JP3329547B2 - 陰極線管用蛍光体 - Google Patents

陰極線管用蛍光体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管用蛍光体に係
り、特に蛍光面塗布特性の改善された陰極線管用蛍光体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報化社会の進展の中で、カラー
陰極線管はいわゆるハイビジョンテレビや各種コンピュ
ータ端末ディスプレイ等として高機能化が進んでいる。
家庭用カラーテレビジョンにおいても、マルチメディア
の情報端末として、大型化高コントラスト化、高精細化
が望まれるところであり、出力画面である蛍光面の特性
改良が求められている。
【0003】従来より、カラー陰極線管の蛍光面形成に
は、スラリー塗布・光印刷法が用いられている。すなわ
ち、重クロム酸塩とポリビニルアルコールからなる感光
性樹脂溶液に分散された蛍光体スラリーを、ガラスパネ
ル面に回転塗布する。その後、所定のマスクパターンを
通した紫外線で露光することにより不溶部分を形成し、
可溶部分は純水等により現像処理する。赤、青、緑に発
光する蛍光体を、ドット状あるいはストライプ状に所定
パターンで配置することによって、カラー陰極線管の蛍
光面が形成される。蛍光面の特性としては、形成される
ドットあるいはストライプの形状が真円あるいは直線に
近いこと、混色の発生がなく色純度の高いこと、発光が
均一で緻密なこと、等が必要である。従って、用いる蛍
光体としては、スラリー中での分散性が良く、ガラスパ
ネルへの付着力が強く、他色蛍光体への混色のないこと
等の特性が要求される。このため、蛍光体表面には、従
来より二酸化珪素を珪酸亜鉛や燐酸亜鉛で接着させて表
面改質を行ってきた。
【0004】しかしながら、蛍光面の高精細化、大型
化、高色純度化に対する要求は益々強くなる一方であ
り、用いる蛍光体に対する特性向上が求められている。
すなわち、従来の表面処理を施した蛍光体では、大画面
で高精細というハイビジョンテレビやマルチメディア端
末の蛍光面を形成する際に、蛍光面の発光均一性や無欠
点特性において依然不満足である。また、蛍光面製造に
おける製造時間の短縮や作業性の向上あるいは製造歩留
り向上を図る上でも、蛍光体のさらなる特性改良が急務
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】蛍光面塗布特性の改善
において、重要な特性の一つは付着力特性であり、蛍光
体の表面状態に大きく左右され、蛍光体粒子の分散性や
蛍光体表面の帯電特性に大きく依存することが知られて
いる。この付着力特性の表現として、紫外線露光量に対
する現像後の蛍光体残存量で表すことができる。すなわ
ち、所定量の紫外線を照射した後、現像を行って所定範
囲にドットあるいはストライプを形成し、所定範囲内の
ドットあるいはストライプの残留面積の大きい蛍光体が
付着力特性が優れるということができる。
【0006】付着力特性を改善するために、従来より蛍
光体表面に二酸化珪素や珪酸亜鉛を接着させる際に、水
酸化亜鉛や酸化亜鉛を同時に接着させ、表面改質する方
法が採られている。これらの表面処理剤は、従来の実用
範囲においては被覆量が多ければ多いほど露光感度が高
くなることが知られている。従って、付着力特性にのみ
着目した場合は、表面処理剤の被覆量を増加すればよい
ことになる。
【0007】しかしながら、このように露光感度の高い
蛍光体スラリーでは、熱的感度の高くなる場合も多く、
ブラウン管製造工程中におけるガラスパネル温度の上昇
等により、ドット径あるいはストライプ幅が規格以上に
大きくなる場合や、紫外線照射されていない蛍光体が現
像後もガラスパネル上や他色蛍光体上に残留する場合が
ある。これらはいずれも蛍光面の特性を著しく劣化させ
ることになり、また蛍光面製造歩留りの低下をもたらす
ことになる。
【0008】このような状況にあっては、今日のカラー
陰極線管のさらなる大型化、高精細化に対する要求を満
足する蛍光体特性を有するとは言い難いのが現状であ
る。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、付着力特性を改善すると共に、陰極
線管の製造工程上の不都合を解消した陰極線管用蛍光体
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
ような目的を達成するために、種々表面処理法を検討し
た結果、蛍光体表面処理工程において二酸化珪素に加え
て微粒子状の酸化アンチモンを添加して接着することに
より、蛍光面塗布特性が大幅に改善されることを見出
し、本発明に至った。
【0011】すなわち、本発明の陰極線管用蛍光体は、
