JP2017090719A - ペリクル - Google Patents

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Kohei Yano
浩平 矢野
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泰輝 山下
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Abstract

【課題】マスクからペリクルを剥離するときの糊残りを低減させたペリクルを提供すること。【解決手段】本発明のペリクルは、ペリクル枠と、前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、前記粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、フォトリソグラフィー用マスク等のごみよけとして用いられるペリクルに関する。
半導体製造のフォトリソグラフィー工程において、ウエハー上の集積回路に対応したフォトレジストパターンを形成するために、ステッパー(縮小投影露光装置)等の半導体製造装置が使用されている。
近年、半導体製造装置の高集積化に伴って、フォトリソグラフィー工程に用いる露光光の短波長化が進められている。すなわち、ウエハー上にフォトレジストパターンを形成する際に、より狭い線幅で微細なパターンを描画できる技術が要求されている。これに対応するために、例えば、ステッパーの露光光として、従来のg線(波長436nm)、i線(波長365nm)から進んで、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)等のより短波長の光が用いられてきている。
フォトリソグラフィー工程では、マスク(露光原板、レチクルともいう)を介して感光層等に光を照射することによってパターニングを行う。その際、マスクに異物が付着していると、光が異物によって吸収又は屈曲されることとなる。このため、形成されるパターンが変形したり、エッジががさついたりし、パターニングの寸法、品質、及び外観等が損なわれてしまうといった問題が生ずる。このような問題を解消すべく、マスクの表面に光を透過するペリクル膜を備えた防塵カバーであるペリクルを装着し、マスクの表面に対する異物の付着を抑制する方法が採用されている。
ペリクルは、通常、金属製のペリクルフレームと、ペリクルフレームの一端面に配置されたペリクル膜とを備えている。そして、ペリクルフレームの他端面には、ペリクルをマスクに固定するためのマスク接着剤層が形成されている。なお、マスク接着剤層の表面には、通常、マスク接着剤層を保護すべく離形性を有するシート状材料(セパレータ)等が配置されている。
ペリクルをマスクに装着する場合には、セパレータを剥離して露出させたマスク接着剤層をマスクの所定の位置に圧着して固定する。このようにペリクルをマスクに装着することで、異物による影響を排除しながら光を照射することができる。
ペリクルをマスク上に固定する方法としては、粘着剤で剥離可能に固定する方法が通常使用され、そのための粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ポリブテン系、ポリウレタン系、シリコーン系等の粘着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。粘着剤層は一端面にペリクル膜が張設されたペリクル枠の他端面に形成されるのであり、露光工程においてマスクからペリクルが剥がれるなどの問題がないよう、上記粘着剤にはある一定荷重をかけても剥がれない耐荷重性が求められる。
一方、上述した露光光の短波長化・高エネルギー化に伴い、露光に伴うペリクル膜またはマスクの汚れ(「ヘイズ」と呼ばれる。)が発生する頻度は高くなってきており、それに従い、ペリクルやマスクの取替え頻度も高くなってきている。このような状況の下、適切な粘着力を安定して有するとともに、貼り替え時にマスク上に糊残りしないペリクル用粘着剤が望まれている。特に200nmよりも波長の短い光を用いるフォトリソグラフィー工程においては上述のヘイズがより発生しやすいため、ペリクルのマスクからの剥離時にマスク上に粘着剤が糊残りしないという特質がより求められている。
その一方で、フォトリソグラフィー工程における解像度を上げるために、ダルブパターニングという方法がとられている。この方法では、通常、2枚のマスクを用いて2回露光する。このため、形成される2つのパターン同士の相対的な位置精度を高くすることが重要である。即ち、1回目の露光により得られるパターンと2回目の露光により得られるパターンとの相対的な位置精度が低い場合には、所望のパターンを得ることができない。このため、形成される2つのパターンの相対的な位置のずれをナノメーター(nm)のレベルで小さくする必要がある。そのため、粘着剤はマスクに歪をあたえないことが求められている。
しかし、マスクに歪を与えない(低マスク歪)ためにマスク粘着剤を柔軟にすることは、糊残りが悪くなる方向になる。
このため、低マスク歪と糊残りとの両方を改善するためにシラン化合物を添加して糊残りを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、非架橋型アクリル粘着剤に対して、官能基濃度を規定することによって、非架橋型の糊残りを改善する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2015−1683号公報 国際公開第2012/157759号 特開2015−114502号公報
しかし近年の更なる微細化や液浸露光により、斜め入射によるマスク粘着剤への漏れ光による分解の可能性や、短波長化によるレチクル内の温度上昇でのマスク粘着剤分解の可能性で糊残りが悪くなると懸念されている。また、低マスク歪の要求が大きいことでマスク粘着剤が柔軟になり、凝集力が下がることで経時的に粘着力があがり糊残りするなど、まだまだ要求に見合う糊残りの改善が望まれている。
特許文献2のように、マスク歪に良い粘着剤にシラン化合物を入れると糊残りは改善されるが、更なる糊残りの改善要求のためにシラン化合物を大量に入れるとペリクルを使用中にマスクから自然と剥がれる懸念もあるためこれ以上シラン化合物を添加するのは難しいところもある。
また、特許文献3のように、非架橋型のアクリル粘着剤であれば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基を低減してマスク表面の水酸基との結合を低減することができるが、架橋型のアクリル粘着剤の場合、架橋剤の存在により上記全てを低減するのは困難である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、マスクに歪を与えず、マスクからペリクルを剥離するときの糊残りを低減させたペリクルを提供することである。
本発明者らが、鋭意検討した結果、ペリクルのマスク粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下にすることによって、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下のとおりである。
