JP2002226851A - 蛍光体とその製造方法 - Google Patents
蛍光体とその製造方法Info
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Abstract
r,Alとするもので、蛍光体粒子の表面部分に、B
e、Mg、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡
散材を拡散している。蛍光体の製造方法は、蛍光体原料
を焼成してSrTiO 3:Pr,Al蛍光体とする一次
焼成工程と、焼成されたSrTiO3:Pr,Al蛍光
体の粒子表面に、Be、Mg、Ca、Sr、Baの少な
くとも一種を含む拡散材を接触させて再焼成する再焼成
工程とでSrTiO3:Pr,Al蛍光体を製造する。
Description
が1000V以下である電子線に励起されて発光するS
rTiO3:Pr,Al系蛍光体とその製造方法に関す
る。
体として、従来よりCRTに用いられる硫化亜鉛を蛍光
体母体とした、ZnS:Ag蛍光体が使用されている。
ところが、この硫化物蛍光体は、電子線励起時の硫化物
ガスの放出や蛍光体物質の分解飛散によって、酸化物フ
ィラメントの汚染や蛍光体の発光効率の低下が生じやす
いという問題があった。さらに、この蛍光体は、赤色に
は発光できない欠点もあった。
赤色の範囲に発光する蛍光体として、(ZnCd)S:
AgCl蛍光体が開発されている。しかしながら、この
蛍光体は、公害の原因となるカドミウムを含有するばか
りでなく、導電性が悪いために発光特性も好ましくな
い。導電性の悪い蛍光体は発光にむらができ、また発光
輝度も低くなる。それは、励起するために供給される電
子をスムーズに流すことができず、蛍光体が電子でマイ
ナスにチャージされる状態となり、すなわちチャージア
ップされた状態となって、−の帯電が電子線の流れを阻
害するからである。とくに、加速電圧の低い電子線は、
マイナスに帯電している蛍光体にスムーズに供給されな
くなって、発光特性を著しく低下させる。この弊害を解
消するために、(ZnCd)S:AgCl蛍光体には、
In2O3等の導電性を改善するための粉末を混合して
いる。この蛍光体は、添加される粉末で導電性は改善さ
れるが、蛍光体自体の導電性が良くなるのではないの
で、導電性の粉末を通って流れる無効電流が大きくな
る。この状態は、とくに低電圧で加速する電子線による
発光効率を低下させる原因となる。
い低速電子線用の赤色発光の蛍光体として、SrTiO
3を母体とする蛍光体が開発されている(特開平8−8
5788号)。この蛍光体は、公害物質でないカドミウ
ムを含有しない特長はあるが、好ましい発光特性、とく
に、充分に長い寿命とすることができない。この欠点を
解消することを目的として、Tiの一部をSn、Si、
Ge等の4b族元素で置換した蛍光体が開発されている
(特開平10−273658号)。この公報に記載され
るSrTiO3:Pr,Al蛍光体は、Snの添加量を
多くして寿命特性を改善できるが、Snの添加量を増加
するにしたがってが発光輝度が低下する欠点がある。
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、発
光輝度と寿命特性の両方を改善できる電子線に励起され
て発光するSrTiO3:Pr,Al系蛍光体とその製
造方法を提供することにある。
れて発光する蛍光体は、組成式をSrTiO3:Pr,
Alとするもので、蛍光体粒子の表面部分に、Be、M
g、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡散材を
拡散している。SrTiO3:Pr,Al蛍光体は、低
速電子線で励起して赤色に発光するものであるが、低速
電子線は蛍光体に衝突するときのエネルギーが小さく、
蛍光体粒子の表面を発光させる。本発明の蛍光体は、B
e、Mg、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡
散材を蛍光体粒子の表面部分に拡散することにより、蛍
光体粒子表面の発光特性を改善する。したがって、本発
明のSrTiO3:Pr,Al蛍光体は、加速電圧が低
い低速電子線による発光特性を改善できる。
かって拡散させる深さを、好ましくは50〜400オンク゛
ストロームの範囲とする。拡散材を蛍光体粒子に拡散する深
さは、再焼成工程における焼成温度と焼成時間で調整で
きる。再焼成工程の焼成温度を高く、かつ焼成時間を長
くすると、拡散材は蛍光体粒子により深く拡散する。拡
散材が拡散している深さを50〜400オンク゛ストロームとす
るのは、500オンク゛ストロームよりも深く拡散材を拡散させ
ると、加速電圧の低い低速電子線で励起する状態におけ
る発光特性が低下するからである。したがって、拡散材
