JP2001143608A - 炭素薄膜の加工方法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents

炭素薄膜の加工方法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法

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JP2001143608A
JP2001143608A JP32408799A JP32408799A JP2001143608A JP 2001143608 A JP2001143608 A JP 2001143608A JP 32408799 A JP32408799 A JP 32408799A JP 32408799 A JP32408799 A JP 32408799A JP 2001143608 A JP2001143608 A JP 2001143608A
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Masakazu Muroyama
雅和 室山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭素薄膜12の異方性エッチングにより、電子
放出部12Aを精度良く形成する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、支
持体10上に導電層11を形成する工程と、導電層11
上に炭素薄膜12を形成する工程と、炭素薄膜12上に
マスク13Aを形成する工程と、マスク13Aをエッチ
ング用マスクとして使用し、水素系化学種が主エッチン
グ種となる条件下で炭素薄膜12のプラズマエッチング
を行うことにより、炭素薄膜から成る電子放出部12A
を形成する工程と、導電層11をエッチングして導電層
から成るカソード電極11Aを形成する工程と、全面に
絶縁層15を形成する工程と、絶縁層15上にゲート電
極16を形成する工程と、底部に電子放出部12Aが露
出した開口部18を少なくとも絶縁層15に形成する工
程から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素薄膜の加工方
法、冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び冷陰極電
界電子放出表示装置の製造方法に関し、特に、マスクの
寸法に対する寸法変換差を抑えることが可能な炭素薄膜
の加工方法、及び、炭素薄膜を利用した電子放出効率の
高い冷陰極電界電子放出素子の製造方法、並びに、係る
冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ低消費電力、高画
質の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)が例示される。このなか
でも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として
広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に
適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題を残してい
る。これに対し、冷陰極電界電子放出表示装置は、熱的
励起によらず固体から真空中に電子を放出することが可
能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と称
する)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から
注目を集めている。
【0003】図9に、電界放出素子を利用した冷陰極電
界電子放出表示装置(以下、表示装置と称する場合があ
る)の構成例を示す。図示した電界放出素子は、円錐形
の電子放出部を有する、所謂スピント(Spindt)
型素子と呼ばれるタイプの素子である。この電界放出素
子は、支持体30上に形成されたカソード電極31と、
支持体30及びカソード電極31上に形成された絶縁層
32と、絶縁層32上に形成されたゲート電極33と、
ゲート電極33及び絶縁層32に設けられた開口部34
と、開口部34の底部に位置するカソード電極31上に
形成された円錐形の電子放出部35から構成されてい
る。一般に、カソード電極31とゲート電極33とは、
これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ス
トライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像
が重複する部分に相当する領域(1画素分の領域に相当
する。この領域を、以下、カソード電極とゲート電極と
の重複領域と呼ぶ)に、通常は複数の電界放出素子が配
列されている。更に、かかる重複領域が、カソードパネ
ルCPの有効領域(実際の表示画面として機能する領
域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されてい
る。
【0004】一方、アノードパネルAPは、基板40
と、基板40上に形成されたアノード電極41と、アノ
ード電極41上に所定のパターンに従って形成された蛍
光体層42から構成されている。1画素は、カソードパ
ネルCP側のカソード電極31とゲート電極33との重
複領域に所定数配列された電界放出素子の一群と、これ
ら電界放出素子の一群に対面したアノードパネルAP側
の蛍光体層42とによって構成されている。有効領域に
は、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダ
ーにて配列されている。
【0005】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電界放出素子と蛍光体層42とが対向するように
配置し、周縁部において枠体43を介して接合すること
によって、表示装置を作製することができる。有効領域
を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された
無効領域(図示した例では、カソードパネルCPの無効
領域)には、真空排気用の貫通孔44が設けられてお
り、この貫通孔44には真空排気後に封じ切られたチッ
プ管45が接続されている。即ち、アノードパネルAP
とカソードパネルCPと枠体43とによって囲まれた空
間は、真空層VACとなっている。
【0006】カソード電極31には相対的な負電圧が走
査回路46から印加され、ゲート電極33には相対的な
正電圧が制御回路47から印加され、アノード電極41
にはゲート電極33よりも更に高い正電圧が加速電源4
8から印加される。かかる表示装置において表示を行う
場合、カソード電極31には走査回路46から走査信号
が入力され、ゲート電極33には制御回路47からビデ
オ信号が入力される。カソード電極31とゲート電極3
3との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、電子
放出部35から電子が放出され、この電子がアノード電
極41に引き付けられ、蛍光体層42に衝突する。この
結果、蛍光体層42が励起されて発光し、所望の画像を
得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基
本的にゲート電極33に印加される電圧、及びカソード
電極31を通じて電子放出部35に印加される電圧によ
って制御される。
【0007】かかる表示装置の構成において、低い駆動
電圧で大きな放出電子電流を得るためには、電子放出部
の先端部を鋭く尖らせることが有効であり、この観点か
ら、上述のスピント型素子の電子放出部35は優れた性
能を有していると云える。しかしながら、円錐形の電子
放出部35の形成には高度な加工技術を要し、場合によ
っては数千万個以上にも及ぶ電子放出部35を有効領域
の全域に亙って均一に形成することは、有効領域の面積
が増大するにつれて困難となりつつある。
【0008】そこで、円錐形の電子放出部を使用せず、
開口部の底面に露出した平面状の電子放出部を使用す
る、所謂平面型素子が提案されている。平面型素子にお
ける電子放出部は、カソード電極上に設けられており、
平面状であっても高い放出電子電流を達成し得るよう
に、カソード電極の構成材料よりも仕事関数が低い材料
から構成されている。かかる材料として、近年、炭素系
材料を使用することが提案されている。例えば第59回
応用物理学会学術講演会講演予稿集p.480,演題番
号15p−P−13(1998年)には、DLC(ダイ
ヤモンドライクカーボン)薄膜が提案されている。ま
た、炭素系材料を上記のような薄膜状に形成した場合、
この薄膜の加工(パターニング)方法が必要となる。か
かるパターニング方法として、例えば同講演予稿集p.