[1]
ペリクル枠と、
前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、
前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、
前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、
前記粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下である、ペリクル。
[2]
前記粘着剤のゲル分率が60%以上95%以下である、[1]に記載のペリクル。
[3]
前記粘着剤層の断面方向の平坦度が20μm以下である、[1]又は[2]に記載のペリクル。
[4]
前記粘着剤層の周方向の平坦度が15μm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のペリクル。
本発明によれば、マスクに歪を与えず、経時で使用後のマスクからペリクルを張り替える時にマスクへの糊残りを低減させたペリクルを提供することができる。
本発明の一実施態様に係るペリクルを示す斜視図である。 図1におけるII−II線断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
図1は、本実施形態に係る一実施態様としてのペリクルを示す斜視図であり、図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1及び図2に示すように、ペリクル1は、ペリクル枠2と、ペリクル枠2の一端面2eに張設されたペリクル膜3と、ペリクル枠2の他端面2fに付着した粘着剤層10と、を備えている。図1及び図2に示されるペリクル1は、粘着剤層10を保護する保護フィルムFを備えている。
本実施形態のペリクルは、ペリクル枠と、前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、前記粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含み、前記粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下であることが好ましい。
粘着剤は、露光中に迷光があたった時にマスクの表面と反応しやすくなり、これが糊残りの原因の一つになっている。例えば、マスクが石英ガラスからなる場合は、表面に水酸基が存在するため、水酸基とカルボン酸との間で結合がおこり、経時的に強固になっていくと考えられる。そのため、粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が上記範囲であれば、この結合がおこる可能性が低くなり、使用後のペリクルを剥離するときの糊残りが低減される。
粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量は、好ましくは、0.6質量%以下であり、更に好ましくは、0.4質量%以下である。
粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸含有モノマーを添加しない方法、カルボン酸含有モノマーの添加量を少なくする方法やカルボン酸を消費するように硬化剤の量を計算して添加する方法が挙げられる。
なお、本実施形態において、粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
一方、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体には、架橋剤と反応する官能基を有することが好ましい。当該官能基としては、好ましくは水酸基である。水酸基の含有量としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8.0質量%以下、更には4.0質量%以下であることが好ましい。架橋剤の反応性や生産性の観点から水酸基の含有量としては、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.5質量%以上であることが好ましい。
ここでの(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、「A成分」という)と、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマー(以下、「B成分」という)との2つ以上のモノマー成分を共重合させて得られる共重合体であることが、マスクとの接着力が十分で、且つ、剥離後の糊残りが少ない観点から好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、A成分が80〜99質量%、B成分が1〜20質量%であるモノマー混合物の共重合体であることがマスクへの適度な接着力を発現する観点から好ましい。
A成分は、炭素数4〜14のアルキル基が直鎖状の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、炭素数4〜14のアルキル基が分岐状の(メタ)アクリル酸アルキルエステルどちらでもよく、それらを1種で用いても、2種以上で用いてもよい。
A成分としての炭素数4〜14のアルキル基が直鎖状の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の直鎖脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の炭素数4〜14、好ましくは炭素数4〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、マスクとの適度な接着性を発現するため、好ましい。
また、炭素数4〜14のアルキル基が分岐状の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル等の分岐鎖脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。中でも、共重合性の点から、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましく用いられる。
B成分のモノマーは、A成分の炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーであって、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーである。
B成分のモノマーとして、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル等のヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。
