JP3379973B2 - 赤色発光組成物 - Google Patents

赤色発光組成物

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JP3379973B2 JP05487992A JP5487992A JP3379973B2 JP 3379973 B2 JP3379973 B2 JP 3379973B2 JP 05487992 A JP05487992 A JP 05487992A JP 5487992 A JP5487992 A JP 5487992A JP 3379973 B2 JP3379973 B2 JP 3379973B2
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秀夫 戸野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーブラウン管に適
した発光色を示す高輝度の赤色発光組成物、並びに、ス
ラリー塗布法に適した高輝度の赤色発光組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーブラウン管用赤色蛍光体と
しては、ユーロピウム付活希土類酸硫化物蛍光体が広く
用いられている。この蛍光体が、発光効率が高く、色調
の調整が可能であり、かつ、化学的に安定で、スラリー
塗布法にも適しているためである。一方、カラーブラウ
ン管の性能向上の1つとして、色再現性の範囲拡大の要
請があり、色度の深い赤色発光蛍光体が必要になる。こ
の蛍光体はユーロピウム濃度を上げることにより容易に
得ることができるが、輝度向上は必ずしも十分でなかっ
た。特に、近年テレビジョンの大型化やハイビジョンへ
の対応のために、輝度向上が強く求められているが、こ
れに対応することができない状況にある。即ち、ユーロ
ピウム付活希土類酸硫化物蛍光体自身の発光効率はほぼ
飽和状態に近くまで改良されている。
【0003】また、その他の赤色発光蛍光体としては、
ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体、ユーロピウム付
活希土類バナジン酸塩蛍光体、銀付活硫化亜鉛カドミウ
ム蛍光体、マンガン付活リン酸亜鉛蛍光体等が知られて
いる。しかし、これらの蛍光体は、いずれも上記の色再
現性及び輝度を満足させるものではない。そこで、ネオ
ジウムやその他の元素を含有するフェースプレートを使
用する方法、フェースプレート表面に特殊なカラーフィ
ルターを設ける方法、蛍光膜に特定の顔料を混入する方
法などが提案されているが、これらの方法は、蛍光体の
発光色のうち、特定波長に対してフィルター作用を付加
してその波長の光の透過量を制御して色再現領域を広げ
る方法であり、いずれも発光輝度を低下させるものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題点を解消し、深い色調の赤色発光を示し、か
つ、発光輝度の優れた赤色発光組成物を提供しようとす
るものである。また、本発明は、化学的安定性を有し、
スラリー塗布性に優れた赤色発光組成物を提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、CIE色度表
示による発光色のx値が0.652〜0.674の範囲
にあるユーロピウム付活希土類酸硫化物蛍光体及び又は
赤色系顔料付ユーロピウム付活希土類酸硫化物蛍光体
と、CIE色度表示による発光色のx値が0.630〜
0.652の範囲にあるユーロピウム付活希土類酸化物
蛍光体及び又は赤色系顔料付ユーロピウム付活希土類酸
化物蛍光体との混合物からなり、CIE色度表示による
発光色のx値が0.647〜0.662の範囲にある赤
色発光組成物であり、また、本発明は、前記ユーロピウ
ム付活希土類酸化物蛍光体及び又は前記赤色系顔料付ユ
ーロピウム付活希土類酸化物蛍光体の表面を、けい素系
処理剤、アルミン酸亜鉛系処理剤、親水性を付与したア
クリル樹脂及び又はスチレンブタジエン系樹脂の少なく
