JP2514423B2 - 二酸化ケイ素でコ―ティングされた蛍光体の製造方法 - Google Patents

二酸化ケイ素でコ―ティングされた蛍光体の製造方法

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JP2514423B2 JP6441789A JP6441789A JP2514423B2 JP 2514423 B2 JP2514423 B2 JP 2514423B2 JP 6441789 A JP6441789 A JP 6441789A JP 6441789 A JP6441789 A JP 6441789A JP 2514423 B2 JP2514423 B2 JP 2514423B2
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、カラー受像管およびその他の陰極線管の
蛍光面に好適に使用される蛍光体の製造方法に関する。
【従来の技術並びにその課題】
カラー受像管に使用される蛍光体は、塗布特性を向上
し、また、塗布時における変色を防止するために、種々
の表面処理が施されている。 表面処理物質として、ケイ酸塩化合物、アルミン酸塩
化合物、燐酸塩化合物、および、金属酸化物などが使用
されている。 特に、ケイ酸塩化合物は、その処理が容易であること
から、汎用されている。ケイ酸塩化合物として、二酸化
ケイ素、ケイ酸亜鉛およびケイ酸アルミニウム等が知ら
れている。 蛍光体の表面に二酸化ケイ素を付着する技術は開発さ
れている(特開昭60−115683号公報)。この公報には、
有機ケイ素を加水分解させて二酸化ケイ素とし、これを
蛍光体の表面に付着させる技術が開示されている。有機
ケイ素にはエチルシリケート等が使用されている。この
方法は、有機ケイ素を、炭酸アンモニウムまたは吸着水
を用いて加水分解して二酸化ケイ素とし、これを蛍光体
の表面に付着している。ところが、この方法では、均一
な薄膜の二酸化ケイ素を蛍光体の表面に付着できず、不
均一な表面被膜となる。蛍光体の表面をコーティングす
る二酸化ケイ素は、薄膜で、均一に蛍光体表面をより完
全に被覆するのがよい。 不均一な二酸化ケイ素膜でコーティングされた蛍光体
は、二酸化ケイ素の付着量を多くしない限り、蛍光体の
表面を被覆できない。二酸化ケイ素の付着量が少ない
と、被覆されない部分が多くなる。表面処理物質の付着
量が多くなると、蛍光膜とした状態での特性が低下す
る。特に発光輝度が低下する。それは、表面コーティン
グ材は、蛍光体の特性を向上するために補助的に付着さ
れるものであって、これ自体が発光するものではないこ
とが理由である。 二酸化ケイ素を蛍光体の表面に付着させる場合、いか
に少量の表面処理物質で蛍光体の表面を完全に被覆でき
るかが大切である。蛍光体の表面にコーティングされた
二酸化ケイ素を薄膜にできると、コーティング膜が蛍光
体の発光を吸収することなく透過させて発光輝度の低下
を少なくできる。また、蛍光体表面の全体を被覆する二
酸化ケイ素は、蛍光体を理想的な状態で保護する。全面
が薄膜で保護された蛍光体は、塗布時における蛍光体の
汚染が防止されて、変色が減少される。また、コーティ
ング被膜によつて電子線照射による劣化が防止されて、
輝度の低下を少なくできる特長もある。さらに、塗布特
性を向上させることができて、蛍光膜とした状態での輝
度を高くできるなど、数々の優れた卓効を実現する。 薄膜で均一な二酸化ケイ素が、優れた特性を示すこと
は、理論的にも容易に考察できるが、これまでに開発さ
れた全ての方法では、コーティングされた蛍光体を電子
顕微鏡で観察して、表面に滑らかな二酸化ケイ素膜を形
成さることができなかった。
【発明の目的】
この発明は、このことを満足することを目的に開発さ
れたもので、この発明の重要な目的は、蛍光体の表面を
均一な薄膜の二酸化ケイ素でコーティングできる蛍光体
の製造方法を提供するにある。
【従来の課題を解決する為の手段】