中でも、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の炭素数3〜4のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルだと、反応の自由度が高い事や水酸基が露出しやすいために架橋反応性に優れている等の点からが好ましい。また、カルボキシル基を持たない事でマスクとの経時的な反応性がなくなり糊残りも低減できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量は、重量平均分子量として70万〜250万の範囲内にあると、粘着剤層の凝集力、接着力が適度な大きさになり、糊残りしにくく、且つ、十分な接着力、耐荷重性を持つ粘着剤となり、好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の重量平均分子量は、90万〜200万の範囲内にあることがより好ましく、105万〜150万の範囲内にあることがさらに好ましい。
重量平均分子量の制御方法について、公知の方法で制御できる。具体的には、一般に重合反応するときのモノマー濃度が高いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にあり、重合開始剤量の量が少ないほど、又、重合温度が低いほど重量平均分子量は大きくなる傾向にある。一般的に、重量平均分子量が大きいほど凝集力が大きくなり、凝集力が大きいほど、残留応力値αと最大応力値αmaxとの値は大きくなる傾向がある。
本実施形態において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の製造は、カルボン酸含有モノマーユニットの含有量を(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下にするための重合方法だといずれでもよい。例えば、ラジカル重合、イオン重合、リビング重合、リビングラジカル重合などがあるが、分子量分布の制御が可能なリビングラジカル重合法が特に好ましい。この重合法だと連鎖移動が起こらないことから、長さのそろった共重合体が得られやすい。
リビングラジカル重合法としては、従来公知の方法、例えば重合抑制剤として、原子移動ラジカル重合剤を用いる原子移動ラジカル重合法(ATRP重合法)、可逆付加−開裂連鎖移動剤を用いる可逆付加−開裂連鎖移動による重合法(RAFT重合法)、重合開始剤として有機テルル化合物を用いる重合法などを採用することができる。これらのリビングラジカル重合法の中で、有機テルル化合物を重合開始剤として用いる方法が、分子量の制御及び水系においても重合が可能であることなどから好ましい。
重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などは特に制限されず適宜選択して使用することができる。
有機テルル化合物を用いるリビングラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン[又は、1−(1−メチルテラニル−エチル)−4−トリフルオロメチルベンゼンという。]、1−(1−メチルテラニル−エチル)−3,5−ビス−トリフルオロメチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロ−6−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチル−2−メチルテラニル−プロパナール、3−メチル−3−メチルテラニル−2−ブタノン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル[又は、エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネートという。]、2−(n−ブチルテラニル)−2−メチルプロピオン酸エチル[又は、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネートという。]、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル、(フェニルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−フェニルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−フェニルテラニル−プロピル)ベンゼン等を挙げることができる。
また上記において、メチルテラニル、1−メチルテラニル、2−メチルテラニルの部分がそれぞれエチルテラニル、1−エチルテラニル、2−エチルテラニル、ブチルテラニル、1−ブチルテラニル、2−ブチルテラニルと変更した化合物も全て含まれる。好ましくは、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン[1−(1−メチルテラニル−エチル)−4−トリフルオロメチルベンゼン]、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−メチルテラニル−プロピオネート]、2−(n−ブチルテラニル)−2−メチルプロピオン酸エチル[エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート]、1−(1−メチルテラニル−エチル)−3,5−ビス−トリフルオロメチルベンゼン、1,2,3,4,5−ペンタフルオロ−6−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル、(エチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−エチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−エチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−エチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−エチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−エチルテラニルプロピオニトリル、(n−ブチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−n−ブチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−n−ブチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−n−ブチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−n−ブチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−n−ブチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−n−ブチルテラニルプロピオニトリルが挙げられる。
