JP4543604B2 - 電子放出領域の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネル、及び、冷陰極電界電子放出表示装置、並びに、電子放出領域の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機や情報端末機器に用いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(CRT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置への移行が検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィールドエミッションディスプレイ)を例示することができる。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注目を集めている。
【0003】
図14及び図15に、電界放出素子を利用した冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と呼ぶ場合がある)の一例を示す。尚、図14は表示装置の模式的な一部端面図であり、図15はカソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図である。
【0004】
図示した電界放出素子は、平面状の電子放出部19を有する電界放出素子である。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層112と、絶縁層112上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13に設けられた開口部117及び絶縁層112に設けられた開口部118と、開口部118の底部に位置するカソード電極11上に形成された平面状の電子放出部19から構成されている。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複する領域(1画素分の領域に相当する。この領域を、以下、重複領域あるいは電子放出領域EEと呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域EEが、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されている。
【0005】
一方、アノードパネルAPは、基板30と、基板30上に形成され、所定のパターンを有する蛍光体層31(31R,31B,31G)と、その上に形成されたアノード電極33から構成されている。1画素は、カソードパネル側のカソード電極11とゲート電極13との重複領域である電子放出領域EEに設けられた電界放出素子の一群と、電子放出領域EEに対面したアノードパネル側の蛍光体層31とによって構成されている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、蛍光体層31と蛍光体層31との間の基板30上にはブラックマトリックス32が形成されている。
【0006】
アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域EEと蛍光体層31とが対向するように配置し、周縁部において枠体34を介して接合することによって、表示装置を作製することができる。有効領域を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された無効領域(図示した例では、カソードパネルCPの無効領域)には、真空排気用の貫通孔36が設けられており、この貫通孔36には真空排気後に封じ切られたチップ管37が接続されている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体34とによって囲まれた空間は真空となっている。
【0007】
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路40から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路41から印加され、アノード電極33にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路42から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路40から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路41からビデオ信号を入力する。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部19から電子が放出され、この電子がアノード電極33に引き付けられ、蛍光体層31に衝突する。その結果、蛍光体層31が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及びカソード電極11を通じて電子放出部19に印加される電圧によって制御される。
【0008】
このような構造の電界放出素子にあっては、電子は、電子放出部19の法線から或る程度の角度を持って電子放出部19から放出される。その結果、電子放出部19から放出された電子が、対向する蛍光体層31に衝突せずに、かかる蛍光体層31に隣接した蛍光体層31に衝突する場合がある。このような現象が発生すると、輝度の低下や、隣接画素間の光学的クロストークが発生する。
【0009】
このような現象の発生を防止するために、図16に模式的な一部端面図を示し、模式的な平面図を図17に示すように、収束電極15が設けられた電界放出素子が提案されている。この電界放出素子にあっては、ゲート電極13及び第1絶縁層12上に、更に第2絶縁層14が設けられ、第2絶縁層14上に収束電極15が設けられている。ここで、収束電極15は、有効領域を覆う1枚のシート状の形状を有する。尚、図17には、収束電極15、及び、収束電極15に設けられた開口部116が示されており、収束電極15の下方に位置するゲート電極13を点線で表し、カソード電極11を一点鎖線で示し、ゲート電極13に設けられた開口部117を円形の点線で示す。収束電極15に設けられた開口部116の中心点と、ゲート電極13に設けられた開口部117の中心点は、上下方向に一致している。尚、参照番号118は、第1絶縁層12に設けられた開口部を示す。収束電極15には、収束電極制御回路(図示せず)から相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。そして、このように収束電極15を設けることによって、開口部116から放出されアノード電極33へ向かう放出電子の軌道を収束させることができるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、たとえ収束電極15を設けても、図18に模式的に示すように、特に、ストライプ状のカソード電極11とストライプ状のゲート電極13の射影像が重複する電子放出領域EEの縁部の領域に設けられた電界放出素子から放出された電子(図18では、実線の矢印で示す)の一部(図18では、点線の矢印で示す)が、対向する蛍光体層31に衝突せずに、かかる蛍光体層31に隣接した蛍光体層31に衝突する現象が発生しており、係る現象の発生を防止することは困難である。
【0011】
それ故、このような現象の発生を防止するために、電子放出領域EEの縁部の領域に出来るだけ、電界放出素子を設けない構造としている。具体的には、矩形の電子放出領域EEの大きさをL1×L2としたとき、電界放出素子が設けられた領域を、矩形の電子放出領域EEの中央の領域であって、矩形の電子放出領域EEの(0.1〜0.3)L1×(0.1〜0.3)L2の大きさの領域としている。あるいは又、電子放出領域の縁部の領域に設ける電界放出素子における電子放出部の面積を縮小している。しかしながら、このような解決手段では、電界放出素子から多量の電子を放出しなければならない。即ち、高いカソードローディングを達成しなければならない。それ故、このような解決手段では、表示装置が短寿命化してしまう。あるいは又、極めて多数の微小な電子放出部を形成せざるを得なくなるが、このような微小な電子放出部を形成することは困難を伴う。
【0012】
従って、本発明の目的は、電子放出部から放出された電子の集束性を向上させ得る構造を有する収束電極を備えた電子放出領域を具備した冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネル、及び、係る冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネルを備えた冷陰極電界電子放出表示装置、並びに、係る電子放出領域を製造する方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネルは、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された第1絶縁層と、
(C)第1絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極と、
(D)第1絶縁層及びゲート電極上に形成された第2絶縁層と、
(E)第2絶縁層上に形成された収束電極と、
(F)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に形成された複数の第1開口部と、
(G)ゲート電極に形成され、第1開口部と連通した第2開口部と、
(H)第1絶縁層に形成され、第2開口部と連通した第3開口部と、
(I)第3開口部の底部に露出した電子放出部、
から成る電子放出領域を、複数、備えた冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネルであって、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれていることを特徴とする。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の冷陰極電界電子放出表示装置は、電子放出領域が複数設けられたカソードパネル、及び、蛍光体層とアノード電極とを備えたアノードパネルが、それらの周縁部で接合されて成る冷陰極電界電子放出表示装置であって、
各電子放出領域は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された第1絶縁層と、
(C)第1絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極と、
(D)第1絶縁層及びゲート電極上に形成された第2絶縁層と、
(E)第2絶縁層上に形成された収束電極と、
(F)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に形成された複数の第1開口部と、
(G)ゲート電極に形成され、第1開口部と連通した第2開口部と、
(H)第1絶縁層に形成され、第2開口部と連通した第3開口部と、
(I)第3開口部の底部に露出した電子放出部、
から成り、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれていることを特徴とする。
【0015】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネルあるいは冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、第1絶縁層が支持体及びカソード電極の上に形成されているが、電子放出部の形成態様によっては、第1絶縁層は電子放出部も被覆している。即ち、開口部の底部に位置するカソード電極の部分に電子放出部が形成されている場合もあるし、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から、第1絶縁層で被覆されたカソード電極の部分の上にまで電子放出部が形成されている場合もある。
【0016】
尚、冷陰極電界電子放出素子は、
(A)支持体上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された第1絶縁層と、
(C)第1絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極と、
(D)第1絶縁層及びゲート電極上に形成された第2絶縁層と、
(E)第2絶縁層上に形成された収束電極と、
(F)収束電極及び第2絶縁層に形成された第1開口部と、
(G)ゲート電極に形成され、第1開口部と連通した第2開口部と、
(H)第1絶縁層に形成され、第2開口部と連通した第3開口部と、
(I)第3開口部の底部に露出した電子放出部、
から成る。そして、第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれている。
