JPH0629403B2 - カラ−テレビジヨン用螢光体 - Google Patents

カラ−テレビジヨン用螢光体

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JPH0629403B2
JPH0629403B2 JP61312537A JP31253786A JPH0629403B2 JP H0629403 B2 JPH0629403 B2 JP H0629403B2 JP 61312537 A JP61312537 A JP 61312537A JP 31253786 A JP31253786 A JP 31253786A JP H0629403 B2 JPH0629403 B2 JP H0629403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の産業上利用分野] 本発明はカラーテレビジョン用螢光体に係り、特にスラ
リ塗布法で螢光体塗布膜を形成するにあたって混色を防
止したカラーテレビジョン用螢光体に関する。
[従来の技術とその問題点] 周知のように、カラーテレビジョンブラウン管の螢光膜
は緑色、青色、赤色発光螢光体をブラウン管フェースプ
レート上に、ドットあるいはストライプを規則的に繰り
返し塗られたものである。現在、このカラーテレビジョ
ンブラウン管の螢光体塗布膜の最も一般的な製造方法は
フォトレジスト法によるものである。即ち、螢光体を
水、ポリビニルアルコール、重クロム酸アンモニウム及
びその他の添加剤と共に混合し、分散させ、水懸濁スラ
リーを調製する。得られた螢光体スラリーをブラウン管
フェースプレート上に回転塗布し、均一なスラリー膜を
得る。その後、スラリー膜を乾燥して得られた螢光膜
に、シャドウマスクを介して所定のパターンに特定波長
の紫外線を照射する。この照射を受けた部位はポリビニ
ルアルコールが架橋反応を起こし、水に対して不溶化す
る(露光)。非露光部位は水溶性を保持したままである
ので、水に溶解し、露光を受けた部位だけがフェースプ
レート上に残留し、所望のパターンを得る(現像)。こ
の工程を緑色、青色、赤色発光螢光体について3回繰り
返し、カラーブラウン管用螢光膜を得る。
しかし、実際的な問題として、水による現像によって非
露光部の螢光体は完全には除去されておらず、フェース
プレートのガラス上又は既に塗布されたストライプある
いは、ドットの上にかなりの量の螢光体が残留する。
又、ブラックマトリックスを用いているブラウン管に於
てはカーボンを最初に塗布するため、カーボン上へもか
なりの量の螢光体が残留している。このように、期待さ
れない位置に螢光体が残留した場合、電子線を照射する
と異なる色の発光を起こし、発光色の色純度が低下し、
色再現範囲が狭くなり、ブラウン管の特性が悪化する
(以下この螢光体の残留を混色と呼ぶ)。かかる理由に
よって、ブラウン管フェースプレート上の他色ストライ
プ又はドット及びカーボン上への螢光体の混色防止が螢
光体に要求されている。
混色防止対策として、従来より、螢光体表面に二酸化ケ
イ素、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、水酸化亜鉛等
を付着させる方法が用いられていた。これ等の方法は表
面へのコート量を増加させることにより、残留螢光体数
を減らすことができるが、その一方で螢光体が凝集気味
となり、その結果塗布面が不均一となり、ブラウン管フ
ェースプレートとの接着力が低下し、形成した螢光膜の
パターンがはがれ易くなる欠点があった。即ち、この方
法は、螢光体を凝集気味にすることにより、多数の微粒
子がまとまって、見かけ上粒子径の大きい2次粒子を形
成し、残留の原因となる微粒子を減少させることにあ
る。
