JP4561491B2 - 平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、平面型表示装置の製造方法、及び、平面型表示装置 - Google Patents

平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、平面型表示装置の製造方法、及び、平面型表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、平面型表示装置の製造方法、及び、平面型表示装置に関する。
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)を例示することができる。また、電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置の開発も進められている。ここで、電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子とも呼ばれる)、表面伝導型電子放出素子が知られており、これらの冷陰極電子源から構成された電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置は、高解像度、高輝度のカラー表示、及び、低消費電力の観点から注目を集めている。
冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置である冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する場合がある)は、一般に、2次元マトリクス状に配列された各画素に対応した電子放出領域を有するカソードパネルと、電子放出領域から放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体領域を有するアノードパネルとが、真空層を介して対向配置された構成を有する。電子放出領域には、通常、1又は複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する場合がある)が設けられている。電界放出素子として、スピント型、扁平型、エッジ型、平面型等を挙げることができる。
一例として、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図を図13に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図14に示す。この表示装置を構成するスピント型電界放出素子は、支持体10に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。
この表示装置において、カソード電極11は、第1方向(図13〜図14においてY軸方向)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1方向とは異なる第2方向(図13〜図14においてX軸方向)に延びる帯状である。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。帯状のカソード電極11と帯状のゲート電極13とが重複する重複領域が、電子放出領域EAであり、1サブピクセルの領域に相当する。そして、係る電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(表示装置の表示領域に対応する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20上に所定のパターンを有する蛍光体領域21(具体的には、赤色発光単位蛍光体領域21R、緑色発光単位蛍光体領域21G、及び、青色発光単位蛍光体領域21B)が形成され、蛍光体領域21がアノード電極23で覆われた構造を有する。尚、これらの蛍光体領域21の間は、カーボン等の光吸収材料から成る光吸収部(ブラックマトリックス)22で埋め込まれており、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止している。尚、図中、参照番号26は枠体を表し、参照番号16は収束電極を表し、参照番号17は層間絶縁層を表す。
アノード電極23は、蛍光体領域21からの発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体領域21から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域21から放出された2次電子(以下、これらの電子を総称して、後方散乱電子と呼ぶ)を反射させる反射膜としての機能、蛍光体領域21の帯電防止といった機能を有する。後方散乱電子が他の蛍光体領域21に衝突し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防ぐため、これらの蛍光体領域21の間に隔壁が設けられる場合がある。一例として、蛍光体領域の間に隔壁24が設けられている表示装置の概念的な一部端面図を図15に示す。
これらの表示装置において、1サブピクセルは、カソードパネルCP側の電子放出領域EAと、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネルAP側の蛍光体領域21とによって構成されている。カラー表示の表示装置においては、1画素(1ピクセル)は、赤色発光、緑色発光、及び、青色発光のサブピクセルの組から構成されている。表示装置の表示領域には、カソードパネルCPの有効領域に対応するように、係る画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて形成されている。
そして、アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域EAと蛍光体領域21とが対向するように配置し、周縁部において枠体26を介して接合した後、排気し、封止することによって、表示装置を作製することができる。アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とによって囲まれた空間は高真空(例えば、1×10-3Pa以下)となっている。
このような表示装置においては、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とによって囲まれた空間が高真空となっているが故に、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間にスペーサを配しておかないと、大気圧によって表示装置が損傷を受けてしまう。スペーサが表示画像に影響を与えることを防ぐため、スペーサは光吸収部22と重なる位置に設けられている。尚、図13〜図15においては、スペーサの図示を省略した。
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、収束電極16には収束電極制御回路(図示せず)から相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が印加され、アノード電極23にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。係る表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。あるいは、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力する。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノード電極23に引き付けられ、アノード電極23を通過して蛍光体領域21に衝突する。その結果、蛍光体領域21が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この冷陰極電界電子放出表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード電極11に印加される電圧によって制御される。
このような表示装置において、アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間に放電が発生する場合がある。放電が発生すると、表示装置の表示品質が損なわれるだけでなく、放電に起因したアノード電極や電界放出素子の損傷が発生する虞がある。このため、従来よりアノードパネルAP上のアノード電極を分割することが提案されている。静電容量は電極の面積に比例するため、アノード電極を分割することによりアノードパネルAPとカソードパネルCPとの間の静電容量を小さくすることができる。これにより、放電の発生を減少させることができ、また、放電が生じたとしても放電のエネルギーが抑制されるので、放電に起因したアノード電極や電界放出素子の損傷が低減する。
例えば、特開2004−158232号公報に開示された表示装置にあっては、アノード電極は、単位蛍光体領域を覆うアノード電極ユニットの集合体から構成されおり、アノード電極ユニットの間には、ギャップが設けられている。ギャップは蛍光体領域が形成されていない基板の部分に設けられており、ギャップは隔壁の頂面上に位置するように、あるいは又、隔壁を跨って形成されている。アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとの間には、隣接するアノード電極ユニット間を跨るように、抵抗体層が形成されている。各アノード電極ユニットは、抵抗体層を介してアノード電極制御回路と接続される。抵抗体層によって、放電により流れる電流をより抑制することができる。
特開2004−158232号公報
このように、特開2004−158232号公報に開示された表示装置にあっては、放電の発生を減少させることができる。ところで、導電材料層の形成、リソグラフィ技術に基づくレジスト層の形成、及び、このレジスト層を用いたエッチング技術による導電材料層のパターニングによって、アノード電極ユニットの形成を行い、その後、隣接するアノード電極ユニット間を跨るように、抵抗体層を形成している。従って、アノード電極の分割、抵抗体層の形成等に多くの工程を要する。更には、例えばエッチング液を用いたエッチング技術で導電材料層をパターンニングする場合には、エッチング液により蛍光体領域の蛍光体が劣化し、蛍光体の発光効率が低下する虞がある。
従って、本発明の目的は、アノード電極ユニットと抵抗体層を簡便に形成し得る平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、平面型表示装置の製造方法、及び、平面型表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法は、
(A)基板、
(B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
(C)導電材料層から成り、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
(D)抵抗体層、
を備えた平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法であって、
基板上に蛍光体領域を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させ、以て、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット及びこれらを電気的に接続する抵抗体層を得る工程、
