JP5300490B2 - 蛍光体前駆体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無機蛍光体の製造に有用なII-VI族化合物半導体粒子の製造方法に関する。特に、II-VI族化合物半導体の一次粒子からなる凝集体(二次粒子)の粒径分布を制御して、粒径のそろった蛍光体前駆体粒子を製造する方法及び同方法により得られる蛍光体前駆体粒子に関する。
II-VI族化合物半導体、例えば硫化亜鉛等を主成分とする化合物半導体は、その結晶構造中にマンガン、銅、銀、テルビウム、ツリウム、ユーロピウム、フッ素等の付活元素がドープされた後、更に熱処理等が施されると、光、電子等の照射又は電圧の印加によって発光現象を示すようになる。そのため、上記化合物半導体は、蛍光体の母体材料として有用であり、特に硫化亜鉛等を主成分とする化合物半導体の粒状物は、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセントディスプレイ、電界放射型ディスプレイ等の表示装置に使用される蛍光体を製造するための前駆体となり得る。
ここで、「前駆体」の用語は、付活剤をドープされた化合物半導体であって、熱処理等が施される前の段階にあるものを意味する。すなわち、付活剤がドープされた化合物半導体は、熱処理等が施されることにより初めて蛍光体としての性質を示すようになるため、蛍光体になる前段階の前駆物質は蛍光体そのものと厳密には区別されることを示している。
硫化亜鉛を母体とする蛍光体前駆体を合成する方法には、固相反応を利用する方法と液相中での反応を利用する方法とがある。
前者の固相合成法に関しては、原料の硫化亜鉛粒子をフラックスと呼ばれる無機塩と共に800℃〜1300℃の非常に高い温度で第一焼成を行ってミクロンサイズの粒子に成長させ、続いて500〜1000℃で第二焼成を行い蛍光体粒子を得る方法が使用されてきた(特許文献1〜3参照)。この方法では、高温で焼成を行うため、固相反応の進行中に反応系に新たな成分を添加することが難しく、そのため、例えば、粒子内部に付活剤もしくは共付活剤を、粒子内で均質化された濃度分布になるようにドープすることが困難である。したがって、固相合成方法では、硫化亜鉛母体に付活剤をドープすることによって、更に高輝度の蛍光体を得ることに限界があった。
一方、後者の液相合成法によりII-VI族蛍光体前駆体を合成する場合には、付活剤又は共付活剤を粒子の成長途中にその量を制御しながら添加することが可能であるため、固相合成法とは異なり、得られる蛍光体粒子内部の付活剤又は共付活剤の濃度分布を均質化させることができる。また、蛍光体粒子は、核形成と粒子成長の二つの過程を経由して形成されるが、該粒子成長中の過飽和度を制御することにより、粒子径分布の狭い、単分散の粒子生成物を得ることができる。
液相中でのII-VI族蛍光体前駆体の合成に関しては、水熱条件下に粒子を合成する方法(例えば、特許文献4参照)が、また粒子径分布の制御方法(例えば特許文献5参照)が開示されている。
他方、蛍光体の母体と付活剤又は共付活剤の構成元素を含有する各原料成分溶液とを混合し、蛍光体母体結晶、付活剤または共付活剤を共沈析出させて、蛍光体を製造する方法が開示されている(特許文献6参照)。更に、II-VI族化合物半導体の製造方法として、II族元素含有化合物とチオアセトアミドのようなVI族元素含有アミド化合物を水熱条件下で反応させる方法も開示されている(特許文献7および非特許文献1参照)。
特開平8−183954号公報 特開平7−62342号公報 特開平6−330035号公報 特開2005−306713号公報 特開2005−139372号公報 特開2005−132947号公報 特表2004−520260号公報 J. Chem.Soc.Faraday Trans.,1(80)563−570(1984)
特許文献4〜7などに開示された方法によって得られる蛍光体粒子は平均粒径が数ナノメートル程度の微細な一次粒子である。この一次粒子は、互いに凝集して、粒径が数百マイクロメートルの二次粒子を形成し得る一方、粒径が数ナノ〜数十ナノメートル程度の微小な粒子にとどまるものも存在し得ることから、幅広い粒径分布の粒子生成物を与える。粒径にばらつきの大きい粒子生成物は、各粒子の形状も不規則で、沈降速度にも大きな差が生じるため、粒子の回収、洗浄などに複雑な工程を必要としたり、非常に長い時間を必要としたりするなど、その取り扱いが不便である点に問題がある。このため、粒径分布が狭く、単分散の蛍光体前駆体粒子を調製する方法の開発が望まれていた。
