JP2002338959A - 蛍光体粒子及びその製造方法、表示用パネル及びその製造方法、並びに、平面型表示装置及びその製造方法 - Google Patents

蛍光体粒子及びその製造方法、表示用パネル及びその製造方法、並びに、平面型表示装置及びその製造方法

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JP2002338959A
JP2002338959A JP2002051265A JP2002051265A JP2002338959A JP 2002338959 A JP2002338959 A JP 2002338959A JP 2002051265 A JP2002051265 A JP 2002051265A JP 2002051265 A JP2002051265 A JP 2002051265A JP 2002338959 A JP2002338959 A JP 2002338959A
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water glass
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Yasushi Ito
靖 伊藤
Takahiro Igarashi
崇裕 五十嵐
Muneharu Hayashi
宗治 林
Katsutoshi Ono
勝利 大野
Tsuneo Kusuki
常夫 楠木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子の照射によっても経時的に劣化することが
少なく、輝度が低下を抑制し得る蛍光体粒子の製造方法
を提供する。 【解決手段】蛍光体粒子の製造方法は、水ガラスと蛍光
体粒子と酢酸塩又は硝酸塩との混合溶液中で、水ガラス
と酢酸塩又は硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に
酸化珪素(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体粒子及びそ
の製造方法、表示用パネル及びその製造方法、並びに、
平面型表示装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず、固体から真空中に電子を放出することが可能な
冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)も提案されており、画面の
明るさ及び低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置の代表的な構
成例を図7に示す。この冷陰極電界電子放出表示装置に
おいては、表示用パネル20と背面パネル10とが対向
配置され、両パネル10,20は、各々の周縁部におい
て枠体30を介して互いに接着され、両パネル間の閉鎖
空間が真空空間とされている。背面パネル10は、電子
放出体として冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出
素子と呼ぶ)を備えている。図7では、電界放出素子の
一例として、円錐形の電子放出部16Aを有する、所謂
スピント(Spindt)型電界放出素子を示す。スピ
ント型電界放出素子は、基板11上に形成されたストラ
イプ状のカソード電極12と、カソード電極12及び基
板11上に形成された絶縁層13と、絶縁層13上に形
成されたストライプ状のゲート電極14と、ゲート電極
14及び絶縁層13に設けられた開口部15内に形成さ
れた円錐形の電子放出部16Aから構成されている。
尚、電子放出部16Aは、開口部15の底部に位置する
カソード電極12の部分の上に設けられている。通常、
多数の電子放出部16Aが、後述する発光体層22の1
つに対応付けられている。電子放出部16Aには、カソ
ード電極駆動回路31からカソード電極12を通じて相
対的に負電圧(ビデオ信号)が印加され、ゲート電極1
4にはゲート電極駆動回路32から相対的に正電圧(走
査信号)が印加される。これらの電圧印加によって生じ
た電界に応じ、電子放出部16Aの先端から電子が量子
トンネル効果に基づき放出される。尚、電子放出部とし
ては、上述のようなスピント型電界放出素子に限られ
ず、所謂扁平型やエッジ型、平面型やクラウン型等、他
のタイプの電界放出素子が用いられる場合もある。ま
た、上述とは逆に、走査信号がカソード電極12に入力
され、ビデオ信号がゲート電極14に入力される場合も
ある。
【0004】一方、表示用パネル20は、ガラス等から
成る支持体21上にドット状あるいはストライプ状に形
成された複数の発光体層22と、発光体層22上に形成
された導電性反射膜から成るアノード電極24を有す
る。発光体層22と発光体層22との間には隔壁23が
形成されている。アノード電極24には、加速電源(ア
ノード電極駆動回路)33から、ゲート電極14に印加
される正電圧よりも高い正電圧が印加され、電子放出部
16Aから真空空間中へ放出された電子を、発光体層2
2に向かって誘導する役割を果たす。また、アノード電
極24は、発光体層22を構成する蛍光体粒子をイオン
等の粒子によるスパッタから保護する機能、電子励起に
よって生じた発光体層22の発光を支持体側へ反射さ
せ、支持体21の外側から観察される表示画面の輝度を
向上させる機能、及び、過剰な帯電を防止して表示用パ
ネル20の電位を安定化させる機能も有する。即ち、ア
ノード電極24は、アノード電極としての機能を果たす
だけでなく、陰極線管(CRT)の分野でメタルバック
膜として知られる部材が果たす機能を兼ねている。アノ
ード電極24は、通常、アルミニウム薄膜から構成され
ている。
【0005】図8の(A)に、発光体層(赤色発光体層
22R、緑色発光体層22G、青色発光体層22B)が
ドット状に形成された表示用パネルの模式的な平面図を
示し、図8の(B)に、図8の(A)の線X−Xに沿っ
た模式的な一部断面図を示す。また、図9の(A)に、
発光体層22R,22G,22Bがストライプ状に形成
された表示用パネルの模式的な平面図を示し、図9の
(B)に、図9の(A)の線X−Xに沿った模式的な一
部断面図を示す。尚、図8の(A)、(B)及び図9の
(A)、(B)においては、隔壁の表示を省略した。発
光体層22R,22G,22Bが配列されている領域が
冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果
たす有効領域であり、アノード電極24の形成領域はこ
の有効領域にほぼ一致している。図8の(A)及び図9
の(A)では、明確化のために、アノード電極24の形
成領域に斜線を施した。有効領域の周囲は、周辺回路の
収容や表示画面の機械的支持等、有効領域の機能を支援
する無効領域である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような蛍光体粒子
には、電子の照射によって経時的に劣化し、輝度が低下
するといった問題がある。輝度低下は、表示装置におい
ては致命的である。それ故、蛍光体粒子の輝度低下防止
対策をとる必要がある。
【0007】輝度低下防止対策として、輝度低下が生じ
難い蛍光体粒子の使用が考えられる。しかしながら、現
状では、輝度低下が少なく、しかも、発光効率の高い蛍
光体粒子は見つかっていない。陰極線管においては、硫
化亜鉛系の蛍光体粒子[青色発光用として、(ZnS:
Ag,Cl)や(ZnS:Ag,Al)等、緑色発光用
として、(ZnS:Cu,Al)等]が多く用いられて
いる。これらの蛍光体粒子は、輝度低下を生じ易いが、
発光効率が高い。輝度低下が生じ難いならば、これらの
蛍光体粒子は冷陰極電界電子放出表示装置での使用に最
適である。一方、酸化物系の蛍光体粒子[青色発光用と
して、(Y2SiO5:Ce)等、緑色発光用として、
(Y2SiO5:Tb)等]は、輝度低下が生じ難いもの
の、発光効率が硫化亜鉛系の蛍光体粒子の0.3〜0.
6程度しかない。従って、これらの蛍光体粒子は、冷陰
極電界電子放出表示装置での使用に余り適しているとは
云い難い。
【0008】輝度低下防止対策として、アノード電極に
印加する電圧(加速電圧)を出来るだけ高くする方法も
考えられる。加速電圧が高い程、電子線ビームのエネル
ギーを蛍光体粒子の広い範囲で受けることができるが故
に蛍光体粒子の損傷が少なく、蛍光体粒子の損傷に起因
した輝度低下は少ない。図19に、(ZnS:Ag,C
l)から成る従来の青色を発光する蛍光体粒子における
加速電圧と輝度低下の関係の一例を示す。図19におい
て、黒丸印は加速電圧が12キロボルトの場合を示し、
黒三角印は加速電圧が7キロボルトの場合を示す。加速
電圧が低い程、輝度低下が著しい。
【0009】蛍光体粒子の平均粒径は、一般に、4〜1
0μmである。そして、加速電圧が数キロボルトと低い
場合、蛍光体粒子への電子の侵入深さは数百nm程度で
あり、蛍光体粒子の表面部分にしか電子は侵入しない。
即ち、電子線ビームのエネルギーを蛍光体粒子の狭い範
囲で受けなければならない。そして、発光現象は、蛍光
体粒子表面近傍のみで生じる。
【0010】蛍光体粒子の損傷は、H2O等の雰囲気ガ
スと表面あるいはその近傍の蛍光体粒子の部分との間の
化学的反応が電子の存在によって促進されると考えられ
ている(例えば、文献 T. A. Trottier, H.C. Swart,
S.L. Jones, J.S. Sebastian,P.H. Holloway : Journal
of the SID, 4/4, 351, 1996 参照)。
【0011】蛍光体粒子の損傷を生じさせる反応が蛍光
体粒子表面近傍において起こるが故に、輝度低下が顕著
となる。一方、加速電圧が高い場合、電子がより深く蛍
光体粒子内部にまで侵入し(陰極線管のような加速電圧
が30キロボルトの場合、数μm)、蛍光体粒子全体が
発光する。雰囲気ガスにより損傷する蛍光体粒子の部位
は表面近傍のみであり、発光している領域の極く一部で
あるが故に、加速電圧が高い場合、輝度低下は小さい。
【0012】従って、輝度低下の防止といった観点から
は、出来る限り高い加速電圧を採用すべきである。しか
しながら、冷陰極電界電子放出表示装置の場合、電子の
加速電圧が高過ぎると、背面パネルのゲート電極や電子
放出部と、表示用パネルに設けられたアノード電極との
間で火花放電が極めて発生し易くなり、表示品質が著し
く損なわれる虞が大きい。このような放電の発生を防止
するためには、表示用パネル(アノードパネル)20と
背面パネル(カソードパネル)10との間の距離を出来
る限り長くする必要がある。
【0013】ところで、冷陰極電界電子放出表示装置の
内部空間は高真空状態にある。それ故、大気圧に耐えら
れるようにするために、表示用パネル20と背面パネル
10との間の画像表示に影響の無い部分にスペーサ(図
7には図示せず)を配置しておく必要がある。表示用パ
ネル20と背面パネル10との間の耐圧、放電発生防止
を考慮すると、加速電圧を6キロボルトから8キロボル
ト程度とするためには、スペーサの高さを1mm程度と
する必要がある。一方、画像表示に影響を与えないため
には、スペーサの厚さを高々数十μmとしなければなら
ない。このように、スペーサは、高さの割に厚さが極め
て薄く、冷陰極電界電子放出表示装置の組立時、スペー
サの取り付けには極めて高い精度が要求される。従っ
て、スペーサの高さを高くして、表示用パネル20と背
面パネル10との間の距離を長くして、加速電圧を高く
するといった手段の採用は、現実には極めて困難であ
る。
【0014】また、冷陰極電界電子放出表示装置におい
ては、陰極線管と比較して加速電圧が低いが故に、十分
なる輝度を得るためには、電流を多く流さなければなら
ない。然るに、多くの蛍光体粒子は導電性に乏しいた
め、電流を多く流した場合、蛍光体粒子の表面が帯電
し、蛍光体粒子の劣化を招く。
【0015】蛍光体粒子の表面に保護膜を形成すること
で、蛍光体粒子の輝度低下を防止する方法も考えられ
る。保護膜の材料として、SiO2やIn23が検討さ
れている(例えば、特許第2514423号、文献 H.