【0017】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る電子放出領域の製造方法は、
(a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
(b)支持体及びカソード電極上に第1絶縁層を形成する工程と、
(c)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成すると、
(d)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
(e)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
(f)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
(g)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
(h)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成する工程と、
(i)第3開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工程、
から成る電子放出領域の製造方法であって、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
前記工程(g)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分に、露光用マスクを用いたリソグラフィ技術に基づき、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、レジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする。
【0018】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る電子放出領域の製造方法は、電子放出部を形成する順序が、本発明の第1の態様に係る電子放出領域の製造方法と異なっている。即ち、本発明の第2の態様に係る電子放出領域の製造方法は、
(a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
(b)カソード電極上に電子放出部を形成する工程と、
(c)支持体、カソード電極及び電子放出部上に第1絶縁層を形成する工程と、
(d)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成すると、
(e)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
(f)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
(g)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
(h)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
(i)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成し、第3開口部の底部に電子放出部を露出させる工程、
から成る電子放出領域の製造方法であって、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
前記工程(h)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分に、露光用マスクを用いたリソグラフィ技術に基づき、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、レジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする。
【0019】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る電子放出領域の製造方法は、
(a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
(b)支持体及びカソード電極上に第1絶縁層を形成する工程と、
(c)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成すると、
(d)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
(e)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
(f)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
(g)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
(h)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成する工程と、
(i)第3開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工程、
から成る電子放出領域の製造方法であって、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
前記工程(g)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点の上方から放射状に拡がる露光光を用いたリソグラフィ技術に基づき、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分にレジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする。
【0020】
上記の目的を達成するための本発明の第4の態様に係る電子放出領域の製造方法は、電子放出部を形成する順序が、本発明の第3の態様に係る電子放出領域の製造方法と異なっている。即ち、本発明の第4の態様に係る電子放出領域の製造方法は、
(a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
(b)カソード電極上に電子放出部を形成する工程と、
(c)支持体、カソード電極及び電子放出部上に第1絶縁層を形成する工程と、
(d)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成すると、
(e)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
(f)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
(g)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
(h)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
(i)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成し、第3開口部の底部に電子放出部を露出させる工程、
から成る電子放出領域の製造方法であって、
各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
前記工程(h)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点の上方から放射状に拡がる露光光を用いたリソグラフィ技術に基づき、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分にレジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の態様若しくは第4の態様に係る電子放出領域の製造方法において、放射状に拡がる露光光を得るためには、例えば、1つのカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点の上方に位置させたマイクロ凹レンズの集合系レンズ(一種のフライ・アイ・レンズ)を用いればよい。また、露光用マスクとして、第1開口部が形成された収束電極を用いればよい。これによって、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分にレジスト開口を形成することができるが、レジスト開口の中心点は、第1開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置する。
【0022】
本発明の第2の態様若しくは第4の態様に係る電子放出領域の製造方法においては、第1絶縁層が支持体及びカソード電極の上に形成されている構成、あるいは又、第1絶縁層が電子放出部をも被覆している構成とすることができる。即ち、開口部の底部に位置するカソード電極の部分に電子放出部が形成されている場合もあるし、開口部の底部に位置するカソード電極の部分から、第1絶縁層で被覆されたカソード電極の部分の上にまで電子放出部が形成されている場合もある。
【0023】
本発明の第2の態様若しくは第4の態様に係る電子放出領域の製造方法においては、カソード電極の所望の領域上に電子放出部を形成した後、電子放出部の上にバッファ層を形成してもよい。バッファ層を形成することによって、第1絶縁層に第3開口部を形成したとき、第3開口部の形成完了を確実に検知することが可能となる。尚、バッファ層を構成する材料は、第1絶縁層を構成する材料に対してエッチング選択比を有する材料から適宜選択すればよく、導電材料であっても絶縁材料であってもよい。バッファ層は、第3開口部を形成した後、除去すればよい。
【0024】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネルあるいは冷陰極電界電子放出表示装置、本発明の第1の態様〜第2の態様に係る電子放出領域の製造方法(以下、これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、第1開口部、第2開口部、第3開口部の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。尚、開口部の中心点とは、開口部の平面形状が異形形状の場合、開口部の平面形状の重心点を意味する。また、各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているが、「ずれ」は、支持体の法線を基準とすればよい。
【0025】
本発明にあっては、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点、あるいは、その近傍に位置する第1開口部は、第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているといった規定を満足する必要はない。
【0026】
本発明にあっては、電子放出領域の外形形状をL1×L2の矩形としたとき、電界放出素子が設けられた領域は、電子放出領域の外形形状よりも小さい領域とすることが好ましい。各第1開口部の中心点は、この第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているが(即ち、第2の開口部は第1開口部に対してオフセットされているが)、場合によっては、矩形の電子放出領域の中央部分であって、(0.1〜0.3)L1×(0.1〜0.3)L2の大きさの領域においては、第2の開口部は第1開口部に対してオフセットされていなくともよい。即ち、第1開口部の中心点と第2開口部の中心点とが一致していてもよい。
【0027】
各第1開口部の中心点は、この第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているが、このずれ量は、電子放出領域の中心点から離れた位置に位置する第1開口部ほど、大きいことが望ましい。どの程度のずれ量とするかは、例えば、カソードパネルとアノードパネルとの間の距離、第1開口部等の大きさ、各種の電極に印加する電圧に依存するので、一概には云えず、各種のシミュレーションを行って決定すればよい。
【0028】
本発明における電子放出部を、マトリックス、及び、先端部が突出した状態で該マトリックス中に埋め込まれた電子放出機能を有する材料から構成し、電子放出機能を有する材料がマトリックスによってカソード電極の表面に固定されている構造とすることが好ましいが、電子放出部はこのような構造に限定されるものではない。ここで、電子放出機能を有する材料として、炭素系材料、より具体的には、カーボン・ナノチューブ構造体、グラファイト薄膜、アモルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄膜、フラーレン薄膜を挙げることができる。
