JP5212588B2 - ナノ粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノ粒子の製造方法に関し、特には光学デバイスにおける発光体として好適に用いられるナノ粒子の製造方法に関する。
ナノ粒子は、粒子サイズによって物理化学特性が大きく変化する物質である。特に半導体ナノ粒子は、その結晶性に依存して高い効率で発光し、その波長が粒子サイズによって変化することが知られている。
このような半導体ナノ粒子の製造方法としては、水溶液中でのコロイド生成を利用する方法が一般的である。この方法においては、粒子サイズを均一化するために、[ビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム](AOT)を界面活性剤として用いることで有機溶媒中に微小水滴を作り、この微小空間内でナノ粒子を合成している(下記非特許文献1参照)。
近年では、反応溶媒としてトリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)を用いる製造方法が提案されている。この方法では、高温での反応にもかかわらず、溶媒であるTOPOそのものがナノ粒子を取り囲む配位子として機能するために、シングルナノメーターオーダーの高品質のナノ粒子を製造することが可能である。
例えば、カドミウム(Cd)−セレン(Se)からなるナノ微粒子の製造については、反応溶媒としてTOPOおよびトリオクチルホスフィン(TOP)を用い、Cd原料としてジメチルカドミウム、Se原料としてセレン金属を用い、260℃〜300℃で数十分間加熱することでCdSeナノ粒子を合成する方法が開示されている(下記非特許文献2参照)。
尚、この製造方法は、CdSe等のII-VI族ナノ粒子の合成に限定されず、金属や化合物半導体からなるナノ粒子の一般的な製造方法として用いられている。
また例えば、インジウム(In)−リン(P)からなるナノ粒子の製造については、反応溶媒としてTOPOおよびTOPを用い、In原料に蓚酸インジウム、フッ化インジウム、または塩化インジウムを用い、P原料にトリメチルシリルホスフィンを用いる。そして、これらを混合した状態で260℃〜300℃で3日間加熱し、InPナノ粒子を合成する方法が開示されている(下記特許文献3参照)。
またこの他にもInPナノ粒子の製造については、反応溶媒であるTOPOと塩化Inジウムとを混合して100℃に加熱し、これにトリメチルシリルホスフィンを加えて265℃に加熱して数日間保持することで、InPナノ粒子を合成する方法が開示されている(下記特許文献4参照)。
以上のようにTOPOを反応溶媒として用いる方法の他にも、反応溶媒としてオクタデセン、表面修飾剤としてミリスチン酸を用いる方法が開示されている。例えば、InPナノ粒子およびInAs(ヒ素)ナノ粒子の製造については、In原料として酢酸インジウム、P原料としてトリメチルシリルホスフィン(またはAs原料としてトリメチルシリル砒素)を用い、P原料(またはAs原料)以外の原料を溶解した溶液を300℃に過熱し、さらにオクタデセンに溶解したP原料(またはAs原料)を加えることにより、トリメチルシリルホスフィンを加えることで、InPナノ粒子およびInAs(ヒ素)ナノ粒子を合成する方法が開示されている(下記非特許文献5参照)。
J. Chem. Phys, 121, 10233, 2004, Heesun et al J. Am. Chem. Soc, 115, 8706, 1993, Murray et al 「J. Phys. Chem. B」102号,1998年,p.9791-9796 「J. Phys. Chem.」100号,1996年,p.7212-7219 「Nano Letters」vol.2,No.9,2002年,p.1027-1030
ところが、上述したような反応溶媒を用いたナノ粒子の製造方法では、より微細なシングルオーダーのナノ粒子の製造が可能であるものの、粒子サイズのバラツキが大きい。このため、所望の物理化学特性、例えば発光波長を得るためには、ナノ粒子を合成した後に、サイズを分別する処理を施すことが一般的である。