Kominami, T. Aoki, T. Nakamura, N. Azuma, Y. Nakan
ishi, Y. Hatanaka : The Fifth International Confer
ence on the Science and Technology of Display Phos
phors, P345, Nov. 8-10, 1999, San Diego, Calfornia
や、文献 J.M. Fitz-Gerald, T.A. Trottier, R.K. Si
ngh, P.H. Holloway : Applied Physics Letters, 72(1
5) 1, 1998 参照)。保護膜は、蛍光体粒子の表面に薄
く形成しなければならない。保護膜の厚さが厚いと、電
子が保護膜においてそのエネルギーを失ってしまい、発
光効率の低下を招くからである。しかしながら、蛍光体
粒子の表面に薄く(例えば、数nm程度)、しかも、均
一な膜厚の保護膜を形成することは困難であり、また、
製造コストが高くなる。
【0016】更には、特開昭58−80375号公報に
は、硫化カルシウム(CaS)といった加水分解性を有
するアルカリ土類金属硫化物から成る蛍光体粒子の表面
を水ガラスで被覆する技術が開示されている。また、特
開平7−312287号公報には、水ガラスと硫酸アル
ミニウムと水酸化ナトリウムの混合溶液を用いて蛍光体
粒子の表面を被覆する技術が開示されている。しかしな
がら、特開昭58−80375号公報に開示された技術
にあっては、蛍光体粒子の表面に保護膜を形成すること
が困難であり、蛍光体粒子の劣化を十分に防止すること
が困難であることが判明した。また、特開平7−312
287号公報に開示された技術にあっては、保護膜に含
まれるAlが硫化亜鉛に固溶し易く、発光色の変化や発
光効率の低下を招く可能性があることが判明した。
【0017】また、蛍光体粒子と導電性物質とを混合し
たり、劣化に耐性のある複数種の蛍光体粒子を混合する
技術も知られている。しかしながら、これらの方法で得
られた蛍光体粒子混合物に基づき発光体層を形成しよう
とした場合、比重の相違、粒径や粒子形状の相違に起因
して、均一な発光体層を形成することが困難である。ま
た、全ての蛍光体粒子が導電性物質と接触しているとは
限られないため、蛍光体粒子の劣化を十分に防止するこ
とができない。
【0018】従って、本発明の目的は、電子の照射によ
っても経時的に劣化することが少なく、輝度の低下を抑
制し得る蛍光体粒子及びその製造方法、かかる蛍光体粒
子を用いた表示用パネル及びその製造方法、並びに、か
かる表示用パネルを適用した平面型表示装置及びその製
造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る蛍光体粒子は、酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が表面に形成
されており、該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
び酢酸塩であることを特徴とする。
【0020】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る蛍光体粒子は、酸化珪素(SiOX)を主
成分としたガラス状薄膜が表面に形成されており、該ガ
ラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸塩であるこ
とを特徴とする。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る表示用パネルは、 支持体、真空空間中か
ら飛来した電子の照射によって発光する蛍光体粒子から
成る発光体層、及び、電極から成る表示用パネルであっ
て、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜が形成されており、該ガラス
状薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸塩であることを
特徴とする。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る表示用パネルは、支持体、真空空間中から
飛来した電子の照射によって発光する蛍光体粒子から成
る発光体層、及び、電極から成る表示用パネルであっ
て、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜が形成されており、該ガラス
状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸塩であることを
特徴とする。
【0023】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る平面型表示装置は、表示用パネルと、複数
の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を挟ん
で対向配置されて成る平面型表示装置であって、表示用
パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電子の照
射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
び、電極から成り、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が形成されて
おり、該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸
塩であることを特徴とする。
【0024】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る平面型表示装置は、表示用パネルと、複数
の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を挟ん
で対向配置されて成る平面型表示装置であって、表示用
パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電子の照
射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
び、電極から成り、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が形成されて
おり、該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸
塩であることを特徴とする。
【0025】本発明の第1の態様に係る蛍光体粒子、表
示用パネル若しくは平面型表示装置にあっては、酢酸塩
として、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム及び酢酸ア
ルミニウムから成る群から選択された少なくとも1種の
酢酸塩を挙げることができる。一方、本発明の第2の態
様に係る蛍光体粒子、表示用パネル若しくは平面型表示
装置にあっては、硝酸塩として、硝酸バリウム、硝酸ス
トロンチウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択
された少なくとも1種の硝酸塩を挙げることができる。
また、本発明の第1の態様に係る蛍光体粒子、表示用パ
ネル若しくは平面型表示装置にあっては、出発物質を、
水ガラスと1種類の酢酸塩と1種類の硝酸塩とすること
もできるし、水ガラスと2種類以上の酢酸塩とすること
もできるし、水ガラスと2種類以上の硝酸塩とすること
もできるし、水ガラスと1種類の酢酸塩と2種類以上の
硝酸塩とすることもできるし、水ガラスと2種類以上の
酢酸塩と1種類の硝酸塩とすることもできる。尚、出発
物質をこれらの金属を含む酢酸塩あるいは硝酸塩とした
場合、ガラス状薄膜中にこれらの金属が残存する場合が
ある。
【0026】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る蛍光体粒子の製造方法は、水ガラスと蛍光
体粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩と
を反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX
を主成分としたガラス状薄膜を形成することを特徴とす
る。
【0027】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る蛍光体粒子の製造方法は、水ガラスと蛍光
体粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩と
を反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX
を主成分としたガラス状薄膜を形成することを特徴とす
る。
【0028】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る表示用パネルの製造方法は、支持体、真空
空間中から飛来した電子の照射によって発光する蛍光体
粒子から成る発光体層、及び、電極から成る表示用パネ
ルの製造方法であって、水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩
との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍
光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成分とした
ガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄膜によって、該混
合溶液中に配置された支持体上に蛍光体粒子を固定し、
且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固定し、以て、該支
持体上に蛍光体粒子から構成された発光体層を形成する
ことを特徴とする。
【0029】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る表示用パネルの製造方法は、支持体、真空
空間中から飛来した電子の照射によって発光する蛍光体
粒子から成る発光体層、及び、電極から成る表示用パネ
ルの製造方法であって、水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩
との混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩とを反応させ、蛍
光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成分とした
ガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄膜によって、該混
合溶液中に配置された支持体上に蛍光体粒子を固定し、
且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固定し、以て、該支
持体上に蛍光体粒子から構成された発光体層を形成する
ことを特徴とする。
【0030】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る平面型表示装置の製造方法は、表示用パネ
ルと、複数の電子放出領域を有する背面パネルとが真空
空間を挟んで対向配置されて成る平面型表示装置の製造
方法であって、表示用パネルを、水ガラスと蛍光体粒子
と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応
させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成
分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄膜によっ
て、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光体粒子を
固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固定し、以
て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発光体層を
形成する、工程にて製造することを特徴とする。
【0031】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る平面型表示装置の製造方法は、表示用パネ
ルと、複数の電子放出領域を有する背面パネルとが真空
空間を挟んで対向配置されて成る平面型表示装置の製造
方法であって、表示用パネルを、水ガラスと蛍光体粒子
と硝酸塩との混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩とを反応
させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成
分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄膜によっ
て、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光体粒子を
固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固定し、以
て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発光体層を
形成する、工程にて製造することを特徴とする。
【0032】本発明の第1の態様に係る蛍光体粒子の製
造方法、表示用パネルの製造方法若しくは平面型表示装
置の製造方法にあっては、酢酸塩として、酢酸バリウ
ム、酢酸ストロンチウム及び酢酸アルミニウムから成る
群から選択された少なくとも1種の酢酸塩を挙げること
ができる。一方、本発明の第2の態様に係る蛍光体粒子
の製造方法、表示用パネルの製造方法若しくは平面型表
示装置の製造方法にあっては、硝酸塩として、硝酸バリ
ウム、硝酸ストロンチウム及び硝酸アルミニウムから成
る群から選択された少なくとも1種の硝酸塩を挙げるこ
とができる。また、本発明の第1の態様に係る蛍光体粒
子の製造方法、表示用パネルの製造方法若しくは平面型
表示装置の製造方法にあっては、出発物質を、水ガラス
と1種類の酢酸塩と1種類の硝酸塩とすることもできる
し、水ガラスと2種類以上の酢酸塩とすることもできる
し、水ガラスと2種類以上の硝酸塩とすることもできる
し、水ガラスと1種類の酢酸塩と2種類以上の硝酸塩と
することもできる。尚、これらの金属を含む酢酸塩ある
いは硝酸塩を用いる場合、ガラス状薄膜中にこれらの金
属が残存する場合がある。
【0033】本発明の第1の態様に係る表示用パネルの
製造方法若しくは平面型表示装置の製造方法において、
水ガラスと酢酸塩とを反応させる工程は、酢酸塩の溶液
中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガラスと蛍光体粒子
の混合物溶液を添加し、酢酸塩と該混合物溶液中の水ガ
ラスとを反応させる工程から成ることが好ましい。一
方、本発明の第2の態様に係る蛍光体粒子の製造方法、
表示用パネルの製造方法若しくは平面型表示装置の製造
方法において、水ガラスと硝酸塩とを反応させる工程
は、硝酸塩の溶液中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガ
ラスと蛍光体粒子の混合物溶液を添加し、硝酸塩と該混
合物溶液中の水ガラスとを反応させる工程から成ること
が好ましい。また、本発明の第1の態様若しくは第2の
態様に係る蛍光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造
方法若しくは平面型表示装置の製造方法にあっては、支
持体の表面には隔壁が形成されており、発光体層を形成
しない支持体の領域の上方に、隔壁頂面によって担持さ
れたフィルムを予め配設しておき、発光体層の形成後、
該フィルムを除去することが望ましい。これによって、
三原色を発光する発光体層(赤色を発光する発光体層、
緑色を発光する発光体層、青色を発光する発光体層)の
それぞれを、支持体の所望の領域に確実に形成すること
ができる。尚、隔壁の高さは、形成すべき発光体層の厚
さよりも高いことが望ましい。フィルムとして、感光性
及び接着性を有するフィルム、所謂ドライ・フィルムを
挙げることができる。更には、表示用パネルや平面型表
示装置の構造に依っては、発光体層の形成後、発光体層
上に電極を形成すればよい。
【0034】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る蛍光体粒子は、酸化珪素(SiOX)を主
成分としたガラス状薄膜が表面に形成されており、該ガ
ラス状薄膜上に金属酸化膜が形成されていることを特徴
とする。
【0035】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る表示用パネルは、支持体、真空空間中から
飛来した電子の照射によって発光する蛍光体粒子から成
る発光体層、及び、電極から成る表示用パネルであっ
て、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜が形成されており、該ガラス
状薄膜上に金属酸化膜が形成されていることを特徴とす
る。
【0036】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る平面型表示装置は、表示用パネルと、複数
の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を挟ん
で対向配置されて成る平面型表示装置であって、表示用
パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電子の照
射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
び、電極から成り、該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が形成されて
おり、該ガラス状薄膜上に金属酸化膜が形成されている
ことを特徴とする。
【0037】本発明の第3の態様に係る蛍光体粒子、表
示用パネル、あるいは、平面型表示装置にあっては、ガ
ラス状薄膜の出発物質を、水ガラス及び酢酸塩とするこ
とができる。そして、この場合、酢酸塩として、酢酸バ
リウム、酢酸ストロンチウム及び酢酸アルミニウムから
成る群から選択された少なくとも1種の酢酸塩を挙げる
ことができる。あるいは又、ガラス状薄膜の出発物質
を、水ガラス及び硝酸塩とすることができる。そして、
この場合、硝酸塩として、硝酸バリウム、硝酸ストロン
チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
少なくとも1種の硝酸塩を挙げることができる。更に
は、出発物質を、水ガラスと1種類の酢酸塩と1種類の
硝酸塩とすることもできるし、水ガラスと2種類以上の
酢酸塩とすることもできるし、水ガラスと2種類以上の
硝酸塩とすることもできるし、水ガラスと1種類の酢酸
塩と2種類以上の硝酸塩とすることもできるし、水ガラ
スと2種類以上の酢酸塩と1種類の硝酸塩とすることも
できる。尚、これらの金属を含む酢酸塩あるいは硝酸塩
を用いる場合、ガラス状薄膜中にこれらの金属が残存す
る場合がある。
【0038】また、本発明の第3の態様に係る蛍光体粒
子、表示用パネル、あるいは、平面型表示装置にあって
は、金属酸化膜は、酸化亜鉛(ZnO)から成り、ある
いは又、インジウム−錫酸化物(ITO)から成り、あ
るいは又、酸化インジウム(In23)から成ることが
望ましい。
【0039】上記の目的を達成するための第3の態様に
係る蛍光体粒子の製造方法は、(A)水ガラスと蛍光体
粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを
反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜を形成する工程と、(B)該
ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、から成る
ことを特徴とする。
【0040】上記の目的を達成するための第4の態様に
係る蛍光体粒子の製造方法は、(A)水ガラスと蛍光体
粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩とを
反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜を形成する工程と、(B)該
ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、から成る
ことを特徴とする。
【0041】上記の目的を達成するための第3の態様に
係る表示用パネルの製造方法は、支持体、真空空間中か
ら飛来した電子の照射によって発光する蛍光体粒子から
成る発光体層、及び、電極から成る表示用パネルの製造
方法であって、蛍光体粒子を、(A)水ガラスと蛍光体
粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを
反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜を形成する工程と、(B)該
ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、を経て形
成することを特徴とする。
【0042】上記の目的を達成するための第4の態様に
係る表示用パネルの製造方法は、支持体、真空空間中か
ら飛来した電子の照射によって発光する蛍光体粒子から
成る発光体層、及び、電極から成る表示用パネルの製造
方法であって、蛍光体粒子を、(A)水ガラスと蛍光体
粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩とを
反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を
主成分としたガラス状薄膜を形成する工程と、(B)該
ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、を経て形
成することを特徴とする。
【0043】上記の目的を達成するための第3の態様に
係る平面型表示装置の製造方法は、表示用パネルと、複
数の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を挟
んで対向配置されて成る平面型表示装置の製造方法であ
って、表示用パネルは、支持体、真空空間中から飛来し
た電子の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光
体層、及び、電極から成り、蛍光体粒子を、(A)水ガ
ラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラス
と酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜を形成する工
程と、(B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する
工程、を経て形成することを特徴とする。
【0044】上記の目的を達成するための第4の態様に
係る平面型表示装置の製造方法は、表示用パネルと、複
数の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を挟
んで対向配置されて成る平面型表示装置の製造方法であ
って、表示用パネルは、支持体、真空空間中から飛来し
た電子の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光
体層、及び、電極から成り、蛍光体粒子を、(A)水ガ
ラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガラス
と硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜を形成する工
程と、(B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する
工程、を経て形成することを特徴とする。
【0045】本発明の第3の態様に係る蛍光体粒子の製
造方法、表示用パネルの製造方法、あるいは又、平面型
表示装置の製造方法にあっては、酢酸塩として、酢酸バ
リウム、酢酸ストロンチウム及び酢酸アルミニウムから
成る群から選択された少なくとも1種の酢酸塩を挙げる
ことができる。一方、本発明の第4の態様に係る蛍光体
粒子の製造方法、表示用パネルの製造方法、あるいは
又、平面型表示装置の製造方法にあっては、硝酸塩とし
て、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム及び硝酸アルミ
ニウムから成る群から選択された少なくとも1種の硝酸
塩を挙げることができる。また、本発明の第3の態様に
係る蛍光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造方法若
しくは平面型表示装置の製造方法にあっては、出発物質
を、水ガラスと1種類の酢酸塩と1種類の硝酸塩とする
こともできるし、水ガラスと2種類以上の酢酸塩とする
こともできるし、水ガラスと2種類以上の硝酸塩とする
こともできるし、水ガラスと1種類の酢酸塩と2種類以
上の硝酸塩とすることもできるし、水ガラスと2種類以
上の酢酸塩と1種類の硝酸塩とすることもできる。尚、
これらの金属を含む酢酸塩あるいは硝酸塩を用いる場
合、ガラス状薄膜中にこれらの金属が残存する場合があ
る。
【0046】本発明の第3の態様若しくは第4の態様に
係る蛍光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造方法、
あるいは又、平面型表示装置の製造方法にあっては、金
属酸化膜の形成は、レーザーアブレーション法、スパッ
タリング法あるいは真空蒸着法に例示される各種の物理
的気相成長法(PVD法)に基づくことが好ましいが、
中でも、レーザーアブレーション法に基づくことが望ま
しい。また、金属酸化膜は、導電性を有することが望ま
しく、酸化亜鉛(ZnO)から成り、あるいは又、イン
ジウム−錫酸化物(ITO)から成り、あるいは又、酸
化インジウム(In23)から成ることが好ましい。更
には、表示用パネルや平面型表示装置の構造に依って
は、発光体層の形成後、発光体層上に電極を形成すれば
よい。
【0047】本発明の第1の態様〜第3の態様に係る蛍
光体粒子、表示用パネル若しくは平面型表示装置、ある
いは又、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る蛍光体
粒子の製造方法、表示用パネルの製造方法若しくは平面
型表示装置の製造方法(以下、これらを総称して、単に
本発明と呼ぶ場合がある)における水ガラスとして、日
本工業規格(JIS)K1408に規定される1号乃至
4号、又はこれらの同等品を使用することができる。こ
こで、水ガラスとは、二酸化珪素とアルカリとを溶解し
て得られた珪酸アルカリ塩を濃厚水溶液にしたものを指
す。1号乃至4号は、水ガラスの構成成分である酸化ナ
トリウム(Na2O)1モルに対する二酸化珪素(Si
2)のモル数(約2〜4モル)の違いに基づく4段階
の等級であり、それぞれ粘度が大きく異なる。あるいは
又、K2Oを主成分とする水ガラスを用いることもでき
る。
【0048】本発明の第1の態様〜第4の態様に係る蛍
光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造方法若しくは
平面型表示装置の製造方法においては、水ガラス水溶液
の濃度、酢酸塩溶液(具体的には酢酸塩水溶液)あるい
は硝酸塩溶液(具体的には硝酸塩水溶液)の濃度、全水
溶液に対する水ガラスの濃度は、ガラス状薄膜の膜厚や
発光体層の強度が最適となるように決定すればよい。ま
た、水ガラスと蛍光体粒子の混合割合は、例えば、発光
体層の膜厚に応じて決定すればよい。
【0049】隔壁は、発光体層と衝突した電子が後方散
乱され、隣接する発光体層に再び衝突してかかる発光体
層を発光させるといった、所謂光学的クロストークの発
生を防止する機能も有する。光学的クロストークが発生
すると、本来、発光すべき色に加えて不要な色が混合す
るので、色度が低下する。電子の加速電圧が高くなるに
従い、電子の後方散乱が大きくなる。従って、隔壁の高
さは、形成すべき発光体層の厚さを考慮するだけでな
く、電子の後方散乱をも考慮して、決定することが望ま
しい。
【0050】本発明にあっては、発光体層上に電極が形
成されている構成とすることができるが、この場合、電
極は、発光体層と直接接して形成されていてもよいし、
発光体層の上方に隙間を空けて形成されていてもよい。
発光体層上に電極が形成されているとは、これらの形態
を包含する概念である。場合によっては、電極の上に発
光体層が形成されていてもよい。この場合、発光体層
は、電極と直接接して形成されていてもよいし、電極の
上方に形成されていてもよい。電極上に発光体層が形成
されているとは、これらの形態を包含する概念である。
【0051】本発明にあっては、粒径1μm〜10ミク
ロン程度の蛍光体粒子を用いることが好ましい。また、
蛍光体粒子を構成するコア材は、II−VI族元素から
成ることが好ましい。ここで、コア材を構成するII族
元素として、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)を挙げ
ることができ、VI族元素として、硫黄(S)、セレン
(Se)、テルル(Te)を挙げることができる。即
ち、コア材を構成するII/VI族元素の組合せとし
て、(Zn/S)、(Zn/Se)、(Zn/Te)、
(Zn/S,Se)、(Zn/S,Te)、(Zn/S
e,Te)、(Zn/S,Se,Te)、(Cd/
S)、(Cd/Se)、(Cd/Te)、(Cd/S,
Se)、(Cd/S,Te)、(Cd/Se,Te)、
(Cd/S,Se,Te)、(Zn,Cd/S)、(Z
n,Cd/Se)、(Zn,Cd/Te)、(Zn,C
d/S,Se)、(Zn,Cd/S,Te)、(Zn,
Cd/Se,Te)、(Zn,Cd/S,Se,Te)
を挙げることができる。
【0052】更には、蛍光体粒子は、II−VI族元素
から成るコア材、付活剤、及び、共付活剤から成ること
が好ましい。そして、この場合、コア材を構成する元素
は亜鉛(Zn)及び硫黄(S)であり、付活剤を構成す
る元素は銀(Ag)であり、共付活剤を構成する元素は
アルミニウム(Al)又は塩素(Cl)である構成とす
ることができ、あるいは又、付活剤を構成する元素は銀
(Ag)及び銅(Cu)であり、共付活剤を構成する元
素はアルミニウム(Al)である構成とすることができ
る。即ち、蛍光体粒子として、(ZnS:Ag,A
l)、(ZnS:Ag,Cl)、又は、(ZnS:A
g,Cu,Al)を例示することができる。これらの蛍
光体粒子は青色を発光する。
【0053】あるいは又、コア材を構成する元素は亜鉛
(Zn)及び硫黄(S)であり、付活剤を構成する元素
は銅(Cu)又は銅・金(Cu,Au)であり、共付活
剤を構成する元素はアルミニウム(Al)である構成と
することができる。即ち、蛍光体粒子として、(Zn
S:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)を例
示することができる。これらの蛍光体粒子は緑色を発光
する。尚、共付活剤として、アルミニウム(Al)以外
にも、ガリウム(Ga)、インジウム(In)を挙げる
ことができる。
【0054】更には、本発明における蛍光体粒子とし
て、上記の他、青色を発光する蛍光体粒子として、Zn
S:Agを挙げることができる。また、緑色を発光する
蛍光体粒子として、Zn2SiO4:Mn2+、(Zn,C
d)S:Ag、(Zn,Cd)S:Cuを挙げることが
できる。更には、赤色を発光する蛍光体粒子として、Z
3(PO42:Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、Y
VO4:Eu3+、Y22S:Eu3+、Y23:Eu3+
挙げることができる。また、赤橙色を発光する蛍光体粒
子としてY22S:Eu3+を、紫青色を発光する蛍光体
粒子としてZnS:Agを挙げることができる。
【0055】本発明におけるガラス状薄膜の膜厚は、限
定するものではないが、例えば、3nm乃至50nm、
好ましくは、5nm乃至30nmとすることが望まし
い。また、金属酸化膜の膜厚は、均一である限り、出来
る限る薄いことが望ましい。
【0056】本発明において支持体の表面に隔壁が形成
されている場合、かかる隔壁を構成する材料として、従
来公知の絶縁材料を使用することができ、例えば、金属
酸化物や、低融点ガラス、低融点ガラスにアルミナ等の
金属酸化物を混合した材料を挙げることができる。隔壁
の形成方法として、スクリーン印刷法、サンドブラスト
形成法、ドライフィルム法、感光法を例示することがで
きる。スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に
対応するスクリーンの部分に開口部が形成されており、
スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口
部を通過させ、支持体上に隔壁形成用材料層を形成した
後、かかる隔壁形成用材料層を焼成する方法である。サ
ンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やロ
ールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コータ
ー等を用いて隔壁形成用材料層を支持体上に形成し、乾
燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分
をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料
層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法であ
る。ドライフィルム法とは、支持体上に感光性フィルム
をラミネートし、露光及び現像によって隔壁を形成すべ
き部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた
開口部に絶縁層材料を埋め込み、焼成する方法である。
感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口部
に埋め込まれた隔壁形成用の絶縁層材料が残り、隔壁と
なる。感光法とは、支持体上に感光性を有する隔壁形成
用の絶縁層材料を形成し、露光及び現像によってこの絶
縁層材料をパターニングした後、焼成を行う方法であ
る。あるいは又、かかる隔壁を構成する材料として、従
来公知の導電性材料を使用することができ、この場合に
は、導電性材料に基づくメッキ法にて隔壁を形成するこ
とができる。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の
頂面の平坦化を図ってもよい。隔壁は、場合によって
は、スペーサを保持するためのスペーサ保持部としての
機能をも果たす。
【0057】隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁
形状)、即ち、1画素に相当する、例えば平面形状が略
矩形(ドット状)の発光体層の四方を取り囲む形状を挙
げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ
状の発光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格
子形状とする場合、1つの発光体層の領域の四方を連続
的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形
状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形
状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な
形状としてもよい。
【0058】発光体層からの光を吸収するブラックマト
リックスが発光体層と発光体層との間であって隔壁と支
持体との間に形成されていることが、表示画像のコント
ラスト向上といった観点から好ましい。ブラックマトリ
ックスを構成する材料として、発光体層からの光を99
%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このよ
うな材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロ
ム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるい
は、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロ
ム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機
樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を
含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、
具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸
化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、
酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が支持
体と接する。
【0059】本発明の蛍光体粒子に基づき、例えば、冷
陰極電界電子放出表示装置あるいはそのフロントパネル
(アノードパネル)、民生用(家庭用)、産業用(例え
ば、コンピュータディスプレイ用)、デジタル放送用あ
るいはプロジェクション型の陰極線管あるいはそのフェ
ースプレート、プラズマ表示装置あるいはそのリアパネ
ルを構成することができる。
【0060】本発明の表示用パネルとして、民生用(家
庭用)、産業用(例えば、コンピュータディスプレイ
用)、デジタル放送用あるいはプロジェクション型の陰
極線管の所謂フェースプレート、あるいは又、冷陰極電
界電子放出表示装置を構成するフロントパネル(アノー
ドパネル)を例示することができる。
【0061】陰極線管のフェースプレートは、一般に、
ガラスパネル(本発明の表示用パネルにおける支持体に
相当する)、及び、蛍光体粒子から成り、ガラスパネル
の内面にストライプ状あるいはドット状に形成された発
光体層、発光体層と発光体層との間のガラスパネル内面
に形成されたブラックマトリックス、並びに、発光体層
及びブラックマトリックス上に形成されたメタルバック
膜(本発明の表示用パネルにおける電極に相当する)か
ら構成されている。
【0062】また、AC駆動型やDC駆動型のプラズマ
表示装置のリアパネルは、例えば、支持体と、支持体上
に形成された隔壁(リブ)と、隔壁と隔壁との間の支持
体上に形成された各種電極(例えばデータ電極)と、隔
壁と隔壁との間に形成された蛍光体粒子から成る発光体
層から構成されている。
【0063】更には、冷陰極電界電子放出表示装置のフ
ロントパネル(アノードパネル)は、支持体、蛍光体粒
子から成り、ストライプ状あるいはドット状に形成され
た発光体層(カラー表示用の場合、ストライプ状又はド
ット状にパターニングされた赤(R)、緑(G)、青
(B)の三原色に対応する発光体層が交互に配置されて
いる)、並びに、アノード電極(本発明の表示用パネル
における電極に相当する)から構成されている。尚、発
光体層と発光体層との間に隔壁が形成されている場合も
ある。
【0064】冷陰極電界電子放出表示装置のフロントパ
ネル(アノードパネル)を構成するアノード電極の材料
は、冷陰極電界電子放出表示装置の構成によって適宜選
択すればよい。即ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透
過型(アノードパネルが表示面に相当する)であって、
且つ、アノードパネルを構成する支持体上にアノード電
極と発光体層がこの順に積層されている場合には、支持
体は元より、アノード電極自身も透明である必要があ
り、ITO(インジウム−錫酸化物)等の透明導電材料
を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射型
(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、及
び、透過型であっても支持体上に発光体層とアノード電
極とがこの順に積層されている場合には、ITOの他、
アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を用いる
ことができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム
(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電
極の厚さとして、具体的には、3×10-8m(30n
m)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは
5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100n
m)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。
【0065】本発明の平面型表示装置における表示用パ
ネルとして、更には、上述の冷陰極電界電子放出表示装
置を構成するフロントパネル(アノードパネル)を例示
することができる。
【0066】本発明の蛍光体粒子を発光させるためのエ
ネルギー線として電子線ビームを挙げることができる。
この場合、蛍光体粒子を照射する電子線ビームのエネル
ギーを0.5keV乃至35keVとすることが好まし
い。尚、このような構成においては、具体的には、蛍光
体粒子によって、冷陰極電界電子放出表示装置あるいは
そのフロントパネル(アノードパネル)、民生用(家庭
用)、産業用(例えば、コンピュータディスプレイ
用)、デジタル放送用あるいはプロジェクション型の陰
極線管あるいはそのフェースプレートを構成することが
できる。あるいは又、蛍光体粒子を照射する電子線ビー
ムのエネルギーは0.5keV乃至10keVであり、
蛍光体粒子の表面から電子線ビームが侵入する深さは例
えば0.5μm以下である構成とすることができる。
尚、このような構成においては、具体的には、蛍光体粒
子によって、冷陰極電界電子放出表示装置あるいはその
フロントパネル(アノードパネル)を構成することがで
きる。あるいは又、本発明の蛍光体粒子において、エネ
ルギー線として紫外線を挙げることができ、この場合、
蛍光体粒子を照射する紫外線の波長を100nm乃至4
00nmとすることが好ましい。尚、このような構成に
おいては、具体的には、蛍光体粒子によって、プラズマ
表示装置あるいはそのリアパネルを構成することができ
る。
【0067】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルを構成する基板あるいは表示用パネルを構成する支
持体は、少なくとも表面が絶縁性部材より構成されてい
ればよく、無アルカリガラス基板、低アルカリガラス基
板、石英ガラス基板といった各種のガラス基板、表面に
絶縁膜が形成された各種のガラス基板、石英基板、表面
に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成さ
れた半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低
減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜
が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。
【0068】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルと表示用パネルとを周縁部において接合する場合、
接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラス
やセラミック等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層と
を併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場
合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層
のみを使用する場合に比べ、背面パネルと表示用パネル
との間の対向距離をより長く設定することが可能であ
る。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが
一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂
低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料
としては、In(インジウム:融点157゜C);イン
ジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220
〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜
C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag
2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304
〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309
゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融
点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5
Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融
点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au
88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は
全て原子%を表す)を例示することができる。
【0069】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルと表示用パネルと枠体の三者を接合する場合、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階で背面
パネル又は表示用パネルのいずれか一方と枠体とを接合
し、第2段階で背面パネル又は表示用パネルの他方と枠
体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階におけ
る接合を高真空雰囲気中で行えば、背面パネルと表示用
パネルと枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と
同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、背面
パネルと表示用パネルと枠体と接着層とによって囲まれ
た空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排
気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のい
ずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、
大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属
するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであって
もよい。
【0070】接合後に排気を行う場合、排気は、背面パ
ネル及び/又は表示用パネルに予め接続されたチップ管
を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガ
ラス管を用いて構成され、背面パネル及び/又は表示用
パネルの無効領域に設けられた貫通部の周囲に、フリッ
トガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、
空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切
られる。尚、封じ切りを行う前に、平面型表示装置全体
を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放
出させることができ、この残留ガスを排気により空間外
へ除去することができるので好適である。
【0071】本発明において、ガラス状薄膜の出発物質
を、水ガラス及び酢酸塩(例えば、酢酸バリウム)とす
る場合、水ガラスと酢酸バリウムとが、以下の式(1)
のように反応して、Ba(OH)2・nSiO2という、
酸化珪素(SiO2)を主成分とするゲル状物質が生成
される。
【0072】[化1] K2O・nSiO2・mH2O + Ba(CH3COO)2 → Ba(OH)2・nSiO2・(m−1)H2O + 2K(CH3COO) (1)
【0073】その結果、酸化珪素(SiOX)を主成分
とするガラス状薄膜(Baが残存する)によって蛍光体
粒子の表面が被覆される。しかも、場合によっては、こ
の酸化珪素を主成分とするゲル状物質が、蛍光体粒子を
支持体に固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固
定する。そして、蛍光体粒子の表面がガラス状薄膜によ
って被覆されるので、雰囲気ガスと表面あるいはその近
傍の蛍光体粒子の部分との間の化学的反応が電子の存在
によって促進されるといった現象の発生を回避すること
ができ、蛍光体粒子の輝度低下を抑制することができ
る。ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成すれば、雰囲気
ガスと表面あるいはその近傍の蛍光体粒子の部分との間
の化学的反応が電子の存在によって促進されるといった
現象の発生を一層確実に回避することができるし、蛍光
体粒子の帯電を抑制することができる結果、蛍光体粒子
の輝度低下を一層確実に抑制することができる。
【0074】また、本発明の第1の態様あるいは第2の
態様に係る蛍光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造
方法あるいは平面型表示装置の製造方法にあっては、酢
酸塩又は硝酸塩と水ガラスとを液相にて反応させて、蛍
光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成分とした
ガラス状薄膜を形成するといった、所謂沈殿法を採用す
るので、均一な膜厚のガラス状薄膜を容易に形成するこ
とができるし、製造コストも安価である。
【0075】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0076】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様及び第2の態様に係る蛍光体粒子及びその
製造方法、表示用パネル及びその製造方法、並びに、平
面型表示装置及びその製造方法に関する。
【0077】実施の形態1の蛍光体粒子の製造方法及び
表示用パネルの製造方法を説明するための支持体等の模
式的な断面図を図1の(A)〜(C)に示す。また、図
2に実施の形態1の平面型表示装置(冷陰極電界電子放
出表示装置)及び冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
る表示用パネル(アノードパネル)の模式的な一部端面
図を示し、図3に冷陰極電界電子放出表示装置の一部を
切り出した模式的な分解斜視図を示す。
【0078】この冷陰極電界電子放出表示装置において
は、表示用パネル(アノードパネル)20と背面パネル
(カソードパネル)10とが対向配置され、両パネル1
0,20は、各々の周縁部において枠体30を介して互
いに接着され、両パネル間の閉鎖空間が真空空間とされ
ている。背面パネル10は、冷陰極電界電子放出素子
(電界放出素子)を備えている。図2では、電界放出素
子の一例として、円錐形の電子放出部16Aを有する、
所謂スピント型電界放出素子を示す。スピント型電界放
出素子は、基板11上に形成されたストライプ状のカソ
ード電極12と、カソード電極12及び基板11上に形
成された絶縁層13と、絶縁層13上に形成されたスト
ライプ状のゲート電極14と、ゲート電極14及び絶縁
層13に設けられた開口部15内に形成された円錐形の
電子放出部16Aから構成されている。尚、電子放出部
16Aは、開口部15の底部に位置するカソード電極1
2の部分の上に設けられている。ストライプ状のカソー
ド電極12の射影像とストライプ状のゲート電極14の
射影像とは直交している。通常、多数の電子放出部16
Aが、各画素に対応付けられている。電子放出部16A
には、カソード電極駆動回路31からカソード電極12
を通じて相対的に負電圧(ビデオ信号)が印加され、ゲ
ート電極14にはゲート電極駆動回路32から相対的に
正電圧(走査信号)が印加される。これらの電圧印加に
よって生じた電界に応じ、電子放出部16Aの先端から
電子が量子トンネル効果に基づき放出される。尚、上述
とは逆に、走査信号がカソード電極12に入力され、ビ
デオ信号がゲート電極14に入力される場合もある。
【0079】一方、表示用パネル20は、ガラス等から
成る支持体21上の全面に形成された発光体層(蛍光体
層)22と、発光体層22上に形成されたアノード電極
24(電極に相当する)を有する。発光体層22は、蛍
光体粒子から成り、真空空間中から飛来した電子(具体
的には、電子放出部16Aから放出された電子)の照射
によって発光する。アノード電極24には、加速電源
(アノード電極駆動回路)33から、ゲート電極14に
印加される正電圧よりも高い正電圧が印加され、電子放
出部16Aから真空空間中へ放出された電子を、発光体
層22に向かって誘導する役割を果たす。また、アノー
ド電極24は、発光体層22を構成する蛍光体粒子をイ
オン等の粒子によるスパッタから保護する機能、電子励
起によって生じた発光体層22の発光を支持体側へ反射
させ、支持体21の外側から観察される表示画面の輝度
を向上させる機能、及び、過剰な帯電を防止して表示用
パネル20の電位を安定化させる機能も有する。即ち、
アノード電極24は、アノード電極としての機能を果た
すだけでなく、陰極線管(CRT)の分野でメタルバッ
ク膜として知られる部材が果たす機能とを兼ねている。
アノード電極24は、通常、アルミニウム薄膜から構成
されている。
【0080】実施の形態1における蛍光体粒子は、水ガ
ラスと蛍光体粒子[例えば、(ZnS:Ag,Cl)]
と酢酸塩との混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応
させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪素を主成分としたガラ
ス状薄膜を形成することによって製造される。ガラス状
薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸塩であり、蛍光体
粒子の表面は酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜によ
ってコーティングされている。具体的には、酢酸バリウ
ム水溶液に水ガラスと蛍光体粒子との混合物の水溶液を
添加し、酢酸塩と混合物水溶液中の水ガラスを反応させ
て、蛍光体粒子の表面に酸化珪素(SiOX)を主成分
としたガラス状薄膜を形成することによって製造され
る。尚、酢酸バリウムと水ガラスの反応は、先に式
(1)にて説明したとおりである。以下、図1の(A)
〜(C)を参照して、実施の形態1の表示用パネルの製
造方法あるいは平面型表示装置の製造方法を説明する
が、表示用パネルは、水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩と
の混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光
体粒子の表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を
形成し、このガラス状薄膜によって、混合溶液中に配置
された支持体21上に蛍光体粒子を固定し、且つ、蛍光
体粒子と蛍光体粒子とを固定し、以て、支持体21上に
蛍光体粒子から構成された発光体層22を形成すること
により製造される。
【0081】[工程−100]先ず、酢酸塩の溶液(具
体的には、酢酸バリウム水溶液)中に支持体21を浸漬
する。この状態を、図1の(A)に模式的に示す。尚、
必要に応じて、発光体層を形成しない支持体21の領域
に、ドライ・フィルム25を積層しておく。
【0082】[工程−110]次いで、容器中の酢酸バ
リウム水溶液中に、K2Oを主成分とし、K2O/SiO
2モル比が18/100である水ガラスと蛍光体粒子の
混合物水溶液を添加する(図1の(B)参照)。全溶液
中の酢酸バリウム濃度は、例えば、0.03〜0.08
重量%とすればよく、また、全溶液中の水ガラスの濃度
は、例えば、0.7〜1.5重量%とすればよい。更に
は、混合物中の水ガラス/蛍光体粒子の割合は、形成す
べき発光体層の厚さに基づき決定すればよい。15分〜
30分程度放置しておくことによって、蛍光体粒子が沈
降して支持体21の表面に堆積し、更には、先に説明し
た式(1)に基づき、酢酸バリウムと混合物水溶液中の
水ガラスとが反応して、蛍光体粒子の表面に酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が形成される
し、このガラス状薄膜によって、蛍光体粒子が支持体2
1に固定され、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とが相互
に固定され、蛍光体粒子から構成された発光体層(蛍光
体層)22を形成することができる。この状態を、図1
の(C)に模式的に示す。その後、容器から支持体21
を取り出し、あるいは又、容器から溶液を排出させ、支
持体21上に形成された発光体層22を乾燥させる。そ
の後、必要に応じて、ドライ・フィルム25を剥離す
る。
【0083】[工程−120]次に、発光体層22の上
に、主にアクリル系樹脂から構成されたラッカーから成
る中間膜を形成する。具体的には、水槽内に発光体層2
2が形成された支持体21を沈め、水面にラッカー膜を
形成した後、水槽内の水を抜くことによって、ラッカー
から成る中間膜を発光体層22の上に形成することがで
きる。その後、全面に厚さ約0.07μmのアルミニウ
ム薄膜から成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき
形成する。最後に、400゜C程度の加熱処理を行うこ
とによって、中間膜を焼成する。こうして、図2、図3
に示した表示用パネル20を作製することができる。
【0084】尚、アノード電極24は、有効領域を1枚
のシート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極と
してもよいし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1
又は複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合
した形式のアノード電極としてもよい。
【0085】次に、スピント型電界放出素子を有する背
面パネル10の製造方法を説明する。スピント型電界放
出素子の製造方法は、基本的には、円錐形の電子放出部
16Aを金属材料の垂直蒸着により形成する方法であ
る。即ち、開口部15に対して蒸着粒子は垂直に入射す
るが、開口部15の付近に形成されるオーバーハング状
の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部15の底部
に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物で
ある電子放出部16Aを自己整合的に形成する。以下、
不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするた
めに、絶縁層13及びゲート電極14上に剥離層17を
予め形成しておく方法に基づくスピント型電界放出素子
から成る第1の構造を有する電界放出素子を備えた平面
型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の製造方法
の概要を、基板等の模式的な一部端面図である図10の
(A)、(B)及び図11の(A)、(B)を参照して
説明する。尚、電界放出素子あるいはその製造方法を説
明するための図面においては、1つの電子放出部のみを
図示した。
【0086】[工程−A0]先ず、例えばガラスから成
る基板11上にニオブ(Nb)から成るストライプ状の
カソード電極12を形成した後、全面にSiO2から成
る絶縁層13を形成し、更に、ストライプ状のゲート電
極14を絶縁層13上に形成する。ゲート電極14の形
成は、例えば、スパッタ法、リソグラフィ技術及びドラ
イエッチング技術に基づき行うことができる。次に、ゲ
ート電極14及び絶縁層13に開口部15をRIE(反
応性イオン・エッチング)法にて形成し、開口部15の
底部にカソード電極12を露出させる(図10の(A)
参照)。尚、カソード電極12は、単一の材料層であっ
てもよく、複数の材料層を積層することによって構成す
ることもできる。例えば、後の工程で形成される各電子
放出部の電子放出特性のばらつきをカバーするために、
カソード電極12の表層部を残部よりも電気抵抗率の高
い材料で構成することができる。ストライプ状のカソー
ド電極12は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ
状のゲート電極14は、図面の紙面垂直方向に延びてい
る。尚、ゲート電極14を、真空蒸着法等のPVD法、
CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッ
キ法、スクリーン印刷法、レーザーアブレーション法、
ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成技術
と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形
成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、
直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成すること
が可能である。
【0087】[工程−A1]次に、開口部15の底部に
露出したカソード電極12上に、電子放出部16Aを形
成する。具体的には、基板11を回転させながら、アル
ミニウムを斜め蒸着することにより、全面に剥離層17
を形成する。このとき、基板11の法線に対する蒸着粒
子の入射角を十分に大きく選択することにより(例え
ば、入射角65度〜85度)、開口部15の底部にアル
ミニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極14及
び絶縁層13上に剥離層17を形成することができる。
この剥離層17は、開口部15の開口端部から庇状に張
り出しており、これにより開口部15が実質的に縮径さ
れる(図10の(B)参照)。
【0088】[工程−A2]その後、全面に例えばモリ
ブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10
度)。このとき、図11の(A)に示すように、剥離層
17上でオーバーハング形状を有するモリブデンから成
る導電体層18が成長するに伴い、開口部15の実質的
な直径が次第に縮小されるので、開口部15の底部にお
いて堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部15の中
央付近を通過するものに限られるようになる。その結
果、開口部15の底部には円錐形の堆積物が形成され、
この円錐形のモリブデンから成る堆積物が電子放出部1
6Aとなる。
【0089】次に、電気化学的プロセス及び湿式プロセ
スによって剥離層17を絶縁層13及びゲート電極14
の表面から剥離し、絶縁層13及びゲート電極14の上
方の導電体層18を選択的に除去する。その結果、図1
1の(B)に示すように、開口部15の底部に位置する
カソード電極12上に円錐形の電子放出部16Aを残す
ことができる。
【0090】[工程−130]かかる電界放出素子が多
数形成された背面パネル(カソードパネル)10と表示
用パネル(アノードパネル)20とを組み合わせると、
図2、図3に示した平面型表示装置(冷陰極電界電子放
出表示装置)を得ることができる。具体的には、セラミ
ックスから作製されたスペーサを表示用パネル(アノー
ドパネル)20に取り付け、次いで、例えば、セラミッ
クスやガラスから作製された高さ約1mmの枠体30を
用意し、枠体30と背面パネル10と表示用パネル20
とを例えばフリットガラスを用いて貼り合わせ、フリッ
トガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分焼
成すればよい。その後、平面型表示装置の内部を10-4
Pa程度の真空度となるまで排気し、適当な方法で封止
する。あるいは又、例えば、枠体30と背面パネル10
と表示用パネル20との貼り合わせを高真空雰囲気中で
行ってもよい。あるいは又、平面型表示装置(冷陰極電
界電子放出表示装置)の構造に依っては、枠体無しで、
背面パネル10と表示用パネル20とを貼り合わせても
よい。
【0091】以上のようにして作製した平面型表示装置
である冷陰極電界電子放出表示装置と、従来の方法に基
づき作製された表示用パネルに基づき組み立てられた冷
陰極電界電子放出表示装置における輝度の経時変化を調
べた。その結果を図4の(A)に示す。尚、図4の
(A)の縦軸は、初期輝度値を1としたときの輝度相対
値を示し、横軸は、蛍光体粒子への電子積算照射量を示
す。また、白丸印は、実施の形態1の冷陰極電界電子放
出表示装置における測定結果であり、白三角印は、従来
の方法に基づき作製された表示用パネルを用いて組み立
てられた冷陰極電界電子放出表示装置における測定結果
である。
【0092】従来の表示用パネル(アノードパネル)の
製造方法の概要は以下のとおりである。即ち、蛍光体粒
子とポリビニルアルコールと重クロム酸アンモニウムと
から成る蛍光体スラリーを準備する。そして、ガラスか
ら成る支持体上の全面にスピンコーティング法にて、蛍
光体スラリーから成る感光性被膜を形成(塗布)する。
その後、発光体層を形成すべき領域以外をマスクで覆
い、紫外線によって感光性被膜を露光し、水を用いて現
像することで、発光体層を形成すべき領域以外の領域か
ら感光性被膜を除去する。これによって、発光体層を得
ることができる。その後、発光体層上に中間膜を形成
し、真空蒸着法にて厚さ約0.07μmのアルミニウム
薄膜から成るアノード電極を中間膜上に形成した後、中
間膜を焼成する。
【0093】図4の(A)から、実施の形態1の冷陰極
電界電子放出表示装置における蛍光体粒子の輝度低下
は、従来の製造方法にて製造された表示用パネルを組み
込んだ冷陰極電界電子放出表示装置における蛍光体粒子
よりも、飛躍的に改善されていることが判る。尚、(Z
nS:Ag,Cl)の代わりに、(ZnS:Ag,A
l)、(ZnS:Ag,Cu,Al)、(ZnS:C
u,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)から成る蛍
光体粒子を用いた場合にも、更には、(Y22S:Eu
3+)から成るから成る蛍光体粒子を用いた場合にも、同
様の結果が得られた。また、酢酸バリウムの代わりに、
酢酸ストロンチウム、酢酸アルミニウムといった酢酸塩
を用いた場合にも、また、硝酸バリウム、硝酸ストロン
チウム、硝酸アルミニウムといった硝酸塩を用いた場合
にも(この場合、ガラス状薄膜の出発物質は水ガラス及
び硝酸塩である)、同様の結果が得られた。
【0094】尚、水ガラスが入れられた容器中に蛍光体
粒子を加え、混合、撹拌した後、更に、酢酸バリウム、
酢酸ストロンチウム、酢酸アルミニウムといった酢酸
塩、あるいは又、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム、
硝酸アルミニウムといった硝酸塩を加えて、混合、撹拌
する。これによって、水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩と
の混合溶液中で水ガラスと酢酸塩とが反応し、蛍光体粒
子の表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜が形成
される。あるいは又、水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩と
の混合溶液中で水ガラスと硝酸塩とが反応して、蛍光体
粒子の表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜が形
成される。
【0095】具体的には、例えば、K2Oを主成分とす
る水ガラス18.7グラムを62ミリリットルのイオン
交換水に添加し、更に、蛍光体粒子を0.3グラム加え
て、10分程度混合、撹拌する。次いで、酢酸バリウム
水溶液を、0.073重量%加えて、15分程度、混
合、撹拌する。その後、遠心分離あるいは濾過を行い、
例えば、送風乾燥機を用いて50゜C、24時間程度の
乾燥を行う。尚、酢酸バリウム水溶液の添加量は、0.
001重量%〜1重量%、好ましくは0.01重量%〜
0.11重量%である。
【0096】こうして、酸化珪素(SiOX)を主成分
としたガラス状薄膜が表面に形成されており、ガラス状
薄膜の出発物質が水ガラス及び酢酸塩である蛍光体粒
子、あるいは又、酸化珪素(SiOX)を主成分とした
ガラス状薄膜が表面に形成されており、ガラス状薄膜の
出発物質が水ガラス及び硝酸塩である蛍光体粒子を得る
ことができる。尚、混合物中の水ガラス/蛍光体粒子の
割合は、適宜決定すればよいが、ガラス状薄膜の膜厚
は、例えば、3nm乃至50nm、好ましくは、5nm
乃至30nmとすることが望ましい。
【0097】酢酸バリウム水溶液を用いて、上述のよう
に製造された蛍光体粒子をエネルギー分散型X線分光
(EDX)法によって分析したところ、以下の表1の結
果が得られた。
【0098】
【0099】また、このようにして製造された蛍光体粒
子を用いて、従来の製造方法と同様の方法で表示用パネ
ル(アノードパネル)を製造してもよい。即ち、このよ
うにして製造された蛍光体粒子とポリビニルアルコール
と重クロム酸アンモニウムとから成る蛍光体スラリーを
準備する。そして、ガラスから成る支持体上の全面にス
ピンコーティング法にて、蛍光体スラリーから成る感光
性被膜を形成(塗布)する。その後、発光体層を形成す
べき領域以外をマスクで覆い、紫外線によって感光性被
膜を露光し、水を用いて現像することで、発光体層を形
成すべき領域以外の領域から感光性被膜を除去する。こ
れによって、発光体層を得ることができる。その後、発
光体層上に中間膜を形成し、真空蒸着法にて厚さ約0.
