JPWO2004092270A1 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
硬化性組成物を建築用途に使用する場合の要求物性は様々であるが、その一つとしてシーリング目地周辺への汚染が少ないことが挙げられる。
目地周辺への汚染の原因の一つとしてはシーラント中に含まれる可塑剤の染み出しが挙げられるが、可塑剤を除くと硬化物の物性が高モジュラス低伸び化しシーラントとしては品質が劣ったものになるなどの問題があった。また可塑剤を除いた硬化物を低モジュラス化させるためポリオキシアルキレン重合体1分子あたりに含まれる反応性ケイ素基の平均数を減らした場合では、反応性ケイ素基を全く有さない未反応のポリオキシアルキレン重合体の割合が増加し、それらが可塑剤と同様、目地周辺を汚染するなどの問題があった。
このような問題に対し、反応性ケイ素基を少なくとも1個有するオキシプロピレン重合体であってMw/Mnが1.6以下で数平均分子量が6,000以上であるオキシプロピレン重合体と充填剤、及び硬化触媒を含有し、可塑剤を含まない硬化性組成物が特許文献1に開示されており、作業性を維持しつつ埃付着性を改善することが記載されている。さらに、特開平5−65403号の実施例1と実施例2では数平均分子量10,000、Mw/Mn=1.2で1分子中に反応性ケイ素基を2.4個程度含んでいると考えられるオキシプロピレン重合体と充填剤及び硬化触媒を含有し、可塑剤を含まない硬化性組成物が示されている。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定のポリオキシアルキレン重合体と充填剤、及び硬化触媒を含有し、かつ反応性ケイ素基を有する液状成分と反応性ケイ素基を有しない液状成分の比を特定の範囲にした硬化性組成物によって、作業性が良好であり、かつ得られる硬化物は低汚染および低応力、高伸び等のシーリング剤として好ましい機械的特性を有することを見出し本発明に到った。
すなわち本発明は、
(1)分子量分布が1.6以下、数平均分子量が15,000〜50,000であり1分子中に平均して0.8個以上の反応性基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、分子中に反応性ケイ素基および(A)の反応性基と反応しうる官能基を有する有機化合物(B)を、(A)成分1分子に対して平均0.8〜1.5個反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と、充填剤(C)、および硬化触媒(D)を含有することを特徴とする硬化性組成物である。
(2)(1)に記載の硬化性組成物に含まれる液状成分のうち、反応性ケイ素基を少なくとも1つ以上有する成分の含有率x(wt%)と、反応性ケイ素基を有しない成分の含有率y(wt%)の比y/xが0.4以下であることを特徴とする(1)に記載の硬化性組成物である。
(ただしx+y=100。また、ここで反応性ケイ素基を有しない液状成分としては、(1)に記載の(A)成分に(B)成分を反応させた時に反応性ケイ素基が一つも導入されなかったポリオキシアルキレン系重合体、および(1)に記載の硬化性組成物が可塑剤を含有する場合はその可塑剤成分を指す。)
(3)(1)に記載の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対し、10重量部以下の可塑剤を含有する、または、可塑剤を含有しないことを特徴とする(1)および(2)のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
(4)(A)成分の反応性基がアルケニル基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基として1分子中に1個のヒドロシリル基を有する有機化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
(5)(A)成分の反応性基が水酸基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基として1分子中に1個のイソシアネート基を有する有機化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
(6)(A)成分の反応性基がイソシアネート基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基として1分子中に1個のアミノ基を有する有機化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
(7)(A)成分の反応性基がアルケニル基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基として1分子中に1個のメルカプト基を有する有機化合物であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
本発明の硬化性組成物は、作業性が良好であり、かつ得られる硬化物は耐汚染性が良好で、さらには低応力、高伸び等のシーリング剤として好ましい機械的特性を有する。
Rの具体例としては、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C2H5)CH2−、−C(CH3)2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。Rとしては特に−CH(CH3)CH2−が好ましい。
(A)成分のポリオキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
開始剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の2価アルコールや多価アルコール、水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられる。
モノエポキシドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキシド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。
触媒としてはKOH、NaOH、CsOH等のアルカリ触媒、トリフルオロボラン−エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン金属錯体やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等の既に公知であるものが用いられる。特に副反応が少ない複合金属シアン化物錯体触媒の使用が、生成物のMw/Mnが小さく低粘度となるため作業性確保の点で好ましいがそれ以外のものであってもよい。
この他、オキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、水酸基末端オキシアルキレン重合体を塩基性化合物、例えばKOH、NaOH、KOCH3、NaOCH3等の存在下、2官能以上のハロゲン化アルキル、例えばCH2Cl2、CH2Br2等による鎖延長等によっても得ることができる。
