある。
本発明の目的は、特にシリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際に、前記シリコーンブランケットの表面の濡れ性等に影響を及ぼしにくいため、先に説明した溶剤除去の工程を実施する回数を少なくしたり省略したりしてもシリコーンブランケットの使用寿命を延長できるインキ組成物を提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者はバインダ樹脂、顔料、および溶剤を含むインキ組成物においてシリコーンブランケットを膨潤させる直接の原因となる溶剤の量を、これまでよりも少なくすることを検討した。しかし溶剤は、バインダ樹脂を溶解すると共に顔料を分散させてインキ組成物を所定の印刷法に適した粘度(例えば凹版オフセット印刷法、反転印刷法では4Pa・s以上、12Pa・s以下程度)に調整するために必要な成分であり、溶剤の量はインキ組成物の粘度に直接に影響し、少なくするほど粘度が上昇するため、溶剤の量を単純に少なくすることは困難であった。
バインダ樹脂の分子量を小さめに設定すれば、溶剤の量を少なくしてもインキ組成物の粘度上昇を抑制できるとの知見がある。しかしバインダ樹脂は、印刷後のパターン中で銀粉末等の顔料を基板に結着させるバインダとしての文字通りの機能をするだけでなく、例えば特許文献3に記載されているように印刷前のインキ組成物中で顔料を良好に分散させるためにも機能する。そして後者の機能はバインダ樹脂の分子量に依存して変化し、分子量が小さいほど顔料の分散性が低下して顔料が沈降しやすくなるという問題を生じる。
そこで発明者は、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を使用する場合についてさらに検討した結果、前記アクリル樹脂として重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であるものを用いればよいことを見出した。
すなわち前記特性を有するアクリル樹脂は、例えば特許文献3に記載された従来のアクリル樹脂に比べて全体の分子量が小さいにも拘らず、顔料表面への吸着点となる官能基(例えばカルボキシル基等)を、1つの分子中に、前記従来のものと同等またはそれ以上の割合で含んでいる。そのため前記官能基の働きによって顔料表面に良好に吸着されて、前記顔料をインキ組成物中で良好に分散させることができる。
すなわち前記特性を有するアクリル樹脂は、例えば特許文献3に記載された従来のアクリル樹脂に比べて全体の分子量が小さいにも拘らず、顔料表面への吸着点となる官能基(例えばカルボキシル基等)を、1つの分子中に、前記従来のものと同等またはそれ以上の割合で含んでいる。そのため前記官能基の働きによって顔料表面に良好に吸着されて、前記顔料をインキ組成物中で良好に分散させることができる。
したがって前記特性を有するアクリル樹脂を用いることにより、顔料の沈降を防止しながら、またインキ組成物を凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に適した粘度に維持しながら、インキ組成物における溶剤の量を、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満と少なくすることができ、シリコーンブランケットの膨潤を抑制して使用寿命を延長できる。
よって本発明は、アクリル樹脂、顔料、および溶剤を含むインキ組成物であって、前記アクリル樹脂の重量平均分子量が10000未満、水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であると共に、前記溶剤の量が、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満であることを特徴とするものである。
前記本発明において、アクリル樹脂の重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上であるのが好ましい。重量平均分子量が1500未満では、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下して、印刷前のインキ組成物中で顔料が沈降するのを十分に防止できなくなったり、印刷後、焼き付け前のパターンにおいて顔料を基板の表面に強固に結着できなくなったりするおそれがある。
前記本発明において、アクリル樹脂の重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上であるのが好ましい。重量平均分子量が1500未満では、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下して、印刷前のインキ組成物中で顔料が沈降するのを十分に防止できなくなったり、印刷後、焼き付け前のパターンにおいて顔料を基板の表面に強固に結着できなくなったりするおそれがある。
またアクリル樹脂100質量部あたりの溶剤の量は、前記範囲内でも40質量部以上であるのが好ましい。溶剤の量が40質量部未満では、たとえ重量平均分子量の小さいアクリル樹脂を用いたとしても、インキ組成物の粘度を前記所定の印刷法に適した範囲に調整できないおそれがある。
本発明によれば、特にシリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際に、前記シリコーンブランケットの表面の濡れ性等に影響を及ぼしにくいため、溶剤除去の工程を実施する回数を少なくしたり省略したりしてもシリコーンブランケットの使用寿命を延長できるインキ組成物を提供できる。