489,演題番号16p−N−11(1998年)に
は、酸素ガスをエッチングガスとして用いたダイヤモン
ド薄膜のECRプラズマ加工が提案されている。ダイヤ
モンド薄膜のプラズマ加工におけるエッチング用マスク
としては、一般にSiO2系材料が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、レジス
ト層をエッチング用マスクとして使用し、酸素ガスを用
いてDLCのような炭素薄膜のプラズマエッチングを行
った場合、エッチング反応系における反応副生成物とし
て(CH)x系あるいは(CF)x系等の炭素系ポリマー
が堆積性物質として生成する。一般に、プラズマエッチ
ングにおいて堆積性物質がエッチング反応系に生成した
場合、この堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト
層の側壁面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積
して所謂側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性
加工によって得られる形状(以下、異方性形状と呼ぶ)
の達成に寄与する。しかしながら、酸素ガスをエッチン
グ用ガスとして使用した場合には、炭素系ポリマーから
成る側壁保護膜は、生成しても、直ちに酸素ガスによっ
て除去されてしまう。また、酸素ガスをエッチング用ガ
スとして使用した場合には、レジスト層の消耗も激し
い。これらの理由により、従来のダイヤモンド薄膜の酸
素プラズマ加工においては、ダイヤモンド薄膜のマスク
の寸法に対する寸法変換差が大きく、異方性加工も困難
である。
【0010】従って、本発明は、マスクの寸法に対する
寸法変換差を抑えることが可能であって、高い加工精度
を有する炭素薄膜の加工方法を提供し、更に、この加工
方法を適用して電子放出効率の高い冷陰極電界電子放出
素子を製造し、更には、低消費電力、高画質の冷陰極電
界電子放出表示装置を製造する方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の炭素薄膜の加工方法は、(A)支持体上に
炭素薄膜を形成した後、炭素薄膜上にマスクを形成する
工程と、(B)マスクをエッチング用マスクとして使用
し、水素系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素
薄膜のプラズマエッチングを行う工程から成ることを特
徴とする。このプラズマエッチングにおいては、炭素薄
膜は主としてCHxの形で除去される。酸素ガスを用い
た従来の炭素薄膜のプラズマエッチングが炭素の酸化
(燃焼)反応に基づいていたのに対して、本発明の炭素
薄膜の加工方法における炭素薄膜のプラズマエッチング
は炭素の水素化反応に基づくため、酸化反応のような発
熱を伴わず、穏やかに進行する。しかも、水素系化学種
を主エッチング種とするエッチング反応系では、反応副
生成物として生じ得る堆積性の炭素系ポリマー(CH)
xは除去され難く、炭素系ポリマーが側壁保護膜として
十分に機能し得る。それ故、本発明の炭素薄膜の加工方
法によれば、炭素系薄膜の異方性加工が可能となり、高
い加工精度を達成することができる。尚、本発明の炭素
薄膜の加工方法は、後述する冷陰極電界電子放出素子の
電子放出部の形成の他、例えばリチウム電池の正極の形
成にも応用することができる。
【0012】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体上にカソード電極形成用の導電層を形成す
る工程と、(B)導電層上に炭素薄膜を形成する工程
と、(C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、
(D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
電子放出部を形成する工程と、(E)マスクをエッチン
グ用マスクとして引き続き使用し、導電層をエッチング
することにより、導電層から成るカソード電極を形成す
る工程と、(F)全面に絶縁層を形成する工程と、
(G)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、(H)
底部に電子放出部が露出した開口部を、少なくとも絶縁
層に形成する工程、から成ることを特徴とする。本発明
の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法
によれば、異方性形状を有する電子放出部とカソード電
極とを同じパターンに形成することができる。
【0013】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体上にカソード電極を形成する工程と、
(B)カソード電極及び支持体上に炭素薄膜を形成する
工程と、(C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、
(D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
電子放出部をカソード電極上に形成する工程と、(E)
全面に絶縁層を形成する工程と、(F)絶縁層上にゲー
ト電極を形成する工程と、(G)底部に電子放出部が露
出した開口部を、少なくとも絶縁層に形成する工程、か
ら成ることを特徴とする。本発明の第2の態様に係る冷
陰極電界電子放出素子の製造方法によれば、異方性形状
を有する電子放出部とカソード電極とを同じパターン又
は異なるパターンに形成することができる。
【0014】上記の目的を達成するための本発明の第1
の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
は、アノード電極及び蛍光体層が形成された基板と、冷
陰極電界電子放出素子が形成された支持体とを、蛍光体
層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するように配置
し、基板と支持体とを周縁部において接合する冷陰極電
界電子放出表示装置の製造方法であって、(A)支持体
上にカソード電極形成用の導電層を形成する工程と、
(B)導電層上に炭素薄膜を形成する工程と、(C)炭
素薄膜上にマスクを形成する工程と、(D)マスクをエ
ッチング用マスクとして使用し、水素系化学種が主エッ
チング種となる条件下で炭素薄膜のプラズマエッチング
を行うことにより、炭素薄膜から成る電子放出部を形成
する工程と、(E)マスクをエッチング用マスクとして
引き続き使用し、導電層をエッチングすることにより、
導電層から成るカソード電極を形成する工程と、(F)
全面に絶縁層を形成する工程と、(G)絶縁層上にゲー
ト電極を形成する工程と、(H)底部に電子放出部が露
出した開口部を、少なくとも絶縁層に形成する工程、を
経て冷陰極電界電子放出素子を形成することを特徴とす
る。本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示
装置の製造方法によれば、冷陰極電界電子放出素子の異
方性形状を有する電子放出部とカソード電極とを同じパ
ターンに形成することができる。
【0015】更に、本発明の第2の態様に係る冷陰極電
界電子放出表示装置の製造方法は、アノード電極及び蛍
光体層が形成された基板と、冷陰極電界電子放出素子が
形成された支持体とを、蛍光体層と冷陰極電界電子放出
素子とが対向するように配置し、基板と支持体とを周縁
部において接合する冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法であって、(A)支持体上にカソード電極を形成す
る工程と、(B)カソード電極及び支持体上に炭素薄膜
を形成する工程と、(C)炭素薄膜上にマスクを形成す
る工程と、(D)マスクをエッチング用マスクとして使
用し、水素系化学種が主エッチング種となる条件下で炭
素薄膜のプラズマエッチングを行うことにより、炭素薄
膜から成る電子放出部をカソード電極上に形成する工程
と、(E)全面に絶縁層を形成する工程と、(F)絶縁
層上にゲート電極を形成する工程と、(G)底部に電子
放出部が露出した開口部を、少なくとも絶縁層に形成す
る工程、を経て冷陰極電界電子放出素子を形成すること
を特徴とする。本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置の製造方法によれば、冷陰極電界電子放
出素子の異方性形状を有する電子放出部とカソード電極
とを同じパターン又は異なるパターンに形成することが
できる。
【0016】以下、本発明の炭素薄膜の加工方法、本発
明の第1の態様及び第2の態様に係る冷陰極電界電子放
出素子の製造方法、並びに、本発明の第1の態様及び第
2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
を、「本発明」と総称する場合がある。
【0017】本発明において、炭素薄膜として、グラフ