を蛍光体粒子の表面部分に拡散する深さは、好ましくは
400オンク゛ストロームよりも浅くする。この蛍光体は、表面
から400オンク゛ストロームまでの範囲に拡散材を拡散させて
いるので、低速電子線で励起するときに発光特性を改善
できる。
状態で再焼成して、蛍光体粒子の表面部分に拡散され
る。再焼成して拡散材を蛍光体粒子の表面部分に拡散さ
せている蛍光体は、好ましくは、蛍光体に対して0.0
01〜15重量%の拡散材を含有するように製造され
る。再焼成工程における焼成温度は400〜1300℃
とする。この温度で再焼成される蛍光体は、蛍光体粒子
の表面部分に、拡散材が拡散して混入される。
は、好ましくは、400〜1300℃で再焼成して製作
される。この温度で再焼成されたSrTiO3:Pr,
Al蛍光体は、再焼成するときに蛍光体粒子の表面を被
覆し、あるいは付着する状態で接触している拡散材を、
蛍光体粒子の結晶表面から内部に向かって拡散させる。
は、電子線の加速電圧を1000V以下とする蛍光表示
装置、あるいは、電界放出形陰極を電子源に使用する表
示装置に適している。
製造方法は、蛍光体原料を焼成してSrTiO3:P
r,Al蛍光体とする一次焼成工程と、この工程で焼成
されたSrTiO3:Pr,Al蛍光体に、Be、M
g、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡散材を
接触させる状態で再焼成する再焼成工程とで製作され
る。再焼成工程において、蛍光体には、再焼成された蛍
光体に、0.001〜15重量%の拡散材が含有される
量の拡散材を添加して再焼成する。拡散材の添加量は、
蛍光体の発光特性に影響を与える。拡散材の添加量が少
なすぎると、拡散材による発光特性の改善効果が期待で
きなくなる。反対に拡散材の添加量が多すぎると発光輝
度が低下する。図1は、拡散材として蛍光体粒子に拡散
されるCaの含有量に対する発光輝度と輝度維持率を示
す。この図に示すように、拡散材の含有量を多くするに
したがって、発光輝度と輝度維持率が改善される。拡散
材の含有量を0.1重量%として発光輝度は最大とな
る。含有量がさらに増加すると発光輝度は次第に低下す
る。
400〜1400℃、好ましくは500〜1300℃、
さらに好ましくは、800〜1250℃とする。再焼成
工程における焼成温度は、低すぎると、再焼成工程で蛍
光体に添加している拡散材を蛍光体粒子の内部に充分に
拡散できくなくって、発光特性を改善する効果が少なく
なる。反対に再焼成工程における焼成温度が高すぎる
と、拡散材が蛍光体粒子の内部まで拡散して表面付近で
の発光特性を改善する効果が少なくなる。
る。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を
具体化するための蛍光体とその製造方法を例示するもの
であって、本発明は蛍光体とその製造方法を下記のもの
に特定しない。
は、一次焼成工程と再焼成工程で焼成して製作される。
一次焼成工程は、蛍光体原料を計量し、計量した原料粉
末を混合し、これらを円筒状のプラスチックポットに入
れ、プラスチックポットをローラーの間において、ロー
ラーで20時間乾式で混合する。混合終了後、得られた
混合原料をアルミナルツボに詰め、マッフル炉により、
大気雰囲気下で一次焼成してSrTiO3:Pr,Al
蛍光体を得る。一次焼成工程における焼成温度は、10
00〜1300℃、好ましくは1200〜1300℃、
最適には約1250℃とする。焼成時間は、たとえば2
〜10時間、3〜7時間、最適には約5時間とする。
Al(OH)3、Pr6O11の粉末を使用する。この
原料で製作される蛍光体の組成は、SrTiO3:P
r,Alとなる。本発明の蛍光体は、蛍光体原料にMg
CO3やCaCO3等のマグネシウム化合物やカルシウ
ム化合物を添加して、Srの一部をMgやCaで置換す
ることもできる。この蛍光体は、組成が(Sr,Mg,
Ca)TiO3:Pr,Alとなる。本発明は、SrT
iO3:Pr,Al蛍光体にかかるものであるが、Sr
の一部を他の元素で置換したもの、さらに付活剤の一部
を他の元素で置換した蛍光体も含むものとする。
一部をInやGaで置換する。Srの一部を、MgとC
aのいずれか一方あるいは両方で置換する蛍光体は、そ
の量を特定して発光輝度と寿命特性を向上できる。Mg
とCaがSrを置換する量は、原料として混合するMg
CO3やCaCO3の量で特定できる。このようにして
製作される蛍光体は、組成式が(Sr1−x−y,Mg
x,Cay)TiO3:Pr,Alで示されるもので、
x+yの値は、たとえば、0.001〜0.05とす
る。さらに、x+yの値は、より好ましくは0.003
〜0.02として、優れた発光輝度と寿命特性にでき
る。x+yの値がこの特定された範囲となるように、前
述のMgCO3とCaCO3の混合量を計量して原料に
