JP2003323853A - 冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents

冷陰極電界電子放出表示装置

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JP2003323853A
JP2003323853A JP2002129605A JP2002129605A JP2003323853A JP 2003323853 A JP2003323853 A JP 2003323853A JP 2002129605 A JP2002129605 A JP 2002129605A JP 2002129605 A JP2002129605 A JP 2002129605A JP 2003323853 A JP2003323853 A JP 2003323853A
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electrode
spacer
field emission
anode
cathode
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JP2002129605A
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Morikazu Konishi
守一 小西
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】たとえ、スペーサとアノード電極や収束電極と
の間に接触不良や導通不良が生じた場合であっても、こ
れらの間で放電が生じ難い構造を有する冷陰極電界電子
放出表示装置を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出表示装置は、収束電極
15を有する複数の冷陰極電界電子放出素子が設けられ
たカソードパネルCPと、蛍光体層23及びアノード電
極24が設けられたアノードパネルAPとが、それらの
周縁部で接合されて成り、カソードパネルCPとアノー
ドパネルAPとの間には、導電性を有するセラミックス
から成るスペーサ本体31、その上端面31Aに形成さ
れた第1電極32、及び、その下端面31Bに形成され
た第2電極33から成る複数のスペーサ31が配置され
ており、スペーサの上端部は第1の抵抗体層34を介し
てアノード電極24と接し、下端部は第2の抵抗体層3
5を介して収束電極15と接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出表示装置に関し、更に詳しくは、改良されたスペーサ
を備えた冷陰極電界電子放出表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】図17に、電界放出素子を備えた冷陰極電
界電子放出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合があ
る)の模式的な一部端面図を示す。図示した電界放出素
子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(S
pindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放
出素子である。この電界放出素子は、例えばガラス基板
から成る支持体10上に形成されたカソード電極11
と、支持体10及びカソード電極11上に形成された第
1絶縁層12と、第1絶縁層12上に形成されたゲート
電極13と、第1絶縁層12及びゲート電極13上に形
成された第2絶縁層14と、第2絶縁層14上に設けら
れた収束電極15と、収束電極15及び第2絶縁層14
に設けられた第1開口部16と、ゲート電極13に設け
られた第2開口部17と、第1絶縁層12に設けられた
第3開口部18と、第3開口部18の底部に位置するカ
ソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部19
から構成されている。一般に、カソード電極11とゲー
ト電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交
する方向(図17において、カソード電極11は図面水
平方向に延び、ゲート電極13は図面垂直方向に延び
る)に各々ストライプ状に形成されており、これらの両
電極の射影像が重複する領域(1画素分の領域に相当す
る。この領域を、以下、重複領域あるいは電子放出領域
EAと呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子が設けられ
ている。収束電極15は、有効領域(実際の表示部分と
して機能する領域)を覆う1枚のシート状の形状を有す
る。更に、かかる電子放出領域EAが、カソードパネル
CPの有効領域内に、通常、2次元マトリックス状に配
列されている。
【0004】一方、アノードパネルAPは、例えばガラ
ス基板から成る基板20と、基板20上に形成され、所
定のパターンを有する蛍光体層23(カラー表示の場
合、赤色発光蛍光体層23R、緑色発光蛍光体層23
G、青色発光蛍光体層23B)と、その上に形成された
反射膜としても機能するアノード電極24から構成され
ている。
【0005】1画素は、カソードパネル側の電子放出領
域EAと、電子放出領域EAに対面したアノードパネル
側の蛍光体層23とによって構成されている。有効領域
には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオー
ダーにて配列されている。尚、蛍光体層23と蛍光体層
23との間の基板20上には、光吸収層(ブラックマト
リックスとも呼ばれる)21が形成されている。また、
光吸収層21の上には隔壁22が形成されている。隔壁
22の一部が後述するスペーサ231を保持するスペー
サ保持部30として機能する。
【0006】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電子放出領域EAと蛍光体層23とが対向するよ
うに配置し、周縁部において枠体25を介して接合する
ことによって、表示装置を作製することができる。有効
領域を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成さ
れた無効領域には真空排気用の貫通孔(図示せず)が設
けられており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られ
たチップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノ
ードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とによ
って囲まれた空間は高真空となっている。
【0007】カソード電極11及び収束電極15には相
対的に負電圧がカソード電極制御回路40及び収束電極
制御回路41から印加され、ゲート電極13には相対的
に正電圧がゲート電極制御回路42から印加され、アノ
ード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧
がアノード電極制御回路43から印加される。かかる表
示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極
11にカソード電極制御回路40から走査信号を入力
し、ゲート電極13にゲート電極制御回路42からビデ
オ信号を入力する。あるいは又、カソード電極11にカ
ソード電極制御回路40からビデオ信号を入力し、ゲー
ト電極13にゲート電極制御回路42から走査信号を入
力する。カソード電極11とゲート電極13との間に電
圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果
に基づき電子放出部19から電子が放出され、この電子
がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24
を通過し、蛍光体層23に衝突する。その結果、蛍光体
層23が励起されて発光し、所望の画像を得ることがで
きる。つまり、この表示装置の動作や明るさは、基本的
に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード
電極11を通じて電子放出部19に印加される電圧によ
って制御される。
【0008】このような表示装置においては、アノード
パネルAPとカソードパネルCPと枠体25とによって
囲まれた空間が高真空となっているが故に、アノードパ
ネルAPとカソードパネルCPとの間にスペーサ231
を配しておかないと、大気圧によって表示装置が損傷を
受けてしまう。
【0009】通常、スペーサ231は、導電性を有する
セラミックスから作製されている。そして、例えば、特
表平11−500856に開示されたスペーサにおいて
は、図17に示すように、スペーサ231の上端面にエ
ッジ金属被覆ストリップ232Aが形成され、スペーサ
231の下端面にエッジ金属被覆ストリップ232Bが
形成されている。尚、金属被覆ストリップ232Aはア
ノード電極制御回路43に接続され、金属被覆ストリッ
プ232Bは収束電極制御回路41に接続されている。
具体的には、スペーサ231の長手方向端部に接続部が
設けられており、アノード電極制御回路43から延びる
配線及び収束電極制御回路41から延びる配線と、金属
被覆ストリップ232A,232Bとはコネクターによ
って接続されている。このようなエッジ金属被覆ストリ
ップ232A,232Bを形成することによって、スペ
ーサ231の上部の電位はアノード電極24の電位と等
しくなり、スペーサ231の下部の電位は収束電極15
の電位と等しくなる。その結果、スペーサ近傍の電界に
起因した電子軌道の歪みの修正を行うことができるとさ
れている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一対の隔壁
22によって構成されたスペーサ保持部30の間にスペ
ーサ231を嵌め込んでいるが、嵌め込み状態によって
は、スペーサ231の上端面に形成された金属被覆スト
リップ232とアノード電極24との接触、あるいは
又、スペーサ231の下端面に形成された金属被覆スト
リップ232Bと収束電極15との接触が不良となった
り、エッジ金属被覆ストリップ232A,232Bの表
面や、アノード電極24、収束電極15の表面に酸化膜
等の絶縁膜が存在すると、スペーサ231とアノード電
極24との間の導通不良、あるいは又、スペーサ231
と収束電極15との間の導通不良が生じる。
【0011】このような現象が生じ、しかも、何らかの
事情によって、アノード電極制御回路43から延びる配
線と金属被覆ストリップ232Aとの接続不良、あるい
は、収束電極制御回路41から延びる配線と金属被覆ス
トリップ232Bとの接続不良が生じると、最悪の場
合、スペーサ231が、アノード電極24と等電位とな
ったり、収束電極15と等電位となってしまう。スペー
サ231がアノード電極24と等電位となると、スペー
サ231と収束電極15との間で放電が発生し易くな
る。あるいは又、スペーサ231が収束電極15と等電
位となると、スペーサ231とアノード電極24との間
で放電が発生し易くなる。そして、このような放電によ
って、アノード電極24や収束電極15、更には、表示
装置全体の損傷が発生する虞がある。
【0012】従って、本発明の目的は、たとえ、スペー
サとアノード電極あるいは収束電極との間に接触不良や
導通不良が生じ、しかも、スペーサの電位が所定の電位
から逸脱した場合であっても、スペーサとアノード電
極、あるいは、スペーサと収束電極との間で放電が生じ
難い構造を有する冷陰極電界電子放出表示装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示
装置は、収束電極を有する複数の冷陰極電界電子放出素
子が設けられたカソードパネルと、蛍光体層及びアノー
ド電極が設けられたアノードパネルとが、それらの周縁
部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であっ
て、冷陰極電界電子放出表示装置の有効領域におけるカ
ソードパネルとアノードパネルとの間には、複数のスペ
ーサが配置されており、スペーサは、導電性を有するセ
ラミックスから成るスペーサ本体と、スペーサ本体の上
端面に形成された第1電極と、スペーサ本体の下端面に
形成された第2電極とから構成されており、スペーサの
上端部は、第1の抵抗体層を介してアノード電極と接し
ており、スペーサの下端部は、第2の抵抗体層を介して
収束電極と接していることを特徴とする。
【0014】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出表示装置においては、第1電極上に第1の抵抗体層
が形成され、第2電極上に第2の抵抗体層が形成されて
いる構成とすることができる。尚、このような構成を、
便宜上、本発明の第1Aの態様に係る冷陰極電界電子放
出表示装置と呼ぶ。あるいは又、第1電極と接するアノ
ード電極の部分には第1の抵抗体層が形成され、第2電
極と接する収束電極の部分には第2の抵抗体層が形成さ
れている構成とすることもできる。尚、このような構成
を、便宜上、本発明の第1Bの態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置と呼ぶ。
【0015】尚、本発明の第1Aの態様と本発明の第1
Bの態様を組み合わせてもよい。具体的には、 スペーサの上部構造を本発明の第1Aの態様におけ
るスペーサの上部構造とし、スペーサの下部構造を本発
明の第1Bの態様におけるスペーサの下部構造とし、収
束電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの上部構造を本発明の第1Bの態様におけ
るスペーサの上部構造とし、スペーサの下部構造を本発
明の第1Aの態様におけるスペーサの下部構造とし、ア
ノード電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの上部構造及び下部構造を本発明の第1A
の態様におけるスペーサの上部構造及び下部構造とし、
アノード電極及び収束電極の構成を本発明の第1Bの態
様とする態様、 とすることができる。
【0016】上記の各種の態様を含む本発明の第1の態
様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、第1
の抵抗体層及び第2の抵抗体層の抵抗値は、1×105
Ω乃至1×108Ωであることが好ましい。第1の抵抗
体層及び第2の抵抗体層の厚さは、例えば、0.1μm
〜10μmであることが望ましいが、このような範囲に
限定するものではない。あるいは又、第1の抵抗体層及
び第2の抵抗体層は、アノード電極と収束電極との電位
差によって絶縁破壊が生じないような抵抗値及び/又は
厚さとすることが望ましい。
【0017】あるいは又、第1の抵抗体層の厚さを
1、長さをL1、幅をW1、第1の抵抗体層を構成する
材料の比誘電率をε1、第2の抵抗体層の厚さをt2、長
さをL2、幅をW2、第2の抵抗体層を構成する材料の比
誘電率をε2、真空の誘電率をε 0としたとき、 ε0×ε1×(L1×W1/t1)<C ε0×ε2×(L2×W2/t2)<C を満足することが望ましい。ここで、「C」は、アノー
ド電極と収束電極との間の静電容量である。
【0018】また、上記の各種の態様を含む本発明の第
1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあって
は、第1電極とアノード電極とは等電位であり(即ち、
第1電極及びアノード電極はアノード電極制御回路に接
続され)、第2電極と収束電極とは等電位である(即
ち、第2電極と収束電極は収束電極制御回路に接続され
ている)構成とすることが好ましい。
【0019】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、収束電極
を有する複数の冷陰極電界電子放出素子が設けられたカ
ソードパネルと、蛍光体層及びアノード電極が設けられ
たアノードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成
る冷陰極電界電子放出表示装置であって、冷陰極電界電
子放出表示装置の有効領域におけるカソードパネルとア
ノードパネルとの間には、複数のスペーサが配置されて
おり、スペーサは、導電性を有するセラミックスから成
るスペーサ本体と、スペーサ本体の上部側面の少なくと
も一方のアノード電極と離間した位置に形成された第1
電極と、スペーサ本体の下部側面の少なくとも一方の収
束電極と離間した位置に形成された第2電極とから構成
されており、スペーサの上端面は、アノード電極と接し
