JP5572032B2 - 硫化亜鉛系蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化亜鉛系蛍光体の製造方法に関する。より詳細には、導電性が向上し、EL素子に加工された場合にEL輝度が改善される硫化亜鉛系蛍光体の製造方法に関する。
硫化亜鉛を主たる構成成分とする無機材料組成物の中には、電気エネルギーを光に変換して自発光する特性を有する硫化亜鉛系蛍光体があり、光源、表示装置用素子などの用途に一部実用化されている。
また、硫化亜鉛に発光中心金属として銅をドープすることにより青色蛍光体が得られることが知られている。
発光中心金属となる銅の硫化亜鉛へのドーピングは公知の方法により実施されており、例えば、硫化亜鉛と銅化合物をフラックスとともに焼成する方法(特許文献1参照)、銅化合物の存在下で硫化亜鉛を調製することにより得られる硫化亜鉛・硫化銅混合物をフラックスと共に焼成する方法(特許文献2参照)などが知られている。これらの方法により得られた硫化亜鉛系蛍光体(第一焼成物)は、導電性が不十分であり、十分なEL輝度が得られないため、第一焼成物にさらに導電性物質を添加して再度焼成を行う方法が提案されている。例えば、第一焼成物に、銅化合物を添加して二回目の焼成を行う方法(特許文献3参照)、第一焼成物に超音波を照射し、その後に銅化合物を添加し二回目の焼成を行う方法(特許文献4参照)などがある。
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、銅化合物の添加量は、第一焼成物の量に比べて、数重量%と少ないため、第一焼成物のごく一部分と接触しているにすぎず、また、使用されている銅化合物は融点を持たないために、溶融されて第一焼成物の表面上に均等に広がるということは期待できない。さらに、第二焼成後に、銅化合物が固体のまま焼成物の表面に付着し、局所的に分布し、あるいは硫化亜鉛系蛍光体の表面に付着していた固体が脱落して凹凸が形成されるために、硫化亜鉛系蛍光体の表面が荒れた状態になり、導電性およびEL輝度が低下するという問題がある。特許文献4に記載の方法では、超音波照射によって第一焼成物に均等に歪みを与えていると考えられるが、銅化合物が固体のまま添加されるため、特許文献3の場合と同様、銅化合物が固体のまま焼成物の表面に付着し、局所的に分布し、あるいは蛍光体の表面に付着していた銅化合物の固体が脱落して凹凸が形成されるために、硫化亜鉛系蛍光体の表面が荒れた状態になり、導電性および輝度が低下するという問題がある。
特開平7−233368号公報 特開2005−159372号公報 特開2004−244479号公報 特開2004−002867号公報
これまでに知られている硫化亜鉛系蛍光体の導電性付与の方法を本発明者らが試みたところ、得られた硫化亜鉛系蛍光体の粒子表面付近に付着した導電性物質(例えば硫化銅)は均質化されておらず、結果的に蛍光材料に十分な導電性が付与されないことが確認された。そこで、本発明の発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、硫化亜鉛系蛍光体の表面に導電性物質を均一に生成させることによって該表面を改質し、従来技術により得られる硫化亜鉛系蛍光体よりも高い導電性およびEL素子作成時に高いEL輝度を示す硫化亜鉛系蛍光体を製造する方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明には、具体的な態様として以下のものが含まれる。
[1] 銅、銀、金、マンガンおよび希土類元素の少なくとも1種類を発光中心金属として含有する硫化亜鉛系蛍光体前駆体と融剤とを混合する混合工程、
前記混合物を焼成し、前記硫化亜鉛系蛍光体前駆体を六方晶に転移させる第一焼成工程、
前記第一焼成工程で得られた第一焼成物を、表面改質剤を含む液体媒体に浸漬する工程、および、
前記浸漬工程を経た第一焼成物を再度焼成し、立方晶に転移させる第二焼成工程
を含む硫化亜鉛系蛍光体の製造方法であって、
前記表面改質剤が、硫化亜鉛との反応により前記第一焼成物の表面に導電性物質の被膜を形成することが可能な試薬であることを特徴とする硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[2] 前記第一焼成工程の後、前記第二焼成工程の前に、前記第一焼成物に衝撃を加える衝撃付与工程を実施することを特徴とする、[1]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[3] 前記浸漬工程を、前記衝撃付与工程と同時に実施することを特徴とする、[2]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[4] 前記衝撃付与が超音波照射により行われることを特徴とする、[2]または[3]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[5] 前記第一焼成物の表面に生成させる導電性物質が金属化合物を含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[6] 前記導電性物質が硫化銅を含有することを特徴とする、[5]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[7] 前記表面改質剤と硫化亜鉛との反応が、硫化亜鉛と銅化合物との間の金属元素の交換反応を含むことを特徴とする、[6]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[8] 前記浸漬工程において、前記導電物質の被膜の形成のために取り込まれる金属元素の量が、前記表面が改質された第一焼成物の全重量に対して20〜2000重量ppmであることを特徴とする、[5]〜[7]のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
[9] 前記超音波照射に使用する超音波の照射出力が100〜5000kW/mであることを特徴とする、[4]に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
本発明によれば、硫化亜鉛系蛍光体の表面が導電性物質によって改質されるために、従来の硫化亜鉛系蛍光体に比べて硫化亜鉛系蛍光体の導電性が向上し、EL素子に加工された場合にEL輝度の大幅な改善が可能となる。
本発明の製造方法における表面改質後の第一焼成物の粒子表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察写真
以下に本発明の詳細な説明を行う。
蛍光体前駆体について
本明細書中に用いられる「硫化亜鉛系蛍光体前駆体」の用語は、そのままでは、紫外線励起による蛍光性を示さず、蛍光性を付与するために焼成等の加熱処理を必要とする物質を指す。
