JP2012041409A - 表面修飾することにより安定化した蛍光体、および同蛍光体を含む太陽電池封止材、太陽電池モジュール及びled - Google Patents

表面修飾することにより安定化した蛍光体、および同蛍光体を含む太陽電池封止材、太陽電池モジュール及びled Download PDF

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Abstract

【課題】 安定化された、一般式(La1-x-y,Lnx,YySで表される蛍光体
、および同蛍光体を含み長期の使用に耐え得る太陽電池封止剤、およびその封止剤を用いた太陽電池モジュールを提供する事。
【解決手段】 一般式(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびyはそれぞ
れ0.02≦x≦0.30および0≦y<0.5を満たす数を表し、LnはEu、Sm、TbおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)で表される組成を有し、水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)が、貴(+)電位である事を特徴とする蛍光体。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体、特に300〜450nmの紫外線および紫色光を含む放射光で励起される蛍光体、及びその蛍光体を用いた太陽電池モジュール、太陽電池封止材、LEDに関
する。
従来から300〜450nmの紫外線および紫色光、特に380nm前後の近紫外線に対し、効率的な吸収を有する酸硫化物蛍光体が知られており、LaSに付活材を加えたLaS系蛍光体が知られている。その典型としては、例えば625nm付近に発光ピーク波長を有する赤色蛍光体として、LaS:Euの存在が知られている。
一方、蛍光体の表面を被覆する技術という観点から見ると、本発明に最も近い技術はカラーブラウン管用蛍光体に係わる技術である。例えば青色発光成分として銀付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Ag)、緑色発光成分として銅およびアルミニウム付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu、Al)、そして赤色発光成分としてユーロピウム付活酸硫化イットリウム(YS:Eu)などの実用蛍光体上に、その表面処理材として水酸化亜鉛を含む物質を付着させる技術が知られている(特許文献1から4)。しかしながらその目的および効果は、カラーブラウン管を製造する過程において、蛍光体の露光時の感度を向上させることを目的としている。より詳しく説明すれば、水酸化亜鉛を含む表面処理材が付着した蛍光体を用いることにより、これら蛍光体をスラリー化し、該蛍光体スラリーを塗布、露光、更に現像して所望のドットやストライプを形成する際に、短時間で所定のドットあるいはストライプを効率良く作成する事を目的としており、本発明の求める効果と大きく異なっている。
特開平3−134089 特開平5−70771 特開平7−34064 特開2004−210869 特開2003−268366 WO2006/038449
しかしながらこのLaS系蛍光体は母体が化学的に不安定で加水分解し易く、日常の環境下においてもHSを発生しながら分解してしまう為、長期に安定的な発光特性を維持する事が出来ず、実用的な蛍光体として市場に出る事は無かった。また、ランタン(La)の一部をイットリウム(Y)に置き換えたLaS系蛍光体も知られていたが、Laを半分、あるいはそれ以上Yに置き換えると、LaSの優れた吸収効率が
損なわれる上、仮にLaを50%以上Yに置換したとしてもHS臭がする、すなわち日常環境下における加水分解を防ぐことはできなかった。
そしてHS等の分解物の発生は、蛍光体が分解して減ってしまうのみならず、発生したHS等が、周囲の部材、特に顕著には樹脂部材にダメージを与えてしまい、その組み込まれているデバイスに、蛍光体自体が分解することによるダメージに加え、分解発生物
であるHS等によるダメージが追加されることになり、寿命等に大きな影響を与えていた。
また、化学的に不安定なLaS系蛍光体を安定化させる方法としては、蛍光体を液体窒素中又は液体ヘリウム中で分散処理し、蛍光体表面に吸着した水分を凝固させる方法(特許文献5)、又は蛍光体粒子を酸化物マトリックス中に分散させる方法(特許文献6)等が報告されているが、加水分解を抑制する効果が不十分であったり、肝心の発光効率が低下してしまったりと、未だ同蛍光体を実用化に至らせるには不十分な技術しか存在していない。
