JP2005142003A - 表示用パネル及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑でしかも繊細な工程を実行する必要が無く、簡素な工程にて製造することができ、また、電極や蛍光体領域に損傷が発生し難く、高い信頼性及び高輝度を有する表示用パネルを提供する。
【解決手段】表示用パネル(アノードパネルAP)は、基板20上に形成された複数の蛍光体領域23と、電極(アノード電極24)とを備え、電子線源から放出された電子が蛍光体領域23に衝突することによって蛍光体領域23が発光し、所望の画像を得るための表示用パネルであって、該電極(アノード電極24)は、蛍光体領域23が形成されていない基板20の部分に形成され、且つ、蛍光体領域23が形成されている基板20の部分20Aには形成されていない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示用パネル及び表示装置に関する。
テレビジョン受像機や情報端末機器に用いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(CRT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置への移行が検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ)を例示することができる。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注目を集めている。
電界放出素子を備えた従来の冷陰極電界電子放出表示装置の一例の模式的な一部端面図を、図17に示す。また、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルCPの模式的な部分的斜視図を、図2に示す。
図17に示した電界放出素子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放出素子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、第2開口部14Bの底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1サブピクセル分の領域に相当する。この領域を、以下、重複領域あるいは電子放出領域と呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍光体領域23と、その上に形成されたアノード電極124から構成されている。アノード電極124は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有し、例えばアルミニウム薄膜から構成されている。
1サブピクセルは、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の蛍光体領域23とによって構成されている。有効領域には、3つのサブピクセルが纏まって構成されたピクセル(画素)が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、蛍光体領域23と蛍光体領域23との間の基板20上にはブラックマトリックス21が形成されている。また、ブラックマトリックス21の上には隔壁22が形成されている。
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域と蛍光体領域23とが対向するように配置し、周縁部において枠体25を介して接合することによって、冷陰極電界電子放出表示装置を作製することができる。有効領域を包囲した無効領域には真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られたチップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とによって囲まれた空間は真空となっている。
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極124にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。かかる冷陰極電界電子放出表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノード電極124に引き付けられ、アノード電極124を通過して蛍光体領域23に衝突する。その結果、蛍光体領域23が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この冷陰極電界電子放出表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及びカソード電極11を通じて電子放出部15に印加される電圧によって制御される。
ところで、このような冷陰極電界電子放出表示装置においては、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間の距離は高々1mm乃至2mm程度しかなく、電界放出素子とアノード電極124との間で異常放電(真空アーク放電)が発生し易い。異常放電が発生すると、表示品質が著しく損なわれるだけでなく、電界放出素子やアノード電極124に損傷が発生する虞がある。
本出願人は、特開2001−243893において、アノード電極が複数のアノード電極ユニットから構成された表示用パネルを提案している。アノード電極を複数のアノード電極ユニットに分割することによって、アノードパネルAPを構成する部材とカソードパネルCPを構成する部材(より具体的には、例えば、アノード電極ユニットとゲート電極)とによって形成される一種のコンデンサの静電容量を低減することが可能となり、電界放出素子とアノード電極ユニットとの間で異常放電(真空アーク放電)が発生し難くなる。
特開2001−243893
ところで、アノード電極は、従来、以下の工程に基づき作製される。即ち、先ず、基板20上に、ブラックマトリックス21及び隔壁22を形成し、隔壁22の間に位置する基板20の部分に蛍光体領域23を形成する。次いで、全面に高分子材料から成る中間膜を形成した後、中間膜上に導電材料層を形成し、次いで、中間膜を焼成して除去する。こうして、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有し、導電材料層から成るアノード電極124を得ることができる。また、複数のアノード電極ユニットから構成されたアノード電極を形成するためには、次いで、導電材料層上にレジスト層を形成し、フォトリソグラフィ技術に基づきレジスト層をパターニングし、係るパターニングされたレジスト層をエッチング用マスクとして隔壁22の上の導電材料層の部分をウエットエッチングし、次いで、レジスト層を除去する。こうして、複数のアノード電極ユニットから構成されたアノード電極を得ることができる。尚、中間膜を形成しないと、蛍光体領域上のアノード電極あるいはアノード電極ユニットに、蛍光体領域の表面形状に起因した凹凸が形成される結果、蛍光体領域から射出された光が蛍光体領域上のアノード電極あるいはアノード電極ユニットによって乱反射され、冷陰極電界電子放出表示装置において高輝度を達成することができなくなる。一方、中間膜を形成した場合、蛍光体領域上のアノード電極あるいはアノード電極ユニットが平滑となる結果、蛍光体領域から射出された光が蛍光体領域上のアノード電極あるいはアノード電極ユニットによって基板の方向に反射され、冷陰極電界電子放出表示装置において高輝度を達成することが可能となる。
アノード電極や複数のアノード電極ユニットを得るためには、中間膜の形成、中間膜上での導電材料層の形成、中間膜の焼成といった、複雑で、しかも、繊細な工程を実行する必要がある。然るに、このような工程においては導電材料層に損傷が発生し易いし、アノードパネルの製造コストの低減を図ることが困難である。また、複数のアノード電極ユニットを得るためには、レジスト層を形成する過程においてレジスト層を乾燥する必要があるが、この乾燥工程において導電材料層や蛍光体領域に剥離が生じる場合があるし、酸を用いて導電材料層をウエットエッチングするとき、蛍光体領域を構成する蛍光体粒子に損傷が発生し易い。加えて、レジスト層を除去したときにレジスト層残渣が存在すると、後の冷陰極電界電子放出表示装置組立工程における熱処理工程において、係るレジスト層残渣からガスが放出される虞がある。
従って、本発明の目的は、複雑でしかも繊細な工程を実行する必要が無く、簡素な工程にて製造することができ、また、電極や蛍光体領域に損傷が発生し難く、高い信頼性及び高輝度を有する表示用パネル及び表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の表示用パネルは、
基板上に形成された複数の蛍光体領域と、電極とを備え、電子線源から放出された電子が蛍光体領域に衝突することによって蛍光体領域が発光し、所望の画像を得るための表示用パネルであって、
該電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていないことを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の表示装置は、
(A)支持体上に形成された電子線源を備えたカソードパネル、並びに、
(B)基板上に形成された複数の蛍光体領域と、電極とを備え、該電子線源から放出された電子が蛍光体領域に衝突することによって蛍光体領域が発光し、所望の画像を得るための表示用パネル、
が真空層を介してそれらの周縁部で接合された表示装置であって、
該電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていないことを特徴とする。