硫化亜鉛系蛍光体前駆体の製法について特に限定はない。例えば、硫化亜鉛と発光中心金属を含む化合物を固体混合して固相反応によって得る方法、硫化亜鉛に発光中心金属を含む化合物を添加して焼成することにより硫化亜鉛中に該発光中心金属を取り込ませる方法、硫化亜鉛に亜鉛化合物と硫化剤を反応させる際に発光中心金属を含む化合物を共存させて硫化亜鉛と発光中心金属との複合物として得る方法のいずれの方法を用いても構わない。
硫化亜鉛系蛍光体前駆体にドープされる発光中心金属としては、銅、銀、金、マンガンおよび希土類元素の少なくとも1種類の元素を挙げることができる。これらの金属元素は、単独で使用しても、複数を混合して使用しても構わない。これら発光中心金属のドープ量としては、特に限定されないが、高すぎる濃度では、発光中心金属が相互に干渉し、EL素子に加工された場合にEL輝度が低下するため好ましくなく、他方、低すぎる濃度では、発光中心金属の効果が十分に得られず、強いEL輝度を得ることができない。そのため、発光中心金属のドープ量は、通常、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して5〜5000重量ppmとするのが好ましく、10〜3000重量ppmとするのがより好ましく、20〜2000重量ppmとするのがさらに好ましい。
本発明において、共付活剤としてガリウム、アルミニウム、インジウム化合物を用いることができる。ガリウム、アルミニウム、インジウムはドナーとして作用するものであり、これらの量としては、多すぎても、少なすぎても、EL強度の低下および硫化亜鉛蛍光体の安定性の低下を招いて好ましくないため、通常、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して5〜5000重量ppmであり、好ましくは10〜1000重量ppm、より好ましくは20〜800重量ppmである。上記共付活剤は、単独で使用しても複数の種類を混合して使用しても構わない。
本発明において、共付活剤として、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素などのハロゲン元素を用いることもできる。塩素、フッ素、ヨウ素、臭素などのハロゲン元素もまた、ドナーとして作用するものであり、これらの量としては、特に限定されるものではないが、使用量があまりに多すぎると、経済的ではなく、また、濃度消光を引き起こすことがある。反対に、使用量があまりに少なすぎると、高い蛍光効率を引き出すことができない。このため、共付活剤の使用量は、通常、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して5〜5000重量ppmであり、10〜1000重量ppmとすることが好ましく、20〜800重量ppmとすることがより好ましい。上記ハロゲン元素は、単独で使用しても複数の種類を混合して使用しても構わない。色純度、安定性を考慮して、ハロゲン元素として塩素を使用することが好ましい。
蛍光体前駆体と融剤との混合工程および第一焼成工程について
本発明では、硫化亜鉛系蛍光体前駆体と融剤を混合した後、得られた混合物を焼成に付する(第一焼成工程)。融剤は、該硫化亜鉛系蛍光体前駆体中の各成分を、均等化するように分散させながら、硫化亜鉛系蛍光体の粒径を整えるように作用する。融剤としては、特に限定されるものではなく、ホウ酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩、ハロゲン化アンモニウム、金属ハロゲン化物を用いることができる。高温下での安定性を考慮すると金属ハロゲン化物を使用するのが好ましい。
融剤として好ましく用いられる金属ハロゲン化物としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛などを使用することができる。これらは単独で使用しても、複数の種類を混合して使用しても構わない。金属ハロゲン化物の安定性および硫化亜鉛系蛍光体の安定性を考慮して、塩化物を使用するのが好ましい。
本発明に使用する融剤の量としては、特に限定されるものではないが、使用量が少なすぎると、第一焼成物の粒度分布が広くなり、粗大な粒子が形成されることから好ましくなく、反対に、使用量が多すぎると、経済的でない上に、装置の著しい腐食を引き起こすおそれがあり、さらに第一焼成物として得られる粒子の粒径が著しく小さくなるため好ましくない。従って、硫化亜鉛系蛍光体前駆体に対して0.1〜200重量%、融剤の均一分散などの影響を考慮して、1〜180重量%、より好ましくは、5〜160重量%の範囲で使用される。
硫化亜鉛系蛍光体前駆体と融剤の混合方法としては、特に限定されるものではなく、融剤と硫化亜鉛系蛍光体前駆体とを共に固体状態のまま混合する固相混合法、融剤を水に溶解した後、硫化亜鉛系蛍光体前駆体を浸漬し、乾燥させて混合する固液混合法のいずれの方法を使用することもできる。また、使用する融剤の化学的安定性を考慮して、固相混合法と固液混合法とを組み合わせて使用することもできる。
本発明では、第一焼成工程において硫黄を添加することもできる。硫黄の添加量は焼成時に反応容器および硫化亜鉛系蛍光体前駆体に付着する水および酸素と反応して、硫化亜鉛系蛍光体前駆体の酸化を抑制できる量があればよい。このことから一般的には、硫化亜鉛系蛍光体前駆体の0.01〜2重量倍、より好ましくは0.02〜1重量倍添加する。
本発明において、必要に応じて硫黄と融剤が混合された硫化亜鉛系蛍光体前駆体は、第一焼成工程に付される。第一焼成工程は、通常、昇温段階、最高到達温度での温度保持段階および冷却段階からなる。第一焼成工程において、硫化亜鉛系蛍光体前駆体は、主として六方晶からなる結晶相に転移する。昇温段階における昇温速度としては、特に限定されるものではないが、昇温速度が速すぎると、使用する機器に負荷がかかり、機器の寿命を低下させるばかりでなく、融剤の急激な分解を促進し、融化時間を短縮するため融剤の分散が不均一化しやすい。昇温速度が遅すぎると、経済的でない上に、低温融解性の融剤の場合、融剤が局在化して硫化亜鉛粒子の粗大化を引き起こすため好ましくない。以上の点を考慮し、昇温速度は、通常、毎時60〜600℃の範囲で設定される。最高到達温度は、1000〜1200℃の範囲であることが好ましい。
第一焼成工程における最高到達温度での温度保持段階における保持時間は、短すぎると焼成に用いる炉の内部温度が均一にならず、この結果、焼成温度も一様にならないため好ましくない。また、保持時間が長すぎると、経済的でないことに加え、粒子の粗大化を引き起こすため好ましくない。従って、通常、保持時間は10分〜5時間の範囲であり、好ましくは、30分〜3時間の範囲である。
