JP4894223B2 - 平面型表示装置 - Google Patents

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    • H01J31/127Flat display tubes provided with control means permitting the electron beam to reach selected parts of the screen, e.g. digital selection using large area or array sources, i.e. essentially a source for each pixel group

Description

本発明は、平面型表示装置に関する。
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)を例示することができる。また、電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置の開発も進められている。ここで、電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子とも呼ばれる)、表面伝導型電子放出素子が知られており、これらの冷陰極電子源から構成された電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置は、高解像度、高輝度のカラー表示、及び、低消費電力の観点から注目を集めている。
電子放出素子としての冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置である冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する場合がある)は、一般に、複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する場合がある)を備えたカソードパネルCPと、電界放出素子から放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体領域を有するアノードパネルAPとが、高真空に維持された空間を介して対向配置され、カソードパネルCPとアノードパネルAPとが周縁部において接合部材を介して接合された構成を有する。ここで、カソードパネルCPは、2次元マトリクス状に配列された各サブピクセルに対応した電子放出領域を有し、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。電界放出素子として、スピント型、扁平型、エッジ型、平面型等を挙げることができる。
一例として、スピント型電界放出素子を有する表示装置の模式的な一部端面図を図10に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図12に示す。この表示装置を構成するスピント型電界放出素子は、支持体10に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。
あるいは又、略平面状の電子放出部15Aを有する、所謂扁平型電界放出素子を有する表示装置の模式的な一部端面図を図11に示す。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された電子放出部15Aから構成されている。電子放出部15Aは、例えば、マトリックスに一部分が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
これらの表示装置において、カソード電極11は、第1の方向(図面ではX方向で表す)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1の方向(X方向)とは異なる第2の方向(図面ではY方向で表す)に延びる帯状である。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。帯状のカソード電極11と帯状のゲート電極13とが重複する重複領域が、電子放出領域EAであり、1サブピクセルに相当する。そして、係る電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(平面型表示装置としての実用上の機能である表示機能を果たす中央の表示領域であり、無効領域が、この有効領域の外側に位置し、有効領域を額縁状に包囲している)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20上に所定のパターンを有する蛍光体領域22(具体的には、赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、及び、青色発光蛍光体領域22B)が形成され、蛍光体領域22がアノード電極24で覆われた構造を有する。尚、これらの蛍光体領域22の間は、カーボン等の光吸収性材料から成る光吸収層(ブラックマトリックス)23で埋め込まれており、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止している。隔壁21の平面形状は、格子形状(井桁形状)であり、1サブピクセル(蛍光体領域)を取り囲む形状を有する。尚、図中、参照番号40はスペーサを表し、参照番号25はスペーサ保持部を表し、参照番号26は接合部材を表し、参照番号17は収束電極を表し、参照番号16は層間絶縁層を表す。図11及び図12においては、隔壁やスペーサ、スペーサ保持部、収束電極の図示を省略した。
1サブピクセルは、カソードパネル側の電子放出領域EAと、電子放出領域EAに対向(対面)したアノードパネル側の蛍光体領域22とによって構成されている。有効領域には、係る画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、カラー表示の表示装置においては、1画素(1ピクセル)は、赤色発光サブピクセル、緑色発光サブピクセル、及び、青色発光サブピクセルの組から構成されている。
電子放出領域EAから放出された電子は、アノード電極24に衝突し、アノード電極24を通過して、蛍光体領域22に衝突し、蛍光体領域22を励起させる結果、蛍光体領域22が発光する。ここで、アノード電極24や蛍光体領域22に衝突した電子の一部は反跳し、アノードパネルAPからカソードパネルの方向へと飛び出す。また、電子の蛍光体領域22への衝突によって蛍光体領域22から2次電子がカソードパネルの方向へと放出される。尚、これらの反跳電子や2次電子を総称して、後方散乱電子と呼ぶ。
ところで、冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、陰極線管(ブラウン管)と比較し、後方散乱電子からの影響によるコントラスト低下の影響が著しいことが知られている。即ち、後方散乱電子が例えば隣接する蛍光体領域に衝突すると、不所望の蛍光体領域が発光し、コントラスト低下を招く。このような現象が生じる原因として、
(1)アノードパネルAPとカソードパネルCPとの間の空間における電位勾配が、陰極線管(ブラウン管)と比較して、約20から70倍も大きいこと
(2)蛍光体領域への電子の照射が線順次方式で行われるため、電子が蛍光体領域へ衝突する時間が長いこと(即ち、蛍光体領域に衝突する電子の総数が多いので、結果として、後方散乱電子の絶対数が多くなる)
(3)散乱電子吸収に寄与する、表面処理(酸化膜処理)を施した陰極線管独自の色選別機構が無いこと
を挙げることができる。
この後方散乱電子の悪影響を避けることを目的として、例えばアルミニウム層から成るアノード電極上に、例えばカーボン層を形成する技術が、特開平10−321169に開示されている。カーボン層はアルミニウム層よりも1次電子の散乱係数が低く、蛍光体領域に入射し、散乱される電子の割合を低減させることができるとされている。
特開平10−321169
しかしながら、アルミニウム層から成るアノード電極上にカーボン層が形成されたアノードパネルは、カーボン層が形成された後にも、種々の熱工程を経る。そして、係る熱工程における加熱、冷却による熱収縮や加熱雰囲気の影響を受け、カーボン層がアルミニウム層から部分的にあるいは全体的に剥離したり、カーボン層にクラックが発生することがある。このような現象が生じると、パーティクルが発生したり、カーボン層に鋭角部が生じる結果、アノード電極に高電圧を印加したとき、放電が誘起され、表示装置の信頼性低下、短寿命化の原因となる。