これらの有機テルル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合工程においては、上記の有機テルル化合物に加え、重合促進剤としてアゾ系重合開始剤を添加してもよい。アゾ系重合開始剤としては、通常のラジカル重合に用いる開始剤であれば特に限定されないが、例示するなら2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1'−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4'−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1'−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチルアミド)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、2,2'−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2'−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
上記アゾ系重合開始剤を使用する場合、重合開始剤として用いた有機テルル化合物1molに対して好ましくは0.01〜100mol、より好ましくは0.1〜100mol、さらに好ましくは0.1〜5molの割合で使用される。
当該(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を、リビングラジカル重合によって形成する方法の一例は下記の通りである。
不活性ガスで置換した容器で、上述のA成分とB成分との混合物と上述の有機テルル化合物で示されるリビングラジカル重合開始剤及び所望によりアゾ系重合開始剤を混合する。このとき、不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が挙げられる。特に好ましくは、窒素が挙げられる。
上述のA成分とB成分との混合物と上述の有機テルル化合物で示されるリビングラジカル重合開始剤の使用量としては、得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよい。好ましい使用量としては、概ね各単量体の分子量に仕込み割合を乗じて得た値の総和を目的とする共重合体の重量平均分子量(Mw)で割った値(使用量の単位はモル数)であり、場合によりその値の0.3〜3倍程度の量を使用する。
重合は、通常、無溶媒で行うが、ラジカル重合で一般に使用される有機溶媒を使用しても構わない。使用できる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。また、水性溶媒も使用でき、特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられる。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、例えば、単量体1gに対して、溶媒を0.01〜100ml、好ましくは、0.05〜10ml、特に好ましくは0.05〜0.5mlである。
次に、上記混合物を撹拌する。反応温度、反応時間は、得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量あるいは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、60〜150℃で、5〜100時間撹拌する。好ましくは、80〜120℃で、10〜30時間撹拌するのが良い。このとき、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧あるいは減圧しても構わない。
反応終了後、常法により使用溶媒や残存モノマーを減圧下除去したり、沈殿ろ過、再沈殿したり、あるいはカラム分離等をして目的の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を必要に応じて精製する。反応処理については、目的物に支障がなければどのような処理方法でも行うことができる。
得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量は、反応時間、上述の有機テルル化合物で表されるリビングラジカル重合開始剤の量により調整可能である。具体的には、分子量を増加させるためには、単量体に対する有機テルル化合物の配合割合を低減し、重合時間を増加させればよい。しかし、これでは分子量の大きい(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を得るには長時間を要することになる。そこで、重合時間の低減を図るには、重合温度を高くしたり、前記アゾ系重合開始剤を添加することにより達成することができる。しかしながら、重合温度が高すぎたり、アゾ系重合開始剤の添加量が多すぎると、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分子量分布を増大させることとなるので、それとの調整が必要である。
このようにして、重量平均分子量が70万〜250万の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を容易に得ることができる。
また、粘着剤層に使用される硬化剤としては、通常の粘着剤として使用される硬化剤であれば特に制限されないが、例えば、金属塩、金属アルコキシド、アルデヒド系化合物、非アミノ樹脂系アミノ化合物、尿素系化合物、イソシアネート系化合物、多官能性エポキシ化合物、金属キレート系化合物、メラミン系化合物、アジリジン系化合物等が挙げられる。
中でも、B成分がヒドロキシル基含有モノマーであることが好ましいため反応性の観点から、硬化剤としては、イソシアネート系化合物及び多官能性エポキシ化合物が好ましく、特に反応性の高さからイソシアネート系化合物がより好ましい。
イソシアネート系化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、トルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のアダクト型、またはイソシアヌレート型等が挙げられる。
多官能性エポキシ化合物としては、具体的には、特に限定されないが、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、N、N、N’、N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
中でも、2〜4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物が好ましく、4個のエポキシ基を有する含窒素エポキシ化合物が反応性の点からより好ましい。
反応性がよいと粘着剤層として塗布後、架橋反応が速やかに終了するので、特性が短時間で安定し、生産性の面で優れる。
