JP2006054087A - カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents

カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006054087A
JP2006054087A JP2004234045A JP2004234045A JP2006054087A JP 2006054087 A JP2006054087 A JP 2006054087A JP 2004234045 A JP2004234045 A JP 2004234045A JP 2004234045 A JP2004234045 A JP 2004234045A JP 2006054087 A JP2006054087 A JP 2006054087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
electrode
panel
gate electrode
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004234045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4678156B2 (ja
Inventor
Kazuto Kimura
和人 木村
Akihito Nishiike
昭仁 西池
Toshiki Shimamura
敏規 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004234045A priority Critical patent/JP4678156B2/ja
Publication of JP2006054087A publication Critical patent/JP2006054087A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4678156B2 publication Critical patent/JP4678156B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】カソードパネルの損傷発生、カソードパネルにおける放電破壊といった問題が生じることなく、カットオフ電圧VCUTあるいはその近傍において電子を放出する冷陰極電界電子放出素子を、動作上、除去することを可能とするカソードパネルのコンディショニング方法を提供する。
【解決手段】カソードパネルのコンディショニング方法は、カソード電極11、ゲート電極13、及び、電子放出部を有する電子放出領域を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極11に一定の電圧VCを印加し、検査用電極111に電圧VIEを印加した状態で、各ゲート電極13に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VIE)を印加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネルのコンディショニング方法、カソードパネルとアノードパネルとが組み立てられた冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関する。
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)を例示することができる。また、熱的励起によらず固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)も提案されており、高解像度、高輝度のカラー表示、及び、低消費電力の観点から注目を集めている。
冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する場合がある)は、一般に、2次元マトリクス状に配列された各画素に対応した電子放出領域を有するカソードパネルと、電子放出領域から放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体領域を有するアノードパネルとが、真空層を介して対向配置された構成を有する。電子放出領域には、通常、1又は複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する場合がある)が設けられている。電界放出素子として、スピント型、扁平型、エッジ型、平面型等を挙げることができる。
一例として、スピント型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図を図8に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図10に示す。この表示装置を構成するスピント型電界放出素子は、支持体10に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。
あるいは又、略平面状の電子放出部115を有する、所謂扁平型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図を図9に示す。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された電子放出部115から構成されている。電子放出部115は、例えば、マトリックスに一部分が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
これらの表示装置において、カソード電極11は、第1方向に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1方向とは異なる第2方向に延びる帯状である(図10参照)。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。帯状のカソード電極11と帯状のゲート電極13とが重複する重複領域が、電子放出領域EAであり、1サブピクセルに相当する。そして、かかる電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。ここで、カソードパネルCPに形成されたゲート電極の本数をM本、カソード電極の本数をN本としたとき、電子放出領域EAの数は、M×Nである。
一方、アノードパネルAPは、基板20上に所定のパターンを有する蛍光体領域22(具体的には、赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、及び、青色発光蛍光体領域22B)が形成され、蛍光体領域22がアノード電極24で覆われた構造を有する。尚、これらの蛍光体領域22の間は、カーボン等の光吸収性材料から成る光吸収層(ブラックマトリックス)23で埋め込まれており、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止している。尚、図8中、参照番号21は隔壁を表し、参照番号25はスペーサを表し、参照番号26はスペーサ保持部を表す。図9において、隔壁やスペーサ、スペーサ保持部の図示を省略した。
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域EAと蛍光体領域22とが対向するように配置し、周縁部において枠体27を介して接合した後、排気し、封止することによって、表示装置を作製することができる。アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体27とによって囲まれた空間は真空となっている。
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。かかる冷陰極電界電子放出表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。あるいは、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力する。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15,115から電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体領域22に衝突する。その結果、蛍光体領域22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この冷陰極電界電子放出表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード電極11に印加される電圧によって制御される。
表示装置の設計において、最も明るい表示を達成するための目標輝度及びコントラストが設定されると、最も暗い表示を達成するための目標輝度が導かれる。そして、この最も暗い表示を達成するための目標輝度となるときの放出電子電流を得るための、ゲート電極に印加される電圧vG0とカソード電極に印加される電圧vC0との間の電圧差Δv(=vG0−vC0)が求まる。この電圧差Δv(=vG0−vC0)を、カットオフ電圧vCUTと呼ぶ。
ところで、スピント型電界放出素子における電子放出部15、特にその尖端部を均一に製造することは、一般に、困難である。そして、電子放出部15の電子放出特性にばらつきが生じると、電子放出部15からの電子放出状態にバラツキが生じる。また、扁平型電界放出素子における電子放出部115は多数のカーボン・ナノチューブから構成されているので、個々のカーボン・ナノチューブの特性のばらつき、1つの電子放出部115内におけるカーボン・ナノチューブの配置状態のばらつき等に依って、電子放出部115からの電子放出状態にバラツキが生じる。
表示装置の動作電圧がカットオフ電圧vCUTあるいはその近傍である場合、表示装置にあっては最も暗い表示がなされている。然るに、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍にあっても電子を放出する電界放出素子(以下、便宜上、低電圧電子放出電界放出素子と呼ぶ)が存在する場合、表示装置全体としては最も暗い表示がなされているものの、係る低電圧電子放出電界放出素子を含む電子放出領域が輝点として認識されてしまう結果、画像品質が劣化するといった問題が生じる。
また、扁平型電界放出素子の製造にあっては、電子放出部115の形成工程において、ゲート電極13や絶縁層12の上にカーボン・ナノチューブが残渣として残される場合がある。そして、このような場合、アノード電極24によって形成された電界に基づき、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブから電子が放出され、表示装置における輝点が不均一となり、画像品質が劣化する虞がある。
特開2002−343254 特開2003−168355
以上に説明した問題の発生を防止するための技術として、特開2002−343254に開示されたコンディショニング技術を適用することができる。
即ち、カソードパネルCPを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、検査用電極に直流の電圧VAを印加した状態とする。あるいは又、カソードパネルCPとアノードパネルAPとを組み立てた後、封止する前に、アノード電極24に直流の電圧VAを印加した状態とする。ここで、検査用電極あるいはアノード電極24に印加する直流の電圧VAは、表示装置の実動作時にアノード電極24に印加される直流の電圧vAよりも高い電圧である。そして、N本のカソード電極11の全てに同時に電圧VC(例えば、0ボルト)を印加しながら、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧VG(>0ボルト)を印加し、その後、再び、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧VG(>0ボルト)を印加するといった操作を繰り返す。
これによって、低電圧電子放出電界放出素子にあっては、電子放出部15,115に過剰の電流が流れる結果、かかる低電圧電子放出電界放出素子が破壊され、電子を放出するといった機能を停止させることができる。また、扁平型電界放出素子の製造においてゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブにあっては、検査用電極あるいはアノード電極24に印加された直流の電圧VAによって形成された電界に基づき電子が放出され、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブに過剰の電流が流れる結果、燃焼によって除去される。
ところが、低電圧電子放出電界放出素子が存在する場合、たとえ、ゲート電極13に何らの電圧を印加しなくとも、検査用電極あるいはアノード電極24に印加された直流の電圧VAによって形成された電界に基づき、電子放出部15,115から電子が放出される場合がある。このような場合、コンディショニング処理中、電界放出素子と検査用電極あるいはアノード電極24との間には直流の電流が流れ続ける結果、電界放出素子やアノード電極24における温度上昇に起因したカソードパネルCPやアノードパネルAPの損傷発生、表示装置内部やカソードパネルCPにおける放電破壊が生じる虞がある。
従って、本発明の第1の目的は、カソードパネルやアノードパネルの損傷発生、冷陰極電界電子放出表示装置内部やカソードパネルにおける放電破壊といった問題が生じることなく、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍において電子を放出する冷陰極電界電子放出素子を、動作上、除去することを可能とするカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、カソードパネルやアノードパネルの損傷発生、冷陰極電界電子放出表示装置内部やカソードパネルにおける放電破壊といった問題が生じることなく、ゲート電極や絶縁層上に残渣として残された電子を放出する物質を除去することを可能とするカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を提供することにある。
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、
コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、検査用電極に電圧VIEを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VIE)を印加することを特徴とする。
上記の第2の目的を達成するための本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、
コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、検査用電極に電圧VIE(但し、VC≪VIE)を印加することを特徴とする。
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネル、並びに、蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法であって、
各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、アノード電極に電圧VAを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VA)を印加することを特徴とする。
上記の第2の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネル、並びに、蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法であって、
各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、アノード電極に電圧VA(但し、VC≪VA)を印加することを特徴とする。
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置した後、
コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、検査用電極に電圧VIEを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VIE)を印加するコンディショニング処理を行う、
ことによって得られたカソードパネルと、基板上に形成された蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルとを、それらの周縁部で接合することを特徴とする。
上記の第2の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
(B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
(D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
(E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置した後、
コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、検査用電極に電圧VIE(但し、VC≪VIE)を印加するコンディショニング処理を行う、
ことによって得られたカソードパネルと、基板上に形成された蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルとを、それらの周縁部で接合することを特徴とする。