【0029】
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はカーボン・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとカーボン・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよい。カーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバーから構成されたカーボン・ナノチューブ構造体は、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といったPVD法、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
【0030】
マトリックスを、ダイヤモンド状アモルファスカーボンから構成することができる。ここで、ダイヤモンド状アモルファスカーボンは、波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・スペクトルにおいて、波数1400乃至1630cm-1の範囲で半値幅50cm-1以上のピークを有することが好ましい。尚、ピークが1480cm-1より高波数側に存在する場合、波数1330乃至1400cm-1にもう1つピークが存在する場合もある。ダイヤモンド状アモルファスカーボンには、一般のダイヤモンドと同じ結合であるsp3を多く有する(具体的には、例えば20〜90%有する)非晶質炭素だけでなく、クラスターカーボンも包含される。尚、クラスターカーボンに関しては、例えば、"Generation and deposition of fullerene- and nanotube-rich carbon thin films", M. Chhowalla, et al., Phil. Mag. Letts, 75 (1997), pp 329-335 を参照されたい。
【0031】
尚、マトリックスをダイヤモンド状アモルファスカーボンから構成する場合、電子放出機能を有する材料を有機溶媒中に分散させたものをカソード電極の所望の領域上に塗布し、有機溶媒を除去した後、電子放出機能を有する材料をダイヤモンド状アモルファスカーボンで被覆する方法(より具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体をトルエンやアルコール等の有機溶媒中に分散させておき、かかる有機溶媒をカソード電極の所望の領域上にスピンコーティング法によって、あるいは又、ナノスプレー法やアトミックスプレー法等の各種スプレー法によって塗布し、有機溶媒を除去した後、カーボン・ナノチューブ構造体をダイヤモンド状アモルファスカーボンで被覆する方法)に基づき、電子放出部を形成することができる。尚、このような方法を、便宜上、第1の電子放出部形成方法と呼ぶ。
【0032】
あるいは又、マトリックスを、導電性を有する金属酸化物から構成することもできる。そして、この場合、マトリックスを、金属化合物の焼成によって得ることが好ましい。焼成によって、金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックスにて、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)がカソード電極の表面に固定される。ここで、金属化合物は、有機金属化合物から成り、あるいは又、有機酸金属化合物から成り、あるいは又、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)から成ることが好ましい。尚、マトリックスは、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム−錫、酸化亜鉛、酸化アンチモン、又は、酸化アンチモン−錫から構成することができる。また、マトリックスの体積抵抗率は、1×10-9Ω・m乃至5×10-6Ω・mであることが望ましい。焼成後、各電子放出機能を有する材料(具体的には、例えば各カーボン・ナノチューブ構造体)の一部分がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできるし、各電子放出機能を有する材料の全体がマトリックスに埋め込まれている状態を得ることもできる。後者の場合、マトリックスの一部を除去する必要がある。マトリックスの平均厚さは、例えば5×10-8m〜1×10-4mであることが望ましい。また、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)の先端部の突出量は、例えば、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)の直径の1.5倍以上であることが望ましい。
【0033】
マトリックスを導電性を有する金属酸化物から構成する場合、金属化合物溶液を塗布した後、例えば乾燥し、その後、焼成を行えばよい。金属化合物溶液を構成する金属化合物として、例えば、有機金属化合物、有機酸金属化合物、又は、金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、酢酸塩)を挙げることができる。即ち、有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解し、これを有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)で希釈したものを挙げることができる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物、有機インジウム化合物、有機亜鉛化合物、有機アンチモン化合物を有機溶剤(例えば、トルエン、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール)に溶解したものを例示することができる。溶液を100重量部としたとき、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が0.001〜20重量部、金属化合物が0.1〜10重量部、含まれた組成とすることが好ましい。溶液には、分散剤や界面活性剤が含まれていてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、金属化合物溶液に、例えばカーボンブラック等の添加物を添加してもよい。また、場合によっては、有機溶剤の代わりに水を溶媒として用いることもできる。
【0034】
電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が分散された金属化合物溶液を塗布する方法として、スプレー法、スピンコーティング法、ディッピング法、ダイクォーター法、スクリーン印刷法を例示することができるが、中でもスプレー法を採用することが塗布の容易性といった観点から好ましい。
【0035】
電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が分散された金属化合物溶液を塗布する際、支持体を加熱することが好ましい。このように、支持体を加熱しながら、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が分散された金属化合物溶液を塗布することによって、カソード電極の表面に対して電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が水平にはならない状態でカソード電極の表面に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を配置することができる。即ち、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が、支持体の法線方向に近づく方向に配向する確率が高くなる。尚、支持体の加熱温度は、40〜250゜Cとすることが望ましく、より具体的には、金属化合物溶液に含まれる溶媒の沸点以上の温度とすることが望ましい。
【0036】
マトリックスを導電性を有する金属酸化物から構成する場合、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が分散された金属化合物溶液をカソード電極の上に塗布した後、金属化合物溶液を乾燥させて金属化合物層を形成し、次いで、金属化合物層の不要部分を除去した後、金属化合物を焼成してもよいし、金属化合物を焼成した後、不要部分を除去してもよいし、カソード電極の所望の領域上にのみ金属化合物溶液を塗布してもよい。尚、これらの方法を、便宜上、第2の電子放出部形成方法と呼ぶ。
【0037】
金属化合物の焼成温度は、例えば、金属塩が酸化されて導電性を有する金属酸化物となるような温度、あるいは又、有機金属化合物や有機酸金属化合物が分解して、有機金属化合物や有機酸金属化合物に由来した金属原子を含むマトリックス(例えば、導電性を有する金属酸化物)が形成できる温度であればよく、例えば、300゜C以上とすることが好ましい。焼成温度の上限は、電界放出素子あるいはカソードパネルの構成要素に熱的な損傷等が発生しない温度とすればよい。
【0038】
あるいは又、本発明にあっては、電子放出部を、バインダ材料と、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)から構成することもできる。この場合、バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものを塗布した後、バインダ材料の焼成あるいは硬化を行うことによって、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)がバインダ材料から成るマトリックスによって埋め込まれた電子放出部を形成することができる。より具体的には、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダ材料や水ガラスや銀ペースト等の無機系バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものを、例えば、カソード電極の所望の領域に例えば塗布した後、溶媒の除去、バインダ材料の焼成あるいは硬化を行えばよい。塗布方法として、スクリーン印刷法を例示することができる。尚、このような方法を、便宜上、第3の電子放出部形成方法と呼ぶ。
【0039】
第1の電子放出部形成方法〜第3の電子放出部形成方法にあっては、場合によっては、例えば平均粒径10nm乃至1μmのシリカ、例えば平均粒径5nm乃至3μmのニッケル、銀に例示される粉状物質あるいは粒状物質を、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させた有機溶媒、金属化合物溶液、バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものに添加してもよく、これによって、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)が粉状物質あるいは粒状物質に寄りかかるようにしてカソード電極に対して角度を持ってカソード電極上に配置される。尚、シリカと銀といった異なる粉状物質あるいは粒状物質を混合して用いてもよい。また、マトリックスの厚さを増加させるといった観点から、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させた有機溶媒、金属化合物溶液、バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものに、カーボンブラック等の添加物を添加してもよい。
【0040】
本発明にあっては、炭素系材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)から成る電子放出部の形成後、炭素系材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)の表面の一種の活性化処理(洗浄処理)を行うことが、電子放出部からの電子の放出効率の一層の向上といった観点から好ましい。このような処理として、水素ガス、アンモニアガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス、窒素ガス等のガス雰囲気中でのプラズマ処理を挙げることができる。
【0041】
尚、電子放出機能を有する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することもできる。どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
具体的には、仕事関数Φが3eV以下、好ましくは2eV以下であることが望ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。
