JP5337158B2 - 硫化亜鉛系蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化亜鉛系蛍光体の製造方法に関する。
蛍光発光特性を有する化合物半導体を主たる構成成分とする無機材料は、発光材料、蓄光材料として利用されてきたが、近年、電気エネルギーによって光を発するエレクトロルミネッセンス(EL)特性を有する発光材料が、光源や表示装置のための新たな発光素子材料として期待されるようになり、関心を集めている。しかしながら、現在入手可能な無機EL材料の大半は、電気エネルギーの光変換効率が不十分であり、発熱、消費電力、EL輝度などの点に問題があるため、より実用性の高い無機EL材料を求めて開発研究が行われている。
例えば、青色EL材料を開発に関連して、硫化亜鉛を母体とする蛍光体の製造方法が研究されている。
硫化亜鉛を母体とする蛍光体の製造方法としては、硫化亜鉛に熱的に発光中心をドープする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。硫化亜鉛を化学的に製造する過程で、発光中心をドープする方法としては、発光中心となる金属元素を含む金属塩を亜鉛塩と共存させ、水熱条件下に硫化亜鉛を生成させる方法(例えば、特許文献2参照)、発光中心となる金属元素を含む金属塩と亜鉛塩を溶解した液に、硫化剤水溶液を添加しながら反応させる方法(例えば、特許文献3参照)などの製造方法が知られている。特許文献2および3には、得られた蛍光体前駆体を加熱焼成して、発光中心の固定化と結晶化により蛍光体化することが開示されている。
特開2004−99881公報 特開2005−264108公報 特願2005−297707公報
しかしながら、上記の製造方法のいずれにも、実用化のために克服すべき問題がある。
例えば、硫化亜鉛に発光中心を熱的にドープする方法では、原料の粒径や、金属ドーパントを供給する金属塩と硫化亜鉛との混合方法や混合時の不均一性が原因で、粒子内および粒子間で、明らかに金属ドーパントが偏在し、各粒子内および粒子間での発光色が均一にならないという問題がある。
また、水熱条件下に硫化亜鉛を生成させる方法では、発生する硫化水素により、使用する反応設備が著しく腐食するため、工業化のためのスケールアップには大きな障害になるという問題がある。
更にまた、液相反応を利用して硫化亜鉛母体に発光中心となる金属ドーパントをドープする方法では、亜鉛化合物を、金属ドーパントを供給する金属塩とともに、硫化剤と反応させる際に、各金属塩の反応速度が異なるために、粒子内での金属ドーパントの分布が均一にならないという問題がある。この問題を回避するために、加熱下で反応を進行させ、見かけの反応速度差を小さくするという解決手段も考えられるが、この場合には熱的に金属をドープする上記方法と同じ問題を生じる結果となるため、好ましくない。
他方、上記特許文献の中には、蛍光体前駆体の焼成時に酸素を導入することを記載したものもあるが、導入された酸素は硫化亜鉛を酸化亜鉛に変化させるため、酸素を過剰に添加することは好ましくない。加えて、酸素を添加する温度によっては、結晶の動きと共に、酸素が粒子内部にまで拡散して酸化が進行するため、結晶化度が向上せず、実用性のある高輝度の蛍光体が得られないという問題がある。
したがって、本発明の目的は、実用性のある高輝度の蛍光体を工業的に有利に製造することのできる硫化亜鉛系蛍光体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、硫化亜鉛系蛍光体の調製から焼成に至るまでの各製造工程における処理条件が、得られる蛍光体の輝度に著しく影響することに着目し、各工程について詳細に検討を加えた結果、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明により、以下のものを提供することができる。
[1] 硫化亜鉛系蛍光体前駆体を焼成して硫化亜鉛系蛍光体を製造する方法であって、少なくとも、
硫化亜鉛系蛍光体前駆体、硫黄及び塩素含有融剤を含有する混合物を焼成する第一焼成工程、及び、
第一焼成工程から得られた焼成物を更に焼成する第二焼成工程
を含み、
前記第一焼成工程では、前記混合物を加熱し、常温から前記蛍光体前駆体の結晶系が転移する温度まで、酸素が導入されている雰囲気下で昇温させ、次に、該転移温度を越えたところから該雰囲気を窒素雰囲気に切り替えて更に加熱を継続し、1000℃以上1200℃以下の範囲内の温度に到達したところで該温度を一定に維持し、その後に、該混合物を急冷し、洗浄して焼成物を得ること、及び、
前記第二焼成工程では、前記第一焼成工程で得られた焼成物を窒素雰囲気下で加熱して、常温から650℃以上1000℃以下の温度まで昇温させ、次に、該温度に到達したところで酸素を導入しながら該温度を保持し、その後に、該焼成物を急冷し、洗浄して、硫化亜鉛系蛍光体を得ること、
を特徴とする製造方法。
[2] 前記第一焼成工程において、窒素雰囲気に切り替える温度が850℃以下の温度である[1]記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[3] 前記第一焼成工程における洗浄の後、焼成物の結晶に歪みを与えて第二の焼成工程を行う前記[1]又は[2]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[4] 前記洗浄と前記歪み付与を同時に行う前記[3]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[5] 前記第一焼成工程で得られた焼成物に銅、亜鉛及び硫黄を含む化合物を添加して第二の焼成工程を行う前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[6] 前記蛍光体前駆体が、亜鉛化合物、硫化剤、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物を含む水溶液を有機溶媒中に添加した後、加熱して共沸脱水を行うことにより得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[7] 前記蛍光体前駆体が、亜鉛化合物と、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物とを含む水溶液に硫化剤を添加して反応させることにより反応生成物として得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[8] 前記硫化剤がチオアセトアミドおよび/または硫化水素である前記[6]又は[7]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[9] 前記蛍光体前駆体が、硫化亜鉛、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物を含む混合物である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[10]前記酸素の導入は、酸素を含む気体流を蛍光体前駆体の周囲の雰囲気に流入させることによって行うことを特徴とする、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[11]前記酸素を含む気体流が空気流であることを特徴とする、前記[10]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
本発明の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法により、実用性の高い、高EL輝度の蛍光体を工業的に有利に製造することができる。