そこで本発明者らは、特にLaのYへの置換を全Laの半分以下に抑えた、優れた吸収効率を有してはいるが、比較的加水分解の生じやすいLaS系蛍光体において、安定でデバイスにダメージを与えない蛍光体を得るべく鋭意検討の結果、(La1-x-y,L
x,YySの処理過程において、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛塩の水溶液を、少なくとも1種添加する事で、蛍光体懸濁液のORP(酸化還元電位)が、卑(−)電位から貴(+)電位に変化すると同時にHS臭が消滅し、その加水分解反応が抑制される事実を発見した。これは(La1-x-y,Lnx,YySの活性な表面に、
亜鉛イオン(Zn2+)が難溶性のZnSとして固定されたためと推定され、更にこの原理を応用し、また、より好ましい形態として、過剰な亜鉛イオンを蛍光体表面のZnS層の上に、水酸化亜鉛の状態で被覆させる事で、この加水分解抑制効果がより強化される事を見出した。
本発明者は更にこの知見を展開し、本発明の本質として、LaS系蛍光体表面を、水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)を測定した際に、貴(+)電位であるようにすることにより、前述の問題が解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の目的は、加水分解が抑制されて安定であり、周辺の部材にダメージを与えるHS等のイオウ化合物が発生せず、かつデバイスとしても好適に使用できる蛍光体とそれを用いたデバイスを提供することに有る。
そしてかかる目的は、一般式(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびy
はそれぞれ0.02≦x≦0.30および0≦y<0.5を満たす数を表し、LnはEu、Sm、TbおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)で表される組成を有し、水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)が、貴(+)電位である事を特徴とする蛍光体、より好ましくは、かかる蛍光体の表面が金属硫化物で修飾されている前述の蛍光体、更に好ましくは、表面が亜鉛の化合物により表面修飾されている前述の蛍光体、そして前述の蛍光体を含む事を特徴とする太陽電池封止材、太陽電池モジュール、およびLED、により容易に達成される。
本発明により、分解の極めて起こりにくいLaS系蛍光体を提供することが出来る。また本発明の蛍光体は、分解によるイオウおよびイオウ化合物を発生させることが極めて少なく、デバイスに組み込んだ時に、蛍光体自体の分解による輝度低下他の部材、特に樹脂部材へのダメージが少ないためLED用、太陽電池用、他樹脂封止されることの多いデバイスに、好適に使用できる。
図1は本発明の実施例及び比較例で作製した蛍光体の励起波長400nm下での発光ピーク強度を示す図である。
以下本発明をより詳細に説明する。
本発明に用いられる、母体の蛍光体としては、LaS系蛍光体であり、具体的には一般式(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびyはそれぞれ0.02≦
x≦0.30および0≦y<0.5を満たす数を表し、LnはEu、Sm、TbおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)で表される組成を有する蛍光体である。Lnは付活材として働く3価の希土類元素であり、このうち特に好ましくはEuとTb、より好ましくはEuである。
また、一般式としては(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびyはそれ
ぞれ0.02≦x≦0.30および0≦y<0.5を満たす)であるが、これに本発明の効果を損なわない範囲で、他の元素を少量含んでも問題ない。
少量含まれる元素としては、焼成助剤として使用されたアルカリ金属や、ハロゲン元素、ホウ素などが上げられる。
また、金属元素と酸素とイオウのモル比についても、2:2:1に厳密に限定するのではなく、本発明の効果を損ねない範囲で、若干変動してもよい。
本発明の付活材の量を表すxの範囲は、0.02≦x≦0.30であり、この範囲で想定している励起源の発光波長にあわせ最適化すればよい。より好ましい下限値としては0.05以上であり、上限値は0.25以下である。励起源の波長が長いほうが、濃度消光を起こし難い傾向があるため、この範囲内で比較的大きいxを選ぶことができる。また、yの範囲は0≦y<0.5であり、より好ましくは0≦y≦0.3である。