本発明の第1の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、あるいは、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理(以下、これらを総称して、本発明の第1の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)において、実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、各ゲート電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TG(Hz)は、TG=T/α(但し、2≦α≦10)を満足する構成とすることができる。
また、上記の好ましい構成を含む本発明の第1の態様に係る方法においては、VC−VG-MIN≧10(ボルト)を満足することが好ましく、あるいは又、VG-MAX−VCの値は、電子放出部から量子トンネル効果に基づき電子が放出されるような電界が電子放出部近傍において形成されるような値、具体的には、検査用電極に印加された電圧VIEあるいはアノード電極に印加された電圧VAとの相乗効果によって、電子放出部近傍において最低8ボルト/μmの電界が形成されるような値であることが望ましい。
本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、あるいは、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理(以下、これらを総称して、本発明の第2の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)においては、VC−VG≧10(ボルト)を満足することが好ましい。
以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る方法においては、検査用電極あるいはアノード電極に一定の電圧VIE,VAを印加する構成としてもよいし、あるいは又、検査用電極あるいはアノード電極に、最小電圧値VIE-MIN,VA-MIN及び最大電圧値VIE,VAを有するパルス状の電圧を印加する構成としてもよい。そして、後者の場合、実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、検査用電極あるいはアノード電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TIE,TA(Hz)は、TIE又はTA=T/β(但し、10≦β≦100)を満足する構成とすることができる。また、検査用電極あるいはアノード電極に一定の電圧VIE,VAを印加する代わりに、検査用電極あるいはアノード電極に印加する電圧VIE,VAを経時的に増加させてもよい。そして、この場合、検査用電極あるいはアノード電極に印加する電圧VIE,VAの経時的な増加を、直線状としてもよいし、階段状としてもよい。
以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法にあっては、カソードパネルとアノードパネルとの間の空間を排気しながら、コンディショニング方法を実行することが好ましい。但し、冷陰極電界電子放出表示装置の内部で発生したガスを確実に吸着できるゲッター等を冷陰極電界電子放出表示装置が備えている場合には、以上に説明した各種の好ましい構成を含む本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法を、冷陰極電界電子放出表示装置の完成品(内部が高真空に排気され、封止された冷陰極電界電子放出表示装置)に対して実行してもよい。カソードパネルとアノードパネルとの間の空間を排気しながらコンディショニング方法を実行する場合のカソードパネルとアノードパネルとの間の空間の真空度P1(Pa)は、あるいは又、排気されているコンディショニング用のチャンバ内の真空度P1(Pa)は、完成後の冷陰極電界電子放出表示装置における内部の真空度をP0(Pa)としたとき、例えば、0.01≦P1/P0≦100を満足することが望ましい。尚、P0は、10-3Pa乃至10-6Paのオーダーである。P1の値が高すぎると(即ち、真空度が悪いと)、カットオフ電圧vCUTよりも高い電圧において電子を放出する電子放出部(冷陰極電界電子放出素子)にも過剰の電流が流れる虞がある。一方、P1の値が低すぎると(即ち、高真空であると)、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍において電子を放出する電子放出部(冷陰極電界電子放出素子)に過剰の電流が流れない虞がある。
検査用電極が備えられたチャンバは、例えば、
上部が開口したハウジング、
ハウジング内に配置され、カソードパネルを載置するための検査台、
ハウジング内を真空にするための真空手段、
カソード電極及びゲート電極の端部に接触し得る構造の検査電圧印加部、
ハウジングの開口した上部に取り付けられ、検査用電極を有する検査用基板、並びに、
検査用電極、カソード電極及びゲート電極に電圧を印加するための電圧制御手段、
から構成することができる。
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法あるいは冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法にあっては、カソードパネルを、内部が圧力P1とされたチャンバ内に、電子放出領域が検査用電極と対向するように配置するが、具体的には、
(1)予め内部が圧力P1とされたチャンバ内にカソードパネルを搬入して、電子放出領域が検査用電極と対向するようにカソードパネルを配置する方法
(2)チャンバ内に、カソードパネルを搬入して、電子放出領域が検査用電極と対向するようにカソードパネルを配置した後、内部が圧力P1となるようにチャンバの内部を排気する方法
(3)チャンバ内に、カソードパネルを搬入して、内部が圧力P1となるようにチャンバの内部を排気した後、電子放出領域が検査用電極と対向するようにカソードパネルを配置する方法
のいずれを採用してもよい。
本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る方法において、パルス状の電圧の形態として、矩形波電圧を例示することができる。尚、パルス状の電圧を矩形波電圧とする場合、本発明の第1の態様に係る方法におけるt(VG-MAX)/TG -1、本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法あるいは冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるt(VIE)/TIE -1、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法におけるt(VA)/TA -1をデューティ比と呼ぶ。ここで、t(VG-MAX)は、ゲート電極に最大電圧値VG-MAXが印加される時間長さ(単位:秒)、t(VIE)は、検査用電極に最大電圧値VIEが印加される時間長さ(単位:秒)、t(VA)は、アノード電極に最大電圧値VAが印加される時間長さ(単位:秒)を表す。
本発明の第1の態様に係る方法におけるVG-MINの値として、0ボルトを採用することが最も好ましいが、これに限定されるものではなく、正の値であっても負の値であってもよい。VG-MAXの値は、冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時にゲート電極に印加されるパルス状の電圧vGの最大値と同程度の電圧とすればよい。検査用電極あるいはアノード電極に印加される一定の電圧VIE,VAは、冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時にアノード電極に印加される直流の電圧vAよりも高い電圧であることが好ましく、例えば、1.2vA≦VIE,VA≦2.0vAを満足することが好ましい。
本発明の第2の態様に係る方法におけるVGの値として、0ボルトを採用することが最も好ましいが、これに限定されるものではなく、正の値であっても負の値であってもよい。検査用電極あるいはアノード電極に印加される一定の電圧あるいは最大電圧値VIE,VAは、冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時にアノード電極に印加される直流の電圧vAよりも高い電圧であることが好ましく、例えば、1.2vA≦VIE,VA≦2.0vAを満足することが好ましい。また、最小電圧値VIE-MIN,VA-MINは、例えば、0≦VIE-MIN,VA-MIN≦0.1vAを満足することが好ましい。
本発明の第1の態様に係る方法あるいは本発明の第2の態様に係る方法において、フィールド周波数T(Hz)として、例えば、60Hzを挙げることができる。
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)は、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極、
(b)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部、
から成る。
本発明の第1の態様に係る方法において、電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。また、本発明の第2の態様に係る方法における電界放出素子の型式として、扁平型電界放出素子を挙げることができる。
カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。そして、カソードパネルにおいては、電子放出領域が2次元マトリックス状に配列されており、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。カソードパネルに形成されたゲート電極の本数をM本、カソード電極の本数をN本としたとき、電子放出領域の数はM×Nである。
そして、本発明の第1の態様に係る方法においては、N本のカソード電極の全てに同時に、且つ、常に、一定の電圧VCを印加した状態で、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加し、その後、再び、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加するといった操作を繰り返せばよい。あるいは又、代替的に、纏まったm本のゲート電極に同時にパルス状の電圧を印加するといった処理とすることもできる。一方、本発明の第2の態様に係る方法においては、M本のゲート電極及びN本のカソード電極に同時に、且つ、常に、一定の電圧VG,VCを印加した状態で、検査用電極あるいはアノード電極にVIE,VAを印加する。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造される。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複領域におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。即ち、ゲート電極及び絶縁層上には更に層間絶縁層が設けられ、層間絶縁層上に収束電極が設けられている電界放出素子、あるいは又、ゲート電極の上方に収束電極が設けられている電界放出素子とすることもできる。ここで、収束電極とは、開口部から放出され、アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的な負電圧が印加される。収束電極は、必ずしも各電界放出素子毎に設けられている必要はなく、例えば、電界放出素子の所定の配列方向に沿って延在させることにより、複数の電界放出素子に共通の収束効果を及ぼすこともできる。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、真空蒸着法の他、例えばスパッタリング法やCVD法によっても形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×106V/m以下の電界強度にて、冷陰極電界電子放出表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、電子放出部を構成する材料が電気抵抗体であれば、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、冷陰極電界電子放出表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、グラファイト・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとグラファイト・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
カーボン・ナノチューブ構造体や上記の各種ウィスカー(以下、これらを総称して、カーボン・ナノチューブ構造体等と呼ぶ)をバインダー材料に分散させたものをカソード電極の所望の領域(例えば、開口部の底部に位置するカソード電極の部分)に例えば塗布した後、バインダー材料の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダー材料や、銀ペースト、ニッケルペーストといった導電性ペースト、水ガラス等の無機系バインダー材料にカーボン・ナノチューブ構造体等を分散したものを、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダー材料や導電性ペーストの焼成・硬化を行う方法)によって、扁平型電界放出素子を製造することもできる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。
あるいは又、カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極の所望の領域に塗布した後、金属化合物を焼成する方法によって、扁平型電界放出素子を製造することもでき、これによって、金属化合物を構成する金属原子に由来するマトリックスにてカーボン・ナノチューブ構造体等がカソード電極の所望の領域の上に固定される。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体等の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン・ナノチューブ構造体等の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナノチューブ構造体等の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗率は、1×10-9(Ω・m)乃至5×10-6(Ω・m)であることが望ましい。
金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。有機酸金属化合物から構成された金属化合物溶液として、具体的には、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物から構成された金属化合物溶液として、具体的には、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶媒(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。金属化合物溶液を100重量部としたとき、カーボン・ナノチューブ構造体等が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。金属化合物溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶媒の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極の所望の領域の上に塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
カーボン・ナノチューブ構造体等が分散された金属化合物溶液をカソード電極の所望の領域の上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物を構成する金属原子に由来するマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体等の第1の形成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分に形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部分に延在するように形成されていてもよい。また、電子放出部は、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の全面に形成されていても、部分的に形成されていてもよい。
カーボン・ナノチューブ構造体等の先端部を支持体の法線方向に近づく方向に出来る限り配向させることが好ましい。このような状態を達成することによって、電子放出部の電子放出特性の向上、電子放出特性の均一化を図ることができる。このような状態を達成するための方法として、特開2003−168355に開示された方法を例示することができる。即ち、カソード電極の所望の領域上にカーボン・ナノチューブ構造体等がマトリックス(母材あるいは地材とも呼ばれる)によって埋め込まれた複合体層を形成し、次いで、複合体層の表面に剥離層を付着させた後、剥離層を機械的に引き剥がし、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ構造体等がマトリックス中に埋め込まれた電子放出部を得る方法である。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のカソード電極やゲート電極を形成することが可能である。
絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を直接形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、かかる第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。1つの電子放出部あたりの電気抵抗値は、概ね1×106〜1×1011Ω、好ましくは数十ギガΩとすればよい。
カソードパネルを構成する支持体として、あるいは又、アノードパネルを構成する基板として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、アノード電極と蛍光体領域の構成例として、(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体領域を形成する構成、(2)基板上に、蛍光体領域を形成し、蛍光体領域上にアノード電極を形成する構成、を挙げることができる。尚、(1)の構成において、蛍光体領域の上に、アノード電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。
アノード電極は、全体として1つのアノード電極から構成されていてもよいし、複数のアノード電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとは抵抗体膜によって電気的に接続されている必要がある。抵抗体膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化クロム、酸化チタン等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料を挙げることができる。抵抗体膜のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。アノード電極ユニットの数(Q)は2以上であればよく、例えば、直線状に配列された蛍光体領域の列の総数をq列としたとき、Q=qとし、あるいは、q=k・Q(kは2以上の整数であり、好ましくは10≦k≦100、一層好ましくは20≦k≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配設されるスペーサ(後述する)の数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。
アノード電極(アノード電極ユニットを包含する)は、導電材料層を用いて形成すればよい。導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;リフトオフ法;ゾル・ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料から成る導電材料層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングしてアノード電極を形成することができる。あるいは又、アノード電極のパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料をPVD法やスクリーン印刷法に基づき形成することによって、アノード電極を得ることもできる。尚、抵抗体膜も同様の方法で形成することができる。即ち、抵抗体材料から抵抗体膜を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきこの抵抗体膜をパターニングしてもよいし、あるいは、抵抗体膜のパターンを有するマスクやスクリーンを介して抵抗体材料のPVD法やスクリーン印刷法に基づく形成により、抵抗体膜を得ることができる。基板上(あるいは基板上方)におけるアノード電極の平均厚さ(後述するように隔壁を設ける場合、隔壁の頂面上におけるアノード電極の平均厚さ)として、3×10-8m(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100nm)を例示することができる。尚、検査用電極の構成は、例えば、アノード電極と同様とすることができる。
アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電子放出表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(アノードパネルが表示面に相当する)であって、且つ、基板上にアノード電極と蛍光体領域がこの順に積層されている場合には、基板は元より、アノード電極自身も透明である必要があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射型(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、及び、透過型であっても基板上に蛍光体領域とアノード電極とがこの順に積層されている場合には、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。尚、抵抗体膜を形成する場合、抵抗体膜の抵抗値を変化させない導電材料からアノード電極を構成することが好ましく、例えば、抵抗体膜をシリコンカーバイド(SiC)から構成した場合、アノード電極をモリブデン(Mo)から構成することが好ましい。
蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。また、蛍光体領域の配列様式は、ドット状であっても、帯状であってもよい。尚、ドット状や帯状の配列様式においては、隣り合う蛍光体領域の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
冷陰極電界電子放出表示装置がカラー表示の場合、直線状に配列された蛍光体領域の1列は、全てが赤色発光蛍光体領域で占められた列、緑色発光蛍光体領域で占められた列、及び、青色発光蛍光体領域で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体領域、緑色発光蛍光体領域、及び、青色発光蛍光体領域が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体領域とは、アノードパネル上において1つの輝点を生成する蛍光体領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、及び、1つの青色発光蛍光体領域の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体領域(1つの赤色発光蛍光体領域、あるいは、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域)から構成される。更には、アノード電極ユニットにおける1サブピクセルに相当する大きさとは、1つの蛍光体領域を囲むアノード電極ユニットの大きさを意味する。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。基板上における蛍光体領域の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。
発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。赤色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al512:Eu)、(Y2SiO5:Eu)、(Zn3(PO42:Mn)を例示することができるが、中でも、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)を用いることが好ましい。また、緑色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(Sr4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、(Y2SiO5:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:Tb)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:Tb)、(ZnGa24:Mn)を例示することができるが、中でも、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(Y2SiO5:Tb)を用いることが好ましい。更には、青色発光蛍光体領域を構成する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、ZnMgO、ZnGaO4を例示することができるが、中でも、(ZnS:Ag)、(ZnS:Ag,Al)を用いることが好ましい。
アノードパネルには、更に、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された二次電子が他の蛍光体領域に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された二次電子が隔壁を越えて他の蛍光体領域に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体領域と衝突することを防止するための、隔壁が、複数、設けられていることが好ましい。
隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体領域の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいは帯状の蛍光体領域の対向する二辺と平行に延びる帯状形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体領域の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、かかる隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用の材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成を行う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。
蛍光体領域からの光を吸収する光吸収層が隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体領域からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、アノードパネルとカソードパネルとによって挟まれた空間が真空状態(圧力P0)となっているが故に、アノードパネルとカソードパネルとの間にスペーサを配しておかないと、大気圧によって冷陰極電界電子放出表示装置が損傷を受けてしまう虞がある。係るスペーサは、例えばセラミックスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、かかるグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサの表面に、金属や合金から成る導電材料層を形成し、あるいは又、高抵抗層を形成し、あるいは又、二次電子放出係数の低い材料から成る薄層を形成してもよい。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部とスペーサ保持部との間に挟み込んで固定すればよい。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極によってアノードパネルへと引き付けられ、蛍光体領域に衝突する。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。実作動時、アノード電極制御回路の出力電圧vAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd(但し、0.5mm≦d≦10mm)としたとき、vA/d(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは5以上10以下を満足することが望ましい。
冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時、カソード電極に印加する電圧vC及びゲート電極に印加する電圧vGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式を採用した場合、
(1)カソード電極に印加する電圧vCを一定とし、ゲート電極に印加する電圧vGを変化させる方式
(2)カソード電極に印加する電圧vCを変化させ、ゲート電極に印加する電圧vGを一定とする方式
(3)カソード電極に印加する電圧vCを変化させ、且つ、ゲート電極に印加する電圧vGも変化させる方式がある。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合するが、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
カソードパネルとアノードパネルと枠体の三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネルとアノードパネルと枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法を実行し、その後、排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
排気を行う場合、排気は、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域(冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
尚、本発明のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の組合せとして、以下の表1に示す組合せを挙げることができる。
Figure 2006054087
本発明の第1の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法にあっては、ゲート電極の数をM本としたとき、例えば、第m番目のゲート電極に最大電圧値VG-MAXが印加されているとき、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極には最小電圧値VG-MINが印加され、しかも、この最小電圧値VG-MINはカソード電極に印加されている電圧VCよりも低い値である。従って、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域においては、カソード電極及びゲート電極への電圧の印加によって生じた電界に基づき、電子放出部から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域からは電子は放出されない。
これによって、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域に存在するカットオフ電圧vCUTあるいはその近傍にあっても電子を放出する冷陰極電界電子放出素子(低電圧電子放出電界放出素子)にあっては、電子放出部に過剰の電流が流れる結果、電子を放出するといった機能を停止させることができる。即ち、低電圧電子放出電界放出素子を、動作上、除去することができる。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域に存在する低電圧電子放出電界放出素子からは電子は放出されない。従って、本発明の第1の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の実行中に、不所望の冷陰極電界電子放出素子と検査用電極あるいはアノード電極との間に直流の電流が流れ続けるといった現象が発生せず、冷陰極電界電子放出素子やアノード電極における温度上昇に起因したカソードパネルやアノードパネルの損傷発生、冷陰極電界電子放出表示装置内部やカソードパネルにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。
また、本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法にあっては、ゲート電極や絶縁層の上に残渣として残された電子を放出する物質(便宜上、電子放出物質と呼ぶ)から、検査用電極やアノード電極に印加された電圧VIE,VAによって形成された電界に基づき電子が放出され、ゲート電極や絶縁層の上に残渣として残された電子放出物質に過剰の電流が流れる結果、除去される。
しかも、ゲート電極に印加される電圧VGはカソード電極に印加されている電圧VCよりも低い値である。従って、電子放出部から電子が放出されることはない。即ち、本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の実行中に、冷陰極電界電子放出素子と検査用電極あるいはアノード電極との間に直流の電流が流れ続けるといった現象が発生せず、冷陰極電界電子放出素子やアノード電極における温度上昇に起因したカソードパネルやアノードパネルの損傷発生、冷陰極電界電子放出表示装置内部やカソードパネルにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。即ち、カソードパネルやアノードパネルの損傷発生といった問題を生じさせることなく、ゲート電極や絶縁層上に残渣として残された電子放出物質を確実に除去することができる。