比較例1で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:486nm)。 比較例2で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:461nm)。 比較例3で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:466nm)。 実施例1で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:477nm)。 実施例2で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:490nm)。 実施例3で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:492nm)。 比較例4で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:493nm)。 比較例5で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長: 492nm)。 比較例6で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:484nm)。 比較例7で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:489nm)。 比較例8で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:472nm)。 実施例4で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:477nm)。 実施例5で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:484nm)。 実施例6で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:479nm)。 実施例7で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:499nm)。 実施例8で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:495nm)。 実施例9で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:502nm)。 実施例10で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:486nm)。 実施例11で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:490nm)。 実施例12で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:478nm)。 比較例9で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:486nm)。 比較例10で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:476nm)。 比較例11で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:474nm)。 比較例12で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長:462nm)。 比較例13で得られた蛍光体の蛍光スペクトルである(発光ピーク波長: 472nm)。
本発明では、硫化亜鉛系蛍光体前駆体を焼成して蛍光体が製造されるが、該蛍光体前駆体としては、硫化亜鉛が蛍光体の母体である限り、特に制限はない。なお、蛍光体前駆体とは、光吸収による励起では蛍光を示さないか、又は、蛍光を一応は示すものの実用上の観点から十分とはいえない、蛍光体になる前段階の物質であって、所望の蛍光特性を得るために更なる処理工程(例えば焼成工程)にかけることを要する物質をいう。以下、蛍光体前駆体を単に前駆体ということがある。
本発明において、前駆体は、少なくとも、第一の焼成工程と第二の焼成工程を含む工程を経て製造される。第一焼成工程では、硫化亜鉛系蛍光体前駆体の結晶化度を高めて、六方晶とする工程である。先ず、第一の焼成工程において、前駆体に、適切な量の硫黄と塩素含有融剤が添加される。
塩素含有融剤としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウムなどのアルカリ金属塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属塩化物、塩化アンモニウム、塩化亜鉛などを挙げることができる。残留性、融剤の融解温度を考慮して、複数の塩化物を混合することが好ましい。好ましくは、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムの混合物が使用される。塩素含有融剤の使用量としては、特に制限されるものではないが、通常、硫化亜鉛中の濃度として、0.1〜80重量%、融剤の均一分散などの影響を考慮して、0.5〜60重量%、より好ましくは、1〜40重量%の範囲で使用される。
塩素含有融剤の添加方法は特に限定されるものではなく、塩素含有融剤を硫化亜鉛と固体混合して使用することもできるし、塩素含有融剤を水に溶解させてから硫化亜鉛と混合し、さらに乾燥させることによって調製された混合物を使用することもできる。また、使用する融剤の化学的安定性を考慮して、固体混合と水溶液混合を組み合わせて使用することもできる。
硫黄の添加量は、特に限定されるものではないが、焼成時に反応容器、硫化亜鉛に付着する水、酸素との反応による、硫化亜鉛の酸化を抑制できる量であればよい。よって、一般的には、硫化亜鉛の0.01重量倍〜2重量倍、より好ましくは、0.02重量倍〜1重量倍で添加する。
本発明において、硫黄と塩素含有融剤が添加された前駆体は、酸素が導入された雰囲気下で、常温から前駆体の結晶系が転移を開始する温度まで加熱されることが重要である。本明細書中、「常温」という用語は、特に加熱も冷却もしない場合の温度であり、平均的な大気温度(あるいは周囲温度)に概ね相当する。したがって、常温は、技術分野や地域によって異なり得るが、一例を挙げれば、約5℃〜約35℃の範囲の温度である(ただし、特に該温度範囲に限定されるわけではない)。前駆体の加熱処理は、当業界において無機材料の焼成のために一般的に使用される焼成炉を用いて実施することができる。焼成炉に関しては、前駆体の導入前に予め炉内温度を約30℃に保つことにより、炉材に吸着された水分の量を適度なレベルにまで低下させることができる。このため、前駆体の焼成を開始する際の炉内温度は、約30℃又はそれ以上の温度であることが好ましい。硫化亜鉛の結晶系が転移する温度より高い温度領域で酸素を焼成炉内に導入すると、結晶粒子の内部まで酸化され、最終的な蛍光体としての性能が低下する結果となる。硫化亜鉛の場合、800℃以上になると結晶系の転移の始まりを、また、850℃以上ではより明確な結晶系の転移を確認することができる。このため、本発明では、加熱開始後850℃以下の温度範囲で酸素を導入することが好ましい。また、酸素の導入は、酸素を含む気体流を焼成炉内部(特に蛍光体前駆体の周囲の雰囲気)に連続的に流入させることによって行われることが好ましい。導入される酸素の濃度は、特に限定されないが、導入される気体中の1〜30容積%とするのが好ましい。また、経済性を考慮して、酸素含有気体流の導入には空気(例えば大気中の空気)流を使用することが好ましい。蛍光体前駆体の結晶系が転移することは粉末X線回折法で回折パタ−ンを解析し、(1,0,0)面の回折ピークの強度から確認することができる。結晶系は800℃付近から転移を開始し、1020℃で立方晶から六方晶に完全に転移する。
