JP5583403B2 - 青色蛍光体 - Google Patents

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Description

本発明は青色蛍光体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、銀又は銅を発光中心とするII-VI族化合物半導体を母体とする青色蛍光体および蛍光体調製時にガリウム及び/又はイリジウムをドーピングする青色蛍光体の製造方法に関する。
化合物半導体を主たる構成材料とする無機組成物は、蛍光、リン光などの発光材料、蓄光材料などの分野で用いられている。これらには、電気エネルギーによって光を発する特性を有するものもあり、光源として用いられ、表示など用途で一部用いられている。しかしながら、現在知られている材料は、電気エネルギーの光変換効率が不十分であり、そのため発熱、消費電力などの問題があり、用途が限定されている。特に青色蛍光体は、単色のみならず、白色の発光材料として有用である。
これまで、発光効率および輝度特性に優れる蛍光体として、硫化亜鉛を母体とし、銀、亜鉛、銅のうちの少なくとも一種を付活剤とし、塩素、臭素、ヨウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムのうちの少なくとも一種を共付活剤とし、さらにツリウムを含む青色蛍光体が知られている(特許文献1及び非特許文献1)。また、硫化亜鉛、硫化カドミウムなどを母体とし、銀、亜鉛、銅のうちの少なくとも一種を付活剤とするか、付活剤を使用せず、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムのうちの少なくとも一種を共付活剤とし、さらにビスマスおよびホウ素を含む硫化物蛍光体が知られている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1および2にガリウムの記載はあるものの、特許文献1には銀を付活剤とし、アルミニウムを共付活剤とするものしか示されていない。また、特許文献2には、銅を付活剤とするものは示されているが、共付活剤としてはアルミニウムを用いた例しか示されておらず、具体的に、銀を付活剤とし、ガリウムを共付活剤として使用した例は全く示されておらず、効果の程は不明である。
一方、ガリウムを使用するものとして、薄膜生成時にガリウムをドーピングする方法が開示されており、CVD(化学気相蒸着法)やEB(電子線蒸着法)により製膜した結果が示されている(例えば、非特許文献2および3)。
特開平4−183780号公報 特開平7−305057号公報 Journal of Luminescence 99(2002) 325-334 スーパーラティクス アンド マイクロストラクチャー 40巻 2006年 651−656頁 シィン ソリッド フィルムス 403−404巻 2002年 76−80頁
本発明者らは、特許文献1の実施例および実施例2を参照してガリウムのドーピングを試みたところ、ガリウムのドーピング効率は極めて低いことが判明した。前述したように、薄膜生成時にガリウムをドーピングする方法については知られているが、CVD法やEB法は高コストであり、蛍光体の工業化実施という点で有用な手法とは言い難い。更には、銀とガリウムの相互作用による発光を明確に記載した先行技術はない。
また、これまで知られている青色蛍光材料は、エネルギー効率、色純度が低く、光源用途、ディスプレイ用途に使用することが難しいか、高価である希土類塩を多量に必要とし、経済的に不向きであるなどの問題を有しており、これらの課題を解決することが求められていた。
本発明は以下のものを提供する。
[1] II-VI族化合物半導体を母体とする青色蛍光体であって、銀又は銅を発光中心とし、ガリウムを含有することを特徴とする青色蛍光体。
[2] 該II-VI族化合物半導体が、硫化亜鉛または硫化カドミウムである[1]記載の青色蛍光体。
[3] [1]または[2]記載の青色蛍光体の製造方法であって、II-VI族化合物半導体に銀又は銅とガリウムを同時にドープすることを特徴とする、青色蛍光体の製造方法。
[4] 該II-VI族化合物半導体が、II族金属元素を含有する化合物と、硫化剤またはセレン化剤を反応させることによって調製されたII-VI族化合物半導体である[3]記載の青色蛍光体の製造方法。
[5] 該II-VI族化合物半導体が、II族金属元素を含有する化合物の溶液と、硫化剤またはセレン化剤の溶液を連続的に混合させることによって調製されたII-VI族化合物半導体である[3]記載の青色蛍光体の製造方法。
[6] [3]〜[5]のいずれかに記載の方法で得られた青色蛍光体を加熱する工程を含む青色蛍光体の製造方法。