本発明において、第一焼成工程は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下でも酸化性ガス雰囲気下でも実施することができる。炉内の雰囲気は、所望のガス(不活性ガス、酸化性ガスなど)で炉内をパージし、引き続き炉内に継続的、断続的または一時的にガス流を通じることによって得ることができる。第一焼成工程は、同一のガス雰囲気下で実施することもできるが、途中で導入ガスを切り替えて異なるガス雰囲気に変更することも可能である。酸化性ガスとしては、酸素、亜酸化窒素、亜酸化硫黄などのガスを使用することができるが、安全性を考慮して酸素を使用するのが好ましい。酸化性ガスは、不活性ガスと混合して使用される。酸素を導入する場合には経済性を考慮して空気を使用することが好ましい。酸化性ガスが存在すると、硫化亜鉛系蛍光体の粒子表面が酸化されて粒子の粗大化が抑制されるが、酸化性ガスの濃度が高すぎると酸化が過剰に進行してしまうため好ましくない。そのため、導入される酸化性ガスの濃度としては、1〜30容積%とするのが好ましい。酸化性ガスを導入する温度やタイミングにも特に限定はなく、焼成中、継続的に導入することもできるし、ある温度まで窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で焼成した後、酸化性ガス雰囲気に変更することも、逆に、酸化性ガス雰囲気下である温度まで焼成した後に不活性ガス雰囲気に変更して焼成することもできる。
第一焼成工程において焼成物を冷却する際には急冷することが望ましい。急冷とは、自然に放冷するよりも降温速度が大きい冷却である。降温速度としては、特に限定されるものではないが、可能な限り急速に冷却することが好ましく、毎分2〜300℃の範囲の冷却速度が好ましく、容器のヒートショック性を考慮して、毎分5〜200℃の範囲の冷却速度がさらに好ましい。
冷却された第一焼成物は、酸性水溶液で洗浄されることが好ましい。酸性水溶液による洗浄によって、酸素により部分的に酸化されて生成した酸化亜鉛、融化に使用した融剤を除去することができ、凝集した焼成物を解砕することができる。このとき必要に応じて、超音波、音響などの物理的なエネルギーを利用して第一焼成物を解砕することもできる。解砕により、不要な酸化物などの洗浄効果がさらに向上する。洗浄に使用する酸性水溶液としては、ギ酸、酢酸などの有機酸の水溶液、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸水溶液を使用することができる。第一焼成物への浸透性、表面への残留性を考慮して、酢酸水溶液、塩酸を使用するのが好ましい。酸性水溶液中の酸の濃度は特に制限されるものではなく、使用する酸成分の種類に応じて異なるが、通常、pH=1〜4の酸性水溶液を用いることが好ましい。洗浄のために使用する酸性水溶液の量は、焼成物の1〜100重量倍、好ましくは5〜50重量倍の量である。酸性水溶液で第一焼成物を洗浄した後、イオン交換水で洗液がpH=5〜7になるまで洗浄し、焼成物に付着した酸性水溶液を取り除く。
衝撃付与工程について
本発明の製造方法では、第一焼成工程に続いて、第一焼成物に衝撃を加える衝撃付与工程が実施される。この衝撃付与は、第一焼成工程における焼成および急冷によって硫化亜鉛系蛍光体前駆体に生じた結晶構造の歪みを解消するために行われる。本発明において、衝撃を加える方法は、特に限定されるものではなく、ボールミルなどによる打解、振動、および超音波照射が挙げられる。好ましい衝撃付与の方法は、超音波照射による方法である。照射する超音波の周波数としては、特に制限されるものではないが、超音波照射によって発生するキャビテーションの衝撃付与効果が得られるような範囲内にあることが好ましく、通常、15〜50kHzの周波数の超音波を使用し、好ましくは、15〜40kHz、さらに好ましくは18〜40kHzの範囲内の周波数を使用する。超音波照射のための装置は、特に制限されないが、棒状振動子を洗浄槽に投入して使用するタイプの装置、投げ込み式超音波振動子が洗浄槽に予め設置されているタイプの装置が挙げられる。さらに、超音波を与える方式としては、バッチ式、連続式のいずれの方式を採用してもよい。バッチ槽に超音波振動子を設置して、解砕液をバッチ槽内で循環させる方式を採用してもよい。
本発明の製造方法において、超音波照射により第一焼成物に与える単位容積あたりのエネルギー量は、100kW/m以上であることが好ましい。100kW/m未満のエネルギー量では、結晶構造の歪みの緩和が十分に進行せず、第二焼成工程の際に、大きく歪んだ部分での歪みの緩和が支配的になり、立方晶への転移が十分に起こらないため好ましくない。一方で、照射する超音波エネルギーの量が大きすぎると、歪みの緩和にとどまらず、粒子の破壊まで進行するため好ましくない。よって、照射するエネルギー量は、100〜5000kW/mの範囲であることが好ましく、310〜2000kW/mの範囲であることがより好ましい。
本発明の製造方法において、超音波照射時間は、照射エネルギー量に依存するが、照射時間は、通常10〜300分の範囲であることが好ましく、11〜280分の範囲であることがより好ましい。超音波照射時間が短すぎると、結晶構造の歪みが十分に緩和されず、また、照射時間が長すぎると、結晶破壊が起こるため好ましくない。超音波照射は、連続的に実施してよく、あるいは、間欠的または断続的に実施してもよい。
超音波照射は、第一焼成物を液体媒体に分散して実施する。液体媒体中に分散された第一焼成物の濃度は特に制限されず、液体媒体に対して、0.001〜1重量倍、容積効率、分散効率を考慮して、より好ましくは、0.002〜0.5重量倍の範囲である。第一焼成物を分散させるために使用する液体媒体は、特に限定されるものではなく、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールなどのアルコール類、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの有機硫黄化合物、N−メチルピロリドンなどのラクタム類を使用することができる。安全性、特殊な容器を必要としないことによる経済性、乾燥時の除去容易性などを考慮して、水、メタノール、エタノールなどのアルコール類を使用することが好ましい。液体媒体に関しては、特に脱気などの処理を行う必要はない。反面、過剰なキャビテーションによって粒子の破砕が起こることは好ましくないため、液体媒体に気体を溶解させるなどの処理は行わないようにすることが望ましい。
超音波照射を実施する際の温度は、液体媒体が揮散しない温度範囲であれば特に限定されるものではなく、通常−10〜80℃の範囲であり、より好ましくは0〜60℃の範囲である。
