JP5991523B2 - 常温湿気硬化性接着剤組成物 - Google Patents

常温湿気硬化性接着剤組成物 Download PDF

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本発明は、常温湿気硬化性接着剤組成物に関し、特に、ポリオレフィンに対する接着性に優れた常温湿気硬化性接着剤組成物に関する。
ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「架橋性珪素基」ともいう。)を有する有機重合体は、室温においても湿分等による反応性ケイ素基の加水分解反応等を伴うシロキサン結合の形成によって架橋し、ゴム状硬化物が得られるという性質を有することが知られている。これらの架橋性珪素基を有する重合体中で、主鎖骨格がポリオキシアルキレン系重合体または(メタ)アクリル酸エステル系重合体である有機重合体は、シーリング材、接着剤、塗料などの用途に広く使用されている。
接着剤として用いられる硬化性組成物には、硬化性、接着性、貯蔵安定性、強度等の機械特性等の種々の特性が要求されており、架橋性珪素基を含有する有機重合体に関しても、これまでに多くの検討がなされている。
例えば、特許文献1は、ポリオレフィン接着用接着剤組成物として、架橋可能な加水分解性シリル基を有し、実質的にアルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とからなる共重合体、および架橋可能な加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン重合体からなる湿気硬化性樹脂組成物、および塩素化ポリオレフィン樹脂を含有してなるポリオレフィン接着用接着剤組成物を開示している。
しかしながら、該接着剤組成物は、貯蔵安定性が低く、貯蔵後に増粘や硬化速度が低下するといった問題があった。
特開2007−269935号公報
本願発明は、貯蔵安定性、硬化性及び接着性に優れており、特に、貯蔵後の硬化速度の遅延及び粘度の上昇を改善しポリオレフィンに対する接着性に優れた常温湿気硬化性接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の常温湿気硬化性接着剤組成物は、(A)架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(B)架橋性珪素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体、(C)塩素化ポリオレフィン、(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物、(E1)一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するケチミン化合物、エナミン化合物、及びアルジミン化合物、並びに(E2)下記式(I)で示されるエポキシシラン化合物と、下記式(II)で示されるアミノシラン化合物とを、該アミノシラン化合物1モルに対して該エポキシシラン化合物を1.5〜10モルの範囲で反応させてなるアルコキシシラン化合物からなる群から選択される1種以上のアルコキシシラン化合物を含有することを特徴とする。
Figure 0005991523
前記式(I)において、R101〜R103はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、R104はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R105は一価炭化水素基であり、R106はアルキル基であり、aは0、1又は2である。
Figure 0005991523
前記式(II)において、R107〜R112はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、R113は一価炭化水素基であり、R114はアルキル基であり、bは0又は1である。
記アルコキシシラン化合物が、前記(E1)化合物であるか又は前記(E1)化合物を含むことが好適であり、前記(E1)化合物及び前記(E2)化合物であることがより好ましい。
本発明の常温湿気硬化性接着剤組成物は、(F)フェニル基を有し且つ珪素原子に結合するアルコキシ基の数が2個以下であるアルコキシシラン化合物をさらに含有することが好適である。
本発明によれば、オレフィンに対する接着性を低下させることなく、貯蔵安定性を改良し、貯蔵後に硬化速度の低下及び粘度の上昇が少ない常温湿気硬化性接着剤組成物を提供することができる。さらに、本発明の接着剤組成物は無溶剤の接着剤組成物として用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明の常温湿気硬化性接着剤組成物は、下記成分を含有することを特徴とする。
(A)架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、
(B)架橋性珪素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体、
(C)塩素化ポリオレフィン、
(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物、及び
(E)前記(D)化合物と反応性を有さない窒素含有アルコキシシラン化合物。
前記(A)架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体において、前記架橋性珪素基とは、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。前記架橋性珪素基としては、例えば、下記一般式(1)で示される基が好適である。
Figure 0005991523
前記式(1)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR SiO−(Rは、前記と同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、Rが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。dは0、1、2または3を、eは0、1または2を、それぞれ示す。またp個の下記一般式(2)におけるeは同一である必要はない。pは0〜19の整数を示す。但し、d+(eの和)≧1を満足するものとする。
Figure 0005991523
該加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、d+(eの和)は1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結された珪素原子の場合には、20個程度あってもよい。
前記架橋性珪素基としては、下記一般式(3)で示される架橋性珪素基が、入手が容易である点から好ましい。
Figure 0005991523
前記式(3)中、R、Xは前記におなじ、dは1、2又は3の整数である。硬化性を考慮し、十分な硬化速度を有する接着剤組成物を得るには、前記式(3)においてdは2〜3が好ましい。通常、dが3の場合、dが2の場合に比較し、硬化速度が大きくなる。
上記Rの具体例としては、たとえばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基や、R SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。これらの中ではメチル基が好ましい。
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、たとえば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等があげられる。これらの中では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基がさらに好ましい。加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。アルコキシ基の中では炭素数の少ないものの方が反応性が高く、メトキシ基>エトキシ基>プロポキシ基の順のように炭素数が多くなるほどに反応性が低くなる。目的や用途に応じて選択できるが通常メトキシ基やエトキシ基が使用される。
架橋性珪素基の具体的な構造としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル基[−Si(OR)]、及びメチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等のジアルコキシシリル基[−SiR(OR)]が挙げられる。ここでRはメチル基やエチル基のようなアルキル基である。
また、架橋性珪素基は1種で使用しても良く、2種以上併用してもかまわない。架橋性珪素基は、主鎖または側鎖あるいはいずれにも存在しうる。
架橋性珪素基を形成する珪素原子は1個以上であるが、シロキサン結合などにより連結された珪素原子の場合には、20個以下であることが好ましい。
前記重合体(A)に含有される架橋性珪素基の数は特に制限はないが、重合体1分子中に平均して0.5個以上2.5個以下、好ましくは0.8個以上2.0個以下存在するのがよい。分子中に含まれる架橋性珪素基の数が平均して0.5個未満になると、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。架橋性珪素基は、有機重合体分子鎖の主鎖の末端あるいは側鎖の末端にあってもよいし、また、両方にあってもよい。特に、架橋性珪素基が分子鎖の主鎖の末端にのみあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる有機重合体成分の有効網目長が長くなるため、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の主鎖を構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルチオエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)ジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシメチルジメトキシメチルシラン、メタクリロイルオキシメチルジエトキシメチルシラン等のシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物等の(メタ)アクリル酸の誘導体;(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ビス(トリフルオロメチル)メチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマー等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体では、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとともに、以下のビニル系モノマーを共重合することもできる。該ビニル系モノマーを例示すると、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の珪素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。
これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、(メタ)アクリル酸系モノマーからなる重合体が好ましい。より好ましくは、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを用い、必要に応じて他の(メタ)アクリル酸モノマーを併用した(メタ)アクリル酸エステル系重合体であり、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを併用することにより、(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)中の珪素基の数を制御することができる。接着性が良いことから特に好ましくはメタクリル酸エステルモノマーからなるメタクリル酸エステル系重合体である。また、低粘度化、柔軟性付与、粘着性付与を行う場合には、アクリル酸エステルモノマーを適時使用することが好適である。なお、本願明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
前記架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)の好ましい具体例としては、例えば、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体との相溶性が大きい点で、架橋性珪素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(4):
−CH−C(R)(COOR)− ・・・(4)
(式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(5):
−CH−C(R)(COOR)− ・・・(5)
(式中、Rは前記に同じ、Rは炭素数6以上のアルキル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が挙げられる。
前記一般式(4)のRとしては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜5、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基は単独でもよく、2種以上混合していてもよい。