【0042】
あるいは又、電子放出機能を有する材料として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出機能を有する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0043】
本発明の第1の態様若しくは第3の態様に係る電子放出領域の製造方法に、第1〜第3の電子放出部形成方法を適用する場合、前記工程(h)の後、収束電極並びに、第2絶縁層、第1開口部、第2開口部及び第3開口部の側面を被覆し、第3開口部の底部にカソード電極が露出したマスク層を形成し、次いで、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させた有機溶媒、金属化合物溶液、あるいは、バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものを全面に、例えば塗布し、乾燥した後、マスク層を除去することで、前記工程(i)の第3開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工程を達成することができる。
【0044】
また、本発明の第2の態様若しくは第4の態様に係る電子放出領域の製造方法に、第1〜第3の電子放出部形成方法を適用する場合、前記工程(a)の後、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させた有機溶媒、金属化合物溶液、あるいは、バインダ材料に電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)を分散させたものを全面に、例えば塗布した後、不要な部分を除去することで、前記(b)のカソード電極上に電子放出部を形成する工程を達成することができ、あるいは又、所謂リフトオフ法にて前記(b)のカソード電極上に電子放出部を形成する工程を達成することができる。
【0045】
カソード電極と電子放出部との間に抵抗体層を設けてもよい。抵抗体層を設けることによって、冷陰極電界電子放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
【0046】
第1絶縁層あるいは第2絶縁層の構成材料として、SiO2、SiN、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストを、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。第1絶縁層あるいは第2絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0047】
本発明における支持体として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。
ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)を例示することができる。アノードパネルを構成する基板も、支持体と同様の構成することができる。
【0048】
カソード電極を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;あるいはITO(インジウム錫酸化物)を例示することができる。カソード電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法、リフトオフ法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカソード電極を形成することが可能である。
【0049】
カソード電極の表面に、凹凸部を形成してもよい。これによって、電子放出機能を有する材料(具体的には、例えばカーボン・ナノチューブ構造体)のマトリックスから突出した先端部が、アノード電極の方を向く確率が高くなり、電子放出効率の一層の向上を図ることができる。凹凸部は、カソード電極を、例えばドライエッチングすることにより、あるいは又、陽極酸化を行ったり、支持体上に球体を散布しておき、球体の上にカソード電極を形成した後、例えば球体を燃焼させることによって除去する方法にて形成することができる。
【0050】
ゲート電極や収束電極を構成する材料として、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);あるいはシリコン(Si)等の半導体;ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。ゲート電極を形成するには、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、電気メッキ法、無電解メッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法等の公知の薄膜形成技術により、上述の構成材料から成る薄膜を第1絶縁層上に形成する。尚、薄膜を第1絶縁層の全面に形成した場合には、公知のパターニング技術を用いて薄膜をパターニングし、ストライプ状のゲート電極を形成する。また、ゲート電極用導電材料層を形成する前の第1絶縁層上に予めレジストパターンを形成しておけば、リフトオフ法によるゲート電極の形成が可能である。
【0051】
本発明の冷陰極電界電子放出表示装置において、アノードパネルは、基板と蛍光体層とアノード電極とから成る。電子が照射される面は、アノードパネルの構造に依るが、蛍光体層から構成され、あるいは又、アノード電極から構成される。
【0052】
アノード電極と蛍光体層の構成例として、(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構成、を挙げることができる。
尚、(1)の構成において、蛍光体層の上に、所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。
【0053】
アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電子放出表示装置の構成によって選択すればよい。即ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(基板が表示部分に相当する)であって、且つ、基板上にアノード電極と蛍光体層がこの順に積層されている場合には、アノード電極が形成される基板は元より、アノード電極自身も透明である必要があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射型(支持体が表示部分に相当する)である場合、及び、透過型であっても基板上に蛍光体層とアノード電極とがこの順に積層されている(アノード電極はメタルバック膜を兼ねている)場合には、ITOの他、カソード電極やゲート電極や収束電極に関連して上述した材料を適宜選択して用いることができるが、より好ましくは、アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を用いることが望ましい。アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電極の厚さとして、具体的には、3×10-8m(30nm)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100nm)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法やスパッタリング法にて形成することができる。
【0054】
蛍光体層を構成する蛍光体として、高速電子励起用蛍光体や低速電子励起用蛍光体を用いることができる。冷陰極電界電子放出表示装置が単色表示装置である場合、蛍光体層は特にパターニングされていなくともよい。また、冷陰極電界電子放出表示装置がカラー表示装置である場合、ストライプ状又はドット状にパターニングされた赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に対応する蛍光体層を交互に配置することが好ましい。尚、パターニングされた蛍光体層間の隙間は、表示画面のコントラスト向上を目的としたブラックマトリックスで埋め込まれていてもよい。
【0055】
アノードパネルには、更に、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された二次電子が隔壁を越えて他の蛍光体層に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体層と衝突することを防止するための、隔壁が、複数、設けられていることが好ましい。
【0056】
隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1画素に相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
【0057】
蛍光体層からの光を吸収するブラックマトリックスが蛍光体層と蛍光体層との間であって隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ブラックマトリックスを構成する材料として、蛍光体層からの光を99%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。
【0058】
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において接合する場合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0059】
カソードパネルとアノードパネルと枠体の三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネルとアノードパネルと枠体と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0060】
接合後に排気を行う場合、排気は、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域(実際の表示部分としては機能しない領域)に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
【0061】
本発明にあっては、ストライプ状のゲート電極の射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが直交する方向に延びていることが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化の観点から好ましい。尚、ストライプ状のカソード電極とストライプ状のゲート電極の射影像が重複する重複領域(電子放出領域であり、1画素分の領域あるいは1サブピクセル分の領域に相当する)に複数の冷陰極電界電子放出素子が設けられており、かかる電子放出領域が、カソードパネルの有効領域内に、通常、2次元マトリクス状に配列されている。カソード電極及び収束電極に相対的に負の電圧を印加し、ゲート電極に相対的に正の電圧を印加し、アノード電極にゲート電極より更に高い正の電圧を印加する。電子は、列選択されたカソード電極と行選択されたゲート電極(あるいは、行選択されたカソード電極と列選択されたゲート電極)との重複領域である電子放出領域に位置する電子放出部から選択的に真空空間中へ電子が放出され、この電子がアノード電極に引き付けられてアノードパネルを構成する蛍光体層に衝突し、蛍光体層を励起、発光させる。
【0062】
本発明においては、収束電極に設けられた第1開口部の中心点が、ゲート電極に設けられた第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているので、第2開口部と連通した第3開口部の底部に位置する電子放出部から放出された電子は、全体として、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側に向かうようになり、電子を、電子放出領域に対向した蛍光体層に確実に衝突させることが可能となる。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、発明の実施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発明を説明する。
【0064】
(実施の形態1)
実施の形態1は、本発明の冷陰極電界電子放出表示装置用カソードパネル(以下、カソードパネルと略称する)、及び、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)、並びに、本発明の第1の態様に係る電子放出領域の製造方法に関する。更には、第1の電子放出部形成方法に関する。
【0065】