超音波照射を実施する際に雰囲気中に該液体媒体に対して易溶解性の気体が存在すると、超音波照射時に溶解した気体が気泡化しキャビテーションが発生する。キャビテーションが適度に発生することは、結晶面に瞬間的に衝撃が付与される点で望ましいが、過剰なキャビテーションの発生は、液体媒体中(特に焼成物の粒子表面)に高圧状態を生み出し、粒子の破砕などの原因となるため好ましくない。したがって、超音波照射は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、または、大気下で実施する。また超音波照射は、通常大気圧下で実施する。
本発明では、結晶構造の歪みを緩和させた後、必要に応じて分級操作を行う。分級の方法に特に制限はないが、粉体サイクロン方式や、乾式篩による分級を行うと、粒子同士の接触によって破砕された微粉が生成する場合がある。したがって、湿式篩や、分散剤を用いての沈降分級、液体サイクロンなどの方式を用いて分級を行い、0.1μm以下の粒子を除去することが好ましい。
浸漬工程について
第一焼成工程により得られた焼成物は、硫化亜鉛との反応により前記第一焼成物の表面に導電性物質の被膜を形成することが可能な試薬を表面改質剤として含む液体媒体中に浸漬される。該浸漬の実施手順に特に限定はないが、第一焼成物の固体表面と表面改質剤との十分な接触が確保されるように、表面改質剤が含まれる液体媒体中に、第一焼成物の粉末を分散ないし懸濁させた後、一定時間静置するのが一般的である。本工程を実施するための方式は、バッチ方式、連続方式のいずれもよい。すなわち、該浸漬工程は、表面改質剤を含む液体媒体に第一焼成物を浸漬した後、脱液する方式で実施してもよいし、あるいは第一焼成物を容器中に収容し、該容器に該液体媒体を連続的に流通させる方式で実施してもよい。
通常、浸漬工程において第一焼成物の表面に生成させる導電性物質の被膜は、導電性を有する金属化合物を含有する。該金属化合物の量が少なすぎると、十分な導電性が発揮されない反面、多すぎると、金属化合物の一部が、後述の第二焼成工程の過程で除去困難な不純物に変化して表面に残留するので好ましくない。そこで、第一焼成物の表面上に生成させる導電性金属化合物の量については、該金属化合物を構成する金属元素の量を目安とし、該浸漬工程後の第一焼成物の全重量に対して20〜2000重量ppm、好ましくは50〜1800重量ppmの量の金属元素が含まれるように第一焼成物の表面上になるべく均一になるように生成させることが好ましい。導電性物質に被覆されることで表面改質された第一焼成物表面のSEM写真を図1に示す。
液体媒体中に含まれる表面改質剤は、導電性物質の被膜を構成する金属元素の供給源となる試薬であり、通常、比較的入手の容易な鉱酸塩、有機塩、錯塩などの金属化合物が使用される。上記金属化合物の中で、液体媒体に対して溶解性を示すものを特に選択して使用するのが好ましい。
硫化銅を含有する導電性物質を生成させる場合、浸漬工程に使用する表面改質剤としては、第一焼成物表面上に存在する硫化亜鉛と銅化合物との間の化学反応(例えば、亜鉛と銅のイオン交換反応)により硫化銅を生成させることが可能な銅化合物、例えば、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅、硝酸銅などの鉱酸塩、ギ酸銅、酢酸銅などの有機酸銅、銅アセチルアセトネートなどの銅錯体を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、複数種類を混合して使用しても構わない。経済性、操作性の観点から、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、または酢酸銅(II)を使用するのが好ましい。
浸漬工程において該銅化合物の水溶液中に第一焼成物を浸漬する際、該溶液中の銅化合物の濃度は、0.1〜10重量%の範囲の溶液を使用することができる。該溶液中に分散ないし懸濁させる第一焼成物のスラリー濃度にも特に限定はなく、分散性が維持できるスラリー濃度であればよく、通常、1〜30重量%であり、さらに溶液と第一焼成物の比重差を考慮して、3〜20重量%であることが好ましい。浸漬工程に使用する銅化合物の溶液のpHについては、特に限定するものではないが、pH=3〜9の範囲に調整されていることが好ましい。これは、高すぎるpHでは銅の水酸化物が析出し、第二焼成後に、酸化物となり除去し難くなり、反面、低すぎるpHでは、硫化亜鉛が溶解し、副生する硫化水素が、その場で溶液中の銅化合物と反応し、新たに硫化銅微粒子が生成するため好ましくないからである。
第一焼成物の浸漬工程は、衝撃付与工程と同時に実施することができる。衝撃の付与は、導電性物質を焼成物の内部に拡散させる効果をもたらすので好ましい。例えば、表面改質剤として前記銅化合物を使用して導電性物質を生成させる場合、浸漬工程と衝撃付与工程とを同時に実施することで、表面近傍から内部に至る広い領域でイオン交換反応の進行を促進するという効果が得られる。また、浸漬工程と同時に実施する衝撃付与工程は、超音波照射により実施するのが好ましい。
第二焼成工程について
浸漬工程後に回収された第一焼成物は、引き続き、第二焼成工程に付される。第二焼成工程の開始前または直後に亜鉛化合物および硫黄を添加し、第一焼成工程中の高温での熱的処理により欠損した亜鉛および硫黄をそれぞれ補填することが好ましい。
亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、ギ酸亜鉛を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、複数の種類を混合して使用しても構わない。経済性、操作性の観点から、硫酸亜鉛、酸化亜鉛を使用するのが好ましい。
亜鉛化合物および硫黄の添加量は、特に限定されるものではないが、過剰に添加された亜鉛化合物および硫黄の残留による粒子表面の粗度の上昇を抑制するため、亜鉛化合物については、第一焼成物に対し0.1〜50重量%の範囲の量、より好ましくは、1〜30重量%の範囲の量を添加し、硫黄については、0.1〜10重量部の量を添加するのが好ましい。
浸漬工程後に回収された第一焼成物に亜鉛化合物および硫黄を混合する方法には、特に制限はなく、水などの液体媒体に亜鉛化合物および硫黄を分散ないし溶解させたものに、第一焼成物を添加し、液体媒体を蒸発除去して混合物を得る方法、第一焼成物に添加物を物理的に混合する方法など任意の方法を選択することができる。これらの混合方法は、単独で使用することもできるし、複数の方法を組み合わせて使用することもできる。