また、硬化剤の含有量を適宜調整することで、残留応力値αと応力保持率とを調整することができる。
粘着剤層は、さらに、必要に応じて、充填剤、顔料、希釈剤、老化防止剤、紫外線安定剤などの従来公知の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種類又は2種以上を使用することが可能である。ただし、所望する物性が得られるように、添加量は適宜設定することが好ましい。
前記粘着剤のゲル分率は、60%以上95%以下が好ましく、更には70%以上90%以下、特に75%以上85%以下が好ましい。
前記粘着剤のゲル分率がこの範囲にあると、適度な架橋密度になるため、マスクに貼り付けた時のマスクにかかる応力を粘着剤が吸収し、マスクに与える平坦性の影響が緩和されると考えられる。
また、適度な架橋密度であるため、入射される光に対して分解が少なく、そのため、マスクへの糊残りも少ないと考えられる。
粘着剤のゲル分率を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、硬化材の量にて調整することができる。
なお、本実施形態において、粘着剤のゲル分率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のペリクルにおいては、ペリクル枠のペリクル膜が張設された面とは反対側の端面(「他端面」)に粘着剤層が設けられている。この粘着剤層は、ペリクルをマスクに貼り付けて固定するためのものであり、ペリクル枠の他端面の全周に亘って設けられている。
本実施形態のペリクルにおいて前記粘着剤層の断面方向の平坦度は20μm以下であることが好ましく、更には、1μm〜15μmが好ましく、特に2μm〜13μm以下がより好ましい。前記粘着剤層の断面方向の平坦度がこの範囲にあることで、マスクに貼り付く断面方向の平坦度が一定となり、貼付け時の荷重が粘着剤層全体に均一にかかることでマスク歪を低減することが従来よりできるようになる。
また、前記粘着剤層の断面方向の平坦度が1μmより小さくなると、ペリクルをマスクに貼付ける時に気泡を巻き込んだ時に抜け道がなくなり気泡を抱え込んだまま貼り付けられることもあるため、平坦度は1μm以上であることが好ましい。
ここで、粘着剤層の断面方向とは、ペリクル枠の辺に平行な方向に対して垂直な方向をいう。
そして、粘着剤層の断面方向の平坦度とは、ペリクル枠上の粘着剤層の任意の12点について、各々断面方向での断面における最も高い箇所の高さから最も低い箇所の高さを引いた値(高低差)を測定し、得られた12点についての値(高低差)の平均値を算出したものを言う。ここで、「断面における」「高さ」とは、ペリクル枠の他端面と粘着剤層との界面から、粘着剤層の表面(マスクに貼り付けられる側の面)までの距離をいう。
具体的には、以下のようにして測定される。
粘着剤層の断面方向の平坦度は、ペリクル作製後に保護フィルムFをゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取った後、レーザー変位計を用いて測定することができる。なお、粘着剤層の平坦度の値が保護フィルムFの影響を受けない場合には、保護フィルムF付のまま測定してもよい。
1辺につき、辺の中央の1点と該点を軸に左右20mm以内にある1点ずつの合計3点を選択し、4辺分の合計12点について、粘着剤層の断面方向の断面(ペリクル枠の辺に平行な方向に対して垂直な方向で切断した場合に現れる断面の形状をレーザー変位計を用いて実際には切断はせずに観察する。各点について、その断面における最も高い箇所の高さから最も低い箇所の高さを引いた値(高低差)を求め、上記12点の値(高低差)の平均値を粘着剤層の断面方向の平坦度とする。
更に、粘着剤層の各コーナーにおける斜め45度の方向の断面(粘着剤層をそのコーナーで粘着剤層の外側の角と内側の角を結んだ方向で切断した場合に現れる断面)における高低差は、いずれも10μm以下であることが好ましい。特に、1μm〜8μm、更には、1〜6μmが好ましい。このようにすることで、コーナー部が安定してマスクに貼り付くと共にと辺の中央部との捻りが少なくなるため、更に、マスク歪が良くなる。
更に、前記粘着剤層の周方向の平坦度は15μm以下が好ましい。上記のような断面方向の平坦度を持ちながら、周方向の平坦度が15μm以下になると、ペリクル全体としての平坦度が高くなり更にマスク歪を低減することができる。前記粘着剤層の周方向の平坦度は、更には、1μm〜13μmが好ましく、特に2μm〜11μm以下が好ましい。
ここで、粘着剤層の周方向とは、ペリクル枠の辺に平行な方向をいう。そして、粘着剤層の周方向の平坦度と次のようにして得られる値をいう。
粘着剤層をその幅の中央(断面方向の中央)でペリクル枠の辺に平行に切断した場合に得られる断面における各辺の中央の4点及びコーナーの4点の計8点において、その高さを測定し、一番高い値から一番低い値を差し引いた値を周方向の平坦度とする。
粘着剤層の周方向の平坦度は、レーザー変位計を用いて測定することにより粘着層を実際に切断しなくても測定することができる。なお、保護フィルムFは、測定に先立ち、ゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取るが、平坦度の値が保護フィルムFの影響を受けない場合には、保護フィルムF付のまま測定してもよい。
粘着剤層の断面方向及び周方向の平坦度は、ペリクル枠の平坦度を良くすることや、粘着剤層をペリクル枠上に設ける際に使用する塗布成型機の条件を調整することにより上記範囲に調整することができる。
成型機の条件に限定はないが、例えば、成型を平坦度の高い定盤に挟み込むことによって行うことや2段階で行うことが特に有効である。さらに、2段階で成型を行う場合、成型温度は、1段目の温度より、2段目の温度を高く設定することが好ましい。なお、成型温度は粘着剤組成物の組成に応じて適宜決定することができるが、1段目の成型温度は70〜180℃程度であることが好ましく、2段目の成型温度は150℃〜210℃程度であることが好ましい。
また、ペリクル枠の平坦性は、ペリクル枠の周方向において平坦度を15μm以下にすることが好ましい。
上記粘着剤層の断面(ペリクル枠の辺に平行な方向に対して垂直に切断したときの断面)の形状は、外側(ペリクル枠の外側)の高さが、中央部又は内側(ペリクル枠の開口部側)の高さより高いものであることが好ましい。
このような構造をとることにより、マスクに貼り付けた時に気泡が抜けやすくなり、エアパス等の心配がなくなる。外側の高さは、中央部及び内側の高さより高いことがより好ましく、特に、外側が一番高く、中央部が一番低く、内側が外側よりは低いが中央部より高いことが好ましい。この場合、気泡が抜けやすいことに加え、貼り付け時に均一にマスクにペリクルの荷重がかかるようになるために更に好ましい。
粘着剤層の断面方向における断面の形状は、上述の断面方向の平坦度の測定の時と同様に、12点の断面を観察することにより確認することができる。この場合に、12点のうち、少なくとも6点以上において上記条件を満たしていることが好ましく、9点以上において満たしていることがより好ましく、すべてにおいて満たしていることが特に好ましい。