を備えていることを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の製造方法は、
(A)基板、
(B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
(C)導電材料層から成り、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
(D)抵抗体層、
を備えたアノードパネルと、電子放出素子を複数備えたカソードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る平面型表示装置の製造方法であって、
アノードパネルを、
基板上に蛍光体領域を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させ、以て、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット及びこれらを電気的に接続する抵抗体層を得る工程、
によって製造することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置は、
(A)基板、
(B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
(C)導電材料層から成り、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
(D)抵抗体層、
を備えたアノードパネルと、電子放出素子を複数備えたカソードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る平面型表示装置であって、
抵抗体層は、隣り合う蛍光体領域間に位置した導電材料層が化学変化したものであることを特徴とする。
上記の本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法あるいは平面型表示装置の製造方法(以下、本発明の製造方法と略称する場合がある)にあっては、基板上に蛍光体領域を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成する(以下、この段階における導電材料層を「変化前導電材料層」と呼ぶ場合がある)。次いで、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させる。これによって、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット及びこれらを電気的に接続する抵抗体層が得られる。変化前導電材料層は、単一の材料層から成るものでもよいし、複数の種類の材料層から成るものでもよい。変化前導電材料層が複数の種類の材料層から成る場合には、少なくとも1つの材料層が導電性を備えていればよい。例えば、変化前導電材料層を、導電体材料から成る層と、誘電体材料から成る層あるいは半導体材料から成る層の積層構造としてもよい。具体的には、導電体材料として、例えば、アルミニウム(Al)等の金属材料、カーボン等の炭素系材料、酸化インジウム錫(ITO)等の導電性金属酸化物を挙げることができる。また、誘電体材料あるいは半導体材料として、金属酸化物や金属窒化物等の金属化合物、シリコン(Si)等の半導体材料、半導体材料の化合物等を挙げることができる。積層構造を構成する材料の組み合わせにより、後述する比抵抗の変化の度合いを調整することができる。変化前導電材料層が金属材料から成る場合には、1種類の金属材料から成る層であってもよいし、金属材料から成る層が複数積層していてもよい。金属材料から成る層の積層の例として、例えばアルミニウム(Al)層とクロム(Cr)層との組合せを挙げることができる。更には、導電材料層が金属の合金から成るものであってもよい。変化前導電材料層を構成する材料として、化学変化前と化学変化後で比抵抗の変化が相対的に大きい材料を選択することが好ましい。導電材料層を構成する材料にもよるが、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて得られる抵抗体層のシート抵抗を、1kΩ/□以上とすることが好ましい。例えば、変化前導電材料層が金属材料から成り、抵抗体層は、酸化処理によって変化前導電材料層が酸化した金属酸化物から成る構成とすることができる。あるいは、変化前導電材料層が金属材料から成り、抵抗体層は、窒化処理によって変化前導電材料層が窒化した金属窒化物から成る構成とすることもできる。このようにして、本発明の平面型表示装置における抵抗体層を得ることができる。
本発明の製造方法にあっては、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させる際に、蛍光体領域上に位置する導電材料層も化学変化を起こす場合がある(以下、この段階における蛍光体領域上に位置する導電材料層を「変化後導電材料層」と呼ぶ場合がある)。アノード電極ユニットを構成する変化後導電材料層は、変化前導電材料層と同様の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。例えば、変化前導電材料層が2種以上の金属層の積層構造から成り、変化後導電材料層が変化前導電材料層と同様の積層構造を保っていてもよいし、変化後導電材料層が2種以上の金属から成る合金層を形成していてもよい。例えば、変化前導電材料層がアルミニウム(Al)層とクロム(Cr)層との積層構造から成り、変化後導電材料層がアルミニウム(Al)とクロム(Cr)の合金層から成るものであってもよい。変化後導電材料層は、化学変化により生じた抵抗体層を含む積層構造であってもよいが、この場合には、少なくとも1つの材料層が導電性を備えていればよい。例えば、変化前導電材料層がアルミニウム(Al)の単層構造から成り、化学変化により例えばその表面が酸化され、変化後導電材料層がアルミニウム酸化物層とアルミニウム(Al)層の積層構造から成る場合には、変化後導電材料層は導電性を失わず、アノード電極ユニットとして作用する。このようにして、本発明の平面型表示装置におけるアノード電極ユニットを得ることができる。
本発明の製造方法にあっては、隣り合う蛍光体領域間には光吸収部が設けられており、該光吸収部の上に形成された変化前導電材料層と光吸収部を構成する材料とを反応させることにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得る構成とすることができる。尚、光吸収部が積層構造を備え、導電材料層と対向する光吸収部の層が導電材料層と反応する態様であってもよい。光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とが反応することにより、光吸収部の上に形成された導電材料層をより選択的に化学変化させることができる。例えば、光吸収部をクロム(Cr)、変化前導電材料層をアルミニウム(Al)から成るものとするとき、酸素雰囲気中で熱処理することにより、光吸収部の上の導電材料層を選択的に化学変化させ、AlxCryzから成る抵抗体を形成することができる。光吸収部を構成する材料として、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム、酸化ニッケル)、金属窒化物(例えば、窒化クロム、窒化ニッケル)、例えば耐熱性有機樹脂等の樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。
光吸収部は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
光吸収部における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状(光吸収部の開口の内側輪郭線に相当する)として、矩形形状、円形形状、楕円形状、長円形状、三角形形状、五角形以上の多角形形状、丸みを帯びた三角形形状、丸みを帯びた矩形形状、丸みを帯びた多角形等を例示することができる。これらの平面形状が2次元マトリクス状に配列されることにより、格子状の光吸収部が形成される。この2次元マトリクス状の配列は、例えば井桁状に配列されるものでもよいし、千鳥状に配列されるものでもよい。更には、光吸収部における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状が、スリット状であってもよい。
あるいは又、本発明の製造方法にあっては、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層の厚さが、蛍光体領域上の導電材料層の厚さに対して薄くなるように変化前導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得る構成とすることができる。例えば、変化前導電材料層が単一の材料層から成り、導電材料層の表面から一定の厚さの領域が酸化等の化学変化する態様の場合には、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層の厚さをT1、蛍光体領域上の変化前導電材料層の厚さをT2、導電材料層のうち化学変化する部分の厚さをT3とするとき、T1<T3<T2を満たすように、変化前導電材料層を化学変化させる。この場合、蛍光体領域間に位置する導電材料層はその全てが化学変化する。一方、蛍光体領域上の導電材料層はその一部が化学変化するに留まり、導電性を失わない。隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層の厚さが、蛍光体領域上の導電材料層の厚さに対して薄くなるように変化前導電材料層を形成することにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層をより選択的に化学変化させて抵抗体層を得ることができる。また、例えば、変化前導電材料層が積層構造を備え、各層を構成する材料を反応させることにより化学反応する態様であってもよい。この場合には、変化前導電材料層の厚さが薄い領域程、化学変化により生じた物質(抵抗体)の占有率が高くなるので、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得ることができる。光吸収部を構成する材料と変化前導電材料層が反応する態様についても同様である。このようにして、本発明の平面型表示装置における抵抗体層を得ることができる。
あるいは又、本発明の製造方法にあっては、隣り合う蛍光体領域間には隔壁が設けられており、各蛍光体領域上から隔壁の側面上及び隔壁の頂面上に亙り導電材料層を形成した後、隔壁の側面上に形成された変化前導電材料層を化学変化させることにより抵抗体層を得る構成とすることもできる。変化前導電材料層は、隔壁の側面上及び隔壁の頂面上に直接形成されていてもよいし、例えば、密着性改善用等の下地膜が隔壁の上に形成されており、下地膜の上に変化前導電材料層が形成されていてもよい。導電材料層の形成方法にもよるが、一般に、隔壁の側面上に形成された導電材料層は、他の部分(より具体的には、隔壁の頂面あるいは蛍光体領域上)に形成された導電材料層よりも厚さが薄く形成される。より具体的には、側面上の導電材料層は、隔壁の頂面側が最も厚く、蛍光体領域側が最も薄く形成される。例えば、変化前導電材料層が単一の材料層から成り、導電材料層の表面から一定の厚さの領域が酸化等の化学変化する態様の場合には、隔壁の側面に形成された導電材料層の最大厚さをT4max、隔壁の側面に形成された導電材料層の最小厚さをT4min、他の部分に形成された導電材料層の厚さをT5、導電材料層のうち化学変化する部分の厚さをT6とするとき、例えば、T4max<T6<T5を満たすように、変化前導電材料層を化学変化させると、隔壁の側面に形成された導電材料層はその全てが化学変化する。また、T4min<T6<T4max<T5を満たすように、変化前導電材料層を化学変化させると、隔壁の側面に形成された導電材料層の一部が化学変化する。いずれの場合においても、他の部分に形成された導電材料層はその一部が化学変化するに留まり、導電性を失わない。側面上の導電材料層の厚さの差を利用することにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層をより選択的に化学変化させて抵抗体層を得ることができる。また、例えば、変化前導電材料層が積層構造を備え、各層を構成する材料を反応させることにより化学反応する態様であってもよい。この場合には、変化前導電材料層の厚さが薄い領域程、化学変化により生じた物質(抵抗体)の占有率が高くなるので、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得ることができる。尚、抵抗体層は隔壁の側面に沿って連続的に形成されていれば足り、必ずしも隔壁の側面上の導電材料層全てが化学変化することを要しない。このようにして、本発明の平面型表示装置における抵抗体層を得ることができる。
あるいは又、以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の製造方法にあっては、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層に酸化剤を塗布し、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層と酸化剤とを反応させることにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得る構成とすることもできる。酸化剤として、例えば、過マンガン酸カリウム(KMnO4)、過ヨウ素酸(HIO4)、過酸化水素(H22)を挙げることができる。これらの酸化剤を含む水溶液等を、隣り合う蛍光体領域間に位置する変化前導電材料層の上に、周知の方法で塗布してもよい。また、隣り合う蛍光体領域間には隔壁が設けられており、各蛍光体領域上から隔壁の側面上及び隔壁の頂面上に亙り変化前導電材料層を形成した後、隔壁の頂面上に形成された導電材料層に酸化剤を塗布し、隔壁の頂面上に形成された変化前導電材料層と酸化剤とを反応させる構成とすることもできる。この場合には、例えば酸化剤を含む溶液をローラーに含浸させた後、ローラーを隔壁の頂面に沿って移動させることにより、酸化剤を隔壁の頂面上に形成された変化前導電材料層に塗布してもよい。熱処理により導電材料層と酸化剤とを反応させる場合には、アノードパネルの状態で熱処理を施してもよいし、平面型表示装置の状態で熱処理を施してもよい。このようにして、本発明の平面型表示装置における抵抗体層を得ることができる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の製造方法にあっては、1画素は、赤色発光単位蛍光体領域、緑色発光単位蛍光体領域、及び、青色発光単位蛍光体領域から構成されており、
隣り合う各単位蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得る構成とすることができる。このようにして、本発明の平面型表示装置における抵抗体層を得ることができる。この構成では、アノード電極ユニットを、画素よりも細かく分割することもできる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法、あるいは、本発明の平面型表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明と略称する場合がある)にあっては、1つのアノード電極ユニットに1つのサブピクセルが対応してもよいし、複数のサブピクセルが対応してもよいし、1つのピクセルが対応してもよいし、複数のピクセルが対応してもよい。
本発明において、アノードパネルを構成する基板として、あるいは又、カソードパネルを構成する支持体として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。
変化前導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。基板上(あるいは基板上方)における変化前導電材料層の平均厚さとして、1×10-8m(10nm)乃至1×10-6m(1μm)、好ましくは8×10-8m(80nm)乃至8×10-7m(800nm)を例示することができる。
変化前導電材料層の構成材料は、平面型表示装置の構成によって適宜選択すればよい。モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
本発明において、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された2次電子が他の蛍光体領域に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された2次電子が隔壁を越えて他の蛍光体領域に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体領域と衝突することを防止するために、隔壁を設けることが好ましい。
隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成(硬化)を行う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷法、ロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁頂面の平坦化を図ってもよい。
隔壁形成用材料として、例えば、感光性ポリイミド樹脂や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス、SiO2、低融点ガラスペーストを例示することができる。
隔壁における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当する)として、矩形形状、円形形状、楕円形状、長円形状、三角形形状、五角形以上の多角形形状、丸みを帯びた三角形形状、丸みを帯びた矩形形状、丸みを帯びた多角形等を例示することができる。これらの平面形状が2次元マトリクス状に配列されることにより、格子状の隔壁が形成される。この2次元マトリクス状の配列は、例えば井桁状に配列されるものでもよいし、千鳥状に配列されるものでもよい。更には、隔壁における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状が、スリット状であってもよい。
蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。蛍光体領域の配列様式はドット状である。具体的には、平面型表示装置がカラー表示の場合、単位蛍光体領域の配置、配列として、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。即ち、直線状に配列された単位蛍光体領域の1列は、全てが赤色発光単位蛍光体領域で占められた列、緑色発光単位蛍光体領域で占められた列、及び、青色発光単位蛍光体領域で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光単位蛍光体領域、緑色発光単位蛍光体領域、及び、青色発光単位蛍光体領域が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、単位蛍光体領域とは、アノードパネル上において1つの輝点を生成する蛍光体領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光単位蛍光体領域、1つの緑色発光単位蛍光体領域、及び、1つの青色発光単位蛍光体領域の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの単位蛍光体領域(1つの赤色発光単位蛍光体領域、あるいは、1つの緑色発光単位蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光単位蛍光体領域)から構成される。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光単位蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光単位蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光単位蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。あるいは又、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体領域を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体領域を形成してもよい。基板上における蛍光体領域の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。
発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。赤色発光単位蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al512:Eu)、(Y2SiO5:Eu)、(Zn3(PO42:Mn)を例示することができるが、中でも、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)を用いることが好ましい。また、緑色発光単位蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(Sr4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、(Y2SiO5:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:Tb)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:Tb)、(ZnGa24:Mn)を例示することができるが、中でも、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(Y2SiO5:Tb)を用いることが好ましい。更には、青色発光単位蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、ZnMgO、ZnGaO4を例示することができるが、中でも、(ZnS:Ag)、(ZnS:Ag,Al)を用いることが好ましい。
