JPH10195429A - カラーテレビジョン用蛍光体 - Google Patents

カラーテレビジョン用蛍光体

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JPH10195429A
JPH10195429A JP561797A JP561797A JPH10195429A JP H10195429 A JPH10195429 A JP H10195429A JP 561797 A JP561797 A JP 561797A JP 561797 A JP561797 A JP 561797A JP H10195429 A JPH10195429 A JP H10195429A
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phosphor
particles
barium
color
weight
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JP561797A
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Hiroyasu Yashima
博泰 八島
Tadashi Wakatsuki
正 若月
Masanori Otake
真典 大竹
Yoshinori Funayama
欣能 舩山
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光膜を形成した場合に混色品位を向上でき、
かつ蛍光体スラリー中における分散性が良好であり、孔
あき(ピンホール)が少なく緻密な蛍光膜を形成するこ
とが可能なカラーテレビジョン用蛍光体を提供する。 【解決手段】蛍光体粒子表面にシリカ(SiO2 ),ア
ルミナ(Al2 3 )および酸化チタン(TiO2 )か
ら選択される少なくとも1種の酸化物粒子を蛍光体粒子
重量に対して0.01〜0.8重量%の割合で付着させ
るとともに、蛍光体粒子表面にバリウム化合物を付着さ
せたことを特徴とする。また、上記バリウム化合物は、
珪酸バリウムおよび炭酸バリウムの少なくとも一方から
構成するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーテレビジョン
用蛍光体に係り、特に蛍光膜を形成した場合に混色品位
を向上でき、かつ蛍光体スラリー中における分散性が良
好であり、孔あき(ピンホール)が少なく緻密な蛍光膜
を形成することが可能なカラーテレビジョン用蛍光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビジョン用冷陰極線管(CR
T)は、ブラウン管の蛍光面に赤(R),緑(G),青
(B)の三原色の蛍光体膜をストライプ状またはドット
状に形成して成り、この蛍光体膜に、シャドウマスクを
通過した3本の電子ビームを選択的に照射して発光さ
せ、その各発光の加法混色により、あらゆる色から成る
カラー映像を再生する。
【0003】上記カラーテレビジョンの蛍光体膜は一般
に下記の手順で形成される。すなわち、ポリビニルアル
コール(PVA)と重クロム酸アンモニウム(ADC)
と界面活性剤とを含む水溶液中に蛍光体を分散させて蛍
光体スラリーを調製し、このスラリーをブラウン管のガ
ラスパネル内面に塗布して蛍光膜を形成する。次にシャ
ドウマスクを通して蛍光膜に紫外線を照射し、照射した
部分のPVAを硬化させる。そして硬化させた部分以外
の蛍光膜を現象処理により除去してストライプ状または
ドット状の蛍光膜を形成する。このスラリー塗布および
現像操作を三原色の各蛍光体について3回繰り返すこと
により、青色発光,緑色発光および赤色発光の蛍光膜が
それぞれ形成される。
【0004】上記のような蛍光膜を形成する場合に蛍光
体に要求される特性としては下記の点が挙げられる。す
なわち、(1)ストライプ状またはドット状のいずれの
形状においても、孔あき(ピンホール)が少なく緻密な
蛍光膜が形成できること、(2)B,G,Rの三原色の
蛍光体について、1つの発光成分蛍光体が他の発光成分
蛍光体に混入しないこと、(3)蛍光体スラリーを塗布
して形成した蛍光膜の露光感度が高く、かつ蛍光体のガ
ラスパネル上への付着力が強いこと、(4)ガラスパネ
ルに塗布されているカーボン膜上への蛍光体粒子の残渣
が少ないこと、等が要求される。
【0005】近年、高精細で高輝度を指向する高品位テ
レビジョンの普及が加速されていることから、蛍光体に
ついても上記の各観点から品位向上が進められている。
特に(1)項の孔あきが少なく緻密な蛍光膜を形成でき
る特性および(2)項の混色を防止できる特性について
は、カラーテレビジョンの蛍光膜の品位特性を大きく左
右するため、これらの品位特性を向上させることが可能
な蛍光体の実現が待たれている。