オキシアルキレン重合体の分子量は、GPCにおけるポリスチレン換算での数平均分子量が15,000から50,000であることが好ましい。数平均分子量が15,000未満では反応性ケイ素基が導入されなかった成分が可塑剤等と同様に硬化物からブリードし周辺汚染の原因となり、また得られる反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体の硬化物が脆くなるため好ましくない。また、50,000を超えるものでは粘度が高くなりすぎ、取扱いが困難となるため好ましくない。さらに、数平均分子量が17,000から40,000であることが好ましく、20,000〜30,000であることが対汚染性確保、機械物性発現上、及び作業性確保の点から特に好ましい。
オキシアルキレン重合体のMw/Mnは1.6以下であることが好ましい。1.6を超えるものでは粘度が高くなりすぎ取り扱いが困難となるため好ましくない。1.5以下であることが好ましく、更に1.4以下であることが作業性確保の点から特に好ましい。
(A)成分のポリオキシアルキレン系重合体の有する反応性基としては特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えばアルケニル基、水酸基、イソシアネート基などが挙げられる。アルケニル基としては特に限定されるものではないが、代表的なものを示すと、例えば一般式(1)、(2)で表わされる基が挙げられる。
H2C=C(R1)−・・・(1)
HC(R1)=CH−・・・(2)
(式中R1は水素または炭素数10以下の炭化水素基)
末端に一般式(1)または(2)で示されるアルケニル基を有するポリオキシアルキレン重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体にアルケニル結合を有する化合物を反応させて、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合させる方法等が挙げられる。
例えばエーテル結合によりアルケニル基を導入する場合は、ポリオキシアルキレン重合体の水酸基末端のメタルオキシ化により−OM(MはNaまたはK等)を生成した後、一般式(3):
H2C=C(R1)−R2−X1・・・(3)
または一般式(4):
HC(R1)=CH−R2−X1・・・(4)
(式中R1は前記に同じ。R2は炭素数1から20の2価の有機基。X1はハロゲン原子)で示されるアルケニル基含有化合物を反応させる方法が挙げられる。
一般式(3)または(4)で示されるアルケニル含有化合物の具体例としては、H2C=CH−CH2−Cl、H2C=CH−CH2−Br、H2C=C(CH3)−CH2−Cl、H2C=C(CH3)−CH2−Br、H2C=C(CH2CH3)−CH2−Cl、H2C=C(CH2CH3)−CH2−Br、H2C=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Cl、H2C=C(CH2CH(CH3)2)−CH2−Br、HC(CH3)=CH−CH2−Cl、HC(CH3)=CH−CH2−Br等が挙げられ、特に、H2C=CH−CH2−Cl、H2C=C(CH3)−CH2−Clが好ましい。
アルケニル基の導入方法としては、これ以外にH2C=C(CH3)−CH2−基やHC(CH3)=CH−CH2−基等を有するイソシアネート化合物、カルボン酸、エポキシ化合物を用いることもできる。
末端にイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン重合体の製造法としては、従来公知の方法を用いればよく、例えば水酸基末端ポリオキシアルキレン重合体に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族のジイソシアネート化合物等を反応させる方法等が挙げられる。
本発明の(B)成分である分子中に反応性ケイ素基および(A)成分の反応性基と反応しうる官能基を有する有機化合物としては、上記の官能基を有するものであれは特に制限なく用いることができる。例えば(A)成分がアルケニル基を有する場合、(B)成分としては例えばメルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物や下記一般式で表されるヒドロシリル基および反応性ケイ素基を有する化合物等が挙げられる。
H−(Si(R3 2−a)(Xa)O)mSi(R4 3−b)Xb (5)
(式中R3、R4は同一または異なった炭素数1から20のアルキル基、炭素数6から20のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基または(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R3またはR4が二個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。ここでR’は炭素数1から20の一価の炭化水素基であり3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが二個以上存在する時、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。bは0、1、2または3を、aは0、1、または2をそれぞれ示す。またm個の−Si(R3 2−a)(Xa)−O−基におけるaについて、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。mは0から19の整数を示す。但し、b+Σa≧1を満足するものとする。)上記Xのうちの加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であれば良い。具体的には例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏やかで取扱やすいという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。この水酸基や加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜3個結合することができ、(b+Σa)は1から5であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が反応性ケイ素含有基中に2個以上存在する場合には、それらは同一であっても良く、異なっていてもよい。
一般式(5)で示される化合物の具体例としては、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、1,1,3,3−テトラメチル−1−ブロモジシロキサンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメチルシロキシメチルメトキシシラン、トリメチルシロキシジエトキシシランの如きアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシラン、トリメチルシロキシジアセトキシシランの如きアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシラン、トリス(アセトキシメート)シランの如きケトキシメートシラン類;メチルイソプロペニルオキシシランの如きアルケニルオキシシラン類などが挙げられる。これらの内、特にアルコキシシラン類が好ましく、アルコキシ基の中でもメトキシ基が特に好ましい。