ァイト薄膜、アモルファスカーボン薄膜、ダイヤモンド
ライクカーボン薄膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げる
ことができる。
【0018】本発明において、炭素薄膜のプラズマエッ
チングは、従来公知のあらゆる型式のプラズマエッチン
グ装置を使用して行うことができる。即ち、プラズマエ
ッチング装置として、平行平板型RIE(反応性イオン
エッチング)装置、マグネトロンプラズマエッチング装
置、ダウンフロー型マイクロ波プラズマエッチング装
置、有磁場マイクロ波プラズマエッチング装置(ECR
プラズマエッチング装置)、誘導結合プラズマエッチン
グ装置、ヘリコン波プラズマエッチング装置を例示する
ことができる。中でも、有磁場マイクロ波プラズマエッ
チング装置、誘導結合プラズマエッチング装置及びヘリ
コン波プラズマエッチング装置は、所謂高密度プラズマ
エッチング装置に属し、低圧下でもエッチング用ガスを
効率良く解離させて平均自由行程の長いエッチング種を
大量に生成可能であり、且つ、プラズマ励起用パワーと
バイアスパワーとを独立に制御可能であることから、異
方性加工を精度良く行う上で極めて好ましい。
【0019】本発明において、主エッチング種となる水
素系化学種とは、水素イオン(H+、H2 +)及び水素ラ
ジカル(H*)である。本発明において、水素系化学種
を、水素(H2)、炭化水素系化合物、窒素と水素を構
成元素として含む化合物、及び、硫黄と水素を構成元素
として含む化合物から成る群から選択された少なくとも
1種類のガスから生成させることが好ましい。
【0020】炭化水素系化合物には、炭素と水素のみを
構成元素とする炭化水素の他、酸素、窒素、硫黄等の他
元素を1種類以上含む化合物が含まれる。炭化水素系化
合物における酸素は、エーテル結合、水酸基、アルデヒ
ド基、カルボニル基、カルボキシル基等の構造中に含ま
れ得るが、炭化水素系化合物中における酸素含量は、炭
素薄膜の酸化(燃焼)反応が優先的に進行したり、ま
た、炭素系ポリマーから成る側壁保護膜の除去によって
炭素薄膜や電子放出部の異方性形状が劣化することがな
いよう、十分に少ないことが望ましい。また、炭化水素
系化合物の分子量は特に限定されないが、炭化水素系化
合物を気体状態で容易にエッチング反応系へ導入するこ
とができ、且つ、堆積性の炭素系ポリマーの生成量を増
大させたり、これによってパーティクル汚染やエッチン
グ速度低下を招くことがない程度の分子量を選択するこ
とが望ましい。
【0021】窒素と水素を構成元素として含む化合物に
は、アンモニアやヒドラジンのように窒素と水素のみを
構成元素とする化合物の他、アルキル置換ヒドラジンの
ように炭素を更に含む化合物、あるいは酸素や硫黄等の
他元素を1種類以上含む化合物が含まれる。アルキル置
換ヒドラジンに含まれるアルキル基の炭素数は特に限定
されないが、アルキル置換ヒドラジンを気体状態で容易
にエッチング反応系へ導入することができ、且つ、堆積
性の炭素系ポリマーの生成量を増大させたり、これによ
ってパーティクル汚染やエッチング速度低下を招くこと
がない程度の炭素数を選択することが望ましい。
【0022】硫黄と水素を構成元素として含む化合物と
しては、硫化水素やポリ硫化水素のように硫黄と水素の
みを構成元素とする化合物の他、炭素、酸素、窒素等の
他元素を1種類以上含む化合物が含まれる。
【0023】尚、本発明において行われるプラズマエッ
チングには、水素を構成元素として含まない化合物を上
述のガスに添加して用いてもよい。例えば、窒素
(N2)、あるいはNO2、NO、N2O等の酸化窒素を
添加してエッチング反応系に窒素を供給すると、この窒
素を炭素系ポリマーに取り込ませることができる。かか
る窒素の導入によって、炭素系ポリマーにはC−N結合
が導入され、炭素系ポリマーのエッチング耐性が向上
し、異方性加工をより確実に行うことが可能となる。あ
るいは又、ガスを、例えば、水素と炭化水素系化合物の
混合ガス、水素とアンモニアの混合ガスとしてもよい。
【0024】本発明において、マスクは、シリコン、ゲ
ルマニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリ
コン、金属、金属化合物、及び、合金から成る群から選
択された少なくとも1種類の材料から構成することが好
ましい。金属として、タングステン(W)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム
(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(A
u)、白金(Pt)を例示することができる。金属化合
物として、TiN、TaN、WN等の窒化物;WS
2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド;TiB2やWB等のホウ化物;シリコンカーバイド
(SiC);あるいはITO(インジウム錫酸化物)等
の酸化物を例示することができる。合金としては、上記
の金属から構成された合金を挙げることができる。
【0025】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法及び第1の態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置の製造方法の工程(H)、並びに、本発
明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方
法及び第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の
製造方法の工程(G)において、開口部を「少なくと
も」絶縁層に形成すると表現したのは、それ以前までの
工程においてゲート電極に何らかの貫通孔が形成されて
おり、この貫通孔の内部において絶縁層及びマスクにの
み開口部を形成すれば済む場合もあり得るからである。
尚、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子
の製造方法及び第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法の工程(H)、並びに、本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法及び第
2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法
の工程(G)を総称して、開口部形成工程と呼ぶ場合が
ある。また、例えば、本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出素子の製造方法及び第1の態様に係る冷陰
極電界電子放出表示装置の製造方法の工程(E)に引き
続き、あるいは又、本発明の第2の態様に係る冷陰極電
界電子放出素子の製造方法及び第2の態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法の工程(D)に引き続
き、炭素薄膜上のマスクを除去した場合には、絶縁層に
開口部を形成することによって、底部に電子放出部が露
出するからである。ゲート電極、絶縁層あるいはマスク
に開口部を形成する典型的な手法として、エッチング法
を挙げることができる。尚、ゲート電極、絶縁層及びマ
スクへの開口部の形成と開口部形成工程との関係を、以
下の表1に列記する。表1中、「○」印は、開口部形成
工程において、ゲート電極、絶縁層あるいはマスクに開
口部を形成することを意味し、「×」印は、開口部形成
工程において、ゲート電極あるいはマスクに開口部を形
成しないこと、即ち、ゲート電極に既に開口部が形成さ
れ、あるいは又、マスクが既に除去されていることを意
味する。
【0026】[表1]開口部形成工程 ゲート電極 ○ × ○ × 絶縁層 ○ ○ ○ ○ マスク ○ ○ × ×
【0027】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法及び第2の態様に係る冷陰極電界電
子放出表示装置の製造方法の工程(D)において、カソ
ード電極上に形成される電子放出部は、カソード電極と
同一のパターンを有していてもよいし、カソード電極全
体を被覆するパターンを有していてもよいし、カソード
電極上の一部のみを覆うパターンを有していてもよい。
但し、カソード電極上の一部のみを覆うパターンを採用
する場合には、工程(G)で形成される開口部の底部に
電子放出部が露出し得る位置に電子放出部を形成する必
要がある。
【0028】本発明の全ての態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法、並びに、全ての態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法において、ゲート電極
及び絶縁層上には更に第2絶縁層が設けられ、第2絶縁