そして、得られた冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍での作動にあっても、即ち、冷陰極電界電子放出表示装置全体として最も暗い表示がなされている場合にあっても、輝点として認識される画素(電子放出領域)が存在しなくなり、均一性に優れた画像を得ることができる。また、冷陰極電界電子放出表示装置の製造歩留りの向上を図ることができるし、プロセスのスループットが早く、しかも、冷陰極電界電子放出表示装置に追加の回路を加える必要もない。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の第1の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法及び本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関する。実施例1のカソードパネルのコンディショニング方法、及び、実施例1の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の概念図を図1の(A)及び(B)に示す。ここで、図1の(A)は、カソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図1の(B)は、カソード電極に印加する一定の電圧VC(点線で示す)、ゲート電極に印加するパルス状の電圧VG-MAX,VG-MIN(実線で示す)を模式的に図示したものである。
実施例1における冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)及びカソードパネルCPは、図8あるいは図9を参照して説明した表示装置及びカソードパネルCPと同じ構成、構造を有する。即ち、スピント型電界放出素子が形成されたカソードパネルCP及び表示装置の概念的な一部端面図を図8に示し、扁平型電界放出素子が形成されたカソードパネルCP及び表示装置の概念的な一部端面図を図9に示すが、カソードパネルCPは、
(A)支持体10上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極11、
(B)カソード電極11及び支持体10上に形成された絶縁層12、
(C)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極13、
(D)カソード電極11とゲート電極13の重複する重複領域に位置するゲート電極13及び絶縁層12の部分に設けられ、底部にカソード電極11が露出した複数の開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、及び、
(E)カソード電極11とゲート電極13の重複する重複領域に位置し、開口部14の底部に露出したカソード電極11上に設けられた電子放出部15,115を有する電子放出領域EA、
を具備している。
また、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)は、
(a)支持体10上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極11、
(b)カソード電極11及び支持体10上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極13、
(d)カソード電極11とゲート電極13の重複する重複領域に位置するゲート電極13及び絶縁層12の部分に設けられ、底部にカソード電極11が露出した開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、及び、
(e)開口部14の底部に露出したカソード電極11上に設けられた電子放出部15,115、
から成る。ここで、電子放出部15は、円錐形の電子放出部であり、電子放出部115は、例えば、マトリックスに一部が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
これらの表示装置あるいはカソードパネルCPにおいて、N本のカソード電極11は、第1方向(図面の紙面と平行な方向)に延びる帯状であり、M本のゲート電極13は、第1方向とは異なる第2方向(図面の紙面に垂直な方向)に延びる帯状である(図10も参照)。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。1サブピクセルに相当する電子放出領域EAには、複数の電界放出素子が設けられている。そして、かかる電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に、M×N個、配列されている。
実施例1の表示装置は、カソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で接合されて成り、カソードパネルCPとアノードパネルAPとによって挟まれた空間は真空状態(圧力P0)とされている。カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図は図10に示したと同様である。
アノードパネルAPは、基板20、並びに、この基板20上に形成された蛍光体領域22(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、青色発光蛍光体領域22B)、及び、蛍光体領域22を覆うアノード電極24から構成されている。即ち、アノードパネルAPは、より具体的には、基板20、基板20上に形成された隔壁21と隔壁21との間の基板20上に形成され、多数の蛍光体粒子から成る蛍光体領域22(赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、青色発光蛍光体領域22B)、及び、蛍光体領域22上に形成されたアノード電極24を備えている。アノード電極24は、有効領域を覆う薄い1枚のシート状であり、アノード電極制御回路33に接続されている。アノード電極24は、厚さ約70nmのアルミニウムから成り、隔壁21及び蛍光体領域22を覆う状態で設けられている。蛍光体領域22と蛍光体領域22との間であって、隔壁21と基板20との間には、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止するために、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。
隔壁21とスペーサ25と蛍光体領域22の配置状態の一例を模式的に図11〜図16に示す。尚、図8あるいは図9に示すアノードパネルAPの模式的な一部端面図における蛍光体領域等の配列を、図12あるいは図14に示す構成としている。また、図11〜図16においてはアノード電極の図示を省略している。隔壁21の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体領域22の四方を取り囲む形状(図11、図12、図13、図14参照)、あるいは、略矩形の(あるいは帯状の)蛍光体領域22の対向する二辺と平行に延びる帯状形状を挙げることができる(図15及び図16参照)。尚、図15に示す蛍光体領域22にあっては、蛍光体領域22R,22G,22Bを、図15の上下方向に延びる帯状とすることもできる。隔壁21の一部は、スペーサ25を保持するためのスペーサ保持部26としても機能する。
実施例1の表示装置において、カソード電極11はカソード電極制御回路31に接続され、ゲート電極13はゲート電極制御回路32に接続され、アノード電極24はアノード電極制御回路33に接続されている。これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。表示装置の実動作時、アノード電極制御回路33の出力電圧vAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜10キロボルトとすることができる。一方、表示装置の実動作時、カソード電極11に印加する電圧vC及びゲート電極13に印加する電圧vGに関しては、
(1)カソード電極11に印加する電圧vCを一定とし、ゲート電極13に印加する電圧vGを変化させる方式
(2)カソード電極11に印加する電圧vCを変化させ、ゲート電極13に印加する電圧vGを一定とする方式
(3)カソード電極11に印加する電圧vCを変化させ、且つ、ゲート電極13に印加する電圧vGも変化させる方式
のいずれを採用してもよい。
表示装置の実動作時、カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。尚、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15,115から電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体領域22に衝突する。その結果、蛍光体領域22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧vG、及びカソード電極11に印加される電圧vCによって制御される。
実施例1あるいは後述する実施例3での使用に適したコンディショニング用のチャンバの概念図を図7に示す。
このチャンバ(コンディショニング装置)100は、
上部が開口したハウジング101、
ハウジング101内に配置され、カソードパネルCPを載置するための検査台102、
ハウジング101内を真空にするための真空手段、
カソード電極11及びゲート電極13の端部に接触し得る構造の検査電圧(コンディショニング電圧)印加部108、
ハウジング101の開口した上部に取り付けられ、検査用電極(コンディショニング用電極)111を有する検査用基板110、並びに、
検査用電極(コンディショニング用電極)111、カソード電極11及びゲート電極13に電圧を印加するための電圧制御手段112、
から構成されている。
具体的には、このチャンバ(コンディショニング装置)100は、上部が開口したハウジング101を具備する。アルミニウム製又はステンレススチール製のハウジング101内には、検査台102が配設されており、検査台102の下には検査台昇降シリンダー103が取り付けられている。検査台昇降シリンダー103は、図示しない移動台座に乗せられており、検査台102ごと図7の紙面垂直方向に移動可能である。検査台102の下には、更に、ピン昇降シリンダー104が取り付けられており、ピン昇降シリンダー104の作動によって検査台102を貫通した孔内をピン105が上下する。ハウジング101は、バルブ107を介して、ターボ分子ポンプ及びドライポンプ等から構成された真空手段(図示せず)に繋がれており、ハウジング101の雰囲気を真空にすることができる。ハウジング101内には、更に、カソード電極11及びゲート電極13の端部に接触し得る構造の検査電圧印加部108が配置されている。
全てのカソード電極11をそれらの端部において短絡しておけば、カソード電極11の端部に接触し得る構造の検査電圧印加部108は1本でよい。表示装置の組立前に、短絡されたカソード電極11の端部をカソード電極11と切り離せば、表示装置の実動作時、それぞれのカソード電極11への電圧の印加を独立して行うことができる。
ハウジング101の開口した上部には、アルミニウム層から成る検査用電極111を有する検査用基板110が取り付けられている。また、電圧制御手段112が、検査電圧印加部108及び検査用電極111に接続されている。
以下、実施例1のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する。
[工程−100]
先ず、M×N個の電子放出領域EAのそれぞれに複数の電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備する。電界放出素子の形成方法については、後述する。
[工程−110]
そして、このカソードパネルCPを、内部が圧力P1とされたチャンバ内に、電子放出領域EAが検査用電極111と対向するように配置する。
具体的には、上昇位置にあるピン105上にカソードパネルCPを乗せ、ピン昇降シリンダー104を動作させることによってピン105を下降させて、カソードパネルCPを検査台102に載置する。そして、ハウジング101に設けられた扉(図示せず)を介して、検査台102に載置されたカソードパネルCPをハウジング101内に搬入した後、ハウジング101内を真空手段によって真空雰囲気(例えば、圧力P1=1×10-4Pa程度)とする。ハウジング101内の圧力はピラニーゲージ又はイオンゲージ等の圧力計106によって測定することができる。
そして、ハウジング101内が所望の雰囲気(圧力P1)となったならば、検査台昇降シリンダー103を作動させて、検査台102を上昇させ、カソードパネルCPに設けられた電子放出領域EAが検査用電極111と対向するようにカソードパネルCPを配置する。カソードパネルCPと検査用基板110との間の距離を、例えば1.0mmとする。併せて、カソード電極11及びゲート電極13の端部に検査電圧印加部108を接触させる。
そして、チャンバ(コンディショニング装置)100のハウジング101を排気し続けながら、電圧制御手段112から検査電圧印加部108を介して全てのカソード電極11に一定の電圧VC(=0ボルト)を印加し、検査用電極111に一定の電圧VIE(=10キロボルト)を印加した状態で、ゲート電極13に、最小電圧値VG-MIN(=−20ボルト)及び最大電圧値VG-MAX(=60ボルト)を有するパルス状の電圧を印加する。実施例1にあっては、コンディショニングの実行時間を10(分)とした。尚、VG-MAX−VCの値は、電子放出部15,115近傍において最低8ボルト/μmの電界が形成されるような値である。また、実動作時、カソードパネルCPは、フィールド周波数T(=60Hz)の線順次駆動方式で駆動され、ゲート電極13に印加されるパルス状の電圧の周波数TG(Hz)は、TG=T/α(但し、2≦α≦10であり、実施例1においてはα=5)を満足する。具体的には、T-1及びTG -1の値は、T-1=16.6ミリ秒、TG -1=83.0ミリ秒である。また、t(VG-MAX)=T-1/Mである。尚、表示装置の実動作時にアノード電極24に印加される直流の電圧vAは7キロボルトであり、表示装置におけるカソードパネルCPとアノードパネルAPの間隔は1.mmであり、カソード電極11とゲート電極13との間の距離は5μmである。
より具体的には、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加し、その後、再び、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加するといった操作を繰り返す。
例えば、第m番目のゲート電極に最大電圧値VG-MAXが印加されているとき、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極には最小電圧値VG-MINが印加され、しかも、この最小電圧値VG-MINはカソード電極に印加されている電圧VCよりも低い値である。従って、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAにおいては、カソード電極11及びゲート電極13への電圧の印加によって生じた電界に基づき、電子放出部15,115から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。そして、この電子は、検査用電極111に引き付けられる。従って、電子の衝突によってカソードパネルCPの不所望の部位が帯電することを確実に防止することができる。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EA、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAからは電子は放出されない。
これによって、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAに存在するカットオフ電圧vCUTあるいはその近傍にあっても電子を放出する電界放出素子(低電圧電子放出電界放出素子)にあっては、電子放出部15,115に過剰の電流が流れる結果、電子を放出するといった機能を停止させることができる。即ち、低電圧電子放出電界放出素子を、動作上、除去することができる。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EA、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAに存在する低電圧電子放出電界放出素子からは電子は放出されない。従って、コンディショニング処理の実行中、不所望の電界放出素子と検査用電極111との間に直流の電流が流れ続けるといった現象が発生せず、電界放出素子における温度上昇に起因したカソードパネルCPの損傷発生、カソードパネルCPにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。
カソードパネルCPのコンディショニング処理完了後、ハウジング101内の雰囲気を大気雰囲気とし、検査台昇降シリンダー103を作動させて、検査台102を下降させ、カソードパネルCPが載置された検査台102をハウジング101から搬出する。
[工程−120]