実施の形態1の表示装置の模式的な一部端面図を図1に示し、1つの冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)の模式的な一部端面図を図2に示し、1つの電子放出領域における収束電極の模式的な部分的平面図を図3に示す。尚、図2においては、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に1つの電界放出素子を図示したが、実際には、多数の電界放出素子が設けられている。また、図3には、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に25個の第1開口部16を図示したが、第1開口部16の数はこの数に限定するものではない。更には、カソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図(但し、第2絶縁層及び収束電極は図示を省略)は、図15に示したと実質的に同様である。
【0066】
実施の形態1の表示装置は、電子放出領域EEが複数設けられたカソードパネルCP、及び、蛍光体層31とアノード電極33とを備えたアノードパネルAPが、それらの周縁部で接合されている。
【0067】
電子放出領域EEは、
(A)支持体10上に形成され、第1の方向(図1及び図2においては、図面の紙面水平方向である)に延びるカソード電極11と、
(B)支持体10及びカソード電極11上に形成された第1絶縁層12と、
(C)第1絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向(図1及び図2においては、図面の紙面垂直方向である)に延びるゲート電極13と、
(D)第1絶縁層12及びゲート電極13上に形成された第2絶縁層14と、
(E)第2絶縁層14上に形成された収束電極15と、
(F)カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に位置する収束電極15の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層14に形成された複数の第1開口部16と、
(G)ゲート電極13に形成され、第1開口部16と連通した第2開口部17と、
(H)第1絶縁層12に形成され、第2開口部17と連通した第3開口部18と、
(I)第3開口部18の底部に露出した電子放出部19、
から成る。第3開口部18の底部に露出した電子放出部19から電子が放出される。
【0068】
そして、各第1開口部16の中心点(図2において一点鎖線C1で示す)は、この第1開口部16に連通した第2開口部17の中心点(図2において二点鎖線C2で示す)よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)側にずれている。図2に示した例においては、図面の左手方向に、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点が位置する。尚、図3には、収束電極15、及び、収束電極15に設けられた第1開口部16が示されており、収束電極15の下方に位置するゲート電極13を点線で表し、カソード電極11を一点鎖線で示し、ゲート電極13に設けられた第2開口部17を円形の点線で示す。
【0069】
尚、電界放出素子は、
(A)支持体10上に形成され、第1の方向に延びるカソード電極11と、
(B)支持体10及びカソード電極11上に形成された第1絶縁層12と、
(C)第1絶縁層12上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13と、
(D)第1絶縁層12及びゲート電極13上に形成された第2絶縁層14と、
(E)第2絶縁層14上に形成された収束電極15と、
(F)収束電極15及び第2絶縁層14に形成された第1開口部16と、
(G)ゲート電極13に形成され、第1開口部16と連通した第2開口部17と、
(H)第1絶縁層12に形成され、第2開口部17と連通した第3開口部18と、
(I)第3開口部18の底部に露出した電子放出部19、
から成る。第3開口部18の底部に露出した電子放出部19から電子が放出される。そして、第1開口部16の中心点は、この第1開口部16に連通した第2開口部17の中心点よりも、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点側にずれている。
【0070】
実施の形態1の表示装置は、カソードパネルCPと、アノードパネルAPから構成されており、複数の画素を有する。カソードパネルCPは、上述の電界放出素子が設けられた上述の電子放出領域EEが有効領域に2次元マトリックス状に多数形成されている。一方、アノードパネルAPは、基板30と、基板30上に形成され、所定のパターンに従って形成された蛍光体層31(赤色発光蛍光体層31R、緑色発光蛍光体層31G、青色発光蛍光体層31B)と、有効領域の全面を覆う1枚のシート状の例えばアルミニウム薄膜から成るアノード電極33から構成されている。蛍光体層31と蛍光体層31との間の基板30上には、ブラックマトリックス32が形成されている。尚、ブラックマトリックス32を省略することもできる。また、単色表示装置を想定した場合、蛍光体層31は必ずしも所定のパターンに従って設けられる必要はない。更には、ITO等の透明導電膜から成るアノード電極を基板30と蛍光体層31との間に設けてもよく、あるいは、基板30上に設けられた透明導電膜から成るアノード電極33と、アノード電極33上に形成された蛍光体層31及びブラックマトリックス32と、蛍光体層31及びブラックマトリックス32の上に形成されたアルミニウムから成り、アノード電極33と電気的に接続された光反射導電膜から構成することもできる。
【0071】
そして、表示装置は、アノード電極33及び蛍光体層31(31R,31G,31B)が形成された基板30と、電子放出領域EEが設けられた支持体10とが、蛍光体層31と電子放出領域EEとが対向するように配置され、基板30と支持体10とが周縁部において接合された構造を有する。具体的には、カソードパネルCPとアノードパネルAPとは、それらの周縁部において、枠体34を介して接合されている。更には、カソードパネルCPの無効領域には、真空排気用の貫通孔36が設けられており、この貫通孔36には、真空排気後に封じ切られるチップ管37が接続されている。枠体34は、セラミックス又はガラスから成り、高さは、例えば1.0mmである。場合によっては、枠体34の代わりに接着層のみを用いることもできる。
【0072】
ここで、1画素は、電子放出領域EEと、電子放出領域EEに対面するようにアノードパネルAPの有効領域に配列された蛍光体層31とによって構成されている。有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。
【0073】
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路40から印加され、収束電極15には相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が収束電極制御回路(図示せず)から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路41から印加され、アノード電極33にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路42から印加される。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路40から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路41からビデオ信号を入力する。これとは逆に、カソード電極11にカソード電極制御回路40からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路41から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部19から電子が放出され、この電子がアノード電極33に引き付けられ、蛍光体層31に衝突する。その結果、蛍光体層31が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。
【0074】
以下、実施の形態1における電子放出領域EE及び表示装置の製造方法を、図4の(A)、(B)、図5の(A)、(B)、図6、図7の(A)、(B)、図8の(A)、(B)、及び、図9を参照して説明する。尚、電子放出領域(電界放出素子)の製造方法を説明するための図面においては、図面の簡素化のために、カソード電極11とゲート電極13の重複領域に1つの電界放出素子あるいはその構成要素のみを図示する。
【0075】
[工程−100]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基づき導電材料層をパターニングすることによって、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、第1の方向(図面の紙面左右方向)に延びている。導電材料層は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0076】
[工程−110]
次に、支持体10及びカソード電極11上に第1絶縁層12を形成する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、全面に、厚さ約1μmの第1絶縁層12を形成する。
【0077】
[工程−120]
その後、第1絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成する。具体的には、第1絶縁層12上にゲート電極を構成するためのクロム(Cr)から成る導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、導電材料層上にパターニングされた第1のマスク材料層(図示せず)を形成し、かかる第1のマスク材料層をエッチング用マスクとして用いて導電材料層をエッチングして、導電材料層をストライプ状にパターニングした後、第1のマスク材料層を除去する。こうして、第1絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を得ることができる。ストライプ状のゲート電極13は、カソード電極11と異なる第2の方向(例えば、図面の紙面垂直方向)に延びている。
【0078】
[工程−130]
次いで、第1絶縁層12及びゲート電極13上に第2絶縁層14を形成する。
具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により全面に第2絶縁層14を形成する。
【0079】
[工程−140]
その後、第2絶縁層14上に収束電極15を形成する(図4の(A)参照)。
収束電極15は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成る。収束電極15は、有効領域の全面を覆う1枚のシート状の形状を有する。尚、収束電極15の外形形状は、このような形状に限定されず、例えば、ストライプ状とすることもできる。
【0080】
[工程−150]
次に、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に位置する収束電極15の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層14に複数の第1開口部16を形成する。具体的には、収束電極15上に、レジスト材料から成る第2のマスク材料層20を成膜し、リソグラフィ技術に基づき、第1開口部16を形成すべき第2のマスク材料層20に開口を形成する(図4の(B)参照)。そして、係る第2のマスク材料層20をエッチング用マスクとして、収束電極15をRIE法にてエッチングし、更に、第2絶縁層14を等方的にエッチングする。その後、第2のマスク材料層20を除去する。こうして、図5の(A)に示す構造を得ることができる。第1開口部16の平面形状を直径10μmの円形とした。また、電子放出領域EEの外形形状はL1(100μm)×L2(300μm)の矩形であり、電界放出素子を設ける領域を、矩形の電子放出領域EEの中央部分であって、0.5L1×0.5L2の大きさの領域とした。尚、電子放出領域の外形形状をL1×L2の矩形としたとき、電界放出素子が設けられた領域は、矩形の電子放出領域の中央部分であって、例えば(0.4〜0.5)L1×(0.4〜0.5)L2の大きさの領域とすることが好ましいが、これに限定するものではない。
【0081】
[工程−160]