本発明のインキ組成物は、アクリル樹脂、顔料、および溶剤を含み、前記アクリル樹脂の重量平均分子量が10000未満、水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であると共に、前記溶剤の量が、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満であることを特徴とするものである。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステル、塩等の1種または2種以上を含み、かつ重量平均分子量が10000未満であると共に、水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下である種々のアクリル樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステル、塩等の1種または2種以上を含み、かつ重量平均分子量が10000未満であると共に、水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下である種々のアクリル樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂の重量平均分子量が10000未満に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち重量平均分子量が10000以上である高分子量のアクリル樹脂を用いて、インキ組成物の粘度を所定の印刷法に適した範囲に維持するためには、前記アクリル樹脂100質量部あたり200質量部を超える多量の溶剤が必要となる。ところが、かかる多量の溶剤を含むインキ組成物を、シリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際には、前記シリコーンブランケットに短期間で多量の溶剤が含浸されて、膨潤によりシリコーンブランケットの表面の濡れ性が上昇する。そのためインキ組成物の使用寿命を延長する効果が得られない。
すなわち重量平均分子量が10000以上である高分子量のアクリル樹脂を用いて、インキ組成物の粘度を所定の印刷法に適した範囲に維持するためには、前記アクリル樹脂100質量部あたり200質量部を超える多量の溶剤が必要となる。ところが、かかる多量の溶剤を含むインキ組成物を、シリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際には、前記シリコーンブランケットに短期間で多量の溶剤が含浸されて、膨潤によりシリコーンブランケットの表面の濡れ性が上昇する。そのためインキ組成物の使用寿命を延長する効果が得られない。
これに対しアクリル樹脂の重量平均分子量が10000未満であれば、インキ組成物の粘度を前記印刷法に適した範囲に維持しながら、溶剤の量を前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満として、シリコーンブランケットの短期間での膨潤を抑制し、使用寿命を延長できる。
なおアクリル樹脂の重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上であるのが好ましい。重量平均分子量が1500未満では、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下して、印刷前のインキ組成物中で顔料が沈降するのを十分に防止できなくなったり、印刷後、焼き付け前のパターンにおいて顔料を基板の表面に強固に結着できなくなったりするおそれがある。
なおアクリル樹脂の重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上であるのが好ましい。重量平均分子量が1500未満では、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下して、印刷前のインキ組成物中で顔料が沈降するのを十分に防止できなくなったり、印刷後、焼き付け前のパターンにおいて顔料を基板の表面に強固に結着できなくなったりするおそれがある。
これに対しアクリル樹脂の重量平均分子量が1500以上であれば、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下するのを防止して、印刷前のインキ組成物中で顔料が沈降するのを防止すると共に、印刷後、焼き付け前のパターンにおいて顔料を基板の表面に強固に結着できる。
また重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上、9000以下であるのがさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であれば、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下するのを防止しながら、インキ組成物の粘度を所定の印刷法に適した範囲に維持するために必要な溶剤量をさらに少なくして、シリコーンブランケットの膨潤を抑制し、使用寿命を延長する効果をさらに向上できる。
また重量平均分子量は、前記範囲内でも1500以上、9000以下であるのがさらに好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であれば、アクリル樹脂によるバインダとしての機能が低下するのを防止しながら、インキ組成物の粘度を所定の印刷法に適した範囲に維持するために必要な溶剤量をさらに少なくして、シリコーンブランケットの膨潤を抑制し、使用寿命を延長する効果をさらに向上できる。
アクリル樹脂の重量平均分子量を、本発明では下記の条件によるゲルパーミェーションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した値でもって表すこととする。
カラムの種類:TSKgel GMHXL〔東ソー(株)製〕
カラムの本数:2本
移動相流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
試料注入量:100μl
試料濃度:0.1%(w/w)
溶媒:テトラヒドロフラン
またアクリル樹脂の水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超える範囲に限定されるのは、下記の理由による。
カラムの種類:TSKgel GMHXL〔東ソー(株)製〕
カラムの本数:2本
移動相流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