この発明は、有機ケイ素の加水分解を利用して、陰極
線管用の蛍光体の表面に二酸化ケイ素を付着させてい
る。 薄膜で均一な二酸化ケイ素で蛍光体をコーティングす
るために、アルコールを含む液体に蛍光体を分散させ、
この蛍光体分散液のpHを8以上に、かつ、加熱温度を40
〜70℃に保持して、有機ケイ素を加えている。蛍光体分
散液のpHは、アンモニア水を滴下して調整できる。 この発明は、蛍光体分散液に、有機ケイ素を一緒に混
合するのではなく、蛍光体分散液のpHを8以上、加熱温
度を40〜70℃に保持し、有機ケイ素を10分以上の時間を
かけてゆっくりと徐々に滴下して添加している。有機ケ
イ素の滴下時間が短いと、二酸化ケイ素が膜にならず
に、粒状となって蛍光体の表面に付着するからである。 蛍光体分散液のpHは、8以上、好ましくは9以上に調
整される。pHが8以下では、有機ケイ素の加水分解が進
行し難いことが理由である。 蛍光体分散液の温度は、好ましくは40℃〜70℃の範囲
に調整される。40℃以上に加温すると、有機ケイ素の加
水分解が進行し易く、また、70℃を超えるとアンモニア
水が蒸発してpHが低下するからである。 以上の製法において、表面処理物質の付着量は、好ま
しくは、蛍光体100重量部に対して、0.01〜5重量部の
範囲に調整される。二酸化ケイ素の付着量が少なすぎる
と、表面処理の効果が低く、反対に多すぎると輝度が低
下する。 この発明の方法は、バインダーを使用することなく二
酸化ケイ素を蛍光体の表面に付着することができる。蛍
光体の表面に膜状に二酸化ケイ素を生成させて付着させ
るからである。ただ、バインダーを使用して二酸化ケイ
素を蛍光体の表面に付着することも可能であるのは言う
までもない。 バインダーには、例えば、亜鉛化合物、アルミニウム
化合物、Mg,Ca,Sr等のアルカリ土類金属化合物、およ
び、燐酸塩化合物、ホウ酸塩化合物のうち少なくとも1
種が使用できる。 亜鉛化合物には、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等の
水溶性の亜鉛塩を使用できる。 アルミニウム化合物には、硝酸アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム等の水溶性のアルミニウム塩を使用できる。 アルカリ土類金属化合物には、硝酸マグネシウム、硝
酸カルシウム、硝酸ストロンチウム等が使用できる。 また、燐酸化合物には、ピロ燐酸ナトリウム等の水溶
性塩を使用できる。 ホウ酸塩化合物には、ホウ酸ナトリウム等を使用でき
る。 この発明に用いられる蛍光体は、カラー受像管に使用
して優れた特性を示すものであるから、カラー受像管は
言うにおよばず、モノクローム受像管にも使用できるの
は言うまでもない。蛍光体には、例えば、 硫化亜鉛系蛍光体、硫化亜鉛カドミウム蛍光体等の
硫化物系蛍光体、 ユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体、マンガ
ン付活燐酸亜鉛蛍光体、マンガン付活ケイ酸亜鉛蛍光体
等の酸化物系の蛍光体、 ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体、テル
ビウム付活酸硫化イットリウム蛍光体などの硫化物系の
蛍光体を使用することができる。 この発明に使用される有機ケイ素には、メチルシリケ
ート、エチルシリケート、または、プロピルシリケート
が使用できる。特に、エチルシリケートが好適である。 この発明は、下記の工程で蛍光体を表面処理する。 蛍光体をエチルアルコールに分散させる。この液体
は、好ましくは、エチルアルコール/水の容積比を0.7
以上とする。 蛍光体分散液を撹拌しながらアンモニア水を加えて
pH調整する。 有機ケイ素とアンモニア水を、別々に時間をかけて
ゆっくりと蛍光体分散液に滴下する。 〜の工程で、蛍光体の表面に二酸化ケイ素の薄膜