その後、ゲート電極13に、第1開口部16と連通した第2開口部17を形成する。具体的には、第1開口部16内を含む全面にレジスト層21を形成した後(図5の(B)参照)、第1開口部16の底部に位置するレジスト層21の部分に、露光用マスク21Aを用いてリソグラフィ技術に基づき、中心点CR2が第1開口部16の中心点CR1よりもカソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)側から遠ざかる方向に位置するように、レジスト開口21Bを形成する(図7の(A)参照)。尚、レジスト層21の露光は、収束電極15に対して垂直に露光光がレジスト層21に入射する方式とした(図6参照)。また、図7の(A)において、レジスト開口21Bの中心点を二点鎖線CR2で、第1開口部16の中心点を一点鎖線CR1で示す。その後、このレジスト層21をエッチング用マスクとして、ゲート電極13をRIE法にてエッチングして第2開口部17を形成する(図7の(B)参照)。更に、このレジスト層21をエッチング用マスクとして、第1絶縁層12を等方的にエッチングして、第1絶縁層12に、第2開口部17と連通した第3開口部18を形成する(図8の(A)参照)。その後、レジスト層21を除去する。こうして、第1開口部16の中心点C1が、この第1開口部16に連通した第2開口部17の中心点C2よりも、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)側にずれている状態を得ることができる。
【0082】
[工程−170]
次いで、第3開口部18の底部に露出したカソード電極11上に電子放出部19を形成する。具体的には、先ず、収束電極15、並びに、第2絶縁層14、第1開口部16、第2開口部17及び第3開口部18の側面を被覆し、第3開口部18の底部にカソード電極11が露出したマスク層22を形成する(図8の(B)参照)。次いで、露出したカソード電極11の表面を含むマスク層22上に、例えば、アセトンといった有機溶媒にカーボン・ナノチューブを分散させた溶液をスピンコーティング法にて塗布して電子放出部形成層23を形成した後(図9参照)、電子放出部形成層23中の有機溶媒を除去する。カーボン・ナノチューブは、例えば、平均直径1nm、平均長さ1μmのチューブ構造を有し、アーク放電法にて作製されている。カーボン・ナノチューブを、カソード電極11に対してランダムに配向させてもよいし(即ち、例えば絡み合った状態にてカソード電極11上に配置させてもよいし)、一方向に配向させてもよい。
【0083】
その後、全面に、マトリックスとしてダイヤモンド状アモルファスカーボンを堆積させる。これによって、第3開口部18の底部のカソード電極11の上に、カーボン・ナノチューブがマトリックスによって埋め込まれた電子放出部19を形成することができる。プラズマCVD法に基づくダイヤモンド状アモルファスカーボンから成るマトリックス(平均膜厚:0.3μm)の形成条件を以下の表1に例示する。その後、マスク層22を除去して、マスク層22上のカーボン・ナノチューブ及びマトリックスを除去する。こうして、図2に示す構造を得ることができる。尚、波長514.5nmのレーザ光を用いたラマン・スペクトルにおいて、ダイヤモンド状アモルファスカーボンから成るマトリックスは、波数1400乃至1630cm-1の範囲で半値幅50cm-1以上のピークを有していた。
【0084】
[表1]
使用装置 :平行平板RF−CVD装置
使用ガス :CH4=50sccm
圧力 :0.1Pa
形成温度 :室温
形成時間 :10分
プラズマ励起パワー:500W
【0085】
[工程−180]
次に、電子放出部19の表面のマトリックスをエッチング法にて除去し、先端部が突出した状態でカーボン・ナノチューブがマトリックス中に埋め込まれた電子放出部19を形成する。マトリックスのウェットエッチング条件を以下の表2に、ドライエッチング条件を表3に例示する。マトリックスのエッチングによって一部あるいは全てのカーボン・ナノチューブの表面状態が変化し(例えば、その表面に酸素原子や酸素分子、フッ素原子が吸着し)、電界放出に関して不活性となっている場合がある。それ故、その後、電子放出部19に対して水素ガス雰囲気中でのプラズマ処理を行うことが好ましく、これによって、電子放出部19が活性化し、電子放出部19からの電子の放出効率の一層の向上させることができる。プラズマ処理の条件を、以下の表4に例示する。
【0086】
[表2]
[ウェットエッチング条件]
使用エッチング液:KMnO4
エッチング温度 :80゜C
エッチング時間 :1〜10分
【0087】
[表3]
[ドライエッチング条件]
エッチング装置 :ICP−エッチング装置
使用ガス :O2(CF4等を含んでいてもよい)
エッチング温度 :室温〜80゜C
プラズマ励起パワー:1500W
RFバイアス :20〜100W
エッチング時間 :1〜10分
【0088】
[表4]
使用ガス :H2=100sccm
電源パワー :1000W
支持体印加電力:50V
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300゜C
【0089】
その後、カーボン・ナノチューブからガスを放出させるために、加熱処理や各種のプラズマ処理を施してもよいし、カーボン・ナノチューブの表面に意図的に吸着物を吸着させるために吸着させたい物質を含むガスにカーボン・ナノチューブを晒してもよい。また、カーボン・ナノチューブを精製するために、酸素プラズマ処理やフッ素プラズマ処理を行ってもよい。以上に説明した[工程−180]は、以下の実施の形態においても同様に実行することが望ましい。
【0090】
[工程−190]
その後、表示装置の組み立てを行う。具体的には、蛍光体層31と電子放出領域EEとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板30と支持体10)とを、枠体34を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体34とアノードパネルAPとの接合部位、及び枠体34とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体34とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体34とフリットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔36及びチップ管37を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管37を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体34とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、表示装置を完成させる。
【0091】
(実施の形態2)
実施の形態2は、本発明の第2の態様に係る電子放出領域の製造方法に関する。更には、第1の電子放出部形成方法に関する。実施の形態2の表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作は、実質的に、実施の形態1にて説明した表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作と同様であるが故に、詳細な説明は省略する。図11に、実施の形態2の電子放出領域EEを構成する1つの電界放出素子の模式的な一部端面図を示す。
【0092】
実施の形態2における電界放出素子は、実施の形態1と異なり、電子放出部19が第1絶縁層12の下まで延びている。この点を除き、実施の形態2の電界放出素子あるいは電子放出領域EEの構造は、実施の形態1の電界放出素子あるいは電子放出領域EEの構造と同じである。
【0093】
以下、実施の形態2における電子放出領域EEの製造方法を、図10の(A)〜(C)を参照して説明する。
【0094】
[工程−200]
先ず、実施の形態1の[工程−100]と同様にして、支持体10上に、第1の方向に延びるカソード電極11を形成する。
【0095】
[工程−210]
次に、カソード電極11上に電子放出部19を形成する。具体的には、先ず、レジスト材料層をスピンコート法にて全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、電子放出部を形成すべきカソード電極11の領域の表面が露出したマスク層22Aを形成する(図10の(A)参照)。次に、露出したカソード電極11の表面を含むマスク層22A上に、実施の形態1の[工程−170]と同様にして、例えば、アセトンといった有機溶媒にカーボン・ナノチューブを分散させた溶液をスピンコーティング法にて塗布して電子放出部形成層23を形成した後(図10の(B)参照)、電子放出部形成層23中の有機溶媒を除去する。カーボン・ナノチューブは、例えば、平均直径1nm、平均長さ1μmのチューブ構造を有し、アーク放電法にて作製されている。カーボン・ナノチューブを、カソード電極11に対してランダムに配向させてもよいし(即ち、例えば絡み合った状態にてカソード電極11上に配置させてもよいし)、一方向に配向させてもよい。
【0096】
その後、全面に、マトリックスとしてダイヤモンド状アモルファスカーボンを堆積させる。これによって、カソード電極11の上に、カーボン・ナノチューブがマトリックスによって埋め込まれた電子放出部19を形成することができる。
プラズマCVD法に基づくダイヤモンド状アモルファスカーボンから成るマトリックス(平均膜厚:0.3μm)の形成条件は、表1に例示したと同様とすればよい。その後、マスク層22Aを除去して、マスク層22A上のカーボン・ナノチューブ及びマトリックスを除去する。こうして、電子放出部19を得ることができる(図10の(C)参照)。
【0097】
[工程−220]
次いで、実施の形態1の[工程−110]と同様にして、支持体10、カソード電極11及び電子放出部19上に第1絶縁層12を形成し、実施の形態1の[工程−120]と同様にして、第1絶縁層12上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13を形成する。その後、実施の形態1の[工程−130]と同様にして、第1絶縁層12及びゲート電極13上に第2絶縁層14を形成し、更に、実施の形態1の[工程−140]と同様にして、第2絶縁層14上に収束電極15を形成する。次いで、実施の形態1の[工程−150]と同様にして、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に位置する収束電極15の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層14に複数の第1開口部16を形成し、更に、実施の形態1の[工程−160]と同様にして、ゲート電極13に第1開口部16と連通した第2開口部17を形成し、更に、第1絶縁層12に第2開口部17と連通した第3開口部18を形成し、第3開口部18の底部に電子放出部19を露出させる。こうして、図11に示す構造を得ることができる。
【0098】
[工程−230]
その後、実施の形態1の[工程−180]と同様の工程を実行し、更に、実施の形態1の[工程−190]と同様の工程を実行して表示装置を組み立てる。
【0099】
(実施の形態3)
実施の形態3は、本発明の第3の態様に係る電子放出領域の製造方法に関する。更には、第1の電子放出部形成方法に関する。実施の形態3の表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作、電界放出素子の構造は、実施の形態1にて説明した表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作、電界放出素子の構造と同様であるが故に、詳細な説明は省略する。また、実施の形態3の電子放出領域EEを構成する1つの電界放出素子の構造は、図2を参照して説明した実施の形態1の電界放出素子と同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。
【0100】
以下、実施の形態3における電子放出領域EEの製造方法を、図12及び図13を参照して説明する。
【0101】
[工程−300]
先ず、実施の形態1の[工程−100]と同様にして、支持体10上に、第1の方向に延びるカソード電極11を形成した後、実施の形態1の[工程−110]と同様にして、支持体10及びカソード電極11上に第1絶縁層12を形成する。次いで、実施の形態1の[工程−120]と同様にして、第1絶縁層12上に第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13を形成し、更に、実施の形態1の[工程−130]と同様にして、第1絶縁層12及びゲート電極13上に第2絶縁層14を形成する。その後、実施の形態1の[工程−140]と同様にして、第2絶縁層14上に収束電極15を形成し、次いで、実施の形態1の[工程−150]と同様にして、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に位置する収束電極15の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層14に複数の第1開口部16を形成する。