07μmのアルミニウム薄膜から成るアノード電極を中
間膜上に形成した後、中間膜を焼成する。
【0100】(実施の形態2)実施の形態2は、発明の
実施の形態1の変形である。実施の形態1においては、
単色を発光する平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表
示装置)を製造した。一方、実施の形態2においては、
三原色(R,G,B)を発光し得る表示用パネル及びカ
ラー平面型表示装置(具体的には、冷陰極電界電子放出
表示装置)を製造する。
【0101】実施の形態2の蛍光体粒子の製造方法及び
表示用パネルの製造方法を、以下、支持体等の模式的な
断面図である図5の(A)〜(D)及び図6の(A)〜
(D)を参照して説明する。尚、実施の形態2の表示用
パネル、冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端
面図は、図7に示したと同様である。また、発光体層
(赤色発光体層22R、緑色発光体層22G、青色発光
体層22B)の配置状態、支持体21等の断面は、図8
の(A)、(B)あるいは図9の(A)、(B)に示し
たと同様とすることができる。
【0102】[工程−200]実施の形態2において
は、先ず、支持体21の表面に、例えば、井桁状(格子
形状)の隔壁23を形成する(図5の(A)参照)。具
体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着
色した鉛ガラス層を形成した後、フォトリソグラフィ技
術及びエッチング技術によって鉛ガラス層を選択的に加
工することにより、格子形状(井桁形状)の隔壁23を
得ることができる。尚、場合によっては、低融点ガラス
ペーストをスクリーン印刷法にて支持体21上に印刷
し、次いで、かかる低融点ガラスペーストを焼成するこ
とによって隔壁を形成してもよいし、感光性ポリイミド
樹脂層を支持体21の全面に形成した後、かかる感光性
ポリイミド樹脂層を露光、現像することによって、隔壁
を形成してもよい。隔壁23の形成前に、隔壁23を形
成すべき支持体21の部分の表面に、例えば、酸化クロ
ムから成るブラックマトリックスを形成することが好ま
しい。ブラックマトリックスは、例えば、真空蒸着法や
スパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着
法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフト
オフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ
技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法に
て形成することができる。
【0103】[工程−210]次に、隔壁23の頂面
に、感光性及び接着性を有する、所謂ドライ・フィルム
25を貼り合わせる。このドライ・フィルム25は、例
えば、プリント配線板の製造において使用されているも
のを用いればよい。ドライ・フィルム25の貼り合わせ
には、フィルムラミネータを使用すればよい。具体的に
は、80゜C〜120゜Cに加熱されたゴムローラを用
いて、ドライ・フィルム25を隔壁23の頂面に貼り合
わせればよい。尚、ドライ・フィルム25は、支持体2
1の表面とは接していない。隔壁23の最低高さを約2
0μmとしたが、このような値に限定するものではな
く、隔壁23の高さはドライ・フィルムの硬さや隔壁の
寸法に基づき、適宜決定すればよいが、形成すべき発光
体層22の厚さよりも高いことが要求される。もしも、
形成すべき発光体層22の厚さよりも隔壁23の高さが
低い場合、形成された発光体層22とドライ・フィルム
25とが接触し、その結果、ドライ・フィルムの剥離
時、発光体層22が支持体21から剥離、除去される虞
があるからである。
【0104】[工程−220]その後、第1色目の発光
体層(例えば、緑色を発光する発光体層22G)を形成
すべき支持体21の領域の上方のドライ・フィルム25
を選択的に除去し、第1色目の発光体層を形成しない支
持体21の領域の上方に、隔壁23の頂面によって担持
されたドライ・フィルム25を残す。この状態を、図5
の(B)に模式的に示す。具体的には、例えば、第1色
目の発光体層を形成すべき支持体21の領域の上方のド
ライ・フィルム25を露光、現像することで、除去する
ことができる。尚、ドライ・フィルムとしてポジ型を用
いてもよい。また、ドライ・フィルムは、アルカリ水溶
液可溶タイプを用いてもよいし、溶剤可溶タイプを用い
てもよい。
【0105】[工程−230]そして、第1色目の発光
体層22Gを形成するために、実施の形態1と同様の操
作、即ち、[工程−100]及び[工程−110]を実
行する。これによって、図5の(C)に示す状態を得る
ことができる。第1色目の発光体層を形成しない支持体
21の領域の上方には隔壁23の頂面によって担持され
たドライ・フィルム25が残されているので、かかる支
持体21の領域に第1色目の発光体層22Gが形成され
ることはない。次いで、全体を乾燥した後、ドライ・フ
ィルム25を剥離する(図5の(D)参照)。剥離液と
しては、アルカリ水溶液可溶タイプのドライ・フィルム
を用いた場合には、水酸化ナトリウムを用いればよい
し、溶剤可溶タイプを用いた場合には、アルコール等の
有機溶剤を用いればよい。ドライ・フィルム25の剥離
によって、ドライ・フィルム25上の発光体層も同時に
除去される。
【0106】[工程−240]その後、青色を発光する
第2色目の発光体層22B及び赤色を発光する第3色目
の発光体層22Rについても、[工程−210]〜[工
程−230]を繰り返す。これによって、図6の(A)
に示す構造を得ることができる。
【0107】[工程−250]次いで、各発光体層(蛍
光体層)22R,22G,22B(これらを総称して、
単に発光体層22と呼ぶ場合がある)の上に、主にアク
リル系樹脂から構成されたラッカーから成る中間膜26
を形成する(図6の(B)参照)。具体的には、水槽内
に発光体層22が形成された支持体21を沈め、水面に
ラッカー膜を形成した後、水槽内の水を抜くことによっ
て、ラッカーから成る中間膜26を発光体層22の上か
ら隔壁23の上に亙って形成することができる。尚、ラ
ッカーに添加された可塑剤の量や、水面にラッカー膜を
形成するときの条件によって、中間膜26の硬さや延び
率を変えることができ、これらを最適化することによっ
て、中間膜26を発光体層22の上から隔壁23の上に
亙って形成することができる。
【0108】[工程−260]その後、全面にアルミニ
ウムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形
成する(図6の(C)参照)。最後に、400゜C程度
の加熱処理を行うことによって、中間膜26を焼成し、
図6の(D)に示す構造を有する表示用パネル20を得
ることができる。中間膜26の燃焼により生じたガス
は、例えば、アノード電極24のうち、隔壁23の形状
に沿って折れ曲がっている領域に生じる微細な孔を通じ
て外部に排出される。この孔は微細なため、アノード電
極24の構造的な強度や画像表示特性に深刻な影響を及
ぼすものではない。
【0109】[工程−270]以降、このようにして作
製された表示用パネル(アノードパネル)20と、実施
の形態1と同様にして作製された背面パネル(カソード
パネル)10とを組み立てることによって、図7に示し
た冷陰極電界電子放出表示装置を得ることができる。
【0110】また、実施の形態1にて説明した方法にて
製造された蛍光体粒子を用いて、従来の製造方法と同様
の方法で表示用パネル(アノードパネル)を製造しても
よい。即ち、[工程−200]の後、赤色発光体層22
Rを形成するために、実施の形態1にて説明した方法に
て製造された赤色発光蛍光体粒子を、例えばポリビニル
アルコール(PVA)樹脂と水に分散させ、更に、重ク
ロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリー
を全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを
乾燥する。その後、支持体21側から赤色発光体層22
Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線
を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光する。赤色発
光蛍光体スラリーは支持体21側から徐々に硬化する。
形成される赤色発光体層22Rの厚さは、赤色発光蛍光
体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。
ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫
外線の照射時間を調整して、赤色発光体層22Rの厚さ
を約8μmとする。その後、赤色発光蛍光体スラリーを
現像することによって、所定の隔壁23の間に赤色発光
体層22Rを形成することができる。以下、緑色発光蛍
光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑
色発光体層22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラ
リーに対して同様の処理を行うことによって青色発光体
層22Bを形成する。発光体層の形成方法は、以上に説
明した方法に限定されず、赤色発光蛍光体スラリー、緑
色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次
塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、
各発光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法等に
より各発光体層を形成してもよい。その後、[工程−2
50]〜[工程−270]を実行することで、冷陰極電
界電子放出表示装置を得ることができる。
【0111】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第3の態様に係る蛍光体粒子、表示用パネル及び平面
型表示装置、並びに、本発明の第3の形態及び第4の態
様に係る蛍光体粒子の製造方法、表示用パネルの製造方
法及び平面型表示装置の製造方法に関する。
【0112】実施の形態3の表示用パネル(アノードパ
ネル)及び平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装
置)の構造は、図2及び図3を参照して説明した実施の
形態1のアノードパネル及び冷陰極電界電子放出表示装
置、あるいは、図7〜図9を参照して説明した実施の形
態2のアノードパネル及び冷陰極電界電子放出表示装置
の構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省
略する。
【0113】実施の形態3の蛍光体粒子は、酸化珪素
(SiOX)を主成分としたガラス状薄膜が表面に形成
されており、このガラス状薄膜上に、導電性を有する金
属酸化膜が形成されている。即ち、ガラス状薄膜の出発
物質は、蛍光体粒子の表面は酸化珪素(SiOX)を主
成分としたガラス状薄膜によってコーティングされてい
る。更には、ガラス状薄膜の表面は導電性を有する金属
酸化膜(広くは、導電性を有する膜)によってコーティ
ングされている。
【0114】具体的には、水ガラスが入れられた容器中
に、例えば(ZnS:Ag,Cl)、(ZnS:Ag,
Al)、(ZnS:Ag,Cu,Al)、(ZnS:C
u,Al)あるいは(ZnS:Cu,Au,Al)から
成る蛍光体粒子を加え、10分程度混合、撹拌した後、
更に、酢酸バリウム、酢酸ストロンチウム、酢酸アルミ
ニウムといった酢酸塩、あるいは又、硝酸バリウム、硝
酸ストロンチウム、硝酸アルミニウムといった硝酸塩を
加えて、混合、撹拌する。これによって、水ガラスと蛍
光体粒子と酢酸塩との混合溶液中で水ガラスと酢酸塩と
が反応し、蛍光体粒子の表面に酸化珪素を主成分とした
ガラス状薄膜が形成される。あるいは又、水ガラスと蛍
光体粒子と硝酸塩との混合溶液中で水ガラスと硝酸塩と
が反応して、蛍光体粒子の表面に酸化珪素を主成分とし
たガラス状薄膜が形成される。その後、遠心分離あるい
は濾過を行い、例えば、送風乾燥機を用いて乾燥を行う
ことによって、酸化珪素(SiOX)を主成分としたガ
ラス状薄膜が表面に形成されており、ガラス状薄膜の出
発物質が水ガラス及び酢酸塩である蛍光体粒子、あるい
は又、酸化珪素(SiOX)を主成分としたガラス状薄
膜が表面に形成されており、ガラス状薄膜の出発物質が
水ガラス及び硝酸塩である蛍光体粒子を得ることができ
る。混合物中の水ガラス/蛍光体粒子の割合は、適宜決
定すればよいが、ガラス状薄膜の膜厚は、例えば、3n
m乃至50nm、好ましくは、5nm乃至30nmとす
ることが望ましい。
【0115】例えば、酢酸バリウムを用いる場合の、以
上に説明した具体的な蛍光体粒子の製造工程は、実施の
形態1にて説明したとおりである。
【0116】こうして得られた蛍光体粒子におけるガラ
ス状薄膜の上に、例えば、レーザーアブレーション法に
基づき金属酸化膜を形成する。金属酸化膜を、酸化亜鉛
(ZnO)、あるいは又、インジウム−錫酸化物(IT
O)、あるいは又、酸化インジウム(In23)から構
成する。
【0117】図12にレーザーアブレーション装置の概
要を示す。このレーザーアブレーション装置70は、レ
ーザー装置71と、チャンバー72と、チャンバー72
に取り付けられた石英製のレンズ73と、金属酸化膜を
形成するための材料(ターゲット材料)を入れた容器7
4と、ガラス状薄膜の上に金属酸化膜を形成すべき蛍光
体粒子を入れた容器76を載置した振動台75から構成
されている。
【0118】蛍光体粒子におけるガラス状薄膜の上に金
属酸化膜を形成する場合、ターゲット材料を容器74に
入れ、ガラス状薄膜の上に金属酸化膜を形成すべき蛍光
体粒子を容器76に入れておく。そして、チャンバー7
2内をロータリーポンプ(図示せず)で1Pa程度に真
空引きした後、チャンバー72内に窒素ガスやアルゴン
ガスを導入し、チャンバー72内を2×102Pa程度
の圧力とする。そして、振動台75を振動させながら、
波長266nmのYAGレーザー光(エネルギー密度:
例えば1〜5J/cm2)を、レーザー装置71からレ
ンズ73を介してターゲット材料に照射する。蛍光体粒
子が入れられた容器76を絶えず振動させることによっ
て、蛍光体粒子が容器76内で回転し(動き)、絶え
ず、溶融、蒸発(アブレーション)したターゲット材料
に晒される結果、蛍光体粒子の表面に形成されたガラス
状薄膜上に金属酸化膜を均一に形成することができる。
【0119】容器76の振動数や強さは、蛍光体粒子の
粒径や凝集の度合いにより、適宜決定すればよい。レー
ザー照射の時間は、例えば10分〜5時間、好ましくは
2時間前後を例示することができる。レーザー照射の時
間が長すぎると、金属酸化膜の膜厚が厚くなりすぎ、蛍
光体粒子の輝度が低下する。一方、レーザー照射の時間
が短すぎると、金属酸化膜の膜厚が薄くなり過ぎ、金属
酸化膜を均一に形成することが困難となる。レーザー光
の波長は266nmに限定するものではないが、短波長
のレーザー光(例えば、248nmのKrFレーザー
光)を用いることが好ましい。チャンバー72内の真空
度は、2×10Pa〜2×103Pa程度、望ましくは
2×102Pa前後とすることが好ましい。尚、チャン
バー72内の真空度が低すぎると、振動台75の振動に
よっても蛍光体粒子に回転(動き)が生じない場合があ
る。
【0120】こうして得られた蛍光体粒子に基づき、表
示用パネル(アノードパネル)20あるいは平面型表示
装置である冷陰極電界電子放出表示装置を製造する。
【0121】具体的には、実施の形態1と同様に、この
ようにして製造された蛍光体粒子とポリビニルアルコー
ルと重クロム酸アンモニウムとから成る蛍光体スラリー
を準備する。そして、ガラスから成る支持体上の全面に
スピンコーティング法にて、蛍光体スラリーから成る感
光性被膜を形成(塗布)する。その後、発光体層を形成
すべき領域以外をマスクで覆い、紫外線によって感光性
被膜を露光し、水を用いて現像することで、発光体層を
形成すべき領域以外の領域から感光性被膜を除去する。
これによって、発光体層(蛍光体層)を得ることができ
る。その後、発光体層上に中間膜を形成し、真空蒸着法
にて厚さ約0.07μmのアルミニウム薄膜から成るア
ノード電極を中間膜上に形成した後、中間膜を焼成す
る。その後、表示用パネル(アノードパネル)と背面パ
ネル(カソードパネル)とを組み立てることによって冷
陰極電界電子放出表示装置を得ることができる。
【0122】あるいは又、実施の形態2と同様にして、
[工程−200]の後、赤色発光体層22Rを形成する
ために、このようにして製造された赤色発光蛍光体粒子
を、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に
分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤
色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色
発光蛍光体スラリーを乾燥する。その後、支持体21側
から赤色発光体層22Rを形成すべき赤色発光蛍光体ス
ラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリ
ーを露光する。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像
することによって、所定の隔壁23の間に赤色発光体層
22Rを形成することができる。以下、緑色発光蛍光体
スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発
光体層22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリー
に対して同様の処理を行うことによって青色発光体層2
2Bを形成する。発光体層の形成方法は、以上に説明し
た方法に限定されず、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発
光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布
した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各発
光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により
各発光体層を形成してもよい。その後、[工程−25
0]〜[工程−270]を実行することで、冷陰極電界
電子放出表示装置を得ることができる。
【0123】以上のようにして作製した平面型表示装置
である冷陰極電界電子放出表示装置と、従来の方法に基
づき作製された表示用パネルに基づき組み立てられた冷
陰極電界電子放出表示装置における輝度の経時変化を調
べた。その結果を図4の(B)に示す。尚、図4の
(B)の縦軸は輝度相対値を示し、横軸は蛍光体粒子へ
の電子線ビームの照射時間を示す。また、白丸印は、実
施の形態3の冷陰極電界電子放出表示装置における測定
結果であり、白三角印は、先に説明したと同様の従来の
方法に基づき作製された表示用パネルを用いて組み立て
られた冷陰極電界電子放出表示装置における測定結果で
ある。尚、図4の(B)に示す結果は、蛍光体粒子とし
て(ZnS:AgCl)を用い、ガラス状薄膜の出発物
質として水ガラス及び酢酸バリウムを用い、金属酸化膜
をITOから構成した例である。また、加速電圧を7キ
ロボルト、電流密度を13.3μA/cm2とした結果
である。
【0124】図4の(B)から、実施の形態3の冷陰極
電界電子放出表示装置における蛍光体粒子の輝度低下
は、従来の製造方法にて製造された表示用パネルを組み
込んだ冷陰極電界電子放出表示装置における蛍光体粒子
よりも、飛躍的に改善されていることが判る。尚、(Z
nS:Ag,Cl)の代わりに、(ZnS:Ag,A
l)、(ZnS:Ag,Cu,Al)、(ZnS:C
u,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)から成る蛍
光体粒子を用いた場合にも、更には、(Y22S:Eu
3+)から成るから成る蛍光体粒子を用いた場合にも、同
様の結果が得られた。また、酢酸バリウムの代わりに、
酢酸ストロンチウム、酢酸アルミニウムといった酢酸塩
を用いた場合にも、また、硝酸バリウム、硝酸ストロン
チウム、硝酸アルミニウムといった硝酸塩を用いた場合
にも(この場合、ガラス状薄膜の出発物質は水ガラス及
び硝酸塩である)、同様の結果が得られた。更には、I
TOの代わりに、金属酸化膜としてZnOあるいはIn
23を用いた場合にも同様の結果が得られた。
【0125】(各種の電界放出素子)以下、各種の電界
放出素子及びその製造方法について説明するが、これら
の電界放出素子を用いた平面型表示装置(冷陰極電界電
子放出表示装置)の構成は、実施の形態1〜は実施の形
態3にて説明した平面型表示装置(冷陰極電界電子放出
表示装置)とすればよい。
【0126】所謂3電極型の冷陰極電界電子放出表示装
置(以下、特に断りの無い限り、表示装置と略称する)
を構成する電界放出素子は、電子放出部の構造により、
具体的には、例えば、以下の2つの範疇に分類すること
ができる。即ち、第1の構造の電界放出素子は、(イ)
基板上に設けられ、第1の方向に延びるストライプ状の
カソード電極と、(ロ)基板及びカソード電極上に形成
された絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられ、第1の方
向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート
電極と、(ニ)ゲート電極に設けられた第1開口部、及
び、絶縁層に設けられ、第1開口部と連通した第2開口
部と、(ホ)第2開口部の底部に位置するカソード電極
上に設けられた電子放出部、から成り、第2開口部の底
部に露出した電子放出部から電子が放出される構造を有
する。
【0127】このような第1の構造を有する電界放出素
子として、上述したスピント型(円錐形の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)、扁平型(略平面状の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)を挙げることができる。
【0128】第2の構造の電界放出素子は、(イ)基板
上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状のカ
ソード電極と、(ロ)基板及びカソード電極上に形成さ
れた絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられ、第1の方向
とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電
極と、(ニ)ゲート電極に設けられた第1開口部、及
び、絶縁層に設けられ、第1開口部と連通した第2開口
部、から成り、第2開口部の底部に露出したカソード電
極の部分が電子放出部に相当し、かかる第2開口部の底
部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する構
造を有する。
【0129】このような第2の構造を有する電界放出素
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子を挙げることができる。
【0130】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によっ
て形成することができる。
【0131】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0132】あるいは又、扁平型電界放出素子におい
て、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2
次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2
次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択
してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤ
モンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al
23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(B
eO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(B
aF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中
から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構
成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はな
い。
【0133】扁平型電界放出素子にあっては、特に好ま
しい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的に
はダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチュー
ブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらか
ら構成する場合、5×107V/m以下の電界強度に
て、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることがで
きる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各
電子放出部から得られる放出電子電流を均一化すること
ができ、よって、表示装置に組み込まれた場合の輝度ば
らつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0134】カーボン・ナノチューブ構造体として、具
体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン
・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的に
は、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成して
もよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を
構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン
・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成しても
よい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイ
バーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状
であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチ
ューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カー
ボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周
知のアーク放電法やレーザーアブレーション法といった
PVD法、プラズマCVD法やレーザーCVD法、熱C
VD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD
法によって製造、形成することができる。
【0135】扁平型電界放出素子を、バインダ材料にカ
ーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソー
ド電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダ材料
の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポ
キシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダ材料や
水ガラス等の無機系バインダ材料にカーボン・ナノチュ
ーブ構造体を分散したものを、カソード電極の所望の領
域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダ材料の焼
成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。
尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体
の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン
印刷法を例示することができる。
【0136】あるいは又、扁平型電界放出素子を、カー
ボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液
をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する
方法によって製造することもでき、これによって、金属
化合物に由来した金属原子を含むマトリックスにてカー
ボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面に固定さ
れる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ
構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電
性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具
体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−
錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン
−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン
・ナノチューブ構造体の一部分がマトリックスに埋め込
まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナ
ノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋め込まれて
いる状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗
率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであるこ
とが望ましい。
【0137】金属化合物溶液を構成する金属化合物とし
て、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又
は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げ
ることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機
アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは
硫酸)に溶解し、これを有機溶剤(例えば、トルエン、
酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したもの
を挙げることができる。また、有機金属化合物溶液とし
て、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化
合物、有機アンチモン化合物を有機溶剤(例えば、トル
エン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解し
たものを例示することができる。溶液を100重量部と
したとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001
〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含ま
れた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界
面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの
厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液
に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよ
い。また、場合によっては、有機溶剤の代わりに水を溶
媒として用いることもできる。
【0138】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法とし
て、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング
法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示するこ
とができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布
の容易性といった観点から好ましい。
【0139】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属
化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次い
で、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去し
た後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼
成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよい
し、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液
を塗布してもよい。
【0140】金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩
が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温
度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が
分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物に由来し
た金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有す
る金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例え
ば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の
上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要
素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0141】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄
処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率
の一層の向上といった観点から好ましい。このような処
理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、
アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガ
ス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプ
ラズマ処理を挙げることができる。
【0142】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
は、第2開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
表面に形成されていればよく、第2開口部の底部に位置
するカソード電極の部分から第2開口部の底部以外のカ
ソード電極の部分の表面に延在するように形成されてい
てもよい。また、電子放出部は、第2開口部の底部に位
置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されてい
ても、部分的に形成されていてもよい。
【0143】各種の電界放出素子におけるカソード電極
を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばT
iN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2
TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半
導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(インジウム
−錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の
厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、か
かる範囲に限定するものではない。
【0144】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群
から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属
元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド);あるいはシリコン(Si)等の半導体;
ITO(インジウム−錫酸化物)、酸化インジウム、酸
化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
【0145】カソード電極やゲート電極の形成方法とし
て、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法
といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオン
プレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリー
ン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例
えばストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
【0146】第1の構造あるいは第2の構造を有する電
界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存する
が、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開口
部及び第2開口部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開
口部及び第2開口部内に複数の電子放出部が存在しても
よいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、かかる
第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設
け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複
数の電子放出部が存在してもよい。
【0147】第1開口部あるいは第2開口部の平面形状
(基板表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの
形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた
矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることが
できる。第1開口部の形成は、例えば、等方性エッチン
グ、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによ
って行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方
法に依っては、第1開口部を直接形成することもでき
る。第2開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、
異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって
行うことができる。
【0148】第1の構造を有する電界放出素子におい
て、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設け
てもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出
部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界
放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵
抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成と
してもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出
素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることが
できる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカー
バイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、
SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ル
テニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等
の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層
の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やス
クリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概
ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすれば
よい。
【0149】絶縁層の構成材料として、SiO2、BP
SG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、
SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラ
ス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、
ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合
わせて使用することができる。絶縁層の形成には、CV
D法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等
の公知のプロセスが利用できる。
【0150】[スピント型電界放出素子]スピント型電
界放出素子の構造及び製造方法は、先に、実施の形態1
にて説明したとおりである。
【0151】[扁平型電界放出素子(その1)]扁平型
電界放出素子は、(イ)基板11上に設けられ、第1の
方向に延びるカソード電極12と、(ロ)基板11及び
カソード電極12上に形成された絶縁層13と、(ハ)
絶縁層13上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の
方向に延びるゲート電極14と、(ニ)ゲート電極14
に設けられた第1開口部15A、及び、絶縁層13に設
けられ、第1開口部15Aと連通した第2開口部15B
と、(ホ)第2開口部15Bの底部に位置するカソード
電極12上に設けられた扁平状の電子放出部16B、か
ら成り、第2開口部15Bの底部に露出した電子放出部
16Bから電子が放出される構造を有する。
【0152】電子放出部16Bは、マトリックス40、
及び、先端部が突出した状態でマトリックス40中に埋
め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的に
は、カーボン・ナノチューブ41)から成り、マトリッ
クス40は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、
インジウム−錫酸化物、ITO)から成る。
【0153】以下、電界放出素子の製造方法を、図13
の(A)、(B)及び図14の(A)、(B)を参照し
て説明する。
【0154】[工程−B0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る基板11上に、例えばスパッタリング法及びエッ
チング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロム
(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極12を
形成する。
【0155】[工程−B1]次に、カーボン・ナノチュ
ーブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属
化合物溶液をカソード電極12上に、例えばスプレー法
にて塗布する。具体的には、以下の表2に例示する金属
化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあって
は、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例え
ば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にあ
る。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造さ
れ、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に
際しては、基板を70〜150゜Cに加熱しておく。塗
布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分間、
基板を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このよ
うに、塗布時、基板を加熱することによって、カソード
電極の表面に対してカーボン・ナノチューブが水平に近
づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が
始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平にはならな
い状態でカソード電極の表面にカーボン・ナノチューブ
を配置することができる。即ち、カーボン・ナノチュー
ブの先端部がアノード電極の方向を向くような状態、言
い換えれば、カーボン・ナノチューブを、基板の法線方
向に近づく方向に配向させることができる。尚、予め、
表2に示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよ
いし、カーボン・ナノチューブを添加していない金属化
合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチ
ューブと金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カ
ーボン・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物
溶液の調製時、超音波を照射してもよい。
【0156】 [表2] 有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部 分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部 カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部 酢酸ブチル :残余
【0157】尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスと
して酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解
したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用い
れば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アン
チモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリッ
クスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化
合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マ
トリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれ
ば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウ
ム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックス
として酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用い
れば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有
機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マト
リックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるい
は又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化イン
ジウム)を用いてもよい。
【0158】場合によっては、金属化合物溶液を乾燥し
た後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されてい
る場合がある。このような場合には、金属化合物層の上
に、基板を加熱することなく、再び、金属化合物溶液を
塗布することが望ましい。
【0159】[工程−B2]その後、有機酸金属化合物
から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金
属化合物に由来した金属原子(具体的には、In及びS
n)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であ
り、より一層具体的にはITO)40にてカーボン・ナ
ノチューブ41がカソード電極12の表面に固定された
電子放出部16Bを得る。焼成を、大気雰囲気中で、3
50゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られた
マトリックス40の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mで
あった。有機酸金属化合物を出発物質として用いること
により、焼成温度350゜Cといった低温においても、
ITOから成るマトリックス40を形成することができ
る。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化
合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例え
ば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によ
って塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOか
ら成るマトリックス40が形成される。
【0160】[工程−B3]次いで、全面にレジスト層
を形成し、カソード電極12の所望の領域の上方に、例
えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、
10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリ
ックス40をエッチングして、電子放出部の不要部分を
除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチュ
ーブが未だ存在する場合には、以下の表3に例示する条
件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナ
ノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0
Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパ
ワーを加えることが望ましい。また、基板を、例えば8
0゜C程度に加熱してもよい。
【0161】[表3] 使用装置 :RIE装置 導入ガス :酸素を含むガス プラズマ励起パワー:500W バイアスパワー :0〜150W 処理時間 :10秒以上
【0162】あるいは又、表4に例示する条件のウェッ
トエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエ
ッチングしてもよい。
【0163】[表4] 使用溶液:KMnO4 温度 :20〜120゜C 処理時間:10秒〜20分
【0164】その後、レジスト層を除去することによっ
て、図13の(A)に示す構造を得ることができる。
尚、直径10μmの円形の電子放出部を残すことに限定
されない。例えば、電子放出部をカソード電極12上に
残してもよい。
【0165】尚、[工程−B1]、[工程−B3]、
[工程−B2]の順に実行してもよい。
【0166】[工程−B4]次に、電子放出部16B、
基板11及びカソード電極12上に絶縁層13を形成す
る。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラ
ン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面
に、厚さ約1μmの絶縁層13を形成する。
【0167】[工程−B5]その後、絶縁層13上にス
トライプ状のゲート電極14を形成し、更に、絶縁層1
3及びゲート電極14上にマスク層19を設けた後、ゲ
ート電極14に第1開口部15Aを形成し、更に、ゲー
ト電極14に形成された第1開口部15Aに連通する第
2開口部15Bを絶縁層13に形成する(図13の
(B)参照)。尚、マトリックス40を金属酸化物、例
えばITOから構成する場合、絶縁層13をエッチング
するとき、マトリックス40がエッチングされることは
ない。即ち、絶縁層13とマトリックス40とのエッチ
ング選択比はほぼ無限大である。従って、絶縁層13の
エッチングによってカーボン・ナノチューブ41に損傷
が発生することはない。
【0168】[工程−B6]次いで、以下の表5に例示
する条件にて、マトリックス40の一部を除去し、マト
リックス40から先端部が突出した状態のカーボン・ナ
ノチューブ41を得ることが好ましい。こうして、図1
4の(A)に示す構造の電子放出部16Bを得ることが
できる。
【0169】[表5] エッチング溶液:塩酸 エッチング時間:10秒〜30秒 エッチング温度:10〜60゜C
【0170】マトリックス40のエッチングによって一
部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ41の表面状
態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、
フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっ
ている場合がある。それ故、その後、電子放出部16B
に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うこと
が好ましく、これによって、電子放出部16Bが活性化
し、電子放出部16Bからの電子の放出効率の一層の向
上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の
表6に例示する。
【0171】[表6] 使用ガス :H2=100sccm 電源パワー :1000W 支持体印加電力:50V 反応圧力 :0.1Pa 基板温度 :300゜C
【0172】その後、カーボン・ナノチューブ41から
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ41の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ41を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ41を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。
【0173】[工程−B7]その後、絶縁層13に設け
られた第2開口部15Bの側壁面を等方的なエッチング
によって後退させることが、ゲート電極14の開口端部
を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的
なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラ
ジカルを主エッチング種として利用するドライエッチン