第一の焼成工程において、結晶系が転移を開始する温度を越えてからは、窒素雰囲気下で昇温する。窒素雰囲気への切り替えは、導入していた酸素含有気体流を窒素流に切り替えることによって実施することが好ましい。そして、1000℃以上1200℃以下の温度に到達後、該温度を保持する。保持する時間は約1〜約5時間とするのが好ましい。しかる後、急冷する。急冷とは、自然に放冷するよりは降温速度が大きくなるように冷却することをいう。急冷のための冷却速度は特に限定されるものではないが、できるだけ急速に冷却することが好ましく、毎分10℃〜500℃の範囲の冷却速度、容器のヒートショック性を考慮して、毎分12℃〜300℃の範囲の冷却速度で急冷を実施することが好ましい。
冷却された焼成物は酸性水溶液で洗浄される。酸性水溶液としては、ギ酸、酢酸などの有機酸水溶液、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸水溶液を使用することができる。硫化亜鉛への浸透性、表面への残留性を考慮して、酢酸、塩酸の使用が好ましい。酸性水溶液で洗浄した後に、イオン交換水で洗液が中性になるまで洗浄する。
第一の焼成工程で得られた焼成物は、次いで、第二の焼成工程に付される。第二の焼成工程において、焼成物は、通常、2〜5時間で650℃以上1000℃以下の温度になるまで窒素雰囲気下で昇温する。次に、所定の温度に到達した直後から酸素を導入して当該温度を所定時間保持する。このとき酸素は、酸素を含む気体流として連続的に焼成炉内(特に蛍光体前駆体の周囲の雰囲気)に導入することが好ましく、酸素を導入する時間は、限定されるものではないが、通常、30分〜2時間の範囲であればよい。導入される酸素の濃度としては、特に限定されないが、導入される気体中の1〜30容積%とするのが好ましく、また、経済性を考慮して酸素の導入には空気を使用することが好ましい。その後、酸素が導入された雰囲気を窒素雰囲気に再び切り替えて、当該温度を更に一定時間保持することが好ましい。
しかる後、焼成物を急冷する。急冷のための冷却速度は特に限定されるものではないが、できるだけ急速に冷却することが好ましく、毎分10℃〜500℃の範囲の冷却速度、容器のヒートショック性を考慮して、毎分12℃〜300℃の範囲の冷却速度で急冷を実施することが好ましい。冷却された焼成物は、酸性水溶液で洗浄される。酸性水溶液としては、第一の焼成工程の場合と同様に、有機酸水溶液や鉱酸水溶液を使用することができる。硫化亜鉛への浸透性、表面への残留性を考慮して、酢酸、塩酸の使用が好ましい。酸性水溶液で洗浄した後に、イオン交換水で洗液が中性になるまで洗浄する。
第一の焼成工程で得られた焼成物は、洗浄後、結晶に歪みを与えてから第二の焼成工程にかけることが好ましい。結晶に歪みを与える方法は特に制限されるものではなく、例えばバルク状態の焼成物に対して外部から衝撃波、プレスなどの方法で衝撃を加えて結晶に歪みを与えることもできる。しかしながら、あまり強い衝撃を与えると、結晶または粒子破壊を起こすことがあり、結果として蛍光体の輝度が低下するため好ましくない。したがって、超音波やボールミルなどの方法で穏やかに衝撃を与え、結晶に歪みを与えることが好ましい。衝撃を与える時間としては、特に制限されないが、通常、10分〜3時間の範囲、より好ましくは、15分〜2時間の範囲で実施する。洗浄と歪みの付与は同時に行うことが好ましい。
第一の焼成工程で得られた焼成物は、銅、亜鉛及び硫黄を含む化合物を添加して第二の焼成工程を行うことが好ましい。好ましくは、該焼成物には、0.1〜5重量%の銅塩、1〜45重量%の亜鉛化合物および0.1〜6重量%の硫黄が含有されるように、前記の各物質が添加される。
本発明に使用される銅塩としては、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅、酢酸銅などを挙げることができる。これらは、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。経済性、操作性の観点から、硫酸銅、酢酸銅の使用が好ましい。
本発明に使用される亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、ギ酸塩などを挙げることができる。これらは、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。経済性、操作性の観点から、硫酸亜鉛、酸化亜鉛の使用が好ましい。
本発明に使用される硫黄を含む化合物としては、硫黄、チオアセトアミド、チオ尿素などを挙げることができる。これらは、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。経済性、操作性の観点から、硫黄の使用が好ましい。
本発明において、第二の焼成工程を2回またはそれ以上の回数実施してもよい。複数回実施する場合には、最終回の実施温度はその直前の回の実施温度より低い方が好ましい。このように低い温度で焼成を実施することで、結晶性が安定化し、硫化亜鉛系蛍光体としての特性が向上することがある。
第二の焼成工程の終了後、得られた硫化亜鉛系蛍光体粒子は、ドーピングされなかった余分の亜鉛化合物や黒色化した金属化合物を除去するために、洗浄処理にかける。洗浄には、中性水や、酸性水が使用される。該酸性水に含まれる酸成分としては、特に限定されるものではないが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸を挙げることができる。また夫々の酸の水溶液を使用することもできる。これらは、単独で使用することもできるし、複数種類を混合して使用することもできる。
硫化亜鉛系蛍光体は、高濃度の酸性物質と接触すると分解することがあるので、酸性水を使用する場合は、通常0.1〜20重量%の酸成分を含有する水溶液を使用することが好ましく、1〜10重量%の酸成分を含有する水溶液を使用することがより好ましい。硫化亜鉛系蛍光体の分解、表面へのイオン残留性を考慮すると、酢酸を使用することが好ましい。
本発明において、余分な銅、銀、金、マンガン、イリジウムおよび希土類元素をシアン化物溶液によって除去することができる。使用するシアン化物としては、入手容易性などの観点からシアン化ナトリウム、シアン化カリウムを使用するのが一般的であり、通常0.1〜1重量%の濃度でシアン化物を含有する水溶液を、硫化亜鉛系蛍光体1重量部当たり10〜100重量部の量で使用する。洗浄後は、シアン化物の残留を防ぐためにシアン化物イオンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄を行うことが、安全性の観点からも好ましい。洗浄後、更に、真空、熱風などの方法で乾燥し、最終生成物として蛍光体を得ることができる。
本発明に使用される蛍光体前駆体としては、硫化亜鉛が母体化合物である限り、特に制限はないが、硫化亜鉛母体中に金属ドーパントが可能な限り均質に分布していることが好ましいことから、亜鉛化合物、硫化剤、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む金属化合物を含む水溶液を有機溶媒中に添加して反応混合液を調製し、該反応混合液を加熱し、水と有機溶媒とを共沸させつつ水を除去することによって得られる硫化亜鉛系蛍光体前駆体を使用することが好ましい。