第二焼成工程は、通常、第一焼成工程と同様、昇温段階、最高到達温度での温度保持段階、および冷却段階の三段階からなる。昇温段階における昇温速度は特に限定されるものではなく、通常毎時6〜900℃の範囲内であり、好ましくは毎時30〜600℃の範囲内である。最高到達温度は、通常500〜1000℃の範囲であり、600〜950℃の範囲が好ましい。最高到達温度が低すぎても高すぎても、第一焼成物の中で蛍光強度の高い立方晶への転移が十分に進行せず、好ましくない。最高到達温度での温度保持段階における保持時間も特に限定されるものではないが、炉内温度の均一化、焼成物の温度の均一化のために、通常は0.1〜6時間の範囲であり、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。
第二焼成工程の雰囲気については、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で実施することができるが、表面上に生成した導電性物質の焼成物内部への拡散を促進するために、酸素の存在下で実施することが好ましい。反面、酸素が存在すると、該導電性物質が酸化されて劣化するおそれがあるため、高酸素濃度の雰囲気下で第二焼成工程を実施することは好ましくない。そこで、1〜30容積%の範囲で実施されるのが一般的であり、酸素を導入するためのガスとしては空気を使用することが経済的観点からも好ましい。第二焼成工程中、酸素存在下で焼成を実施する温度領域は特に限定されるものではなく、第二焼成工程の全温度領域において酸素存在下で焼成を実施することもできるし、特定の温度領域の間において酸素存在下で焼成を実施することもできる。表面上に生成した導電性物質の焼成物内部への拡散を促進するために、通常600℃〜最高到達温度までの温度領域において酸素存在下で焼成を実施することが好ましい。
本発明において、第一焼成工程および第二焼成工程をそれぞれ複数回実施してもよい。複数回実施する場合には、最終回はその直前の回より低い温度で実施することが好ましい。低い温度で実施することで、結晶性が安定化し、硫化亜鉛系蛍光体としての性能が向上することがある。焼成の方法としては、特に制限されるものではなく、バッチ式で焼成することも、連続式で焼成することも可能である。
第二焼成工程において、高温で所定時間の焼成を行った後、焼成物は急冷することが好ましい。急冷のための冷却速度としては、特に限定されるものではないが、できるだけ早く冷却することが好ましく、毎分1〜500℃の範囲、容器のヒートショック性を考慮して、毎分5〜300℃の範囲で実施することが好ましい。
第二焼成工程終了後、未反応のまま残留する余分の亜鉛化合物や黒色化した金属化合物を除去するために、第二焼成物として得られた硫化亜鉛系蛍光体を洗浄する。洗浄には、中性水または酸性水が使用される。酸成分としては、特に限定されるものではないが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸を挙げることができる。また、それぞれの水溶液を使用することもできる。これらは、単独で使用することもできるし、複数の種類を混合して使用することもできる。
硫化亜鉛系蛍光体は、高濃度の酸性物質と接触すると分解されるおそれがあるため、酸性水を使用する場合は、通常0.1〜20重量%の水溶液として使用することが好ましく、1〜10重量%の水溶液を使用することがより好ましい。硫化亜鉛系蛍光体の分解および表面へのイオン残留性を考慮すると、酢酸水溶液を使用することが好ましい。
本発明において、ドープされずに残留した発光中心金属元素を含む化合物をシアン化物溶液によって除去することも可能である。洗浄用に使用されるシアン化物としては、入手の容易性などの観点から、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムを挙げることができ、通常0.1〜1重量%の濃度のシアン化物水溶液を硫化亜鉛系蛍光体1重量部に対し10〜100重量倍使用する。洗浄後は、シアン化物の残留を防ぐために、シアン化物イオンが検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄を行うことが安全性の観点からも好ましい。洗浄して回収した硫化亜鉛系蛍光体は、さらに、真空、熱風などの方法で乾燥することができる。
最終生成物として得られた硫化亜鉛系蛍光体に含まれる導電性物質の量は、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して30〜2000重量ppmの範囲であることが好ましく、40〜1200重量ppmの範囲であることが好ましい。
硫化亜鉛系蛍光体前駆体の焼成によって硫化亜鉛系蛍光体が形成されたことは、蛍光量子収率を測定することによって確認することができる。蛍光量子収率とは、物質が吸収した光量子(光子)数と蛍光として放出された光量子数(蛍光光子数)の比のことであり、光子1個が吸収された場合に放出される蛍光光子の数を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、蛍光量子収率の測定のための分光光度計の測定条件は以下のとおりである。
測定装置:日本分光株式会社製 FP−6500
励起波長:350nm
励起バンド幅:5nm
ソフトウェア:日本分光株式会社製 Spectra Manager for Windows(登録商標)95/NT Ver1.00.00 2005
また、EL輝度測定は、TOPCON社製BM−9、電流密度は電源としてTOKYO SEIDEN社製 AC Power Supply CVTIF−D200を電流計に 日置社製 3332 Power HiTESTERを用い、計測した電流とEL素子面積から求めた。さらに、蛍光色の測定は、日本分光株式会社製 FP−6500に、EL素子を設置し、200V、1KHzで発光させ、入射光よりCIE(XY)色座標のy値に相当する値を算出して評価した。
ICP発光分光分析のために使用した装置は、島津製作所製ICPE9000である。
また、表面改質後の蛍光体粒子表面の走査型電子顕微鏡観察は、キーエンス製VE−8800を使用して行った。
[参考例1](硫化亜鉛系蛍光体前駆体の製造例1)
酢酸亜鉛2水和物65.9g、硝酸銅・3水和物0.035g(銅300重量ppm相当)、チオアセトアミド45.0g、酢酸5gをイオン交換水500gに溶解させた。一方、2L三つ口フラスコに、ディーンスターク、還流管、温度計、攪拌器を装着し、o−キシレン800mlを取り、系内を窒素置換した。オイル浴の浴温を150℃に調整し、反応器内のキシレンを130℃に昇温したのち、酢酸亜鉛を含有する溶液を毎時100mlで加えながら、留出する水をディーンスタークで除去しながら反応させた。約6時間で全ての水溶液をフィードし、さらに30分間系内の水分を除去した。室温まで冷却した後、析出した硫化物を沈殿させ、上澄み液を除去して、目的物を回収した。該目的物を真空乾燥機(東京理化器械株式会社製VOS−201SD)に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させた。回収量は28.9gであり、収率は、理論上の計算値に対して98%であった。