上記非特許文献5では、粒子サイズのバラツキが小さいナノ粒子が得られるとしている。しかしながら、この製造方法では、反応溶媒に対する粒子原料の希釈倍率が高いため、ナノ粒子の合成収率が低く、工業的に適する製造方法であるとは言い難い。
そこで本発明は、サイズ分別することなく高精度に粒子サイズが制御された結晶性の高いナノ粒子を得ることが可能な製造方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、反応溶媒中にInPナノ粒子原料を導入し、所定の加熱温度にて所定時間保持することによって当該ナノ粒子原料からなるナノ粒子を合成する工程と、反応性溶媒中に前記ナノ粒子を分散させ、所定の加熱温度にて所定時間保持することによって当該ナノ粒子の結晶化を促進する工程とを行うことを特徴としている。
このような製造方法では、ナノ粒子(InPナノ粒子)を合成する工程とは別工程として、ナノ粒子の結晶化を促進する工程が設けられている。これにより、ナノ粒子を合成する工程においては、合成されるナノ粒子の結晶性を考慮せずに、粒子サイズの制御のみを主眼においた条件設定を行うことで、制御性良好に粒子サイズが均一化されたナノ粒子が得られる。ここで、以降に説明する実施例の実験により、この合成においては、加熱温度を低くすることで粒子サイズの均一性が図られ、その加熱温度での保持時間によって粒子サイズが成長することがわかった。このため、低い加熱温度で所定の保持時間の合成を行うことで制御性良好に粒子サイズが均一化されたナノ粒子を、その後の結晶化を促進させる工程において充分に結晶化を進めることができる。
以上説明したように本発明によれば、サイズ分別することなく、高精度に粒子サイズが均一化された結晶性の高いナノ粒子を得ることが可能になる。これにより、ナノ粒子の製造工程の削減を図ることができ、また高精度に物理化学特性が制御されたナノ粒子を用いたデバイスの作製が可能になる。
以下、本発明を、III−V族化合物半導体からなるナノ粒子の製造に適用した実施の形態を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、次のステップS1,S2において、ナノ粒子の合成を行う。
ステップS1では、合成のプロセス温度よりも高い沸点を有する反応溶媒を用意し、この反応溶媒中にIII族元素の供給源となるIII族原料を導入して溶解させる。
反応溶媒としては、合成されるナノ粒子の表面に配位する配位性有機溶媒が、単一種類または複数種類合わせて用いられる。このような配位性有機溶媒としては、トリオクチルホスフィン(TOP)、トリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)が例示される。
また、反応溶媒は、配位性を有さない有機溶媒と配位剤とを組み合わせて用いても良い。このうち有機溶媒としては、ヘキサデシルアミン、オクタデセン等が例示される。また、配位剤としては、ミリスチン酸、オレイン酸等のカルボン酸や、チオール類、アミン類があげられる。
さらに反応溶媒は、配位性有機溶媒と共に、配位性を有さない有機溶媒と配位剤とを組み合わせて用いても良い。
このような反応性溶媒に導入するIII族原料には、III族元素を含有する無機材料、有機材料、またはIII族元素の単体金属が用いられる。無機材料としては、例えば塩化物、水酸化物、蓚酸塩、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等が例示される。一方、有機材料としては、カルボン酸塩、金属アルコキシド、アセチルアセトナート塩等が例示される。尚、反応溶媒中には、このようなIII族原料を1種類または複数種類合わせて導入しても良い。
次に、ステップS2では、III族原料を溶解させた反応性溶媒を所定の加熱温度に加熱する。ここでの加熱温度は、次に説明するV族原料を導入した際に、反応溶媒中で結晶核が生成される以上の温度であることとする。また、以降の実施例で示すように、ここでの加熱温度が高いほど、合成されるナノ粒子の粒子サイズにバラツキが生じ易いため、粒子サイズのバラツキ抑制のためにはできるだけ低い加熱温度に設定されることが好ましい。ただし、加熱温度が高いほど粒子の成長速度が高くなるため、ナノ粒子製造のスループットも考慮して加熱温度を設定することとする。以上から、III族原料を溶解させた反応溶媒の加熱温度は、100℃以上250℃以下とする。