該蛍光体前駆体を調製するための亜鉛化合物としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸塩、ギ酸、酢酸、酪酸、シュウ酸などの有機酸塩、アセチルアセトネートなどの錯塩を挙げることができる。共沸脱水により反応混合液に含まれる溶媒から水を除去した後の化合物の安定性、残留性を考慮して、有機酸塩の使用が好ましい。これらの亜鉛化合物は、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。
銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含む金属化合物についても、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸塩、ギ酸、酢酸、酪酸、シュウ酸などの有機酸との塩、アセチルアセトネートなどの配位子との錯塩を使用することができる。共沸脱水により反応混合液から水を除去した後の化合物の安定性、残留性を考慮して、有機酸塩の使用が好ましい。これらの化合物は、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。
また、必要に応じて、アクセプターとしての銅、銀、マンガン、イリジウムおよび希土類元素に対してドナーとして作用するアルミニウム、ガリウム、インジウムなどの元素を含む化合物を水溶液中に存在させて、このようなドナー元素が硫化物中に取り込まれるようにしてもよい。
本発明に使用する硫化剤は、特に限定されるものではなく、硫化水素、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物、チオアセトアミド、チオホルムアミドなどのチオアミド類、チオ尿素などを使用することができる。分解温度、安定性、分解物の残留性を考慮して、硫化水素、チオアセトアミド、チオ尿素の使用が好ましい。なかでも、チオアセトアミドおよび/または硫化水素が好ましい。
本発明において亜鉛化合物、硫化剤等の溶解に使用する水は、不純物の影響により硫化亜鉛系蛍光体の生成が妨げられないようにするため、通常灰分の含有量が100ppm以下、より好ましくは灰分10ppm以下のイオン交換水を使用する。
また、本発明において、亜鉛化合物の水溶液調製時の濃度は、亜鉛化合物が完全に溶解している限り、金属ドーパントの分布の均質性との関係では問題にならない。ただし、亜鉛化合物の濃度があまり濃すぎる場合には、反応物の析出に伴い、反応が阻害され速度が低下することがあるため好ましくなく、他方、濃度が希薄すぎる場合には、容積効率が著しく低下することがあるため好ましくない。従って、亜鉛化合物の濃度は0.01〜2モル/L、より好ましくは0.1〜1.5モル/Lの範囲に調整する。
本発明で使用する銅、銀、金、マンガン、イリジウムおよび希土類元素を含む化合物、並びに、アクセプターとしての銅、銀、金、マンガン、イリジウムおよび希土類元素に対してドナーとして作用する元素を含む化合物の使用割合は、ドープされる金属元素の重量で、得られる蛍光体前駆体の重量を基準として0.1〜150000ppmの範囲であり、より好ましくは1ppm〜50000ppmの範囲であり、含有の効果、経済性を考慮すると、2〜10000ppmの範囲であることがより一層好ましい。これらの元素を含む化合物も、亜鉛化合物を溶解した水溶液に共存させて使用する。
使用する硫化剤の量としては、亜鉛化合物に含まれる亜鉛元素のモル数に対して、0.5〜5倍のモル数に相当する量であればよいが、亜鉛化合物が未反応のまま残留すると反応には好ましくない影響が生じることに加え、蛍光体生成物にも色純度の低下、用途の限定などの影響が生じる可能性がある。そこで、硫化剤は、通常、亜鉛元素のモル数に対して1.1〜4倍、より好ましくは1.1〜2倍のモル数に相当する量で使用する。硫化剤も亜鉛化合物水溶液に溶解させて使用する。
硫化剤の水溶液中の濃度は、水溶液中に硫化剤が溶解可能である限り、金属ドーパントの分布の均質性との関係では問題にならない。ただし、硫化剤の濃度が濃すぎる場合には未反応硫化剤が析出し、目的の生成物中に残留するため好ましくなく、他方、濃度が希薄すぎる場合には、未反応亜鉛化合物が析出し、目的の生成物中に残留するため好ましくない。従って、0.01〜2モル/L、より好ましくは0.1〜1.5モル/Lの範囲内となるように調整する。
硫化剤として、硫化水素を使用する場合には、水に溶解して、亜鉛化合物と同時に添加するだけでなく、反応液中に気体として連続的に供給することもできる。供給する方法としては、反応器の液相部に硫化水素ガスを供給する方法や気相部に硫化水素ガスを供給する方法が挙げられる。
本発明で使用される有機溶媒は、特に限定されるものではなく、共沸脱水により水を除去できるものであればよい。即ち、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロドデカン、ウンデカンなどの飽和炭化水素、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジシクロヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ジシクロオクチルエーテル、アニソール、フェニルエチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、フェニルブチルエーテルなどのエーテル類、ブチルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、シクロオクチルアルコールなどのアルコール類、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酪酸ブチル、酪酸アミル、酪酸イソアミル、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどのエステル類などを使用することができる。有機溶媒の安定性、安全性、水の除去効率、精製する硫化物および原料塩の溶解による損失を考慮して、飽和炭化水素又は芳香族炭化水素の使用が好ましい。水と共沸する温度及び水との共沸割合の観点から、実用的には、デカン、ドデカン、キシレンが好ましい。
有機溶媒の使用量には、特に制限はないが、亜鉛化合物を溶解させた水溶液の添加量より多量となるように保ち、蛍光体前駆体が最終的に有機溶媒中に生成するように調整する必要がある。
本発明に使用する蛍光体前駆体を製造する場合、反応混合液の加熱温度は、30℃〜300℃の範囲内の温度に設定することができるが、安全性、操作性の観点から、特殊な実験設備、反応器等を使用する必要のない温度、すなわち、40〜230℃の範囲内の温度が好ましく、チオアセトアミドの分解速度を考慮して、60℃〜200℃の範囲内の温度がより好ましく、80℃〜180℃の範囲の温度が最も好ましい。
本発明に使用する蛍光体前駆体を製造する場合、反応混合物の調製及び加熱はいかなる雰囲気下でも実施可能であるが、酸素が存在すると、生成物の酸化等の抑制を完全に制御できないこともあるので、窒素、アルゴンなどの不活性ガスの存在下、又は、硫化剤である硫化水素ガスの存在下、又は、これらの混成ガスの存在下で実施することが好ましい。
本発明に使用される蛍光体前駆体を製造する場合、一方で有機溶媒に原料化合物の水溶液を添加して、反応混合液を調製しつつ、他方で、水と有機物の共沸を利用して反応混合液から水を除去する。反応混合液中に析出した亜鉛金属硫化物は、液相媒体から分離され、必要に応じて、水洗などの洗浄を経て、加熱、減圧下で乾燥される。
蛍光体前駆体を乾燥する際の温度は特に限定されるものではなく、通常10℃〜200℃で実施することができるが、水分が僅かでも存在すると、蛍光体前駆体の硫化亜鉛母材の酸化の原因となる可能性があるため、150℃以下、好ましくは、50℃〜120℃で乾燥処理を実施するのがよい。