粘着剤層の断面形状は、粘着剤層をペリクル枠上に設ける際に使用する塗布成型機の条件を上記形状になるように設定することにより、上記のような形状とすることができる。
また、前記粘着剤層の20%伸長/24時間緩和後残留応力値α(以下「残留応力値α」とも記す)は、1.0〜12.0mN/mm2であることが好ましい。
本実施形態において、「20%伸長/24時間緩和後残留応力値」とは、粘着剤層を20%伸長後に24時間緩和させた時の残留応力値αを意味する。
一般に、ペリクルを粘着剤を用いてマスクに貼り付けた後、ペリクル付マスクの貼り付け状態が安定するのに24時間ほど要すると言われている。従来は、マスク変形に関しては、貼付け直後の変形のみが考慮されていたが、本発明者らは、貼付け安定後の残留応力が小さいと、貼付け直後からの残留応力も小さく、よって、貼り付け直後から安定後までのマスクを変形させる力が小さくなるため好ましいことを見出した。
すなわち、上記粘着剤層の断面方向の平坦度を20μm以下とすることに加え、更に貼付け安定後の残留応力に着目し、前記残留応力値αを特定範囲とすることでマスク歪を更に低減することができる。
前記残留応力値αの値が大きいほど、残留応力が大きく、マスクを変形させる力が強いためマスク歪が大きくなる。一方、αの値が小さいほどマスクを変形させる力は小さいが、マスクを保管する時にマスクとペリクルとがずれる可能性がある。
以上の観点から、本実施形態においては、残留応力値αを1.0〜12.0mN/mm2の範囲内とすることが好ましい。残留応力値αをこのような範囲にすることにより、マスク歪を低減させ、なおかつ、マスク保管時にマスクとペリクルとがずれることが無いことが分かった。
残留応力値αは、2.5mN/mm2以上11.0mN/mm2以下であることがより好ましく、3.5mN/mm2以上10.5mN/mm2以下であることがさらに好ましい。残留応力値αがこの範囲内であれば、特に貼付け直後からの残留応力も小さくなり、直後から安定後までのマスクを変形させる力が小さくなりマスク歪に特に好ましい。
また、残留応力値αが、5.5mN/mm2以上10.0mN/mm2以下であることがとりわけ好ましく、6.0mN/mm2以上9.5mN/mm2以下であることが特に好ましい。残留応力値αがこの範囲内であれば、凝集力も適度になるため、マスクからペリクルを剥離したときの糊残りを低減することができる。
粘着剤層の残留応力値αは、粘着剤組成物の組成比や硬化剤量によって上記範囲に調整することができる。
さらに、粘着剤層の応力保持率(%)(粘着剤層を20%伸長した時の最大応力値αmaxに対する前記残留応力値αの比率(α/αmax×100))は、35%以上であることが好ましい。応力保持率がこの範囲にあると粘着剤層の応力がマスクにほとんど加わらないため好ましい。
粘着剤層の応力保持率は、粘着剤として柔軟性の高い材料を使用することにより上記範囲に調整することができる。
(ペリクルの製造方法)
本実施形態のペリクルは、例えば、以下の方法で好適に製造することができる。
第一に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤又は硬化剤溶液とを混合し粘着剤前駆体組成物を得る。この場合、所望の厚み・幅のマスク粘着剤層を塗布するために、粘着剤前駆体組成物を更に溶媒で希釈し、溶液濃度(粘度)を調整することができる。希釈のための溶媒は、溶解性、蒸発速度などの観点から選ばれる。好ましい溶媒としては、例えば、アセトン、酢酸エチル、トルエン等が挙られるが、これらに制限されるものではない。
第二に、粘着剤前駆体組成物を、一端面2eに張設されたペリクル膜3を有するペリクル枠2の他端面2fに塗布する。塗布方法は、特に制限されるものではないが、ディスペンサーを用いて塗布することが好ましい。上記粘着剤前駆体組成物中のアクリル共重合体溶液(溶媒と(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体とからなる溶液をいう。)の粘度については特に制限はされないが、好ましくは50P以下、より好ましくは10〜40P、さらに好ましくは20〜30Pである(B型粘度計、25℃)。
ディスペンサーでの塗布において溶媒で希釈することによって、塗布液の糸引きが少なく、安定した幅・厚みに調整することが容易となる。
第三に、塗布した粘着剤層を加熱乾燥させることにより、溶媒及び/又は残存モノマーを除去することができる。更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が有する官能基と硬化剤とが加熱反応して架橋構造を形成すると、ペリクル枠2と粘着剤組成物とが一体化し、ペリクル枠2の表面に粘着剤層10が密着する。
かかる乾燥温度については、溶媒及び残存モノマーの沸点、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の分解温度を考慮し、50〜200℃であることが好ましく、60〜190℃であることがより好ましい。
乾燥、架橋後に、粘着面を保護するための保護フィルムF(離型シート)を貼ってもよい。
なお、ペリクル膜3のペリクル枠2への貼り付け(張設)は、粘着剤層の形成の前後、いずれでもよく、ペリクル枠2の他端面2fに粘着剤層10を設けた後、ペリクル枠2の一端面2eにペリクル膜3を貼付けてもよい。
粘着剤層の厚みは、0.18mm以上3.0mm以下が好ましい。半導体用では、0.18mm以上1.0mm以下が好ましく、0.2mm以上0.8mm以下がより好ましく、0.25mm以上0.7mm以下がさらに好ましい。液晶用では、0.8mm以上3.0mm以下が好ましく、1.0mm以上2.5mm以下がより好ましく、1.2mm以上2.0mm以下がさらに好ましい。
ペリクル枠として一般に用いられるアルミニウム材の表面には、微細な凹凸が発生していることがあり、ペリクル枠より柔軟性のある粘着剤層がその凹凸を吸収することで、アルミニウム材の表面の凹凸に影響されないでマスクの平坦性を得ることが可能になる。
粘着剤層の厚みが上記範囲内にあれば、ペリクル枠の表面の凹凸を吸収でき、マスクの平坦性を確保しつつ粘着剤層からのアウトガスが問題のないレベルとなり、マスクに圧着した時のマスク歪を低減させたペリクルとすることができる。
本実施形態のペリクルは、粘着剤層を保護する保護フィルムを備えていてもよい。
本実施形態において用いられる保護フィルムFは、一般的にはポリエステルなどの厚さ30〜200μm程度のフィルムを用いる。また、粘着剤層10から保護フィルムFを剥がす際の剥離力が大きいと、剥がす際に粘着剤層10が変形する恐れがあるので、適切な剥離力になるように、粘着剤と接するフィルム表面にシリコーンやフッ素などの離型処理を行ってもよい。粘着面を保護するための保護フィルムFを貼った後、加重をかけて、粘着剤表面を略平坦に成型してもよい。
(ペリクル枠、ペリクル膜)
本実施形態において、ペリクル枠としては矩形の形状をした従来公知のものを陽極酸化や塗装等の表面処理を行い使用することができる。また、粘着剤層の平坦度を高めるために、事前にペリクル枠に加熱処理や荷重加熱処理等で断面方向や周方向の平坦度を高めておくことが好ましい。