ができる。 この工程で、表面が二酸化ケイ素膜でコーティングさ
れた蛍光体の電子顕微鏡写真を第1図aおよびbに示
す。なお、これら蛍光体は、後述する実施例1、および
実施例2で得たものである。 第1図aおよびbに示すように、本発明の方法で製造
された蛍光体は、表面が極めて滑らな二酸化ケイ素の薄
膜で被覆されている。参考に、前述の特開昭60−115683
号公報に示される、従来の方法で、二酸化ケイ素をコー
ティングした蛍光体の電子顕微鏡写真を第2図に示す。
従来の蛍光体は、第2図に示すように、表面に二酸化ケ
イ素の粒状凹凸ができるが、この発明の方法で製造され
た蛍光体は、第1図に示すように、極めて平滑で滑らか
な薄膜ができる。
【作用効果】
この発明の方法で製造された蛍光体は、第1図に示す
ように、二酸化ケイ素の平滑な薄膜でコーティングされ
る。二酸化ケイ素の薄膜でコーティングされた蛍光体
は、塗布時における蛍光体の汚染が防止されて、変色が
減少される。また、コーティング被膜によつて電子線照
射による劣化が防止されて、輝度の低下を少なくでき
る。さらに、塗布特性を向上させることができて、蛍光
膜とした状態での輝度を高くできる。 これ等の特性は、二酸化ケイ素の表面付着量によって
変化する。第3図と第4図とは、蛍光体がCrを吸着する
量と、Cuイオンによる変色の程度を示している。 第3図は蛍光体膜として塗布された蛍光体に吸着され
たCr量を測定している。すなわち、重クロム酸塩と、ポ
リビニルアルコールとの混合水溶液で蛍光体をフェース
プレートに付着した後、蛍光体をフェースプレートから
剥ぎ取って、蛍光体に吸着されたCr量を測定した。この
図に示すように、この発明の方法で製造された蛍光体
は、曲線Aで示すように、わずかに1重量部以下の二酸
化ケイ素を付着して、Crの吸着量を激減させることがで
きる。Crの吸着が多ければ、蛍光膜がやや茶褐色(Crイ
オンの色)に変化する。しかしながら、この発明の方法
で製造された蛍光体は、Crの影響で、発光が妨害される
のを阻止できる。 曲線Bは、蛍光体分散液に、エチルシリケートとエチ
ルアルコールとを一緒に混合し、これに炭酸アンモニウ
ム溶液を滴下して表面に二酸化ケイ素を付着させた蛍光
体の特性を示している。 第4図は、Cuイオンの影響で色が変化する程度を測定
している。この測定には、ZnS:Ag青色発光蛍光体を使用
している。硫化亜鉛蛍光体は、銀で付活されると青に、
銅で付活されると緑に発光するので、ZnS:Ag蛍光体は、
極めて微量のCuイオンの影響で発光色が緑色に変色す
る。第4図の測定は、ケイ酸カリウム、バリウム法で蛍
光体を沈降塗布させる工程において、クッション液に硫
酸銅の銅イオンを12ppm添加してガラスに塗布してい
る。ガラスに塗布した蛍光体を乾燥し、450℃で30分ベ
ークし、ベーク前後の色調を測定し、y値の変化Δyを
測定した。Δyが大きい程、変色の程度が大きい。この
図に示すように、この発明の方法で製造された蛍光体
は、わずかに1重量部以下の微量の二酸化ケイ素でコー
ティングして、銅イオンの変色を効果的に防止できる。
曲線Bは、蛍光体分散液に、エチルシリケートとエチル
アルコールとを一緒に混合し、これに炭酸アンモニウム
溶液を滴下して表面に二酸化ケイ素を付着させた蛍光体
の特性を示している。 さらに、第5図は、二酸化ケイ素の付着量に対する輝
度の変化を示している。第3図の試験と同じ方法でフェ
ースプレートに蛍光体を塗布し、蛍光体の表面にアルミ
ニウムを蒸着してフェースプレートを試作した。このフ
ェースプレートの背面を、加速電圧12kV、電流密度1.0
μAの電子線で励起し、フェースプレート表面の輝度を
測定した。第5図の曲線はこの発明の方法で製造された
蛍光体の輝度特性を示している。このように、この発明
の方法で製造された蛍光体は、それ自体が発光しない二
酸化ケイ素を付着するにもかかわらず、特定の付着量と
することによって、発光輝度を向上させることができ
