JP5304622B2 - リソグラフィ用ペリクル - Google Patents

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Description

本発明は、LSI、超LSIなどの半導体装置、液晶表示板などを製造する際に用いるリソグラフィ用マスクのゴミよけとして使用されるリソグラフィ用ペリクルに関する。
近年、LSIのデザインルールはサブクオーターミクロンへと微細化が進んでおり、それに伴い、露光光源の短波長化が進んでいる。すなわち、露光光源が、これまで主流であった、水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)から、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)などに移行しつつある。
LSI、超LSIなどの半導体製造又は液晶表示板の製造においては、半導体ウエハ又は液晶用原板に光を照射してパターンを作製するが、この場合に用いるリソグラフィ用マスク(単に「マスク」ともいう)及びレチクル(以下、総称して「露光原版」と記述する)にゴミが付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうために、転写したパターンが変形したり、エッジが粗雑なものとなるほか、下地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観などが損なわれるという問題があった。
これらの作業は通常クリーンルームで行われているが、それでも露光原版を常に清浄に保つことは難しい。そこで、露光原版表面にゴミよけとしてペリクルを貼り付けた後に露光をする方法が一般に採用されている。この場合、異物は露光原版の表面には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィ時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル上の異物は転写に無関係となる。
ペリクルの基本的な構成は、ペリクルフレームの上端面に透明なペリクル膜が張設されるとともに、下端面に露光原版に貼り付けるための粘着剤層が形成されているものである。ペリクル膜は、露光に用いる光(水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)等)を良く透過させるニトロセルロース、酢酸セルロース、フッ素系ポリマーなどからなる。ペリクル膜は、ペリクルフレームの上端面にペリクル膜の良溶媒を塗布してペリクル膜を貼付し、風乾して接着するか、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの接着剤で接着する。また、ペリクルフレームの下端面には、露光原版に貼付するために、ポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等からなる粘着剤層が設けられ、更に、必要に応じて、粘着剤層の保護を目的とした粘着剤層保護用ライナーが貼り付けられる。
ペリクルを使用する際には、ペリクルの粘着剤層を露光原版に圧力をかけて押し当てることで貼り付けられ、露光原版の表面に形成されたパターン領域を囲むように設置される。この際、ペリクル膜とペリクルフレームと露光原版とによってペリクル閉空間が形成される。ペリクルは、露光原版上にゴミが付着することを防止するために設けられるものであるから、露光原版のパターン領域は、ペリクルの外部の塵埃がパターン面に付着しないようにペリクルの外部から隔離されている。ペリクルは、露光原版のパターン上に異物が付着するのを防ぐのが目的であるので、ペリクル閉空間側の面、つまりペリクル膜下端面及びペリクルフレーム内壁面の上には異物が無いようにしなければならない。
ペリクル膜上の異物は、通常0.3μm程度まで検査可能だが、ペリクルフレーム内壁面上では10μm程度以上のサイズの異物しか検査できない。つまり、ペリクルの検査にてフレーム内壁面に異物が発見できない場合でも、10μm未満の異物が存在する可能性があり、その検査不可能な異物がペリクルの使用中に露光原版に落下する危険性がある。
そこで、ペリクルフレームの内壁面上に粘着剤からなる内壁粘着剤層を設けることがある(特許文献1:特開昭61−241756号公報)。ペリクルフレーム内壁面上に内壁粘着剤層があると、もし検出不可能なサイズの異物が存在しても、その異物は内壁粘着剤層に保持されフレームから脱落することが防止される。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、以下のものが挙げられる。
特開昭61−241756号公報 特開平11−116685号公報
それでもなお、特にArFリソグラフィ用マスク/ペリクルにおいて、長期使用される場合に、ペリクル閉空間内のマスクのパターン上に固体異物(ヘイズ)が徐々に析出するという問題が生じる。原因は大きく分けて3つあり、1つめは露光原版上のイオン残渣、2つめは露光原版が使用される環境中のイオン系ガス、有機系ガス、3つめはペリクルから放出されるイオン、有機系ガスである。これらのイオン、有機系ガスがArFエキシマレーザー光と反応しパターン上に固体が析出する。
