JP2000275817A - リソグラフィー用ペリクルおよびその製造方法 - Google Patents

リソグラフィー用ペリクルおよびその製造方法

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JP2000275817A JP2923399A JP2923399A JP2000275817A JP 2000275817 A JP2000275817 A JP 2000275817A JP 2923399 A JP2923399 A JP 2923399A JP 2923399 A JP2923399 A JP 2923399A JP 2000275817 A JP2000275817 A JP 2000275817A
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film
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polymer
light
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Susumu Shirasaki
享 白崎
Ikuo Sakurai
郁男 櫻井
Shu Kashida
周 樫田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/62Pellicles, e.g. pellicle assemblies, e.g. having membrane on support frame; Preparation thereof

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペリクル膜の材質がフッ素系ポリマーであっ
て、膜形成時の剥離性に優れ、短波長の真空紫外光を長
時間照射してもこれを吸収して光劣化したり分解するこ
とのない耐光性に優れ、長寿命でかつ光透過率が高く変
化のない高性能なペリクル膜からなるペリクルを提供す
る。 【解決手段】 リソグラフィーに使用される膜材質が非
晶質パーフルオロポリマーからなるペリクルにおいて、
該膜を構成するポリマーの末端基を完全にフッ素化した
もので、ポリマーの末端のエステル基(−COO−)の
含有量が、末端基全体に対して200ppm以下である
ことを特徴とするリソグラフィー用ペリクル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リソグラフィ用ペ
リクル、特にはLSI、超LSI等の半導体装置あるい
は液晶表示板を製造する際のゴミ除けとして使用される
リソグラフィー用ペリクル、特に高解像度を必要とする
露光において使用される波長200nm以下の真空紫外
光露光に使用されるリソグラフィー用ペリクルに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI、超LSI等の半導体装置
あるいは液晶表示板を製造する際に、半導体ウエーハや
液晶用原板に光を照射してパターニングをするわけであ
るが、その場合に用いる露光原板にゴミが付着している
と、このゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうた
め、転写したパターンが変形したり、エッジががさつい
たものとなる他、白地が黒く汚れたりして、寸法、外
観、品質等が損なわれ、半導体装置や液晶表示板等の性
能や製造歩留りの低下を来すという問題があった。
【0003】このため、これらの作業は、通常クリーン
ルームで行われているが、このクリーンルーム内でも露
光原板を常に清淨に保つことが難しいので、露光原板の
表面にゴミ除け用の光透過率の高いペリクルを貼着させ
る方法がとられている。この場合、ゴミは露光原板の表
面上には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リ
ソグラフィー時に焦点を露光原板のパターン上に合わせ
ておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる利点
がある。
【0004】このペリクルは、例えば、図2に示すよう
に、通常光をよく透過させるニトロセルロース、酢酸セ
ルロース等からなる透明なペリクル膜1を、アルミニウ
ム、ステンレス、ポリエチレン等からなるペリクル枠2
の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布し、ペリクル膜を密
着後、風乾して接着するか(特開昭58−219023
号公報参照)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹
脂等の接着剤で接着し(米国特許第4861402号明