る。 二酸化ケイ素薄膜を付着して輝度を高くできるのは、
表面処理によって蛍光体の塗布状態がよくなること、表
面の二酸化ケイ素の薄膜で、蛍光体の発光を散乱させな
いこと、また、Cr等の不純物による発光の妨害をおさえ
ることが理由である。 さらに、第6図は二酸化ケイ素を付着した蛍光体の劣
化特性を示している。劣化特性は、第5図の測定に使用
したのと同じフェースプレートを使用した。ただ、蛍光
膜を強制的に劣化させるために、通常使用状態よりも厳
しい条件で、30分間蛍光膜を刺激した。蛍光膜を励起す
る電子線は、加速電圧を15kV、電流密度を10μA/cm2
した。電子線で刺激した後の輝度を、強制刺激前の輝度
を100として表示している。この図から明かなように、
この発明の方法で試作された蛍光体は、わずかに1重量
部以下の二酸化ケイ素をコーティングして、劣化特性を
著しく改善している。 さらにまた、この発明の方法で製造された蛍光体は、
顔料を付着させたのち、表面に二酸化ケイ素でコーティ
ングすることによって、顔料の剥離を防止できる。第7
図は二酸化ケイ素を付着した蛍光体の顔料剥離率を測定
している。この測定には、表面が二酸化ケイ素でコーテ
ィングされた顔料付蛍光体を使用している。この測定
は、顔料付蛍光体が分散された、重クロム酸塩とポリビ
ニルアルコールとのスラリーを、ディスパイザーで強制
分散し、その前後で顔料の剥離率を測定した。この図に
示されるように、この発明の方法で試作された蛍光体
は、1重量部以下の二酸化ケイ素を付着して、顔料の剥
離率を極減している。
【好ましい実施例】
以下、この発明の実施例を説明する。 (実施例1) 下記の工程で二酸化ケイ素の薄膜でコーティングされ
たれ蛍光体を製造する。 エタノール……800g、 アンモニア水(18%)……30g、 緑色発光蛍光体(ZnS:Cu)…300g、 を容器に入れて撹拌しながら、50℃に加熱した。 エチルシリケートとエチルアルコールを混合し、撹
拌した容液と、5%アンモニア水とを準備する。エチル
シリケートの混合量は22.5g、エチルアルコールの混合
量は120g、また、アンモニア水は150gとする。 エチルシリケートと、エチルアルコールとの混合液
と、アンモニア水を、撹拌している蛍光体混合液に別々
に滴下する。滴下時間は、30分とする。滴下中、蛍光体
混合液の温度を50〜55℃に保持する。pHは9.2〜9.4に保
つ。 静置した後、上澄液をデカンテーションにより除去
し、脱水して110℃〜120℃の温度で8〜12時間乾燥し、
フルイ分けを行った。 このようにして得られた蛍光体は、表面に二酸化ケイ
素の薄膜が付着されていた。この工程で得られた蛍光体
を第1図aに示す。 得られた蛍光体は、蛍光体重量部100に対し、2.5重量
%の二酸化ケイ素が付着されていた。また、この蛍光体
は、表面に膜厚が50mμの二酸化ケイ素が付着されてい
た。 この蛍光体について、Cr吸着量、輝度、Cu汚染による
Δy、強制劣化試験後の輝度測定したところ、各々順番
に、 Cr吸着量が3ppm、 輝度が110%、 Cu汚染による変色Δyが0.002、 強制劣化後の輝度が97.5%となった。 ちなみに、二酸化ケイ素を付着しない蛍光体は、 Cr吸着量が200ppm、 輝度が100%(この蛍光体の輝度を基準としてい
る。) Cu汚染によるΔyが0.03、 強制劣化試験後の輝度が92.0%であった。 (実施例2) 下記の工程で二酸化ケイ素の薄膜でコーティングされ
たれ蛍光体を製造する。 エタノール……4.8kg、 アンモニア水(18%)……200g、 青色発光蛍光体(ZnS:Ag)…2kg、 を容器に入れて撹拌しながら、50℃に加熱した。 エチルシリケートと、エチルアルコールを混合し撹
拌した溶液と、5%アンモニア水を準備する。エチルシ
リケートの混合量は25g、エチルアルコールの混合量は2
00g、また、アンモニア水は250gとする。 エチルシリケートと、エチルアルコールとの混合液
と、アンモニア水を、撹拌している蛍光体混合液に別々