従って、本発明の目的は、種々の熱工程を経てもアノードパネルに欠陥が発生し難い構造、構成を有する平面型表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置は、複数の電子放出領域が支持体に設けられたカソードパネル、並びに、複数の蛍光体領域及び少なくとも該蛍光体領域を被覆するアノード電極が基板に設けられたアノードパネルから成り、カソードパネルとアノードパネルとが、それらの周縁部で接合部材を介して接合された平面型表示装置であって、
アノード電極上には、蛍光体領域及び/又はアノード電極からの電子を吸収する電子吸収層が形成され、
アノード電極と電子吸収層との間には密着向上層が形成されていることを特徴とする。
本発明の平面型表示装置にあっては、各蛍光体領域を取り囲む格子状の隔壁が基板に設けられており、アノード電極は、各蛍光体領域を覆い、且つ、隔壁の側面まで延びており、隔壁の頂面には、密着向上層及び電子吸収層が形成されている構成とすることもできる。ここで、隔壁は、蛍光体領域から反跳した電子、あるいは、蛍光体領域から放出された2次電子が他の蛍光体領域に入射し、本来、不必要な他の蛍光体領域の発光が生ずることによって所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを、出来る限り、防止するために設けられている。
上記の好ましい構成を含む本発明の平面型表示装置において、電子吸収層は、アノード電極を主に構成する原子よりも原子番号の小さい原子から主に構成されていることが望ましく、あるいは又、アノード電極を構成する材料よりも2次電子放出係数が小さい導電性を有する材料、例えば炭素系材料やホウ素系材料から構成されていることが望ましく、より具体的には、電子吸収層は、カーボンから成る構成とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、その他、炭化ホウ素、窒化ホウ素から成る構成を挙げることができる。電子吸収層の平均厚さは、電子を効果的に吸収するといった観点からは厚い方が望ましく、平面型表示装置の輝度向上といった観点からは薄い方が望ましく、電子吸収層の平均厚さとして、5×10-8m乃至3×10-7m、好ましくは、7×10-8m乃至1.5×10-7mを例示することができる。
電子吸収層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種の物理的気相成長法(PVD法);各種の化学的気相成長法(CVD法);スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;ロールコーターを用いた塗布法に例示される方法を挙げることができる。
以上の好ましい各種の構成を含む本発明の平面型表示装置において、密着向上層は、炭化珪素層から成り、又は、炭化珪素及び炭化ホウ素から構成された層(例えば、炭化珪素を75重量%以上、100重量%未満含み、炭化ホウ素を0重量%を越え、25重量%以下含む層)から成り、又は、炭化タングステン層から成ることが好ましい。ここで、密着向上層を炭化珪素層から構成する場合、炭素リッチな炭化珪素層(具体的には、炭素が、50モル%を越え、好ましくは80モル%以上である)から構成することが好ましい。密着向上層の平均厚さは、密着性向上、密着向上層の強度確保といった観点からは厚い方が望ましく、平面型表示装置の輝度向上といった観点からは薄い方が望ましく、密着向上層の平均厚さとして、1×10-8m乃至3×10-7m、好ましくは、2×10-8m乃至2×10-7mを例示することができる。
密着向上層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;ロールコーターを用いた塗布法に例示される方法を挙げることができる。尚、密着向上層を形成する前に、アノード電極表面に対して、一種の洗浄処理を行い、アノード電極表面に形成された酸化膜やアノード電極表面に付着した有機物質等を除去することが、アノード電極への密着向上層の密着性向上といった観点から好ましい。洗浄処理として、プラズマ処理、UVオゾン処理を例示することができる。
アノード電極の構成材料として、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
アノード電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料から成る導電材料層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングしてアノード電極を形成することができる。あるいは又、アノード電極のパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料をPVD法やスクリーン印刷法に基づき形成することによって、アノード電極を得ることもできる。基板上(あるいは基板上方)におけるアノード電極の平均厚さとして、3×10-8m(30nm)乃至5×10-7m(0.5μm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至3×10-7m(0.3μm)を例示することができる。
アノード電極は、全体として1つのアノード電極から構成されていてもよいし、複数のアノード電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとは、アノード電極抵抗体層によって電気的に接続されていることが望ましい。ここで、密着向上層がアノード電極抵抗体層を兼ねている構成とすることが好ましい。アノード電極抵抗体層としての密着向上層のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。アノード電極ユニットの数(Q)は2以上であればよく、例えば、直線状に配列された蛍光体領域の列の総数をq列としたとき、Q=qとし、あるいは、q=k・Q(kは2以上の整数であり、好ましくは10≦k≦100、一層好ましくは20≦k≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配置されたスペーサの数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。このように、アノード電極を有効領域のほぼ全面に亙って形成する代わりに、より小さい面積を有するアノード電極ユニットに分割した形で形成すれば、アノード電極ユニットと電子放出領域との間の静電容量を減少させることができる。その結果、放電の発生を低減することができ、放電に起因したアノード電極や電子放出領域の損傷の発生を効果的に減少させることができる。
アノード電極をアノード電極ユニットから構成する場合であって隔壁が形成されている場合、アノード電極ユニットは、各蛍光体領域上から隔壁側面上に亙り形成されている形態とすることができる。尚、アノード電極ユニットは、各蛍光体領域上から隔壁側面の途中まで形成されている形態であってもよい。そして、この場合、密着向上層は、隔壁の頂面上からアノード電極ユニット上に亙り形成されており(即ち、全面に形成されており)、この密着向上層上に電子吸収層が形成されている。
蛍光体領域は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。蛍光体領域の配列様式は、例えば、ドット状である。具体的には、平面型表示装置がカラー表示の場合、蛍光体領域の配置、配列として、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。即ち、直線状に配列された蛍光体領域の1列は、全てが赤色発光蛍光体領域で占められた列、緑色発光蛍光体領域で占められた列、及び、青色発光蛍光体領域で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体領域、緑色発光蛍光体領域、及び、青色発光蛍光体領域が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体領域とは、アノードパネル上において1つの輝点を生成する蛍光体の領域であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体領域、1つの緑色発光蛍光体領域、及び、1つの青色発光蛍光体領域の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体領域(1つの赤色発光蛍光体領域、あるいは、1つの緑色発光蛍光体領域、あるいは、1つの青色発光蛍光体領域)から構成される。尚、隣り合う蛍光体領域の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