前記一般式(5)のRとしては、たとえば2−エチルヘキシル基、ラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の炭素数6以上、通常は7〜30、好ましくは8〜20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、Rのアルキル基はRの場合と同様、単独でもよく、2種以上混合したものであってもよい。
該(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の分子鎖は実質的に式(4)及び式(5)の単量体単位からなるが、ここでいう「実質的に」とは該共重合体中に存在する式(4)及び式(5)の単量体単位の合計が50質量%を超えることを意味する。式(4)及び式(5)の単量体単位の合計は好ましくは70質量%以上である。
また式(4)の単量体単位と式(5)の単量体単位の存在比は、質量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
該共重合体に含有されていてもよい式(4)及び式(5)以外の単量体単位としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位があげられる。
また、前記架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)として、特開昭63−112642号公報記載の架橋性珪素基を有し、分子鎖が実質的に(1)炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、(2)炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等の公知の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体も使用可能である。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステル重合体を得る方法は、特に限定されず、公知の重合法(例えば、特開昭63−112642号、特開2007−230947号、特開2001−40037号、特開2003−313397号等の記載の合成法)を利用することができ、ラジカル重合反応を用いたラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合法としては、重合開始剤を用いて所定の単量体単位を共重合させるラジカル重合法(フリーラジカル重合法)や、末端などの制御された位置に反応性シリル基を導入することが可能な制御ラジカル重合法が挙げられる。但し、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いる通常のフリーラジカル重合法で得られる重合体は、分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低い(メタ)アクリル酸エステル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を得るためには、制御ラジカル重合法を用いることが好適である。
制御ラジカル重合法としては、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いたフリーラジカル重合法やリビングラジカル重合法が挙げられ、付加−開裂移動反応(Reversible Addition-Fragmentation chain Transfer;RAFT)重合法、遷移金属錯体を用いたラジカル重合法(Transition-Metal-Mediated Living Radical Polymerization)等のリビングラジカル重合法がより好ましい。また、反応性シリル基を有するチオール化合物を用いた反応や、反応性シリル基を有するチオール化合物及びメタロセン化合物を用いた反応(特開2001−40037号公報)も好適である。
架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体(A)は直鎖状、または分岐を有してもよく、その数平均分子量はGPCにおけるポリスチレン換算において500〜50,000であり、より好ましくは1,000〜10,000である。数平均分子量が500未満では、硬化物の接着性の点で不都合な傾向があり、50,000を越えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
上記の架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記(B)架橋性珪素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体において、前記架橋性珪素基としては、前述した重合体(A)の架橋性珪素基が挙げられる。前記ポリオキシアルキレン系重合体(B)に含有される架橋性珪素基の数は特に制限はないが、重合体(A)と同様、重合体(B)1分子中に平均して0.5個以上2.5個以下、好ましくは0.8個以上2.0個以下存在するのがよい。
前記ポリオキシアルキレン系重合体(B)は、本質的に下記一般式(6)で示される繰り返し単位を有する重合体である。
−R−O− ・・・(6)
前記一般式(6)中、Rは炭素数1〜14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基であり、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状もしくは分岐アルキレン基が好ましい。
一般式(6)で示される繰り返し単位の具体例としては、
−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CHO−、−CHCHCHCHO−
等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体等のポリオキシアルキレン系重合体が好適である。
ポリオキシアルキレン系重合体の合成法としては、たとえばKOHのようなアルカリ触媒による重合法、たとえば特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−215623号に示されるような有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる、有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法、たとえば特公昭46−27250号および特公昭59−15336号などに示される複金属シアン化物錯体触媒による重合法等があげられるが、特に限定されるものではない。有機アルミ−ポルフィリン錯体触媒による重合法や複金属シアン化物錯体触媒による重合法によれば数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
上記ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格中にはウレタン結合成分等の他の成分を含んでいてもよい。ウレタン結合成分としては、たとえばトルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートと水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体との反応から得られるものをあげることができる。
ポリオキシアルキレン系重合体への架橋性珪素基の導入は、分子中に不飽和基、水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させることにより行うことができる(以下、高分子反応法という)。
高分子反応法の具体例として、不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体に架橋性珪素基を有するヒドロシランや架橋性珪素基を有するメルカプト化合物を作用させてヒドロシリル化やメルカプト化し、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得る方法をあげることができる。不飽和基含有ポリオキシアルキレン系重合体は水酸基等の官能基を有する有機重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させることで得ることができる。
また、高分子反応法の他の具体例として、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体とイソシアネート基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法や末端にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン系重合体と水酸基やアミノ基等の活性水素基および架橋性珪素基を有する化合物を反応させる方法をあげることができる。イソシアネート化合物を使用すると、容易に架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体を得ることができる。
架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同57−164123号、特公平3−2450号、特開2005−213446号、同2005−306891号、国際公開特許WO2007−040143号、米国特許3,632,557、同4,345,053、同4,960,844等の各公報に提案されているものをあげることができる。
上記架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
前記重合体(A)と重合体(B)との配合比は特に制限はないが、重合体(A)と重合体(B)との合計100質量部に対して、重合体(A)を10〜60質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜50質量部の範囲内であり、さらに好ましくは25〜45質量部の範囲内である。重合体(A)が60質量部より多いと粘度が高くなり、作業性が悪化するため好ましくない。
また、重合体(A)と重合体(B)の架橋性珪素基中の水酸基及び加水分解性基の総量は、重合体(A)と重合体(B)との合計100gに対して0.020モル〜0.060モルであることが好ましく、0.025モル〜0.050モルであることがより好ましく、0.025モル〜0.045モルであることがさらに好ましい。0.020モル以上とすることにより、接着剤組成物の硬化物に十分な強度を与えることができ、優れた接着強度を発現させることができる。また、0.060モル以下とすることにより、オレフィンに対する接着性を向上させることができる。
前記重合体(A)及び重合体(B)として、架橋性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と架橋性珪素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体をブレンドしてなる有機重合体を用いてもよい。該ブレンドしてなる有機重合体の製造方法は、たとえば、特開昭59−122541号、特開昭63−112642号、特開平6−172631号、特開平11−116763号公報等に提案されているが、特にこれらに限定されるものではない。
前記塩素化ポリオレフィン(C)としては、塩素化されたポリオレフィンであれば特に限定されないが、塩素含有率が20〜60質量%の範囲のものが好ましく、30〜50質量%の範囲がより好ましく、35〜45質量%の範囲が更に好ましい。
前記塩素化ポリオレフィン(C)の分子量は特に制限はないが、質量平均分子量が5000〜70000の範囲のものが好ましく、5000〜50000の範囲がより好ましく、10000〜30000の範囲が更に好ましい。
前記塩素化ポリオレフィン(C)の原料としては、例えば、結晶性ポリプロピレン、非結晶性ポリプロピレン、ポリブテン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等、及びこれらのカルボキシル基や水酸基又は酸無水物基等を導入した変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。前記塩素化ポリオレフィン(C)としては、オレフィンに対する接着性に優れることから、50モル%以上のプロピレンに基づく単位を含む塩素化ポリプロピレンが好ましい。
ポリオレフィンの塩素化は、従来公知の方法が使用可能である。例えば、ポリプロピレンを四塩化炭素のようなクロロハイドロカーボン中に溶解し、無触媒か又は触媒を添加し、又は紫外線の照射下で加圧下又は常圧下で、常温〜130℃の温度範囲で塩素ガスを導入することによって行われる。
前記塩素化ポリオレフィン(C)の添加量は、重合体(A)および重合体(B)からなる湿気硬化性樹脂100質量部に対し、0.1〜100質量部が好ましく、0.1〜50質量部がより好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましい。0.1質量部より少ないと、オレフィンに対する接着性が低下する。100質量部より多いと、塩素化ポリオレフィン量が全体に対する溶解度を上回り、塩素化ポリオレフィンの析出などの問題が起こり好ましくない。
前記塩素化ポリオレフィンは、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。
前記(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物において、前記環状エーテル基としては、環内に酸素原子を1個以上有するものならば特に限定されず、例えば分子内に環状エーテル基を1〜10個有する化合物があげられる。環状エーテル基を有する化合物の例としては、後述するエポキシ基含有化合物(D1)、及びオキセタン化合物(D2)等が好適な例として挙げられる。前記(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物において、1分子中に含有される環状エーテル基及び環状チオエーテル基の数に制限はないが、貯蔵中の増粘、及び硬化被膜が固くなることによるオレフィンに対する接着力の低下を防ぐためには、1または2個が好ましく、1個がより好ましい。本発明において、前記(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物は貯蔵後の硬化遅延及び粘度上昇の防止を目的とするものであり、該成分(D)を含有せしめることにより、貯蔵後の硬化遅延を防止することができる。