更に本発明においては、得られる末端シリル基中の加水分解性基Xを他の加水分解性基Yに変換することができる。特にX基がハロゲンである場合には水分による硬化に際し刺激臭の強いハロゲン化水素を発生させるので他の加水分解性基に変換することが好ましい。変換しうる加水分解性官能基としてはアルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基およびメルカプト基などが挙げられる。ハロゲン官能基をこれら加水分解性官能基に変換する方法としては種々の方法が挙げられる。例えばアルコキシ基に変換する方法としては、(1)メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、sec−ブタノール、ter−ブタノールおよびフェノールなどの如きアルコール類およびフェノール類、(2)アルコール類およびフェノール類のナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルコキシド類、(3)オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチルなどの如きオルトギ酸エステル類、(4)エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アリルグリシジルエーテルなどの如きエポキシ化合物類などをハロゲン官能基と反応させる方法が具体例に挙げられる。特に(1)と(3)を組み合わせたアルコール類およびフェノール類とオルトギ酸エステル類とからなる反応系、(1)と(4)を組み合わせたアルコール類およびフェノール類とエポキシ化合物類とからなる反応系を使用すれば容易に反応を行うことができ好ましい結果が得られる。同様にアシルオキシ基に変換する方法として、酢酸およびプロピオン酸の如きカルボン酸類、無水酢酸のような酸無水物、カルボン酸類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。同様にアミノオキシ基に変換する方法として、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−メチルフェニルヒドロキシルアミン及びN−ヒドロキシルピロリジンのようなヒドロキシルアミン類、ヒドロキシルアミン類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。同様にアミド基に変換する方法として、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N−メチルフェニルアミン及びピロリジンの如き1級および2級アミン類、1級及び2級アミン類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。同様に酸アミドに変換する方法として、アセトアミド、ホルムアミド及びプロピオンアミドの如き窒素原子上に少なくとも1個の水素原子を有する酸アミド類、該酸アミド類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。;アセトキシム、メチルエチルケトキシムの如きケトキシム類;N−オクチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタンの如きメルカプタン類とオルトギ酸エステル類又はエポキシ化合物類とを組み合わせた反応系を使用すれば、それぞれケトキシメート基およびメルカプト基に一部変換させることができ、他の部分はオルトギ酸エステル又はエポキシ化合物から誘導されるアルコキシル基に変換させることができる。上述した如くハロゲン官能基の場合だけ、他の加水分解性官能基に変換するのではなく、種々の加水分解性官能基を別の加水分解性官能基に変換し使用することも可能である。
反応性基としてアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、分子中に1個のヒドロシリル基、および反応性ケイ素基を有する有機化合物(B)を反応させる方法は、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。特にVIII族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法が好ましい。
VIII族遷移金属触媒としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等のVIII族遷移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効に使用される。例えば、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体、Ptメタル、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2等のような化合物が使用できるが、ヒドロシリル化の反応性の点から、H2PtCl6・6H2O、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
ヒドロシリル化反応は、通常10〜150℃、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃の範囲とするのが好適であり、反応温度の調節、反応系の粘度の調整などの必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の溶剤を用いることができる。
ヒドロシリル化反応の触媒としては、これ以外にもAlCl3やTiCl4等も使用することができる。
触媒使用量としては特に制限は無いが、通常、アルケニル基1モルに対して白金触媒を10−1から10−8モル使用することが好ましく、更に好ましくは10−3から10−6モルの範囲で使用することができる。触媒の量が少ない場合はヒドロシリル化反応が十分に進行しない可能性がある。また、触媒量が多すぎると触媒消費によるコストの負担が増えたり、製品への残留触媒が増えるなどの問題がある。
ヒドロシリル化反応の反応促進には、酸素の使用による触媒の再活性化(特開平8−283339)や硫黄添加などの方法を用いることができる。
さらにヒドロシリル化反応においてオキシアルキレン重合体、反応溶媒等が酸素により酸化されることを抑制するために、酸化防止剤の存在下でヒドロシリル化反応を行うことができる。
分子中にメルカプト基および反応性ケイ素基を有する化合物の具体例としては、例えばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
反応性基としてアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、分子中にメルカプト基、および反応性ケイ素基を有する有機化合物(B)を反応させる方法は、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。