電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子)、表面伝導型電子放出素子を挙げることができる。また、平面型表示装置として、冷陰極電界電子放出素子を備えた平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)、金属/絶縁膜/金属型素子が組み込まれた平面型表示装置、表面伝導型電子放出素子が組み込まれた平面型表示装置を挙げることができる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極ユニットによってアノードパネルへと引き付けられ、蛍光体領域に衝突する。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極ユニットはアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。実作動時、アノード電極制御回路の出力電圧vAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd(但し、0.5mm≦d≦10mm)としたとき、vA/d(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは5以上10以下を満足することが望ましい。
冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時、カソード電極に印加する電圧vC及びゲート電極に印加する電圧vGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式を採用した場合、
(1)カソード電極に印加する電圧vCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧vGを変化させる方式
(2)カソード電極に印加する電圧vCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧vGを一定とする方式
(3)カソード電極に印加する電圧vCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧vGも変化させる方式がある。
電界放出素子は、より具体的には、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極、
(b)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複部分に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられ、カソード電極及びゲート電極への電圧の印加によって電子放出が制御される電子放出部、
から成る。
電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。
カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。そして、カソードパネルにおいて、カソード電極とゲート電極とが重複する重複部分は電子放出領域に該当し、電子放出領域が2次元マトリックス状に配列されており、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造することができる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。ここで、収束電極とは、絶縁層の上方に層間絶縁層を介して形成され、開口部から放出され、アノード電極ユニットへ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極ユニットとカソード電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、アノード電極ユニットとカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的な負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。収束電極は、必ずしも、カソード電極とゲート電極とが重複する重複部分に設けられた電子放出部あるいは電子放出領域のそれぞれを取り囲むように個別に形成されている必要はなく、例えば、電子放出部あるいは電子放出領域の所定の配列方向に沿って延在させてもよいし、電子放出部あるいは電子放出領域の全てを1つの収束電極で取り囲む構成としてもよく、これによって、複数の電子放出部あるいは電子放出領域に共通の収束効果を及ぼすことができる。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の遷移金属を含む各種の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のカソード電極やゲート電極を形成することが可能である。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、真空蒸着法の他、例えばスパッタリング法やCVD法によっても形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。係る材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×106V/m以下の電界強度にて、冷陰極電界電子放出表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、電子放出部を構成する材料が電気抵抗体であれば、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、冷陰極電界電子放出表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、グラファイト・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとグラファイト・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を直接形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、係る第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体薄膜を形成してもよい。抵抗体薄膜を形成することによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体薄膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系抵抗体材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体抵抗体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体薄膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。1つの電子放出部当たりの電気抵抗値は、概ね1×106〜1×1011Ω、好ましくは数十ギガΩとすればよい。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合するが、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
カソードパネルとアノードパネルと枠体の三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間(より具体的には、カソードパネルとアノードパネルと枠体と接着層とにより囲まれた空間であり、以下、単に、空間と呼ぶ場合がある)は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
排気を行う場合、排気は、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域(冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
ここで、空間は真空となっているので、アノードパネルとカソードパネルとの間にスペーサを配設しておかないと、大気圧によって平面型表示装置が損傷を受けてしまう。
スペーサは、例えばセラミックスやガラスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、係るグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサを構成するガラスとして、ソーダライムガラスを挙げることができる。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部によって固定すればよい。
本発明において、スペーサの表面に、帯電防止膜等の膜が設けられてもよい。帯電防止膜を構成する2次電子放出係数が1に近い材料として、グラファイト等の半金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、及び、窒化物等を用いることができる。例えば、グラファイト等の半金属及びMoSe2等の半金属元素を含む化合物、Cr23、Nd23、LaxBa2-xCuO4、LaxBa2-xCuO4、Lax1-xCrO3等の酸化物、AlB2、TiB2等のホウ化物、SiC等の炭化物、MoS2、WS2等の硫化物、及び、BN、TiN、AlN等の窒化物等を挙げることができるし、例えば、特表2004−500688号公報等に記載されている材料等を用いることもできる。帯電防止膜等のスペーサの表面に設けられる膜は、単一の種類の材料から成るものであってもよいし、複数の種類の材料から成るものであってもよい。例えば、膜は単層構造であって、複数の種類の材料からその層が構成されてもよいし、膜は複数層が積層して成り、それぞれの層が異なる材料から成るものであってもよい。これらの膜は、スパッタ法、蒸着法、化学的気相成長(CVD)法等、周知の方法により形成することができる。
本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、平面型表示装置の製造方法、あるいは、平面型表示装置にあっては、基板上に蛍光体領域を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させ、以て、各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット及びこれらを電気的に接続する抵抗体層を得る。換言すれば、アノード電極ユニットを構成するための導電材料層の分割と抵抗体層の形成が同時に行われる。従って、アノード電極ユニットと抵抗体層を簡便に形成することができる。また、抵抗体層は、隣り合う蛍光体領域間に位置した導電材料層が化学変化したものであり、アノード電極ユニットと抵抗体層とが連続した層として形成されている。即ち、アノード電極ユニットと抵抗体層とが一体となっている。従って、アノード電極ユニットと抵抗体層との境界に放電の誘因となる微少な突起が生ずることがない。また、エッチング技術を用いることなく導電材料層の分割が可能となるので、エッチング液等が蛍光体領域に及ぶことによる蛍光体の劣化が生じない。更には、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を選択的に化学変化させることにより、1画素よりも細かいアノード電極ユニットを、容易に得ることができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例1の平面型表示装置の概念的な一部端面図を、図1に示す。実施例1の平面型表示装置は、電子放出領域が設けられたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、板状のスペーサ(図示せず)を介して対向し、カソードパネルCPの周縁部とアノードパネルAPの周縁部とが、例えば枠体26を介して接合されており、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間が真空に保持されている平面型表示装置である。