試料注入量:100μl
試料濃度:0.1%(w/w)
溶媒:テトラヒドロフラン
またアクリル樹脂の水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超える範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/g以下であるアクリル樹脂は1分子中に含まれる官能基の数が少ないため顔料表面に良好に吸着されず、前記顔料をインキ組成物中で良好に分散させることができない。
これに対し重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超えるアクリル樹脂は、分子の大きさに比べて1分子中に含まれる官能基の数が多いため顔料表面に良好に吸着されて、前記顔料をインキ組成物中で良好に分散させることができる。
これに対し重量平均分子量が10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超えるアクリル樹脂は、分子の大きさに比べて1分子中に含まれる官能基の数が多いため顔料表面に良好に吸着されて、前記顔料をインキ組成物中で良好に分散させることができる。
またアクリル樹脂の水酸基価または酸価が200mgKOH/g以下に限定されるのは、前記水酸基価または酸価が200mgKOH/gを超える場合には、インキ組成物の、シリコーンブランケットに対する相性が低下して、印刷時に前記インキ組成物が、例えば凹版の凹部からシリコーンブランケットの表面に転写されない受理不良を生じたりするためである。
なおアクリル樹脂の水酸基価または酸価は、前記範囲内でも100mgKOH/g以上、200mgKOH/g以下であるのが好ましい。水酸基価または酸価がこの範囲内であれば、前記受理不良の問題等が生じるのを抑制しながら、顔料をインキ組成物中でさらに良好に分散できる。そのためアクリル樹脂の分子量をより一層小さく、溶剤量をさらに少なくして、シリコーンブランケットの膨潤を抑制し、使用寿命を延長する効果をさらに向上できる。
アクリル樹脂の水酸基価、酸価を、本発明では日本工業規格JIS K0070−1992「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に記載された測定方法に則って測定した値でもって表すこととする。
アクリル樹脂は、前記測定方法によって測定された水酸基価および酸価のうちの少なくとも一方が前記50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下の範囲内であればよい。すなわちアクリル樹脂としては、水酸基価が前記範囲内でかつ酸価が0であるもの、水酸基価が0でかつ酸価が前記範囲内であるもの、および水酸基価、酸価が共に前記範囲内であるものがいずれも使用可能である。またアクリル樹脂としては、前記重量平均分子量、水酸基価および酸価の条件を満足する2種以上を併用してもよい。
アクリル樹脂は、前記測定方法によって測定された水酸基価および酸価のうちの少なくとも一方が前記50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下の範囲内であればよい。すなわちアクリル樹脂としては、水酸基価が前記範囲内でかつ酸価が0であるもの、水酸基価が0でかつ酸価が前記範囲内であるもの、および水酸基価、酸価が共に前記範囲内であるものがいずれも使用可能である。またアクリル樹脂としては、前記重量平均分子量、水酸基価および酸価の条件を満足する2種以上を併用してもよい。
溶剤としては、前記アクリル樹脂を良好に溶解すると共に、導電性粉末等の顔料を良好に分散しうる種々の溶剤が使用可能である。前記溶剤としては、例えばテルピネオール、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート(BCA)等が挙げられる。
溶剤の量が、アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満に限定されるのは、下記の理由による。
溶剤の量が、アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち溶剤の量が180質量部以上では、かかる多量の溶剤を含むインキ組成物を、シリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に使用して連続的に印刷を繰り返した際に、前記シリコーンブランケットに短期間で多量の溶剤が含浸されて、膨潤によりシリコーンブランケットの表面の濡れ性が上昇する。そのためインキ組成物の使用寿命を延長する効果が得られない。これに対し溶剤の量が180質量部未満であれば、シリコーンブランケットの短期間での膨潤を抑制し、使用寿命を延長できる。
なお溶剤の量は、前記範囲内でもアクリル樹脂100質量部あたり40質量部以上であるのが好ましい。溶剤の量が40質量部未満では、たとえ重量平均分子量の小さいアクリル樹脂を用いたとしても、インキ組成物の粘度を前記所定の印刷法に適した範囲に調整できないおそれがある。これに対し溶剤の量を40質量部以上とすることで、インキ組成物の粘度を前記所定の印刷法に適した範囲に調整できる。
また溶剤の量は、前記範囲内でも40質量部以上、160質量部以下であるのがさらに好ましい。溶剤の量がこの範囲内であれば、先に説明した特性を有するアクリル樹脂、および顔料等と組み合わせた際に、前記所定の印刷法に適した粘度を有するインキ組成物を調製できる。
顔料としては、塗膜を着色したり、前記塗膜に導電性等の任意の特性を付与したりすることができる種々の微粒子が挙げられる。例えば本発明のインキ組成物を導電性ペーストとして用いる場合、顔料としては導電性粉末が用いられる。
顔料としては、塗膜を着色したり、前記塗膜に導電性等の任意の特性を付与したりすることができる種々の微粒子が挙げられる。例えば本発明のインキ組成物を導電性ペーストとして用いる場合、顔料としては導電性粉末が用いられる。