[参考例2](硫化亜鉛系蛍光体前駆体の製造例2)
THINKEY製混合器(ARE−250)の100ml容器に、硫化亜鉛(堺化学製RAK−N)100gと酢酸銅・1水和物0.16g(銅500重量ppm相当)を取り、30分間解砕混合した。
[実施例1]
参考例1で得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。得られた混合物に、硫黄1.45gをさらに添加し、坩堝に入れた。この坩堝を焼成炉内にて空気を導入しながら毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が800℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、炉内温度を1100℃まで上昇させ、1100℃で3時間保持した。3時間後、毎分5℃の速度で室温まで冷却した。
得られた焼成物を15%酢酸水溶液200gに添加し、焼成物を分散させた。酢酸溶液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで洗液が中性になるまで洗浄し、第一焼成物を得た。デカンテーションで上澄み液を除去した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして乾燥室内温度100℃で12時間かけて乾燥させた。第一焼成物の収量は24gであった。ICP発光分光分析を3回実施した結果、第一焼成物に含まれる銅の全量は、いずれの測定でも第一焼成物(浸漬前)の全重量に対して292重量ppmであることが判明した。
第一焼成物20gにイオン交換水200gを加えたものを、超音波振動器(BRANSON製、Degital Sonifier)の処理槽内に移した。振動子を液から25mmの位置にセットし、1000kW/mで5分間、20kHzの超音波を連続照射した後5分間停止するというサイクルを3回行って超音波照射によって衝撃を付与した。破砕によって生じた微細粒子を、10μmメッシュでふるい分けて除去した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させた。
硫酸銅5水和物0.25gをイオン交換水50gに溶解させた硫酸銅水溶液を調製した。該硫酸銅水溶液を前記超音波照射後の第一焼成物10gに加えて30分間攪拌したところ、第一焼成物の表面に、硫化銅を含有する導電性物質が生成した。硫酸銅水溶液をろ別し、該硫酸銅水溶液中の銅濃度をICP発光分光分析により測定した。この測定結果から、第一焼成物の表面に生成した導電性物質中に存在する銅元素の量は、該浸漬後の第一焼成物の全重量に対して1510重量ppmと見積もった。硫化銅の形成によって表面が改質された第一焼成物を真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして80℃で8時間かけて乾燥させた。さらに、表面改質後の第一焼成物に、硫酸亜鉛7水和物2.5gを混合し、坩堝に入れた。この坩堝を焼成炉内で窒素を導入しながら、炉内温度を毎時400℃の速度で上昇させた。昇温終了後、焼成炉内が850℃に到達したところで、導入する気体を窒素から空気に切り替え、1時間空気を導入した。その後、窒素に切り替えて、さらに2時間保持した後、毎分8℃の速度で300℃まで冷却した後、毎分0.8℃の速度で室温まで冷却した。
得られた焼成物を、5%塩酸100gに分散させることによって洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗液が中性になるまで洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄し、残留する硫化銅を除去した。さらに、イオン交換水を用いて洗液が中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させて、第二焼成物9.2gを得た。得られた第二焼成物(硫化亜鉛系蛍光体)の蛍光量子収率を測定した。結果を表1に示す。
得られた硫化亜鉛系蛍光体1.5gにバインダーとしてフッ素系バインダー(デュポン社製7155(商品名))1.0gを添加し、混合し、脱泡して発光層ペーストを作製した。ITO付きPETフィルムに、20mm角でスクリーン版(200メッシュ、25μm)を用い、膜厚40μmとなるように製版し、さらにチタン酸バリウムペースト(デュポン社製7153(商品名))をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて製版し、100℃で10分間かけて乾燥させた。その後、再度製版し、100℃で10分間かけて乾燥させて20μmの誘電層を製膜した。該誘電層の上面に、スクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて電極用の銀ペースト(アチソン社製461SS(商品名))を製版した。さらに、100℃で10分間乾燥して電極を製膜し、印刷型EL素子を構成した。この印刷型EL素子について、200V、1kHzで、EL輝度、電流密度、色度(y値)をそれぞれ測定し、EL材料評価を行った。結果を表3に示す。
また、本実施例で得られた硫化亜鉛系蛍光体についてICP発光分光分析を3回実施した結果、硫化亜鉛系蛍光体に含まれる銅の全量は、いずれの測定でも硫化亜鉛系蛍光体全体の340重量ppmであることが判明した。
[実施例2]
参考例2で調製した硫化亜鉛系蛍光体前駆体を使用した以外は、実施例1と同様の手順に従って行った。ICP発光分光分析を3回実施した結果、第一焼成物に含まれる銅の全量は、いずれの測定でも第一焼成物(浸漬前)の全重量に対して422重量ppmであった。また、浸漬工程後に第一焼成物表面に生成した導電性物質中に存在する銅元素の量は、該浸漬後の第一焼成物の全重量に対して1450ppmと見積もった。蛍光量子収率を表2に、またEL材料の特性評価の結果を表4にそれぞれ示す。
[実施例3]
参考例1で得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。得られた混合物に、硫黄1.45gをさらに添加し、坩堝に入れた。坩堝を焼成炉に入れ、炉内に空気を導入しながら毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が800℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、炉内温度を1100℃まで上昇させ、1100℃で3時間保持した。3時間後、毎分5℃の速度で室温まで冷却した。