また、ペリクル膜及びその張設方法についても限定はなく、従来公知のもの及び方法を使用することができる。
以下、実施例及び比較例によって本実施形態をさらに具体的に説明するが、本実施形態はこれらにより何ら限定されない。
本実施形態における、各測定方法及び評価方法は以下のとおりである。
(1)カルボン酸量の測定
ペリクルフレームに塗布された粘着剤をピッキングで採取し(10〜20mg)、得られた粘着剤の1H、13C NMRにて測定(MASプローブ)を行い、得られたスペクトルよりカルボン酸含有モノマーユニットの含有量(カルボン酸量)を比率にて算出した。
・分析装置:NMR Varian,UNITY−INOVA−400
・観測周波数:400MHz(1H) , 100MHz(13C)
・フリップ角:30°
・測定溶媒:CDCl3
・測定温度:室温
・化学シフト標準:測定溶媒(1H;7.25ppm,13C;77.05ppm)
・試料回転数:2800Hz(1H) , 1800Hz(13C)
(2)ゲル分率の測定
酢酸エチルに解けない籠(金属製)を用意し、予め重量を測定した粘着剤を一晩(24時間)浸漬した。その後、残った粘着剤を乾燥し、粘着剤の重量を測定した。
残った粘着剤の重量と浸漬前の溶かす前の重量との比率(浸漬後/浸漬前)をゲル分率とした。
(3)粘着剤層の断面方向の平坦度(μm)の測定
保護フィルム付ペリクルの保護フィルムをゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取り、レーザー変位計の台座にペリクル膜面を下にして設置した。
各辺の中央4点と、該点から左右に20mmの位置にある8点との合計12点について、ペリクル枠の辺に平行な方向に対して垂直な方向で切断した場合に得られる断面の高さを、実際には切断はせずにレーザー変位計で測定し、各々の点について一番高い値から一番低い値を差し引いた値(高低差)を算出した。
得られた12点についての値(高低差)の平均を求め、これを粘着剤層の断面(幅)方向の平坦度とした。
(4)粘着剤層の周方向の平坦度(μm)の測定
保護フィルム付ペリクルの保護フィルムをゆっくりと粘着剤層の形状が変化しないように剥ぎ取り、レーザー変位計の台座にペリクル膜面を下にして設置した。
粘着剤層をその幅の中央でペリクル枠の辺に平行に切断した場合に得られる断面の、各辺の中央の4点及びコーナーの4点の計8点において、その高さをレーザー変位計を用いて実際には粘着剤層を切断せずに測定し、一番高い値から一番低い値を差し引いた値(高低差)を求めた。求めた値(高低差)を粘着剤層の周方向の平坦度とした。
(5)20%伸長/24時間緩和後残留応力値α(N/mm2)の測定
保護フィルム付ペリクルを切断して、その一辺を切り出し、切り出した一辺に設けられている粘着剤層から粘着剤層が変形しないようにゆっくりと保護フィルムを剥離し、その後、ペリクル枠から粘着剤層をゆっくりと剥離した。その際、剥離しにくいときは、シッカロールを手及び粘着剤層に付着しながらゆっくりと剥離し、剥離した粘着剤層の長手方向の伸び率が5%以下になるようにした。
剥離した粘着剤層について、引張応力(N)を下記の装置にて測定した。
装置名:オートグラフ(SHIMAZU EZ−S 島津製作所製)
ロードセル: 1N (クリップ式チャック)
チャック間: 40mm
クロスヘッドスピード: 100mm/min
具体的には、上記装置にて、粘着剤層を伸度20%まで長手方向に引張した後、クロスヘッドを停止して緩和させ、24時間後の引張応力(N)を測定した。
別途、粘着剤層の断面積(mm2)を測定しておき、上記のようにして得られた24時間緩和後の引張応力(残留応力)(N)を粘着剤層の断面積(mm2)で割ることで、単位面積当たりの24時間緩和後の残留応力値α(N/mm2)を求めた。
また、20%まで伸長した時の最大応力値αmaxと、その後に24時間緩和させた時の残留応力値αとから応力保持率(=α/αmax×100)(%)を求めた。
なお、粘着剤層の断面積は、次のようにして測定した。
上記保護フィルム付ペリクルから、先に引張応力測定用に切り出した辺とは別の一辺を切断し、その後、粘着剤層が変形しないようにゆっくりと保護フィルムを剥離してペリクル枠付きの粘着剤層を取り出した。次いで、これを粘着剤層の長手方向(ペリクル枠の辺方向)に垂直に約1cmの長さに切断し、樹脂にて包埋し、樹脂を自然に硬化させた。その後、研磨機にて断面研磨し、その後、マイクロスコープにて形状を測定し粘着剤層の断面積を算出した。なお、粘着剤層の断面積は、保護フィルムが切断しやすい場合は、保護フィルム付で測定してもよい。
(6)マスクへの糊残り評価
保護フイルムを剥がしたペリクルに加重を掛けて、6025クロム付きマスクブランクス基材にペリクルを貼付した。貼付には簡易型マウンターを用いた。加重は15kgfであり、加重時間は60secであった。
ペリクルを貼り付けた基材を、70℃±2℃にて5日間加熱した。加熱後室温になるまで放置し、その後基材を水平に固定し、ペリクルのひとつの角を引張試験機により、マスク面に対し垂直に5mm/minの速度で引き上げ、ペリクルを基材から剥離した。基材表面の様子を観察し、残存したペリクル用粘着剤によって被覆されている部分の面積(糊残り面積)を測定した。糊残り面積に基づき、各ペリクルの糊残り量を以下の基準で評価した。なお、下記の「全体の貼付け面積」とは、ペリクルを基材から剥離する前に基材表面においてペリクルと密着していた部分の面積である。
◎ :糊残り面積が全体の貼付け面積の0−5%である。
○ :糊残り面積が全体の貼付け面積の6−20%である。
△ :糊残り面積が全体の貼付け面積の21−100%である。
(7)マスクの歪評価
マスクの歪評価は、Tropel社製のFlatMaster200を用いて測定した。まず、マスク(6025石英)について、ペリクルを貼りつける前の平坦度を測定した。その後、ペリクルをマスクに簡易型マウンター(加重:5kgf、45sec)を用いて貼り付け、ペリクル貼り付け後のマスクの平坦度を測定した(測定範囲:135mm×110mm)。
貼り付け前後の平坦度の差し引きを行い、ペリクルを貼り付けたことでどれだけマスクが変形したかを算出した。
◎:ペリクルを貼り付けたとことによるマスクの変形量が25nm以下
△:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が25nm超45nm以下
×:ペリクルを貼り付けたことによるマスクの変形量が45nm超
<実施例1>
単量体としてブチルアクリレート(BA)/2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)/4−ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)とを、質量比75:20:5の割合で用い、以下に示すリビングラジカル重合により、BA/2EHA/4HBAの(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を製造した。
