JPH0689660A - カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物 - Google Patents

カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物

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JPH0689660A
JPH0689660A JP4235160A JP23516092A JPH0689660A JP H0689660 A JPH0689660 A JP H0689660A JP 4235160 A JP4235160 A JP 4235160A JP 23516092 A JP23516092 A JP 23516092A JP H0689660 A JPH0689660 A JP H0689660A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光体膜の充填密度を高め、かつ、蛍光面の
平坦度をよくしてアルミニウム蒸着膜の鏡面反射効果を
向上させることにより、ブラウン管の発光輝度を向上さ
せること。 【構成】 カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物
として純水、蛍光体粉末、ポリビニルアルコール、重ク
ロム酸ナトリウムからなるカラーブラウン管用蛍光体ス
ラリー液組成物であって、エチルシリケート及び硫酸亜
鉛を添加したことを特徴とする。 【効果】 蛍光体スラリー液組成物を用いて製造された
ブラウン管は、アルミニウム蒸着膜の鏡面反射効率がす
ぐれ、ブラウン管の発光輝度もなお非常に高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーブラウン管用蛍光
体スラリー液組成物に関し、より詳しくは、従来の蛍光
体スラリー液にエチルシリケート水溶液及び硫酸亜鉛水
溶液をさらに添加することにより、蛍光面の発光輝度が
従来に比べて一層向上したカラーブラウン管を製造する
ことに関連した技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ブラウン管の内面には赤色発光
蛍光体、青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体が均一に被着
された蛍光面が存在する。このような蛍光面の形成方法
としては、感光性耐食剤含有の蛍光体スラリー液組成物
をブラウン管の内面に塗布して感光性耐食膜を形成した
後、シャドウマスクを通じて露光して現像する過程を緑
色発光蛍光体、青色発光蛍光体、赤色発光蛍光体に対し
順次に行うことにより蛍光面を形成するスラリー法が広
く用いられている。
【0003】スラリーに用いられる蛍光体スラリー液組
成物として、例えば特公昭59-19156号には、蛍光体粉
末、ポリビニルアルコール、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、重クロム酸アンモニウム及び純水からなる蛍光体ス
ラリーが開示されている。従来のスラリー法に用いられ
る蛍光体スラリー液組成物を用いて製造されたブラウン
管の蛍光面は、蛍光体膜の充填密度が低く、蛍光面の平
坦度が低くてアルミニウム蒸着膜の鏡面反射効果が減少
し、これによって蛍光面の発光輝度が低下するという問
題点がある。
【0004】前記スラリー法の他に、蛍光体塗布層を形
成する方法として蛍光体粉体塗布法があり、例えば特公
昭57-20651号に開示されている。しかしながら、この方
法を用いてカラーブラウン管のごとく微細なドットある
いはストライプ形状に蛍光体をパネル全面にわたって塗
布する場合、第2色目、第3色目の蛍光体ドットの一部
が剥がれるか、十分に厚く付着しないことにより、蛍光
面の品位の低下が発生するという問題点がある。特開昭
62-110230号においては前記のような問題点を解決する
ために、それぞれの蛍光体粉末を被着する工程前に感光
性粘着物質層を加熱する工程をも含む方法が開示されて
いるが、この方法は多くの熱エネルギーが消費され工程
が複雑になるという短所がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
前記のような従来の技術の問題点を解決するため案出さ
れたものであり、本発明の目的は、蛍光体膜の充填密度
を高め、かつ、蛍光面の平坦度をよくして、アルミニウ
ム蒸着膜の鏡面反射効果を向上させることによりブラウ
ン管の発光輝度を向上させることができる蛍光体スラリ
ー液組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記のような目的を達成
するため本発明は、(a)蛍光体粉末100重量部、
(b)ポリビニルアルコール120〜130重量部、(c)重
クロム酸ナトリウム5〜6重量部、(d)エチルシリケ
ート0.0009〜0.5重量部、(e)硫酸亜鉛0.002〜0.04重
量部、及び (f)純水120〜130重量部 からなるカラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物を
提供する。
【0007】本発明において、エチルシリケートの添加
量は蛍光体100重量部に対し0.0009〜0.5重量部が好まし
い。もしも、エチルシリケートの添加量が0.0009重量部
未満であると、本発明による充填密度向上の効果を期待
することができず、0.5重量部を超える場合には過量の
シリケートにより蛍光体の分散性が低下するという問題
が生じる。そして一般に、エチルシリケートは水溶液状
態で製造して蛍光体スラリー液に添加する。本発明にお
いて、重クロム酸ナトリウムは感光剤として用いられ、
ポリビニルアルコールは光硬化性バインダーとして用い
られる。硫酸亜鉛の添加量は蛍光体100重量部に対し0.0
02 〜0.04重量部が好ましい。0.002重量部未満である場
合は蛍光面とパネル内面との接着力が不十分で部分的に
蛍光面剥離現象が発生し、0.04重量部を超えると硫酸亜
鉛の影響で接着力が高くなるため蛍光面の現像の際に現
像不良による色残現象が生じる。
【0008】前記のような本発明のカラーブラウン管用
蛍光体スラリー液組成物を用いて蛍光面を製造する代表
的な方法は次のとおりである。イ.カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物の製造
工程 一定量の緑色、青色あるいは赤色発光蛍光体に純水とポ
リビニルアルコールを添加した後、重クロム酸ナトリウ
ムを感光剤として添加し、ここに一般に用いられる界面
活性剤の代わりエチルシリケート水溶液及び硫酸亜鉛水
溶液を添加し、これをボールミル容器に入れ、10〜300r
pmで3〜15時間程度ボールミルしてカラーブラウン管用
蛍光体スラリー液組成物を製造する。
【0009】このとき、用いられるボールミル容器は、
蛍光体表面の損傷を防止するため、PVC材質の容器を
用いることが好ましい。さらに、ボールミルの効果を増
大させるためには容器全嵩の70〜80%程度の蛍光体スラ
リー液をボールミルすることが好ましく、このとき、分
散効果を高めるためアルミナボールやガラスボールを一
定量添加することが好ましい。
【0010】ロ.蛍光面の製造工程 ブラウン管のパネル内面に、紫外線などにより光粘着性
を現わす光硬化性樹脂を一定量塗布乾燥した後、露光し
て光粘着膜を形成する。ここに、前記イ.カラーブラウ
ン管用蛍光体スラリー液組成物の製造工程で製造された
緑色発光蛍光体スラリー液を塗布乾燥し、ここに高圧水
銀ランプを用いた露光を行う。露光がすんだ後、温水で
洗浄して一定な形状のストライプあるいはドット状の蛍
光面を得る。次いで、青色発光蛍光体スラリー液と赤色
発光蛍光体スラリー液を用いて前記のような工程を順次
に行なって蛍光面を製造する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を説明する。 実施例1 下記の組成を有する蛍光体スラリー液組成物を150rpmで
10時間、ボールミルにて均質化させた後、これら組成物
を用い、公知の蛍光面製造方法にて蛍光面を製造した。
【0012】(蛍光体スラリー液の組成比) Zn:Ag蛍光体粉末 1.0kg ポリビニルアルコール 1.3kg 重クロム酸ナトリウム 0.06kg 3重量%エチルシリケート水溶液 20ml 2重量%硫酸亜鉛水溶液 5ml 純水 1.3kg ガラスボール 1.0kg
【0013】実施例2 蛍光体スラリー液組成物として、下記の組成を有する蛍
光体スラリー液組成物を用いたことを除いては前記実施
例1と同一な条件で蛍光面を製造した。(蛍光体スラリ
ー液の組成比) Y22S:Eu蛍光体粉末 1kg ポリビニルアルコール 1.2kg 重クロム酸ナトリウム 0.05kg 3重量%エチルシリケート水溶液 15ml 2重量%硫酸亜鉛水溶液 5ml 純水 1.2kg ガラスボール 1.0kg
【0014】比較例1 蛍光体スラリー液組成物として、下記の組成を有する蛍
光体スラリー液組成物を用いたことを除いては前記実施
例1と同一な条件で蛍光面を製造した。 (蛍光体スラリー液の組成比) ZnS:Ag蛍光体粉末 1.0kg 界面活性剤(Tritol-CF54;米国 SIGMA社製) 100ml ポリビニルアルコール 1.2kg エチレングリコール 60ml 重クロム酸ナトリウム 0.05kg 純水 1.3kg 比較例2 蛍光体スラリー液組成物のうち、3重量%エチルシリケ
ート水溶液の量を0.2mlとしたことを除いては、前記実
施例1と同一な条件で蛍光面を製造した。
【0015】比較例3 蛍光体スラリー液組成物のうち、3重量%エチルシリケ
ート水溶液の量を170mlとしたことを除いては、前記実
施例1と同一な条件で蛍光面を製造した。比較例4 蛍光体スラリー液組成物のうち、2重量%硫酸亜鉛水溶
液の量を0.5mlとしたことを除いては、前記実施例1と
同一な条件で蛍光面を製造した。
【0016】比較例5 蛍光体スラリー液組成物のうち、2重量%硫酸亜鉛水溶
液の量を25mlとしたことを除いては、前記実施例1と同
一な条件で蛍光面を製造した。前記実施例1と実施例2
及び比較例1ないし比較例5により製造された蛍光面に
対し、アルミニウム蒸着膜の反射効率及びブラウン管の
発光輝度を下記の方法にて測定し、その結果を下記の表
1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】注 *1:アルミニウム蒸着膜の反射効率
は、スペクトロガード・カラー・システム機器(Pacific
Scientific社製) を用いて測定した数値である。 *2:ブラウン管の発光輝度は、MECCシステムを用
いて23.5kV、500μAで測定した発光輝度を比較例1を基
準にした相対的な数値で示す。
【0019】
【発明の効果】前記表1の結果からわかるように、本発
明による蛍光体スラリー液組成物を用いて製造した実施
例1及び実施例2の蛍光面の発光輝度は、従来の蛍光体
スラリー液組成物を用いて製造した比較例1の蛍光面の
発光輝度よりも10%以上増加した。さらに、比較例2な
いし比較例5からわかるように、本発明の蛍光体スラリ
ー液組成物において蛍光体を基準にしてエチルシリケー
トの量は0.0009〜0.5重量%、硫酸亜鉛の量は0.002〜0.
04重量%がより好ましい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)蛍光体粉末100重量部、 (b)ポリビニルアルコール120〜130重量部、 (c)重クロム酸ナトリウム5〜6重量部、 (d)エチルシリケート0.0009〜0.5重量部、 (e)硫酸亜鉛0.002〜0.04重量部、及び (f)純水120〜130重量部 からなることを特徴とするカラーブラウン管用蛍光体ス
    ラリー液組成物。
JP4235160A 1991-08-21 1992-08-12 カラーブラウン管用蛍光体スラリー液組成物 Expired - Lifetime JP2593125B2 (ja)

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