JP4000231B2 - 耐光性を改良したリソグラフィー用ペリクル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リソグラフィー用ペリクル、特に高解像度を必要とする露光において使用される波長200nm以下の真空紫外光露光に使用されるリソグラフィー用ペリクルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、LSI、超LSI等の半導体装置あるいは液晶表示板を製造する際に、半導体ウェーハや液晶用基板に光を照射してパターニングをするわけであるが、その場合に用いる露光基板にゴミが付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうため、転写したパターンが変形したり、エッジが、がさついたものとなる他、白地が黒く汚れたりして、寸法、外観、品質等が損なわれ、半導体装置や液晶表示板等の性能や製造歩留の低下を来すという問題があった。
【0003】
このため、これらの作業は通常クリーンルームで行われるが、このクリーンルーム内でも露光基板を常に清浄に保つことが難しいので、露光基板の表面にゴミ除けのための露光用の光を良く通過させるペリクルを貼着する方法が行われている。
この場合、ゴミは露光基板の表面には直接付着せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィー時に焦点を露光基板のパターン上に合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる利点がある。
【0004】
このペリクルは、例えば図1に示すように光を良く通過させるニトロセルロース、酢酸セルロースまたはフッ素樹脂等からなる透明なペリクル膜1をアルミニウム、ステンレスポリエチレン等からなるペリクル枠2の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布し、ペリクル膜を密着後風乾して接着するか(特開昭58−219023号公報参照)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはフッ素樹脂等の接着剤で接着し(米国特許第4861402号明細書、特公昭63−27707号公報、特開平7−168345号公報参照)、ペリクル枠2の下部にはポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等からなる粘着剤および粘着層3を保護するための離型層4(セパレータ)を密着して構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、リソグラフィーの解像度は次第に高くなってきており、その解像度を実現するために徐々に波長の短い光が光源として用いられるようになってきている。具体的には、紫外光(g線(436nm)、I線(365nm))から現在は遠紫外光(KrFエキシマレーザー(248nm))へと移行しており、近い将来には真空紫外光(ArFエキシマレーザー(193nm))が使用されることになる。このように波長が短くなると光子エネルギーは大きくなり、リソグラフィーに用いられる材料に、より大きな光劣化をもたらす。特に、ペリクル膜の材質は有機物であるので、その影響は短波長化に伴い加速度的に大きくなる。
【0006】
ところで、光反応は基本的に光が吸収されて初めて開始される。ペリクル膜に使用している樹脂、例えばフッ素樹脂は、本来基本骨格に二重結合を含まず、また、電気陰性度が大きいフッ素原子が存在するため、本来遠紫外域で吸収を持たない。
しかし、ポリマーの末端には反応開始剤に由来するエステル基が存在する可能性があり、また実際の樹脂では完全に重合反応が完了することは困難であり、従って未反応の二重結合等が存在する可能性が否定できない。これらの官能基が紫外光を吸収し、光劣化反応の開始点となり得る。
【0007】
そして、膜の光劣化が進むと、膜厚が減少し透過率が減少するという問題が発生する。また、ポリマー鎖のラジカルによる切断、再結合が引き起こされ、ポリマーの屈折率が変化する。このような透過率、屈折率の変化は露光されるウェーハ上の照度むらを引き起こし、リソグラフィーに悪影響を与える。
また、ペリクル膜は非常に薄い膜なので、リソグラフィーの光源となる光に対して干渉を起こす。従って、ペリクルの製造時には、光の干渉を計算して透過率が最大になるような膜厚に制御する。しかし、光の照射により膜厚が変化すると、干渉がずれてしまい、透過率が低下しウェーハ上に照度ムラが発生するという問題がある。
【0008】
光照射後の膜の表面の分析の結果、光照射された部分に凹部が生じていることが分かった。一方、酸素等が存在する大気中で光照射を行ったにもかかわらず、光照射部の化学分析を行うとその部分の変質は起こっていない。すなわち、この場合の光劣化は、光照射によりペリクル膜を構成するポリマー鎖が切断され、その結果生じる低分子分が蒸発し膜厚が減少したことによるものと考えられる。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、ペリクル膜の材質が非晶質パーフルオロポリマーであって、短波長の真空紫外光を長時間照射しても、光劣化したり分解することのない長寿命で、かつ光透過率が高く変化のない高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルを提供することを主目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の請求項1に記載した発明は、リソグラフィーに使用されるペリクル膜の材質として非晶質パーフルオロポリマーを用いたリソグラフィー用ペリクルにおいて、該ペリクル膜がフッ素ガスで処理され、表面上にフッ素化層を形成されたものであることを特徴とするリソグラフィー用ペリクルである。
