JP3648331B2 - カラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー陰極線管のフィルター付き蛍光面を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラー陰極線管において蛍光体層の前面、すなわちフェースプレートのパネル内面の蛍光体層との間に、蛍光体の発光色に対応したフィルター層を設けて、フィルター付き蛍光体層とすることが知られている。通常のカラー陰極線管のフェースプレートのパネルの内面には、青、緑、赤の各色のドット状やストライプ状等の蛍光体層が形成され、この蛍光体層に電子ビームが衝突することにより、蛍光体が各色に発光して画像表示がなされている。そしてフィルター付き蛍光体層は、フェースパネルと蛍光体層との間に、蛍光体層の発光色と同色の光を透過する各色の顔料層から構成されるフィルターパターンを設けたもので、入射した外光のうち緑や青成分の光は赤色顔料層で、緑や赤成分の光は青色顔料層で、青や赤成分の光は緑顔料層でそれぞれ吸収させ、コントラストや色純度等の画像特性を向上させようとするものである。
【0003】
このようなフィルター層を形成するには、パネルの内面に顔料層を塗布・形成した後、露光次いで現像を行なうことでパターニングする方法が一般的に行なわれている。このとき、フィルター層のパターンとして残すべき箇所には、フェースプレートとの付着性が要求され、それ以外の箇所にはフェースプレートからの剥離性が要求される。また、顔料層においては透明性が必要とされ、顔料粒子が凝集することなく均一に分散していることも要求される。そして、このように形成されたフィルター層の上に、各色の顔料層に対応する発光色を有する蛍光体層を、通常の方法により形成するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような蛍光体層の形成においては、フィルター層(顔料層)上に異なる発光色の蛍光体が残留するという問題があった。例えば、通常のスラリー法によりまず最初に青の蛍光体層を形成した場合に、緑あるいは赤のフィルター層上に青蛍光体が残査として残り、さらに次に緑の蛍光体層を同様にして形成した場合に、赤のフィルター層上に緑の蛍光体が残査として残るため、カラー陰極線管におけるユニフォミティ品位が劣化するという問題が生じていた。
【0005】
このようにフィルター層上に異なる色の蛍光体が残留する理由は必ずしも明らかではないが、概ね以下に示す理由によるものと思われる。すなわち、フィルター層を構成する顔料粒子が金属酸化物であり、またフィルター層を形成するため顔料に高分子化合物(樹脂)が添加されているため、一般に塗布すべき蛍光体の表面処理用に使用されるシリカと、フィルター層との間に静電気的な力が作用し、それにより蛍光体の残査が生じるものと思われる。なお、一般にシリカはマイナス側に帯電することから、フィルター層はシリカに比べプラス側に帯電するものと思われる。
【0006】
一方、蛍光体層を形成するには通常スラリー法が用いられ、その際のフォトレジストとしては、重クロム酸アンモニウムを加えたポリビニルアルコールの水溶液が、露光光源としては超高圧水銀灯がそれぞれ用いられる。しかし、フィルター層として用いられる顔料は、一般に前記レジストの光架橋が起こる 365nm付近の波長域では吸収があるため、露光時の感度不足特にフィルター層側での露光感度の低下が起こり、現像後の蛍光体の脱落が起こり易いという問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、カラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成において、フィルター層上での異なる発光色の蛍光体の残留および蛍光体の脱落をなくし、ユニフォミティ劣化のない高輝度・高コントラストのカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法は、フェースプレートのパネル内面に複数色の顔料層を所定のパターンに配列したフィルターパターンを形成する工程と、前記フィルターパターンの上に、前記各色の顔料層に対応する発光色を有する蛍光体層を形成する工程とを備えたフィルター付き蛍光面の形成方法において、前記フィルターパターンを構成する顔料層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカ液を塗布して乾燥し、次いでその上に前記蛍光体層を形成することを特徴とする。
【0009】
以下、それぞれの内容についてさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明にかかわる顔料としては、無機系または有機系のいずれの顔料をも使用することができる。特に、フィルター層中に均一に分散することができ、光の散乱を起こすことなくフィルター層が十分な透明性を有するようにできる顔料の使用が好ましい。また、カラー陰極線管の製造では、高温工程を含むので、無機系の顔料の使用が好ましい。
【0011】
具体的な例として、以下の顔料を例示することが出来る。
【0012】
赤の顔料として、酸化第二鉄系の顔料である商品名シコトランスレッドL-2817(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、BASF社製)、アントラキノン系の顔料である商品名クロモファータルレッド A2B(粒子径0.01μm 、チバガイギー社製)、青の顔料として、アルミン酸コバルト(Al2 O3 −CoO)系の顔料である商品名コバルトブルーX (粒子径0.01μm 〜0.02μm 、東洋顔料社製)、群青系の顔料である商品名群青 No.8000(粒子径0.03μm 、第一化成社製)、フタロシアニンブルー系の顔料である商品名リオノールブルー FG-7370(粒子径0.01μm 、東洋インキ社製)、緑の顔料として、TiO2 −NiO−CoO−ZnO系の顔料である商品名ダイピロキサイドTM−グリーン#3320(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、大日精化社製)、CoO−Al2 O3 −Cr2 O3 系の顔料である商品名ダイピロキサイドTM−グリーン#3420(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、大日精化社製)、Cr2 O3 系の顔料である商品名ND-801(粒子径0.35μm 、日本電工社製)、塩素化フタロシアニングリーン系の顔料である商品名ファーストゲングリーンS (粒子径0.01μm 、大日本インキ社製)、臭素化フタロシアニングリーン系の顔料である商品名ファーストゲングリーン 2YK(粒子径0.01μm 、大日本インキ社製)等を例示することができる。