蛍光体表面に二酸化珪素および酸化アンチモンを接着さ
せた陰極線管用蛍光体において、前記酸化アンチモンが
微粒子であると共に、前記蛍光体に対して0.0001〜 0.2
重量% の範囲であることを特徴としている。ここで、酸
化アンチモンにおける微粒子は、 1次粒子の平均粒径が
0.2μm 以下のものが、付着力特性の向上の面から望ま
しい。
【0012】
【作用】蛍光体表面に二酸化珪素および微粒子酸化アン
チモンを接着してなる本発明の陰極線管用蛍光体は、付
着力特性が著しく向上するため、蛍光面作製工程の種々
の塗布条件に余裕度をもたらし、蛍光面塗布特性の改善
を可能とする。
【0013】周知の通り、水性ゾル状態を形成した酸化
アンチモンは化学的に安定であり、ブラウン管塗布工程
で用いられる各種薬品に対して、十分その機能を発揮す
ることができる。表面処理工程に用いる際には、分散媒
を有機溶剤とした微粒子酸化アンチモンでもよく、また
結晶水を含む状態の水性ゾルでもよい。
【0014】この微粒子酸化アンチモンを安定的に蛍光
体表面に付着させるためには、通常用いられている珪酸
亜鉛法が適している。すなわち、予め蛍光体と二酸化珪
素および微粒子酸化アンチモンを分散させた水溶液に、
水ガラスと硫酸亜鉛を添加することにより珪酸亜鉛が生
成され、微粒子酸化アンチモンを蛍光体表面に接着させ
ることができる。その接着力は非常に強固であり、機械
的な摩擦や振動によって容易に剥離することはない。蛍
光体表面に接着した状態は、電子顕微鏡により容易に観
察することができる。
【0015】本発明に係わるカラー陰極線管用蛍光体と
しては、実用的な観点から、 ZnS:Ag,Cl 蛍光体、コバ
ルトアルミネート顔料付き ZnS:Ag,Cl蛍光体、 ZnS:Ag,
Al蛍光体、コバルトアルミネート顔料付き ZnS:Ag,Al蛍
光体、 ZnS:Cu,Al蛍光体、ZnS:Cu,Au,Al蛍光体、 Y2 O
2 S:Eu蛍光体、およびべんがら顔料付き Y2 O 2 S:Eu蛍
光体等を用いることができる。これらの蛍光体は、カラ
ー陰極線管用蛍光体として広く使用されて最も有用であ
り、従って塗布特性の改善が急務な蛍光体である。
【0016】上記に説明した表面処理法により、蛍光体
に接着させた微粒子酸化アンチモンの効果を次のように
して評価した。
【0017】微粒子酸化アンチモンを接着させた蛍光体
を、重クロム酸塩とポリビニルアルコールからなる感光
性樹脂溶液に分散させ、蛍光体スラリーを調合する。こ
の蛍光体スラリーをガラスパネルに回転塗布し、所望の
膜厚とした後乾燥する。得られた塗布パネルにドットマ
スクを通して紫外線を照射して露光した後、温純水によ
り現像を行い、ドット蛍光面を作製する。露光に際して
は、ドットマスク前面にステップ領域毎に透過率の減少
する円形のNDフィルタを設置し、照射紫外線量による
付着力変化を観測した。すなわち、ある露光量に対して
所定透過率のステップ領域に残留している蛍光体の面積
を測定し、従来例と比較した。従って、残留率が高いほ
ど蛍光体の付着力が強いことになる。また、付着力の目
安としては蛍光体の欠落が始まる露光量で判断すること
もできる。微粒子酸化アンチモンを接着させた蛍光体
は、同一露光量においてその蛍光体残留量が多く、また
蛍光体が欠落開始する際の露光量が少ないことが判明し
た。
【0018】従って、微粒子酸化アンチモンの接着は、
付着力特性としては望ましいが、むやみに接着量を多く
することは好ましくない。すなわち、接着量の増加はそ
の他の塗膜特性に悪い影響を及ぼすことになる。従っ
て、微粒子酸化アンチモンの接着量および粒子径は、蛍
光面塗膜特性特にガラスパネル面上の残渣特性および蛍
光体上の混色特性により規定される。残渣特性および混
色特性はいずれも蛍光体の不要な残留によるものであ
り、不要発光による色純度の低下や発光色の不均一をも
たらし、蛍光面品位の劣化要因となる。
【0019】図1は、 ZnS:Ag,Cl蛍光体において、50%
粒子径が0.01μm の微粒子酸化アンチモンの接着量とガ
ラスパネル上の残留蛍光体粒子数(残渣量)の関係を示
す。残渣量は、光学顕微鏡にてガラスパネル上のドット
間を観察し、そこに残留する蛍光体粒子数を測定値とし
た。サンプリングは異なる 3ヶ所で実施し、その平均値
を残渣量とした。図1から明らかなように、微粒子酸化
アンチモンの接着量は、蛍光体に対して0.0001重量%か
ら 0.2重量% の範囲であることが望ましい。
【0020】一方、酸化アンチモンの 1次粒子径の50%
粒径は 0.2μm 以下が望ましい。これより大きい粒子径
では、蛍光体表面への接着力が極端に弱くなり、蛍光体
スラリー中で剥離するため、酸化アンチモンの接着によ
る本発明の効果を十分に得ることができなくなるからで