【0006】従来、上記の特性を向上させることを目的
として、蛍光体に対して種々の表面処理等を行う試みが
なされている。例えば、特公昭50−15747号公報
では、蛍光体粒子表面を無機物質で表面処理することに
より、蛍光体粒子の凝集を防止し、緻密な蛍光膜を形成
する方法が開示されている。
【0007】一方、特公昭51−12032号公報で
は、蛍光体粒子表面を有機物質で表面処理することによ
り、蛍光体粒子の分散性を高め、緻密な蛍光膜を形成で
きる旨が開示されている。
【0008】また、特公昭61−46512号公報,特
公昭62−39186号公報および特公昭62−927
6号公報では、蛍光体粒子表面を無機化合物で表面処理
することにより、蛍光体粒子の分散性を高める技術が開
示されている。さらに特公昭60−21675号公報お
よび特公平6−29403号公報では、蛍光体粒子の表
面処理により混色品位を向上させた蛍光体が開示されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の改良された各蛍光体では、孔あきのない緻密な蛍光
体が得られる反面、表面処理剤によって蛍光体膜の発光
輝度が低下し、明るさが不十分なブラウン管しか得られ
ない場合が多く、また混色が多くなり高精細なカラー画
像が再生できないなど一長一短があり、市場要求に十分
に対応できない問題点があった。
【0010】近年、高品位カラーテレビジョンの普及が
進み、より高精細なカラー映像を再生することを可能と
するためには、さらに蛍光体膜の孔あき(ピンホール)
や混色を、より低減することが大きな技術上の課題とな
っていた。
【0011】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、蛍光膜を形成した場合に混色品位を向上
でき、かつ蛍光体スラリー中における分散性が良好であ
り、孔あき(ピンホール)が少なく緻密な蛍光膜を形成
することが可能なカラーテレビジョン用蛍光体を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは蛍光体粒子表面に種々の被膜を表面
処理して蛍光体を調製し、その蛍光体を使用してカラー
ブラウン管用の蛍光膜を形成し、被膜を構成する成分の
種類や含有量が、蛍光膜の混色品位や緻密性,ピンホー
ルなどの発生頻度に及ぼす影響を実験により比較調査し
た。
【0013】その結果、蛍光体粒子表面にSiO2 ,A
2 3 ,TiO2 等の酸化物粒子とともに所定量のバ
リウム化合物を表面処理により付着させたときに、酸化
物粒子およびバリウム化合物が蛍光体粒子表面に安定し
て強固に付着し、この蛍光体で蛍光膜を形成した場合
に、蛍光膜にピンホールなどがなく緻密であり、かつ混
色品位が大幅に向上するという知見が得られた。
【0014】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち、本発明に係るカラーテレビジョン
用蛍光体は、蛍光体粒子表面にシリカ(SiO2 ),ア
ルミナ(Al2 3 )および酸化チタン(TiO2 )か
ら選択される少なくとも1種の酸化物粒子を蛍光体粒子
重量に対して0.01〜0.8重量%の割合で付着させ
るとともに、蛍光体粒子表面にバリウム化合物を付着さ
せたことを特徴とする。
【0015】また、バリウム化合物は、珪酸バリウムお
よび炭酸バリウムの少なくとも一方で構成するとよい。
さらに、蛍光体粒子表面に付着させるバリウム化合物の
付着量が、蛍光体粒子重量に対して0.001〜0.3
重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%である
ことを特徴とする。
【0016】ここで本発明において使用される蛍光体粒
子は、特に限定されものではなく、三原色に対応する下
記のような青色発光蛍光体,緑色発光蛍光体および赤色
発光蛍光体が例示できる。すなわち、青色発光蛍光体と
しては、ZnS:Ag,Cl、ZnS:Ag,Al、コ
バルトアルミネート顔料被覆ZnS:Ag,Cl、Zn
S:Ag,Al、群青顔料被覆ZnS:Ag,Cl、Z
nS:Ag,Al等があり、緑色発光蛍光体としては、
ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、(Z
n,Cd)S:Cu,Al等がある。そして赤色発光蛍
光体としては、Y2 2 S:Eu、Y2 3 :Eu、Y
VO4 :Eu、べんがら顔料被覆Y2 2 S:Eu等が
ある。
【0017】また、シリカ(SiO2 ),アルミナ(A
2 3 ),酸化チタン(TiO2)などの酸化物粒子
は、蛍光体粒子表面に付着させることにより蛍光体粒子
の分散性を高め、蛍光膜面の混色品位を向上させる効果
を有し、蛍光体粒子重量に対して0.01〜0.8重量
%の範囲で付着される。上記酸化物粒子の付着量が0.