層上に収束電極が設けられていてもよい。収束電極と
は、開口部から放出されアノード電極へ向かう放出電子
の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光
学的クロストークの防止を可能とするための電極であ
る。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キ
ロボルトのオーダーであって、アノード電極とカソード
電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの表
示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極
には、収束電源から相対的な負電圧が印加される。収束
電極は、必ずしも各冷陰極電界電子放出素子毎に設けら
れている必要はなく、例えば、冷陰極電界電子放出素子
の所定の配列方向に沿って延在させることにより、複数
の冷陰極電界電子放出素子に共通の収束効果を及ぼすこ
ともできる。
【0029】本発明の第1の態様及び第2の態様に係る
冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法において、基板
と支持体とを周縁部において接合する場合、接合は接着
層を用いて行ってもよいし、あるいはガラスやセラミッ
ク等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して
行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠
体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用
する場合に比べ、基板と支持体との間の対向距離をより
長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料
としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が1
20〜400°C程度の所謂低融点金属材料を用いても
よい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウ
ム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合
金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95
Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高
温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb
94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5
1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温
はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Z
n)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314
゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の
錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)
等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示す
ることができる。
【0030】基板と支持体と枠体の三者を接合する際
は、三者同時接合を行ってもよいし、あるいは、第1段
階で基板又は支持体のいずれか一方と枠体とを先に接合
し、第2段階で基板又は支持体の他方と枠体とを接合し
てもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真
空雰囲気中で行えば、基板と支持体と枠体と接着層とに
より囲まれた空間は、接合と同時に真空層となる。ある
いは、三者の接合終了後、基板と支持体と枠体と接着層
とによって囲まれた空間を排気し、真空層を形成するこ
ともできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気
の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰
囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素
ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を
含む不活性ガスであってもよい。
【0031】接合後に排気を行う場合、排気は、基板及
び/又は支持体に予め接続されたチップ管を通じて行う
ことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用い
て構成され、基板及び/又は支持体の無効領域(即ち、
表示画面として機能する有効領域以外の領域)に設けら
れた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点
金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達し
た後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行
う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させる
と、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留
ガスを排気により空間外へ除去することができるので好
適である。
【0032】本発明の全ての態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法、並びに、全ての態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法において、支持体は、
少なくとも表面が絶縁性部材より構成されていればよ
く、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基
板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表
面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができ
る。基板も、支持体と同様に構成することができる。
【0033】カソード電極やゲート電極、収束電極を構
成する材料としては、タングステン(W)、ニオブ(N
b)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム
(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金
属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例え
ばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi
2、TaSi2等のシリサイド)、あるいはシリコン(S
i)等の半導体、ITO(インジウム錫酸化物)を例示
することができる。尚、これらの電極を構成する材料
を、互いに同種材料としてもよいし、異種の材料として
もよい。これらの電極の形成方法として、蒸着法、スパ
ッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、印
刷法、メッキ法等、通常の薄膜作製プロセスを利用でき
る。
【0034】絶縁層や第2絶縁層の構成材料としては、
SiO2、SiN、SiON、ガラスペースト硬化物を
単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング
法、印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0036】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の炭素薄膜の加工方法、及びこの加工方法を適用した本
発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子(以
下、電界放出素子と称する場合がある)の製造方法、並
びに、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表
示装置(以下、表示装置と称する場合がある)の製造方
法に関する。実施の形態1を図1〜図5を参照しながら
説明する。
【0037】[工程−100]先ず、図1の(A)に示
すように、一例としてガラス基板から成る支持体10上