一方、蛍光体領域22、アノード電極24等が形成されたアノードパネルAPを準備する。そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部26にスペーサ25を取り付け、蛍光体領域22と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された枠体27を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体27とアノードパネルAPとの接合部位、及び、枠体27とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体27とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。
[工程−130]
その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体とフリットガラス(図示せず)とによって囲まれた空間を貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力P0が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、実施例1の表示装置を完成させる。
こうして得られた表示装置にあっては、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍での作動にあっても、即ち、冷陰極電界電子放出表示装置全体として最も暗い表示がなされている場合にあっても、輝点として認識される電子放出領域が存在しなくなり、均一性に優れた画像を得ることができる。
実施例2は、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法に関する。実施例2における表示装置の構成、構造は、実施例1において説明した表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の概念図を図2の(A)及び(B)に示す。ここで、図2の(A)は、カソード電極、ゲート電極、アノード電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図2の(B)は、カソード電極に印加する一定の電圧VC(点線で示す)、ゲート電極に印加するパルス状の電圧VG-MAX,VG-MIN(実線で示す)を模式的に図示したものである。
実施例2においては、実施例1において説明したカソードパネルCPとアノードパネルAPとを準備する。そして、実施例1の[工程−120]を実行することで、カソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で接合されて成る表示装置を得ることができる。
その後、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間の空間を排気しながら、カソード電極11に一定の電圧VCを印加し、アノード電極24に電圧VAを印加した状態で、ゲート電極13に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VA)を印加する。実施例2にあっては、コンディショニングの実行時間を10(分)とした。
具体的には全てのカソード電極11に実施例1と同じ一定の電圧VCを印加し、アノード電極24に実施例1の電圧VIEと同じ一定の電圧VAを印加した状態で、ゲート電極13に、実施例1と同様の最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧を印加する。尚、VG-MAX−VCの値は、電子放出部15,115近傍において最低8ボルト/μmの電界が形成されるような値である。また、実動作時、カソードパネルCPは、フィールド周波数T(=60Hz)の線順次駆動方式で駆動され、ゲート電極13に印加されるパルス状の電圧の周波数TG(Hz)は、TG=T/α(但し、2≦α≦10であり、実施例2においても実施例1と同じ値である)を満足する。
より具体的には、実施例1と同様に、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加し、その後、再び、第1番目のゲート電極、第2番目のゲート電極、第3番目のゲート電極、・・・、第(M−1)番目のゲート電極、第M番目のゲート電極に、順次、パルス状の電圧を印加するといった操作を繰り返す。
例えば、第m番目のゲート電極に最大電圧値VG-MAXが印加されているとき、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極には最小電圧値VG-MINが印加され、しかも、この最小電圧値VG-MINはカソード電極に印加されている電圧VCよりも低い値である。従って、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAにおいては、カソード電極11及びゲート電極13への電圧の印加によって生じた電界に基づき、電子放出部15,115から量子トンネル効果に基づき電子が放出される。そして、この電子は、アノード電極24に引き付けられる。従って、電子の衝突によってカソードパネルCPの不所望の部位が帯電することを確実に防止することができる。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EA、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAからは電子は放出されない。
これによって、第m番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAに存在する低電圧電子放出電界放出素子にあっては、電子放出部15,115に過剰の電流が流れる結果、電子を放出するといった機能を停止させることができる。即ち、低電圧電子放出電界放出素子を、動作上、除去することができる。一方、第1番目のゲート電極〜第(m−1)番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EA、及び、第(m+1)番目のゲート電極〜第M番目のゲート電極に含まれる電子放出領域EAに存在する低電圧電子放出電界放出素子からは電子は放出されない。従って、コンディショニング処理の実行中、不所望の電界放出素子とアノード電極24との間に直流の電流が流れ続けるといった現象が発生せず、電界放出素子やアノード電極24における温度上昇に起因したカソードパネルCPやアノードパネルAPの損傷発生、表示装置内部やカソードパネルCPにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。
その後、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行することで、実施例2の表示装置を完成させる。
こうして得られた表示装置にあっても、カットオフ電圧vCUTあるいはその近傍での作動にあっても、即ち、冷陰極電界電子放出表示装置全体として最も暗い表示がなされている場合にあっても、輝点として認識される電子放出領域が存在しなくなり、均一性に優れた画像を得ることができる。
実施例3は、本発明の第2の態様に係るカソードパネルのコンディショニング方法及び本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関する。実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法、及び、実施例3の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の概念図を図3の(A)及び(B)に示す。ここで、図3の(A)は、カソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図3の(B)は、カソード電極、ゲート電極、検査用電極に印加する一定の電圧VC(点線で示す),VG(一点鎖線で示す),VIE(実線で示す)を模式的に図示したものである。
実施例3における表示装置及びカソードパネルCPは、図9を参照して説明した表示装置及びカソードパネルCPと同じ構成、構造を有する。即ち、カソードパネルCPには、扁平型電界放出素子が形成されている。実施例3の具体的なカソードパネルCP及び表示装置の構成、構造は、図9を参照して実施例1にて説明したカソードパネルCP及び表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
扁平型電界放出素子の製造工程にあっては、後に詳述するように、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として電子放出物質であるカーボン・ナノチューブが残される場合がある。その結果、アノード電極24によって形成された電界に基づき、このようなゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブから電子が放出され、表示装置における輝点が不均一となり、画像品質が劣化する場合がある。
実施例3にあっては、このようなゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブを除去する。
以下、実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する。
[工程−300]
先ず、M×N個の電子放出領域EAのそれぞれに複数の電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備する。電界放出素子の形成方法については、後述する。
[工程−310]
そして、実施例1の[工程−110]と同様にして、このカソードパネルCPを、内部が圧力P1とされたチャンバ内に、電子放出領域EAが検査用電極111と対向するように配置する。
そして、チャンバ(コンディショニング装置)100のハウジング101を排気し続けながら、電圧制御手段112から検査電圧印加部108を介して全てのカソード電極11に一定の電圧VC(=20ボルト)を印加し、ゲート電極13に一定の電圧VG(=0ボルト)を印加した状態で、検査用電極111に一定の電圧VIE(=10キロボルト)を印加する。尚、表示装置の実動作時にアノード電極24に印加される直流の電圧vAは7キロボルトであり、表示装置におけるカソードパネルCPとアノードパネルAPの間隔は1.0mmであり、カソード電極11とゲート電極13との間の距離は7μmである。実施例3にあっては、コンディショニングの実行時間を10(分)とした。
実施例3にあっては、扁平型電界放出素子の製造においてゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブから、検査用電極111に印加された電圧VIEによって形成された電界に基づき電子が放出され、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブに過剰の電流が流れる結果、燃焼によって除去される。しかも、VC>VGであるが故に、電子放出部115から電子が放出されることはない。即ち、コンディショニング処理の実行中、電界放出素子と検査用電極111との間に直流の電流が流れるといった現象が発生せず、電界放出素子における温度上昇に起因したカソードパネルCPの損傷発生、カソードパネルCPにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。
カソードパネルCPのコンディショニング処理完了後、ハウジング101内の雰囲気を大気雰囲気とし、検査台昇降シリンダー103を作動させて、検査台102を下降させ、カソードパネルCPが載置された検査台102をハウジング101から搬出する。
[工程−310]
その後、実施例1の[工程−120]及び[工程−130]と同様の工程を実行することで、実施例3の表示装置を完成させる。
こうして得られた表示装置にあっては、カソードパネルCPの損傷発生といった問題が生じることなく、ゲート電極13や絶縁層12上に残渣として残された電子放出物質(具体的には、カーボン・ナノチューブ)を確実に除去することができる。
検査用電極111に、一定の電圧VIEを印加する代わりに、最小電圧値VIE-MIN及び最大電圧値VIEを有するパルス状の電圧を印加してもよい。そして、この場合、実動作時、カソードパネルCPは、フィールド周波数T(=60Hz)の線順次駆動方式で駆動され、検査用電極111に印加されるパルス状の電圧の周波数TIE(Hz)は、TIE=T/β(但し、10≦β≦100であり、例えば、β=20)を満足する構成とすることもできる。
このような実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法の変形例、及び、実施例3の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の変形例の概念図を図4の(A)及び(B)に示す。ここで、図4の(A)は、カソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図4の(B)は、カソード電極、ゲート電極、検査用電極に印加する電圧VC(点線で示す),VG(一点鎖線で示す),VIE-MIN,VIE(実線で示す)を模式的に図示したものである。
具体的には、電圧制御手段112から検査電圧印加部108を介して全てのカソード電極11に一定の電圧VC(=20ボルト)を印加し、全てのゲート電極13に一定の電圧VG(=0ボルト)を印加した状態で、検査用電極111に、最小電圧値VIE-MIN(=0ボルト)及び最大電圧値VIE(=10キロボルト)を有するパルス状の電圧を印加する。コンディショニングの実行時間を10(分)とすればよい。
実施例4は、本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法に関する。実施例4における表示装置の構成、構造は、実施例3において説明した表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の概念図を図5の(A)及び(B)に示す。ここで、図5の(A)は、カソード電極、ゲート電極、アノード電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図5の(B)は、カソード電極、ゲート電極、アノード電極に印加する一定の電圧VC(点線で示す),VG(一点鎖線で示す),VA(実線で示す)を模式的に図示したものである。
実施例4においては、実施例3において説明したカソードパネルCPとアノードパネルAPとを準備する。そして、実施例1の[工程−120]を実行することで、カソードパネルCPとアノードパネルAPとがそれらの周縁部で接合されて成る表示装置を得ることができる。
その後、貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間の空間を排気しながら、カソード電極11に一定の電圧VCを印加し、ゲート電極13に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、アノード電極24に電圧VA(但し、VC≪VA)を印加する。実施例4にあっては、コンディショニングの実行時間を10(分)とした。
具体的には全てのカソード電極11に実施例3と同じ一定の電圧VCを印加し、ゲート電極13に実施例3と同じ一定の電圧VGを印加した状態で、アノード電極24に実施例3の電圧VIEと同じ一定の電圧VAを印加する。
実施例4にあっても、VC>VGであるが故に、電子放出部115から電子が放出されることはない。従って、コンディショニング処理の実行中、電界放出素子とアノード電極24との間に直流の電流が流れるといった現象が発生せず、電界放出素子やアノード電極24における温度上昇に起因したカソードパネルCPやアノードパネルAPの損傷発生、表示装置内部やカソードパネルCPにおける放電破壊といった問題が生じることを防止することができる。しかも、扁平型電界放出素子の製造においてゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブから、アノード電極24に印加された電圧VAによって形成された電界に基づき電子が放出され、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブに過剰の電流が流れる結果、燃焼によって除去される。
その後、実施例1の[工程−130]と同様の工程を実行することで、実施例4の表示装置を完成させる。
こうして得られた表示装置にあっては、カソードパネルCPやアノードパネルAPの損傷発生といった問題が生じることなく、ゲート電極13や絶縁層12上に残渣として残された電子放出物質(具体的には、カーボン・ナノチューブ)を確実に除去することができる。
具体的には、アノード電極に電圧vAとして10キロボルトを印加しても、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブに起因した表示装置における輝点の不均一といった現象の発生は認められなかった。尚、このようなコンディショニング処理を行わない場合には、アノード電極に電圧vAとして4キロボルトを印加したところ、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブに起因した表示装置における輝点の不均一といった現象の発生が認められた。
アノード電極24に、一定の電圧VAを印加する代わりに、最小電圧値VA-MIN及び最大電圧値VAを有するパルス状の電圧を印加してもよい。そして、この場合、カソードパネルCPは、実動作時、フィールド周波数T(=60Hz)の線順次駆動方式で駆動され、アノード電極24に印加されるパルス状の電圧の周波数TA(Hz)は、TA=T/β(但し、10≦β≦100であり、例えば、β=20)を満足する構成とすることもできる。