本発明の表示用パネルあるいは表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)においては、表示装置の作動に基づき表示装置の内部で発生するイオン等から蛍光体領域を保護するために、また、蛍光体領域からのガスの発生を抑制したり、蛍光体領域の剥離を防止するために、少なくとも蛍光体領域の上に蛍光体保護膜が形成されている構成とすることが望ましい。蛍光体保護膜は電極上に延在していてもよい。蛍光体領域は、通常、多数の蛍光体粒子の集合から構成されている。従って、蛍光体領域の表面には凹凸が存在する。それ故、蛍光体領域の上に蛍光体保護膜を形成する場合、蛍光体保護膜の一部が蛍光体領域の一部から浮いた状態になる場合もあるし、蛍光体保護膜の一部が蛍光体領域上で不連続状態となる(蛍光体保護膜の一部に一種の切れ目が入った状態となる)場合もあるが、これらの形態は、「蛍光体領域の上に蛍光体保護膜が形成されている」構成に包含される。以下の説明においても同様である。蛍光体保護膜は透明な材料から成ることが好ましい。蛍光体保護膜を不透明な材料から構成した場合、蛍光体領域の発光色に影響を与える虞がある。ここで「透明な材料」とは、可視光領域において光透過率が出来る限り100%に近い材料であることを意味する。蛍光体保護膜の厚さ(蛍光体領域上における蛍光体保護膜の平均厚さ)は、1×10-8m乃至1×10-7m、好ましくは、1×10-8m乃至5×10-8mであることが望ましい。また、蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化珪素(SiOx)、インジウム−錫酸化物(ITO)、及び、シリコンカーバイド(SiC)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることが好ましく、中でも、窒化アルミニウム(AlNx)から構成されていることが一層好ましい。蛍光体保護膜の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法といった各種の物理的気相成長法(PVD法)や各種の化学的気相成長法(CVD法)を挙げることができる。
本発明において、電極は、全体として1つの電極から構成されていてもよいし、複数の電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、電極ユニットと電極ユニットとは抵抗体層によって電気的に接続されている必要がある。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料を挙げることができる。抵抗体層のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。電極ユニットの数(N)は2以上であればよく、例えば、直線状に配列された蛍光体領域の列の総数をn列としたとき、N=nとし、あるいは、n=α・N(αは2以上の整数であり、好ましくは10≦α≦100、一層好ましくは20≦α≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配設されるスペース(後述する)の数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各電極ユニットの大きさは、電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。
尚、表示装置がカラー表示の場合、直線状に配列された蛍光体領域の1列は、全てが赤色発光蛍光体領域で占められた列、緑色発光蛍光体領域で占められた列、及び、青色発光蛍光体領域で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体領域、緑色発光蛍光体領域、及び、青色発光蛍光体領域が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体領域とは、表示用パネル上において1つの輝点を生成する蛍光体領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、及び、1つの青色発光蛍光体領域の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体領域(1つの赤色発光蛍光体領域、あるいは、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域)から構成される。更には、電極ユニットにおける1サブピクセルに相当する大きさとは、1つの蛍光体領域を囲む電極ユニットの大きさを意味する。
そして、電極を複数の電極ユニットから構成する場合にも、表示装置の内部で発生するイオン等から蛍光体領域を保護するために、また、蛍光体領域からのガスの発生を抑制したり、蛍光体領域の剥離を防止するために、少なくとも蛍光体領域の上に蛍光体保護膜が形成されている構成とすることが望ましい。蛍光体保護膜は、電極及び抵抗体層上に延在していてもよい。ここで、蛍光体保護膜の抵抗値は、抵抗体層の抵抗値以上、好ましくは抵抗体層の抵抗値の10倍以上であることが望ましい。蛍光体保護膜は透明な材料から成ることが好ましい。蛍光体保護膜を不透明な材料から構成した場合、蛍光体領域の発光色に影響を与える虞がある。蛍光体保護膜の厚さ(蛍光体領域上における蛍光体保護膜の平均厚さ)は1×10-8m乃至1×10-7m、好ましくは、1×10-8m乃至5×10-8mであることが望ましい。また、蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム(AlNx)、酸化アルミニウム(Al23)、及び、酸化珪素(SiOx)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることが好ましく、中でも、窒化アルミニウム(AlNx)から構成されていることが一層好ましい。あるいは又、蛍光体保護膜のシート抵抗値は、例えば、1×106Ω/□以上、好ましくは1×108Ω/□以上であることが好ましい。
抵抗体層を構成する材料と、蛍光体保護膜を構成する材料との組合せとして、例えば、抵抗体層を構成する材料として例示したシリコンカーバイド(SiC)、SiCN、SiN系材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン、アモルファスシリコンといった9種類の材料と、蛍光体保護膜を構成する材料として例示した窒化アルミニウム(AlNx)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化珪素(SiOx)、インジウム−錫酸化物(ITO)といった4種類の材料の組合せ(合計、9×4=36通りの組合せ)を挙げることができる。
以上の各種の好ましい形態を含む本発明の表示用パネルにあっては、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノードパネルを構成し、電極はアノードパネルにおけるアノード電極を構成する形態とすることができる。また、以上の各種の好ましい形態を含む本発明の表示装置にあっては、表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置を構成し、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノードパネルを構成し、電極はアノードパネルにおけるアノード電極を構成し、電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成されている形態とすることができる。
電極あるいは電極ユニットは、導電材料層を用いて基板上に形成すればよい。導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料から成る導電材料層を基板上に形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングして電極あるいは電極ユニットを形成することができる。あるいは又、電極あるいは電極ユニットのパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料をPVD法やスクリーン印刷法に基づく形成により、電極あるいは電極ユニットを得ることもできる。尚、抵抗体層も同様の方法で形成することができる。即ち、抵抗体材料から抵抗体層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきこの抵抗体層をパターニングしてもよいし、あるいは、抵抗体層のパターンを有するマスクやスクリーンを介して抵抗体材料をPVD法やスクリーン印刷法に基づく形成により、抵抗体層を得ることができる。尚、限定するものではないが、電極あるいは電極ユニットや抵抗体層の形成は、蛍光体領域の形成に先立ち、行うことが好ましい。基板上における電極あるいは電極ユニットの平均厚さ(後述するように隔壁を設ける場合、隔壁の頂面上における電極あるいは電極ユニットの平均厚さ)として、3×10-8m(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100nm)を例示することができる。
電極(アノード電極)を構成する導電材料として、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。尚、抵抗体層を形成する場合、抵抗体層の抵抗値を変化させない導電材料から電極(アノード電極)を構成することが好ましく、例えば、抵抗体層をシリコンカーバイド(SiC)から構成した場合、電極(アノード電極)をモリブデン(Mo)から構成することが好ましい。
表示用パネルには、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された二次電子が他の蛍光体領域に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための隔壁が、複数、設けられている構成とすることもできる。
隔壁の平面形状として、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体領域の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ状の蛍光体領域の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体領域の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