本発明者らは、鋭意研究した結果、特定の金属塩からなる電解質化合物を添加した水性液相中でII族元素およびVI族元素を含有する原料化合物同士を反応させてII-VI族化合物半導体の一次粒子を生成させると、該一次粒子が更に凝集して粒径のそろった二次粒子を形成することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、典型金属の無機酸塩又は有機酸塩からなる電解質化合物及びII族元素含有化合物を含む水性液相中にVI族元素含有アミド化合物を添加して、II-VI族化合物半導体の粒子を生成させることを特徴とするII-VI族蛍光体前駆体の製造方法を提供する。
本発明により得られるII-VI族化合物半導体の粒子は、VI族元素含有アミド化合物を添加した直後にII族元素含有化合物との反応によって生じる一次粒子に限定されず、一次粒子が更に液相中で凝集されて生じる二次粒子(凝集体)も包含する。したがって、本発明の別の態様は、II-VI族化合物半導体の凝集体であって、D50で表される平均粒径が8〜30μmであり、標準偏差が0.01〜0.2であることを特徴とする凝集体である。
本発明の方法によれば、粒度分布が単分散になるように制御されたII-VI族化合物半導体粒子を得ることができる。したがって、本発明によって得られた蛍光体前駆体粒子を使用すれば、粒子の洗浄・回収操作などの工程の効率が著しく改善され、蛍光体の製造プロセス全体の効率化を図ることが出来る。
実施例1(A)により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例1(A)により得られた蛍光体前駆体粒子のSEM写真 (上写真:スケールバー10μm、倍率3000倍、下写真:スケールバー60μm、倍率60倍) 実施例2により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例3により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例4により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例6により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例7により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 実施例8により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 比較例1により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布 比較例1により得られた蛍光体前駆体粒子のSEM写真 (スケールバー6μm、倍率5000倍) 比較例2により得られた蛍光体前駆体粒子の粒度分布
本出願に使用される「II−VI族化合物半導体」の用語は、II族元素(Be,Mg,Zn,Cd,Hg)及びVI族元素(O,S,Se,Te)から構成される二元化合物半導体並びにその混晶半導体の総称である。本発明で使用するII-VI族化合物半導体の例としては、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化カドミウムなどが挙げられ、これらは、後述のように、発光中心となる各種金属・非金属イオン(付活剤又は共付活剤)によって一部を置換されてもよい。
本発明に使用されるII族元素含有化合物としては、特に限定するものではないが、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化カドミウム、硝酸カドミウム、硫酸カドミウムなどの無機酸塩、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酢酸カドミウム、プロピオン酸カドミウム、シュウ酸カドミウムなどの有機酸塩を使用することができる。これらの化合物は、単独で使用しても、複数を混合して使用してもよい。本化合物は、任意の濃度で使用することができるものの、濃度が高すぎると、II-VI族化合物半導体の生成速度が速くなり、付活剤のような他のイオンが均質に導入されなくなる一方、濃度が低すぎると、粒子の成長速度が遅いため容積効率が低下するだけでなく、電解質の効果が希薄になり、粒度分布の制御が困難になるので好ましくない。これらの点を考慮して、本発明では、II族元素含有化合物は、0.01モル/リットル〜5モル/リットル、好ましくは0.1モル/リットル〜2モル/リットルの濃度で使用される。