エポキシ基含有化合物(D1)としては、モノエポキシド(d11)と分子中にエポキシ基を2個以上有するポリエポキシド(D11)とがある。モノエポキシド(d11)としては、分子中に1個のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては以下のものが挙げられる。例えば、(d11−1)炭素数2〜24の炭化水素系オキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、炭素数5〜24のα−オレフィンオキシド、スチレンオキシド等)、(d11−2)置換あるいは非置換の炭素数2〜19の炭化水素のグリシジルエーテル(2−フェノキシイソプロピルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル等)、(d11−3)炭素数3〜30のモノカルボン酸のグリシジルエステル(グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等)、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン及びグリシドール等の水酸基含有オキシド、(d11−4)エポキシシラン化合物(例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−オキシラニルブチルトリメトキシシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等)、(d11−5)単官能の脂環式エポキシ化合物(4−ビニルエポキシシクロヘキサン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等)等が挙げられる。好ましくは炭素数3〜19の炭化水素のグリシジルエーテル、及びエポキシシラン化合物であり、更に好ましくは炭素数3〜19の炭化水素のグリシジルエーテル、及び単官能の脂環式エポキシ化合物である。
ポリエポキシド(D11)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。ポリエポキシド(D11)の例としては、下記(D11−1)〜(D11−5)が挙げられる。
(D11−1)グリシジルエーテル型;(i)2価フェノール類のジグリシジルエーテル;炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等が挙げられる。
(ii)3価〜6価又はそれ以上の、多価フェノール類のポリグリシジルエーテル;たとえば、炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜5000の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテルが挙げられる。
(iii)脂肪族2価アルコールのジグリシジルエーテル;例えば、炭素数2〜100、分子量150〜5000のジオールのジグリシジルエーテル、1,3‐ビス[3‐(グリシジルオキシ)プロピル]‐1,1,3,3‐テトラメチルプロパンジシロキサン等のポリエポキシドが挙げられる。
(iv)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル;例えば、炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜10000の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリシジルエーテルが挙げられる。
(D11−2)グリシジルエステル型;例えば、炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上の芳香族ポリカルボン酸のグリシジルエステル、及び炭素数6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上の脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジルエステルが挙げられる。
(D11−3)グリシジルアミン型;例えば、炭素数6〜20又はそれ以上で、2〜10又はそれ以上の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリシジルアミンが挙げられる。
(D11−4)鎖状脂肪族エポキシド;例えば、炭素数6〜50又はそれ以上で2〜6価又はそれ以上の鎖状脂肪族エポキシドが挙げられる。
(D11−5)脂環式エポキシド;例えば、炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜2500、エポキシ基の数2〜4又はそれ以上の脂環式エポキシドが挙げられ、具体的には、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン等が挙げられる。また、前記フェノール類のエポキシ化合物の各水添化物も含む。
なお(D11−1)〜(D11−5)以外のものでも、活性水素と反応可能なグリシジル基をもつエポキシ樹脂であれば使用できる。又、これらのポリエポキシ化合物は、二種以上併用できる。
オキセタン化合物(D2)としては、炭素数6〜20の脂肪族系オキセタン化合物(3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等)、炭素数7〜30の芳香族系オキセタン化合物(ベンジルオキセタン、キシリレンビスオキセタン等)、炭素数6〜30の脂肪族カルボン酸系オキセタン化合物(アジペートビスオキセタン等)、炭素数8〜30の芳香族カルボン酸系オキセタン化合物(テレフタレートビスオキセタン等)、炭素数8〜30の脂環式カルボン酸系オキセタン化合物(シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等)、芳香族イソシアネート系オキセタン化合物(MDIビスオキセタン等)等が挙げられる。
前記環状チオエーテル基を有する化合物としては、炭素数2〜20のチイラン化合物が好ましく、たとえば、チイラン、2−メチルチイラン、2,2−ジメチルチイラン、2−ヘキシルチイラン、2−フェニルチイラン等が挙げられる。
(D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物の配合割合は特に制限はないが、重合体(A)および重合体(B)からなる湿気硬化性樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜25質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。前記環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記(E)窒素含有アルコキシシラン化合物としては、前記(D)化合物と反応性を有さない窒素含有アルコキシシラン化合物が使用可能であり、具体的には、活性水素基を含まない窒素含有アルコキシシラン化合物や活性水素基を含む窒素含有アルコキシシラン化合物を反応させた反応物が好ましい。該活性水素基を含まない窒素含有アルコキシシラン化合物としては、3級アミノ基含有アルコキシシラン化合物がより好ましい。なお、活性水素基を含む窒素含有アルコキシシラン化合物を反応させた反応物において該反応は予め行ってもよく、系中で行ってもよい。
前記(E)窒素含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、(E1)水と反応して一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物、(E2)前記式(1)で示されるエポキシシラン化合物と、前記式(2)で示されるアミノシラン化合物とを、該アミノシラン化合物1モルに対して該エポキシシラン化合物を1.5〜10モルの範囲で反応させてなるアルコキシシラン化合物、(E3)イソシアヌレート環を有するアルコキシシラン化合物、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(トリエトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられる。
前記(E)窒素含有アルコキシシラン化合物としては、特に、種々の被着体に対する接着性を向上させることが出来ることから、前記(E1)化合物、前記(E2)化合物、及び前記(E3)化合物からなる群から選択される1種以上のシラン化合物であることが好ましい。なかでも、十分な硬化速度を有する接着剤組成物が得られることから、(E1)化合物であるか又は(E1)化合物と他の(E)成分との併用がより好ましい。前記(E1)化合物と他の(E)成分を併用する場合、組み合わせは特に制限はないが、十分な硬化速度を有し、且つ硬化物表面のタックを低減させることができることから、前記(E1)化合物と、前記(E2)化合物及び/又は前記(E3)化合物と、を含むことが好ましく、前記(E1)化合物と、前記(E2)化合物とを併用することがより好ましい。
前記(E1)水と反応して一分子中に少なくとも1個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物を生成するアルコキシシラン化合物としては、具体的には、原料入手の容易性、貯蔵安定性、水との反応性などの点から、一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物のケチミン化合物、エナミン化合物、及び/又はアルジミン化合物が好適例として挙げられる。
上記ケチミン化合物、エナミン化合物及びアルジミン化合物はそれぞれ、(E1−1)一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物と(E1−2)カルボニル化合物との脱水反応により得ることができる。上記成分(E1)の製造方法は特に限定されず、公知の方法(例えば、特開平7−247294号公報記載の製造方法等)を用いることができる。本願発明において、成分(E1)の配合方法は、前記(E1−1)アミン化合物と前記(E1−2)カルボニル化合物を脱水反応させた化合物を添加してもよく、前記(E1−1)アミン化合物と前記(E1−2)カルボニル化合物をそれぞれ添加し、組成物中で脱水反応により成分(E1)を生じさせてもよい。
上記成分(E1−1)一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するアミン化合物と成分(E1−2)カルボニル化合物による脱水反応生成物について説明すれば、次の通りである。成分(E1−1)アルコキシシリル基を有するアミン化合物は、特に限定されないが、一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有する第1級及び/又は第2級アミンが好適に用いられる。成分(E1−1)としては、例えば、下記一般式(7)で示されるものを挙げることができる。
Figure 0005991523
式(7)中、n=0,1,2、R11及びR12は同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜4個の炭化水素基、R13は炭素数1〜10個の炭化水素基、Zは水素原子又は炭素数1〜4個のアミノアルキル基を意味する。
ここで、R11及びR12としては、メチル、エチル、プルピル、ブチルといったアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニルといったアルケニル基などが挙げられ、特にアルキル基が好ましい。R13としてはメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのアルキレン基、フェニレンなどのアリーレン基やアルキレンアリーレン基等が挙げられるが、特にアルキレン基が好ましい。nは好ましくは0又は1である。
具体例としては、下記式(8)〜(15)で示される化合物や、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等に代表されるアミノシラン類等を挙げることができる。これらの中では、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
Figure 0005991523
上記成分(E1−2)カルボニル化合物としては公知のものが含まれ、例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−アミルアルデヒド、イソヘキシルアルデヒド、ジエチルアセトアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド等のアルデヒド類;シクロペンタノン、トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、トリメチルシクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−tert−ブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類;アセトフェノン、ベンゾフェノン、プロピオフェノン等の芳香族ケトン;及びアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸メチルエチル、ジベンゾイルメタン等の下記一般式(16)で示されるβ−ジカルボニル化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、フェニルアセトアルデヒド、及び活性メチレン基を有するβ−ジカルボニル化合物〔下記一般式(16)で示される化合物〕がより好ましい。