(A)成分が反応性基として水酸基を有する場合、(B)成分としては(A)成分と反応しうる官能基として例えばイソシアネート基を有する有機化合物等が挙げられる。そのような化合物としては、例えばγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
反応性基として水酸基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、イソシアネート基および反応性ケイ素基を有する有機化合物(B)を反応させる方法は、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。
(A)成分が反応性基としてイソシアネート基を有する場合、(B)成分としては(A)成分と反応しうる官能基として例えばアミノ基を有する有機化合物等が挙げられる。そのような化合物としては、例えばγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
反応性基としてイソシアネート基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、アミノ基、および反応性ケイ素基を有する有機化合物(B)を反応させる方法は、特に限定されず、種々の方法を用いることができる。
反応性ケイ素基をポリオキシアルキレン系重合体に導入する方法としては、得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が比較的低くなることから、(A)成分としてアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、(B)成分として分子中にヒドロシリル基を有する化合物を反応させる方法が好ましい。
反応性ケイ素基の導入率を測定する方法としては種々の方法が考えられるが、現在のところ1H NMRスペクトルにより、反応性ケイ素基の導入された末端と導入されなかった末端の積分値を比較することで正確な値を得ることができる。
分子量分布が1.6以下、数平均分子量が15,000〜50,000であり1分子中に平均して0.8個以上の反応性基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に反応させる、分子中に反応性ケイ素基および(A)の反応性基と反応しうる官能基を有する有機化合物の量としては、(A)成分1分子に対して平均0.8〜1.5個であることが好ましい。0.8個未満では汚染の原因となる反応性ケイ素基が一つも導入されなかったポリオキシアルキレン重合体の量が多くなり、1.5個を超えるものでは得られる硬化物が高モジュラス低伸びとなるため好ましくない。さらに(A)成分1分子に反応させる(B)成分の量としては1.0〜1.4個であることが好ましく、1.0〜1.3個であることが硬化性およびシーラントとしての機械的特性確保、さらには汚染の原因となる反応性ケイ素基が一つも導入されなかったポリオキシアルキレン重合体の量を低減できる点から特に好ましい。
また、本発明においては、分子量分布が1.6以下、数平均分子量が15,000〜50,000であり1分子中に平均して0.8個以上の反応性基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、分子中に反応性ケイ素基および(A)の反応性基と反応しうる官能基を有する有機化合物(B)を、(A)成分1分子に対して平均0.8〜1.5個反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の変性体を用いることもできる。
代表的な変性体としては、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン重合体存在下に、下記一般式(6)で表される炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーおよび(又は)下記一般式(7)で表される炭素数10以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アクリルエステルモノマーおよび(又は)下記一般式(8)で表される反応性ケイ素基含有(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの混合物を重合して得られるものである。この他(6)、(7)、(8)の重合物を反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体とブレンドしたものも使用することができる。
CH2=C(R5)COOR6・・・(6)
(式中R5は水素原子またはメチル基、R6は炭素数1から8のアルキル基を示す)
CH2=C(R5)COOR7・・・(7)
(式中R5は前記に同じ。R7は炭素数10以上のアルキル基を示す)
CH2=C(R5)COOR8−[Si(R3 2−a)(Xa)O]mSi(R4 3−b)Xb・・・(8)
(式中R5は前記に同じ。R8は炭素数1〜6の2価のアルキレン基を示す。R3,R4,X,a,b,mは前記に同じ。)
前記一般式(6)のR6としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜8、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(6)で表されるモノマーは1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
前記一般式(7)のR7としては、例えばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、ビフェニル基などの炭素数10以上、通常は10〜30、好ましくは10〜20の長鎖アルキル基が挙げられる。なお一般式(7)で示されるモノマーは1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
前記一般式(8)のR8としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基などの炭素数1〜6、好ましくは1〜4を挙げることができる。R8と結合する反応性ケイ素基としては、例えばトリメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基等を挙げることできる。なお一般式(8)で表されるモノマーは1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
この重合には式(6)、(7)、(8)以外のモノマーを併用してもよく、そのようなモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸やアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基を含むモノマーやアクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等のモノマーが挙げられる。この場合、重合した式(6)、(7)、(8)のモノマーの合計が重合したモノマー全体の50%以上、特に70重量%以上であることが好ましい。
