JP4345882B2 - 大型ペリクル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC(集積回路)、LSI(大規模集積回路)、TFT型LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)等の半導体装置を製造する際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクやレティクルに異物が付着することを防止するために用いられるペリクルに関するものであり、特にTFT型LCDを製造するために好適なペリクル面積が1,000cm以上の寸法を有する大型ペリクルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体回路パターン等の製造においては、フォトマスクやレティクルの両面側にペリクルと称する防塵手段を配置してフォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止することが行われている。
【0003】
ペリクルの一般的な構造としては、金属或はセラミックス製の枠体の片側に、ポリマーあるいはガラス等の透明な薄膜を貼り付け、その反対側に、マスクに貼り付けるための粘着材を設けたものが挙げられる。例えば、ペリクルはフォトマスクやレティクルの形状に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の一方の縁面に厚さ10μm以下のニトロセルロース或いはセルロース誘導体等の透明な高分子膜からなるペリクル膜を展張して接着し、且つ枠体の他方の縁面に粘着材を介してフォトマスクやレティクルの表面に貼着される。
【0004】
フォトマスクやレティクルの表面に異物が付着した場合、その異物が半導体ウエハー上に形成されたフォトレジスト上に結像して回路パターン欠陥の原因となるが、フォトマスクやレティクルの少なくともパターン面にペリクルを配置した場合、ペリクルの表面に付着した異物はフォーカス位置がずれるために、半導体ウエハー上に形成されたフォトレジスト上に結像することがなく、回路パターンに欠陥を生じさせることがない。
【0005】
本発明に係るペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルは、ペリクル膜の展張によって枠体に撓みが生ずるため、本件特許出願人は、この問題を解決すべく、後述の特許文献1及び特許文献2に示すような発明を完成して特許出願している。
【0006】
また、前述のような大型ペリクルの場合には、大型ペリクル内外の気圧差の発生によって、大型ペリクル膜が膜面の鉛直方向に膨らんだり凹んだりして露光不良を引き起こす問題があった。本件特許出願人はこの問題を解決すべく、後述の特許文献3に示すような発明を完成して特許出願している。
【0007】
また、一方で本発明のように1,000cm以上の大型ペリクルでは、外型寸法が著しく大きくなると共に、その重量が大きくなるので、次のような問題があった。即ち、従来の一般のペリクルに於ては、後述の特許文献4に例示するように、ペリクルの枠体の外側面に凹溝を設け、この凹溝内に治具の先端を挿入してペリクルを保持し、ペリクルを移動したり、或はペリクルの内面検査をすることが可能であったが、本発明の対象とする大型ペリクルに於ては、このような治具がそのまま利用できなくなる問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−109135号公報
【特許文献2】
特開2002−296763号公報
【特許文献3】
特開2001−201845号公報
【特許文献4】
実開昭62−49153号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
既に、前述の特許文献4の説明に於て、概略は説明したが、従来一般的に使用されていた比較的サイズの小さいペリクルを移動したり、或はペリクルの内面検査をする場合には、前述の特許文献4の事例の外に、例えば図3(a)に示す如く、上向コ字型枠51の側面に柄52を突設したペリクル保持治具53を使用していた。
【0010】
また、前述のペリクル保持治具53とは別に、同図(b)に示す如く、上向コ字型枠54の下面に一対の取手55を取付けたペリクル保持治具56も使用されていた。そしてこれ等のペリクル保持治具53、56の上向コ字型枠51、54の中にペリクル57、58を夫々嵌入固定し、ペリクル保持治具53、56を夫々手動で持ち上げて、ペリクル57、58の内面検査を行っていた。
【0011】
然るに、本発明の対象とする大型ペリクルは、前述のように、寸法が大きく重量が大きいので、前記ペリクル保持治具53、56を使用して手動で持ち上げながら、大型ペリクルの隅々までの検査を正確にすることは極めて困難である問題があった。
【0012】
従って、大型ペリクルの内面検査を行う場合には、この大型ペリクルをセットし得る大型の検査台(図示せず)を作成し、この検査台に大型ペリクルを収納し、検査台で大型ペリクルの枠体の外周側面を全体的に支持する必要があった。
