JP2017187774A - ペリクル - Google Patents

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Abstract

【課題】FPD用で解像度2.0μm以降の露光機を使用する場合に用いられ得る面積1000cm2以上の大型ペリクルであって、パターン寸法精度に与える影響が少なく、転写されたパターンに不具合を生じさせないペリクルを提供する。【解決手段】面積1000cm2以上の平面視矩形状の開口部を備えるペリクル用枠体と、ペリクル用枠体の一方の端面に開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、ペリクル用枠体の他方の端面にマスク粘着剤と、を含むペリクルであって、ペリクル膜のQ’t値が4.5×10-4μm/cm以下である、ペリクル。【選択図】図1

Description

本発明は、ペリクルに関する。
従来、半導体回路パターン等の製造に於いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。ペリクルは、例えばフォトマスク或いはレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面に、厚さ10μm以下のニトロセルロース或いはセルロース誘導体或いはフッ素ポリマーなどの透明な高分子膜(以下、「ペリクル膜」という)を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘着剤を塗着すると共に、この粘着剤上に所定の接着力で保護フィルムを粘着させたものである。
上記粘着剤は、ペリクルをフォトマスク或いはレティクルに固着するためのものであり、また、保護フィルムは該粘着剤がその用に供するまで該粘着剤の接着力を維持するために、該粘着剤の接着面を保護するものである。
このようなペリクルは、一般的には、ペリクルを製造するメーカーから、フォトマスク或いはレティクルを製造するメーカーに供給され、そこで、ペリクルをフォトマスク或いはレティクルに貼付の後、半導体メーカー、パネルメーカー、等のリソグラフィーを行うメーカーに供給される。
ペリクル膜としては、露光に使用する光源に対応して最適な材料が選択され使用されている。例えば、KrFレーザー(248nm)以下の短波長の場合は、十分な透過率と耐光性をもつフッ素系樹脂が用いられている。
一方、FPD(フラットパネルディスプレイ)用では、光源として一般的には高圧水銀ランプや超高圧水銀ランプが用いられ、240nm〜600nmのブロードバンドの波長を用いるため、ニトロセルロースやエチルセルロース、プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、シクロオレフィン樹脂、フッ素系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが用いられている。
また、半導体用でもg&i線などの長い波長を用いる露光もあり、その場合でもフッ素系以外にセルロース系樹脂やシクロオレフィン系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが既に用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
FPDにおいても、生産性を向上させる目的からより線幅の細かい回路の要望があり、高い露光波長が要求されるようになってきており、それに対応した大型ペリクル用膜が開発さている(例えば、特許文献4参照)。
特開平04−081854号公報 特開平01−133052号公報 特開平07−199451号公報 特開2012−212043号公報
従来のFPDの露光波長は、あまり解像度を必要としないパターンが多いためブロードバンドにて平均透過率が90%以上あれば問題なく大型ペリクル膜が使用できていた。しかし近年、FPDの世界でも、スマートフォンに代表される、最先端の高機能モバイル機器用、高精細有機ELパネル及び液晶パネル用に、高解像度・高精度アライメントに注力した露光装置が開発されてきている。
そのため、等倍投影露光で、i線単波長、または、i線、g線、j線などの特定波長の混合波長(以下、「特定混合波長」という)を使用し、より高解像度の回路を描画しようとする動きがでてきている。その際、パターン寸法精度(CD)とよばれるマスクパターンと設計パターンの幾何学的形状誤差を小さくするために露光機メーカーやマスクメーカーは、露光機やマスクに様々な工夫をしている。
既に半導体用でg&i線等波長が使用されており、特許文献1〜3のようにg線、i線のどちらも共用できるペリクルとして膜厚を設計することで透過率を高め問題のないペリクルを提供している。