ており、スペーサの下端面は、収束電極と接しているこ
とを特徴とする。
【0020】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出表示装置にあっては、第1電極とアノード電極とは
等電位であり(即ち、第1電極及びアノード電極はアノ
ード電極制御回路に接続され)、第2電極と収束電極と
は等電位である(即ち、第2電極と収束電極は収束電極
制御回路に接続されている)構成とすることが好まし
い。
【0021】また、本発明の第2の態様に係る冷陰極電
界電子放出表示装置にあっては、スペーサ本体の体積抵
抗率は、1×102Ω・m乃至1×109Ω・mであるこ
とが好ましい。尚、本発明の第1の態様若しくは第2の
態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置におけるスペー
サ本体を構成する導電性を有するセラミックスとは、セ
ラミックスの体積抵抗率が、1×102Ω・m乃至1×
109Ω・mであるものを意味する。
【0022】本発明の第2の態様と、本発明の第1A、
第1Bの態様とを組み合わせてもよい。具体的には、 スペーサの上部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの上部構造とし、スペーサの下部構造を本発明
の第1Aの態様におけるスペーサの下部構造とする態
様、 スペーサの上部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの上部構造とし、スペーサの下部構造を本発明
の第1Bの態様におけるスペーサの下部構造とし、収束
電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの上部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの上部構造とし、スペーサの下部構造を本発明
の第1Aの態様におけるスペーサの下部構造とし、収束
電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの下部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの下部構造とし、スペーサの上部構造を本発明
の第1Aの態様におけるスペーサの上部構造とする態
様、 スペーサの下部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの下部構造とし、スペーサの上部構造を本発明
の第1Bの態様におけるスペーサの上部構造とし、アノ
ード電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの下部構造を本発明の第2の態様における
スペーサの下部構造とし、スペーサの上部構造を本発明
の第1Aの態様におけるスペーサの上部構造とし、アノ
ード電極の構成を本発明の第1Bの態様とする態様、 スペーサの上部構造及び下部構造を本発明の第2の
態様におけるスペーサの上部構造及び下部構造とし、ア
ノード電極及び収束電極の構成を本発明の第1Bの態様
とする態様、 とすることができる。
【0023】本発明の第1の態様若しくは第2の態様に
係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、これらを総称
して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、スペ
ーサ本体をその長手方向と直角の仮想平面で切断したと
きのスペーサ本体の断面形状は、細長い矩形である。ス
ペーサ本体の高さ、厚さ、長さは、冷陰極電界電子放出
表示装置の仕様等に基づき決定すればよく、例えば、ス
ペーサ本体の厚さとして20μm〜200μm、例え
ば、50μmを例示することができる。スペーサ本体の
長手方向端部に接続部を設ければ、第1電極をアノード
電極制御回路にコネクターを用いて容易に接続でき、第
2電極を収束電極制御回路にコネクターを用いて容易に
接続できる。
【0024】所謂グリーンシートを成形した後、グリー
ンシートを焼成してグリーンシート焼成品(切断前のス
ペーサ本体)を得る。そして、かかるグリーンシート焼
成品の一方の面に第1電極を形成し、更に、第1電極上
に第1の抵抗体層を形成し、グリーンシート焼成品の他
方の面に第2電極を形成し、更に、第2電極上に第2の
抵抗体層を形成した後、かかるグリーンシート焼成品を
切断することによって、本発明の第1Aの態様に係る冷
陰極電界電子放出表示装置におけるスペーサを製造する
ことができる。あるいは又、所謂グリーンシートを成形
した後、グリーンシートを焼成してグリーンシート焼成
品(切断前のスペーサ本体)を得る。そして、かかるグ
リーンシート焼成品の一方の面に第1電極を形成し、グ
リーンシート焼成品の他方の面に第2電極を形成した
後、かかるグリーンシート焼成品を切断する。次いで、
第1電極上に第1の抵抗体層を形成し、第2電極上に第
2の抵抗体層を形成することによっても、本発明の第1
Aの態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置におけるス
ペーサを製造することができる。また、所謂グリーンシ
ートを成形した後、グリーンシートを焼成してグリーン
シート焼成品(切断前のスペーサ本体)を得る。そし
て、かかるグリーンシート焼成品の一方の面に第1電極
を形成し、グリーンシート焼成品の他方の面に第2電極
を形成した後、かかるグリーンシート焼成品を切断する
ことによって、本発明の第1Bの態様に係る冷陰極電界
電子放出表示装置におけるスペーサを製造することがで
きる。更には、所謂グリーンシートを成形した後、グリ
ーンシートを焼成してグリーンシート焼成品(切断前の
スペーサ本体)を得る。そして、かかるグリーンシート
焼成品の一方の面の所望の部分に第1電極及び第2電極
を形成し、必要に応じて、グリーンシート焼成品の他方
の面の所望の部分に第1電極及び第2電極を形成した
後、かかるグリーンシート焼成品を切断することによっ
て、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示
装置におけるスペーサを製造することができる。
【0025】スペーサ本体を構成するセラミックスとし
て、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸
ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸
塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料に、酸化
チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニ
ッケルを添加したもの等を例示することができる。
【0026】第1電極や第2電極の形成方法として、物
理的気相成長法(PVD法)や化学的気相成長法(CV
D法)、電気メッキ法及び無電解メッキ法を含むメッキ
法、スクリーン印刷法を挙げることができる。第1電極
及び第2電極は、周知の導電材料から構成することがで
きる。PVD法として、電子ビーム加熱法、抵抗加熱
法、フラッシュ蒸着等の各種真空蒸着法、プラズマ蒸
着法、2極スパッタリング法、直流スパッタリング
法、直流マグネトロンスパッタリング法、高周波スパッ
タリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンビ
ームスパッタリング法、バイアススパッタリング法等の
各種スパッタリング法、DC(direct current)法、R
F法、多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イ
オンプレーティング法、反応性イオンプレーティング法
等の各種イオンプレーティング法、を挙げることができ
る。
【0027】また、第1の抵抗体層や第2の抵抗体層の
形成方法として、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸
着法を含む各種の真空蒸着法、スパッタリング法、CV
D法やイオンプレーティング法、スクリーン印刷法等を
挙げることができる。第1の抵抗体層や第2の抵抗体層
を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)
やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルフ
ァスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO
2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化
物を例示することができる。
【0028】アノードパネルにおいて、冷陰極電界電子
放出素子から放出された電子が先ず衝突する部位は、ア
ノード電極である。即ち、基板上に蛍光体層が形成さ
れ、蛍光体層上にアノード電極が形成されている。アノ
ード電極は、更に、後述するスペーサ保持部や隔壁も覆
っている。
【0029】アノード電極の構成材料として、例えば、
アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を用いる
ことができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム
(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電
極の厚さとして、具体的には、3×10-8m(30n
m)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは
5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100n
m)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。
【0030】本発明にあっては、アノードパネルを構成
する基板上に、スペーサを保持するためのスペーサ保持
部を設けることが好ましい。スペーサ保持部を、例え
ば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(F
e)、金(Au)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)、パ
ラジウム(Pd)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から
成る群から選択された少なくとも1種類の金属、あるい
は、これらの金属から構成された合金;酸化インジウム
−錫(ITO);酸化インジウム−亜鉛(IXO);酸
化錫(SnO2);アンチモンドープの酸化錫;インジ
ウム又はアンチモンドープの酸化チタン(TiO2);
酸化ルテニウム(RuO2);インジウム又はアンチモ
ンドープの酸化ジルコニウム(ZrO2);ポリイミド
樹脂;低融点ガラスから構成することができ、電気メッ
キ法や無電解メッキ法を含むメッキ法、溶射法、スクリ
ーン印刷法、ディスペンサを用いた方法、サンドブラス
ト形成法、ドライフィルム法、感光法によって形成する
ことができる。スペーサ保持部を形成した後、スペーサ
保持部の頂面を研磨し、スペーサ保持部の頂面の平坦化
を図ってもよい。
【0031】ここで、ドライフィルム法とは、基板上に
感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって
スペーサ保持部形成予定部位の感光性フィルムを除去
し、除去によって生じた開口部にスペーサ保持部形成用
の材料を埋め込み、必要に応じて、スペーサ保持部形成
用の材料を焼成する方法である。感光性フィルムは焼成
によって燃焼、除去され、あるいは又、薬品によって除
去され、開口部に埋め込まれたスペーサ保持部形成用の
材料が残り、スペーサ保持部となる。感光法とは、基板
上に感光性を有するスペーサ保持部形成用の材料層を形
成し、露光及び現像によってこの材料層をパターニング
した後、焼成を行う方法である。サンドブラスト形成法
とは、例えば、スクリーン印刷法やロールコーター、ド
クターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いてスペ
ーサ保持部形成用材料層を基板上に形成し、乾燥及び/
又は焼成した後、スペーサ保持部を形成すべきスペーサ
保持部形成用材料層の部分をマスクで被覆し、次いで、
露出したスペーサ保持部形成用材料層の部分をサンドブ
ラスト法によって除去する方法である。溶射法において
は、隔壁を形成しない基板の部分をマスクで覆うが、こ
のマスクを、開口を有する板状材料(シート状材料)か
ら構成することもできるが、所謂感光性材料から構成す
ることが好ましい。そして、後者の場合、感光性材料層
を基板上に形成し、次いで、この感光性材料層を露光、
現像することによって、感光性材料層から成り、開口を
有するマスクをスペーサ保持部形成用材料層上に形成す
ることができる。
【0032】本発明において、アノードパネルには、更
に、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層か
ら放出された二次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光
学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する
ための、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、ある
いは、蛍光体層から放出された二次電子が隔壁を越えて
他の蛍光体層に向かって侵入したとき、これらの電子が
他の蛍光体層と衝突することを防止するための、隔壁
が、複数、設けられていることが好ましい。複数の隔壁
を設ける場合、複数の隔壁の一部分がスペーサ保持部と
して機能する構成とすることが好ましく、この場合に
は、スペーサ保持部の形成と同時に(一緒に)隔壁を形
成することができる。
【0033】隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁
形状)、即ち、1画素に相当する、例えば平面形状が略
矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙
げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ
状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格
子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続
的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形
状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形
状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な
形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、
隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
【0034】蛍光体層からの光を吸収する光吸収層が隔
壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコ
ントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光
吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。
光吸収層を構成する材料として、蛍光体層からの光を9
9%以上吸収する材料を選択することが好ましい。この
ような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロ
ム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるい
は、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロ
ム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機
樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を
含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、
具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸
化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、
酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板
と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタ
リング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパ
ッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法と
の組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、
使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成す
ることができる。
【0035】蛍光体層の平面形状(パターン)は、画素
に対応して、ドット状であってもよいし、ストライプ状
であってもよい。蛍光体層が隔壁の間に形成されている
場合、隔壁で取り囲まれたアノードパネルを構成する基
板の部分の上に蛍光体層が形成されている。
【0036】蛍光体層は、発光性結晶粒子(例えば、粒
径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光
性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発
光性結晶粒子組成物(赤色発光蛍光体スラリー)を全面
に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体層を形成
し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑
色発光蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し
て、緑色発光蛍光体層を形成し、更に、青色の感光性の
発光性結晶粒子組成物(青色発光蛍光体スラリー)を全
面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体層を形成
する方法にて形成することができる。
【0037】発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料とし
ては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用い
ることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSC
で規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バ
ランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほ
ぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好まし
い。赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al5
12:Eu)、(YBO3:Eu)、(YVO4:Eu)、
(Y2SiO5:Eu)、(Y0.960.600.404:E
0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdB
3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5MgO・
0.5MgF2・GeO2:Mn)、(Zn3(P
42:Mn)、(LuBO3:Eu)、(SnO2:E
u)を例示することができる。緑色発光蛍光体層を構成
する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(B
aAl1219:Mn)、(BaMg2Al1627:M
n)、(MgGa24:Mn)、(YBO3:Tb)、
(LuBO3:Tb)、(Sr4Si38Cl4:E
u)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,A
u,Al)、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:T
b)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl
1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO
4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:T
b)、(ZnGa24:Mn)を例示することができ
る。青色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaW
4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:E
u)、(Sr227:Eu)、(Sr227:S
n)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、Z
nMgO、ZnGaO4を例示することができる。
【0038】アノードパネルを構成する基板は、少なく
とも表面が絶縁性部材より構成されていればよく、ガラ
ス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基
板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜
が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造
コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面
に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好まし
い。カソードパネルを構成する支持体も、アノードパネ
ルを構成する基板と同様のものを使用することができ
る。
【0039】カソードパネルとアノードパネルとを周縁
部において接合する場合、接合は接着層を用いて行って
もよいし、あるいはガラスやセラミックス等の絶縁剛性
材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。
枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜
選択することにより、接着層のみを使用する場合に比
べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離
をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構
成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融
点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用
いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(イ
ンジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融
点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、S
95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)
系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、
Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb
97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)
系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜
鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜
314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜
C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点38
1゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)
を例示することができる。
【0040】カソードパネルとアノードパネルと枠体の
三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、
あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネ
ルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソー
ドパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルとアノードパネルと枠体と接着層とによって囲まれた
空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気
を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいず
れであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大
気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属す
るガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであっても
よい。
【0041】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチ
ップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的
にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/
又はアノードパネルの無効領域に設けられた貫通部の周
囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用い
て接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着に
よって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極
電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させ
ると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残
留ガスを排気により空間外へ除去することができるの
で、好適である。
【0042】冷陰極電界電子放出素子に関しては、後に
詳述する。
【0043】一対の隔壁の間にスペーサを嵌め込んだと
き、スペーサの上端部あるいは上端面とアノード電極と
の接触、あるいは又、スペーサの下端部あるいは下端面
と収束電極との接触が不良となったり、第1電極や第2
電極、アノード電極、収束電極の表面に酸化膜等の絶縁
膜が存在した場合、スペーサとアノード電極との間の導
通不良、あるいは又、スペーサと収束電極との間の導通
不良が生じる。しかしながら、本発明においては、スペ
ーサ本体に設けられた第1電極とアノード電極との間に
は第1の抵抗体層あるいはスペーサ本体それ自体が存在
し、スペーサ本体に設けられた第2電極と収束電極との
間には第2の抵抗体層あるいはスペーサ本体それ自体が
存在する。それ故、このような現象が生じ、しかも、何
らかの事情によって、アノード電極制御回路から延びる
配線と第1電極との接続不良、あるいは、収束電極制御
回路から延びる配線と第2電極との接続不良が生じ、最
悪の場合、たとえ、スペーサが、アノード電極と等電位
となったり、収束電極と等電位となったとしても、第1
の抵抗体層あるいは第2の抵抗体層を介して、あるいは
又、スペーサ本体それ自体を介して、スペーサから電流
が収束電極あるいはアノード電極に徐々に流れる結果、
スペーサと収束電極との間、あるいは、スペーサとアノ
ード電極との間での放電電流による損傷発生を効果的に
防止することができ、安定した冷陰極電界電子放出表示
装置の動作を保証することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0045】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1Aの態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以
下、表示装置と略称する)に関する。図1に、実施の形
態1の表示装置の模式的な一部端面図を示し、図2の
(A)にスペーサの模式的な部分側面図を示す。また、
カソードパネルの模式的な部分的斜視図を図3に示す。
尚、図3においては、第2絶縁層及び収束電極を除いて
表示している。また、アノードパネルにおける隔壁、蛍
光体層及びスペーサの配置を模式的に示す配置図を、図
4〜図6に例示する。ここで、図1の模式的な一部端面
図は、図4の線A−Aに沿った一部端面図である。
【0046】実施の形態1の表示装置は、収束電極15
を有する複数の冷陰極電界電子放出素子が設けられたカ
ソードパネルCPと、蛍光体層23及びアノード電極2
4が設けられたアノードパネルAPとが、それらの周縁
部で接合されて成り、カソードパネルCPとアノードパ
ネルAPとの間の空間は真空となっている。より具体的
には、実施の形態1のアノードパネルAPは、例えばガ
ラス基板から成る基板20と、基板20上に形成され、
所定のパターンを有する蛍光体層23(カラー表示の場
合、赤色発光蛍光体層23R、緑色発光蛍光体層23
G、青色発光蛍光体層23B)と、その上に形成された
反射膜としても機能するアルミニウム薄膜から成るアノ
ード電極24から構成されている。そして、基板20上
には、隔壁22が形成されており、隔壁22と隔壁22
との間の基板20の部分の上には蛍光体層23が形成さ
れている。アノード電極24は、蛍光体層23の上から
隔壁22の上に亙って、有効領域全体に形成されてい
る。図1に示したアノードパネルAPにあっては、隔壁
22と基板20との間に、蛍光体層23からの光を吸収
する光吸収層(ブラックマトリックス)21が形成され
ている。光吸収層21は、酸化クロム/クロム積層膜か
ら成る。
【0047】隔壁22の一部は、スペーサ保持部30と
して機能する。具体的には、一部の隔壁22の端部は
「T」字状となっており、「T」字の横棒の部分がスペ
ーサ保持部30に相当する。一対のスペーサ保持部30
の間隔を55μm、高さを約50μmとした。尚、一部
の隔壁22の端部に突出部を設け、この突出部からスペ
ーサ保持部を構成することもできる。また、隔壁22と
は別個にスペーサ保持部30を設けてもよい。以下に説
明する実施の形態においても同様である。
【0048】そして、表示装置の有効領域(実際の表示
部分として機能する領域)におけるカソードパネルCP
とアノードパネルAPとの間には複数のスペーサが配置
されている。具体的には、スペーサ保持部30として機
能する一対の隔壁22の間に、スペーサの上部が挟み込
まれている。
【0049】一方、図1に示した表示装置における冷陰
極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)
は、円錐形の電子放出部19を備えた、所謂スピント型
電界放出素子である。この電界放出素子は、支持体10
上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカ
ソード電極11上に形成された第1絶縁層12と、第1
絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、第1絶縁
層12及びゲート電極13上に形成された第2絶縁層1
4と、第2絶縁層14上に設けられた収束電極15と、
収束電極15及び第2絶縁層14に設けられた第1開口
部16と、ゲート電極13に設けられた第2開口部17
と、第1絶縁層12に設けられた第3開口部18と、第
3開口部18の底部に位置するカソード電極11上に形
成された円錐形の電子放出部19から構成されている。
一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これ
らの両電極の射影像が互いに直交する方向(図1におい
て、カソード電極11は図面水平方向に延び、ゲート電
極13は図面垂直方向に延びる)に各々ストライプ状に