蛍光体の粒径についても特に限定されず、通常用いられるナノサイズから40μm程度のものまで適用できる。
本発明の蛍光体の母体の製造方法に関しては、既に公知の種々の方法で作製することができ、特に限定されない。一例を上げれば、La、Eu等の主原料の希土類酸化物、蛍光体組成であるオキシ硫化物へ結晶成長させるための副原料である硫黄、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属化合物を混合、アルミナルツボに充填し、1100℃以上の最高温度にて、大気中あるいは窒素雰囲気中で焼成することでLaS系蛍光体は得られる。
このようにして得られたLaS系蛍光体は、その水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)は、必ず卑(−)電位になる。この水中懸濁溶液のORPの具体的な測定方法は、実施例中にて詳しく説明する。
この水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)が卑(−)電位であるLaS系蛍光体に表面処理を行うことにより、水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)を、貴(+)電位とする。
その方法については特に限定されないが、最も効率的な方法は、蛍光体表面を金属硫化物で修飾することである。このとき好ましい金属としては、硫化物として安定なものであれば特に限定されないが、好ましくは亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、銀(Ag)などが上げられる。このうち特にZnの硫化物は、近紫外から可視光にいたる広い範囲の光を透過させるので、表面の硫化物のサイズを工夫して光透過させる(例えばナノオーダーにする等)工夫をしなくてすむため、最も好ましい。
尚、本明細書において「修飾する」とは、蛍光体表面に、何らかの物質が物理的、化学的に付着した状態、あるいは付着した後、化学反応を介して表面に化合物を形成する場合を含む。前述の好ましい態様である金属硫化物を例にとると、金属硫化物あるいは金属の化合物が物理的に吸着する事、または金属イオンが蛍光体表面に吸着し、化学反応を介して金属硫化物やその他の金属化合物として存在する事などである。更には蛍光体表面を金
属硫化物で修飾するとは、蛍光体の表面を必ずしも100%覆うことを意味するものではなく、その一部に金属硫化物が存在している状態を含む。
本発明の好ましい態様としては、この表面修飾処理をする前に、蛍光体表面を軽く洗浄することである。この洗浄は、蛍光体本体にダメージを与えない範囲であれば、特に限定されないが、洗浄後の除去しやすさ等を考慮すると、硫酸、硝酸、塩酸、酢酸などの酸洗浄が好ましく、特に希塩酸を用いた酸洗浄が好ましい。洗浄後は、デカンテーション、脱水洗浄などを行って、表面修飾に支障が出るようなイオンを除去しておくことがより好ましい。
表面洗浄した後の蛍光体を、適当量の純水(脱イオン水でよい。以下「純水」は脱イオン水を含むものとする)中に懸濁し、表面修飾させる金属塩を添加する。添加する金属塩は、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩など、LaS系蛍光体の表面に硫化物を修飾させることが出来るものであれば特に限定されない。
その添加量は、後に説明する懸濁液の標準水素電極基準のORP(酸化還元電位)が卑(−)電位から貴(+)電位に変化する量より多ければ特に限定されず、具体的な量は、粒径や表面形状、表面積、表面の活性度などに影響を受けるため、特に限定されないが、処理中にHS臭が消失するため、必要量は容易に判断できる。しかしながら、最適な添加量は、実際に蛍光体懸濁液のORPを測定し、決定する事が好ましい。
目安としては通常修飾する金属元素として50μg/g-phos以上であり、好ましい範囲は100μg/g-phos以上である。添加量の上限は特に規定されないが、40000μg/g-phos以下が好ましい。
反応時の懸濁液の温度に関しても特に限定されず、温度を一定にするために氷水を使う0℃から、100℃以下の任意の温度で行うことが出来るが、通常は室温で行えばよい。
金属塩添加後は、必要に応じ10〜30分程度攪拌し、その後、脱水、洗浄、乾燥させればよい。
以下、本発明の表面処理を、既に一旦蛍光体として乾粉の状態になったLaS:Eu蛍光体を使用し、これを母体とし、亜鉛を用いて表面修飾する例をもって、より詳細に説明する。
まず純水中にLaS:Eu蛍光体を入れ、十分に懸濁させる。