にカソード電極形成用の導電層11を形成し、更に、導
電層11上に炭素薄膜12を形成する。導電層11は、
例えばスパッタリング法により形成された厚さ約0.2
μmのクロム(Cr)層から成る。スパッタリング法に
よるクロム層の製膜条件の一例を、下記の表2に示す。
また、炭素薄膜12は、例えば下記の表3に示す条件に
従ったプラズマCVD法により、約0.2μmの厚さに
製膜することができる。
【0038】[表2] [クロム層の製膜条件] ターゲット :Cr Ar流量 :100SCCM 圧力 :5Pa DCパワー :2kW スパッタ温度:200°C
【0039】[表3] [炭素薄膜の製膜条件] CH4流量 :100SCCM 圧力 :133Pa RFパワー :500W(13.56MHz) 製膜温度 :400°C
【0040】[工程−110]次に、炭素薄膜12上に
マスク形成層13を形成する。マスク形成層13は、例
えば厚さ約0.1μmの窒化シリコン層から成り、一例
として下記の表4に示す条件に従ったスパッタリング法
により形成することができる。更に、通常のフォトリソ
グラフィ及び現像の各工程を経て、マスク形成層13上
にレジスト層14を形成する。レジスト層14は、一方
向(図面の紙面垂直方向)に延びたストライプ状のパタ
ーンを有する。図1の(B)には、ここまでのプロセス
が終了した状態を示す。
【0041】[表4] [マスク形成層の製膜条件] ターゲット:Si34 Ar流量 :100SCCM RFパワー:2kW(13.56MHz) 圧力 :1×10-3Pa 製膜温度 :室温
【0042】[工程−120]次に、レジスト層14を
エッチング用マスクとして使用し、マスク形成層13を
エッチングする。マスク形成層13のエッチングは、例
えば下記の表5に示す条件に従って行うことができる。
エッチング終了後、レジスト層14を除去する。レジス
ト層14の除去は、一例として下記の表6に示すアッシ
ング条件に従って行うことができる。この結果、図2の
(A)に示すように、炭素薄膜12上にマスク13Aが
形成される。
【0043】[表5] [マスク形成層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 CF4流量 :100SCCM O2流量 :5SCCM 圧力 :1×10-3Pa RFパワー :1kW(13.56MHz) エッチング温度:室温
【0044】[表6] [レジスト層のアッシング条件] O2流量 :1200SCCM 圧力 :75Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) アッシング温度:300°C
【0045】[工程−130]次に、マスク13Aをエ
ッチング用マスクとして使用し、水素系化学種が主エッ
チング種となる条件下で炭素薄膜12のプラズマエッチ
ングを行うことにより、炭素薄膜から成る電子放出部1
2Aを形成する。ここでは、水素(H2)ガスから水素
系化学種を生成させる。炭素薄膜12のプラズマエッチ
ング条件の一例を、下記の表7に示す。このエッチング
条件により、パターニングされた炭素薄膜12のマスク
13Aの寸法に対する寸法変換差を生ずることなく、異
方性形状を有する電子放出部12Aを形成することがで
きる。これは、エッチング反応の反応副生成物として生
ずる(CH)x系ポリマーがH2によっても殆ど除去され
ず、また、窒化シリコンから成るマスク13AのH2
スに対するエッチング耐性が高いために、マスク13A
の膜減りも殆ど生じないからである。更に、マスク13
Aをエッチング用マスクとして引き続き使用し、導電層
11をエッチングすることにより、導電層(クロム層)
から成るカソード電極11Aを形成する。導電層11の
エッチング条件の一例を、下記の表8に示す。このよう
にして、一方向(図面の紙面垂直方向)に延びるストラ
イプ状のパターンを有する電子放出部12Aとカソード
電極11Aとが、同じパターンに形成される。図2の
(B)には、ここまでのプロセスが終了した状態を示
す。
【0046】[表7] [炭素薄膜のプラズマエッチング条件] エッチング装置:誘導結合プラズマ(ICP)エッチン
グ装置 H2流量 :100SCCM 圧力 :10Pa ソースパワー :1.5kW(2MHz) バイアスパワー:500W(13.56MHz) エッチング温度:室温
【0047】[表8] [クロム層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 Cl2流量 :100SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー :0.8kW(13.56MHz) エッチング温度:60°C
【0048】[工程−140]次に、図3の(A)に示
すように、全面に絶縁層15を形成し、更に、絶縁層1
5上にゲート電極16を形成する。絶縁層15は、例え
ばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして
使用するCVD法により、約1μmの厚さに製膜するこ
とができる。絶縁層15の製膜条件の一例を、下記の表
9に示す。ゲート電極16は、絶縁層15上の全面に例
えばクロム層をスパッタリング法にて製膜し、このクロ
ム層をカソード電極11Aと異なる方向(例えば、図面
の紙面左右方向)に延びるストライプ状のパターンにエ
ッチングすることにより形成することができる。スパッ
タリング条件は、前述の表2に示したとおりとすること
ができる。クロム層のエッチング条件は、前述の表8に
示したとおりとすることができる。
【0049】[表9] [絶縁層の製膜条件] TEOS流量:800SCCM O2流量 :600SCCM 圧力 :1.1kPa RFパワー :0.7kW(13.56MHz) 製膜温度 :40°C
【0050】[工程−150]次に、通常のフォトリソ
グラフィ及び現像の各工程を経て、ゲート電極16及び
絶縁層15上にレジスト層17を形成する。更に、この
レジスト層17をエッチング用マスクとして使用し、ゲ
ート電極16と絶縁層15とマスク13Aを順次エッチ
ングすることにより、図3の(B)に示すように、底部
に電子放出部12Aが露出した開口部18を形成する。
開口部18の平面形状は、例えば直径1μm〜30μm
の円形である。この開口部18は、通常、1画素領域に
1個〜3000個程度形成される。ゲート電極16のエ
ッチングは、例えば前述の表8に示した条件に従って行
うことができる。絶縁層15のエッチングは、例えば下
記の表10に示す条件に従って行うことができる。更
に、マスク13Aのエッチングは、例えば前述の表5に
示した条件に従って行うことができる。これらのエッチ
ングを終了した後、レジスト層17をアッシングにより
除去する。アッシングは、例えば前述の表6に示した条
件に従って行うことができる。
【0051】[表10] [絶縁層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C48流量 :30SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:室温
【0052】その後、絶縁層15に設けられた開口部1
8の側壁面を等方的なエッチングによって後退させる
と、図4の(A)に示す電界放出素子が完成される。等
方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのよう
にラジカルを主エッチング種として利用するドライエッ
チング、或いはエッチング液を利用するウェットエッチ
ングにより行うことができる。エッチング液としては、
例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積
比)混合液を用いることができる。尚、図4の(B)に
は、等方的なエッチングによってマスク13Aに設けら
れた開口部18の側壁面も同時に後退した状態を示す
が、このような状態は、例えば絶縁層15とマスク13
Aとが同じ材料から構成され、両者の間にエッチング選
択比が存在しない場合に達成され得る。かかる状態につ
いては、実施の形態2で後述する。
【0053】以下、表示装置の組立てプロセスに入る。
実施の形態1で製造される表示装置の構成例を図5に示
す。先ず、上述のような電界放出素子が有効領域に多数
形成されたカソードパネルCPと、アノードパネルAP
と、枠体23とを用意する。図5に示す端面には、カソ
ードパネルCP上において、1本のカソード電極11A
につき開口部18及び電子放出部12Aを、図面の簡素
化のために2個ずつ示しているが、これに限定するもの
ではなく、また、電界放出素子の基本的な構成は図4の
(A)に示したとおりである。更には、カソードパネル
CPの無効領域には、真空排気用の貫通孔24が設けら
れており、この貫通孔24には、真空排気後に封じ切ら
れるチップ管25が接続されている。但し、図5は表示
装置の完成状態を示しているため、図示したチップ管2
5は既に封じ切られている。