このような実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の変形例の概念図を図6の(A)及び(B)に示す。ここで、図6の(A)は、カソード電極、ゲート電極、アノード電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図6の(B)は、カソード電極、ゲート電極、アノード電極に印加する電圧VC(点線で示す),VG(一点鎖線で示す),VA-MIN,VA(実線で示す)を模式的に図示したものである。尚、具体的な電圧VC,VG,VA-MIN,VAの値は、実施例3の変形例における電圧VC,VG,VIE-MIN,VIEの値と同じ値とすればよい。また、コンディショニングの実行時間を10(分)とすればよい。
[スピント型電界放出素子の製造方法]
以下、スピント型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルCPを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図17の(A)、(B)及び図18の(A)、(B)を参照して説明する。
このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13及び絶縁層12上に剥離層16を予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電子放出部のみを図示した。
[工程−A0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、帯状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
[工程−A1]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、Al層)をスパッタリング法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、帯状のゲート電極13を得ることができる。帯状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、帯状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のゲート電極を形成することが可能である。
[工程−A2]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図17の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−A3]
次に、支持体10を回転させながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケル(Ni)を斜め真空蒸着することにより、剥離層16を形成する(図17の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層16を形成することができる。剥離層16は、第1開口部14Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第1開口部14Aが実質的に縮径される。
[工程−A4]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図18の(A)に示すように、剥離層16上でオーバーハング形状を有する導電材料層17が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口部14Aの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15となる。
[工程−A5]
その後、図18の(B)に示すように、リフトオフ法にて剥離層16をゲート電極13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13及び絶縁層12の上方の導電材料層17を選択的に除去する。次いで、絶縁層12に設けられた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、スピント型電界放出素子を得ることができる。
[扁平型電界放出素子の製造方法]
次に、扁平型電界放出素子の製造方法を、カソードパネルCPを構成する支持体10等の模式的な一部端面図である図19の(A)〜(C)、図20の(A)、(B)、及び、図21の(A)、(B)を参照して説明する。尚、電子放出部115は、マトリックス41、及び、先端部が突出した状態でマトリックス41中に埋め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的には、カーボン・ナノチューブ40)から成る。また、マトリックス41は、酸化インジウム−錫から成る。
[工程−B0]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング法(RIE法)に基づき導電材料層をパターニングすることによって、帯状のカソード電極11を支持体10上に形成する(図19の(A)参照)。帯状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延びている。導電材料層は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
[工程−B1]
その後、カーボン・ナノチューブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属化合物溶液を全面に、例えばスプレー法にて塗布する。具体的には、以下の表2に例示する金属化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあっては、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にある。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造され、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に際しては、支持体10を70〜150゜Cに加熱しておく。塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分間、支持体10を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このように、塗布時、支持体10を加熱することによって、カソード電極11の表面に対してカーボン・ナノチューブが水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平にはならない状態でカソード電極11の表面にカーボン・ナノチューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極24の方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブ構造体を、支持体10の法線方向に近づく方向に配向させることができる。尚、予め、表2に示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加していない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよい。
[表2]
有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部
分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部
カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部
酢酸ブチル :残余
有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるいは又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いてもよい。
場合によっては、金属化合物溶液を乾燥した後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されている場合がある。このような場合には、金属化合物層の上に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液を塗布することが望ましい。
[工程−B2]
その後、有機酸金属化合物から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金属化合物を構成する金属原子(具体的には、In及びSn)に由来したマトリックス(具体的には、金属酸化物であり、より一層具体的にはITO)41にてカーボン・ナノチューブ40がカソード電極11の表面に固定された複合体層42を得る。焼成を、大気雰囲気中で、350゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られたマトリックス41の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mであった。有機酸金属化合物を出発物質として用いることにより、焼成温度350゜Cといった低温においても、ITOから成るマトリックス41を形成することができる。尚、有機金属化合物溶液の代わりに、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によって塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOから成るマトリックス41が形成される。
[工程−B3]
次いで、全面にレジスト層(図示せず)を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例えば直径30μmの円形のレジスト層を残す。そして、10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリックス41をエッチングして、電子放出部の不要部分を除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチューブが未だ存在する場合には、以下の表3に例示する条件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0ワットでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば80゜C程度に加熱してもよい。
[表3]
使用装置 :RIE装置
導入ガス :酸素を含むガス
プラズマ励起パワー:500W
バイアスパワー :0〜150W
処理時間 :10秒以上
あるいは又、表4に例示する条件のウェットエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングしてもよい。
[表4]
使用溶液:KMnO4
温度 :20〜120゜C
処理時間:10秒〜20分
その後、レジスト層を除去することによって、図19の(B)に示す構造を得ることができる。尚、直径30μmの円形の電子放出部を残すことに限定されない。例えば、電子放出部をカソード電極11上に残してもよい。尚、その後、複合体層42上にバッファ層を形成してもよい。バッファ層を形成することによって、絶縁層12に開口部14Bを形成したとき、開口部14Bの形成完了を確実に検知することが可能となる。尚、バッファ層を構成する材料は、絶縁層12を構成する材料に対してエッチング選択比を有する材料から適宜選択すればよく、導電材料であっても絶縁材料であってもよい。
[工程−B4]
次に、複合体層42、支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面に、厚さ約5μmの絶縁層12を形成する。
[工程−B5]
その後、絶縁層12上に第1開口部14Aを有するゲート電極13を形成する。具体的には、絶縁層12上にゲート電極を構成するためのクロム(Cr)から成る導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、導電材料層上にパターニングされた第1のマスク材料層(図示せず)を形成し、かかる第1のマスク材料層をエッチング用マスクとして用いて導電材料層をエッチングして、導電材料層を帯状にパターニングした後、第1のマスク材料層を除去する。次いで、導電材料層及び絶縁層12上にパターニングされた第2のマスク材料層46を形成し、かかる第2のマスク材料層46をエッチング用マスクとして用いて導電材料層及び絶縁層12をエッチングする。これによって、絶縁層12上に第1開口部14Aを有するゲート電極13を得ることができ、更には、絶縁層12に第2開口部14Bを形成することができる(図19の(C)参照)。帯状のゲート電極13は、カソード電極11と異なる方向(例えば、図面の紙面垂直方向)に延びている。第1開口部14Aと第2開口部14Bとは、一対一の対応関係にある。即ち、1つの第1開口部14Aに対応して、1つの第2開口部14Bが形成される。尚、第1及び第2開口部14A,14Bの平面形状は、例えば直径20μmの円形である。これらの開口部14A,14Bを、例えば、1画素に数百個程度形成すればよい。尚、複合体層42上に、例えばバッファ層を形成した場合、その後、バッファ層のエッチングを行う。
[工程−B6]
その後、第2開口部14Bの底部に露出した複合体層42の表面のマトリックス41を除去し、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ40がマトリックス41中に埋め込まれた電子放出部115を形成する(図20の(A)参照)ことが好ましいが、この工程は必須ではない。具体的には、以下の表5に例示する条件にて、マトリックス41の表層部を除去し、マトリックス41から先端部が突出した状態のカーボン・ナノチューブ40を得ることが好ましい。場合によっては、マトリックス41の全てをエッチングによって除去してもよい。
[表5]
エッチング溶液:塩酸
エッチング時間:10秒〜30秒
エッチング温度:10〜60゜C
[工程−B7]
その後、絶縁層12に設けられた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。次いで、第2のマスク材料層46を除去する。こうして、図20の(B)に示す電界放出素子を完成することができる。
[工程−B8]
次いで、複合体層42の表面に剥離層43を付着させる(図21の(A)参照)。そして、剥離層43を機械的に引き剥がす。これによって、先端部が突出した状態で、しかも、先端部が支持体10の法線方向に近づく方向に配向した状態で、カーボン・ナノチューブ構造体であるカーボン・ナノチューブ40がマトリックス41中に埋め込まれた電子放出部115を得ることができる(図21の(B)参照)。ここで、剥離層43は、感圧型の粘着層44と、この粘着層44を保持する保持フィルム45から成る。より具体的には、剥離層43は、セロファンテープから構成されている。複合体層42の表面に剥離層43を付着させる方法として、剥離層43を構成する粘着層44を複合体層42の表面に圧着する方法を採用した。圧着は人手によって行い、具体的には、ゴムローラを保持フィルム45に押し当てることによって、粘着層44を複合体層42の表面に圧着する。また、剥離層43の機械的な引き剥がしは、引き剥がし力が支持体10の法線方向の成分)を有した状態にて行う。より具体的には、所謂90度ピールとし、引き剥がし力を加える方法は人力によるものとした。
[工程−B9]
マトリックス41のエッチングや剥離層43の剥離によって一部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ40の表面状態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっている場合がある。それ故、その後、電子放出部115に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことが好ましく、これによって、電子放出部115が活性化し、電子放出部115からの電子の放出効率の一層の向上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の表6に例示する。
[表6]
使用ガス :H2=100sccm
電源パワー :1000W
支持体印加電力:50V
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300゜C
その後、カーボン・ナノチューブ40からガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ40の表面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物質を含むガスにカーボン・ナノチューブ40を晒してもよい。また、カーボン・ナノチューブ40を精製するために、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行ってもよい。
あるいは又、以下に説明する方法に基づき、扁平型電界放出素子を製造することもできる。
[工程−C0]
先ず、[工程−B0]と同様にして、例えばガラス基板から成る支持体10上に帯状のカソード電極11を支持体10上に形成する。次に、[工程−B4]と同様にして、支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面に、厚さ約5μmの絶縁層12を形成する。その後、[工程−B5]と同様にして、絶縁層12上に第1開口部14Aを有するゲート電極13を形成し、更には、絶縁層12に第2開口部14Bを形成する(図22の(A)参照)。
[工程−C1]