【0013】
本発明において、このような顔料層からなるフィルターパターンの形成は、例えば特願平6-315059号公報に記載されているように、以下に示す手順で行なわれる。
【0014】
すなわち、まず顔料粒子と高分子電解質分散剤とを主成分とする顔料分散液を、ブラックマトリックスを有するフェースプレートのパネル内面に塗布する。塗布方法としては、スピンコート法、ローラー法、浸漬法などを用いることができ、フェースプレートの形状・大きさ等を考慮して適宜選択することができる。均一で所定の膜厚を得るには、特にスピンコート法を用いることが好ましい。こうして塗布した後塗膜を乾燥させるが、乾燥方法としては、水分を揮発させるとともに、高分子電解質塩中の塩の一部を解離させることができる方法であれば、特に限定することなく、ヒーター乾燥、熱風による乾燥、室温放置による長時間乾燥など、種々の方法を用いることができる。
【0015】
なお、顔料層のみでパターニングを行なうには、顔料分散液中に重クロム酸アンモニウム(ADC)/ポリビニルアルコール(PVA)、重クロム酸ナトリウム(SDC)/PVA、ジアゾニウム塩/PVAなどのフォトレジストを含有させておけば良い。このようなフォトレジストを含有する顔料層を塗布形成しておけば、高圧水銀灯等を用いた露光により、光(紫外線)照射された部分が硬化し、その後、水等に不溶性となった高分子電解質を可溶化する物質を含有するアルカリ水溶液を用いて現像することにより、所定のフィルターパターンを形成することができる。
【0016】
また、このようにフォトレジストを顔料分散液に含有させるのではなく、顔料層を塗布形成した後にその上にフォトレジスト層として形成し、露光・現像を行なうようにすることができる。このようにした場合には、感光特性の向上すなわち露光時間が短縮されて密着性が向上し、また形成されるフィルター層の厚さ範囲の拡大を図ることができる。
【0017】
これら一連の工程を、複数色通常は青、緑、赤色の順に繰り返して行なうことにより、青、緑、赤の3色のカラーフィルター層を形成することができる。
【0018】
本発明においては、こうして所定のパターンのフィルター層(フィルターパターン)を形成した後、このフィルター層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカ液を塗布・乾燥してシリカ層を形成し、その上に通常のスラリー法により青・緑・赤色の蛍光体層をそれぞれ形成する。
【0019】
ここで、コロイダルシリカの粒子径は、15nm以下であることが好ましく、液のpHは 2.0〜 5.0の範囲に調整することが好ましい。粒子径が15nmを越えるコロイダルシリカを使用した場合には、フィルター層上の蛍光体残渣に対して所望の効果が得られず、好ましくない。また、コロイダルシリカ液のpHを 2.0未満とした場合には、液中でシリカの凝集が生じ、反対に液のpHが 5.0を越える場合には、pHが低い場合と同様にシリカの凝集が生じ、もしくはフィルターパターンがさらに現像され、いずれの場合も好ましくない。
【0020】
さらに、コロイダルシリカ液の濃度は、シリカ固形分で 0.2〜 5.0重量%の範囲とすることが望ましく、より好ましくは 0.8〜 3.0重量%とする。シリカ濃度が 0.2重量%より低いと、液の塗布・乾燥により蛍光体残査を防止する効果がほとんど現れず、かつフィルター層と蛍光体層との間の接着性向上の効果もほとんど得られない。また、シリカの濃度が 5.0重量%を越えた場合には、フィルター層と蛍光体層との接着性は向上するが、蛍光体残査が増大するため品位が低下して好ましくない。
【0021】
以下に、フィルター層上に塗布するコロイダルシリカ液のシリカ濃度を変え、赤のフィルター層上に残留する緑蛍光体の残査レベル(点数)、および青フィルター層上での青蛍光体の接着性(付着力)を調べた結果を示す。なお、残査レベルの測定は、0.12mmφの中にある粒径が 5μm 以上の蛍光体の点数を調べることにより行なった。残査点数が20点を越えると、ホワイトユニフォミティ品位が悪化して実用上好ましくない。
【0022】
この測定結果から、フィルター層上に塗布するコロイダルシリカ液の濃度は、 0.2〜 5.0重量%の範囲とすることが望ましく、より好ましい濃度範囲は 0.8〜 3.0重量%であることが確かめられた。
【0023】
本発明においては、フィルターパターンを構成する各色の顔料層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカの分散液を塗布して乾燥することにより、フィルター層(顔料層)にダメージを与えることなく、フィルター層表面をマイナス側に帯電させることができるので、このマイナスに帯電したフィルター層表面と、蛍光体の表面処理に使用されるシリカとの間の電気的な反発力により、蛍光体残査の発生が防止される。また、コロイダルシリカ液の塗布・乾燥により形成されるシリカ層が、接着補助剤として働くので、フィルター層と蛍光体層との間の接着性が改善され、現像後の蛍光体の脱落が防止される。
【0024】
したがって、蛍光面のユニフォミティ品位を劣化させることなく、高コントラスト・高輝度のカラー陰極線管を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0026】
実施例1
