JP2003249170A - 表示用パネル及びその製造方法 - Google Patents
表示用パネル及びその製造方法Info
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- JP2003249170A JP2003249170A JP2002048403A JP2002048403A JP2003249170A JP 2003249170 A JP2003249170 A JP 2003249170A JP 2002048403 A JP2002048403 A JP 2002048403A JP 2002048403 A JP2002048403 A JP 2002048403A JP 2003249170 A JP2003249170 A JP 2003249170A
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
- Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】電子の衝突によっても蛍光体粒子が劣化し難い
構造を有する表示用パネルを製造する方法を提供する。 【解決手段】表示用パネルの製造方法は、(a)蛍光体
層22が形成された基板20を、処理槽内に満たされた
液体中に、蛍光体層22が液面側を向くように浸漬する
工程と、(b)液面上に中間膜23を形成する工程と、
(c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜23を蛍光体層22上に残す工程と、
(d)中間膜23を乾燥させる工程と、(e)中間膜2
3上に反射膜24を形成する工程と、(f)中間膜23
を焼成する工程から成り、中間膜を構成する樹脂のガラ
ス転移温度は15゜C乃至30゜Cである。
構造を有する表示用パネルを製造する方法を提供する。 【解決手段】表示用パネルの製造方法は、(a)蛍光体
層22が形成された基板20を、処理槽内に満たされた
液体中に、蛍光体層22が液面側を向くように浸漬する
工程と、(b)液面上に中間膜23を形成する工程と、
(c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜23を蛍光体層22上に残す工程と、
(d)中間膜23を乾燥させる工程と、(e)中間膜2
3上に反射膜24を形成する工程と、(f)中間膜23
を焼成する工程から成り、中間膜を構成する樹脂のガラ
ス転移温度は15゜C乃至30゜Cである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示用パネル及び
その製造方法に関し、詳しくは、蛍光体層を備え、電子
線源から射出された電子が蛍光体層に衝突することによ
って蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表示用
パネル及びその製造方法に関する。
その製造方法に関し、詳しくは、蛍光体層を備え、電子
線源から射出された電子が蛍光体層に衝突することによ
って蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表示用
パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】電界放出素子を利用した冷陰極電界電子放
出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合がある)の模式
的な一部端面図を図3に示し、カソードパネルCPの模
式的な部分的斜視図を図4に示す。図示した電界放出素
子は、円錐形の電子放出部15を有する、所謂スピント
(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの素
子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成さ
れたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極
11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成
されたゲート電極13と、ゲート電極13に設けられた
第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられ、第1開口
部14Aに連通した第2開口部14Bと、第2開口部1
4Bの底部に位置するカソード電極11上に形成された
円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、
カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電
極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に
形成されており、これらの両電極の射影像が重複する部
分に相当する領域(1画素分の領域に相当する。この領
域を、以下、重複領域と呼ぶ)に、通常、複数の電界放
出素子が設けられている。更に、かかる重複領域が、カ
ソードパネルCPの有効領域(実際の表示画面として機
能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列さ
れている。
出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合がある)の模式
的な一部端面図を図3に示し、カソードパネルCPの模
式的な部分的斜視図を図4に示す。図示した電界放出素
子は、円錐形の電子放出部15を有する、所謂スピント
(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタイプの素
子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成さ
れたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極
11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成
されたゲート電極13と、ゲート電極13に設けられた
第1開口部14Aと、絶縁層12に設けられ、第1開口
部14Aに連通した第2開口部14Bと、第2開口部1
4Bの底部に位置するカソード電極11上に形成された
円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、
カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電
極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に
形成されており、これらの両電極の射影像が重複する部
分に相当する領域(1画素分の領域に相当する。この領
域を、以下、重複領域と呼ぶ)に、通常、複数の電界放
出素子が設けられている。更に、かかる重複領域が、カ
ソードパネルCPの有効領域(実際の表示画面として機
能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列さ
れている。
【0004】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍
光体層22と、その上に形成された反射膜としても機能
するアノード電極24から構成されている。1画素は、
カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13
との重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これ
らの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の
蛍光体層22とによって構成されている。実際の表示部
分として機能する領域である有効領域には、かかる画素
が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列され
ている。尚、蛍光体層22と蛍光体層22との間の基板
20上には隔壁21が形成されている。隔壁21とスペ
ーサ25と蛍光体層22の配置状態の一例を模式的に図
5に示す。
と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍
光体層22と、その上に形成された反射膜としても機能
するアノード電極24から構成されている。1画素は、
カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13
との重複領域に設けられた電界放出素子の一群と、これ
らの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の
蛍光体層22とによって構成されている。実際の表示部
分として機能する領域である有効領域には、かかる画素
が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列され
ている。尚、蛍光体層22と蛍光体層22との間の基板
20上には隔壁21が形成されている。隔壁21とスペ
ーサ25と蛍光体層22の配置状態の一例を模式的に図
5に示す。
【0005】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電界放出素子と蛍光体層22とが対向するように
配置し、周縁部において枠体30を介して接合すること
によって、表示装置を作製することができる。有効領域
を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された
無効領域には、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設け
られており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られた
チップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノー
ドパネルAPとカソードパネルCPと枠体30とによっ
て囲まれた空間は真空となっている。尚、アノードパネ
ルAP及びカソードパネルCPには大気によって圧力が
加わる。そして、この圧力によって表示装置が破損しな
いように、アノードパネルAPとカソードパネルCPと
の間には、高さが例えば1mm程度の所謂スペーサ25
(図5参照)が配置されている。尚、図3においては、
スペーサの図示を省略した。
とを、電界放出素子と蛍光体層22とが対向するように
配置し、周縁部において枠体30を介して接合すること
によって、表示装置を作製することができる。有効領域
を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された
無効領域には、真空排気用の貫通孔(図示せず)が設け
られており、この貫通孔には真空排気後に封じ切られた
チップ管(図示せず)が接続されている。即ち、アノー
ドパネルAPとカソードパネルCPと枠体30とによっ
て囲まれた空間は真空となっている。尚、アノードパネ
ルAP及びカソードパネルCPには大気によって圧力が
加わる。そして、この圧力によって表示装置が破損しな
いように、アノードパネルAPとカソードパネルCPと
の間には、高さが例えば1mm程度の所謂スペーサ25
(図5参照)が配置されている。尚、図3においては、
スペーサの図示を省略した。
【0006】カソード電極11には相対的な負電圧がカ
ソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13
には相対的な正電圧がゲート電極制御回路32から印加
され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に
高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加され
る。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、
カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査
信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路3
2からビデオ信号を入力する。カソード電極11とゲー
ト電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界によ
り、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子
が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けら
れ、アノード電極24を通過し、蛍光体層22に衝突す
る。その結果、蛍光体層22が励起されて発光し、所望
の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動
作や明るさは、基本的に、ゲート電極13に印加される
電圧、及び、カソード電極11を通じて電子放出部15
に印加される電圧によって制御される。
ソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13
には相対的な正電圧がゲート電極制御回路32から印加
され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に
高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加され
る。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、
カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査
信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路3
2からビデオ信号を入力する。カソード電極11とゲー
ト電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界によ
り、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子
が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けら
れ、アノード電極24を通過し、蛍光体層22に衝突す
る。その結果、蛍光体層22が励起されて発光し、所望
の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動
作や明るさは、基本的に、ゲート電極13に印加される
電圧、及び、カソード電極11を通じて電子放出部15
に印加される電圧によって制御される。
【0007】アノード電極24は、蛍光体層22からの
発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは放出された二次電子を反
射させる反射膜としての機能、蛍光体層22の帯電防止
といった機能を有する。また、隔壁21は、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出
された二次電子が他の蛍光体層22に入射し、所謂光学
的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機
能を有する。
発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは放出された二次電子を反
射させる反射膜としての機能、蛍光体層22の帯電防止
といった機能を有する。また、隔壁21は、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出
された二次電子が他の蛍光体層22に入射し、所謂光学
的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機
能を有する。
【0008】以下、図1の(A)〜(F)及び図19を
参照して、従来の表示装置におけるアノードパネルAP
の製造方法の概要を説明する。
参照して、従来の表示装置におけるアノードパネルAP
の製造方法の概要を説明する。
【0009】[工程−10]先ず、ガラス基板から成る
基板20上に隔壁21を形成する(図1の(A)参
照)。
基板20上に隔壁21を形成する(図1の(A)参
照)。
【0010】[工程−20]次に、赤色発光蛍光体層を
形成するために、例えばポリビニルアルコール(PV
A)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、
重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラ
リーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリ
ーを乾燥、露光、現像することによって、所定の隔壁2
1の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成する(図1の
(B)参照)。このような操作を、緑色発光蛍光体スラ
リー、青色発光蛍光体スラリーについても同様に行うこ
とによって、最終的に、所定の隔壁21の間に、赤色発
光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光
蛍光体層22Bを形成する(図1の(C)、及び、図5
の模式的な部分的配置図を参照)。
形成するために、例えばポリビニルアルコール(PV
A)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、
重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラ
リーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリ
ーを乾燥、露光、現像することによって、所定の隔壁2
1の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成する(図1の
(B)参照)。このような操作を、緑色発光蛍光体スラ
リー、青色発光蛍光体スラリーについても同様に行うこ
とによって、最終的に、所定の隔壁21の間に、赤色発
光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光
蛍光体層22Bを形成する(図1の(C)、及び、図5
の模式的な部分的配置図を参照)。
【0011】[工程−30]その後、各蛍光体層22
R,22G,22B(これらを総称して、単に蛍光体層
22と呼ぶ場合がある)の上に、主にニトロセルロース
から構成されたラッカーから成る中間膜23を形成する
(図1の(D)参照)。具体的には、水槽内に蛍光体層
22が形成された基板20を沈め、水面にラッカー膜を
形成した後、水槽内の水を抜くことによって、ラッカー
から成る中間膜23を蛍光体層22の上から隔壁21の
上に亙って形成することができる。
R,22G,22B(これらを総称して、単に蛍光体層
22と呼ぶ場合がある)の上に、主にニトロセルロース
から構成されたラッカーから成る中間膜23を形成する
(図1の(D)参照)。具体的には、水槽内に蛍光体層
22が形成された基板20を沈め、水面にラッカー膜を
形成した後、水槽内の水を抜くことによって、ラッカー
から成る中間膜23を蛍光体層22の上から隔壁21の
上に亙って形成することができる。
【0012】[工程−40]その後、全面にアルミニウ
ムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形成
する(図1の(E)参照)。最後に、400゜C程度の
加熱処理を行うことによって、中間膜23を焼成する
と、図1の(F)に示すような構造を得ることができ
る。尚、蛍光体層22、アノード電極24、隔壁21を
拡大した模式図を図19に示す。
ムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形成
する(図1の(E)参照)。最後に、400゜C程度の
加熱処理を行うことによって、中間膜23を焼成する
と、図1の(F)に示すような構造を得ることができ
る。尚、蛍光体層22、アノード電極24、隔壁21を
拡大した模式図を図19に示す。
【0013】蛍光体層22の上のアノード電極24は、
概ね平坦である。一方、蛍光体層22は多数の蛍光体粒
子から構成されているので、蛍光体層22の頂面は凹凸
である。それ故、アノード電極24は、蛍光体層22を
構成する蛍光体粒子と一種の点接触状態、あるいは、図
19あるいは図20に模式図を示すように、接触面積が
小さい状態にある。
概ね平坦である。一方、蛍光体層22は多数の蛍光体粒
子から構成されているので、蛍光体層22の頂面は凹凸
である。それ故、アノード電極24は、蛍光体層22を
構成する蛍光体粒子と一種の点接触状態、あるいは、図
19あるいは図20に模式図を示すように、接触面積が
小さい状態にある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アノード電
極24と蛍光体粒子とが、図19あるいは図20に示す
接触状態にある場合、蛍光体層22への電子の衝突によ
って蛍光体粒子の劣化が顕著になることが判明してき
た。このような劣化した蛍光体粒子を更に観察すると、
アノード電極24と接していない蛍光体粒子の部分の方
が、アノード電極24と接している蛍光体粒子の部分よ
りも、劣化が著しい。このような蛍光体粒子の局所的な
劣化は、蛍光体粒子への電子の衝突による蛍光体粒子の
局所的な帯電、蛍光体粒子の温度上昇、蛍光体粒子の蒸
発等に起因すると推定される。このような蛍光体粒子の
劣化は、表示装置の短寿命化をもたらすが故に、回避し
なければならない重要な問題である。
極24と蛍光体粒子とが、図19あるいは図20に示す
接触状態にある場合、蛍光体層22への電子の衝突によ
って蛍光体粒子の劣化が顕著になることが判明してき
た。このような劣化した蛍光体粒子を更に観察すると、
アノード電極24と接していない蛍光体粒子の部分の方
が、アノード電極24と接している蛍光体粒子の部分よ
りも、劣化が著しい。このような蛍光体粒子の局所的な
劣化は、蛍光体粒子への電子の衝突による蛍光体粒子の
局所的な帯電、蛍光体粒子の温度上昇、蛍光体粒子の蒸
発等に起因すると推定される。このような蛍光体粒子の
劣化は、表示装置の短寿命化をもたらすが故に、回避し
なければならない重要な問題である。
【0015】従って、本発明の目的は、電子の衝突によ
っても蛍光体粒子が劣化し難い構造を有する表示用パネ
ル及びかかる表示用パネルを製造する方法を提供するこ
とにある。
っても蛍光体粒子が劣化し難い構造を有する表示用パネ
ル及びかかる表示用パネルを製造する方法を提供するこ
とにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る表示用パネルの製造方法
は、(A)基板、(B)蛍光体粒子から成り、基板上に
形成された蛍光体層、及び、(C)該蛍光体層の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜、を少なくとも備え、
電子線源から射出され、反射膜を通過した電子が蛍光体
層に衝突することによって蛍光体層が発光し、所望の画
像を得るための表示用パネルを製造する方法であって、
(a)蛍光体層が形成された基板を、処理槽内に満たさ
れた液体中に、蛍光体層が液面側を向くように浸漬する
工程と、(b)液面上に中間膜を形成する工程と、
(c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜を蛍光体層上に残す工程と、(d)中間
膜を乾燥させる工程と、(e)中間膜上に反射膜を形成
する工程と、(f)中間膜を焼成する工程、から成り、
中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度は15゜C乃至
30゜Cであることを特徴とする。
めの本発明の第1の態様に係る表示用パネルの製造方法
は、(A)基板、(B)蛍光体粒子から成り、基板上に
形成された蛍光体層、及び、(C)該蛍光体層の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜、を少なくとも備え、
電子線源から射出され、反射膜を通過した電子が蛍光体
層に衝突することによって蛍光体層が発光し、所望の画
像を得るための表示用パネルを製造する方法であって、
(a)蛍光体層が形成された基板を、処理槽内に満たさ
れた液体中に、蛍光体層が液面側を向くように浸漬する
工程と、(b)液面上に中間膜を形成する工程と、
(c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜を蛍光体層上に残す工程と、(d)中間
膜を乾燥させる工程と、(e)中間膜上に反射膜を形成
する工程と、(f)中間膜を焼成する工程、から成り、
中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度は15゜C乃至
30゜Cであることを特徴とする。
【0017】本発明の第1の態様に係る表示用パネルの
製造方法においては、前記工程(b)において、中間膜
を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を液面に滴下するこ
とによって中間膜を形成することが好ましい。また、液
体として水を使用することが好ましい。
製造方法においては、前記工程(b)において、中間膜
を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を液面に滴下するこ
とによって中間膜を形成することが好ましい。また、液
体として水を使用することが好ましい。
【0018】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る表示用パネルの製造方法は、(A)基板、
(B)蛍光体粒子から成り、基板上に形成された蛍光体
層、及び、(C)該蛍光体層の上に形成された金属薄膜
から成る反射膜、を少なくとも備え、電子線源から射出
され、反射膜を通過した電子が蛍光体層に衝突すること
によって蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表
示用パネルを製造する方法であって、(a)蛍光体層が
形成された基板の表面に水を散布して、全面に水から成
る薄膜を形成する工程と、(b)水から成る薄膜上に中
間膜を形成する工程と、(c)水から成る薄膜を蒸発さ
せて、中間膜を蛍光体層上に残す工程と、(d)中間膜
上に反射膜を形成する工程と、(e)中間膜を焼成する
工程、から成り、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温
度は15゜C乃至30゜Cであることを特徴とする。
の態様に係る表示用パネルの製造方法は、(A)基板、
(B)蛍光体粒子から成り、基板上に形成された蛍光体
層、及び、(C)該蛍光体層の上に形成された金属薄膜
から成る反射膜、を少なくとも備え、電子線源から射出
され、反射膜を通過した電子が蛍光体層に衝突すること
によって蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表
示用パネルを製造する方法であって、(a)蛍光体層が
形成された基板の表面に水を散布して、全面に水から成
る薄膜を形成する工程と、(b)水から成る薄膜上に中
間膜を形成する工程と、(c)水から成る薄膜を蒸発さ
せて、中間膜を蛍光体層上に残す工程と、(d)中間膜
上に反射膜を形成する工程と、(e)中間膜を焼成する
工程、から成り、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温
度は15゜C乃至30゜Cであることを特徴とする。
【0019】本発明の第2の態様に係る表示用パネルの
製造方法においては、前記工程(b)において、中間膜
を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を水から成る薄膜上
に噴霧することによって中間膜を形成することが好まし
い。
製造方法においては、前記工程(b)において、中間膜
を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を水から成る薄膜上
に噴霧することによって中間膜を形成することが好まし
い。
【0020】本発明の第1の態様若しくは第2の態様に
係る表示用パネルの製造方法(以下、これらを総称し
て、単に、本発明の表示用パネルの製造方法と呼ぶ場合
がある)において、中間膜を構成する樹脂のガラス転移
温度(ガラス転移点)は、Rheometric Scientific, In
c. RSA III粘弾性アナライザー(固体用)を用
いて測定した値であり、動的粘弾性特性の測定に基づき
機械的損失(力学的損失)tanδ(対数減衰率λとも
呼ばれる)を求める。温度をパラメータとした機械的損
失tanδ曲線の極大値がガラス転移温度Tgであり、
物質の2次転移温度に対応する。
係る表示用パネルの製造方法(以下、これらを総称し
て、単に、本発明の表示用パネルの製造方法と呼ぶ場合
がある)において、中間膜を構成する樹脂のガラス転移
温度(ガラス転移点)は、Rheometric Scientific, In
c. RSA III粘弾性アナライザー(固体用)を用
いて測定した値であり、動的粘弾性特性の測定に基づき
機械的損失(力学的損失)tanδ(対数減衰率λとも
呼ばれる)を求める。温度をパラメータとした機械的損
失tanδ曲線の極大値がガラス転移温度Tgであり、
物質の2次転移温度に対応する。
【0021】本発明の表示用パネルの製造方法において
は、中間膜を構成する樹脂はアクリル系樹脂から成るこ
とが望ましい。ここで、アクリル系樹脂として、メチル
メタアクリル樹脂、メタアクリル共重合樹脂、エチルメ
タアクリル樹脂、ブチルメタアクリル樹脂を例示するこ
とができる。中間膜を構成する樹脂を溶解する有機溶剤
として、トルエン、エチルアルコール、ミネラルスピリ
ッツ、イソアミルアセテート、ブタノール及びキシレン
を例示することができる。
は、中間膜を構成する樹脂はアクリル系樹脂から成るこ
とが望ましい。ここで、アクリル系樹脂として、メチル
メタアクリル樹脂、メタアクリル共重合樹脂、エチルメ
タアクリル樹脂、ブチルメタアクリル樹脂を例示するこ
とができる。中間膜を構成する樹脂を溶解する有機溶剤
として、トルエン、エチルアルコール、ミネラルスピリ
ッツ、イソアミルアセテート、ブタノール及びキシレン
を例示することができる。
【0022】上記の目的を達成するための本発明の表示
用パネルは、(A)基板、(B)蛍光体粒子から成り、
基板上に形成された蛍光体層、及び、(C)該蛍光体層
の上に形成された金属薄膜から成る反射膜、を少なくと
も備え、電子線源から射出され、反射膜を通過した電子
が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
所望の画像を得るための表示用パネルであって、反射膜
と接触した蛍光体粒子の基板法線方向における射影像の
面積をS0、該蛍光体粒子の反射膜との接触面積をS1と
したとき、1.9S0≦S1、好ましくは2.0S0≦S1
を満足することを特徴とする。
用パネルは、(A)基板、(B)蛍光体粒子から成り、
基板上に形成された蛍光体層、及び、(C)該蛍光体層
の上に形成された金属薄膜から成る反射膜、を少なくと
も備え、電子線源から射出され、反射膜を通過した電子
が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
所望の画像を得るための表示用パネルであって、反射膜
と接触した蛍光体粒子の基板法線方向における射影像の
面積をS0、該蛍光体粒子の反射膜との接触面積をS1と
したとき、1.9S0≦S1、好ましくは2.0S0≦S1
を満足することを特徴とする。
【0023】本発明の表示用パネルにあっては、走査型
電子顕微鏡(SEM)を用いて反射膜側から観察を行
う。このとき、走査型電子顕微鏡の高電圧を適切に選択
することによって、反射膜と接している蛍光体粒子の部
分を明瞭に識別することができる。この画像をデータ処
理することによって、S1/S0を求めることができる。
電子顕微鏡(SEM)を用いて反射膜側から観察を行
う。このとき、走査型電子顕微鏡の高電圧を適切に選択
することによって、反射膜と接している蛍光体粒子の部
分を明瞭に識別することができる。この画像をデータ処
理することによって、S1/S0を求めることができる。
【0024】尚、本発明の表示用パネルにあっては、蛍
光体層は複数の蛍光体粒子から構成され、蛍光体層の表
面(頂面)は凹凸状である。従って、反射膜は、蛍光体
層の表面(頂面)を構成する全ての蛍光体粒子と接触し
ているわけではない。本発明の表示用パネルにおける面
積S0,S1の規定は、反射膜と接触した蛍光体粒子に関
する規定である。反射膜と接触していない蛍光体粒子に
は、本発明の表示用パネルにおける面積S0,S1の規定
は適用されない。
光体層は複数の蛍光体粒子から構成され、蛍光体層の表
面(頂面)は凹凸状である。従って、反射膜は、蛍光体
層の表面(頂面)を構成する全ての蛍光体粒子と接触し
ているわけではない。本発明の表示用パネルにおける面
積S0,S1の規定は、反射膜と接触した蛍光体粒子に関
する規定である。反射膜と接触していない蛍光体粒子に
は、本発明の表示用パネルにおける面積S0,S1の規定
は適用されない。
【0025】本発明の表示用パネルあるいはその製造方
法にあっては、反射膜は、アルミニウム(Al)又はク
ロム(Cr)から成ることが好ましく、例えば、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。そし
て、反射膜は、蛍光体層に入射する高速に加速された電
子の殆どを通過させる厚さを有することが望ましく、こ
の場合、具体的には、反射膜の厚さは、3×10-8m
(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好
ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m
(100nm)であることが望ましい。「高速に加速さ
れた電子」とは、3キロボルト乃至10キロボルト、好
ましくは6キロボルト乃至10キロボルトの電位差によ
って加速された状態の電子を意味する。また、「殆どを
通過させる」とは、反射膜に入射した電子の60%、好
ましくは80%以上が反射膜を通過することを意味す
る。あるいは又、反射膜は、蛍光体層から反跳した電
子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子を蛍光
体層に向かって反射させ、あるいは又、これらの電子を
反射膜にて吸収するような厚さであることが好ましい。
この場合、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光
体層から放出された二次電子が反射膜を通過する割合
は、60%以下、好ましくは30%以下であることが望
ましい。
法にあっては、反射膜は、アルミニウム(Al)又はク
ロム(Cr)から成ることが好ましく、例えば、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。そし
て、反射膜は、蛍光体層に入射する高速に加速された電
子の殆どを通過させる厚さを有することが望ましく、こ
の場合、具体的には、反射膜の厚さは、3×10-8m
(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好
ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m
(100nm)であることが望ましい。「高速に加速さ
れた電子」とは、3キロボルト乃至10キロボルト、好
ましくは6キロボルト乃至10キロボルトの電位差によ
って加速された状態の電子を意味する。また、「殆どを
通過させる」とは、反射膜に入射した電子の60%、好
ましくは80%以上が反射膜を通過することを意味す
る。あるいは又、反射膜は、蛍光体層から反跳した電
子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子を蛍光
体層に向かって反射させ、あるいは又、これらの電子を
反射膜にて吸収するような厚さであることが好ましい。
この場合、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光
体層から放出された二次電子が反射膜を通過する割合
は、60%以下、好ましくは30%以下であることが望
ましい。
【0026】本発明の表示用パネルあるいはその製造方
法にあっては、反射膜はアノード電極としても機能し、
表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノード
パネルを構成する形態とすることができる。あるいは
又、蛍光体層と基板との間にアノード電極が形成されて
おり、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のア
ノードパネルを構成する形態とすることもできる。これ
らの場合、電子線源は、冷陰極電界電子放出表示装置を
構成するカソードパネルに設けられた冷陰極電界電子放
出素子から成る。
法にあっては、反射膜はアノード電極としても機能し、
表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のアノード
パネルを構成する形態とすることができる。あるいは
又、蛍光体層と基板との間にアノード電極が形成されて
おり、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示装置のア
ノードパネルを構成する形態とすることもできる。これ
らの場合、電子線源は、冷陰極電界電子放出表示装置を
構成するカソードパネルに設けられた冷陰極電界電子放
出素子から成る。
【0027】表示用パネルあるいはアノードパネルを構
成する基板、カソードパネルを構成する支持体は、少な
くとも表面が絶縁性部材から構成されていればよく、無
アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、石英ガラ
ス基板といった各種のガラス基板、表面に絶縁膜が形成
された各種のガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形
成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基
板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点から
は、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成された
ガラス基板を用いることが好ましい。
成する基板、カソードパネルを構成する支持体は、少な
くとも表面が絶縁性部材から構成されていればよく、無
アルカリガラス基板、低アルカリガラス基板、石英ガラ
ス基板といった各種のガラス基板、表面に絶縁膜が形成
された各種のガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形
成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基
板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点から
は、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成された
ガラス基板を用いることが好ましい。
【0028】蛍光体層は、画素に対応してストライプ状
若しくはドット状に形成されていればよい。蛍光体層
は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の
蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使
用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し
て、赤色発光蛍光体層を形成し、次いで、緑色の感光性
の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面
に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体層を形成
し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色
蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青
色発光蛍光体層を形成する方法にて形成することができ
る。
若しくはドット状に形成されていればよい。蛍光体層
は、発光性結晶粒子(例えば、粒径5〜10nm程度の
蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使
用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し
て、赤色発光蛍光体層を形成し、次いで、緑色の感光性
の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面
に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体層を形成
し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色
蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青
色発光蛍光体層を形成する方法にて形成することができ
る。
【0029】発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料とし
ては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用い
ることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSC
で規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バ
ランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほ
ぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好まし
い。赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y2O3:Eu)、(Y2O2S:Eu)、(Y3Al5O
12:Eu)、(YBO3:Eu)、(YVO4:Eu)、
(Y2SiO5:Eu)、(Y0.96P0.60V0.40O4:E
u0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdB
O3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5MgO・
0.5MgF2・GeO2:Mn)、(Zn3(P
O4)2:Mn)、(LuBO3:Eu)、(SnO2:E
u)を例示することができる。緑色発光蛍光体層を構成
する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(B
aAl12O19:Mn)、(BaMg2Al16O27:M
n)、(MgGa2O4:Mn)、(YBO3:Tb)、
(LuBO3:Tb)、(Sr4Si3O8Cl4:E
u)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,A
u,Al)、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:T
b)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl
14O23:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO
4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd2O2S:T
b)、(ZnGa2O4:Mn)を例示することができ
る。青色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaW
O4、YP0.85V0.15O4、(BaMgAl14O23:E
u)、(Sr2P2O7:Eu)、(Sr2P2O7:S
n)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、Z
nMgO、ZnGaO4を例示することができる。
ては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用い
ることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSC
で規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バ
ランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほ
ぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好まし
い。赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y2O3:Eu)、(Y2O2S:Eu)、(Y3Al5O
12:Eu)、(YBO3:Eu)、(YVO4:Eu)、
(Y2SiO5:Eu)、(Y0.96P0.60V0.40O4:E
u0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdB
O3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5MgO・
0.5MgF2・GeO2:Mn)、(Zn3(P
O4)2:Mn)、(LuBO3:Eu)、(SnO2:E
u)を例示することができる。緑色発光蛍光体層を構成
する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(B
aAl12O19:Mn)、(BaMg2Al16O27:M
n)、(MgGa2O4:Mn)、(YBO3:Tb)、
(LuBO3:Tb)、(Sr4Si3O8Cl4:E
u)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,A
u,Al)、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:T
b)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl
14O23:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO
4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd2O2S:T
b)、(ZnGa2O4:Mn)を例示することができ
る。青色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaW
O4、YP0.85V0.15O4、(BaMgAl14O23:E
u)、(Sr2P2O7:Eu)、(Sr2P2O7:S
n)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、Z
nMgO、ZnGaO4を例示することができる。
【0030】本発明の表示用パネルあるいはその製造方
法を冷陰極電界電子放出表示装置あるいはその製造方法
に適用した場合、カソードパネルを構成する冷陰極電界
電子放出素子は如何なる形態の冷陰極電界電子放出素子
とすることもでき、例えば、円錐形の電子放出部を有す
る所謂スピント型冷陰極電界電子放出素子、王冠型の電
子放出部を有する所謂クラウン型冷陰極電界電子放出素
子、扁平な電子放出部を有する所謂扁平型冷陰極電界電
子放出素子、カソード電極から電子が放出される平面型
冷陰極電界電子放出素子やクレータ型冷陰極電界電子放
出素子、カソード電極に設けられたエッジ部から電子が
放出されるエッジ型冷陰極電界電子放出素子を挙げるこ
とができる。冷陰極電界電子放出表示装置として、所謂
3電極型だけでなく、所謂2電極型を挙げることができ
る。また、本発明の表示用パネルの製造方法によって、
その他、蛍光表示管を製造することもできる。
法を冷陰極電界電子放出表示装置あるいはその製造方法
に適用した場合、カソードパネルを構成する冷陰極電界
電子放出素子は如何なる形態の冷陰極電界電子放出素子
とすることもでき、例えば、円錐形の電子放出部を有す
る所謂スピント型冷陰極電界電子放出素子、王冠型の電
子放出部を有する所謂クラウン型冷陰極電界電子放出素
子、扁平な電子放出部を有する所謂扁平型冷陰極電界電
子放出素子、カソード電極から電子が放出される平面型
冷陰極電界電子放出素子やクレータ型冷陰極電界電子放
出素子、カソード電極に設けられたエッジ部から電子が
放出されるエッジ型冷陰極電界電子放出素子を挙げるこ
とができる。冷陰極電界電子放出表示装置として、所謂
3電極型だけでなく、所謂2電極型を挙げることができ
る。また、本発明の表示用パネルの製造方法によって、
その他、蛍光表示管を製造することもできる。
【0031】本発明の表示用パネルの製造方法において
は、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度を15゜C
乃至30゜Cと規定することによって、最終的に、電子
が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜と十分に接触した
状態を得ることができる結果、蛍光体粒子の局所的な劣
化の発生を確実に防止することができる。また、本発明
の表示用パネルにおいては、反射膜に対する蛍光体粒子
の接触面積を規定することによって、蛍光体粒子の局所
的な劣化の発生を確実に防止することができる。
は、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度を15゜C
乃至30゜Cと規定することによって、最終的に、電子
が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜と十分に接触した
状態を得ることができる結果、蛍光体粒子の局所的な劣
化の発生を確実に防止することができる。また、本発明
の表示用パネルにおいては、反射膜に対する蛍光体粒子
の接触面積を規定することによって、蛍光体粒子の局所
的な劣化の発生を確実に防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0033】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係る表示用パネルの製造方法に関し、よ
り具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単
に、表示装置と呼ぶ)を構成するアノードパネルに相当
する表示用パネルの製造方法に関する。
の第1の態様に係る表示用パネルの製造方法に関し、よ
り具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単
に、表示装置と呼ぶ)を構成するアノードパネルに相当
する表示用パネルの製造方法に関する。
【0034】実施の形態1の表示装置は、複数の冷陰極
電界電子放出素子(電界放出素子と呼ぶ)が設けられた
カソードパネルCPと、反射膜(アノード電極)24及
び蛍光体層22(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体層
22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層2
2B)が形成されたアノードパネルAPとがそれらの周
縁部で接合されて成る。そして、アノードパネルAPと
カソードパネルCPによって挟まれた空間は真空状態と
なっている。
電界電子放出素子(電界放出素子と呼ぶ)が設けられた
カソードパネルCPと、反射膜(アノード電極)24及
び蛍光体層22(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体層
22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層2
2B)が形成されたアノードパネルAPとがそれらの周
縁部で接合されて成る。そして、アノードパネルAPと
カソードパネルCPによって挟まれた空間は真空状態と
なっている。
【0035】実施の形態1の表示用パネル(アノードパ
ネルAP)は、図2に拡大された模式的な一部端面図を
示すように、基板20、基板20上に形成された隔壁2
1、隔壁21の間の基板20上に形成され、多数の蛍光
体粒子から成る蛍光体層22(赤色発光蛍光体層22
R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層22
B)、及び、蛍光体層22上に形成された反射膜24を
備えている。そして、電子線源(具体的には、電界放出
素子を構成する電子放出部15)から射出され、反射膜
24を通過した電子が蛍光体層22に衝突することによ
って蛍光体層22が発光し、所望の画像を基板20の外
表面上に得る。実施の形態1におけるアノードパネルA
Pにおいては、従来のアノードパネルと異なり、反射膜
24は、多数の蛍光体粒子から構成された蛍光体層22
の頂面の凹凸に追従した形状を有し、反射膜24は、蛍
光体層22を構成する蛍光体粒子と面接触状態にある。
即ち、電子が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜24と
接触した状態となっている。
ネルAP)は、図2に拡大された模式的な一部端面図を
示すように、基板20、基板20上に形成された隔壁2
1、隔壁21の間の基板20上に形成され、多数の蛍光
体粒子から成る蛍光体層22(赤色発光蛍光体層22
R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層22
B)、及び、蛍光体層22上に形成された反射膜24を
備えている。そして、電子線源(具体的には、電界放出
素子を構成する電子放出部15)から射出され、反射膜
24を通過した電子が蛍光体層22に衝突することによ
って蛍光体層22が発光し、所望の画像を基板20の外
表面上に得る。実施の形態1におけるアノードパネルA
Pにおいては、従来のアノードパネルと異なり、反射膜
24は、多数の蛍光体粒子から構成された蛍光体層22
の頂面の凹凸に追従した形状を有し、反射膜24は、蛍
光体層22を構成する蛍光体粒子と面接触状態にある。
即ち、電子が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜24と
接触した状態となっている。
【0036】実施の形態1においては、反射膜24はア
ノード電極としても機能し、有効領域を覆う薄い1枚の
シート状であり、アノード電極制御回路33に接続され
ている。反射膜24は、厚さ約70nmのアルミニウム
から成り、隔壁21を覆う状態で設けられている(図2
及び図3参照)。
ノード電極としても機能し、有効領域を覆う薄い1枚の
シート状であり、アノード電極制御回路33に接続され
ている。反射膜24は、厚さ約70nmのアルミニウム
から成り、隔壁21を覆う状態で設けられている(図2
及び図3参照)。
【0037】尚、隔壁21とスペーサ25と蛍光体層2
2の配置状態は図5と同様であり、カソードパネルCP
の模式的な部分的斜視図は図4と同様である。
2の配置状態は図5と同様であり、カソードパネルCP
の模式的な部分的斜視図は図4と同様である。
【0038】カソードパネルCPは、(A)支持体10
と、(B)支持体10上に形成され、第1の方向に延び
る複数のカソード電極11と、(C)支持体10及びカ
ソード電極11上に形成された絶縁層12と、(D)絶
縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方
向に延びる複数のゲート電極13と、(E)カソード電
極11とゲート電極13の重複する領域(電子放出領
域)に位置するゲート電極13の部分に形成された第1
開口部14Aと、(F)絶縁層12に形成され、第1開
口部14Aと連通した第2開口部14Bと、(G)第2
開口部14Bの底部に露出した電子放出部15、から構
成されている。
と、(B)支持体10上に形成され、第1の方向に延び
る複数のカソード電極11と、(C)支持体10及びカ
ソード電極11上に形成された絶縁層12と、(D)絶
縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方
向に延びる複数のゲート電極13と、(E)カソード電
極11とゲート電極13の重複する領域(電子放出領
域)に位置するゲート電極13の部分に形成された第1
開口部14Aと、(F)絶縁層12に形成され、第1開
口部14Aと連通した第2開口部14Bと、(G)第2
開口部14Bの底部に露出した電子放出部15、から構
成されている。
【0039】図3に示した例において、電子放出部15
は、第2開口部14Bの底部に位置するカソード電極1
1の上に形成された円錐形のスピント型電界放出素子か
ら構成されている。1画素分の領域に相当する電子放出
領域が、カソードパネルCPの有効領域内に、2次元マ
トリクス状に配列されている。また、1画素は、カソー
ドパネル側の電子放出領域と、この電子放出領域に対面
したアノードパネル側の蛍光体層22とによって構成さ
れている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万
〜数百万個ものオーダーにて配列されている。
は、第2開口部14Bの底部に位置するカソード電極1
1の上に形成された円錐形のスピント型電界放出素子か
ら構成されている。1画素分の領域に相当する電子放出
領域が、カソードパネルCPの有効領域内に、2次元マ
トリクス状に配列されている。また、1画素は、カソー
ドパネル側の電子放出領域と、この電子放出領域に対面
したアノードパネル側の蛍光体層22とによって構成さ
れている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万
〜数百万個ものオーダーにて配列されている。
【0040】尚、第1の方向の射影像と第2の方向の射
影像とは直交している。また、カソード電極11及びゲ
ート電極13は、それぞれ、ストライプ状である。
影像とは直交している。また、カソード電極11及びゲ
ート電極13は、それぞれ、ストライプ状である。
【0041】この表示装置において表示を行う場合に
は、カソード電極11には相対的な負電圧がカソード電
極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対
的な正電圧(数十ボルト〜数百ボルト)がゲート電極制
御回路32から印加され、反射膜(アノード電極)24
にはゲート電極13よりも更に高い正電圧(数百ボルト
〜数千ボルト)がアノード電極制御回路33から印加さ
れる。かかる表示装置において表示を行う場合、例え
ば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から
走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回
路32からビデオ信号を入力する。尚、これとは逆に、
カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデ
オ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路
32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11
とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電
界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15か
ら電子が放出され、この電子が反射膜(アノード電極)
24に引き付けられ、反射膜(アノード電極)24を通
過し、蛍光体層22に衝突する。その結果、蛍光体層2
2が励起されて発光し、所望の画像を得ることができ
る。
は、カソード電極11には相対的な負電圧がカソード電
極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対
的な正電圧(数十ボルト〜数百ボルト)がゲート電極制
御回路32から印加され、反射膜(アノード電極)24
にはゲート電極13よりも更に高い正電圧(数百ボルト
〜数千ボルト)がアノード電極制御回路33から印加さ
れる。かかる表示装置において表示を行う場合、例え
ば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から
走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回
路32からビデオ信号を入力する。尚、これとは逆に、
カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデ
オ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路
32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11
とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電
界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15か
ら電子が放出され、この電子が反射膜(アノード電極)
24に引き付けられ、反射膜(アノード電極)24を通
過し、蛍光体層22に衝突する。その結果、蛍光体層2
2が励起されて発光し、所望の画像を得ることができ
る。
【0042】以下、基板等の模式的な一部断面図である
図1の(A)〜(F)、及び、処理槽等の模式図である
図6〜図8を参照して、実施の形態1の表示用パネル
(アノードパネルAP)の製造方法を説明する。
図1の(A)〜(F)、及び、処理槽等の模式図である
図6〜図8を参照して、実施の形態1の表示用パネル
(アノードパネルAP)の製造方法を説明する。
【0043】[工程−100]先ず、ガラス基板から成
る基板20上に隔壁21を形成する(図1の(A)参
照)。隔壁21の平面形状は格子形状(井桁形状)であ
る。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒
色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した
後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によっ
て鉛ガラス層を選択的に加工することにより、格子形状
(井桁形状)の隔壁21(図5を参照)を得ることがで
きる。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをス
クリーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、かか
る低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を
形成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板20
の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を
露光、現像することによって、隔壁を形成してもよい。
1画素における隔壁21の大きさを、およそ、縦×横×
高さが200μm×100μm×50μmとした。尚、
隔壁21の形成前に、隔壁21を形成すべき基板20の
部分の表面にブラックマトリックス(図示せず)を形成
することが、表示画像のコントラスト向上といった観点
から好ましい。
る基板20上に隔壁21を形成する(図1の(A)参
照)。隔壁21の平面形状は格子形状(井桁形状)であ
る。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒
色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した
後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によっ
て鉛ガラス層を選択的に加工することにより、格子形状
(井桁形状)の隔壁21(図5を参照)を得ることがで
きる。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをス
クリーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、かか
る低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を
形成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板20
の全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を
露光、現像することによって、隔壁を形成してもよい。
1画素における隔壁21の大きさを、およそ、縦×横×
高さが200μm×100μm×50μmとした。尚、
隔壁21の形成前に、隔壁21を形成すべき基板20の
部分の表面にブラックマトリックス(図示せず)を形成
することが、表示画像のコントラスト向上といった観点
から好ましい。
【0044】尚、隔壁の形成方法として、一般に、スク
リーン印刷法、サンドブラスト形成法、ドライフィルム
法、感光法を例示することができる。ここで、スクリー
ン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリ
ーンの部分に開口部が形成されており、スクリーン上の
隔壁形成用材料をスキージを用いて開口部を通過させ、
基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、かかる隔壁形
成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法と
は、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び
現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去
し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋
め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成に
よって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成
用の材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感
光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光及び現
像によってこの材料層をパターニングした後、焼成を行
う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、ス
クリーン印刷やロールコーター、ドクターブレード、ノ
ズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板
上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成
用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した
隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除
去する方法である。隔壁は、例えば、感光性ポリイミド
樹脂層や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着
色した鉛ガラス層から構成することができる。隔壁の平
面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1画素
に相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層の四方
を取り囲む形状、あるいは、略矩形の(あるいはストラ
イプ状の)蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状
形状(ストライプ形状)を挙げることができる。
リーン印刷法、サンドブラスト形成法、ドライフィルム
法、感光法を例示することができる。ここで、スクリー
ン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリ
ーンの部分に開口部が形成されており、スクリーン上の
隔壁形成用材料をスキージを用いて開口部を通過させ、
基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、かかる隔壁形
成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法と
は、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び
現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去
し、除去によって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋
め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成に
よって燃焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成
用の材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感
光性を有する隔壁形成用の材料層を形成し、露光及び現
像によってこの材料層をパターニングした後、焼成を行
う方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、ス
クリーン印刷やロールコーター、ドクターブレード、ノ
ズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板
上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成
用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した
隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除
去する方法である。隔壁は、例えば、感光性ポリイミド
樹脂層や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着
色した鉛ガラス層から構成することができる。隔壁の平
面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1画素
に相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層の四方
を取り囲む形状、あるいは、略矩形の(あるいはストラ
イプ状の)蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状
形状(ストライプ形状)を挙げることができる。
【0045】ブラックマトリックスを構成する材料とし
て、蛍光体層22からの光を99%以上吸収する材料を
選択することが好ましい。このような材料として、カー
ボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニ
ウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属
酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、
窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色
顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の
材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミ
ド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例
示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜に
おいては、クロム膜が基板20と接する。ブラックマト
リックスは、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法と
エッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング
法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せ
に、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する
材料に依存して適宜選択された方法にて形成することが
できる。
て、蛍光体層22からの光を99%以上吸収する材料を
選択することが好ましい。このような材料として、カー
ボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニ
ウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属
酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、
窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色
顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の
材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミ
ド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例
示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜に
おいては、クロム膜が基板20と接する。ブラックマト
リックスは、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法と
エッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング
法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せ
に、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する
材料に依存して適宜選択された方法にて形成することが
できる。
【0046】[工程−110]次に、赤色発光蛍光体層
22Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール
(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、
更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光
体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体
スラリーを乾燥する。その後、基板20側から赤色発光
蛍光体層22Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの
部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光
する。赤色発光蛍光体スラリーは基板20側から徐々に
硬化する。形成される赤色発光蛍光体層22Rの厚さ
は、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量に
より決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体ス
ラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光
蛍光体層22Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色
発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔
壁21の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成することが
できる(図1の(B)参照)。以下、緑色発光蛍光体ス
ラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光
蛍光体層22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリ
ーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光
体層22Bを形成する(図1の(C)参照)。尚、蛍光
体層22の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子によ
り凹凸となっている。蛍光体層の形成方法は、以上に説
明した方法に限定されず、赤色蛍光体スラリー、緑色蛍
光体スラリー、青色蛍光体スラリーを順次塗布した後、
各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を
形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体
層を形成してもよい。
22Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール
(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、
更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光
体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体
スラリーを乾燥する。その後、基板20側から赤色発光
蛍光体層22Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの
部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光
する。赤色発光蛍光体スラリーは基板20側から徐々に
硬化する。形成される赤色発光蛍光体層22Rの厚さ
は、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量に
より決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体ス
ラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光
蛍光体層22Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色
発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔
壁21の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成することが
できる(図1の(B)参照)。以下、緑色発光蛍光体ス
ラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光
蛍光体層22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリ
ーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光
体層22Bを形成する(図1の(C)参照)。尚、蛍光
体層22の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子によ
り凹凸となっている。蛍光体層の形成方法は、以上に説
明した方法に限定されず、赤色蛍光体スラリー、緑色蛍
光体スラリー、青色蛍光体スラリーを順次塗布した後、
各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を
形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体
層を形成してもよい。
【0047】[工程−120]その後、隔壁21及び蛍
光体層22が形成された基板20を、処理槽40内に満
たされた液体(具体的には、水)42中に、蛍光体層2
2が液面側を向くように浸漬する(図6参照)。尚、排
出部41は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平
坦な表面を有する中間膜を形成する。具体的には、中間
膜23を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を液面に滴下
する。即ち、液面上に、中間膜23を形成するための中
間膜材料23Aを展開する(図7参照)。続いて、中間
膜材料23Aを液面に浮遊させた状態において、例えば
2分間程度乾燥させる。これによって、中間膜材料23
Aが成膜され、液面上に中間膜23が平坦に形成され
る。中間膜23を形成する際には、例えば、その厚さが
約30nmとなるように中間膜材料23Aの展開量を調
整する。
光体層22が形成された基板20を、処理槽40内に満
たされた液体(具体的には、水)42中に、蛍光体層2
2が液面側を向くように浸漬する(図6参照)。尚、排
出部41は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平
坦な表面を有する中間膜を形成する。具体的には、中間
膜23を構成する樹脂を溶解した有機溶剤を液面に滴下
する。即ち、液面上に、中間膜23を形成するための中
間膜材料23Aを展開する(図7参照)。続いて、中間
膜材料23Aを液面に浮遊させた状態において、例えば
2分間程度乾燥させる。これによって、中間膜材料23
Aが成膜され、液面上に中間膜23が平坦に形成され
る。中間膜23を形成する際には、例えば、その厚さが
約30nmとなるように中間膜材料23Aの展開量を調
整する。
【0048】続いて、図8に示すように、排出部41を
開き、処理槽40から液体42を排出して液面を降下さ
せることにより、液面上に形成されていた中間膜23が
隔壁21に近づく方向に移動し、中間膜23が隔壁21
に接触し、最終的に、中間膜23が蛍光体層22と接す
る状態となり、中間膜23が蛍光体層22上に残される
(図1の(D)参照)。比較的柔軟な中間膜23は、蛍
光体層22の頂面の凹凸形状に追従し、蛍光体層22の
表面の凹凸を被覆する状態となる。
開き、処理槽40から液体42を排出して液面を降下さ
せることにより、液面上に形成されていた中間膜23が
隔壁21に近づく方向に移動し、中間膜23が隔壁21
に接触し、最終的に、中間膜23が蛍光体層22と接す
る状態となり、中間膜23が蛍光体層22上に残される
(図1の(D)参照)。比較的柔軟な中間膜23は、蛍
光体層22の頂面の凹凸形状に追従し、蛍光体層22の
表面の凹凸を被覆する状態となる。
【0049】[工程−130]次に、中間膜23を乾燥
させる。即ち、基板20を処理槽40内から取り出し、
基板20を乾燥炉内に搬入し、所定の温度環境中にて乾
燥させる。中間膜23の乾燥温度は例えば30°C〜6
0°Cの範囲内とすることが好ましく、中間膜23の乾
燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ま
しい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増す
る。
させる。即ち、基板20を処理槽40内から取り出し、
基板20を乾燥炉内に搬入し、所定の温度環境中にて乾
燥させる。中間膜23の乾燥温度は例えば30°C〜6
0°Cの範囲内とすることが好ましく、中間膜23の乾
燥時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好ま
しい。勿論、乾燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増す
る。
【0050】[工程−140]その後、中間膜23上に
反射膜24を形成する。具体的には、蒸着法又はスパッ
タリング法により、中間膜23を覆うように、アルミニ
ウム等の導電材料から成り、厚さ70nmの反射膜24
を形成する(図1の(E)参照)。反射膜24は下地で
ある中間膜23の凹凸に対応した凹凸状となる。
反射膜24を形成する。具体的には、蒸着法又はスパッ
タリング法により、中間膜23を覆うように、アルミニ
ウム等の導電材料から成り、厚さ70nmの反射膜24
を形成する(図1の(E)参照)。反射膜24は下地で
ある中間膜23の凹凸に対応した凹凸状となる。
【0051】[工程−150]次いで、400゜C程度
で中間膜23を焼成する(図1の(F)参照)。この焼
成処理により中間膜23が燃焼して焼失し、反射膜24
が蛍光体層22上及び隔壁21上に残される。こうし
て、アノードパネルAPを完成することができる。この
とき、反射膜24は、蛍光体層22の頂面の凹凸形状に
追従した形状となり、電子が衝突する蛍光体粒子の部分
が反射膜と接した状態を得ることができる結果、蛍光体
粒子の局所的な劣化の発生を確実に防止することができ
る。中間膜23の燃焼により生じたガスは、例えば、反
射膜24のうち、隔壁21の形状に沿って折れ曲がって
いる領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。
この孔は微細なため、反射膜24の構造的な強度や画像
表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
で中間膜23を焼成する(図1の(F)参照)。この焼
成処理により中間膜23が燃焼して焼失し、反射膜24
が蛍光体層22上及び隔壁21上に残される。こうし
て、アノードパネルAPを完成することができる。この
とき、反射膜24は、蛍光体層22の頂面の凹凸形状に
追従した形状となり、電子が衝突する蛍光体粒子の部分
が反射膜と接した状態を得ることができる結果、蛍光体
粒子の局所的な劣化の発生を確実に防止することができ
る。中間膜23の燃焼により生じたガスは、例えば、反
射膜24のうち、隔壁21の形状に沿って折れ曲がって
いる領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出される。
この孔は微細なため、反射膜24の構造的な強度や画像
表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
【0052】[工程−160]電界放出素子が形成され
たカソードパネルCPを準備する。カソードパネルCP
については、後に詳述する。そして、表示装置の組み立
てを行う。具体的には、例えば、カソードパネルCPに
スペーサ25を取り付け、蛍光体層22と電界放出素子
とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネ
ルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネ
ルCP(より具体的には、基板20と支持体10)と
を、セラミックスやガラスから作製された高さ約1mm
の枠体30を介して、周縁部において接合する。接合に
際しては、枠体30とアノードパネルAPとの接合部
位、及び、枠体30とカソードパネルCPとの接合部位
にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソ
ードパネルCPと枠体30とを貼り合わせ、予備焼成に
てフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜
30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPと
カソードパネルCPと枠体30とフリットガラス(図示
せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)
及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力
が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融に
より封じ切る。このようにして、アノードパネルAPと
カソードパネルCPと枠体30とに囲まれた空間を真空
にすることができる。あるいは又、例えば、枠体30と
アノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わ
せを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示
装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによっ
てアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合
わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を
行い、表示装置を完成させる。
たカソードパネルCPを準備する。カソードパネルCP
については、後に詳述する。そして、表示装置の組み立
てを行う。具体的には、例えば、カソードパネルCPに
スペーサ25を取り付け、蛍光体層22と電界放出素子
とが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネ
ルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネ
ルCP(より具体的には、基板20と支持体10)と
を、セラミックスやガラスから作製された高さ約1mm
の枠体30を介して、周縁部において接合する。接合に
際しては、枠体30とアノードパネルAPとの接合部
位、及び、枠体30とカソードパネルCPとの接合部位
にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソ
ードパネルCPと枠体30とを貼り合わせ、予備焼成に
てフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜
30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPと
カソードパネルCPと枠体30とフリットガラス(図示
せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せず)
及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力
が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融に
より封じ切る。このようにして、アノードパネルAPと
カソードパネルCPと枠体30とに囲まれた空間を真空
にすることができる。あるいは又、例えば、枠体30と
アノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わ
せを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示
装置の構造に依っては、枠体無しで、接着層のみによっ
てアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合
わせてもよい。その後、必要な外部回路との配線接続を
行い、表示装置を完成させる。
【0053】尚、カソードパネルCPとアノードパネル
APとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を
用いて行ってもよいし、あるいは、上述のように、ガラ
スやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体30と
接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併
用する場合には、枠体の高さを適宜選択することによ
り、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネル
とアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定する
ことが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フ
リットガラスが一般的であるが、融点が120〜400
゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる
低融点金属材料としては、In(インジウム:融点15
7゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95A
l5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2P
b98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
APとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を
用いて行ってもよいし、あるいは、上述のように、ガラ
スやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体30と
接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併
用する場合には、枠体の高さを適宜選択することによ
り、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネル
とアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定する
ことが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フ
リットガラスが一般的であるが、融点が120〜400
゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる
低融点金属材料としては、In(インジウム:融点15
7゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95A
l5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2P
b98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0054】カソードパネルCPとアノードパネルAP
と枠体30の三者を接合する場合、上述のように、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソ
ードパネルCP又はアノードパネルAPのいずれか一方
と枠体30とを接合し、第2段階でカソードパネルCP
又はアノードパネルAPの他方と枠体30とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
雰囲気中で行えば、カソードパネルCPとアノードパネ
ルAPと枠体30と接着層とにより囲まれた空間は、接
合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、
上述のように、カソードパネルCPとアノードパネルA
Pと枠体30と接着層とによって囲まれた空間を排気
し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場
合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであっ
てもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっ
ても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス
(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
と枠体30の三者を接合する場合、上述のように、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソ
ードパネルCP又はアノードパネルAPのいずれか一方
と枠体30とを接合し、第2段階でカソードパネルCP
又はアノードパネルAPの他方と枠体30とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
雰囲気中で行えば、カソードパネルCPとアノードパネ
ルAPと枠体30と接着層とにより囲まれた空間は、接
合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、
上述のように、カソードパネルCPとアノードパネルA
Pと枠体30と接着層とによって囲まれた空間を排気
し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場
合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであっ
てもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっ
ても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス
(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0055】接合後に排気を行う場合、排気は、上述の
ように、カソードパネルCP及び/又はアノードパネル
APに予め接続されたチップ管を通じて行うことができ
る。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成さ
れ、カソードパネルCP及び/又はアノードパネルAP
の無効領域に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラ
ス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が
所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られ
る。尚、封じ切りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱
してから降温させると、空間に残留ガスを放出させるこ
とができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去する
ことができるので、好適である。
ように、カソードパネルCP及び/又はアノードパネル
APに予め接続されたチップ管を通じて行うことができ
る。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成さ
れ、カソードパネルCP及び/又はアノードパネルAP
の無効領域に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラ
ス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が
所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られ
る。尚、封じ切りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱
してから降温させると、空間に残留ガスを放出させるこ
とができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去する
ことができるので、好適である。
【0056】尚、以上に説明した表示装置(冷陰極電界
電子放出表示装置)の製造方法を纏めると、以下のとお
りとなる。即ち、複数の冷陰極電界電子放出素子を備え
たカソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カ
ソードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれ
らの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法であって、アノードパネルは、(A)基板2
0、(B)蛍光体粒子から成り、基板20上に形成され
た蛍光体層22、及び、(C)該蛍光体層22の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜24、を少なくとも備
え、該アノードパネルを、(a)蛍光体層22が形成さ
れた基板20を、処理槽40内に満たされた液体42中
に、蛍光体層22が液面側を向くように浸漬する工程
と、(b)液面上に中間膜23を形成する工程と、
(c)処理槽40から液体42を排出して液面を降下さ
せることにより、中間膜23を蛍光体層22上に残す工
程と、(d)中間膜23を乾燥させる工程と、(e)中
間膜23上に反射膜24を形成する工程と、(f)中間
膜23を焼成する工程、を経て製造する。ここで、中間
膜23を構成する樹脂としてガラス転移温度が15゜C
乃至30゜Cの樹脂を用いる。
電子放出表示装置)の製造方法を纏めると、以下のとお
りとなる。即ち、複数の冷陰極電界電子放出素子を備え
たカソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カ
ソードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれ
らの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法であって、アノードパネルは、(A)基板2
0、(B)蛍光体粒子から成り、基板20上に形成され
た蛍光体層22、及び、(C)該蛍光体層22の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜24、を少なくとも備
え、該アノードパネルを、(a)蛍光体層22が形成さ
れた基板20を、処理槽40内に満たされた液体42中
に、蛍光体層22が液面側を向くように浸漬する工程
と、(b)液面上に中間膜23を形成する工程と、
(c)処理槽40から液体42を排出して液面を降下さ
せることにより、中間膜23を蛍光体層22上に残す工
程と、(d)中間膜23を乾燥させる工程と、(e)中
間膜23上に反射膜24を形成する工程と、(f)中間
膜23を焼成する工程、を経て製造する。ここで、中間
膜23を構成する樹脂としてガラス転移温度が15゜C
乃至30゜Cの樹脂を用いる。
【0057】中間膜23を構成する中間膜材料(樹脂)
23Aとして、ブチルメタアクリル(BMA)樹脂(平
均分子量150000)を用いた。以下の表1に、中間
膜材料(樹脂)23Aの組成、使用したBMA樹脂のガ
ラス転移温度Tg、粘度を、実施例1として示す。ま
た、比較のために、中間膜23を構成する中間膜材料
(樹脂)23Aとして、メタアクリル共重合樹脂(M
A)、メチルメタアクリル(MMA)樹脂(平均分子量
120000)、エチルメタアクリル(EMA)樹脂
(平均分子量105000)、イソ−ブチルメタアクリ
ル(iBMA)樹脂(平均分子量30000)を用い
た。以下の表1に、中間膜材料(樹脂)23Aのそれぞ
れの組成、使用したMA樹脂、MMA樹脂、EMA樹
脂、iBMA樹脂のそれぞれガラス転移温度Tg、粘度
を、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4として示
す。尚、表1中、ガラス転移温度Tgの単位は「゜
C」、固形分の単位は「重量%」、粘度の単位は「N・
s/m2」である。また、記号「MT」はミネラルスピ
リッツを意味し、記号「EA」はエチルアルコールを意
味する。
23Aとして、ブチルメタアクリル(BMA)樹脂(平
均分子量150000)を用いた。以下の表1に、中間
膜材料(樹脂)23Aの組成、使用したBMA樹脂のガ
ラス転移温度Tg、粘度を、実施例1として示す。ま
た、比較のために、中間膜23を構成する中間膜材料
(樹脂)23Aとして、メタアクリル共重合樹脂(M
A)、メチルメタアクリル(MMA)樹脂(平均分子量
120000)、エチルメタアクリル(EMA)樹脂
(平均分子量105000)、イソ−ブチルメタアクリ
ル(iBMA)樹脂(平均分子量30000)を用い
た。以下の表1に、中間膜材料(樹脂)23Aのそれぞ
れの組成、使用したMA樹脂、MMA樹脂、EMA樹
脂、iBMA樹脂のそれぞれガラス転移温度Tg、粘度
を、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4として示
す。尚、表1中、ガラス転移温度Tgの単位は「゜
C」、固形分の単位は「重量%」、粘度の単位は「N・
s/m2」である。また、記号「MT」はミネラルスピ
リッツを意味し、記号「EA」はエチルアルコールを意
味する。
【0058】
[表1]
使用樹脂 有機溶剤 固形分 Tg 粘度
実施例1 BMA MT 40 20 2.1
比較例1 MA MT 40 5 1.5
比較例2 MMA EA 51 35 5.5
比較例3 EMA トルエン 50 40 4.0
比較例4 iBMA MT 45 50 1.2
【0059】実施例1、比較例2〜比較例4にて得られ
たアノードパネルAPをレーザ顕微鏡観察したところ、
実施例1においては、反射膜24が蛍光体層22から浮
き上がっておらず、反射膜24は、蛍光体層22の頂面
の凹凸形状に追従した形状となり、電子が衝突する蛍光
体粒子の部分が反射膜と接した状態となっていた。一
方、比較例2〜比較例4においては、反射膜24が蛍光
体層22から浮き上がっていた。即ち、電子が衝突する
蛍光体粒子の部分が反射膜と十分に接した状態となって
いなかった。この浮き上がりは、比較例2、比較例3、
比較例4の順に、多くなる傾向にあった。即ち、ガラス
転移温度Tgが高くなるに従い、蛍光体層22からの反
射膜24の浮き上がりが激しくなっていた。以上の結果
を、以下の表2に纏めた。また、比較例1にあっては、
中間膜材料に粘り気があり過ぎ、液面上に中間膜を形成
することが出来なかった。尚、これらの比較例において
は、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度が15゜C
未満、あるいは、30゜Cを越えるアクリル系樹脂(M
MA,EMA等)を用いたが、ガラス転移温度が15゜
C乃至30゜Cであるこれらのアクリル系樹脂を用いた
場合、実施例と同様の結果を得ることができた。更に
は、S1/S0の値を表3に示す。
たアノードパネルAPをレーザ顕微鏡観察したところ、
実施例1においては、反射膜24が蛍光体層22から浮
き上がっておらず、反射膜24は、蛍光体層22の頂面
の凹凸形状に追従した形状となり、電子が衝突する蛍光
体粒子の部分が反射膜と接した状態となっていた。一
方、比較例2〜比較例4においては、反射膜24が蛍光
体層22から浮き上がっていた。即ち、電子が衝突する
蛍光体粒子の部分が反射膜と十分に接した状態となって
いなかった。この浮き上がりは、比較例2、比較例3、
比較例4の順に、多くなる傾向にあった。即ち、ガラス
転移温度Tgが高くなるに従い、蛍光体層22からの反
射膜24の浮き上がりが激しくなっていた。以上の結果
を、以下の表2に纏めた。また、比較例1にあっては、
中間膜材料に粘り気があり過ぎ、液面上に中間膜を形成
することが出来なかった。尚、これらの比較例において
は、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度が15゜C
未満、あるいは、30゜Cを越えるアクリル系樹脂(M
MA,EMA等)を用いたが、ガラス転移温度が15゜
C乃至30゜Cであるこれらのアクリル系樹脂を用いた
場合、実施例と同様の結果を得ることができた。更に
は、S1/S0の値を表3に示す。
【0060】
[表2]
中間膜の性状 反射膜の形状
実施例1 比較例2と比べて柔らかい膜 蛍光体粒子と十分に接した状態
比較例1 成膜困難 粘着性の膜で反射膜を形成出来ず
比較例2 比較例3と比べて柔らかい膜 部分的に蛍光体粒子と非接触
比較例3 硬い平滑な膜 同上(比較例2より一層非接触)
比較例4 非常に硬い平滑な膜 蛍光体粒子と殆ど接していない状態
【0061】
【0062】また、反射膜と接触した蛍光体粒子の基板
法線方向における射影像の面積をS 0、該蛍光体粒子の
反射膜との接触面積をS1としたとき、実施例1では、
1.9≦S1/S0を満足していた。一方、比較例4で
は、S1/S0の値は約1.0しか満足していなかった。
法線方向における射影像の面積をS 0、該蛍光体粒子の
反射膜との接触面積をS1としたとき、実施例1では、
1.9≦S1/S0を満足していた。一方、比較例4で
は、S1/S0の値は約1.0しか満足していなかった。
【0063】アノードパネルに相当する表示用パネルに
おける隔壁21、スペーサ25及び蛍光体層22の配置
の変形例を、図9の配置図に模式的に示す。この例にお
いては、隔壁21の平面形状は、略矩形の蛍光体層22
の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形
状)を有する。尚、蛍光体層22を、図9の上下方向に
延びるストライプ状とすることもできる。
おける隔壁21、スペーサ25及び蛍光体層22の配置
の変形例を、図9の配置図に模式的に示す。この例にお
いては、隔壁21の平面形状は、略矩形の蛍光体層22
の対向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形
状)を有する。尚、蛍光体層22を、図9の上下方向に
延びるストライプ状とすることもできる。
【0064】表示用パネル(アノードパネル)の変形例
の模式的な一部端面図を、図10の(A)及び(B)に
示す。
の模式的な一部端面図を、図10の(A)及び(B)に
示す。
【0065】図10の(A)に示す例においては、図2
に示した構造に、更に、反射膜24の上方に、隔壁21
に支持された状態で設けられた第2の反射膜26を更に
備えている。このような構造は、例えば、実施の形態1
の製造方法の[工程−100]〜[工程−150]を実
行した後、再び、[工程−120]〜[工程−150]
を実行することによって得ることができる。図10の
(A)に示す構成を採用することによって、一層効果的
に蛍光体層22からの発光を外部に向かって反射するこ
とができる。尚、第2の反射膜26は、実質的に平坦な
表面を有していることが望ましい。即ち、概ね鏡面を有
することが好ましい。
に示した構造に、更に、反射膜24の上方に、隔壁21
に支持された状態で設けられた第2の反射膜26を更に
備えている。このような構造は、例えば、実施の形態1
の製造方法の[工程−100]〜[工程−150]を実
行した後、再び、[工程−120]〜[工程−150]
を実行することによって得ることができる。図10の
(A)に示す構成を採用することによって、一層効果的
に蛍光体層22からの発光を外部に向かって反射するこ
とができる。尚、第2の反射膜26は、実質的に平坦な
表面を有していることが望ましい。即ち、概ね鏡面を有
することが好ましい。
【0066】尚、再び、[工程−120]〜[工程−1
50]を実行する場合、使用する中間膜材料23Aのガ
ラス転移温度Tgは、15゜C乃至30゜Cに限定する
ものではない。即ち、従来から用いられている中間膜材
料を使用することができる。具体的には、中間膜材料と
してラッカーを挙げることができる。ここで、ラッカー
には、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般
にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸
エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるい
は、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリ
ルラッカーが含まれる。
50]を実行する場合、使用する中間膜材料23Aのガ
ラス転移温度Tgは、15゜C乃至30゜Cに限定する
ものではない。即ち、従来から用いられている中間膜材
料を使用することができる。具体的には、中間膜材料と
してラッカーを挙げることができる。ここで、ラッカー
には、広義のワニスの一種で、セルロース誘導体、一般
にニトロセルロースを主成分とした配合物を低級脂肪酸
エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、あるい
は、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、アクリ
ルラッカーが含まれる。
【0067】このような第2の反射膜26は、第2の反
射膜26を形成するための中間膜の硬さや、中間膜の乾
燥時間や乾燥温度を調整することにより、蛍光体層22
の上に位置する反射膜24の部分と接触することなく、
形成することができる。
射膜26を形成するための中間膜の硬さや、中間膜の乾
燥時間や乾燥温度を調整することにより、蛍光体層22
の上に位置する反射膜24の部分と接触することなく、
形成することができる。
【0068】また、このような第2の反射膜26を、以
下に説明する実施の形態3における表示用パネルの製造
方法に適用することもできる。
下に説明する実施の形態3における表示用パネルの製造
方法に適用することもできる。
【0069】図10の(B)に示す例においては、蛍光
体層22と基板20との間に、反射膜24とは別に、ア
ノード電極27が形成されている。このような構造のア
ノードパネルは、実施の形態1の製造方法の[工程−1
00]において、隔壁21を形成する前に、基板20上
にアノード電極27を予め形成しておけばよい。隔壁2
1の形状に依っては、隔壁21の形成後にアノード電極
27を形成してもよい。尚、このような構造のアノード
パネルは、図10の(A)にて説明したアノードパネル
に対しても適用することができるし、次に図11を参照
して説明する実施の形態2の表示用パネルの製造方法に
対しても適用することができるし、以下に説明する実施
の形態3における表示用パネルの製造方法に適用するこ
ともできる。
体層22と基板20との間に、反射膜24とは別に、ア
ノード電極27が形成されている。このような構造のア
ノードパネルは、実施の形態1の製造方法の[工程−1
00]において、隔壁21を形成する前に、基板20上
にアノード電極27を予め形成しておけばよい。隔壁2
1の形状に依っては、隔壁21の形成後にアノード電極
27を形成してもよい。尚、このような構造のアノード
パネルは、図10の(A)にて説明したアノードパネル
に対しても適用することができるし、次に図11を参照
して説明する実施の形態2の表示用パネルの製造方法に
対しても適用することができるし、以下に説明する実施
の形態3における表示用パネルの製造方法に適用するこ
ともできる。
【0070】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の表示用パネルの製造方法の変形である。実施の
形態2においては、図11に示す構造のアノードパネル
を製造する。図11に示す構造のアノードパネルにあっ
ては、実施の形態1において説明したアノードパネルに
おける隔壁の頂面に第2の反射膜26Aが貼り付けられ
ている。このような構成を採用することによって、一層
効果的に蛍光体層からの発光を外部に向かって反射する
ことができる。以下、実施の形態2の製造方法を説明す
る。
形態1の表示用パネルの製造方法の変形である。実施の
形態2においては、図11に示す構造のアノードパネル
を製造する。図11に示す構造のアノードパネルにあっ
ては、実施の形態1において説明したアノードパネルに
おける隔壁の頂面に第2の反射膜26Aが貼り付けられ
ている。このような構成を採用することによって、一層
効果的に蛍光体層からの発光を外部に向かって反射する
ことができる。以下、実施の形態2の製造方法を説明す
る。
【0071】[工程−200]先ず、実施の形態1の
[工程−100]〜[工程−150]と同様にして、基
板20上に、隔壁21及び蛍光体層22を形成し、更
に、反射膜24を形成する。
[工程−100]〜[工程−150]と同様にして、基
板20上に、隔壁21及び蛍光体層22を形成し、更
に、反射膜24を形成する。
【0072】[工程−210]例えば、裏打ちされたア
ルミニウム箔あるいはクロム箔といった金属箔のロール
を準備する。そして、例えば、ロールコーターを用い
て、隔壁21の頂面に位置する反射膜24の部分に接着
剤を塗布し、次いで、ゴムローラーを用いて金属箔を隔
壁の頂面に位置する反射膜24の部分に圧着した後、接
着剤を硬化させる。これによって、隔壁21の頂面に位
置する反射膜24の部分に、実質的に平坦な表面を有す
る、即ち、概ね鏡面を有する第2の反射膜26Aを貼り
合わせることができる。尚、接着剤として、硬化後に真
空雰囲気中に置かれたとき、ガス放出の無い、あるいは
少ない接着剤を選定することが好ましい。
ルミニウム箔あるいはクロム箔といった金属箔のロール
を準備する。そして、例えば、ロールコーターを用い
て、隔壁21の頂面に位置する反射膜24の部分に接着
剤を塗布し、次いで、ゴムローラーを用いて金属箔を隔
壁の頂面に位置する反射膜24の部分に圧着した後、接
着剤を硬化させる。これによって、隔壁21の頂面に位
置する反射膜24の部分に、実質的に平坦な表面を有す
る、即ち、概ね鏡面を有する第2の反射膜26Aを貼り
合わせることができる。尚、接着剤として、硬化後に真
空雰囲気中に置かれたとき、ガス放出の無い、あるいは
少ない接着剤を選定することが好ましい。
【0073】尚、実施の形態2の表示用パネルの製造方
法における第2の反射膜26Aの形成方法を、以下に説
明する実施の形態3における表示用パネルの製造方法に
適用することもできる。
法における第2の反射膜26Aの形成方法を、以下に説
明する実施の形態3における表示用パネルの製造方法に
適用することもできる。
【0074】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第2の態様に係る表示用パネルの製造方法に関し、よ
り具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(表示装
置)を構成するアノードパネルに相当する表示用パネル
の製造方法に関する。
の第2の態様に係る表示用パネルの製造方法に関し、よ
り具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(表示装
置)を構成するアノードパネルに相当する表示用パネル
の製造方法に関する。
【0075】尚、実施の形態3の表示用パネル(アノー
ドパネルAP)、表示装置の構造は、実施の形態1にて
説明した表示用パネル(アノードパネルAP)、表示装
置の構造と同様とすることができるので、詳細な説明は
省略する。
ドパネルAP)、表示装置の構造は、実施の形態1にて
説明した表示用パネル(アノードパネルAP)、表示装
置の構造と同様とすることができるので、詳細な説明は
省略する。
【0076】以下、実施の形態3の表示用パネルの製造
方法を説明する。
方法を説明する。
【0077】[工程−300]先ず、実施の形態1の
[工程−100]及び[工程−110]と同様の工程を
実行する。
[工程−100]及び[工程−110]と同様の工程を
実行する。
【0078】[工程−310]次に、蛍光体層が形成さ
れた基板の表面に水を散布して、全面に水から成る薄膜
を形成する。次いで、基板を回転させて、不要な水を除
去する。蛍光体層は水から成る薄膜で薄く覆われた状態
にある。
れた基板の表面に水を散布して、全面に水から成る薄膜
を形成する。次いで、基板を回転させて、不要な水を除
去する。蛍光体層は水から成る薄膜で薄く覆われた状態
にある。
【0079】[工程−320]その後、中間膜を構成す
る樹脂を溶解した有機溶剤を水から成る薄膜上に噴霧す
る。具体的には、実施例1の中間膜材料をスプレーする
ことによって、水から成る薄膜上に中間膜を形成する。
次いで、水から成る薄膜を蒸発させて、中間膜を蛍光体
層上に残す。比較的柔軟な中間膜は、蛍光体層の頂面の
凹凸形状に追従し、蛍光体層の表面の凹凸を被覆する状
態となる。
る樹脂を溶解した有機溶剤を水から成る薄膜上に噴霧す
る。具体的には、実施例1の中間膜材料をスプレーする
ことによって、水から成る薄膜上に中間膜を形成する。
次いで、水から成る薄膜を蒸発させて、中間膜を蛍光体
層上に残す。比較的柔軟な中間膜は、蛍光体層の頂面の
凹凸形状に追従し、蛍光体層の表面の凹凸を被覆する状
態となる。
【0080】[工程−330]次いで、実施の形態1の
[工程−140]、[工程−150]と同様の工程を実
行する。即ち、中間膜上に反射膜を形成する。反射膜は
下地である中間膜の凹凸に対応した凹凸状となる。次い
で、400゜C程度で中間膜を焼成する。このとき、反
射膜は、蛍光体層の頂面の凹凸形状に追従した形状とな
り、電子が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜と接した
状態を得ることができる結果、蛍光体粒子の局所的な劣
化の発生を確実に防止することができる。その後、実施
の形態1の[工程−160]と同様の工程を実行するこ
とで、表示装置を完成させる。
[工程−140]、[工程−150]と同様の工程を実
行する。即ち、中間膜上に反射膜を形成する。反射膜は
下地である中間膜の凹凸に対応した凹凸状となる。次い
で、400゜C程度で中間膜を焼成する。このとき、反
射膜は、蛍光体層の頂面の凹凸形状に追従した形状とな
り、電子が衝突する蛍光体粒子の部分が反射膜と接した
状態を得ることができる結果、蛍光体粒子の局所的な劣
化の発生を確実に防止することができる。その後、実施
の形態1の[工程−160]と同様の工程を実行するこ
とで、表示装置を完成させる。
【0081】尚、以上に説明した表示装置(冷陰極電界
電子放出表示装置)の製造方法を纏めると、以下のとお
りとなる。即ち、複数の冷陰極電界電子放出素子を備え
たカソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カ
ソードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれ
らの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法であって、アノードパネルは、(A)基板2
0、(B)蛍光体粒子から成り、基板20上に形成され
た蛍光体層22、及び、(C)該蛍光体層22の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜24、を少なくとも備
え、該アノードパネルを、(a)蛍光体層22が形成さ
れた基板20の表面に水を散布して、全面に水から成る
薄膜を形成する工程と、(b)水から成る薄膜上に中間
膜23を形成する工程と、(c)水から成る薄膜を蒸発
させて、中間膜23を蛍光体層22上に残す工程と、
(d)中間膜23上に反射膜24を形成する工程と、
(e)中間膜23を焼成する工程、を経て製造する。こ
こで、中間膜23を構成する樹脂としてガラス転移温度
が15゜C乃至30゜Cの樹脂を用いる。
電子放出表示装置)の製造方法を纏めると、以下のとお
りとなる。即ち、複数の冷陰極電界電子放出素子を備え
たカソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カ
ソードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれ
らの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法であって、アノードパネルは、(A)基板2
0、(B)蛍光体粒子から成り、基板20上に形成され
た蛍光体層22、及び、(C)該蛍光体層22の上に形
成された金属薄膜から成る反射膜24、を少なくとも備
え、該アノードパネルを、(a)蛍光体層22が形成さ
れた基板20の表面に水を散布して、全面に水から成る
薄膜を形成する工程と、(b)水から成る薄膜上に中間
膜23を形成する工程と、(c)水から成る薄膜を蒸発
させて、中間膜23を蛍光体層22上に残す工程と、
(d)中間膜23上に反射膜24を形成する工程と、
(e)中間膜23を焼成する工程、を経て製造する。こ
こで、中間膜23を構成する樹脂としてガラス転移温度
が15゜C乃至30゜Cの樹脂を用いる。
【0082】(実施の形態4)実施の形態4において
は、各種の電界放出素子及びその製造方法を説明する。
は、各種の電界放出素子及びその製造方法を説明する。
【0083】所謂3電極型の冷陰極電界電子放出表示装
置(以下、表示装置と略称する)を構成する冷陰極電界
電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)は、電
子放出部の構造により、具体的には、例えば、以下の2
つの範疇に分類することができる。即ち、第1の構造の
電界放出素子は、(イ)支持体上に設けられた、第1の
方向に延びるストライプ状のカソード電極と、(ロ)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(ハ)
絶縁層上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向
に延びるストライプ状のゲート電極と、(ニ)ゲート電
極に設けられた第1開口部、及び、絶縁層に設けられ、
第1開口部と連通した第2開口部と、(ホ)第2開口部
の底部に位置するカソード電極上に設けられた電子放出
部、から成り、第2開口部の底部に露出した電子放出部
から電子が放出される構造を有する。
置(以下、表示装置と略称する)を構成する冷陰極電界
電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)は、電
子放出部の構造により、具体的には、例えば、以下の2
つの範疇に分類することができる。即ち、第1の構造の
電界放出素子は、(イ)支持体上に設けられた、第1の
方向に延びるストライプ状のカソード電極と、(ロ)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(ハ)
絶縁層上に設けられ、第1の方向とは異なる第2の方向
に延びるストライプ状のゲート電極と、(ニ)ゲート電
極に設けられた第1開口部、及び、絶縁層に設けられ、
第1開口部と連通した第2開口部と、(ホ)第2開口部
の底部に位置するカソード電極上に設けられた電子放出
部、から成り、第2開口部の底部に露出した電子放出部
から電子が放出される構造を有する。
【0084】このような第1の構造を有する電界放出素
子として、上述したスピント型(円錐形の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)、扁平型(略平面状の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)を挙げることができる。
子として、上述したスピント型(円錐形の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)、扁平型(略平面状の電子放出部
が、第2開口部の底部に位置するカソード電極上に設け
られた電界放出素子)を挙げることができる。
【0085】第2の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状の
カソード電極と、(ロ)支持体及びカソード電極上に形
成された絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられ、第1の
方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲー
ト電極と、(ニ)ゲート電極に設けられた第1開口部、
及び、絶縁層に設けられ、第1開口部と連通した第2開
口部、から成り、第2開口部の底部に露出したカソード
電極の部分が電子放出部に相当し、かかる第2開口部の
底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する
構造を有する。
体上に設けられた、第1の方向に延びるストライプ状の
カソード電極と、(ロ)支持体及びカソード電極上に形
成された絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられ、第1の
方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲー
ト電極と、(ニ)ゲート電極に設けられた第1開口部、
及び、絶縁層に設けられ、第1開口部と連通した第2開
口部、から成り、第2開口部の底部に露出したカソード
電極の部分が電子放出部に相当し、かかる第2開口部の
底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する
構造を有する。
【0086】このような第2の構造を有する電界放出素
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子を挙げることができる。
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子を挙げることができる。
【0087】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によっ
て形成することができる。
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によっ
て形成することができる。
【0088】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0089】あるいは又、扁平型電界放出素子におい
て、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2
次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2
次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択
してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤ
モンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al
2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(B
eO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(B
aF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中
から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構
成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はな
い。
て、電子放出部を構成する材料として、かかる材料の2
次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2
次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択
してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(A
l)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モ
リブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(N
i)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(S
i)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤ
モンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al
2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(B
eO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム
(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(B
aF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中
から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構
成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はな
い。
【0090】扁平型電界放出素子にあっては、特に好ま
しい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的に
はダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチュー
ブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらか
ら構成する場合、5×107V/m以下の電界強度に
て、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることがで
きる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各
電子放出部から得られる放出電子電流を均一化すること
ができ、よって、表示装置に組み込まれた場合の輝度ば
らつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
しい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的に
はダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチュー
ブ構造体を挙げることができる。電子放出部をこれらか
ら構成する場合、5×107V/m以下の電界強度に
て、表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることがで
きる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各
電子放出部から得られる放出電子電流を均一化すること
ができ、よって、表示装置に組み込まれた場合の輝度ば
らつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0091】カーボン・ナノチューブ構造体として、具
体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン
・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的に
は、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成して
もよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を
構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン
・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成しても
よい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイ
バーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状
であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチ
ューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カー
ボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周
知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったP
VD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD
法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法に
よって製造、形成することができる。
体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン
・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的に
は、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成して
もよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を
構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン
・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成しても
よい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイ
バーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状
であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチ
ューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カー
ボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、周
知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったP
VD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD
法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法に
よって製造、形成することができる。
【0092】扁平型電界放出素子を、バインダ材料にカ
ーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソー
ド電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダ材料
の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポ
キシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダ材料や
水ガラス等の無機系バインダ材料にカーボン・ナノチュ
ーブ構造体を分散したものを、カソード電極の所望の領
域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダ材料の焼
成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。
尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体
の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン
印刷法を例示することができる。
ーボン・ナノチューブ構造体を分散させたものをカソー
ド電極の所望の領域に例えば塗布した後、バインダ材料
の焼成あるいは硬化を行う方法(より具体的には、エポ
キシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダ材料や
水ガラス等の無機系バインダ材料にカーボン・ナノチュ
ーブ構造体を分散したものを、カソード電極の所望の領
域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダ材料の焼
成・硬化を行う方法)によって製造することもできる。
尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ構造体
の第1の形成方法と呼ぶ。塗布方法として、スクリーン
印刷法を例示することができる。
【0093】あるいは又、扁平型電界放出素子を、カー
ボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液
をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する
方法によって製造することもでき、これによって、金属
化合物を構成する金属原子を含むマトリックスにてカー
ボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面に固定さ
れる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ
構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電
性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具
体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−
錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン
−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン
・ナノチューブ構造体の一部分がマトリックスに埋め込
まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナ
ノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋め込まれて
いる状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗
率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであるこ
とが望ましい。
ボン・ナノチューブ構造体が分散された金属化合物溶液
をカソード電極上に塗布した後、金属化合物を焼成する
方法によって製造することもでき、これによって、金属
化合物を構成する金属原子を含むマトリックスにてカー
ボン・ナノチューブ構造体がカソード電極表面に固定さ
れる。尚、このような方法を、カーボン・ナノチューブ
構造体の第2の形成方法と呼ぶ。マトリックスは、導電
性を有する金属酸化物から成ることが好ましく、より具
体的には、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−
錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン
−錫から構成することが好ましい。焼成後、各カーボン
・ナノチューブ構造体の一部分がマトリックスに埋め込
まれている状態を得ることもできるし、各カーボン・ナ
ノチューブ構造体の全体がマトリックスに埋め込まれて
いる状態を得ることもできる。マトリックスの体積抵抗
率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであるこ
とが望ましい。
【0094】金属化合物溶液を構成する金属化合物とし
て、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又
は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げ
ることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機
アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは
硫酸)に溶解し、これを有機溶剤(例えば、トルエン、
酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したもの
を挙げることができる。また、有機金属化合物溶液とし
て、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化
合物、有機アンチモン化合物を有機溶剤(例えば、トル
エン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解し
たものを例示することができる。溶液を100重量部と
したとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001
〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含ま
れた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界
面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの
厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液
に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよ
い。また、場合によっては、有機溶剤の代わりに水を溶
媒として用いることもできる。
て、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又
は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げ
ることができる。有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機
アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは
硫酸)に溶解し、これを有機溶剤(例えば、トルエン、
酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したもの
を挙げることができる。また、有機金属化合物溶液とし
て、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化
合物、有機アンチモン化合物を有機溶剤(例えば、トル
エン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解し
たものを例示することができる。溶液を100重量部と
したとき、カーボン・ナノチューブ構造体が0.001
〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含ま
れた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界
面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの
厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液
に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよ
い。また、場合によっては、有機溶剤の代わりに水を溶
媒として用いることもできる。
【0095】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法とし
て、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング
法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示するこ
とができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布
の容易性といった観点から好ましい。
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布する方法とし
て、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング
法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示するこ
とができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布
の容易性といった観点から好ましい。
【0096】カーボン・ナノチューブ構造体が分散され
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属
化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次い
で、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去し
た後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼
成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよい
し、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液
を塗布してもよい。
た金属化合物溶液をカソード電極上に塗布した後、金属
化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次い
で、カソード電極上の金属化合物層の不要部分を除去し
た後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼
成した後、カソード電極上の不要部分を除去してもよい
し、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液
を塗布してもよい。
【0097】金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩
が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温
度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が
分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物を構成す
る金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有す
る金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例え
ば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の
上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要
素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温
度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が
分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物を構成す
る金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有す
る金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例え
ば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の
上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要
素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0098】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄
処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率
の一層の向上といった観点から好ましい。このような処
理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、
アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガ
ス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプ
ラズマ処理を挙げることができる。
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
の形成後、電子放出部の表面の一種の活性化処理(洗浄
処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率
の一層の向上といった観点から好ましい。このような処
理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、
アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガ
ス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプ
ラズマ処理を挙げることができる。
【0099】カーボン・ナノチューブ構造体の第1の形
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
は、第2開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
表面に形成されていればよく、第2開口部の底部に位置
するカソード電極の部分から第2開口部の底部以外のカ
ソード電極の部分の表面に延在するように形成されてい
てもよい。また、電子放出部は、第2開口部の底部に位
置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されてい
ても、部分的に形成されていてもよい。
成方法あるいは第2の形成方法にあっては、電子放出部
は、第2開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
表面に形成されていればよく、第2開口部の底部に位置
するカソード電極の部分から第2開口部の底部以外のカ
ソード電極の部分の表面に延在するように形成されてい
てもよい。また、電子放出部は、第2開口部の底部に位
置するカソード電極の部分の表面の全面に形成されてい
ても、部分的に形成されていてもよい。
【0100】各種の電界放出素子におけるカソード電極
を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばT
iN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、
TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半
導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(インジウム
・錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の
厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、か
かる範囲に限定するものではない。
を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばT
iN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、
TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半
導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(インジウム
・錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の
厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは
0.1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、か
かる範囲に限定するものではない。
【0101】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群
から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属
元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド);あるいはシリコン(Si)等の半導体;
ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化
亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群
から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属
元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド);あるいはシリコン(Si)等の半導体;
ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化
亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。
【0102】カソード電極やゲート電極の形成方法とし
て、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法
といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオン
プレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリー
ン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例
えばストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
て、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法
といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオン
プレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリー
ン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例
えばストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
【0103】第1の構造あるいは第2の構造を有する電
界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存する
が、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開口
部及び第2開口部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開
口部及び第2開口部内に複数の電子放出部が存在しても
よいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、かかる
第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設
け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複
数の電子放出部が存在してもよい。
界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存する
が、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開口
部及び第2開口部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの第1開
口部及び第2開口部内に複数の電子放出部が存在しても
よいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、かかる
第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設
け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複
数の電子放出部が存在してもよい。
【0104】第1開口部あるいは第2開口部の平面形状
(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したとき
の形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯び
た矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすること
ができる。第1開口部の形成は、例えば、等方性エッチ
ング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せに
よって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成
方法に依っては、第1開口部を直接形成することもでき
る。第2開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、
異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって
行うことができる。
(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したとき
の形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯び
た矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすること
ができる。第1開口部の形成は、例えば、等方性エッチ
ング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せに
よって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成
方法に依っては、第1開口部を直接形成することもでき
る。第2開口部の形成も、例えば、等方性エッチング、
異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって
行うことができる。
【0105】第1の構造を有する電界放出素子におい
て、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設け
てもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出
部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界
放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵
抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成と
してもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出
素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることが
できる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカー
バイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、
SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ル
テニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等
の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層
の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やス
クリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概
ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすれば
よい。
て、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設け
てもよい。あるいは又、カソード電極の表面が電子放出
部に相当している場合(即ち、第2の構造を有する電界
放出素子においては)、カソード電極を導電材料層、抵
抗体層、電子放出部に相当する電子放出層の3層構成と
してもよい。抵抗体層を設けることによって、電界放出
素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることが
できる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカー
バイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、
SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ル
テニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等
の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層
の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やス
クリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概
ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすれば
よい。
【0106】絶縁層の構成材料として、SiO2、BP
SG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、
SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラ
ス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、
ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合
わせて使用することができる。絶縁層の形成には、CV
D法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等
の公知のプロセスが利用できる。
SG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、
SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラ
ス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、
ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合
わせて使用することができる。絶縁層の形成には、CV
D法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等
の公知のプロセスが利用できる。
【0107】[スピント型電界放出素子]スピント型電
界放出素子は、(イ)支持体10上に設けられた、第1
の方向に延びるストライプ状のカソード電極11と、
(ロ)支持体10及びカソード電極11上に形成された
絶縁層12と、(ハ)絶縁層12上に設けられ、第1の
方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲー
ト電極13と、(ニ)ゲート電極13に設けられた第1
開口部14A、及び、絶縁層12に設けられ、第1開口
部14Aと連通した第2開口部14Bと、(ホ)第2開
口部14Bの底部に位置するカソード電極11上に設け
られた電子放出部15、から成り、第2開口部14Bの
底部に露出した円錐形の電子放出部15から電子が放出
される構造を有する。
界放出素子は、(イ)支持体10上に設けられた、第1
の方向に延びるストライプ状のカソード電極11と、
(ロ)支持体10及びカソード電極11上に形成された
絶縁層12と、(ハ)絶縁層12上に設けられ、第1の
方向とは異なる第2の方向に延びるストライプ状のゲー
ト電極13と、(ニ)ゲート電極13に設けられた第1
開口部14A、及び、絶縁層12に設けられ、第1開口
部14Aと連通した第2開口部14Bと、(ホ)第2開
口部14Bの底部に位置するカソード電極11上に設け
られた電子放出部15、から成り、第2開口部14Bの
底部に露出した円錐形の電子放出部15から電子が放出
される構造を有する。
【0108】以下、スピント型電界放出素子の製造方法
を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な
一部端面図である図12の(A)、(B)及び図13の
(A)、(B)を参照して説明する。
を、カソードパネルを構成する支持体10等の模式的な
一部端面図である図12の(A)、(B)及び図13の
(A)、(B)を参照して説明する。
【0109】尚、このスピント型電界放出素子は、基本
的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着
により形成する方法によって得ることができる。即ち、
ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して
蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口
端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮
蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する
蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放
出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオ
ーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲ
ート電極13及び絶縁層12上に剥離層16を予め形成
しておく方法について説明する。尚、図12〜図17に
おいては、1つの電子放出部のみを図示した。
的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着
により形成する方法によって得ることができる。即ち、
ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して
蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口
端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮
蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する
蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放
出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオ
ーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲ
ート電極13及び絶縁層12上に剥離層16を予め形成
しておく方法について説明する。尚、図12〜図17に
おいては、1つの電子放出部のみを図示した。
【0110】[工程−A0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成る
カソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、
ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、
全面にSiO 2から成る絶縁層12をCVD法にて形成
する。
ら成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成る
カソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、
ストライプ状のカソード電極11を形成する。その後、
全面にSiO 2から成る絶縁層12をCVD法にて形成
する。
【0111】[工程−A1]次に、絶縁層12上に、ゲ
ート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ
法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニン
グすることによって、ストライプ状のゲート電極13を
得ることができる。ストライプ状のカソード電極11
は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート
電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
ート電極用導電材料層(例えば、TiN層)をスパッタ
法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニン
グすることによって、ストライプ状のゲート電極13を
得ることができる。ストライプ状のカソード電極11
は、図面の紙面左右方向に延び、ストライプ状のゲート
電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
【0112】尚、ゲート電極13を、真空蒸着法等のP
VD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法とい
ったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーショ
ン法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成
技術と、必要に応じてエッチング技術との組合せによっ
て形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれ
ば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成する
ことが可能である。
VD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法とい
ったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーショ
ン法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成
技術と、必要に応じてエッチング技術との組合せによっ
て形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれ
ば、直接、例えばストライプ状のゲート電極を形成する
ことが可能である。
【0113】[工程−A2]その後、再びレジスト層を
形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口
部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを
形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を
露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図1
2の(A)に示す構造を得ることができる。
形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口
部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを
形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を
露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図1
2の(A)に示す構造を得ることができる。
【0114】[工程−A3]次に、支持体10を回転さ
せながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケ
ル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層16を形
成する(図12の(B)参照)。このとき、支持体10
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2
開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることな
く、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層16を
形成することができる。剥離層16は、第1開口部14
Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第
1開口部14Aが実質的に縮径される。
せながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケ
ル(Ni)を斜め蒸着することにより、剥離層16を形
成する(図12の(B)参照)。このとき、支持体10
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2
開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることな
く、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層16を
形成することができる。剥離層16は、第1開口部14
Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第
1開口部14Aが実質的に縮径される。
【0115】[工程−A4]次に、全面に例えば導電材
料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3
度〜10度)。このとき、図13の(A)に示すよう
に、剥離層16上でオーバーハング形状を有する導電材
料層17が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的
な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底
部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口
部14Aの中央付近を通過するものに限られるようにな
る。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆
積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15
となる。
料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3
度〜10度)。このとき、図13の(A)に示すよう
に、剥離層16上でオーバーハング形状を有する導電材
料層17が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的
な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底
部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口
部14Aの中央付近を通過するものに限られるようにな
る。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆
積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15
となる。
【0116】[工程−A5]その後、図13の(B)に
示すように、リフトオフ法にて剥離層16をゲート電極
13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13
及び絶縁層12の上方の導電材料層17を選択的に除去
する。こうして、複数のスピント型電界放出素子が形成
されたカソードパネルを得ることができる。
示すように、リフトオフ法にて剥離層16をゲート電極
13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13
及び絶縁層12の上方の導電材料層17を選択的に除去
する。こうして、複数のスピント型電界放出素子が形成
されたカソードパネルを得ることができる。
【0117】[扁平型電界放出素子(その1)]扁平型
電界放出素子は、(イ)支持体10上に設けられた、第
1の方向に延びるカソード電極11と、(ロ)支持体1
0及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(ハ)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる
第2の方向に延びるゲート電極13と、(ニ)ゲート電
極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層1
2に設けられ、第1開口部14Aと連通した第2開口部
14Bと、(ホ)第2開口部14Bの底部に位置するカ
ソード電極11上に設けられた扁平状の電子放出部15
A、から成り、第2開口部14Bの底部に露出した電子
放出部15Aから電子が放出される構造を有する。
電界放出素子は、(イ)支持体10上に設けられた、第
1の方向に延びるカソード電極11と、(ロ)支持体1
0及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、
(ハ)絶縁層12上に設けられ、第1の方向とは異なる
第2の方向に延びるゲート電極13と、(ニ)ゲート電
極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層1
2に設けられ、第1開口部14Aと連通した第2開口部
14Bと、(ホ)第2開口部14Bの底部に位置するカ
ソード電極11上に設けられた扁平状の電子放出部15
A、から成り、第2開口部14Bの底部に露出した電子
放出部15Aから電子が放出される構造を有する。
【0118】電子放出部15Aは、マトリックス18、
及び、先端部が突出した状態でマトリックス18中に埋
め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的に
は、カーボン・ナノチューブ19)から成り、マトリッ
クス18は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、
酸化インジウム−錫、ITO)から成る。
及び、先端部が突出した状態でマトリックス18中に埋
め込まれたカーボン・ナノチューブ構造体(具体的に
は、カーボン・ナノチューブ19)から成り、マトリッ
クス18は、導電性を有する金属酸化物(具体的には、
酸化インジウム−錫、ITO)から成る。
【0119】以下、電界放出素子の製造方法を、図14
の(A)、(B)及び図15の(A)、(B)を参照し
て説明する。
の(A)、(B)及び図15の(A)、(B)を参照し
て説明する。
【0120】[工程−B0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上に、例えばスパッタリング法及びエ
ッチング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロ
ム(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極11
を形成する。
ら成る支持体10上に、例えばスパッタリング法及びエ
ッチング技術により形成された厚さ約0.2μmのクロ
ム(Cr)層から成るストライプ状のカソード電極11
を形成する。
【0121】[工程−B1]次に、カーボン・ナノチュ
ーブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属
化合物溶液をカソード電極11上に、例えばスプレー法
にて塗布する。具体的には、以下の表4に例示する金属
化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあって
は、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例え
ば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にあ
る。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造さ
れ、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に
際しては、支持体を70〜150゜Cに加熱しておく。
塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分
間、支持体を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。
このように、塗布時、支持体を加熱することによって、
カソード電極の表面に対してカーボン・ナノチューブが
水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液
の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平に
はならない状態でカソード電極の表面にカーボン・ナノ
チューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナ
ノチューブの先端部がアノード電極の方向を向くような
状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブを、支持
体の法線方向に近づく方向に配向させることができる。
尚、予め、表4に示す組成の金属化合物溶液を調製して
おいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加してい
ない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボ
ン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよ
い。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のた
め、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよ
い。
ーブ構造体が分散された有機酸金属化合物から成る金属
化合物溶液をカソード電極11上に、例えばスプレー法
にて塗布する。具体的には、以下の表4に例示する金属
化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあって
は、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例え
ば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にあ
る。カーボン・ナノチューブはアーク放電法にて製造さ
れ、平均直径30nm、平均長さ1μmである。塗布に
際しては、支持体を70〜150゜Cに加熱しておく。
塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分
間、支持体を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。
このように、塗布時、支持体を加熱することによって、
カソード電極の表面に対してカーボン・ナノチューブが
水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液
の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平に
はならない状態でカソード電極の表面にカーボン・ナノ
チューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナ
ノチューブの先端部がアノード電極の方向を向くような
状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブを、支持
体の法線方向に近づく方向に配向させることができる。
尚、予め、表4に示す組成の金属化合物溶液を調製して
おいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加してい
ない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボ
ン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよ
い。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のた
め、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよ
い。
【0122】
[表4]
有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部
分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部
カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部
酢酸ブチル :残余
【0123】尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫
化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスと
して酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解
したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用い
れば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アン
チモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリッ
クスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化
合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マ
トリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれ
ば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウ
ム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックス
として酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用い
れば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有
機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マト
リックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるい
は又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化イン
ジウム)を用いてもよい。
化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスと
して酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解
したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用い
れば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アン
チモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリッ
クスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化
合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マ
トリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。ま
た、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれ
ば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウ
ム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウ
ムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックス
として酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用い
れば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有
機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マト
リックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるい
は又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化イン
ジウム)を用いてもよい。
【0124】場合によっては、金属化合物溶液を乾燥し
た後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されてい
る場合がある。このような場合には、金属化合物層の上
に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液
を塗布することが望ましい。
た後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されてい
る場合がある。このような場合には、金属化合物層の上
に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液
を塗布することが望ましい。
【0125】[工程−B2]その後、有機酸金属化合物
から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金
属化合物を構成する金属原子(具体的には、In及びS
n)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であ
り、より一層具体的にはITO)18にてカーボン・ナ
ノチューブ19がカソード電極11の表面に固定された
電子放出部15Aを得る。焼成を、大気雰囲気中で、3
50゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られた
マトリックス18の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mで
あった。有機酸金属化合物を出発物質として用いること
により、焼成温度350゜Cといった低温においても、
ITOから成るマトリックス18を形成することができ
る。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化
合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例え
ば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によ
って塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOか
ら成るマトリックス18が形成される。
から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金
属化合物を構成する金属原子(具体的には、In及びS
n)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であ
り、より一層具体的にはITO)18にてカーボン・ナ
ノチューブ19がカソード電極11の表面に固定された
電子放出部15Aを得る。焼成を、大気雰囲気中で、3
50゜C、20分の条件にて行う。こうして、得られた
マトリックス18の体積抵抗率は、5×10-7Ω・mで
あった。有機酸金属化合物を出発物質として用いること
により、焼成温度350゜Cといった低温においても、
ITOから成るマトリックス18を形成することができ
る。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化
合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例え
ば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によ
って塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOか
ら成るマトリックス18が形成される。
【0126】[工程−B3]次いで、全面にレジスト層
を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例
えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、
10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリ
ックス18をエッチングして、電子放出部の不要部分を
除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチュ
ーブが未だ存在する場合には、以下の表5に例示する条
件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナ
ノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0
Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパ
ワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば
80゜C程度に加熱してもよい。
を形成し、カソード電極11の所望の領域の上方に、例
えば直径10μmの円形のレジスト層を残す。そして、
10〜60゜Cの塩酸を用いて、1〜30分間、マトリ
ックス18をエッチングして、電子放出部の不要部分を
除去する。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチュ
ーブが未だ存在する場合には、以下の表5に例示する条
件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナ
ノチューブをエッチングする。尚、バイアスパワーは0
Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパ
ワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば
80゜C程度に加熱してもよい。
【0127】[表5]
使用装置 :RIE装置
導入ガス :酸素を含むガス
プラズマ励起パワー:500W
バイアスパワー :0〜150W
処理時間 :10秒以上
【0128】あるいは又、表6に例示する条件のウェッ
トエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエ
ッチングしてもよい。
トエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエ
ッチングしてもよい。
【0129】[表6]
使用溶液:KMnO4
温度 :20〜120゜C
処理時間:10秒〜20分
【0130】その後、レジスト層を除去することによっ
て、図14の(A)に示す構造を得ることができる。
尚、直径10μmの円形の電子放出部を残すことに限定
されない。例えば、電子放出部をカソード電極11上に
残してもよい。
て、図14の(A)に示す構造を得ることができる。
尚、直径10μmの円形の電子放出部を残すことに限定
されない。例えば、電子放出部をカソード電極11上に
残してもよい。
【0131】尚、[工程−B1]、[工程−B3]、
[工程−B2]の順に実行してもよい。
[工程−B2]の順に実行してもよい。
【0132】[工程−B4]次に、電子放出部15A、
支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成
する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシ
ラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面
に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形成
する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシ
ラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面
に、厚さ約1μmの絶縁層12を形成する。
【0133】[工程−B5]その後、絶縁層12上にス
トライプ状のゲート電極13を形成し、更に、絶縁層1
2及びゲート電極13上にマスク層118を設けた後、
ゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、ゲ
ート電極13に形成された第1開口部14Aに連通する
第2開口部14Bを絶縁層12に形成する(図14の
(B)参照)。尚、マトリックス18を金属酸化物、例
えばITOから構成する場合、絶縁層12をエッチング
するとき、マトリックス18がエッチングされることは
ない。即ち、絶縁層12とマトリックス18とのエッチ
ング選択比はほぼ無限大である。従って、絶縁層12の
エッチングによってカーボン・ナノチューブ19に損傷
が発生することはない。
トライプ状のゲート電極13を形成し、更に、絶縁層1
2及びゲート電極13上にマスク層118を設けた後、
ゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、ゲ
ート電極13に形成された第1開口部14Aに連通する
第2開口部14Bを絶縁層12に形成する(図14の
(B)参照)。尚、マトリックス18を金属酸化物、例
えばITOから構成する場合、絶縁層12をエッチング
するとき、マトリックス18がエッチングされることは
ない。即ち、絶縁層12とマトリックス18とのエッチ
ング選択比はほぼ無限大である。従って、絶縁層12の
エッチングによってカーボン・ナノチューブ19に損傷
が発生することはない。
【0134】[工程−B6]次いで、以下の表7に例示
する条件にて、マトリックス18の一部を除去し、マト
リックス18から先端部が突出した状態のカーボン・ナ
ノチューブ19を得ることが好ましい。こうして、図1
5の(A)に示す構造の電子放出部15Aを得ることが
できる。
する条件にて、マトリックス18の一部を除去し、マト
リックス18から先端部が突出した状態のカーボン・ナ
ノチューブ19を得ることが好ましい。こうして、図1
5の(A)に示す構造の電子放出部15Aを得ることが
できる。
【0135】[表7]
エッチング溶液:塩酸
エッチング時間:10秒〜30秒
エッチング温度:10〜60゜C
【0136】マトリックス18のエッチングによって一
部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ19の表面状
態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、
フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっ
ている場合がある。それ故、その後、電子放出部15A
に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うこと
が好ましく、これによって、電子放出部15Aが活性化
し、電子放出部15Aからの電子の放出効率の一層の向
上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の
表8に例示する。
部あるいは全てのカーボン・ナノチューブ19の表面状
態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、
フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっ
ている場合がある。それ故、その後、電子放出部15A
に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うこと
が好ましく、これによって、電子放出部15Aが活性化
し、電子放出部15Aからの電子の放出効率の一層の向
上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の
表8に例示する。
【0137】[表8]
使用ガス :H2=100sccm
電源パワー :1000W
支持体印加電力:50V
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300゜C
【0138】その後、カーボン・ナノチューブ19から
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ19の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ19を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ19を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。
ガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処
理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブ19の表
面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物
質を含むガスにカーボン・ナノチューブ19を晒しても
よい。また、カーボン・ナノチューブ19を精製するた
めに、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行って
もよい。
【0139】[工程−B7]その後、絶縁層12に設け
られた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチング
によって後退させることが、ゲート電極13の開口端部
を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的
なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラ
ジカルを主エッチング種として利用するドライエッチン
グ、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチン
グにより行うことができる。エッチング液としては、例
えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)
混合液を用いることができる。次いで、マスク層118
を除去する。こうして、図15の(B)に示す電界放出
素子を完成することができる。
られた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチング
によって後退させることが、ゲート電極13の開口端部
を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的
なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラ
ジカルを主エッチング種として利用するドライエッチン
グ、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチン
グにより行うことができる。エッチング液としては、例
えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)
混合液を用いることができる。次いで、マスク層118
を除去する。こうして、図15の(B)に示す電界放出
素子を完成することができる。
【0140】尚、[工程−B5]の後、[工程−B
7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
7]、[工程−B6]の順に実行してもよい。
【0141】[扁平型電界放出素子(その2)]扁平型
電界放出素子の模式的な一部断面図を、図16の(A)
に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから
成る支持体10上に形成されたカソード電極11、支持
体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層1
2、絶縁層12上に形成されたゲート電極13、ゲート
電極13及び絶縁層12を貫通する開口部14(ゲート
電極13に設けられた第1開口部、及び、絶縁層12に
設けられ、第1開口部と連通した第2開口部)、並び
に、開口部14の底部に位置するカソード電極11の部
分の上に設けられた扁平の電子放出部(電子放出層15
B)から成る。ここで、電子放出層15Bは、図面の紙
面垂直方向に延びたストライプ状のカソード電極11上
に形成されている。また、ゲート電極13は、図面の紙
面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート
電極13はクロムから成る。電子放出層15Bは、具体
的には、グラファイト粉末から成る薄層から構成されて
いる。図16の(A)に示した扁平型電界放出素子にお
いては、カソード電極11の表面の全域に亙って、電子
放出層15Bが形成されているが、このような構造に限
定するものではなく、要は、少なくとも開口部14の底
部に電子放出層15Bが設けられていればよい。
電界放出素子の模式的な一部断面図を、図16の(A)
に示す。この扁平型電界放出素子は、例えばガラスから
成る支持体10上に形成されたカソード電極11、支持
体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層1
2、絶縁層12上に形成されたゲート電極13、ゲート
電極13及び絶縁層12を貫通する開口部14(ゲート
電極13に設けられた第1開口部、及び、絶縁層12に
設けられ、第1開口部と連通した第2開口部)、並び
に、開口部14の底部に位置するカソード電極11の部
分の上に設けられた扁平の電子放出部(電子放出層15
B)から成る。ここで、電子放出層15Bは、図面の紙
面垂直方向に延びたストライプ状のカソード電極11上
に形成されている。また、ゲート電極13は、図面の紙
面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲート
電極13はクロムから成る。電子放出層15Bは、具体
的には、グラファイト粉末から成る薄層から構成されて
いる。図16の(A)に示した扁平型電界放出素子にお
いては、カソード電極11の表面の全域に亙って、電子
放出層15Bが形成されているが、このような構造に限
定するものではなく、要は、少なくとも開口部14の底
部に電子放出層15Bが設けられていればよい。
【0142】[平面型電界放出素子]平面型電界放出素
子の模式的な一部断面図を、図16の(B)に示す。こ
の平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体
10上に形成されたストライプ状のカソード電極11、
支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層
12、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート
電極13、並びに、ゲート電極13及び絶縁層12を貫
通する第1開口部及び第2開口部(開口部14)から成
る。開口部14の底部にはカソード電極11が露出して
いる。カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延
び、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極11及びゲート電極13はクロム(C
r)から成り、絶縁層12はSiO2から成る。ここ
で、開口部14の底部に露出したカソード電極11の部
分が電子放出部15Cに相当する。
子の模式的な一部断面図を、図16の(B)に示す。こ
の平面型電界放出素子は、例えばガラスから成る支持体
10上に形成されたストライプ状のカソード電極11、
支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層
12、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲート
電極13、並びに、ゲート電極13及び絶縁層12を貫
通する第1開口部及び第2開口部(開口部14)から成
る。開口部14の底部にはカソード電極11が露出して
いる。カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延
び、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極11及びゲート電極13はクロム(C
r)から成り、絶縁層12はSiO2から成る。ここ
で、開口部14の底部に露出したカソード電極11の部
分が電子放出部15Cに相当する。
【0143】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカ
ソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は
例示であり、適宜変更することができるし、アノードパ
ネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造
方法も例示であり、適宜変更することができる。更に
は、アノードパネルやカソードパネルの製造において使
用した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説
明したが、単色表示とすることもできる。
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカ
ソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は
例示であり、適宜変更することができるし、アノードパ
ネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造
方法も例示であり、適宜変更することができる。更に
は、アノードパネルやカソードパネルの製造において使
用した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説
明したが、単色表示とすることもできる。
【0144】アノード電極は、有効領域を1枚のシート
状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよ
いし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数
の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式
のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構
成の場合、かかるアノード電極をアノード電極制御回路
に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場
合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制
御回路に接続すればよい。
状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよ
いし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数
の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式
のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構
成の場合、かかるアノード電極をアノード電極制御回路
に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場
合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制
御回路に接続すればよい。
【0145】また、電界放出素子においては、専ら1つ
の開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明した
が、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複
数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口
部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもでき
る。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設
け、絶縁層にかかる複数の第1開口部に連通した複数の
第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形
態とすることもできる。
の開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明した
が、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複
数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口
部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもでき
る。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設
け、絶縁層にかかる複数の第1開口部に連通した複数の
第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形
態とすることもできる。
【0146】電界放出素子において、ゲート電極13及
び絶縁層12の上に更に第2の絶縁層52を設け、第2
の絶縁層52上に収束電極53を設けてもよい。このよ
うな構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を
図17に示す。第2の絶縁層52には、第1開口部14
Aに連通した第3開口部54が設けられている。収束電
極53の形成は、例えば、[工程−A2]において、絶
縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成した
後、第2の絶縁層52を形成し、次いで、第2の絶縁層
52上にパターニングされた収束電極53を形成した
後、収束電極53、第2の絶縁層52に第3開口部54
を設け、更に、ゲート電極13に第1開口部14Aを設
ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、
1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素
に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極
とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシー
ト状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることも
できる。尚、図17においては、スピント型電界放出素
子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもで
きることは云うまでもない。
び絶縁層12の上に更に第2の絶縁層52を設け、第2
の絶縁層52上に収束電極53を設けてもよい。このよ
うな構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を
図17に示す。第2の絶縁層52には、第1開口部14
Aに連通した第3開口部54が設けられている。収束電
極53の形成は、例えば、[工程−A2]において、絶
縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成した
後、第2の絶縁層52を形成し、次いで、第2の絶縁層
52上にパターニングされた収束電極53を形成した
後、収束電極53、第2の絶縁層52に第3開口部54
を設け、更に、ゲート電極13に第1開口部14Aを設
ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、
1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素
に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極
とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシー
ト状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることも
できる。尚、図17においては、スピント型電界放出素
子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもで
きることは云うまでもない。
【0147】収束電極は、このような方法にて形成する
だけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Fe
アロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成
る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチ
ングやエッチングすることによって開口部を形成するこ
とで収束電極を作製することもできる。そして、カソー
ドパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネ
ルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによっ
て、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層12
とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜と
アノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化さ
せ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させ
ることもできる。
だけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Fe
アロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成
る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチ
ングやエッチングすることによって開口部を形成するこ
とで収束電極を作製することもできる。そして、カソー
ドパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネ
ルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによっ
て、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層12
とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜と
アノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化さ
せ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させ
ることもできる。
【0148】ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状
の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート
電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート
電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成する
カソード電極とカソード電極制御回路との間に、例え
ば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるス
イッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子
放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御す
る。
の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート
電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート
電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成する
カソード電極とカソード電極制御回路との間に、例え
ば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるス
イッチング素子の作動によって、各画素を構成する電子
放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御す
る。
【0149】あるいは又、カソード電極を、有効領域を
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、かかるカソード
電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成する電子
放出部とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFT
から成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング
素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への
印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、かかるカソード
電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成する電子
放出部とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFT
から成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング
素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への
印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0150】冷陰極電界電子放出表示装置は、カソード
電極、ゲート電極及びアノード電極から構成された所謂
3電極型に限定されず、カソード電極及びアノード電極
から構成された所謂2電極型とすることもできる。この
ような構造の表示装置の模式的な一部端面図を図18に
示す。尚、図18においては、隔壁の図示を省略してい
る。この表示装置における電界放出素子は、支持体10
上に設けられたカソード電極11と、カソード電極11
上に形成されたカーボン・ナノチューブ19から構成さ
れた電子放出部15Aから成る。アノードパネルAPを
構成するアノード電極24Aはストライプ状である。
尚、電子放出部の構造はカーボン・ナノチューブ構造体
に限定されない。ストライプ状のカソード電極11の射
影像とストライプ状のアノード電極24Aの射影像とは
直交する。具体的には、カソード電極11は図面の紙面
垂直方向に延び、アノード電極24Aは図面の紙面左右
方向に延びている。この表示装置におけるカソードパネ
ルCPにおいては、上述のような電界放出素子の複数か
ら構成された電子放出領域が有効領域に2次元マトリク
ス状に多数形成されている。
電極、ゲート電極及びアノード電極から構成された所謂
3電極型に限定されず、カソード電極及びアノード電極
から構成された所謂2電極型とすることもできる。この
ような構造の表示装置の模式的な一部端面図を図18に
示す。尚、図18においては、隔壁の図示を省略してい
る。この表示装置における電界放出素子は、支持体10
上に設けられたカソード電極11と、カソード電極11
上に形成されたカーボン・ナノチューブ19から構成さ
れた電子放出部15Aから成る。アノードパネルAPを
構成するアノード電極24Aはストライプ状である。
尚、電子放出部の構造はカーボン・ナノチューブ構造体
に限定されない。ストライプ状のカソード電極11の射
影像とストライプ状のアノード電極24Aの射影像とは
直交する。具体的には、カソード電極11は図面の紙面
垂直方向に延び、アノード電極24Aは図面の紙面左右
方向に延びている。この表示装置におけるカソードパネ
ルCPにおいては、上述のような電界放出素子の複数か
ら構成された電子放出領域が有効領域に2次元マトリク
ス状に多数形成されている。
【0151】この表示装置においては、アノード電極2
4Aによって形成された電界に基づき、量子トンネル効
果に基づき電子放出部15Aから電子が放出され、この
電子がアノード電極24Aに引き付けられ、蛍光体層2
2に衝突する。即ち、アノード電極24Aの射影像とカ
ソード電極11の射影像とが重複する領域(アノード電
極/カソード電極重複領域)に位置する電子放出部15
Aから電子が放出される、所謂単純マトリクス方式によ
り、表示装置の駆動が行われる。具体的には、カソード
電極制御回路31からカソード電極11に相対的に負の
電圧を印加し、アノード電極制御回路33からアノード
電極24Aに相対的に正の電圧を印加する。その結果、
列選択されたカソード電極11と行選択されたアノード
電極24A(あるいは、行選択されたカソード電極11
と列選択されたアノード電極24A)とのアノード電極
/カソード電極重複領域に位置する電子放出部15Aを
構成するカーボン・ナノチューブ19から選択的に真空
空間中へ電子が放出され、この電子がアノード電極24
Aに引き付けられてアノードパネルAPを構成する蛍光
体層22に衝突し、蛍光体層22を励起、発光させる。
4Aによって形成された電界に基づき、量子トンネル効
果に基づき電子放出部15Aから電子が放出され、この
電子がアノード電極24Aに引き付けられ、蛍光体層2
2に衝突する。即ち、アノード電極24Aの射影像とカ
ソード電極11の射影像とが重複する領域(アノード電
極/カソード電極重複領域)に位置する電子放出部15
Aから電子が放出される、所謂単純マトリクス方式によ
り、表示装置の駆動が行われる。具体的には、カソード
電極制御回路31からカソード電極11に相対的に負の
電圧を印加し、アノード電極制御回路33からアノード
電極24Aに相対的に正の電圧を印加する。その結果、
列選択されたカソード電極11と行選択されたアノード
電極24A(あるいは、行選択されたカソード電極11
と列選択されたアノード電極24A)とのアノード電極
/カソード電極重複領域に位置する電子放出部15Aを
構成するカーボン・ナノチューブ19から選択的に真空
空間中へ電子が放出され、この電子がアノード電極24
Aに引き付けられてアノードパネルAPを構成する蛍光
体層22に衝突し、蛍光体層22を励起、発光させる。
【0152】以上に説明した2電極型の表示装置におけ
るアノードパネルAPは、実施の形態1あるいはその変
形例、実施の形態2、実施の形態3にて説明した構造と
することができ、これらにおいて説明した方法にて製造
することができる。
るアノードパネルAPは、実施の形態1あるいはその変
形例、実施の形態2、実施の形態3にて説明した構造と
することができ、これらにおいて説明した方法にて製造
することができる。
【0153】表面伝導型電界放出素子と通称される電界
放出素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電界放出素子は、例えばガラスから成る支
持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジ
ウム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸
化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面
積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一
対の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの
電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対
の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対
の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成
を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、
ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わ
り、炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子をアノ
ードパネル上の蛍光体層に衝突させることによって、蛍
光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることがで
きる。
放出素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電界放出素子は、例えばガラスから成る支
持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジ
ウム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸
化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面
積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一
対の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの
電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対
の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対
の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成
を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、
ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わ
り、炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子をアノ
ードパネル上の蛍光体層に衝突させることによって、蛍
光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることがで
きる。
【0154】
【発明の効果】本発明の表示用パネルの製造方法におい
ては、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度を15゜
C乃至30゜Cと規定することによって、電子が衝突す
る蛍光体粒子の部分が反射膜と接した状態を得ることが
できる結果、蛍光体粒子の局所的な劣化の発生を確実に
防止することができる。一方、本発明の表示用パネルに
おいては、反射膜に対する蛍光体粒子の接触面積を規定
することによって、蛍光体粒子の局所的な劣化の発生を
確実に防止することができる。それ故、表示装置の短寿
命化といった問題の発生を回避することができる。
ては、中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度を15゜
C乃至30゜Cと規定することによって、電子が衝突す
る蛍光体粒子の部分が反射膜と接した状態を得ることが
できる結果、蛍光体粒子の局所的な劣化の発生を確実に
防止することができる。一方、本発明の表示用パネルに
おいては、反射膜に対する蛍光体粒子の接触面積を規定
することによって、蛍光体粒子の局所的な劣化の発生を
確実に防止することができる。それ故、表示装置の短寿
命化といった問題の発生を回避することができる。
【図1】図1の(A)〜(F)は、表示用パネルの製造
方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図であ
る。
方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図であ
る。
【図2】図2は、発明の実施の形態1の表示用パネルで
あるアノードパネルの一部分を拡大した模式的な端面図
である。
あるアノードパネルの一部分を拡大した模式的な端面図
である。
【図3】図3は、冷陰極電界電子放出表示装置の模式的
な一部端面図である。
な一部端面図である。
【図4】図4は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
るカソードパネルの模式的な部分的斜視図である。
るカソードパネルの模式的な部分的斜視図である。
【図5】図5は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成す
る表示用パネルであるアノードパネルにおける隔壁、ス
ペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図であ
る。
る表示用パネルであるアノードパネルにおける隔壁、ス
ペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図であ
る。
【図6】図6は、発明の実施の形態1における表示用パ
ネルの製造方法を説明するための模式図である。
ネルの製造方法を説明するための模式図である。
【図7】図7は、図6に引き続き、発明の実施の形態1
における表示用パネルの製造方法を説明するための模式
図である。
における表示用パネルの製造方法を説明するための模式
図である。
【図8】図8は、図7に引き続き、発明の実施の形態1
における表示用パネルの製造方法を説明するための模式
図である。
における表示用パネルの製造方法を説明するための模式
図である。
【図9】図9は、冷陰極電界電子放出表示装置における
アノードパネルに相当する表示用パネルにおける隔壁、
スペーサ及び蛍光体層の配置の変形例を模式的に示す配
置図である。
アノードパネルに相当する表示用パネルにおける隔壁、
スペーサ及び蛍光体層の配置の変形例を模式的に示す配
置図である。
【図10】図10の(A)及び(B)は、冷陰極電界電
子放出表示装置におけるアノードパネルに相当する表示
用パネルの変形例の模式的な一部端面図である。
子放出表示装置におけるアノードパネルに相当する表示
用パネルの変形例の模式的な一部端面図である。
【図11】図11は、発明の実施の形態2におけるアノ
ードパネルに相当する表示用パネルの模式的な一部端面
図である。
ードパネルに相当する表示用パネルの模式的な一部端面
図である。
【図12】図12の(A)及び(B)は、スピント型冷
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図13】図13の(A)及び(B)は、図12の
(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、扁平型冷陰極
電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
電界電子放出素子(その1)の製造方法を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図15】図15の(A)及び(B)は、図14の
(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(そ
の1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
(B)に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放出素子(そ
の1)の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図16】図16の(A)及び(B)は、それぞれ、扁
平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部
断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的
な一部断面図である。
平型冷陰極電界電子放出素子(その2)の模式的な一部
断面図、及び、平面型冷陰極電界電子放出素子の模式的
な一部断面図である。
【図17】図17は、収束電極を有するスピント型冷陰
極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図18】図18は、所謂2電極型の冷陰極電界電子放
出表示装置の模式的な一部端面図である。
出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図19】図19は、従来の冷陰極電界電子放出表示装
置用のアノードパネルの製造方法によって得られたアノ
ード電極と蛍光体層との接触状態を模式的に示す図であ
る。
置用のアノードパネルの製造方法によって得られたアノ
ード電極と蛍光体層との接触状態を模式的に示す図であ
る。
【図20】図20は、従来の冷陰極電界電子放出表示装
置用のアノードパネルの製造方法によって得られたアノ
ード電極と蛍光体層を構成する蛍光体粒子との接触状態
を拡大して模式的に示す図である。
置用のアノードパネルの製造方法によって得られたアノ
ード電極と蛍光体層を構成する蛍光体粒子との接触状態
を拡大して模式的に示す図である。
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネ
ル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12
・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口
部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口
部、15,15A,15B,15C・・・電子放出部、
16・・・剥離層、17・・・導電材料層、18・・・
マトリックス、19・・・カーボン・ナノチューブ、2
0・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22
G,22B・・・蛍光体層、23・・・中間膜、23A
・・・中間膜材料、24・・・反射膜、25・・・スペ
ーサ、26,26A・・・第2の反射膜、27・・・ア
ノード電極、30・・・枠体、31・・・カソード電極
制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・
アノード電極制御回路、40・・・処理槽、41・・・
排出部、42・・・液体、52・・・第2の絶縁層、5
3・・・収束電極、54・・・第3開口部
ル、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12
・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口
部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口
部、15,15A,15B,15C・・・電子放出部、
16・・・剥離層、17・・・導電材料層、18・・・
マトリックス、19・・・カーボン・ナノチューブ、2
0・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22
G,22B・・・蛍光体層、23・・・中間膜、23A
・・・中間膜材料、24・・・反射膜、25・・・スペ
ーサ、26,26A・・・第2の反射膜、27・・・ア
ノード電極、30・・・枠体、31・・・カソード電極
制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・
アノード電極制御回路、40・・・処理槽、41・・・
排出部、42・・・液体、52・・・第2の絶縁層、5
3・・・収束電極、54・・・第3開口部
Claims (15)
- 【請求項1】(A)基板、 (B)蛍光体粒子から成り、基板上に形成された蛍光体
層、及び、 (C)該蛍光体層の上に形成された金属薄膜から成る反
射膜、を少なくとも備え、電子線源から射出され、反射
膜を通過した電子が蛍光体層に衝突することによって蛍
光体層が発光し、所望の画像を得るための表示用パネル
を製造する方法であって、 (a)蛍光体層が形成された基板を、処理槽内に満たさ
れた液体中に、蛍光体層が液面側を向くように浸漬する
工程と、 (b)液面上に中間膜を形成する工程と、 (c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜を蛍光体層上に残す工程と、 (d)中間膜を乾燥させる工程と、 (e)中間膜上に反射膜を形成する工程と、 (f)中間膜を焼成する工程、から成り、 中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度は15゜C乃至
30゜Cであることを特徴とする表示用パネルの製造方
法。 - 【請求項2】中間膜を構成する樹脂はアクリル系樹脂か
ら成ることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル
の製造方法。 - 【請求項3】反射膜はアノード電極としても機能し、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項1に記載の
表示用パネルの製造方法。 - 【請求項4】蛍光体層と基板との間にアノード電極が形
成されており、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項1に記載の
表示用パネルの製造方法。 - 【請求項5】反射膜は、アルミニウム又はクロムから成
ることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネルの製
造方法。 - 【請求項6】(A)基板、 (B)蛍光体粒子から成り、基板上に形成された蛍光体
層、及び、 (C)該蛍光体層の上に形成された金属薄膜から成る反
射膜、を少なくとも備え、電子線源から射出され、反射
膜を通過した電子が蛍光体層に衝突することによって蛍
光体層が発光し、所望の画像を得るための表示用パネル
を製造する方法であって、 (a)蛍光体層が形成された基板の表面に水を散布し
て、全面に水から成る薄膜を形成する工程と、 (b)水から成る薄膜上に中間膜を形成する工程と、 (c)水から成る薄膜を蒸発させて、中間膜を蛍光体層
上に残す工程と、 (d)中間膜上に反射膜を形成する工程と、 (e)中間膜を焼成する工程、から成り、 中間膜を構成する樹脂のガラス転移温度は15゜C乃至
30゜Cであることを特徴とする表示用パネルの製造方
法。 - 【請求項7】前記工程(b)において、中間膜を構成す
る樹脂を溶解した有機溶剤を水から成る薄膜上に噴霧す
ることによって中間膜を形成することを特徴とする請求
項6に記載の表示用パネルの製造方法。 - 【請求項8】中間膜を構成する樹脂はアクリル系樹脂か
ら成ることを特徴とする請求項6に記載の表示用パネル
の製造方法。 - 【請求項9】反射膜はアノード電極としても機能し、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項6に記載の
表示用パネルの製造方法。 - 【請求項10】蛍光体層と基板との間にアノード電極が
形成されており、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項6に記載の
表示用パネルの製造方法。 - 【請求項11】反射膜は、アルミニウム又はクロムから
成ることを特徴とする請求項6に記載の表示用パネルの
製造方法。 - 【請求項12】(A)基板、 (B)蛍光体粒子から成り、基板上に形成された蛍光体
層、及び、 (C)該蛍光体層の上に形成された金属薄膜から成る反
射膜、を少なくとも備え、電子線源から射出され、反射
膜を通過した電子が蛍光体層に衝突することによって蛍
光体層が発光し、所望の画像を得るための表示用パネル
であって、 反射膜と接触した蛍光体粒子の基板法線方向における射
影像の面積をS0、該蛍光体粒子の反射膜との接触面積
をS1としたとき、1.9S0≦S1を満足することを特
徴とする表示用パネル。 - 【請求項13】反射膜はアノード電極としても機能し、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項12に記載
の表示用パネル。 - 【請求項14】蛍光体層と基板との間にアノード電極が
形成されており、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
ドパネルを構成することを特徴とする請求項12に記載
の表示用パネル。 - 【請求項15】反射膜は、アルミニウム又はクロムから
成ることを特徴とする請求項12に記載の表示用パネ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048403A JP2003249170A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 表示用パネル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002048403A JP2003249170A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 表示用パネル及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003249170A true JP2003249170A (ja) | 2003-09-05 |
Family
ID=28661212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002048403A Pending JP2003249170A (ja) | 2002-02-25 | 2002-02-25 | 表示用パネル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003249170A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008226734A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Showa Denko Kk | 薄膜型電子放出材料の形成用組成物、薄膜型電子放出材料、その製造方法及び電界放出型素子 |
-
2002
- 2002-02-25 JP JP2002048403A patent/JP2003249170A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008226734A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Showa Denko Kk | 薄膜型電子放出材料の形成用組成物、薄膜型電子放出材料、その製造方法及び電界放出型素子 |
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