形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領
域(1画素分の領域に相当し、電子放出領域EAであ
る)に、通常、複数の電界放出素子が設けられている。
収束電極15は、有効領域(実際の表示部分として機能
する領域)を覆う1枚のシート状の形状を有する。更
に、かかる電子放出領域EAが、カソードパネルCPの
有効領域内に、通常、2次元マトリックス状に配列され
ている。
【0050】1画素は、カソードパネル側の電子放出領
域EAと、この電子放出領域EAに対面したアノードパ
ネル側の蛍光体層23とによって構成されている。有効
領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個もの
オーダーにて配列されている。
【0051】スペーサは、導電性を有するセラミックス
(具体的には、酸化チタン及び酸化クロムが添加された
アルミナ)から成るスペーサ本体31と、スペーサ本体
31の上端面31Aに形成された第1電極32と、スペ
ーサ本体31の下端面31Bに形成された第2電極33
とから構成されている。スペーサ本体31は、具体的に
は、酸化チタン及び酸化クロムを含むアルミナから成
る、導電性を有するセラミックスから構成されている。
スペーサ本体31の長さを100mm、厚さを50μ
m、高さを1mmとした。スペーサ本体31をその長手
方向と直角の仮想平面で切断したときのスペーサ本体3
1の断面形状は、細長い矩形である。そして、第1電極
32上には第1の抵抗体層34が形成され、第2電極3
3上には第2の抵抗体層35が形成されている。第1電
極32及び第2電極33を、厚さ1μmのクロム(C
r)膜から構成し、第1の抵抗体層34及び第2の抵抗
体層35を、厚さ1μmのSiCから構成した。第1の
抵抗体層34及び第2の抵抗体層35の抵抗値は約10
0キロΩである。そして、スペーサの上端部は、第1の
抵抗体層34を介してアノード電極24と接しており、
スペーサの下端部は、第2の抵抗体層35を介して収束
電極15と接している。スペーサ本体31の長手方向端
部に位置する第1電極32の部分及び第2電極33の部
分には接続部(図示せず)が設けられており、これらの
接続部に、アノード電極制御回路43から延びる配線
(図示せず)、及び、収束電極制御回路41から延びる
配線(図示せず)がコネクター(図示せず)を用いて接
続されている。
【0052】隔壁22、スペーサ保持部30、スペーサ
本体31及び蛍光体層23(23R,23G,23B)
の配置状態を模式的に図4〜図6に示す。尚、図4〜図
6においては、隔壁22、スペーサ保持部30及びスペ
ーサ本体31を明示するために、これらに斜線を付し
た。図4あるいは図5に示す例にあっては、隔壁22の
平面形状は、格子形状(井桁形状)である。即ち、1画
素に相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の
蛍光体層23の四方を取り囲む形状である。一方、図6
に示す例にあっては、隔壁22の平面形状は、略矩形の
蛍光体層23の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状である。尚、図6に示した例にお
いては、隔壁22の長さは約200μmであり、幅(厚
さ)は約25μmであり、高さは約50μmである。ま
た、長さ方向に沿った隔壁22と隔壁22との間の隙間
は約100μmであり、幅(厚さ)方向に沿った隔壁2
2の形成ピッチは約110μmである。スペーサ保持部
30を構成する隔壁の「T」字の横棒の部分の長さは約
40μmである。
【0053】この表示装置において表示を行う場合に
は、カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電
極制御回路40から印加され、収束電極15には収束電
極制御回路41から例えば0ボルトが印加され、ゲート
電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路42
から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よ
りも更に高い正電圧がアノード電極制御回路43から印
加される。尚、スペーサに設けられた第1電極32はア
ノード電極制御回路43に接続されており、スペーサに
設けられた第2電極33は収束電極制御回路41に接続
されている。即ち、第1電極32とアノード電極24と
は等電位であり、第2電極33と収束電極15とは等電
位である。
【0054】そして、例えば、カソード電極11にカソ
ード電極制御回路40から走査信号を入力し、ゲート電
極13にゲート電極制御回路42からビデオ信号を入力
する。尚、これとは逆に、カソード電極11にカソード
電極制御回路40からビデオ信号を入力し、ゲート電極
13にゲート電極制御回路42から走査信号を入力して
もよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電
圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果
に基づき電子放出部19から電子が放出され、この電子
がアノード電極24に引き付けられ、蛍光体層23に衝
突する。その結果、蛍光体層23が励起されて発光し、
所望の画像を得ることができる。
【0055】スペーサは、例えば、以下の方法で作製す
ることができる。即ち、所謂グリーンシートを成形した
後、グリーンシートを焼成してグリーンシート焼成品
(切断前のスペーサ本体31)を得る。そして、グリー
ンシート焼成品の一方の面にPVD法にて第1電極32
を形成し、更に、第1電極32上に第1の抵抗体層をP
VD法にて形成する。更には、グリーンシート焼成品の
他方の面に第2電極33をPVD法にて形成し、更に、
第2電極33上に第2の抵抗体層35をPVD法にて形
成する。その後、かかるグリーンシート焼成品を切断す
る。
【0056】以下、図4に例示した実施の形態1のアノ
ードパネルAP及び表示装置の製造方法を、アノードパ
ネルAPを構成する基板20等の模式的な一部端面図で
ある図7の(A)〜(D)及び図8の(A)〜(C)を
参照して説明する。
【0057】[工程−100]先ず、ガラス基板から成
る基板20上に隔壁22及びスペーサ保持部30を形成
する。具体的には、先ず、基板20全面にレジスト層を
形成し、露光、現像を行うことによって、隔壁22及び
スペーサ保持部30を形成すべき基板20の部分の上の
レジスト層を除去する。次いで、真空蒸着法にて、全面
にクロム膜、酸化クロム膜を順次成膜した後、レジスト
層並びにその上のクロム膜及び酸化クロム膜を除去す
る。これによって、隔壁22及びスペーサ保持部30を
形成すべき基板20の部分に、ブラックマトリックスと
して機能する光吸収層21を形成することができる(図
7の(A)参照)。
【0058】[工程−110]その後、全面に、具体的
には、基板20及び光吸収層21上に厚さ50μmのア
ルカリ可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、
現像を行うことによって、開口52を有するマスク(感
光性ドライフィルム51)を基板20上に配置して、隔
壁22及びスペーサ保持部30を形成すべき基板20の
部分(具体的には、光吸収層21)を露出させることが
できる(図7(B)参照)。
【0059】[工程−120]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、クロム(Cr)から成る溶射材料
(導電性溶射材料である)を溶射することによって、露
出した基板20の部分(具体的には、光吸収層21)に
溶射層から成る隔壁22及びスペーサ保持部30を形成
することができる。感光性ドライフィルム51の上に
は、溶射材料は殆ど堆積しない。次いで、感光性ドライ
フィルム51を除去する前に、隔壁22及びスペーサ保
持部30を研磨し、隔壁22及びスペーサ保持部30の
頂面の平坦化を図ることが好ましい。研磨は、研磨紙を
用いた湿式研磨によって行うことができる。その後、感
光性ドライフィルム51を除去することで、図7の
(C)に示す構造を得ることができる。隔壁22を導電
性溶射材料から構成することによって、隔壁22が一種
の網目状やストライプ状の配線としても機能し、アノー
ド電極24を等電位に制御することが容易となる。
【0060】[工程−130]次に、赤色発光蛍光体層
を形成するために、例えばポリビニルアルコール(PV
A)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、
重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラ
リーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリ
ーを乾燥、露光、現像することによって、所定の隔壁2
2の間に赤色発光蛍光体層23Rを形成する。このよう
な操作を、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体ス
ラリーについても同様に行うことによって、最終的に、
所定の隔壁22の間に、赤色発光蛍光体層23R、緑色
発光蛍光体層23G、青色発光蛍光体層23Bを形成す
る(図7の(D)、及び、図2〜図4の模式的な部分的
配置図を参照)。
【0061】[工程−140]その後、各蛍光体層23
(蛍光体層23R,23G,23B)の上に、主にアク
リル系樹脂から構成されたラッカーから成る中間膜53
を形成する(図8の(A)参照)。具体的には、水槽内
に蛍光体層23が形成された基板20を沈め、水面にラ
ッカー膜を形成した後、水槽内の水を抜くことによっ
て、ラッカーから成る中間膜53を蛍光体層23の上か
ら隔壁22及びスペーサ保持部30の上に亙って形成す
ることができる。尚、ラッカーに添加された可塑剤の量
や、水面にラッカー膜を形成するときの条件によって、
ラッカー膜の硬さや延び率を変えることができ、これら
を最適化することによって、中間膜53を蛍光体層23
の上から隔壁22及びスペーサ保持部30の上に亙って
形成することができる。中間膜53を構成するラッカー
には、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般
にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸
エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるい
は、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリ
ルラッカーが含まれる。
【0062】[工程−150]その後、全面にアルミニ
ウムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形
成する(図8の(B)参照)。最後に、400゜C程度
の加熱処理を行うことによって、中間膜53を焼成する
と、図8の(C)に示すような構造を有するアノードパ
ネルAPを得ることができる。尚、中間膜53の燃焼に
より生じたガスは、例えば、アノード電極24のうち、
隔壁22の形状に沿って折れ曲がっている領域に生じる
微細な孔を通じて外部に排出される。この孔は微細なた
め、アノード電極24の構造的な強度や画像表示特性に
深刻な影響を及ぼすものではない。
【0063】[工程−160]一方、複数の電界放出素
子から構成された電子放出領域EAを備えたカソードパ
ネルCPを準備する。尚、電界放出素子の詳細は後述す
る。そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、
スペーサの上部をスペーサ保持部30の間に挟み込む。
スペーサの最上面を構成する第1の抵抗体層34は、ア
ノード電極24と接触した状態となる。そして、蛍光体
層23と電子放出領域EAとが対向するようにアノード
パネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノード
パネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基
板20と支持体10)とを、枠体25を介して、周縁部
において接合する。接合に際しては、枠体25とアノー
ドパネルAPとの接合部位、及び枠体25とカソードパ
ネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノ
ードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とを貼
り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、
約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、
アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25と
フリットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔(図
示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空
間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加
熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネ
ルAPとカソードパネルCPと枠体25とに囲まれた空
間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路
との配線を行い、所謂3電極型の表示装置を完成させ
る。スペーサの最下面を構成する第2の抵抗体層35
は、カソードパネルCPに設けられた収束電極15と接
触した状態にある。
【0064】[工程−120]において、溶射法にて隔
壁22及びスペーサ保持部30を形成する代わりに、電
気メッキ法にて隔壁22及びスペーサ保持部30を形成
することもできる。この場合、光吸収層21をメッキ用
カソードとして用い、例えばスルファミン酸ニッケル溶
液を用いた電気メッキ法にて、例えばニッケルから成る
隔壁22及びスペーサ保持部30を形成することができ
る。更には、光吸収層21と隔壁22及びスペーサ保持
部30との間に、例えば、金、銀あるいは銅から成る中
間層を形成してもよい。あるいは又、隔壁22及びスペ
ーサ保持部30を、スクリーン印刷法、ディスペンサを
用いた方法、サンドブラスト形成法、ドライフィルム
法、感光法によっても形成することができる。
【0065】図2の(B)に、スペーサの変形例の模式
的な断面図を示す。このスペーサにあっては、第1の抵
抗体層34及び第2の抵抗体層35がスペーサ本体31
の側面まで延在し、第1電極32及び第2電極33の側
面は、第1の抵抗体層34及び第2の抵抗体層35によ
って被覆されている。このように第1電極32及び第2
電極33の露出部分を無くすことによって、スペーサと
収束電極15との間、あるいは、スペーサとアノード電
極24との間で放電の発生を一層確実に防止することが
できる。このようなスペーサは、例えば、以下の方法で
作製することができる。即ち、所謂グリーンシートを成
形した後、グリーンシートを焼成してグリーンシート焼
成品(切断前のスペーサ本体31)を得る。そして、か
かるグリーンシート焼成品の一方の面に第1電極32を
PVD法にて形成し、グリーンシート焼成品の他方の面
に第2電極33をPVD法にて形成した後、かかるグリ
ーンシート焼成品を切断する。次いで、全面に抵抗体層
をPVD法にて形成した後、かかる抵抗体層をパターニ
ングすることによって、第1の抵抗体層34及び第2の
抵抗体層35を得ることができる。
【0066】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形である。実施の形態2のスペーサの模式的
な断面図を図9の(A)に示す。また、アノードパネル
AP、カソードパネルCPの模式的な一部端面図を図9
の(B)に示し、実施の形態2のスペーサをアノードパ
ネルAPとカソードパネルCPとに配置した状態の模式
的な一部端面図を図10に示す。
【0067】実施の形態2においては、スペーサ本体3
1の上端面31Aには第1電極32が形成され、スペー
サ本体31の下端面31Bには第2電極33が形成され
ている。スペーサ本体31、第1電極32、第2電極3
3の構成材料は、実施の形態1のスペーサ本体31、第
1電極32、第2電極33の構成材料と同様とすること
ができるし、作製あるいは形成方法も実施の形態1と同
様とすることができる。
【0068】そして、第1電極32と接するアノード電
極24の部分には第1の抵抗体層34Aが形成され、第
2電極33と接する収束電極15の部分には第2の抵抗
体層35Aが形成されている。第1の抵抗体層34A