[7] II-VI族化合物半導体を母体とする青色蛍光体であって、銅又は銀を発光中心とし、イリジウムを含有することを特徴とする青色蛍光体。
[8] マグネシウムをさらに含有することを特徴とする[7]記載の青色蛍光体。
[9] 共付活剤がガリウムである[7]又は[8]記載の青色蛍光体。
[10] 共付活剤が塩素である[7]又は[8]記載の青色蛍光体。
[11] II-VI族化合物半導体が硫化亜鉛または硫化カドミウムである[7]〜[10]のいずれかに記載の青色蛍光体。
[12] [7]〜[11]のいずれかに記載の青色蛍光体の製造方法であって、II-VI族化合物半導体に銀又は銅とイリジウムを同時にドープすることを特徴とする、方法。
[13] 該II-VI族化合物半導体が、II族金属元素を含有する化合物と、硫化剤またはセレン化剤を反応させることによって調製されたII-VI族化合物半導体である[12]記載の青色蛍光体の製造方法。
[14] 該II-VI族化合物半導体が、II族金属元素を含有する化合物の溶液と、硫化剤またはセレン化剤の溶液を連続的に混合させることによって調製されたII-VI族化合物半導体である[12]記載の蛍光体前駆体の製造方法。
[15] [12]〜[14]のいずれかに記載の方法で得られた青色蛍光体を加熱する工程を含む青色蛍光体の製造方法。
[16] II-VI族化合物半導体を母体とする青色蛍光体であって、銅又は銀を発光中心とし、塩素又はガリウムと共に、イリジウムを含有することを特徴とする青色蛍光体。
[17] マグネシウムをさらに含有することを特徴とする[16]記載の青色蛍光体。
[18] [1]〜[2]、[7]〜[11]及び[16]〜[17]のいずれかに記載の青色蛍光体を用いたエレクトロルミネセンス(EL)素子。
本発明はエネルギー効率のよい青色蛍光体を提供する。本発明の青色蛍光体の製造方法によれば、エネルギー効率のよい青色蛍光体を高い生産性で製造することができる。
参考例1で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:477nm)。 参考例2で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:476nm)。 比較例2で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:627nm)。 比較例3で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:519nm)。 参考例3で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:456nm)。 参考例4で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:458nm)。
以下に本発明の詳細な説明を行う。
本発明で蛍光体母体とするII-VI族化合物半導体としては、特に制限されるものではなく、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛、セレン化カドミウムなど何れのものを使用しても構わない。これらは、単独で使用してもよく、複合化して使用してもよい。特に、入手性、製造安定性、化学的安定性を考慮して、硫化亜鉛の使用が好ましい。
本発明において、II-VI化合物半導体に、発光中心として銅又は銀がドーピングされる。ドーピングするために使用する銅化合物としては、特に限定されるものではない。このような銅化合物としては、例えば、塩化銅、臭化銅のようなハロゲン化銅、硫酸銅、りん酸銅、硝酸銅などの鉱酸塩、炭酸銅、重炭酸銅などの炭酸塩、酢酸銅、ギ酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅などの有機酸塩、銅アセチルアセトネートなどの有機錯体等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても複数を混合して使用しても構わない。共付活剤としてハロゲンを用いる場合には、塩化銅、臭化銅などのハロゲン化銅の使用が好ましく、共付活剤として、ハロゲン以外のものを共存させる場合には、硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅などが、安全性、入手性を考慮すると好適に使用される。ドーピングするために使用する銀化合物としては、特に限定されるものではない。このような銀化合物としては、例えば、塩化銀、臭化銀のようなハロゲン化銀、硫酸銀、りん酸銀、硝酸銀などの鉱酸塩、炭酸銀、重炭酸銀などの炭酸塩、酢酸銀、ギ酸銀、プロピオン酸銀、安息香酸銀などの有機酸塩、銀アセチルアセトネートなどの有機錯体等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても複数を混合して使用しても構わない。化合物半導体としての安定性、入手性、経済性を考慮して、硫酸銀、硝酸銀の使用が好ましい。