本発明の別の態様では、蛍光体前駆体として、亜鉛化合物、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む金属化合物を含む水溶液に硫化剤を添加し、液相中で反応させて得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体を使用することができる。亜鉛化合物、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む金属化合物、並びに硫化剤については前述したものと同様である。液相反応により得られた蛍光体前駆体は、水から分離した後、必要に応じて、水洗などの洗浄処理を経て、加熱により又は減圧下で乾燥させる。
本発明の更に別の態様では、硫化亜鉛、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素の中から選ばれる少なくとも1種類の金属元素を含む金属化合物を混合することにより調製される混合物を蛍光体前駆体として用いることができる。
本発明に用いられる硫化亜鉛としては、特に制限されるものではなく、立方晶及び六方晶のいずれの晶系に属するものでも構わない。粒径も特に制限されるものではなく、一次粒子の粒径は10nm〜20μmの範囲であればよい。更には、一次粒子の凝集体である場合には、1μm〜20μmの範囲であっても構わない。
ここで使用される硫化亜鉛の純度については、特に限定されるものではないが、鉄、ニッケル、クロムなどの異種金属を含まないものが好ましく、通常、99%以上の純度を有するものを使用する。
また、必要に応じて、アクセプターとしての銅、銀、マンガン、イリジウムおよび希土類元素に対してドナーとして作用するアルミニウム、ガリウム、インジウムなどの元素を含む金属化合物を用いることができる。これらの金属化合物についても、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸塩、ギ酸、酢酸、酪酸、シュウ酸などの有機酸塩、アセチルアセトネートなどの錯塩を使用することができる。化合物の安定性、残留性を考慮して、鉱酸塩、有機酸塩の使用が好ましい。これらは、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。
上記金属化合物と硫化亜鉛の混合物を調製するための混合方法としては、特に限定されるものではなく、硫化亜鉛に混合する各種金属化合物を物理的に混合することもできる。あるいは別法として、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素の中から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む金属化合物、並びに、必要に応じて、アクセプターとしての上記金属元素に対してドナーとして作用するアルミニウム、ガリウム、インジウムなどのの中から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を含む化合物(1種類又は複数種類)を一旦水に溶解させ、更に硫化亜鉛を加えた後、水を除去することにより混合物を調製することもできる。
本発明の方法を実施して硫化亜鉛系蛍光体が形成されることは、量子効率を測定することによって確認することができる。量子効率とは、入射光による励起によって放出された光子の数と物質に吸収された入射光の光子の数との比であり、この数値が大きいほどドーピング効果が高いことを意味する。量子効率は分光蛍光光度計によって測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、量子効率測定のための分光光度計の測定条件は、以下のとおりである。
測定装置:日本分光株式会社製 FP−6500
励起波長:350nm
励起バンド幅:5nm
ソフトウェア:Spectra Manager for Windows(登録商標)95/NT Ver1.00.00 2005 日本分光株式会社製
参考例1(蛍光体前駆体の製造例1)
酢酸亜鉛・2水和物65.9g、硝酸銅・3水和物0.056g(銅700ppm相当)、硝酸ガリウム・8水和物0.008g(ガリウム50ppm相当)、チオアセトアミド45.0g、酢酸5gをイオン交換水500gに溶解した。2L三つ口フラスコに、ディーン・スターク装置、還流管、温度計、攪拌器を装着し、o-キシレン800mlを取り、系内を窒素置換した。オイル浴内の温度を150℃に調整し、反応器内のo-キシレンを130℃に昇温したのち、酢酸亜鉛を含有する溶液を毎時100mlで加えながら、留出する水をディーン・スターク装置で除去しながら反応を進めた。約6時間で全ての水溶液をフィードし、更に30分間系内の水分を除去した。室温に冷却後、析出した硫化物を沈殿させ、有機溶剤を除去して、目的物を回収し、真空乾燥機にて、100℃で12時間乾燥した。回収量は28.9gであり、理論量の98%であった。
参考例2(蛍光体前駆体の製造例2)
3L三口フラスコに、攪拌器、温度計、還流管および固体フィーダを装着し、硝酸亜鉛・6水和物297.6g、硝酸銅・3水和物0.186g(銅500ppm相当)、六塩化イリジウム二アンモニウム0.022g(イリジウム100ppm相当)を取り、イオン交換水1000gを加えて溶解した。そこに、60%硝酸を添加し、系内のpHを2に調整した。系内を窒素で置換した後、加熱して90℃まで昇温した。所定温度に到達したところで、チオアセトアミド113.0gを固体フィーダより投入し、反応を開始させた。反応をそのまま2時間継続した後、室温に冷却後、析出した硫化物を沈殿させ、デカンテーションにより上澄み液を除去し、更に、イオン交換水3Lを使用して、系内のpHが中性域を示すまで洗浄を行った。目的物を回収し、真空乾燥機にて、100℃で12時間乾燥した。回収量は94.16gであり、理論量の96.6%であった。
参考例3(蛍光体前駆体の製造例3)
THINKEY社製混合器(ARE−250)の100ml容器に、硫化亜鉛(堺化学工業社製RAK−N)100gと酢酸銅・3水和物0.20g(銅500ppm相当)を取り、30分間解砕混合した。
比較例1
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、窒素雰囲気下で、毎時400℃の速度で昇温した。1100℃まで昇温、そのまま3時間保持した。3時間保持した後、室温まで冷却した。
得られた焼成物を、15%酢酸溶液200gに添加し、焼成物を分散させた。酢酸溶液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで洗液が中性になるまで洗浄した。イオン交換水を除去した後、真空乾燥を100℃で12時間実施して第一の焼成工程からの焼成物24gを得た。
この焼成物を坩堝に入れた後、該坩堝を焼成炉に移し、窒素雰囲気下で、毎時400℃の速度で昇温した。昇温終了後、3時間保持した後、室温まで冷却した。
冷却後の焼成物を、5%塩酸水溶液200gに分散させて洗浄した。酸性水溶液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗液が中性になるまで洗浄した。イオン交換水をデカンテーションした後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄、余分な硫化物を除去した。更に、イオン交換水にて洗液が中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第二の焼成工程からの焼成物22gを得た。得られた焼成物(蛍光体)について光励起蛍光スペクトルを測定した。蛍光体の蛍光スペクトルを図1に示す。蛍光体の量子収率を表1に示す。
