JPH10228099A - 紫外線用ペリクルおよびペリクル用ケース - Google Patents
紫外線用ペリクルおよびペリクル用ケースInfo
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Abstract
外線用ペリクルおよびペリクル用ケース。 【解決手段】ペリクル膜と、該ペリクル膜を接着剤(a)
層を介して張設保持する保持枠と、保持枠を被保護体に
固定させる接着剤(b) 層とからなり、前記接着剤(a) 層
および接着剤(b) 層は、該層から発生してペリクル膜に
吸着あるいは吸収される化合物であって、かつ波長14
0〜200nmの紫外線照射によりラジカルを発生する
化合物の発生量が200ppm 以下である波長140〜2
00nmの紫外線用ペリクルおよび該ペリクル用ケー
ス。波長140〜200nmの紫外線照射によりラジカ
ルを発生する化合物は、具体的に、芳香族化合物、ケト
ンまたは窒素化合物である。
Description
0nmの短波長紫外線を露光光源とするときに好適なペ
リクルおよびペリクルケースに関する。
リソグラフィ工程により、高度集積回路(LSI)を作
成する際には、フォトマスク(あるいはレチクルも含
む)などに塵埃等の異物が付着し、ウエハ上に転写する
のを防止するため、マスク基板の片面または両面にペリ
クル(光線透過性防塵体)が設けられている。
過性防塵膜)が、アルミニウムなどの保持枠によりマス
ク基板表面から適当に離間されて保持されるように構成
されている。このためマスク基板表面の配線パターンを
ウエハ上に転写する際に、マスク基板表面とペリクル膜
表面とでは結像焦点距離が異なり、ペリクル膜上に異物
が付着していても、ウエハー上に異物は転写されない。
部からの異物の侵入を防ぐことができ、フォトリソグラ
フィ工程の生産効率を向上させることができるととも
に、半導体素子製造時の歩留りを向上させることができ
る。
性および光透過性とくに露光波長における透過性が要求
されるが、従来、g線(436nm)、i線(365n
m)などの光に対するペリクル膜材としては、主にニト
ロセルロース、プロピレンセルロースなどのセルロース
系材料が用いられている。
ーン微細化による集積度向上のために、露光光源は短波
長化する傾向にあり、具体的に現在、KrFエキシマレ
ーザ(λ=248nm)を露光光源とする書込みが実現
化されつつあり、さらに波長200nm以下の短波長紫
外線が研究されており、とくにArFエキシマレーザ
(λ=193nm)が有力視されている。
の光子エネルギーが増大するが、たとえばArFエキシ
マレーザのエネルギーは6.4eV(147kcal/mol)
であって、有機ポリマー中のC−C結合の解離エネルギ
ー(83.6kcal/mol)およびC−H結合の解離エネル
ギー(98.8kcal/mol)よりも大きい。
られているセルロース系材料などは、300nm以下の
短波長領域の光透過性は充分ではなく、また紫外線領域
とくにArFエキシマレーザ照射により容易に光分解
(光劣化)してしまい、ペリクルは実用に耐えない。
吸収しにくく、光吸収により分解してしまうことがない
ペリクルが求められており、たとえば短波長紫外線領域
での光透過性に優れたフッ素樹脂をペリクル膜材として
用いることが提案されている。
ペリクルについて研究したところ、ペリクル膜がフッ素
樹脂などの光透過性に優れた膜材で形成されていたとし
ても、ペリクルは充分な耐光性(耐久性)を示さないこ
とがあり、このようなペリクル膜の耐光性の低下は、ペ
リクル製造時あるいはペリクル使用時などに、ペリクル
膜と他の部材との接触により、波長140〜200nm
の紫外線照射によりラジカルを発生する化合物がペリク
ル膜に付着するためであることを見出した。そしてこの
ような化合物を含まない部材からペリクルを構成するこ
とにより、ペリクルの耐光性を保持しうることを見出し
て本発明を完成するに至った。
00nm以下の紫外線用ペリクルおよびペリクル用ケー
スを提供することを目的としている。
200nmの紫外線用であって、ペリクル膜と、該ペリ
クル膜を接着剤(a) 層を介して張設保持する保持枠と、