そして、所定の加熱温度に加熱された反応溶媒中に、V族元素の供給源となるV族原料を導入して所定時間保持する。これにより、所定の粒子サイズを有するナノ粒子を合成する。
V族原料には、V族元素を含有する無機材料、有機材料、またはV族元素を単体金属が用いられる。無機材料としては、例えば塩化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、フッ化物、臭化物、ヨウ化物等が例示される。一方、有機材料としては、カルボン酸塩、金属アルコキシド等が例示される。尚、反応溶媒中には、このようなV族原料を1種類または複数種類合わせて導入しても良い。
保持時間は、加熱温度を考慮し、ここで合成するナノ粒子の粒子サイズに合わせて設定する。つまり、以降の実施例で説明するように、このステップS2での保持時間が長いほど、ナノ粒子の粒子サイズが成長する。したがって、得たい粒子サイズに合わせて保持時間を設定することが重要である。ただし、加熱温度によって成長速度が異なるため、この加熱温度も考慮して保持時間が設定されることになる。一例として、この保持時間は、典型的には30分以下、好ましくは20分以下、最も好ましくは10分以下とする。
尚、所定の保持時間を経過した後には、加熱源を反応容器から取り除くか、または反応溶媒を大量に加えることによって反応溶媒を急冷し、ナノ粒子の合成を停止させる。
次に、以下のステップS3〜S5において、合成したナノ粒子の洗浄を行う。
ステップS3では、合成したナノ粒子へメタノールのような極性の低い溶媒中を添加して凝集させ、遠心分離、デカンテーションすることで不純物を除去する。
ステップS4では、分離したナノ粒子を、ヘキサンのような溶媒中に導入して分散させる。
以上のステップS3およびステップS4とは、不純物が充分に除去されるまで十分な回数を繰り返し行うこととする。
その後、ステップS5では、ステップ4で用いた溶媒を除去して洗浄を終了させる。
次に、以下のステップS6,S7において、洗浄したナノ粒子の結晶化を促進させる。
ステップS6では、反応溶媒中に洗浄したナノ粒子を分散させる。反応溶媒としては、ステップS1で例示した溶媒の中から適宜選択して用いられ、ステップS1と同様の溶媒を用いて良い。
次にステップS7では、ナノ粒子を分散させた反応溶媒を所定の加熱温度に加熱して所定時間保持する。これにより、合成したナノ粒子の結晶化を促進させる。
この際の加熱温度および保持時間は、合成されたナノ粒子の粒子成長が起こらない温度が選ばれる。つまり、反応溶媒中に余分な原料が存在しない状態であっても、この工程が高温で行なわれると、合成されたナノ粒子が溶解し、この原料を用いて他の粒子が成長する過程が見られるためである。また、粒子サイズが小さいほど、低温で結晶化が起こるため、より低い加熱温度で、充分に結晶化が進められる程度に長い保持時間が設定されることが好ましい。そこでここでは、加熱温度を100℃以上250℃以下の範囲に設定し、ナノ粒子に要求される結晶化の度合いに応じた保持時間(例えば60分〜330分)で保持することとする。尚、先のステップS3〜S5において、ナノ粒子に付着した合成溶媒中の不純物を充分に除去することで、この工程においてのナノ粒子の粒子成長は防止される。
以上の後には、結晶化を促進させたナノ粒子を反応溶媒から取り出し、ナノ粒子の製造工程を終了させる。
以上説明した製造方法では、ステップS1,S2のナノ粒子を合成する工程とは別に、ナノ粒子の結晶化を促進するステップS6,S7を設けた。これにより、ナノ粒子を合成する工程(S1,S2)においては、合成されるナノ粒子の結晶性を考慮せずに、粒子サイズの制御のみを主眼において加熱温度および保持時間などの条件設定を行うことができる。つまり、以降に説明する実施例および比較例の実験により、この合成(S1,S2)においては、加熱温度を低くすることで粒子サイズの均一性が図られ、保持時間によって粒子サイズが成長することがわかった。このため、制御性良好に粒子サイズが均一化されたナノ粒子を合成することが可能になる。