アノードパネルAPは、基板20、基板20に形成された複数の蛍光体領域21、導電材料層から成り、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット123、及び、抵抗体層125を備えている。そして、抵抗体層125は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化したものである。実施例1では、基板20上に蛍光体領域21を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層を化学変化させ、以て、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット123及びこれらを電気的に接続する抵抗体層125を得る。
実施例1の平面型表示装置は、図13に示した平面型表示装置と比較して、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層125を備えている点が主に相違する。抵抗体層125によって導電材料層が分割されることにより、アノード電極ユニット123が形成されていると共に、アノード電極ユニット123は抵抗体層125によって電気的に接続されている。図2に、アノードパネルAPを構成する基板20、蛍光体領域21、光吸収部122、アノード電極ユニット123、及び、抵抗体層125の一部を切り欠いた模式的な斜視図を示す。光吸収部122は格子状に形成されており、蛍光体領域21は、光吸収部122の開口内に設けられている。各蛍光体領域21の上には、導電材料層から成るアノード電極ユニット123が形成されている。各アノード電極ユニット123は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層125によって電気的に接続されている。後述する他の実施例においても同様である。
カソードパネルCP、スペーサ(図示せず)、及び、枠体26の構成、動作、及び、作用については、従来例で説明したと同様であるので、ここでは説明を省略する。後述する他の実施例においても同様である。
以下、図3の(A)〜(C)及び図4の(A)〜(B)を参照して、実施例1の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明する。図3の(A)〜(C)及び図4の(A)〜(B)は、図2において一点鎖線を含む仮想的なX−Z平面によってアノードパネルAPを切断したときの断面に沿ったと同様の一部端面図である。後述する他の実施例に関する図面においても同様である。尚、図3の(A)〜(C)及び図4の(A)〜(B)においては、蛍光体領域21を囲む光吸収部122の側面の一部分に相当する部分の図示を省略した。後述する他の実施例に関する図面においても同様である。
[工程−100]
先ず、アノードパネルAPを構成する基板20上に、例えばスパッタリング法により、光吸収材料層122Aを形成する(図3の(A)参照)。実施例1において、光吸収材料層122Aは、基板20上に形成されたCrOx層122Bと、CrOx層122Bの上に形成されたクロム(Cr)層122Cから構成される積層膜である。具体的には、アノードパネルAPを構成する基板20上に、スパッタリング法により厚さ約70nmのCrOx層122Bを形成する。その後、CrOx層122Bの上に、スパッタリング法により厚さ約130nmのクロム(Cr)層122Cを形成する。尚、例えば、密着性改善用等の下地膜が基板20上に形成されており、その下地膜の上に光吸収材料層122Aを形成する態様であってもよい。
[工程−110]
次いで、例えばエッチング法により、例えば矩形形状に、光吸収材料層122Aの蛍光体領域を設けるべき部分を除去する(図3の(B)参照)。これにより、格子状の光吸収部122が形成される。参照番号122Dは、光吸収材料層122Aが除去されることにより形成された開口を示す。
[工程−120]
その後、基板20上に蛍光体領域21(21R、21G、21B)を形成する(図3の(C)参照)。基板20の光吸収部122の開口122D内に、例えば蛍光体スラリーの塗布、露光、現像により、蛍光体領域21を形成する。具体的には、赤色蛍光体スラリーを全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光単位蛍光体領域21Rを形成し、次いで、緑色蛍光体スラリーを全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光単位蛍光体領域21Gを形成し、更に、青色蛍光体スラリーを全面に塗布し、露光、現像して、青色発光単位蛍光体領域21Bを形成する。1画素は、1つの赤色発光単位蛍光体領域、1つの緑色発光単位蛍光体領域、及び、1つの青色発光単位蛍光体領域の集合から構成される。
[工程−130]
次いで、光吸収部122及び蛍光体領域21の上に、変化前導電材料層123Aを形成する(図4の(A)参照)。具体的には、スパッタリング法により、アルミニウム(Al)から成る厚さ約50nmの変化前導電材料層123Aを形成するが、これに限るものではない。
[工程−140]
その後、例えば、以下の表1に例示する条件での導電材料層123Aの熱処理を行い、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層123Aを化学変化(具体的には、酸化)させる。
[表1]
基板温度 :420゜C
時間 :120分
圧力 :1×105Pa(1気圧)
処理雰囲気:酸素ガス
酸素雰囲気中の熱処理により、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている光吸収部122の上に形成された変化前導電材料層123Aは、雰囲気中の酸素及び光吸収部122を構成するクロム(Cr)層122Cと反応する。この結果、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層123A(より具体的には、実施例1では、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている光吸収部122の上に形成された導電材料層123A)は、化学変化し(具体的には、アルミニウム(Al)とクロム(Cr)の合金化を伴う酸化)、AlxCryzから成る抵抗体層125が形成される。また、抵抗体層125が形成されるのに伴い、導電材料層123Aは抵抗体層125によって分割され、アノード電極ユニット123が形成される(図4の(B)参照)。即ち、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット123及びこれらを電気的に接続する抵抗体層125を得ることができる。尚、アノード電極ユニット123の表面には、酸素雰囲気中の熱処理により、厚さ約10nmの酸化アルミニウム膜が形成される。しかし、酸化アルミニウム膜の下にはアルミニウム(Al)が残るので、アノード電極ユニット123が導電性を失うことはない。以上の工程により、平面型表示装置用のアノードパネルAPを得ることができる。
抵抗体層125は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した変化前導電材料層123Aが化学変化したものである。実施例1では、変化前導電材料層123Aは金属材料(具体的には、アルミニウム(Al))から成り、抵抗体層125は、金属酸化物(より具体的には、AlxCryz)から成る。変化前導電材料層123Aを構成する材料と光吸収部122を構成する材料との組合せにもよるが、抵抗体層125のシート抵抗が1kΩ/□以上になることが好ましい。尚、窒素雰囲気中で熱処理(窒化処理)を行う態様であってもよい。この場合には、抵抗体層125は、金属窒化物から構成される。
[工程−180]
次いで、図1に示す平面型表示装置の組立を行う。具体的には、スペーサ(図示せず)を介して、蛍光体領域21と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置する。アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、支持体10と基板20)とを、例えば枠体26を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体26とアノードパネルAPとの接合部位、及び枠体26とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の熱処理を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26と接着層とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、平面型表示装置を完成させることができる。
実施例2は、本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例2では、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層の厚さが、蛍光体領域上の導電材料層の厚さに対して薄くなるように導電材料層を形成した後、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層を得る。実施例2の平面型表示装置は、実施例1で説明した平面型表示装置と同様の構成、構造を有するので、平面型表示装置の説明は省略する。尚、実施例2においては、図1における光吸収部122を光吸収部222と、アノード電極ユニット123をアノード電極ユニット223と、抵抗体層125を抵抗体層225と読み替える。
以下、図5の(A)〜(C)を参照して、実施例2の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明する。
[工程−200]
先ず、実施例1の[工程−100]〜[工程−110]と同様にして、アノードパネルAPを構成する基板20上に、格子状の光吸収部222を形成する。尚、実施例2においては、CrOx層から成る光吸収部222を形成する。
[工程−210]
次いで、実施例1の[工程−120]と同様にして、基板20上に蛍光体領域21(21R、21G、21B)を形成する。
[工程−220]
その後、以下の工程により、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層の厚さが、蛍光体領域21上の導電材料層の厚さに対して薄くなるように変化前導電材料層223Aを形成する。
具体的には、先ず、光吸収部222及び蛍光体領域21に対向するように、マスク260を配置する(図5の(A)参照)。マスク260は、例えば直径約50nmの金属ワイヤ261から成るマスクである。金属ワイヤ261は、光吸収部222と対向するように配置されている。尚、マスク260は格子状のマスクであってもよいし、スリット状のマスクであってもよい。