【0054】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に形成され、例えばITOから成るアノ
ード電極21と、アノード電極21上に所定のパターン
に従って形成された蛍光体層22から構成されている。
1画素は、カソードパネルCP側においてゲート電極1
6とカソード電極11Aとの重複領域の各々において配
列された電界放出素子の一群と、これら電界放出素子の
一群に対面するようにアノードパネルAPの有効領域に
配列された蛍光体層22とによって構成される。有効領
域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオ
ーダーにて配列されることになる。枠体23は、セラミ
ックス又はガラスから成り、高さは、例えば約1mmで
ある。
【0055】表示装置の組み立てに当たっては、蛍光体
層22と電界放出素子とが対向するようにアノードパネ
ルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネ
ルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板2
0と支持体10)とを、枠体23を介し、周縁部におい
て接合する。接合に際しては、枠体23とアノードパネ
ルAPとの接合部位、及び枠体23とカソードパネルC
Pとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパ
ネルAPとカソードパネルCPと枠体23とを貼り合わ
せ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約45
0゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノー
ドパネルAPとカソードパネルCPと枠体23と接着層
(図示せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔24及
びチップ管25を通じて排気し、空間の圧力が10-4
a程度に達した時点でチップ管25を加熱溶融により封
じ切る。この様にして、アノードパネルAPとカソード
パネルCPと枠体23とに囲まれた空間は、真空層VA
Cとなる。その後、必要な外部回路との配線を行い、表
示装置を完成する。
【0056】上記の表示装置において、カソード電極1
1Aには相対的な負電圧が走査回路26から印加され、
ゲート電極16には相対的な正電圧が制御回路27から
印加され、アノード電極21にはゲート電極16よりも
更に高い正電圧が加速電源28から印加される。かかる
表示装置において表示を行う場合、カソード電極11A
には走査回路26から走査信号が入力され、ゲート電極
16には制御回路27からビデオ信号が入力される。カ
ソード電極11Aとゲート電極16との間に電圧を印加
した際に生ずる電界により、電子放出部12Aから電子
が放出され、この電子が、アノード電極21に引き付け
られ、蛍光体層22に衝突する。この結果、蛍光体層2
2が励起されて発光し、所望の画像を得ることができ
る。つまり、この表示装置の動作は、基本的にゲート電
極16に印加される電圧、及びカソード電極11Aを通
じて電子放出部12Aに印加される電圧によって制御さ
れる。
【0057】かかる構成を有する表示装置において、電
界放出素子の電子放出部12Aは開口部18の底部に露
出した、仕事関数の低い平面状の炭素薄膜から成り、そ
の加工には、従来のスピント型素子に関して必要とされ
た複雑且つ高度な加工技術を何ら要しない。しかも、水
素系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜の
プラズマエッチングを行うことにより、電子放出部12
Aの高精度な異方性加工が可能となる。従って、表示装
置の有効領域の面積が増大し、これに伴って電子放出部
12Aの形成数が著しく増大した場合にも、有効領域の
全域に亙って各電子放出部12Aの電子放出効率を均一
化し、輝度ムラが極めて少ない高画質の表示装置を実現
することができる。
【0058】酸素ガスをエッチング用ガスとして用いた
以外は、実施の形態1と同じ条件で[工程−100]〜
[工程−130]を実行し、パターニングされた炭素薄
膜のマスクに対する寸法変換差を測定したところ、その
値は約0.3μmであった。一方、実施の形態1におい
て[工程−100]〜[工程−130]を実行し、パタ
ーニングされた炭素薄膜12のマスク13Aの寸法に対
する寸法変換差を測定したところ、その値はほぼ0μm
であった。
【0059】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形例である。実施の形態2では、炭素薄膜1
2の製膜条件を実施の形態1から若干変更し、マスク1
3Aの構成材料を酸化シリコンとし、これらの変更に伴
って、炭素薄膜12やマスク13Aのエッチング条件を
変更した。参照図面は、図1〜図4である。
【0060】先ず、カソード電極形成用の導電層11の
形成までを実施の形態1における[工程−100]と同
様に行った後、一例として下記の表11に示す条件に従
って減圧CVDを行うことにより、厚さ約0.2μmの
炭素薄膜12を形成する。
【0061】[表11] [炭素薄膜の製膜条件] CH4流量 :100SCCM O2流量 :3SCCM 圧力 :133Pa RFパワー :500W(13.56MHz) 製膜温度 :200°C
【0062】次に、炭素薄膜12上にマスク形成層13
を形成する。マスク形成層13は、例えば厚さ約0.1
μmの酸化シリコン層から成り、一例として下記の表1
2に示す条件に従ったスパッタリング法により形成する
ことができる。その後、実施の形態1と同様にして、マ
スク形成層13上にレジスト層14を形成する。
【0063】[表12] [マスク形成層の製膜条件] ターゲット:SiO2 Ar流量 :100SCCM O2流量 :5SCCM RFパワー:2kW(13.56MHz) 圧力 :1×10-3Pa 製膜温度 :室温
【0064】次に、レジスト層14をエッチング用マス
クとして使用し、マスク形成層13をエッチングする。
マスク形成層13のエッチングは、例えば下記の表13
に示す条件に従って行うことができる。その後、アッシ
ングによってレジスト層14を除去し、図2の(A)に
示すようなマスク13Aを形成する。
【0065】[表13] [マスク形成層のエッチング条件] エッチング装置:平行平板型RIE装置 CF4流量 :100SCCM O2流量 :5SCCM 圧力 :1×10-3Pa RFパワー :2kW(13.56MHz) エッチング温度:室温
【0066】次に、マスク13Aをエッチング用マスク
として使用し、水素系化学種が主エッチング種となる条
件下で炭素薄膜12のプラズマエッチングを行うことに
より、炭素薄膜から成る電子放出部12Aを形成する。
ここでは、水素(H2)とアンモニア(NH3)の混合ガ
スから水素系化学種を生成させる。炭素薄膜12のプラ
ズマエッチング条件の一例を、下記の表14に示す。こ
のプラズマエッチングでは、副生する(CH)x系ポリ
マーにC−N結合が導入されることによって、実施の形
態1におけるよりも一層エッチング耐性に優れる側壁保
護膜が形成され、良好な異方性加工が進行する。実施の
形態2によっても実施の形態1と同様に、パターニング
された炭素薄膜12のマスク13Aの寸法に対する寸法
変換差を生ずることなく、良好な異方性形状を有する電
子放出部12Aを形成することができる。
【0067】[表14] [炭素薄膜のプラズマエッチング条件] エッチング装置:有磁場マイクロ波プラズマエッチング
装置 H2流量 :100SCCM NH3流量 :10SCCM 圧力 :10Pa ソースパワー :1kW(2.45GHz) バイアスパワー:500W(13.56Hz) 磁場 :875ガウス エッチング温度:室温
【0068】次に、実施の形態1における[工程−14
0]と同様にして、絶縁層15及びゲート電極16を形
成する。続いて、ゲート電極16と絶縁層15とマスク
13Aを順次エッチングし、底部に電子放出部12Aが
露出した開口部18を形成する。ゲート電極16のエッ
チングは、前述の表8に示した条件によって行うことが
できる。また、実施の形態2における絶縁層15とマス
ク13Aとは共に酸化シリコンから構成されるため、い
ずれも例えば前述の表10に示した条件によって行うこ
とができる。更に、実施の形態1で述べたと同様に、絶
縁層15及びマスク13Aに設けられた開口部18の側
壁面を等方的なエッチングによって後退させると、図4
の(B)に示す電界放出素子が完成される。実施の形態
2では、絶縁層15とマスク13Aとが共に酸化シリコ
ンから構成されるため、等方的なエッチングによって絶
縁層15に設けられた開口部18の側壁面とマスク13
Aに設けられた開口部18の側壁面とが同時に後退す
る。実施の形態2で製造された電界放出素子を用いた場