ある。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】実施例1 脱イオン水 5l中に ZnS:Ag,Cl蛍光体 1kgを分散させた
後、微粒子二酸化珪素の 10%溶液 1ccを添加して撹拌し
ておく。この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccおよ
び酸化アンチモンの3%溶液を10cc添加して15分撹拌す
る。その後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて、15分
撹拌する。撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘
過し、 120℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュ
で篩別することにより、酸化アンチモンで被覆された Z
nS:Ag,Cl蛍光体が得られる。得られた蛍光体表面を電子
顕微鏡および電子線マイクロプローブ法で観察したとこ
ろ、酸化アンチモン微粒子により被覆されていることが
確認された。表面に被覆された酸化アンチモン量は、 Z
nS:Ag,Cl蛍光体1gに対して0.00024gであった。
【0023】上記のようにして得られた陰極線管用蛍光
体を通常の重クロム酸アンモニウムとポリビニルアルコ
ールからなる感光性樹脂溶液に分散させ、蛍光体スラリ
ーを調合する。この蛍光体スラリーを塗布して紫外線露
光法により蛍光面を作製する。付着力の評価として、露
光量に対する残留ドット領域の面積を測定し、表1の結
果を得た。なお従来例として、上記表面処理法において
酸化アンチモンの添加を実施していない ZnS:Ag,Cl蛍光
体を作製して比較を行った。付着力評価に際しては、パ
ネル中央の直径 8cmの円形部だけが露光されるように窓
を設け、その露光窓にステップ領域毎に透過率の減少す
るNDフィルタを設置し、ドットマスクを通して紫外線
露光を実施した。その後、脱イオン水にて現像を行い、
所定透過率ステップ領域での残留している蛍光体の面積
を測定した。表中の紫外線露光量は、露光中の照射紫外
線をガラスパネル側面から測定した紫外線積算量 15mJ/
cm2 を100%で表した。また、蛍光体残留量を百分率で表
記している。表1から明らかなように、従来例では露光
量 80%で一部欠落が始まり、露光量 60%において本実施
例では 92%の残留率に対して従来例では 72%の残留率で
あり、酸化アンチモンで処理した ZnS:Ag,Cl蛍光体は、
従来例に比べ付着力が強く、露光感度特性に優れること
が分かる。
【0024】
【表1】 実施例2 脱イオン水 5l中に ZnS:Ag,Al蛍光体 1kgを分散させた
後、微粒子二酸化珪素の 10%溶液を 5cc添加して撹拌し
ておく。この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccおよ
び酸化アンチモンの5%溶液を10cc添加して15分撹拌す
る。その後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分撹
拌する。撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘過
し、 120℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュで
篩別することにより、酸化アンチモンで被覆された Zn
S:Ag,Al蛍光体が得られる。得られた蛍光体表面を電子
顕微鏡および電子線マイクロプローブ法で観察したとこ
ろ、酸化アンチモン微粒子により被覆されていることが
確認された。表面に被覆された酸化アンチモン量は、 Z
nS:Ag,Al蛍光体1gに対して0.00031gであった。
【0025】上記のようにして得られた蛍光体を実施例
1と同様にして蛍光面を作製し、付着力特性の評価を行
い、表2の結果を得た。なお従来例としては、上記表面
処理法において酸化アンチモンの添加を実施していない
ZnS:Ag,Al蛍光体を作製して比較を行った。表2から明
らかなように、酸化アンチモンで処理した ZnS:Ag,Al蛍
光体は、従来例に比べ付着力が強く、露光感度特性に優
れることが分かる。
【0026】
【表2】 実施例3 脱イオン水 5l中に予めコバルトアルミネート顔料付け
処理を施したZnS:Ag,Al蛍光体 1kgを分散させた後、微
粒子二酸化珪素の 10%溶液 5cc添加して撹拌しておく。
この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccおよび酸化ア
ンチモンの5%溶液を10cc添加して15分撹拌する。その