図1は、本発明の一実施例の工程を示す図であり、図2は、実施例の各工程でのパネル面の断面図である。基本的には、図1のA〜Eの工程でまず青色(あるいは緑色)のフィルターパターンが形成され、次に同様にA〜Eの工程を繰り返すことにより、緑(あるいは青)色と赤色のフィルターパターンが順に形成される。次いで、F、Gの工程でコロイダルシリカ液が塗布・乾燥された後、Hの工程で蛍光体層が所定のパターンで形成されることになる。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、カラー陰極線管のパネル1内面に、ブラックマトリックスとしての所定パターンの光吸収層2を、公知の方法で形成した。すなわち、パネル1内面にレジストを塗布し、シャドウマスクを介して露光し、現像し、乾燥して、顔料層および蛍光体層の形成予定部にストライプ状またはドット状の光硬化膜を残留させた。次いで、その上に光吸収物質、例えば黒鉛を塗布して結着させた後、過酸化水素水で洗浄して光硬化膜を溶解することにより、その上の光吸収物質を除去し、顔料層および蛍光体層の形成予定部となるホール部を露出させて、パターニングされた光吸収層2を形成した。
【0028】
次に、青、緑、赤の各色のフィルター層を形成するための顔料分散液として、次の組成のものを準備した。
【0029】
青顔料分散液は、青顔料粒子としてコバルトブルーX を30重量%、フォトレジストとしてΑDCを添加したPVAを 0.5重量%、高分子電解質としてポリアクリル酸共重合体のアンモニウム塩(商品名ディスペック GA-40、アライド・コロイド社製)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 0.714、レジスト濃度/顔料濃度は 0.017となっている。
【0030】
緑顔料分散液は、緑顔料粒子としてダイピロキサイドTMグリーン#3320を30重量%、フォトレジストとしてΑDC/PVΑを 2重量%、高分子電解質としてアクリル酸のナトリウム塩(商品名ディスペックN-40)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 2.857、レジスト濃度/顔料濃度は、 0.067となっている。
【0031】
赤顔料分散液は、赤顔料粒子としてFe2 O3 の微粒子(粒子径0.01μm 〜0.02μm )を30重量%、フォトレジストとしてADC/PVAを 2重量%、高分子電解質としてポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩(ハイテノール08、第一工業製薬社製)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 2.857、レジスト濃度/顔料濃度は 0.067となっている。
【0032】
顔料分散液の塗布工程Αおよび乾燥工程Bは、それぞれ以下に示す方法で行なった。基板としてのカラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、まず前記青顔料分散液を塗布した。次いで、パネル1を 100〜150rpmで回転させ、過剰の顔料分散液を振り切り、一定膜厚を有する塗布層とした後、ヒーター温度 120℃で 3〜 4分間乾燥し、図2(b)に示すように、青顔料塗布層3Bを形成した。
【0033】
次いで、パターン露光工程Cを、以下に示す方法で行なった。図2(c)に示すように、図示しないシャドウマスクを介して、高圧水銀灯を用いて所定のパターンに露光した。
【0034】
次に、現像工程Dおよび乾燥工程Eを、以下に示す方法で行なった。霧状にした現像液、例えばNaOΗを含有するpH9 のアルカリ水溶液を、現像液圧 2〜 10kg/cm2 でスプレイすることにより現像して、図2(d)に示すように、所定のパターンを有するを形成した。
【0035】
次に、前記した青顔料層の形成工程と同様にして、緑顔料層および赤顔料層を順に形成した。このとき現像液としては、緑顔料層、赤顔料層ともにLiClを含有するアルカリ水溶液を用いた。
【0036】
こうして、図2(e)に示すように、パネル1内面に青顔料層4B、緑顔料層4Gおよび赤顔料層4Rからなるフィルターパターンを形成した後、シリカ液塗布工程Fで、下記組成のpH 3.5〜 4.0に調整されたコロイダルシリカ液を、フィルターパターンの全面に塗布した後、乾燥工程Gで乾燥させ、シリカ層5を形成した。なお、コロイダルシリカ液のpHを酸性側に調整するのは、顔料層の現像にアルカリ水溶液を用いるため、これをシリカ液により中和する必要があるためである。
【0037】
コロイダルシリカ液
SNOWTEX-OS(日産化学工業社製コロイダルシリカ液の商品名;
シリカ粒子径 8〜11nm、固形分(SiO2 )20.0〜21.0%) 6.0kg
純水 80 l
次に、蛍光体層形成工程Hで、図2(f)に示すように、青顔料層4Bの上に青蛍光体層6Bを、緑顔料層4Gの上に緑蛍光体層6Gを、赤顔料層4Rの上に赤蛍光体層6Rを、それぞれ通常のスラリー法により順に形成した。
【0038】
このとき、緑・赤の各蛍光体層形成位置における青蛍光体の残査レベルを調べた。なお、この残査レベルは、0.12mmφの中にある粒径が 5μm 以上の蛍光体の点数として測定した。また、シリカ液塗布を行なわず、フィルター層上に直接蛍光体層を形成する場合(比較例1)、およびフィルター層なしでパネル内面に直接蛍光体層を形成する場合(比較例2)についても、同様に青蛍光体の残査レベルを調べた。これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
さらに、蛍光体の付着力(接着性)をチェックするために、実施例1および比較例1、2のパネルについて、平均粒径 5.5μm の各色の蛍光体が脱落しない限界膜厚を調べた。なお、膜厚は、16cm平方の面積における塗布重量として表した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例によれば、フィルター付き蛍光面の形成において、蛍光体の残査レベルが大幅に改善され、しかも蛍光体の付着力も向上するため、高品位で高輝度のカラー陰極線管を得ることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施例について、図3および図4に基づいて説明する。
実施例2