【0102】
[工程−310]
その後、ゲート電極13に、第1開口部16と連通した第2開口部17を形成する。具体的には、第1開口部16内を含む全面にレジスト層21を形成した後、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)の上方から放射状に拡がる露光光を用いたリソグラフィ技術に基づきレジスト層21を露光し、レジスト層21を現像して、中心点が第1開口部16の中心点よりもカソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)側から遠ざかる方向に位置するように、第1開口部16の底部に位置するレジスト層21の部分にレジスト開口21Bを形成する。
尚、図13においては、レジスト開口21Bの中心点を二点鎖線CR2で、第1開口部16の中心点を一点鎖線CR1で示す。放射状に拡がる露光光を得るためには、例えば、1つのカソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)の上方に位置させたマイクロ凹レンズ(光学軸は、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点を通る垂線と一致している)の集合系レンズ(一種のフライ・アイ・レンズ)を用いればよい。尚、露光用マスクとして、第1開口部16が形成された収束電極15を用いる。その後、このレジスト層21をエッチング用マスクとして、ゲート電極13をRIE法にてエッチングして第2開口部17を形成する。更に、このレジスト層21をエッチング用マスクとして、第1絶縁層12を等方的にエッチングして、第1絶縁層12に、第2開口部17と連通した第3開口部18を形成する。その後、レジスト層21を除去する。こうして、第1開口部16の中心点C1が、この第1開口部16に連通した第2開口部17の中心点C2よりも、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域の中心点(図3に、黒点「C」で示す)側にずれている状態を得ることができる。
【0103】
[工程−320]
その後、実施の形態1の[工程−170]と同様にして、第3開口部18の底部に露出したカソード電極11上に電子放出部19を形成する。
【0104】
[工程−330]
その後、実施の形態1の[工程−180]と同様の工程を実行し、更に、実施の形態1の[工程−190]と同様の工程を実行して表示装置を組み立てる。
【0105】
(実施の形態4)
実施の形態4は、本発明の第4の態様に係る電子放出領域の製造方法に関する。更には、第1の電子放出部形成方法に関する。実施の形態4の表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作は、実質的に、実施の形態1にて説明した表示装置、アノードパネルの構造、表示装置の動作と同様であるが故に、詳細な説明は省略する。また、実施の形態4の電子放出領域EEを構成する1つの電界放出素子の構造は、図11を参照して説明した実施の形態2の電界放出素子と同様の構造を有するので、詳細な説明は省略する。
【0106】
以下、実施の形態4における電子放出領域EEの製造方法を説明する。
【0107】
[工程−400]
先ず、実施の形態1の[工程−100]と同様にして、支持体10上に、第1の方向に延びるカソード電極11を形成する。
【0108】
[工程−410]
次に、実施の形態2の[工程−210]と同様にして、カソード電極11上に電子放出部19を形成する。
【0109】
[工程−420]
次いで、実施の形態1の[工程−110]と同様にして、支持体10、カソード電極11及び電子放出部19上に第1絶縁層12を形成し、実施の形態1の[工程−120]と同様にして、第1絶縁層12上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極13を形成する。その後、実施の形態1の[工程−130]と同様にして、第1絶縁層12及びゲート電極13上に第2絶縁層14を形成し、更に、実施の形態1の[工程−140]と同様にして、第2絶縁層14上に収束電極15を形成する。次いで、実施の形態1の[工程−150]と同様にして、カソード電極11とゲート電極13の重複する領域に位置する収束電極15の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層14に複数の第1開口部16を形成する。
【0110】
[工程−430]
その後、実施の形態3の[工程−310]と同様にして、ゲート電極13に第1開口部16と連通した第2開口部17を形成し、更に、第1絶縁層12に第2開口部17と連通した第3開口部18を形成し、第3開口部18の底部に電子放出部19を露出させる。
【0111】
[工程−440]
その後、実施の形態1の[工程−180]と同様の工程を実行し、更に、実施の形態1の[工程−190]と同様の工程を実行して表示装置を組み立てる。
【0112】
(実施の形態5)
実施の形態5は、実施の形態1〜実施の形態4の変形であり、実施の形態1〜実施の形態4とは電子放出部の形成方法が異なる。即ち、実施の形態5は、第2の電子放出部形成方法に関する。以下、実施の形態5における第2の電子放出部形成方法を説明するが、この第2の電子放出部形成方法を、実施の形態1の[工程−170]、実施の形態2の[工程−210]、実施の形態3の[工程−320]、実施の形態4の[工程−410]に適用すればよい。尚、以下においては、実施の形態1の[工程−170]に第2の電子放出部形成方法を適用した例を説明する。
【0113】
実施の形態5の電子放出部形成方法にあっては、実施の形態1の[工程−170]と同様の工程において、先ず、収束電極15、並びに、第2絶縁層14、第1開口部16、第2開口部17及び第3開口部18の側面を被覆し、第3開口部18の底部にカソード電極11が露出したマスク層22を形成する。次いで、カーボン・ナノチューブが分散された有機酸金属化合物から成る金属化合物溶液を全面に、例えばスプレー法にて塗布する。具体的には、以下の表5に例示する金属化合物溶液を用いる。尚、金属化合物溶液中にあっては、有機錫化合物及び有機インジウム化合物は酸(例えば、塩酸、硝酸、あるいは硫酸)に溶解された状態にある。塗布に際しては、支持体10を70〜150゜Cに加熱しておく。塗布雰囲気を大気雰囲気とする。塗布後、5〜30分間、支持体10を加熱し、酢酸ブチルを十分に蒸発させる。このように、塗布時、支持体10を加熱することによって、露出したカソード電極11の表面に対してカーボン・ナノチューブが水平に近づく方向にセルフレベリングする前に塗布溶液の乾燥が始まる結果、カーボン・ナノチューブが水平にはならない状態でカソード電極11の表面にカーボン・ナノチューブを配置することができる。即ち、カーボン・ナノチューブの先端部がアノード電極33の方向を向くような状態、言い換えれば、カーボン・ナノチューブを、支持体10の法線方向に近づく方向に配向させることができる。尚、予め、表5に示す組成の金属化合物溶液を調製しておいてもよいし、カーボン・ナノチューブを添加していない金属化合物溶液を調製しておき、塗布前に、カーボン・ナノチューブと金属化合物溶液とを混合してもよい。また、カーボン・ナノチューブの分散性向上のため、金属化合物溶液の調製時、超音波を照射してもよい。
【0114】
[表5]
有機錫化合物及び有機インジウム化合物:0.1〜10重量部
分散剤(ドデシル硫酸ナトリウム) :0.1〜5 重量部
カーボン・ナノチューブ :0.1〜20重量部
酢酸ブチル :残余
【0115】
尚、有機酸金属化合物溶液として、有機錫化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を酸に溶解したものを用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を酸に溶解したもの用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。また、有機金属化合物溶液として、有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化錫が得られ、有機インジウム化合物を用いれば、マトリックスとして酸化インジウムが得られ、有機亜鉛化合物を用いれば、マトリックスとして酸化亜鉛が得られ、有機アンチモン化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモンが得られ、有機アンチモン化合物及び有機錫化合物を用いれば、マトリックスとして酸化アンチモン−錫が得られる。あるいは又、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いてもよい。
【0116】
場合によっては、金属化合物溶液を乾燥した後の金属化合物層の表面に著しい凹凸が形成されている場合がある。このような場合には、金属化合物層の上に、支持体を加熱することなく、再び、金属化合物溶液を塗布することが望ましい。
【0117】
そして、金属化合物溶液を乾燥した後、マスク層22を除去し、次いで、有機酸金属化合物から成る金属化合物を焼成することによって、有機酸金属化合物に由来した金属原子(具体的には、In及びSn)を含むマトリックス(具体的には、金属酸化物であり、より一層具体的にはITO)にてカーボン・ナノチューブがカソード電極11の表面に固定された電子放出部19を得ることができる。
焼成を、大気雰囲気中で、350゜C、20分の条件にて行うことができる。こうして、得られたマトリックスの体積抵抗率は、5×10-7Ω・m程度である。
有機酸金属化合物を出発物質として用いることにより、焼成温度350゜Cといった低温においても、ITOから成るマトリックスを形成することができる。尚、有機酸金属化合物溶液の代わりに、有機金属化合物溶液を用いてもよいし、金属の塩化物の溶液(例えば、塩化錫、塩化インジウム)を用いた場合、焼成によって塩化錫、塩化インジウムが酸化されつつ、ITOから成るマトリックスが形成される。
【0118】
また、その後、以下の表6に例示する条件にてマトリックスをエッチングして、金属化合物の焼成物の不要部分を除去することが望ましい。更に、所望の領域以外にカーボン・ナノチューブが未だ存在する場合には、以下の表7に例示する条件の酸素プラズマエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングすることが望ましい。尚、バイアスパワーは0Wでもよいが、即ち、直流としてもよいが、バイアスパワーを加えることが望ましい。また、支持体を、例えば80゜C程度に加熱してもよい。
【0119】
[表6]
エッチング溶液:塩酸
エッチング時間:10秒〜30秒
エッチング温度:10〜60゜C
【0120】
[表7]
使用装置 :RIE装置
導入ガス :酸素を含むガス
プラズマ励起パワー:500W
バイアスパワー :0〜150W
処理時間 :10秒以上
【0121】
あるいは又、表8に例示する条件のウェットエッチング処理によってカーボン・ナノチューブをエッチングしてもよい。
【0122】
[表8]
使用溶液:KMnO4
温度 :20〜120゜C
処理時間:10秒〜20分
【0123】
(実施の形態6)
実施の形態6も、実施の形態1〜実施の形態4の変形であり、実施の形態1〜実施の形態4とは電子放出部の形成方法が異なる。即ち、実施の形態6は、第3の電子放出部形成方法に関する。以下、実施の形態6における第3の電子放出部形成方法を説明するが、この第3の電子放出部形成方法を、実施の形態1の[工程−170]、実施の形態2の[工程−210]、実施の形態3の[工程−320]、実施の形態4の[工程−410]に適用すればよい。尚、以下においては、実施の形態1の[工程−170]に第2の電子放出部形成方法を適用した例を説明する。
【0124】
実施の形態6の電子放出部形成方法にあっては、実施の形態1の[工程−170]と同様の工程において、先ず、収束電極15、並びに、第2絶縁層14、第1開口部16、第2開口部17及び第3開口部18の側面を被覆し、第3開口部18の底部にカソード電極11が露出したマスク層22を形成する。その後、銀ペーストや水ガラス等の無機系バインダやエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等の有機系バインダと、例えばカーボン・ナノチューブとの混合品を、開口部16,17,18内を含む全面にスクリーン印刷法にて印刷し、乾燥させる。その後、マスク層22を除去し、次いで、係る混合品を、例えば焼成する。焼成は、例えば、乾燥大気中、400°C、30分間の条件で行うことができる。また、電子放出部19表面のマトリックスを除去するためには、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を用いて水ガラス(マトリックス)のウェットエッチングを行えばよい。水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の濃度、温度、エッチング時間は、各種の試験を行い、最適条件を見い出せばよい。