保持枠を被保護体に固定させる接着剤(b) 層とからな
り、前記接着剤(a) 層および接着剤(b) 層は、該接着剤
層から発生して、ペリクル膜に吸着あるいは吸収されう
る化合物であって、かつ波長140〜200nmの紫外
線照射によりラジカルを発生する化合物の発生量が20
0ppm 以下であることを特徴としている。
によりラジカルを発生する化合物は、具体的に、芳香族
化合物、ケトンまたは窒素化合物である。本発明に係る
ペリクルケースは、上記のようなペリクルを収納するケ
ースであって、該ケースから発生してペリクル膜に吸着
あるいは吸収されうる化合物であって、かつ波長140
〜200nmの紫外線照射によりラジカルを発生する化
合物の発生量が200ppm 以下であることを特徴として
いる。
びペリクルケースについて具体的に説明する。
00nmの紫外線用である。このようなペリクルを図1
を参照しながら説明する。ペリクル1は、ペリクル膜2
と、該ペリクル膜2を接着剤(a) 層3を介して張設保持
する保持枠4と、保持枠4をフォトマスクあるいはレチ
クルなどの被保護体6に固定させる接着剤(b) 層5とか
らなる。
nmの紫外線に対する光透過性に優れた膜材で形成され
ており、具体的に該膜材の露光光源の波長領域内の平均
光透過率T〔%〕が90%以上であることが望ましい。
なおこの平均透過率Tは、上記波長領域内で起る光線透
過率の干渉波の山部と谷部とを同数とり平均した値であ
る。
るような膜強度を有しているとが望ましく、たとえば膜
材の引張強度が100kg/cm2 程度以上、曲げ強さが2
00kg/cm2 程度以上であることが望ましい。
過性に優れ、かつ原子間結合エネルギーの高い分子構造
を有し、光分解しにくい有機ポリマーであれば特に限定
することなく用いることができるが、該有機ポリマーは
非晶質であることが望ましい。
波長紫外領域から可視光領域までの光透過性にも優れて
いることが望ましい。このような有機ポリマーとして
は、C−C結合、C−O結合、Si−O結合、などを主
鎖とし、メチルなどのアルキル基、フッ素、フッ素含有
アルキル基、シクロアルキル基、フッ素含有シクロアル
キル基などを分鎖基とする有機ポリマーが挙げられる。
これら有機ポリマーは、たとえば線状構造であってもよ
く、また分岐構造あるいは環を有する構造であってもよ
く、さらに架橋構造であってもよい。
レン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹
脂、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンポリマ
ー、フロロシリコーンポリマーなどを用いることができ
る。さらに下記に示すようなCYTOP(商品名)ある
いはテフロンAF(商品名)として市販されているフッ
素樹脂を用いることができる。
〜200nmの波長領域における光透過性は、分子軌道
法から算出することができる。具体的には、該ポリマー
について分子軌道法により電子エネルギー準位の計算を
行ない、HOMO(最高被占分子軌道)とLUMO(最
低空分子軌道)との間のエネルギーギャップを求めるこ
とにより、電子励起による光吸収スペクトル(シミュレ
ーション)を推定することができる。
な膜強度を有し、かつ露光時の収差が小さくなる範囲で
あればよく、具体的に、0.1μm〜10μmであるこ
とが好ましい。このような範囲から、露光波長に対する
透過率が高くなるように膜厚を下記式のように算出して
選択することができる。
193nm) 上記のようなペリクル膜2は、後述するような波長14
0〜200nmの紫外線照射によりラジカルを発生する
化合物とくに溶剤を製造時に用いない方法であれば、従
来公知のペリクル膜製造方法を広く利用して製造するこ
とができ、たとえば清浄で平滑な基板上に有機ポリマー
溶液または懸濁液を供給し、スピンナーを回転させ、回
転製膜法により製膜する方法、またガラスなどの清浄で
平滑な面を有する基板を有機ポリマー溶液または懸濁液
中に浸漬した後、この基板を引上げて薄膜を形成する浸
漬法、あるいは有機ポリマーの切削、溶融成形などによ
り製膜することができる。
などの手段により乾燥し、懸濁液の場合は焼成し、次い