次いで、マスク260を介して、光吸収部222及び蛍光体領域21の上に、変化前導電材料層223Aを形成する(図5の(B)参照)。尚、図5の(B)においては、マスク260の図示を省略した。具体的には、スパッタリング法により、後述する手順でクロム(Cr)層とアルミニウム(Al)層とから成る導電材料層223Aを形成するが、これに限るものではない。金属ワイヤ261は光吸収部222と対向しているので、光吸収部222上に形成される導電材料層223Aの厚さは、蛍光体領域21上に形成される導電材料層223Aの厚さよりも薄くなる。金属ワイヤ261と光吸収部222との距離や、スパッタリング時の成膜条件等にもよるが、光吸収部222上に形成される導電材料層223Aの厚さは、蛍光体領域21上に形成される導電材料層223Aの厚さの例えば10%程度となる。実施例2では、光吸収部222上に形成される導電材料層223Aの厚さが、蛍光体領域21上に形成される導電材料層223Aの厚さの約5%となるように、予め金属ワイヤ261と光吸収部222との距離や、スパッタリング時の成膜条件等を調整した。
蛍光体領域21上の変化前導電材料層223Aが、厚さ約200nmのアルミニウム(Al)層と厚さ約40nmのクロム(Cr)層から成るように、スパッタリングを行う。先ず、スパッタリング法により、マスク260を介して、光吸収部222及び蛍光体領域21の上に、アルミニウム(Al)から成る導電材料層を形成する。その後、スパッタリング法により、マスク260を介して、アルミニウム(Al)から成る導電材料層の上に、クロム(Cr)から成る導電材料層を形成する。上述したように、光吸収部222上に形成される導電材料層223Aの厚さが、蛍光体領域21上に形成される導電材料層223Aの厚さの約5%となる。従って、光吸収部222上の導電材料層223Aは、厚さ約10nmのアルミニウム(Al)層と厚さ約2nmのクロム(Cr)層とが積層された構造となる。
[工程−230]
その後、実施例1の[工程−140]と同様にして、例えば、実施例1の表1に例示した条件で導電材料層223Aの熱処理を行い、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層223Aを化学変化(具体的には、酸化)させる。
酸素雰囲気中の熱処理により、変化前導電材料層223Aは、雰囲気中の酸素と反応する。より具体的には、導電材料層223Aを構成するアルミニウム(Al)層とクロム(Cr)層と酸素とが反応する。隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層223Aは、蛍光体領域21上に位置する導電材料層223Aよりも厚さが薄い。この結果、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層223A(より具体的には、実施例2では、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている光吸収部222の上に形成された導電材料層223A)は、選択的に化学変化し、AlxCryzから成る抵抗体層225が形成される。また、抵抗体層225が形成されるのに伴い、導電材料層223Aは抵抗体層225によって分割され、アノード電極ユニット223が形成される(図5の(C)参照)。即ち、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット223及びこれらを電気的に接続する抵抗体層225を得ることができる。尚、アノード電極ユニット223を構成する導電材料層223Aも化学変化し、表面にAlxCryz層が形成される。しかし、AlxCryz層の下にはアルミニウム(Al)が残るので、アノード電極ユニット223が導電性を失うことはない。以上の工程により、平面型表示装置用のアノードパネルAPを得ることができる。
抵抗体層225は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した変化前導電材料層223Aが化学変化したものである。実施例2では、変化前導電材料層223Aは金属材料(具体的には、クロム(Cr)、アルミニウム(Al))から成り、抵抗体層は、金属酸化物(より具体的には、AlxCryz)から成る。変化前導電材料層を構成する材料の組合せにもよるが、抵抗体層225のシート抵抗が1kΩ/□以上になることが好ましい。尚、窒素雰囲気中で熱処理(窒化処理)を行う態様であってもよい。この場合には、抵抗体層225は、金属窒化物から構成される。
[工程−240]
その後、実施例1の[工程−180]と同様にして、図1に示す平面型表示装置の組立を行い、平面型表示装置を完成させることができる。
実施例3は、本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例3の平面型表示装置の概念的な一部端面図を、図6に示す。実施例3の平面型表示装置は、電子放出領域が設けられたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、板状のスペーサ(図示せず)を介して対向し、カソードパネルCPの周縁部とアノードパネルAPの周縁部とが、例えば枠体26を介して接合されており、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間が真空に保持されている平面型表示装置である。
アノードパネルAPは、基板20、基板20に形成された複数の蛍光体領域21、導電材料層から成り、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット323、及び、抵抗体層325を備えている。そして、抵抗体層325は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化したものである。より具体的には、実施例3では、隣り合う蛍光体領域21間には隔壁324が設けられており、各蛍光体領域21上から隔壁324の側面上及び隔壁324の頂面上に亙り導電材料層を形成した後、隔壁324の側面上に形成された導電材料層を化学変化させることにより抵抗体層325を得る。
実施例3の平面型表示装置は、図15に示した平面型表示装置と比較して、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層325を備えている点が主に相違する。これにより、分割された導電材料層から成るアノード電極ユニット323が形成されていると共に、アノード電極ユニット323は抵抗体層325によって電気的に接続されている。図7に、アノードパネルAPを構成する基板20、蛍光体領域21、光吸収部322、アノード電極ユニット323、抵抗体層325、及び、隔壁324の一部を切り欠いた模式的な斜視図を示す。光吸収部322は格子状に形成されており、蛍光体領域21は、光吸収部322の開口内に設けられている。各蛍光体領域21の上には、導電材料層から成るアノード電極ユニット323が形成されている。各アノード電極ユニット323は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層325によって電気的に接続されている。尚、光吸収部322は、実施例2における光吸収部222と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
カソードパネルCP、スペーサ(図示せず)、及び、枠体26の構成、動作、及び、作用については、従来例で説明したと同様であるので、ここでは説明を省略する。後述する他の実施例においても同様である。
以下、図8の(A)〜(C)及び図9の(A)〜(B)を参照して、実施例3の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明する。図8の(A)〜(C)及び図9の(A)〜(B)は、図7において一点鎖線を含む仮想的なX−Z平面によってアノードパネルAPを切断したときの断面に沿ったと同様の一部端面図である。尚、図8の(A)〜(C)及び図9の(A)〜(B)においては、蛍光体領域21を囲む光吸収部322の側面の一部分と、隔壁324の側面の一部分に相当する部分の図示を省略した。
[工程−300]
先ず、実施例2の[工程−200]と同様にして、アノードパネルAPを構成する基板20上に、格子状の光吸収部322を形成する。
[工程−310]
次いで、光吸収部322の上に隔壁324を形成する。実施例3では、ポリイミド樹脂を用いて隔壁324を形成するが、これに限るものではない。例えばスピンコート法により、光吸収部322及び基板20の上にポリイミド樹脂層324Aを形成する(図8の(A)参照)。次いで、光吸収部322上のポリイミド樹脂層324Aを残し、他のポリイミド樹脂層324Aを除去する。ポリイミド樹脂層324Aの除去は、感光法やサンドブラスト法等を適宜用いて行うことができる。この後、必要であれば、例えば乾燥、焼成等の後処理を施してもよい。これにより、ポリイミド樹脂層324Aから成る隔壁324を得ることができる(図8の(B)参照)。
[工程−320]
その後、実施例1の[工程−120]と同様にして、基板20上に蛍光体領域21(21R、21G、21B)を形成する(図8の(C)参照)。
[工程−330]
次いで、実施例1の[工程−130]と同様にして、基板20及び隔壁324の上に、変化前導電材料層323Aを形成する(図9の(A)参照)。具体的には、スパッタリング法により、アルミニウム(Al)から成る厚さ約50nmの導電材料層323Aを形成するが、これに限るものではない。実施例3にあっては、隣り合う蛍光体領域21間には隔壁324が設けられており、各蛍光体領域21上から隔壁324の側面324C上及び隔壁324の頂面324B上に亙り導電材料層323Aが形成されている。蛍光体領域21及び隔壁324の上には、厚さ約50nmの導電材料層323Aが形成されている。一方、頂面324Bと側面324Cは略直交する関係にあるので、側面324C上の導電材料層323Aは、頂面324B側が最も厚く、蛍光体領域21側が最も薄く形成されている。
[工程−340]
その後、実施例1の[工程−140]と同様にして、例えば、実施例1の表1に例示した条件で導電材料層323Aの熱処理を行い、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層323A(より具体的には、実施例2では、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている隔壁324の側面324C上に形成された導電材料層323A)を化学変化(具体的には、酸化)させる。
酸素雰囲気中の熱処理により、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている隔壁324の上に形成された変化前導電材料層323Aは、雰囲気中の酸素と反応する。この結果、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層323Aは、化学変化し、その表面に厚さ約10nmの酸化アルミニウム膜が形成される。ここで、隔壁324の側面324C上に形成されている導電材料層323Aのうち、厚さが約10nm以下の部分はその全てが酸化される。従って、隔壁324の側面324C上に抵抗体層325が形成される。また、抵抗体層325が形成されるのに伴い、導電材料層323Aは抵抗体層325によって分割され、アノード電極ユニット323が形成される(図9の(B)参照)。即ち、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット323及びこれらを電気的に接続する抵抗体層325を得ることができる。より具体的には、実施例3においては、各アノード電極ユニット323は抵抗体層325と電気的に接続されていると共に、抵抗体層325は隔壁324の頂面324B上の導電材料層323Aに接続されている。尚、アノード電極ユニット323の表面にも、酸素雰囲気中の熱処理により、酸化アルミニウム膜が形成される。しかし、酸化アルミニウム膜の下にはアルミニウム(Al)が残るので、アノード電極ユニット323が導電性を失うことはない。隔壁324の頂面324B上の導電材料層においても、同様である。以上の工程により、平面型表示装置用のアノードパネルAPを得ることができる。