Figure 0005991523
式(16)中、R14及びR15は同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜16個のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘプチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ヘキサデシル等)、炭素数6〜12個のアリール基(例えば、フェニル、トリル、ヘキシル、ナフチル等)、又は炭素数1〜4個のアルコキシル基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロオキシ、プトキシ等)を意味する。
前記(E2)アルコキシシラン化合物は、下記式(I)で示されるエポキシシラン化合物と下記式(II)で示されるアミノシラン化合物とを、該アミノシラン化合物1モルに対して該エポキシシラン化合物を1.5〜10モルの範囲で反応させてなるアルコキシシラン化合物である。該(E2)アルコキシシラン化合物を用いることにより、硬化物表面のタックを低減させることができる。
Figure 0005991523
前記式(I)において、R101〜R103はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子がより好ましい。R104はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、メチレンオキシエチレン基、メチレンオキシプロピレン基、メチレンオキシブチレン基、エチレンオキシエチレン基、エチレンオキシプロピレン基が好ましく、ブチレン基、オクチレン基、メチレンオキシプロピレン基がより好ましい。R105は一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基が好ましく、メチル基がより好ましい。R105が複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。R106はアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。R106が複数存在する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。aは0、1又は2であり、0が好ましい。
Figure 0005991523
前記式(II)において、R107〜R112はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、水素原子がより好ましい。R113は一価炭化水素基であり、アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましい。R114はアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。bは0又は1であり、0がより好ましい。(3−b)個のR114は同じであっても異なっていてもよい。
前記エポキシシラン化合物としては、例えば、4−オキシラニルブチルトリメトキシシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アミノシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
前記エポキシシラン化合物と前記アミノシラン化合物との反応条件は、前記アミノシラン化合物の1級アミノ基が前記エポキシシラン化合物と反応し、該1級アミノ基が2級アミノ基もしくは3級アミノ基となり、該1級アミノ基が残存しないように反応させればよい。
そのための反応条件としては、例えば、溶媒の存在下あるいは非存在下で、前記アミノシラン化合物と前記エポキシシラン化合物とを混合し、25℃〜100℃、好ましくは30℃〜90℃、より好ましくは40℃〜80℃の反応温度で反応させることが好適である。反応温度を上記範囲内に設定することにより、反応を暴走させることなく安定に進行させることができる。反応温度を25℃未満とした場合、活性が低くなり、充分な反応達成に必要な時間が長くなり、効率が悪い。反応時間は、反応温度等を考慮して適宜設定することができるが、例えば上記のような条件では反応時間は、通常は1〜336時間、好ましくは24〜72時間の範囲内に設定することが好適である。
エポキシシラン化合物とアミノシラン化合物の反応比(モル比)は、アミノシラン化合物1モルに対してエポキシシラン化合物を1.5〜10モル、好ましくは1.6〜5.0モル、より好ましくは1.7〜2.4モル、となるように反応させる。
前記エポキシシラン化合物と前記アミノシラン化合物を、加熱反応、好ましくは40℃以上、より好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは40〜80℃の反応温度で加熱反応させることにより、エポキシシラン化合物のエポキシ環が開裂し、この反応により生成した水酸基と該アミノシラン化合物中のアルコキシ基とのアルコール交換反応により環化し、下記式(III)で示されるカルバシラトラン誘導体を得ることができる。下記式(III)で示されるカルバシラトラン誘導体は29Si−NMRにて−60ppmから−70ppmにピークを有する化合物である。
Figure 0005991523
前記式(III)において、R101〜R106及びaはそれぞれ前記式(I)と同じであり、R107〜R112は前記式(II)と同じであり、前記式(II)のbが0の場合、R115は前記式(II)のOR114と同じであり、前記式(II)のbが1の場合、R115は前記式(II)のR113と同じである。なお、珪素原子に結合しているアルコキシ基はアルコール交換反応により、一部置換される場合があり、原料の珪素原子結合アルコキシ基と、反応により生成するカルバシラトラン誘導体中の珪素原子結合アルコキシ基が同じでない場合もある。
前記(E2)アルコキシシラン化合物におけるエポキシシラン化合物とアミノシラン化合物との反応は、予めエポキシシラン化合物とアミノシラン化合物とを反応させて得られた(E2)アルコキシシラン化合物を用いて、該(E2)アルコキシシラン化合物と他の配合物質を配合し、接着剤組成物を調製してもよく、又はエポキシシラン化合物、アミノシラン化合物、及び他の配合物質の一部又は全てを混合した混合物を作製し、該混合物中でエポキシシラン化合物とアミノシラン化合物とを反応させ、接着剤組成物を調製してもよい。
前記(E3)アルコキシシラン化合物は、前記(D)化合物と反応性を有さず且つイソシアヌレート環を有するアルコキシシラン化合物であれば特に制限はないが、具体的には、下記式(17)で示されるアルコキシシラン化合物が好適に用いられる。
Figure 0005991523
前記式(17)において、R51〜R53はそれぞれ、置換または非置換の1価の炭化水素基、もしくは下記式(18)で示される基であり、且つR51〜R53の少なくとも1つは下記式(18)で示される基であり、R51〜R53のそれぞれが独立して下記式(18)で示される基であることが、硬化物表面のタックを低減する効果があり好適である。
−(CH−SiR545556・・・(18)
(前記式(18)において、fは2〜6の整数であり、R54〜R56は、それぞれ独立してアルキル基またはアルコキシル基を示し、R54〜R56の少なくとも1つがアルコキシル基である。)
前記式(17)中のR51〜R53における前記置換または非置換の1価の炭化水素基としては、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換の不飽和炭化水素基、置換又は非置換の環状炭化水素基等が挙げられる。置換の1価の炭化水素基における置換基の種類及び数に制限はないが、置換基としては例えば、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
前記(E3)アルコキシシラン化合物としては、例えば、下記式(19)〜(25)で示されるアルコキシシラン化合物およびその部分加水分解物が例示される。
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
上記成分(E)の配合割合は、特に限定されないが、重合体(A)および重合体(B)からなる湿気硬化性樹脂組成物100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がさらに好ましい。窒素含有アルコキシシラン化合物は、単独で使用しても良く、2種以上併用しても良い。
本発明の接着剤組成物は、(F)フェニル基を有し且つ珪素原子に結合するアルコキシ基の数が2個以下であるアルコキシシラン化合物を含有することが好適である。該(F)アルコキシシラン化合物が(D)化合物と反応性のない化合物であることが好ましい。
前記(F)フェニル基を有し且つ珪素原子に結合するアルコキシ基の数が2個以下であるアルコキシシラン化合物としては、たとえば、下記式(26)で示されるオルガノシラン化合物や下記式(26)におけるhが0である下記式(27)で示されるオルガノシラン化合物が好適に用いられる。
Figure 0005991523
前記式(26)において、R21は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基又はアルコキシ基を表し、R21が複数存在する場合、同じであっても異なってもよい。R22は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアシル基または炭素数6〜15のアリール基を表し、R22が複数存在する場合、同じであっても異なってもよい。mは0〜5の整数である。R23は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基または炭素数6〜15のアリール基を表し、R23が複数存在する場合、同じであっても異なってもよい。gは1〜3であり、hは0〜2であり、iは1又は2であり且つg+h+i=4である。
Figure 0005991523

前記式(27)において、R21、R22及びmは式(26)と同様である。kは2または3を表す。
前記一般式(26)及び(27)におけるR21としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
22としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基などのアルキル基、アセチル基などのアシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、アルコキシ基が挙げられる。中でも、アルコキシ基の加水分解性が高いことから、メチル基、エチル基が特に好ましい。
前記一般式及び(26)におけるR23としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ビニル基などのアルケニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられ、メチル基が好ましい。
一般式(27)で表されるオルガノシラン化合物の具体例としては、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジn−ブトキシシラン、ジフェニルシランジオール、ビス(4−メチルフェニル)ジメトキシシラン、ビス(4−メチルフェニル)ジエトキシシラン、ビス(4−メチルフェニル)ジイソプロポキシシラン、ビス(4−メチルフェニル)シランジオール、ビス(4−ビフェニル)ジメトキシシラン、ビス(4−ビフェニル)ジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルシラノールなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらのうち、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリフェニルシラノール、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルシランジオールが好ましく、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランがより好ましく、ジフェニルジメトキシシランが特に好ましい。
前記一般式(26)で表されるオルガノシラン化合物においてhが1又は2である化合物の具体例としては、例えば、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシエチルフェニルシラン、ジメトキシイソプロピルフェニルシラン、ジメトキシビニルフェニルシランが挙げられ、ジメトキシメチルフェニルシランが好ましい。
(F)アルコキシシラン化合物の含有量は、特に制限はないが、重合体(A)および重合体(B)からなる湿気硬化性樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜50質量部が好ましい。0.1質量部より少ないと、重合体(A)及び(B)に対して塩素化ポリオレフィンの相溶性が低下しオレフィンに対する接着力が低下する。50質量部より多いと、他の被着材に対する接着性が低下し、かつ、過度に粘度が低下し作業性が悪くなる。
本発明の接着剤組成物は、メチルエステル基及び/又はエチルエステル基を有するアルキルエステル化合物を含有することが好適である。該アルキルエステル化合物は特に限定されないが、オレフィンに対しての接着性が向上させる効果が大きいことから、アルキルエステル化合物の分子量が100〜500であるものが好ましく、150〜300であるものがより好ましい。また、アルキルエステル化合物は単量体であるものが好ましく、エステル基のα位が1級炭素原子または2級炭素原子であるものがより好ましい。