とも1種からなる不溶化処理剤で被覆したことを特徴と
する赤色発光組成物である。
【0006】本発明の赤色発光組成物を構成する蛍光体
の希土類(Ln)とは、Y,Lu,Gd,Laの少なく
とも一種をいい、特に、Y又はYの一部をGdで置換し
たものが好ましく、Gd置換は70mole%まで可能であ
り、ユーロピウム(Eu)付活とは、Euに対しTb,
Pr,Sm,Dy等の上記希土類Lnを除いたランタノ
イド元素1種以上を微量に含有する場合も包含する。具
体的には、LnがY又はYの一部をGdで置換したもの
で、Ln23 :Eu,Tb蛍光体、Ln23:Eu,
Dy蛍光体、Ln22 S:Eu,Tb蛍光体、Ln2
2 S:Eu,Pr蛍光体、Ln22 S:Eu,T
b,Sm蛍光体、Ln22 S:Eu,Pr,Sm蛍光
体などが好ましい。付活剤濃度は、Ln23 蛍光体に
ついては2〜8mole%の範囲、Ln22 S蛍光体につ
いては3〜8mole%の範囲が好ましい。また、Ln2
3 :Eu蛍光体(Eu付活Ln 2 3 蛍光体)とLn2
2 S:Eu蛍光体(Eu付活Ln 2 2 S蛍光体)
の混合重量比は、85/15ないし25/75の範囲が
好ましく、特に、70/30ないし50/50の範囲が
より好ましい。
【0007】本発明の赤色発光組成物は、CIE色度表
示によるx値が0.630〜0.652の範囲にある
u付活Ln 2 3 蛍光体と、x値が0.652〜0.6
74の範囲にあるEu付活Ln 2 2 S蛍光体とを混合
し、赤色発光組成物としてのx値が0.647〜0.6
62の範囲にあるものが好ましい。
【0008】上記蛍光体に付着する赤色系顔料は、45
0℃程度に加熱してほとんど色変化を生じないものであ
ればその種類を問わない。具体的には、べんがら、硫化
インジウム等を使用することができ、その付着量は、上
記2種類の蛍光体に対し、いずれも0.05〜0.7重
量%の範囲が適切であり、特に0.10〜0.50重量
%の範囲が好ましい。
【0009】本発明の赤色発光組成物は、特に、ユーロ
ピウム付活イットリウム酸硫化物蛍光体(Eu付活Ln
2 2 S蛍光体)とユーロピウム付活イットリウム酸化
物蛍光体(Eu付活Ln 2 3 蛍光体)の組み合わせが
好ましく、その発光ピーク626nm並びに611nm
の発光強度の比(λ626 /λ611 )が0.2〜3.0の
範囲にあることが好ましい。
【0010】
【作用】以前、Eu付活Ln2 3 蛍光体は、ダスティ
ング法のカラーブラウン管用赤色蛍光体として一部使用
された時期があったが、蛍光面作成法である塗布スラリ
ー法における塗布スラリー液中で化学的にやや不安定で
あり、再生利用が難しく、また、色調の調整範囲がEu
付活Ln2 2 S蛍光体に比べて極めて狭いところか
ら、現在では、Eu付活Ln2 2 S蛍光体等に完全に
置き換えられている。Eu付活Ln2 3 蛍光体は、E
u濃度を従来の3〜4mole%から8mole%に変化させる
と、図3に示すようにある程度色調を変化させることが
できる。ここで、Eu濃度とは、Eu付活Ln2 3
光体組成(Ln1-a Eua 2 3 の100amole%で
あり、以下も同様とする。しかし、色調変化の程度は、
図4に示すEu付活Ln2 2 S蛍光体に比べると、小
さいことが分かる。
【0011】本発明者等は、Eu付活Ln2 3 蛍光体
のわずかの発光色変化の特性及び高い発光輝度特性、並
びに、Eu付活Ln2 2 S蛍光体のEu濃度による大
きな発光色変化の特性及び比較的低い発光輝度特性を着
目し、CIE色度表示によるx値が0.630〜0.6
52の範囲にあるEu付活Ln2 3 蛍光体と、x値が
0.652〜0.674の範囲にあるEu付活Ln2
2 S蛍光体とを混合して、x値を0.647〜0.66
2の範囲に調整した赤色発光組成物を使用することによ
り、上記の課題を解決できるという予期せぬ効果を見出
したのである。
【0012】また、Eu付活Ln2 3 蛍光体の塗布ス
ラリー中における化学的不安定性については、蛍光体表
面に不溶化処理を施すことより、対スラリー安定性及び