この時、より好ましくは、蛍光体表面の不純物を希塩酸等を用いて除去する工程を追加することである。この場合、希硫酸を添加した後、必要に応じデカンテーションを行った後、脱水洗浄するとよい。
純水中に懸濁させた後、次に硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛塩の水溶液を、少なくとも1種添加する。この添加量は、少なくともこの時点で懸濁液の標準水素電極基準のORP(酸化還元電位)が卑(−)電位から貴(+)電位に変化する量である。この時、加水分解反応によって生成するHS臭も消滅する。この時の貴(+)電位の大きさは、貴(+)電位であれば特に限定されないが、好ましくは5mV以上、より好ましくは20mV以上である。
更に、より好ましくは、この亜鉛塩を含む蛍光体懸濁液にアルカリ水溶液を加えて懸濁液のpHを7.5前後に調整し、蛍光体表面に過剰な亜鉛イオン(Zn2+)を水酸化亜鉛、あるいは水酸化亜鉛と亜鉛塩との複塩の形で蛍光体表面に固定させることである。こうすることにより、好ましくは金属硫化物で表面修飾された蛍光体の上を更に亜鉛の化合物により表面修飾することができ、より安定な構造になると推定される。
その後、懸濁液を放置し、蛍光体が沈降した後、余分な電解質をデカンテーションにて
除去した後、脱水、乾燥する。乾燥後、塊状の蛍光体を適当な篩を通して凝集を解し、本発明の目的とする蛍光体を得る。この乾燥後の状態でもかかる処理を行った蛍光体からは、HS臭が発生せず、加水分解反応は抑制されている事が確認できる。
以上説明したように、本発明の蛍光体の製造方法を簡単に要約すると、一般式(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびyはそれぞれ0.02≦x≦0.30およ
び0≦y<0.5を満たす数を表し、LnはEu、Sm、TbおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)で表される組成を有する蛍光体を、水中に懸濁(分散)させ、そこに金属塩を少なくとも懸濁液の標準水素電極基準のORP(酸化還元電位)が卑(−)電位から貴(+)電位に変化する量、より好ましくは20mv以上貴(+)電位になる量添加し、脱水洗浄乾燥する蛍光体の製造方法により製造することが出来る。その時より好ましくは水中に懸濁(分散)させた後、酸洗浄を行う工程を追加することであり、また、より好ましくは貴(+)電位に変化する量の金属塩を添加した後、pHを7以上、より好ましくは7.5以上にすることである。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に例示した実施の態様に限定されるものではない。
(実施例1)
La 277.4 g
Eu 22.6 g
Na 67.5 g
LiCO 40.5 g
CO 27.0 g
S 135.0 g
各原料を上述の割合で混合して調合物とした。得られた調合物をアルミナルツボに充填し、蓋をし、最高温度1200℃にて焼成し、(La0.93Eu0.07Sの蛍光体を含む焼成物を得た。次いで得られた焼成物をイオン交換水にて十分に洗浄し、多硫化アルカリ等の不純物を除去した後、懸濁液の状態で希塩酸を加え蛍光体表面に付着している不要なアルカリ物を洗浄除去した。
こうして得た(La0.93Eu0.07S蛍光体にイオン交換水を加え、蛍光体1kg当り3Lの懸濁液とした。、硫酸亜鉛(ZnSO・7HO)100gをイオン交換水中に溶解させ1Lに調整した10%溶液を、蛍光体1kg当り10ml添加し、10分間攪拌し、懸濁液のORP(酸化還元電位)が卑(−)電位から貴(+)電位に変化し、HS臭が抑制された事を確認した後、水酸化ナトリウムの希釈溶液を添加し、懸濁液のpHを7.5に調整した。
デカンテーションにて余分な電解質を除去し、脱水、120℃で大気中で乾燥し、室温に戻るまで放置した後、ナイロンメッシュで乾燥による塊を解し、本発明の蛍光体を得た。
(実施例2)
使用する硫酸亜鉛(ZnSO・7HO)の10%溶液を、蛍光体1kg当り40ml添加したほかは、実施例1と同様にして本発明の蛍光体を得た。
(実施例3)
La 155.2 g
107.6 g
Eu 37.3 g
NaCO 67.5 g
LiCO 40.5 g
CO 27.0 g
S 135.0 g
各原料を上述の様な割合で混合して調合物とした。得られた調合物をアルミナルツボに充填し、蓋をし、最高温度1200℃にて焼成し、(La0.45Eu0.100.45Sの蛍光体を含む焼成物を得た。次いで得られた焼成物を純水にて十分に洗浄し、多硫化アルカリ等の不純物を除去した後、懸濁液の状態で希塩酸を加え蛍光体表面に付着している不要なアルカリ物を洗浄除去した。