本発明における硬化性組成物に含まれる液状成分のうち、反応性ケイ素基を少なくとも1つ以上有する成分の含有率をx(wt%)、反応性ケイ素基を有しない成分の含有率をy(wt%)とした時、その比y/xが0.4以下であることが好ましい。0.4を超えると硬化物から未架橋の液状成分がブリードし汚染の原因となる虞がある。さらにy/xは0.3以下であることがより好ましく、0.2以下であることが耐汚染性確保の点から特に好ましい。また0.1以上であることが機械特性確保の点から好ましい(ただしx+y=100。また、ここで反応性ケイ素基を少なくとも1つ以上有する成分としては(A)成分に(B)成分を反応させた時に反応性ケイ素基が1つ以上導入されたポリオキシアルキレン系重合体を指し、反応性ケイ素基を有しない成分としては(A)成分に(B)成分を反応させた時に反応性ケイ素基が1つも導入されなかったポリオキシアルキレン系重合体、および本発明における硬化性組成物が可塑剤を含有する場合はその可塑剤成分を指す。)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて可塑剤を添加することができる。
可塑剤の具体例はとしては、例えば、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレートなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチルなどの脂肪族二塩基酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ可塑剤類;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体などがあげられる。これらの可塑剤は単独または2種類以上を併用してもよい。
可塑剤の使用量は、(A)成分と(B)成分を反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対し、10重量部以下であることが好ましい。10重量部を超えると得られる硬化物から可塑剤がブリードし汚染の原因となる虞がある。さらに5重量部以下が好ましく、2重量部以下がより好ましく、耐汚染性確保の点から可塑剤は添加しないことが特に好ましい。なお、本発明における硬化性組成物では、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体が低粘度であるため、可塑剤を添加しなくても十分な作業性を確保することができる。
本発明における(C)充填剤としては、特定の充填剤には限定されない。その具体例としては、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸およびカーボンブラックの如き補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華および水添ヒマシ油、PVC、ポリオレフィンのような有機フィラーなどの如き充填剤;石綿、ガラス繊維およびフィラメントの如き繊維状充填剤、シラスバルン、ガラスバルン、サランバルン、フェノールバルン等の無機質バルン、有機質バルンが例示され、これらの1種または2種以上を必要に応じて用いればよい。充填剤は(A)成分と(B)成分を反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して1〜200重量部、特には5〜200重量部用いることが好ましい。
本発明における(D)硬化触媒としては硬化性樹脂組成物中の(A)成分と(B)成分を反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の反応性基の反応を促進可能な硬化触媒であれば良い。その具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン類エステル類;ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫などの有機錫化合物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアザビシクロ(5,4,6)ウンデセン−7(DBU)などのアミン系化合物あるいはそれらのカルボン酸などの塩;過剰のポリアミンと多塩基酸よりえられる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物;アミノ基を有するシランカップリング剤、たとえばγ−アミノプロプルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどの公知のシラノール縮合触媒が例示され、これらの1種または2種以上を必要に応じて用いればよい。硬化触媒の使用量は(A)成分と(B)成分を反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましく1〜10重量部程度が更に好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて接着性付与剤や溶剤、その他の添加剤等を添加することができる。
接着性付与剤の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;アミノ基含有シラン類と各種ケトンとの脱水縮合により得られるケチミン化シラン類等が挙げられる。これら接着性付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
溶剤には、炭化水素類、酢酸エステル類、アルコール類、エーテル類、ケトン類のごとき非反応性のものが挙げられ、このような溶剤であれば特に限定はない。
その他の添加剤としては、例えば、水添ヒマシ油、有機ベントナイト、ステアリン酸カルシウム等のタレ防止剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。さらに、必要に応じて接着性改良剤、物性調整剤、保存安定性改良剤、滑剤、顔料、発泡剤等の添加剤も適宜添加することが可能である。
(A)成分と(B)成分を反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と(C)成分、(D)成分を含有する本発明の硬化性組成物の製造法は特に限定されず、例えば上記成分を配合し、ミキサー、ロール又はニーダー等を用いて混練りする方法、溶剤を用いて各成分を溶解させ混合する等の通常の方法が採用されうる。またこの組成物は1成分型あるいは2成分型いずれの組成物とすることも可能である。
(合成例1)
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒として用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量30200(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布1.2のポリオキシプロピレンジオールを得た。ナトリウムメチラートの30%メタノール溶液2重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついでアリルクロライド1.3重量部を加え5時間反応をさせた後、未反応のアリルクロライドを減圧脱揮により除去した後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のアリル末端基を含有するポリオキシアルキレン系重合体(P1)を得た。