[発明の目的] この発明の目的は、カラーテレビジョンフェースプレー
ト上に螢光体塗布膜を形成するにあたり、混色を迎える
ことができ、しかも塗布膜形成時の螢光体スラリーにお
ける分散性を向上させたカラーテレビジョン用螢光体を
提供することにある。
[問題点を解決する為の手段] 本発明はカゼインを少なくとも含む有機バインダーで螢
光体にシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、
酸化チタン(TiO)等の添加剤、及び顔料粒子を螢
光体に分散性を損なわず付着させ、しかもその強固な付
着力により添加剤及び顔料粒子を安定にコートし、混色
を防止している。
カゼインはリンタンパクの一種で乳の主要タンパク質で
あり、特に牛乳中のカゼイン含量は3.0%と最も多
く、水、有機バインダーに難溶で、希アルカリには溶け
る。牛乳カゼインはα−カゼイン(75%、等電点pH
4.0〜4.1)、β−カゼイン(22%、等電点pH
4.5)、γ−カゼイン(3%、等電点pH5.8〜
6.0)の混合物であり、本発明の螢光体にはこれを使
用する。
その方法の一例を螢光体に対するシリカのコートで簡単
に説明する。螢光体の分散スラリー中にカゼイン及びシ
リカを添加し、その後、酢酸等の酸でスラリーのpHを
等電点の荷重平均の4.2までにさげる。このとき、カ
ゼインが酸により凝集を起こし、その凝集力で螢光体に
シリカを付着させる。
このとき、凝乳酵素であるレンニンが共存すると、その
酸の作用によりレンニンは活性レンニンとなり、カゼイ
ンに作用し非タンパク窒素を増加させ、カゼインはパラ
カゼインになり、より緻密でしかも強固なコートを実現
する。
また、カゼイン単独、或はレンニン併用にかかわらず、
この方法によりコートした螢光体は中性あるいは酸性の
水溶液に安定で、シリカのハガレは他の有機バインダー
例えば、ゼラチン等に比べ極めて少ないが、コート後、
ホルマリンを作用させることにより、カゼインは象牙質
のプラスチックになり、より強固なコートが得られ、し
かも、分散性の高い螢光体を得ることができる。
これらの組み合わせを螢光体の塗布の条件に応じて、選
択することにより、螢光体にシリカ(SiO)、アル
ミナ(Al)、酸化チタン(TiO)等の添加
剤、及び、顔料粒子を螢光体に分散性を損なわず付着さ
せ、しかもその強固な付着力により添加剤及び顔料粒子
を安定にコートし、混色を防止しできる。
[作用] 混色の大きな原因に静電的因子がある。物質が溶媒に浸
されるとき、その表面は溶媒に対し、特有の平衡電位を
持ちこれは通常表面電位と呼ばれる。
表面電位の近いものの間ではお互いに反発しあい、逆に
遠いものの間では反発しあう。この現象は静電的な力に
良く似ている。本発明はカゼインの有機バインダーとし
ての特性を用い、この反発力を利用している。即ち、混
色は前記した通り、フェースプレート上の他色ドットま
たはストライプが形成されるべきガラス面への螢光体の
残り(以下ガラス面のヘイズ)、ブラックマトリックス
に使用しているカーボン上への螢光体の残り(以下カー
ボン面のヘイズ)、及び他色ドットまたはストライプの
上への螢光体の残り(以下クロスコンタミネーション)
により起きる。これら混色の第一の原因は螢光体とこれ
らの間の静電的相互作用であると考えられる。螢光体の
表面は無機質であり、相手のガラス面、カーボン、他色
ドットあるいはストライプの表面には、ポリビニルアル
コール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等
有機物がコートされている。そのため、螢光体とこれら
との間の表面電位の差が大きくなり、静電的引力が大き
くなる。その結果として、混色を起こすようになる。こ
のことはZn(OH)、Al(OH)無機バイン
ダーでシリカ、アルミナ等をコートしたものの同じであ
る。
これに対し、本発明の螢光体はリンタンパクの一種のカ
ゼインで表面をコートしているため、即ち表面が有機物
であるため、相手のガラス面、カーボン、他色ドットあ
るいはストライプの表面との間の表面電位の差が小さく
なり、その結果混色は極めて少なくなる。
しかも、無機バインダーでシリカ、アルミナ等をコート
させたものに比べ螢光体どうしの間の凝集が小さく、即
ち高分散性の螢光体が得られ、その結果フェースプレー
トとの接着力が向上する。
このように本発明の螢光体を用いたカラーブラウン間は
螢光体の接着力を損なわず、即ち、カラーブラウン管の
歩留まりを落とさず、色純度を高め、色再現範囲を拡大
することができる。
[発明の効果] 本発明の螢光体を試験するため、ブラックマトリックス
を用いているカラーブラウン管に於て、従来より行われ
ている方法でフェースプレート上にストライプを形成し
た。まず、カーボンストライプの形成は次の方法により
行った。
フェースプレートをフッ化水素酸処理を行う。
水洗する。
PVA及びアンモニウムダイクロメート(以下AD
C)スラリーをフェースプレート上に塗布する。
50℃で3分間乾燥する。
ストライプの配列を有するシャドウマスクを介し
て、波長3650オングストロームの波長で2分間露光
する。[この露光によってPVAは架橋して水に不溶と
なる] フェースプレート内面を水洗する。これにより未露
光部分のPVAだけを除去し、不溶化したPVA重合物
のみをパネル内面に残す。
この上に粒子径が0.1〜0.2μmのカーボン微
粉末5%スラリーを回転塗布機で塗布する。
赤外線ランプで70℃により30分間乾燥硬膜させ
る。
60℃の5%過酸化水素水でPVA重合物を酸化分
解する。
フェースプレートを下向きにして液を捨て、この状
態で回転させながら5Kg/cmの水圧の温水のスプレ
ーを1分間あてて、PVA重合体ストライプを形成し
た。(第1図の(1)に塗布膜の断面図を示す) 次に第1色目の緑色発光螢光体ストライプの形成を次の
方法により行った。
前記カーボンストライプの仕上がったフェースプレ
ート上にPVA、ADC、水スラリーを塗布する。
50℃で3分間乾燥する。
通常の方法で調製したPVA、ADC、緑色発光螢
光体塗布スラリーをフェースプレート上に回転塗布す
る。
50℃で3分間乾燥する。
ストライプの配列を有するシャドウマスクを介して
波長3650オングストロームの波長で2分間露光す
る。(この露光によってPVAは架橋して水に不溶とな
る。) フェースプレートを下向きにして、回転させながら
1Kg/cmの水圧の温水のスプレーを1分間あてて、
未露光部位を溶解し、緑色発光螢光体ストライプを得
る。(第1図の(2)に塗布膜の断面を示す) これと全く同様の方法で、青色、赤色発光螢光体の順
に、その付着すべき位置にストライプを形成する。(第
1図の(3)及び(4)に塗布膜の断面を示す。
第1図の(1)〜(4)よりつぎの(イ)〜(チ)の9
種類の混色が起こり得る。
(イ) 緑色発光螢光体のカーボン上の混色(以下G/
Cと略す) (ロ) 緑色発光螢光体の青色発光螢光体が付着すべき
位置への混色(以下G/Bと略す) (ハ) 緑色発光螢光体の赤色発光螢光体が付着すべき
位置への混色(以下G/Rと略す) (ニ) 青色発光螢光体のカーボン上への混色(以下B
/Cと略す) (ホ) 青色発光螢光体の緑色発光螢光体への混色(以
下B/Gと略す) (ヘ) 青色発光螢光体の赤色発光螢光体が付着すべき
位置への混色(以下B/Rと略す) (ト) 赤色発光螢光体のカーボン上への混色(以下R
/Cと略す) (チ) 赤色発光螢光体の緑色発光への混色(以下R/
Gと略す) (リ) 赤色発光螢光体の青色発光螢光体への混色(以
下R/Bと略す) 尚、前記した通り、螢光体の他色螢光体ドットあるいは
ストライプの上の混色を特にクロスコンタミネーション
といい、一方、他色ドットあるいはストライプが形成さ
れるべき位置、及びカーボン上への混色等をヘイズと呼
ぶ。前者に(ホ)B/G、(チ)R/G、(リ)R/
B、後者(ロ)G/B、(ハ)G/R、(ヘ)B/R、
(イ)G/C、(ニ)B/C、(ト)R/Cが該当す
る。
本発明の効果を試験するために、カゼインの量と混色の
関係を調べた。
ここで、緑色発光螢光体にはZnS:Cu、Al、青色
発光螢光体にはZnS:Ag、赤色発光螢光体として、
S:Euを選んだ。
[クロスコンタミネーションの試験法] (ホ)のB/Gの試験のためには、塗布工程の全てが完
了して第1図、(4)の状態の緑色発光螢光体ZnS:
Cu、Alのストライプに紫外線落射型光学顕微鏡を通
して、3650オングストロームの紫外線を照射し、発
光を倍率が20倍の対物レンズより受け、ハーフミラー
で分割された2つの光をそれぞれ緑、及び青のラッテン
フィルターを通して、フォトマルで受光し、それぞれの
出力を測定して、青色出力/緑色出力の値を求めた。各
螢光体試料について青色出力/緑色出力の値を求め、カ
ゼインの付着量が0で、水酸化亜鉛0.05%、大粒子
シリカ0.5%付着させた従来の螢光体を1として規格
化し、各螢光体試料をカゼインの付着量に対してプロッ
トして、第2図(ホ)を得た。
(チ)のR/Gの場合、赤及び緑、(リ)のR/Bの場
合、赤及び青のラッテンフィルターを使用すること以外
(ホ)のB/Gと同じ方法で試験を行い第2図(チ)及
び第2図(リ)を得た。
[ヘイズの試験法」 (ロ)のG/Bの試験のためには、塗布工程の全てが完
了した第1図(4)の状態の青色発光成分螢光体Zn
S:Agのストライプに、3650オングストロームの
紫外線を照射し、ブラウン管を透過した発光をハーフミ
ラーで分割し、分割された2つの光をそれぞれ緑および
青のラッテンフィルターを通し、フォトマルで受光し、
それぞれの出力を測定して緑色出力/青色出力の値を求
めた。各螢光体試料について緑色出力/青色出力の値を
求め、カゼインの付着量が0で、水酸化亜鉛0.05
%、大粒子シリカ0.5%付着させた従来の螢光体を1
として規格化し、各螢光体試料をカゼイン付着量に対し
てプロットして第3図(ロ)を得た。
(ハ)のG/Rの場合、緑及び赤、(ヘ)のB/Rの場
合、青及び赤のラッテンフィルターを使用すること以
外、(ロ)のG/Bと同じ方法で試験を行い、第3図
(ハ)及び第3図(ヘ)を得た。(イ)のG/Cのよう
な螢光体のカーボン上への混色の場合も塗布工程の全て
が完了した第1図(4)の状態で行う。
カーボンストライプに紫外線落射型光学顕微鏡を通し
て、3650オングストロームの紫外線を照射し、これ
を100倍に拡大し、0.2mm×0.2mm中の緑色
発光螢光体の数を数えた。これをカゼインの付着量が0
で、水酸化亜鉛0.005%、大粒子シリカ0.5%付
着させた従来の螢光体を1として規格化し、各螢光体試
料をカゼイン付着量に対して、プロットして、第4図
(イ)を得た。この場合、4箇所で測定して平均した。
(ニ)B/Cの場合、(ト)R/Cの場合も同じ方法に
より試験を行い第4図(ニ)及び第4図(ト)を得た。
第2図(ホ)〜(チ)、第3図(ロ)〜(ヘ)、第4図
(イ)〜(ト)を一目すれば分かるように、クロスコン
タミネーション、ヘイズともに最適なカゼイン付着量で
混色量が著しく減少していることが分かる。特に0.0
1%〜0.5%の減少は著しい。それ以上では減少は少
ない。
[フェースプレートへの接着力の測定法] 前記ストライプ形成方法に従いストライプを得るのは同
じだが、シャドウマスクと紫外線光源の間に濃度フィル
ターNDF(ニュートラル、デンシティフィルター)を
置き、フェースプレート上螢光体塗布面を照射する紫外
線光量に応じて幅の太いものから、細いものまで形成さ
れる。
このうち最も細いストライプ幅をもって接着力という。
従って接着力が強いとは、より細いストライプが、現像
後もフェースプレートに接着していることを意味する。
接着力の測定を前記緑、青、赤色発光螢光体について、
カゼイン付着量に対してプロットして第5図(1)〜
(3)を得た。第5図より、いずれの螢光体もカゼイン
の付着量が0.005〜0.3%の範囲で、幅は最小と
なり、これより多くても、少なくても接着力は低下す
る。
ストライプ幅の実用性からの限界は200μmで、どれ
もカゼイン付着量は0.5%以下が望ましいことが分か
る。
[沈降容積の測定方法] 螢光体試料5gを重クロム酸アンモニウム含有ポリビニ
ルアルコール水溶液30g中に入れ、沈降管で24時間
沈降させて容積を読み取り、1g当たりの容積に換算し
たものである。沈降容積の値が大きい程、分散性が悪い
ことを意味し、逆に沈降容積の値が小さい程分散性が良
いことを意味する。沈降容積の測定を前記緑色、青色、
赤色、発光螢光体について、カゼインの付着量に対して
プロットして第6図(1)〜(3)を得た。
第6図より、いずれの螢光体もカゼインの付着量と共に
沈降容積は増加傾向にあり、分散性は低下しているが、
0.2%以下ではいずれも沈降容積の増加はそれほど大
きくはない。
以上のことより、混色(クロスコンタミネーション、ヘ
イズ)はカゼインが0.005重量%以上で著しく効果
を上げているが、カゼインの付着量が0.2重量%を越
えると螢光体間の凝集が無視できなくなり、0.5重量
%を越えると接着力が著しく低下する。
このようにカゼイン付着量は0より多く0.5重量%以
下であり、好ましくは0.005重量%〜0.5重量%
である。本発明の螢光体はこの他有機バインダーとし
て、ゼラチン、アクリルエマルジョン、CMC、PV
A、ポリスチレン樹脂およびアラビアゴム等と併用し、
同様の効果を得ている。
又、本発明の螢光体に効果があるSiOの範囲は種々
の実験の結果、0.005〜5重量%であり、0.00
5%より少ないとヘイズ、クロスコンタミネーションを
悪化させ、又、5重量%より多いと混色に対して有効で
あるが、接着力が低下することが分っている。
又、本発明の螢光体に効果があるSiOの平均粒子径
の範囲は種々の実験の結果、10〜200mμであるこ
とが分っている。
Al、TiO等の分散剤についても調べたとこ
ろ、SiOの場合と同様であった。
[好ましい実施例] (実施例1) ZnS:Cu、A緑色発光螢光体1000gを水3に
懸濁させ、ボールミルにより3時間2%シリカといっし
ょに分散させる。分散螢光体スラリーを攪拌しながら
2.0w/v%カゼインバインダー溶液50ミリリット
ルを加え、攪拌しながら、酢酸を加え、pHを4.2と
する。
そして、螢光体を沈降させ、上澄み液をデカンテーショ
ンにて除去し、ろ別し乾燥した。乾燥した螢光体を20
0メッシュふるいを通して、カゼインが付した螢光体を
得た。
次に上述のようにして得られた螢光体と、通常の重クロ
ム酸アンモニウム含有ポリビニルアルコール水溶液とを
用いて通常の方法で螢光体スラリーを調製し、得られる
螢光体スラリーを用いて塗布試験を行い、混色(クロス
コンタミーネーション及びヘイズ)を調べた。
その結果を第7図の表に於て、カゼイン表面処理を行わ
ず、SiO、Zn(OH)による表面処理を施した
螢光体に対して比較する。尚、青色発光螢光体としてZ
nS:Ag螢光体、赤色発光螢光体としてYS:
Eu螢光体を用い、緑色、青色及び赤色発光螢光体の順
に塗布した。
第7図の表から明らかなように、カゼインによる表面処
理を行った螢光体はカゼインによる表面処理を行わなか
ったものに比べ、混色を受けにくく、又、起こしにくい
ことが分かる。
(実施例2) 螢光体分散時のシリカを1%とし、2.0w/v%カゼ
イン溶液25ミリリットルを同時に加えること以外、実
施例1と同様の方法で行った。
結果は第7図の表の通りで、実施例1とほぼ同じであ
る。
(実施例3) コート時に螢光体に対し、0.01%のレンニンを加え
ること以外実施例2と同様の方法で行った。結果は第7
図の表の通りで実施例1とほぼ同じであるが、この場
合、特に塗布面の向上が見られた。
(実施例4) ろ過分散時に螢光体に対し、3%ホルムアルデヒドを加
えること以外実施例1と同様の方法で行った。結果は第
7図の表の通りで、実施例1とほぼ同じである。
(実施例5) 2w/v%コート時にカゼイン溶液を25ミリリット
ル、2w/v%アクリルエマルジョン溶液25ミリリッ
トルに替えること以外実施例4と同様の方法で行った。
結果は第7図の表の通りで、実施例1とほぼ同じであ
る。
(実施例6) 螢光体をZnS:Ag青色発光螢光体に替えること以外
実施例4と全く同じ方法で表面処理を行い、同様の方法
で螢光体スラリーを調製し、同条件で、カゼイン表面処
理を行わず、SiO、Zn(OH)による表面処理
を施した螢光体に対して比較する。尚、緑色発光螢光体
として、ZnS:Cu、Al螢光体、赤色発光螢光体と
して、YS:Euを用いた。
第7図の表から明らかなように、カゼインによる表面処
理を行った螢光体はカゼインによる表面処理を行わなか
ったものに比べ混色を受けにくく、又起こしにくいこと
が分かる。
(実施例7) 螢光体をYS:Eu赤色発光螢光体に替えること
以外実施例1と同様の方法で行った。第1表から明らか
なように、カゼインによる表面処理を行わなかったもの
に比べ混色を受けにくく、又起こしにくいことが分か
る。
本発明の螢光体は実施例1〜実施例5に限らず、種々の
有機バインダーの組み合わせを実施している。
又、螢光体は上記のもののみならず、ZnS:Cu、A
u、Al緑色発光螢光体、(Zn、Cd)S:Cu、A
l緑色発光螢光体、Y:Eu赤色発光螢光体及び
これらに顔料を付着させた螢光体についても実施してい
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は各螢光体ドットに他色ドットが付着する状態を
示す模式図、第2図ないし第4図はカゼイン付着量に対
する混色をグラフで示す図、第5図はカゼイン付着量に
対する接着力をグラフで示す図、第6図はカゼイン付着
量に対する沈降容積をグラフで示す図、第7図は、クロ
スコンタミネーションとヘイズを表にして示す図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】螢光体粒子と、該螢光体粒子表面に付着さ
    れシリカ(SiO)、アルミナ(Al)及び酸
    化チタン(TiO)から選ばれた少なくとも1種の添
    加剤粒子とからなるカラーテレビジョン用螢光体におい
    て、螢光体に対し0.005〜0.5重量%の範囲とす
    るカゼインを少なくとも含む有機バインダによって、上
    記螢光体粒子表面に表面処理が施されて上記添加剤粒子
    が付着されてなることを特徴とするカラーテレビジョン
    用螢光体。
  2. 【請求項2】上記表面処理がカゼインと共にレンニンを
    併用することにより施されてなることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項に記載のカラーテレビジョン用螢光
    体。
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