本実施例の工程の流れは図3に示すようになっており、A1〜A4およびC〜Eの工程を繰り返すことにより、複数色のフィルターパターンを形成することができる。
【0042】
まず、図4(a)に示すように、カラー陰極線管のパネル1内面に、実施例1と同様にして、ブラックマトリックスとして所定パターンの光吸収層2を形成した後、顔料分散液塗布工程A1および乾燥工程A2を、以下に示す方法で行なった。
【0043】
青、緑、赤の各色のフィルター層を形成するための顔料分散液として、次の組成のものを準備した。なお、これらの液は、実施例1で使用した顔料分散液と比べて、フォトレジストを含有しない点のみが異なっている。
【0044】
すなわち、青顔料分散液は、青顔料粒子としてコバルトブルーX を30重量%、高分子電解質としてディスペック GA-40を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023となっている。
【0045】
緑顔料分散液は、緑顔料粒子としてダイピロキサイドTMグリーン#3320を30重量%、高分子電解質としてディスペックN-40を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023となっている。
【0046】
赤顔料分散液は、赤顔料粒子としてFe2 O3 の微粒子(粒子径0.01μm 〜0.02μm )を20重量%、高分子電解質としてハイテノール08を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.035となっている。
【0047】
実施例1と同様に、カラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、まず前記青顔料分散液を塗布した。次いで、パネル1を 100〜150rpmで回転させ、過剰の顔料分散液を振り切った後、ヒーター温度 120℃で 3〜 4分間乾燥し、図4(b)に示すように、青顔料層7Bを形成した。
【0048】
次に、レジスト塗布工程A3および乾燥工程A4を、以下に示す方法で行なった。PVAを 3重量%、ADCを0.20重量%、界面活性剤を0.01重量%、残部を純水とする組成のフォトレジスト溶液を準備し、これを顔料層と同様の方法で塗布・乾燥して、図4(b)に示すように、青色顔料層7Bの上にフォトレジスト層8を積層させた。
【0049】
次いで、パターン露光工程Cを以下に示す方法で行なった。図4(c)に示すように、図示しないシャドウマスクを介して、高圧水銀灯を用いて所定のパターンに露光した。本実施例では、レジストを混合した顔料分散液を用いた実施例1の方式に比べて、 1/5の露光時間で済んだ。
【0050】
次に、現像工程Dおよび乾燥工程Eを、以下に示す方法で行なった。霧状にした現像液、例えばNa2 CO3 を含有するpΗ9 のアルカリ水溶液を、現像液圧 2〜 10kg/cm2 でスプレイすることにより現像して、図4(d)に示すように、青顔料層7Bとレジスト層8とが積層したパターンを形成した。
【0051】
次いで、このような青顔料層の形成工程と同様にして、緑顔料層および赤顔料層を順に形成した。このとき現像液としては、緑顔料層、赤顔料層ともにNa2 CO3 を含有するアルカリ水溶液を用いた。
【0052】
こうして、パネル1内面に青顔料層7B、緑顔料層7Gおよび赤顔料層7Rからなるフィルターパターンを形成した後、図4(e)に示すように、青、緑、赤各色の顔料層の上のレジスト層8を剥離し、次いでシリカ液塗布工程Fで、実施例1と同様にpH 3.5〜 4.0に調整されたコロイダルシリカ液を、フィルターパターンの全面に塗布し、乾燥工程Gで乾燥させてシリカ層5を形成した。
【0053】
しかる後、蛍光体層形成工程Hで、図4(f)に示すように、青顔料層7Bの上に青蛍光体層6Bを、緑色顔料層7Gの上に緑色蛍光体層6Gを、赤色顔料層7Rの上に赤色蛍光体層6Rを、通常の方法によりそれぞれ順に形成した。
【0054】
こうして、パネル1内面に青、緑、赤色の顔料層および蛍光体層が所定のパターンで形成された、フィルター付き蛍光面が得られた。そして、得られたフィルター付き蛍光面においては、実施例と同様に、顔料層上の蛍光体の残査レベルが大幅に改善されており、かつ蛍光体の付着力が向上していた。
【0055】
なお、実施例1では、レジストを添加混合した顔料分散液の露光感度を向上させようとすると、顔料に対するレジストの含有割合を高めることになり、顔料層(フィルター層)の透明性が低下してしまうおそれがあるが、実施例2では、レジスト層を別に設けているため、顔料層の透明性に影響を与えることなく、露光感度を大幅に向上させることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明の方法においては、フィルターパターンを構成する顔料層の上に、コロイダルシリカ液の塗布によりシリカ微粒子の層を形成しているので、フィルター層上での蛍光体残査がなく、かつ蛍光体付着力が向上し現像後の脱落がないフィルター付き蛍光面を適切に得ることができる。したがって、ユニフォミティ品位の劣化がなく、高輝度、高コントラストのカラー陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例(実施例1)の流れを示す工程図。
【図2】実施例1の各工程におけるパネル面の断面図。
【図3】本発明の第2の実施例(実施例2)の流れを示す工程図。
【図4】実施例2の各工程におけるパネル面の断面図。
【符号の説明】
1………パネル
2………光吸収層
4B、7B………青顔料層
4G、7G………緑顔料層
4R、7R………赤顔料層
5……シリカ層
6B………青蛍光体層
6G………緑蛍光体層
6R………赤蛍光体層
8………レジスト層