ところで、電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていない。ここで、隔壁が設けられていない場合、電極は、蛍光体領域を取り囲むように基板上に形成されていることが好ましい。一方、1つの蛍光体領域全体を取り囲むように隔壁が設けられている場合、電極は、隔壁上に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていない構成とすることが好ましい。また、例えば蛍光体領域の対向する2辺に沿って隔壁が設けられている場合、電極は、隔壁上に形成され、しかも、蛍光体領域に沿って蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていない構成とすることが好ましい。ここで、電極が隔壁上に形成されているとは、電極が隔壁の頂面に形成され、あるいは又、電極が隔壁の頂面及び隔壁の側面上部に形成され、あるいは又、電極が隔壁の頂面及び隔壁の側面に形成されている形態を包含する。尚、電極を複数の電極ユニットから構成する場合には、電極ユニットの境界(あるいは、電極ユニットと電極ユニットの境界)は、隔壁の頂面に位置することが好ましく、抵抗体層は、少なくとも隔壁の頂面上の電極ユニットの上に、電極ユニットの境界を跨ぐように形成されていることが望ましい。即ち、抵抗体層が隔壁の頂面上の電極ユニットの上に形成され、あるいは又、抵抗体層が隔壁の頂面及び隔壁の側面上部に位置する電極ユニットの上に形成され、あるいは又、抵抗体層が隔壁の頂面及び隔壁の側面に位置する電極ユニットの上に形成されている形態を挙げることができる。場合によっては、また、抵抗体層を構成する材料が蛍光体領域から射出される光に対して透明であるならば、抵抗体層を基板と蛍光体領域との間に延在するように形成してもよい。尚、限定するものではないが、電極あるいは電極ユニットや抵抗体層の形成は、隔壁の形成後であって、蛍光体領域の形成に先立ち、行うことが好ましい。電極あるいは電極ユニットの形成方法、あるいは又、抵抗体層の形成方法として、上述した形成方法に加え、隔壁の形状にも依存するが、斜め真空蒸着法を採用することもできる。即ち、斜め真空蒸着法によって、隔壁の頂面及び隔壁の側面(あるいは側面上部)にのみ、電極や抵抗体層を形成することができる。
隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、かかる隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成を行う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。
蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。また、蛍光体領域の配列様式は、ドット状であっても、ストライプ状であってもよい。尚、ドット状やストライプ状の配列様式においては、隣り合う蛍光体領域の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。基板上における蛍光体領域の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。
発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。赤色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al512:Eu)、(Y2SiO5:Eu)、(Zn3(PO42:Mn)を例示することができるが、中でも、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)を用いることが好ましい。また、緑色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(Sr4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、(Y2SiO5:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:Tb)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:Tb)、(ZnGa24:Mn)を例示することができるが、中でも、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(Y2SiO5:Tb)を用いることが好ましい。更には、青色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、ZnMgO、ZnGaO4を例示することができるが、中でも、(ZnS:Ag)、(ZnS:Ag,Al)を用いることが好ましい。
蛍光体領域からの光を吸収する光吸収層が隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体領域からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
本発明の表示装置によって冷陰極電界電子放出表示装置を構成する場合、冷陰極電界電子放出表示装置における冷陰極電界電子放出素子(電子線源を構成する。以下、電界放出素子と称する)は、より具体的には、例えば、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極、
(D)ゲート電極及び絶縁層に形成された開口部、並びに、
(E)開口部の底部に露出した電子放出部、
から構成されている。
電界放出素子の型式は、特に限定されず、スピント型電界放出素子、エッジ型電界放出素子、平面型電界放出素子、扁平型電界放出素子、クラウン型電界放出素子のいずれであってもよい。尚、カソード電極及びゲート電極はストライプ形状を有し、カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。
更には、電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。即ち、ゲート電極及び絶縁層上には更に層間絶縁層が設けられ、層間絶縁層上に収束電極が設けられている電界放出素子、あるいは又、ゲート電極の上方に収束電極が設けられている電界放出素子とすることもできる。ここで、収束電極とは、開口部から放出され電極(アノード電極)へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。電極(アノード電極)とカソード電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的な負電圧が印加される。収束電極は、必ずしも各電界放出素子毎に設けられている必要はなく、例えば、電界放出素子の所定の配列方向に沿って延在させることにより、複数の電界放出素子に共通の収束効果を及ぼすこともできる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、表示用パネル(アノードパネル)に設けられた電極(アノード電極)によって表示用パネル(アノードパネル)へと引き付けられ、蛍光体領域に衝突する。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とが重複する領域(重複領域)に設けられ、あるいは、位置する1又は複数の電子放出部によって、電子放出領域が構成される。
支持体や基板として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のこれらの電極を形成することが可能である。
電界放出素子を構成する絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
カソード電極と電子放出部との間に高抵抗膜を設けてもよい。高抵抗膜を設けることによって、冷陰極電界電子放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。高抵抗膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;アモルファスシリコン等の半導体材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。高抵抗膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
ゲート電極や絶縁層に設けられた開口部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。開口部の形成は、例えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、ゲート電極に開口部を直接形成することもできる。絶縁層や層間絶縁層における開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、アノードパネルとカソードパネルとによって挟まれた空間が真空状態となっているが故に、アノードパネルとカソードパネルとの間にスペーサを配しておかないと、大気圧によって冷陰極電界電子放出表示装置が損傷を受けてしまう虞がある。係るスペーサは、例えばセラミックスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、かかるグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサの表面に、金属や合金から成る導電材料層を形成し、あるいは又、高抵抗層を形成し、あるいは又、二次電子放出係数の低い材料から成る薄層を形成してもよい。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部とスペーサ保持部との間に挟み込んで固定すればよい。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
基板と支持体と枠体の三者を接合する場合、三者同時接合を行ってもよいし、あるいは、第1段階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを先に接合し、第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