得られた蛍光体1.5gにバインダーとしてフッ素系バインダー(DuPont社製7155)1.0gを添加し、混合、脱泡して発光層ペーストを作製した。ITO付きPETフィルムに、20mm角でスクリーン版(200メッシュ、25μm)を用い、膜厚40μmで製版し、更にチタン酸バリウムペースト(DuPont社製7153)をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて製版、100℃で10分間乾燥の後、再度製版し、100℃で10分間乾燥して20μmの誘電層を製膜した。その上面に、電極として、銀ペースト(アチソン社製461SS)をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて製版し、100℃で10分間乾燥して電極を製膜し、印刷型EL素子を構成した。得られた素子について、200V、1kHzでEL輝度を測定し、EL材料としての評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
参考例2で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム・6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合する以外は、比較例1と同様の手順に従い、蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図2、表2に示す。
比較例3
参考例3で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム・6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合する以外は、比較例1と同様の手順に従い、蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図3、表2に示す。
実施例1
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム・6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が800℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、1100℃まで昇温、そのまま3時間保持した。3時間保持した後、毎時500℃で冷却し、室温まで冷却した。
得られた焼成物を、15%酢酸溶液200gに添加し、焼成物を分散させた。酢酸溶液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで洗液が中性になるまで洗浄し、焼成物を得た。イオン交換水を除去した後、真空乾燥を100℃で12時間実施し、第一の焼成工程からの焼成物24gを得た。
この焼成物を坩堝に入れた後、該坩堝を焼成炉に移し、窒素雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。昇温終了後、焼成炉内が850℃に到達したところで、窒素の導入を空気に切り替え、1時間空気を導入した。その後、導入気体を窒素に切り替え、更に2時間保持した後、毎時500℃で冷却し、室温まで冷却した。
冷却後の焼成物を、5%塩酸水溶液200gに分散させて洗浄した。酸性水溶液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗液が中性になるまで洗浄した。イオン交換水をデカンテーションした後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄、余分な硫化物を除去した。更に、イオン交換水にて洗液が中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第二の焼成工程からの焼成物22gを得た。得られた焼成物(蛍光体)について光励起蛍光スペクトルを測定した。蛍光体の蛍光スペクトルを図4に示す。蛍光体の量子収率を表1に示す。
得られた蛍光体1.5gを用いて比較例1と同様の手順で印刷型EL素子を構成した。得られた素子について、200V、1kHzでEL輝度を測定し、EL材料としての評価を行なった。結果を表2に示す。
実施例2
参考例2で得られた生成物27gを用いて、実施例1と同様の手順を繰り返し、第一の焼成工程からの焼成物25gを得た。引き続き、実施例1と同様の手順に従い、第二の焼成工程からの焼成物21gを得た。このようにして得られた焼成物(蛍光体)について光励起蛍光スペクトルを測定した。蛍光体の蛍光スペクトルを図5に示す。蛍光体の量子収率を表1に示す。また、得られた蛍光体1.5gを用いて、実施例1と同様の手順に従い、印刷型EL素子を構成した。得られた素子について、200V、1kHzでEL輝度を測定し、EL材料としての評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3
参考例3で得られた生成物25gを用いて、実施例1と同様の手順を繰り返し、第一の焼成工程からの焼成物23gを得た。引き続き、実施例1と同様の手順に従い、第二の焼成工程からの焼成物21gを得た。得られた焼成物(蛍光体)について光励起蛍光スペクトルを測定した。蛍光体の蛍光スペクトルを図6に示す。蛍光体の量子収率を表1に示す。また、得られた蛍光体1.5gを用いて実施例1と同様の手順に従い、印刷型EL素子を構成した。得られた素子について、200V、1kHzでEL輝度を測定し、EL材料評価を行なった。結果を表2に示す。
比較例4
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム・6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が、300℃に到達したところで、母材化合物である硫化亜鉛の結晶系を転移させることなく、導入する気体を空気から窒素に切り替え、1100℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。3時間保持した後、毎時500℃の速度で冷却し、室温まで冷却した。その後の操作は実施例1と同様の手順に従って実施した。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図7、表2に示す。
比較例5
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。更に、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が900℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、1100℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。3時間保持した後、毎時500℃の速度で冷却し、室温まで冷却した。その後の操作は実施例1と同様の手順に従って実施した。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図8、表2に示す。
比較例6
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が800℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、1250℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。3時間保持した後、毎時500℃の速度で冷却し、室温まで冷却した。その後の操作は実施例1と同様の手順に従って実施した。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図9、表2に示す。