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー陰極線管のフィルター付き蛍光面を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カラー陰極線管において蛍光体層の前面、すなわちフェースプレートのパネル内面の蛍光体層との間に、蛍光体の発光色に対応したフィルター層を設けて、フィルター付き蛍光体層とすることが知られている。通常のカラー陰極線管のフェースプレートのパネルの内面には、青、緑、赤の各色のドット状やストライプ状等の蛍光体層が形成され、この蛍光体層に電子ビームが衝突することにより、蛍光体が各色に発光して画像表示がなされている。そしてフィルター付き蛍光体層は、フェースパネルと蛍光体層との間に、蛍光体層の発光色と同色の光を透過する各色の顔料層から構成されるフィルターパターンを設けたもので、入射した外光のうち緑や青成分の光は赤色顔料層で、緑や赤成分の光は青色顔料層で、青や赤成分の光は緑顔料層でそれぞれ吸収させ、コントラストや色純度等の画像特性を向上させようとするものである。
【0003】
このようなフィルター層を形成するには、パネルの内面に顔料層を塗布・形成した後、露光次いで現像を行なうことでパターニングする方法が一般的に行なわれている。このとき、フィルター層のパターンとして残すべき箇所には、フェースプレートとの付着性が要求され、それ以外の箇所にはフェースプレートからの剥離性が要求される。また、顔料層においては透明性が必要とされ、顔料粒子が凝集することなく均一に分散していることも要求される。そして、このように形成されたフィルター層の上に、各色の顔料層に対応する発光色を有する蛍光体層を、通常の方法により形成するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような蛍光体層の形成においては、フィルター層(顔料層)上に異なる発光色の蛍光体が残留するという問題があった。例えば、通常のスラリー法によりまず最初に青の蛍光体層を形成した場合に、緑あるいは赤のフィルター層上に青蛍光体が残査として残り、さらに次に緑の蛍光体層を同様にして形成した場合に、赤のフィルター層上に緑の蛍光体が残査として残るため、カラー陰極線管におけるユニフォミティ品位が劣化するという問題が生じていた。
【0005】
このようにフィルター層上に異なる色の蛍光体が残留する理由は必ずしも明らかではないが、概ね以下に示す理由によるものと思われる。すなわち、フィルター層を構成する顔料粒子が金属酸化物であり、またフィルター層を形成するため顔料に高分子化合物(樹脂)が添加されているため、一般に塗布すべき蛍光体の表面処理用に使用されるシリカと、フィルター層との間に静電気的な力が作用し、それにより蛍光体の残査が生じるものと思われる。なお、一般にシリカはマイナス側に帯電することから、フィルター層はシリカに比べプラス側に帯電するものと思われる。
【0006】
一方、蛍光体層を形成するには通常スラリー法が用いられ、その際のフォトレジストとしては、重クロム酸アンモニウムを加えたポリビニルアルコールの水溶液が、露光光源としては超高圧水銀灯がそれぞれ用いられる。しかし、フィルター層として用いられる顔料は、一般に前記レジストの光架橋が起こる 365nm付近の波長域では吸収があるため、露光時の感度不足特にフィルター層側での露光感度の低下が起こり、現像後の蛍光体の脱落が起こり易いという問題があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、カラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成において、フィルター層上での異なる発光色の蛍光体の残留および蛍光体の脱落をなくし、ユニフォミティ劣化のない高輝度・高コントラストのカラー陰極線管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法は、フェースプレートのパネル内面に複数色の顔料層を所定のパターンに配列したフィルターパターンを形成する工程と、前記フィルターパターンの上に、前記各色の顔料層に対応する発光色を有する蛍光体層を形成する工程とを備えたフィルター付き蛍光面の形成方法において、前記フィルターパターンを構成する顔料層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカ液を塗布して乾燥し、次いでその上に前記蛍光体層を形成することを特徴とする。
【0009】
以下、それぞれの内容についてさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明にかかわる顔料としては、無機系または有機系のいずれの顔料をも使用することができる。特に、フィルター層中に均一に分散することができ、光の散乱を起こすことなくフィルター層が十分な透明性を有するようにできる顔料の使用が好ましい。また、カラー陰極線管の製造では、高温工程を含むので、無機系の顔料の使用が好ましい。
【0011】
具体的な例として、以下の顔料を例示することが出来る。
【0012】
赤の顔料として、酸化第二鉄系の顔料である商品名シコトランスレッドL-2817(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、BASF社製)、アントラキノン系の顔料である商品名クロモファータルレッド A2B(粒子径0.01μm 、チバガイギー社製)、青の顔料として、アルミン酸コバルト(Al2 O3 −CoO)系の顔料である商品名コバルトブルーX (粒子径0.01μm 〜0.02μm 、東洋顔料社製)、群青系の顔料である商品名群青 No.8000(粒子径0.03μm 、第一化成社製)、フタロシアニンブルー系の顔料である商品名リオノールブルー FG-7370(粒子径0.01μm 、東洋インキ社製)、緑の顔料として、TiO2 −NiO−CoO−ZnO系の顔料である商品名ダイピロキサイドTM−グリーン#3320(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、大日精化社製)、CoO−Al2 O3 −Cr2 O3 系の顔料である商品名ダイピロキサイドTM−グリーン#3420(粒子径0.01μm 〜0.02μm 、大日精化社製)、Cr2 O3 系の顔料である商品名ND-801(粒子径0.35μm 、日本電工社製)、塩素化フタロシアニングリーン系の顔料である商品名ファーストゲングリーンS (粒子径0.01μm 、大日本インキ社製)、臭素化フタロシアニングリーン系の顔料である商品名ファーストゲングリーン 2YK(粒子径0.01μm 、大日本インキ社製)等を例示することができる。