グ、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチン
グにより行うことができる。エッチング液としては、例
えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)
混合液を用いることができる。次いで、マスク層19を
除去する。こうして、図14の(B)に示す電界放出素
子を完成することができる。
【0174】尚、[工程−B5]の後、[工程−B
7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
【0175】[扁平型電界放出素子(その2)]扁平型
電界放出素子の模式的な一部断面図を、図15の(A)
に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから
成る基板11上に形成されたカソード電極12、基板1
1及びカソード電極12上に形成された絶縁層13、絶
縁層13上に形成されたゲート電極14、ゲート電極1
4及び絶縁層13を貫通する開口部15(ゲート電極1
4に設けられた第1開口部、及び、絶縁層13に設けら
れ、第1開口部と連通した第2開口部)、並びに、開口
部15の底部に位置するカソード電極12の部分の上に
設けられた扁平の電子放出部(電子放出層16C)から
成る。ここで、電子放出層16Cは、図面の紙面垂直方
向に延びたストライプ状のカソード電極12上に形成さ
れている。また、ゲート電極14は、図面の紙面左右方
向に延びている。カソード電極12及びゲート電極14
はクロムから成る。電子放出層16Cは、具体的には、
グラファイト粉末から成る薄層から構成されている。図
15の(A)に示した扁平型電界放出素子においては、
カソード電極12の表面の全域に亙って、電子放出層1
6Cが形成されているが、このような構造に限定するも
のではなく、要は、少なくとも開口部15の底部に電子
放出層16Cが設けられていればよい。
【0176】[平面型電界放出素子]平面型電界放出素
子の模式的な一部断面図を、図15の(B)に示す。こ
の平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る基板1
1上に形成されたストライプ状のカソード電極12、基
板11及びカソード電極12上に形成された絶縁層1
3、絶縁層13上に形成されたストライプ状のゲート電
極14、並びに、ゲート電極14及び絶縁層13を貫通
する第1開口部及び第2開口部(開口部15)から成
る。開口部15の底部にはカソード電極12が露出して
いる。カソード電極12は、図面の紙面垂直方向に延
び、ゲート電極14は、図面の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極12及びゲート電極14はクロム(C
r)から成り、絶縁層13はSiO2から成る。ここ
で、開口部15の底部に露出したカソード電極12の部
分が電子放出部16Dに相当する。
【0177】(プラズマ表示装置)本発明の蛍光体粒子
をプラズマ表示装置(PDP)に適用した例を以下に説
明する。AC型プラズマ表示装置の典型的な構成例を、
図16に示す。このAC型プラズマ表示装置は所謂3電
極型に属し、一対の放電維持電極52Aの間で主に放電
が生じる。図16に示すAC型プラズマ表示装置は、フ
ロントパネル50とリアパネル54とが周縁部で貼り合
わされて成る。リアパネル54上の発光体層58の発光
は、フロントパネル50を通して観察される。
【0178】フロントパネル50は、透明な第1の基板
51と、第1の基板51上にストライプ状に設けられ、
透明導電材料から成る対になった放電維持電極52A
と、放電維持電極52Aのインピーダンスを低下させる
ために設けられ、放電維持電極52Aよりも電気抵抗率
の低い材料から成るバス電極52Bと、バス電極52B
及び放電維持電極52A上を含む第1の基板51上に形
成された誘電体膜として機能する保護層53とから構成
されている。
【0179】一方、表示用パネルに相当するリアパネル
54は、第2の基板(支持体)55と、第2の基板55
上にストライプ状に設けられたアドレス電極(データ電
極とも呼ばれ、表示用パネルの電極に相当する)56
と、アドレス電極56上を含む第2の基板55上に形成
された誘電体膜57と、誘電体膜57上であって隣り合
うアドレス電極56の間の領域にアドレス電極56と平
行に延びる絶縁性の隔壁59と、誘電体膜57上から隔
壁59の側壁面上に亙って設けられた発光体層58とか
ら構成されている。発光体層58は、赤色発光体層58
R、緑色発光体層58G、及び、青色発光体層58Bか
ら構成されており、これらの各色の発光体層58R,5
8G,58Bが所定の順序に従って設けられている。こ
こで、発光体層58R,58G,58Bは、実施の形態
2にて説明した方法に基づいて形成されている。
【0180】図16は分解斜視図であり、実際にはリア
パネル側の隔壁59の頂部がフロントパネル側の保護層
53に当接している。一対の放電維持電極52Aと、2
つの隔壁59の間に位置するアドレス電極56とが重複
する領域が、放電セルに相当する。そして、隣り合う隔
壁59と発光体層58と保護層53とによって囲まれた
空間内には、希ガスが封入されている。
【0181】放電維持電極52Aが延びる方向とアドレ
ス電極56が延びる方向とは90度の角度を成してお
り、一対の放電維持電極52Aと、3原色を発光する発
光体層58R,58G,58Bの1組とが重複する領域
が1画素に相当する。グロー放電が一対の放電維持電極
52A間で生じることから、このタイプのプラズマ表示
装置は「面放電型」と称される。放電セルにおいては、
希ガス中でのグロー放電に基づき発生した真空紫外線の
照射によって励起された発光体層が、蛍光体材料の種類
に応じた特有の発光色を呈する。尚、封入された希ガス
の種類に応じた波長を有する真空紫外線が発生する。希
ガスとして、He(共鳴線の波長=58.4nm)、N
e(同74.4nm)、Ar(同107nm)、Kr
(同124nm)、Xe(同147nm)を単独で用い
るか、又は混合して用いることが可能であるが、ペニン
グ効果による放電開始電圧の低下が期待できる混合ガス
が特に有用である。かかる混合ガスとしては、Ne−A
r混合ガス、He−Xe混合ガス、Ne−Xe混合ガス
を挙げることができる。尚、これらの希ガスの中でも最
も長い共鳴線波長を有するXeは、波長172nmの強
い真空紫外線も放射するので、好適な希ガスである。
【0182】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した表示用パネルや平面
型表示装置、冷陰極電界電子放出素子の構造、構成は例
示であり、適宜変更することができるし、蛍光体粒子、
表示用パネル、平面型表示装置や冷陰極電界電子放出素
子の製造方法も例示であり、適宜変更することができ
る。実施の形態3においては、導電性を有する金属酸化
膜を用いたが、広くは、導電性を有する膜に代替するこ
ともできる。
【0183】発明の実施の形態においては、酢酸塩水溶
液に、水ガラスと蛍光体粒子の混合物の水溶液を添加し
たが、水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩又は硝酸塩との混
合溶液中で、水ガラスと酢酸塩又は硝酸塩とを反応させ
る手順は、これに限定されない。即ち、例えば、支持体
が浸漬された水ガラスと蛍光体粒子の混合物の水溶液
に、酢酸塩又は硝酸塩の水溶液を添加してもよい。ある
いは又、酢酸塩又は硝酸塩の水溶液に、あるいは、支持
体が浸漬された酢酸塩又は硝酸塩の水溶液に、水ガラス
水溶液と、蛍光体粒子を分散させた純水とを、同時に、
あるいは、逐次、添加してもよい。あるいは又、水ガラ
ス水溶液に、あるいは、支持体が浸漬された水ガラス水
溶液に、酢酸塩又は硝酸塩の水溶液と、蛍光体粒子を分
散させた純水とを、同時に、あるいは、逐次、添加して
もよい。更には、蛍光体粒子を分散させた純水に、ある
いは、支持体が浸漬された蛍光体粒子を分散させた純水
に、水ガラス水溶液と、酢酸塩又は硝酸塩の水溶液と
を、同時に、あるいは、逐次、添加してもよい。
【0184】更には、冷陰極電界電子放出素子の製造に
おいて使用した各種材料も例示であり、適宜変更するこ
とができる。冷陰極電界電子放出素子においては、専ら
1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明
したが、冷陰極電界電子放出素子の構造に依っては、1
つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるい
は、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態と
することもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第
1開口部を設け、絶縁層にかかる複数の第1開口部に連
通した1つの第2開口部を設け、1又は複数の電子放出
部を設ける形態とすることもできる。また、場合によっ
ては、支持体上にアノード電極を形成し、アノード電極
の上にストライプ状あるいはドット状の発光体層を形成
してもよい。
【0185】ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状
の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート
電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート
電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成する
カソード電極とカソード電極駆動回路との間に、例え
ば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるス
イッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子
放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御す
る。
【0186】あるいは又、カソード電極を、有効領域を
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、かかるカソード
電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成するゲー
ト電極とゲート電極駆動回路との間に、例えば、TFT
から成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング
素子の作動によって、各画素を構成する電子放出部への
印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0187】アノード電極は、有効領域を1枚のシート
状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよ
いし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数
の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式
のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構
成の場合、かかるアノード電極をアノード電極制御回路
に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場
合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制
御回路に接続すればよい。
【0188】電界放出素子において、ゲート電極14及
び絶縁層13の上に更に第2の絶縁層63を設け、第2
の絶縁層63上に収束電極64を設けてもよい。このよ
うな構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を
図17に示す。第2の絶縁層63には、第1開口部15
Aに連通した第3開口部65が設けられている。収束電
極64の形成は、例えば、[工程−A2]において、絶
縁層13上にストライプ状のゲート電極14を形成した
後、第2の絶縁層63を形成し、次いで、第2の絶縁層
63上にパターニングされた収束電極64を形成した
後、収束電極64、第2の絶縁層63に第3開口部65
を設け、更に、ゲート電極14に第1開口部15Aを設
ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、
1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素
に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極
とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシー
ト状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることも
できる。尚、図17においては、スピント型電界放出素
子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもで
きることは云うまでもない。
【0189】収束電極は、このような方法にて形成する
だけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Fe
アロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成
る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチ
ングやエッチングすることによって開口部を形成するこ
とで収束電極を作製することもできる。そして、カソー
ドパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネ
ルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによっ
て、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層13
とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜と
アノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化さ
せ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させ
ることもできる。
【0190】冷陰極電界電子放出表示装置は、カソード
電極、ゲート電極及びアノード電極から構成された所謂
3電極型に限定されず、カソード電極及びアノード電極
から構成された所謂2電極型とすることもできる。この
ような構造の表示装置の模式的な一部断面図を図18に
示す。尚、図18においては、隔壁の図示を省略してい
る。この表示装置における電界放出素子は、基板11上
に設けられたカソード電極12と、カソード電極12上
に形成されたカーボン・ナノチューブ41から構成され
た電子放出部16Bから成る。表示用パネル(アノード
パネル)20を構成するアノード電極24Aはストライ
プ状である。尚、電子放出部の構造はカーボン・ナノチ
ューブ構造体に限定されない。ストライプ状のカソード
電極12の射影像とストライプ状のアノード電極24A
の射影像とは直交している。具体的には、カソード電極
12は図面の紙面垂直方向に延び、アノード電極24A
は図面の紙面左右方向に延びている。この表示装置にお
ける背面パネル(カソードパネル)10においては、上
述のような電界放出素子の複数から構成された電子放出
領域が有効領域に2次元マトリクス状に多数形成されて
いる。
【0191】この表示装置においては、アノード電極2
4Aによって形成された電界に基づき、量子トンネル効
果に基づき電子放出部16Bから電子が放出され、この
電子がアノード電極24Aに引き付けられ、発光体層2
2に衝突する。即ち、アノード電極24Aの射影像とカ
ソード電極12の射影像とが重複する領域(アノード電
極/カソード電極重複領域)に位置する電子放出部16
Bから電子が放出される、所謂単純マトリクス方式によ
り、表示装置の駆動が行われる。具体的には、カソード
電極制御回路31からカソード電極12に相対的に負の
電圧を印加し、加速電源(アノード電極制御回路)33
からアノード電極24Aに相対的に正の電圧を印加す
る。その結果、列選択されたカソード電極12と行選択
されたアノード電極24A(あるいは、行選択されたカ
ソード電極12と列選択されたアノード電極24A)と
のアノード電極/カソード電極重複領域に位置する電子
放出部16Bを構成するカーボン・ナノチューブ41か
ら選択的に真空空間中へ電子が放出され、この電子がア
ノード電極24Aに引き付けられて表示用パネル(アノ
ードパネル)20を構成する発光体層22に衝突し、発
光体層22を励起、発光させる。
【0192】表面伝導型電子放出素子と通称される素子
から電子放出部を構成することもできる。この表面伝導
型電子放出素子は、例えばガラスから成る基板上に酸化
錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In2
3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム
(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所
定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の電極がマ
トリクス状に形成されて成る。それぞれの電極の上には
炭素薄膜が形成されている。そして、一対の電極の内の
一方の電極に行方向配線が接続され、一対の電極の内の
他方の電極に列方向配線が接続された構成を有する。一
対の電極に電圧を印加することによって、ギャップを挟
んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜か
ら電子が放出される。かかる電子を表示用パネル(アノ
ードパネル)上の発光体層に衝突させることによって、
発光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることが
できる。
【0193】
【発明の効果】本発明においては、ガラス状薄膜によっ
て蛍光体粒子の表面が被覆されているので、蛍光体粒子
の劣化を防止することができ、蛍光体粒子の輝度低下を
抑制することができる。その結果、例えば平面型表示装
置における輝度の経時劣化を、実用上、問題とはならな
い程度に低減することができる。また、ガラス状薄膜上
に導電性を有する金属酸化膜(広くは、導電性材料層)
を形成すれば、蛍光体粒子の帯電を防止することがで
き、蛍光体粒子の劣化を一層効果的に防止することがで
き、蛍光体粒子の輝度低下を一層確実に抑制することが
できる結果、例えば平面型表示装置における輝度の経時
劣化を、一層確実に低減することができる。
【0194】また、本発明の第1の態様あるいは第2の
態様に係る表示用パネルの製造方法、あるいは、平面型
表示装置の製造方法においては、従来の技術と異なり、
蛍光体粒子それ自体に予めコーティングを行う必要が無
く、所謂沈殿法を採用するので、均一な膜厚のガラス状
薄膜を蛍光体粒子の表面に容易に、且つ、確実に形成す
ることができるし、かかる蛍光体粒子の製造コストも安
価である。また、隔壁を設け、発光体層を形成しない支
持体の領域の上方に隔壁頂面によって担持されたフィル
ムを予め配設しておけば、三原色を発光する表示用パネ
ルを容易に、且つ、低コストにて作製することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)〜(C)は、発明の実施の形態1
の蛍光体粒子の製造方法及び表示用パネルの製造方法を
説明するための支持体等の模式的な断面図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態1の表示用パネル、
冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図であ
る。
【図3】図3は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子
放出表示装置の模式的な一部を切り出した分解斜視図で
ある。
【図4】図4の(A)は、発明の実施の形態1において
製造された冷陰極電界電子放出表示装置と、従来の方法
に基づき製造された表示用パネルに基づき組み立てられ
た冷陰極電界電子放出表示装置における輝度の経時変化
を調べた結果を示すグラフであり、図4の(B)は、発
明の実施の形態3において製造された冷陰極電界電子放
出表示装置と、従来の方法に基づき製造された表示用パ
ネルに基づき組み立てられた冷陰極電界電子放出表示装
置における輝度の経時変化を調べた結果を示すグラフで
ある。
【図5】図5の(A)〜(D)は、発明の実施の形態2
の蛍光体粒子の製造方法及び表示用パネルの製造方法を
説明するための支持体等の模式的な断面図である。
【図6】図6の(A)〜(D)は、図5の(D)に引き
続き、発明の実施の形態2の蛍光体粒子の製造方法及び
表示用パネルの製造方法を説明するための支持体等の模
式的な断面図である。
【図7】図7は、発明の実施の形態2の表示用パネル、
冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図であ
る。
【図8】図8の(A)及び(B)は、それぞれ、発光体
層がマトリクス状(ドット状)に配置された表示用パネ
ルの模式的な平面図、及び、模式的な一部断面図であ
る。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、発光体
層がストライプ状に配置された表示用パネルの模式的な
平面図、及び、模式的な一部断面図である。
【図10】図10の(A)及び(B)は、スピント型冷
陰極電界電子放出素子から成る第1の構造を有する発明
の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子の製造方法を
説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図11】図11の(A)及び(B)は、図10の
(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子
から成る第1の構造を有する発明の実施の形態1の冷陰
極電界電子放出素子の製造方法を説明するための基板等
の模式的な一部端面図である。
【図12】図12は、レーザーアブレーション装置の概
要を示す図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、扁平型冷陰極
電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するため
の基板等の模式的な一部断面図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、図13の
(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(そ
の1)の製造方法を説明するための基板等の模式的な一
部断面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、それぞれ、扁
平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部
断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的
な一部断面図である。
【図16】図16は、プラズマ表示装置の概念的な分解
斜視図である。
【図17】図17は、収束電極を有するスピント型冷陰
極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図18】図18は、所謂2電極型の冷陰極電界電子放
出表示装置の模式的な一部断面図である。
【図19】図19は、(ZnS:Ag,Cl)から成る
青色を発光する従来の蛍光体粒子における加速電圧と輝
度低下との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・背面パネル(カソードパネル)、11・・・
基板、12・・・カソード電極、13・・・絶縁層、1
4・・・ゲート電極、15,15A,15B・・・開口
部、16A,16B,16D・・・電子放出部、16C
・・・電子放出層、17・・・剥離層、18・・・導電
体層、20・・・表示用パネル(アノードパネル)、2
1・・・支持体、22,22R,22G,22B・・・
発光体層、23・・・隔壁、24・・・アノード電極、
25・・・ドライ・フィルム、26・・・中間膜、30
・・・枠体、31・・・カソード電極駆動回路、32・
・・ゲート電極駆動回路、33・・・加速電源(アノー
ド電極駆動回路)、40・・・マトリックス、41・・
・カーボン・ナノチューブ、50・・・フロントパネ
ル、51・・・第1の基板、52A・・・放電維持電
極、52B・・・バス電極、53・・・保護層、54・
・・リアパネル(表示用パネル)、55・・・第2の基
板(支持体)、56・・・アドレス電極、57・・・誘
電体膜、58,58R,58G,58B・・・発光体
層、59・・・隔壁、62・・・第2の絶縁層、63・
・・収束電極、64・・・第3開口部
フロントページの続き (72)発明者 林 宗治 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大野 勝利 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 楠木 常夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4H001 CA01 CC11 5C028 HH14

Claims (100)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜が表
    面に形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸塩であ
    ることを特徴とする蛍光体粒子。
  2. 【請求項2】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロンチ
    ウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された少
    なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項1
    に記載の蛍光体粒子。
  3. 【請求項3】酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜が表
    面に形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸塩であ
    ることを特徴とする蛍光体粒子。
  4. 【請求項4】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロンチ
    ウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された少
    なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項3
    に記載の蛍光体粒子。
  5. 【請求項5】水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶
    液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の
    表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する
    ことを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロンチ
    ウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された少
    なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項5
    に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶
    液中で、水ガラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の
    表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する
    ことを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロンチ
    ウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された少
    なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項7