ドーピングされる銅元素の量としては、特に制限されるものではないが、通常、蛍光体中、5〜20000ppmとするのが好ましく、10〜8000ppmとするのがより好ましい。ドーピングされる銀元素の量としては、特に制限されるものではないが、通常、蛍光体中、5〜5000ppmとするのが好ましく、10〜1000ppmとするのがより好ましい。
本発明において、共付活剤としてガリウムを用いることが出来る。使用されるガリウム化合物としては、特に限定されるものではない。このようなガリウム化合物としては、例えば、硫化ガリウムなどの硫化物を直接使用することもできるし、塩化ガリウム、臭化ガリウムなどのハロゲン化物塩、硫酸ガリウム、りん酸ガリウム、硝酸ガリウムなどの鉱酸塩、炭酸ガリウム、重炭酸ガリウムなどの炭酸塩、酢酸ガリウム、ギ酸ガリウム、プロピオン酸ガリウム、安息香酸ガリウムなどの有機酸塩、ガリウムアセチルアセトネートなどの有機錯体等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても複数を混合して使用しても構わない。ハロゲン化物塩の使用は、II-VI族化合物半導体中に、陰イオンが残留し、蛍光体の複数波長で発光するため、色純度が低下する。そのため、化合物半導体としての安定性、入手性、経済性を考慮して、硫化物を直接使用するか、硫酸塩、硝酸塩の使用が好ましい。
ドーピングされるガリウム元素の量としては、特に限定されるものではないが、あまり多すぎると、経済的ではなく、また、濃度消光を引き起こすことがあり、またあまり少なすぎると、高い蛍光効率を引き出すことができないので、通常、蛍光体中、5〜5000ppmとするのが好ましく、10〜1000ppmとするのがより好ましい。
本発明において、共付活剤としてハロゲンを用いることが出来る。ハロゲンを導入する際に、用いることのできる化合物としては、第四級アンモニウムのフッ化物、塩化物、臭化物、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属のフッ化物、塩化物、ヨウ化物、亜鉛、カドミウム、銅、マンガン、金などの遷移金属のフッ化物、塩化物、ヨウ化物などを用いることもできる。これらの、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれを単体で用いても、複数を混合して用いてもかまわない。色純度、安定性を考慮して、塩素を使用することが好ましい。
ドーピングされるハロゲン元素の量としては、特に限定されるものではないが、あまり多すぎると、経済的ではなく、また、濃度消光を引き起こすことがあり、またあまり少なすぎると、高い蛍光効率を引き出すことができないので、通常、蛍光体中、5〜5000ppmとするのが好ましく、10〜1000ppmとするのがより好ましい。
本発明においては、銅又は銀を発光中心とし、イリジウムを添加することを特徴とする。添加に使用するイリジウム塩としては、特に制限されるものではなく、三塩化イリジウム(III)、四塩化イリジウム(IV)、三臭化イリジウム(III)、四臭化イリジウム(IV)などのハロゲン化物、硫酸イリジウム(III)、硫酸イリジウム(IV)、硝酸イリジウム(III)、硝酸イリジウム(IV)などの鉱酸塩、酢酸イリジウム(III)、酢酸イリジウム(IV)などの有機酸塩、イリジウムアセチルアセトネート(III)、イリジウムアセチルアセトネート(IV)などの有機錯体、ヘキサクロロイリジウム酸(III)アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸(III)ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム酸(III)カリウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)カリウムなどのハロゲン化イリジウム酸塩および錯体などを使用することができる。経済性、溶解性などを考慮して、三塩化イリジウム(III)、四塩化イリジウム(IV)などの塩化物、ヘキサクロロイリジウム酸(III)アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)アンモニウム、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウムなどのハロゲン化イリジウム酸塩および錯体を使用することが好ましい。