【0013】
処で、例えば図4に例示する如く、従来のペリクル(大型ペリクルを含めて)59は、ペリクル膜60が接着剤(図示せず)を介して展張された枠体61の下面に粘着材62を介して貼着された保護フィルム63が、枠体61の外側面より突出して設けられていた。この理由は、枠体61と該保護フィルム63間に介在される粘着材62を確実に保護フィルム63が覆う様に設計しているために、結果として枠体61より突出して設けられていた。
【0014】
前述のように、保護フィルム63が枠体61の外方に突出して設けられていると、大型ペリクル59を検査台にセットした場合には、検査台の内周面と大型ペリクル59の枠体61との間に保護フィルム63の外周縁が介在されるので、大型ペリクル59を検査台の所定の位置に安定した状態で正確にセットすることが出来なくなる問題があった。
【0015】
また、前述のような従来のペリクル(大型ペリクルを含む)59は、枠体61の外側面のみならず、枠体61の内側面側に於ても、枠体61と保護フィルム63との間に介在された粘着材62を確実に保護フィルム63が覆う様に設計しているために、結果として枠体61の内側に突出して設けられていた。
【0016】
前述のように、大型ペリクル59の保護フィルム63の内周縁を枠体61の内側面より突出させて構成した場合には、今度は大型ペリクル59の外方からその内面側に光を当てながら、大型ペリクル59の枠体61の内面を検査する際に、枠体61の内側に突出された保護フィルム63の内側縁が邪魔になり、枠体61の内面検査を正確に検査することが困難となる問題があった。特に、ペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクル59の枠体61の内面は検査エリアが広くなるので、前述の問題が大きな障害となっていた。
【0017】
本発明に係る大型ペリクルは、前述の多くの問題点に鑑み開発された全く新しい技術であって、枠体の下面に順に積層される粘着材と保護フィルムとの夫々の関係を根本的に改善することによって、前述の従来の問題が発生することを防止可能とした発明に関するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る大型ペリクルは、前述の問題点を根本的に改善した技術であって、その第1発明の要旨は、枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくかつ前記枠体の外径より小さく構成したことを特徴とする大型ペリクルである。
【0019】
前述の第1発明の大型ペリクルに於ては、枠体の下面に設けられた保護フィルムの大型ペリクルの中心部からの外径を厚み方向の全域にわたって枠体の外径よりも小さく形成したので、該保護フィルムが枠体の外側面より突出することも防止出来る。従って、大型ペリクルを検査台にセットした際に、大型ペリクルの枠体と検査台との間に保護フィルムの一部が介在することを防止し、これによって大型ペリクルを検査台の所定位置に正確かつ安定した状態でセットすることが出来る。
【0020】
また、大型ペリクルの枠体の下面に塗着された粘着材の大型ペリクルの中心部からの外径を、厚み方向の全域にわたって前記保護フィルムの外径より小さくしたので、粘着材が該保護フィルムの外側縁及び枠体の外面側にはみ出すことを防止出来る。
【0021】
本発明に係る大型ペリクルの第2発明の要旨は、枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成したことを特徴とする大型ペリクルである。
【0022】
前述の第2発明に於ては、枠体の下面に設けられた保護フィルムの大型ペリクルの中心部からの内径を厚み方向の全域にわたって枠体の内径より大きく形成したので、保護フィルムの内側縁が枠体の内周面より突出することを防止出来る。従って、大型ペリクルに光を当てて、その内面検査をする際に保護フィルムの内側縁が枠体の内周面に突出して邪魔して障害となることを根本的に防止出来る。
【0023】
また、大型ペリクルの枠体の下面に塗着された粘着材の大型ペリクルの中心部からの内径を、厚み方向の全域にわたって前記保護フィルムの内径より大きくしたので、粘着材が該保護フィルムの内側縁及び枠体の内面側にはみ出すことを防止出来る。
【0024】
本発明に係る大型ペリクルの第3発明の要旨は、枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくかつ前記枠体の外径より小さく、さらに前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成したことを特徴とする大型ペリクルである。
【0025】
前述の第3発明に於ては、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくすると共に、枠体の外径より小さくしたので、枠体の外側面に保護フィルムの外側縁が突出したり、或は枠体の下面に塗着した粘着材が保護フィルム或は枠体の外側面にはみ出して来ることがない。