接合後に排気を行う場合、排気は、基板及び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、表示部分として機能する有効領域以外の領域)に設けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd(但し、0.5mm≦d≦10mm)としたとき、VA/d(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは5以上10以下を満足することが望ましい。
カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式を採用した場合、
(1)カソード電極に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧VGを変化させる方式
(2)カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧VGを一定とする方式
(3)カソード電極に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧VGも変化させる方式がある。
本発明の表示用パネルあるいは表示装置において、電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていない。即ち、本発明の表示用パネルあるいは表示装置においては、電極を蛍光体領域上に形成する必要が無いが故に、従来の技術と異なり、中間膜の形成、中間膜上での導電材料層の形成、中間膜の焼成といった、複雑で、しかも、繊細な工程を実行する必要が無い。それ故、電極や電極ユニットに損傷が発生することを防止できるし、表示用パネルや表示装置の製造コストの低減を図ることができる。また、複数の電極ユニットを得るためにレジスト層を形成する場合、複数の電極ユニットを形成した後に基板上に蛍光体領域を形成すれば、レジスト層の乾燥工程において蛍光体領域に剥離が生じるといった現象が発生することはないし、例えば酸を用いて導電材料層をウエットエッチングしたときでも、蛍光体領域を構成する蛍光体粒子に損傷が発生することもない。レジスト層を除去したときに蛍光体領域が存在しないが故に、確実にレジスト層の除去が可能となり、後の表示装置組立工程における熱処理工程において、レジスト層残渣からガスが放出されるといったことも無くなる。
また、表示用パネルにおいて電極の占める面積を減少させることができるが故に、表示装置のカソードパネルにおける電子線源と表示用パネルにおける電極とによって形成される一種のコンデンサの静電容量を低減することが可能となり、表示用パネルとカソードパネルとの間で異常放電(真空アーク放電)が発生し難くなる。電極を複数の電極ユニットから構成し、電極ユニットと電極ユニットとを抵抗体層によって電気的に接続すれば、表示装置のカソードパネルにおける電子線源と表示用パネルにおける電極(電極ユニット)とによって形成される一種のコンデンサの静電容量を一層低減することが可能となり、表示用パネルとカソードパネルとの間で異常放電(真空アーク放電)が一層発生し難くなる。
ところで、電極は蛍光体領域を囲むように形成されている。電子線源から放出された電子は、表示用パネルに設けられた電極によって生成された電場(電界)により、表示用パネルに向かって引き付けられる。一般に、電子線源から蛍光体領域に向かって放出された電子は低速である。一方、表示用パネルに近づいた電子は、表示用パネルに設けられた電極によって生成された電場(電界)によって加速され、高速となる。その結果、電子は、電極に向かうよりは蛍光体領域に向かい、電子は蛍光体領域に衝突する結果、蛍光体領域が発光し、所望の画像を得ることができる。
従来の技術においては、蛍光体領域上にアノード電極が存在し、蛍光体領域から射出された光が蛍光体領域上のアノード電極あるいはアノード電極ユニットによって基板の方向に反射され、冷陰極電界電子放出表示装置において高輝度が達成されている。本発明においては、蛍光体領域における蛍光体粒子の量(基板上における蛍光体領域の厚さ)を適切に決定することで、蛍光体領域上に電極が存在しなくとも、高輝度を有する表示用パネルあるいは表示装置を得ることができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の表示用パネル及び表示装置に関する。より具体的には、実施例1の表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置を構成し、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノードパネルを構成し、電極はアノードパネルにおけるアノード電極を構成し、電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成されている。尚、以下の説明においては、冷陰極電界電子放出表示装置を単に表示装置と呼び、表示用パネルをアノードパネルと呼び、電極をアノード電極と呼び、電子線源を冷陰極電界電子放出素子(電界放出素子)と呼ぶ場合がある。
実施例1の表示装置の模式的な一部端面図を図1に示し、カソードパネルCPの模式的な部分的斜視図を図2に示す。更には、また、蛍光体領域等の配列を、模式的な部分的平面図として、図3〜図8に例示する。尚、アノードパネルAPの模式的な一部端面図における蛍光体領域等の配列を、図4あるいは図6に示す構成としている。また、図3〜図8においては、電極(アノード電極)の図示を省略している。
実施例1の表示装置は、カソードパネルCP及び表示用パネル(アノードパネルAP)が真空層を介してそれらの周縁部で接合された表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)である。ここで、カソードパネルCPは、支持体10上に形成された電子線源(電界放出素子)を備えている。一方、表示用パネル(アノードパネルAP)は、基板20上に形成された複数の蛍光体領域23と、電極(アノード電極24)とを備えており、電子線源(電界放出素子)から放出された電子が蛍光体領域23に衝突することによって蛍光体領域23が発光し、所望の画像を得ることができる。即ち、実施例1の表示装置は、カソード電極11、ゲート電極13及び電子放出部15から構成された電界放出素子を複数備えたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、それらの周縁部で接合されて成る。
表示用パネル(アノードパネルAP)にあっては、蛍光体領域23と蛍光体領域23との間の基板20上にブラックマトリックス21が形成されている。また、ブラックマトリックス21の上には隔壁22が形成されている。アノードパネルAPにおける隔壁22、スペーサ26及び蛍光体領域23の配置例を、図3〜図8の配置図に模式的に示す。隔壁22の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体領域23の四方を取り囲む形状(図3、図4、図5、図6参照)、あるいは、略矩形の(あるいはストライプ状の)蛍光体領域23の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形状)を挙げることができる(図7及び図8参照)。尚、図7に示す蛍光体領域23にあっては、蛍光体領域23R,23G,23Bを、図7の上下方向に延びるストライプ状とすることもできる。
そして、電極(アノード電極24)は、有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内において、蛍光体領域23が形成されていない基板20の部分に形成され(より具体的には、基板20上に形成された隔壁22の頂面及び側面に形成され、更には、蛍光体領域23が形成されていない基板20の部分に形成され)、且つ、蛍光体領域23が形成されている基板20の部分20Aには形成されていない。
図1に示した電界放出素子は、円錐形の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの電界放出素子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、第2開口部14Bの底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1サブピクセル分の領域に相当し、重複領域あるいは電子放出領域である)に、通常、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
1サブピクセルは、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の蛍光体領域23(1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域)とによって構成されている。有効領域には、3つのサブピクセルが纏まって構成されたピクセル(画素)が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。また、1画素(1ピクセル)は3つのサブピクセルから構成され、各サブピクセルは、1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域を備えている。
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域と蛍光体領域23とが対向するように配置し、周縁部において枠体25を介して接合することによって、表示装置を作製することができる。有効領域を包囲した無効領域には真空排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られたチップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とによって囲まれた空間は真空となっており、係る空間が真空層を構成している。従って、アノードパネルAP及びカソードパネルCPには大気によって圧力が加わる。この圧力によって表示装置が破損しないように、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間にはスペーサ26が配置されている。尚、図1においては、スペーサの図示を省略した。隔壁22の一部は、スペーサ26を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。あるいは、これとは逆に、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノード電極24によって形成された電場に基づきアノードパネルAPへと引き付けられ、蛍光体領域23に衝突する。その結果、蛍光体領域23が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及びカソード電極11を通じて電子放出部15に印加される電圧によって制御される。