01重量%未満と過少な場合には、分散性の改善効果が
少なく、また蛍光膜面の混色品位の向上は望めない。一
方、酸化物粒子の付着量が0.8重量%を超えるように
過大になると蛍光体膜の輝度低下が大きくなり好ましく
ない。なお、上記SiO2 ,Al2 3 ,TiO2 など
の酸化物粒子に代えて、コロイダルシリカ,アルミナゾ
ル,酸化チタンゾル等を用いた場合にも同様な表面処理
効果が得られる。
【0018】またバリウム化合物は、蛍光体粒子表面に
上記酸化物粒子や酸化物ゾルを強固に付着させるととも
に、蛍光体膜面の混色および孔あき品位を向上させる効
果があり、蛍光体粒子重量に対して0.001〜0.3
重量%の割合で付着される。
【0019】上記バリウム化合物の付着量が0.001
重量%未満と過少である場合には、蛍光体粒子表面にS
iO2 ,Al2 3 ,TiO2 などの表面処理剤を強固
に付着させることが困難になる。一方、バリウム化合物
の付着量が0.3重量%を超えるように過量とした場合
には、蛍光体粒子の分散性が悪化することに伴って蛍光
膜面における混色が増加し、またピンホールが多発する
など蛍光膜面の孔あき品位が悪化してしまう。したがっ
てバリウム化合物の付着量は0.001〜0.3重量%
の範囲とされるが、0.01〜0.2重量%の範囲がよ
り好ましい。
【0020】また上記バリウム化合物としては珪酸バリ
ウムおよび炭酸バリウムの少なくとも一方を使用すると
よい。
【0021】本発明に係るカラーテレビジョン用蛍光体
は、例えば以下のような手順で製造される。特に蛍光体
粒子として青色発光蛍光体を用い、その表面にシリカ
(SiO2 )粒子と珪酸バリウムとを付着させる例で説
明する。
【0022】すなわち、純水中に青色発光蛍光体(Zn
S:Ag,Cl)を懸濁させて懸濁液を調製する。次
に、この懸濁液中に所定量の水ガラスを添加して十分に
撹拌する。さらに均一に分散したシリカ(SiO2 )分
散液を所定量添加した後に、2%硝酸バリウム溶液の規
定量を添加して約1時間撹拌することにより、蛍光体粒
子表面にシリカ(SiO2 )粒子および水ガラスと硝酸
バリウムとの反応によって生成した珪酸バリウムを付着
せしめる。そして、分散液を撹拌後、分散質を純水にて
数回洗浄して残留イオンを除去した後に濾過し、濾渣を
100〜200℃の温度で乾燥する。そして、乾燥後に
得られた塊状の蛍光体を篩に通して篩別することにより
本発明に係るカラーテレビジョン用蛍光体が得られる。
【0023】上記構成に係るカラーテレビジョン用蛍光
体によれば、シリカ,アルミナ,酸化チタンなどの酸化
物粒子とともにバリウム化合物を蛍光体粒子表面に付着
させて構成されているため、この蛍光体を使用して蛍光
膜を形成した場合に混色品位を向上させることができ
る。また、蛍光体スラリー中における蛍光体粒子の分散
性が良好であり、付着力も高くなるため、孔あき(ピン
ホール)が少なく緻密な蛍光膜を形成することが可能と
なる。したがって、混色が少なく色純度が優れた高品位
なカラーテレビジョンを提供することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下の実施形態を参照して、より具体的に説明する。
【0025】実施例1 青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Cl)粒子を1kg秤量
し8リットルの純水中に懸濁せしめて懸濁液とした。次
に、この懸濁液中に25%水ガラスを5ml添加して30