導電性粉末としては、例えば銀、銅、金、白金、ニッケル、アルミニウム、鉄、パラジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト等の金属の粉末や前記金属の2種以上の合金の粉末、銀メッキ銅等のメッキ複合体の粉末、酸化銀、酸化コバルト、酸化鉄、酸化ルテニウム等の金属酸化物の粉末などの1種または2種以上が挙げられる。中でも高い導電性を有する上、高絶縁性の酸化物を生成しにくい耐酸化性に優れるため導電性に優れた導電パターンを形成できる銀が好ましい。
導電性粉末は、凹版オフセット印刷に対する印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できるインキ組成物(導電性ペースト)を調製することを考慮すると、粒度分布の50%累積径D50が0.05μm以上、10μm以下、特に0.1μm以上、2μm以下であるのが好ましい。また導電性粉末の形状は、前記導電性粉末同士の接触面積を大きくして導電パターンの導電性を高めることを考慮すると、球状よりも鱗片状であるのが好ましい。また、導電性粉末を細密充填して導電パターンの導電性をさらに高めることを考慮すると、前記鱗片状の導電性粉末と球状の導電性粉末とを併用するのがさらに好ましい。
導電性粉末の量は、アクリル樹脂100質量部あたり500質量部以上、2000質量部以下、特に800質量部以上、1600質量部以下であるのが好ましい。導電性粉末の量がこの範囲内であれば、先に説明した特性を有するアクリル樹脂、および前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満の溶剤と組み合わせた際に、前記所定の印刷法に適した粘度を有するインキ組成物を調製できる。また前記インキ組成物を印刷して形成した導電パターンに、例えばPDPを構成する電磁波シールドのシールドパターンや前面板の電極等に適した良好な導電性を付与できる。
本発明のインキ組成物を、先に説明したPDPを構成する電磁波シールドのシールドパターンや前面板の電極等の、基板の面積と比較してごく微細な線幅を有する導電パターンの形成のための導電性ペーストとして用いる場合、前記インキ組成物には、前記各成分に加えてガラスフリットを含有させてもよい。
ガラスフリットとしては、インキ組成物を基板の表面に印刷した後の焼き付けによってアクリル樹脂が分解または揮散するのと前後して軟化もしくは溶融し、アクリル樹脂に代わって導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を結着するバインダとして機能する種々のガラス材料からなる粉末が使用可能である。前記ガラスフリットとしては例えばホウケイ酸ガラスの粉末や、あるいは酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物を含有するガラスの粉末等の1種または2種以上が挙げられる。
ガラスフリットとしては、インキ組成物を基板の表面に印刷した後の焼き付けによってアクリル樹脂が分解または揮散するのと前後して軟化もしくは溶融し、アクリル樹脂に代わって導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を結着するバインダとして機能する種々のガラス材料からなる粉末が使用可能である。前記ガラスフリットとしては例えばホウケイ酸ガラスの粉末や、あるいは酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化ビスマス等の金属酸化物を含有するガラスの粉末等の1種または2種以上が挙げられる。
ただしガラスフリットとしては、アクリル樹脂が軟化し、溶融し、さらに分解または揮散する温度以上で、かつ導電性粉末の融点以下の温度範囲、特に400℃以上、550℃以下で軟化または溶融するものを用いるのが好ましい。かかるガラスフリットは、焼成時にアクリル樹脂が分解または揮散した後に軟化または溶融を開始して導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を結着するバインダとしての機能を発揮する。そのため焼成によって形成される導電パターン中にアクリル樹脂が分解または揮散した後が空隙となって残って導電性が低下するのを抑制できる。
また前記ガラスフリットは、導電性粉末の融点以下の温度で軟化または溶融を開始してバインダとしての機能を発揮するので、焼成の温度を引き下げることができ、焼成に要する時間やエネルギー等を削減して電磁波シールド等の生産性をも向上できる。
ガラスフリットは、凹版オフセット印刷法や反転印刷法等による印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できるインキ組成物を調製することや、導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を良好に結着させて導電性に優れた導電パターンを形成すること等を考慮すると、粒度分布の50%累積径D50が0.1μm以上、5μm以下、特に0.2μm以上、3μm以下であるのが好ましい。
ガラスフリットは、凹版オフセット印刷法や反転印刷法等による印刷適性に優れる上、微細な導電パターンを細部まで良好に再現できるインキ組成物を調製することや、導電性粉末同士、および導電性粉末と基板との間を良好に結着させて導電性に優れた導電パターンを形成すること等を考慮すると、粒度分布の50%累積径D50が0.1μm以上、5μm以下、特に0.2μm以上、3μm以下であるのが好ましい。
ガラスフリットの量は、前記機能をいずれも良好に発揮させることを考慮すると、アクリル樹脂100質量部あたり5質量部以上、50質量部以下、特に10質量部以上、40質量部以下であるのが好ましい。
インキ組成物には、前記各成分に加えてさらにレベリング剤、分散剤、チキソトロピック粘性付与剤、消泡剤、充填剤等の、特に印刷特性や加工性を改良するための配合剤を任意の割合で含有させてもよい。インキ組成物は、従来同様に前記各成分を所定の割合で配合した後、3本ロール、ボールミル、アトライタ、サンドミル等を用いて混練して調製することができる。