実施例1においては、アノード電極制御回路の出力電圧VAを7キロボルトとし、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離dを1mmとしたので、VA/d=7(単位:キロボルト/mm)である。
以下、基板等の模式的な一部端面図である図9の(A)〜(D)を参照して、表示用パネル(アノードパネルAP)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、ガラス基板から成る基板20上に隔壁22を形成した(図9の(A)参照)。隔壁22の平面形状は格子形状(井桁形状)である。具体的には、感光性ポリイミド樹脂層を基板20の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を露光、現像することによって、格子形状(井桁形状)の隔壁22(例えば図4を参照)を得ることができる。あるいは又、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス層を形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって鉛ガラス層を選択的に加工することにより、隔壁を形成することができる。あるいは又、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、かかる低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を形成してもよい。1サブピクセルにおける隔壁22の高さを、約50μmとした。隔壁の一部は、スペーサ26を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。尚、隔壁22の形成前に、隔壁22を形成すべき基板20の部分の表面にブラックマトリックス21(図9には図示せず)を形成することが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。
[工程−110]
次に、電極(アノード電極24)を、蛍光体領域23を形成しない基板20の部分に形成した。但し、蛍光体領域23を形成すべき基板20の部分20Aには形成しない。具体的には、隔壁22によって囲まれた基板20の部分20Aに電極(アノード電極24)が形成されないように、斜め真空蒸着法に基づき、モリブデン(Mo)から成る導電材料層から構成された電極(アノード電極24)を、基板20上に形成された隔壁22の頂面及び側面に形成した(図9の(B)参照)。隔壁22の頂面上における電極(アノード電極24)の平均厚さを0.1μmとした。
[工程−120]
次いで、赤色発光蛍光体領域23Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを乾燥した。その後、基板20の裏面側(隔壁等が形成されていない基板20の面の側)から赤色発光蛍光体領域23Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光した。赤色発光蛍光体スラリーは基板20の裏面側から徐々に硬化した。形成される赤色発光蛍光体領域23Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体領域23Rの平均厚さを約10μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔壁22の間(隔壁22によって囲まれた基板20の部分20A)に赤色発光蛍光体領域23Rを形成することができた(図9の(C)参照)。以下、緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体領域23Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体領域23Bを形成した(図9の(D)参照)。緑色発光蛍光体領域23G、青色発光蛍光体領域23Bの平均厚さも約10μmとした。尚、蛍光体領域23の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子により凹凸となっている。蛍光体領域の形成方法は、以上に説明した方法に限定されず、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体領域を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体領域を形成してもよい。
[工程−130]
電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備した。そして、表示装置の組み立てを行った。具体的には、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部にスペーサ26を取り付け、蛍光体領域23と電界放出素子とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された枠体25を介して、周縁部において接合した。接合に際しては、枠体25とアノードパネルAPとの接合部位、及び、枠体25とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行った。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とフリットガラス(図示せず)とによって囲まれた空間を貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切った。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体25とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体25とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させた。
[比較例1]
以下に説明する方法によって、比較例1の表示用パネル(アノードパネル)を作製した。尚、比較例1の表示用パネル(アノードパネル)の製造方法は、中間膜を形成しないことを除き、従来の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノードパネルの製造方法と同じである。
[工程−100A]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様に、ガラス基板から成る基板20上に隔壁22を形成した。
[工程−110A]
次に、赤色発光蛍光体領域23Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを乾燥した。その後、基板20の裏面側から赤色発光蛍光体領域23Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光した。赤色発光蛍光体スラリーは基板20の裏面側から徐々に硬化した。形成される赤色発光蛍光体領域23Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体領域23Rの平均厚さを約10μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔壁22の間に赤色発光蛍光体領域23Rを形成した。以下、緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体領域23Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体領域23Bを形成した。緑色発光蛍光体領域23G、青色発光蛍光体領域23Bの平均厚さも約10μmとした。
[工程−120A]
その後、隔壁22及び蛍光体領域23が形成された基板20の全面に、アルミニウム(Al)から成るアノード電極124を真空蒸着法にて形成した。アノード電極124の平均厚さを53nmとした。
[比較例2]
以下に説明する方法によって、比較例2の表示用パネルを作製した。尚、比較例2の表示用パネル(アノードパネル)の製造方法は、従来の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノードパネルの製造方法と同じである。
[工程−100B]
先ず、実施例1の[工程−100]と同様に、ガラス基板から成る基板20上に隔壁22を形成した。
[工程−110B]
次に、比較例1の[工程−110A]と同様にして、赤色発光蛍光体領域23R、緑色発光蛍光体領域23G、青色発光蛍光体領域23Bを形成した。尚、蛍光体領域23の厚さを約6.5μmとした。
[工程−120B]
その後、全面にスクリーン印刷法に基づき中間膜を形成した。中間膜を構成する樹脂(ラッカー)は、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリルラッカーから構成されている。次に、中間膜を乾燥させた。乾燥後の中間膜の平均厚さを0.1μmとした。
[工程−130B]
その後、中間膜上に導電材料層を形成した。具体的には、真空蒸着法により、中間膜を覆うように、アルミニウム(Al)から成る導電材料層を形成した。導電材料層の平均厚さを53nmとした。
[工程−140B]
次いで、400゜C程度で中間膜を焼成した。この焼成処理により中間膜が燃焼して焼失し、導電材料層から成るアノード電極124が蛍光体領域23上及び隔壁22上に残された。尚、中間膜の燃焼により生じたガスは、例えば、導電材料層のうち、隔壁22の形状に沿って折れ曲がっている領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。