ペリクル内壁面上の内壁粘着剤層は薄層なので、それ自体からの有機系ガスの放出は微量である。また、通常のペリクル使用中のArFエキシマレーザー光はペリクル膜からマスクのパターン部を透過するので、ペリクルフレーム内壁にはArFエキシマレーザー光は直接は当たらない。しかし、マスク上のパターンの端部(パターンのエッジ部)でArFエキシマレーザー光が散乱し、一部散乱光がペリクルフレーム内壁面に当たることが最近分かってきた。
図3は、従来のリソグラフィ用ペリクルにおいて、ArFエキシマレーザー光の散乱の様子を示す断面模式図である。ペリクルフレーム3の上端面にペリクル膜貼着用接着剤層2を介してペリクル膜1が張設されたペリクルが、粘着剤層4によって、露光原版5の表面に形成されたマスクパターン9を囲むように露光原版5に貼り付けられる。また、ペリクルフレーム3の内壁面には、内壁粘着剤層8が設けられている。露光原版5側から入射したArFエキシマレーザー光は、その大半が透過光となって、例えば半導体ウエハ上にパターンを転写するが、一部のArFエキシマレーザー光は、露光原版上のマスクパターン9の端部(パターンのエッジ部)で散乱し、一部散乱光がペリクルフレーム3側に到達する。ペリクルフレーム3の内壁面上の内壁粘着剤層8にArFエキシマレーザー散乱光が当たると、例えば、内壁粘着剤層8としてエポキシ樹脂を用いた場合(特許文献1:特開昭61−241756号公報)は、エポキシ樹脂が光分解し、ガスが放出される。このガスがペリクル閉空間でArFエキシマレーザー光と反応し、固体析出(ヘイズ)の原因になる。
また、ペリクル閉空間内をArFエキシマレーザー光が透過すると、ArFエキシマレーザー光によってペリクル閉空間内の空気中の酸素が反応し、オゾンが発生する。ペリクル閉空間内は空気の出入りが殆ど無いので、ペリクル閉空間内のオゾン濃度が高くなる。その結果、ペリクル閉空間を構成するペリクル膜、内壁粘着剤層などがオゾンに曝され、特に、内壁粘着剤層として耐候性が低い樹脂を使用した場合には、樹脂の劣化が起こる。樹脂が劣化する時には分解ガスが放出される場合があり、そのガスがペリクル閉空間でArFエキシマレーザー光と反応し、固体析出(ヘイズ)の原因になるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、長期使用時において、内壁粘着剤層にArFエキシマレーザー光が当たっても、分解ガスの発生が少なく、ヘイズの発生が少ないペリクルを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題点を解決するため鋭意検討を行った結果、ペリクルフレーム内壁面上の内壁粘着剤層に用いられる粘着剤として、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物を使用することで、分解ガスの発生が少なく、ヘイズの発生が少ないペリクルを提供できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記リソグラフィ用ペリクルを提供する。
請求項1:
ペリクル膜とペリクルフレームと粘着剤層とを有し、前記ペリクル膜が前記ペリクルフレームの上端面に張設され、前記粘着剤層が前記ペリクルフレームの下端面にペリクルフレームを基板に貼り付け可能に設けられてなるペリクルであって、
更に、前記ペリクルフレームの内壁面に、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物の硬化物からなる内壁粘着剤層を有し、
前記硬化性組成物が、
(A)主鎖にパーフルオロアルキレン構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有し、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するパーフルオロ化合物、
(B)主鎖にパーフルオロアルキル構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有し、1分子中に1個のアルケニル基を有するパーフルオロ化合物、
(C)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有する有機ケイ素化合物、及び
(D)白金系金属系触媒
を含有することを特徴とするリソグラフィ用ペリクル。
請求項2:
前記パーフルオロ化合物(A)が、二価の直鎖状のパーフルオロアルキレン構造、又は二価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものである請求項1記載のリソグラフィ用ペリクル。
請求項3:
前記パーフルオロ化合物(B)が、一価の直鎖状のパーフルオロアルキル構造、又は一価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものである請求項1又は2記載のリソグラフィ用ペリクル。
請求項4:
前記ペリクルフレームの側面に、前記ペリクルフレームの内外を貫通する気圧調整用通気孔が少なくとも1つ設けられている請求項1〜3のいずれか1項記載のリソグラフィ用ペリクル。
本発明によれば、ペリクルフレーム内壁面上の内壁粘着剤層に用いられる粘着剤として、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物を使用することで、長期使用時に内壁粘着剤層にArFエキシマレーザー光が照射されても、分解ガスの発生が少なく、ヘイズの発生が少ないペリクルを提供することができる。
本発明におけるリソグラフィ用ペリクルの一実施形態を示す底面図である。 図1のリソグラフィ用ペリクルを露光原版に貼付した状態における、図1のA−A’線における縦断面図である。 従来のリソグラフィ用ペリクルにおいて、ArFエキシマレーザー光の散乱の様子を示す断面模式図である。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のリソグラフィ用ペリクルは、ペリクル膜とペリクルフレームと粘着剤層とを有する。ペリクル膜はペリクルフレームの上端面に張設され、粘着剤層は、ペリクルフレームの下端面にペリクルフレームを基板に貼り付け可能に設けられている。
ペリクル構成部材の大きさは通常のペリクル、例えば半導体リソグラフィ用ペリクル、大型液晶表示板製造リソグラフィ用ペリクル等と同様であり、また、その材料としては、公知のものを使用し得る。
図1は、本発明におけるリソグラフィ用ペリクルの一実施形態を示す底面図であり、図2は、図1のリソグラフィ用ペリクルを露光原版に貼付した状態における、図1のA−A’線における縦断面図である。この場合、ペリクル10は、ペリクル10を貼り付ける露光原版5の形状に対応した通常四角枠状(長方形枠状又は正方形枠状)のペリクルフレーム3の上端面に、ペリクル膜貼着用接着剤層2を介してペリクル膜1が張設されている。
ペリクル膜1の材質については特に制限はなく、公知のものを使用することができる。例えば、従来エキシマレーザー用に使用されている非晶質フッ素系ポリマー等が用いられる。非晶質フッ素系ポリマーの例としては、サイトップ(旭硝子株式会社製商品名)、テフロン(登録商標)AF(デュポン社製商品名)等が挙げられる。これらのポリマーは、ペリクル膜作製時に必要に応じて溶媒に溶解して使用してもよく、例えばフッ素系溶媒などで適宜溶解することができる。
ペリクル膜1の接着に接着剤層2は必ずしも必須ではないが、接着剤層を設ける場合、接着剤層2に使用する接着剤については特に制限はなく、公知のものが使用可能であり、例えば、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、フッ素系接着剤等が使用可能である。
ペリクルフレーム3の材質については特に制限はなく、公知のものを使用することができる。例えば、従来使用されているアルミニウム合金材、好ましくは、JISに規定される合金番号A7075材、A6061材、A5052材等が用いられるが、アルミニウム合金材を使用する場合は、ペリクルフレームとしての強度が確保される限り、特に制限はない。
ペリクルフレーム3の表面は、ペリクル膜等の他部材を設ける前に、サンドブラストや化学研磨によって粗化することが好ましい。本発明において、このフレーム表面の粗化の方法は従来公知の方法を採用できる。例えば、ペリクルフレームの母材としてアルミニウム合金材を使用した場合は、アルミニウム合金材に対して、ステンレス、カーボランダム、ガラスビーズ等によって表面をブラスト処理し、更にNaOH等によって化学研磨を行って表面を粗化する方法が挙げられる。
また、ペリクル10には、ペリクル10を露光原版(マスク又はレチクル)5に貼り付けるための粘着剤層4がペリクルフレーム3の下端面に形成されている。更に、必要に応じて、該粘着剤層4の下端面に粘着剤層保護用ライナー(図示せず)が剥離可能に貼り付けられる。
粘着剤層4に使用する粘着剤については、各種の粘着剤を適宜選択できる。例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリブテン系粘着剤等が使用可能である。粘着剤の塗布方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、本発明のペリクルは、ペリクルフレームの内壁面に、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物からなる内壁粘着剤層を有する。具体的には、例えば、図1,2に示されるように、ペリクルフレーム3の内壁面上に粘着性を持った樹脂からなる内壁粘着剤層8が設けられる。
内壁粘着剤層8に使用する粘着剤としては、フッ素系のゲル組成物、ゴム組成物、又は樹脂組成物、具体的には、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物、特に、直鎖状パーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物を使用する。
