JP3515234B2 - 硫化亜鉛蛍光体 - Google Patents
硫化亜鉛蛍光体Info
- Publication number
- JP3515234B2 JP3515234B2 JP18490495A JP18490495A JP3515234B2 JP 3515234 B2 JP3515234 B2 JP 3515234B2 JP 18490495 A JP18490495 A JP 18490495A JP 18490495 A JP18490495 A JP 18490495A JP 3515234 B2 JP3515234 B2 JP 3515234B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- zinc sulfide
- phosphor
- particle size
- size distribution
- average
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
Description
光蛍光体として使用される硫化亜鉛蛍光体に関する。
ラウン管などのカラー陰極線管は、ハイビジョン用ブラ
ウン管や高精細ディスプレイ管に象徴されるように大画
面化、高コントラスト化が進むとともに、高精細化され
た画面を形成し得るように、より細かい絵素をフェース
プレート上に形成することが必要になっている。このた
め、蛍光体はフェースプレート面との付着力の向上など
様々な特性の向上が求められている。
や緑色発光蛍光体は、硫化亜鉛に付活剤や共付活剤を付
活させて得られる。従来、青色発光蛍光体や緑色発光蛍
光体の原料となる硫化亜鉛は、硫酸亜鉛水溶液中で硫化
水素ガスをバブリングすることにより得られている。
法により得られる硫化亜鉛を用いた蛍光体は、ピンホー
ルの発生など蛍光体膜が粗悪になり、また輝度も低下す
るなどの問題がある。
る硫化亜鉛の粒径の分布の平均偏差はd>0.03と大き
く、それに対応してこれを用いて作られる蛍光体の粒径
の分布の平均偏差もd>0.03と大きくなっていることを
見出だした。この粒径がd>0.03と大きな分布幅を持っ
ている蛍光体は、粒径の大きな蛍光体粒子と粒径の小さ
な粒子との間に、フェースプレート上への付着力に差が
生じ、付着力の弱い部分が現像過程の高圧の水による現
像処理によりフェースプレートから脱落してしまうとい
う現象を起こし、ピンホールの発生など蛍光体膜が粗悪
になり、また輝度も低下するためである。
乾燥をより強化したり、蛍光体粒子の表面に水酸化亜鉛
などの表面処理を施したりして、蛍光膜のフェースプレ
ートへの付着力を向上させるという方法などが検討され
ている。しかし、乾燥をより強化すると付着力は向上す
るが、その一方で不要な蛍光体が残留して混色が起こり
易くなるという問題が生じる。また、水酸化亜鉛などの
表面処理を施した蛍光体においても十分満足いく結果は
得られていないのが実情である。
になされたもので、混色を起こすことなく付着力を向上
させ均一な膜を作ることができる硫化亜鉛蛍光体を提供
することを目的としている。
体は、平均真円度が0.1以下であり、粒径の分布の平
均偏差が0.03以下であって、平均粒度が1.0μm
〜5.0μmの範囲である硫化亜鉛を用いたことを特徴
とする。
たは請求項2の硫化亜鉛蛍光体において、硫化亜鉛に付
活剤としてAg、Cu、Mn、Cdの少なくとも 1
種、また共付活剤としてAl、Cl、Br、Iの少なく
とも 1種を混合し、900℃〜1200℃の温度、3
0分〜120分の時間、所定の雰囲気にて焼成を行い、
これを洗浄処理することにより得られることを特徴とす
る。
真円度の定義を説明する図を図1に示す。図1におい
て、硫化亜鉛粒子を任意の方向からみた投影図1と円2
を重ねたとき、斜線部3の合計面積が最小になるように
円2の中心、半径を合わせ、斜線部3の合計面積を円2
の面積で割った値で平均真円度は定義される。
偏差dはマイクロトラック法による粒子径をもとに以下
の式で定義される量である。
求められるブレーン法により測定した値である。
均真円度が 0.1以下で、粒径の分布の平均偏差が 0.03
以下であること、また平均粒度が 1.0μm 〜5.0 μm の
範囲であることにより、接着力の強い蛍光膜が形成され
均一な膜面を作ることができる。
亜鉛、塩化亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物を希塩酸、希
硝酸、希硫酸等の希酸にとかし所定の温度に加熱し、同
様に加熱されたチオ尿素水溶液を加え静置し、これをろ
過することにより得られる。
を行なう所定の雰囲気とは硫化亜鉛蛍光体の種類に応じ
て用いられる空気、H2 Sガス、S雰囲気、またはH2
ガスなどの還元性雰囲気をいう。平均真円度が 0.1以下
および/または粒径分布の平均偏差が 0.03 以下であ
り、平均粒度が 1.0μm 〜5.0 μm の範囲にある硫化亜
鉛に、付活剤としてAg、Cu、Mn、Cdの少なくと
も 1種、また共付活剤としてAl、Cl、Br、Iの少
なくとも 1種を混合し、 900℃〜1200℃の温度、30 分
〜120 分の時間で上述の雰囲気で焼成、洗浄処理をする
ことにより、青色発光蛍光体や緑色発光蛍光体として
も、平均真円度に優れ、かつ粒径分布の小さい蛍光体を
得ることができる。
ことにより、請求項1の硫化亜鉛蛍光体は、粒径分布の
平均偏差を 0.03 以下と容易になる。
0.03 以下であり、平均粒度が 1.0μm 〜5.0 μm の範
囲とすることにより、粒径分布の狭い硫化亜鉛蛍光体が
得られる。その結果、フェースプレート上への付着力に
差が生じなくなり、蛍光体膜のピンホールの発生や輝度
の低下を防ぐことができる。
(H2 SO4 )水溶液 1000ml に溶かし 60 ℃に加熱す