こうして得られた実施例1の表示用パネル(アノードパネルAP)、比較例1、比較例2の表示用パネル(アノードパネルAP)における緑色発光蛍光体領域23Gの輝度測定を行った結果を、以下の表1に示す。尚、表1の値は、比較例2の輝度測定結果を「1」としたときの相対値である。
[表1]
実施例1 1.05
実施例2 0.98
比較例1 0.38
比較例2 1.00
表1からも明らかなように、実施例1の表示用パネルの輝度測定結果は、従来の冷陰極電界電子放出表示装置におけるアノードパネル(比較例2)の輝度測定結果とほぼ同じである。尚、比較例1において得られた輝度測定結果は、実施例1の約1/3の値となっていた。これは、電子の一部がアノード電極によって吸収され、しかも、蛍光体領域上に形成されたアノード電極に凹凸が存在するが故に蛍光体領域からの光がアノード電極で乱反射されたためである。
以下、スピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図10の(A)、(B)及び図11の(A)、(B)を参照して説明する。
尚、このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13及び絶縁層12上に剥離層16を予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電子放出部のみを図示した。
[工程−A0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
[工程−A1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタリング法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、ストライプ状のゲート電極13を得ることができる。ストライプ状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成することが可能である。
[工程−A2]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図10の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−A3]
次に、支持体10を回転させながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケル(Ni)を斜め真空蒸着することにより、剥離層16を形成する(図10の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層16を形成することができる。剥離層16は、第1開口部14Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第1開口部14Aが実質的に縮径される。
[工程−A4]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図11の(A)に示すように、剥離層16上でオーバーハング形状を有する導電材料層17が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口部14Aの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15となる。
[工程−A5]
その後、図11の(B)に示すように、リフトオフ法にて剥離層16をゲート電極13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13及び絶縁層12の上方の導電材料層17を選択的に除去する。次いで、絶縁層12に設けられた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、複数のスピント型電界放出素子が形成されたカソードパネルを得ることができる。
実施例2の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)は、実施例1の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の変形である。
実施例2の表示装置の模式的な一部端面図を図12に示すように、実施例2の表示装置においては、表示装置の作動に基づき表示装置の内部で発生するイオン等から蛍光体領域を保護するために、また、蛍光体領域からのガスの発生を抑制したり、蛍光体領域の剥離を防止するために、少なくとも蛍光体領域23の上に(実施例2においては、より具体的には、蛍光体領域23の上だけでなく、電極であるアノード電極24上にも)、蛍光体保護膜27が形成されている。蛍光体保護膜27は、透明な材料、具体的には、窒化アルミニウム(AlNx)から成る。ここで、蛍光体領域23上における蛍光体保護膜27の平均厚さを、50nmとした。
窒化アルミニウム(AlNx)から成る蛍光体保護膜27は、実施例1の[工程−120]と同様の工程に引き続き、スパッタリング法にて全面に窒化アルミニウム層を形成することで、得ることができる。
この点を除き、実施例2の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)は、実施例1の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
こうして得られた実施例2の表示用パネル(アノードパネルAP)における緑色発光蛍光体領域23Gの輝度測定を行った結果を表1に示す。実施例2の表示用パネル(アノードパネルAP)の輝度は、実施例1の表示用パネル(アノードパネルAP)の輝度とほぼ同じ値であった。
実施例3の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)も、実施例1の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の変形である。
実施例3の表示装置の模式的な一部端面図を図13に示すように、実施例3の表示装置においては、電極(アノード電極)は複数の電極ユニット(アノード電極ユニット24A)から構成されており、アノード電極ユニット24Aとアノード電極ユニット24とは、シリコンカーバイド(SiC)から成る抵抗体層28によって電気的に接続されている。実施例3においては、アノード電極ユニット24Aの数をサブピクセルの数と一致した数としたが、これに限定するものではない。
実施例3において、電極ユニット(アノード電極ユニット24A)は、隔壁22の頂面及び隔壁22の側面に形成されており、アノード電極ユニット24Aの境界は隔壁22の頂面に位置する。また、抵抗体層28は、少なくとも隔壁22の頂面上のアノード電極ユニット24Aの上に(より具体的には、隔壁22の頂面及び隔壁22の側面に位置するアノード電極ユニット24Aの上に)形成されている。ここで、隔壁22の頂面上における電極ユニット(アノード電極ユニット24A)の平均厚さを0.1μmとし、隔壁22の頂面上における抵抗体層28の平均厚さを0.2μmとした。抵抗体層28のシート抵抗値は、1×106Ω/□である。
実施例3の表示用パネル(アノードパネルAP)は、以下の方法で作製することができる。即ち、実施例1の[工程−100]、[工程−110]と同様の工程を実行した後、全面に(より具体的には、モリブデンから成る導電材料層上に)レジスト層を形成し、フォトリソグラフィ技術に基づき係るレジスト層をパターニングする。次いで、パターニングされたレジスト層をエッチング用マスクとしたウエットエッチング法にてモリブデンから成る導電材料層をパターニングし、その後、レジスト層を除去する。こうして、アノード電極ユニット24Aを得ることができる。その後、SiCから成る抵抗体層28を、斜め真空蒸着法に基づき、隔壁22の頂面及び隔壁22の側面に位置するアノード電極ユニット24Aの上に形成する。次いで、実施例1の[工程−120]と同様の工程を実行することで、表示用パネル(アノードパネルAP)を得ることができ、更には、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行することで、表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)を得ることができる。
以上の点を除き、実施例3の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)は、実施例1の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例4の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)は、実施例3の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の変形であり、実施例3と実施例2の組合せに関する。
実施例4の表示装置の模式的な一部端面図を図14に示すように、実施例4の表示装置においては、表示装置の作動に基づき表示装置の内部で発生するイオン等から蛍光体領域を保護するために、また、蛍光体領域からのガスの発生を抑制したり、蛍光体領域の剥離を防止するために、少なくとも蛍光体領域23の上に(実施例4においては、より具体的には、蛍光体領域23の上だけでなく、電極であるアノード電極24及び抵抗体層28上にも)、蛍光体保護膜27が形成されている。蛍光体保護膜27は、透明な材料、具体的には、窒化アルミニウム(AlNx)から成る。ここで、蛍光体領域23上における蛍光体保護膜27の平均厚さを、50nmとした。
窒化アルミニウム(AlNx)から成る蛍光体保護膜27は、実施例1の[工程−120]と同様の工程に引き続き、スパッタリング法にて全面に窒化アルミニウム層を形成することで、得ることができる。
この点を除き、実施例4の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)は、実施例3の表示用パネル(アノードパネル)及び表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明を、実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例にて説明した表示用パネル(アノードパネル)やカソードパネル、表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層にかかる複数の第1開口部に連通した複数の第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