そして、このような合成を行った後の結晶化を促進させる工程(S6,S7)では、粒子サイズが均一なナノ粒子に対して、充分な結晶化を進めることができる。
以上から、サイズ分別を行うことなく、高精度に粒子サイズが制御された結晶性の高いナノ粒子を得ることが可能になる。これにより、ナノ粒子の製造工程の削減を図ることができ、また高精度に物理化学特性が制御されると共に、高い物理特性が充分に発揮されるナノ粒子を用いたデバイスの作製が可能になる。具体的な一例としては、狭い波長領域で強度の高い発光が得られるナノ粒子を用いることで、色再現性に優れた表示装置を実現することができる。また、ナノ粒子の合成においては、反応性溶媒に対する原料の希釈倍率を、非特許文献5に記載された希釈倍率にまで高める必要はない。このため、ナノ粒子の合成収率も高く維持することができ、工業的にも適する製造方法である。
尚、以上説明した実施形態においては、III−V族化合物半導体からなるナノ粒子の製造に本発明を適用した構成を説明した。しかしながら本発明は、このようなナノ粒子の製造方法への適用に限定されることはなく、他の化合物半導体からなるナノ粒子の製造、無機材料や導電性材料からなるナノ粒子の製造、3種類以上の原料を用いたナノ粒子の製造、さらには単一元素からなるナノ粒子の製造にも適用可能であり、同様の効果を得ることができる。つまり、何れのナノ粒子の製造においても、ナノ粒子の合成の工程の後に、ナノ粒子の結晶化を促進させる工程を別途設ける手順とする。尚、ナノ粒子の合成工程は、それぞれのナノ粒子を構成する材料によって適する手順とする。これにより、高精度に粒子サイズが制御された結晶性の高いナノ粒子を得ることが可能になる。
<実施例1〜3>
以下のようにしてInPナノ粒子を作製した。
先ず、配位性有機溶媒であるTOPOとTOPとを、重量比TOPO:TOP=1:9にて混合し、10mlを3つ口フラスコへ分取した。これにIn原料である塩化インジウム0.6gを導入し、一晩室温で攪拌することで透明溶液を得た(ステップS1)。
この透明溶液を175℃に加熱し、加熱した透明溶液中にP原料であるトリメチルシリルホスフィン0.5mgをシリンジを用いて添加し、7分間保持した。これにより、InPナノ粒子を合成した。また7分間の保持後には、3つ口フラスコから熱源を取り除いた(ステップS2)。
以上までの全ての操作は、アルゴンで不活性化された雰囲気中で行った。
次に、合成したInPナノ粒子をメタノールで凝集させ、遠心分離の後にデカンテーションし(ステップS3)、ヘキサンに分散させることで溶液中に含まれる不純物を除去した(ステップS4)。この工程を3回繰り返した後、ロータリーエバポレーターを用いてInPナノ粒子からヘキサンを除去した(ステップS5)。
TOPOとTOPとを重量比TOPO:TOP=1:9にて混合した反応溶媒10ml中に、洗浄したInPナノ粒子を分散させた(ステップS6)。InPナノ粒子を分散させた反応溶媒を3つ口フラスコに移して175℃に加熱した。そして、実施例1では60分、実施例2では150分、実施例3では330分後に、3つ口フラスコから加熱源を取り除いて加熱を終了させた(ステップS7)
下記表1に各実施例の温度履歴を示す。
Figure 0005212588
<比較例1>
実施例の製造方法において、ステップS1およびステップS2で合成したInPナノ粒子を、ステップS3〜ステップS5のように洗浄し、結晶化を促進させずにそのままInPナノ粒子として用いた。
<比較例2>
実施例の製造方法において、ステップS2の保持時間を60分に変更して合成したInPナノ粒子を、ステップS3〜ステップS5のように洗浄し、結晶化を促進させずにそのままInPナノ粒子として用いた。
<比較例3>
実施例の製造方法において、ステップS2の加熱温度を300℃、保持時間を5時間に変更して合成したInPナノ粒子を、ステップS3〜ステップS5のように洗浄し、結晶化を促進させずにそのままInPナノ粒子として用いた。
上記表1に、比較例1〜3の温度履歴を合わせて示した。
<評価結果>