塗布安定性を改善することができ、上記の赤色発光蛍光
体への適用を可能にした。ここで使用する不溶化処理剤
としては、シリカ系又はけい素含有有機化合物等からな
るケイ素系、アルミン酸亜鉛系等のコート剤や親水性を
付与したアクリル樹脂やスチレンブタジエン系樹脂を挙
げることができ、これらのうちの少なくとも1種で蛍光
体表面を被覆することが好ましい。
【0013】以下、Lnの代表例であるYの場合につい
て詳述するが、本発明はこの場合に限定されるものでは
ない。Eu付活Y2 3 蛍光体とEu付活Y2 2 S蛍
光体について、色度(x値)と輝度の関係を同一スケー
ルに描くと、図1のようになり、Eu付活Y2 3 蛍光
体は色調の変化幅がx値で0.630〜0.652であ
り、Eu付活Y2 2 S蛍光体に比べて小さいが、輝度
については同一色度(x値)で比較すると約10〜20
%程度の高い値を示すことが分かる。本発明は、輝度に
優れたEu付活Y2 3 蛍光体と、色調の深い、換言す
るとx値の大きなEu付活Y2 2 S蛍光体を組み合わ
せることにより、色再現の範囲拡大について現在要請さ
れているx値0.647〜0.662の範囲の深い色調
の赤色発光を得ることができ、かつ、従来のEu付活Y
2 2 S蛍光体、さらには、それらの顔料付蛍光体の単
独使用の場合に比較して、輝度を相当に向上させること
ができた。
【0014】上記の併用の効果を図1にみると、x値
0.643、輝度138%のEu付活Y2 3 蛍光体
(A点)とx値0.662、輝度101%のEu付活Y
2 2 S蛍光体(B点)を同量混合すると、x値0.6
52、輝度120%の混合蛍光体(C点)を得ることが
でき、同一色度のEu付活Y2 2 S蛍光体(Eu付活
量4.0mole%,x値0.652,相対輝度112%)
単独のものと比較すると、約8%の輝度向上が認められ
た。なお、この混合蛍光体は、現在用いられる色調領域
にある。
【0015】以上、顔料を付着していない蛍光体の併用
についてみたが、顔料付着蛍光体についても併用の効果
は同様に奏される。中でも、顔料付着Eu付活Y2 2
S蛍光体と顔料付着のないEu付活Y2 3 蛍光体とを
組み合わせた混合赤色発光組成物が最も優れている。コ
ントラストの向上を要するEu付活Y2 2 S蛍光体に
べんがら等の赤色顔料を局在させることにより、混合系
の内部光吸収を小さくすることができ、より輝度の向上
を可能にするものと思われる。しかし、Eu付活Y2
2 S蛍光体とEu付活Y2 3 蛍光体の両方にべんがら
等の赤色系顔料を付着させることにより、一方に付着さ
せる場合と比べて均一にかつ強い付着力で蛍光膜を形成
することができるので、カラーブラウン管としてはより
好ましい。本発明における赤色系顔料の付着量は、上記
2種類の蛍光体に対し、いずれも0.05〜0.70重
量%の範囲が適切であり、特に0.10〜0.50重量
%の範囲が好ましい。
【0016】なお、Eu付活Y2 2 S蛍光体は、発光
色がx値0.652〜0.674の範囲のものが使用さ
れるが、その際のEu付活量は4〜8mole%である。こ
の蛍光体に赤色系顔料を付着させると若干長波側(x値
が大きい方)にシフトするので、同一発光色を得る場合
はEu付活量を0.1〜0.5mole%減らすこともでき
るし、また、同一Eu付活量として発光色をより深い赤
色領域とすることも可能である。即ち、赤色系顔料を付
着しない場合、Eu付活量は4.0〜8.0mole%、付
着する場合は、3.5〜8.0mole%、好ましくは3.
8〜8.0mole%の範囲が適している。
【0017】また、Eu付活Y2 3 蛍光体は、発光色
がx値0.630〜0.652の範囲のものが使用され
るが、その際のEu付活量は2〜8mole%である。この
蛍光体に赤色系顔料を付着させるとわずかに長波側(x
値が大きい方)にシフトするので、同一発光色を得る場
合はEu付活量を0.03〜0.15mole%減らすこと
もできるし、また、同一Eu付活量として発光色をわず
かであるがより深い赤色領域とすることも可能である。
即ち、赤色系顔料を付着しない場合、Eu付活量は2.