合にも、実施の形態1で述べたと同様に表示装置を構成
することができる。
【0069】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第2の態様に係る電界放出素子の製造方法、並びに、
本発明の第2の態様に係る表示装置の製造方法に関す
る。実施の形態3を図6〜図8を参照しながら説明す
る。
【0070】[工程−300]先ず、図6の(A)に示
すように、一例としてガラス基板から成る支持体10上
に、カソード電極11Aを形成する。カソード電極11
Aは、例えば前述の表1に示した条件に従ってクロム層
を形成し、このクロム層上にレジスト層(図示せず)を
形成し、レジスト層をエッチング用マスクとして使用
し、例えば前述の表8に示した条件に従ってクロム層を
エッチングし、エッチング終了後にレジスト層を除去す
ることによって形成することができる。
【0071】[工程−310]次に、図6の(B)に示
すように、カソード電極11A及び支持体10上に炭素
薄膜12を形成する。炭素薄膜12の形成は、例えば前
述の表3あるいは表11に示した条件に従って行うこと
ができる。
【0072】[工程−320]次に、図6の(C)に示
すように、炭素薄膜12上にマスク形成層13を形成す
る。マスク形成層13は、例えば窒化シリコンから成
り、前述の表4に示した条件に従って形成することがで
きる。
【0073】続いて、マスク形成層13上に、図示しな
いレジスト層を形成し、更に、このレジスト層をエッチ
ング用マスクとして使用し、マスク形成層13をエッチ
ングすることによりマスクを形成する。このときのレジ
スト層の形成パターンに応じ、図7の(A)〜図7の
(C)に示すような3通りのマスク13A,13B,1
3Cが形成され得る。更に、レジスト層を除去した後、
今度はマスク13A,13B,13Cをエッチング用マ
スクとして使用し、水素系化学種が主エッチング種とな
る条件下で炭素薄膜12のプラズマエッチングを行うこ
とにより、炭素薄膜12から成る電子放出部12A,1
2B,12Cをカソード電極11上に形成する。図7に
は、ここまでのプロセスが終了した状態を示す。ここ
で、図7の(A)は、カソード電極11Aと同じパター
ンにマスク13A及び電子放出部12Aが形成された状
態を示す。この状態は、図2の(B)に示した状態と同
じである。図7の(B)はカソード電極11Aを被覆す
るようにマスク13B及び電子放出部12Bが形成され
た状態を示し、図7の(C)はカソード電極11A上の
一部にマスク13C及び電子放出部12Cが形成された
状態を示す。尚、マスク13A,13B,13C及び電
子放出部12A,12B,12Cは、図7の紙面垂直方
向に不連続であってもよいが、その場合、図7の
(A)、(B)及び(C)に示すマスク13C及び電子
放出部12Cは、後工程で形成される開口部18の底部
に露出し得る位置に形成されている必要がある。
【0074】その後、実施の形態1における[工程−1
40]と同様にして全面に絶縁層15を形成し、絶縁層
15上にゲート電極16を形成し、続いて、実施の形態
1における[工程−150]と同様にして開口部18を
形成する。更に、絶縁層15に設けられた開口部18の
側壁面を等方的なエッチングによって後退させ、電界放
出素子を完成させる。ここで、図7の(A)に示した状
態から得られる電界放出素子の構成は、図4の(A)に
示したとおりである。図7の(B)に示した状態から得
られる電界放出素子の構成は、図8の(A)に示すとお
りである。但し、実施の形態2で上述したように、マス
ク13Bの構成材料が絶縁層15の構成材料と同じであ
る場合には、図8の(B)に示すように、絶縁層15に
設けられた開口部18の側壁面が等方的なエッチングに
よって後退すると同時に、マスク13Bに設けられた開
口部18の側壁面も後退する。更に、図7の(C)に示
した状態から得られる電界放出素子の構成は、図8の
(C)に示すとおりである。尚、図8の(C)において
は、開口部18の底部にカソード電極11Aの一部が露
出していてもよいし、電子放出部12Cの一部が絶縁層
15に被覆されていてもよい。図8に示したこれら各電
界放出素子を用いた場合にも、実施の形態1で述べたと
同様に表示装置を構成することができる。
【0075】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。例えば、炭素薄膜のプラズマエッチングでは、上述
した水素、又は、水素とアンモニアの混合ガスの他、炭
化水素系化合物や、硫黄と水素を構成元素として含む化
合物を用いても、同様に良好な異方性加工を行うことが
できる。また、マスクとしては、上述の窒化シリコン又
は酸化シリコンから成るマスクの他、酸窒化シリコン、
金属、金属化合物、及び、合金から成るマスクを用いて
も、同様に良好なプラズマエッチングを行うことができ
る。この他、電界放出素子や表示装置の全体構成、電界
放出素子や表示装置の各部の構成材料や加工条件につい
ては、適宜変更、選択、組合せが可能である。例えば、
実施の形態2で採用した炭素薄膜12、炭素薄膜12の
プラズマエッチング条件、マスク13A、及びマスク1
3Aのエッチング条件を、いずれも実施の形態3に適用
することが可能である。また、アノードパネルAPの構
成としては、有効領域内の基板上に所定のパターンを有
する蛍光体層が設けられ、蛍光体層及び基板上に全面的
にメタルバックを兼ねたアノード電極が設けられた構成
も可能である。
【0076】場合によっては、冷陰極電界電子放出素子
の製造方法あるいは冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法において、支持体上に炭素薄膜を形成した後、炭素
薄膜上にマスクを形成し、次いで、マスクをエッチング
用マスクとして使用し、水素系化学種が主エッチング種
となる条件下で炭素薄膜のプラズマエッチングを行って
もよい。その後、全面に絶縁層を形成し、絶縁層上にゲ
ート電極を形成し、更には、底部に電子放出部が露出し
た開口部を、少なくとも絶縁層に形成することによっ
て、冷陰極電界電子放出素子を得ることができる。この
ような冷陰極電界電子放出素子の製造方法あるいは冷陰
極電界電子放出表示装置の製造方法は、本発明の炭素薄
膜の加工方法に包含され得る。
【0077】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の炭素薄膜の加工方法によれば、炭素の水素化反応に
基づく穏やかなプラズマエッチングを進行させることに
より、側壁保護膜を除去することなく、炭素薄膜の良好
な異方性エッチングを行うことができる。本発明の第1
の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法に
よれば、炭素薄膜から成る電子放出部を良好な異方性形
状をもって形成することができ、カソード電極も電子放
出部と同じパターンに形成することができる。本発明の
第2の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法に
よれば、炭素薄膜から成る電子放出部を良好な異方性形
状をもって形成することができ、カソード電極を電子放
出部と同じパターン又は異なるパターンに形成すること
ができる。本発明の第1の態様及び第2の態様に係る冷
陰極電界電子放出表示装置の製造方法によれば、有効領
域の面積が増大し、これに伴って冷陰極電界電子放出素
子の形成数が著しく増大した場合にも、各冷陰極電界電
子放出素子の電子放出部を精度良く形成することができ
るため、有効領域の全域に亙って各電子放出部の電子放
出効率が均一化され、輝度ムラが極めて少ない高画質の
冷陰極電界電子放出表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を示す工程図である。
【図2】図1に続き、本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を示す工程図である。
【図3】図2に続き、本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を示す工程図である。
【図4】図3に続き、本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法によって得られる冷陰極電界電子放
出表示装置の構成例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法におけるマスク及び電子放出部の3種類
の形成パターンを示す模式図である。
【図8】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出
素子の製造方法によって得られる電界放出素子の3種類
の構成例を示す模式図である。
【図9】スピント型素子を備えた従来の冷陰極電界電子
放出表示装置の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