インキ組成物には、前記各成分に加えてさらにレベリング剤、分散剤、チキソトロピック粘性付与剤、消泡剤、充填剤等の、特に印刷特性や加工性を改良するための配合剤を任意の割合で含有させてもよい。インキ組成物は、従来同様に前記各成分を所定の割合で配合した後、3本ロール、ボールミル、アトライタ、サンドミル等を用いて混練して調製することができる。
インキ組成物の粘度は、例えば前記インキ組成物を、シリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に用いる場合には4Pa・s以上、12Pa・s以下であるのが好ましい。インキ組成物の粘度を前記範囲内の任意の値に調整するためには、前記各成分の量やアクリル樹脂の重量平均分子量を、それぞれ先に説明した範囲内で調整すればよい。
本発明のインキ組成物は、特にシリコーンブランケットを用いる凹版オフセット印刷法、反転印刷法等の印刷法に好適に用いることができる。かかる印刷法により、PDPの前面板や、あるいはPDP、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、電界放出型ディスプレイ(FED)等の薄型ディスプレイの画素電極基板などを、これまでよりも高い生産性でもって効率よく製造できる。
シリコーンブランケットとしては、少なくともその表面がシリコーンゴムからなるブランケットが使用可能である。かかるシリコーンブランケットとしては、その全体が単層のシリコーンゴムからなるものや、ポリエチレンテレフタレートフィルム、金属箔等からなる基材の片面にシリコーンゴムの層が積層された積層構造を有するもの等が挙げられる。
このうち全体が単層のシリコーンゴムからなるシリコーンブランケットは、例えば平盤上に液状のシリコーンゴムをコーティングし、架橋反応させたのち前記平盤上からはく離する等して形成できる。また積層構造を有するシリコーンブランケットは、例えば金型内に基材を装着した状態で、前記金型内に液状のシリコーンゴムを注入して架橋反応させたり(特開平8−112981号公報等参照)、基材の表面に液状のシリコーンゴムをコーティングした後、架橋反応させたり(特開2003−136856号公報等参照)して形成できる。
このうち全体が単層のシリコーンゴムからなるシリコーンブランケットは、例えば平盤上に液状のシリコーンゴムをコーティングし、架橋反応させたのち前記平盤上からはく離する等して形成できる。また積層構造を有するシリコーンブランケットは、例えば金型内に基材を装着した状態で、前記金型内に液状のシリコーンゴムを注入して架橋反応させたり(特開平8−112981号公報等参照)、基材の表面に液状のシリコーンゴムをコーティングした後、架橋反応させたり(特開2003−136856号公報等参照)して形成できる。
凹版としては鉄−ニッケル合金(42アロイ等)、ステンレス鋼等の金属や、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等からなり、その片面に、先に説明したようにフォトリソグラフ法等によって導電パターンの形状に対応した凹部が形成されたものを用いることができる。また凹版の耐久性を向上するため、前記凹版の、凹部の内面を含む表面には例えば硬質クロムめっき層等を被覆してもよい。前記凹部にインキ組成物を充填するためには、従来同様にドクターブレード等を用いればよい。
基板の表面に印刷したインキ組成物を乾燥させたのち焼き付けると、前記基材の表面に、例えばPDPの前面板の電極や電磁波シールド線、あるいはPDP、LCD、EL、FED等の画素電極等の導電パターンが形成される。具体的には、インキ組成物がガラスフリットを含む場合は450℃以上、650℃以下、特に500℃以上、600℃以下程度で焼成すると、まず乾燥と焼成の初期に溶剤が揮発され、次いで焼成工程においてアクリル樹脂が分解または揮散されると共に、導電性粉末がガラスフリットの助けによって溶着ないし焼結されて、導電性に優れた導電パターンが形成される。
導電パターンの厚みは、その用途等に応じて適宜設定すればよい。例えば、PDPの前面板の電極等の場合は3μm以上、15μm以下、特に5μm以上、10μm以下であるのが好ましい。導電パターンの厚みを調整するには、凹版オフセット印刷法であれば凹版の凹部の深さを変更すればよい。また反転印刷法では、シリコーンブランケットの表面に塗布する導電性ペーストの厚みを変更すればよい。
なお本発明のインキ組成物の用途は前記導電パターンの形成には限定されない。例えばLCDのブラックマトリクスやカラーフィルタ等を形成するために本発明のインキ組成物を用いることもできる。その場合インキ組成物には、導電性粉末に代えて、ブラックマトリクスやカラーフィルタを所定の色に着色するための顔料を含有させればよい。形成される印刷パターンの厚み等も、用途に応じて適宜変更できる。
〈実施例1〉
バインダ樹脂としては、重量平均分子量Mwが3000で、かつ水酸基価が100mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用意した。
前記アクリル樹脂100質量部と、溶剤としてのテルピネオール40質量部と、導電性粉末としての銀粉末(D50=0.5μm)1000質量部と、Bi系ガラスフリット(軟化点:450℃、D50=1.0μm)30質量部とを遊星タイプミキサーで混合した後、3本ロールを用いて混練してインキ組成物としての導電性ペーストを調製した。
バインダ樹脂としては、重量平均分子量Mwが3000で、かつ水酸基価が100mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用意した。
前記アクリル樹脂100質量部と、溶剤としてのテルピネオール40質量部と、導電性粉末としての銀粉末(D50=0.5μm)1000質量部と、Bi系ガラスフリット(軟化点:450℃、D50=1.0μm)30質量部とを遊星タイプミキサーで混合した後、3本ロールを用いて混練してインキ組成物としての導電性ペーストを調製した。