は、厚さ1μmのSiCから成り、例えば、実施の形態
1の[工程−150]の後、PVD法、リソグラフィ技
術及びエッチング技術に基づき形成することができる。
また、第2の抵抗体層35Aは、厚さ1μmのSiCか
ら成り、電界放出素子を形成した後、スクリーン印刷法
にて収束電極15上に形成すればよい。
【0069】以上の点を除き、実施の形態2のアノード
パネルAPの構成は、実施の形態1のアノードパネルA
Pと同様とすることができるし、カソードパネルCPの
構成も、実施の形態1のカソードパネルCPと同様とす
ることができるので、詳細な説明は省略する。
【0070】尚、スペーサの上部構造及びアノード電極
を実施の形態2の構造とし、下部構造を実施の形態1の
構造としてもよいし、スペーサの上部構造を実施の形態
1の構造とし、下部構造及び収束電極を実施の形態2の
構造としてもよいし、スペーサの上部構造及び下部構造
を実施の形態1の構造とし、アノード電極及び収束電極
を実施の形態2の構造としてもよい。
【0071】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第2の態様に係る表示装置に関する。図11の(A)
にスペーサの模式的な部分側面図を示し、図11の
(B)にスペーサの模式的な断面図を示す。更には、実
施の形態3のスペーサをアノードパネルAPとカソード
パネルCPとに配置した状態の模式的な一部端面図を図
11の(C)に示す。
【0072】実施の形態3におけるスペーサは、実施の
形態1と同様に、導電性を有するセラミックス(具体的
には、酸化チタン及び酸化クロムが添加されたアルミ
ナ)から成るスペーサ本体131と、スペーサ本体13
1の上部側面の少なくとも一方(実施の形態3において
は両面)のアノード電極24と離間した位置に形成され
た第1電極132と、スペーサ本体131の下部側面の
少なくとも一方(実施の形態3においては両面)の収束
電極15と離間した位置に形成された第2電極133と
から構成されている。そして、スペーサの上端面131
Aはアノード電極24と接しており、スペーサの下端面
131Bは収束電極15と接している。ここで、スペー
サ本体131の体積抵抗率は、1キロΩ・mである。
【0073】尚、スペーサに設けられた第1電極132
は、実施の形態1と同様に、アノード電極制御回路43
に接続されており、スペーサに設けられた第2電極13
3は、実施の形態1と同様に、収束電極制御回路41に
接続されている。即ち、第1電極132とアノード電極
24とは等電位であり、第2電極133と収束電極15
とは等電位である。
【0074】実施の形態3におけるスペーサは、例え
ば、以下の方法で作製することができる。即ち、所謂グ
リーンシートを成形した後、グリーンシートを焼成して
グリーンシート焼成品(切断前のスペーサ本体131)
を得る。そして、かかるグリーンシート焼成品の一方の
面の所望の部分に第1電極132及び第2電極133を
形成し、グリーンシート焼成品の他方の面の所望の部分
に第1電極132及び第2電極133を形成した後、か
かるグリーンシート焼成品を切断する。
【0075】スペーサの構造を除き、実施の形態3のア
ノードパネルAPの構成は、実施の形態1のアノードパ
ネルAPと同様とすることができるし、カソードパネル
CPの構成も、実施の形態1のカソードパネルCPと同
様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0076】(各種の電界放出素子及びその製造方法)
以下、各種の電界放出素子及びその製造方法を説明す
る。
【0077】所謂3電極型の表示装置を構成する電界放
出素子は、電子放出部の構造により、具体的には、例え
ば、以下の2つの範疇に分類することができる。即ち、
第1の構造の電界放出素子は、(イ)支持体上に設けら
れた、第1の方向に延びるストライプ状のカソード電極
と、(ロ)支持体及びカソード電極上に形成された第1
絶縁層と、(ハ)第1絶縁層上に設けられ、第1の方向
とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲート電
極と、(ニ)第1絶縁層及びゲート電極上に形成された
第2絶縁層と、(ホ)第2絶縁層上に形成された収束電
極と、(ヘ)収束電極及び第2絶縁層に設けられた第1
開口部と、(ト)ゲート電極に設けられ、第1開口部と
連通する第2開口部と、(チ)第1絶縁層に設けられ、
第2開口部と連通した第3開口部と、(リ)第3開口部
の底部に位置するカソード電極上に設けられた電子放出
部、から成り、第3開口部の底部に露出した電子放出部
から電子が放出される構造を有する。
【0078】このような第1の構造を有する電界放出素
子として、上述したスピント型(円錐形の電子放出部
が、第3開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)、扁平型(略平面状の電子放出部
が、第3開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)を挙げることができる。
【0079】第2の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状の
カソード電極と、(ロ)支持体及びカソード電極上に形
成された第1絶縁層と、(ハ)第1絶縁層上に設けら
れ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライ
プ状のゲート電極と、(ニ)第1絶縁層及びゲート電極
上に形成された第2絶縁層と、(ホ)第2絶縁層上に形
成された収束電極と、(ヘ)収束電極及び第2絶縁層に
設けられた第1開口部と、(ト)ゲート電極に設けら
れ、第1開口部と連通する第2開口部と、(チ)第1絶
縁層に設けられ、第2開口部と連通した第3開口部、第
3開口部の底部に露出したカソード電極の部分が電子放
出部に相当し、かかる第3開口部の底部に露出したカソ
ード電極の部分から電子を放出する構造を有する。
【0080】このような第2の構造を有する電界放出素
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子を挙げることができる。
【0081】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によっ
て形成することができる。
【0082】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0083】あるいは又、扁平型電界放出素子におい
て、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2
次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2
次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択
してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤ
モンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al
23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(B
eO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(B
aF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中
から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構
成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はな
い。
【0084】扁平型電界放出素子にあっては、特に好ま
しい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的に
はダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチュー
ブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらか
ら構成する場合、5×107V/m以下の電界強度に
て、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることがで
きる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各
電子放出部から得られる放出電子電流を均一化すること
ができ、その結果、表示装置に組み込まれた場合の輝度
ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、
表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対
して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿
命化を図ることができる。
【0085】カーボン・ナノチューブ構造体として、具
体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン
・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的に
は、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成して
もよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を
構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン
・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成しても
よい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイ
バーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状
であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチ
ューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カー
ボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周
知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったP
VD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD
法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法に
よって製造、形成することができる。
【0086】扁平型電界放出素子を、バインダ材料にカ
ーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものを、例え
ばカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、バイ
ンダ材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的に
は、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バイン
ダ材料や、水ガラスや銀ペースト等の無機系バインダ材
料にカーボン・ナノチューブ構造体を分散したものを、
例えばカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、
溶媒の除去、バインダ材料の焼成・硬化を行う方法)に
よって製造することもできる。尚、このような方法を、
カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形成方法と呼
ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示すること
ができる。
【0087】あるいは又、カーボン・ナノチューブ構造
体が分散された金属化合物溶液を、例えばカソード電極
上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって扁
平型電界放出素子を製造することもでき、これによっ
て、金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックス
にてカーボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面
に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノ
チューブ構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックス
は、導電性を有する金属酸化物から成ることが好まし
く、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化イ
ンジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化
アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、
各カーボン・ナノチューブ構造体の一部分がマトリック
スに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カ
ーボン・ナノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋
め込まれている状態を得ることもできる。マトリックス
の体積抵抗率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・
mであることが望ましい。
【0088】金属化合物溶液を構成する金属化合物とし
て、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又
は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げ
ることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機
アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは
硫酸)に溶解し、これを有機溶剤(例えば、トルエン、
酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したもの
を挙げることができる。また、有機金属化合物溶液とし
て、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化
合物、有機アンチモン化合物を有機溶剤(例えば、トル
エン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解し
たものを例示することができる。溶液を100重量部と
したとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001
〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含ま
れた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界
面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの
厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液
に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよ
い。また、場合によっては、有機溶剤の代わりに水を溶
媒として用いることもできる。
【0089】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液を、例えばカソード電極上に塗布する
方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディ
ッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例
示することができるが、中でもスプレー法を採用するこ
とが塗布の容易性といった観点から好ましい。
【0090】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液を、例えばカソード電極上に塗布した