0〜8.0mole%、好ましくは3.0〜6.0mole%の
範囲が適しており、付着する場合は、2.0〜8.0mo
le%、好ましくは2.85〜6.0mole%の範囲が適し
ている。
【0018】このように、本発明では、上記2種の蛍光
体にそれぞれ赤色系顔料を付着させることにより、その
発光色(x値)の最大値は、付着させない場合の0.6
62より約0.008程大きい0.670とすることが
でき、上記の本発明の効果を得ることができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)酸化イットリウム226gと酸化ユーロピ
ウム14.1gとを塩酸で溶解した後、シュウ酸で共沈
シュウ酸塩を作成し、1000℃で分解し(Y0.962
0. 038 2 3 を得た。次に、フラックスB2 3
0.05重量%混合して1450℃で焼成し、Y
2 3 :Eu(Eu,3.8mole%)の蛍光体成分を得
た。この蛍光体成分をボールミルで分散処理し、次い
で、アルミン酸亜鉛系コート材で表面処理を施し、乾燥
して仕上げた。そして、PH上昇抑制剤としてGeO2
を0.4%乾燥状態で混合して蛍光体成分Aを得た。一
方、上記蛍光体成分Aの色度を補正するため、色度の深
い、即ち、Eu濃度の濃いY2 2 S:Eu(Eu,
4.8mole%)蛍光体成分Bを作成した。そして、これ
らの蛍光体成分を混合重量比(A/B)1/1の割合で
混合して実施例1の赤色発光組成物を得た。これらの赤
色発光組成物と上記の混合成分の特性は、デマンタブル
の電子線刺激装置を用い、20kV, 1.0μA/cm2
条件下で測定したところ、表1のように、実施例1の赤
色発光組成物と同一発光色度を有する従来のY2
2 S:Eu(Eu,4.0mole%)蛍光体と比較して、
相対輝度が約7%向上して明るくなった。また、PVA
−Cr系感光液を用いて上記の赤色発光組成物をスラリ
ー化し、パネルに塗布して赤一色のブラウン管の輝度を
測定したところ、相対輝度が約8%向上して明るくなっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例2,3)実施例1と同様の方法で
製造し及び不溶化処理したY2 3 :Eu(Eu,5.
7mole%)蛍光体成分CとY2 2 S:Eu(Eu,
4.8mole%)蛍光体成分Dを作成し、該蛍光体成分を
混合重量比(C/D)1/1及び7/3で混合して実施
例2及び3の赤色発光組成物を得た。これらの赤色発光
組成物を、表2のように、ほぼ同じ発光色を有する従来
のY2 2 S:Eu(Eu,4.2mole%)蛍光体と従
来のY2 2 S:Eu(Eu,4.0mole%)蛍光体と
比較すると、実施例2及び3の赤色発光組成物の相対輝
度は約6%及び約8%向上して明るくなった。表2の混
合重量比(C/D)から明らかなように、色度の浅い方
が再現する場合は、Y2 3 :Eu蛍光体成分Cの混合
割合が多くなり、相対輝度は約2%向上した。また、上
記のY2 3 :Eu蛍光体と顔料付着のないY2
2S:Eu蛍光体との混合で輝度を優位に保って、色度
x値0.656付近までの再現が可能であった。
【0022】
【表2】
【0023】(実施例4,5)実施例1と同様の方法で
それぞれ製造及び不溶化処理したY2 3 :Eu(E
u,3.8mole%)蛍光体成分EとY2 3 :Eu(E
u,5.7mole%)蛍光体成分Gを作成した。また、Y
2 2 S:Eu(Eu,4.7mole%)蛍光体成分Fを
作成し、Fe2 3 顔料0.5wt%をゼラチンとアラビ
アゴムを用いたコアセルベイション法で付着させた。ま
ず、蛍光体成分Eと蛍光体成分Fとを65/35の重量
比率で混合して実施例4の赤色発光組成物を得た。この
実施例4の赤色発光組成物は、ほぼ同じ発光色度と反射
率を有する従来のべんがら顔料0.15重量%付Y2
