JP2006196246A - 導電性ペースト及びそれを用いた配線回路基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 焼結温度を低下させた場合にも高導電性が得られ、また30μm以上の厚膜塗布が可能であり抵抗値の低い配線回路を形成できる導電ペーストを提供する。さらにこの導電ペーストを基板上に印刷して作製した配線回路基板を提供する。
【解決手段】 金属粉末、ガラスフリット、および有機ビヒクルを主成分とする導電性ペーストであって、前記金属粉末は、1次粒子の平均粒径(D)が0.5μm〜10μmの略球状粒子(A)と、1次粒子の平均粒径(D)が0.1μm以上、(D×0.25)μm未満である略球状粒子(B)と、1次粒子の平均粒径が50nm以下の略球状粒子(C)を主成分とし、かつガラスフリットの配合量は、ガラスフリットと金属粉末の合計値に対して0.1重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする導電性ペースト。
【選択図】図3

Description

本発明は、エレクトロニクス分野で使用される導電性ペーストに関し、絶縁基板上に印刷し、加熱焼結して該基板上に配線回路を形成するために多く使用される導電性ペースト、及びそれを用いてなる配線回路基板に関する。
導電性ペーストは、印刷等により電極等種々のパターンを容易に形成できるため、エレクトロニクス分野で多く用いられている。最近では、塗布形成したパターンを加熱焼結することによりいっそうの低抵抗化をはかる方法が採られる場合がある。導電性ペーストに使用される金属粉末は、焼結の進行により金属粉末間の接触抵抗が下がり、塗布パターンとして、より良好な導電性を示すことになる。
このような導電性ペーストとして、金属粉末を有機ビヒクル中に分散させたものが広く使用されている。例えば、特許文献1に金属粉末、ガラス粉末、及び有機ビヒクルを含有する厚膜導体ペーストが開示されている。金属粉末には貴金属粉末が用いられ、形状は球状が好ましく、粒径は0.1〜3.0μmが好ましいとの記載がある。ガラス粉末は従来から公知のSiO、Al、PbO、CaO、B等を主成分とした450〜650℃に軟化点を有するガラス粉末と記載されている。有機ビヒクルは、金属粉末と結合材とを混合し、塗布する際に適した材料とするために用いられる分散剤であり、溶剤成分と樹脂成分及び添加剤成分を含んでいる。
また特許文献2には平均粒径が0.5〜2μmで、かつタップ密度が3〜7g/cmである導電性粉末と有機成分を必須とする導電ペーストが開示されている。2μm以下の平均粒径を有する導電性粉末を導電ペーストに用いることによって、1〜4μmという薄い厚みでも、ピンホール、断線などの欠陥がなく、低抵抗の回路パターンを得ることが可能になる、と記載されている。
これらの導電性ペーストは、スクリーン印刷等の方法によってパターン形成し、焼成して配線回路として使用する。例えばフラットディスプレイパネル基板の電極形成等の用途においては、高精細な電極形成が求められており、ファインパターン形成可能な導電性ペーストが要求されている。また配線抵抗をより低下させるため、高い導電性が要求されている。
特開2003−132735号公報 特開平11−339554号公報
このような要求特性を満たすため、種々の用途に向けた特性改良がなされているが、従来の導電性ペーストでは導電性を高めるためにはより高温の焼結が必要であり、焼結温度を下げると高導電性が得られないという問題があった。従って、ガラス基材等の耐熱性が低い基材を使用する場合には焼結温度を低くする必要があり、低温焼結性と高導電性を両立できる導電性ペーストが求められていた。
また、配線用途に用いられる焼結型ペーストについては配線抵抗を低く抑えたいという要求が強い。配線抵抗を低くするためには配線幅を広く取ることが効果的であるが、設計上配線幅を広くすることはできない場合が多く、むしろ配線幅を細くしたいという要望が多くなっている。このため配線抵抗を低くするためには導電性ペーストの体積抵抗率を下げることに加えて、膜厚を厚く塗布することが必要である。しかし、膜厚を厚くすると塗膜の残留応力が大きくなり、ガラス基材を下地とした場合や、ガラス等の基材に誘電体層を塗布したものを下地とした場合には下地の誘電体層やガラス基材にクラックや凝集破壊が生じ、厚膜化することが困難であった。
本発明は前記問題を解決するものであり、焼結温度を低下させた場合にも高導電性が得られ、また30μm以上の厚膜塗布が可能であり抵抗値の低い配線回路を形成できる導電性ペーストを提供する。さらにこの導電性ペーストを基板上に印刷して配線回路を形成した配線回路基板を提供する。