しかし、面積1000cm2以上のFPD(フラットパネルディスプレイ)用で、解像度2.0μm世代以降を目指してi線単波長や特定混合波長で露光する場合、透過率だけを気にしてペリクルを作製しても解像度が低下し、転写されたパターンの線幅が細かったり、パターンとパターンが接触したり、パターンの切れ不良がおこるなど部分的に不良がおこることが判明した。
従来は、ペリクルはマスクを異物から保護する役目として透過率がある範囲内であれば不具合なく使用できていた。ところが、高精細用になり、パネルメーカー、露光機メーカーでCDを小さくしても最後にペリクルを貼って露光すると予想以上にCDが大きくなり、ペリクルがパターンに悪影響を与えていることを本発明者らが初めて見出した。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、FPD用ペリクルで解像度2.0μm以降の露光機を使用する場合に用いられ得る面積1000cm2以上の大型ペリクルであって、パターン寸法精度に与える影響が少なく、転写されたパターンに不具合を生じさせないペリクルを提供するものである。
上記の課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討した結果、FPD用ペリクルは膜が厚いため膜の中に存在する僅かな散乱体により解像度を低下させていること、すなわち小角X線散乱(SAXS)にて散乱体を確認した結果、Q’t値が所定値以下であれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
面積1000cm2以上の平面視矩形状の開口部を備えるペリクル用枠体と、当該ペリクル用枠体の一方の端面に前記開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、前記ペリクル用枠体の他方の端面にマスク粘着剤と、を含むペリクルであって、
前記ペリクル膜のQ’t値が4.5×10-4μm/cm以下である、ペリクル。
〔2〕
前記ペリクル膜の膜厚が1.0μm以上3.0μmである、〔1〕に記載のペリクル。
〔3〕
前記ペリクル膜面内の膜厚バラツキが80nm以下である、〔1〕または〔2〕に記載のペリクル。
〔4〕
前記ペリクル膜の365nmの波長に対する透過率が95%以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のペリクル。
本発明によれば、FPD用で解像度2.0μm以降の露光機を使用する場合に用いられ得る面積1000cm2以上の大型ペリクルであって、パターン寸法精度に与える影響が少なく、転写されたパターンに不具合を生じさせないペリクルを提供することができる。
SAXS測定の結果を示す図である。 実施例1のウェハー上のパターンのSEM写真である。 比較例1のウェハー上のパターンのSEM写真である。 CD測定におけるラインアンドスペース(L/S)パターンを示す図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔ペリクル〕
本実施形態のペリクルは、面積1000cm2以上の平面視矩形状の開口部を備えるペリクル用枠体と、当該ペリクル用枠体の一方の端面に前記開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、前記ペリクル用枠体の他方の端面に塗着されたマスク粘着剤と、を含むペリクルであって、前記ペリクル膜のQ’t値が4.5×10-4μm/cm以下である。
(ペリクル膜)
本実施形態のペリクル膜は、ペリクル用枠体の一方の端面に前記開口部を覆うように展張支持されたものである。このようなペリクル膜を構成する成分としては、特に制限されないが、例えば、セルロース誘導体(ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、あるいはこれら2種以上の混合物)、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロン(登録商標)AF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等)等のポリマー等が用いられる。
現在用いられている等倍投影露光液晶露光機の光源である超高圧水銀ランプに対しては、耐光性やコストの点から、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートやサイトップやテフロンAF等のフッ素系ポリマーが好ましく使用される。
上記のポリマーは、夫々に適した溶媒(ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、フッ素系溶媒等)により溶解させて、ポリマー溶液として用いることができる。特に、上記のセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートに対しては、乳酸エチル等のエステル系溶媒が好ましい。また、サイトップやテフロンAF等のフッ素系ポリマーに対しては、トリス(パーフルオロブチル)アミン等のフッ素系溶媒が好ましい。ポリマー溶液は必要に応じてデプスフィルター、メンブレンフィルター等により濾過される。