【0026】
また、第3発明に於ては、前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成したので、保護フィルムの内側縁が枠体の内側面に突出して、大型ペリクルの内面検査の邪魔になることを防止し、かつ枠体の下面に塗着した粘着材が保護フィルム或は枠体の内側面よりはみ出すことを防止出来る。
【0027】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る大型ペリクルの一実施例を具体的に説明すると、図1は本発明に係る大型ペリクルの斜視図、図2はその要部のA−A縦断面拡大説明図である。
【0028】
図1及び図2に於て、1はペリクル面積が1,000cm以上を有する大型ペリクルであって、その枠体2の上縁にはペリクル膜3が接着剤(図示せず)を介して展張されている。また、前記枠体2の下面には、粘着材4が塗着されると共に、この粘着材4の表面には、保護フィルム5が積層されている。
【0029】
本発明に用いる枠体2の材質としては、機械構造用炭素鋼(SCシリーズ等)、工具鋼(炭素工具鋼SKシリーズ、高速度工具鋼SKHシリーズ、合金工具鋼SKSシリーズ、SKDシリーズ、SKTシリーズ等)、マルテンサイト系ステンレスシリーズ(SUS403、SUS410、SUS410S、SUS420J1、SUS420J2、SUS429J1、SUS440A等)、アルミニウム合金(5000系、6000系、7000系等)等の金属、セラミックス(SiC、AlN、Al2O3等)、セラミックスと金属の複合材料(Al−SiC、Al−AlN、Al−Al2O3等)が挙げられる。
【0030】
上記の各鋼材は磁性材料のため磁石で固定出来、特に大型ペリクル1の枠体2の場合、加工作業が良くなり好ましく用いられる。枠体2の表面に、黒色クロムメッキ、黒色アルマイト、黒色塗装等の黒色化処理を施すことも出来る。必要に応じて枠体2の内壁面又は全面に、異物を補足するための粘着材(アクリル系、酢酸ビニル系、シリコン系、ゴム系等)やグリース(シリコーン系、フッ素系等)を塗布しても良い。
【0031】
ペリクル膜3としては、セルロース誘導体(ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等、あるいはこれら2種以上の混合物)、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロンAF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)等)等のポリマー等が用いられる。
【0032】
現在用いられている一括露光液晶露光機の光源である超高圧水銀ランプに対しては、耐光性やコストの点から、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが好ましく使用される。
【0033】
ペリクル膜3の膜厚は、0.5μm〜10μm程度が好適であり、本発明に係る大型ペリクル1では、ペリクル膜3の強度や均一な膜の作り易さから、2μm〜8μmが好ましい。上記のポリマーは、夫々に適した溶媒(ケトン系、エステル系、アルコール系、フッ素系等)により、ポリマー溶液とする。
【0034】
上記のセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートに対しては、乳酸エチル等のエステル系が好ましい。ポリマー溶液は必要に応じてデプスフィルター、メンブレンフィルター等により濾過される。
【0035】
ポリマー溶液の成膜法には、スピンコート法、ロールコート法、ナイフコート法、キャスト法等があるが、均一性や異物の管理の点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法により成膜基板上に成膜した後、必要に応じてホットプレート、クリーンオーヴン、(遠)赤外線加熱等により溶媒を乾燥することにより、均一な膜が形成される。この時の成膜基板としては、合成石英、溶融石英、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ソーダライムガラス等が利用出来る。
【0036】
本発明に係る大型ペリクル成膜用の基板サイズは大きいので、乾燥時の温度斑により成膜基板が割れることがある。これを防ぐために、成膜用基板の熱膨張係数は小さいほど好ましい。特に、0℃〜300℃における線膨張係数が50×10−7m/℃以下であることが好ましい。
【0037】
また、基板表面には、シリコーン系、フッ素系等の材料により、あらかじめ離型処理を施しておけば良い。また、上記のペリクル膜3の片側、あるいは両側に、該ペリクル膜3よりも屈折率の低い層(即ち、反射防止層)を形成することにより、露光光線に対する透過率を高めることが出来、好ましい。
【0038】