後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成
し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分
を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化
合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去し
てもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化
合物溶液を塗布してもよい。
【0091】金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩
が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温
度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が
分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物に由来し
た金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有す
る金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例え
ば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の
上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要
素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0092】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄
処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率
の一層の向上といった観点から好ましい。このような処
理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、
アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガ
ス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプ
ラズマ処理を挙げることができる。
【0093】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
は、第3開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
表面に形成されていればよく、第3開口部の底部に位置
するカソード電極の部分から第3開口部の底部以外のカ
ソード電極の部分の表面に延在するように形成されてい
てもよい。また、電子放出部は、第3開口部の底部に位
置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されてい
ても、部分的に形成されていてもよい。
【0094】各種の電界放出素子におけるカソード電極
を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばT
iN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2
TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半
導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(インジウム
・錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の
厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、か
かる範囲に限定するものではない。
【0095】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群
から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属
元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド);あるいはシリコン(Si)等の半導体;
ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化
亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
【0096】各種の電界放出素子における収束電極を構
成する導電性材料、あるいは又、第1電極や第2電極を
構成する導電性材料として、上述したカソード電極やゲ
ート電極を構成する導電性材料を挙げることができる。
【0097】カソード電極やゲート電極の形成方法とし
て、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法
といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオン
プレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリー
ン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例
えばストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。収束電極の形成方法として、例えば、電子ビー
ム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパ
ッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法、ス
クリーン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げるこ
とができる。収束電極も同様の方法で形成することがで
きるが、通常、第1開口部の形成、及び、不要部分の除
去を除き、パターニングする必要はない。
【0098】第1の構造あるいは第2の構造を有する電
界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存する
が、ゲート電極及び第1絶縁層に設けられた1つの第2
開口部及び第3開口部内に1つの電子放出部が存在して
もよいし、ゲート電極及び第1絶縁層に設けられた1つ
の第2開口部及び第3開口部内に複数の電子放出部が存
在してもよいし、ゲート電極に複数の第2開口部を設
け、かかる第2開口部と連通する1つの第3開口部を第
1絶縁層に設け、第1絶縁層に設けられた1つの第3開
口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0099】第1開口部、第2開口部あるいは第3開口
部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を
切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角
形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の
形状とすることができる。これらの開口部の形成は、例
えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エ
ッチングの組合せによって行うことができる。
【0100】第1の構造を有する電界放出素子におい
て、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設け
てもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出
部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界
放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵
抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成と
してもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出
素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることが
できる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカー
バイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、
SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ル
テニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等
の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層
の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やス
クリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概
ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすれば
よい。
【0101】第1絶縁層及び第2絶縁層の構成材料とし
て、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、
PbSG、SiN、SiON、SOG(スピンオングラ
ス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2
系材料、SiN、ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あ
るいは適宜組み合わせて使用することができる。第1絶
縁層と第2絶縁層とは、同じ材料から構成されていても
よいし、異なる材料から構成されていてもよい。第1絶
縁層及び第2絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、ス
パッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセス
が利用できる。
【0102】[スピント型電界放出素子]スピント型電
界放出素子の構造は、実施の形態1にて説明したとおり
である。
【0103】以下、スピント型電界放出素子の製造方法
を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な
一部端面図である図12の(A)、(B)及び図13の
(A)、(B)を参照して説明する。
【0104】尚、このスピント型電界放出素子は、基本
的には、円錐形の電子放出部19を金属材料の垂直蒸着
により形成する方法によって得ることができる。即ち、
収束電極15に設けられた第1開口部16に対して蒸着
粒子は垂直に入射するが、第1開口部16の開口端付近
に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果
を利用して、第3開口部18の底部に到達する蒸着粒子
の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部19
を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハ
ング状の堆積物の除去を容易とするために、収束電極1
5上に剥離層60を予め形成しておく方法について説明
する。尚、図12〜図16においては、1つの電子放出
部のみを図示した。
【0105】[工程−A0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成る
カソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、
ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、
全面にSiO 2から成る第1絶縁層12をCVD法にて
形成する。
【0106】[工程−A1]次に、第1絶縁層12上
に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をス
パッタ法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層
をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパタ
ーニングすることによって、ストライプ状のゲート電極
13を得ることができる。ストライプ状のカソード電極
11は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲ
ート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
【0107】尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のP
VD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法とい
ったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーショ
ン法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成
技術と、必要に応じてエッチング技術との組合せによっ
て形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれ
ば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成する
ことが可能である。
【0108】[工程−A2]その後、全面に(具体的に
は、第1絶縁層12及びゲート電極13上に)、SiO
2から成る第2絶縁層14をCVD法にて形成する。
【0109】[工程−A3]次いで、第2絶縁層14上
にアルミニウム(Al)から成る収束電極15を真空蒸
着法にて形成し、レジスト層を用いたリソグラフィ技術
及びエッチング技術に基づき、収束電極15及び第2絶
縁層14に第1開口部16を形成する。そして、更に、
ゲート電極13に、第1開口部16に連通した第2開口
部17を形成し、第1絶縁層12に、第2開口部17に
連通した第3開口部18を形成し、第3開口部18の底
部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除
去する。この状態を、模式的に図12の(A)に示す。
【0110】[工程−A4]次に、支持体10を回転さ
せながら収束電極15上にニッケル(Ni)を斜め蒸着
することにより、剥離層60を形成する(図12の
(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸
着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例
えば、入射角65度〜85度)、第3開口部18の底部
にニッケルを殆ど堆積させることなく、収束電極15の
上に剥離層60を形成することができる。剥離層60
は、第1開口部16の開口端から庇状に張り出してお
り、これによって第1開口部16Bが実質的に縮径され
る。
【0111】[工程−A5]次に、全面に例えば導電材
料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3
度〜10度)。このとき、図13の(A)に示すよう
に、剥離層60上でオーバーハング形状を有する導電材
料層61が成長するに伴い、第1開口部16の実質的な
直径が次第に縮小されるので、第3開口部18の底部に
おいて堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口部1
6の中央付近を通過するものに限られるようになる。そ
の結果、第3開口部18の底部には円錐形の堆積物が形
成され、この円錐形の堆積物が電子放出部19となる。
【0112】[工程−A6]その後、リフトオフ法にて
剥離層60を収束電極15の表面から剥離し、収束電極
15の上方の導電材料層61を選択的に除去する。こう
して、複数のスピント型電界放出素子が形成されたカソ
ードパネルを得ることができる。尚、等方的なエッチン
グは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主