このパーフルオロ化合物として具体的には、主鎖にパーフルオロアルキレン構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物(A)が挙げられ、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2個のアルケニル基を有するものが好ましく、二価の直鎖状のパーフルオロアルキレン構造、又は二価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものが好ましい。また、主鎖にパーフルオロアルキル構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物(B)を挙げることができ、1分子中に1個のアルケニル基を有するものが好ましく、一価の直鎖状のパーフルオロアルキル構造、又は一価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものが好ましい。特に、パーフルオロ化合物(A)とパーフルオロ化合物(B)の双方を含有する硬化性組成物が好適である。また、この場合、硬化性組成物はアルケニル基を有するパーフルオロ化合物と反応(架橋)する成分として、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有する有機ケイ素化合物、及びこの反応の触媒として白金、白金化合物等の白金系金属系触媒を含有する。
一般にフッ素系ポリマーは、ペリクル膜にもフッ素系樹脂が使用されているように、短波長の光に対して耐光性があり、光分解も少なく、その結果、分解生成物の放出も少ない。この主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物としては、例えば特開平11−116685号公報(特許文献2)に記載された硬化性組成物等が挙げられる。また、このような硬化性組成物としては、信越化学工業株式会社製SIFEL8000シリーズ等の市販品を用いることができる。
なお、フッ素系ポリマーでも完全に分解を抑えることは難しいが、フッ素系ポリマーの場合、分解生成物も短波長の光に対して吸収が少ない場合が多く、その分ペリクル閉空間でArFエキシマレーザー光と反応し難く、ヘイズの発生を抑えることができる。そのため、本発明のペリクルは、ArFエキシマレーザー光を露光光として用いる場合に特に有効である。
ペリクルフレーム内壁への粘着剤層8の形成方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、液状の粘着剤を刷毛やスプレーなどで塗布し、加熱して硬化させる方法が採用し得る。粘着剤の粘度が高くて塗布が困難な場合には、必要に応じてアルコール等の有機溶剤、水等によって希釈し、粘着剤の粘度を下げて塗布してもよい。なお、内壁粘着剤層8は、ペリクルフレーム内壁面の全面に形成されることが好ましい。硬化性組成物の硬化条件は、公知の条件が適用できる。
本発明のペリクルには、例えば図1,2に示されるように、ペリクルフレーム3の側面に、ペリクルフレーム3の内外を貫通する気圧調整用通気孔6が少なくとも1つ設けられることが好ましい。この場合、外部からのパーティクルの侵入防止の目的で、防塵用フィルター7が気圧調整用通気孔6を覆うようにペリクルフレーム3の外壁面に設けられていてもよい。防塵用フィルターとしては、公知のものを使用することができる。なお、図1,2において、ペリクルフレーム3に気圧調整用通気孔6は1個設けられているが、複数個設けられていてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例及び比較例における「マスク」は「露光原版」の例として記載したものであり、レチクルに対しても同様に適用できる。
[実施例1]
アルミ合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm)を純水で洗浄後、その内壁面に直鎖状パーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物(商品名:SIFEL8070、信越化学工業株式会社製)を、住友スリーエム株式会社製フッ素系溶媒(商品名:NOVEC7300)にて3%溶液にしたものをスプレー法にて吹き付けた。吹き付け後、電磁誘導加熱によりペリクルフレームを加熱し、溶媒を除去し、硬化させた。加熱は、室温から150℃までは1分間で昇温し、その後150℃で5分間加熱状態を保持した。内壁粘着剤層の厚みは20μmであった。
ペリクルフレームの下端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(商品名:X−40−3122)を塗布し、直後に電磁誘導加熱により180℃までペリクルフレームを加熱し、溶媒を除去した。粘着剤層の厚みは0.3mmであった。また、ペリクルフレームの上端面に旭硝子株式会社製サイトップ接着剤(商品名:CTX−A)を塗布した。その後、130℃までペリクルフレームを加熱し、接着剤を硬化させた。