本発明で使用するVI族元素含有アミド化合物としては、チオホルムアミド、チオアセトアミド、チオプロピオンアミドなどのチオアミド類を使用することができる。これらは、単独で又は複数種類を混合して使用してもよいが、経済性、入手容易性の観点から、チオアセトアミドを使用するのが好ましい。チオアミド類の使用量に関しては、反応効率、容積効率を考慮して、II族元素含有化合物のモル数に対して、1.0〜100倍、好ましくは1.7〜30倍、より好ましくは1.9〜5倍のモル数となるような量で使用する。
本発明に使用される液相媒体は、典型的には水であるが、後述する添加剤(電解質)の溶解性を著しく低下させない限り、極性有機化合物(例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類)を更に含んでいてもよい。
本発明では、II族元素含有化合物及びVI族元素含有アミドと共に、水性液相中に発光中心となり得る付活剤又は共付活剤元素を含む化合物を添加することにより、生成する母材結晶中に該元素のイオンをドープすることが出来る。発光中心として使用できる元素としては、マンガン、銅、銀、金、イリジウムなどの遷移金属、塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン、セリウム、イリジウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムなどの希土類が挙げられる。また必要に応じて、アクセプターである遷移金属、希土類に対して、ドナーとして作用する、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンなどが挙げられる。これらの元素は、塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸塩、アセチルアセトネートなどの錯塩などを使用して導入することができる。これらの化合物は、単独で使用しても、複数種類を混合して使用してもよい。さらに、ピリジン、ホスフィンなどの配位性化合物を共存させることもできる。上記化合物の使用量としては、通常、生成するII-VI族化合物半導体100重量部に対し、導入されるイオンとして、0.0001重量部〜20重量部の範囲であるが、好ましくは、置換の達成効果、経済性を考慮して、0.0002重量部〜10重量部の範囲である。
本発明では、上記II族又はVI族元素含有化合物の反応によってII-VI族蛍光体の粒子が生成する。該蛍光体粒子の一次粒子は、数nm〜30nmの粒径の微細な粒子であるが、電解質化合物が溶解した水性液相中では更に凝集して、適度なサイズの二次粒子を形成する。本発明により得られる二次粒子の粒径分布は狭く、単分散性を示す。通常得られる凝集体の平均粒径は通常30μm未満であり且つ標準偏差は0.2未満である。好ましくは、凝集体の平均粒径は8〜30μmであり且つ標準偏差は0.01〜0.2である。
なお、ここで使用される「粒径」の用語は、特に断りのない限り、粒度分布曲線から中心粒子径D50を求めることによって得られる平均粒径を意味するものとする。
本発明において、水性液相中に生成した一次粒子を更に凝集させることができる添加剤(凝集剤)は、水性液相中に溶解可能な電解質化合物であれば特に制限はないが、II-VI族蛍光体前駆体には混入されないことが好ましい。これは、電解質が液相中に溶解した際に生成するイオンが蛍光体前駆体に混入されると、蛍光体としての性能の劣化、輝度の低下がもたらされるからである。このような観点から、本発明に好ましく使用される添加剤としては、典型金属の無機酸又は有機酸塩が挙げられ、より好ましくはアルカリ土類金属の無機酸塩又は有機酸塩である。該典型金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどの金属元素が挙げられ、特に好ましい金属はマグネシウムおよびカルシウムである。これらの金属を含む添加剤化合物としては、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸塩を使用することができるが、特に水酸化物及び硫酸塩の使用が好ましい。本発明は、上記化合物を任意の量で、II族元素含有化合物とともに液相に予め添加しておき、更にVI族元素含有アミド化合物を添加することによって実施することができる。添加剤化合物の添加量は、通常、生成するII‐IV族化合物半導体100重量部に対し、0.0001重量部〜20重量部の範囲であるが、凝集効果と経済性の観点から、好ましくは0.0002重量部〜10重量部の範囲である。また、生成する凝集体の粒度分布を制御し、生成物中への混入を避けるという観点から、好ましい添加量は、使用されるII族含有化合物のモル量を基準として0.5〜40モル%の範囲であり、特に0.8〜30モル%の範囲であることが好ましい。