前記アルキルエステル化合物としては、特に限定されず、公知の有機酸のメチルエステル及び有機酸のエチルエステルが使用可能であり、たとえば、マロン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチル等のカルボン酸ジメチルエステル;酢酸メチル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル等の低級脂肪酸のメチルエステル;ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リシノール酸メチル、ヤシ脂肪酸メチル等の高級脂肪酸のメチルエステル;マロン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル等のカルボン酸ジエチルエステル;酢酸エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、カプリル酸エチル、カプリン酸エチル等の低級脂肪酸のエチルエステル、ラウリン酸エチル、ミリスチン酸エチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リシノール酸エチル、ヤシ脂肪酸エチル等の高級脂肪酸のエチルエステル;フタル酸ジメチル、安息香酸メチル、けい皮酸メチル、トリメリット酸トリメチル等の芳香族カルボン酸のメチルエステル;フタル酸ジエチル、安息香酸エチル、けい皮酸エチル、トリメリット酸トリエチル等の芳香族カルボン酸のエチルエステル;アビエチン酸メチル等の樹脂酸のメチルエステル;アビエチン酸エチル等の樹脂酸のエチルエステル;クエン酸トリメチル等のヒドロキシカルボン酸のメチルエステル;クエン酸トリエチル等のヒドロキシカルボン酸のエチルエステルなどがあげられる。
接着剤組成物を屋内で使用した時の空気中への揮発成分の放散を防止するため、アルキルエステル化合物の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、260℃以上がさらに好ましい。前記メチルエステル基を有するアルキルエステル化合物のなかでも、高い沸点を有することから、カルボン酸ジメチルエステル、高級脂肪酸のメチルエステルが好ましく、カルボン酸ジメチルエステルがより好ましい。
前記アルキルエステル化合物の中でも、入手が容易なことから、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、酢酸メチル、ラウリン酸メチル、セバシン酸ジメチルが好ましく、アジピン酸ジメチル、セバシン酸ジメチルがより好ましい。
これらのアルキルエステル化合物は重合体(A)および重合体(B)からなる湿気硬化性樹脂組成物100質量部に対し、0.5〜100質量部、好ましくは2〜50質量部,さらに好ましくは4.5〜30質量部である。
これらのアルキルエステル化合物は、接着剤組成物に配合する際、1種のみを配合してもよく、複数種を組み合わせて配合してもよい。
本発明の接着剤組成物は、スチレン系(共)重合体を含有することにより、貯蔵後の硬化速度の低下及び粘度の上昇が少なく、種々の被着体、特にオレフィンに対する接着性を向上させることができ、好適である。
前記スチレン系(共)重合体としては、従来公知のものを広く使用でき、特に限定されないが、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系単量体の1種以上を(共)重合して得られる(共)重合体が挙げられる。スチレン系重合体としては、具体的には、三井化学(株)製の商品名:FTR−8100及びFTR−8120等を用いることができる。また、スチレン系共重合体として、スチレン系単量体の1種以上と、これと共重合可能な他の単量体の1種以上とを共重合させて得られる共重合体を用いることも可能である。共重合可能な単量体としては、特に限定されないが、例えば、1−ヘプテン、エチル−1−ブテン及びメチル−1−ノネン等の炭素原子数が2〜12のα−オレフィン類;1,4−ペンタジエン及びジシクロペンタジエン等の非共役ジエン類などの不飽和化合物が挙げられる。スチレン系共重合体としては、具体的には、三井化学(株)製の商品名:FTR−6100、FTR−6125及びFTR−7125等を用いることができる。
上記スチレン系(共)重合体は、単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。配合割合は、成分(A)100質量部に対して、0.1〜200質量部用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜100質量部である。
本発明の接着剤組成物は、充填剤をさらに含有することが好適である。充填剤を配合することにより、硬化物を補強することができる。
前記充填剤としては、公知の充填剤を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土含水ケイ酸、含水けい酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、スレート粉、マイカ、カオリン、ゼオライト等が挙げられ、このうち炭酸カルシウムが好ましく、表面処理炭酸カルシウムがより好ましい。また、ガラスビーズ、シリカビーズ、アルミナビーズ、カーボンビーズ、スチレンビーズ、フェノールビーズ、アクリルビーズ、多孔質シリカ、シラスバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、サランバルーン、アクリルバルーン等を用いることもでき、これらの中で、組成物の硬化後の伸びの低下が少ない点からアクリルバルーンがより好ましい。
前記炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイダル炭酸カルシウム、粉砕炭酸カルシウム等、いずれも使用可能であるが、コロイダル炭酸カルシウムがより好適である。これら炭酸カルシウムは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記炭酸カルシウムの一次粒径が0.5μm以下であることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがより好ましい。このような粒径の小さい微粉炭酸カルシウムを使用することにより、接着剤組成物にチキソ性を付与することができる。
また、炭酸カルシウムの中でも、チキソ性の付与、硬化物(硬化皮膜)に対する補強効果の観点から、表面処理炭酸カルシウムが好ましく、表面処理した微粉炭酸カルシウムがより好ましい。さらに、表面処理した微粉炭酸カルシウムに、他の炭酸カルシウム、例えば、表面処理されていない、粒径の大きな炭酸カルシウムである重質炭酸カルシウムや、表面処理した粒径の大きい炭酸カルシウム等を併用してもよい。表面処理した微粉炭酸カルシウムと他の炭酸カルシウムを併用するときは、表面処理した微粉炭酸カルシウムと、その他の炭酸カルシウムの比率(質量比)は、1:9〜9:1が好ましく、3:7〜7:3がより好ましい。
前記表面処理炭酸カルシウムにおいて、用いられる表面処理剤に特に制限はなく、公知の表面処理剤を広く使用可能である。該表面処理剤としては、例えば、高級脂肪酸系化合物、樹脂酸系化合物、芳香族カルボン酸エステル、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、パラフィン、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤等が挙げられ、高級脂肪酸系化合物及びパラフィンがより好ましい。これら表面処理剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記表面処理炭酸カルシウムとしては、公知の表面処理された炭酸カルシウムを広く使用することができ、特に制限はないが、例えば、Vigot 15(白石カルシウム(株)製、脂肪酸で表面処理された軽質炭酸カルシウム、一次粒子径0.15μm)等の表面処理軽質炭酸カルシウム;Vigot 10(白石カルシウム(株)製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、一次粒子径0.10μm)、白艶華CCR−B(白石カルシウム(株)製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、一次粒子径0.08μm)、白艶華DD(白石カルシウム(株)製、樹脂酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、一次粒子径0.05μm)、カーレックス300(丸尾カルシウム(株)製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、一次粒子径0.05μm)、ネオライトSS(竹原化学工業(株)製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、平均粒子径0.04μm)、ネオライトGP−20(竹原化学工業(株)製、樹脂酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、平均粒子径0.03μm)、カルシーズP(神島化学工業(株)製、脂肪酸で表面処理されたコロイダル炭酸カルシウム、平均粒子径0.15μm)等の表面処理コロイダル炭酸カルシウム;MCコートP1(丸尾カルシウム(株)製、パラフィンで表面処理された重質炭酸カルシウム、一次粒子径3.3μm)、AFF−95((株)ファイマテック製、カチオンポリマーで表面された重質炭酸カルシウム、一次粒子径0.9μm)、AFF−Z((株)ファイマテック製、カチオンポリマー及び帯電防止剤で表面された重質炭酸カルシウム、一次粒子径1.0μm)等の表面処理重質炭酸カルシウムが挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、上記配合物質に加えて、必要に応じて、難燃剤、硬化触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、可塑剤、揺変剤、脱水剤(保存安定性改良剤)、希釈剤、接着性付与剤、物性調整剤、粘着付与剤、垂れ防止剤、着色剤、ラジカル重合開始剤などの物質を配合してもよく、また相溶する他の重合体をブレンドしてもよい。但し、本発明において成分(D)と反応性を有する化合物を配合する場合、配合する成分(D)中の少なくとも1/5の環状エーテル基及び環状チオエーテル基が残存するように配合する。
前記難燃剤としては、公知の難燃剤を使用可能であり、特に制限はないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;赤リン、ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン等の金属酸化物系難燃剤;臭素系難燃剤;塩素系難燃剤等が挙げられ、毒性の点から金属水酸化物が好適である。前記金属水酸化物は表面処理剤で表面処理された金属水酸化物を使用してもよい。前記難燃剤は単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
前記硬化触媒としては、公知の硬化触媒を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、有機金属化合物やアミン類等が挙げられ、特にシラノール縮合触媒を用いることが好ましい。本発明では、硬化触媒として従来の有機錫化合物の代わりにチタン触媒を用いてもオレフィン用接着剤として使用することができ、安全性に優れている。
前記チタン触媒としては、例えば、下記式(28)で示されるチタニウムキレート、下記式(29)で表されるチタニウムキレート、チタンテトラアセチルアセトナート等のチタニウムキレートやテトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類が挙げられ、チタニウムキレートがより好ましい。
Figure 0005991523
前記式(28)において、q個のR31は、それぞれ独立に置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、4−q個のR32は、それぞれ独立に水素原子または置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、4−q個のR33および4−q個のR34は、それぞれ独立に置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、qは0、1、2又は3である。
Figure 0005991523
前記式(29)において、R35は、置換あるいは非置換の2価の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、2個のR36は、それぞれ独立に水素原子または置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基であり、2個のR37および2個のR38は、それぞれ独立に置換あるいは非置換の炭素原子数1〜20の炭化水素基である。