得られた第一焼成物を、15%酢酸水溶液200gに添加し、分散させた。上澄み液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで洗液が中性になるまで洗浄した。イオン交換水を除去した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させ、24gの第一焼成物を得た。ICP発光分光分析を3回実施した結果、第一焼成物に含まれる銅の全量は、いずれの測定でも第一焼成物(浸漬前)の全重量に対して288重量ppmであることが判明した。
硫酸銅5水和物0.05gをイオン交換水200gに溶解させて硫酸銅水溶液を調製し、該水溶液を第一焼成物20gに添加した。第一焼成物を含む硫酸銅水溶液を超音波振動器(BRANSON製、Degital Sonifier)の処理槽内に移し、振動子を液から25mmの位置にセットし、1000kW/mで5分間、20kHzの超音波を連続照射した後、5分間停止するというサイクルを3回行って超音波照射によって衝撃を付与した。破砕によって生じた微細粒子を、10μmメッシュでふるい分けて除去した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、該上澄み液中の銅濃度をICP発光分光分析により測定し、この測定結果から第一焼成物の表面に生成した導電性物質中に存在する銅元素の量を、該浸漬後の第一焼成物の全重量に対して1980重量ppmと見積もった。真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させた。
前記超音波照射後の第一焼成物10gに硫酸亜鉛7水和物2.5gを混合し、坩堝に入れた。この坩堝を焼成炉内に入れ、炉内に窒素を導入しながら、炉内温度を毎時400℃の速度で上昇させた。昇温終了後、焼成炉内が850℃に到達したところで、導入する気体を窒素から空気に切り替え、1時間空気を導入した。その後、窒素に切り替え、さらに2時間保持した後、毎分8℃の速度で300℃まで冷却した後、毎分0.8℃の速度で室温まで冷却した。
得られた焼成物を、5%塩酸100gに分散させることによって洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去し、イオン交換水500gを用いて洗液が中性になるまで洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄し、残留する硫化銅を除去した。さらに、イオン交換水にて中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥機に入れて100℃で12時間かけて乾燥させ、第二焼成物9.2gを得た。得られた第二焼成物(硫化亜鉛系蛍光体)の蛍光量子収率を表1に示す。
得られた硫化亜鉛系蛍光体1.5gにバインダーとしてフッ素系バインダー(デュポン社製、7155(商品名))1.0gを添加し、混合し、脱泡して発光層ペーストを作製した。ITO付きPETフィルムに、20mm角でスクリーン版(200メッシュ、25μm)を用い、膜厚40μmとなるように製版し、さらにチタン酸バリウムペースト(デュポン社製、7153(商品名))をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて製版し、100℃で10分間かけて乾燥させた。その後、再度製版し、100℃で10分間乾燥して20μmの誘電層を製膜した。該誘電層の上面に、スクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて電極用の銀ペースト(アチソン社製、461SS(商品名))を製版した。さらに、100℃で10分間かけて乾燥させて電極を製膜し、印刷型EL素子を構成した。この印刷型EL素子について、200V、1kHzで、EL輝度、電流密度、色度(y値)をそれぞれ測定し、EL材料の特性評価を行った。結果を表3に示す。
また、本実施例で得られた硫化亜鉛系蛍光体についてICP発光分光分析を3回実施したところ、硫化亜鉛系蛍光体に含まれる銅の全量は、いずれの測定でも硫化亜鉛系蛍光体全体の456重量ppmであった。
[比較例1](従来技術と同様、浸漬工程を実施しない場合)
参考例1で得られた硫化亜鉛系蛍光体前駆体27gに、塩化カリウム1.00g、塩化ナトリウム1.17g、塩化マグネシウム6水和物6.87gを加え、ボールミルで混合した。得られた混合物に、硫黄1.45gを添加し、坩堝に入れた。この坩堝を焼成炉内にて空気を導入しながら毎時400℃の速度で昇温した。炉内温度が800℃に到達したところで、導入する気体を空気から窒素に切り替え、炉内温度を1100℃まで上昇させ、1100℃で3時間保持した。3時間後、毎分5℃の速度で室温まで冷却した。
得られた第一焼成物を15%酢酸水溶液200gに添加し、分散させた。上澄み液をデカンテーションで除き、イオン交換水500gで中性になるまで洗浄し、第一焼成物を得た。デカンテーションで上澄み液を除去した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥し、24gの第一焼成物を得た。
第一焼成物20gにイオン交換水200gを加えたものを、超音波振動器(BRANSON製、Degital Sonifier)の処理槽内に移し、振動子を液から25mmの位置にセットし、1000kW/mで5分間、20kHzの超音波を連続照射した後5分間停止するというサイクルを3回行うことで衝撃を付与した。破砕によって生じた微細粒子を、10μmメッシュをふるい分けて除去した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、真空乾燥機に入れ、真空度を1.3kPa以下にして100℃で12時間かけて乾燥させた。
乾燥物10gに、硫酸銅5水和物0.25gおよび硫酸亜鉛7水和物2.5gを混合し、坩堝に入れた。坩堝を焼成炉に移動し、炉内に窒素を導入しながら、炉内温度を毎時400℃の速度で上昇させた。昇温終了後、焼成炉内が850℃に到達したところで、導入気体を窒素から空気に切り替え、1時間空気を導入した。その後、窒素に切り替え、さらに2時間保持した後、毎分8℃の速度で300℃まで冷却した後、さらに毎分0.8℃の速度で室温まで冷却した。
得られた超音波照射後の第一焼成物を、5%塩酸100gに分散させることによって洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去し、イオン交換水500gを用いで洗液が中性になるまで洗浄した。デカンテーションで上澄み液を除去した後、1%シアン化ナトリウム水溶液200gで洗浄し、残留する硫化銅を除去した。さらに、イオン交換水で洗液が中性を示すまで洗浄した後、真空乾燥機に入れ、100℃で12時間かけて乾燥させて、第二焼成物9.2gを得た。得られた第二焼成物(硫化亜鉛系蛍光体)の蛍光量子収率を表1に示す。