後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分撹拌する。
撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘過し、 120
℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュで篩別する
ことにより、酸化アンチモンで被覆された ZnS:Ag,Al蛍
光体が得られる。得られた蛍光体表面を電子顕微鏡およ
び電子線マイクロプローブ法で観察したところ、酸化ア
ンチモン微粒子により被覆されていることが確認され
た。表面に被覆された酸化アンチモン量は、 ZnS:Ag,Al
蛍光体1gに対して0.00033gであった。
【0027】上記のようにして得られた蛍光体を実施例
1と同様にして蛍光面を作製し、付着力特性の評価を行
い、表3の結果を得た。なお従来例としては、上記表面
処理法において酸化アンチモンの添加を実施していない
顔料付き ZnS:Ag,Al蛍光体を作製し比較を行った。表3
から明らかなように、酸化アンチモンで処理した顔料付
き ZnS:Ag,Al蛍光体は、従来例に比べ付着力が強く、露
光感度特性に優れることが分かる。
【0028】
【表3】 実施例4 脱イオン水 5l中に ZnS:Cu,Al蛍光体 1kgを分散させた
後、微粒子二酸化珪素の 10%溶液 5cc添加し撹拌してお
く。この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccおよび酸
化アンチモンの1%溶液を10cc添加して15分撹拌する。そ
の後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分撹拌す
る。撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘過し、
120℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュで篩別
することにより、酸化アンチモンで被覆された ZnS:Cu,
Al蛍光体が得られる。得られた蛍光体表面を電子顕微鏡
および電子線マイクロプローブ法で観察したところ、酸
化アンチモン微粒子により被覆されていることが確認さ
れた。表面に被覆された酸化アンチモン量は、 ZnS:Cu,
Al蛍光体1gに対して0.00007gであった。
【0029】上記のようにして得られた蛍光体を実施例
1と同様にして蛍光面を作製し、付着力特性の評価を行
い、表4の結果を得た。なお従来例としては、上記表面
処理法において酸化アンチモンの添加を実施していない
ZnS:Cu,Al蛍光体を作製し比較を行った。表4から明ら
かなように、酸化アンチモンで処理した ZnS:Cu,Al蛍光
体は、従来例に比べ付着力が強く、露光感度特性に優れ
ることが分かる。
【0030】
【表4】 実施例5 脱イオン水 5l中にZnS:Cu,Au,Al蛍光体 1kgを分散させ
た後、微粒子二酸化珪素の 10%溶液を10cc添加して撹拌
しておく。この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccお
よび酸化アンチモンの 10%溶液を10cc添加して15分撹拌
する。その後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分
撹拌する。撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘
過し、 120℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュ
で篩別することにより、酸化アンチモンで被覆されたZn
S:Cu,Au,Al蛍光体が得られる。得られた蛍光体表面を電
子顕微鏡および電子線マイクロプローブ法で観察したと
ころ、酸化アンチモン微粒子により被覆されていること
が確認された。表面に被覆された酸化アンチモン量は、
ZnS:Cu,Au,Al蛍光体1gに対して0.00085gであった。上記
のようにして得られた蛍光体を実施例1と同様にして蛍
光面を作製し、付着力特性の評価を行い、表5の結果を
得た。なお従来例としては、上記表面処理法において酸
化アンチモンの添加を実施していないZnS:Cu,Au,Al蛍光
体を作製し比較を行った。表5から明らかなように、酸
化アンチモンで処理したZnS:Cu,Au,Al蛍光体は、従来例
に比べ付着力が強く、露光感度特性に優れることが分か
る。
【表5】 実施例6 脱イオン水 5l中に Y2 O 2 S:Eu蛍光体 1kgを分散させ
た後、微粒子二酸化珪素の 10%溶液を10cc添加して撹拌