金属粉末、ガラスフリット及び有機ビヒクルを主成分とする導電性ペーストにおいて、金属粉末の充填密度は導電性に大きく影響する。金属粉末の充填密度が高くなるとペースト中の金属粉末の配合率を高め、緻密な焼結塗膜を得ることができ、更に金属粉末間の導電パスがより多く形成されることにより導電性ペーストの導電性を向上することができる。
更に金属粉末の充填密度が高いと、厚膜塗布が可能となる。図1は導電性ペーストの焼結時の挙動を示す概念図である。焼結前の導電性ペーストには金属粉末(1)、ガラスフリット(2)及び有機バインダー(3)が含まれている。加熱焼結過程において、有機バインダー(3)が取り除かれ、またガラスフリット(2)は流動して金属粉末間や金属粉末と基材との密着性に寄与する。そして金属粉末(1)同士が焼結して塗膜が収縮する。焼結前の金属粉末(1)の充填密度が高いとこの塗膜の収縮量を低減でき、残留応力を低減できるため、厚膜形成が可能になる。
図2は導電性ペースト中の金属粉末の状態を示している。図2及び図3中ではガラスフリット(2)及び有機バインダー(3)は省略している。金属粉末の充填密度を高めるため、まず平均粒径の異なる2種類の球状粒子の組み合わせを考えた。図2に示すように比較的粒径の大きい球状粒子(D)の間に粒径の小さい球状粒子(C)が充填されることで球状粒子(D)の隙間を埋めることができ、図1中の金属粉末(1)と比べて金属粉末の充填密度が高くなっている。
更に充填密度を高めるため、3種類の球状粒子の組み合わせを検討した。図3は本発明の導電性ペーストを示す概念図である。平均粒径の大きい球状粒子(A)が最密充填され、その隙間に粒径の小さい球状粒子(B)が入り込む。この球状粒子(B)の粒径が大きいと、球状粒子(A)の最密充填構造が崩れ、粒子全体の充填密度が低くなる。しかし球状粒子(B)の粒径が小さすぎると隙間を完全に埋めることができない。球状粒子(A)と球状粒子(B)が近接する理想的な状態を計算によって求めた結果、球状粒子(B)の粒径(D)が球状粒子(A)の粒径(D)に対して、(D)=(D)×0.177とすると理論的に最密充填構造を達成できることがわかった。そして球状粒子(A)と(B)の隙間を、更に粒径の小さい球状粒子(C)で埋めることで充填密度を向上する。
実際の金属粉末は、均一な形状ではなく、その粒径はある程度の分布がある。また完全な球形状ではなく、表面に若干の凹凸があるものや断面が楕円状であるものも存在する(以下、これらの形状を総称して略球状と記載する)。本発明者は、このモデルに基づいて、実際の金属粉末での最適な略球状粒子の組み合わせを検討し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、金属粉末、ガラスフリット、および有機ビヒクルを主成分とする導電性ペーストであって、前記金属粉末は、1次粒子の平均粒径(D)が0.5μm〜10μmの略球状粒子(A)と、1次粒子の平均粒径(D)が0.1μm以上、(D×0.25)μm未満である略球状粒子(B)と、1次粒子の平均粒径が50nm以下の略球状粒子(C)を主成分とし、かつガラスフリットの配合量は、ガラスフリットと金属粉末の合計値に対して0.1重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする導電性ペーストである(請求項1)。
略球状粒子(A)の平均粒径(D)は0.5μm〜10μmとする。平均粒径(D)が10μmより大きいと微細な配線回路を形成できないからであり、0.5μmよりも小さいと上記の組み合わせ効果を発揮することができない。更に平均粒径(D)の好ましい範囲は2μm〜5μmである。
計算により求めた理想的な略球状粒子(B)の平均粒径(D)の値は(D×0.177)であるが、実際の金属粉末は粒径の分布があるため、平均粒径(D)を0.1μm以上、(D×0.25)μm未満とすることで本発明の課題を達成できる。更に好ましい平均粒径(D)の範囲は0.1μm以上、(D×0.2)μm以下である。
略球状粒子(A)及び略球状粒子(B)としては、湿式還元法、アトマイズ法等によって作製される種々の金属粉末が使用できる。ここで、平均粒径の測定は、レーザードップラー法を応用した粒度分布測定装置〔日機装(株)製のナノトラック(登録商標)粒度分布測定装置UPA−EX150〕等により測定できる。