【0011】
このように、リソグラフィーに使用されるペリクル膜の材質として非晶質パーフルオロポリマーを用いたリソグラフィー用ペリクルにおいて、該ペリクル膜がフッ素ガスで処理され、表面上にフッ素化層を形成されたものであれば、長時間光照射しても光劣化のない、すなわち膜厚変化や光透過率変化のない耐光性に優れ、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとすることができる。
【0012】
この場合、請求項2に記載したように、リソグラフィー用ペリクルが、200nm以下の真空紫外光露光に使用されるものとすることができる。
【0013】
このように、リソグラフィー用ペリクルが、光子エネルギーが大きな200nm以下の紫外光、例えばArFエキシマレーザーのような真空紫外光露光に使用されるものであっても、ペリクル膜の膜厚変化、光透過率の減少および亀裂の発生がなく、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとすることができる。
【0014】
また、この場合、請求項3に記載したように、フッ素ガスで処理されたペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量が、60mol%以上であることが好ましい。
【0015】
このように、フッ素ガスで処理されたペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量が、60mol%以上であれば、光子エネルギーが大きな200nm以下の紫外光、例えばArFエキシマレーザーのような真空紫外光露光に使用されるものであっても、確実にペリクル膜の膜厚変化、光透過率の減少および亀裂の発生がなく、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとすることができる。但し、フッ素原子含有量が80mol%よりも大きいと膜強度が低下することがあるので、60〜80mol%の範囲とすることが特に好ましい。
【0016】
そして、本発明の請求項4に記載した発明は、20000J/cm2 のレーザー光照射をした場合に、ペリクル膜の膜厚減少率が0.5%以下であることを特徴とする。
【0017】
このように、本発明では、例えば、ArFエキシマレーザーにより20000J/cm2 の光照射をした場合であっても、ペリクル膜の膜厚減少率を0.5%以下とすることができ、真空紫外光のような短波長に曝されても、確実にペリクル膜の光透過率の減少や亀裂の発生がなく、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載した発明は、ペリクル枠に非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を貼り付けてなるリソグラフィー用ペリクルの製造方法において、該ペリクル膜を、非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を成膜後、フッ素ガスで処理して該膜表面にフッ素化層を形成することにより製造することをを特徴とするリソグラフィー用ペリクルの製造方法である。
【0019】
このように、ペリクル枠に非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を貼り付けてなるリソグラフィー用ペリクルの製造方法において、該ペリクル膜の製造は、非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を成膜後、フッ素ガスで処理して該膜表面にフッ素化層を形成するようにすれば、真空紫外光のような短波長に曝されても、ペリクル膜の膜厚変化、光透過率の減少および亀裂の発生がなく、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルを簡単に製造することができる。
【0020】
この場合、請求項6に記載したように、ペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量が60mol%以上となるようにフッ素ガスで処理することが好ましい。
【0021】
このように、ペリクル膜を表面上のフッ素原子含有量が60mol%以上となるようにフッ素ガスで処理してリソグラフィー用ペリクルを製造すれば、真空紫外光のような短波長に曝されても、ペリクル膜の膜厚変化、光透過率の減少および亀裂の発生が確実に抑制され、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルを容易かつ確実に製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、前述した問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜をフッ素ガスで処理して、表面にフッ素化層を形成させれば、例えばArFエキシマレーザーのような200nm以下の真空紫外光をペリクル膜に照射しても光劣化の殆どない、すなわち、ペリクル膜の膜厚減少や透過率減少がないペリクル膜を得ることができることを見出し、諸条件を精査して本発明を完成させた。
【0023】
以下、本発明のリソグラフィー用ペリクルのペリクル膜について詳細に説明する。
本発明のリソグラフィー用ペリクルのペリクル膜の材質は、非晶質パーフルオロポリマーであり、これらは、例えばサイトップ(旭硝子(株)製)等として市販されている。