上記ペリクル膜の小角X線散乱(SAXS)にて散乱体を確認した結果、Q’t値が4.5×10-4μm/cm以下であれば、i線単波長化や特定混合波長を使用して露光しても解像度が低下しないことが判明した。Q’t値は、より好ましくは4.3×10-4μm/cm以下であり、更に好ましくは、4.1×10-4μm/cmである。また、Q’t値の下限は特に制限されないが、1×10-4μm/cmが好ましい。
ペリクル膜中の散乱体は一般に非常に僅かである。また、一般に可視光、あるいはUV光において非常に弱い光散乱の散乱角依存性を精度よく測定することは散乱光以外の迷光の影響等によりきわめて困難である。一方、SAXSは妥当な測定を行えば非常に弱い散乱光でも正確に捉えることが可能であるため、SAXSによる指標を用いた。
これらの散乱体により散乱が発生し、散乱体と媒体の密度差が高いほど解像度に悪影響を与えていると考えている。以下に、Q’t値の算出方法を示す。
ペリクル膜に対して膜法線方向からX線を入射し、透過散乱X線を検出器にて測定する。膜を複数枚重ねてもよいし1枚でもよい。ペリクル膜からの散乱は非常に弱いため、フォトンカウンティング方式の検出器が好ましい。式1で表される散乱ベクトルの絶対値qが0.12nm-1から0.6nm-1の範囲で正確なSAXSプロフィールが得られるような条件で測定を行うことが好ましい。
q=4πsinθ/λ 式1
式1においてθはブラッグ角、λはX線の波長である。強い線源を用いる等により十分なS/N比のデータを得るため長時間測定を行う方が好ましい。強い線源を用いる場合には入射X線による試料ダメージに注意する。2次元検出器により検出を行った場合は円環平均等、妥当な方法でデータを1次元化する。散乱データに対しては暗電流等の検出器に由来する補正、空セル散乱補正、絶対強度補正を行い、必要なら入射X線ビーム形状による補正(デスメア)も行うほうが好ましい。絶対強度補正は単位がcm-1となるように実施する。こうして得られた1次元SAXSプロフィールI(q)に対し、式2によりQ’tを計算することができる。qの単位はnm-1である。また、tはペリクル膜の厚みである。
次にQ’tの説明をする。X線散乱は媒体中に電子密度の異なる構造が存在することにより発生する。媒体と電子密度が異なる構造は媒体と屈折率も異なっている可能性が高く、X線散乱の散乱光が多い膜はUVの散乱も多いと予想される。膜の散乱体の構造が理想二相構造を形成していると仮定すると絶対強度補正後のSAXSプロフィールI(q)のInvariant Qは式3で表される。
Δρ媒体と散乱体の電子密度差、φは散乱体の体積分率をあらわす。なお、ここでは理想二相構造とは均一な媒体中に電子密度が均一な散乱体が分布しており、その界面厚が0という構造を指す。散乱体の体積分率が小さい場合、Qにtを掛けたQtは式4のようになる。
vは膜単位面積中の散乱体の総体積である。つまり、式4は膜中の散乱体の体積と散乱体が媒体とどれほど違っているかを表すパラメータとなっており、膜中の僅かな散乱体を表す指標として妥当なものである。但し、実際にはq=0から無限大までの積分は実行できないので、検討を行った結果、0.12nm-1から0.6nm-1の範囲で積分を行うのが好ましい。
なお、Q’t値は、ポリマーの精製やポリマーの種類、ペリクル膜の膜厚や均一性を調整することにより減少させることができる。また、ペリクル膜のQ’t値は、上記算出方法に加えて、実施例に記載の方法により測定することができる。
ペリクル膜の厚さは、好ましくは1.0〜3.0μmであり、より好ましくは、1.4〜2.8μmであり、更に好ましくは、1.5〜2.5μmである。ペリクル膜の厚さが上記範囲にあることにより、光の光路が短くなり、波長による位相差が小さくなるため、i線単波長や特定混合波長を使用する場合に適する傾向にある。また、ペリクル膜の厚さが上記範囲にあることにより、より容易に透過率を95%以上に調整できる傾向にある。更に、ペリクル膜の厚さが上記範囲にあることにより、成膜時に基板から膜を剥離するときに膜破れをおこすことなくきれいに剥離することができるため歩留まりもより向上する傾向にある。また、ペリクルをハンドリング時に膜破れをおこすこともなく、更に、ペリクル膜に付着した異物をエアブローで除去するときに破れることもないため好ましい。
なお、ペリクル膜の厚さは、ポリマー溶液の濃度や塗布条件(例えば、塗布速度、乾燥時間等)を調整することにより減少させることができる。また、ペリクル膜の厚さは、実施例に記載の方法により測定することができる。