【0013】
本発明において、このような顔料層からなるフィルターパターンの形成は、例えば特願平6-315059号公報に記載されているように、以下に示す手順で行なわれる。
【0014】
すなわち、まず顔料粒子と高分子電解質分散剤とを主成分とする顔料分散液を、ブラックマトリックスを有するフェースプレートのパネル内面に塗布する。塗布方法としては、スピンコート法、ローラー法、浸漬法などを用いることができ、フェースプレートの形状・大きさ等を考慮して適宜選択することができる。均一で所定の膜厚を得るには、特にスピンコート法を用いることが好ましい。こうして塗布した後塗膜を乾燥させるが、乾燥方法としては、水分を揮発させるとともに、高分子電解質塩中の塩の一部を解離させることができる方法であれば、特に限定することなく、ヒーター乾燥、熱風による乾燥、室温放置による長時間乾燥など、種々の方法を用いることができる。
【0015】
なお、顔料層のみでパターニングを行なうには、顔料分散液中に重クロム酸アンモニウム(ADC)/ポリビニルアルコール(PVA)、重クロム酸ナトリウム(SDC)/PVA、ジアゾニウム塩/PVAなどのフォトレジストを含有させておけば良い。このようなフォトレジストを含有する顔料層を塗布形成しておけば、高圧水銀灯等を用いた露光により、光(紫外線)照射された部分が硬化し、その後、水等に不溶性となった高分子電解質を可溶化する物質を含有するアルカリ水溶液を用いて現像することにより、所定のフィルターパターンを形成することができる。
【0016】
また、このようにフォトレジストを顔料分散液に含有させるのではなく、顔料層を塗布形成した後にその上にフォトレジスト層として形成し、露光・現像を行なうようにすることができる。このようにした場合には、感光特性の向上すなわち露光時間が短縮されて密着性が向上し、また形成されるフィルター層の厚さ範囲の拡大を図ることができる。
【0017】
これら一連の工程を、複数色通常は青、緑、赤色の順に繰り返して行なうことにより、青、緑、赤の3色のカラーフィルター層を形成することができる。
【0018】
本発明においては、こうして所定のパターンのフィルター層(フィルターパターン)を形成した後、このフィルター層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカ液を塗布・乾燥してシリカ層を形成し、その上に通常のスラリー法により青・緑・赤色の蛍光体層をそれぞれ形成する。
【0019】
ここで、コロイダルシリカの粒子径は、15nm以下であることが好ましく、液のpHは 2.0〜 5.0の範囲に調整することが好ましい。粒子径が15nmを越えるコロイダルシリカを使用した場合には、フィルター層上の蛍光体残渣に対して所望の効果が得られず、好ましくない。また、コロイダルシリカ液のpHを 2.0未満とした場合には、液中でシリカの凝集が生じ、反対に液のpHが 5.0を越える場合には、pHが低い場合と同様にシリカの凝集が生じ、もしくはフィルターパターンがさらに現像され、いずれの場合も好ましくない。
【0020】
さらに、コロイダルシリカ液の濃度は、シリカ固形分で 0.2〜 5.0重量%の範囲とすることが望ましく、より好ましくは 0.8〜 3.0重量%とする。シリカ濃度が 0.2重量%より低いと、液の塗布・乾燥により蛍光体残査を防止する効果がほとんど現れず、かつフィルター層と蛍光体層との間の接着性向上の効果もほとんど得られない。また、シリカの濃度が 5.0重量%を越えた場合には、フィルター層と蛍光体層との接着性は向上するが、蛍光体残査が増大するため品位が低下して好ましくない。
【0021】
以下に、フィルター層上に塗布するコロイダルシリカ液のシリカ濃度を変え、赤のフィルター層上に残留する緑蛍光体の残査レベル(点数)、および青フィルター層上での青蛍光体の接着性(付着力)を調べた結果を示す。なお、残査レベルの測定は、0.12mmφの中にある粒径が 5μm 以上の蛍光体の点数を調べることにより行なった。残査点数が20点を越えると、ホワイトユニフォミティ品位が悪化して実用上好ましくない。
【0022】
この測定結果から、フィルター層上に塗布するコロイダルシリカ液の濃度は、 0.2〜 5.0重量%の範囲とすることが望ましく、より好ましい濃度範囲は 0.8〜 3.0重量%であることが確かめられた。
【0023】
本発明においては、フィルターパターンを構成する各色の顔料層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカの分散液を塗布して乾燥することにより、フィルター層(顔料層)にダメージを与えることなく、フィルター層表面をマイナス側に帯電させることができるので、このマイナスに帯電したフィルター層表面と、蛍光体の表面処理に使用されるシリカとの間の電気的な反発力により、蛍光体残査の発生が防止される。また、コロイダルシリカ液の塗布・乾燥により形成されるシリカ層が、接着補助剤として働くので、フィルター層と蛍光体層との間の接着性が改善され、現像後の蛍光体の脱落が防止される。
【0024】
したがって、蛍光面のユニフォミティ品位を劣化させることなく、高コントラスト・高輝度のカラー陰極線管を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0026】
実施例1
図1は、本発明の一実施例の工程を示す図であり、図2は、実施例の各工程でのパネル面の断面図である。基本的には、図1のA〜Eの工程でまず青色(あるいは緑色)のフィルターパターンが形成され、次に同様にA〜Eの工程を繰り返すことにより、緑(あるいは青)色と赤色のフィルターパターンが順に形成される。次いで、F、Gの工程でコロイダルシリカ液が塗布・乾燥された後、Hの工程で蛍光体層が所定のパターンで形成されることになる。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、カラー陰極線管のパネル1内面に、ブラックマトリックスとしての所定パターンの光吸収層2を、公知の方法で形成した。すなわち、パネル1内面にレジストを塗布し、シャドウマスクを介して露光し、現像し、乾燥して、顔料層および蛍光体層の形成予定部にストライプ状またはドット状の光硬化膜を残留させた。次いで、その上に光吸収物質、例えば黒鉛を塗布して結着させた後、過酸化水素水で洗浄して光硬化膜を溶解することにより、その上の光吸収物質を除去し、顔料層および蛍光体層の形成予定部となるホール部を露出させて、パターニングされた光吸収層2を形成した。