添加する。
O3:Pr,Al蛍光体は、次の再焼成工程で、Be、
Mg、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡散材
に接する状態で再焼成する。拡散材は、好ましくは、蛍
光体粒子の表面をコーティングする状態で蛍光体に付着
される。ただ、蛍光体粒子の表面に、微細な粒子の拡散
材を付着して再焼成することもできる。拡散材は、B
e、Mg、Ca、Sr、Ba等の元素を炭酸塩、酸化
塩、水酸化塩の状態で蛍光体粒子の表面に付着される。
にコーティングできる。 Be、Mg、Ca、Sr、Ba等を硝酸塩、硫酸
塩、炭酸塩の水溶液とする。 拡散材を溶解している水溶液に、蛍光体粒子を入れ
て撹拌する。 撹拌している水溶液に、水酸化ナトリウムを添加し
てpH調整すると、蛍光体粒子の表面に、拡散材が水酸
化物の状態で析出される。
薄膜の拡散材をコーティングできる。拡散材でコーティ
ングしている蛍光体を再焼成工程で再焼成すると、蛍光
体粒子の表面全体に均一に拡散材を拡散できる。
のプラスチックポットに入れ、ローラーで20時間乾式
混合する。
により、大気雰囲気下1250℃で5時間焼成する。焼
成された蛍光体を、200メッシュのテトロン製フルイ
に通して、SrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。こ
の蛍光体を比較例とする。
酸カルシウム水溶液0.5リットルを入れ、これに20
0gの蛍光体を入れて撹拌する。硝酸カルシウム水溶液
にNaOHを滴下して、水溶液のpHを12.5に調整
すると、蛍光体粒子の表面にCa(OH)2が析出す
る。蛍光体粒子の表面に析出するCa(OH)2は、蛍
光体をコーティングする。この工程で、200gの蛍光
体の表面を0.11gのCa(OH)2でコーティング
する。
に詰める。アルミナルツボをマッフル炉に入れて、大気
雰囲気下1200℃で2時間再焼成する。焼成された蛍
光体を、200メッシュのテトロン製フルイに通す。こ
の工程で、蛍光体粒子の表面に拡散材であるCaを拡散
しているSrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Caの含有量
は0.03重量%であった。さらに、この実施例1の蛍
光体は、Caが蛍光体粒子の表面から200オンク゛ストローム
の深さまで拡散していた。Caが蛍光体粒子に拡散して
いる深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍光
体結晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
In2O3(10%)の混合物100重量部に対し、有
機バインダー2%を含むビークル90重量部を混合し、
これらを印刷法により基板の上に25μmの膜厚で、5
mmφの円形に塗布し蛍光面を作製した。得られた蛍光
面に対して、加速電圧12V、投入電流0.6mAを蛍
光面に流すと赤色に発光し、発光輝度は110%、50
0時間経過後の輝度維持率が72%となり、発光輝度
と、寿命特性である輝度維持率の両方を著しく向上する
ことができた。
ない、すなわち再焼成しないSrTiO3:Pr,Al
蛍光体を12V低速電子線で励起したときの輝度を10
0%とする。さらに、輝度維持率は、初期の輝度を10
0%として、500時間経過後に低下した輝度を比率で
表しており、比較例の輝度維持率は26%である。
材であるCa(OH)2でコーティングして再焼成して
いるが、本発明は必ずしも拡散材で蛍光体粒子をコーテ
ィングする必要はなく、以下のようにして、蛍光体粒子
の表面に拡散材を付着することもできる。一次焼成して
得られたSrTiO3:Pr,Al蛍光体に、水酸化カ
ルシウム等の拡散材を粉末の状態で添加し、これを2リ
ットルのプラスチックポットに入れ、ローラーで乾式混
合して、蛍光体粒子の表面に拡散材を付着することもで
きる。
の付着工程と、の再焼成工程を以下の工程とする以外
は実施例1と同じようにして実施例2の蛍光体を製作す
る。
O3:Pr,Al蛍光体と、拡散材である炭酸マグネシ
ウムの粉末6.94gとを円筒形のプラスチックポット
に入れる。プラスチックポットを2本のローラーの間に
載せて、ローラーでプラスチックポットを回転させて、
蛍光体と拡散材とを乾式混合して、蛍光体粒子の表面に
拡散材を付着する。
詰める。アルミナルツボをマッフル炉に入れて、大気雰
囲気下1000℃で2時間再焼成する。焼成された蛍光
体を、200メッシュのテトロン製フルイに通す。この
工程で、蛍光体粒子の表面に拡散材であるMgを拡散し
ているSrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Mgの含有量
は1.0重量%であった。さらに、この実施例2の蛍光