【0024】
この非晶質パーフルオロポリマー等のフッ素系樹脂は、薄膜化し易く、しかも透過性に優れると共に、紫外光領域に吸収を持たない優れた特性を有している。しかし、このようなフッ素系樹脂を使用しても、真空紫外光等の短波長レーザー光による光照射を受けると、上述のような光劣化による膜厚減少や透過率の低下等の問題を生じ、かかる問題を解決すべく種々検討した結果、ArFエキシマレーザー照射下では、フッ素系樹脂が光を吸収して発生するラジカルによりポリマー鎖が切断され、低分子量化した分子が蒸発することが膜厚変化および透過率変化の大きな原因になっていることを突き止めた。
【0025】
そこで、フッ素系樹脂の膜表面を保護する方法を種々検討した結果、該膜表面をフッ素ガスを用いてフッ素化すれば、極めて容易に、しかも低コストでフッ素系樹脂の膜表面に高濃度のフッ素化層を有するペリクル膜とすることができることを見出した。これにより、光子エネルギーの大きなArFエキシマレーザー光を長時間照射しても光劣化の少ない、すなわち光照射による膜厚変化および透過率変化の少ないペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとする上記目的が達成された。
【0026】
本発明を完成する過程で明らかとなったペリクル膜の光劣化が抑制されるメカニズムについて説明すれば、一般にポリマーの光劣化は、光を吸収して分子が励起された場合に、ラジカル反応として起こるが、このラジカル反応が起こると、化学結合はホモ的に開裂する。そして、発生したラジカルは分子内を伝播し、ポリマー鎖の切断が進行する。
【0027】
しかし、フッ素系樹脂の場合には、その主要構成原子であるフッ素原子が非常に大きい電気陰性度を有するため、ラジカル反応によりポリマー分子が開裂しても、フッ素原子の大きな電気陰性度のため開裂した結合が再結合する割合が高くなり、ポリマーの低分子化は光吸収からの予測よりも非常に低く抑えられ、光劣化が抑制されることになる。その結果、膜の透過率や屈折率に影響を及ぼすことも抑制される。
【0028】
すなわち、ペリクル膜の表面に高濃度のフッ素化層を設ければ、膜が光を吸収してラジカルが発生し劣化が進む条件下であっても、高濃度のフッ素化層がラジカル反応で開裂した結合の再結合を引き起こすので、膜の劣化は非常に小さく抑えることができる。
【0029】
この場合、膜表面上のフッ素原子含有量は、X線光電子分光法(XPS)により測定を行い容易に算出することができる。
すなわち、X線光電子分光法は、表面の数百Åからの光電子を測定するため、表面の情報を得るのに最適な測定法であり、試料のC1s、F1s、O1sスペクトルを測定して、それぞれの測定感度を補正しスペクトルの積分面積比からフッ素原子含有量を容易に算出できる。
【0030】
ペリクル膜の表面に存在するフッ素原子含有量は高い方が、開裂した結合を再結合させる効果が得易いが、確実に再結合させる効果を得るためには、膜表面上のフッ素原子含有量は少なくとも60mol%以上であることが望ましい。但し、80mol%を超えると膜強度が低下することがあるので、フッ素原子含有量は60〜80mol%の範囲とすることが特に望ましい。
そして、膜表面上のフッ素原子含有量が60mol%以上であれば、例えばArFエキシマレーザーの照射量が20000J/cm2 に達しても、膜厚減少率は0.5%以下に抑制することができる。
【0031】
次に、本発明のリソグラフィー用ペリクルのペリクル膜の製造方法について説明する。
まず、非晶質パーフルオロポリマーの溶液を基板、例えばシリコン基板上に滴下しスピンコーターを用いて薄膜状にした後、加熱乾燥して溶媒を蒸発させシリコン基板上にペリクル膜を成膜する。
【0032】
そして、シリコン基板上のペリクル膜を、フッ素に浸食されない材質からなる仮枠、例えばニッケル製の仮枠に貼り付けた後、フッ素ガスで処理してペリクル膜表面にフッ素化層を形成させることにより、本発明のリソグラフィー用ペリクルのペリクル膜が得られる。
この場合、フッ素ガスによる処理はどのような方法によってもよく、例えばフッ素ガスで浸食されないニッケル等の材質からなる反応装置内にペリクル膜を配置し、これにフッ素ガスを導入することによって処理を行っても構わない。また、フッ素ガスの処理は、フッ素と窒素、アルゴン等の不活性ガスとの混合ガスとして行っても良い。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。
【0034】
ここで、本発明のペリクル膜の表面上のフッ素原子の定量は、前述のX線光電子分光法(XPS)を用いて行った。また、ペリクル膜の耐光性の評価は、以下のようにして行った。
【0035】
[耐光性評価]
ArFエキシマレーザー光(波長193nm)を大気中で膜に照射し、照射前後での膜厚と透過率を測定した。その後、変化量を算出し、照射の影響を調べた。ArFエキシマレーザーの照射条件は、強度を1mJ/cm2 /pulse、パルス周波数を400Hzとした。
【0036】
(実施例)
膜材料として非晶質パーフルオロポリマーであるサイトップCTX−S(旭硝子(株)製)をフッ素系溶剤CT−solv.180(旭硝子(株)製)に溶解し、濃度5%の溶液を調製した。次に、この溶液を直径200mm、厚さ1.2mmの表面研摩したシリコン基板上に滴下し、スピンコーターを用いて基板を回転させて膜厚1μmの透過膜を形成させた。その後、200℃で15分間乾燥してペリクル膜を基板上に成膜した。
そして、基板上の膜にニッケル製の仮枠を貼り付け、この枠ごとシリコン基板から剥離し単独膜を得た。
【0037】
