JP2002088358A - 陰極線管用蛍光体および陰極線管 - Google Patents

陰極線管用蛍光体および陰極線管

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JP2002088358A JP2000280546A JP2000280546A JP2002088358A JP 2002088358 A JP2002088358 A JP 2002088358A JP 2000280546 A JP2000280546 A JP 2000280546A JP 2000280546 A JP2000280546 A JP 2000280546A JP 2002088358 A JP2002088358 A JP 2002088358A
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ray tube
cathode ray
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silica
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Tsutomu Ishii
努 石井
Masaru Kumagai
勝 熊谷
Toshibumi Takehara
俊文 竹原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管用蛍光体のパネル内面に対する付着
力を高め、蛍光膜の膜べりを防止する。また、それによ
って、陰極線管の高画質化を図る。 【解決手段】 蛍光体粒子の表面に、平均粒径が10nm
以下のシリカを付着させる表面処理を施す。また、その
ような蛍光体を用いて陰極線管の蛍光膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビジョ
ンやコンピュータディスプレイ等の陰極線管の蛍光膜の
形成に用いられる蛍光体と、それを用いた陰極線管に関
する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビジョンやコンピュータディ
スプレイ等の陰極線管の蛍光膜は一般に次のように形成
されている。ポリビニールアルコール(PVA)、重ク
ロム酸アンモニウム(ADC)および少量の界面活性剤
を含んだ水溶液に、蛍光体を分散させて蛍光体スラリー
を調製し、この蛍光体スラリーをガラスパネル内面に塗
布し乾燥させて蛍光体の塗布膜を形成する。次いで、こ
の塗布膜にシャドウマスクを通して紫外線を照射する。
このとき、紫外線が照射された領域に存在する蛍光体ス
ラリーのみが光化学反応により硬化するので、次に水洗
して未硬化部分の蛍光体スラリーを洗い流し、ドット状
あるいはストライプ状の蛍光膜を形成する。この操作を
緑色、青色および赤色の各発光蛍光体について順に繰り
返すことにより、緑色、青色および赤色の各蛍光膜が形
成される。
【0003】このような方法により蛍光膜を形成する場
合、各蛍光体に要求される特性としては、(1)緻密な
ドット状あるいはストライプ状の蛍光膜が形成可能であ
ること、すなわち、孔あき(ピンホール)の少ない蛍光
膜が得られること、(2)ドット状あるいはストライプ
状の蛍光膜の膜切れ品位が高いこと、(3)各蛍光体が
他の色の蛍光体に混入しないこと、すなわち混色を生じ
ないこと、(4)ガラスパネル内面に対する付着力が強
いこと、(5)生産時の蛍光膜の歩留りがよいこと、す
なわち、例えばガラスパネル内面の側壁に蛍光体残渣な
どが残留しないこと、などが挙げられる。そして、特に
最近は、コンピュータの普及やマルチメディア対応への
動きに伴ってディスプレイ画面の高品位化が強く求めら
れてきていることから、上記要件を十分に満たす、高品
質な蛍光体が望まれている。
【0004】ところで、蛍光膜の品位を決める特性の一
つにWHITE UNIFORMITY(WU)品位があるが、これを向
上させるためには、上記要求特性の中でも特に(4)の
ガラスパネル内面に対する付着力を向上させることが重
要である。これは、蛍光体のガラスパネル内面に対する
付着力が弱いと、蛍光膜を現像する際に膜の一部が剥げ
落ちるいわゆる膜べり現象がおき、膜厚が不均一になっ
て、蛍光膜を発光させたときに均一な白色画面が得られ
なくなるからである。
【0005】従来、このような蛍光体自体の付着力の向
上は、主として、蛍光体に表面処理を施すことで開発、
改良が行われてきた。例えば、特公平2−209989
号公報、特公平4−214789号公報、特公平8−1
76541号公報には、蛍光体粒子の表面にシリカを被
覆して付着力を高める技術が記載されている。この他、
蛍光体粒子として形状が扁平のものを使用することによ
り付着性を高めた蛍光体なども提案されている。
【0006】また、蛍光体の付着力は、蛍光体スラリー
の特性にも影響される。このため、蛍光体スラリーに配
合する重クロム酸アンモニウムや界面活性剤の量や種類
を変えるなど、蛍光体スラリーの組成や調製法の面から
も改良が行なわれている。
【0007】しかしながら、いずれの方法も、最近の市
場における高い要求レベルからすれば、未だ不十分であ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、蛍光
膜の膜品位、特にWU品位を向上させるため、蛍光体の
パネル内面に対する付着力を強化する方法が種々提案さ
れているが、市場の高い要求レベルに十分応え得るまで
には至っていない。このような背景から、これまで以上
に高い付着力を示す蛍光体の開発が強く求められてい
る。
【0009】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、パネル内面に対する付着力が大幅に向
上した陰極線管用蛍光体、およびそのような蛍光体を用
いることによって、高画質化を可能とした陰極線管を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明の陰極線管用蛍光体は、蛍光体
粒子の表面に、平均粒径が10nm以下のシリカが付着し