体は、Mgが蛍光体粒子の表面から300オンク゛ストロームの
深さまで拡散していた。Mgが蛍光体粒子に拡散してい
る深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍光体
結晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
電子線で励起するときの発光輝度は106%、500時
間経過後の輝度維持率が74%となり、発光輝度と輝度
維持率の両方を著しく改善できる。
の付着工程と、の再焼成工程を以下の工程とする以外
は実施例1と同じようにして実施例3の蛍光体を製作す
る。
O3:Pr,Al蛍光体と、拡散材である酸化バリウム
の粉末0.18gとを円筒形のプラスチックポットに入
れる。プラスチックポットを2本のローラーの間に載せ
て、ローラーでプラスチックポットを回転させて、蛍光
体と拡散材とを乾式混合して、蛍光体粒子の表面に拡散
材を付着する。
詰める。アルミナルツボをマッフル炉に入れて、大気雰
囲気下1200℃で2時間再焼成する。焼成された蛍光
体を、200メッシュのテトロン製フルイを通す。この
工程で、蛍光体粒子の表面に拡散材であるBaを拡散し
ているSrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Baの含有量
は0.08重量%であった。さらに、この実施例3の蛍
光体は、Baが蛍光体粒子の表面から50オンク゛ストロームの
深さまで拡散していた。Baが蛍光体粒子に拡散してい
る深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍光体
結晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
電子線で励起するときの発光輝度は105%、500時
間経過後の輝度維持率が60%となり、発光輝度と輝度
維持率の両方を著しく改善できる。
の付着工程と、の再焼成工程を以下の工程とする以外
は実施例1と同じようにして実施例4の蛍光体を製作す
る。
O3:Pr,Al蛍光体と、拡散材である酸化ベリリウ
ムの粉末0.56gとを円筒形のプラスチックポットに
入れる。プラスチックポットを2本のローラーの間に載
せて、ローラーでプラスチックポットを回転させて、蛍
光体と拡散材とを乾式混合して、蛍光体粒子の表面に拡
散材を付着する。
詰める。アルミナルツボをマッフル炉に入れて、大気雰
囲気下1100℃で3時間再焼成する。焼成された蛍光
体を、200メッシュのテトロン製フルイに通す。この
工程で、蛍光体粒子の表面に拡散材であるBeを拡散し
ているSrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Beの含有量
は0.2重量%であった。さらに、この実施例4の蛍光
体は、Beが蛍光体粒子の表面から350オンク゛ストロームの
深さまで拡散していた。Beが蛍光体粒子に拡散してい
る深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍光体
結晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
電子線で励起するときの発光輝度は105%、500時
間経過後の輝度維持率が55%となり、拡散材を拡散さ
せない蛍光体に勝るとも劣らない発光輝度と、優れた輝
度維持率を実現する。
の付着工程と、の再焼成工程を以下の工程とする以外
は実施例1と同じようにして実施例5の蛍光体を製作す
る。
ストロンチウム水溶液0.5リットルを入れ、これに2
00gの蛍光体を入れて撹拌する。硝酸ストロンチウム
水溶液にNaOHを滴下して、水溶液のpHを12.5
に調整すると、蛍光体粒子の表面にSr(OH)2が析
出する。蛍光体粒子の表面に析出するSr(OH)
2は、蛍光体をコーティングする。この工程で、200
gの蛍光体の表面を0.28gのSr(OH)2でコー
ティングする。
に詰める。アルミナルツボをマッフル炉に入れて、大気
雰囲気下1200℃で3時間再焼成する。焼成された蛍
光体を、200メッシュのテトロン製フルイに通す。こ
の工程で、蛍光体粒子の表面に拡散材であるSrを拡散
しているSrTiO3:Pr,Al蛍光体を得る。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Srの含有量
は44.5重量%であった。この蛍光体は、母体にSr
を含有するので、母体のSrと蛍光体粒子の表面部分に
拡散しているSrとを化学分析では判別できない。AE
S法でSr/Tiのモル比を測定すると1.25とSr
が多くなっており、蛍光体粒子の表面部分にSrが拡散
していることが推測される。
電子線で励起するときの発光輝度は115%、500時