抵抗体層325は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した変化前導電材料層323Aが化学変化したものである。実施例3では、変化前導電材料層323Aは金属材料(具体的には、アルミニウム(Al))から成り、抵抗体層は、金属酸化物(より具体的には、酸化アルミニウム)から成る。変化前導電材料層を構成する材料にもよるが、抵抗体層325のシート抵抗が1kΩ/□以上になることが好ましい。尚、窒素雰囲気中で熱処理(窒化処理)を行う態様であってもよい。この場合には、抵抗体層325は、金属窒化物から構成される。
[工程−350]
その後、実施例1の[工程−180]と同様にして、図6に示す平面型表示装置の組立を行い、平面型表示装置を完成させることができる。
実施例4は、本発明の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、本発明の平面型表示装置の製造方法、及び、本発明の平面型表示装置に関する。実施例4の平面型表示装置の概念的な一部端面図を、図10に示す。実施例4の平面型表示装置は、電子放出領域が設けられたカソードパネルCPと、アノードパネルAPとが、板状のスペーサ(図示せず)を介して対向し、カソードパネルCPの周縁部とアノードパネルAPの周縁部とが、例えば枠体26を介して接合されており、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間が真空に保持されている平面型表示装置である。
アノードパネルAPは、基板20、基板20に形成された複数の蛍光体領域21、導電材料層から成り、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット423、及び、抵抗体層425を備えている。そして、抵抗体層425は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化したものである。
実施例4では、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層に酸化剤を塗布し、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層と酸化剤とを反応させることにより、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層425を得る。より具体的には、実施例4においては、隣り合う蛍光体領域21間には隔壁424が設けられており、各蛍光体領域21上から隔壁424の側面上及び隔壁424の頂面上に亙り導電材料層を形成した後、隔壁424の頂面上に形成された導電材料層を化学変化させることにより抵抗体層425を得る。
実施例4の平面型表示装置は、図15に示した平面型表示装置と比較して、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層425を備えている点が主に相違する。これにより、分割された導電材料層から成るアノード電極ユニット423が形成されていると共に、アノード電極ユニット423は抵抗体層425によって電気的に接続されている。図11に、アノードパネルAPを構成する基板20、蛍光体領域21、光吸収部422、アノード電極ユニット423、抵抗体層425、及び、隔壁424の一部を切り欠いた模式的な斜視図を示す。光吸収部422は格子状に形成されており、蛍光体領域21は、光吸収部422の開口内に設けられている。各蛍光体領域21の上には、導電材料層から成るアノード電極ユニット423が形成されている。各アノード電極ユニット423は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層が化学変化した抵抗体層425によって電気的に接続されている。尚、光吸収部422は、実施例2における光吸収部222と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。また、隔壁424は、実施例3における隔壁324と同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。
カソードパネルCP、スペーサ(図示せず)、及び、枠体26の構成、動作、及び、作用については、従来例で説明したと同様であるので、ここでは説明を省略する。後述する他の実施例においても同様である。
以下、図12の(A)〜(B)を参照して、実施例4の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明する。図12の(A)〜(B)は、図11において一点鎖線を含む仮想的なX−Z平面によってアノードパネルAPを切断したときの断面に沿ったと同様の一部端面図である。尚、図12の(A)〜(B)においては、蛍光体領域21を囲む光吸収部422の側面の一部分と、隔壁424の側面の一部分に相当する部分の図示を省略した。
[工程−400]
先ず、実施例2の[工程−200]と同様にして、アノードパネルAPを構成する基板20上に、格子状の光吸収部422を形成する。
[工程−410]
次いで、実施例3の[工程−310]と同様にして、光吸収部422の上に隔壁424を形成する。
[工程−420]
その後、実施例1の[工程−120]と同様にして、基板20上に蛍光体領域21(21R、21G、21B)を形成する。
[工程−430]
次いで、実施例1の[工程−130]と同様にして、基板20及び隔壁424の上に、変化前導電材料層423Aを形成する。具体的には、スパッタリング法により、アルミニウム(Al)から成る厚さ約50nmの導電材料層423Aを形成するが、これに限るものではない。実施例4にあっては、隣り合う蛍光体領域21間には隔壁424が設けられており、各蛍光体領域21上から隔壁424の側面424C上及び隔壁424の頂面424B上に亙り導電材料層423Aが形成されている。
[工程−440]
その後、隣り合う蛍光体領域21間に位置する変化前導電材料層に酸化剤を塗布する。より具体的には、隔壁424の頂面424B上に形成された導電材料層423Aの上に、酸化剤を塗布する。実施例4では、酸化剤として過マンガン酸カリウム(KMnO4)を含む水溶液を、硬度約40〜70のローラー(図示せず)に含浸させた後、ローラーを頂面424Bに沿って移動させることにより塗布する。この後、必要であれば、例えば乾燥等の後処理を施してもよい。これにより、頂面424B上に形成された導電材料層423Aに、酸化剤460が塗布される(図12の(A)参照)。
次いで、以下の[工程−450]及び[工程−460]、あるいは、[工程−470]のいずれかを選択し、基板20の熱処理を行い、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層423Aを化学変化させる。尚、[工程−450]は、アノードパネルの状態で熱処理を行う態様であり、これに続く[工程−460]により平面型表示装置の組立てが完了する。一方、[工程−470]は、平面型表示装置の状態で熱処理を行う態様であり、本工程で平面型表示装置の組立てが完了する。
[工程−450]
導電材料層423Aの熱処理を行い、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層423A(より具体的には、実施例4では、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている隔壁424の頂面424B上に形成された導電材料層423A)と酸化剤460とを、以下の表2に例示する条件にて反応させることにより、隣り合う蛍光体領域21間に位置する導電材料層423Aを化学変化(具体的には、酸化)させる。
[表2]
基板温度 :385゜C
時間 :70分
圧力 :1×105Pa(1気圧)
処理雰囲気:大気
熱処理により、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている隔壁424の上に形成された変化前導電材料層423Aは、酸化剤と反応する。この結果、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層423Aは、化学変化し、隔壁424の頂面424B上に抵抗体層425が形成される。また、抵抗体層425が形成されるのに伴い、導電材料層423Aは抵抗体層425によって分割され、アノード電極ユニット423が形成される(図12の(B)参照)。即ち、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット423及びこれらを電気的に接続する抵抗体層425を得ることができる。より具体的には、実施例4においては、各アノード電極ユニット423は、隔壁424の側面424C上の導電材料層423Aを介して、抵抗体層425と電気的に接続されている。尚、雰囲気にもよるが、アノード電極ユニット423の表面にも、熱処理により、酸化アルミニウム膜が形成される場合がある。しかし、酸化アルミニウム膜の厚さは最大でも10nm程度に留まり、酸化アルミニウム膜の下にはアルミニウム(Al)が残るので、アノード電極ユニット423が導電性を失うことはない。尚、隔壁424の側面424C上の導電材料層423Aの一部が化学変化し導電性が変化する場合があるが、電気的には抵抗体層425の比抵抗を大きくすることと等価でありむしろ好ましい。以上の工程により、平面型表示装置用のアノードパネルAPを得ることができる。
[工程−460]
次いで、実施例1の[工程−180]と同様にして、平面型表示装置を完成させることができる。
[工程−470]
図10に示す平面型表示装置の組立を行う。具体的には、スペーサ(図示せず)を介して、蛍光体領域21と電子放出領域EAとが対向するように、アノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置する。次いで、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、支持体10と基板20)とを、例えば枠体26を介して、周縁部において接合する。接合は、枠体26とアノードパネルAPとの接合部位、及び枠体26とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、以下の表3に例示する条件にて熱処理を行う。
[表3]
基板温度 :420゜C
時間 :120分
圧力 :1×105Pa(1気圧)
処理雰囲気:大気あるいは酸素
その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26と接着層とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体26とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、平面型表示装置を完成させることができる。