ペリクル膜の膜面内の膜厚バラツキは、好ましくは80nm以下であり、より好ましくは70nm以下であり、更に好ましくは50nm以下、特に45nm以下(好ましくは35nm以下)である。ペリクル膜の膜面内の膜厚バラツキは0nmが理想であるが、ペリクルの場合、ペリクルフレーム外形の面積が1000cm2以上あるため、バラツキを0nmにすることは生産上より一層困難である。このような生産上の問題から、一般的には10nm以上は製造バラツキを含んでいると思われるが、この点については特に制限されない。また、ペリクル膜の膜面内の膜厚バラツキが上記範囲内であることにより、ペリクルの面積が大きくても、CDが所定の範囲に収まり面内のCDバラツキが小さくなるため好ましい。これは、屈折率をn、膜厚をdとした場合、光の光路(光が感じる距離)は、n×dで簡易に表すことができる。実際に光は膜面に対して直角だけではなく位相の角度も関係してくるため、斜めからの入射も含まれてくるため膜厚バラツキを小さくすることが、ペリクル全体で同じようなパターンを描くことができるようになると考えている。特に、投影等倍露光の場合にはこの影響を強く受けると考えられる。
なお、ペリクル膜の膜面内の膜厚バラツキは、スピンコーターやスリットコートは調整しやすく、回転速度やポリマー溶液の濃度やノズル塗布条件等を調整することにより減少させることができる。また、ペリクル膜の膜面内の膜厚バラツキは、実施例に記載の方法により測定することができる。
ペリクルを貼り付けたマスクを使用して露光した時に、転写されるCDの面内レンジは、L/S(縦縞模様)として、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは150nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは80nm以下である。CDの分布が上記範囲にあることにより、解像度が2.0μm以降の等倍投影露光の場合で大面積であっても、ラインとラインの間のスペースが接触したり、パターンの切れ不良が発生しないため好ましい。
ペリクル膜のi線(365nm)の波長に対する透過率は、好ましくは95%以上であり、より好ましくは97%以上であり、さらに好ましくは98%以上である。また、ペリクル膜のi線(365nm)の波長に対する透過率の上限は特に制限されないが100%であり、より好ましくは99.8%以下である。なお、ペリクル膜のi線(365nm)の波長に対する透過率が95%以上であることにより、解像度がより向上する傾向にある。これは、解像度2.0μm、特には1.5μm以降を達成するためにはi線が使われるためである。また、ペリクル膜のi線(365nm)の波長に対する透過率が99.8%以下であることにより、膜厚バラツキが抑制され、大面積の膜でも生産性良く製造できる傾向にある。特に、透過率が95%以上で、膜厚バラツキを50nm以下にするとCDがより一層安定する傾向にある。
(ペリクル用枠体)
本実施形態のペリクル用枠体は、面積1000cm2以上の平面視矩形状の開口部を備える。ペリクル用枠体の形状は、マスク形状と相似の矩形や正方形である。そのため、ペリクル用枠体も同様にマスク形状と相似の矩形や正方形である。
ペリクル用枠体各辺の断面形状としては、矩形、H型、T型等、特に限定は無いが、矩形形状が最も好ましい。断面は中空構造であっても良い。
また、ペリクル用枠体の厚みは、好ましくは下限が3.0mm以上であり、より好ましくは下限が3.5mm以上であり、特に好ましくは4.0mm以上である。一方上限は、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは8mm以下、更に好ましくは7mm以下である。
ペリクル用枠体の幅は、好ましくは3.5mm〜30mmの間が好ましい。この範囲にあることで有効露光面積を確保しつつ、ペリクル膜の張力に耐えれるため好ましい。より好ましくは4mm以上、さらに好ましくは6mm以上であるがペリクル用枠体の面積に応じて膜張力に耐えれるように変更することが好ましい。一方の上限は、好ましくは30mm以下、より好ましくは25mm以下、さらに好ましくは19mm以下がよい。尚、幅は長辺、短辺何れの辺の幅とも同じであってもよく、各々独立の幅であっても構わない。
ペリクル用枠体は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)、鉄及び鉄系合金、セラミックス(SiC、AlN、Al2O3等)、セラミックスと金属との複合材料(Al−SiC、Al−AlN、Al−Al23等)、炭素鋼、工具鋼、ステンレスシリーズ、マグネシウム合金、又はポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の樹脂等からなり、平面視において略矩形状を呈している。ペリクルは、マスク粘着剤層を介してマスクに貼り付くため、剛性が高くて比較的重量が小さいものが好ましく、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、樹脂等の素材が好ましい。