間経過後の輝度維持率が71%となり、発光輝度と、寿
命特性である輝度維持率の両方を著しく向上することが
できた。
の付着工程において、蛍光体粒子をコーティングする水
酸化カルシウムの量を、0.11gから0.04gとす
る以外は実施例1と同じようにして実施例6の蛍光体を
製作する。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Caの含有量
は0.011重量%であった。さらに、この実施例6の
蛍光体は、Caが蛍光体粒子の表面から150オンク゛ストロー
ムの深さまで拡散していた。Caが蛍光体粒子に拡散し
ている深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍
光体結晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
電子線で励起するときの発光輝度は106%、500時
間経過後の輝度維持率が71%となり、発光輝度と、寿
命特性である輝度維持率の両方を著しく向上することが
できた。
の付着工程において、蛍光体粒子をコーティングする水
酸化カルシウムの量を、0.11gから60.0gとす
る以外は実施例1と同じようにして実施例7の蛍光体を
製作する。
3:Pr,Al蛍光体を化学分析すると、Caの含有量
は15重量%であった。さらに、この実施例7の蛍光体
は、Caが蛍光体粒子の表面から250オンク゛ストロームの深
さまで拡散していた。Caが蛍光体粒子に拡散している
深さは、スパッタリング後にAES分析して、蛍光体結
晶の粒子表面からの拡散距離を測定した。
電子線で励起するときの発光輝度は100%、500時
間経過後の輝度維持率が80%となり、拡散材を拡散さ
せない蛍光体に匹敵する発光輝度と、極めて優れた輝度
維持率を実現する。
式をSrTiO3:Pr,Alとする蛍光体の表面部分
に、Be、Mg、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を
含む拡散材を拡散しているので、蛍光体粒子表面の発光
特性を改善できる特長がある。とくに、本発明のSrT
iO3:Pr,Al蛍光体は、加速電圧が低い低速電子
線で励起して、赤色に発光させて、発光輝度と輝度維持
率を改善できる。
光体原料を焼成してSrTiO3:Pr,Al蛍光体と
する一次焼成工程と、焼成された蛍光体に拡散材を接触
させる状態で再焼成する再焼成工程とで蛍光体を製作す
るので、簡単な工程で蛍光体粒子の表面部分に拡散剤を
拡散させて発光輝度と寿命特性の両方を理想的に改善で
きる特長がある。
有量に対する相対発光輝度及び輝度維持率を示すグラフ
Claims (10)
- 【請求項1】 組成式をSrTiO3:Pr,Alとす
る蛍光体であって、蛍光体粒子の表面部分に、Be、M
g、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡散材を
拡散させていることを特徴とする電子線用の蛍光体。 - 【請求項2】 拡散材が蛍光体粒子表面から内部に向か
って拡散する深さが、50〜400オングストロームの
範囲である請求項1に記載される電子線用の蛍光体。 - 【請求項3】 拡散材を蛍光体粒子表面に接触させる状
態で再焼成して蛍光体粒子の表面部分に拡散材を拡散し
ている請求項1に記載される電子線用の蛍光体。 - 【請求項4】 蛍光体が0.001〜15重量%の拡散
材を含有する請求項1に記載される電子線用の蛍光体。 - 【請求項5】 拡散材を表面に接触させている蛍光体を
400〜1300℃で再焼成して、蛍光体粒子の表面部
分に拡散材を拡散させてなる請求項1に記載される電子
線用の蛍光体。 - 【請求項6】 電子線の加速電圧が1000V以下であ
る蛍光表示装置、または、電界放出形陰極を電子源に使
用する表示装置に使用される蛍光体である請求項1に記
載される電子線用の蛍光体。 - 【請求項7】 蛍光体原料を焼成してSrTiO3:P
r,Al蛍光体とする一次焼成工程と、焼成されたSr
TiO3:Pr,Al蛍光体の粒子表面に、Be、M
g、Ca、Sr、Baの少なくとも一種を含む拡散材を
接触させて再焼成する再焼成工程とでSrTiO3:P
r,Al蛍光体を製造する蛍光体の製造方法。 - 【請求項8】 再焼成された蛍光体が0.001〜15
重量%の拡散材を含有する量の拡散材を蛍光体に添加し
て再焼成する請求項7に記載される蛍光体の製造方法。 - 【請求項9】 蛍光体粒子の表面を拡散材で被覆して再
焼成する請求項7に記載される蛍光体の製造方法。 - 【請求項10】 再焼成工程における焼成温度が400
〜1400℃である請求項7に記載される蛍光体の製造
方法。
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