図2には、以上のようにして得られたInPナノ粒子のX線回折スペクトルを測定した結果を示す。図には代表して比較例1で得られたInPナノ粒子のX線回折スペクトルを示している。この図2から、InPナノ粒子においては、InP結晶相が生成していることが確認された。
図3には、実施例3および比較例1で作製したInPナノ粒子について、発光波長に対する発光強度を測定した結果を示す。この図に示すように、合成後に結晶化促進の工程を経た実施例3のInPナノ粒子の発光強度は、結晶化促進の工程を行わない比較例1のInPナノ粒子の発光強度よりも高くなっている。これにより、合成後に結晶化促進の工程を行うことにより、合成されたInPナノ粒子の結晶化が促進される効果が確認された。
図4には、実施例1〜3および比較例1で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。この図に示すように、合成後に結晶化促進の工程を経た実施例1〜3のInPナノ粒子の吸収スペクトルは、結晶化促進の工程を行わない比較例1のInPナノ粒子の吸収スペクトルとほぼ同じである。これにより先の図3の結果と合わせれば、合成後の結晶化促進の工程では、InPナノ粒子の粒子サイズは成長せず、InPナノ粒子の結晶化促進のみが行われることが確認された。また、このことから、InPナノ粒子の粒子サイズは、合成工程のみで決定されることが確認された。
図5には、比較例1,3で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。この図に示すように、合成工程での加熱温度が175℃である比較例1のInPナノ粒子の吸収スペクトルと比較して、合成工程での加熱温度が300℃である比較例3のInPナノ粒子の吸収スペクトルはなだらかであった。この吸収スペクトルから見積もられる粒子径は、比較例1では3.3nm〜3.7nmであるのに対して、比較例3では2.3nm〜5.7nmである。これにより、合成工程での加熱温度を低くすることで、InPナノ粒子の粒子サイズのバラツキを小さくできることが確認された。
図6には、比較例1,2で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。この図に示すように、合成工程においても175℃での保持時間が7分である比較例1のInPナノ粒子の吸収スペクトルと比較して、保持時間が60分である比較例2のInPナノ粒子の吸収スペクトルは長波長側にシフトしていた。これにより、合成に工程においては加熱温度が一定であれば、保持時間を長くすることInPナノ粒子の成長が促進されて粒子サイズ(粒子径)が大きくなり、保持時間によって粒子サイズが制御されることが確認された。
本発明を適用した実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 比較例1で作製したInPナノ粒子のX線回折スペクトルである。 実施例3と比較例1で作製したInPナノ粒子について、発光波長に対する発光強度を測定した結果を示す。 実施例1〜3および比較例1で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。 比較例1,3で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。 比較例1,2で作製したInPナノ粒子について、紫外可視吸収スペクトルを測定した結果を示す。

Claims (3)

  1. 反応溶媒中にInPナノ粒子原料を導入し、所定の加熱温度にて所定時間保持することによって当該ナノ粒子原料からなるナノ粒子を合成する工程と、
    反応性溶媒中に前記ナノ粒子を分散させ、所定の加熱温度にて所定時間保持することによって当該ナノ粒子の結晶化を促進する工程とを行
    ノ粒子の製造方法。
  2. 記ナノ粒子を合成する工程における前記所定の加熱温度での保持時間によって、当該ナノ粒子の粒子サイズを制御する
    請求項1記載のナノ粒子の製造方法。
  3. 前記ナノ粒子を合成した後、当該ナノ粒子を洗浄し、次いで当該ナノ粒子の結晶化を促進する工程を行う
    請求項1または2記載のナノ粒子の製造方法。
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