エッチング種として利用するドライエッチング、あるい
はエッチング液を利用するウェットエッチングにより行
うことができる。エッチング液としては、例えば49%
フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用
いることができる。こうして、図13の(B)に示す電
界放出素子を完成することができる。
【0113】[扁平型電界放出素子(その1)]扁平型
電界放出素子は、(イ)支持体10上に設けられた、第
1の方向に延びるストライプ状のカソード電極11と、
(ロ)支持体10及びカソード電極11上に形成された
第1絶縁層12と、(ハ)第1絶縁層12上に設けら
れ、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるストライ
プ状のゲート電極13と、(ニ)第1絶縁層12及びゲ
ート電極13上に形成された第2絶縁層14と、(ホ)
第2絶縁層14上に形成された収束電極15と、(ヘ)
収束電極15及び第2絶縁層14に設けられた第1開口
部16と、(ト)ゲート電極13に設けられ、第1開口
部16と連通する第2開口部17と、(チ)第1絶縁層
12に設けられ、第2開口部17と連通した第3開口部
18と、(リ)第3開口部18の底部に位置するカソー
ド電極上に設けられた電子放出部19A、から成り、第
3開口部18の底部に露出した電子放出部19Aから電
子が放出される構造を有する。
【0114】電子放出部19Aは、マトリックス70、
及び、先端部が突出した状態でマトリックス70中に埋
め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的に
は、カーボン・ナノチューブ71)から成り、マトリッ
クス70は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、
酸化インジウム−錫、ITO)から成る。
【0115】以下、電界放出素子の製造方法を、図14
の(A)、(B)及び図15の(A)、(B)を参照し
て説明する。
【0116】[工程−B0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上に、例えばスパッタリング法及びエ
ッチング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロ
ム(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極11
を形成する。
【0117】[工程−B1]次に、カーボン・ナノチュ
ーブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属
化合物溶液をカソード電極11上に、例えばスプレー法
にて塗布する。具体的には、以下の表1に例示する金属
化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあって
は、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例え
ば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にあ
る。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造さ
れ、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に
際しては、支持体10を70〜150゜Cに加熱してお
く。塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30
分間、支持体10を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発さ
せる。このように、塗布時、支持体10を加熱すること
によって、カソード電極11の表面に対してカーボン・
ナノチューブが水平に近づく方向にセルフレベリングす
る前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチ
ューブが水平にはならない状態でカソード電極11の表
面にカーボン・ナノチューブを配置することができる。
即ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極
24の方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン
・ナノチューブを、支持体10の法線方向に近づく方向
に配向させることができる。尚、予め、表1に示す組成
の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、カーボン
・ナノチューブを添加していない金属化合物溶液を調製
しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブと金属化
合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン・ナノチ
ューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の調製時、
超音波を照射してもよい。
【0118】 [表1] 有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部 分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部 カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部 酢酸ブチル :残余
【0119】尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスと
して酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解
したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用い
れば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アン
チモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリッ
クスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化
合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マ
トリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれ
ば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウ
ム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックス
として酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用い
れば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有
機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マト
リックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるい
は又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化イン
ジウム)を用いてもよい。
【0120】場合によっては、金属化合物溶液を乾燥し
た後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されてい
る場合がある。このような場合には、金属化合物層の上
に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液
を塗布することが望ましい。
【0121】[工程−B2]その後、有機酸金属化合物
から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金
属化合物に由来した金属原子(具体的には、In及びS
n)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であ
り、より一層具体的にはITO)70にてカーボン・ナ
ノチューブ71がカソード電極11の表面に固定された
電子放出部19Aを得る。焼成を、大気雰囲気中で、3
50゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られた
マトリックス70の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mで
あった。有機酸金属化合物を出発物質として用いること
により、焼成温度350゜Cといった低温においても、
ITOから成るマトリックス70を形成することができ
る。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化
合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例え
ば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によ
って塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOか
ら成るマトリックス70が形成される。
【0122】[工程−B3]次いで、全面にレジスト層
を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例
えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、
10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリ
ックス70をエッチングして、電子放出部の不要部分を
除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチュ
ーブが未だ存在する場合には、以下の表2に例示する条
件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナ
ノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0
Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパ
ワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば
80゜C程度に加熱してもよい。
【0123】[表2] 使用装置 :RIE装置 導入ガス :酸素を含むガス プラズマ励起パワー:500W バイアスパワー :0〜150W 処理時間 :10秒以上
【0124】あるいは又、表3に例示する条件のウェッ
トエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエ
ッチングしてもよい。
【0125】[表3] 使用溶液:KMnO4 温度 :20〜120゜C 処理時間:10秒〜20分
【0126】その後、レジスト層を除去することによっ
て、図14の(A)に示す構造を得ることができる。
尚、直径10μmの円形の電子放出部を残すことに限定
されない。例えば、電子放出部をカソード電極11上に
残してもよい。
【0127】尚、[工程−B1]、[工程−B3]、
[工程−B2]の順に実行してもよい。
【0128】[工程−B4]次に、電子放出部19A、
支持体10及びカソード電極11上に第1絶縁層12を
形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキ
シシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、
全面に、厚さ約1μmの第1絶縁層12を形成する。
【0129】[工程−B5]その後、第1絶縁層12上
にストライプ状のゲート電極13を形成し、更に、第1
絶縁層12及びゲート電極13上に第2絶縁層14を形
成し、第2絶縁層14上に収束電極15を形成する。そ
して、収束電極15上にマスク材料層72を設けた後、
収束電極15及び第2絶縁層14に第1開口部16を形
成し、ゲート電極13に、第1開口部16に連通した第
2開口部17を形成し、更に、第1絶縁層12に、第2
開口部17に連通する第3開口部18を形成する(図1
4の(B)参照)。尚、マトリックス70を金属酸化
物、例えばITOから構成する場合、第1絶縁層12を
エッチングするとき、マトリックス70がエッチングさ
れることはない。即ち、第1絶縁層12とマトリックス
70とのエッチング選択比はほぼ無限大である。従っ
て、第1絶縁層12のエッチングによってカーボン・ナ
ノチューブ71に損傷が発生することはない。
【0130】[工程−B6]次いで、以下の表4に例示
する条件にて、マトリックス70の一部を除去し、マト
リックス70から先端部が突出した状態のカーボン・ナ
ノチューブ71を得ることが好ましい。こうして、図1
5の(A)に示す構造の電子放出部19Aを得ることが
できる。
【0131】[表4] エッチング溶液:塩酸 エッチング時間:10秒〜30秒 エッチング温度:10〜60゜C
【0132】マトリックス70のエッチングによって一
部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ71の表面状
態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、
フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっ
ている場合がある。それ故、その後、電子放出部19A
に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うこと
が好ましく、これによって、電子放出部19Aが活性化
し、電子放出部19Aからの電子の放出効率の一層の向
上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の
表5に例示する。
【0133】[表5] 使用ガス :H2=100sccm 電源パワー :1000W 支持体印加電力:50V 反応圧力 :0.1Pa 支持体温度 :300゜C
【0134】その後、カーボン・ナノチューブ71から
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ71の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ71を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ71を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。
【0135】[工程−B7]その後、第2絶縁層14に
設けられた第1開口部16の側壁面、及び第1絶縁層1
2に設けられた第3開口部18の側壁面を等方的なエッ
チングによって後退させることが、ゲート電極13の開
口端部を露出させるといった観点から、好ましい。次い
で、マスク材料層72を除去する。こうして、図15の
(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
【0136】尚、[工程−B5]の後、[工程−B
7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
【0137】[扁平型電界放出素子(その2)]扁平型
電界放出素子の模式的な一部断面図を、図16の(A)
に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから
成る支持体10上に形成されたストライプ状のカソード
電極11、支持体10及びカソード電極11上に形成さ
れた第1絶縁層12、第1絶縁層12上に形成されたス
トライプ状のゲート電極13、第1絶縁層12及びゲー
ト電極13上に形成された第2絶縁層14、第2絶縁層
14上に形成された収束電極15、収束電極15及び第
2絶縁層14に設けられた第1開口部16、ゲート電極
13に設けられ、第1開口部16と連通した第2開口部
17、第1絶縁層12に設けられ、第2開口部17に連
通した第3開口部18、並びに、第3開口部18の底部
に位置するカソード電極11の部分の上に設けられた扁
平の電子放出部(電子放出層19B)から成る。ここ
で、電子放出層19Bは、図面の紙面垂直方向に延びた
ストライプ状のカソード電極11上に形成されている。
また、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びて