電界放出素子において、ゲート電極13及び絶縁層12の上に更に層間絶縁層42を設け、層間絶縁層42上に収束電極43を設けてもよい。このような構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図15に示す。層間絶縁層42には、第1開口部14Aに連通した第3開口部44が設けられている。収束電極43の形成は、例えば、[工程−A2]において、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成した後、層間絶縁層42を形成し、次いで、層間絶縁層42上にパターニングされた収束電極43を形成した後、収束電極43、層間絶縁層42に第3開口部44を設け、更に、ゲート電極13に第1開口部14Aを設ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることもできる。尚、図15においては、スピント型電界放出素子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもできることは云うまでもない。
ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成するカソード電極とカソード電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
あるいは又、カソード電極を、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電極とすることもできる。この場合には、かかるカソード電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成する電子放出部とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
冷陰極電界電子放出表示装置は、カソード電極、ゲート電極及びアノード電極から構成された所謂3電極型に限定されず、カソード電極及びアノード電極から構成された所謂2電極型とすることもできる。実施例3にて説明したアノードパネルの構成をこのような構造の表示装置に適用した例の模式的な一部断面図を図16に示す。尚、図16においては、ブラックマトリックス等の図示を省略している。尚、隔壁は形成されていないが、形成してもよい。この表示装置における電界放出素子は、支持体10上に設けられたカソード電極11と、カソード電極11上に形成されたカーボン・ナノチューブ19から構成された電子放出部15Aから成る。カーボン・ナノチューブ19はマトリックス18によってカソード電極11の表面に固定されている。電子放出部の構造はカーボン・ナノチューブに限定されない。
アノードパネルAPを構成するアノード電極は、複数のストライプ状のアノード電極ユニット24Bから構成されている。但し、隣接するストライプ状のアノード電極ユニット24Bの間は導通していない。また、ストライプ状のアノード電極ユニット24Bにおいて、蛍光体領域23が形成された基板20の部分には、アノード電極ユニット24Bを構成する導電材料層は形成されていない。言い換えれば、ストライプ状のアノード電極ユニット24Bにおいて、蛍光体領域23が島状に形成されている。ストライプ状のカソード電極11の射影像とストライプ状のアノード電極ユニット24Bの射影像とは直交する。具体的には、カソード電極11は図面の紙面垂直方向に延び、ストライプ状のアノード電極ユニット24Bは図面の紙面左右方向に延びている。この表示装置におけるカソードパネルCPにおいては、上述のような電界放出素子の複数から構成された電子放出領域が有効領域に2次元マトリックス状に多数形成されている。
この表示装置においては、アノード電極ユニット24Bによって形成された電界に基づき、量子トンネル効果に基づき電子放出部15Aから電子が放出され、この電子がアノードパネルAPに引き付けられ、蛍光体領域23に衝突する。即ち、アノード電極ユニット24Bの射影像とカソード電極11の射影像とが重複する領域(アノード電極/カソード電極重複領域)に位置する電子放出部15Aから電子が放出される、所謂単純マトリクス方式により、表示装置の駆動が行われる。具体的には、カソード電極制御回路31からカソード電極11に相対的に負の電圧を印加し、アノード電極制御回路33からアノード電極ユニット24Bに相対的に正の電圧を印加する。その結果、列選択されたカソード電極11と行選択されたアノード電極ユニット24B(あるいは、行選択されたカソード電極11と列選択されたアノード電極ユニット24B)とのアノード電極/カソード電極重複領域に位置する電子放出部15Aを構成するカーボン・ナノチューブ19から選択的に真空空間中へ電子が放出され、この電子がアノードパネルAPに引き付けられてアノードパネルAPを構成する蛍光体領域23に衝突し、蛍光体領域23を励起、発光させる。
尚、ストライプ状のアノード電極ユニット24Bを更に細かいアノード電極ユニットに分割し、各アノード電極ユニットを抵抗体層で接続してもよい。即ち、実施例4で説明した表示用パネル(アノードパネルAP)を適用することもできる。
本発明における冷陰極電界電子放出表示装置において、電界放出素子は如何なる形態の電界放出素子とすることもでき、例えば、実施例にて説明したように、電界放出素子を、
(1)円錐形の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられたスピント型電界放出素子
とするだけでなく、電界放出素子を、
(2)略平面状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた扁平型電界放出素子
(3)王冠状の電子放出部が開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ、電子放出部の王冠状の部分から電子を放出するクラウン型電界放出素子
(4)平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子
(5)凹凸が形成されたカソード電極の表面の多数の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素子
(6)カソード電極のエッジ部から電子を放出するエッジ型電界放出素子
とすることもできる。
電界放出素子として、上述の各種の形式の他に、表面伝導型電子放出素子と通称される素子も知られており、本発明における冷陰極電界電子放出表示装置に適用することができる。表面伝導型電子放出素子においては、例えばガラスから成る基板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の材料から成り、微小面積を有する薄膜がマトリクス状に形成され、各薄膜は2つの薄膜片から成り、一方の薄膜片に行方向配線、他方の薄膜片に列方向配線が接続されている。一方の薄膜片と他方の薄膜片との間には数nmのギャップが設けられている。行方向配線と列方向配線とによって選択された薄膜においては、ギャップを介して薄膜から電子が放出される。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、実施例にて説明したモリブデン以外にも、タングステン、タングステン合金、モリブデン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、真空蒸着法の他、例えばスパッタリング法やCVD法によっても形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×107V/m以下の電界強度にて、冷陰極電界電子放出表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、冷陰極電界電子放出表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、グラファイト・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとグラファイト・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体や上記の各種ウィスカー(以下、これらを総称して、カーボン・ナノチューブ構造体等と呼ぶ)をバインダー材料に分散させたものをカソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダー材料や水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体等を分散したものを、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料の焼成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。
あるいは又、扁平型電界放出素子を、カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって製造することもでき、これによって、金属化合物を構成する金属原子を含むマトリックスにてカーボン・ナノチューブ構造体等がカソード電極表面に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン・ナノチューブ構造体等の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナノチューブ構造体等の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであることが望ましい。