本発明では、II-VI族蛍光体前駆体を、バッチ式、または連続式によって製造することが出来る。また、液相の温度は、反応の進行及び粒子の凝集効果を損なわない限り、特に限定されるものではないが、液相に含まれる成分の種類及び量(濃度)に応じて変動し得る。通常、液相の温度は20℃〜120℃の範囲となるように調節される。液相の温度調節は、反応容器の外部から慣用の温度制御可能な加熱装置を使用して実施することが可能であるが、液相内に温度制御可能な加熱装置を設置して実施してもよい。ただし、反応温度が低い場合には粒子の成長が遅く、反応に長時間を要するため、時間当たりの生産性が低くなり、経済性の観点から望ましくない。また、操作性の観点からは、温度が低すぎると液相全体の粘度が高くなり、等流速で反応液を拡散させることが難しくなって操作性が低下する一方、温度が高すぎると蒸気化した気体による刺激が強くなり操作性が悪化する。これらの点を考慮し、本発明の方法は、好ましくは60℃〜100℃、より好ましくは、65℃〜90℃の範囲で実施される。
本発明の方法では、開始時から終了時、すなわち、液相中に各成分を添加する直前の時点から蛍光体前駆体の粒子生成物を回収する直前の時点まで、の一部又は全部の期間において、任意の攪拌速度で攪拌を継続的ないし断続的に実施することができる。
本発明の方法の実施に要する時間は、当業者であれば実施の規模・装置などの条件に応じて、反応の進行の具合と凝集粒子の生成の程度を観察して適切に選択することが可能であるが、通常1〜20時間、好ましくは3〜10時間で反応を実施し得る。
本発明を、以下に実施例を挙げてより詳細に説明するが、本実施例に本発明が限定されるものでなく、本発明の技術的思想の範囲から逸脱することなく実施例を適宜修正、変更を加えて実施できることは言うまでもない。
以下の実施例では、粒子生成物の粒度分布については、島津製作所製SALD−2100を用いてレーザー回折散乱法により測定し、同装置に付属の解析用ソフトウエアSALD−2100を使用してメディアン径D50を求めることによって、分布の広がりを評価した。
また、SEM観察は、日立製作所製S4000を加速電圧5kVの条件で使用して実施した。
実施例1: 硫化亜鉛粒子の製造
(A)電解質に硫酸マグネシウムを使用した場合
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量500mlの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 37.2g(125ミリモル)を水250mlに溶解し、硝酸0.5gを添加して、pHを2に調整した。そこに、硫酸マグネシウム0.752g(6.25ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の5モル%に相当)を添加し、攪拌しながら、70℃に昇温した。溶液を70℃に昇温した後、チオアセトアミド18.8g(250ミリモル)を添加した。そのまま、2時間攪拌したのち、窒素を200ml/分でフラスコ内に導入し、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから、粒子生成物を遠心分離にて分離し、水で洗浄して硫化亜鉛11.8gを得た(収率97%)。平均粒径は18.8μmであった。粒子生成物について得られた粒度径分布曲線を図1に、またSEM観察写真を図2に示す。
(B)電解質に硫酸カルシウムを使用した場合
上記(A)において、硫酸マグネシウムの代わりに硫酸カルシウム0.85g(6.25ミリモル)を加えた以外は、上記(A)と同様の手順に従い、硫化亜鉛11.8g(収率97%)を得た。平均粒径は18.0μmであった。
実施例2
実施例1(A)において、硫酸マグネシウムの使用量を3.0g(25ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の20モル%に相当)とした以外は、実施例1(A)と同様の手順に従い、硫化亜鉛11.9gを得た(収率98%)。平均粒径は、24.3μmであった。
実施例3
実施例1(A)において、硫酸マグネシウムの使用量を0.3g(2.5ミリモル、硝酸亜鉛に対して2モル%に相当)とした以外は、実施例1(A)と同様の手順に従い、硫化亜鉛11.3gを得た(収率93%)。平均粒径は8.2μmであった。
実施例4
実施例1(A)において、硫酸マグネシウムを塩化マグネシウム六水和物2.54g(12.5ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の10モル%に相当)とした以外は、実施例1(A)と同様に行い、硫化亜鉛10.9gを得た(収率89%)。平均粒径は18.8μmであった。