本実施形態のペリクル用枠体の備える平面視矩形状の開口部の面積は、1000cm2以上であり、好ましくは5000cm2以上であり、より好ましくは6000cm2以上である。ペリクル用枠体の備える平面視矩形状の開口部の面積が1000cm2以上である大型の場合には、本発明の効果がより一層発揮される。なお、PFDの製造に用いるマスク等を考慮すると、平面視矩形状の開口部の面積の上限は35000cm2であれば十分である。
また、ペリクル用枠体の長辺の長さは、400mm以上、800mm以上、2100mm以下であればよい。
(内壁、通気孔、フィルター)
必要に応じてペリクル用枠体の内壁面又は全面に、異物を補足するための粘着剤(アクリル系、酢酸ビニル系、シリコーン系、ゴム系等)やグリース(シリコーン系、フッ素系等)を塗布しても良い。
また、必要に応じてペリクル用枠体の内部と外部を貫通する微細な穴を開けて、ペリクルとフォトマスクで形成された空間の内外の気圧差がなくなるようにすると、膜の膨らみや凹みを防止出来る。
また、この時、微細な穴の外側に異物除去フィルターを取り付けると、気圧調整が可能な上、ペリクルとフォトマスクで形成された空間の中に異物が侵入することを防げるので好ましい。
ペリクルとフォトマスクで形成された空間容積が大きい場合には、これらの穴やフィルターを複数個設けると、気圧変動による膜の膨らみや凹みの回復時間が短くなり、好ましい。
本実施形態のペリクル枠体は、上記の要件を満足することで適度な剛性と柔軟性を兼ね備えることが可能となるため、ペリクル膜を展張することによる枠体の歪がなく、ペリクルを単独でハンドリングする場合の撓みはもちろん、その後の、マスクへ貼り付け後のハンドリングにおけるマスク自身の撓みにも追従することが可能である。その結果、ペリクルにシワが生じず、かつ、マスクの撓みにも追従できるので、エアパスが生じることもないといった優れた効果を奏するものである。
(ペリクル膜の製法)
ペリクル膜は、例えばポリマー溶液から成膜された薄膜が使用されている。この薄膜には張力が存在する。一方、この張力は、ペリクル膜が撓んだりしわが入らないようにするために必要である。
ペリクル膜が撓んだりしわが入ると、ペリクル膜に付着した異物をエアブローで除去する時に、該ペリクル膜が大きく振動し除去し難い。また、ペリクル膜の高さが場所により変わるために、ペリクル膜の異物検査機が正常に機能しない。また、ペリクル膜の光学的高さ測定に誤差を及ぼす等の問題が生じる。
ポリマー溶液の成膜法には、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法等があるが、均一性や異物の管理の点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法により成膜基板上に成膜した後、必要に応じてホットプレート、クリーンオーブン、(遠)赤外線加熱等により溶媒を乾燥することにより、均一な膜が形成される。この時の成膜基板としては、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が利用出来る。
本実施形態に係るペリクルの成膜用の基板のサイズは大きいので、乾燥時の温度斑により成膜基板が割れることがある。これを防ぐために、成膜用基板の熱膨張係数は小さいほど好ましい。特に、0℃〜300℃における線膨張係数が50×10−7m/℃以下であることが好ましい。
また、成膜用の基板の表面には、シリコーン系、フッ素系等の材料により、あらかじめ離型処理を施しておけば良い。また、上記のペリクル膜は単層でも良いが、ペリクル膜の片側、あるいは両側に、該ペリクル膜よりも屈折率の低い層(即ち、反射防止層)を形成することにより、露光光線に対する透過率を高めることが出来、好ましい。
反射防止層の材料としては、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロンAF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)、ポリフルオロアクリレート等)や、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム等屈折率の低い材料が使用される。
反射防止層は、ポリマーの場合、前述と同様のスピンコート法により、無機物の場合、真空蒸着やスパッタリング等の薄膜形成法により形成することが出来る。異物の点からは、ポリマー溶液によるスピンコート法が好ましい。デュ・ポン社製のテフロンAF(商品名)、アウジモンド社製のアルゴフロン(商品名)は屈折率が小さいので反射防止効果が高く好ましい。
上記により成膜基板上に形成されたペリクル膜は、アルミニウム合金、ステンレススチール、樹脂等に粘着剤を貼り付けた仮枠により、成膜基板から剥がし取って所望のペリクル枠体に貼り替えても良い。また成膜基板上で所望のペリクル枠体を接着後、成膜基板から剥がし取っても良い。
このようにして得られたペリクル膜は、ペリクル枠体に張力を架けて接着剤により貼着される。
