JP2006282982A - 導電性インキ組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラビアオフセット印刷において、凹版から良好に転写体に転写することができ、次いで、この転写体からガラス基板上に良好に再度転写(印刷)することができる、低コストの導電性インキ組成物を提供すること。
【解決手段】バインダー樹脂と導電性粉末からなり、インキの粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sであるガラス基板用導電性インキ組成物で、バインダー樹脂は、分子量10000〜60000のアクリル樹脂で、導電性粉末は、平均粒径が、0.1〜3.0μmの銀粉末である。
【選択図】 なし
【解決手段】バインダー樹脂と導電性粉末からなり、インキの粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sであるガラス基板用導電性インキ組成物で、バインダー樹脂は、分子量10000〜60000のアクリル樹脂で、導電性粉末は、平均粒径が、0.1〜3.0μmの銀粉末である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、グラビアオフセット印刷法によって微細な配線パターンを印刷するのに適した導電性インキ組成物に関するものである。
近年の電子機器の発達により、プラズマディスプレイを代表とするディスプレイの配線パターンを高解像度でしかも低コストで製造することができる技術が要求されている。この配線パターンには、線幅が極めて細く微細であっても、表面が平坦で且つエッジがシャープに再現されており、しかも断線などの不良が発生しないことが必要とされる。
かかる高精度の配線パターンを形成するための代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法を挙げることができる。しかし、フォトリソグラフィー法は、使用する設備に極めて高い精度と清浄度とが要求されるので、製造工程が煩雑で、しかも有害な廃液が多量に生じることから、環境に対する負荷や廃液処理に要する経済的負担が大きいという問題がある。このため、製造コストが極めて高くなる。
そこで、近年、印刷法を用いて配線パターンを形成することが試みられている。印刷法は、導電成分とバインダー樹脂とを含む導電性ペーストを用いて、被印刷物上に印刷パターンを形成したのち、これを乾燥させ、必要に応じて焼成して樹脂を分解除去することで配線パターンを形成する方法であって、製造工程が簡単で量産性に優れている。その中の一つにスクリーン印刷法があるが、細線の直線性が低く、線幅の精度が実用上許容できるようなレベルではない。
そこで、微細な配線パターンを高い寸法精度で形成することができ、しかも比較的低い製造コストを実現することができるグラビアオフセット印刷法が検討されている。このグラビアオフセット印刷法は、凹版の表面に形成した配線パターンに対応した凹部内に導電性インキを充填し、余分なインキをドクターブレード法などで掻き取り、次に、この凹版にブランケットロールなどの転写体を圧接することで印刷パターンを転写体の表面に転写し、そしてこの転写体を被印刷物に圧接することで印刷パターンを当該被印刷物上に再度転写させたのち乾燥させ、必要に応じて被印刷物を焼成することで配線パターンを形成することができる。
平版オフセット印刷は、一回の印刷膜厚が小さいため、配線パターン形成に必要とされる焼成膜厚5〜7μmを得るためには複数回の乾燥と焼成を繰り返す必要があるが、フォトリソグラフィー法に比べて配線パターン形成までのプロセスが簡単で、且つインキを廃棄することがないため、トータルの製造コストを低減することが可能である。
例えば、特許文献1には、グラビアオフセット印刷による配線パターン形成用の導電性ペーストに関して、バインダー樹脂として、セルロース系樹脂(C)とアクリル系樹脂(A)とを、重量比でC/A=1/9〜9/1の割合で混合したものを用いることが開示されている。
また、特許文献2には、グラビアオフセット印刷による配線パターン形成用の導電性ペーストとして、バインダー樹脂100重量部あたり8〜150重量部のシリコーンオイルを含有するものを用いることが開示されている。
さらに、特許文献3には、コーンプレート型回転粘度計により測定されるインキ組成物の粘度をずり速度との関係で一定範囲に収めることを特徴とするグラビアオフセット印刷による配線パターン形成用の導電性インキ組成物が開示されている。