得られた硫化亜鉛系蛍光体1.5gにバインダーとしてフッ素系バインダー(デュポン社製、7155(商品名))1.0gを添加し、混合し、脱泡して発光層ペーストを作製した。ITO付きPETフィルムに、20mm角でスクリーン版(200メッシュ、25μm)を用い、膜厚40μmとなるように製版し、さらにチタン酸バリウムペースト(デュポン社製、7153(商品名))をスクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて製版し、100℃で10分間かけて乾燥させた後、再度製版し、100℃で10分間かけて乾燥させて20μmの誘電層を製膜した。該誘電層の上面に、スクリーン版(150メッシュ、25μm)を用いて電極用の銀ペースト(アチソン社製、461SS(商品名))を製版し、100℃で10分間かけて乾燥させて電極を製膜し、印刷型EL素子を構成した。この印刷型EL素子について、200V、1kHzでEL材料の特性評価を行った。結果を表3に示す。
また、本比較例で得られた硫化亜鉛系蛍光体についてICP発光分光分析を3回実施したところ、硫化亜鉛系蛍光体に含まれる銅の全量は、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して322重量ppm、335重量ppm、511重量ppmであり、分析サンプルにより異なる値を示した。
[比較例2](従来技術と同様、浸漬工程を実施しない場合)
比較例1において、参考例2で調製した硫化亜鉛系蛍光体前駆体を用いた以外は、比較例1と同様に行った。蛍光量子収率を表2に、またEL材料の特性評価の結果を表4にそれぞれ示す。
また、本比較例で得られた硫化亜鉛系蛍光体についてICP発光分光分析を3回実施したところ、硫化亜鉛に含まれる銅の全量は、硫化亜鉛系蛍光体の全重量に対して577重量ppm、459重量ppm、498重量ppmであり、分析サンプルにより異なる値を示した。
表1および表2によれば、比較例に対して実施例の蛍光量子収率の向上は認められるものの、その差は小さい。これに対し、表3および表4に示されたEL輝度および電流密度の測定結果には明らかな差があり、実施例では硫化亜鉛系蛍光体から作成されたEL素子のEL輝度および電流密度の大きな改善が認められる。特に、硫化亜鉛系蛍光体前駆体を硫酸銅水溶液中に浸漬させながら超音波照射を行った場合に得られる硫化亜鉛系蛍光体(実施例3)は際立って高いEL輝度および電流密度の値を示すことが分かる。なお、実施例1〜3の硫化亜鉛系蛍光体の発光色は目視観察では青色であり、y値がいずれも0.16前後の値であることから、硫化亜鉛系蛍光体の発光の色は青色から変化していないことが確認された。
また、図1に示されているように、本発明によって硫化銅で被覆された硫化亜鉛系蛍光体前駆体の表面はなめらかであり、硫化亜鉛を銅化合物と焼成した場合に得られる焼成物の表面状態とは全く異なっている。

Claims (12)

  1. 銅、銀、金、マンガンおよび希土類元素の少なくとも1種類を発光中心金属として含有する硫化亜鉛系蛍光体前駆体と融剤とを混合する混合工程、
    前記混合物を焼成し、前記硫化亜鉛系蛍光体前駆体を六方晶に転移させる第一焼成工程、
    前記第一焼成工程で得られた第一焼成物を、表面改質剤を含む液体媒体に浸漬する工程、および、
    前記浸漬工程を経た第一焼成物を再度焼成し、立方晶に転移させる第二焼成工程を含む硫化亜鉛系蛍光体の製造方法であって、
    前記表面改質剤が、硫化亜鉛との反応により前記第一焼成物の表面に導電性物質の被膜を形成することが可能な試薬であり、
    前記第二焼成工程が昇温段階、最高到達温度での温度保持段階及び冷却段階を含み、不活性ガス雰囲気にて昇温段階を経た後、該最高到達温度での温度保持段階で酸素を導入して温度を保持した後、不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気にて冷却段階を実施する、
    ことを特徴とする硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  2. 前記第一焼成工程の後、前記第二焼成工程の前に、前記第一焼成物に衝撃を加える衝撃付与工程が実施されることを特徴とする、請求項1に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  3. 前記浸漬工程を、前記衝撃付与工程と同時に実施することを特徴とする、請求項2に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  4. 前記衝撃付与が超音波照射により行われることを特徴とする、請求項2または3に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  5. 前記第一焼成物の表面に生成させる導電性物質が金属化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  6. 前記導電性物質が硫化銅を含有することを特徴とする、請求項5に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  7. 前記表面改質剤と硫化亜鉛との反応が、硫化亜鉛と銅化合物との間の金属元素の交換反応を含むことを特徴とする、請求項6に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  8. 前記浸漬工程において、前記導電物質の被膜の形成のために取り込まれる金属元素の量が、前記表面が改質された第一焼成物の全重量に対して20〜2000重量ppmであることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  9. 前記超音波照射に使用する超音波の照射出力が100〜5000kW/mであることを特徴とする、請求項4に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  10. 前記浸漬工程後に回収された第一焼成物に硫酸亜鉛を添加した後、第二焼成工程を実施する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  11. 前記最高到達温度は、500〜1000℃の範囲である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
  12. 前記第二焼成工程は、1〜30容積%の範囲の酸素濃度で実施される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硫化亜鉛系蛍光体の製造方法。
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