    に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】支持体、真空空間中から飛来した電子の照
    射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルであって、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸塩であ
    ることを特徴とする表示用パネル。
  10. 【請求項10】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    9に記載の表示用パネル。
  11. 【請求項11】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルであって、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸塩であ
    ることを特徴とする表示用パネル。
  12. 【請求項12】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    11に記載の表示用パネル。
  13. 【請求項13】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルの製造方法であって、 水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガ
    ラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪
    素を主成分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄
    膜によって、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光
    体粒子を固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固
    定し、以て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発
    光体層を形成することを特徴とする表示用パネルの製造
    方法。
  14. 【請求項14】水ガラスと酢酸塩とを反応させる工程
    は、酢酸塩の溶液中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガ
    ラスと蛍光体粒子の混合物溶液を添加し、酢酸塩と該混
    合物溶液中の水ガラスとを反応させる工程から成ること
    を特徴とする請求項13に記載の表示用パネルの製造方
    法。
  15. 【請求項15】支持体の表面には隔壁が形成されてお
    り、発光体層を形成しない支持体の領域の上方に、隔壁
    頂面によって担持されたフィルムを予め配設しておき、
    発光体層の形成後、該フィルムを除去することを特徴と
    する請求項13に記載の表示用パネルの製造方法。
  16. 【請求項16】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項13に記載の表示用パ
    ネルの製造方法。
  17. 【請求項17】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    13に記載の表示用パネルの製造方法。
  18. 【請求項18】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルの製造方法であって、 水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガ
    ラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪
    素を主成分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄
    膜によって、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光
    体粒子を固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固
    定し、以て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発
    光体層を形成することを特徴とする表示用パネルの製造
    方法。
  19. 【請求項19】水ガラスと硝酸塩とを反応させる工程
    は、硝酸塩の溶液中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガ
    ラスと蛍光体粒子の混合物溶液を添加し、硝酸塩と該混
    合物溶液中の水ガラスとを反応させる工程から成ること
    を特徴とする請求項18に記載の表示用パネルの製造方
    法。
  20. 【請求項20】支持体の表面には隔壁が形成されてお
    り、発光体層を形成しない支持体の領域の上方に、隔壁
    頂面によって担持されたフィルムを予め配設しておき、
    発光体層の形成後、該フィルムを除去することを特徴と
    する請求項18に記載の表示用パネルの製造方法。
  21. 【請求項21】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項18に記載の表示用パ
    ネルの製造方法。
  22. 【請求項22】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    18に記載の表示用パネルの製造方法。
  23. 【請求項23】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置であって、 表示用パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電
    子の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体
    層、及び、電極から成り、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び酢酸塩であ
    ることを特徴とする平面型表示装置。
  24. 【請求項24】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    23に記載の平面型表示装置。
  25. 【請求項25】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置であって、 表示用パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電
    子の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体
    層、及び、電極から成り、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、 該ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及び硝酸塩であ
    ることを特徴とする平面型表示装置。
  26. 【請求項26】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    25に記載の平面型表示装置。
  27. 【請求項27】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置の製造方法であって、 表示用パネルを、 水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶液中で、水ガ
    ラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪
    素を主成分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄
    膜によって、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光
    体粒子を固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固
    定し、以て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発
    光体層を形成する、工程にて製造することを特徴とする
    平面型表示装置の製造方法。
  28. 【請求項28】水ガラスと酢酸塩とを反応させる工程
    は、酢酸塩の溶液中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガ
    ラスと蛍光体粒子の混合物溶液を添加し、酢酸塩と該混
    合物溶液中の水ガラスとを反応させる工程から成ること
    を特徴とする請求項27に記載の平面型表示装置の製造
    方法。
  29. 【請求項29】支持体の表面には隔壁が形成されてお
    り、発光体層を形成しない支持体の領域の上方に、隔壁
    頂面によって担持されたフィルムを予め配設しておき、
    発光体層の形成後、該フィルムを除去することを特徴と
    する請求項27に記載の平面型表示装置の製造方法。
  30. 【請求項30】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項27に記載の平面型表
    示装置の製造方法。
  31. 【請求項31】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    27に記載の平面型表示装置の製造方法。
  32. 【請求項32】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置の製造方法であって、 表示用パネルを、 水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶液中で、水ガ
    ラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面に酸化珪
    素を主成分としたガラス状薄膜を形成し、該ガラス状薄
    膜によって、該混合溶液中に配置された支持体上に蛍光
    体粒子を固定し、且つ、蛍光体粒子と蛍光体粒子とを固
    定し、以て、該支持体上に蛍光体粒子から構成された発
    光体層を形成する、工程にて製造することを特徴とする
    平面型表示装置の製造方法。
  33. 【請求項33】水ガラスと硝酸塩とを反応させる工程
    は、硝酸塩の溶液中に支持体を浸漬し、該溶液中に水ガ
    ラスと蛍光体粒子の混合物溶液を添加し、硝酸塩と該混
    合物溶液中の水ガラスとを反応させる工程から成ること
    を特徴とする請求項32に記載の平面型表示装置の製造
    方法。
  34. 【請求項34】支持体の表面には隔壁が形成されてお
    り、発光体層を形成しない支持体の領域の上方に、隔壁
    頂面によって担持されたフィルムを予め配設しておき、
    発光体層の形成後、該フィルムを除去することを特徴と
    する請求項32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  35. 【請求項35】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項32に記載の平面型表
    示装置の製造方法。
  36. 【請求項36】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    32に記載の平面型表示装置の製造方法。
  37. 【請求項37】酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜が
    表面に形成されており、該ガラス状薄膜上に金属酸化膜
    が形成されていることを特徴とする蛍光体粒子。
  38. 【請求項38】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び酢酸塩であることを特徴とする請求項37に記載の蛍
    光体粒子。
  39. 【請求項39】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    38に記載の蛍光体粒子。
  40. 【請求項40】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び硝酸塩であることを特徴とする請求項37に記載の蛍
    光体粒子。
  41. 【請求項41】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    40に記載の蛍光体粒子。
  42. 【請求項42】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項37に記載の蛍光体粒子。
  43. 【請求項43】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項37に記載の蛍光体粒子。
  44. 【請求項44】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項37に記載の蛍光体粒子。
  45. 【請求項45】(A)水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩と
    の混合溶液中で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光
    体粒子の表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を
    形成する工程と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    から成ることを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
  46. 【請求項46】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    45に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  47. 【請求項47】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項45に記載の
    蛍光体粒子の製造方法。
  48. 【請求項48】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項45に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  49. 【請求項49】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項45に記載の蛍光体粒子の
    製造方法。
  50. 【請求項50】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項45に記載の蛍光体粒子の製造方
    法。
  51. 【請求項51】(A)水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩と
    の混合溶液中で、水ガラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光
    体粒子の表面に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を
    形成する工程と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    から成ることを特徴とする蛍光体粒子の製造方法。
  52. 【請求項52】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    51に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  53. 【請求項53】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項51に記載の
    蛍光体粒子の製造方法。
  54. 【請求項54】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項51に記載の蛍光体粒子の製造方法。
  55. 【請求項55】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項51に記載の蛍光体粒子の
    製造方法。
  56. 【請求項56】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項51に記載の蛍光体粒子の製造方
    法。
  57. 【請求項57】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルであって、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、該ガラス状薄膜上に金属酸
    化膜が形成されていることを特徴とする表示用パネル。
  58. 【請求項58】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び酢酸塩であることを特徴とする請求項57に記載の表
    示用パネル。
  59. 【請求項59】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    58に記載の表示用パネル。
  60. 【請求項60】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び硝酸塩であることを特徴とする請求項57に記載の表
    示用パネル。
  61. 【請求項61】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    60に記載の表示用パネル。
  62. 【請求項62】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項57に記載の表示用パネル。
  63. 【請求項63】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項57に記載の表示用パネ
    ル。
  64. 【請求項64】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項57に記載の表示用パネル。
  65. 【請求項65】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルの製造方法であって、 蛍光体粒子を、 (A)水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶液中
    で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面
    に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する工程
    と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    を経て形成することを特徴とする表示用パネルの製造方
    法。
  66. 【請求項66】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    65に記載の表示用パネルの製造方法。
  67. 【請求項67】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項65に記載の
    表示用パネルの製造方法。
  68. 【請求項68】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項65に記載の表示用パネルの製造方法。
  69. 【請求項69】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項65に記載の表示用パネル
    の製造方法。
  70. 【請求項70】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項65に記載の表示用パネルの製造
    方法。
  71. 【請求項71】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項65に記載の表示用パ
    ネルの製造方法。
  72. 【請求項72】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、及
    び、電極から成る表示用パネルの製造方法であって、 蛍光体粒子を、 (A)水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶液中
    で、水ガラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面
    に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する工程
    と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    を経て形成することを特徴とする表示用パネルの製造方
    法。
  73. 【請求項73】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    72に記載の表示用パネルの製造方法。
  74. 【請求項74】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項72に記載の
    表示用パネルの製造方法。
  75. 【請求項75】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項72に記載の表示用パネルの製造方法。
  76. 【請求項76】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項72に記載の表示用パネル
    の製造方法。
  77. 【請求項77】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項72に記載の表示用パネルの製造
    方法。
  78. 【請求項78】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項72に記載の表示用パ
    ネルの製造方法。
  79. 【請求項79】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置であって、 表示用パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電
    子の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体
    層、及び、電極から成り、 該蛍光体粒子の表面には、酸化珪素を主成分としたガラ
    ス状薄膜が形成されており、該ガラス状薄膜上に金属酸
    化膜が形成されていることを特徴とする平面型表示装
    置。
  80. 【請求項80】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び酢酸塩であることを特徴とする請求項79に記載の平
    面型表示装置。
  81. 【請求項81】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    80に記載の平面型表示装置。
  82. 【請求項82】ガラス状薄膜の出発物質は、水ガラス及
    び硝酸塩であることを特徴とする請求項79に記載の平
    面型表示装置。
  83. 【請求項83】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    82に記載の平面型表示装置。
  84. 【請求項84】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項79に記載の平面型表示装置。
  85. 【請求項85】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項79に記載の平面型表示装
    置。
  86. 【請求項86】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項79に記載の平面型表示装置。
  87. 【請求項87】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置の製造方法であって、 表示用パネルは、支持体、真空空間中から飛来した電子
    の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、
    及び、電極から成り、 蛍光体粒子を、 (A)水ガラスと蛍光体粒子と酢酸塩との混合溶液中
    で、水ガラスと酢酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面
    に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する工程
    と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    を経て形成することを特徴とする平面型表示装置の製造
    方法。
  88. 【請求項88】酢酸塩は、酢酸バリウム、酢酸ストロン
    チウム及び酢酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の酢酸塩であることを特徴とする請求項
    87に記載の平面型表示装置の製造方法。
  89. 【請求項89】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項87に記載の
    平面型表示装置の製造方法。
  90. 【請求項90】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項87に記載の平面型表示装置の製造方
    法。
  91. 【請求項91】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項87に記載の平面型表示装
    置の製造方法。
  92. 【請求項92】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項87に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  93. 【請求項93】発光体層の形成後、発光体層上に電極を
    形成することを特徴とする請求項87に記載の平面型表
    示装置の製造方法。
  94. 【請求項94】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置の製造方法であって、 表示用パネルは、支持体、真空空間中から飛来した電子
    の照射によって発光する蛍光体粒子から成る発光体層、
    及び、電極から成り、 蛍光体粒子を、 (A)水ガラスと蛍光体粒子と硝酸塩との混合溶液中
    で、水ガラスと硝酸塩とを反応させ、蛍光体粒子の表面
    に酸化珪素を主成分としたガラス状薄膜を形成する工程
    と、 (B)該ガラス状薄膜上に金属酸化膜を形成する工程、
    を経て形成することを特徴とする平面型表示装置の製造
    方法。
  95. 【請求項95】硝酸塩は、硝酸バリウム、硝酸ストロン
    チウム及び硝酸アルミニウムから成る群から選択された
    少なくとも1種の硝酸塩であることを特徴とする請求項
    94に記載の平面型表示装置の製造方法。
  96. 【請求項96】金属酸化膜の形成は、レーザーアブレー
    ション法に基づくことを特徴とする請求項94に記載の
    平面型表示装置の製造方法。
  97. 【請求項97】金属酸化膜は酸化亜鉛から成ることを特
    徴とする請求項94に記載の平面型表示装置の製造方
    法。
  98. 【請求項98】金属酸化膜はインジウム−錫酸化物から
    成ることを特徴とする請求項94に記載の平面型表示装
    置の製造方法。
  99. 【請求項99】金属酸化膜は酸化インジウムから成るこ
    とを特徴とする請求項94に記載の平面型表示装置の製
    造方法。
  100. 【請求項100】発光体層の形成後、発光体層上に電極
    を形成することを特徴とする請求項94に記載の平面型
    表示装置の製造方法。
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