次いで、絶縁層12、ゲート電極13及び開口部14A,14Bの側壁面、並びに、第2開口部14Bの底部の電子放出部を形成しないカソード電極11の部分をマスク層47で被覆する(図22の(B)参照)。
[工程−C2]
その後、[工程−B1]〜[工程−B2]と同様にして、カソード電極11の表面に電子放出部115を形成する。次に、マスク層47を剥離することによって、絶縁層12及びゲート電極13の上方の複合体層を除去する。
[工程−C3]
その後、[工程−B6]と同様にして、第2開口部14Bの底部に露出した複合体層の表面のマトリックス41を除去し、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブ40がマトリックス41中に埋め込まれた電子放出部115を形成する。こうして、図22の(C)に示した構造を得ることができる。
[工程−C4]
その後、[工程−B7]〜[工程−B9]と同様の工程を実行することによって扁平型電界放出素子を完成させる。
[工程−B8]あるいは[工程−C4]における[工程−B8]と同様の工程において、複合体層42の表面から剥離層43を機械的に引き剥がしたとき(引き剥がし力を、図21の(A)においては、白抜きの矢印で示す)、剥離層43は、図21の(A)において「A」印を中心とした時計回りの回転運動を示す。一般に、第1開口部14Aの直径は、図21の(A)において「A」印から「B」印までの距離より短いので、剥離層43の「A」印を中心とした時計回りの回転運動によって粘着層44が複合体層42から剥離し、第1開口部14Aの外部に出てきたとき、「B」印で示される粘着層44の部分が第1開口部14Aの開口端と屡々衝突し、あるいは引っ掛かる。そして、このとき、複合体層42から剥離され、粘着層44に付着したカーボン・ナノチューブ40の一部分が、粘着層44から離脱し、ゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残される場合がある。しかしながら、このようなゲート電極13や絶縁層12の上に残渣として残されたカーボン・ナノチューブは、実施例3あるいは実施例4にて説明したコンディショニング方法によって除去することができる。
上述したように、剥離層43の機械的な引き剥がしは、引き剥がし力が支持体10の法線方向の成分を有した状態にて行うことが好ましい。尚、引き剥がし力の内の支持体10の法線方向の成分の割合は、引き剥がし力の値の0%を越えていればよく、概ね100%(即ち、所謂90度ピール)とすることもできる。引き剥がし力を加える方法は、人力によってもよいし、機械を用いてもよい。
上述したように、剥離層は、感圧型の粘着層あるいは感圧型の接着層と、該粘着層あるいは接着層を保持する保持フィルム(担持フィルム)から成り、複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、剥離層を構成する粘着層あるいは接着層を複合体層の表面に圧着する方法から成る構成とすることができる。圧着する方法として、具体的には、粘着層あるいは接着層と複合体層の表面とを接触させた状態で、保持フィルムに圧力を加えればよい。圧力を加える方法として、例えば、接触面に弾力性を有するローラを用いる方法を挙げることができる。剥離層を機械的に引き剥がした後に、粘着層あるいは接着層の一部分が複合体層の表面に残る場合、粘着層あるいは接着層を溶解する有機溶剤にて粘着層あるいは接着層の一部分を除去すればよい。接着層を構成する樹脂に依っては、例えば、熱を加え、あるいは紫外線を照射することによって、複合体層の表面に対する接着層の接着力が大幅に低下する種類の樹脂がある。このような樹脂を用いた場合、熱を加え、あるいは紫外線を照射した後、水洗等によって複合体層の表面に残された接着層の一部分を容易に除去できる。保持フィルムとして、ポリオレフィン、PVC、PETから成るフィルム基材を例示することができる。剥離層全体の厚さは、適宜決定すればよい。
あるいは又、剥離層は、接着層と、該接着層を保持する保持フィルム(担持フィルム)から成り、複合体層の表面に剥離層を付着させる方法は、複合体層の表面に剥離層に接着層を形成した後、剥離層上に保持フィルムを載置し、次いで、接着層を複合体層の表面及び保持フィルムに接着させる構成とすることができる。この場合、接着層は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂、感圧型樹脂から構成することができる。尚、接着層を形成する方法として、接着層を複合体層の表面に塗布する方法を挙げることができる。具体的な塗布方法は、スピンコーティング法、スプレー法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法等、使用する接着層を構成する材料に適した塗布方法とすればよい。剥離層を機械的に引き剥がした後に、接着層の一部分が複合体層の表面に残る場合、接着層を溶解する有機溶剤にて接着層の一部分を除去すればよい。接着層を構成する樹脂に依っては、例えば、熱を加え、あるいは紫外線を照射することによって、複合体層の表面に対する接着層の接着力が大幅に低下する種類の樹脂がある。このような樹脂を用いた場合、熱を加え、あるいは紫外線を照射した後、水洗等によって複合体層の表面に残された接着層の一部分を容易に除去できる。保持フィルムとして、ポリオレフィン、PVC、PETから成るフィルム基材を例示することができる。剥離層全体の厚さは、適宜決定すればよい。
複合体層の厚さは、カーボン・ナノチューブ構造体等がマトリックスによって埋め込まれるに充分な厚さであればよく、例えば、マトリックスの平均厚さとして5×10-8m〜1×10-4mを例示することができる。カーボン・ナノチューブ構造体等の先端部の突出量は、例えば、カーボン・ナノチューブ構造体等の直径の1.5倍以上であることが望ましい。また、電子放出部を占めるカーボン・ナノチューブ構造体等の重量割合は、カーボン・ナノチューブ構造体等とマトリックスとの合計重量を100としたとき、0.001乃至40であることが好ましい。
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明したカソードパネルやアノードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層にかかる複数の第1開口部に連通した複数の第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
電界放出素子において、ゲート電極13及び絶縁層12の上に更に層間絶縁層52を設け、層間絶縁層52上に収束電極53を設けてもよい。このような構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図23に示す。層間絶縁層52には、第1開口部14Aに連通した第3開口部54が設けられている。収束電極53の形成は、例えば、[工程−A2]において、絶縁層12上に帯状のゲート電極13を形成した後、層間絶縁層52を形成し、次いで、層間絶縁層52上にパターニングされた収束電極53を形成した後、収束電極53、層間絶縁層52に第3開口部54を設け、更に、ゲート電極13に第1開口部14Aを設ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることもできる。尚、図23においては、スピント型電界放出素子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもできることは云うまでもない。
表面伝導型電界放出素子と通称される電界放出素子から電子放出領域を構成することもできる。この表面伝導型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の電極がマトリックス状に形成されて成る。それぞれの電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子をアノードパネル上の蛍光体領域に衝突させることによって、蛍光体領域が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。
図1の(A)は、実施例1のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理におけるカソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図1の(B)は、実施例1のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理における、カソード電極に印加する一定の電圧、ゲート電極に印加するパルス状の電圧を模式的に図示したものである。 図2の(A)は、実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法におけるカソード電極、ゲート電極、アノード電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図2の(B)は、実施例2の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法における、カソード電極に印加する一定の電圧、ゲート電極に印加するパルス状の電圧を模式的に図示したものである。 図3の(A)は、実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理におけるカソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図3の(B)は、実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理における、カソード電極及びゲート電極に印加する一定の電圧、アノード電極に印加する一定の電圧を模式的に図示したものである。 図4の(A)は、実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の変形例におけるカソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図4の(B)は、実施例3のカソードパネルのコンディショニング方法及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法におけるコンディショニング処理の変形例における、カソード電極及びゲート電極に印加する一定の電圧、アノード電極に印加するパルス状の電圧を模式的に図示したものである。 図5の(A)は、実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法におけるカソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図5の(B)は、実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法における、カソード電極及びゲート電極に印加する一定の電圧、アノード電極に印加する一定の電圧を模式的に図示したものである。 図6の(A)は、実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の変形例におけるカソード電極、ゲート電極、検査用電極への電圧の印加状態を概念的に示す図であり、図6の(B)は、実施例4の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法の変形例における、カソード電極及びゲート電極に印加する一定の電圧、アノード電極に印加するパルス状の電圧を模式的に図示したものである。 図7は、実施例1あるいは実施例3での使用に適したコンディショニング用のチャンバの概念図である。 図8は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を有する冷陰極電界電子放出表示装置の概念的な一部端面図である。 図9は、扁平型冷陰極電界電子放出素子を有する冷陰極電界電子放出表示装置の概念的な一部端面図である。 図10は、冷陰極電界電子放出表示装置におけるカソードパネルとアノードパネルの一部分の模式的な分解斜視図である。 図11は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図12は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図13は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図14は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図15は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図16は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図17の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図18の(A)及び(B)は、図17の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図19の(A)〜(C)は、扁平型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図20の(A)、(B)は、図19の(C)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図21の(A)、(B)は、図20の(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図22の(A)〜(C)は、扁平型冷陰極電界電子放出素子の別の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図23は、収束電極を有するスピント型冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
符号の説明
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14,14A,14B・・・開口部、15,115・・・電子放出部、16・・・剥離層、17・・・導電材料層、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体領域、23・・・ブラックマトリックス、24・・・アノード電極、25・・・スペーサ、26・・・スペーサ保持部、31・・・カソード電極制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、40・・・カーボン・ナノチューブ、41・・・マトリックス、42・・・複合体層、43・・・剥離層、44・・・粘着層、45・・・保持フィルム、46・・・第2のマスク材料層、47・・・マスク層、52・・・層間絶縁層、53・・・収束電極、54・・・第3開口部、100・・・チャンバ(コンディショニング装置)、101・・・ハウジング、102・・・検査台、103・・・検査台昇降シリンダー、104・・・ピン昇降シリンダー、105・・・孔、106・・・圧力計、107・・・バルブ、108・・・検査電圧印加部、110・・・検査用基板、111・・・検査用電極(コンディショニング用電極)、112・・・電圧制御手段

Claims (24)

  1. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、
    コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、検査用電極に電圧VIEを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VIE)を印加することを特徴とするカソードパネルのコンディショニング方法。
  2. 実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、
    各ゲート電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TG(Hz)は、TG=T/α(但し、2≦α≦10)を満足することを特徴とする請求項1に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  3. C−VG-MIN≧10(ボルト)を満足することを特徴とする請求項1に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  4. G-MAX−VCの値は、電子放出部近傍において最低8ボルト/μmの電界が形成されるような値であることを特徴とする請求項1に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  5. 検査用電極に一定の電圧VIEを印加することを特徴とする請求項1に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  6. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置し、
    コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、検査用電極に電圧VIE(但し、VC≪VIE)を印加することを特徴とするカソードパネルのコンディショニング方法。
  7. C−VG≧10(ボルト)を満足することを特徴とする請求項6に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  8. 検査用電極に一定の電圧VIEを印加することを特徴とする請求項6に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  9. 検査用電極に、最小電圧値VIE-MIN及び最大電圧値VIEを有するパルス状の電圧を印加することを特徴とする請求項6に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  10. 実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、