で薄膜を基板から引離すことによりペリクル膜(単独
膜)が得られる。
比重および表面張力が大きい液体の液面上に展開してそ
のまま薄膜(ペリクル膜2)を形成することもできる。
このようにして得られるペリクル膜2は、波長140〜
200nmの紫外線照射によりラジカルを発生する化合
物を含有していないことが望ましい。
示せず)を必ずしも設ける必要はないが、設けてもよ
い。本発明では、上記のように製造されるペリクル膜2
は、接着剤(a) 層3を介して、アルミニウムからなる保
持枠4で張設保持されている。
有しており、ペリクル1は、使用時に接着剤(b) 層5を
介して被保護体6に取付け固定される。このような接着
剤(a) としては、通常アクリル系、シリコーン系、エポ
キシ系などが用いられ、接着剤(b) としては、通常エチ
レン酢酸ビニルコポリマー、ブチルメタクリル酸樹脂、
ポリスチレン、ポリイソブチレンなどが用いられる。
での未使用時には、該接着剤(b) 層5の表面には、通常
ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるライナ
ー(図示せず)が貼付されている。
7が設けられていてもよく、粘着剤(c) としては、通常
アクリル系、SEBS系、粘着性フッ素グリースなどが
用いられる。
クル1において、接着剤(a) 層および接着剤(b) 層は、
該層から発生してペリクル膜に吸着あるいは吸収されう
る化合物であって、かつ波長140〜200nmの紫外
線照射によりラジカルを発生する化合物の発生量が、2
00ppm 以下、好ましくは100ppm 以下である。
て種々化合物が含まれており、具体的に通常下記のよう
な化合物が含まれている。ベンゼン、トルエン、m-キシ
レン、p-キシレン、メシチレン、クメン、イソプロピル
クメン、プソイドクメン、ベンゾトリフルオライド、m-
キシレンヘキサフルオライド、安息香酸ブチル、
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン、アンモニア、アクリロニトリル、N-メ
チルピロリドン、トリメリルアミン、ヘキサメチルジシ
ラザンなどの窒素化合物、n-ブチルアセテート、メチル
メタクリレート、エチルラクテート、エチルエトキシプ
ロピオネート、エチルセロソルブアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエス
テル類、シクロヘキセン、C5H10、メチルシクロヘキ
セン、テトラクロルエチレン、ジアセチレン、ジメチル
メチレンノルボルナンなどの不飽和化合物、イソプロピ
ルアルコール、t-ブチルアルコール、2-エチルヘキシル
アルコール、C11H23OH、C12H25OH、C13H27O
H、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類な
ど。
上記のような化合物のうちでも、ペリクル膜に吸着ある
いは吸収されうる化合物であって、かつ波長140〜2
00nmの紫外線照射によりラジカルを発生する化合物
として、とくにケトン、芳香族化合物および窒素化合物
の発生量が200ppmである接着剤を、接着剤(a) およ
び接着剤(b) として使用している。
とえば接着剤製造時に原料から上記化合物を蒸留、抽出
により除去する方法、接着剤主成分が分解しない温度で
減圧加熱する方法などが挙げられる。
から、芳香族化合物、ケトンおよび窒素化合物とともに
エステル類などの化合物も除去することがペリクル膜の
白化などによる外観面から望ましい。また本発明では、
接着剤(a) および接着剤(b)以外の部材からも、ケト
ン、芳香族化合物および窒素化合物などを発生しないこ
とが望ましい。
にトルエン、酢酸ブチル、クメン、パーヒドロナフタレ
ン、ブチルベンゼン、4-メチル-2,6-ジ(t-ブチル)フ
ェノールなどの化合物が含まれており、また接着剤(b)
層のライナー中には、トルエン、2-エチル-1-ヘキシル
アルコール、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ(2-エチル
-1-ヘキシル)などの化合物が含まれており、これらが