ていることを特徴としている。
【0011】本発明の陰極線管用蛍光体において、シリ
カは、請求項2に記載したように、平均粒径が、1nm
以上10nm以下であることが好ましい。
【0012】また、シリカの付着量は、請求項3に記載
したように、蛍光体粒子に対して0.02重量%以上0.1重
量%以下であることであることが好ましく、0.04重量%
以上0.1重量%以下であるとさらに好ましい。
【0013】上記課題を解決するため、本願の請求項5
記載の発明の陰極線管は、上記した本発明の陰極線管用
蛍光体を含む蛍光膜を具備することを特徴としている。
【0014】本発明の陰極線管の具体的な構成として
は、請求項6に記載したように、外囲器を構成するパネ
ルと、前記パネル内面に形成された蛍光膜と、前記蛍光
膜に電子線を照射する電子銃とを具備する陰極線管であ
って、前記蛍光膜が、上記した本発明の陰極線管用蛍光
体を含む構成が挙げられる。
【0015】本発明の陰極線管用蛍光体においては、蛍
光体粒子の表面に、平均粒径が10nm以下のシリカを付
着させている。このような表面処理を施すことによっ
て、蛍光体のパネル内面に対する付着力が向上する。こ
れにより、現像にともなう蛍光膜の膜べりが防止され、
膜品位、特にWU品位を向上させることが可能となる。
【0016】そして、このような陰極線管用蛍光体を含
む蛍光膜を具備する本発明の陰極線管は、蛍光膜の膜品
位の向上により、高画質化が可能となる。
【0017】なお、本発明の平均粒径は、任意の蛍光体
のSEM(倍率×5万)による撮影画像から、付着して
いる任意のシリカ50個の粒径を求め、その平均値を算出
したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0019】本発明の陰極線管用蛍光体は、蛍光体粒子
の表面に、平均粒径が10nm以下のシリカを付着させて
いる。
【0020】本発明における蛍光体材料としては、高コ
ントラストカラーテレビジョンブラウン管に用いられ
る、蛍光体粒子の表面を顔料粒子で被覆した顔料被覆蛍
光体を含め、通常、陰極線管に使用可能な種々の青色、
緑色および赤色発光蛍光体を用いることができる。具体
的には、銀付活硫化亜鉛蛍光体、銀およびアルミニウム
付活硫化亜鉛蛍光体、コバルトブルー顔料被覆銀付活硫
化亜鉛蛍光体、コバルトブルー顔料被覆銀およびアルミ
ニウム付活硫化亜鉛蛍光体等の青色発光蛍光体、銅およ
びアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体、銅、金およびアル
ミニウム付活硫化亜鉛蛍光体等の緑色発光蛍光体、ユー
ロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体、ベンガラ顔料
被覆ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体等の赤
色発光蛍光体等が例示される。なお、顔料被覆蛍光体に
おいては、顔料を蛍光体粒子の表面に付着させるため
に、ゼラチン、アラビアゴム、アクリル樹脂等のバイン
ダが用いられているが、いずれのバインダを用いた顔料
被覆蛍光体であっても本発明の陰極線管用蛍光体に使用
可能である。
【0021】また、このような蛍光体の粒子表面に付着
させるシリカは、平均粒径が10nm以下のものである
が、特に平均粒径が1nm以上10nm以下であることが
望ましい。平均粒径が10nmを越えると、蛍光体のパネ
ル面に対する付着力をほとんど高めることができず、蛍
光膜の膜べりは従来のものとさほど変わらなくなる。
【0022】さらに、このシリカは、蛍光体粒子に対し
て0.02重量%以上0.1重量%以下の範囲で付着させるこ
とが好ましく、蛍光体粒子に対して0.04重量%以上0.1
重量%以下の範囲で付着させるとさらに好ましい。蛍光
体粒子に対するシリカの付着量が0.02重量%未満の場合
には、蛍光体の付着力に対する改善効果が十分得られな
いおそれがある。一方、付着量が0.1重量%を越える
と、本来現像によって流されるべきところにまで蛍光体
が残ってしまうおそれがある。
【0023】ここで、シリカの粒径を変化させたとき
の、シリカの蛍光体粒子に対する付着量と、蛍光体の付
着力を示す膜残存率(現像後の膜重量/現像前の膜重
量)との関係を図1に示す。図1から明らかなように、
粒径7nmのシリカを付着させた場合の膜残存率は、粒
径が10nmを越えるシリカを付着させた場合に比べはる
かに良好である。また、粒径が10nmのシリカを付着さ
せた場合、膜残存率はシリカの付着量が多くなるほど高
くなるものの、付着量が0.02重量%未満ではあまり効果
が見られず、また0.1重量%を越えても効果はあまり変
わっていない。
【0024】このように本発明の陰極線管用蛍光体にお
いては、蛍光体粒子の表面に、上述したようなシリカを
付着することにより、蛍光体のパネル内面に対する付着
力を向上させることができ、その結果として、現像にと
もなう蛍光膜の膜べりを従来に比べ大幅に改善でき、膜
品位、特にWU品位を向上させることが可能となる。
【0025】本発明の陰極線管用蛍光体は、例えば以下
に示すような方法にしたがって作製することができる。
まず、銅・アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体等の蛍光体
粒子を純水中に入れ、十分に撹拌して分散させる。次
に、この分散液中に平均粒径が10nm以下のコロイダル
シリカと、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミ等の水溶液
を添加して十分に撹拌する。このとき、事前にまたは事
後に、他の無機化合物あるいは有機化合物で蛍光体を表
面処理してもよい。
【0026】撹拌後、純水にて数回洗浄し、ろ過または
沈降させ、得られたウエットケーキ状の蛍光体を十分に
乾燥させる。その後、篩を通して篩別することによっ
て、本発明の陰極線管用蛍光体が得られる。
【0027】なお、上記の平均粒径が10nm以下のコロ
イダルシリカとしては、例えば、日産化学社製のスノー
テックスS(平均粒径8nm)、スノーテックスOS(平均