分間撹拌した。さらに10%Al2 3 分散液を60ml
添加して30分間撹拌した後に、5%硝酸バリウム水溶
液65mlを添加して1時間撹拌して表面処理を行った。
撹拌後、懸濁液を純水10リットルで3回繰り返して洗
浄することにより、表面処理剤に含まれていた残留イオ
ンを除去した。洗浄後、懸濁液を吸引濾過して濾渣を温
度150℃で8時間乾燥した。乾燥処理して得られた塊
状の蛍光体を400メッシュの篩を通して篩別すること
により、ZnS:Ag,Cl蛍光体粒子表面に、0.6
重量%のAl2 3 粒子と0.04重量%の珪酸バリウ
ムとが付着した実施例1に係る蛍光体を調製した。
【0026】比較例1 一方、上記実施例1において、Al2 3 分散液と珪酸
バリウムとによる表面処理を実施せずに青色発光蛍光体
(ZnS:Ag,Cl)粒子をそのまま使用して比較例
1に係る蛍光体とした。
【0027】実施例2 緑色発光蛍光体(ZnS:Cu,Al)粒子を1kg秤量
し8リットルの純水中に懸濁せしめて懸濁液とした。次
に、この懸濁液中に25%水ガラスを2ml添加して30
分間撹拌した。さらに10%SiO2 分散液を30ml添
加して30分間撹拌した後に、5%硝酸バリウム水溶液
25mlを添加して1時間撹拌して表面処理を行った。撹
拌後、懸濁液を純水10リットルで3回繰り返して洗浄
することにより、表面処理剤に含まれていた残留イオン
を除去した。洗浄後、懸濁液を吸引濾過して濾渣を温度
150℃で8時間乾燥した。乾燥処理して得られた塊状
の蛍光体を400メッシュの篩を通して篩別することに
より、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子表面に、0.3重
量%のSiO2 粒子と0.02重量%の珪酸バリウムと
が付着した実施例2に係る蛍光体を調製した。
【0028】比較例2 一方、上記実施例2において、SiO2 分散液と珪酸バ
リウムとによる表面処理を実施せずに、緑色発光蛍光体
(ZnS:Cu,Al)粒子をそのまま使用して比較例
2に係る蛍光体とした。
【0029】実施例3 赤色発光蛍光体(Y2 2 S:Eu)粒子を1kg秤量し
8リットルの純水中に懸濁せしめて懸濁液とした。次
に、この懸濁液中に25%水ガラスを1ml添加して30
分間撹拌した。さらに10%TiO2 分散液を10ml添
加して30分間撹拌した後に、5%硝酸バリウム水溶液
15mlを添加して1時間撹拌して表面処理を行った。撹
拌後、懸濁液を純水10リットルで3回繰り返して洗浄
することにより、表面処理剤に含まれていた残留イオン
を除去した。洗浄後、懸濁液を吸引濾過して濾渣を温度
150℃で8時間乾燥した。乾燥処理して得られた塊状
の蛍光体を400メッシュの篩を通して篩別することに
より、Y2 2 S:Eu蛍光体粒子表面に、0.1重量
%のTiO2 粒子と0.005重量%の珪酸バリウムと
が付着した実施例3に係る蛍光体を調製した。
【0030】比較例3 一方、上記実施例3において、TiO2 分散液と珪酸バ
リウムとによる表面処理を実施せずに、赤色発光蛍光体
(Y2 2 S:Eu)粒子をそのまま使用して比較例3
に係る蛍光体とした。
【0031】実施例4 青色発光蛍光体として、アクリルエマルジョンをバイン
ダーとして顔料被覆したコバルトブルー顔料被覆蛍光体
(ZnS:Ag,Al)粒子を1kg秤量し8リットルの
純水中に懸濁せしめて懸濁液とした。次に、この懸濁液
中に10%SiO2 分散液を40ml添加して30分間撹
拌した後に、5%硝酸バリウム水溶液18mlを添加し