いる。カソード電極11、ゲート電極13及び収束電極
15はクロムから成り、第1絶縁層12、第2絶縁層1
2はSiO2から成る。電子放出層19Bは、具体的に
は、グラファイト粉末から成る薄層から構成されてい
る。図16の(A)に示した扁平型電界放出素子におい
ては、カソード電極11の表面の全域に亙って、電子放
出層19Bが形成されているが、このような構造に限定
するものではなく、要は、少なくとも第3開口部18の
底部に電子放出層19Bが設けられていればよい。
【0138】[平面型電界放出素子]平面型電界放出素
子の模式的な一部断面図を、図16の(B)に示す。こ
の平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体
10上に形成されたストライプ状のカソード電極11、
支持体10及びカソード電極11上に形成された第1絶
縁層12、第1絶縁層12上に形成されたストライプ状
のゲート電極13、第1絶縁層12及びゲート電極13
上に形成された第2絶縁層14、第2絶縁層14上に形
成された収束電極15、収束電極15及び第2絶縁層1
4に設けられた第1開口部16、ゲート電極13に設け
られ、第1開口部16と連通した第2開口部17、第1
絶縁層12に設けられ、第2開口部17に連通した第3
開口部18から成る。第3開口部18の底部にはカソー
ド電極11が露出している。カソード電極11は、図面
の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図面の紙面
左右方向に延びている。カソード電極11、ゲート電極
13、及び、収束電極15はクロム(Cr)から成り、
第1絶縁層12、第2絶縁層12はSiO2から成る。
ここで、第3開口部18の底部に露出したカソード電極
11の部分が電子放出部19Cに相当する。
【0139】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカ
ソードパネル、表示装置や電界放出素子、スペーサの構
成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、
アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出
素子、スペーサの製造方法も例示であり、適宜変更する
ことができる。更には、アノードパネルやカソードパネ
ル、スペーサの製造において使用した各種材料も例示で
あり、適宜変更することができる。表示装置において
は、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示と
することもできる。
【0140】スペーサ保持部は、カソードパネル側に設
けてもよいし(即ち、収束電極15上に設けてもよい
し)、アノードパネル側とカソードパネル側の両方に設
けてもよい。
【0141】アノード電極は、有効領域を1枚のシート
状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよ
いし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数
の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式
のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構
成の場合、かかるアノード電極をアノード電極制御回路
に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場
合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制
御回路に接続すればよい。
【0142】また、電界放出素子においては、専ら1つ
の開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明した
が、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複
数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口
部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもでき
る。あるいは又、ゲート電極に複数の第2開口部を設
け、第1絶縁層にかかる複数の第2開口部に連通した複
数の第3開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設け
る形態とすることもできる。
【0143】ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状
の導電材料(第2開口部を有する)で被覆した形式のゲ
ート電極とすることもできる。この場合には、かかるゲ
ート電極に正の電圧(例えば160ボルト)を印加す
る。そして、各画素を構成する電子放出部とカソード電
極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチ
ング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によっ
て、各画素を構成する電子放出部への印加状態を制御
し、画素の発光状態を制御する。
【0144】あるいは又、カソード電極を、有効領域を
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、かかるカソード
電極に電圧(例えば0ボルト)を印加する。そして、各
画素を構成する電子放出部とゲート電極制御回路との間
に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、
かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成
する電子放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態
を制御する。
【0145】収束電極は、1つの電界放出素子に対応し
て設けてもよいし(即ち、上述の方法にて形成してもよ
うし)、一群の電界放出素子に対向して設けてもよい。
後者の場合、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Fe
アロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成
る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチ
ングやエッチングすることによって第1開口部を形成す
ることで収束電極を作製することもできる。そして、カ
ソードパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両
パネルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことに
よって、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と第1絶
縁層12とを接着させ、金属板の他方の面に形成された
絶縁膜とアノードパネルとを接着し、これらの部材を一
体化させ、その後、真空封入することで、表示装置を完
成させることもできる。
【0146】
【発明の効果】本発明にあっては、スペーサの電位が所
定の電位でなくなった場合であっても、スペーサとアノ
ード電極との間、あるいは、スペーサと収束電極との間
における放電の発生を確実に防止できるので、アノード
電極や冷陰極電界電子放出素子の損傷発生を確実に防止
できる結果、冷陰極電界電子放出表示装置の長寿命化を
図ることができるし、冷陰極電界電子放出表示装置の動
作の安定化を図ることもできる。しかも、通常は、スペ
ーサの上部の電位はアノード電極の電位と等しく、スペ
ーサの下部の電位は収束電極の電位と等しくなっている
ので、スペーサ近傍の電界に起因した電子軌道の歪みの
修正を行うことができる結果、優れた画面表示を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子
放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】図2の(A)及び(B)は、図1に断面を示し
たスペーサの模式的な部分側面図、及び、スペーサの変
形例の模式的な断面図である。
【図3】図3は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
るカソードパネルの一部の構成要素の模式的な部分的斜
視図である。
【図4】図4は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
るアノードパネルにおける隔壁、蛍光体層及びスペーサ
の配置を模式的に示す配置図である。
【図5】図5は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
るアノードパネルにおける隔壁、蛍光体層及びスペーサ
の配置を模式的に示す配置図である。
【図6】図6は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
るアノードパネルにおける隔壁、蛍光体層及びスペーサ
の配置を模式的に示す配置図である。
【図7】図7の(A)〜(D)は、発明の実施の形態1
におけるアノードパネルの製造方法を説明するための基
板等の模式的な一部端面図である。
【図8】図8の(A)〜(C)は、図7の(D)に引き
続き、発明の実施の形態1におけるアノードパネルの製
造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図で
ある。
【図9】図9の(A)及び(B)は、それぞれ、発明の
実施の形態2のスペーサの模式的な断面図、及び、アノ
ードパネルとカソードパネルの模式的な一部端面図であ
る。
【図10】図10は、発明の実施の形態2のスペーサを
アノードパネルとカソードパネルとの間に配置した状態
の模式的な一部端面図である。
【図11】図11の(A)、(B)及び(C)は、それ
ぞれ、発明の実施の形態3のスペーサの模式的な部分側
面図、模式的な断面図、及び、スペーサをアノードパネ
ルとカソードパネルとの間に配置した状態の模式的な一
部端面図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、スピント型冷
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、図12の
(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、扁平型冷陰極
電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、図14の
(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(そ
の1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図16】図16の(A)及び(B)は、それぞれ、扁
平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部
断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的
な一部断面図である。
【図17】図17は、従来の冷陰極電界電子放出表示装
置の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネ
ル、EA・・・電子放出領域、10・・・支持体、11
・・・カソード電極、12・・・第1絶縁層、13・・
・ゲート電極、14・・・第2絶縁層、15・・・収束
電極、16・・・第1開口部、17・・・第2開口部、
18・・・第3開口部、19,19A,19B,95C
・・・電子放出部、20・・・基板、21・・・光吸収
層(ブラックマトリックス)、22・・・隔壁、23,
23R,23G,23B・・・蛍光体層、24・・・ア
ノード電極、25・・・枠体、30・・・スペーサ保持
部、31,131・・・スペーサ本体、31A,131
A・・・スペーサの上端面、31B,131B・・・ス
ペーサの下端面、32,132・・・第1電極、33,
133・・・第2電極、34・・・第1の抵抗体層、3
5・・・第2の抵抗体層、40・・・カソード電極制御
回路、41・・・収束電極制御回路、42・・・ゲート
電極制御回路、43・・・アノード電極制御回路、50
・・・中間膜、51・・・感光性ドライフィルム、52
・・・開口、53・・・中間膜、60・・・剥離層、6
1・・・導電材料層、70・・・マトリックス、71・
・・カーボン・ナノチューブ、72・・・マスク材料層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収束電極を有する複数の冷陰極電界電子放
    出素子が設けられたカソードパネルと、蛍光体層及びア
    ノード電極が設けられたアノードパネルとが、それらの
    周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置で
    あって、 冷陰極電界電子放出表示装置の有効領域におけるカソー
    ドパネルとアノードパネルとの間には、複数のスペーサ
    が配置されており、 スペーサは、導電性を有するセラミックスから成るスペ
    ーサ本体と、スペーサ本体の上端面に形成された第1電
    極と、スペーサ本体の下端面に形成された第2電極とか
    ら構成されており、 スペーサの上端部は、第1の抵抗体層を介してアノード
    電極と接しており、 スペーサの下端部は、第2の抵抗体層を介して収束電極
    と接していることを特徴とする冷陰極電界電子放出表示
    装置。
  2. 【請求項2】第1電極上に第1の抵抗体層が形成されて
    おり、第2電極上に第2の抵抗体層が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放出表
    示装置。
  3. 【請求項3】第1電極と接するアノード電極の部分には
    第1の抵抗体層が形成されており、第2電極と接する収
    束電極の部分には第2の抵抗体層が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放出表示
    装置。
  4. 【請求項4】第1の抵抗体層及び第2の抵抗体層の抵抗
    値は、1×105Ω乃至1×108Ωであることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷陰
    極電界電子放出表示装置。
  5. 【請求項5】第1電極とアノード電極とは等電位であ
    り、第2電極と収束電極とは等電位であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の冷陰
    極電界電子放出表示装置。
  6. 【請求項6】収束電極を有する複数の冷陰極電界電子放
    出素子が設けられたカソードパネルと、蛍光体層及びア
    ノード電極が設けられたアノードパネルとが、それらの
    周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置で
    あって、 冷陰極電界電子放出表示装置の有効領域におけるカソー
    ドパネルとアノードパネルとの間には、複数のスペーサ
    が配置されており、 スペーサは、導電性を有するセラミックスから成るスペ
    ーサ本体と、スペーサ本体の上部側面の少なくとも一方
    のアノード電極と離間した位置に形成された第1電極
    と、スペーサ本体の下部側面の少なくとも一方の収束電
    極と離間した位置に形成された第2電極とから構成され
    ており、 スペーサの上端面は、アノード電極と接しており、 スペーサの下端面は、収束電極と接していることを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置。
  7. 【請求項7】第1電極とアノード電極とは等電位であ
    り、第2電極と収束電極とは等電位であることを特徴と
    する請求項6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  8. 【請求項8】スペーサ本体の体積抵抗率は、1×102
    Ω・m乃至1×109Ω・mであることを特徴とする請
    求項6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
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