る。これにチオ尿素((NH2 )2 CS) 80gを溶かし
60 ℃に加熱した水溶液 1000ml を加え、 60 ℃に保ち
ながら 40 分間静置し、ろ過することにより硫化亜鉛
(ZnS) 92gを得た。
であり、粒径の分布の平均偏差がd=0.026 で平均粒度
が 3.85 μm であった。
0000倍に拡大した図を図2(a)に、その粒度分布を図
3(a)にそれぞれ示す。なお、図3(a)および
(b)における粒度分布はマイクロトラック法によるも
のである。
ス(H2 S)をバブリングすることにより硫化亜鉛(Z
nS)を得た。
であり、粒径の分布の平均偏差がd=0.067 で平均粒度
が 3.52 μm であった。
0000倍に拡大した図を図2(b)に、その粒度分布を図
3(b)にそれぞれ示す。図2(a)と図2(b)との
比較、ならびに図3(a)と図3(b)との比較によ
り、実施例1の硫化亜鉛は、比較例1の硫化亜鉛と比較
して、真球状でかつ粒径の分布幅が狭いことが分かる。
4 ・5H2 O)5.9 x10-4g 、塩化金酸((HAuCl
4 )・4H2 O)3.14x 10-4g 、硝酸アルミニウム
((Al(NO3 )3 ・9H2 O)2.78x 10-3g 、及び
よう化カリウム(KI)1.0 x 10-3g を加えスラリー状
にして混合、乾燥する。ついでこの混合物を石英坩堝に
充填し、 980℃の温度で 60 分間硫化水素ガスによる還
元雰囲気中で焼成し、水洗、乾燥、篩別することにより
緑色発光蛍光体を得た。得られた緑色発光蛍光体の粒径
の分布の平均偏差はd=0.028 であった。また、その粒
度分布を図4(a)に示す。
同様にして緑色発光蛍光体を得た。得られた緑色発光蛍
光体の粒径の分布の平均偏差はd=0.068 であった。ま
た、その粒度分布を図4(b)に示す。
実施例2の蛍光体は、比較例1の蛍光体と比較して、粒
径の分布幅が狭いことが分かる。
3 )1.8 x 10-2g 、塩化金酸((HAuCl4 )・4H
2 O)2.23x 10-4g 、硝酸アルミニウム((Al(NO
3 )3 ・9H2 O)1.56x 10-3g 、及びよう化カリウム
(KI)1.0 x10-3g を加えスラリー状にして混合、乾
燥する。次に前記混合物を石英坩堝に充填し、還元雰囲
気にて 960℃の温度で 100分間焼成し、水洗、乾燥、篩
別する事により青色発光蛍光体を得た。得られた青色発
光蛍光体の粒径の分布の平均偏差はd=0.028 であっ
た。
同様にして青色発光蛍光体を得た。得られた青色発光蛍
光体の粒径の分布の平均偏差はd=0.070 であった。
ポリビニルアルコールを加え感光性スラリーを作製し、
通常の回転塗布方法で陰極線管用パネル上に塗布し蛍光
膜を得た。得られた蛍光膜について発光輝度を測定した
ところ、比較例2で得られた蛍光体を用いた蛍光膜に比
較して、電流密度 30 μA/cm2 のとき 105%の発光輝度
を示した。
ポリビニルアルコールを加え感光性スラリーを作製し、
通常の回転塗布方法で陰極線管用パネル上に塗布し蛍光
膜を得た。得られた蛍光膜について発光輝度を測定した
ところ、比較例3で得られた蛍光体を用いた蛍光膜に比
較して、電流密度 30 μA/cm2 のとき 104%の発光輝度
を示した。
度が 0.1以下である硫化亜鉛を用い、さらに硫化亜鉛の
粒径分布の平均偏差が 0.03 以下であり、平均粒度が
1.0 μ m 〜 5.0 μ m の範囲であるので、混色を起こすこ
となく付着力を向上させて陰極線管用パネル上に均一な
蛍光膜を作ることができる。
の方法で作製されるので、混色を起こすことなく付着力
を向上させて陰極線管用パネル上に均一な蛍光膜を作る
ことができる。その結果、発光輝度の高い蛍光膜を形成
することができる。
(a)は実施例1の、(b)は比較例1の硫化亜鉛をそ
れぞれ示す。
1の、(b)は比較例1の硫化亜鉛の粒度分布をそれぞ
れ示す。
の、(b)は比較例2の蛍光体の粒度分布をそれぞれ示
す。
………円、3………斜線部。
Claims (2)
- 【請求項1】 平均真円度が0.1以下であり、粒径の
分布の平均偏差が0.03以下であって、平均粒度が
1.0μm〜5.0μmの範囲である硫化亜鉛を用いた
ことを特徴とする硫化亜鉛蛍光体。 - 【請求項2】 請求項1記載の硫化亜鉛蛍光体におい
て、前記硫化亜鉛に付活剤としてAg、Cu、Mn、C
dの少なくとも 1種、また共付活剤としてAl、C
l、Br、Iの少なくとも1種を混合し、900℃〜1
200℃の温度、30分〜120分の時間、所定の雰囲
気にて焼成を行い、これを洗浄処理することにより得ら
れることを特徴とする硫化亜鉛蛍光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18490495A JP3515234B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 硫化亜鉛蛍光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18490495A JP3515234B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 硫化亜鉛蛍光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0913029A JPH0913029A (ja) | 1997-01-14 |
JP3515234B2 true JP3515234B2 (ja) | 2004-04-05 |
Family