(合成例2)
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒として用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量30200(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布1.2のポリオキシプロピレンジオールを得た。ナトリウムメチラートの30%メタノール溶液2重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついでメタリルクロライド1.6重量部を加え5時間反応をさせた後、未反応のメタリルクロライドを減圧脱揮により除去した後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のメタリル末端基を含有するポリオキシアルキレン系重合体(P2)を得た。
(合成例3)
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒として用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量20500(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布1.2のポリオキシプロピレンジオールを得た。ナトリウムメチラートの30%メタノール溶液2.5重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついでアリルクロライド1.5重量部を加え5時間反応をさせた後、未反応のアリルクロライドを減圧脱揮により除去した後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のアリル末端基を含有するポリオキシアルキレン系重合体(P3)を得た。
(合成例4)
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒として用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量14300(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布1.1のポリオキシプロピレンジオールを得た。ナトリウムメチラートの30%メタノール溶液4.2重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついでアリルクロライド2.8重量部を加え5時間反応をさせた後、未反応のアリルクロライドを減圧脱揮により除去した後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のアリル末端基を含有するポリオキシアルキレン系重合体(P4)を得た。
(合成例5)
数平均分子量が3000のポリオキシプロピレンジオールにナトリウムメチラートの30%メタノール溶液11.4重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行った。ついでジクロルメタン2重量部を加え、5時間反応をさせた後、未反応のジクロルメタンを減圧脱揮により除去した。さらにナトリウムメチラートの30%メタノール溶液4重量部を加えた後、130℃でメタノールが回収されなくなるまで減圧脱揮を行い、ついでアリルクロライド2.5重量部を加え、5時間反応をさせた後、未反応のアリルクロライドを減圧脱揮により除去した。その後、ヘキサンと水により精製し、1分子中に概ね2個のアリル末端基を含有する数平均分子量17000(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布2.0のポリオキシアルキレン系重合体(P5)を得た。
(合成例6)
合成例1で得たP1のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.37モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P6)を得た。
(合成例7)
合成例1で得たP1のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.5モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P7)を得た。
(合成例8)
合成例1で得たP1のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.6モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P8)を得た。
(合成例9)
合成例1で得たP1のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.7モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P9)を得た。
(合成例10)
合成例1で得たP1のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.8モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P10)を得た。
(合成例11)
合成例2で得たP2のメタリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.98モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P11)を得た。
(合成例12)
合成例3で得たP3のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.6モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P12)を得た。
(合成例13)
合成例4で得たP4のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.6モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P13)を得た。
(合成例14)
合成例4で得たP4のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.8モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P14)を得た。
(合成例15)
合成例5で得たP5のアリル基1モルに対してジメトキシメチルシラン0.6モルを塩化白金酸の存在下反応させて、分子末端にジメトキシメチルシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P15)を得た。
(合成例16)