蛍光体領域は、発光性結晶粒子から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体領域を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体領域を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体領域を形成する方法にて形成することができる。あるいは又、赤色発光蛍光体ペースト、緑色発光蛍光体ペースト、青色発光蛍光体ペーストを順次、任意のパターンに塗布した後、各蛍光体塗布領域を順次露光、現像して、各蛍光体領域を形成してもよいし、スクリーン印刷法やインクジェット法、フロート塗布法、沈降塗布法、蛍光体フィルム転写法等により各蛍光体領域を形成してもよい。基板上における蛍光体領域の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。
蛍光体領域からの光を吸収する光吸収層が、隣り合う蛍光体領域の間、あるいは、隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体領域からの光を90%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
格子状の隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、キャスティング法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成(硬化)を行う方法である。キャスティング法(型押し成形法)とは、ペースト状とした有機材料あるいは無機材料から成る隔壁形成用材料を型(キャスト)から基板上に押し出すことで隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷法、ロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁頂面の平坦化を図ってもよい。

隔壁形成用材料として、例えば、感光性ポリイミド樹脂や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス、SiO2、低融点ガラスペーストを例示することができる。隔壁の表面(頂面及び側面)には、隔壁に電子ビームが衝突して隔壁からガスが放出されることを防止するための保護層(例えば、SiO2、SiON、あるいは、AlNから成る)を形成してもよい。
格子状の隔壁における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当し、一種の開口領域である)として、矩形形状、円形形状、楕円形状、長円形状、三角形形状、五角形以上の多角形形状、丸みを帯びた三角形形状、丸みを帯びた矩形形状、丸みを帯びた多角形等を例示することができる。これらの平面形状(開口領域の平面形状)が2次元マトリクス状に配列されることにより、格子状の隔壁が形成される。この2次元マトリクス状の配列は、例えば井桁様に配列されるものでもよいし、千鳥様に配列されるものでもよい。
本発明の平面型表示装置を製造するにあたり、アノード電極を構成する導電材料層を形成する前に、蛍光体領域上に樹脂層を形成し、樹脂層上に導電材料層を形成した後、加熱処理を施すことで樹脂層を除去することが好ましい。このような樹脂層を形成するといった構成を採用することで、アノードパネルを製造する種々の工程において、樹脂層が蛍光体領域を保護する役目を果たし、蛍光体領域に損傷が発生することを確実に防止することができるし、蛍光体領域の上に位置するアノード電極の部分の鏡面化を図ることができる。
樹脂層を構成する材料として、ラッカーあるいはポリビニルアルコール(PVA)水溶液を挙げることができる。ここで、ラッカーには、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリルラッカー、クロム化合物やマンガン化合物が添加されたものが含まれる。ポリビニルアルコール水溶液の場合、希釈水溶液にグリコール系溶剤及びグリセリンを混合して乾燥速度を調整したもの、クロム化合物やマンガン化合物が添加されたものが含まれる。樹脂層の形成方法として、スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;ロールコーターやスプレーコーター、転写法を用いた塗布法;ラッカーフロート法(水槽に蓄えられた水中に基板を配した状態で水面に樹脂層を成膜し、水を抜くことで、樹脂層を基板上に付着させる方法)を例示することができる。加熱処理を施すことで樹脂層を除去するが、より具体的には、例えば、樹脂層が燃焼する温度での加熱処理を施すことで樹脂層を燃焼(分解除去)すればよい。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の平面型表示装置(以下、これらを総称して、単に、本発明と略称する場合がある)にあっては、アノードパネルを構成する基板として、あるいは又、カソードパネルを構成する支持体として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)、無アルカリガラスを例示することができる。
本発明において、電子放出領域を構成する電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子)、表面伝導型電子放出素子を挙げることができる。また、平面型表示装置として、冷陰極電界電子放出素子を備えた平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)、MIM素子が組み込まれた平面型表示装置、表面伝導型電子放出素子が組み込まれた平面型表示装置を挙げることができる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極によってアノードパネルへと引き付けられ、蛍光体領域に衝突する。そして、蛍光体領域への電子の衝突の結果、蛍光体領域が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。実動作時、アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd0(但し、0.5mm≦d0≦10mm)としたとき、VA/d0(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは4以上8以下を満足することが望ましい。冷陰極電界電子放出表示装置の実動作時、カソード電極に印加する電圧VC及びゲート電極に印加する電圧VGに関しては、階調制御方式として電圧変調方式を採用することができる。
電界放出素子は、より具体的には、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極、
(b)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複部分に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられ、カソード電極及びゲート電極への電圧の印加によって電子放出が制御される電子放出部、
から成る。
電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や、扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。