て、次に、2%炭酸アンモニウ水溶液でpHを7.5に
調整しながら1時間撹拌して表面処理を行った。撹拌
後、懸濁液を純水10リットルで3回繰り返して洗浄す
ることにより、表面処理剤に含まれていた残留イオンを
除去した。洗浄後、懸濁液を吸引濾過して濾渣を温度1
50℃で8時間乾燥した。乾燥処理して得られた塊状の
蛍光体を400メッシュの篩を通して篩別することによ
り、コバルトブルー顔料被覆ZnS:Ag,Al蛍光体
粒子表面に、0.4重量%のSiO2 粒子と0.06重
量%の炭酸バリウムとが付着した実施例4に係る蛍光体
を調製した。
【0032】比較例4 一方、上記実施例4において、SiO2 分散液と炭酸バ
リウムとによる表面処理を実施せずに、コバルトブルー
顔料被覆青色発光蛍光体(ZnS:Ag,Al)粒子を
そのまま使用して比較例4に係る蛍光体とした。
【0033】実施例5 赤色発光蛍光体として、アクリルエマルジョンをバイン
ダーとした顔料を被覆したベンガラ顔料被覆蛍光体(Y
2 2 S:Eu)粒子を1kg秤量し8リットルの純水中
に懸濁せしめて懸濁液とした。次に、この懸濁液中に1
0%コロイダルSiO2 分散液を2ml添加して30分間
撹拌した後に、5%塩化バリウム水溶液35mlを添加し
て、次に2%炭酸アンモニウム水溶液でpHを7.5に
調整しながら1時間撹拌して表面処理を行った。撹拌
後、懸濁液を純水10リットルで3回繰り返して洗浄す
ることにより、表面処理剤に含まれていた残留イオンを
除去した。洗浄後、懸濁液を吸引濾過して濾渣を温度1
50℃で8時間乾燥した。乾燥処理して得られた塊状の
蛍光体を400メッシュの篩を通して篩別することによ
り、ベンガラ顔料被覆Y2 2 S:Eu蛍光体粒子表面
に、0.02重量%のSiO2 粒子と0.15重量%の
炭酸バリウムとが付着した実施例5に係る蛍光体を調製
した。
【0034】比較例5 一方、上記実施例5において、コロイダルSiO2 分散
液と炭酸バリウムとによる表面処理を実施せずに、ベン
ガラ顔料被覆Y2 2 S:Eu蛍光体粒子をそのまま使
用して比較例5に係る蛍光体とした。
【0035】そして上記各実施例および各比較例に係る
蛍光体を、ポリビニルアルコール(PVA)と重クロム
酸アンモニウム(ADC)と界面活性剤とを含有する水
溶液中に分散させて蛍光体スラリーを調製した。
【0036】上記蛍光体スラリー中における蛍光体粒子
の分散性を測定評価するために、一定量の蛍光体スラリ
ーを抜き取り、沈降管に収容して、24時間静置後、沈
降した蛍光体の高さを読み取り、元のスラリー容積に対
する蛍光体の沈降容積比率を測定して表1に示す結果を
得た。
【0037】なお、上記蛍光体の沈降高さが低く、沈降
容積比率が小さいほど、沈降密度が高くなり、蛍光体粒
子の分散性が良好であると判断できる。すなわち、沈降
容積比率が小さいほど蛍光体の分散性が良好であり、よ
り緻密で均一な蛍光膜が得られる目安となる。
【0038】また上記実施例および比較例に係る蛍光体
スラリーをガラスパネルに塗布,現像,洗浄してストラ
イプ状の蛍光膜を形成した。さらに三原色となる青色
(B),緑色(G)および赤色(R)の残りの2種の蛍
光体を使用してストライプ状のB,G,R蛍光膜を形成
したガラスパネルを調製した。そして得られたガラスパ
ネルに紫外線を照射せしめて発光させた状態で、隣接す
る青色(B),緑色(G),赤色(R)蛍光膜上にそれ
ぞれ付着している他色の蛍光体粒子数を計数して蛍光膜
の混色品位を評価した。
【0039】なお、上記各蛍光膜上に残存付着している