2 S:Eu(Eu,3.8mole%)蛍光体と比較する
と、相対輝度が約12%向上して明るくなった。図2
は、上記の2種類の蛍光体成分の混合重量比E/Fを変
化させるときの、相対輝度と発光色度のx値の変化を示
したグラフである。次に、色度の深い上記蛍光体成分G
蛍光体と上記顔料付蛍光体成分Fとを65/35の重量
比率で混合して実施例5の赤色発光組成物を得た。この
実施例5の赤色発光組成物は、ほぼ同じ発光色度と反射
率を有する従来のべんがら顔料0.15重量%付Y2
2 S:Eu(Eu,4.7mole%)蛍光体と比較する
と、相対輝度が約14%向上して明るくなった。この例
から明らかなように、色度の深いx値0.663付近ま
で輝度の優位を保って色再現が可能であった。
【0024】
【表3】
【0025】(実施例6)実施例1と同様の方法で製造
したY2 3 :Eu(Eu,3.8mole%)蛍光体10
0gを500mlビーカーに入れ、純水200mlを入
れて攪拌し、さらに、SiO2 を20%含有するカリ水
ガラス(東京応化社製PS−A)1.25mlを加えて
十分に攪拌し、懸濁分散させた。この懸濁液を攪拌しつ
つ70℃に加温し、希酢酸を少量づつ添加し、PH6.
0に調整した。その後、90℃に加温しつつ2時間攪拌
を続け、30分間静置して蛍光体を沈降させ、上澄液を
デカンテーションで排出し、純水で2回洗浄を行った。
そして、蛍光体を濾過脱水し、120℃で15時間乾燥
した後、300メッシュの篩で篩い、ケイ素系処理剤で
不溶化処理した蛍光体成分を得た。このようにして得た
蛍光体成分は、PVA−Cr系感光液中に分散させてス
ラリーを形成し、スラリーの粘度及びPHの経時変化を
調べたところ、カリ水ガラスによる不溶化処理を施さな
い従来品と比べて、図5及び図6に示すように極めて良
好な対スラリー安定性を示した。また、耐酸特性(不溶
化特性)についても同様に調べたところ、従来品と比べ
て、図7に示すように極めて良好な特性を示した。な
お、図7は、前記蛍光体10gを純水50mlと希酢酸
1mlからなる酸性溶液中に入れて攪拌しながら、スラ
リーPH値の経時変化を測定する加速試験の結果であ
る。このPH値の上昇は、Y2 3 :Eu蛍光体が溶解
して水酸化イットリウムを生成するためである。この水
酸化イットリウムは蛍光体を凝集させ、スラリー粘度を
上昇させるため、均一な塗布を阻害する要因となる。換
言すると、PH値の上昇が少ないということは耐酸特性
が優れていることを意味する。次に、実施例1と同様
に、上記蛍光体成分にY2 2 S:Eu(Eu,4.8
mole%)蛍光体成分を混合してPVA−Cr系感光液を
得て、これをパネルに塗布して赤一色のブラウン管を製
造したところ、実施例1と同様に相対輝度が約8%向上
して明るくなった。また、前記Y2 3 :Eu(Eu,
3.8mole%)蛍光体の代わりに(Y0.5Gd0.5 2
3 :Eu(Eu,3.8mole%)蛍光体を用いて上記
と同様の試験を行ったところ、上記と全く同じ効果が得
られた。
【0026】(実施例7) 実施例6と同様の方法で不溶化処理したY2 3 Eu
(Eu,3.8mole%)蛍光体にFe23 顔料0.2
0重量%をゼラチンとアラビアゴムを用いたコアセルベ
イション法で付着した蛍光体成分Iを作成した。また、
22 S:Eu(Eu,4.8mole%)蛍光体につい
ても同様にFe23 顔料0.15重量%を付着した蛍
光体成分Jを作成した。上記の蛍光体成分Iと蛍光体成
分Jを重量比率65/35で混合して実施例7の赤色発
光組成物を得た。この実施例7の赤色発光組成物は、ほ
ぼ同じ発光色度を有する従来のFe23 顔料付Y2
2 S:Eu(Eu,3.8mole%)蛍光体(べんがら付
着量0.15重量%)と比較すると、実施例4と同様
に、相対輝度が約12%向上させ、明るくなった。