細書、特公昭63−27707号公報参照)、ペリクル
枠の下部にはポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ア
クリル樹脂等からなる粘着層3および粘着層を保護する
離型層4(セパレータ)を接着して構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、リソグラフィー
の解像度は、しだいに高くなってきており、その解像度
を実現するために徐々に波長の短い光が光源として用い
られるようになってきている。具体的には、紫外光(g
線、436nm;i線、365nm)から現在は、遠紫
外光(KrFエキシマレーザー、248nm)へと移行
しており、近い将来には真空紫外光(ArFエキシマレ
ーザー、193nm)が使用されることになる。一般
に、このように波長が短くなると、光子エネルギーは大
きくなり、リソグラフィーに用いられる材料により大き
な光劣化をもたらす。特にペリクル膜の場合、有機物で
あるので光の短波長化に伴いその影響は加速度的に大き
くなる。
【0006】光反応は、基本的に光が吸収されて始めて
開始される。現在ペリクル膜に使用している非晶質パー
フルオロポリマーは、基本骨格は不飽和結合等を含ま
ず、また、電気陰性度が大きいフッ素原子が存在するた
め、本来遠紫外域で吸収を持たない。しかし、ポリマー
構造の末端の一部にはエステル基(−COO−、以下同
じ)が存在し、これが紫外光を吸収するため、真空紫外
光等の短波長レーザ光使用時には光劣化が問題となって
いた。
【0007】一般に、ペリクル膜はシリコン等の基板の
上にポリマー溶液を塗布・乾燥後、膜を剥離して単独膜
を得る。また、ポリマー構造の末端にエステル基が存在
すると、この剥離が困難になるため、ポリマーをフッ素
ガスで処理し、ポリマー構造の末端をフッ素化して剥離
性を高めている。従来は良好な剥離性を得た時点をフッ
素化の終点としていたが、この程度のフッ素化度では未
だエステル基がポリマーの末端に残留している。この残
留エステル基の含有量は、ポリマー全体から見ると小さ
いが、長時間の光照射下ではその存在の影響が大きく出
てきて、膜の光劣化が進むことになる。膜の光劣化が進
むと、膜厚が減少し、透過率が減少するという問題が発
生する。また、ポリマー鎖のラジカルによる切断、再結
合が引き起こされ、ポリマーの屈折率が変化する。この
ような透過率、屈折率の変化は、露光されるウエーハ上
の照度むらを引き起こし、リソグラフィーに悪影響を与
える。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、ペリクル膜の材質が非晶質パーフ
ルオロポリマーであって、膜形成時の剥離性に優れ、短
波長の真空紫外光を長時間照射してもこれを吸収して光
劣化したり分解することのない長寿命で、かつ光透過率
が高く変化のない高性能なペリクル膜からなるペリクル
を提供することを主目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に記載した発明は、リソグラフィ
ーに使用される膜材質が非晶質パーフルオロポリマーか
らなるペリクルにおいて、該膜を構成するポリマーの末
端基を完全にフッ素化したことを特徴とするリソグラフ
ィー用ペリクルである。
【0010】このように、ペリクルを構成するペリクル
膜の原料が下記一般式[2]で表される非晶質パーフル
オロポリマーの場合に、該ポリマーの末端基を完全にフ
ッ素化して、末端基中エステル基を持たないポリマーを
作製し、これからペリクル膜に加工すれば、基板から容
易に剥離し、寸法安定性の良い、変形のないペリクル膜
を得ることができる。さらにこのペリクル膜からペリク
ルを形成すれば、ArFエキシマレーザーのような真空
紫外域の光を長時間照射しても光劣化のない、つまり膜
厚変化や透過率変化のない耐光性に優れ、長寿命で高性
能なペリクルを得ることができる。
【化2】
【0011】そして、この場合、請求項2に記載したよ
うに、ペリクル膜の原料である非晶質パーフルオロポリ
マーを、下記一般式[1]で表される環状パーフルオロ
エーテル基を有する含フッ素モノマー重合体とすること
ができる。
【化3】
【0012】このように、フッ素化処理によって末端基
を完全にフッ素化したポリマーとすれば、ペリクル膜を
成膜する時の基板からの剥離性が向上すると共に、短波
長エキシマレーザーに対する耐光性は著しく改善され、
長寿命で高性能なペリクルを得ることができる。
【0013】次に、本発明の請求項3に記載した発明
は、末端基が完全にフッ素化された非晶質パーフルオロ
ポリマーにおいて、末端基中のエステル基含有量を、末
端基全体に対して200ppm以下としたものである。
このように、完全にフッ素化したポリマー中に残存して
いるエステル基含有量を末端基全体に対して200pp