略球状粒子(A)と略球状粒子(B)の隙間を埋めるため、1次粒子の平均粒径が50nm以下の略球状粒子(C)を使用する。一次粒子の平均粒径が50nm以下の略球状粒子(C)は金属化合物を湿式還元処理することにより作成できる。具体的には、水もしくは水と低級アルコールの混合物に水溶性の金属化合物を加え溶解した液に、還元剤と表面処理剤を溶解した水溶液を加え、30℃以下で攪拌することで微小な金属粉末を得ることができる。
前記略球状粒子(A)のタップ密度が4.5g/cm以上であり、かつ前記略球状粒子(B)のタップ密度が3.7g/cm以上であると、更に充填密度が向上し、好ましい(請求項2)。タップ密度は金属粉末の充填性の評価指標となり、タップ密度が高いほど金属粉末の充填性が向上するからである。
なお、タップ密度はISO 3953−1985(E)「金属粉−タップ密度の測定方法」に従い、容器に入れた一定量の粉末を、それ以上体積の減少が起こらなくなるまで振動させ、粉末の重量を試験後の粉末体積で割ることにより算出する。
前記略球状粒子(A)と前記略球状粒子(B)の混合比率(重量比)を90:10〜30:70とすると、導電性を向上でき、好ましい(請求項3)。前記略球状粒子(A)と前記略球状粒子(B)の混合比率がこの範囲内であると、上記の粒子の組み合わせ効果をより発揮することができるからである。
更に前記略球状粒子(C)が金属粉末全体の1重量%〜20重量%であると好ましい(請求項4)。略球状粒子(C)が金属粉末全体の1重量%未満であると、略球状粒子(A)及び(B)の周りに略球状粒子(C)が十分行き渡らず、低温焼結の効果もごく局所的にとどまるため、焼結時に十分な導電経路を形成しない。また略球状粒子(C)が20重量%を越えると、導電性は十分となるが球状粒子(C)を多く使用するためにコストが高くなる。また、(A)(B)(C)以外の金属粉末をこれら合計量の10%まで含んでも問題ない。
本発明に用いる金属粉末は、金属単体、合金及び複合金属から選ばれるものであれば良い。特にその金属種類は白金、金、銀、銅、パラジウムから選ばれると優れた導電性を示すので好ましい(請求項5)。さらに銀を使用すると、導電性、耐酸化性等の信頼性、価格等の諸特性のバランスが優れており、より好ましい。
ガラスフリットは、導電性ペーストを塗布する基材と導電性ペーストとの密着力を上げるために必要である。金属粉末とガラスフリットの合計値に対してガラスフリットを0.1〜15重量%程度の範囲で使用すると、密着力が確保でき好ましい。ガラスフリットの量が0.1重量%より少ないとペーストと基材の密着力が弱くなり、15重量%より多いと導電性が悪くなる。
またガラスフリットの作業点が520℃以下であると、焼結温度を低くでき、低温焼結性と導電性を両立できるため好ましい(請求項6)。ガラスフリットの作業点はガラスフリットが溶解拡散する温度の指標となる。更にガラスフリットの作業点が500℃以下であると500℃以下での焼結が可能となり、焼結温度を低下することで塗膜応力を更に低減でき好ましい。なお本発明において作業点とは、加熱・昇温した場合にガラスフリットが軟化して所定の粘度(約10ポイズ)になる温度を意味する。
更に熱膨張係数が6.5ppm/℃以上、10.0ppm/℃以下のガラスフリットを使用すると、厚膜に塗布して焼結したときの塗膜の残留応力を低減することができ、好ましい(請求項7)。下地層として多く用いられるガラス基板の熱膨張係数は約8ppm/℃であり、ガラスフリットの熱膨張係数と下地層の熱膨張係数との差を小さくすることにより残留応力を低減できる。
ガラスフリットの熱膨張係数は熱機械分析(TMA:Thermomechanical Analysis)によって測定され、室温から350℃までの測定値を用いる。熱膨張係数の更に好ましい範囲は8.0ppm/℃〜9.5ppm/℃である。
ガラスフリットの平均粒径は特に制限されないが、0.3μm以上5μm以下とするのが好ましい。平均粒径が5μmより大きいと、金属粉末とガラスフリットとの分散性が悪くなる。また平均粒径が0.3μmよりも小さいと二次凝集を起こし、ガラスフリット自身の分散性が低下するため、焼結が不均一となる場合がある。
更に環境への影響を考慮すると、鉛を含有しないガラスフリットを使用することが好ましい。このようなガラスフリットとしてはビスマス系や亜鉛系の材料が好ましく使用できる。
本発明に用いる有機ビヒクルは、前記金属粉末とガラスフリットを均一に混合した状態を維持し、かつスクリーン印刷等の基材への塗布時に均一かつ印刷パターンのにじみや流れを抑える特性を必要とする。これらの特性を維持するには、セルロース系樹脂やアクリル系樹脂を溶剤に溶解したものが好適である。溶剤としてはペーストを塗布する基材に対して非腐食性であり、また揮発性の低いものを用いると印刷作業性が良い。たとえばスクリーン印刷で印刷の線幅が200μm以下であるような細いパターンを描く場合、有機ビヒクルとして、分子量10000〜20000のエチルセルロースをブチルカルビトールアセテートやα−テルピネオール等に10〜20重量%溶解したものを好適に用いることができる。