他色の蛍光体粒子数は、ストライプ状の各色蛍光膜の4
箇所を対象に選定し、ショップマイクロ顕微鏡にて50
倍に拡大した一定面積内に存在する他色の蛍光体粒子数
を計数し、その4箇所の平均値で示している。上記測定
評価結果を下記表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】上記表1に示す結果から明らかなように、
SiO2 ,Al2 3 ,TiO2 などの酸化物粒子に加
えて、さらにバリウム化合物を蛍光体粒子表面に所定量
付着させた各実施例に係る蛍光体では、蛍光体スラリー
中での蛍光体粒子の分散性が良好であり、またスラリー
の沈降容積も、比較例の蛍光体と比較して小さく、均一
で緻密な蛍光膜が形成できることが確認された。
【0042】また各実施例に係る蛍光体を使用して蛍光
膜を形成した場合には隣接する他の発光域に蛍光体粒子
が残存することが少なく、蛍光膜の混色品位が大幅に改
善されることが判明した。
【0043】このように本実施例の各蛍光体のように酸
化物粒子とバリウム化合物とによって表面処理したカラ
ーテレビジョン用蛍光体は、スクリニング特性の混色品
位が良好であり、色純度を高めた高精細画像を指向する
カラーテレビジョン用蛍光体として非常に優れている。
【0044】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係るカラーテレ
ビジョン用蛍光体によれば、シリカ,アルミナ,酸化チ
タンなどの酸化物粒子とともにバリウム化合物を蛍光体
粒子表面に付着させて構成されているため、この蛍光体
を使用して蛍光膜を形成した場合に混色品位を向上させ
ることができる。また、蛍光体スラリー中における蛍光
体粒子の分散性が良好であり、付着力も高くなるため、
孔あき(ピンホール)が少なく緻密な蛍光膜を形成する
ことが可能となる。したがって、混色が少なく色純度が
優れた高品位なカラーテレビジョンを提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大竹 真典 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 舩山 欣能 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体粒子表面にシリカ(SiO2 ),
    アルミナ(Al2 3 )および酸化チタン(TiO2
    から選択される少なくとも1種の酸化物粒子を蛍光体粒
    子重量に対して0.01〜0.8重量%の割合で付着さ
    せるとともに、蛍光体粒子表面にバリウム化合物を付着
    させたことを特徴とするカラーテレビジョン用蛍光体。
  2. 【請求項2】 バリウム化合物は、珪酸バリウムおよび
    炭酸バリウムの少なくとも一方であることを特徴とする
    請求項1記載のカラーテレビジョン用蛍光体。
  3. 【請求項3】 蛍光体粒子表面に付着させるバリウム化
    合物の付着量が、蛍光体粒子重量に対して0.001〜
    0.3重量%であることを特徴とする請求項1記載のカ
    ラーテレビジョン用蛍光体。
  4. 【請求項4】 蛍光体粒子表面に付着させるバリウム化
    合物の付着量が、蛍光体粒子重量に対して0.01〜
    0.2重量%であることを特徴とする請求項1記載のカ
    ラーテレビジョン用蛍光体。
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