ドーピングされるイリジウム元素の量としては、特に限定されるものではないが、あまり多すぎると、経済的ではなく、また、濃度消光を引き起こすことがあり、またあまり少なすぎると、高い蛍光効率を引き出すことができないので、通常、蛍光体中、0.1〜100ppmとするのが好ましく、0.5〜50ppm、0.8〜30ppmとするのがより好ましい。
本発明においては、さらにマグネシウムを添加することが好ましい。マグネシウムの効果の理由に関しては定かではないが、一般にマグネシウムの添加は、II-VI族化合物半導体のバンドギャップを拡大することが知られている。このため、特に青色発光時に、蛍光体が安定化され、より高い輝度を発生しているものと考えられる。マグネシウムを添加するために用いられる化合物としては、特に限定されるものではなく、硫化マグネシウムを直接使用することも出来るし、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシウムなどのハロゲン化物、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、りん酸マグネシウムなどの鉱酸塩、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどの有機酸塩、マグネシウムアセチルアセトネートなどの有機錯体を使用することができる。
ドーピングされるマグネシウム元素の量としては、特に限定されるものではないが、凝集、析出などを起こさない範囲で添加することができる。一般にII-VI族化合物半導体100重量部に対し、50重量部まで添加することができるといわれているが、1ppm〜10重量部の範囲、10ppmから1重量部の範囲で添加することが好ましい。
本発明において、発光中心である銅又は銀や、共付活剤、イリジウム、マグネシウムなどをII-VI族化合物半導体に添加する方法はどのような方法を用いても構わない。添加する方法としては、II-VI族化合物半導体に添加する元素を含有する化合物を物理的に混合し、加熱等の方法を用いて添加することも出来るし、II-VI族化合物半導体を形成するときに、同時に各種元素を添加することもできる。更に、単独、または数種の元素を段階的に添加することもできる。これらは、添加量、添加に用いる化合物によって異なり、適宜、方法を選択することができる。
本発明において、物理的に混合し、熱的に各元素を添加する方法としては、II-VI族化合物半導体、例えば、硫化亜鉛に、硫酸銅、硝酸ガリウム、塩化イリジウム、硝酸マグネシウムを所定量混合し、更にフラックス、還元剤としての硫黄を添加して、焼成することによって添加することができる。
焼成に使用するフラックスとしては、単独物、あるいは複合して用いてもよく、通常、II-VI族化合物半導体100重量部に対して、0.1〜100重量部、ハロゲンの混入量を考慮して、0.2〜10重量部、より好ましくは、0.5〜3重量部の範囲で使用される。
硫黄の使用量としても特に制限されるものではなく、焼成時の系内を還元雰囲気下に保つ程度存在すればよく、少なすぎる使用量では、系内の酸化雰囲気化を抑制することが出来ず、多すぎる使用量では、硫黄の飛散量が大きく、使用する機器に負担を与えるため好ましくない。したがって、II-VI族化合物半導体100重量部に対して、0.1〜30重量部、より好ましくは、1〜10重量部の使用が好ましい。
焼成温度としては、銅、ガリウムなどのドープが円滑に行なわれれば特に制限されるものではなく、通常、500〜1170℃の範囲、より好ましくは、600〜1150℃の範囲で実施される。焼成時間としても特に制限されるものではなく、通常0.5〜10時間、より好ましくは、1〜6時間の範囲で実施される。
焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、2.0℃/分以上40.0℃/分以下の速度で昇温する。昇温速度が速すぎると、炉体やII-VI族化合物半導体を入れる容器を破損することがあり、また、昇温速度が遅すぎると、生産効率が著しく低下する。かかる観点から、2.5℃/分以上、30.0℃/分以下の昇温速度で実施することが好ましい。
焼成の雰囲気としては特に制限されるものではないが、安全性を考慮して、通常、窒素またはアルゴンなどの不活性気体雰囲気下で実施される。焼成の方式としても、バッチ式、連続式など何れの方式を採用しても構わない。
焼成終了後、室温まで冷却され、焼成物は、必要に応じ、酢酸などを含有する酸性水で洗浄され、更にイオン交換水で洗浄、乾燥することで蛍光体を得ることが出来る。
II-VI族化合物半導体は、II族金属元素を含有する化合物と、硫化剤またはセレン化剤を反応させることによって調製することもできる。反応は熱的に行うことができるが、溶液化した各々を混合する方法が容易であり、好ましい。
II族金属元素を含有する化合物としては、亜鉛、カドミウムのハロゲン塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸などの有機酸塩、炭酸、重炭酸などの炭酸塩、アセチルアセトネートなどの有機錯体を挙げることができる。これらは、単独で使用することも複数を混合して使用することもできる。
硫化剤またはセレン化剤としては、特に制限されるものではなく、硫化ナトリウム、硫化カリウム、セレン化ナトリウム、セレン化ナトリウムなどのアルカリ金属化合物、チオ尿素、セレン化尿素などの尿素類、チオアセトアミド、チオホルムアミド、セレンアセトアミド、セレンホルムアミドなどのアミド化物を挙げることができる。
硫化剤またはセレン化剤の使用量は特に限定されるものではなく、通常II族金属化合物に対して0.8〜10モル倍で使用される。1.1〜8モル倍がより好ましい。
溶液化するための溶媒としては、使用する化合物によって異なるので一律に限定することはできないが、入手性、除去性等を考慮して、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類が好ましい。
溶液の濃度としては特に限定されるものではなく、通常、0.01モル/L〜5モル/Lの範囲、経済性、操作性を考慮して、0.05〜2モル/Lの範囲で実施するのが好ましい。
発光中心やその他の元素は、II族化合物を溶解した溶液に、添加しても良いし、夫々または数種を別々の溶液として調製しても構わない。濃度に関しても特に制限されるものではなく、適正な金属比率になるように混合することができれば、如何なる濃度であっても構わない。
これらの溶液は、硫化またはセレン化剤溶液と混合される。溶液の混合方法としては、特に限定されるものではなく、II族金属化合物、ドーピングするための銅化合物およびガリウム化合物の溶液に、硫化剤またはセレン化剤を添加すればよい。生成する粒子の均一性を考慮すると、各々の溶液を解砕性のあるミキサーに連続的に導入して、蛍光体を生成させることが好ましい。
蛍光体を生成させる温度としては、通常、室温〜100℃の範囲とするのが好ましく、20℃〜80℃の範囲とするのがより好ましい。得られた蛍光体粒子は、遠心分離、ろ過などの操作により、溶液と分離することができる。
得られた粒子は、さらに焼成することにより、結晶化が促進され、蛍光体としての機能が向上する。焼成する温度としては、II-VI族化合物半導体の結晶形が変化する温度以上、昇華する温度以下で実施するのがよい。具体的には、500℃以上、1250℃以下、好ましくは、700℃以上、1230℃以下、より好ましくは、800℃以上、1200℃以下の温度で実施する。これらの焼成は、一回または複数回実施しても良く、複数回実施する場合、通常、最終回の焼成温度は、最高到達温度を最も低い値とすることが、結晶系の調整、粒度の調整の観点から好ましい。
焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、2.0℃/分以上40.0℃/分以下の速度で昇温する。昇温速度が速すぎると、炉体やII-VI族化合物半導体を入れる容器を破損することがあり、また、昇温速度が遅すぎると、生産効率が著しく低下する。かかる観点から、2.5℃/分以上、30.0℃/分以下の昇温速度で実施することが好ましい。
本発明の蛍光体の製造方法において、加熱焼成を使用する場合、焼成時に欠落する硫黄分を補うため硫黄を添加することができる。添加する量は特に限定されるものではなく、通常、II-VI族化合物半導体100重量部に対して、0.1重量部〜300重量部、より好ましくは、1重量部〜200重量部で実施される。
焼成終了後、得られた蛍光体粒子は、ドーピングされなかった余分のガリウム化合物や黒色化した金属化合物を除去するために洗浄を行う。洗浄は、中性水や酸性水が使用される。酸性分としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸を使用することができる。これらは、単独で使用することもできるし、複数を混合して使用することもできる。
II-VI族化合物半導体は、高濃度の酸性物と接触すると分解することがあるので、酸性水を使用する場合は、通常0.1〜20重量%の水溶液で使用するのが好ましく、1〜10重量%の水溶液を使用するのがより好ましい。II-VI族化合物半導体の分解、表面へのイオン残留性を考慮すると、酢酸を使用するのが好ましい。
本発明においては、余分な銀又は銅をシアン化物溶液によって除去することも可能である。使用するシアン化物としては、入手性などからシアン化ソーダ、シアン化カリウムの使用が一般的であり、通常0.1〜1重量%の濃度の水溶液をII-VI族化合物半導体1gに対し、10〜100重量倍使用する。洗浄後は、シアンの残存を防ぐために、シアンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄を行なうことが好ましい。