反射防止層の材料としては、フッ素系ポリマー(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレンの3元コポリマー、主鎖に環状構造を持つポリマーであるデュ・ポン社製のテフロンAF(商品名)、旭硝子社製のサイトップ(商品名)、アウジモント社製のアルゴフロン(商品名)、ポリフルオロアクリレート等)や、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム等屈折率の低い材料が使用される。
【0039】
反射防止層は、ポリマーの場合、前述と同様のスピンコート法により、無機物の場合、真空蒸着やスパッタリング等の薄膜形成法により形成することが出来る。異物の点からは、ポリマー溶液によるスピンコート法が好ましい。デュ・ポン社製のテフロンAF(商品名)、アウジモンド社製のアルゴフロン(商品名)は屈折率が小さいので反射防止効果が高く好ましい。
【0040】
上記により基板上に形成されたペリクル膜3は、アルミニウム合金、ステンレススチール、樹脂等に粘着材を貼り付けた仮枠により、基板から剥がし取って所望の枠体2に貼り替えても良い。また基板上で所望の枠体2を接着後、基板から剥がし取っても良い。
【0041】
このようにして得られた大型のペリクル膜3は、枠体2に張力を架けて接着剤により貼着される。得られた大型ペリクル1は、枠体2に展張して貼着支持された大型のペリクル膜3の張力が好ましくは1×10−3N/mm〜1N/mmであり、より好ましくは6×10−3N/mm〜6×10−1N/mmである。
【0042】
膜の張力が上記範囲にあると、大型のペリクル膜3がその自重や大型のペリクル膜3内外の気圧差により大型のペリクル膜3の膜面の鉛直方向に膨らんだり凹んだりするのを抑制して露光不良を防止することが出来る。
【0043】
また、ペリクル膜3に付着した異物をエアブローで除去する時に該ペリクル膜3が大きく振動し、異物を除去し難いという問題を解決出来、更には、ペリクル膜3の高さが場所により変わるために該ペリクル膜3の異物検査機が正常に機能しないという問題を解決出来、また、ペリクル膜3の光学的高さ測定に誤差を及ぼすといった問題を解決出来る。また大型ペリクル1内外の気圧変動に対する追従性能を確保することが出来る。
【0044】
ぺリクル膜3と枠体2に接着するための膜接着剤は、ペリクル膜3の材質と枠体2の材質によって適宜選択する。たとえば、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、フッ素系等の接着剤が使用される。
【0045】
また、硬化方法は夫々の接着剤に適した硬化方法(熱硬化、光硬化、嫌気性硬化等)が採用される。発塵性、コスト、作業性の面から、アクリル系の紫外線硬化型接着剤が好ましい。
【0046】
前記、枠体2をフォトマスク(図示せず)に貼り付けるための粘着材4には、それ自身に粘着力のあるホットメルト系(ゴム系、アクリル系)、基材の両面に粘着材4を塗布したテープ系(基材としてアクリル系、PVC系等のシートあるいはゴム系、ポリオレフィン系、ウレタン系等のフォーム等が適用出来、粘着材としてゴム系、アクリル系、シリコーン系等の粘着材が適用される)等が使用される。
【0047】
本発明に係る大型ペリクル1では、粘着材4として、大型ペリクル1をフォトマスクに低荷重で均一に貼り付けるために、比較的柔らかいホットメルト材料やフォームが好適である。フォームの場合は、その断面にアクリル系や酢酸ビニル系の粘着性材料あるいは非粘着性材料で覆うことにより、フォームからの発塵を防ぐことが出来る。
【0048】
粘着材4の厚さは通常0.2mm以上とされるが、フォトマスクへの均一な貼付のために、好ましくは1mm以上とされる。上記粘着材4の粘着面をフォトマスクに貼り付けるまでの間保護するために、シリコーンやフッ素で離型処理されたポリエステルフィルムが使用される。
【0049】
前述のような材料を用いて製造された本発明に係る大型ペリクル1に於ける前記枠体2と、粘着材4と、保護フィルム5との夫々の外側縁(外径)の関係は、次のような関係を有している。即ち、前記保護フィルム5の大型ペリクル1の中心部からの外径cは、枠体2の外径aよりも小さく、かつ該保護フィルム5の外径cは、枠体2の下面に塗着された粘着材4の外径bより大きく形成されている。
【0050】
従って、枠体2の外径aと、粘着材4の外径bと、保護フィルム5の外径cとの相互関係は、次の式で現すことが出来る。a>c>b。
【0051】
大型ペリクル1の外周縁の構造を前述のような構成にした場合には、保護フィルム5の外縁が枠体2の外面より突出することがないので、大型ペリクル1を検査台にセットした場合にも、検査台の内周面と大型ペリクル1の枠体2との間に保護フィルム5が介在する心配がなく、安定した状態でセットすることが出来る。また、粘着材4は、枠体2と保護フィルム5より内側にあるので、粘着材4が枠体2と保護フィルム5の外側にはみ出す恐れがない。
【0052】
また、図2に於て、前記大型ペリクル1の枠体2と、粘着材4と、保護フィルム5との夫々の内側縁(内径)の関係は、次のような関係を有している。即ち、前記保護フィルム5の大型ペリクル1の中心部からの内径zは、枠体2の内径xよりも大きく、かつ該保護フィルム5の内径zは、枠体2の下面に塗着された粘着材4の内径yよりも小さく形成されている。