m以下に抑えたものとすれば、短波長エキシマレーザー
に対するペリクル膜として非晶質パーフルオロポリマー
が持っている優れた透明性、膜強度、耐光性等の特性を
充分生かした長寿命で高性能なペリクルを提供すること
が可能となる。
【0014】さらに、本発明の請求項4に記載した発明
は、20000J/cm2 のレーザー光照射をした場合
に、ペリクル膜の膜厚減少率が0.5%以下であること
を特徴とするリソグラフィー用ペリクルである。このよ
うにペリクル膜の耐光性をペリクル膜に対するレーザー
光照射前後の膜厚の変化から求め、20000J/cm
2 の照射エネルギーによる膜厚減少率が0.5%以下の
ものであれば、真空紫外光のような短波長に曝されて
も、劣化することが少なく、長期間にわたり透過率がよ
く、長寿命で安定度が高く、実用上優れたペリクル膜を
供給することができる。
【0015】そして、本発明の請求項5に記載した発明
は、リソグラフィー用ペリクルの製造方法において、非
晶質パーフルオロポリマーをフッ素系溶剤に溶解し、該
溶液にフッ素ガスと不活性ガスの混合ガスを吹き込ん
で、該ポリマー末端基中のエステル基含有量が、末端基
全体に対して200ppm以下になるまでフッ素化反応
を行った後、該ポリマー溶液を取り出し、次にこの溶液
を基板上に塗布してペリクル膜を成膜することを特徴と
するリソグラフィー用ペリクルの製造方法である。
【0016】このようにしてペリクルを製造すれば、ポ
リマー末端のエステル基はほぼ完全にフッ素化され、ペ
リクル膜を成膜する時の基板からの剥離性は向上し、短
波長エキシマレーザーに対する耐光性は著しく改善さ
れ、長寿命で高性能なペリクルを製造することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本
発明者らは、前述した問題点を解決すべく鋭意検討を重
ねた結果、非晶質パーフルオロポリマー、特に環状パー
フルオロエーテル基含有含フッ素モノマー重合体にフッ
素ガスを反応させて、末端基を完全にフッ素化すれば、
ArFエキシマレーザーの波長に対する吸収が減少し、
実質200nm以下の波長の光をペリクル膜に照射した
時に、光劣化の殆どない、すなわち、ペリクル膜厚減少
や透過率減少がないペリクル膜を得ることができること
を見出し、諸条件を精査して本発明を完成させた。
【0018】先ず、本発明のペリクルの製造方法につい
て説明する。本発明のペリクル膜に使用される末端基が
完全にフッ素化された非晶質パーフルオロポリマーは、
例えば下記のような方法により製造される。原料となる
非晶質パーフルオロポリマーは、下記一般式[2]で示
されるものであり、例えばサイトップCTX(b=0)
[旭硝子社製商品名]、サイトップ69(b=1)[旭
硝子社製商品名]等として市販されている。この非晶質
パーフルオロポリマーをフッ素系溶剤等の良溶媒に溶解
し、得られた溶液をフッ素化処理を行えば良い。
【化4】
【0019】この反応条件としては、従来から行われて
きた良剥離性を得るためのフッ素化方法に比べてより厳
しい条件で行えば良い。具体的には、例えば、フッ素混
合ガスをポリマー溶液中にバブリング導入処理を行う方
法が挙げられる。この時の反応温度としては、50℃を
超えるとポリマー主鎖の切断が起こる恐れがあり、0℃
より低いと反応速度が小さくなるため、0〜50℃が好
適とされる。より好ましくは10〜40℃である。ま
た、フッ素混合ガスは、フッ素と不活性ガス(窒素、ア
ルゴンなど)を混合したものを使用し、フッ素の含有量
が1体積%より小さいと、反応速度が遅くなるし、50
体積%より大きいとポリマー主鎖切断が起こる恐れがあ
るため、1〜50体積%とされるが、好ましくは5〜2
0体積%である。また、この反応の終了は、ポリマー末
端のエステル基含有量が、末端基全体に対して200p
pm以下になった時点とすればよい。
【0020】このようにして得られた下記一般式[1]
で表される非晶質パーフルオロポリマーを用いて公知の
手法によりペリクル膜を成膜すれば、ペリクル膜を成膜
する時の基板からの剥離性は向上し、短波長エキシマレ
ーザーに対する耐光性は著しく改善され、長寿命で高性
能なペリクルを得ることができる。
【化5】
【0021】次に、該ポリマー末端基のフッ素化度の定
量方法およびペリクル膜としての特性評価法について述
べる。 [末端基のフッ素化度の定量]末端基のフッ素化度の定
量は以下の方法で行った。すなわち、エステル基をカル
ボキシル基に変換後、ヘキサメチルジシラザンと反応さ
せ、ポリマーに固定されたシリコン量を定量するという
ものである。フッ素化を終了したポリマー溶液に、リチ
ウムアルミニウム水素化物(LiAlH4 )を添加し、
−68℃に調整したメタノール−ドライアイス冷媒浴中
で反応させ、エステル基をカルボキシル基に変換後、ヘ