これらの金属粉末、ガラスフリット等の固形分と有機ビヒクルを混合して導電性ペーストを作製する。更に要求特性に応じて、硬化剤、可塑剤、チクソ剤、レベリング剤等の添加剤を更に添加しても良い。これらの材料は3本ロール、回転撹拌脱泡機などにより混合、分散して均一な状態とする。
さらに本発明は、これらの導電性ペーストを基板上に印刷して配線回路を形成した配線回路基板を提供する(請求項8)。また配線回路の厚さが30μm以上であり、体積抵抗率が10.0μΩ・cm以下であることを特徴とする請求項8に記載の配線回路基板を提供する(請求項9)。導電性ペースト中の金属粉末を最適な組み合わせとすることで30μm以上の厚膜形成が可能となり、高い導電性を持つ配線回路基板を提供することができる。
配線回路の形成方法としては、スクリーン印刷、凹版印刷、平板印刷、ディスペンサー、インクジェット等が例示される。形成される配線の精細性、膜厚、生産性の点からスクリーン印刷が最も好適に用いられる。これらの方法で基板上に導電性ペーストを印刷・塗布した後、加熱焼結して配線回路を形成する。
本発明は、厚膜形成が可能で導電性の優れた導電性ペースト及びそれを用いた配線回路基板を提供する。本発明の導電性ペーストは基板上に塗布して焼結したときの塗膜の残留応力が少なく、30μm以上の厚膜配線回路を作製可能である。
次に発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。ただし本発明の範囲は実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜3)
(銀微粒子の作製)
純水とエタノールを等量で混合した液に硝酸銀を溶解し、アンモニア水を加えてpHを11.3に調整し、溶液を透明にした。別に純水とエタノールを等量で混合した液に、還元剤としてL−アスコルビン酸と分散剤としてポリアクリル酸(分子量:5000)を溶解した。この溶液を25℃に保ち、先に作製した硝酸銀の溶液を徐々に滴下して攪拌しつつ銀の微粒子を析出させた。その後洗浄乾燥し、一次粒子の平均粒径が20nmの球状銀粒子(C)を得た。
(導電性ペーストの作製)
有機ビヒクルとして、α−テルピネオールに分子量12000のエチルセルロースを溶解し、樹脂分濃度12重量%の溶液とした。これに表1に示す種類と量の銀粒子を加え、回転撹拌脱泡機を用いて均一に混合した。尚、銀粒子Aは1次粒子の平均粒径が3.0μmの球状粒子、銀粒子Bは平均粒径0.5μmの球状粒子である。さらに平均粒径1.5μmとなるようにビーズミルで粉砕したガラスフリットD(Bi−B系、作業点425℃、熱膨張係数9.3ppm/℃)を加えて混合を継続し、観察により均一と判断してから、この溶液を三本ロールミルに通した後、目開き50μmのステンレス製フィルタを用いて濾過して導電性ペーストを作製した。
(導電性評価)
作製した導電性ペーストのサンプルをガラス基材(旭硝子(株)製PD200基板)の上に、50mm幅×90mm長さで製膜し、これを恒温槽に入れ、150℃で30分加熱して溶剤を揮発させた後に、表1に示す焼結温度(500℃と520℃)の焼結炉に移して30分間加熱焼結した。焼結後、膜厚及び体積抵抗を測定して導電性を評価した。膜厚は、表面粗さ測定器(東京精密(株)製SURFCOM130A)で測定した。体積抵抗測定にはJISK7194に準拠する低抵抗率計(三菱化学(株)製ロレスタGP)を用いた。
(基板への密着性評価)
上記導電性評価に用いたサンプルに1mm間隔の碁盤目状に切り込みを加え、上面に粘着テープを被せ、テープ剥離試験を10回行い、剥がれ具合を観察した(碁盤目剥離試験)。評価指標は、○:碁盤目剥離試験で剥がれ無し、×:剥がれ有り(1/100以上剥離)としている。
(塗膜残留応力評価)
得られた塗膜の残留応力を、X線残留応力測定装置にて測定した。Cr−KαX線を30kV、20mAで励起し、sin2Ψ法(並傾法)にて、Ag(311)面を測定回折面とした。また使用定数はヤング率75000MPa、ポアソン比0.38とした。
(ガラス基材外観評価)
更に焼結後のガラス基材の状態を目視観察し、厚膜塗布性を評価した。ガラス基材に割れ、ひび割れ等の異常が観察されなかったものを○、ガラス基材の一部がペーストの残留応力により凝集破壊したものを×、ガラス基材の全面破壊したものを××とした。