実施例5: マンガンドープ硫化亜鉛粒子の製造
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量500mlの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 37.2g(125ミリモル)を水250mlに溶解し、硝酸0.5gを添加して、pHを2に調整した。この硝酸亜鉛水溶液に硫酸マンガン0.012g(0.125ミリモル)及び硫酸マグネシウム0.752g(6.25ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の5モル%に相当)を添加し、攪拌しながら、70℃に昇温した。溶液を70℃に昇温を確認した後、チオアセトアミド18.8g(250ミリモル)を一回で添加した。そのまま、2時間攪拌したのち、窒素を200ml/分でフラスコ内に導入し、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから、粒子生成物を遠心分離によって分離し、水で洗浄してマンガンドープ硫化亜鉛11.7gを得た(収率96%)。平均粒径は17.6μmであった。
実施例6: 銅−ガリウムドープ硫化亜鉛粒子の製造
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量2リットルの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 223.2g(750ミリモル)、硫酸マグネシウム4.5g(37.5ミリモル、硝酸亜鉛に対して5モル%に相当)、硝酸銅三水和物1.39g(5.75ミリモル)、硝酸ガリウム六水和物670mg(1.84ミリモル)、水750mlを加え攪拌し、硝酸1.5gを添加し、さらに攪拌しながら、90℃に昇温させた。昇温後、チオアセトアミド84.5g(1125ミリモル)を添加し、2時間攪拌した。室温まで冷却し、窒素を200ml/分で導入、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから粒子を遠心分離機によって分離し、水で洗浄し、銅−ガリウムドープ硫化亜鉛70.9g(収率97%)を得た。平均粒径は、10.6μmであった。
実施例7: 銅−ガリウムドープ硫化亜鉛粒子の製造
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量500mlの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 74.4g(250ミリモル)、硫酸マグネシウム1.5g(37.5ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の5モル%に相当)、硝酸銅三水和物462mg(1.91ミリモル)、硝酸ガリウム六水和物224mg(0.61ミリモル)、水250mlを加え攪拌し、硝酸0.3gを添加し、さらに攪拌しながら、90℃に昇温させた。昇温後、チオ尿素28.5g(375ミリモル)を添加し、2時間攪拌した。室温まで冷却し、窒素を200ml/分で導入、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから粒子を遠心分離機によって分離し、水で洗浄し、銅−ガリウムドープ硫化亜鉛23.9g(収率98%)を得た。平均粒径は12.3μmであった。
実施例8: 銀−ガリウムドープ硫化亜鉛粒子の製造
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量2リットルの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 298g(1モル)、硫酸マグネシウム6.0g(50ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の5モル%に相当)、硝酸銀92mg(0.54ミリモル)、硝酸ガリウム六水和物55mg(0.15ミリモル)、水1000mlを加え攪拌し、硝酸2gを添加し、攪拌しながら、90℃に昇温させた。昇温後、チオアセトアミド113g(1.5モル)を添加し、2時間攪拌した。室温まで冷却し、窒素を200ml/分で導入、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから粒子を遠心分離機によって分離し、水で洗浄し、銀−ガリウムドープ硫化亜鉛94.1g(収率97%)を得た。平均粒径は9.6μmであった。