キサメチルジシラザンを過剰量添加し、圧力容器内で1
00℃で72時間加熱し、カルボキシル基を完全にシリ
ル化した。反応後、未反応のヘキサメチルジシラザンを
除去するために、溶液を200℃、24時間加熱乾燥し
た。乾燥後、ポリマーの原子吸光分析を行い、シリコン
の含有量を求めた。ポリマーの分子量も考慮に入れ、シ
リコンの含有量からエステル基の末端基全体に対する含
有量を算出した。
【0022】[剥離性の評価]剥離性の評価は、以下の
方法で行った。フッ素化が終了したサイトップ溶液を直
径200mm、厚さ0.6mmの鏡面研磨したシリコン
基板上にスピンコーターを用いて塗布して、膜厚1μm
のペリクル膜を成膜した。次いで、内径180mmのア
ルミニウム合金製ペリクル枠にフッ素系樹脂接着剤を塗
布したものを基板上の膜に貼り付け、そして枠を持ち上
げて基板から膜を剥離した。膜の状態観察は、暗室で集
光ランプを用いて行う。剥離性の良いものは、殆ど抵抗
なくスムーズに基板から剥離する。剥離性が悪い場合に
は、剥離中に材料の伸張限界を超え、その結果、集光ラ
ンプ下で膜が白化して曇っているのが観察される。ま
た、さらに剥離性が悪い場合には、膜にシワが入った
り、極端な場合には、シリコン基板から膜が剥れないこ
ともある。
【0023】[耐光性の評価]耐光性の評価は、以下の
方法で行った。フッ素化が終了したサイトップ溶液を直
径200mm、厚さ0.6mmの鏡面研磨したシリコン
基板上にスピンコーターを用いて塗布して、膜厚0.8
μmのペリクル膜を成膜した後、膜を基板から剥離用ア
ルミ枠に移し取り、単独膜とした。次いで、ArFエキ
シマレーザー光(波長193nm)を大気中で膜に照射
し、照射前後での膜厚と透過率を測定し、変化量を算出
し、照射の影響を調べた。ArFエキシマレーザーの照
射条件は、強度1mJ/cm2 /pulse、パルス周
波数400Hzである。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示す。 (実施例1)サイトップCTX(前出)をフッ素系溶剤
CT−Solv.180(旭硝子社製商品名)に溶解
し、濃度9%の溶液を調製した。ニッケル製容器の中に
調製したサイトップCTX溶液を入れ、フッ素を10体
積%含有するフッ素−窒素混合ガスを25℃でバブリン
グ導入し、168時間フッ素化を行った。反応終了後、
容器内を窒素ガスで置換し、溶液を取り出した。次い
で、末端基のフッ素化度の定量を行ったところ、シリル
化後のシリコン含有量は、検出限界の0.07ppm以
下であった。これはエステル基換算で200ppm以下
であり、下記一般式[1]で示される非晶質パーフルオ
ロポリマーが得られた。この場合、剥離性は良好で、シ
リコン基板から剥離後、集光ランプで観察したが、白い
曇りは観察されなかった。耐光性評価は、ArFエキシ
マレーザー照射量が、5000J/cm2 、10000
J/cm2 および20000J/cm2 において行い、
その結果は表1に示した。
【0025】(比較例1)フッ素化反応時間を48時間
とした以外は、実施例1と同条件でフッ素化した。次い
で、末端基のフッ素化度の定量を行ったところ、シリル
化後のシリコン含有量は、0.18ppmであった。こ
れはエステル基換算で514ppmに相当する。この場
合、剥離性は良好で、シリコン基板から剥離後、集光ラ
ンプで観察したが、白い曇りは観察されなかった。耐光
性評価は、実施例1と同様に行ない、その結果は表1に
示した。
【0026】(比較例2)フッ素化反応時間を12時間
とした以外は、実施例1と同条件でフッ素化した。次い
で、末端基のフッ素化度の定量を行ったところ、シリル
化後のシリコン含有量は、0.40ppmであった。こ
れはエステル基換算で1143ppmに相当する。この
場合、剥離性は劣悪で、シリコン基板から剥離後、膜が
伸びきり、シワが入ってしまった。そのため、耐光性評
価には至らなかった。
【0027】(比較例3)サイトップCTX(前出)を
フッ素系溶剤CT−Solv.180(前出)に溶解
し、濃度9%の溶液を調製した。この溶液を、末端フッ
素化反応処理を行わず、末端基のフッ素化度の定量を行
ったところ、シリル化後のシリコン含有量は、1.0p
pmであった。これはエステル基換算で2857ppm
に相当する。この場合、剥離性は劣悪で、シリコン基板
からの膜の剥離は不可能であった。そのため、耐光性評
価には至らなかった。
【0028】以上の結果を表1にまとめて示した。ま
た、実施例1と比較例1のArFレーザー光照射量と耐
光性(膜厚減少率)の関係を図1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】表1と図1より明らかなように、ポリマー
構造の末端をほぼ完全にフッ素化した実施例1において
得られたペリクル膜は、その末端基中のエステル基含有