比較例7
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が300℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、1100℃まで昇温し、その温度で3時間保持した。3時間保持した後、放冷により室温まで冷却した。冷却に8時間を要した。その後の操作は実施例1と同様の手順に従って実施した。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図10、表2に示す。
比較例8
実施例1と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施したが、その後に第二の焼成工程を全く実施しなかった以外は実施例1と同様の手順に従った。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図11、表2に示す。
実施例4
実施例1と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物100gをイオン交換水に分散させ、超音波振動器(BRANSON社製、Degital Sonifier)にて、出力60%で30分超音波振動を加えた。イオン交換水を除去した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物24gを得た。引き続き、実施例1と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図12、表2に示す。
実施例5
実施例1と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物100gをイオン交換水に分散させ、超音波振動器(BRANSON社製、Degital Sonifier)にて、出力60%で30分超音波振動を加えた。イオン交換水を除去した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物24gを得た。この焼成物に、酢酸銅0.24g、硫酸亜鉛3.6gおよび硫黄0.4gを添加し、混合した後、実施例1と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図13、表2に示す。
実施例6
実施例2と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物25gに、50gのメタノールを添加し、直径1mmφのセラミックボール10gを加えて、ボールミル(FRITSCH社製、Puluerisette)にて、毎分100回転で30分衝撃を付与した。メタノールを除去した後、真空乾燥を100℃、12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物25gを得た。引き続き、実施例2と同様の手順に従い、第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図14、表2に示す。
実施例7
実施例2と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物25gに、50gのメタノールを添加し、直径1mmφのセラミックボール10gを加えて、ボールミル(FRITSCH社製、Puluerisette)にて、毎分100回転で30分衝撃を加えた。メタノールを除去した後、真空乾燥を100℃、12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物25gを得た。この焼成物に酢酸銅0.25g、硫酸亜鉛3.8gおよび硫黄0.4gを添加混合して、引き続き、実施例2と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図15、表2に示す。
実施例8
実施例3と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物25gに、50gのメタノールを添加し、直径1mmφのセラミックボール10gを加えて、ボールミル(FRITSCH社製、Puluerisette)にて、毎分100回転で30分衝撃を加えた。メタノールを除去した後、真空乾燥を100℃、12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物23.3gを得た。引き続き、実施例3と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図16、表2に示す。
実施例9
実施例3と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物25gに、50gのメタノールを添加し、直径1mmφのセラミックボール10gを加えて、ボールミル(FRITSCH社製、Puluerisette)にて、毎分100回転で30分衝撃を付与した。メタノールを除去した後、真空乾燥を100℃、12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物25gを得た。この焼成物に酢酸銅0.22g、硫酸亜鉛3.4gおよび硫黄0.4gを添加混合して、引き続き、実施例3と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図17、表2に示す。
実施例10
第一の焼成工程において、炉内の最高到達温度を1150℃として1.5時間保持した以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第2の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図18、表2に示す。
実施例11
第二の焼成工程において炉内の最高到達温度を800℃に変更した以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第2の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図19、表2に示す。
実施例12
実施例5と同様の手順に従って第一の焼成工程を実施し、洗浄後に得られた焼成物に、50gのメタノールを添加、直径1mmφのセラミックボール10gを加えて、ボールミル(FRITSCH社製、Puluerisette)にて、毎分100回転で30分衝撃を付与した。メタノールを除去した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第一の焼成工程からの焼成物25gを得た。引き続き、実施例5と同様の手順に従って第二の焼成工程を実施し、洗浄後、第二の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図20、表2に示す。
比較例9
第一の焼成工程において、空気流を導入せず、第1焼成工程の開始当初から窒素流を導入し続けた以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第二の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を、表1、図21、表2に示す。
比較例10