【0028】
次に、青、緑、赤の各色のフィルター層を形成するための顔料分散液として、次の組成のものを準備した。
【0029】
青顔料分散液は、青顔料粒子としてコバルトブルーX を30重量%、フォトレジストとしてΑDCを添加したPVAを 0.5重量%、高分子電解質としてポリアクリル酸共重合体のアンモニウム塩(商品名ディスペック GA-40、アライド・コロイド社製)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 0.714、レジスト濃度/顔料濃度は 0.017となっている。
【0030】
緑顔料分散液は、緑顔料粒子としてダイピロキサイドTMグリーン#3320を30重量%、フォトレジストとしてΑDC/PVΑを 2重量%、高分子電解質としてアクリル酸のナトリウム塩(商品名ディスペックN-40)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 2.857、レジスト濃度/顔料濃度は、 0.067となっている。
【0031】
赤顔料分散液は、赤顔料粒子としてFe2 O3 の微粒子(粒子径0.01μm 〜0.02μm )を30重量%、フォトレジストとしてADC/PVAを 2重量%、高分子電解質としてポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩(ハイテノール08、第一工業製薬社製)を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023、レジスト濃度/高分子電解質濃度は 2.857、レジスト濃度/顔料濃度は 0.067となっている。
【0032】
顔料分散液の塗布工程Αおよび乾燥工程Bは、それぞれ以下に示す方法で行なった。基板としてのカラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、まず前記青顔料分散液を塗布した。次いで、パネル1を 100〜150rpmで回転させ、過剰の顔料分散液を振り切り、一定膜厚を有する塗布層とした後、ヒーター温度 120℃で 3〜 4分間乾燥し、図2(b)に示すように、青顔料塗布層3Bを形成した。
【0033】
次いで、パターン露光工程Cを、以下に示す方法で行なった。図2(c)に示すように、図示しないシャドウマスクを介して、高圧水銀灯を用いて所定のパターンに露光した。
【0034】
次に、現像工程Dおよび乾燥工程Eを、以下に示す方法で行なった。霧状にした現像液、例えばNaOΗを含有するpH9 のアルカリ水溶液を、現像液圧 2〜 10kg/cm2 でスプレイすることにより現像して、図2(d)に示すように、所定のパターンを有するを形成した。
【0035】
次に、前記した青顔料層の形成工程と同様にして、緑顔料層および赤顔料層を順に形成した。このとき現像液としては、緑顔料層、赤顔料層ともにLiClを含有するアルカリ水溶液を用いた。
【0036】
こうして、図2(e)に示すように、パネル1内面に青顔料層4B、緑顔料層4Gおよび赤顔料層4Rからなるフィルターパターンを形成した後、シリカ液塗布工程Fで、下記組成のpH 3.5〜 4.0に調整されたコロイダルシリカ液を、フィルターパターンの全面に塗布した後、乾燥工程Gで乾燥させ、シリカ層5を形成した。なお、コロイダルシリカ液のpHを酸性側に調整するのは、顔料層の現像にアルカリ水溶液を用いるため、これをシリカ液により中和する必要があるためである。
【0037】
コロイダルシリカ液
SNOWTEX-OS(日産化学工業社製コロイダルシリカ液の商品名;
シリカ粒子径 8〜11nm、固形分(SiO2 )20.0〜21.0%) 6.0kg
純水 80 l
次に、蛍光体層形成工程Hで、図2(f)に示すように、青顔料層4Bの上に青蛍光体層6Bを、緑顔料層4Gの上に緑蛍光体層6Gを、赤顔料層4Rの上に赤蛍光体層6Rを、それぞれ通常のスラリー法により順に形成した。
【0038】
このとき、緑・赤の各蛍光体層形成位置における青蛍光体の残査レベルを調べた。なお、この残査レベルは、0.12mmφの中にある粒径が 5μm 以上の蛍光体の点数として測定した。また、シリカ液塗布を行なわず、フィルター層上に直接蛍光体層を形成する場合(比較例1)、およびフィルター層なしでパネル内面に直接蛍光体層を形成する場合(比較例2)についても、同様に青蛍光体の残査レベルを調べた。これらの結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
さらに、蛍光体の付着力(接着性)をチェックするために、実施例1および比較例1、2のパネルについて、平均粒径 5.5μm の各色の蛍光体が脱落しない限界膜厚を調べた。なお、膜厚は、16cm平方の面積における塗布重量として表した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例によれば、フィルター付き蛍光面の形成において、蛍光体の残査レベルが大幅に改善され、しかも蛍光体の付着力も向上するため、高品位で高輝度のカラー陰極線管を得ることができる。
【0041】
次に、本発明の第2の実施例について、図3および図4に基づいて説明する。
実施例2
本実施例の工程の流れは図3に示すようになっており、A1〜A4およびC〜Eの工程を繰り返すことにより、複数色のフィルターパターンを形成することができる。
【0042】
まず、図4(a)に示すように、カラー陰極線管のパネル1内面に、実施例1と同様にして、ブラックマトリックスとして所定パターンの光吸収層2を形成した後、顔料分散液塗布工程A1および乾燥工程A2を、以下に示す方法で行なった。
【0043】
青、緑、赤の各色のフィルター層を形成するための顔料分散液として、次の組成のものを準備した。なお、これらの液は、実施例1で使用した顔料分散液と比べて、フォトレジストを含有しない点のみが異なっている。