平面型表示装置の組立て工程における熱処理により、隣り合う蛍光体領域21間に設けられている隔壁424の上に形成された変化前導電材料層423Aは、酸化剤460と反応する。この結果、隣り合う蛍光体領域21間に位置した導電材料層423Aは、化学変化し、隔壁424の頂面424B上に抵抗体層425が形成される。また、抵抗体層425が形成されるのに伴い、導電材料層423Aは抵抗体層425によって分割され、アノード電極ユニット423が形成される(図12の(B)参照)。即ち、各蛍光体領域21上に形成されたアノード電極ユニット423及びこれらを電気的に接続する抵抗体層425を得ることができる。より具体的には、実施例4においては、各アノード電極ユニット423は、隔壁424の側面424C上の導電材料層423Aを介して、抵抗体層425と電気的に接続されている。尚、雰囲気にもよるが、アノード電極ユニット423の表面にも、熱処理により、酸化アルミニウム膜が形成される場合がある。しかし、酸化アルミニウム膜の厚さは最大でも10nm程度に留まり、酸化アルミニウム膜の下にはアルミニウム(Al)が残るので、アノード電極ユニット423が導電性を失うことはない。尚、隔壁424の側面424C上の導電材料層423Aの一部が化学変化し導電性が変化する場合があるが、電気的には抵抗体層425の比抵抗を大きくすることと等価でありむしろ好ましい。
[工程−450]及び[工程−460]、あるいは、[工程−470]を経て形成される抵抗体層425は、隣り合う蛍光体領域21間に位置した変化前導電材料層423Aが化学変化したものである。実施例4では、変化前導電材料層423Aは金属材料(具体的には、アルミニウム(Al))から成り、抵抗体層は、金属酸化物(より具体的には、酸化アルミニウム)から成る。変化前導電材料層を構成する材料にもよるが、抵抗体層425のシート抵抗が1kΩ/□以上になることが好ましい。尚、窒素雰囲気中で熱処理(窒化処理)を行う態様であってもよい。この場合には、抵抗体層425は、金属窒化物から構成される。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における平面型表示装置用のアノードパネル、平面型表示装置の構成要素の具体的な構成、構造は例示であり、適宜、変更することができるし、実施例において説明した平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法の具体的な方法も例示であり、適宜、変更することができる。
アノード電極ユニット、及び、抵抗体層を形成した後に、これらの上に、更に抵抗体材料から成る膜を重ねて設けてもよい。また、実施例3あるいは実施例4においては、導電材料層をアルミニウム(Al)から成るものとして形成したが、実施例1あるいは実施例2と同様に、複数の種類の異なる導電材料から形成することもできる。
図1は、実施例1〜実施例2の平面型表示装置の概念的な一部端面図である。 図2は、アノードパネルを構成する基板、蛍光体領域、光吸収部、アノード電極ユニット、及び、抵抗体層の一部を切り欠いた模式的な斜視図である。 図3の(A)〜(C)は、実施例1の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図4の(A)〜(B)は、図3の(C)に引き続き、実施例1の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図5の(A)〜(C)は、実施例2の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図6は、実施例3の平面型表示装置の概念的な一部端面図である。 図7は、アノードパネルを構成する基板、蛍光体領域、光吸収部、アノード電極ユニット、抵抗体層、及び、隔壁の一部を切り欠いた模式的な斜視図である。 図8の(A)〜(C)は、実施例3の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図9の(A)〜(B)は、図8の(C)に引き続き、実施例3の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図10は、実施例4の平面型表示装置の概念的な一部端面図である。 図11は、アノードパネルを構成する基板、蛍光体領域、光吸収部、アノード電極ユニット、及び、抵抗体層の一部を切り欠いた模式的な斜視図である。 図12の(A)〜(B)は、実施例4の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法、及び、平面型表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。 図13は、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図である。 図14は、カソードパネル及びアノードパネルを分解したときのカソードパネルとアノードパネルの一部分の模式的な分解斜視図である。 図15は、蛍光体領域の間に隔壁が設けられている表示装置の概念的な一部端面図である。
符号の説明
10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口部、15・・・電子放出部、16・・・集束電極、17・・・層間絶縁層、20・・・基板、21・・・蛍光体領域、21R・・・赤色発光単位蛍光体領域、21G・・・緑色発光単位蛍光体領域、21B・・・青色発光単位蛍光体領域、22・・・光吸収部(ブラックマトリックス)、23・・・アノード電極、24・・・隔壁、26・・・枠体、31・・・カソード電極制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、122・・・光吸収部、122A・・・光吸収材料層、122B・・・CrOx層、122C・・・クロム(Cr)層、122D・・・光吸収部の開口、123・・・アノード電極ユニット、123A・・・導電材料層、125・・・抵抗体層、222・・・光吸収部、223・・・アノード電極ユニット、223A・・・導電材料層、225・・・抵抗体層、260・・・マスク、261・・・金属ワイヤ、322・・・光吸収部、323・・・アノード電極ユニット、323A・・・導電材料層、324・・・隔壁、324A・・・ポリイミド樹脂層、324B・・・隔壁の頂面、324C・・・隔壁の側面、325・・・抵抗体層、422・・・光吸収部、423・・・アノード電極ユニット、423A・・・導電材料層、424・・・隔壁、424B・・・隔壁の頂面、424C・・・隔壁の側面、425・・・抵抗体層、460・・・酸化剤

Claims (9)

  1. (A)基板、
    (B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
    (C)基板上の隣り合う蛍光体領域間に設けられた光吸収部、
    (D)各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
    (E)アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとを電気的に接続する抵抗体層、
    を備えた平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法であって、
    基板上に蛍光体領域及び光吸収部を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とを反応させることにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層とし、以て、各蛍光体領域上に形成された導電材料層から成るアノード電極ユニットと、抵抗体層を得る工程、
    を備えている平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  2. 導電材料層は金属材料から成り、抵抗体層は金属酸化物から成る請求項1に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  3. 酸素雰囲気中で熱処理を行うことによって、光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とを反応させる請求項1又は請求項2に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  4. 導電材料層は金属材料から成り、抵抗体層は金属窒化物から成る請求項1に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  5. 窒素雰囲気中で熱処理を行うことによって、光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とを反応させる請求項1又は請求項4に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  6. 抵抗体層のシート抵抗が1kΩ/□以上である請求項1に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  7. 蛍光体領域として、赤色発光単位蛍光体領域、緑色発光単位蛍光体領域、及び、青色発光単位蛍光体領域を基板上に形成し
    隣り合う各単位蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層とする請求項1に記載の平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  8. (A)基板、
    (B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
    (C)基板上の隣り合う蛍光体領域間に設けられた光吸収部、
    (D)各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
    (E)アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとを電気的に接続する抵抗体層、
    を備えたアノードパネルと、電子放出素子を複数備えたカソードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る平面型表示装置の製造方法であって、
    アノードパネルを、
    基板上に蛍光体領域及び光吸収部を形成し、次いで、全面に導電材料層を形成した後、光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とを反応させることにより、隣り合う蛍光体領域間に位置する導電材料層を化学変化させて抵抗体層とし、以て、各蛍光体領域上に形成された導電材料層から成るアノード電極ユニットと、抵抗体層を得る工程、
    によって製造する平面型表示装置の製造方法。
  9. (A)基板、
    (B)基板に形成された複数の蛍光体領域、
    (C)基板上の隣り合う蛍光体領域間に設けられた光吸収部、
    (D)各蛍光体領域上に形成されたアノード電極ユニット、及び、
    (E)アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとを電気的に接続する抵抗体層、
    を備えたアノードパネルと、電子放出素子を複数備えたカソードパネルとが、それらの周縁部で接合されて成る平面型表示装置であって、
    抵抗体層は、蛍光体領域と光吸収部を覆うように基板の全面に形成された導電材料層のうち光吸収部の上に形成された導電材料層と光吸収部を構成する材料とが反応したことで隣り合う蛍光体領域間に位置した導電材料層が化学変化して成り、アノード電極ユニットは、各蛍光体領域上に形成された導電材料層から成る平面型表示装置。
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