粒径5nm)、PC-500(平均粒径1nm)、日本アエロジ
ル社製のAEROSIL 300(平均粒径7nm)、AEROSIL 300C
F(平均粒径7nm)、AEROSIL 380(平均粒径7nm)
等(以上、いずれも商品名)が使用される。
【0028】本発明の陰極線管は、上述したような本発
明の陰極線管用蛍光体を用いた蛍光膜を具備するもので
ある。図2に、その一形態であるカラーブラウン管を示
す。
【0029】このカラーブラウン管は、外囲器を構成す
るパネル1およびファンネル2と、そのパネル1内面に
形成された蛍光膜3と、この蛍光膜3に電子線4を照射
する電子銃5とを有している。そして、蛍光膜3を形成
する青色、緑色および赤色発光蛍光体として、本発明の
陰極線管用青色、緑色および赤色発光蛍光体が用いられ
ている。なお、図2において、6はシャドウマスク、7
はインナーシールド、8は偏光装置である。
【0030】このようなカラーブラウン管においては、
膜べりの少ない、すなわち、膜厚の均一性の高い蛍光膜
3を得ることができ、蛍光膜の品位、特にWU品位の向
上によって、高画質化が可能となる。
【0031】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0032】実施例1 銅・アルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,
Al蛍光体)粒子100gを800ccの純水中に分散させた。
この分散液中に水ガラス(Siを25%含有)0.5ccおよ
び20%コロイダルシリカ溶液(スノーテックスS)0.2g
を添加し、さらに1mol/lの硝酸亜鉛水溶液2ccを加え
て1時間攪拌した。攪拌後、蛍光体粒子を沈降させ、上
澄み液をデカンテーションにて除去した。
【0033】次に、上記蛍光体粒子を純水で5回洗浄し
た後、ろ過し、乾燥させた。乾燥後、500メッシュの篩
を用いて篩別処理を行い、本発明の蛍光体を得た。
【0034】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.04重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0035】実施例2 スノーテックスSの添加量を0.25gとした以外は実施例1
と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0036】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.05重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0037】実施例3 スノーテックスSの添加量を0.3gとした以外は実施例1
と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0038】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.06重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0039】実施例4 20%コロイダルシリカ溶液として、スノーテックスSに
代えてスノーテックスOSを0.2g添加するようにした以外
は実施例1と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0040】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.04重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0041】実施例5 スノーテックスOSの添加量を0.4gとした以外は実施例4
と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0042】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.08重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0043】実施例6 20%コロイダルシリカ溶液として、スノーテックスSに
代えてPC-500を0.25g添加するようにした以外は実施例
1と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0044】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.05重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0045】比較例1 20%コロイダルシリカ溶液として、スノーテックスSに
代えてスノーテックス20L を1g添加するようにした以外
は実施例1と同様にして蛍光体を得た。
【0046】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Cu,Al蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒
子に対して0.2重量%のシリカが付着していることが判
明した。
【0047】実施例7 銀付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag蛍光体)粒子100
gを700ccの純水中に分散させた。この分散液中に水ガ
ラス(Siを25%含有)0.2ccおよび20%コロイダルシ
リカ溶液(PC-500)0.4gを添加し、さらに1mol/lの硝
酸亜鉛水溶液1ccを加えて1時間攪拌した。攪拌後、蛍光
体粒子を沈降させ、上澄み液をデカンテーションにて除
去した。
【0048】次に、上記蛍光体粒子を純水で5回洗浄し
た後、ろ過し、乾燥させた。乾燥後、500メッシュの篩
を用いて篩別処理を行い、本発明の蛍光体を得た。
【0049】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Ag蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒子に対