前記式(28)又は前記式(29)で示されるチタニウムキレートとしては、例えば、チタニウムジメトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(メチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(t−ブチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(メチル−3−オキソ−4,4−ジメチルヘキサノエート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチル−3−オキソ−4,4,4−トリフルオロブタノエート)、チタニウムジ−n−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−t−ブトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(1−メトキシ−2−プロポキシド)ビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(3−オキソ−2−ブトキシド)ビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(3−ジエチルアミノプロポキシド)ビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリイソプロポキシド(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリイソプロポキシド(アリルアセトアセテート)、チタニウムトリイソプロポキシド(メタクリロキシエチルアセトアセテート)、1,2−ジオキシエタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、1,3−ジオキシプロパンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、2,4−ジオキシペンタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、2,4−ジメチル−2,4−ジオキシペンタンチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(トリメチルシロキシ)ビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムビス(トリメチルシロキシ)ビス(アセチルアセトナート)、などが挙げられる。これらの中でもチタニウムジエトキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジブトキシドビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられ、チタニウムジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)がより好適である。
前記チタニウムキレートのキレート配位子を形成し得るキレート試薬としては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸アリル、アセト酢酸(2−メタクリロキシエチル)、3−オキソ−4,4−ジメチルヘキサン酸メチル、3−オキソ−4,4,4−トリフルオロブタン酸エチルなどのβ−ケトエステルが挙げられ、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルが好ましく、アセト酢酸エチルがより好ましい。また、キレート配位子が2個以上存在する場合、それぞれのキレート配位子は同一であっても異なっていてもよい。
硬化触媒として前述したチタニウムキレートを用いる場合、前記(E2)シラン化合物を併用することが好適である。両者を併用する場合、前記(E2)シラン化合物及びチタニウムキレートを予め混合し、成分(E2)及びチタニウムキレートを含む混合物を得た後、該混合物と他の配合物質を配合することが好ましく、成分(E2)及びチタニウムキレートを含む混合物を所定温度で熟成させてなる硬化触媒を、他の配合物質と配合することがより好ましい。ここで熟成とは、チタニウムキレートのアルコキシ基の一部と前記(E2)シラン化合物のアルコキシ基の一部をエステル交換反応させること及び/又は空気中等に含まれる水分にて前記(E2)シラン化合物の一部を前記チタニウムキレートにて加水分解させ、オリゴマー化させることを意味する。上記熟成により、化学平衡の状態に達することが好適である。
前記(E2)シラン化合物と前記チタニウムキレートを予め混合した混合物を用いる場合は、前記(E2)シラン化合物と前記チタニウムキレートの混合割合は、前記チタニウムキレート1モルに対して前記(E2)シラン化合物を0.1〜30モルの範囲が好ましく、0.5〜5.0モルの範囲がより好ましく、0.5〜3.0モルの範囲がさらに好ましい。前記チタニウムキレート及び前記(E2)シラン化合物は、それぞれ1種で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
前記(E2)シラン化合物と前記チタニウムキレートとの混合物を得る方法は、予めエポキシシラン化合物とアミノシラン化合物とを反応させて得られた(E2)シラン化合物を用いて、該(E2)シラン化合物とチタニウムキレートを混合し、混合物を得てもよく、又はエポキシシラン化合物、アミノシラン化合物、及びチタニウムキレートを混合した混合物を作製し、該混合物中でエポキシシラン化合物とアミノシラン化合物とを反応させ、(E2)シラン化合物とチタニウムキレートとの混合物を得てもよい。
前記(E2)シラン化合物及び前記チタニウムキレートを含む混合物を熟成させる反応温度条件は特に制限はないが、前記(E2)シラン化合物と前記チタニウムキレートとを30℃〜100℃で反応させることが好ましく、30℃〜90℃がより好ましく、40℃〜80℃がさらに好ましい。反応温度を上記範囲内に設定することにより、反応を暴走させることなく安定に進行させることができる。反応温度を30℃未満とした場合、活性が低くなり、充分な反応達成に必要な時間が長くなり、効率が悪い。反応時間は、反応温度等を考慮して適宜設定することができるが、少なくとも平衡状態に達するまで反応させることが望ましく、例えば上記のような条件では反応時間は、通常は1〜336時間、好ましくは72〜168時間の範囲内に設定することが好適である。
前記チタン触媒以外のシラノール縮合触媒としては、例えば、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、オクチル酸錫及びナフテン酸錫等の有機錫化合物;ジメチルスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド等のジアルキルスズオキサイド;ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、等のキレート化合物類;オクチル酸鉛及びナフテン酸鉛等の有機酸鉛;オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス及びロジン酸ビスマス等の有機酸ビスマス;シラノール縮合触媒として公知のその他の酸性触媒及び塩基性触媒等が挙げられる。しかしながら、有機錫化合物は添加量に応じて、得られる接着剤組成物の毒性が強くなる場合がある。
前記酸化防止剤は、接着剤組成物の酸化を防止して、耐候性、耐熱性を改善するために使用されるものであり、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤は、接着剤組成物の光劣化を防止して、耐候性を改善するために使用されるものであり、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
老化防止剤は、接着剤組成物の熱劣化を防止して、耐熱性を改善するために使用されるものであり、例えば、アミン−ケトン系等の老化防止剤、芳香族第二級アミン系老化防止剤、ベンズイミダゾール系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤、亜リン酸系老化防止剤等が挙げられる。
前記可塑剤は硬化後の伸び物性を高めたり、硬さを調整して低モジュラス化を可能とする目的で添加される。前記可塑剤としては、その種類は特に限定されないが、例えば、ジイソウンデシルフタレートなどの如きフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチルなどの如き脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエートなどの如きグリコールエステル類;オレイン酸ブチルなどの如き脂肪族エステル類;リン酸トリクレジルなどの如きリン酸エステル類;エポキシ化大豆油などの如きエポキシ可塑剤類;ポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリコールの誘導体などのポリエーテル類;テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリ−α−メチルスチレンなどのポリスチレン系オリゴマー類;ポリブタジエンなどの炭化水素系オリゴマー類;塩素化パラフィン類;アクリル系可塑剤;0.5個未満のシリル基を含有するオキシアルキレン樹脂などが例示され、特に接着性を下げずに粘度を調整することができる点からアクリル系可塑剤が好ましい。
前記アクリル系可塑剤としては、例えば、UP−1000(東亞合成(株)製)、UP−1080(東亞合成(株)製)、UP−1110(東亞合成(株)製)やUP−1061(東亞合成(株)製)などの如き水酸基非含有アクリル系可塑剤類;UP−2000(東亞合成(株)製)、UHE−2012(東亞合成(株)製)などの如き水酸基含有アクリル系可塑剤類;UC−3510(東亞合成(株)製)などの如きカルボキシル基含有アクリルポリマー類;UG−4000(東亞合成(株)製)などの如きエポキシ基含有アクリルポリマー類;US−6110(東亞合成(株)製)、US−6120(東亞合成(株)製)などの如き0.5個未満のシリル基を含有するアクリルポリマー類が挙げられ、水酸基非含有アクリル系可塑剤類がより好適である。
前記揺変剤としては、例えば、コロイダルシリカ、石綿粉等の無機揺変剤、有機ベントナイト、変性ポリエステルポリオール、脂肪酸アマイド等の有機揺変剤、水添ヒマシ油誘導体、脂肪酸アマイドワックス、ステアリル酸アルミニウム、ステアリル酸バリウム等が挙げられる。
前記脱水剤は保存中における水分を除去する目的で添加される。前記脱水剤として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、等のシラン化合物や、ゼオライト、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。
前記希釈剤は、粘度等の物性を調整する目的で添加される。該希釈剤としては、公知の希釈剤を広く用いることができ、特に制限はないが、例えば、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和炭化水素系溶剤,リニアレンダイマー(出光興産株式会社商品名)等のα−オレフィン誘導体,トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤,エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ダイアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤,クエン酸アセチルトリエチル等のクエン酸エステル系溶剤,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等の各種溶剤が挙げられる。
前記希釈剤の引火点には特に制限はないが、得られる接着剤組成物の安全性を考慮すると接着剤組成物の引火点は高い方が望ましく、接着剤組成物からの揮発物質は少ない方が好ましい。そのため、前記希釈剤の引火点は65℃以上であることが好ましい。2以上の希釈剤を混合して使用するときは、混合した希釈剤の引火点が65℃以上であることが好ましい。しかし、一般的に引火点が高い希釈剤は接着剤組成物に対する希釈効果が低くなる傾向が見られるため、引火点は250℃以下であることが好適である。
本発明の接着剤組成物の安全性、希釈効果の双方を考慮すると、希釈剤としては飽和炭化水素系溶剤が好適であり、ノルマルパラフィン、イソパラフィンが接着性を下げずに粘度を調整することができる点からより好適である。ノルマルパラフィン、イソパラフィンの炭素数は10〜16であることが好ましい。具体的にはN−11(ノルマルパラフィン、JX日鉱日石エネルギー(株)製、炭素数11、引火点68℃)、N−12(ノルマルパラフィン、JX日鉱日石エネルギー(株)製、炭素数12、引火点85℃)、IPソルベント2028(イソパラフィン、出光興産(株)製、炭素数10から16、引火点86℃)等が挙げられる。
前記接着性付与剤としては、公知のシランカップリング剤が好ましく、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1,3−ジアミノイソプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリメトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン型シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の塩素原子含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート含有シラン類;ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のフェニル基含有シラン類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、前記アミノ基含有シラン類と前記のシラン類を含むエポキシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、(メタ)アクリロイル基含有化合物とを反応させて、アミノ基を変性した変性アミノ基含有シラン類を用いてもよい。
本発明の接着剤組成物を製造する方法は特に制限はなく、例えば、配合物質を所定量配合し、脱気攪拌することにより製造することができる。また、本発明の接着剤組成物は、混合後の組成物を加熱することにより、増粘を防止し、貯蔵安定性を向上させることができる。
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて1液型とすることもできるし、2液型とすることもできるが、特に1液型として好適に用いることができる。本発明の接着剤組成物は大気中の湿気により常温で硬化することが可能であり、常温湿気硬化型接着剤組成物として好適に用いられるが、必要に応じて、適宜、加熱により硬化を促進させてもよい。