カソードパネルにおいて、カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。そして、カソードパネルにおいて、カソード電極とゲート電極とが重複する重複部分は電子放出領域に該当し、電子放出領域が2次元マトリクス状に配列されており、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造することができる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。即ち、例えばゲート電極及び絶縁層上には更に層間絶縁層が設けられ、層間絶縁層上に収束電極が設けられている電界放出素子、あるいは又、ゲート電極の上方に収束電極が設けられている電界放出素子とすることもできる。ここで、収束電極とは、開口部から放出され、アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キロボルト以上のオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。収束電極は、必ずしも、カソード電極とゲート電極とが重複する重複領域に設けられた電子放出部あるいは電子放出領域のそれぞれを取り囲むように個別に形成されている必要はなく、例えば、電子放出部あるいは電子放出領域の所定の配列方向に沿って延在させてもよいし、電子放出部あるいは電子放出領域の全てを1つの収束電極で取り囲む構成としてもよく(即ち、収束電極を、冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果たす中央の表示領域である有効領域の全体を覆う薄い1枚のシート状の構造としてもよく)、これによって、複数の電子放出部あるいは電子放出領域に共通の収束効果を及ぼすことができる。
収束電極の表面には、収束電極からのガス放出を抑制するためにカーボン層が形成されていてもよい。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の遷移金属を含む各種の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のカソード電極やゲート電極を形成することが可能である。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、真空蒸着法の他、例えばスパッタリング法やCVD法によっても形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。あるいは又、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体(カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバー)、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を直接形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、係る第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体薄膜を形成してもよい。抵抗体薄膜を形成することによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体薄膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系抵抗体材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体抵抗体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物や高融点金属窒化物を例示することができる。抵抗体薄膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。1つの電子放出部当たりの電気抵抗値は、概ね1×106〜1×1011Ω、好ましくは数十ギガΩとすればよい。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合するが、接合は接着層から成る接合部材を用いて行ってもよいし、あるいは、棒状あるいはフレーム状(枠状)であってガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から構成された枠体と接着層とから成る接合部材を用いて行ってもよい。枠体と接着層とから成る接合部材を用いる場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみから成る接合部材を使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、B23−PbO系フリットガラスやSiO2−B23−PbO系フリットガラスといったフリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
カソードパネルとアノードパネルと接合部材の三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と接合部材とを接合し、第2段階でカソードパネル又はアノードパネルの他方と接合部材とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと接合部材とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネルとアノードパネルと接合部材とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスとすることが好ましい。あるいは、低酸素ガス雰囲気(酸素ガス濃度:例えば100ppm以下)とすることもできる。
排気を行う場合、排気は、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管とも呼ばれる排気管を通じて行うことができる。排気管は、典型的にはガラス管、あるいは、低熱膨張率を有する金属や合金[例えば、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金や、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金]から成る中空管から構成され、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域(平面型表示装置としての実用上の機能を果たす中央の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に設けられた貫通部の周囲に、上述のフリットガラス又は低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られ、あるいは又、圧着することにより封じられる。尚、封じる前に、平面型表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間は高真空となっている。従って、カソードパネルとアノードパネルとの間に、例えば、セラミックス材料やガラスといった高抵抗材料から作製されたスペーサを配設しておかないと、大気圧によって平面型表示装置が損傷を受けてしまう。
スペーサは、例えばセラミックスやガラスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、係るグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサを構成するガラスとして、ソーダライムガラスを挙げることができる。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネル及び/又はカソードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部によって固定すればよい。