【0027】
【表4】
【0028】(実施例8)実施例6において、Y
2 3 :Eu(Eu,3.8mole%)蛍光体成分の不溶
化処理剤カリ水ガラス1.25mlの代わりに、SiO
2 を20%含有するコロイダルシリカ(触媒化成社製S
I−500)2.5mlを加えて十分に攪拌し、懸濁分
散させた。この懸濁液を攪拌しつつ50℃に加温し、希
硫酸を少量づつ添加し、PHを6.0に調整した。その
後、70℃に加温しつつ5時間攪拌を続け、30分間静
置して蛍光体を沈降させ、上澄液をデカンテーションで
排出し、純水で2回洗浄を行った。そして、蛍光体を濾
過脱水し、150℃で10時間乾燥した後、300メッ
シュの篩で篩い、ケイ素系処理剤で不溶化処理した蛍光
体成分を得た。このようにして得た蛍光体成分は、PV
A−Cr系感光液中に分散させてスラリーを形成し、ス
ラリーの粘度及びPHの経時変化を調べたところ、上記
のコロイダルシリカによる不溶化処理を施さない従来品
と比べて、図5及び図6に示すように実施例6と同様の
極めて良好な対スラリー安定性を示した。また、耐酸特
性(不溶化特性)についても同様に調べたところ、従来
品と比べて、図7に示すように実施例6と同様の極めて
良好な特性を示した。
【0029】(実施例9)実施例1と同様の方法で製造
したY2 3 :Eu(Eu,5.7mole%)蛍光体10
0gを500mlビーカーに入れ、純水200mlを入
れて攪拌し、さらに、SiO2 を20%含有するカリ水
ガラス(東京応化社製PS−A)1.25mlを加えて
十分に攪拌し、懸濁分散させた。この懸濁液を攪拌しつ
つ70℃に加温し、希酢酸を少量づつ添加し、PHを
6.0に調整した。その後、90℃に加温しつつ2時間
攪拌を続け、30分間静置して蛍光体を沈降させ、上澄
液をデカンテーションで排出し、純水で2回洗浄を行っ
た。次に、スラリーを十分に攪拌した後、アクリルエマ
ルジョン(日本アクリル社製LC−40)を蛍光体重量
に対して500ppm添加し、さらに希酢酸を添加して
PHを5.0に調整し、30分間静置して蛍光体を沈降
させ、純水で2回洗浄を行い、蛍光体を濾過脱水し、1
20℃で15時間乾燥した後、300メッシュの篩で篩
い、ケイ素系処理剤とアクリル樹脂で不溶化処理した蛍
光体成分を得た。このようにして得た蛍光体成分は、P
VA−Cr系感光液中に分散させてスラリーを形成し、
スラリーの粘度及びPHの経時変化を調べたところ、不
溶化処理を施さない従来品と比べて、図5及び図6に示
すように極めて良好な対スラリー安定性を示した。ま
た、耐酸特性(不溶化特性)についても同様に調べたと
ころ、従来品と比べて、図7に示すように極めて良好な
特性を示し、これを用いた赤色発光組成物は実施例2と
同様の効果を示した。また、前記Y2 3 :Eu(E
u,5.7mole%)蛍光体成分の代わりに(Y 0.7 Gd
0.3 2 3 :Eu(Eu,5.7mole%)蛍光体成分
を用いて上記と同様の試験を行ったところ、上記と全く
同じ効果が得られた。
【0030】(実施例10)実施例1と同様の方法で製
造したY2 3 :Eu(Eu,5.7mole%)蛍光体1
00gを500mlビーカーに入れ、純水200mlを
入れて攪拌し、さらに、20%の硫酸亜鉛(ZnSO4
・7H2 O)水溶液2.5mlを加えて十分に攪拌し、
懸濁分散させた。この懸濁液を攪拌しつつ60℃に加温
し、希カセイソーダを少量づつ添加し、PHを11.0
に調整した。その後、60℃に加温しつつ1時間攪拌を
続け、次いで、10%のアルミン酸ナトリウム(NaA
lO2)水溶液5.5mlを徐々に加え、1時間攪拌を
続けた。その後、30分間静置して蛍光体を沈降させ、
上澄液をデカンテーションで排出し、純水で1回洗浄を
行い、純水を加えて攪拌しつつ希酢酸を少量づつ添加
し、PHを7.5に調整し、20分間攪拌を続け、30