その後、ペリクルフレームよりも大きなアルミ枠に張り付けた旭硝子株式会社製サイトップ(商品名:CTX−S)からなるペリクル膜に、ペリクルフレームの接着剤層側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去しペリクルを完成させた。
完成したペリクルをパターンを持つマスクに貼り付けた。マスクのペリクルが貼り付けられている面とは逆の面からArFエキシマレーザー光(193nm)を照射した。ArFエキシマレーザー光の強度は0.05mJ/cm2/pulseで、レーザーの発振周波数は400Hz、総照射エネルギーは15,000J/cm2であった。照射面積は10×10mmであった。
照射後、ペリクルをマスクから取り外し、ArFエキシマレーザー光が照射されたパターン面を走査電子顕微鏡で観察したが、パターン面に成長性異物は発生していなかった。
[比較例1]
アルミ合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm)を純水で洗浄後、その内壁面に日本合成化学工業株式会社製アクリル溶剤型粘着剤(商品名:コーポニール8694)を、トルエンにて3%溶液にしたものをスプレー法にて吹き付けた。吹き付け後、電磁誘導加熱によりペリクルフレームを加熱し、溶媒を除去した。加熱は、室温から100℃までは1分間で昇温し、その後100℃で5分間加熱状態を保持した。内壁面のアクリル粘着剤層(内壁粘着剤層)の厚みは20μmであった。
ペリクルフレームの下端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(商品名:X−40−3122)を塗布し、直後に電磁誘導加熱により180℃までペリクルフレームを加熱し、溶媒を除去した。粘着剤層の厚みは0.3mmであった。また、ペリクルフレームの上端面に旭硝子株式会社製サイトップ接着剤(商品名:CTX−A)を塗布した。その後、130℃までペリクルフレームを加熱し、接着剤を硬化させた。
その後、ペリクルフレームよりも大きなアルミ枠に張り付けた旭硝子株式会社製サイトップ(商品名:CTX−S)からなるペリクル膜に、ペリクルフレームの接着剤層側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去しペリクルを完成させた。
完成したペリクルをパターンを持つマスクに貼り付けた。マスクのペリクルが貼り付けられている面とは逆の面からArFエキシマレーザー光(193nm)を照射した。ArFエキシマレーザー光の強度は0.05mJ/cm2/pulseで、レーザーの発振周波数は400Hz、総照射エネルギーは15,000J/cm2であった。照射面積は10×10mmであった。
照射後、ペリクルをマスクから取り外し、ArFエキシマレーザー光が照射されたパターン面を走査電子顕微鏡で観察したところ、パターン面に平均粒径5μmの成長性異物が観察された。
1 ペリクル膜
2 接着剤層
3 ペリクルフレーム
4 粘着剤層
5 露光原版
6 気圧調整用通気孔
7 防塵用フィルター
8 内壁粘着剤層
9 マスクパターン
10 ペリクル

Claims (4)

  1. ペリクル膜とペリクルフレームと粘着剤層とを有し、前記ペリクル膜が前記ペリクルフレームの上端面に張設され、前記粘着剤層が前記ペリクルフレームの下端面にペリクルフレームを基板に貼り付け可能に設けられてなるペリクルであって、
    更に、前記ペリクルフレームの内壁面に、主鎖にパーフルオロ構造を有するパーフルオロ化合物を含有する硬化性組成物の硬化物からなる内壁粘着剤層を有し、
    前記硬化性組成物が、
    (A)主鎖にパーフルオロアルキレン構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有し、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するパーフルオロ化合物、
    (B)主鎖にパーフルオロアルキル構造又はパーフルオロポリエーテル構造を有し、1分子中に1個のアルケニル基を有するパーフルオロ化合物、
    (C)1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基(SiH基)を有する有機ケイ素化合物、及び
    (D)白金系金属系触媒
    を含有することを特徴とするリソグラフィ用ペリクル。
  2. 前記パーフルオロ化合物(A)が、二価の直鎖状のパーフルオロアルキレン構造、又は二価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものである請求項1記載のリソグラフィ用ペリクル。
  3. 前記パーフルオロ化合物(B)が、一価の直鎖状のパーフルオロアルキル構造、又は一価の直鎖状パーフルオロポリエーテル構造を有するものである請求項1又は2記載のリソグラフィ用ペリクル。
  4. 前記ペリクルフレームの側面に、前記ペリクルフレームの内外を貫通する気圧調整用通気孔が少なくとも1つ設けられている請求項1〜3のいずれか1項記載のリソグラフィ用ペリクル。
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