次に、ニッケル製反応容器の中に、ニッケル製の仮枠に貼り付けたサイトップの膜を導入し真空引きした後、フッ素ガスと窒素ガスの体積比が1:9の割合に混合した混合ガスを反応容器内に導入した。室温で24時間反応を行い膜のフッ素化処理を行った。反応終了後、容器内を窒素ガスで置換し試料を取り出した。このようにしてフッ素化されたペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量についてXPS測定を行い、その結果を表1に示した。
【0038】
また、耐光性評価は、ArFエキシマレーザー照射量が、5000J/cm2 、10000J/cm2 および20000J/cm2 において実施し、その結果を表2に示した。
【0039】
(比較例)
実施例と同一条件で得られたニッケル製の仮枠に貼り付けたサイトップの膜について、フッ素化層を形成させずにペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量と耐光性を測定した。
結果を表1および表2に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
上記の結果から明らかなように、ペリクル膜のフッ素化により膜表面上の炭素原子と酸素原子の含有量はフッ素化前と比較してそれぞれ6mol%、3mol%減少した。一方フッ素の含有量は9mol%上昇した。
この実験結果から、フッ素化によりペリクル膜表面に高濃度フッ素化層が形成されていることが証明された。
【0043】
耐光性に関して、ペリクル膜のフッ素化を行った場合、5000J/cm2 のArFエキシマレーザー照射を行った後の膜厚減少率が0.1%であり、また10000J/cm2 では0.2%、そして20000J/cm2 でも0.4%であったことから光劣化が少なく、極めて優れることがわかった。
また、光子エネルギーの大きなArFエキシマレーザー照射を行っても、ペリクル膜に透過性低下や亀裂等の外観上の不具合は生じなかった。
【0044】
一方、ペリクル膜のフッ素化を行わない場合には、5000J/cm2 のArFエキシマレーザー照射を行った後の膜厚減少率が0.2%であり、また10000J/cm2 では0.4%、そして20000J/cm2 では1.0%と膜厚減少率が大きくなっており、光劣化が激しく短波長露光光源、例えば真空紫外光の照射には適応できないことが明らかになった。
【0045】
以上のことから、ペリクル膜の表面に高濃度のフッ素化層が形成されている場合には、ArFエキシマレーザー等の短波長の光照射による膜厚減少率が小さく、光劣化が少ないことから、膜表面上の高濃度フッ素化層がレーザー照射による光劣化を抑制していることが証明された。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0047】
例えば、本発明において、非晶質パーフルオロポリマーとして環状パーフルオロエーテル基含有フッ素モノマー重合体だけでなく、直鎖状のパーフルオロエーテル基含有モノマー重合体を用いてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ペリクル膜の材質が非晶質パーフルオロポリマー、特にパーフルオロエーテル基を有する含フッ素モノマー重合体の場合に、膜の表面をフッ素化し高濃度のフッ素化層を形成すれば、リソグラフィー時の短波長露光光源、特にArFエキシマレーザーによるペリクル膜の光劣化が抑制されるので、膜厚や透過率の減少や亀裂の発生が起こることが殆どなく、長寿命かつ高性能なペリクル膜からなるリソグラフィー用ペリクルとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ペリクル膜の構成例を示した概略図である。
【符号の説明】
1・・・ ペリクル膜、 2・・・ ペリクル枠、 3・・・ 粘着層、 4・・・ 離型層。
Claims (6)
- リソグラフィーに使用されるペリクル膜の材質として非晶質パーフルオロポリマーを用いたリソグラフィー用ペリクルにおいて、該ペリクル膜がフッ素ガスで処理され、表面上にフッ素化層を形成されたものであることを特徴とするリソグラフィー用ペリクル
- 前記リソグラフィー用ペリクルが、200nm以下の真空紫外光露光に使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィー用ペリクル。
- 前記フッ素ガスで処理されたペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量が、60mol%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリソグラフィー用ペリクル。
- 20000J/cm2 のレーザー光照射をした場合に、ペリクル膜の膜厚減少率が0.5%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のリソグラフィー用ペリクル。
- ペリクル枠に非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を貼り付けてなるリソグラフィー用ペリクルの製造方法において、該ペリクル膜を、非晶質パーフルオロポリマーからなるペリクル膜を成膜後、フッ素ガスで処理して該膜表面にフッ素化層を形成することにより製造することを特徴とするリソグラフィー用ペリクルの製造方法。
- 前記フッ素ガスで処理されたペリクル膜の表面上のフッ素原子含有量を60mol%以上とすることを特徴とする請求項5に記載のリソグラフィー用ペリクルの製造方法。
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