第二の焼成工程において空気流を導入せず、窒素流を導入し続けた以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第二の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図22、表2に示す。
比較例11
第一の焼成工程を、開始時から終了時まで常時空気流を導入しながら実施した以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第二の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図23、表2に示す。
比較例12
第二の焼成工程を、開始時から終了時まで常時空気流を導入しながら実施した以外は、実施例5と同様の手順を繰り返し、第二の焼成工程からの焼成物(蛍光体)を得た。得られた蛍光体の量子効率、蛍光スペクトルを測定し、さらに印刷型EL素子を作成してEL材料評価を行った。結果を表1、図24、表2に示す。
比較例13
参考例1で得られた生成物27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム・6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。そこに、硫黄1.45gを添加し、混合物を坩堝に入れた。その後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で昇温した。1100℃まで昇温、そのまま3時間保持した。3時間保持した後、毎時500℃で冷却し、室温まで冷却した。
得られた焼成物を、15%酢酸溶液200gに添加し、焼成物を分散させた。酢酸溶液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで洗液が中性になるまで洗浄し、焼成物を得た。イオン交換水を除去した後、真空乾燥を100℃で12時間実施し、第一の焼成工程からの焼成物10.2gを得た。
この焼成物を坩堝に入れた後、該坩堝を焼成炉に移し、空気流が導入されている雰囲気下、毎時400℃の速度で850℃まで昇温した。3時間保持した後、毎時500℃で冷却し、室温まで冷却した。
冷却後の焼成物を、5%塩酸水溶液200gに分散させて洗浄した。酸性水溶液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗液が中性になるまで洗浄した。イオン交換水をデカンテーションした後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄し、余分な硫化物を除去した。更に、イオン交換水にて洗液が中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥を100℃で12時間行い、第二の焼成工程からの焼成物4.1gを得た。得られた焼成物(蛍光体)について光励起蛍光スペクトルを測定した。蛍光体の蛍光スペクトルを図25に示す。蛍光体の量子収率を表1に示す。
得られた蛍光体1.5gを用いて比較例1と同様の手順で印刷型EL素子を構成した。得られた素子について、200V、1kHzでEL輝度を測定し、EL材料としての評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0005337158
Figure 0005337158
上記の一連の実施例と比較例の結果を比較すれば明らかなように、本発明の製造方法により得られる硫化亜鉛系蛍光体は、蛍光量子効率が高いのみならず、EL素子に加工された後も高いEL輝度を示す。したがって、本発明は、高輝度EL素子の製造に適した、より実用性の高い蛍光体材料を、工業的に有利に提供することができるという点で、産業上の有用性が大きい。

Claims (10)

  1. 硫化亜鉛系蛍光体前駆体を焼成して硫化亜鉛系蛍光体を製造する方法であって、少なくとも、
    硫化亜鉛系蛍光体前駆体、硫黄及び塩素含有融剤を含有する混合物を焼成する第一焼成工程、及び、
    第一焼成工程から得られた焼成物を更に焼成する第二焼成工程
    を含み、
    前記第一焼成工程では、前記混合物を加熱し、常温から前記蛍光体前駆体の結晶系が転移する温度まで、酸素が導入されている雰囲気下で昇温させ、次に、850℃以下の温度で該転移温度を越えたところから該雰囲気を窒素雰囲気に切り替えて更に加熱を継続し、1000℃以上1200℃以下の範囲内の温度に到達したところで該温度を一定に維持し、その後に、該混合物を急冷し、洗浄して焼成物を得ること、及び、
    前記第二焼成工程では、前記第一焼成工程で得られた焼成物を窒素雰囲気下で加熱して、常温から650℃以上1000℃以下の温度まで昇温させ、次に、該温度に到達したところで酸素を導入しながら該温度を保持し、その後に、該焼成物を急冷し、洗浄して、硫化亜鉛系蛍光体を得ること、
    を特徴とする製造方法。
  2. 前記第一焼成工程における洗浄の後、焼成物の結晶に歪みを与えて第二の焼成工程を行う請求項1に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  3. 前記洗浄と前記歪み付与を同時に行う請求項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  4. 前記第一焼成工程で得られた焼成物に銅、亜鉛及び硫黄を含む化合物を添加して第二の焼成工程を行う請求項1〜のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  5. 前記蛍光体前駆体が、亜鉛化合物、硫化剤、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物を含む水溶液を有機溶媒中に添加した後、加熱して共沸脱水を行うことにより得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体である請求項1〜のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  6. 前記蛍光体前駆体が、亜鉛化合物と、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物とを含む水溶液に硫化剤を添加して反応させることにより反応生成物として得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体である請求項1〜のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  7. 前記硫化剤がチオアセトアミドおよび/または硫化水素である請求項5又は6記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  8. 前記蛍光体前駆体が、硫化亜鉛、並びに、銅、銀、金、マンガン、イリジウム及び希土類元素からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の金属元素を含む1種類又は複数種類の金属化合物を含む混合物である請求項1〜のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  9. 前記酸素の導入は、酸素を含む気体流を蛍光体前駆体の周囲の雰囲気に流入させることによって行うことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  10. 前記酸素を含む気体流が空気流であることを特徴とする、請求項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
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