10・・・支持体、11・・・導電層(カソード電極形
成用)、11A・・・カソード電極、12・・・炭素薄
膜(電子放出部形成用)、12A,12B,12C・・
・電子放出部、13・・・マスク形成層、13A,13
B,13C・・・マスク、15・・・絶縁層、16・・
・ゲート電極、18・・・開口部、20・・・基板、2
1・・・アノード電極、22・・・蛍光体層、23・・
・枠体、AP・・・アノードパネル、CP・・・カソー
ドパネル、VAC・・・真空層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)支持体上に炭素薄膜を形成した後、
    炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、 (B)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
    系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
    ラズマエッチングを行う工程、から成ることを特徴とす
    る炭素薄膜の加工方法。
  2. 【請求項2】水素系化学種は、水素、炭化水素系化合
    物、窒素と水素を構成元素として含む化合物、及び、硫
    黄と水素を構成元素として含む化合物から成る群から選
    択された少なくとも1種類のガスから生成することを特
    徴とする請求項1に記載の炭素薄膜の加工方法。
  3. 【請求項3】マスクは、シリコン、ゲルマニウム、酸化
    シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、金属、金属
    化合物、及び、合金から成る群から選択された少なくと
    も1種類の材料から構成されることを特徴とする請求項
    1に記載の炭素薄膜の加工方法。
  4. 【請求項4】(A)支持体上にカソード電極形成用の導
    電層を形成する工程と、 (B)導電層上に炭素薄膜を形成する工程と、 (C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、 (D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
    系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
    ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
    電子放出部を形成する工程と、 (E)マスクをエッチング用マスクとして引き続き使用
    し、導電層をエッチングすることにより、導電層から成
    るカソード電極を形成する工程と、 (F)全面に絶縁層を形成する工程と、 (G)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (H)底部に電子放出部が露出した開口部を、少なくと
    も絶縁層に形成する工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】(A)支持体上にカソード電極を形成する
    工程と、 (B)カソード電極及び支持体上に炭素薄膜を形成する
    工程と、 (C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、 (D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
    系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
    ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
    電子放出部をカソード電極上に形成する工程と、 (E)全面に絶縁層を形成する工程と、 (F)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (G)底部に電子放出部が露出した開口部を、少なくと
    も絶縁層に形成する工程、から成ることを特徴とする冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】水素系化学種は、水素、炭化水素系化合
    物、窒素と水素を構成元素として含む化合物、及び、硫
    黄と水素を構成元素として含む化合物から成る群から選
    択された少なくとも1種類のガスから生成することを特
    徴とする請求項4又は請求項5に記載の冷陰極電界電子
    放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】マスクは、シリコン、ゲルマニウム、酸化
    シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、金属、金属
    化合物、及び、合金から成る群から選択された少なくと
    も1種類の材料から構成されることを特徴とする請求項
    4又は請求項5に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】アノード電極及び蛍光体層が形成された基
    板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上にカソード電極形成用の導電層を形成す
    る工程と、 (B)導電層上に炭素薄膜を形成する工程と、 (C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、 (D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
    系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
    ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
    電子放出部を形成する工程と、 (E)マスクをエッチング用マスクとして引き続き使用
    し、導電層をエッチングすることにより、導電層から成
    るカソード電極を形成する工程と、 (F)全面に絶縁層を形成する工程と、 (G)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (H)底部に電子放出部が露出した開口部を、少なくと
    も絶縁層に形成する工程、とを経て形成することを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】アノード電極及び蛍光体層が形成された基
    板と、冷陰極電界電子放出素子が形成された支持体と
    を、蛍光体層と冷陰極電界電子放出素子とが対向するよ
    うに配置し、基板と支持体とを周縁部において接合する
    冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であって、 冷陰極電界電子放出素子を、 (A)支持体上にカソード電極を形成する工程と、 (B)カソード電極及び支持体上に炭素薄膜を形成する
    工程と、 (C)炭素薄膜上にマスクを形成する工程と、 (D)マスクをエッチング用マスクとして使用し、水素
    系化学種が主エッチング種となる条件下で炭素薄膜のプ
    ラズマエッチングを行うことにより、炭素薄膜から成る
    電子放出部をカソード電極上に形成する工程と、 (E)全面に絶縁層を形成する工程と、 (F)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (G)底部に電子放出部が露出した開口部を、少なくと
    も絶縁層に形成する工程、とを経て形成することを特徴
    とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】水素系化学種は、水素、炭化水素系化合
    物、窒素と水素を構成元素として含む化合物、及び、硫
    黄と水素を構成元素として含む化合物から成る群から選
    択された少なくとも1種類のガスから生成することを特
    徴とする請求項8又は請求項9に記載の冷陰極電界電子
    放出表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】マスクは、シリコン、ゲルマニウム、酸
    化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、金属、金
    属化合物、及び、合金から成る群から選択された少なく
    とも1種類の材料から構成されることを特徴とする請求
    項8又は請求項9に記載の冷陰極電界電子放出表示装置
    の製造方法。
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