数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオールを開始剤として、複合金属シアン化物錯体触媒として用いて、プロピレンオキシドを重合することにより数平均分子量30200(GPCより求めたポリスチレン換算値)、分子量分布1.2のポリオキシプロピレンジオールを得た。得られたポリプロピレングリコールの水酸基1モルに対してγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン0.6モルを加えてウレタン化反応を行い、分子末端にトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(P16)を得た。
作業性:BS型粘度計、ローターNo.7、回転数2rpm、23℃での粘度を測定。
ダンベル引張試験:厚さ3mmのシートを作製し、23℃湿度60%で3日間養生により硬化させ、更に50℃オーブンで4日間養生し、室温に戻した後、JIS3号ダンベルを打ち抜き、引張り速度200mm/minにおける100%伸張時応力(M100)、及び破断時伸びをオートグラフで測定した。
石材への染み出し汚染性: 天然大理石に接した目地を作成し、シーリング材目地からの液状成分の染み出し幅を測定した。
塗料汚染性:厚さ3mmのシートを作製し、23℃湿度60%で1日養生後、表面にアクリルエマルジョン系塗料を塗布し更に23℃湿度60%で1日養生後、屋外に暴露し塗料表面への埃付着性を3段階で評価した。
(比較例1)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例11で得られたP11を120重量部用いること、および可塑剤として数平均分子量3000のポリオキシプロピレンジオール36重量部を用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
(比較例2)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例6で得られたP6を120重量部用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
(比較例3)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例10で得られたP10を120重量部用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
(比較例4)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例13で得られたP13を120重量部用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
(比較例5)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例14で得られたP14を120重量部用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
(比較例6)
反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体として合成例15で得られたP15を120重量部用いることを除いては、実施例1と同様の方法で硬化性組成物を作成し、同様の評価を行った。
結果を表1に示す。
注1:反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体1分子中の反応性ケイ素基の個数
注2:反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対する可塑剤の重量部数
注3:反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と可塑剤およびジブチルスズビスアセチルアセトナートのみで硬化させ、得られた硬化物を23℃で3日および50℃で4日養生後、アセトンに2日間浸漬し、硬化物の重量変化から未架橋成分(架橋性ケイ素基を一つも有しない成分)の割合を算出した。
本発明の硬化性組成物は、作業性が良好であり、かつ得られる硬化物は耐汚染性が良好であり、またシーリング剤として好ましい機械的特性を有することが分かる。
Claims (7)
- 分子量分布が1.6以下、数平均分子量が15,000〜50,000であり1分子中に平均して0.8個以上の反応性基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)に、分子中に反応性ケイ素基および(A)の反応性基と反応しうる官能基を有する有機化合物(B)を、(A)成分1分子に対して平均0.8〜1.5個反応させて得られる反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体と、充填剤(C)、および硬化触媒(D)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
- 請求項1に記載の硬化性組成物に含まれる液状成分のうち、反応性ケイ素基を少なくとも1つ以上有する成分の含有率x(wt%)と、反応性ケイ素基を有しない成分の含有率y(wt%)の比y/xが0.4以下であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
(ただしx+y=100。また、ここで反応性ケイ素基を有しない液状成分としては、請求項1に記載の(A)成分に(B)成分を反応させた時に反応性ケイ素基が一つも導入されなかったポリオキシアルキレン系重合体、および請求項1に記載の硬化性組成物が可塑剤を含有する場合はその可塑剤成分を指す。) - 請求項1に記載の反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対し、10重量部以下の可塑剤を含有する、または、可塑剤を含有しないことを特徴とする請求項1および2のうちいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (A)成分の反応性基がアルケニル基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基としてヒドロシリル基を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (A)成分の反応性基が水酸基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基としてイソシアネート基を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (A)成分の反応性基がイソシアネート基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基としてアミノ基を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (A)成分の反応性基がアルケニル基であり、かつ(B)成分が(A)成分と反応しうる官能基としてメルカプト基を有する有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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