【0044】
すなわち、青顔料分散液は、青顔料粒子としてコバルトブルーX を30重量%、高分子電解質としてディスペック GA-40を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023となっている。
【0045】
緑顔料分散液は、緑顔料粒子としてダイピロキサイドTMグリーン#3320を30重量%、高分子電解質としてディスペックN-40を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.023となっている。
【0046】
赤顔料分散液は、赤顔料粒子としてFe2 O3 の微粒子(粒子径0.01μm 〜0.02μm )を20重量%、高分子電解質としてハイテノール08を 0.7重量%の割合で、それぞれ純水中に分散させて調製した。このとき、高分子電解質濃度/顔料濃度は 0.035となっている。
【0047】
実施例1と同様に、カラー陰極線管のパネル1を温度30℃に保持し、まず前記青顔料分散液を塗布した。次いで、パネル1を 100〜150rpmで回転させ、過剰の顔料分散液を振り切った後、ヒーター温度 120℃で 3〜 4分間乾燥し、図4(b)に示すように、青顔料層7Bを形成した。
【0048】
次に、レジスト塗布工程A3および乾燥工程A4を、以下に示す方法で行なった。PVAを 3重量%、ADCを0.20重量%、界面活性剤を0.01重量%、残部を純水とする組成のフォトレジスト溶液を準備し、これを顔料層と同様の方法で塗布・乾燥して、図4(b)に示すように、青色顔料層7Bの上にフォトレジスト層8を積層させた。
【0049】
次いで、パターン露光工程Cを以下に示す方法で行なった。図4(c)に示すように、図示しないシャドウマスクを介して、高圧水銀灯を用いて所定のパターンに露光した。本実施例では、レジストを混合した顔料分散液を用いた実施例1の方式に比べて、 1/5の露光時間で済んだ。
【0050】
次に、現像工程Dおよび乾燥工程Eを、以下に示す方法で行なった。霧状にした現像液、例えばNa2 CO3 を含有するpΗ9 のアルカリ水溶液を、現像液圧 2〜 10kg/cm2 でスプレイすることにより現像して、図4(d)に示すように、青顔料層7Bとレジスト層8とが積層したパターンを形成した。
【0051】
次いで、このような青顔料層の形成工程と同様にして、緑顔料層および赤顔料層を順に形成した。このとき現像液としては、緑顔料層、赤顔料層ともにNa2 CO3 を含有するアルカリ水溶液を用いた。
【0052】
こうして、パネル1内面に青顔料層7B、緑顔料層7Gおよび赤顔料層7Rからなるフィルターパターンを形成した後、図4(e)に示すように、青、緑、赤各色の顔料層の上のレジスト層8を剥離し、次いでシリカ液塗布工程Fで、実施例1と同様にpH 3.5〜 4.0に調整されたコロイダルシリカ液を、フィルターパターンの全面に塗布し、乾燥工程Gで乾燥させてシリカ層5を形成した。
【0053】
しかる後、蛍光体層形成工程Hで、図4(f)に示すように、青顔料層7Bの上に青蛍光体層6Bを、緑色顔料層7Gの上に緑色蛍光体層6Gを、赤色顔料層7Rの上に赤色蛍光体層6Rを、通常の方法によりそれぞれ順に形成した。
【0054】
こうして、パネル1内面に青、緑、赤色の顔料層および蛍光体層が所定のパターンで形成された、フィルター付き蛍光面が得られた。そして、得られたフィルター付き蛍光面においては、実施例と同様に、顔料層上の蛍光体の残査レベルが大幅に改善されており、かつ蛍光体の付着力が向上していた。
【0055】
なお、実施例1では、レジストを添加混合した顔料分散液の露光感度を向上させようとすると、顔料に対するレジストの含有割合を高めることになり、顔料層(フィルター層)の透明性が低下してしまうおそれがあるが、実施例2では、レジスト層を別に設けているため、顔料層の透明性に影響を与えることなく、露光感度を大幅に向上させることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明の方法においては、フィルターパターンを構成する顔料層の上に、コロイダルシリカ液の塗布によりシリカ微粒子の層を形成しているので、フィルター層上での蛍光体残査がなく、かつ蛍光体付着力が向上し現像後の脱落がないフィルター付き蛍光面を適切に得ることができる。したがって、ユニフォミティ品位の劣化がなく、高輝度、高コントラストのカラー陰極線管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例(実施例1)の流れを示す工程図。
【図2】実施例1の各工程におけるパネル面の断面図。
【図3】本発明の第2の実施例(実施例2)の流れを示す工程図。
【図4】実施例2の各工程におけるパネル面の断面図。
【符号の説明】
1………パネル
2………光吸収層
4B、7B………青顔料層
4G、7G………緑顔料層
4R、7R………赤顔料層
5……シリカ層
6B………青蛍光体層
6G………緑蛍光体層
6R………赤蛍光体層
8………レジスト層
Claims (3)
- フェースプレートのパネル内面に複数色の顔料層を所定のパターンに配列したフィルターパターンを形成する工程と、前記フィルターパターンの上に、前記各色の顔料層に対応する発光色を有する蛍光体層を形成する工程とを備えたフィルター付き蛍光面の形成方法において、
前記フィルターパターンを構成する顔料層の上に、酸性に調整されたコロイダルシリカ液を塗布して乾燥し、次いでその上に前記蛍光体層を形成することを特徴とするカラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法。 - 前記コロイダルシリカの粒子径が、15nm以下であることを特徴とする請求項1記載のカラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法。
- 前記コロイダルシリカ液のpHが、 2.0〜 5.0であることを特徴とする請求項1または2記載のカラー陰極線管のフィルター付き蛍光面の形成方法。
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