洗浄して得た蛍光体は、さらに、真空、熱風などの方法で乾燥し、所望の蛍光体とすることができる。
蛍光体が形成されたことは、量子効率を測定することによって確認することができる。量子効率とは、入射光による励起によって放出された光子の数と物質に吸収された入射光の光子の数との比であり、この数値が大きいほどドーピング効果が高いことを意味する。量子効率は分光蛍光光度計によって測定することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
酢酸亜鉛2水和物43.9g、硫酸銅(II)5水和物49.9mg、硝酸ガリウム5水和物9.1mgをメタノール2L(リットル)に溶解し、A液を調製した。また、硫化ナトリウム9水和物57.6gをメタノール600mLに溶解し、B液を調製した。定量ポンプを用いて、A液を毎秒2mL、B液を毎秒0.6mLの速度でスタティックミキサー(ノリタケ製T4−15R−4PT)に導入した。更に塩ビ製チューブに送液、滞留時間3分後、スタティックミキサーからの反応液は連続的に遠心分離機に供給し、生成した固体粒子を分取した。
得られた固体粒子中の銅及びガリウムのドーピング濃度をICP発光分析で測定したところ、銅が507ppm、ガリウムが91ppmであった。
得られた固体粒子22.3gを坩堝に入れ、窒素雰囲気下、800℃にて4時間焼成した。焼成後、固体粒子を1重量%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄し、更にpHが6になるまでイオン交換水で洗浄した。シアンは検出限界以下であった。固体粒子を150℃にて15時間乾燥し、蛍光体21.1gを得た。焼成によってドーピング濃度は変化しなかった。蛍光体について紫外線照射による蛍光スペクトルを測定した。結果を図1に示す。得られた蛍光体の量子効率は22%であった。
比較例1
参考例1において、硝酸ガリウムを添加しなかった以外は、参考例1と同様に実施し、蛍光体22.1gを得た。蛍光体について紫外線照射による蛍光スペクトルを測定したが、蛍光は観測されなかった。
参考例2
2L三つ口フラスコに、攪拌機、還流管、温度計を装着し、硝酸亜鉛6水和物223.2g、硝酸銅(II)3水和物90.9mg、硝酸ガリウム5水和物2.73g、チオアセトアミド84.5gを投入し、イオン交換水750mLを加えて溶解した。硝酸1.5gを添加した後、系内を窒素置換し、オイルバスにて90℃に加熱、昇温した。昇温終了後、2時間加熱攪拌した。得られた結晶をろ別し、イオン交換水でpHが6になるまで洗浄、乾燥し、固体粒子64.7gを得た。
得られた固体粒子中の銅及びガリウムのドーピング濃度をICP発光分析で測定したところ、銅が321ppm、ガリウムが1212ppmであった。
固体粒子64.7gを坩堝に入れ、窒素雰囲気下、800℃にて4時間焼成した。焼成後、固体粒子を1重量%シアン化ナトリウム水溶液600gで洗浄し、更にpHが6になるまで、イオン交換水で洗浄した。シアンは検出限界以下であった。固体粒子を150℃にて15時間乾燥し、蛍光体62.2gを得た。焼成によってドーピング濃度は変化しなかった。蛍光体について紫外線照射による蛍光スペクトルを測定した。結果を図2に示す。得られた蛍光体の量子効率は24%であった。
比較例2
参考例1で使用した硝酸ガリウム5水和物9.1mgに代え、硝酸インジウム11.3mgを添加した以外は参考例1と同様に実施した。得られた固体粒子中のドーピング濃度は、銅511ppm、インジウム78.3ppmであった。参考例1と同様にして蛍光体を得、紫外線照射により蛍光スペクトルを測定した。結果を図3に示すが、黄色であった。
比較例3
参考例1で使用した硝酸ガリウム5水和物9.1mgに代え、硝酸アルミニウム13.8mgを添加した以外は参考例1と同様に実施した。得られた固体粒子中のドーピング濃度は、銅511ppm、アルミニウム55.3ppmであった。参考例1と同様にして蛍光体を得、紫外線照射により蛍光スペクトルを測定した。結果を図4に示すが、青緑色であった。
参考例3
200mlビーカーに硫化亜鉛(堺化学製 RAK−LC)25g、0.1モル/L硝酸銀水溶液、1.16ml、硝酸ガリウム5水和物0.0652gを取り、イオン交換水12.5gを添加して、よく混合した。得られた混合物を150℃の熱風乾燥を12時間行い、乾燥させた。乾燥物を乳鉢で粉砕し、塩化ナトリウム5g、硫黄7.5gを添加し、乳鉢にて混合した。更に、坩堝に移し、窒素気流下、1000℃で6時間焼成した。室温まで冷却した後、焼成物をイオン交換水200ml中に加え、脱塩洗浄し、更に、10%酢酸200mlで洗浄、イオン交換水200mlで3回洗浄した。得られた洗浄物を、150℃の熱風乾燥を12時間行い乾燥させ、蛍光体23.1gを得た。本蛍光体をICP分析した結果を表1に示す。紫外線照射による蛍光スペクトルを測定した。結果を図5に示す。得られた蛍光体の量子効率は21.7%であった。
参考例4
2L三つ口フラスコに、攪拌機、還流管、温度計を装着し、硝酸亜鉛6水和物223.2g、硝酸銀3水和物90.9mg、硝酸ガリウム5水和物2.73g、チオアセトアミド84.5gを投入し、イオン交換水750mLを加えて溶解した。硝酸1.5gを添加した後、系内を窒素置換し、オイルバスにて90℃に加熱、昇温した。昇温終了後、2時間加熱攪拌した。得られた結晶をろ別し、イオン交換水でpHが6になるまで洗浄、乾燥し、固体粒子64.7gを得た。
固体粒子64.7gを坩堝に入れ、窒素雰囲気下、800℃にて4時間焼成した。焼成後、固体粒子を10重量%酢酸水溶液600gで洗浄し、更にpHが6になるまで、イオン交換水で洗浄した。固体粒子を150℃にて15時間乾燥し、蛍光体62.2gを得た。蛍光体のICP測定結果を表1に示す。蛍光体について紫外線照射による蛍光スペクトルを測定した。結果を図6に示す。得られた蛍光体の量子効率は23.1%であった。
比較例4
参考例3において硝酸ガリウムを添加しなかった以外は、参考例3と同様に行った。ICP分析結果を表1に示す。紫外線照射による蛍光スペクトルを測定しが、蛍光スペクトルは観測されなかった。
なお、分光蛍光光度計の測定条件は以下のとおりであった。
測定装置:日本分光株式会社製 FP−6500
励起波長:350nm
励起バンド幅:5nm
ソフトウェア:Spectra Manager for Windows(登録商標) 95/NT Ver1.00.00 2005 日本分光株式会社製
蛍光体の量子効率は20%以上であることが好ましいが、本発明の方法により得られた蛍光体はいずれも20%以上の量子効率を有することが上記実施例の結果によって示された。
実施例5
2Lの3口セパラブルフラスコに硝酸亜鉛・6水和物112g(375mmol)、硫酸マグネシウム2.25g(18.8mmol)、硝酸銅(II)・3水和物83mg(銅 600ppm相当)、硝酸ガリウム・5水和物24mg(ガリウム100ppm相当)、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウム4.2mg(イリジウム50ppm相当)を取り、イオン交換水750gを添加、溶解した。硝酸0.20gを添加し、系内を酸性とし、90℃まで昇温した。昇温終了後、チオアセトアミド84.5g(1125mmol)を一括投入し、窒素雰囲気下、90℃にて2時間攪拌した。反応終了後、析出した硫化亜鉛蛍光体前駆体を沈降させ、上澄み液を除去、更に、イオン交換水700gを添加、5分間攪拌し、静置、沈降させ上澄み液を除く操作を3回繰り返し、pHが6になったところで洗浄を終了した。得られた蛍光体前駆体を集め、150℃、12時間熱風乾燥を行った。
乾燥物を乳鉢で粉砕し、この蛍光体前駆体10gに、塩化ナトリウム0.3g、塩化マグネシウム0.2g、硫黄0.5gを添加し、乳鉢にて混合した。更に、坩堝に移し、窒素気流下、1000℃で6時間焼成した。室温まで冷却した後、焼成物をイオン交換水200ml中に加え、脱塩洗浄し、更に、10%酢酸200mlで洗浄、イオン交換水200mlで3回洗浄した。得られた洗浄物を、150℃の熱風乾燥を12時間行い乾燥させ、蛍光体9.1gを得た。更に、得られた蛍光体5gに、硫酸亜鉛・7水和物1.25g、硫酸銅(II)・5水和物0.25g、硫黄0.05gを添加し、乳鉢にて混合した。更に、坩堝に移し、窒素気流下、700℃で3時間焼成した。室温まで冷却した後、焼成物をイオン交換水200ml中に加え、脱塩洗浄し、更に、10%酢酸200mlで洗浄、イオン交換水200mlで3回洗浄した。続けて、1%青酸ナトリウム水溶液100mlを加えて余分な銅化合物を除去し、イオン交換水200mlで3回洗浄し、シアンを検出しないことを確認した後、得られた蛍光体を100℃、6時間真空乾燥し、蛍光体4.2gを得た。得られた蛍光体のICP分析結果を表2に示す。
得られた蛍光体1.5gにバインダーとしてフッ素系バインダー(DuPont製7155)1.0gを添加し、混合、脱泡して発光層ペーストを作成した。ITO付きPETフィルムに、20mm角でスクリーン版(200メッシュ、25μm)を用い、発光層ペーストを膜厚40μmで製版、更にチタン酸バリウムペースト(DuPont製7153)をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用い製版、100℃で10分間乾燥の後、再度同じチタン酸バリウムペーストを製版し、100℃で10分間乾燥、20μmの誘電層を製膜した。その上面に、電極として、銀ペースト(アチソン製461SS)をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用い製版、100℃で10分間乾燥して電極を製膜し、印刷型EL素子を構成した。得られた素子を、200V、1kHzでEL材料評価を行った。結果を表3に示す。