量が末端基全体に対して200ppm以下であれば、短
波長のArFエキシマレーザーに対して優れた耐光性と
透過率を有していると共に成膜時の剥離が容易で膜の寸
法、外観も良好なものである。このように、本発明でい
う完全フッ素化とはフッ素化後の残存末端エステル基含
有量が検出できない程度にフッ素化されていることを言
い、例えば、末端基全体に対して200ppm以下のも
のを言う。
【0031】これに対して比較例1の従来のフッ素化品
では剥離性には問題がないが、実施例1に比較して末端
エステル基含有量が高いため、耐光性は実施例1の完全
フッ素化品よりも低くなっていることが判る。また、さ
らに末端エステル基含有量の高い、比較例2のフッ素化
中間品は、基板からの剥離が困難で無理に剥すと膜が伸
び切り、シワが入ってしまった。さらに、比較例3の未
フッ素化品では、基板からの剥離が困難で無理に剥すと
膜が伸び切り、破けてしまった。
【0032】そして、図1のレーザー光照射量と耐光性
(ペリクル膜厚減少率)の関係から、20000J/c
2 のレーザー光照射をした場合に、ペリクル膜の膜厚
減少率が0.5%以下であれば、高性能ペリクル膜とし
て使用できることが明らかになった。このような耐光性
を有するものであれば、真空紫外光のような短波長に長
時間曝されても、光劣化することなく、長寿命で安定度
が高い優れたペリクル膜として供給することができる。
【0033】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ペリクル膜の材質が非晶質パーフルオロポリマー、特に
環状パーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマー
重合体の場合に、末端のエステル基を完全にフッ素化す
れば、リソグラフィー時の短波長露光光源、特にArF
エキシマレーザーによるペリクル膜の光劣化がないので
膜厚や透過率の減少や亀裂の発生が起こることは殆どな
く、従って長寿命で高性能なペリクルを作製することが
できる。また、同時に剥離性が向上し成膜時の基板から
の剥離も容易で膜にシワが入ったり白く曇ったりするこ
ともなく、ペリクルの歩留りと生産性の改善を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ArFエキシマレーザー光照射エネルギーと耐
光性(膜厚変化)の関係を示した図である。
【図2】ペリクルの構成例を示した概略図である。
【符号の説明】
1…ペリクル膜、2…ペリクル枠、3…粘着層、4…離
型層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫田 周 群馬県碓氷郡松井田町人見1番地10 信越 化学工業株式会社精密機能材料研究所内 Fターム(参考) 2H095 BC33 BC34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リソグラフィーに使用される膜材質が非
    晶質パーフルオロポリマーからなるペリクルにおいて、
    該膜を構成するポリマーの末端基を完全にフッ素化した
    ことを特徴とするリソグラフィー用ペリクル。
  2. 【請求項2】 前記非晶質パーフルオロポリマーが、下
    記一般式[1]で表される環状パーフルオロエーテル基
    を有する含フッ素モノマー重合体であることを特徴とす
    る請求項1に記載したリソグラフィー用ペリクル。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記末端基が完全にフッ素化された非晶
    質パーフルオロポリマーにおいて、末端基中のエステル
    基(−COO−)含有量が、末端基全体に対して200
    ppm以下であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載したリソグラフィー用ペリクル。
  4. 【請求項4】 20000J/cm2 のレーザー光照射
    をした場合に、ペリクル膜の膜厚減少率が0.5%以下
    であることを特徴とするリソグラフィー用ペリクル。
  5. 【請求項5】 リソグラフィー用ペリクルの製造方法に
    おいて、非晶質パーフルオロポリマーをフッ素系溶剤に
    溶解し、該溶液にフッ素ガスと不活性ガスの混合ガスを
    吹き込んで、該ポリマー末端基中のエステル基含有量
    が、末端基全体に対して200ppm以下になるまでフ
    ッ素化反応を行った後、該ポリマー溶液を取り出し、次
    にこの溶液を基板上に塗布してぺリクル膜を成膜するこ
    とを特徴とするリソグラフィー用ペリクルの製造方法。
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