【0053】
従って、枠体2の内径xと、粘着材4の内径yと、保護フィルム5の内径zとの相互関係は、次の式で現すことが出来る。y>z>x。
【0054】
大型ペリクル1の内周縁の構造を前述のような構成にした場合には、保護フィルム5の内側縁が枠体2の内面より突出することがないので、大型ペリクル1に光を当てて内面検査をする際に、保護フィルム5の内側縁が枠体2の内周面に突出して邪魔して障害となることがなく、大型ペリクル1の内面検査をスムーズに行うことが出来る。
【0055】
また、大型ペリクル1の枠体2の下面に塗着された粘着材4の大型ペリクル1の中心部からの内径を、前記保護フィルム5の内径より大きくしたので、粘着材4が該保護フィルム5の内側縁及び枠体2の内面側にはみ出すことを防止出来る。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係る大型ペリクルに於ては、枠体の下面に設けられた保護フィルムの大型ペリクルの中心部からの外径を厚み方向の全域にわたって枠体の外径よりも小さく形成したので、該保護フィルムが枠体の外側面より突出することも防止出来る効果を有している。従って、大型ペリクルを検査台にセットした際に、大型ペリクルの枠体と検査台との間に保護フィルムの一部が介在することを防止し、これによって大型ペリクルを検査台の所定位置に正確かつ安定した状態でセットすることが出来る効果がある。
【0057】
また、大型ペリクルの枠体の下面に塗着された粘着材の大型ペリクルの中心部からの外径を、厚み方向の全域にわたって前記保護フィルムの外径より小さくしたので、粘着材が該保護フィルムの外側縁及び枠体の外面側にはみ出すことを防止出来る効果も有している。
【0058】
本発明に於いて、枠体の下面に設けられた保護フィルムの大型ペリクルの中心部からの内径を厚み方向の全域にわたって枠体の内径より大きく形成した場合には、保護フィルムの内側縁が枠体の内周面より突出することを防止出来る効果を有している。従って、大型ペリクルに光を当てて、その内面検査をする際に保護フィルムの内側縁が枠体の内周面に突出して邪魔して障害となることを根本的に防止出来る効果がある。
【0059】
また、大型ペリクルの枠体の下面に塗着された粘着材の大型ペリクルの中心部からの内径を、厚み方向の全域にわたって前記保護フィルムの内径より大きくした場合には、粘着材が該保護フィルムの内側縁及び枠体の内面側にはみ出すことを防止出来る効果も有している。
【0060】
本発明に於いて、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくすると共に、枠体の外径より小さくした場合には、枠体の外側面に保護フィルムの外側縁が突出したり、或は枠体の下面に塗着した粘着材が保護フィルム或は枠体の外側面にはみ出して来ることがない。
【0061】
また、前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成した場合には、保護フィルムの内側縁が枠体の内側面に突出して、大型ペリクルの内面検査の邪魔になることを防止し、かつ枠体の下面に塗着した粘着材が保護フィルム或は枠体の内側面よりはみ出すことを防止出来る効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る大型ペリクルの斜視図である。
【図2】 大型ペリクルの要部のA−A縦断面拡大説明図である。
【図3】 図3(a)、(b)は従来の小型のペリクルを治具で保持して検査する状態を示す正面図である。
【図4】 従来のペリクル要部を示す拡大説明図である。
【符号の説明】
1 …大型ペリクル
2 …枠体
3 …ペリクル膜
4 …粘着材
5 …保護フィルム
a …枠体2の外径
b …粘着材4の外径
c …保護フィルム5の外径
x …枠体2の内径
y …粘着材4の内径
z …保護フィルム5の内径

Claims (3)

  1. 枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくかつ前記枠体の外径より小さく構成したことを特徴とする大型ペリクル。
  2. 枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成したことを特徴とする大型ペリクル。
  3. 枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するために枠体の下面に粘着された保護フィルムからなるペリクル面積が1,000cm以上の大型ペリクルに於て、前記保護フィルムの外径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の外径より大きくかつ前記枠体の外径より小さく、さらに前記保護フィルムの内径を厚み方向の全域にわたって該粘着材の内径より小さくかつ前記枠体の内径より大きく構成したことを特徴とする大型ペリクル。
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