スペーサの表面には、帯電防止膜が設けられていてもよい。帯電防止膜を構成する材料は、その2次電子放出係数が1に近いことが好ましく、帯電防止膜を構成する材料として、グラファイト等の半金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、及び、窒化物等を用いることができる。例えば、グラファイト等の半金属及びMoSe2等の半金属元素を含む化合物、CrOx、CrAlxy、Nd23、LaxBa2-xCuO4、LaxBa2-xCuO4、Lax1-xCrO3等の酸化物、AlB2、TiB2等のホウ化物、SiC等の炭化物、MoS2、WS2等の硫化物、及び、BN、TiN、AlN等の窒化物等を挙げることができるし、更には、例えば、特表2004−500688号公報等に記載されている材料等を用いることもできる。帯電防止膜は、単一の種類の材料から成るものであってもよいし、複数の種類の材料から成るものであってもよいし、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。帯電防止膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等、周知の方法に基づき形成することができる。
本発明にあっては、アノード電極と電子吸収層との間に密着向上層が形成されているので、アノードパネルが種々の熱工程における加熱、冷却による熱収縮や加熱雰囲気の影響を受けても、電子吸収層がアノード電極から部分的にあるいは全体的に剥離したり、電子吸収層にクラックが発生することを確実に防止することができる。その結果、後方散乱電子に起因したコントラスト低下を回避でき、色純度の向上を図ることができるだけでなく、耐圧の向上を達成することができるし、アノード電極に高電圧を印加したとき、放電が誘起されたり、平面型表示装置の信頼性が低下し、平面型表示装置が短寿命化することを、確実に回避することができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の平面型表示装置に関する。具体的には、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3における平面型表示装置は、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)である。実施例1の表示装置の模式的な一部端面図を図1に示す。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3における表示装置は、複数の電子放出領域EAが支持体10に設けられたカソードパネルCP、並びに、複数の蛍光体領域22及び少なくとも蛍光体領域22を被覆するアノード電極24が基板20に設けられたアノードパネルAPから成り、カソードパネルCPとアノードパネルAPとが、それらの周縁部で接合部材26を介して接合されて成る表示装置である。尚、複数の電子放出領域EAは、有効領域(平面型表示装置としての実用上の画像表示機能を果たす略中央に位置する表示領域であり、この有効領域は額縁状に包囲する無効領域によって囲まれている)を構成する支持体10の部分に2次元マトリクス状に配列され、複数の蛍光体領域22は、各蛍光体領域22が電子放出領域EAに対向するように、有効領域を構成する基板20の部分に2次元マトリクス状に配列されている。ここで、カソードパネルCPとアノードパネルAPによって挟まれた空間は真空状態(圧力:例えば10-3Pa以下)となっている。尚、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのアノードパネルAP及びカソードパネルCPの一部分の模式的な部分的分解斜視図は、基本的に、図12に示したと同様である。
ここで、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3において、電子放出領域EAを構成する電子放出素子は、例えば、スピント型冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)から構成されている。即ち、スピント型電界放出素子は、図1〜図3に示すように、
(a)支持体10に形成されたカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成されたゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、並びに、
(e)開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15、
から構成されている。
あるいは又、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3にあっては、電子放出素子は、例えば扁平型電界放出素子から構成されている。即ち、扁平型電界放出素子は、図11に示したように、
(a)支持体10上に形成されたカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成されたゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、並びに、
(e)開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された電子放出部15A、
から構成されている。ここで、電子放出部15Aは、例えば、マトリックスに一部分が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
カソードパネルCPにおいて、カソード電極11は、第1の方向(図面におけるX方向参照)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1の方向とは異なる第2の方向(図面におけるY方向参照)に延びる帯状である。カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。1サブピクセルに相当する電子放出領域EAには、複数の電界放出素子が設けられている。また、絶縁層12及びゲート電極13上には層間絶縁層16が設けられており、更には、収束電極17が、電界放出素子の所定の配列方向に沿って層間絶縁層16上に設けられており、複数の電界放出素子に共通の収束効果を及ぼすことができる。
実施例1において、アノードパネルAPは、基本的には、基板20上に形成された複数の蛍光体領域22(赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、及び、青色発光蛍光体領域22B)、並びに、真空蒸着法にて形成され、厚さ100nmのアルミニウム(Al)から成り、各蛍光体領域22を被覆するアノード電極24から構成されている。
また、蛍光体領域22と蛍光体領域22との間の基板20上には、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止するために、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。更には、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間には、アルミナ(Al23,純度99.8重量%)から成るスペーサ40(図1には図示せず)が配置されている。
そして、アノード電極24上には、蛍光体領域22及び/又はアノード電極24からの電子(アノード電極24や蛍光体領域22に衝突した電子が反跳し、アノードパネルAPからカソードパネルの方向へと飛び出す電子であり、また、電子の蛍光体領域への衝突によって蛍光体領域からカソードパネルの方向へと放出される2次電子であり、これらの反跳電子や2次電子を総称して、後方散乱電子と呼ぶ)を吸収する電子吸収層51が形成されている。ここで、電子吸収層51はカーボンから成り、平均厚さは100nm乃至300nmであり、スパッタリング法にて形成されている。
また、アノード電極24と電子吸収層51との間には密着向上層50が形成されている。ここで、密着向上層50は、平均厚さ20nmの炭化珪素層(具体的には、炭素が30モル%以上、90モル%以下のSiC)から成り、あるいは又、平均厚さ20nmの炭化珪素及び炭化ホウ素(B4C)から構成された層から成り、あるいは又、平均厚さ20nmの炭化タングステン層から成り、スパッタリング法にて形成されている。
実施例1のアノードパネルAPにあっては、より具体的には、基板20上に形成された光吸収層(ブラックマトリックス)23の上、及び、基板20上に形成された蛍光体領域22の上には、アノード電極24が形成され、アノード電極24の全面には密着向上層50が形成され、密着向上層50上に電子吸収層51が形成されている。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例3の表示装置において、カソード電極11はカソード電極制御回路31に接続され、ゲート電極13はゲート電極制御回路32に接続され、収束電極は収束電極制御回路(図示せず)に接続され、アノード電極24はアノード電極制御回路33に接続されている。これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。表示装置の実動作時、アノード電極制御回路33からアノード電極24に印加されるアノード電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。一方、表示装置の実動作時、カソード電極11に印加する電圧VC及びゲート電極13に印加する電圧VGに関しては、
(1)カソード電極11に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極13に印加する電圧VGを変化させる方式
(2)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極13に印加する電圧VGを一定とする方式
(3)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極13に印加する電圧VGも変化させる方式
のいずれを採用してもよい。
表示装置の実動作時、カソード電極11には相対的に負電圧(VC)がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧(VG)がゲート電極制御回路32から印加され、収束電極17には例えば0ボルトが収束電極制御回路(図示せず)から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧(アノード電圧VA)がアノード電極制御回路33から印加される。係る表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。尚、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15,15Aから電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体領域22に衝突する。その結果、蛍光体領域22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧VG、及び、カソード電極11に印加される電圧VCによって制御される。
以下、実施例1の平面型表示装置の製造方法の概要を説明する。
[工程−100]
先ず、基板20上に、格子状の酸化クロムから成る光吸収層(ブラックマトリックス)23を形成する。
[工程−110]
次に、光吸収層23によって囲まれた基板20の露出した表面の部分の上に蛍光体領域22を形成する。具体的には、赤色発光蛍光体領域22Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリーを乾燥する。その後、基板20側から赤色発光蛍光体領域22Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光する。赤色発光蛍光体スラリーは基板20側から徐々に硬化する。形成される赤色発光蛍光体領域22Rの厚さは、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量により決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光蛍光体領域22Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の領域に赤色発光蛍光体領域22Rを形成することができる。以下、緑色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光蛍光体領域22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光体領域22Bを形成する。蛍光体領域の形成方法は、以上に説明した方法に限定されず、赤色発光蛍光体ペースト、緑色発光蛍光体ペースト、青色発光蛍光体ペーストを順次、任意のパターンに塗布した後、各蛍光体塗布領域を順次露光、現像して、各蛍光体領域を形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体領域を形成してもよい。
[工程−120]
その後、全面に樹脂層を形成する。具体的には、メタルマスク印刷法あるいはスクリーン印刷法に基づき、樹脂層を形成することができる。次に、樹脂層を乾燥させる。即ち、基板20を乾燥炉内に搬入し、所定の温度にて乾燥させる。樹脂層の乾燥温度は例えば50°C〜90°Cの範囲内とすることが好ましく、樹脂層の乾燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ましい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増する。あるいは又、樹脂層を、以下に説明する方法で形成することもできる。即ち、蛍光体領域22が形成された基板20を、処理槽内に満たされた液体(具体的には、水)中に、蛍光体領域22が液面側を向くように浸漬する。尚、処理槽の排出部は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平坦な表面を有する樹脂層を形成する。具体的には、樹脂層を構成する樹脂(ラッカー)を溶解した有機溶剤を液面に滴下する。即ち、液面上に、樹脂層を形成するための樹脂層材料を展開する。樹脂層を構成する樹脂(ラッカー)は、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリルラッカーから構成される。続いて、樹脂層材料を液面に浮遊させた状態において、例えば2分間程度乾燥させる。これによって、樹脂層材料が成膜され、液面上に樹脂層が平坦に形成される。樹脂層を形成する際には、例えば、その厚さが約30nmとなるように樹脂層材料の展開量を調整する。続いて、処理槽の排出部を開き、処理槽から液体を排出して液面を降下させることにより、液面上に形成されていた樹脂層が基板20に近づく方向に移動し、樹脂層が蛍光体領域22及び光吸収層23に接触し、最終的に、樹脂層が蛍光体領域22及び光吸収層23上に残される。
[工程−130]
その後、全面に(具体的には、樹脂層上に)導電材料層を形成する。具体的には、真空蒸着法又はスパッタリング法により、樹脂層を覆うように、例えばアルミニウム(Al)から成る導電材料層を形成する。
[工程−140]
次いで、加熱処理を施すことで樹脂層を除去する。具体的には、400゜C程度で樹脂層を焼成する。この焼成処理により樹脂層が燃焼して焼失し、アルミニウムから成る導電材料層(アノード電極24)が蛍光体領域22上及び光吸収層23上に残される。尚、樹脂層の燃焼により生じたガスは、例えば、導電材料層に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。この孔は微細なため、アノード電極24の構造的な強度や画像表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
[工程−150]
その後、全面にスパッタリング法にて密着向上層50を形成し、更に、スパッタリング法にて密着向上層50上に電子吸収層51を形成する。スパッタリング法に基づく炭化珪素層から成る密着向上層50の成膜条件を、以下の表1に例示する。また、スパッタリング法に基づくカーボンから成る電子吸収層51の成膜条件を、以下の表2に例示する。
[表1]炭化珪素層から成る密着向上層の成膜条件
成膜雰囲気 :Arガス雰囲気
圧力 :0.65Pa
ターゲット印加電力:6.5W/cm2
[表2]カーボンから成る電子吸収層の成膜条件
成膜雰囲気 :Arガス雰囲気
圧力 :0.6Pa
ターゲット印加電力:7.5W/cm2
以上の工程によって、アノードパネルAPを完成することができる。
[工程−160]
電界放出素子が形成されたカソードパネルCPを準備する。そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、例えば、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部25にスペーサ40を取り付け、蛍光体領域22と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約2mmの枠体とフリットガラスから構成された接着層とから成る接合部材26を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、例えば、窒素ガス雰囲気において、接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成すればよい。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)及び排気管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点で排気管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと接合部材26とに囲まれた空間を真空にすることができる。あるいは又、例えば、接合部材26とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみから成る接合部材によってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置を完成させる。
実施例1にあっては、アノード電極24上に、平均厚さ20nmの炭化珪素層から成る密着向上層50、あるいは又、平均厚さ20nmの炭化珪素及び炭化ホウ素から構成された層から成る密着向上層50、あるいは又、平均厚さ20nmの炭化タングステン層から成る密着向上層50が形成されているので、[工程−160]において、窒素ガス雰囲気にて接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成しても、電子吸収層51が密着向上層50から剥離したり、電子吸収層51にクラックが発生することはなかった。
比較のために、[工程−150]と同様の工程において、密着向上層50を形成することなく、アノード電極24上に、直接、スパッタリング法にて電子吸収層51を形成したアノードパネルを作製し、[工程−160]と同様の工程において表示装置の組み立てを行ったところ、窒素ガス雰囲気にて接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成したとき、電子吸収層51がアノード電極24から剥離してしまった。
尚、[工程−140]と[工程−150]との間において、アノード電極24の表面に対して、一種の洗浄処理を行い、アノード電極24の表面に形成された酸化膜やアノード電極24の表面に付着した有機物質等を除去してもよく、これによって、アノード電極24への密着向上層50の密着性を一層向上させることができる。具体的には、例えば、エネルギー密度5.7W/cm2の条件にてプラズマエッチングを行うといった洗浄処理を行えばよい。以下に説明する実施例においても、同様とすることができる。
また、[工程−150]において、全面にスパッタリング法にてカーボンから成る電子吸収層51を形成する前に、アノードパネルAPが搬入されたスパッタリング装置内を十分に清浄な雰囲気(例えば、水分の除去能力に優れたクライオポンプを用いてスパッタリング装置内における真空バックグランド値を3.5x10-4Pa以下とし、この状態を30分以上保持する)とした状態とした後、スパッタリング法にて電子吸収層51を形成すると、このような処理をしないでスパッタリング法にて電子吸収層51を形成した場合と比較して、後の工程において、窒素ガス雰囲気にて接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成したとき、カーボンから成る電子吸収層51のシート抵抗値を約1/50に安定して低減することができた。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2のアノードパネルAPにあっては、各蛍光体領域22を取り囲む格子状の隔壁21が基板20上に形成されている。
実施例2にあっても、1画素は、赤色発光蛍光体領域22R、緑色発光蛍光体領域22G、及び、青色発光蛍光体領域22Bから構成されており、1サブピクセルは、蛍光体領域22から構成されている。表示装置の模式的な一部端面図を図2に示すように、実施例2にあっては、実施例1と異なり、各蛍光体領域が隔壁21によって囲まれている。格子状の隔壁21における蛍光体領域を取り囲む部分の平面形状(隔壁側面の射影像の内側輪郭線に相当し、一種の開口領域である)は、矩形形状(長方形)であり、これらの平面形状(開口領域の平面形状)は2次元マトリクス状(より具体的には、井桁)に配列され、格子状の隔壁21が形成されている。尚、参照番号40はスペーサであり、参照番号25は、隔壁21によって構成されたスペーサ保持部である。
隔壁21とスペーサ40と蛍光体領域22の配置状態の一例を模式的に図4〜図9に示す。尚、図1〜図3に示す表示装置における蛍光体領域等の配列を、図5あるいは図7に示す構成としている。また、図4〜図9においてはアノード電極の図示を省略している。隔壁21の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体領域22の四方を取り囲む形状(図4、図5、図6、図7参照)、あるいは、略矩形の(あるいは帯状の)蛍光体領域22の対向する二辺と平行に延びる帯状形状を挙げることができる(図8及び図9参照)。尚、図8に示す蛍光体領域22にあっては、蛍光体領域22R,22G,22Bを、図8の上下方向に延びる帯状とすることもできる。隔壁21の一部は、スペーサ40を保持するためのスペーサ保持部25としても機能する。
このように隔壁21が形成されている点を除き、実施例2におけるアノードパネルAPあるいは実施例2の表示装置の構造、構成は、実施例1におけるアノードパネルAPあるいは実施例1の表示装置の構造、構成と同じとすることができるので、詳細な説明は省略する。
以下、実施例2の平面型表示装置の製造方法の概要を説明する。
[工程−200]
先ず、基板20上に格子状の隔壁21を形成する。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって鉛ガラス層を選択的に加工することにより、井桁状の隔壁21を形成する。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをスクリーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、かかる低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁21を形成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板20の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を露光、現像することによって、隔壁21を形成してもよい。隔壁21の開口領域の大きさを、およそ、縦×横×高さ=280μm×100μm×60μmとした。尚、隔壁21の形成前に、隔壁21を形成すべき基板20の部分の表面に、例えば、酸化クロムから成る光吸収層(ブラックマトリックス)23を形成することが好ましい。
[工程−210]
次に、隔壁21によって取り囲まれた基板20の部分の上に、実施例1の[工程−110]と同様にして、蛍光体領域22を形成する。
[工程−220]
その後、隔壁21の頂面上及び蛍光体領域22上に樹脂層を形成する。具体的には、実施例1の[工程−120]と概ね同様の工程を実行すればよい。
[工程−230]
その後、実施例1の[工程−130]と同様にして、全面に(具体的には樹脂層上に)導電材料層を形成する。
[工程−240]
次いで、実施例1の[工程−140]と同様にして、加熱処理を施すことで樹脂層を除去する。
[工程−250]
次に、実施例1の[工程−150]と同様にして、全面にスパッタリング法にて密着向上層50を形成し、更に、スパッタリング法にて密着向上層50上に電子吸収層51を形成した後、実施例1の[工程−160]と同様にして、表示装置の組み立てを行えばよい。尚、実施例2あるいは後述する実施例3にあっては、密着向上層50の厚さを50nmとし、電子吸収層51の厚さを150nmとした。