また、本発明の接着剤組成物は、引火点が65℃未満の溶剤を含有しないことが好ましく、無溶剤であることがより好ましい。
本発明の接着剤組成物は、接着剤として好適に用いられるが、シーリング材、粘着材、コーティング材、ポッティング材、塗料、パテ材及びプライマー等としても用いることができる。本発明の接着剤組成物は、接着性、貯蔵安定性、硬化性に優れており、特にポリオレフィンに対する接着性に優れているため、特に、オレフィン用接着剤として好適に用いられるが、その他、種々の被着体用の接着剤、各種建築物用、自動車用、土木用、電気・電子分野用等に使用することができる。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(合成例1)
フラスコに溶剤である酢酸エチル40g、メチルメタクリレート58g、2−エチルヘキシルメタクリレート31g、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン4.9g、及び金属触媒としてルテノセンジクロライド0.1gを仕込み窒素ガスを導入しながら80℃に加熱した。ついで、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン4.5gをフラスコ内に添加し80℃で6時間反応を行った。室温に冷却後、ベンゾキノン溶液(95%THF溶液)を20g添加して重合を停止した。ポリスチレン換算の数平均分子量が約4500であり、Tgが54.7℃であり、1分子中に平均して0.8個のトリメトキシシリル基と平均して1個のジメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A1(メトキシ基の総量:重合体A1 100gに対して0.098モル)を得た。
(合成例2)
フラスコに溶剤である酢酸エチル40g、メチルメタクリレート59g、2−エチルヘキシルメタクリレート25g、及び金属触媒としてルテノセンジクロライド0.1gを仕込み窒素ガスを導入しながら80℃に加熱した。ついで、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.0gをフラスコ内に添加し80℃で6時間反応を行った。室温に冷却後、ベンゾキノン溶液(95%THF溶液)を20g添加して重合を停止した。ポリスチレン換算の数平均分子量が約6000であり、Tgが61.2℃であり、1分子中に平均して1個のトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A2(メトキシ基の総量:重合体A2 100gに対して0.050モル)を得た。
(合成例3)
ネオスタンU−800P(日東化成(株)製、ジオクチルスズオキサイド、固体)100g、N−11(ノルマルパラフィン、JX日鉱日石エネルギー(株)製、炭素数11)100gをセパラブルフラスコ内にはかり取り、分離状態の組成物を攪拌棒を用いて常温常圧条件下で約4時間高速で攪拌し、ネオスタンU−800PがN−11中に分散し、ペースト状となったネオスタンU−800Pペーストを得た。
(合成例4)
フラスコに溶剤である酢酸エチル40g、メチルメタクリレート59g、2−エチルヘキシルメタクリレート25g、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5.8g、及び金属触媒としてルテノセンジクロライド0.1gを仕込み窒素ガスを導入しながら80℃に加熱した。ついで、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン4.6gをフラスコ内に添加し80℃で6時間反応を行った。室温に冷却後、ベンゾキノン溶液(95%THF溶液)を20g添加して重合を停止した。溶剤および未反応物を留去し、ポリスチレン換算の数平均分子量が約4000であり、Tgが61.5℃であり、1分子中に平均して2個のトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A3(メトキシ基の総量:重合体A3 100gに対して0.150モル)を得た。
(合成例5)
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、滴下装置および環流冷却器を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:Z−6610、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)100g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:Z−6040、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)276g加え、50℃にて72時間撹拌し、カルバシラトランを得た。
得られたカルバシラトランについて、FT−IRにて910cm−1付近のエポキシ基に起因するピークの消失を確認し、1140cm−1付近の2級アミンのピークを確認し、また、29Si−NMRより−60ppmから−70ppmに新たなピークの出現が確認できた。
(合成例6)
攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、滴下装置および環流冷却器を備えたフラスコに、合成例5で得たカルバシラトランを6g、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM1003、信越化学工業(株)製)を0.7g、オルガチックス TC−750[マツモトファインケミカル(株)製の商品名、チタニウムジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)]を4g入れ、70℃にて144時間加熱撹拌することにより熟成し、チタン触媒を得た。得られたチタン触媒について、29Si−NMRよりピークの変化を確認した。
(実施例1)
表1に示すように、攪拌機、温度計、窒素導入口、モノマー装入管および水冷コンデンサーを装着した300mLのフラスコに、サイリルMA440[(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマーと、主鎖がメタクリル酸エステルの共重合体で分子中にジメトキシシリル基を有するポリマーとの混合物]を100g、白艶華CCR−B(白石カルシウム(株)製、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム)を50g、スーパークロン814HS(日本製紙(株)製、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率41%)を5gと、を混合した。該混合物を加熱(100℃)、脱気、撹拌を2時間することによって混練及び脱水をした。冷却後、その混合物にKBM−202SS(信越化学工業(株)製、ジフェニルジメトキシシラン)を3g、エチルシリケート28(コルコート(株)製、テトラエトキシシラン)を2g、X12−812H(信越化学工業(株)製、ケチミン構造含有アミノシラン)を3.5g、KBM−403(信越化学工業(株)製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3g、ネオスタンU−700(日東化成(株)製、ジブチルスズ塩とテトラエトキシシランとの反応生成物)を3g、それぞれ添加し、混合撹拌することにより接着剤組成物を調製した。
得られた接着剤組成物に対して下記方法により貯蔵安定性試験、硬化性試験、チクソトロピー性試験及び接着性試験を行った。その結果を表2〜4に示した。
1)貯蔵安定性試験、硬化性(TFT)試験及びチクソトロピー性試験
接着剤組成物配合直後の粘度、硬化時間及び構造粘性指数(SVI値)を測定した。該条件を初期と称し、該測定された粘度、硬化時間及びSVI値をそれぞれ初期粘度、初期TFT及び初期SVI値とした。
粘度は、接着剤組成物の粘度が200Pa・s未満の時はBH型回転粘度計(ローターNo.7−20rpm)により測定し、接着剤組成物の粘度が200Pa・s以上の時はBS型回転粘度計(ローターNo.7−10rpm)により測定した(測定温度23℃)。
硬化時間は、JIS A 1439 5.19 タックフリー試験に準じて、23℃RH50%の環境下にて指触乾燥時間(TFT)を測定した。
SVI値は、接着剤組成物の粘度が200Pa・s未満の時はBH型回転粘度計(ローターNo.7)を用いて、2rpmの粘度を20rpmの粘度で割ることにより算出し、接着剤組成物の粘度が200Pa・s以上の時はBS型回転粘度計(ローターNo.7)を用いて、1rpmの粘度を10rpmの粘度で割ることにより算出した(測定温度23℃)。上記求められたSVI値をチクソトロピー性を示す指標として用いた。
次に密封ガラス容器内の接着剤組成物を50℃雰囲気下にて1、2又は4週間放置し、粘度、硬化時間及びSVI値を測定した。該測定された粘度、硬化時間及びSVI値をそれぞれ貯蔵後の粘度、貯蔵後のTFT及び貯蔵後のSVI値とした。
貯蔵後の粘度を初期粘度にて割ることにより増粘率を算出した。1週間貯蔵後の増粘率を下記評価基準にて評価した。
○:0.90以上1.50以下、△:1.51以上1.80以下、×:1.81以上もしくは0.89以下。
また、貯蔵後のTFTを初期TFTにて割ることにより遅延率を算出した。1週間貯蔵後の遅延率を下記評価基準にて評価した。
○:0.90以上1.30以下、×:1.31以上もしくは0.89以下。
2)接着性試験
2−1)せん断接着強さ
被着材の上に0.2gの接着剤組成物を均一に塗布し、25mm×25mmの面積で貼り合わせた。貼り合わせ後、23℃RH50%の雰囲気下で7日間、目玉クリップにより圧締した直後にJIS K 6850 剛性被着材の引張りせん断接着強さ試験方法に準じて接着強度を測定した。被着材としては、硬質塩ビ(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂(ABS)、アクリル樹脂(アクリル)、ナイロン6(6−Ny)、ポリプロピレン(PP)、又は軟質ポリエチレン(PE)を使用した。また、接着面の破壊状態について、下記評価基準にて評価した。
CF:凝集破壊、AF:接着破壊、C10A90〜C90A10:CF及びAFの破壊状態の面積をおおよその百分率で表したものであり、CnA(100−n)はCFn%、AF(100−n)%の破壊状態を意味する。
2−2)はく離接着強さ
被着材の上に1gの接着剤組成物を均一に塗布し、25mm×80mm面積で貼り合わせ、ローラーを用いて接着剤組成物の厚みが均一になるよう圧締した。23℃RH50%の雰囲気下で7日間養生した後に『JIS K 6854−2 接着剤―はく離接着強さ試験方法―第2部:180度はく離』に準じて接着強度を測定した。被着材は片面にポリプロピレン(PP)又はキャンバス地(Ca)を使用し、もう片面にはキャンバス地(Ca)を使用した。接着面の破壊状態についてはせん断接着強さと同様に評価した。
(実施例2)
表1に示すように、攪拌機、温度計、窒素導入口、モノマー装入管および水冷コンデンサーを装着した300mLのフラスコに、サイリルSAT243[(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマー]を40gと、サイリルSAT350[(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマー]を20gと、合成例1で得たトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A1を固形分換算で40gと、を混合した。該混合物を加熱(120℃)、減圧脱気し、重合体A1に含まれる残存モノマーおよび酢酸エチルの除去を行い、室温まで冷却した。その後、白艶華CCR−B(白石カルシウム(株)製、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム)を50g、スーパークロン814HS(日本製紙(株)製、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率41%)を5g入れ、加熱(100℃)、脱気、撹拌を2時間することによって、混練及び脱水をした。冷却後、その混合物にKBM−202SS(信越化学工業(株)製、ジフェニルジメトキシシラン)を3g、エチルシリケート28(コルコート(株)製、テトラエトキシシラン)を2g、X12−812H(信越化学工業(株)製、ケチミン構造含有アミノシラン)を3.5g、KBM−403(信越化学工業(株)製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を3g、合成例3で得たネオスタンU−800Pペーストを6g、それぞれ添加し、混合撹拌した混合物を密閉容器に充填し、100℃で2時間加熱し、接着剤組成物を調製した。
該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行い、その結果を表2〜4に示した。
(実施例3〜6)
表1に示した如く配合物質を変更した以外は実施例2と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行い、その結果を表2〜4に示した。
Figure 0005991523
表1において、各配合物質の配合量はgで示され、重合体A1及びA2は固形分換算の配合量で示される。また、表中、アルコキシ基の総量とは、成分(A)及び(B)の合計100g当たりの、成分(A)及び(B)の架橋性珪素基(アルコキシシリル基)中のアルコキシ基の総量(モル数)を示したものである。重合体A1〜A2はそれぞれ合成例1〜2で得たアクリル酸エステル系重合体A1〜A2であり、ネオスタンU−800Pペーストは合成例3で得たネオスタンU−800Pペーストであり、他の配合物質の詳細は下記の通りである。