(膜接着剤)
ぺリクル膜とペリクル用枠体に接着するための膜接着剤は、ペリクル膜の材質とペリクル枠体の材質によって適宜選択する。たとえば、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の接着剤が使用される。
また、接着剤の硬化方法は夫々の接着剤に適した硬化方法(熱硬化、光硬化、嫌気性硬化等)が採用される。発塵性、コスト、作業性の面から、アクリル系の紫外線硬化型接着剤が好ましい。
ペリクル用枠体をフォトマスクに貼り付けるためのマスク粘着剤には、それ自身に粘着力のあるホットメルト系(ゴム系、アクリル系)、基材の両面に粘着剤を塗布したテープ系(基材としてアクリル系、PVC系等のシートあるいはゴム系、ポリオレフィン系、ウレタン系等のフォーム等が適用出来、粘着剤としてゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着剤が適用される)等が使用される。
(マスク粘着剤、ライナー)
本実施形態に係るペリクルでは、マスク粘着剤として、ペリクルをフォトマスクに均一に貼付け可能で、マスクからペリクルを容易に剥離できるように、比較的柔らかいホットメルト材料やフォームが好適である。フォームの場合は、その断面にアクリル系や酢酸ビニル系の粘着性材料あるいは非粘着性材料で覆うことにより、フォームからの発塵を防ぐことが出来る。
マスク粘着剤の厚さは通常0.2mm以上とされるが、フォトマスクへの均一な貼付のために、好ましくは1mm以上とされる。上記マスク粘着剤の粘着面をフォトマスクに貼り付けるまでの間保護するために、シリコーンやフッ素で離型処理されたポリエステルフィルムが使用される。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[評価方法]
(1)SAXS測定方法
外寸40mm×35mm、長辺幅、短辺幅ともに5mmのアルミニウムの枠体に両面テープを貼付けた。前記アルミニウムの枠体にペリクル膜を貼付け、接着し、切り出した。このペリクル膜付枠体(膜付枠体)を検出器にセットした。測定にはリガク製NanoViewerを用い、検出器にはPILATUS100Kを用いた。出力は60 kV, 45 mA、光学系は3スリット系とし、スリット径は1st slit:φ=0.4mm, 2nd slit:φ=0.2mm, guard slit: φ=0.8mmとした。入射X線にはCuKα線を用い、試料−検出器間距離は844mm、測定時間は24時間とした。測定結果を図1に示す。得られた測定結果に基づき、上記数式により、Q’t値を算出した。
(2)膜厚バラツキ(nm)
外寸40mm×35mm、長辺幅、短辺幅ともに5mmのアルミニウムの枠体に両面テープを貼付けた。この枠体をペリクル膜の9点の測定対象場所(後述)それぞれに対して貼付け、ペリクルのペリクル膜を切り出した。その後、切り出した膜付枠体を紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所、UV−1800)にセットし測定した(測定波長365nm)。測定した9点の測定対象場所の膜厚のうち、一番厚い膜厚から一番薄い膜厚を引いた値を膜厚バラツキとした。
(3)膜厚(μm)
上記膜厚バラツキと同じ方法で9点の測定対象場所毎の膜付枠体を切り出した。切り出した膜付枠体を測定し、一番厚い膜厚と一番薄い膜厚の中間(平均)を膜厚とした。
(4)透過率(%)
上記膜厚バラツキと同じ方法にて9点の測定対象場所毎の膜付枠体を切り出した。切り出した膜付枠体を紫外可視分光光度計(株式会社島津製作所、UV−1800)にセットし365nmの透過率を測定した。9点の透過率の相加平均値を透過率とした。
(5)CD測定方法
シリコン基板(12インチ、300mmφ)を成膜基板として、その表面にシランカップリングを行い、離型性を向上させた。次いで、ポリマー溶液や条件はそれぞれの実施例と同じものを用い、膜厚バラツキが同じになるようにして成膜を行った。次いで仮枠に成膜基板から乾燥された膜を引き剥がした。
その後、黒色アルマイトしたアルミ合金製のペリクル枠の一方の端面に、実施例と同じマスク粘着剤を塗布し、保護フィルムとしてポリエステルフィルムにて保護した。保護フィルムの厚みは100μmであった。ペリクル枠の他方の端面に、実施例と同じ膜接着剤を塗布し、上記仮枠上のペリクル膜を接着した。ペリクル枠の外径は122mm×149mmであり、内径は118mm×145mmであり、高さは4.8mmであった。