比較例1
実施例1(A)において、硫酸マグネシウムを用いなかった以外は、実施例1(A)と同様に行い、硫化亜鉛11.8g(収率97%)を得た。平均粒径は39.7μmであった。粒子生成物について得られた粒度分布曲線を図9に、またSEM観察写真を図10に示す。
比較例2
攪拌機、温度計、コンデンサを装着した容量500mlの三つ口フラスコに、硝酸亜鉛六水和物 37.2g(125ミリモル)、硫酸マグネシウム0.08g(0.125ミリモル、硝酸亜鉛のモル量の0.1モル%に相当)、水250mlを加え攪拌し、硝酸0.5gを添加し、さらに攪拌しながら、90℃に昇温させた。昇温後、チオアセトアミド18.8g(250モル)を添加し、2時間攪拌した。室温まで冷却し、窒素を200ml/分で導入、溶存する硫化水素を除いた。得られたスラリーから粒子を遠心分離機によって分離し、水で洗浄し、硫化亜鉛11.6g(収率94%)を得た。平均粒度は5.7μmであった。
実施例および比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005300490
表1中の粒度分布及び標準偏差は、実施例および比較例で得られた粒度分布曲線に基づいて求めた。実施例と比較例との間で生成物の収率に顕著な差は見られないが、粒度分布及び標準偏差に関しては実施例(1〜8)と比較例(1,2)との間には著しい相違が見られる。実施例で得られた粒子の平均粒径は、比較例で得られるような極端に大きい値や極端に小さい値ではなく、8〜30μmの範囲内におさまっている。また、実施例では、いずれも標準偏差が0.2未満であり、生成した粒子の粒径にばらつきが少ないことが分かる。このような粒度分布の相違は、図1、3〜9及び11の粒度分布曲線の形状から一層明らかとなる。特に本発明の実施例の結果に相当する図1及び3〜8からは、本発明の実施例で得られた粒子の粒径の単分散性を確認することができる。
さらに、実施例1(A)から得られた粒子生成物のSEM写真(図2)によれば、粒子生成物は互いに凝集した微小粒子が結合ないし融合して見掛け上一個のより大きな粒子を形成しており、その粒径は見掛け上ほぼ均一化され、各粒子の外形にも大きな差はないことが分かる。一方、比較例1から得られた粒子生成物のSEM写真(図10)によれば、不規則な外形を有する不定形物が集合した状態にあり、実施例1(A)のような見掛け上均一な粒子の形成が起こっていないことが確認できる。
本発明は、無機蛍光体の前駆体化合物であるII-VI族化合物半導体について、粒度分布の狭い、単分散の粒子生成物の製造方法を提供する。本発明の製造法によれば、工業的プロセスで取り扱いが容易な無機蛍光体前駆体粒子を効率的に製造することが可能になる。更に、本発明の方法は、液相合成法に基づく製造方法であることから、発光中心となり得る付活剤又は共付活剤元素を均質に母材化合物に導入することができるため、高輝度の蛍光体の製造に有用である。

Claims (5)

  1. 硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び硫酸カルシウムから選択される電解質化合物と、硝酸亜鉛と、付活剤又は共付活剤元素を含む化合物と、を含む水性液相中に、チオアセトアミドを添加して、II-VI族化合物半導体の粒子を生成させることを特徴とするII-VI族化合物蛍光体前駆体の製造方法。
  2. II-VI族化合物半導体が硫化亜鉛である、請求項1に記載の方法
  3. 硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム及び硫酸カルシウムから選択される電解質化合物と、硝酸亜鉛と、付活剤又は共付活剤元素と、を含む化合物を含む水性液相中に、チオアセトアミドを添加して、II-VI族化合物半導体の粒子からなる凝集体を生成させる方法であって、前記電解質化合物を前記硝酸亜鉛のモル量を基準として0.5〜40モル%の量で添加すること、及び、凝集体のD50で表される平均粒径が8〜30μmであり、標準偏差が0.01〜0.2であることを特徴とする前記方法。
  4. II-VI族化合物半導体が硫化亜鉛である、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項3又は4に記載の方法により製造されるII-VI族化合物半導体の凝集体であって、D50で表される平均粒径が8〜30μmであり、標準偏差が0.01〜0.2であることを特徴とする凝集体。
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