前記導電性ペーストの、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈実施例2〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが1500で、かつ水酸基価が150mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈実施例2〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが1500で、かつ水酸基価が150mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈実施例3〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが4000で、かつ水酸基価が200mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を140質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈実施例3〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが4000で、かつ水酸基価が200mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を140質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈実施例4〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが9000で、かつ水酸基価が70mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を160質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈実施例4〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが9000で、かつ水酸基価が70mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を160質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈比較例1〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが5000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を180質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例1〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが5000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を180質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈比較例2〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが10000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が100mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を180質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例2〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが10000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が100mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を180質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈比較例3〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが30000で、かつ水酸基価が30mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を200質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例3〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが30000で、かつ水酸基価が30mgKOH/g、酸価が0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を200質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈比較例4〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが70000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が20mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を280質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
〈比較例4〉
バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが70000で、かつ水酸基価が0mgKOH/g、酸価が20mgKOH/gであるアクリル樹脂を用い、前記アクリル樹脂100質量部に対するテルピネオールの量を280質量部、銀粉末の量を1200質量部としたこと以外は実施例1と同様にして導電性ペーストを調製した。
前記、測定温度23±1℃での粘度をコーンプレート法により測定したところ9Pa・sであった。
〈シリコーンブランケット〉
シリコーンブランケットとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材の片面に、常温硬化型の付加型シリコーンゴムからなるシリコーンゴムの層が積層された積層構造を有するものを用意した。前記シリコーンゴムの層の厚みは300μm、ゴム硬さ(JIS A)は40度、表面の十点平均粗さRZ JIS94は0.1μmであった。
〈シリコーンブランケット〉
シリコーンブランケットとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる基材の片面に、常温硬化型の付加型シリコーンゴムからなるシリコーンゴムの層が積層された積層構造を有するものを用意した。前記シリコーンゴムの層の厚みは300μm、ゴム硬さ(JIS A)は40度、表面の十点平均粗さRZ JIS94は0.1μmであった。
〈印刷試験〉
精密印刷用の凹版オフセット印刷機のブランケット胴に前記シリコーンブランケットをセットし、実施例1〜5、比較例1、2で調製した導電性ペーストを用いた凹版オフセット印刷法を実施してガラス基板上に印刷する操作を連続して行った。ガラス基板としてはPDPの前面板(対角42インチ)を用い、印刷パターンは線幅100μm、ピッチ幅200μmのストライプパターンとした。
精密印刷用の凹版オフセット印刷機のブランケット胴に前記シリコーンブランケットをセットし、実施例1〜5、比較例1、2で調製した導電性ペーストを用いた凹版オフセット印刷法を実施してガラス基板上に印刷する操作を連続して行った。ガラス基板としてはPDPの前面板(対角42インチ)を用い、印刷パターンは線幅100μm、ピッチ幅200μmのストライプパターンとした。
そして1回の印刷ごとに、導電性ペーストが基板の表面に完全に転写されずにシリコーンブランケットの表面に残るパイリングが発生したか否かを観察し、パイリングが発生した時点でシリコーンブランケットが寿命に達したと判断して、パイリングが生じた印刷回数をシリコーンブランケットの寿命として記録した。結果を表1に示す。なお比較例1の導電性ペーストは銀粉末の分散性が低く、1回目の印刷時に凝集破壊を起こしてガラス基板に完全に転写できなかったため試験を中止した。
表1より、水酸基価および酸価がいずれも0mgKOH/gであるアクリル樹脂を用いた比較例1の導電性ペーストは前記のように銀粉末の分散性が低く、1回目の印刷時に凝集破壊を起こしてガラス基板に完全に転写できなかったため試験を中止した。
また、重量平均分子量Mwが10000以上のアクリル樹脂を用いた比較例2〜4の導電性ペーストは粘度を前記9Pa・sとするために、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部以上という多量のテルピネオールを必要とした。そのため、かかる多量のテルピネオールによってシリコーンブランケットが短期間で膨潤してしまい、いずれも70回目以内の印刷時にパイリングが発生した。
また、重量平均分子量Mwが10000以上のアクリル樹脂を用いた比較例2〜4の導電性ペーストは粘度を前記9Pa・sとするために、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部以上という多量のテルピネオールを必要とした。そのため、かかる多量のテルピネオールによってシリコーンブランケットが短期間で膨潤してしまい、いずれも70回目以内の印刷時にパイリングが発生した。
これに対し、重量平均分子量Mwが10000未満で、かつ水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であるアクリル樹脂を用いた実施例1〜5の導電性ペーストは、いずれも比較例2〜4に比べて粘度を前記9Pa・sとするために必要なテルピネオールの量をアクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満として、シリコーンブランケットの寿命を、前記比較例2〜4に比べて延長できることが確認された。
また各実施例を比較すると、アクリル樹脂の重量平均分子量Mwは1500以上であるのが好ましいこと、テルピネオールの量はアクリル樹脂100質量部当たり40質量部以上であるのが好ましいことが判った。
Claims (3)
- アクリル樹脂、顔料、および溶剤を含むインキ組成物であって、前記アクリル樹脂の重量平均分子量が10000未満、水酸基価または酸価が50mgKOH/gを超え、200mgKOH/g以下であると共に、前記溶剤の量が、前記アクリル樹脂100質量部あたり180質量部未満であることを特徴とするインキ組成物。
- アクリル樹脂の重量平均分子量が1500以上である請求項1に記載のインキ組成物。
- 溶剤の量が、アクリル樹脂100質量部あたり40質量部以上である請求項1または2に記載のインキ組成物。
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JP2009026323A JP2010180356A (ja) | 2009-02-06 | 2009-02-06 | インキ組成物 |
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WO2011065342A1 (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-03 | Dic株式会社 | 凸版反転印刷用インキ組成物、印刷物、及びカラーフィルタ |
CN114196255A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-03-18 | 浙江华宝油墨有限公司 | 一种凹版印刷水性聚氨酯油墨 |
WO2023095671A1 (ja) * | 2021-11-25 | 2023-06-01 | ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 | 導電性インク組成物及び導電膜 |
-
2009
- 2009-02-06 JP JP2009026323A patent/JP2010180356A/ja active Pending
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