こうして得た(La0.45Eu0.100.45S蛍光体懸濁液に、その後硝酸亜鉛(ZnNO)の10%溶液を、蛍光体1kg当り13.2ml添加し、以下〔実施例1〕同様の処理を行った。得られた蛍光体は、処理中のORP(酸化還元電位)は卑(−)電位から貴(+)電位に変化し、HS臭も抑制された事が確認され、目的とする表面処理された蛍光体を得た。
(実施例4)
実施例3において、硝酸亜鉛(ZnNO)の10%溶液を塩化亜鉛に変更し、添加量を蛍光体1kg当り9.5mlにした以外は、実施例3と同様にして、本発明の蛍光体を得た。
(比較例1)
実施例1において、使用する硫酸亜鉛(ZnSO・7HO)の10%溶液を、硫酸マグネシウム(MgSO・7HO)の10%溶液に変更した他は、実施例1と同様にした蛍光体を得た。
(比較例2)
実施例1において、使用する硫酸亜鉛(ZnSO・7HO)の10%溶液を、硫酸アルミニウム(Al(SO・7HO)の10%溶液に変更した他は、実施例1と同様にした蛍光体を得た。
(比較例3)
実施例1において、硫酸亜鉛を用いた表面修飾を行わない以外は実施例1と同様にした蛍光体を得た。
(ORP(酸化還元電位)の測定方法)
蛍光体5gを秤量し、これに常温(約25℃)のイオン交換水100mlを加えて懸濁させ、マグネチックスターラーで10分間攪拌した後静置する。この後、上澄液にORPメータ(例えば本体:横川電機株式会社製PH72、ORP検出器:同OR72SN;指示電極に白金を使用)を用いて、ORPを測定する。
(実施例の蛍光体のORPの測定)
実際に亜鉛塩を用いて処理したLa2O2S:Eu蛍光体の加水分解反応が持続的に抑制されているか、亜鉛塩で処理した蛍光体を水中に再び懸濁させ、ORP(酸化還元電位)を測定して確認した。実施例1から4、比較例1から3の蛍光体を各5gを秤量し、これに常温(約25℃)のイオン交換水100mlを加えて懸濁させ、マグネチックスターラーで10分間攪拌した後静置した。上澄液をORPメータ(本体:横川電機株式会社製PH72、ORP検出器:同OR72SN;指示電極に白金を使用)を用いて測定した。
更に、上の実験後、水中にそのまま3日間常温にて放置した後、同様に10分間攪拌し、静置後上澄液のORPを再度測定した。その結果を表1に示す。実施例1から4の蛍光体は、いずれも放置後30分から、3日間放置した後に至ってもその上澄液のORP(参加還元電位)は(+)の電位を示し、HS臭も確認されなかった。
一方、比較例1から3の蛍光体は卑(−)の電位を示し、継続的にHS臭を発生させ
ており、当該処理方法のLaS:Eu蛍光体の加水分解反応を持続的に抑制させる効果は得られなかった。
Figure 2012041409
次に本発明の用途の一つである太陽光発電用の光変換材や、近紫外発光LEDに対応する励起波長での発光特性を検討した。
対応する励起波長400nm照射下で実施例1から4の蛍光体および比較例1から3の蛍光体の発光強度を(日立製作所(株)製「F−850型分光蛍光光度計」を使って)測定した。結果は図1に示す様に、本発明の処理を施したLa2O2S:Eu蛍光体は、未処理品と比較して、赤色の624.5nmメインピーク発光強度の低下は見られず、本発明に示した表面処理物質を付着させる事による副作用は認められず、むしろ1820μg/g添加した蛍光体では、発光強度も25%程度向上するという驚くべき効果を見せている。
本発明により、通常使用条件化での分解が抑えられ、イオウ化合物の発生が少ない蛍光体を提供でき、この結果、樹脂部材との相性よく、太陽電池モジュール、太陽電池封止材、LEDに好適に使用することが出来る。

Claims (6)

  1. 一般式(La1-x-y,Lnx,YyS(但し、xおよびyはそれぞれ0.02≦
    x≦0.30および0≦y<0.5を満たす数を表し、LnはEu、Sm、TbおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)で表される組成を有し、水中懸濁溶液のORP(酸化還元電位)が、貴(+)電位である事を特徴とする蛍光体。
  2. 該蛍光体の表面が金属硫化物で修飾されている請求項1に記載の蛍光体。
  3. 表面が亜鉛の化合物により表面修飾されている請求項1乃至2のいずれかに記載の蛍光体。
  4. 請求項1、2、3のいずれか1項に記載の蛍光体を含む事を特徴とする太陽電池封止材。
  5. 請求項1、2、3のいずれか1項に記載の蛍光体を含む事を特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 請求項1、2、3のいずれか1項に記載の蛍光体を含む事を特徴とするLED。
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