金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金属化合物から構成された金属化合物溶液として、具体的には、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物から構成された金属化合物溶液として、具体的には、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。金属化合物溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノチューブ構造体等が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。金属化合物溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物を構成する金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に延在するように形成されていてもよい。また、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
図1は、実施例1の表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の模式的な一部端面図である。 図2は、冷陰極電界電子放出表示装置のカソードパネルの模式的な部分的斜視図である。 図3は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図4は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図5は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図6は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図7は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図8は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図9の(A)〜(D)は、表示用パネル(冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネル)の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図10の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図11の(A)及び(B)は、図10の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図12は、実施例2の表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の模式的な一部端面図である。 図13は、実施例3の表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の模式的な一部端面図である。 図14は、実施例4の表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)の模式的な一部端面図である。 図15は、収束電極を有するスピント型冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。 図16は、所謂2電極型の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部断面図である。 図17は、従来の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
符号の説明
AP・・・アノードパネル、CP・・・カソードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14,14A,14B,44・・・開口部、15,15A・・・電子放出部、16・・・剥離層、17・・・導電材料層、18・・・マトリックス、19・・・カーボン・ナノチューブ、20・・・基板、21・・・ブラックマトリックス、22・・・隔壁、23,23R,23G,23B・・・蛍光体領域、24・・・電極(アノード電極)、24A・・・電極ユニット(アノード電極ユニット)、25・・・枠体、26・・・スペーサ、27・・・蛍光体保護膜、28・・・抵抗体層、31・・・カソード電極制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、42・・・層間絶縁層、43・・・収束電極

Claims (24)

  1. 基板上に形成された複数の蛍光体領域と、電極とを備え、電子線源から放出された電子が蛍光体領域に衝突することによって蛍光体領域が発光し、所望の画像を得るための表示用パネルであって、
    該電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていないことを特徴とする表示用パネル。
  2. 少なくとも蛍光体領域の上には蛍光体保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル。
  3. 蛍光体保護膜は、透明な材料から成ることを特徴とする請求項2に記載の表示用パネル。
  4. 蛍光体保護膜の厚さは、1×10-8m乃至1×10-7mであることを特徴とする請求項2に記載の表示用パネル。
  5. 蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び、インジウム−錫酸化物から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の表示用パネル。
  6. 電極は複数の電極ユニットから構成されており、
    電極ユニットと電極ユニットとは抵抗体層によって電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル。
  7. 少なくとも蛍光体領域の上には蛍光体保護膜が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の表示用パネル。
  8. 蛍光体保護膜の抵抗値は、抵抗体層の抵抗値以上であることを特徴とする請求項7に記載の表示用パネル。
  9. 蛍光体保護膜は、透明な材料から成ることを特徴とする請求項7に記載の表示用パネル。
  10. 蛍光体保護膜の厚さは、1×10-8m乃至1×10-7mであることを特徴とする請求項7に記載の表示用パネル。
  11. 蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及び、酸化珪素から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示用パネル。
  12. 表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノードパネルを構成し、
    電極は該アノードパネルにおけるアノード電極を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の表示用パネル。
  13. (A)支持体上に形成された電子線源を備えたカソードパネル、並びに、
    (B)基板上に形成された複数の蛍光体領域と、電極とを備え、該電子線源から放出された電子が蛍光体領域に衝突することによって蛍光体領域が発光し、所望の画像を得るための表示用パネル、
    が真空層を介してそれらの周縁部で接合された表示装置であって、
    該電極は、蛍光体領域が形成されていない基板の部分に形成され、且つ、蛍光体領域が形成されている基板の部分には形成されていないことを特徴とする表示装置。
  14. 少なくとも蛍光体領域の上には蛍光体保護膜が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
  15. 蛍光体保護膜は、透明な材料から成ることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
  16. 蛍光体保護膜の厚さは、1×10-8m乃至1×10-7mであることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
  17. 蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、及び、インジウム−錫酸化物から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
  18. 電極は複数の電極ユニットから構成されており、
    電極ユニットと電極ユニットとは抵抗体層によって電気的に接続されていることを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
  19. 少なくとも蛍光体領域の上には蛍光体保護膜が形成されていることを特徴とする請求項18に記載の表示装置。
  20. 蛍光体保護膜の抵抗値は、抵抗体層の抵抗値以上であることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
  21. 蛍光体保護膜は、透明な材料から成ることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
  22. 蛍光体保護膜の厚さは、1×10-8m乃至1×10-7mであることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
  23. 蛍光体保護膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及び、酸化珪素から成る群から選択された少なくとも1種類の材料から構成されていることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
  24. 表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置を構成し、
    表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノードパネルを構成し、
    電極は該アノードパネルにおけるアノード電極を構成し、
    電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項23のいずれか1項に記載の表示装置。
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