(実施例4〜6)
ガラスフリットとして、平均粒径1.5μmとなるようにビーズミルで粉砕したガラスフリットE(Bi−B系、作業点475℃、熱膨張係数9.3ppm/℃)を用いたこと以外は実施例1〜3と同様に導電性ペーストの作製及び評価を行った。
(比較例1)
金属粒子として、平均粒径0.5μmの球状粒子Bと一次粒子の平均粒径が20nmの球状銀粒子Cの2種類を用いたこと以外は実施例1〜3と同様に、導電性ペーストの作成及び評価を行った。
(比較例2)
金属粒子として、平均粒径0.5μmの球状粒子Bと一次粒子の平均粒径が20nmの球状銀粒子Cの2種類を用い、ガラスフリットとして、平均粒径1.5μmとなるようにビーズミルで粉砕したガラスフリットE(Bi−B系、作業点475℃、熱膨張係数9.3ppm/℃)を用いたこと以外は実施例1〜3と同様に導電性ペーストの作製及び評価を行った。以上の結果を表1に示す。
Figure 2006196246
表1に示すように、3種類の球状銀粒子(A、B、C)を用いた本発明の実施例1〜6では、焼結後の膜厚を30μm〜40μmと厚く塗布しても塗膜の残留応力が少なく、ガラス基材の凝集破壊を生じることなく良好な結果を示している。また520℃で焼結した場合は体積抵抗値も概ね3.0μΩ・cm以下の値となり、高い導電性を示している。
一方、2種類の球状銀粒子(B、C)のみを用いた比較例1、2においては、焼結後の膜厚が15μmの場合は問題がないが、焼結後の膜厚が20μm以上になると塗膜の残留応力が大きくなり、ガラス基材の凝集破壊や全面破壊を生じる結果となった。
以上のように本発明になる導電性ペーストは、特に高電導性の配線が求められる分野に好適に用いられる。具体的には、フラットパネルディスプレイや太陽電池の電極形成等に最適である。
導電性ペーストの焼結時の挙動を示す概念図である。 2種類の球状粒子を用いた導電性ペースト及び焼結時の挙動を示す概念図である。 本発明の導電性ペースト及び焼結時の挙動を示す概念図である。
符号の説明
1 ・・・金属粉末
2 ・・・ガラスフリット
3 ・・・有機バインダー
A ・・・略球状粒子(大粒系)
B ・・・略球状粒子(小粒径)
C ・・・略球状粒子(微小粒径)
D ・・・球状粒子(大粒径)

Claims (9)

  1. 金属粉末、ガラスフリット、および有機ビヒクルを主成分とする導電性ペーストであって、前記金属粉末は、1次粒子の平均粒径(D)が0.5μm〜10μmの略球状粒子(A)と、1次粒子の平均粒径(D)が0.1μm以上、(D×0.25)μm未満である略球状粒子(B)と、1次粒子の平均粒径が50nm以下の略球状粒子(C)を主成分とし、かつガラスフリットの配合量は、ガラスフリットと金属粉末の合計値に対して0.1重量%以上、15重量%以下であることを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記略球状粒子(A)のタップ密度が4.5g/cm以上であり、かつ前記略球状粒子(B)のタップ密度が3.7g/cm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記略球状粒子(A)と前記略球状粒子(B)の混合比率(重量比)が90:10〜30:70であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記略球状粒子(C)が、金属粉末全体の1重量%〜20重量%であることを特徴とする、請求項3に記載の導電性ペースト。
  5. 前記金属粉末が、白金、金、銀、銅、パラジウムから選ばれる一種以上の金属、又はそれらの合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
  6. ガラスフリットの作業点が520℃以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性ペースト。
  7. ガラスフリットの熱膨張係数が6.5ppm/℃以上、10.0ppm/℃以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性ペースト。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性ペーストを基板上に印刷して配線回路を形成した配線回路基板。
  9. 配線回路の厚さが30μm以上であり、体積抵抗率が10μΩ・cm以下であることを特徴とする請求項8に記載の配線回路基板。
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