    検査用電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TIE(Hz)は、TIE=T/β(但し、10≦β≦100)を満足することを特徴とする請求項9に記載のカソードパネルのコンディショニング方法。
  11. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネル、並びに、蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法であって、
    各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、アノード電極に電圧VAを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VA)を印加することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  12. 実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、
    各ゲート電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TG(Hz)は、TG=T/α(但し、2≦α≦10)を満足することを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  13. C−VG-MIN≧10(ボルト)を満足することを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  14. G-MAX−VCの値は、電子放出部近傍において最低8ボルト/μmの電界が形成されるような値であることを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  15. アノード電極に一定の電圧VAを印加することを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  16. カソードパネルとアノードパネルとの間の空間を排気しながら、実行することを特徴とする請求項11に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  17. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネル、並びに、蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法であって、
    各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、アノード電極に電圧VA(但し、VC≪VA)を印加することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  18. C−VG≧10(ボルト)を満足することを特徴とする請求項17に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  19. アノード電極に一定の電圧VAを印加することを特徴とする請求項17に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  20. アノード電極に、最小電圧値VA-MIN及び最大電圧値VAを有するパルス状の電圧を印加することを特徴とする請求項17に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  21. 実動作時、カソードパネルは、フィールド周波数T(Hz)の線順次駆動方式で駆動され、
    アノード電極に印加されるパルス状の電圧の周波数TA(Hz)は、TA=T/β(但し、10≦β≦100)を満足することを特徴とする請求項20に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  22. カソードパネルとアノードパネルとの間の空間を排気しながら、実行することを特徴とする請求項17に記載の冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法。
  23. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置した後、
    コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、検査用電極に電圧VIEを印加した状態で、各ゲート電極に、最小電圧値VG-MIN及び最大電圧値VG-MAXを有するパルス状の電圧(但し、VG-MIN<VC<VG-MAX≪VIE)を印加するコンディショニング処理を行う、
    ことによって得られたカソードパネルと、基板上に形成された蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルとを、それらの周縁部で接合することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  24. (A)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状の複数のカソード電極、
    (B)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
    (C)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状の複数のゲート電極、
    (D)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した1又は複数の開口部、及び、
    (E)カソード電極とゲート電極の重複する重複領域に位置し、開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられた電子放出部を有する電子放出領域、
    を具備したカソードパネルを、電子放出領域に対向した検査用電極が備えられたコンディショニング用のチャンバ内に配置した後、
    コンディショニング用のチャンバを排気しながら、各カソード電極に一定の電圧VCを印加し、各ゲート電極に一定の電圧VG(但し、VG<VC)を印加した状態で、検査用電極に電圧VIE(但し、VC≪VIE)を印加するコンディショニング処理を行う、
    ことによって得られたカソードパネルと、基板上に形成された蛍光体領域及びアノード電極を具備したアノードパネルとを、それらの周縁部で接合することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
JP2004234045A 2004-08-11 2004-08-11 カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 Expired - Fee Related JP4678156B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004234045A JP4678156B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004234045A JP4678156B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006054087A true JP2006054087A (ja) 2006-02-23
JP4678156B2 JP4678156B2 (ja) 2011-04-27

Family

ID=36031434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004234045A Expired - Fee Related JP4678156B2 (ja) 2004-08-11 2004-08-11 カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4678156B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027781A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド電子放出素子およびその製造方法
JP2013016504A (ja) * 2006-12-06 2013-01-24 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 冷陰極電子源及びその製造方法並びにそれを用いた発光素子

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044022A1 (fr) * 1999-01-19 2000-07-27 Canon Kabushiki Kaisha Canon d'électrons et imageur et procédé de fabrication, procédé et dispositif de fabrication de source d'électrons, et appareil de fabrication d'imageur
JP2000311596A (ja) * 1999-02-25 2000-11-07 Canon Inc 電子放出素子の製造方法および装置、電子放出素子の駆動方法ならびに電子放出素子の調整方法
JP2001023505A (ja) * 1999-07-06 2001-01-26 Sony Corp 冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法
JP2002270099A (ja) * 2001-03-07 2002-09-20 Sony Corp 平面型表示装置におけるノッキング処理方法、及び、平面型表示装置用基板におけるノッキング処理方法
JP2002343254A (ja) * 2001-05-15 2002-11-29 Sony Corp 冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法
JP2003109507A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Canon Inc 電子放出素子の製造方法及び電子源の製造方法
JP2004235108A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Matsushita Electric Works Ltd 電界放射型電子源の調整方法および駆動方法
JP2005259579A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Canon Inc 電子放出素子、電子源ならびに画像表示装置の製造方法および電子放出素子の駆動方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044022A1 (fr) * 1999-01-19 2000-07-27 Canon Kabushiki Kaisha Canon d'électrons et imageur et procédé de fabrication, procédé et dispositif de fabrication de source d'électrons, et appareil de fabrication d'imageur
JP2000311596A (ja) * 1999-02-25 2000-11-07 Canon Inc 電子放出素子の製造方法および装置、電子放出素子の駆動方法ならびに電子放出素子の調整方法
JP2001023505A (ja) * 1999-07-06 2001-01-26 Sony Corp 冷陰極電界電子放出表示装置用のカソード・パネルの検査方法
JP2002270099A (ja) * 2001-03-07 2002-09-20 Sony Corp 平面型表示装置におけるノッキング処理方法、及び、平面型表示装置用基板におけるノッキング処理方法
JP2002343254A (ja) * 2001-05-15 2002-11-29 Sony Corp 冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法
JP2003109507A (ja) * 2001-09-28 2003-04-11 Canon Inc 電子放出素子の製造方法及び電子源の製造方法
JP2004235108A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Matsushita Electric Works Ltd 電界放射型電子源の調整方法および駆動方法
JP2005259579A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Canon Inc 電子放出素子、電子源ならびに画像表示装置の製造方法および電子放出素子の駆動方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027781A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Sumitomo Electric Ind Ltd ダイヤモンド電子放出素子およびその製造方法
JP2013016504A (ja) * 2006-12-06 2013-01-24 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 冷陰極電子源及びその製造方法並びにそれを用いた発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4678156B2 (ja) 2011-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100888671B1 (ko) 형광체 분말, 표시용 패널, 및 평면형 표시 장치
JP4366920B2 (ja) 平面型表示装置及びその製造方法
JP4449835B2 (ja) 平面型表示装置用のアノードパネルの製造方法
US20080012467A1 (en) Method for Treating a Cathode Panel, Cold Cathode Field Emission Display Device, and Method for Producing the Same
JP4131238B2 (ja) 表示用パネル及び表示装置
JP5318445B2 (ja) 平面型表示装置
JP4678156B2 (ja) カソードパネルのコンディショニング方法、冷陰極電界電子放出表示装置のコンディショニング方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
JP4023419B2 (ja) 固定画素表示装置及び冷陰極電界電子放出表示装置
JP4802583B2 (ja) スペーサの製造方法
JP4806968B2 (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置
JP4586394B2 (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置用のカソードパネルの検査方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
JP4273848B2 (ja) 平面型表示装置及びその組立方法
JP2002338959A (ja) 蛍光体粒子及びその製造方法、表示用パネル及びその製造方法、並びに、平面型表示装置及びその製造方法
JP2004241292A (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置
JP2005004971A (ja) 平面型表示装置及びその組立方法
JP2005142003A (ja) 表示用パネル及び表示装置
JP2005044705A (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置
JP4466496B2 (ja) スペーサ、並びに、平面型表示装置
JP4228968B2 (ja) 冷陰極電界電子放出表示装置用のカソードパネル及び冷陰極電界電子放出表示装置
JP4797423B2 (ja) 平面型表示装置
JP4736537B2 (ja) 平面型表示装置
JP5150314B2 (ja) アノードパネルの製造方法及び蛍光体領域の形成方法
JP4765397B2 (ja) 電子放出パネル及び平面型表示装置
JP2005353444A (ja) 冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置
JP2004165001A (ja) 平面型表示装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070517

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110118

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees