JP2003249162A - 冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに冷陰極電界電子放出表示装置 - Google Patents
冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに冷陰極電界電子放出表示装置Info
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Abstract
る冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに冷
陰極電界電子放出表示装置を提供すること。 【解決手段】 支持体上にカソード電極を有し、このカ
ソード電極上に、導電性マスクが配されていると共に、
この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は繊維状の
構造からなる電子放出部を有する、冷陰極電界電子放出
素子。前記冷陰極電界電子放出素子から放出される電子
により蛍光面を発光させるように構成されたことを特徴
とする、冷陰極電界電子放出表示装置。支持体上にカソ
ード電極を形成する工程と、このカソード電極上に、導
電性マスクを配する工程と、この導電性マスクの開口部
内にチューブ状又は繊維状の構造からなる電子放出部を
形成する工程とを有する、冷陰極電界電子放出素子の製
造方法。
Description
出素子及びその製造方法、並びに冷陰極電界電子放出表
示装置に関するものである。
るしきい値以上の電界を印加すると、金属や半導体の表
面近傍のエネルギー障壁を電子がトンネル効果により通
過し、常温でも真空中に電子が放出されるようになる。
かかる原理に基づく電子放出は、冷陰極電界電子放出、
或いは電界放出(フィールドエミッション)と呼ばれ
る。近年、この電界電子放出の原理を画像表示に応用し
た平面型の冷陰極電界電子放出表示装置、フィールドエ
ミッションディスプレイ(FED:field emissiondisp
lay)が提案されており、高輝度、低消費電力等の長所
を有することから、従来の陰極線管(CRT:cathode
ray tube)に代わる画像表示装置として期待されてい
る。
に、表示装置と呼ぶ場合がある。)は、一般的に、2次
元マトリクス状に配列した画素に対応して電子放出部を
有するカソードパネルと、電子放出部から放出された電
子との衝突により励起され発光するアノードパネルと
が、真空空間を挟んで対向配置された構造を有する。
常、複数の電子放出部が形成され、更に、電子放出部か
ら電子を引き出すためのゲート電極も形成されている。
電子の放出に関する最小構造単位、即ち電子放出部分と
ゲート電極を有する部分が冷陰極電界電子放出素子であ
る(以下、冷陰極電界電子放出素子を、単に電界電子放
出素子と呼ぶ場合がある。)。
は、電子放出部を円錐形の導電体で構成した、いわゆる
スピント(spindt)型電界電子放出素子が知られ
ている。図12は、従来のスピント型電界電子放出素子
を組み込んだ表示装置の概略断面図である。
ノードパネルAPとが、0.1mm〜1mm程度の距離
を隔てて対向配置された構造を有し、両パネルの間の空
間が真空空間とされている。
パネルCP上に形成されており、カソード電極17と、
カソード電極17及び支持体16上に設けられた絶縁層
18と、絶縁層18上に形成されたゲート電極19と、
ゲート電極19及び絶縁層18に設けられた開口部20
と、開口部20の底部に位置するカソード電極17上に
形成された円錐形の電子放出部21とから構成されてい
る。
とは、互いに異なる方向に各ストライプ状に形成されて
おり、これら両電極の射映像が重複する領域に、通常、
複数のスピント型電界電子放出素子が配列されている。
カソード電極17の射映像の延びる方向は、通常、互い
に90度にずれている。ゲート電極/カソード電極重複
領域は、カソードパネルCPの有効領域(実際に表示画
面として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス
状に配列されている。
と、基板23上に設けられた蛍光体層24と、蛍光体層
24から基板23上にわたって設けられたアノード電極
25とから構成されている。図12では、カラー表示装
置を想定してストライプ状又はドット状にパターン形成
された蛍光体層24を示すが、単色表示装置に関して
は、蛍光体層24はパターニングされていなくてもよ
い。また、パターニングされた蛍光体層24の間の隙間
は、表示画面のコントラストの向上を目的としたブラッ
クマトリクスが埋め込まれていてもよい。なお、単色表
示装置(カラー表示装置では各サブピクセル)では、カ
ソードパネルCP側においてゲート電極/カソード電極
重複領域に形成されたスピント型電界電子放出素子の一
群と、これらのスピント型電界電子放出素子の一群に面
したアノードパネルAP側蛍光体層24とによって構成
されている。表示装置の有効領域には、かかる画素が、
例えば数十万個ものオーダーに配列されている。
す通りである。
に、任意の電位差を与えると、電子放出部21の近傍に
生じた電界によって電子放出部21の先端から電子が放
出する。スピント型電界電子放出素子における電子放出
部21の鋭くとがった先端形状は、低い駆動電圧で大き
な電流量を得る上で効果的な形状である。放出された電
子は、アノードパネルAP側のアノード電極25に引き
つけられ、アノード電極25と基板23の間に形成され
た発光体層である蛍光体層24に衝突する。その結果、
蛍光体層24が励起されて発光し、所望の画像を得るこ
とができる。この電界電子放出の動作は、基本的にはゲ
ート電極19及びカソード電極17に印加される電圧に
よって制御される。
を、以下、図13及び図14を参照して説明する。
形の電子放出部21を金属材料の垂直蒸着により形成す
る方法がある。即ち、開口部20に対して蒸着粒子は垂
直に入射するが、開口部20の付近に形成されるオーバ
ーハング形状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口
部20の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐
状の堆積物である電子放出部21を自己整合的に形成す
る。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去
を容易とするために、ゲート電極19上に剥離層22を
予め形成しておく方法について説明する。
ガラス基板からなる支持体16上にニオブ(Nb)から
なるカソード電極17を形成した後、全面にSiO2か
らなる絶縁層18を形成し、更に絶縁層18上に導電材
料からなるストライプ状のゲート電極19を形成する。
次に、このゲート電極19と絶縁層18とをパターニン
グすることにより、開口部20を形成する。このパター
ニングは、通常のリソグラフィによるレジスト・パター
ンの形成と、このレジスト・パターンをマスクとして用
いたドライエッチングにより行うことができる。
ニウムを斜め蒸着することにより、剥離層22を形成す
る。このとき、支持体16の法線に対する蒸着粒子の入
射角を十分に大きく選択することにより、開口部20の
底部にアルミニウムを殆ど堆積させることなく、カソー
ド電極17及び絶縁層18上に剥離層22を形成するこ
とができる。この剥離層22は、開口部20の開口端部
から庇状に張り出しており、これにより開口部20が実
質的に縮径される。
垂直蒸着する。このとき、図14(C)に示すように、
剥離層22上でオーバーハング形状を有する導電材料層
21aが成長するに伴い、開口部20の実質的な直径が
次第に縮小されるので、開口部20の底部において堆積
に寄与する蒸着粒子は、次第に開口部20の中央付近を
通過するものに限られるようになる。その結果、開口部
20の底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形
の堆積物が電子放出部21となる。
セスによって剥離層22をゲート電極19の表面から剥
離し、ゲート電極19の上方の導電材料層21aを選択
的に除去する。その結果、図14(D)に示すように、
開口部20の底部に位置するカソード電極17上に、円
錐形の電子放出部21を残すことができる。
子放出素子に代わり、電子放出部の構成材料としてカー
ボン材料を用いた冷陰極電界電子放出素子の研究も盛ん
に行われている。カーボン材料は高融点金属に比べてし
きい値電圧が低く、かつ電子放出効率が高い。また、ダ
イヤモンド状、グラファイト状、チューブ状など結合形
態を容易に変化させることが可能であるなどがその理由
である。
れているような、カソード電極上に触媒金属層を設け、
化学気相成長法によって堆積させた高アスペクトル比を
有するカーボンナノチューブを電子放出部として用いた
冷陰極電界電子放出素子が、近年盛んに研究されてい
る。
たような、図12に示した構造を有する電界電子放出素
子の製造方法において、大面積を有する支持体の全体に
わたって均一な膜を有する導電材料層21aを垂直蒸着
により形成したり、均一な寸法の庇形状を有する剥離層
22を斜め蒸着により形成することは、極めて困難であ
り、何らかの面内バラツキやロット間バラツキは避けら
れない。このバラツキにより、表示装置の画像表示特
性、例えば画像の明るさにバラツキが生じる。また、大
面積にわたって形成された剥離層22を除去する際に、
その残渣がカソードパネルCPを汚染する原因となり、
表示装置の製造歩留まりを低下させるという問題も生じ
る。
ボンナノチューブ等のカーボン材料を用いた冷陰極電界
電子放出素子は、しきい値電界が低く、電子放出効率が
非常に高いものの、これらを合成する温度が500℃を
超える、非常に高い温度であるために、低融点の材質、
例えば安価なガラス基板を使用できないという問題が生
じる。
には、成長に必要なエネルギーを得るために支持体側に
バイアスを印加することが必要であり、このバイアスに
よって金属触媒がダメージを受け、金属触媒層とカソー
ド電極との間の接触が悪くなり、電子をチューブに供給
し難くなるといった問題も生じる。
極冷陰極電界電子放出素子においては、開口部の底部に
存在するチューブが密になると、チューブにかかる電界
強度が弱まるといった問題も生じる。
るためになされたものであって、その目的は、均一な電
子放出特性と強い電界強度が得られる冷陰極電界電子放
出素子及びその製造方法、並びに冷陰極電界電子放出表
示装置を提供することにある。
上にカソード電極を有し、このカソード電極上に、導電
性マスクが配されていると共に、この導電性マスクの開
口部内にチューブ状又は繊維状の構造からなる電子放出
部を有する、冷陰極電界電子放出素子に係るものであ
る。
工程と、このカソード電極上に、導電性マスクを配する
工程と、この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は
繊維状の構造からなる電子放出部を形成する工程とを有
する、冷陰極電界電子放出素子の製造方法に係るもので
ある。
このカソード電極上に、導電性マスクが配されていると
共に、この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は繊
維状の構造からなる電子放出部を有する、冷陰極電界電
子放出素子と;この冷陰極電界電子放出素子と対向する
位置に配された蛍光面と;を有し、前記冷陰極電界電子
放出素子から放出される電子により前記蛍光面を発光さ
せるように構成されたことを特徴とする、冷陰極電界電
子放出表示装置に係るものである。
記導電性マスクを配する工程と、この導電性マスクの開
口部内に前記チューブ状又は繊維状の構造からなる前記
電子放出部を形成する工程とを有するので、上記した従
来の製造方法のようにバラツキが生じることなく、表示
装置の画像表示特性、例えば画像の明るさにバラツキが
発生しない。また、剥離層を必要としないので、上述し
た従来の製造方法のように、カソードパネルCPを汚染
することなく、表示装置の製造歩留まりは向上する。
記電子放出部と電子供給層(前記カソード電極及び前記
導電性マスク)との接触面積を大きくすることが可能と
なり、従来技術に比べて電子をより一層前記電子放出部
に供給し易くなり、安定な電子放出を得ることができ
る。
又は繊維状の構造からなるので、しきい値電界を低くす
ることができ、消費電力を抑えられ、電子放出効率を非
常に高く維持することができる。
度を有する構造を備えた冷陰極電界電子放出素子及び冷
陰極電界電子放出表示装置を提供することが可能とな
る。
いて更に具体的に説明する。
は、前記カソード電極及び金属触媒層を有する前記支持
体上に、パターン形成されてなる前記導電性マスクを有
し、前記金属触媒層上の前記導電性マスクの前記開口部
に前記電子放出部を有することが好ましい(以下、本発
明の実施の形態1と称する。)。
有する前記支持体上に、パターン形成されてなる前記導
電性マスク及び絶縁層を順次有し、前記絶縁層上にゲー
ト電極を有し、前記ゲート電極及び前記絶縁層を貫通し
てなる開口部の底部に前記電子放出部を有することが好
ましい(以下、本発明の実施の形態2と称する。)。
が、前記カソード電極の面積より小さく形成されている
ことが望ましく、具体的には、前記電子放出部を分割し
て複数有しており、これらの電子放出部を囲む前記導電
性マスクの開口率が10〜70%であることが望まし
い。これは前記導電性マスクを設けることで実現可能で
あり、上記のような構成とすることにより、前記電子放
出部における電界強度をより一層高めることが可能であ
り、従来の冷陰極電界電子放出素子に比べて低しきい電
界で電子を放出することが可能となり、より一層消費電
力を抑えることができる。ここで、前記電子放出部を囲
む前記導電性マスクの開口率が10%未満の場合、電子
放出部が形成されないことがある。また、70%を超え
ると、前記電子放出部にかかる電界強度が弱まることが
ある。
記電子放出部と電子供給層(前記カソード電極及び前記
導電性マスク)との接触面積を大きくすることが可能と
なり、従来技術に比べて電子をより一層前記電子放出部
に供給し易くなり、安定な電子放出を得ることができ
る。
状又は繊維状の炭素材料によって形成されていることが
望ましい。前記チューブ状又は繊維状の形状は、470
℃以下(より好ましくは400℃以下)で合成されるこ
とが望ましい。前記金属触媒層を利用して、前記支持体
に50V以上、より好ましくは100V以上の電圧を印
加し、1012cm-3以上、より好ましくは3×1012c
m-3以上のプラズマ密度を有するCVD法(Chemical v
apor deposition:化学気相成長法:以下、同様)によ
って、上記の470℃以下という低温な条件下でも合成
することが可能となる。ここで、前記チューブ状又は繊
維状の先端は電子を放出する部分のため、電子放出効率
を高める観点からは、その先端が先鋭であることが好ま
しい。プラズマ密度が1012cm-3未満の場合、低温
(470℃以下)での前記電子放出部の形成が困難とな
ることがある。
しくは5〜15eV、イオン電流密度が0.1〜10m
A/cm2であるCVD法によっても、上記の470℃
以下という低温な条件下でも前記電子放出部を形成する
ことが可能となる。電子温度及びイオン電流密度がこの
範囲外の場合、低温(470℃以下)での前記電子放出
部の形成が困難となることがある。
に、470℃以下という低温な条件下にて、前記ナノサ
イズのチューブ状又は繊維状の炭素材料からなる前記電
子放出部を合成することができるので、低融点の材質、
例えば安価なガラス基板等を使用することが可能とな
る。
ものではないが、チューブ若しくはチューブ束、又は繊
維若しくは繊維束の間隔を十分に設けることが好まし
い。
れる前記チューブ状又は繊維状の炭素材料からなる前記
電子放出部は、sp2結合を有するグラファイトから構
成される。場合によっては、sp2結合とsp3結合が
混在したアモルファスカーボンから構成されていてもよ
い。チューブ状又は繊維状の前記電子放出部の外径は、
10〜150nm、好ましくは10〜60nmであるこ
とが望ましい。チューブ状又は繊維状の前記電子放出部
のアスペクト比(長さ/外径の値)として、3〜300
を得ることができる。
状の構造からなるので、しきい値電界を低くすることが
でき、消費電力を抑えられ、電子放出効率を非常に高く
維持することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置の構成要素として用いる場
合、通常、複数の冷陰極電界電子放出素子を設けるが、
複数の冷陰極電界電子放出素子を設ける場合、1画素内
における冷陰極電界電子放出素子の配列は規則的であっ
てもランダムであってもよい。
子の製造方法は、(1)前記カソード電極及び前記金属
触媒層を前記支持体上に形成する工程と、(2)前記カ
ソード電極及び前記金属触媒層を有する前記支持体上
に、前記導電性マスクをパターン形成する工程と、
(3)前記金属触媒層上の前記導電性マスクの前記開口
部に、470℃以下という低温下にて、例えば原料ガス
として炭素系混合ガスと水素ガスを混合したガス(若し
くは炭素系混合ガスのみでもよい)を使用し、上述した
CVD法によって、かつ前記カソード電極に50V以上
の電圧を印加することで、例えばナノサイズのチューブ
状の炭素材料からなる前記電子放出部を形成する工程
と、(4)水素(H2)雰囲気中でプラズマ処理を行
い、前記電子放出部の周辺に堆積したアモルファスカー
ボンを除去する工程と、を有することが好ましい。
放出素子の製造方法は、(1)前記カソード電極及び前
記金属触媒層を前記支持体上に形成する工程と、(2)
前記カソード電極及び前記金属触媒層を有する前記支持
体上に、前記導電性マスクをパターン形成する工程と、
(3)さらにこの導電性マスク上に絶縁層を配する工程
と、(4)前記絶縁層上にゲート電極を形成する工程
と、(5)前記ゲート電極の射影像と前記カソード電極
の射影像とが重複する領域において、等方的にエッチン
グすることによって、前記ゲート電極及び前記絶縁層を
貫通して、前記導電性マスクの前記開口部に対応した複
数の開口部を形成する工程と、(6)この開口部下の前
記導電性マスクの開口部の底部に、前記電子放出部を形
成する工程と、(7)前記金属触媒層上の前記導電性マ
スクの前記開口部に、470℃以下という低温下にて、
例えば原料ガスとして炭素系混合ガスと水素ガスを混合
したガス(若しくは炭素系混合ガスのみでもよい)を使
用し、上述したCVD法によって、かつ前記カソード電
極に50V以上の電圧を印加することで、例えばナノサ
イズのチューブ状の炭素材料からなる前記電子放出部を
形成する工程と、(8)水素(H2)雰囲気中でプラズ
マ処理を行い、前記電子放出部の周辺に堆積したアモル
ファスカーボンを除去する工程と、を有することが好ま
しい。
法においては、上記工程(3)の後に、(4’)前記ゲ
ート電極上に、さらに絶縁層を形成する工程と、
(5’)前記ゲート電極の射影像と前記カソード電極の
射影像とが重複する領域の前記ゲート電極上の前記絶縁
層を、等方的にエッチングすることによって、前記ゲー
ト電極上の前記絶縁層に複数の開口部を形成する工程
と、(6’)前記ゲート電極上の前記絶縁層をマスクと
して、前記ゲート電極及び前記絶縁層を、等方的にエッ
チングすることによって開口部を形成する工程と、
(7’)前記金属触媒層上の前記導電性マスクの前記開
口部に、470℃以下という低温下にて、例えば原料ガ
スとして炭素系混合ガスと水素ガスを混合したガス(若
しくは炭素系混合ガスのみでもよい)を使用し、上述し
たCVD法によって、かつ前記カソード電極に50V以
上の電圧を印加することで、例えばナノサイズのチュー
ブ状の炭素材料からなる前記電子放出部を形成する工程
と、(8’)水素(H2)雰囲気中でプラズマ処理を行
い、前記電子放出部の周辺に堆積したアモルファスカー
ボンを除去する工程と、を有していてもよい。
ード電極の射影像とが重複する領域に形成する前記開口
部を、複数でなく1つとしても構わない(以下、単に開
口部と記した場合は、開口部の数は1つとする。)。
方法においては、上記工程(3)の後に、(4”)ゲー
ト電極の射影像と前記カソード電極の射影像とが重複す
る領域の前記絶縁層を、等方的にエッチングすることに
よって、前記絶縁層に開口部を形成する工程と、
(5”)ゲート電極として使用する、例えば金属板に、
複数の開口部を形成する工程と、(6”)複数の開口部
を有するゲート電極を前記絶縁層上に接着する工程と、
(7”)前記金属触媒層上の前記導電性マスクの前記開
口部に、470℃以下という低温下にて、例えば原料ガ
スとして炭素系混合ガスと水素ガスを混合したガス(若
しくは炭素系混合ガスのみでもよい)を使用し、上述し
たCVD法によって、かつ前記カソード電極に50V以
上の電圧を印加することで、例えばナノサイズのチュー
ブ状の炭素材料からなる前記電子放出部を形成する工程
と、(8”)水素(H2)雰囲気中でプラズマ処理を行
い、前記電子放出部の周辺に堆積したアモルファスカー
ボンを除去する工程と、を有していてもよい。
電子放出部を形成するにあたり、選択性を向上させるた
め、前記金属触媒層と同じ温度領域で触媒反応を起さな
い物質を、前記ゲート電極の構成材料に選択することが
好ましい。ここで、選択性を向上させる手段として、前
記ゲート電極上に絶縁層若しくはシリコン(Si)を堆
積させてもよい。
放出部を形成するために、前記触媒金属層を構成する材
料としては、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、
コバルト(Co)、白金(Pt)、鉄(Fe)等の金
属、ニッケル、鉄及びコバルトのうちの少なくとも2種
からなる合金、又は有機金属などが挙げられ、前記電子
放出部形成時の前記支持体の温度に応じて適宜選択する
ことができる。また、上記に挙げた金属以外でも、前記
電子放出部の合成雰囲気中で触媒作用を持つ金属を用い
ればよい。
する材料を、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネ
オン(Ne)、クリプトン(Kr)、ラドン(Rn)等
の希ガス、水素(H2)及びアンモニア(NH3)のうち
の少なくとも2種類以上の混合ガスを用いて、プラズマ
雰囲気中で活性化してもよい。
(470℃以下、より好ましくは400℃以下)で形成
するためには、前記電子放出部の形成に用いる原料ガス
の解離度を高くすることが必要であり、化学的気相成長
時のプラズマ密度は少なくとも1012mm-3以上、より
好ましくは3×1012cm-3以上が必要である。このよ
うな高プラズマ密度を得るためには、ヘリコン波(Heli
con Wave)プラズマCVD装置、ECR(Electron Cyc
lotron Resonance)プラズマCVD装置、ICP(Indu
ctively Coupled)プラズマCVD装置、CCP(Capac
itively Coupled)プラズマCVD装置等が使用可能で
ある。さらに、前記チューブ状又は繊維状の前記電子放
出部を形成するためには、前記支持体上に50V以上、
より好ましくは100V以上のバイアスを印加すること
が必要である。
出部を形成するときの前記支持体の温度の上限は、前記
支持体が耐え得る温度とする必要があり、具体的には、
前記電子放出部を形成する際の前記支持体加熱温度を4
70℃以下とすることが望ましい。また、温度の下限
は、前記電子放出部が形成される最低温度であり、具体
的には、前記電子放出部を形成する際の前記支持体加熱
温度を150℃以上、好ましくは200℃以上とするこ
とが望ましい。
て、メタン(CH4)、エチレン(C2H4)、アセチレ
ン(C2H2)等の炭素系混合ガス、前記炭素系混合ガス
と水素ガスとの混合ガスを用いて、前記電子放出部をC
VD法により形成することが好ましい。メタノール、エ
タノール、アセトン、トルエン等を気化したガス、又は
前記気化したガスと水素ガスの混合ガスを用いてもよ
い。また、放電を安定にさせるため及びプラズマ解離を
促進するために、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)
等の希ガスを導入してもよい。
部を確実に形成するといった観点からは、炭化水素系ガ
ス/水素ガスの流量比を1以上とすることが好ましい。
即ち、炭化水素系ガスと水素ガスの合計流量に対する炭
化水素系ガスの流量を50%以上とすることが好まし
い。
電極及び前記絶縁層の等方的なエッチング(より具体的
には、開口部の側壁面を構成する前記絶縁層の部分の等
方的なエッチング)は、ケミカルドライエッチングのよ
うにラジカルを主エッチング種として利用するドライエ
ッチング、或いはエッチング液を利用するウェットエッ
チングにより行うことができる。
縁性部材により構成されていればよく、ガラス基板、表
面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に
絶縁膜が形成された基板、表面が絶縁膜形成された半導
体基板を挙げることができる。基板も、前記支持体と同
様の構成とすることができる。
成する材料としては、タングステン(W)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン
(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅
(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属又はこれら
の金属元素を含む合金、或いは化合物(例えばTiN等
の窒化物や、WSi、MoSi2、TiSi2、TaSi
2等のシリサイド)、或いは不純物を含有するシリコン
等の半導体層、ITO(イリジウム錫酸化物)などが挙
げられる。前記ゲート電極や前記カソード電極の形成に
は、構成する材料に依存して、蒸着法、スパッタリング
法、化学的気相成長法(CVD)、イオンプレーティン
グ法、印刷法、塗布法、メッキ等の公知のプロセスが利
用できる。これらの電極を構成する材料を、互いに同種
材料としてもよいし、異種の材料としてもよい。
子放出表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即
ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過性型(表示画面
をアノードパネルの構成要素である基板を通して観察す
る形式)であって、且つ、基板上にアノード電極と蛍光
体層がこの順に積層されている場合には、アノード電極
が形成される基板は元より、アノード電極自信も透明で
ある必要があり、ITO(イリジウム錫酸化物)等の透
明導電材料を用いることができる。
型(表示画面をカソードパネルの構成要素である支持体
を通して観察する形式)である場合、及び、透過型であ
っても基板上に蛍光体層とメタルバック膜を兼ねたアノ
ード電極がこの順に積層されている場合には、ITOの
他、前記カソード電極や前記ゲート電極に関連して上述
した材料を適宜選択して用いることができる。
O2、SiN、SiON、ガラス・ペースト硬化物を単
独或いは適宜積層して使用することができる。前記絶縁
層を形成するには、構成材料に依存して、CVD法、塗
布法、スパッタリング法、印刷法等の公知のプロセスが
利用できる。
質で形成するのが好ましく、特に、クロム(Cr)、金
(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タ
ングステン(W)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)
等の金属、又はITO等の導電性酸化物などを用いて形
成することが好ましい。前記導電性マスクを設けること
によって、前記電子放出部の面積を、前記カソード電極
の面積より小さく形成することができ、具体的には、前
記電子放出部を分割して複数形成し、これらの電子放出
部を囲む前記導電性マスクの開口率を10〜70%とす
ることが好ましい。これにより、前記電子放出部におけ
る電界強度をより一層高めることが可能であり、従来の
冷陰極電界電子放出素子に比べて低しきい電界で電子を
放出することが可能となり、より一層消費電力を抑える
ことができる。
分に発揮させるために、プラズマ処理による逆スパッタ
レートが、前記導電性マスクの方が小さくなるようにす
ることが好ましく、具体的には、前記導電性マスクと前
記金属触媒層とのプラズマ処理時の選択比を前記導電性
マスク/前記金属触媒層=10以上とすることが望まし
い。
冷陰極電界電子放出素子は、前記導電性マスクの開口率
を前記ゲート電極の開口部の開口率に対して70%以下
とすることが好ましい。70%を超える場合、前記電子
放出部にかかる電界強度が弱まることがある。
は、四角形、三角形、円形、星型等が挙げられ、さらに
前記導電性マスクの開口部を網目状に形成してもよい。
四角形、三角形、円形、星型当の形状をひとつ若しくは
複数設けてもよい。
おいては、電子放出電流を安定させるために抵抗層を設
けてもよい。
置は、本発明に基づく冷陰極電界電子放出素子を組み込
んだ表示装置であり、前記電子放出部の面積が前記カソ
ード電極の面積より小さく形成されてなる複数の冷陰極
電界電子放出素子が、前記支持体上に形成されてなるカ
ソードパネルと;基板と、冷陰極電界電子放出素子から
放出される電子によって発光する蛍光体層と、電子を蛍
光体層に向かって誘導するためのアノード電極からなる
アノードパネルと;が真空空間を挟んで対向配置されて
いることが望ましい。
VD法により、470℃以下の低温度の条件下にて合成
される、ナノサイズのチューブ状又は繊維状の炭素材料
によって形成されていることが望ましい。前記電子放出
部が前記チューブ状又は繊維状の構造からなるので、し
きい値電界を低くすることができ、消費電力を抑えら
れ、電子放出効率を非常に高く維持することができる。
素子を組み込んでなる本発明に基づく冷陰極電界電子放
出表示装置は、アノード電極とカソード電極を有する、
いわゆる2電極タイプの冷陰極電界電子放出表示装置で
ある。
置においては、前記アノード電極と前記カソード電極が
異なる方向(例えば、ストライプ状のアノード電極の射
影像と、ストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、前記アノード電極の射影
像と前記カソード電極の射影像とが重複する領域(以
下、アノード電極/カソード電極重複領域と称する。)
に位置する電子放出部から電子が放出される構成とする
ことができる。このような構成の冷陰極電界電子放出表
示装置の駆動は、いわゆる単純マトリクス方式により行
われる。即ち、前記カソード電極に相対的に負の電圧
を、前記アノード電極に相対的に正の電圧を印加し、列
選択された前記カソード電極と行選択された前記アノー
ド電極(或いは、行選択された前記カソード電極と列選
択された前記アノード電極)とのアノード電極/カソー
ド電極重複領域に位置する電子放出部から選択的に真空
空間中へ電子が放出され、この電子が前記アノード電極
に引きつけられてアノードパネル状の前記蛍光体層に衝
突し、前記蛍光体層を励起・発光させる。
表示装置には、上述した実施の形態2の構成を有する本
発明に基づく冷陰極電界電子放出素子を組み込んでもよ
い。
放出素子は、前記カソード電極及び金属触媒層を有する
前記支持体上に、パターン形成されてなる前記導電性マ
スク及び絶縁層を順次有し、前記絶縁層上にゲート電極
を有し、前記ゲート電極及び前記絶縁層を貫通してなる
開口部の底部に前記電子放出部を有する。この場合の構
成を有する冷陰極電界電子放出表示装置は、アノード電
極とゲート電極を有する、いわゆる3電極タイプの冷陰
極電界電子放出表示装置である。
置においては、前記ゲート電極と前記カソード電極とは
異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の射影
像と、ストライプ状のカソード電極の射影像とが成す角
度が90度)に延びており、前記ゲート電極の射影像と
前記カソード電極の射影像とが重複する領域に位置する
電子放出部から電子が放出される構成とすることが好ま
しい。このような構成の冷陰極電界電子放出表示装置の
駆動は、前記カソード電極に相対的に負の電圧を、前記
ゲート電極に相対的に正の電圧を印加し、前記アノード
電極に前記ゲート電極より更に高い正の電圧を印加す
る。電子は、列選択された前記カソード電極と行選択さ
れた前記ゲート電極(或いは、行選択された前記カソー
ド電極と列選択された前記ゲート電極)とのゲート電極
/カソード電極重複領域に位置する電子放出部から選択
的に真空空間中へ電子が放出され、この電子が前記アノ
ード電極に引きつけられてアノードパネル状の前記蛍光
体層に衝突し、前記蛍光体層を励起・発光させる。
とを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用い
て行ってもよいし、或いはガラスやセラミックス等の絶
縁剛性材料からなる枠体と接着層とを併用して行っても
よい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さ
を適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合
に比べ、前記カソードパネルと前記アノードパネルとの
間の対向距離をより長く設定することが可能である。な
お、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般
的であるが、融点が120〜400℃程度のいわゆる低
融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料と
しては、In(インジウム:融点157℃);インジウ
ム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜3
70℃)、Sn95Cu5(融点227〜370℃)等の
スズ(Sn)系高温はんだ;Pb9 7.5Ag2.5(融点3
04℃)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365
℃)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309℃)等の鉛
(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380℃)
等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点3
00〜314℃)、Sn2Pb98(融点316〜322
℃)等のスズ−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点3
81℃)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)
を例示することができる。
と枠体の三者を接合する場合、三者を同時に接合しても
よいし、或いは、第1段階で前記カソードパネル又は前
記アノードパネルのいずれか一方と枠体とを接合し、第
2段階で前記カソードパネル又は前記アノードパネルの
他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段
階における接合を高真空雰囲気中で行えば、前記カソー
ドパネルと前記アノードパネルと枠体と接着層とにより
囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。或いは、三
者の接合終了後、前記カソードパネルと前記アノードパ
ネルと枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、
真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接
合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよ
く、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、
或いは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばA
rガス)を含む不活性ガスであってもよい。
ソードパネル及び/又は前記アノードパネルに予め接続
されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、前記カソー
ドパネル及び/又は前記アノードパネルの無効領域(実
際の表示部分としては機能しない領域)に設けられた貫
通部の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材
料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、
熱融着によって封じ切られる。なお、封じ切りを行う前
に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してか
ら降温させると、空間に残留ガスを放出させることがで
き、この残留ガスを排気により空間外へ除去することが
できるので、好適である。
陰極電界電子放出素子及びその製造方法について説明す
る。
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界電子放出素子と称
する。)及びその製造方法、並びにこの素子を組み込ん
でなる冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と
称する。)に関する。
電子放出素子の製造手順の一例を工程順に示す概略断面
図であり、図3には、工程図を兼ねた表示装置の一部の
分解斜視図を示し、図4には、表示装置の一部の模式的
な断面図を示す。なお、図1〜図4は、要部のみを一部
簡略図示した(以下、同様)。
示装置は、複数の電界電子放出素子が支持体1上に形成
されてなるカソードパネルCPと;基板10と、電界電
子放出素子から放出した電子によって発光する蛍光体層
11と、電子を蛍光体層11に向かって誘導するための
アノード電極13とからなるアノードパネルAPと;が
真空空間を挟んで対向配置された構成を有する。
極2と、金属触媒層3と、導電性マスク9と、ナノサイ
ズの大きさを有するチューブ状のカーボンからなる電子
放出部4とを支持体1上に備えている。
4と電子供給層(カソード電極2及び導電性マスク9)
との接触面積を大きくすることが可能となり、従来技術
に比べて電子をより一層電子放出部4に供給し易くな
り、安定な電子放出を得ることができる。
電極2の面積より小さく形成されていることが望まし
く、具体的には、電子放出部4を分割して複数有してお
り、これらの電子放出部4を囲む導電性マスク9の開口
率が10〜70%であることが望ましい。これは導電性
マスク9を設けることで実現可能であり、上記のような
構成とすることにより、電子放出部4における電界強度
をより一層高めることが可能であり、低しきい電界で電
子を放出することが可能となり、より一層消費電力を抑
えることができる。なお、ストライプ状のカソード電極
2は、ある一方向に延び、支持体1上に設けられてい
る。
排気用の貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫
通孔には、真空排気後に封じ切られるチップ管(図示せ
ず)が接続されている。
上に所定のパターン(例えば、ストライプ状やドット
状)に従って蛍光体層11が形成され、隣り合う蛍光体
層11の隙間はブラックマトリクス12が形成され(ブ
ラックマトリクス12は、省略することもできる。)、
蛍光体層11を覆う例えばアルミニウム薄膜からなるス
トライプ状のアノード電極13が設けられている。な
お、ストライプ状のアノード電極13は、カソード電極
2と異なる方向に延びており、アノード電極/カソード
電極重複領域が1画素分の領域に相当する。
赤(R)、緑(G)、青(B)の発光色を呈する蛍光体
粒子のそれぞれからなる場合、各アノード電極/カソー
ド電極重複領域は1サブピクセル分の領域に相当する。
また、単色表示装置を想定した場合、蛍光体層11が必
ずしも所定のパターンに従って設けられる必要はない。
また、図示したアノード電極13は、通常、アルミニウ
ム等の光反射性導電膜を用いて構成されるが、ITO等
の透明導電膜からなるアノード電極13を基板10と蛍
光体層11の間に設けてもよく、或いは、基板10と蛍
光体層11の間に設けられた透明導電膜と、蛍光体層1
1からブラックマトリクス12にわたって設けられた光
反射導電膜との双方からなるアノード電極13を設けて
もよい。
は、その周縁部において枠体(図示せず)を介して接合
されている。両パネル間の距離を一定に維持するための
補助的手段として、有効領域内に等間隔に配置されたス
ペ−サ5を設けてもよい。ここで、スペーサ5の形状
は、図示したような円柱形に限らず、例えば球状でもよ
いし、ストライプ状の隔壁(リブ)であってもよい。ま
た、スペーサ5は、必ずしも全てのアノード電極/カソ
ード電極重複領域の四隅に配置されている必要はなく、
より疎に配置されていてもよいし、配置が不規則であっ
てもよい。
は、カソード電極2に走査信号に従って走査回路14か
ら相対的な負の電圧を印加し、アノード電極13にビデ
オ信号に従って制御回路15から相対的な正の電圧を印
加するという、いわゆる単純マトリクス駆動である。ア
ノード電極13とカソード電極2の双方に同時に信号が
入力された画素(又はサブピクセル)においてのみ、電
子放出部4のチューブ状の先端から電子が放出され、蛍
光体層11が発光する。なお、図示した例とは逆に、走
査回路14をアノード電極13に接続し、制御回路15
をカソード電極2に接続してもよい。
のチューブ状の先端がアノード電極13に向かい、且
つ、先鋭化されているため、電流効率、即ち、カソード
電流値に対するアノード電流値の比も良好である。
1〜図2を参照して説明する。
層3を被覆したカソード電極2を支持体1上に形成す
る。例えば、支持体1上に、リソグラフィ技術を用いて
ストライプ状のレジストのパターンを形成した後、アル
ミニウムをスパッタリング法を用いて堆積し、レジスト
をリフトオフすることで、ストライプ状にカソード電極
2を形成する。次に、リソグラフィ技術を用いてレジス
トのパターンを形成した後、金属触媒層3としてのニッ
ケル(Ni)をスパッタリング法を用いてアルミニウム
上に堆積し、レジストをリフトオフすることでストライ
プ状の金属触媒層3を被覆したカソード電極2を支持体
1上に形成することができる。なお、上述した方法に代
えて、リソグラフィとドライエッチングを経てパターニ
ングすることにより、ストライプ状の金属触媒層3を被
覆したカソード電極2を形成してもよい。
フィ技術を用いて、電子放出部4の面積をカソード電極
2の面積より小さく形成するためのマスクパターンをレ
ジストで形成した後、アルミニウムをスパッタリング法
を用いて堆積し、レジストをリフトオフすることで、ス
トライプ状の金属触媒層3を被覆したカソード電極2上
に、電子放出部4を形成するための導電性マスク9を形
成する。
4と電子供給層(カソード電極2及び導電性マスク9)
との接触面積を大きくすることが可能となり、従来技術
に比べて電子をより一層電子放出部4に供給し易くな
り、安定な電子放出を得ることができる。
プラズマCVD装置を用いて、以下に示すプラズマCV
D条件にて、カーボンからなるチューブ状の電子放出部
4を、金属触媒層3(Ni)を被覆したカソード電極2
上に形成する。
結晶性を変化させるために、合成条件は随時変化させて
もよい。また、電子放出特性を向上させるために、ヘリ
ウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、ク
リプトン(Kr)、ラドン(Rn)等の希ガス、水素
(H2)及びアンモニア(NH3)のうちの少なくとも2
種類以上の混合ガスにより、Ni(金属触媒層3)表面
をプラズマ処理することで、Ni表面の酸化膜を除去
し、Ni表面を活性化してもよい。図2においては、電
子放出部4が規則的に形成されているように示している
が、実際には、ランダムに形成されている。その他の図
面においても同様である。また電子放出部4がランダム
ではなく、規則的に形成されてもよい。
の構造からなるので、しきい値電界を低くすることがで
き、消費電力を抑えられ、電子放出効率を非常に高く維
持することができる。
明に基づく電界電子放出素子が多数形成されたカソード
パネルCPと、アノードパネルAPとを組み合わせるこ
とにより、図3及び図4に示すような表示装置を構成す
ることができる。具体的には、セラミックスやガラスか
ら作製された高さ1mmの枠体(図示せず)及びスペー
サ5を用意し、枠体とアノードパネルAP、スペーサ5
とアノードパネルAP、枠体とカソードパネルCP、及
びスペーサ5とカソードパネルCPとを、例えばフリッ
トガラスを用いて貼り合わせ、フリットガラスを乾燥し
た後、約450℃で10〜30分焼成すればよい。その
後、表示装置の内部空間を、貫通孔(図示せず)及びチ
ップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10
-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封
じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソー
ドパネルCPと枠体とに囲まれた空間を真空にすること
ができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、表
示装置を完成させる。なお、枠体の代わりに接着層のみ
を用いることもできる。
の形状がチューブ状であり、高さは平均2μmであり、
外径は平均50nmであった。また、電子放出部4は、
長さ方向の一端が金属触媒層3と接し、かつ、金属触媒
層3に対して略垂直に延びていた。
例を下記に示す(図示省略)。
そのために、例えば、純水に分散剤を分散させ、ホモミ
キサーを用いて3000rpmにて1分間、攪拌を行
う。次に、発光性結晶粒子を分散剤が分散した純水中に
投入し、ホモミキサーを用いて5000rpmにて5分
間、攪拌を行う。その後、例えば、ポリビニルアルコー
ル及び重クロム酸アンモニウムを添加して、十分に攪拌
し、濾過する。
えばガラスからなる基板10上の全面に感光性被膜を形
成(塗布)する。そして、露光光源から射出され、マス
クに設けられた孔部を通過した紫外線によって、基板1
0上に形成された感光性被膜を露光して感光領域を形成
する。その後、感光性被膜を現像して選択的に除去し、
感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性被膜)を基板
10上に残す。次に、全面にカーボン剤(カーボンスラ
リー)を塗布し、乾燥、焼成した後、リフトオフ法を用
いて感光性被膜の残部及びその上のカーボン剤を除去す
ることによって、露出した基板10上にカーボン剤から
なるブラックマトリクス12を形成し、併せて、感光性
被膜の残部を除去する。その後、露出した基板10上
に、赤、緑、青の各蛍光体層11を形成する。具体的に
は、各発光性結晶粒子(蛍光体粒子)から調製された発
光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の
発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布
し、露光、現像し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像すればよい。その後、蛍光体層11及びブラックマト
リクス12上にスパッタリング法にて厚さ約0.07μ
mのアルミニウム薄膜からなるアノード電極13(スト
ライプ形状)を形成する。なお、スクリーン印刷法等に
より各蛍光体層11を形成することもできる。
表面の酸化物(いわゆる、自然酸化膜)を除去すること
が、チューブ形状を有する電子放出部4を確実に形成
し、電子放出を引き起こすしきい値電界を低減するとい
った観点から望ましい。酸化物の除去を、例えば、下記
に例示するプラズマ還元処理(マイクロ波プラズマ処
理)に基づき行うことができる。或いは、例えば50%
フッ酸水溶液と純水の1:49(容積比)混合液を用い
て、金属触媒層3の表面の酸化物(自然酸化膜)を除去
することもできる。
電子放出部4の形成後、電子放出部4の表面、或いは導
電性マスク9の部分に薄いアモルファス状の炭素薄膜が
堆積している場合がある。このような場合には、電子放
出部4の形成後、水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を
行うことによって、アモルファス状の炭素薄膜を除去す
ることが望ましい。プラズマ処理の条件を以下に例示す
る。なお、このようなプラズマ処理を行うことによっ
て、電子放出を引き起こすしきい値電界を一層低くする
ことができる。
その形状がチューブ状であり、高さは平均2μmであ
り、外径は平均50nmであった。また、電子放出部4
は、長さ方向の一端が金属触媒層3と接し、かつ、金属
触媒層3に対して略垂直に延びていた。
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界電子放出素子と称
する。)及びその製造方法、並びにこの素子を組み込ん
でなる冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と
称する。)に関する。
子放出素子の製造手順の一例を工程順に示す概略断面図
であり、図10には、工程図を兼ねた表示装置の一部の
分解斜視図を示し、図11には、表示装置の一部の模式
的な断面図を示す。なお、実施の形態1と共通部分につ
いては詳細な説明を省略する。また、実施の形態2は、
金属触媒をリフトオフすることで、カソード電極2上に
金属触媒層3のパターニングを行う。
界電子放出素子が、上述した実施の形態1の表示装置を
構成する電界電子放出素子と相違する点は、絶縁層6、
ゲート電極7及び開口部8を備えている点と、電子放出
部4の面積をカソード電極2の面積より小さく形成する
ための導電性マスク9を設けた金属触媒層3が開口部8
の底部のみに存在する点にある。即ち、電界電子放出素
子は、導電性マスク9を設けた金属触媒層3を一部に有
するカソード電極2及び支持体1上に設けられた絶縁層
6と、絶縁層6上に設けられたゲート電極7と、ゲート
電極7及び絶縁層6を貫通した開口部8を有し、開口部
8の底部にはカーボンからなるチューブ状の電子放出部
4が露出している。
向にストライプ状に延びており、ゲート電極7の射影像
とカソード電極2の射影像とが重複する各ゲート電極/
カソード電極重複領域が、1画素分の領域(カラー表示
装置の場合は1サブピクセル分領域)に相当する。図示
した例では、正方形の平面形状を有する開口部8が各ゲ
ート電極/カソード電極重複領域に1つずつ形成されて
いるが、開口部8の形状は円形、楕円形、正方形以外の
多角形、丸みを帯びた頂点を有する多角形でもいずれで
もよく、また、各ゲート電極/カソード電極重複領域に
おける開口部8の数は2以上であってもよいし、ランダ
ムに配置されていてもよい。以下に説明する実施の形態
においても同様とすることができる。
やブラックマトリクス12の構成は、上述した実施の形
態1と同様とすることができる。但し、アノード電極1
3は、有効領域の全面に形成されている。かかる構成を
有する表示装置において、カソード電極2には走査信号
に従って走査回路14から相対的な負電圧が印加され、
ゲート電極7にはビデオ信号に従って制御回路15から
相対的な正電圧が印加され、アノード電極13にはゲー
ト電極7よりも更に高い正電圧が加速電源(図示省略)
から印加される。カソード電極2とゲート電極7との間
の電位差に基づいて生ずる電界により、チューブ状の電
子放出部4の先端から電子が放出される。この電子が、
アノード電極13に引きつけられて蛍光体層11に衝突
すると、蛍光体層11が発光し、所望の画像を得ること
ができる。
5〜図9を参照して説明する。
カソード電極2を形成する。例えば、支持体1上にリソ
グラフィ技術を用いてストライプ状のレジストのパター
ンを形成した後、アルミニウムをスパッタリング法を用
いて堆積する。その後、レジストを剥離しリフトオフす
ることで、アルミニウムからなるカソード電極2をスト
ライプ状に形成する。
を形成する。例えば、カソード電極2上にリソグラフィ
技術を用いてパターニングをした後、ニッケルをスパッ
タリング法を用いて堆積する。その後、レジストを剥離
しリフトオフをすることで所望の位置にニッケルからな
る金属触媒層3を形成する。但し、金属触媒層3である
ニッケルをパターニングしたが、ニッケルをカソード電
極2上の全面に堆積させてもよい(但し、カソード電極
2の電圧印加部分は除く)。
術を用いて、電子放出部4の面積をカソード電極2の面
積より小さく形成するためのマスクパターンをレジスト
で形成した後、アルミニウムをスパッタリング法を用い
て堆積し、レジストをリフトオフすることで、ストライ
プ状の金属触媒層3を被覆したカソード電極2上に、電
子放出部4を形成するための導電性マスク9を形成す
る。
2、金属触媒層3及び導電性マスク9を有する支持体1
上に、絶縁層6を形成する。具体的には、化学的気相成
長法(CVD法)を用いてSiO2を3μm堆積する。
上述のようなCVD法に代えて、例えばスパッタリング
法を用いてSiO2を堆積させてもよい。
る。例えば、リソグラフィ技術を用いてカソード電極2
とは異なる方向にストライプ状のレジストのパターンを
形成した後(本実施の形態においては、カソード電極2
に対して90度となる方向)、アルミニウムをスパッタ
リング法を用いて堆積する。その後、レジストを剥離し
リフトオフすることで、アルミニウムからなるゲート電
極7をストライプ状に形成する。
の射影像とカソード電極2の射影像とが重複する領域
(ゲート電極/カソード電極重複領域)において、ゲー
ト電極7及び絶縁層6に開口部8を形成する。例えば、
リソグラフィ技術を用いて、ゲート電極7の射影像とカ
ソード電極2の射影像とが重複する領域のみ開口部が存
在するレジスト・パターンを形成する。このレジスト・
パターンをマスクとして、リン酸、硝酸、酢酸の混酸を
用いてアルミニウムをウェットエッチングした後、ドラ
イエッチングによりSiO2をエッチングし、開口部8
の底部に金属触媒層3を露出させる。
プラズマCVD装置を用いて、以下に示すプラズマCV
D条件にて、カーボンからなるチューブ状の電子放出部
4を、金属触媒層3(Ni)を被覆したカソード電極2
上に形成する。
結晶性を変化させるために、合成条件は随時変化させて
もよい。また、電子放出特性を向上させるために、ヘリ
ウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、ク
リプトン(Kr)、ラドン(Rn)等の希ガス、水素
(H2)及びアンモニア(NH3)のうちの少なくとも2
種類以上の混合ガスにより、Ni(金属触媒層3)表面
をプラズマ処理することで、Ni表面の酸化膜を除去
し、Ni表面を活性化してもよい。
に、薄いアモルファス状の炭素薄膜が堆積している場合
がある。このような場合には、電子放出部4の形成後、
水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことによっ
て、アモルファス状の炭素薄膜を除去することが望まし
い。プラズマ処理の条件を以下に例示する。なお、この
ようなプラズマ処理を行うことによって、電子放出を引
き起こすしきい値電界を一層低くすることができる。
の形状がチューブ状であり、高さは平均2μmであり、
外径は平均50nmであった。また、電子放出部4は、
長さ方向の一端が金属触媒層3と接し、かつ、金属触媒
層3に対して略垂直に延びていた。
成されたカソードパネルCPを、上述した実施の形態1
と同様にして、アノードパネルAPと組み合わせること
により、図10及び図11に示すような表示装置を得る
ことができる。
前記導電性マスクを配する工程と、この導電性マスクの
開口部内に前記チューブ状又は繊維状の構造からなる前
記電子放出部を形成する工程とを有するので、上記した
従来の製造方法のようにバラツキが生じることなく、表
示装置の画像表示特性、例えば画像の明るさにバラツキ
が発生しない。また、剥離層を必要としないので、上述
した従来の製造方法のように、カソードパネルCPを汚
染することなく、表示装置の製造歩留まりは向上する。
記電子放出部と電子供給層(前記カソード電極及び前記
導電性マスク)との接触面積を大きくすることが可能と
なり、従来技術に比べて電子をより一層前記電子放出部
に供給し易くなり、安定な電子放出を得ることができ
る。
又は繊維状の構造からなるので、しきい値電界を低くす
ることができ、消費電力を抑えられ、電子放出効率を非
常に高く維持することができる。
度を有する構造を備えた冷陰極電界電子放出素子及び冷
陰極電界電子放出表示装置を提供することが可能とな
る。
素子の製造手順の一例を工程順に示す概略断面図であ
る。
を工程順に示す概略断面図である。
置の一部の分解斜視図である。
的な断面図である。
他の例を工程順に示す概略断面図である。
他の例を工程順に示す概略断面図である。
他の例を工程順に示す概略断面図である。
他の例を工程順に示す概略断面図である。
他の例を工程順に示す概略断面図である。
装置の一部の分解斜視図である。
式的な断面図である。
を組み込んだ表示装置の概略断面図である。
の例を工程順に示す概略断面図である。
の例を工程順に示す概略断面図である。
触媒層、4、21…電子放出部、5…スペーサ、6、1
8…絶縁層、7、19…ゲート電極、8、20…開口
部、9…導電性マスク、10、23…基板、11、24
…蛍光体層、12…ブラックマトリクス、13、25…
アノード電極、14…走査回路、15…制御回路、21
a…導電材料層、22…剥離層
Claims (39)
- 【請求項1】 支持体上にカソード電極を有し、このカ
ソード電極上に、導電性マスクが配されていると共に、
この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は繊維状の
構造からなる電子放出部を有する、冷陰極電界電子放出
素子。 - 【請求項2】 支持体上にカソード電極を有し、このカ
ソード電極上に、導電性マスクが配されていると共に、
この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は繊維状の
構造からなる電子放出部を有する、冷陰極電界電子放出
素子と;この冷陰極電界電子放出素子と対向する位置に
配された蛍光面と;を有し、前記冷陰極電界電子放出素
子から放出される電子により前記蛍光面を発光させるよ
うに構成されたことを特徴とする、冷陰極電界電子放出
表示装置。 - 【請求項3】 前記電子放出部の面積が、前記カソード
電極の面積より小さく形成されている、請求項1又は2
に記載した素子又は装置。 - 【請求項4】 前記電子放出部を分割して複数有してお
り、これらの電子放出物を囲む前記導電性マスクの開口
率が10〜70%である、請求項3に記載した素子又は
装置。 - 【請求項5】 前記カソード電極及び金属触媒層を有す
る前記支持体上に、パターン形成されてなる前記導電性
マスクを有し、前記金属触媒層上の前記導電性マスクの
前記開口部に前記電子放出部を有する、請求項1又は2
に記載した素子又は装置。 - 【請求項6】 前記カソード電極及び金属触媒層を有す
る前記支持体上に、パターン形成されてなる前記導電性
マスク及び絶縁層を順次有し、前記絶縁層上にゲート電
極を有し、前記ゲート電極及び前記絶縁層を貫通してな
る開口部の底部に前記電子放出部を有する、請求項1又
は2に記載した素子又は装置。 - 【請求項7】 前記電子放出部がナノサイズのチューブ
状又は繊維状の炭素材料からなる、請求項1又は2に記
載した素子又は装置。 - 【請求項8】 前記ナノサイズのチューブ状又は繊維状
の炭素材料が垂直配向されている、請求項7に記載した
素子又は装置。 - 【請求項9】 前記金属触媒層が、ニッケル(Ni)、
モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、白金(P
t)、鉄(Fe)等の金属、ニッケル、鉄及びコバルト
のうちの少なくとも2種からなる合金、又は有機金属な
どから構成されている、請求項1又は2に記載した素子
又は装置。 - 【請求項10】 請求項9に記載した前記金属触媒層を
構成する材料が、ヘリウム(He)、アルゴン(A
r)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、ラドン
(Rn)等の希ガス、水素(H2)及びアンモニア(N
H3)のうちの少なくとも2種以上の混合ガスにより、
プラズマ雰囲気中で活性化されている、請求項9に記載
した素子又は装置。 - 【請求項11】 前記導電性マスクがクロム(Cr)、
金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、
タングステン(W)、モリブデン(Mo)、白金(P
t)等の金属、又はITO(Indium tin oxide:インジ
ウム酸化物にスズをドープした導電性酸化物)等の導電
性酸化物などから構成されている、請求項1又は2に記
載した素子又は装置。 - 【請求項12】 前記導電性マスクと前記金属触媒層と
のプラズマ処理時の選択比が前記導電性マスク/前記金
属触媒層=10以上である、請求項5又は6に記載した
素子又は装置。 - 【請求項13】 前記導電性マスクの開口率が前記ゲー
ト電極の開口部の開口率に対して70%以下である、請
求項6に記載した素子又は装置。 - 【請求項14】 前記導電性マスクの開口部の形状が四
角形、三角形、円形、星型等を有する、請求項1又は2
に記載した素子又は装置。 - 【請求項15】 前記導電性マスクの開口部が網目状を
有する、請求項1又は2に記載した素子又は装置。 - 【請求項16】 前記ゲート電極の開口部の底部に、請
求項14に記載した形状がひとつ若しくは複数設けられ
ている、請求項6に記載した素子又は装置。 - 【請求項17】 支持体上にカソード電極を形成する工
程と、このカソード電極上に、導電性マスクを配する工
程と、この導電性マスクの開口部内にチューブ状又は繊
維状の構造からなる電子放出部を形成する工程とを有す
る、冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項18】 前記電子放出部の面積を、前記カソー
ド電極の面積より小さく形成する、請求項17に記載し
た冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項19】 前記電子放出部を分割して複数形成
し、これらの電子放出部を囲む前記導電性マスクの開口
率を10〜70%とする、請求項18に記載した冷陰極
電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項20】 前記カソード電極及び金属触媒層を有
する前記支持体上に、前記導電性マスクをパターン形成
し、前記金属触媒層上の前記導電性マスクの前記開口部
に前記電子放出部を形成する、請求項17に記載した冷
陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項21】 前記カソード電極及び金属触媒層を有
する前記支持体上に、前記導電性マスクをパターン形成
し、さらにこの導電性マスク上に絶縁層を配し、前記絶
縁層上にゲート電極を形成し、前記ゲート電極及び前記
絶縁層を貫通して前記導電性マスクの前記開口部に対応
した開口部を形成し、この開口部下の前記導電性マスク
の開口部の底部に、前記電子放出部を形成する、請求項
17に記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項22】 前記電子放出部を自己整合的に形成す
る、請求項21に記載した冷陰極電界電子放出素子の製
造方法。 - 【請求項23】 前記電子放出部をナノサイズのチュー
ブ状又は繊維状の炭素材料により形成する、請求項17
に記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項24】 前記ナノサイズのチューブ状又は繊維
状の炭素材料を垂直配向する、請求項23に記載した冷
陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項25】 前記電子放出部を470℃以下で合成
する、請求項17に記載した冷陰極電界電子放出素子の
製造方法。 - 【請求項26】 前記支持体にバイアスを印加し、10
12cm-3以上のプラズマ密度を有するCVD法(Chemic
al vapor deposition:化学的気相成長法:以下、同
様)により前記電子放出部を形成する、請求項17に記
載した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項27】 支持体に50V以上のバイアスを印加
する、請求項26に記載した冷陰極電界電子放出素子の
製造方法。 - 【請求項28】 電子温度が1〜15eV、イオン電流
密度が0.1〜10mA/cm2であるCVD法により
前記電子放出部を形成する、請求項17に記載した冷陰
極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項29】 原料ガスとして、メタン(CH4)、
エチレン(C2H4)、アセチレン(C2H2)等の炭素系
混合ガス、前記炭素系混合ガスと水素ガスの混合ガス、
メタノール、エタノール、アセトン、トルエン等を気化
したガス、又は前記気化したガスと水素ガスの混合ガス
を用いて、前記電子放出部をCVD法により形成する請
求項17、26、27又は28に記載した冷陰極電界電
子放出素子の製造方法。 - 【請求項30】 請求項29に記載した原料ガスと、ヘ
リウム(He)、アルゴン(Ar)等の希ガスとを混合
してなる混合ガスを用いる、請求項29に記載した冷陰
極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項31】 チューブ状又は繊維状の炭素材料から
なる前記電子放出部を形成した後に、水素(H2)雰囲
気中でプラズマ処理を行い、前記電子放出部の周辺に堆
積したアモルファスカーボンを除去する、請求項17に
記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項32】 前記金属触媒層を、ニッケル(N
i)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、白金
(Pt)、鉄(Fe)等の金属、ニッケル、鉄及びコバ
ルトのうちの少なくとも2種からなる合金、又は有機金
属などから構成する、請求項17に記載した冷陰極電界
電子放出素子の製造方法。 - 【請求項33】 請求項32に記載した前記金属触媒層
を構成する材料を、ヘリウム(He)、アルゴン(A
r)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、ラドン
(Rn)等の希ガス、水素(H2)及びアンモニア(N
H3)のうちの少なくとも2種類以上の混合ガスを用い
て、プラズマ雰囲気中で活性化する、請求項32に記載
した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項34】 前記導電性マスクをクロム(Cr)、
金(Au)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、
タングステン(W)、モリブデン(Mo)、白金(P
t)等の金属、又はITO(Indium tin oxide:インジ
ウム酸化物にスズをドープした導電性酸化物)等の導電
性酸化物などを用いて形成する、請求項17に記載した
冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項35】 前記導電性マスクと前記金属触媒層と
のプラズマ処理時の選択比を前記導電性マスク/前記金
属触媒層=10以上とする、請求項20又は21に記載
した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項36】 前記導電性マスクの開口率を前記ゲー
ト電極の開口部の開口率に対して70%以下とする、請
求項21に記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方
法。 - 【請求項37】 前記導電性マスクの開口部の形状を四
角形、三角形、円形、星型等に形成する、請求項17に
記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項38】 前記導電性マスクの開口部を網目状に
形成する、請求項17に記載した冷陰極電界電子放出素
子の製造方法。 - 【請求項39】 前記ゲート電極の開口部の底部に、請
求項37に記載した形状を一つ若しくは複数設ける、請
求項21に記載した冷陰極電界電子放出素子の製造方
法。
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