特開2003−59336号公報
特開2003−151350号公報
特開2002−133944号公報
しかし、特許文献1と2は、グラビアオフセット印刷によって配線パターンを形成する場合に、転写性を向上するための重要な因子であるペーストの粘度について検討されていない。また、特許文献3に開示されたものは、ずり速度との関係でインキ組成物の粘度を決定しなければならず、適正組成のインキ組成物を得るための操作が煩雑である。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、グラビアオフセット印刷において、凹版から良好に転写体に転写することができ、次いで、この転写体からガラス基板上に良好に再度転写(印刷)することができる、低コストの導電性インキ組成物を提供することにある。
本明細書において、良好に転写とは、凹版から転写体に対して凹版に形成された配線パターンを100%もれなく転写できること、および転写体からガラス基板に対して転写体上の被転写物を100%もれなく転写できることをいう。
本発明者は、グラビアオフセット印刷による配線パターン形成用の導電性インキ組成物として、凹版から転写体への転写性と、転写体からガラス基板への転写性とが良好な樹脂および導電性粉末、ならびに環境問題を考慮したバインダーガラスの検討を行い、その結果、以下の結論に達した。
すなわち、第一の発明は、ガラス基板に印刷する導電性インキ組成物であって、インキの粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sであることを特徴としている。
第二の発明は、導電性インキ組成物中のバインダー樹脂は、分子量が10000〜60000で且つ酸価が50mgKOH/g以下のアクリル樹脂であって、導電性インキ組成物中の樹脂分比率は5〜15重量%であることを特徴としている。
第三の発明は、導電性インキ組成物に用いられる導電性粉末は、平均粒径が0.1〜3.0μmである600℃以下の温度で焼結可能な銀粉末であることを特徴としている。
第四の発明は、導電性インキ組成物をガラス基板に接着させるために、ビスマスを含む、軟化点が500℃以下の鉛フリーガラスを含有することを特徴としている。
本発明によれば、グラビアオフセット印刷において、凹版から良好に転写体に転写することができ、次いで、この転写体からガラス基板上に良好に再度転写(印刷)することができる、低コストの導電性インキ組成物を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について説明する。
導電性インキ組成物の粘度は、10000mPa・s(ミリPa・s)から60000mPa・s(ミリPa・s)の範囲内であることが好ましい。インキ組成物の粘度が10000mPa・s未満であると、転写された線が滲むという不都合な点がある。一方、インキ組成物の粘度が60000mPa・sを超えると、良好に転写できなくなったり、凹版の表面に形成した凹部内へのインキ組成物の充填作業性が低くなるので好ましくない。この点で、導電性インキ組成物の粘度は、15000mPa・s〜30000mPa・sであることが、より好ましい。
バインダー樹脂としては、ガラス基板上に印刷した配線パターンはガラス基板が溶融・変形しないように低温(600℃以下)で焼成する必要があることを考慮して、500℃で完全に燃焼し且つバインダー性が良好な樹脂が好ましい。この点で、アクリル樹脂はバインダー樹脂として好ましく、分子量が10000から60000の範囲内のアクリル樹脂は、溶剤に対する溶解性に優れ、転写性が良好である点で好ましい。この分子量が10000未満のものは、銀を分散させるバインダー性が小さく、銀が沈降しやすいという不都合な点があり、分子量が60000を超えると、粘度が高くなり、転写しにくくなるという不都合な点がある。
しかしながら、アクリル樹脂の分子量が10000から60000の範囲内であっても、酸価が50mg(ミリク゛ラム)KOH/gを超えると、粘着性が高くなり、良好な転写をすることができないので、その酸価は、50mgKOH/g〜0mgKOH/gの範囲であることが好ましく、0mgKOH/gであることが特に好ましい。
さらに、導電性インキ組成物100重量部の中に、樹脂成分を5から15重量部含有することが好ましい。樹脂成分が5重量部未満では、必要なバインダー強度を確保することができない。一方、樹脂成分が15重量部を超えると、必要な導電性が得られなくなる。
導電性インキ組成物を構成する導電体である金属粉末としては、ガラス基板が溶融・変形しないように、600〜400℃の温度で焼結可能なものが好ましく、導電性、コスト、耐酸化性および低温焼成可能(約580℃で焼結可能)であるという特徴を有する点を考慮すると、銀粉末が好ましいが、銀粉末以外に、銀粉末に鉛フリーの半田合金粉末を混ぜたものなどを用いることもできる。銀粉末の平均粒径は、0.1から3.0μmが好ましい。銀粉末の平均粒径が0.1μm未満のものは製造コストが高く、また、インキの粘度が高くなり、転写しにくいという不都合な点もある。一方、銀粉末の平均粒径が3.0μmを超えると、転写性が低下する。本明細書において、平均粒径とは、走査型電子顕微鏡写真に現れた銀粉末の粒径を測定した平均値をいう。
この銀粉末は、導電性インキ組成物100重量部の中に60から90重量部含有することが好ましい。銀粉末が60重量部未満であると、導電膜が緻密にならず、抵抗値が高くなってしまう。一方、銀粉末が90重量部を超えると、インキの粘度が60000mPaを超えてしまい、良好な転写性を確保することができない。
銀粉末の形状は、ブランケットロールのような転写体からガラス基板への転写性を考慮すると、球状が好ましい。なお、必要に応じて、分散性を向上するために銀粉末に表面処理を施すことができる。
導電性インキ組成物をガラス基板に接着させるためのガラスとしては、低融点の鉛入りガラスが用いられることが多いが、環境問題を考慮し、さらに接着性が良好であるガラス成分としてビスマスを含有する軟化点が500℃以下の鉛フリーガラス、好ましくはビスマスを含有する軟化点が500〜350℃の鉛フリーガラスを用いるのがよい。このビスマスは、接着性を考慮してガラス成分の中に60重量%以上含有するのが好ましく、一方、転写された線に滲みが出ないようにするためには、ガラス成分中のビスマス含有量は90重量%以下とするのが好ましい。さらに、接着性および導電性の両面を考慮して、ガラス成分は、導電性インキ組成物100重量部の中に1〜4重量部含有することが好ましい。
溶剤は、バインダー樹脂を溶解するとともに導電性粉末やガラスフリットを分散して、凹版オフセット印刷に適した粘度を有する導電性インキ組成物を形成するためのもので、アクリル樹脂が可溶で高沸点(沸点210℃以上)のものを好ましく用いることができるが、樹脂の溶解度が高い溶剤として、グリコールエーテル系のものが特に好ましい。例えば、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート等を挙げることができる。
さらに、インキの分離や沈降を防止するために、リン酸エステル類やアリルエーテル類等を導電性インキ組成物に添加することができる。
以下に本発明の実施例を比較例とともに説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において適宜変更と修正が可能である。
(1)インクの粘度と銀粉末の平均粒径について
平均粒径が0.1μm、0.5μm、0.7μm、1.0μm、1.5μm、3.0μm、4.0μm、5.0μmの銀粉末と、分子量が55000で酸価がゼロのアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名BR105)と、主成分が三酸化ビスマスで軟化点が385℃であるガラスフリット(ビスマス系ガラス)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を以下の表1に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
(1)インクの粘度と銀粉末の平均粒径について
平均粒径が0.1μm、0.5μm、0.7μm、1.0μm、1.5μm、3.0μm、4.0μm、5.0μmの銀粉末と、分子量が55000で酸価がゼロのアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名BR105)と、主成分が三酸化ビスマスで軟化点が385℃であるガラスフリット(ビスマス系ガラス)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を以下の表1に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
上記組成の導電性インキ組成物を、下記の凹版および転写体としてのシリコーンブランケットロールを使用した凹版オフセット印刷法により、被印刷物としてのソーダガラス基板上に印刷し、さらに、印刷パターンを形成したソーダガラス基板を乾燥し、このガラス基板をベルト焼成炉において580℃で20分間保持の条件で焼成して樹脂と溶剤を完全に分解・除去し、ガラス基板上に配線パターンを形成した。
表1には、上記のようにして得た導電性インキ組成物の粘度を下記の粘度計を用いて測定した数値と、オフ印刷とセット印刷の良否と、比抵抗値を示す。
(凹版)
ソーダライムガラス製の平板上の基板の表面に、幅50μm、深さ8μmの直線を50μmのピッチで多数ストライプ状に形成したもの
(シリコーンブランケットロール)
最表面に、JISタイプAデュロメーター硬さが40゜のシリコーンゴム層を形成したもの
(粘度計)
図1に示すように、平らなプレート1と、頂角(180゜−2θ)が鈍角に形成された頂点2を上記プレート1の表面3に垂直に、しかも点接触するように配置した円錐形のコーン4とを有する、ブルックフィールド社製のコーンプレート型回転粘度計(型番DVIII、コーンcp52型)を用いて、試料である導電性インキ5をコーン4とプレート1の隙間に注入した状態で、図中矢印で示すように、コーン4を1rpmの一定速度で回転させてインキ5にせん断を起こさせた際にプレート1に加わるトルクを測定することで、粘度を求めた。測定温度は25℃、測定相対湿度は65%、コーン4の頂角は170゜、コーン4の直径は20mmである。
(凹版)
ソーダライムガラス製の平板上の基板の表面に、幅50μm、深さ8μmの直線を50μmのピッチで多数ストライプ状に形成したもの
(シリコーンブランケットロール)
最表面に、JISタイプAデュロメーター硬さが40゜のシリコーンゴム層を形成したもの
(粘度計)
図1に示すように、平らなプレート1と、頂角(180゜−2θ)が鈍角に形成された頂点2を上記プレート1の表面3に垂直に、しかも点接触するように配置した円錐形のコーン4とを有する、ブルックフィールド社製のコーンプレート型回転粘度計(型番DVIII、コーンcp52型)を用いて、試料である導電性インキ5をコーン4とプレート1の隙間に注入した状態で、図中矢印で示すように、コーン4を1rpmの一定速度で回転させてインキ5にせん断を起こさせた際にプレート1に加わるトルクを測定することで、粘度を求めた。測定温度は25℃、測定相対湿度は65%、コーン4の頂角は170゜、コーン4の直径は20mmである。
なお、下記の表1および表2において、比抵抗が2.5μΩcm未満(<2.5)とは、測定機器の測定限界(2.5μΩcm)を下回ったことをいう。比抵抗は2.5μΩcm以下のものが導電性良好であることを示す。また、本明細書において、オフ印刷良好とは、凹版からシリコーンブランケットロールに100%インキが転写されることをいい、セット印刷良好とは、シリコーンブランケットロール上にあるインキが100%ソーダガラス基板に転写されることをいい、セット印刷不良とは、シリコーンブランケットロールにインキが残ることや、ソーダガラス基板に転写されたインキの線幅が太かったり、細かったりして、線幅が一定しないことをいう。
表1に明らかなように、実施例1〜6のものは、インキの粘度と銀粉末の平均粒径が本発明の範囲内の適正粒径であるから、印刷性および導電性が良好である。
しかし、比較例1および2は、銀粉末の平均粒径が本発明の範囲を超えて過大で且つインキの粘度が低いので、印刷性が不良で、導電性がよくない(抵抗値が高い)。
(2)アクリル系樹脂の酸価について
平均粒径が1.5μmおよび4.0μmの銀粉末と、分子量が10000〜55000で酸価(mgKOH/g)が0〜228のアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名PBレジン)と、主成分が三酸化ビスマスで軟化点が385℃であるガラスフリット(ビスマス系ガラス)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を、以下の表2に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
(2)アクリル系樹脂の酸価について
平均粒径が1.5μmおよび4.0μmの銀粉末と、分子量が10000〜55000で酸価(mgKOH/g)が0〜228のアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名PBレジン)と、主成分が三酸化ビスマスで軟化点が385℃であるガラスフリット(ビスマス系ガラス)と、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を、以下の表2に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
上記組成の導電性インキ組成物を、同上凹版オフセット印刷法により、被印刷物としてのソーダガラス基板上に印刷し、さらに、印刷パターンを形成したソーダガラス基板を乾燥し、このガラス基板をベルト焼成炉において580℃で20分間保持の条件で焼成して樹脂と溶剤を完全に分解・除去し、ガラス基板上に配線パターンを形成した。
表2には、上記のようにして得た導電性インキ組成物の粘度を上記の粘度計を用いて測定した数値と、オフ印刷とセット印刷の良否と、比抵抗値を示す。
表2に明らかなように、実施例7〜12のものは、アクリル系樹脂の分子量および酸価が本発明の範囲内であるから、印刷性および導電性が良好である。
しかし、比較例3、4および5は、アクリル系樹脂の酸価が本発明の範囲を超えて過大であるから、印刷性が不良である。
(3)ガラスフリットについて
表3に示すように、平均粒径が1.5μmの銀粉末と、分子量が55000で酸価がゼロのアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名BR105)と、表4に示す各ガラスフリットと、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を、以下の表3に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
(3)ガラスフリットについて
表3に示すように、平均粒径が1.5μmの銀粉末と、分子量が55000で酸価がゼロのアクリル系樹脂(三菱レイヨン社製の商品名BR105)と、表4に示す各ガラスフリットと、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を、以下の表3に示すように配合し、3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。
上記組成の導電性インキ組成物を、同上凹版オフセット印刷法により、被印刷物としてのソーダガラス基板上に印刷し、さらに、印刷パターンを形成したソーダガラス基板を乾燥し、このガラス基板をベルト焼成炉において580℃で20分間保持の条件で焼成して樹脂と溶剤を完全に分解・除去し、ガラス基板上に配線パターンを形成した。
そして、図2に示すように、ガラス基板6上の導体7に対して、直径0.65mmの軟銅線8を半田9(Sn/Pb=60/40重量比)により固定した。その軟銅線付きガラス基板6を引張試験機のチャックで把持して軟銅線8を20mm/分の速度で引っ張ることにより、接着性を評価した。その結果を表4に示す。表4において、接着性良好とは、軟銅線8および導体7と一緒になってガラス基板6の一部がえぐられたことをいい、接着性不良とは、軟銅線8とともに導体7がガラス基板6から引き剥がされたことをいう。
表4に明らかなように、実施例13〜15のものは、ガラスフリットの成分としてビスマスを含有しているので、接着性が良好である。
しかし、比較例6〜9のものは、ガラスフリットの成分としてビスマスを含有していないので、接着性が不良である。
1 プレート
4 コーン
5 導電性インキ
6 ガラス基板
7 導体
8 軟銅線
9 半田
4 コーン
5 導電性インキ
6 ガラス基板
7 導体
8 軟銅線
9 半田
Claims (4)
- ガラス基板に印刷する導電性インキ組成物であって、インキの粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sであることを特徴とする導電性インキ組成物。
- 導電性インキ組成物中のバインダー樹脂は、分子量が10000〜60000で且つ酸価が50mgKOH/g以下のアクリル樹脂であって、導電性インキ組成物中の樹脂分比率は5〜15重量%であることを特徴とする請求項1記載の導電性インキ組成物。
- 導電性インキ組成物に用いられる導電性粉末は、平均粒径が0.1〜3.0μmである600℃以下の温度で焼結可能な銀粉末であることを特徴とする請求項1または2記載の導電性インキ組成物。
- 導電性インキ組成物をガラス基板に接着させるために、ビスマスを含む、軟化点が500℃以下の鉛フリーガラスを含有することを特徴とする請求項1、2または3記載の導電性インキ組成物。
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