クロム薄膜層を有する合成石英ガラス上(6025)にフォトレジスト(感光性物質)を塗布し、プレベーク後、電子ビーム露光装置を用いて100mm×100mmの領域内でフォトレジストに5列のパターンを描画した。1列の描画形状は図3と同じで、ライン幅を複数変更したパターンの形状とした。1つのパターンは、例えば図3のようなL&Sにし、ライン幅(L)を2.0μm、スペース幅(S)を0.4μmとした。同じ描画形状でライン幅(L)を1.8μm、1.7μm、1.6μmと複数変更した。このように作製した1列と同じパターンを5列作製した。現像処理後、レジストのパターンから露出しているクロム層部分をエッチングし、レジストパタンをクロム層に転写した。最後にレジスト残渣を洗浄しレティクルを作製した。解像度2.0μmのそれぞれのラインアンドスペース(L/S)のパターンにした。
その後、レティクルに前記作製したペリクルを簡易型マウンターを用い、加重30kgfであり、加重時間は60secであった。
シリコン基板(φ4インチ)上にフォトレジストをスピンコーターで均一に塗布後、プレベークしフォトレジストを固化させた。次に半導体素子製造装置の一つである縮小投影型露光装置(ステッパー)を用いて、先に作製されたレティクルの微細パターンを縮小投影レンズにより1/5に縮小し、レジストを塗布したウェハー上を移動しながら投影露光した。110℃で90sec加熱し、その後、有機アルカリ現像液に浸し、感光した部分のレジストを除去した。超純水で数回すすぎ、感光した残渣を完全に除去後した。
露光条件としては、露光強度500mW/cm2で露光時間を285msec〜445msec、フォーカスが−0.3〜0.7μm条件を振った。露光後現像し、SEMにて解像度2.0μmのパターンに対してCDが小さい条件を見つける条件出しを行った。
上記にて決定した条件に対して、露光強度500mW/cm2、フォーカスを一定にし、露光時間を300msec〜320msecに振って、再度露光を行い、現像を行った。なお、フォーカスと露光時間は、求める解像度に対して条件を適宜決めてよい。
(6)CDレンジ測定
上記(5)にて作製されたウェハー上のパターンをSEM( 株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 SU8000走査電子顕微鏡)にて、加電圧1.0kV、30000〜35000倍にて観察し、SEM上で解像度2.0μmのパターンに対して、9本ラインの中央ラインの長さを任意の三カ所で測定し、平均を出した。それを縦18か所(0.4mmピッチ)行い、各々の平均値から一番長い長さから一番低い長さを算出し、その値を5倍した値をCDレンジとした。
[実施例1]
ペリクル膜を構成するポリマーであるセルロースアセテートプロピオネート(CAP 4 80−20、 Eastman Chemical Company製)と、溶媒である乳酸エチルとを混合し、固形分濃度4質量%の溶液を作製した。この溶液を窒素で0.01MPaに加圧し、口径0.1μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行った。
ソーダガラス表面の成膜用基板を物理研磨し、物理研磨後さらに化学研磨し、純水で洗浄したものを用意した。この成膜用基板をクリーンオーブンで100℃、2時間加熱乾燥した後、室温まで冷却した。次に、この成膜用基板とヘキサメチルジシラザン20ccを導入した直径5cmの上部が開放されたポリエチレンの容器を、清浄な金属製の箱に室温で30分間封入した。成膜用基板を取り出した後、クリーンオーブンで100℃、2時間加熱した。このようにして準備した成膜用基板をクローズドカップ式のスピンコーターにセットし、先に準備したポリマー溶液をガラス基板上に約300g供給し、成膜用基板を330rpmで90sec間回転させた。この成膜用基板を60℃のホットプレート上に15分間載せて、ポリマー溶液中の溶媒を蒸発させることにより、成膜用基板上にペリクル膜を製膜した。
外形の一辺が1396mm、幅が20mm、厚さが6mmのアルミニウム合金(6061)を黒色アルマイトおよび封孔処理した仮枠を用意した。この仮枠に、エポキシ接着剤を塗布し、成膜用基板上のペリクル膜に押圧・固定した。該エポキシ接着剤が硬化した後、この仮枠を静かに起こし、成膜用基板からペリクル膜を仮枠に剥がし取った。
次いで、ペリクル用枠体として、ヤング率70[GPa]のアルミニウム合金(5052)製であって、外寸1150mm×785mm、外側コーナーR10mm、内側コーナーR2mm、長辺幅が11mm、短辺幅が10mm、高さ5.2mmである枠体を用いた。なお、この枠体の各長辺中央部に口径1.5mmの貫通穴(通気口)を4つずつ計8個開け、各長辺端部にアルマイト処理時の把持および電極用として口径2mm、深さ2mmの穴を2箇所ずつ計4箇所開け、さらに、両短辺の高さ方向の中央部に幅1.5mm、深さ2.3mmのハンドリング用溝を切る加工を、短辺の全長に渡り施した。このペリクル用枠体表面をショットブラスト処理したのち、黒色アルマイトおよび封孔処理したものを用意した。
このペリクル用枠体の内壁面に、アクリル製の粘着剤を、厚さ約10μmに塗布した。通気口部には四フッ化エチレン製のメンブレンフィルターをアクリル系粘着剤で取り付けた。ペリクル用枠体の一方の縁面には、マスク粘着剤として、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共連合体)製のホットメルト樹脂を、幅6mm、高さ1.6mmになるよう、塗布、成型した。ホットメルト樹脂の表面を保護するための保護ライナーとして、シリコーン離型処理を施した、厚さ0.1mmのポリエステル製フィルムを貼り付けた。
ペリクル用枠体の先に粘着剤を塗布した反対の縁面に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型接着剤を塗布した。その後、先の仮枠に張設したペリクル膜を載置し、紫外線を照射し該紫外線硬化型接着剤を硬化せしめ、ペリクル用枠体とペリクル膜を接着した。その後、ペリクル用枠体のフレームの外周エッジ部に刃を沿わせて、余分なペリクル膜を切断、除去し、ペリクルを作製した。
このペリクルの中央1ヶ所、ペリクルの対角線を引いた時の中央から300mmの4ヶ所、中央から560mmの4ヶ所の計9か所を膜厚測定の測定対象場所とし、これら各箇所の膜厚を測定し、膜厚バラツキを算出した。また、その時の365nmの波長での透過率を測定し、SAXS測定も実施した。また、6インチペリクルを作製し、露光条件としてフォーカスを−0.1μm、露光時間を300msec、305msec、310msec、315msec、320msecと変更し露光評価した。その後、CDレンジを測定した。
[比較例1]
ペリクル膜を構成するポリマーであるセルロースアセテートプロピオネート(CAP 4 80−20、 Eastman Chemical Company製)と、溶媒である乳酸エチルとを混合し、固形分濃度8質量%の溶液を作製した。この溶液を窒素で0.01MPaに加圧し、口径0.1μmのメンブレンフィルターを通してろ過を行った。
ソーダガラス表面の成膜用基板を物理研磨し、物理研磨後さらに化学研磨し、純水で洗浄したものを用意した。この成膜用基板をクリーンオーブンで100℃、2時間加熱乾燥した後、室温まで冷却した。次に、この成膜用基板とヘキサメチルジシラザン20ccを導入した直径5cmの上部が開放されたポリエチレンの容器を、清浄な金属製の箱に室温で30分間封入した。成膜用基板を取り出した後、クリーンオーブンで100℃、2時間加熱した。このようにして準備した成膜用基板をクローズドカップ式のスピンコーターにセットし、先に準備したポリマー溶液を成膜用基板上に約300g供給し、成膜用基板を280rpmで90sec間回転させた。この成膜用基板を60℃のホットプレート上に20分間載せて、ポリマー溶液中の溶媒を蒸発させることにより、成膜用基板上にペリクル膜を製膜した。このこと以外は、実施例1と同様にペリクルを作製した。また、露光条件としてフォーカスを−0.2μmにした以外は実施例1と同様に評価を実施した。
[参考例1]
参考例としてペリクル無しでの露光評価を実施し、そのときのCDレンジを測定した。その結果を表に記載する。
本発明は、LSI、フラットパネルディスプレイ(FPD)を構成する薄膜トランジスタ(TFT)やカラーフィルター(CF)等を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられる大型ペリクルとして産業上の利用可能性を有する。特に、本発明は、露光光源として、i線(365nm)、j線(313nm)、h線(405nm)の何れか、あるいはそれらを混合した紫外線を利用するリソグラフィー工程で使用される大型ペリクルとして産業上の利用可能性を有する。本発明の大型ペリクルは、近年開発されてきた高画質、高精細表示が可能な大型のカラーTFTLCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)のフォトリソグラフィ工程で使用される大型のフォトマスクやレティクルに適用出来る。

Claims (4)

  1. 面積1000cm2以上の平面視矩形状の開口部を備えるペリクル用枠体と、当該ペリクル用枠体の一方の端面に前記開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、前記ペリクル用枠体の他方の端面にマスク粘着剤と、を含むペリクルであって、
    前記ペリクル膜のQ’t値が4.5×10-4μm/cm以下である、ペリクル。
  2. 前記ペリクル膜の膜厚が1.0μm以上3.0μmである、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記ペリクル膜面内の膜厚バラツキが80nm以下である、請求項1または2に記載のペリクル。
  4. 前記ペリクル膜の365nmの波長に対する透過率が95%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペリクル。
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