発生しないように処理することが望ましい。
を発生しないようにするには、接着剤(a)および接着剤
(b)と同様に処理すればよい。さらに本発明では、上記
のようなペリクルを収納するケースについても、ペリク
ル膜に吸着あるいは吸収されうる化合物であって、かつ
波長140〜200nmの紫外線照射によりラジカルを
発生する化合物の発生量が200ppm以下、さらに好ま
しくは100ppm以下であることが望ましい。
としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、
SUSなどの金属あるいはガラス類などが好ましく用い
られる。
生量が200ppm以下であれば、従来ペリクルケース材
質として用いられているポリプロピレン、バイヨン、制
電性ABS、ABSなどの有機ポリマーを用いることも
できる。
アルコール、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
2-エチル-1-ヘキシルアルコール、イソプロピルクメ
ン、安息香酸ブチルなどの化合物を含んでいる。このよ
うな有機ポリマーは、たとえばメルト状態で減圧する
か、あるいはバブリングするなどの処理をして、上記化
合物を除去すれば、本発明のペリクルケース材質として
用いることができる。
0nmの紫外線を露光光源とするときに優れた耐光性を
発現する。
0nm領域の紫外光を発振する光源たとえばArFエキ
シマレーザ(λ=193nm)、F2レーザ(λ=15
7nm)など、とくにArFエキシマレーザを露光光源
とするときに好適に用いることができる。
クルの耐光性を低下させる化合物を実質的に含んでおら
ず、上記ペリクルを収納するのに好適である。
するペリクルについて、下記条件で化合物の耐光性に対
する影響(膜厚の減少率)を試験した。結果を表1に示
す。
・p ×100Hz レーザ照射量:500J/cm2 この結果より、芳香族化合物、ケトン類、窒素化合物が
存在すると、ペリクル膜の耐光性が著しく劣化する。す
なわちこのような化合物を除去することにより、耐光性
を向上させることができることがわかる。
ンAFTMに代えた以外は、実施例1と同様に試験した。
結果を表1に示す。
類、窒素化合物などによりペリクル膜の耐光性が著しく
劣化することがわかる。
p-キシレンについて、下記条件で化合物濃度の耐光性に
対する影響を試験した。結果を図2に示す。
0,2000ppm ) レーザ(ArFエキシマレーザ)照射条件:1mJ/cm2
・p ×100Hz 濃度200ppm では、耐光性が著しく劣化していること
がわかる。
Claims (3)
- 【請求項1】ペリクル膜と、該ペリクル膜を接着剤(a)
層を介して張設保持する保持枠と、保持枠を被保護体に
固定させる接着剤(b) 層とからなり、 前記接着剤(a)層および接着剤(b)層は、該接着剤層から
発生してペリクル膜に吸着あるいは吸収されうる化合物
であって、かつ波長140〜200nmの紫外線照射に
よりラジカルを発生する化合物の発生量が200ppm 以
下であることを特徴とする波長140〜200nmの紫
外線用ペリクル。 - 【請求項2】前記波長140〜200nmの紫外線照射
によりラジカルを発生する化合物が、芳香族化合物、ケ
トンまたは窒素化合物であることを特徴とする請求項1
に記載のペリクル。 - 【請求項3】請求項1に記載のペリクルを収納するケー
スであって、 該ケースから発生してペリクル膜に吸着あるいは吸収さ
れうる化合物であって、かつ波長140〜200nmの
紫外線照射によりラジカルを発生する化合物の発生量が
200ppm 以下であることを特徴とする波長140〜2
00nmの紫外線用ペリクル用ケース。
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1997
- 1997-02-13 JP JP02907397A patent/JP4112649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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