に滴下する。滴下時間は30分とする。滴下中、蛍光体混
合液の温度を50〜53℃に保持する。pHは9.3に保つ。 静置した後、上澄液をデカンテーションにより除去
し、脱水して110℃〜120℃の温度で8〜12時間乾燥し、
フルイ分けを行った。 このようにして得られた蛍光体は、表面に二酸化ケイ
素の薄膜が付着されていた。この工程で得られた蛍光体
を第1図bに示す。 得られた蛍光体は、蛍光体重量部100に対し、0.45重
量%の二酸化ケイ素が付着されていた。また、蛍光体表
面に付着されていた二酸化ケイ素膜厚は、10mμであっ
た。 この蛍光体について、Cr吸着量、輝度、Cu汚染による
Δy、強制劣化試験後の輝度測定したところ、各々順番
に、 Cr吸着量が10ppm、 輝度が105%、 Cu汚染による変色Δyが0.005、 強制劣化後の輝度が95%となった。 (実施例3) 下記の工程で二酸化ケイ素の薄膜でコーティングされ
たれ蛍光体を製造する。 エタノール……800g、 アンモニア水(18%)……30g、 青色発光蛍光体(ZnS:Ag)…300g、 10%アルミン酸コバルト分散液…48ml、 10%アルミン酸コバルト分散液48mlには、アルミン酸
コバルトを、蛍光体100重量部に対して1.6重量部含んで
いる。 これ等の原料を容器に入れて撹拌しながら、50℃に加
熱した。 エチルシリケートと、エチルアルコールを混合し、
撹拌した溶液と、5%アンモニア水を準備する。エチル
シリケートの混合量は22.5g、エチルアルコールの混合
量は120g、また、アンモニア水は150gとする。 エチルシリケートとエチルアルコールとの混合液
と、アンモニア水を、撹拌している蛍光体混合液に別々
に滴下する。滴下時間は、30分とする。滴下中、蛍光体
混合液の温度を50〜53℃に保持する。pHは9.2〜9.4に保
つ。 静置した後、上澄液をデカンテーションにより除去
し、脱水して110℃〜120℃の温度で8〜12時間乾燥し、
フルイ分けを行った。 このようにして得られた蛍光体は、表面に二酸化ケイ
素の薄膜が付着されていた。 得られた蛍光体は、蛍光体重量部100に対し、2.8重量
%の二酸化ケイ素が付着されていた。二酸化ケイ素の膜
厚は、約60mμであった。 この蛍光体について、Cr吸着量、輝度、Cu汚染による
Δy、強制劣化試験後の輝度測定したところ、各々順番
に、 Cr吸着量が5ppm、 輝度が110%、 Cu汚染による変色Δyが0.002、 強制劣化後の輝度が97.4%となった。 顔料の剥離率は3%であった。ちなみに、二酸化ケ
イ素を付着しない顔料付蛍光体の顔料剥離率は80%、従
来の方法で顔料を付着させた蛍光体の顔料剥離率は30%
であった。
【図面の簡単な説明】
第1図aおよびbは本発明の方法で製造された蛍光体の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真、第2図は従来の方法で
二酸化ケイ素を付着した蛍光体の粒子構造を示す電子顕
微鏡写真、第3図ないし第6図は二酸化ケイ素の付着量
に対するCr吸着量、Cu汚染による変色Δy、輝度、劣化
特性を示すグラフ、第7図は二酸化ケイ素付着量に顔料
付蛍光体の顔料剥離率を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ケイ素の加水分解を利用して、陰極線
    管用の蛍光体の表面に二酸化ケイ素を付着させる方法に
    おいて、 アルコールを含む液体に蛍光体を分散させ、 この蛍光体分散液のpHを8以上とし、 さらに、分散液の温度を40〜70℃に保持し、 有機ケイ素を10分以上の時間をかけて徐々に滴下し
    て、 蛍光体の表面に二酸化ケイ素の薄膜を形成させることを
    特徴とする、二酸化ケイ素でコーティングされた蛍光体
    の製造方法。
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