ID=16161370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18490495A Expired - Lifetime JP3515234B2 (ja) | 1995-06-28 | 1995-06-28 | 硫化亜鉛蛍光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3515234B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE60115646T2 (de) * | 2000-06-27 | 2006-07-20 | E-L Management Corp. | Verwendung von grün-licht emittierenden materialen in pharmazeutischen zusammensetzungen |
JP2002265942A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-18 | Sony Corp | 蛍光体粉末及びその製造方法、表示用パネル、並びに、平面型表示装置 |
KR100417079B1 (ko) * | 2001-05-08 | 2004-02-05 | 주식회사 엘지화학 | 형광체용 단결정 황화아연 분말의 제조방법 |
JP2005053735A (ja) * | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Fuji Photo Film Co Ltd | 硫化亜鉛粒子の製造方法 |
US7291291B2 (en) * | 2005-03-30 | 2007-11-06 | Osram Sylvania Inc. | Electroluminescent phosphor powder with D50 value of less than 12 μm and method of making |
US7288216B2 (en) * | 2005-03-30 | 2007-10-30 | Osram Sylvania Inc. | Method of making electroluminescent phosphors with small particle sizes and powder with D50 value of no more than 10 micrometers |
JP5300490B2 (ja) * | 2006-11-21 | 2013-09-25 | 株式会社クラレ | 蛍光体前駆体の製造方法 |
-
1995
- 1995-06-28 JP JP18490495A patent/JP3515234B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0913029A (ja) | 1997-01-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2525656B2 (ja) | 蛍光体および蛍光体の表面処理方法 | |
JP2000073053A (ja) | 蛍光体及びこの蛍光体を用いた陰極線管 | |
JP3515234B2 (ja) | 硫化亜鉛蛍光体 | |
JPH02308892A (ja) | 蛍光体およびその処理方法 | |
JPH08183954A (ja) | El蛍光体粉末 | |
JP3329598B2 (ja) | 蛍光体、陰極線管、蛍光ランプおよび蛍光体の製造方法 | |
JP3033976B2 (ja) | 蛍光体及びその製造方法 | |
JP2000251701A (ja) | ディスプレイの製造方法 | |
JP3260563B2 (ja) | 蛍光体およびその製造方法 | |
JP2004043568A (ja) | 画像表示装置 | |
JP3444609B2 (ja) | 混合赤色蛍光体及びカラーブラウン管 | |
JP3009629B2 (ja) | カラー陰極線管用蛍光体の製造方法 | |
JP3329547B2 (ja) | 陰極線管用蛍光体 | |
JP2807311B2 (ja) | 青色発光蛍光体及び陰極線管 | |
JP3556325B2 (ja) | 電子管用蛍光体および電場発光蛍光体 | |
JP3372966B2 (ja) | 顔料付赤色発光蛍光体及びその製造方法 | |
JP3964578B2 (ja) | 陰極線管用赤色発光蛍光体および陰極線管 | |
KR910004678B1 (ko) | 청색 안료 부착 형광체와 그 제조방법 | |
JPH0662942B2 (ja) | 陰極線管用螢光体 | |
JPH03143986A (ja) | ZnS系蛍光体の合成方法 | |
JPH10212475A (ja) | 蛍光体およびその製造方法 | |
JP2000063822A (ja) | 陰極線管用赤色発光蛍光体および陰極線管 | |
JP2001348569A (ja) | 陰極線管用蛍光体および陰極線管 | |
JPH02252767A (ja) | 赤色顔料、顔料被覆蛍光体及び陰極線管 | |
JPH09263755A (ja) | 蛍光体およびカラー陰極線管 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080123 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090123 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110123 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140123 Year of fee payment: 10 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |