JPH11228953A - 蛍光体 - Google Patents

蛍光体

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JPH11228953A
JPH11228953A JP3484898A JP3484898A JPH11228953A JP H11228953 A JPH11228953 A JP H11228953A JP 3484898 A JP3484898 A JP 3484898A JP 3484898 A JP3484898 A JP 3484898A JP H11228953 A JPH11228953 A JP H11228953A
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JP
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phosphor
ultraviolet
ultraviolet absorber
particles
adhesion
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JP3484898A
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Tsutomu Ishii
努 石井
Kiyoshi Inoue
清 井上
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】蛍光膜支持体(ガラスパネル)に対する付着特
性が良好であり、ディスプレー画面の高精細化が可能な
蛍光体を提供する。 【解決手段】250〜400nmの波長範囲で紫外線吸収
係数のピークを有し、そのピーク値が0.3以上である
紫外線吸収剤を蛍光体粒子が表面にコーティングされて
いることを特徴とする蛍光体である。また紫外線吸収剤
は、2,4ジヒドロキシベンゾフェノン、2ヒドロキシ
4メトキシベンゾフェノン5スルホン酸および2(2ヒ
ドロキシ5メチルフェニル)ベンゾトリアゾールから選
択される少なくとも1種を使用するとよい。コーティン
グ量は、蛍光体粒子重量に対して0.005−0.4重
量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーテレビジョン
用陰極線管に用いられる蛍光体に係り、特に発光膜支持
体(ガラスパネル)に対する付着特性が良好であり、デ
ィスプレー画面の高精細化が可能な蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーテレビジョン用冷陰極線管(CR
T)は、ブラウン管の蛍光面に赤(R),緑(G),青
(B)の三原色の蛍光体膜をストライプ状またはドット
状に形成して成り、この蛍光体膜に、シャドウマスクを
通過した3本の電子ビームを選択的に照射して発光さ
せ、その各発光の加法混色により、あらゆる色から成る
カラー映像を再生する。
【0003】上記カラーテレビジョンの蛍光体膜は一般
に下記の手順で形成される。すなわち、まず、3原色に
対応する赤色(R)発光蛍光体,青色(B)発光蛍光
体,緑色(G)発光蛍光体のいずれかの蛍光体と、フォ
トレジストと界面活性剤などの分散剤とエマルジョンと
を分散溶媒としての純水に混合して均一な蛍光体スラリ
ーを調製する。
【0004】ここで上記青色発光蛍光体としては銀付活
硫化亜鉛蛍光体が、緑色発光蛍光体としては銅付活硫化
亜鉛蛍光体が、赤色発光蛍光体としてはユーロピウム付
活酸硫化イットリウム蛍光体が広く用いられている。ま
た各蛍光体としては、コントラスト特性を向上するため
に顔料を被覆した蛍光体や使い勝手を良くするために各
種表面処理を施した蛍光体も使用されている。
【0005】また、上記フォトレジストは蛍光膜を紫外
線露光して蛍光膜を光硬化させるために含有されるもの
であり、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)と重
クロム酸塩とを組み合せたものが一般的に使用される。
【0006】さらに、界面活性剤は蛍光体粒子の分散性
を向上させるとともに蛍光体スラリーの発泡性を低減し
て緻密な蛍光膜を形成するために添加される。一般的に
は、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを
組み合せたものが使用されている。なお、アニオン系界
面活性剤としては、通常、カルボン酸塩が用いられる。
【0007】また、エマルジョンは、蛍光膜の強度を向
上する等の目的で添加され、具体的には、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステルエマルジョンが
用いられる。
【0008】次に、上記のように調製したスラリーをブ
ラウン管のガラスパネル(フェースプレート)内面に塗
布し乾燥して蛍光膜を形成する。次にシャドウマスクを
通して蛍光膜に紫外線を照射露光し、照射した部分のP
VAを硬化させる。そして硬化させた部分以外の蛍光膜
を現象処理により除去してストライプ状またはドット状
の蛍光膜パターンを形成する。このスラリー塗布および
現像操作を三原色の各蛍光体について3回繰り返すこと
により、青色発光,緑色発光および赤色発光の蛍光膜が
それぞれ形成される。
【0009】近年、コンピュータの普及拡大、マルチメ
ディア対応への進展が加速される一方、高精細で高輝度
を指向する高品位テレビジョンの普及も加速されている
現状から、ディスプレー画面の高精細化が重要な技術的
課題になっている。
【0010】高精細化を実現するためには、蛍光面とし
ては、緻密でかつ小さいサイズのドット状またはストラ
イプ状の蛍光膜パターンを形成することが必須となる。
このような蛍光面の特性を実現する上で特に重要な特性
因子はフェースプレートに対する蛍光体の付着力であ
る。
【0011】ここで、上記蛍光体の付着力は、ドット状
またはストライプ状の蛍光体パターンをどの程度まで小
さくした場合でも、高い接合強度をもって蛍光体パター
ンがフェースプレートに付着保持されるか否かの境界値
を示す指標である。この指標は種々の表示方法によって
表われるが、その代表的な表示方法として、ドット状ま
たはストライプ状の蛍光体パターンの最小サイズで示す
表示方法がある。
【0012】すなわち、蛍光体スラリーをフェースプレ
ートに塗布・乾燥後、紫外線露光し、さらに現像して得
られる蛍光体パターンのサイズは、紫外線の露光量を減
少させるに伴って小さくなる。そして、ある露光量以下
では、現像処理時にドット状またはストライプ状の蛍光
体パターンがフェースプレートから剥離し落下してしま
う。この蛍光体パターンが剥がれ落ちる直前の段階での
露光量によって得られる蛍光体パターンのサイズを付着
力の値として表示するものである。例えば、この付着力
の値が170および150であった場合には、付着力の
値が150の方が、より小さな蛍光体パターンを高い接
合強度で形成できることを意味する。
【0013】上記付着力の特性は、蛍光体スラリーの特
性に大きく関係し、これまで付着力を向上させるために
種々の改良が試行されてきた。例えば、製造工程におい
て、蛍光体スラリーに含有されるエマルジョンや界面活
性剤の種類や含有量または重クロム酸塩の含有量を増減
する操作が、蛍光体の付着力を制御するために、日常的
に実施されている。
【0014】また、上記付着力を強化する方法として
は、界面活性剤としてのカルボン酸系アニオン活性剤の
代りに、ある種のスルホン酸系または硫酸系の有機化合
物を界面活性剤として添加した蛍光体スラリーを用いる
方法も実施されている。
【0015】さらに、付着力を強化した蛍光体の改良方
法として、蛍光体粒子表面にシリカ(SiO2 )やアル
ミナ(Al2 3 )等の酸化物被膜を被覆する表面処理
方法や偏平形状の蛍光体粒子を使用する方法などが採用
されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記蛍
光体の付着特性を高める従来方法では、必ずしも高い付
着特性は得られず、より確実に付着力を強化し得る蛍光
体が求められていた。また、高い付着特性は得られる反
面、蛍光体粒子の分散性が悪化したり、成膜が円滑に進
行しないため、均一な蛍光膜を形成できないなどの問題
点も発生していた。
【0017】さらに、各種添加剤によって蛍光体膜の発
光輝度が低下し、明るさが不十分なブラウン管しか得ら
れない場合が多く、また混色が多くなり高精細なカラー
画像が再生できないなど一長一短があり、市場要求に十
分に対応できない問題点もあった。
【0018】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、特に、蛍光膜支持体(ガラスパネル)
に対する付着特性が良好であり、ディスプレー画面の高
精細化が可能な蛍光体を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは蛍光体粒子表面に種々の被膜を表面
処理して蛍光体を調製し、その蛍光体を使用してカラー
ブラウン管用の蛍光膜を形成し、被膜を構成する成分の
種類や含有量が、蛍光膜の品位や緻密性,付着強度に及
ぼす影響を実験により比較調査した。
【0020】その結果、蛍光体粒子表面にある種の有機
化合物から成る紫外線吸収剤をコーティングしたとき
に、従来よりも、より強い付着力を示し、カラーテレビ
ジョン画面の高精細化が可能な蛍光体が初めて得られる
という知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0021】すなわち、本発明に係る蛍光体は、250
〜400nmの波長範囲で紫外線吸収係数のピークを有
し、そのピーク値が0.3以上である紫外線吸収剤が蛍
光体粒子の表面にコーティングされていることを特徴と
する。
【0022】また、紫外線吸収剤は、2,4ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェ
ノン5スルホン酸および2(2ヒドロキシ5メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1
種で構成するとよい。さらに、紫外線吸収剤のコーティ
ング量が蛍光体粒子重量に対して0.005〜0.4重
量%の範囲であるとよい。また、紫外線吸収剤のコーテ
ィング量が蛍光体粒子重量に対して0.01〜0.2重
量%の範囲であることが、さらに好ましい。
【0023】ここで、本発明で使用される蛍光体粒子の
組成および種類は、特に限定されず、従来から一般的に
使用されてるいる各種の組成の青色発光蛍光体,緑色発
光蛍光体,赤色発光蛍光体を使用することができる。こ
れら3種のB,G,R蛍光体の少なくとも1種に、上記
紫外線吸収剤をコーティングすることにより、より付着
力が高い蛍光体が得られるが、特に赤色発光蛍光体粒子
を使用したときに、特に付着力が顕著に高くなる効果が
得られる。
【0024】紫外線吸収剤は、紫外線吸収能を有する高
分子添加剤であり、露光時に照射された紫外線により部
分的に分解するなどの作用を受け、フォトレジスト活性
化作用により蛍光体の付着力を高めるものと考えられ
る。
【0025】上記紫外線吸収剤としては、種々の紫外線
吸収係数のピークを有するものが光安定剤などの用途で
利用されているが、本発明で使用する紫外線吸収剤は、
特に250〜400nmの波長範囲で紫外線吸収係数のピ
ークを有し、そのピーク値が0.3以上である紫外線吸
収剤を使用することを特徴としている。上記ピーク値が
0.3未満の紫外線吸収剤では、紫外線露光時における
フォトレジスト活性化作用が不十分であり、蛍光体の付
着力を十分に高めることが困難である。
【0026】上記のような紫外線吸収剤の具体例として
は、2,4ジヒドロキシベンゾフェノン、2ヒドロキシ
4メトキシベンゾフェノン5スルホン酸および2(2ヒ
ドロキシ5メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを
例示することができる。なお、上記波長範囲で紫外線吸
収係数のピーク値が0.3以上である紫外線吸収剤は上
記以外にも多数存在するが、それらの紫外線吸収剤を使
用した場合には、蛍光体粒子の分散性が悪化したり、均
一な蛍光膜を形成できないなどの問題点もあるため、特
に本願実施例では上記3種の紫外線吸収剤を用いてい
る。
【0027】図2および図3は、それぞれ2(2ヒドロ
キシ5メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2ヒ
ドロキシ4メトキシベンゾフェノン5スルホン酸の紫外
線吸収スペクトルを示すグラフである。この紫外線吸収
スペクトルは、下記測定機器および条件で測定したもの
である。
【0028】測定機器:紫外線スペクトロメータ(UV
−210A,島津製作所製) 濃 度:1.0mg/100ml−CHCl3 セル長さ:1.0cm 図2および図3から明らかなように、各紫外線吸収剤は
250〜400nmの波長範囲において紫外線吸収係数の
ピーク値(約0.65)を有している。
【0029】上記紫外線吸収剤のコーティング量は蛍光
体粒子重量に対して0.005〜0.4重量%の範囲と
する。このコーティング量が0.005重量%未満の場
合には蛍光体の付着力の改善効果が不十分である一方、
コーティング量が0.4重量%を超えると、逆に従来の
蛍光体と比較しても、その付着力が低下してしまう傾向
がある。したがって、紫外線吸収剤のコーティング量は
0.005〜0.4重量%の範囲とされるが、0.01
〜0.2重量%の範囲がさらに好ましい。
【0030】本発明に係る蛍光体は、例えば以下のよう
な手順で製造される。すなわち、蛍光体粒子を分散媒と
しての純水中に懸濁させて蛍光体分散液を調製し、この
蛍光体分散液をデカンテーション法により3〜6回純水
にて洗浄する操作を繰り返した後に、蛍光体分散液の上
澄み液を捨て、その分散液に前記紫外線吸収剤の分散液
を添加・撹拌し、しかる後に、濾過することなく、乾燥
し篩別することにより製造できる。
【0031】上記構成に係る蛍光体によれば、所定の紫
外線吸収剤を、蛍光体粒子表面に所定量コーティングし
ているため、蛍光体粒子の蛍光膜支持体に対する付着力
を大幅に増加させることができ、蛍光膜パターンのサイ
ズをより小さくすることができる。したがって、カラー
テレビジョン用ディスプレー画面の高精細化に大きな効
果を発揮することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下の実施例および従来例に基づいて、より具体的に説明
する。
【0033】従来例1 赤色発光蛍光体(Y2 2 S:Eu)粒子100gを7
00ccの分散媒としての純水中に分散せしめ、蛍光体分
散液を調製した。得られた蛍光体分散液に、濃度25%
の水ガラス水溶液を0.5ccと、濃度20%のコロイダ
ルシリカ溶液を1g添加し、さらに濃度1mol /lの硝
酸亜鉛水溶液を2cc添加し、1時間撹拌した。続いて、
デカンテーション法により、5回蛍光体を洗浄した後
に、濾過,乾燥,篩別することにより、シリカ(SiO
2 )被膜を有する従来例1に係る蛍光体を調製した。
【0034】実施例1 従来例1と同様に処理し、蛍光体を洗浄した後に、蛍光
体分散液の上澄み液を捨て、残った分散液に紫外線吸収
剤としての2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノン5ス
ルホン酸分散液(濃度:0.01%)を0.6g添加し
撹拌した。しかる後、分散液を濾過することなく乾燥し
篩別することにより、蛍光体粒子表面に紫外線吸収剤を
コーティングした実施例1に係る蛍光体を調製した。
【0035】実施例2〜6 濃度0.01%の2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノ
ン5スルホン酸分散液の添加量を1.0g(実施例
2)、5.0g(実施例3)、10.0g(実施例
4)、20.0g(実施例5)および30.0g(実施
例6)とした点以外は実施例1と同様に処理することに
より、紫外線吸収剤のコーティング量を変えた実施例2
〜6に係る蛍光体をそれぞれ調製した。
【0036】従来例2 赤色発光蛍光体(Y2 2 S:Eu)粒子100gを7
00ccの分散媒としての純水中に分散せしめ、蛍光体分
散液を調製した。得られた蛍光体分散液に、濃度25%
の水ガラス水溶液を0.2ccと、濃度20%のコロイダ
ルアルミナ溶液を0.5g添加し、さらに濃度1mol /
lの硝酸亜鉛水溶液を1cc添加し、1時間撹拌した。続
いて、デカンテーション法により、5回蛍光体を洗浄し
た後に、濾過,乾燥,篩別することにより、アルミナ
(Al2 3 )被膜を有する従来例2に係る蛍光体を調
製した。
【0037】実施例7 従来例2と同様に処理し、蛍光体を洗浄した後に、蛍光
体分散液の上澄み液を捨て、残った分散液に紫外線吸収
剤としての2,4ジヒドロキシベンゾフェノン分散液
(濃度:0.01%)を1.0g添加し撹拌した。しか
る後、分散液を濾過することなく乾燥し篩別することに
より、蛍光体粒子表面に紫外線吸収剤をコーティングし
た実施例7に係る蛍光体を調製した。
【0038】実施例8〜10 濃度0.01%の2,4ジヒドロキシベンゾフェノン分
散液の添加量を5.0g(実施例8)、10.0g(実
施例9)および20.0g(実施例10)とした点以外
は実施例7と同様に処理することにより、紫外線吸収剤
のコーティング量を変えた実施例8〜10に係る蛍光体
をそれぞれ調製した。
【0039】こうして調製した各従来例および実施例に
係る蛍光体の付着特性を評価するために、各蛍光体とフ
ォトレジストとしてのポリビニルアルコール(PVA)
と重クロム酸アンモニウム(ADC)と界面活性剤とエ
マルジョンとを純水と混合して均一な蛍光体スラリーを
それぞれ調製した。
【0040】そして、各蛍光体スラリーをブラウン管の
ガラスパネル内面に塗布し乾燥して蛍光膜とした。次
に、シャドウマスクを通して蛍光膜に紫外線を照射露光
し、照射した部分のPVAを硬化させた。そして硬化部
分以外の蛍光膜を現像処理により除去してドット状の蛍
光膜パターンを形成した。このとき、紫外線露光量を徐
々に減少せしめ、ドット状の蛍光膜パターンがガラスパ
ネルから剥がれ落ちる直前の露光量によって得られる蛍
光膜パターンの最小サイズを測定して付着特性の指標と
した。付着特性の測定値を下記表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1に示す結果から明らかなように、
蛍光体粒子表面に所定量の紫外線吸収剤をコーティング
した各実施例に係る蛍光体によれば、従来例の蛍光体と
比較してガラスパネルに対する付着力を大幅に増加させ
ることが可能となり、蛍光体ドットのサイズをより小さ
くすることができた。したがって、本実施例の蛍光体を
使用することにより、カラーTVなどのディスプレイ画
面を、より高精細化できることが判明し、陰極線管の製
造技術向上に大きく資することができる。
【0043】実施例11 実施例1における製造方法に準拠して、紫外線吸収剤と
しての2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノン5スルホ
ン酸の、蛍光体粒子重量に対するコーティング量を0〜
0.8重量%の範囲で変化させて、それぞれ蛍光体を調
製した。そして各蛍光体の付着特性を前記実施例1〜1
0と同様に測定して図1に示す結果を得た。
【0044】図1に示すグラフの横軸は蛍光体粒子重量
に対する紫外線吸収剤のコーティング量を示す一方、縦
軸は、ドット状蛍光膜が剥がれ落ちる直前における露光
量で得られる蛍光膜ドットの最小サイズを付着特性とし
て示している。
【0045】図1に示す結果から、紫外線吸収剤のコー
ティング量が0.005重量%未満では、蛍光体の付着
力の改善効果は発揮されないが、0.005〜0.4重
量%の範囲では付着力が増加するため、蛍光体ドットの
最小サイズを小さくできることが判明した。
【0046】一方、コーティング量が0.4重量%を超
える範囲においては、逆に、従来の蛍光体と比較しても
付着力が低下してしまう傾向が判明した。このような特
性傾向が出現する機構は必ずしも明確ではないが、コー
ティング量が0.005〜0.4重量%の範囲では、紫
外線吸収剤が紫外線により分解するなどの作用を受け、
フォトレジスト活性化作用による付着力の増加が達成さ
れるためであると考えられる。一方、コーティング量が
0.4重量%を超える範囲においては、紫外線吸収能が
過大になり、付着力が低下するものと考えられる。
【0047】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る蛍光体によ
れば、所定の紫外線吸収剤を、蛍光体粒子表面に所定量
コーティングしているため、蛍光体粒子の蛍光膜支持体
に対する付着力を大幅に増加させることができ、蛍光膜
パターンのサイズをより小さくすることができる。した
がって、カラーテレビジョン用ディスプレー画面の高精
細化に、より大きな効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線吸収剤のコーティング量と蛍光体の付着
特性との関係を示すグラフ。
【図2】2(2ヒドロキシ5メチルフェニル)ベンゾト
リアゾールの紫外線吸収スペクトルを示すグラフ。
【図3】2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノン5スル
ホン酸の紫外線吸収スペクトルを示すグラフ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 250〜400nmの波長範囲で紫外線吸
    収係数のピークを有し、そのピーク値が0.3以上であ
    る紫外線吸収剤が蛍光体粒子の表面にコーティングされ
    ていることを特徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が、2,4ジヒドロキシベ
    ンゾフェノン、2ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノン
    5スルホン酸および2(2ヒドロキシ5メチルフェニ
    ル)ベンゾトリアゾールから選択される少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤のコーティング量が蛍光体
    粒子重量に対して0.005〜0.4重量%の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤のコーティング量が蛍光体
    粒子重量に対して0.01〜0.2重量%の範囲である
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  5. 【請求項5】 蛍光体粒子が青色発光蛍光体、緑色発光
    蛍光体および赤色発光蛍光体の少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の蛍光体。
  6. 【請求項6】 蛍光体粒子が赤色発光蛍光体であること
    を特徴とする請求項1記載の蛍光体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184402A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Kuraray Medical Inc ナノ粒子蛍光体
JP2016006184A (ja) * 2013-12-18 2016-01-14 横浜ゴム株式会社 紫外線硬化型樹脂組成物および積層体

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