【0125】
以上、本発明を、発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。発明の実施の形態にて説明した電子放出領域やカソードパネル、アノードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、電子放出領域やカソードパネル、アノードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法、各種の条件、使用材料も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
【0126】
発明の実施の形態においては、カーボン・ナノチューブを使用したが、その代わりに、例えば、平均直径30nm、平均長さ1μmのファイバー構造を有し、CVD法(気相合成法)にて作製されたカーボン・ナノファイバーを用いることもできる。また、ポリグラファイトを使用することもできる。
【0127】
ゲート電極を、有効領域を覆う1枚のシート状の導電材料層から構成することもできる。この場合には、かかるゲート電極に正の電圧を印加する。そして、各画素を構成するカソード電極とカソード電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成するカソード電極への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0128】
あるいは又、カソード電極を、有効領域を覆う1枚のシート状の導電材料層から構成することもできる。この場合には、かかるカソード電極に電圧を印加する。そして、各画素を構成するゲート電極とゲート電極制御回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成するゲート電極への印加状態を制御し、画素の発光状態を制御する。
【0129】
アノード電極は、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極としてもよいし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した形式のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者の構成の場合、かかるアノード電極をアノード電極制御回路に接続すればよいし、アノード電極が後者の構成の場合、例えば、各アノード電極ユニットをアノード電極制御回路に接続すればよい。
【0130】
場合によっては、本発明の第1の態様〜第4の態様に係る電子放出領域の製造方法において、電子放出部を形成する工程において、その代わりに、選択成長領域を形成してもよい。そして、この場合には、選択成長領域を最終的に形成した後、CVD法にてカーボン・ナノチューブやカーボン・ナノファイバー等から構成された電子放出部を選択成長領域上に形成すればよい。選択成長領域は、CVD法にて電子放出部を形成するための一種の触媒作用を有する材料に基づき形成すればよい。
【0131】
また、場合によっては、第3開口部の底部に露出したカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かかる第3開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出する電界放出素子から構成された電子放出領域としてもよい。この場合には、電子放出部を形成する必要はない。
【0132】
更には、場合によっては、第2絶縁層の形成を省略し、ゲート電極に設けられた第2開口部を取り囲むように、第2開口部の近傍のゲート電極の部分に、電子放出部から放出された電子の軌道を収束させるための突起部を設けてもよい。この場合、突起部の中心点が、第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれているように、突起部を配置すればよい。
【0133】
【発明の効果】
本発明においては、電子放出部から放出された電子が、全体として、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側に向かうようになり、電子を、電子放出領域に対向した蛍光体層に確実に衝突させることが可能となる。従って、輝度の低下や、隣接画素間の光学的クロストークが発生するといった問題の発生を確実に防止することができる。更には、電子放出領域における電子放出に寄与する領域の大きさ(即ち、電子放出領域における電子放出部を形成し得る領域の大きさ)を拡大することができるので、電子放出領域からの電子の放出量の増加を図ることができる結果、カソードローディングを低下させることができるし、あるいは又、蛍光体層に衝突する電子の電流密度を増加させることができ、高輝度で安定した表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】図2は、発明の実施の形態1の電子放出領域を構成する1つの冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図3】図3は、発明の実施の形態1において、1つの電子放出領域における収束電極の模式的な部分的平面図である。
【図4】図4の(A)及び(B)は、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図5】図5の(A)及び(B)は、図4の(B)に引き続き、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図6】図6は、図5の(B)に引き続き、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図7】図7の(A)及び(B)は、図6に引き続き、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図8】図8の(A)及び(B)は、図7の(B)に引き続き、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図9】図9は、図8の(B)に引き続き、発明の実施の形態1における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図10】図10の(A)〜(C)は、発明の実施の形態2における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図11】図11は、発明の実施の形態2の電子放出領域を構成する1つの冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図12】図12は、発明の実施の形態3における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図13】図13は、図12に引き続き、発明の実施の形態3における電子放出領域の製造方法を、説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図14】図14は、従来の冷陰極電界電子放出素子を備えた冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図15】図15は、従来の冷陰極電界電子放出素子を備えた冷陰極電界電子放出表示装置におけるカソードパネルCPとアノードパネルAPを分解したときの模式的な部分的斜視図である。
【図16】図16は、収束電極を備えた従来の冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図17】図17は、従来の収束電極の模式的な平面図である。
【図18】図18は、収束電極を備えた従来の冷陰極電界電子放出表示装置における問題点を説明するための冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネル、EE・・・電子放出領域、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・第1絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・第2絶縁層、15・・・収束電極、16・・・第1開口部、17・・・第2開口部、18・・・第3開口部、19・・・電子放出部、20・・・第2のマスク材料層、21・・・レジスト層、21A・・・露光用マスク、21B・・・レジスト開口、22・・・マスク層、23・・・電子放出部形成層、30・・・基板、31,31R,31G,31B・・・蛍光体層、32・・・ブラックマトリックス、33・・・アノード電極、34・・・枠体34、36・・・貫通孔、37・・・チップ管、40・・・カソード電極制御回路、41・・・ゲート電極制御回路、42・・・アノード電極制御回路

Claims (2)

  1. (a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
    (b)支持体及びカソード電極上に第1絶縁層を形成する工程と、
    (c)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成する工程と、
    (d)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
    (e)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
    (f)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
    (g)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
    (h)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成する工程と、
    (i)第3開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工程、
    から成る電子放出領域の製造方法であって、
    各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
    前記工程(g)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点の上方から放射状に拡がる露光光を用いたリソグラフィ技術に基づき、露光用マスクとして第1開口部が形成された収束電極を用い、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分にレジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする電子放出領域の製造方法。
  2. (a)支持体上に、第1の方向に延びるカソード電極を形成する工程と、
    (b)カソード電極上に電子放出部を形成する工程と、
    (c)支持体、カソード電極及び電子放出部上に第1絶縁層を形成する工程と、
    (d)第1絶縁層上に、第1の方向とは異なる第2の方向に延びるゲート電極を形成する工程と、
    (e)第1絶縁層及びゲート電極上に第2絶縁層を形成する工程と、
    (f)第2絶縁層上に収束電極を形成する工程と、
    (g)カソード電極とゲート電極の重複する領域に位置する収束電極の部分、及び、その下に位置する第2絶縁層に複数の第1開口部を形成する工程と、
    (h)ゲート電極に、第1開口部と連通した第2開口部を形成する工程と、
    (i)第1絶縁層に、第2開口部と連通した第3開口部を形成し、第3開口部の底部に電子放出部を露出させる工程、
    から成る電子放出領域の製造方法であって、
    各第1開口部の中心点は、該第1開口部に連通した第2開口部の中心点よりも、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側にずれており、
    前記工程(h)において、第1開口部内を含む全面にレジスト層を形成した後、カソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点の上方から放射状に拡がる露光光を用いたリソグラフィ技術に基づき、露光用マスクとして第1開口部が形成された収束電極を用い、中心点が第1開口部の中心点よりもカソード電極とゲート電極の重複する領域の中心点側から遠ざかる方向に位置するように、第1開口部の底部に位置するレジスト層の部分にレジスト開口を形成し、該レジスト層をエッチング用マスクとしてゲート電極をエッチングして第2開口部を形成することを特徴とする電子放出領域の製造方法。
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