しておく。この分散液に、水ガラスの 40%溶液を10ccお
よび酸化アンチモンの1%溶液を 6cc添加して15分撹拌す
る。その後、硫酸亜鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分撹
拌する。撹拌後、脱イオン水で十分に洗浄した後に瀘過
し、 120℃で 6時間乾燥する。その後、 300メッシュで
篩別することにより、酸化アンチモンで被覆された Y2
O 2 S:Eu蛍光体が得られる。得られた蛍光体表面を電子
顕微鏡および電子線マイクロプローブ法で観察したとこ
ろ、酸化アンチモン微粒子により被覆されていることが
確認された。表面に被覆された酸化アンチモン量は、 Y
2 O 2 S:Eu蛍光体1gに対して 0.000045gであった。上記
のようにして得られた蛍光体を実施例1と同様にして蛍
光面を作製し、付着力特性の評価を行い、表6の結果を
得た。なお従来例としては、上記表面処理法において酸
化アンチモンの添加を実施していない Y2 O 2 S:Eu蛍光
体を作製し比較を行った。表6から明らかなように、酸
化アンチモンで処理した Y2 O 2 S:Eu蛍光体は、従来例
に比べ付着力が強く、露光感度特性に優れることが分か
る。
【表6】 実施例7 脱イオン水 5l中に予めべんがら顔料付け処理を施した
Y2 O 2 S:Eu蛍光体 1kgを分散させた後、微粒子二酸化
珪素の 10%溶液10ccを添加して撹拌しておく。この分散
液に、水ガラスの 40%溶液を10ccおよび酸化アンチモン
の5%溶液を 6cc添加して15分撹拌する。その後、硫酸亜
鉛の 10%溶液を 100cc加えて15分撹拌する。撹拌後、脱
イオン水で十分に洗浄した後に瀘過し、 120℃で 6時間
乾燥する。その後、 300メッシュで篩別することによ
り、酸化アンチモンで被覆された Y2 O 2 S:Eu蛍光体が
得られる。得られた蛍光体表面を電子顕微鏡および電子
線マイクロプローブ法で観察したところ、酸化アンチモ
ン微粒子により被覆されていることが確認された。表面
に被覆された酸化アンチモン量は、 Y2 O 2 S:Eu蛍光体
1gに対して0.00021gであった。
【0031】上記のようにして得られた蛍光体を実施例
1と同様にして蛍光面を作製し、付着力特性評価を行
い、表7の結果を得た。なお従来例としては、上記表面
処理法において酸化アンチモンの添加を実施していない
べんがら顔料付き Y2 O 2 S:Eu蛍光体を作製し比較を行
った。表7から明らかなように、酸化アンチモンで処理
した Y2 O 2 S:Eu蛍光体は、従来例に比べ付着力が強
く、露光感度特性に優れることが分かる。
【0032】
【表7】
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、蛍光体表面に二酸
化珪素および微粒子酸化アンチモンを付着させた本発明
に係る陰極線管用蛍光体は、付着力特性に優れることか
ら、蛍光面製造工程に係わる塗布諸条件において余裕度
を生じせしめ、蛍光面品位を向上させることができ、さ
らに蛍光面製造における製造時間の短縮や作業性の向上
あるいは製造歩留りの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 酸化アンチモンの接着量とガラスパネル上の
残留蛍光体粒子数(残渣量)との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 渡辺 陽子 (56)参考文献 特開 平4−214789(JP,A) 特開 平4−236294(JP,A) 特開 昭59−36182(JP,A) 特開 平3−205480(JP,A) 特開 平1−176652(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 - 11/89 H01J 61/30 - 61/48 H01J 29/18 - 29/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体表面に二酸化珪素および酸化アン
    チモンを接着させた陰極線管用蛍光体において、 前記酸化アンチモンが微粒子であると共に、前記蛍光体
    に対して0.0001〜 0.2重量% の範囲であることを特徴と
    する陰極線管用蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記酸化アンチモンが 1次粒子として平
    均粒径 0.2μm 以下の粒径を有する微粒子であることを
    特徴とする、請求項1記載の陰極線管用蛍光体。
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