サイリルMA440:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマー(MS)と、主鎖がメタクリル酸エステルの共重合体で分子中にジメトキシシリル基を有するポリマー(MA)との混合物。混合物100g中のメトキシ基の総量:0.053モル。
サイリルSAT243:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端に1.3個のジメトキシ基を有するポリマー。ポリマー100g中のメトキシ基の総量:0.009モル。
サイリルSAT350:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端に1.6個のジメトキシ基を有するポリマー。ポリマー100g中のメトキシ基の総量:0.021モル。
スーパークロン814HS:日本製紙(株)製の商品名、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率41%。
KBM−403:信越化学工業(株)製の商品名、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン。
KBM−402:信越化学工業(株)製の商品名、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン。
アデカグリシロールED−501:(株)ADEKA製の商品名、2−フェノキシイソプロピルグリシジルエーテル。
jer828:三菱化学(株)製の商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
X12−812H:信越化学工業(株)製の商品名、ケチミン構造含有アミノシラン。
KBM−202SS:信越化学工業(株)製の商品名、ジフェニルジメトキシシラン。
白艶華CCR−B:白石カルシウム(株)製の商品名、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム。
ホワイトンSB:白石カルシウム(株)製の商品名、重質炭酸カルシウム。
エチルシリケート28:コルコート(株)製の商品名、テトラエトキシシラン。
KBM−103:信越化学工業(株)製の商品名、フェニルトリメトキシシラン。
ネオスタンU−700:日東化成(株)製の商品名、ジブチルスズ塩とテトラエトキシシランとの反応生成物。
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
(実施例7)
表5に示すように、攪拌機、温度計、窒素導入口、モノマー装入管および水冷コンデンサーを装着した300mLのフラスコに、サイリルSAX510[(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にトリメトキシシリル基を有するポリマー]を70gと、合成例1で得たトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A1を固形分換算で20gと、合成例2で得たトリメトキシシリル基を有するアクリル酸エステル系重合体A2を固形分換算で10gとを混合した。該混合物を加熱(120℃)、減圧脱気し、重合体A1及びA2に含まれる残存モノマーおよび酢酸エチルの除去を行い、室温まで冷却した。
その後、白艶華CCR−B(白石カルシウム(株)製、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム)を30g、ホワイトンSB(白石カルシウム(株)製、重質炭酸カルシウム)を20g、FTR6100(三井化学(株)製、C5とC9のスチレン系共重合体石油樹脂)を15g、AO−60[(株)ADEKA製、フェノール系酸化防止剤]を3g、スーパークロン814HS(日本製紙(株)製、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率41%)を5g入れ、加熱(100℃)、脱気、撹拌を2時間することによって、混練及び脱水をした。
冷却後、その混合物にKBM−202SS(信越化学工業(株)製、ジフェニルジメトキシシラン)を5g、X12−812H(信越化学工業(株)製、ケチミン構造含有アミノシラン)を3.5g、ED−501((株)ADEKA製、2−フェノキシイソプロピルグリシジルエーテル)を2.8g、KBM−103(信越化学工業(株)製、フェニルトリメトキシシラン)を2.5g、合成例3で得たネオスタンU−800Pペーストを6g、それぞれ添加し、混合撹拌した混合物を密閉容器に充填し、100℃で2時間加熱し、接着剤組成物を調製した。
該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行い、その結果を表6〜8に示した。また下記試験方法によりタック評価試験を行い、その結果を表6に示した。
<タック評価試験>
接着剤組成物を、23±2℃相対湿度50±5%で7日間養生後、さらに50℃相対湿度95%で3日間養生させた硬化物表面のタックを指触で評価した。タックの評価基準は以下の通りである。
○:タックなし、△:タックあり、×:タック強い。
(実施例8〜13)
表5に示した如く配合物質を変更した以外は実施例7と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、接着性試験及びタック評価試験を実施例7と同様の方法により行い、その結果を表6〜8に示した。
Figure 0005991523
表5において、各配合物質の配合量はgで示され、重合体A1〜A3は固形分換算の配合量で示される。配合物質の詳細は表1と同じであり、重合体A3は合成例4で得たアクリル酸エステル系重合体A3であり、カルバシラトランは合成例5で得たカルバシラトランであり、チタン触媒は合成例6で得たチタン触媒であり、他の配合物質の詳細は下記の通りである。
サイリルSAX510:(株)カネカ製、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端に1.4個のトリメトキシシリル基を有するポリマー。ポリマー100g中のメトキシ基の総量:0.014モル。
FTR6100:三井化学(株)の商品名、C5とC9のスチレン系共重合体石油樹脂。
AO−60:(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブAO−60、フェノール系酸化防止剤。
NAUGARD445:Crompton Corporation製、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン。
DMA:アジピン酸ジメチル。
DMS:伊藤製油(株)製、セバシン酸ジメチル。
UP−1110:東亞合成(株)の商品名、水酸基非含有アクリル系可塑剤。
N−11:JX日鉱日石エネルギー(株)製の商品名、ノルマルパラフィン。
TC−750:マツモトファインケミカル(株)製の商品名、チタニウムジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)。
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
(実施例14〜19)
表9に示した如く配合物質を変更した以外は実施例7と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、接着性試験及びタック評価試験を実施例7と同様の方法により行い、その結果を表10〜12に示した。
Figure 0005991523
表9において、各配合物質の配合量はgで示され、重合体A1及びA2は固形分換算の配合量で示される。配合物質の詳細は表1及び表5と同じであり、他の配合物質の詳細は下記の通りである。
スーパークロン390S:日本製紙ケミカル(株)製の商品名、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率36%。
アデカグリシロールED−502:(株)ADEKA製の商品名、一官能エポキシ樹脂(高級アルコールグリシジルエーテル)。
OXT−212:東亞合成(株)製の商品名、2−エチルヘキシルオキセタン。
セロキサイド2000:ダイセル化学工業(株)製の商品名、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン。
KBM−9659:信越化学工業(株)製の商品名、イソシアヌレートシラン。
LS−2720:信越化学工業(株)製の試薬、ジメトキシメチルフェニルシラン。
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523
(比較例1〜2)
表13に示した如く配合物質を変更した以外は実施例1と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行い、その結果を表14〜16に示した。
(比較例3〜4)
表13に示した如く配合物質を変更した以外は実施例2と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行い、その結果を表14〜16に示した。
(比較例5)
表13に示した如く配合物質を変更した以外は実施例2と同様の方法により接着剤組成物を調製した。該接着剤組成物の貯蔵安定性試験、表面硬化性試験、及び接着性試験を実施例1と同様の方法により行ったが、粘度が高く、測定不可であった。
Figure 0005991523
表13において、各配合物質の配合量はgで示され、重合体A1は固形分換算の配合量で示される。重合体A1は合成例1で得たアクリル酸エステル系重合体A1であり、ネオスタンU−800Pペーストは合成例3で得たネオスタンU−800Pペーストであり、他の配合物質の詳細は下記の通りである。
サイリルMA440:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端にジメトキシ基を有するポリマー(MS)と、主鎖がメタクリル酸エステルの共重合体で分子中にジメトキシシリル基を有するポリマー(MA)との混合物。混合物100g中のメトキシ基の総量:0.053モル。
サイリルSAT243:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端に1.3個のジメトキシ基を有するポリマー。ポリマー100g中のメトキシ基の総量:0.009モル。
サイリルSAT350:(株)カネカ製の商品名、主鎖がポリオキシプロピレンで分子末端に1.6個のジメトキシ基を有するポリマー。ポリマー100g中のメトキシ基の総量:0.021モル。
スーパークロン814HS:日本製紙(株)製の商品名、塩素化ポリオレフィン、塩素含有率41%。
アデカグリシロールED−501:(株)ADEKA製の商品名、2−フェノキシイソプロピルグリシジルエーテル。
X12−812H:信越化学工業(株)製の商品名、ケチミン構造含有アミノシラン。
KBM−202SS:信越化学工業(株)製の商品名、ジフェニルジメトキシシラン。
白艶華CCR−B:白石カルシウム(株)製の商品名、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム。
エチルシリケート28:コルコート(株)製の商品名、テトラエトキシシラン。
KBM−103:信越化学工業(株)製の商品名、フェニルトリメトキシシラン。
ネオスタンU−700:日東化成(株)製の商品名、ジブチルスズ塩とテトラエトキシシランとの反応生成物。
KBM−603:信越化学工業(株)製の商品名、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン。
Figure 0005991523
Figure 0005991523
Figure 0005991523

Claims (4)

  1. (A)架橋性珪素基を含有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体、
    (B)架橋性珪素基を含有するポリオキシアルキレン系重合体、
    (C)塩素化ポリオレフィン、
    (D)環状エーテル基及び/又は環状チオエーテル基を有する化合物
    (E1)一分子中に少なくとも一個のアルコキシシリル基を有するケチミン化合物、エナミン化合物、及びアルジミン化合物、並びに(E2)下記式(I)で示されるエポキシシラン化合物と、下記式(II)で示されるアミノシラン化合物とを、該アミノシラン化合物1モルに対して該エポキシシラン化合物を1.5〜10モルの範囲で反応させてなるアルコキシシラン化合物からなる群から選択される1種以上のアルコキシシラン化合物
    を含有することを特徴とする常温湿気硬化性接着剤組成物。
    Figure 0005991523
    (前記式(I)において、R 101 〜R 103 はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、R 104 はアルキレン基またはアルキレンオキシアルキレン基であり、R 105 は一価炭化水素基であり、R 106 はアルキル基であり、aは0、1又は2である。)
    Figure 0005991523
    (前記式(II)において、R 107 〜R 112 はそれぞれ水素原子又はアルキル基であり、R 113 は一価炭化水素基であり、R 114 はアルキル基であり、bは0又は1である。)
  2. 記アルコキシシラン化合物が、前記(E1)化合物であるか又は前記(E1)化合物を含むことを特徴とする請求項記載の常温湿気硬化性接着剤組成物
  3. 記アルコキシシラン化合物が、前記(E1)化合物及び前記(E2)化合物であることを特徴とする請求項記載の常温湿気硬化性接着剤組成物
  4. (F)フェニル基を有し且つ珪素原子に結合するアルコキシ基の数が2個以下であるアルコキシシラン化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の常温湿気硬化性接着剤組成物。
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