リビングラジカル重合は、アルゴン置換したグローブボックス内で、エチル−2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオネート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート及び2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル)を60℃で20時間反応させて(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を得た。
反応終了後、反応器をグローブボックスから取出し、反応溶液を酢酸エチル500mlに溶解後、GPCにて測定を行った。結果を表1に示す。
また反応終了後、酢酸エチルを反応溶液に添加して、不揮発分濃度31質量%のアクリル共重合体溶液を得た(重量平均分子量110万)。
得られたアクリル共重合体溶液100質量部とイソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)0.4質量部とを撹拌混合し、粘着剤前駆体組成物を得た。
陽極酸化処理したアルミニウム合金製のペリクル枠(外径113mm×149mm、内径109mm×145mm、高さ3.2mm、フレームのマスク側の平坦度は13μm)を用意した。なお、ペリクル枠には、取扱いを容易にするためピン穴としてペリクル膜を張設する方の端面から1.7mmとなる位置に、ペリクル枠外辺側面のコーナー部からそれぞれ25mmの位置に、穴径1.6mmφ、深さ1.2mmのジグ穴を4ヵ所設けた。
得られた粘着剤前駆体組成物を、ペリクル枠の一方の端面上にディスペンサーで塗布した。これを高精細成型機にて2段階で加熱乾燥・成型・キュア(1段階目:100℃、8分、2段階目:180℃、8分)して成型を行い、粘着剤層を形成した。
その後、粘着剤層の表面にシリコーン離型処理した厚さ100μmのポリエステル製保護フィルムを貼り合わせ、養生させ、粘着力を安定化させた。形成された粘着剤層の厚さは、0.3mmであった。
次いで、ペリクル枠の他端面に接着剤を用いてペリクル膜を張設してペリクルを作製した。
得られたペリクルについて、粘着剤層の平坦度を測定したところ、断面方向の平坦度は7.3μm、周方向の平坦度は11.2μmであり、粘着剤層の断面形状は、外側>内側>中央部の順で高いものであった。
得られたペリクルについて、20%伸長/24時間緩和後残留応力値αの測定とマスクの歪評価とマスクからの糊残り評価とを実施した。結果を表1に示す。
<実施例2>
単量体としてブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルアクリレートとを、質量比95:5の割合にし、開始剤をエチルー2−メチルー2−n−ブチルテラニループロピオネートにし、イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)を0.6質量部にして重合を行った以外は、実施例1と同様に粘着剤前駆体組成物を得た。次いで、得られた粘着剤前駆体組成物を用いた以外は実施例1と同様にペリクルを作製し、実施例1と同様の評価を測定した。結果を表1に示す。粘着剤層の断面の形状は、外側>中央部>内側の順で高いものであった。
<実施例3>
単量体としてブチルアクリレート/イソブチルアクリレート/4−ヒドロキエチルアクリレートとを、質量比49:50:1の割合にし、開始剤を2,2‘−アゾビズ(イソブチロニトリル)にし、イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)(日本ポリウレタン工業社製、商品名「コロネートHX」)を0.15質量部にして重合を行った以外は、実施例1と同様に粘着剤前駆体組成物を得た。次いで、得られた粘着剤前駆体組成物を用いた以外は実施例1と同様にペリクルを作製し、実施例1と同様の評価を測定した。結果を表1に示す。粘着剤層の断面の形状は、外側>中央部>内側の順で高いものであった。
<比較例1>
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた反応装置に、窒素ガスを封入後、酢酸エチル90質量部、ブチルアクリレート98質量部、アクリル酸2質量部、重合開始剤2,2−アゾビス(イソブチルニトリル)(AIBN)0.2質量部を仕込み、拡販しながら酢酸エチルの還流温度で7時間反応させた。反応終了後、トルエン95質量部を添加して室温まで冷却し、固形分31質量%である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を得た。得られた(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を用いた以外は実施例1と同様にペリクルを作製し、実施例1と同様の評価を測定した。結果を表1に示す。
粘着剤層の断面の形状は、外側>中央部>内側の順で高いものであった。
Figure 2017090719
本発明のペリクルは、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレイ)等のフォトリソグラフィー工程において好適に用いることができる。特に、高解像度を必要とする露光において使用されるエキシマレーザーを使用したフォトリソグラフィー工程、好ましくは200nm以下の紫外光露光を使用したフォトリソグラフィー工程において、本発明のペリクルを好適に用いることができる。
1 ペリクル
2 ペリクル枠
2e,2f ペリクル枠の端面
3 ペリクル膜
10 粘着剤層
F 保護フィルム

Claims (4)

  1. ペリクル枠と、
    前記ペリクル枠の一端面に張設されたペリクル膜と、
    前記ペリクル枠の他端面に付着した粘着剤層と、を備え、
    前記粘着剤層に含まれる粘着剤は、炭素数4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、硬化剤との反応性を有する官能基を有するモノマーとの共重合体である(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体と、硬化剤との反応生成物を含み、
    前記粘着剤におけるカルボン酸含有モノマーユニットの含有量が、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量%に対して0.9質量%以下である、ペリクル。
  2. 前記粘着剤のゲル分率が60%以上95%以下である、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記粘着剤層の断面方向の平坦度が20μm以下である、請求項1又は2に記載のペリクル。
  4. 前記粘着剤層の周方向の平坦度が15μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のペリクル。
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