EL材料評価は以下の方法により行った。
発光波長の測定方法:
日本分光株式会社の分光蛍光光度計を使用し、印刷型EL素子をセットし、交流電源を用いて200V、1kHzの電圧を印加し、日本分光株式会社のスペクトル解析プログラムを使用してEL発光スペクトルを測定した。なお、交流電源には、東京精電株式会社のCVFT1−D200を使用した。
発光輝度の測定方法:
輝度計として株式会社トプコンの輝度計BM−9Mを使用し、暗室内で輝度計を印刷型素子から高さ30cmの位置に固定した。印刷型EL素子に、交流電源にて200V、1kHzの電圧を印加し、発光輝度(cd/m)を測定した。
実施例6
実施例5において、塩化マグネシウムを使用しない代わりに、塩化カリウム2gを添加した以外は、実施例5と同様に行った。
実施例7
実施例5において、硝酸ガリウムを使用しなかった以外は、実施例5と同様に行った。
実施例8
実施例7において、塩化マグネシウムを使用しない代わりに、塩化カリウム2gを添加した以外は、実施例7と同様に行った。
参考例9
実施例5において、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウムを使用しなかった以外は、実施例5と同様に行った。
比較例5
実施例7において、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウムを使用しなかった以外は、実施例7と同様に行った。

実施例10
2Lの3口セパラブルフラスコに硝酸亜鉛・6水和物112g(375mmol)、硫酸マグネシウム2.25g(18.8mmol)、0.1mol/L硝酸銀水溶液3.41mL、硝酸ガリウム・5水和物24mg(ガリウム100ppm相当)、ヘキサクロロイリジウム酸(IV)2アンモニウム4.2mg(イリジウム50ppm相当)を取り、イオン交換水750gを添加、溶解した。硝酸0.20gを添加し、系内を酸性とし、90℃まで昇温した。昇温終了後、チオアセトアミド84.5g(1125mmol)を一括投入し、窒素雰囲気下、90℃にて2時間攪拌した。反応終了後、析出した硫化亜鉛蛍光体前駆体を沈降させ、上澄み液を除去、更に、イオン交換水700gを添加、5分間攪拌し、静置、沈降させ上澄み液を除く操作を3回繰り返し、pHが6になったところで洗浄を終了した。得られた蛍光体前駆体を集め、150℃、12時間熱風乾燥を行った。
乾燥物を乳鉢で粉砕し、この蛍光体前駆体10gに、塩化ナトリウム0.3g、塩化マグネシウム0.2g、硫黄0.5gを添加し、乳鉢にて混合した。更に、坩堝に移し、窒素気流下、1000℃で6時間焼成した。室温まで冷却した後、焼成物をイオン交換水200ml中に加え、脱塩洗浄し、更に、10%酢酸200mlで洗浄、イオン交換水200mlで3回洗浄した。得られた洗浄物を、150℃の熱風乾燥を12時間行い乾燥させ、蛍光体9.2gを得た。更に、得られた蛍光体5gに、0.1mol/L硝酸銀水溶液2mL、硫黄0.1gを添加し、乳鉢にて混合した。更に、坩堝に移し、窒素気流下、700℃で3時間焼成した。室温まで冷却した後、焼成物をイオン交換水200ml中に加え、脱塩洗浄し、更に、10%酢酸200mlで洗浄、イオン交換水200mlで3回洗浄した。得られた洗浄物を100℃で6時間真空乾燥して蛍光体4.0gを得た。得られた蛍光体を実施例5と同様に評価した結果は次のとおりである。
ICP分析:Ag 442ppm、Ga 88ppm、Ir 41ppm
ピーク波長:452nm
発光輝度:155 Cd/m

Claims (5)

  1. 銅又は銀、イリジウム及びマグネシウムを含有する蛍光体前駆体にフラックス及び硫黄を添加して焼成して得られる、II-VI族化合物半導体を母体とする青色蛍光体であって、銅又は銀を発光中心とし、イリジウム及びマグネシウムを含有することを特徴とする青色蛍光体。
  2. 前記蛍光体前駆体は、さらに共付活剤としてガリウムを含有する請求項1記載の青色蛍光体。
  3. 前記蛍光体前駆体は、さらに付活剤として塩素を含有する請求項1又は2に記載の青色蛍光体。
  4. II-VI族化合物半導体が硫化亜鉛または硫化カドミウムである請求項1〜3のいずれかに記載の青色蛍光体。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の青色蛍光体を用いたエレクトロルミネセンス(EL)素子。
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