して0.08重量%のシリカが付着していることが判明し
た。
【0050】実施例8 PC-500の添加量を0.3gとした以外は実施例7と同様にし
て本発明の蛍光体を得た。
【0051】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Ag蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒子に対
して0.06重量%のシリカが付着していることが判明し
た。
【0052】実施例9 20%コロイダルシリカ溶液として、PC-500に代えてスノ
ーテックスOSを0.3g添加するようにした以外は実施例7
と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0053】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Ag蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒子に対
して0.06重量%のシリカが付着していることが判明し
た。
【0054】実施例10 スノーテックスOSの添加量を0.5gとした以外は実施例7
と同様にして本発明の蛍光体を得た。
【0055】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Ag蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒子に対
して0.1重量%のシリカが付着していることが判明し
た。
【0056】比較例2 20%コロイダルシリカ溶液として、PC-500に代えてスノ
ーテックスNを1g添加するようにした以外は実施例7と同
様にして蛍光体を得た。
【0057】このようにして得た蛍光体を分析した結
果、ZnS:Ag蛍光体粒子の表面に、蛍光体粒子に対
して0.2重量%のシリカが付着していることが判明し
た。
【0058】上記各実施例および各比較例で得られた蛍
光体を用いて、常法により蛍光体スラリーを調製し、さ
らに、この蛍光体スラリーを常法によりカラーブラウン
管用ガラスパネル内面に均一に塗布し、露光、現像して
蛍光膜を形成した。このように形成した各蛍光膜から4c
m×4cmの膜片を剥がし取り重量を測定して、膜残存率を
算出した。これらの結果を表1に示す。
【0059】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の蛍光体により得ら
れる膜残存率は、比較例の蛍光体により得られる膜残存
率よりいずれも高い値を有している。これは、本発明に
より蛍光体の付着力が強化されたことを示している。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極線管
用蛍光体によれば、平均粒径が10nm以下という超微粒
子のシリカを蛍光体粒子の表面に付着させるようにした
ので、従来に比べ、パネル内面に対する付着力を大きく
向上させることができ、膜べりの少ない、WU品位に優
れた蛍光膜を形成することができる。
【0061】また、このような陰極線管用蛍光体を用い
た本発明の陰極線管によれば、蛍光膜のWU品位が向上
するので、高画質化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各種シリカの、蛍光体粒子に対する付着量と
膜残存率との関係を示す図。
【図2】 本発明の陰極線管の一実施形態の要部構成を
概略的に示す断面図。
【符号の説明】
1……パネル 3……蛍光膜 4……電子線 5……電子銃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 勝 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 竹原 俊文 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4H001 CA02 CA06 CC11 XA16 XA30 YA13 YA29 5C036 CC01 CC18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体粒子の表面に、平均粒径が10nm
    以下のシリカが付着していることを特徴とする陰極線管
    用蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の陰極線管用蛍光体におい
    て、 前記シリカの平均粒径が、1nm以上10nm以下である
    ことを特徴とする陰極線管用蛍光体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の陰極線管用蛍光
    体において、 前記シリカの付着量は、前記蛍光体粒子に対して0.02重
    量%以上0.1重量%以下であることを特徴とする陰極線
    管用蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の陰極線管用蛍光
    体において、 前記シリカの付着量は、前記蛍光体粒子に対して0.04重
    量%以上0.1重量%以下であることを特徴とする陰極線
    管用蛍光体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載の陰
    極線管用蛍光体を含む蛍光膜を具備することを特徴とす
    る陰極線管。
  6. 【請求項6】 外囲器を構成するパネルと、前記パネル
    内面に形成された蛍光膜と、前記蛍光膜に電子線を照射
    する電子銃とを具備する陰極線管において、 前記蛍光膜は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の陰
    極線管用蛍光体を含むことを特徴とする陰極線管。
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