分間静置して蛍光体を沈降させ、上澄液をデカンテーシ
ョンで排出し、純水で2回洗浄を行った。そして、蛍光
体を濾過脱水し、120℃で15時間乾燥した後、30
0メッシュの篩で篩い、アルミン酸亜鉛系コート材で表
面処理した蛍光体成分を得た。このようにして得た蛍光
体成分をPVA−Cr系感光液中に分散させてスラリー
を形成し、スラリーの粘度及びPHの経時変化を調べた
ところ、図6に示すように極めて良好な対スラリー安定
性を示した。
【0031】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、色調についても満足でき、相対輝度の優れ、スラ
リー安定性及び塗布特性の優れた赤色発光組成物を提供
することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】Y2 3 :Eu蛍光体とY2 2 S蛍光体につ
いて、同一スケールで発光色度(x値)と相対輝度の動
きと、両蛍光体を混合した赤色発光組成物の特性を示し
たグラフである。
【図2】Y2 3 :Eu蛍光体と顔料付着Y2 2 S:
Eu蛍光体を混合した赤色発光組成物について、発光色
度と相対輝度の動きを示したグラフである。
【図3】Y2 3 :Eu蛍光体について、付活剤Euの
濃度を変化させたときの発光色度(x値)と相対輝度の
動きを示したグラフである。
【図4】Y2 2 S:Eu蛍光体について、付活剤Eu
の濃度を変化させたときの発光色度と相対輝度の動きを
示したグラフである。
【図5】実施例6、8、9及び不溶化処理を施さない従
来のY2 3 :Eu蛍光体のスラリー粘度の経時変化を
示したグラフである。
【図6】実施例6、8、9、10及び不溶化処理を施さ
ない従来のY2 3 :Eu蛍光体のスラリーPHの経時
変化を示したグラフである。
【図7】実施例6〜9及び不溶化処理を施さない従来の
2 3 :Eu蛍光体の耐酸特性とスラリーの連続使用
時間との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−14285(JP,A) 特開 昭64−43595(JP,A) 特開 昭57−143388(JP,A) 特開 昭55−45712(JP,A) 特開 昭54−28785(JP,A) 特開 平4−59888(JP,A) 特開 昭53−39985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 - 11/89 H01J 29/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CIE色度表示による発光色のx値が
    0.652〜0.674の範囲にあるユーロピウム付活
    希土類酸硫化物蛍光体及び又は赤色系顔料付ユーロピウ
    ム付活希土類酸硫化物蛍光体と、CIE色度表示による
    発光色のx値が0.630〜0.652の範囲にある
    ーロピウム付活希土類酸化物蛍光体及び又は赤色系顔料
    付ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光体との混合物から
    り、CIE色度表示による発光色のx値が0.647
    〜0.662の範囲にある赤色発光組成物。
  2. 【請求項2】 前記ユーロピウム付活希土類酸化物蛍光
    体及び又は赤色系顔料付ユーロピウム付活希土類酸化物
    蛍光体の表面を、けい素系処理剤、アルミン酸亜鉛系処
    理剤、親水性を付与したアクリル樹脂及びスチレンブタ
    ジエン系樹脂の少なくとも1種からなる不溶化処理剤で
    被覆したことを特徴とする請求項1に記載の赤色発光
    成物
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