実施例2にあっても、アノード電極24上に、平均厚さ200nmの炭化珪素層から成る密着向上層50、あるいは又、平均厚さ50nmの炭化珪素及び炭化ホウ素から構成された層から成る密着向上層50、あるいは又、平均厚さ200nmの炭化タングステン層から成る密着向上層50が形成されているので、[工程−160]において、窒素ガス雰囲気にて接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成しても、厚さ150nmの電子吸収層51が密着向上層50から剥離したり、電子吸収層51にクラックが発生することはなかった。
比較のために、[工程−250]と同様の工程において、密着向上層50を形成することなく、アノード電極24上に、直接、スパッタリング法にて電子吸収層51を形成したアノードパネルを作製して、表示装置の組み立てを行ったところ、窒素ガス雰囲気にて接着層を約400゜Cで10〜30分で焼成したとき、電子吸収層51がアノード電極24から剥離してしまった。
実施例3は、実施例2の変形である。実施例2にあっては、隔壁21の頂面には、アノード電極24、密着向上層50、及び、電子吸収層51が形成されている。一方、表示装置の模式的な一部端面図を図3に示すように、実施例3にあっては、アノード電極は、各蛍光体領域を覆い、且つ、隔壁の側面まで延びているが、隔壁21の頂面にはアノード電極24は形成されておらず、隔壁21の頂面には、密着向上層50及び電子吸収層51のみが形成されている。即ち、アノード電極24は、複数の(より具体的には、サブピクセルに対応した)アノード電極ユニット24Aから構成されている。尚、隣接するアノード電極ユニット24A間は、密着向上層50及び電子吸収層51によって電気的に接続されている。
このように隔壁21が形成され、しかも、アノード電極24が複数のアノード電極ユニット24Aから構成されている点を除き、実施例3におけるアノードパネルAPあるいは実施例3の表示装置の構造、構成は、実施例1におけるアノードパネルAPあるいは実施例1の表示装置の構造、構成と同じとすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例3におけるアノードパネルAPは、実施例2の[工程−240]と[工程−250]の間において、適切な方法(例えば、エッチング法)で隔壁21の頂面に位置するアノード電極の部分を除去するか、実施例2の[工程−230]において、全面に導電材料層を形成する代わりに、蛍光体領域22上(あるいは、蛍光体領域22及び隔壁21の側面の上)に導電材料層を形成することで、作製することができる。
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明した平面型表示装置、カソードパネルやアノードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノードパネルやカソードパネル、冷陰極電界電子放出表示装置や冷陰極電界電子放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。場合によっては、収束電極の形成を省略することもできる。
また、電子吸収層の上に第2密着向上層を形成し、第2密着向上層上に第2電子吸収層を形成するといった構成とすることもできる。尚、この場合、電子吸収層と第2電子吸収層とは必ずしも同じ材料から形成されている必要はなく、密着向上層と第2密着向上層とは必ずしも同じ材料から形成されている必要はない。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層に係る複数の第1開口部に連通した第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
表面伝導型電子放出素子と通称される電子放出素子から電子放出領域を構成することもできる。この表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出される。係る電子をアノードパネル上の蛍光体領域に衝突させることによって、蛍光体領域が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。あるいは又、金属/絶縁膜/金属型素子から電子放出領域を構成することもできる。
図1は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を備えた実施例1の平面型表示装置の模式的な一部端面図である。 図2は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を備えた実施例2の平面型表示装置の模式的な一部端面図である。 図3は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を備えた実施例3の平面型表示装置の模式的な一部端面図である。 図4は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図5は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図6は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図7は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図8は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図9は、平面型表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体領域の配置を模式的に示す配置図である。 図10は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を備えた従来の平面型表示装置の模式的な一部端面図である。 図11は、扁平型冷陰極電界電子放出素子を備えた従来の平面型表示装置の模式的な一部端面図である。 図12は、冷陰極電界電子放出表示装置のカソードパネル及びアノードパネルの模式的な部分的分解斜視図である。
符号の説明
AP・・・アノードパネル、CP・・・カソードパネル、EA・・・電子放出領域、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口部、15,15A・・・電子放出部、16・・・層間絶縁層、17・・・収束電極、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体領域、23・・・光吸収層(ブラックマトリックス)、24・・・アノード電極、24A・・・アノード電極ユニット、25・・・スペーサ保持部、26・・・接合部材、31・・・カソード電極制御回路、33・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、40・・・スペーサ、50・・・密着向上層、51・・・電子吸収層

Claims (4)

  1. 複数の電子放出領域が支持体に設けられたカソードパネル、並びに、複数の蛍光体領域及び少なくとも該蛍光体領域を被覆するアノード電極が基板に設けられたアノードパネルから成り、カソードパネルとアノードパネルとが、それらの周縁部で接合部材を介して接合された平面型表示装置であって、
    アノード電極上には、蛍光体領域及び/又はアノード電極からの電子を吸収する電子吸収層が形成され、
    アノード電極と電子吸収層との間には密着向上層が形成されていることを特徴とする平面型表示装置。
  2. 各蛍光体領域を取り囲む格子状の隔壁が基板に設けられており、
    アノード電極は、各蛍光体領域を覆い、且つ、隔壁の側面まで延びており、
    隔壁の頂面には、密着向上層及び電子吸収層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  3. 電子吸収層はカーボンから成ることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  4. 密着向上層は、炭化珪素層から成り、又は、炭化珪素及び炭化ホウ素から構成された層から成り、又は、炭化タングステン層から成ることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
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