JP2001234163A - 発光性結晶粒子、発光性結晶粒子組成物、表示用パネル及び平面型表示装置 - Google Patents

発光性結晶粒子、発光性結晶粒子組成物、表示用パネル及び平面型表示装置

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JP2001234163A
JP2001234163A JP2000048666A JP2000048666A JP2001234163A JP 2001234163 A JP2001234163 A JP 2001234163A JP 2000048666 A JP2000048666 A JP 2000048666A JP 2000048666 A JP2000048666 A JP 2000048666A JP 2001234163 A JP2001234163 A JP 2001234163A
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field emission
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Kazuo Kajiwara
和夫 梶原
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    • H01J9/22Applying luminescent coatings
    • H01J9/227Applying luminescent coatings with luminescent material discontinuously arranged, e.g. in dots or lines

Abstract

(57)【要約】 【課題】長時間の使用によっても劣化の少ない、即ち、
輝度の低下の少ない発光性結晶粒子から構成された平面
型表示装置を提供する。 【解決手段】本発明の平面型表示装置は、表示用パネル
20と、複数の電子放出領域16を有する背面パネル1
0とが真空空間を挟んで対向配置されて成り、表示用パ
ネル20は、支持体21、電子放出領域16から飛来し
た電子の照射によって発光する発光性結晶粒子から成る
発光層22、及び、電極24から成り、発光性結晶粒子
の表面から電子が侵入する深さまでの領域における結晶
欠陥密度が5×107ケ/cm2以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線の照
射によって発光する発光性結晶粒子、かかる発光性結晶
粒子から構成された表示用パネル、及び、かかる表示装
置から作製された平面型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず、固体から真空中に電子を放出することが可能な
冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)も提案されており、画面の
明るさ及び低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置の代表的な構
成例を図1に示す。この表示装置においては、表示用パ
ネル20と背面パネル10とが対向配置され、両パネル
10,20は、各々の周縁部において図示しない枠体を
介して互いに接着され、両パネル間の閉鎖空間が真空空
間とされている。背面パネル10は、電子放出体として
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)
を備えている。図1では、電界放出素子の一例として、
円錐形の電子放出電極16を有する、所謂スピント(S
pindt)型電界放出素子を示す。スピント型電界放
出素子は、基板11上に形成されたストライプ状のカソ
ード電極12と、カソード電極12及び基板11上に形
成された絶縁層13と、絶縁層13上に形成されたスト
ライプ状のゲート電極14と、ゲート電極14及び絶縁
層13に設けられた開口部15内に形成された円錐形の
電子放出電極16から構成されている。尚、電子放出電
極16は、開口部15の底部に位置するカソード電極1
2の部分の上に設けられている。通常、多数の電子放出
電極16が、後述する蛍光体層22の1つに対応付けら
れている。電子放出電極16には、カソード電極駆動回
路31からカソード電極12を通じて相対的に負電圧
(ビデオ信号)が印加され、ゲート電極14にはゲート
電極駆動回路32から相対的に正電圧(走査信号)が印
加される。これらの電圧印加によって生じた電界に応
じ、電子放出電極16の先端から電子が量子トンネル効
果に基づき放出される。尚、電子放出体としては、上述
のようなスピント型電界放出素子に限られず、所謂エッ
ジ型や平面型やクラウン型等、他のタイプの電界放出素
子が用いられる場合もある。また、上述とは逆に、走査
信号がカソード電極12に入力され、ビデオ信号がゲー
ト電極14に入力される場合もある。
【0004】一方、表示用パネル20は、ガラス等から
成る支持体21上にドット状あるいはストライプ状に形
成された複数の蛍光体層22と、蛍光体層22及び支持
体21上に形成された導電性反射膜から成るアノード電
極24を有する。アノード電極24には、加速電源(ア
ノード電極駆動回路)33から、ゲート電極14に印加
される正電圧よりも高い正電圧が印加され、電子放出電
極16から真空空間中へ放出された電子を、蛍光体層2
2に向かって誘導する役割を果たす。また、アノード電
極24は、蛍光体層22を構成する蛍光体粒子をイオン
等の粒子によるスパッタから保護する機能、電子励起に
よって生じた蛍光体層22の発光を支持体21側へ反射
させ、支持体21の外側から観察される表示画面の輝度
を向上させる機能、及び、過剰な帯電を防止して表示用
パネル20の電位を安定化させる機能も有する。即ち、
アノード電極24は、アノード電極としての機能を果た
すだけでなく、陰極線管(CRT)の分野でメタルバッ
ク膜として知られる部材が果たす機能とを兼ねている。
アノード電極24は、通常、アルミニウム薄膜を用いて
構成されている。尚、蛍光体層22と蛍光体層22との
間にはブラックマトリクス23が形成されている。
【0005】図2の(A)に、蛍光体層22R,22
G,22Bがドット状に形成された表示用パネルの模式
的な平面図を示し、図2の(B)に、図2の(A)の線
X−Xに沿った模式的な一部断面図を示す。蛍光体層2
2R,22G,22Bが配列されている領域が表示装置
としての実用上の機能を果たす有効領域であり、アノー
ド電極の形成領域はこの有効領域にほぼ一致している。
図2の(A)では、明確化のために、アノード電極の形
成領域に斜線を施した。有効領域の周囲は、周辺回路の
収容や表示画面の機械的支持等、有効領域の機能を支援
する無効領域である。
【0006】尚、冷陰極電界電子放出表示装置における
アノード電極は、必ずしも上述のように導電性反射膜か
ら成るアノード電極24によって構成されている必要は
なく、図2の(A)の線X−Xに沿ったと同様の模式的
な一部断面図である図2の(C)に示すように、支持体
21上に形成された透明導電膜から成るアノード電極2
5から構成されていてもよい。支持体21上において、
アノード電極24,25の形成領域は、有効領域のほぼ
全面に亙っている。
【0007】図3の(A)に、蛍光体層がストライプ状
に形成された表示用パネルの模式的な平面図を示し、図
3の(B)及び(C)に、図3の線X−Xに沿った模式
的な一部断面図を示す。図3の参照符号は図2と共通で
あり、共通部分については詳しい説明を省略する。図3
の(B)は、アノード電極24が導電性反射膜から成る
構成例、図3の(C)はアノード電極25が透明導電膜
から成る構成例を示す。アノード電極24,25の形成
領域は、表示用パネルの有効領域のほぼ全面に亙ってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、平面型表示
装置である冷陰極電界電子放出表示装置においては、電
子の飛行距離が陰極線管におけるよりも遥かに短く、電
子の加速電圧を陰極線管の場合ほど高めることができな
い。冷陰極電界電子放出表示装置の場合、電子の加速電
圧が高過ぎると、背面パネルの電子放出電極と、表示用
パネルにおいてアノード電極の役割を果たす膜との間で
火花放電が極めて発生し易くなり、表示品質が著しく損
なわれる虞が大きい。従って、加速電圧は10キロボル
ト程度以下に抑えられている。
【0009】このように電子の加速電圧を低く選択せざ
るを得ない冷陰極電界電子放出表示装置に関しては、こ
の他にも陰極線管にはみられない特有の問題が生じてい
る。高電圧加速が行われる陰極線管においては、蛍光体
層への電子の侵入深さが深いために、電子のエネルギー
は蛍光体層内の比較的広い領域に受容され、かかる広い
領域内に存在する相対的に多数の蛍光体粒子を一斉に励
起させ、高輝度を達成することができる。加速電圧を3
1.5キロボルトとし、蛍光体層をZnSから構成した
ときの、蛍光体層に入射した電子のエネルギー損失と、
蛍光体層への電子の侵入深さの関係を以下の式(1)に
て表されるベーテ(Bethe)の式("Practical Scanning
Electron MIcroscopy", J.I. Goldstein and H. Yakow
itz, pp50, Pleum Press, New York (1975)参照 )に基
づきモンテカルロシミュレーションを行った結果を図3
2に示す。図32から、加速電圧を31.5キロボルト
としたとき、電子のエネルギー損失のピークは、蛍光体
層の表面から約1μmのところに位置することが判る。
また、電子は、蛍光体層の表面から約5μmの深さにま
で達している。
【0010】 [数1] −(dEm/dX)=2πe40(Z/A)(ρ/Em)ln(1.166Em/ J) (1)
【0011】ところが、冷陰極電界電子放出表示装置に
おいては、加速電圧を10キロボルト程度以下、例えば
6キロボルト程度とする必要がある。加速電圧を6キロ
ボルトとし、蛍光体層をZnSから構成したときの、蛍
光体層に入射した電子のエネルギー損失と、蛍光体層へ
の電子の侵入深さの関係を上記のベーテの式に基づきモ
ンテカルロシミュレーションを行った結果を図33及び
図34に示す。尚、図33においては、蛍光体層の表面
に厚さ0.045μmのアルミニウム薄膜が形成され、
図34においては、蛍光体層の表面に厚さ0.07μm
のアルミニウム薄膜が形成されているとした。図33及
び図34からも明らかなように、電子のエネルギー損失
のピークは、蛍光体層の最表面近傍に位置することが判
る。また、電子は、蛍光体層の表面から約0.2〜0.
3μmの深さ程度までしか達していない。このように、
加速電圧が陰極線管よりも低い冷陰極電界電子放出表示
装置では、蛍光体層への電子の侵入深さが浅く、電子の
エネルギーを蛍光体層の狭い領域(特に、蛍光体層の表
面近傍)でしか受容することができない。
【0012】更には、蛍光体層においては、電子の有す
るエネルギーの約10%が発光に寄与し、残りの約90
%のエネルギーは熱に変換される。即ち、蛍光体層の表
面近傍での発熱が大きい。その結果、蛍光体層が例えば
硫化物系蛍光体粒子から構成されている場合、その構成
元素であるイオウが、単体、又は一酸化イオウ(SO)
や二酸化イオウ(SO2)の形で脱離し、硫化物系蛍光
体粒子の組成変化や発光中心の消失が生じる。加速電圧
を6キロボルトとし、蛍光体層をZnSから構成したと
きの、蛍光体層に入射した電子のエネルギー損失と、蛍
光体層への電子の侵入深さの関係を上記のベーテの式に
基づきモンテカルロシミュレーションを行った結果を図
35に示す。尚、図35においては、蛍光体層の表面に
厚さ0.07μmのアルミニウム薄膜が形成されてお
り、蛍光体層の表面から約0.03μmの厚さのところ
までは、ZnSから硫黄(S)が脱離してZnとなって
いると仮定した。図35からも明らかなように、電子の
エネルギー損失のピークは、ZnSから硫黄(S)が脱
離してZnとなっている蛍光体層の領域に位置すること
が判る。また、電子は、蛍光体層の表面から約0.2μ
mの深さ程度までしか達していない。
【0013】しかも、冷陰極電界電子放出表示装置にお
いては、陰極線管の場合と異なり、或る電界放出素子か
ら放出された電子が衝突する蛍光体層(より具体的に
は、蛍光体粒子)の位置は概ね一定である。従って、常
に電子が衝突する蛍光体粒子の部分の劣化が他の部分に
比べて著しく、陰極線管よりも蛍光体粒子の劣化の進行
が早い。
【0014】また、蛍光体粒子の最表面は、蛍光体粒子
の製造工程中あるいは表示用パネルの製造工程中で様々
な歪みを受け、格子欠陥が発生し易い。しかも、冷陰極
電界電子放出表示装置においては、所望の輝度を得るた
めに、陰極線管よりも高電流密度(放出電子密度)で駆
動する必要がある。例えば、陰極線管における電流密度
は0.1〜1μA/cm2であるのに対して、冷陰極電
界電子放出表示装置では、電流密度は5〜10μA/c
2も必要になる。従って、蛍光体粒子の最表面あるい
はその近傍を高励起条件下で作動させる必要があるが、
冷陰極電界電子放出表示装置の作動中、蛍光体粒子に新
たな結晶欠陥の発生、増殖が生じ易く、これが原因で輝
度劣化が早く進行すると考えられる。
【0015】以上に説明した蛍光体層あるいは蛍光体粒
子の劣化は、発光色や発光効率の変動、冷陰極電界電子
放出表示装置内部の構成部材の汚染、ひいては冷陰極電
界電子放出表示装置の信頼性や寿命特性の低下につなが
る。従って、冷陰極電界電子放出表示装置の信頼性や寿
命特性を向上させるために、劣化の少ない蛍光体層ある
いは蛍光体粒子が強く要望されている。
【0016】陰極線管において、表示の細密化を図るた
めには、蛍光体層に衝突する電子線ビームのビーム径を
小さくする必要がある。即ち、蛍光体層に衝突する電子
線ビームの電流密度を増加させる必要がある。しかしな
がら、このような方法では、特に緑色を発光する蛍光体
粒子に損傷が発生し易く、このような現象が生じるとマ
ゼンタ・リングが発生する。ここで、マゼンタ・リング
とは、赤色及び青色を発光する蛍光体粒子には損傷が発
生し難く、陰極線管において、緑色の補色であるマゼン
タ色がリング状に観察される現象を指す。従来の陰極線
管においては、蛍光体層に衝突する電子線ビームの電流
密度と陰極線管の寿命とは、一種の逆比例の関係にあ
る。従って、蛍光体層に衝突する電子線ビームの電流密
度を高くしても陰極線管の寿命を短縮させないために、
劣化の少ない蛍光体層あるいは蛍光体粒子が強く要望さ
れている。
【0017】従って、本発明の目的は、長時間の使用に
よっても劣化の少ない、即ち、輝度の低下の少ない発光
性結晶粒子、かかる発光性結晶粒子から構成された表示
用パネル、かかる表示装置から作製された平面型表示装
置、及び、発光性結晶粒子組成物を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、エネルギ
ー線の照射によって発光する発光性結晶粒子であって、
発光性結晶粒子の表面からエネルギー線が侵入する深さ
までの領域における結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2
以下であることを特徴とする本発明の発光性結晶粒子に
よって達成することができる。
【0019】本発明の発光性結晶粒子に基づき、あるい
は又、後述する本発明の発光性結晶粒子組成物から、例
えば、冷陰極電界電子放出表示装置あるいはそのフロン
トパネル(アノードパネル)、民生用(家庭用)、産業
用(例えば、コンピュータディスプレイ用)、デジタル
放送用あるいはプロジェクション型の陰極線管あるいは
そのフェースプレート、プラズマ表示装置あるいはその
リアパネルを構成することができる。尚、AC駆動型や
DC駆動型のプラズマ表示装置のリアパネルは、例え
ば、支持体と、支持体上に形成された隔壁(リブ)と、
隔壁と隔壁との間の支持体上に形成された各種電極(例
えばデータ電極)と、隔壁と隔壁との間に形成された発
光性結晶粒子から成る発光層から構成されている。冷陰
極電界電子放出表示装置のフロントパネル(アノードパ
ネル)、陰極線管のフェースプレートについては後述す
る。
【0020】また、上記の目的は、支持体、真空空間中
から飛来した電子の照射によって発光する発光性結晶粒
子から成る発光層、及び、電極から成る表示用パネルで
あって、発光性結晶粒子の表面から電子が侵入する深さ
までの領域における結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2
以下であることを特徴とする本発明の表示用パネルによ
って達成することができる。
【0021】本発明の表示用パネルとして、民生用(家
庭用)、産業用(例えば、コンピュータディスプレイ
用)、デジタル放送用あるいはプロジェクション型の陰
極線管の所謂フェースプレート、あるいは又、冷陰極電
界電子放出表示装置を構成するフロントパネル(アノー
ドパネル)を例示することができる。陰極線管のフェー
スプレートは、一般に、ガラスパネル(本発明の表示用
パネルにおける支持体に相当する)、発光性結晶粒子か
ら成り、ガラスパネルの内面にストライプ状あるいはド
ット状に形成された発光層、発光層と発光層との間のガ
ラスパネル内面に形成されたブラックストライプ、並び
に、発光層及びブラックストライプ上に形成されたメタ
ルバック膜(本発明の表示用パネルにおける電極に相当
する)から構成されている。また、冷陰極電界電子放出
表示装置のフロントパネル(アノードパネル)は、支持
体、発光性結晶粒子から成り、ストライプ状あるいはド
ット状に形成された発光層(カラー表示用の場合、スト
ライプ状又はドット状にパターニングされた赤(R)、
緑(G)、青(B)の三原色に対応する発光層が交互に
配置されている)、並びに、アノード電極(本発明の表
示用パネルにおける電極に相当する)から構成されてい
る。尚、発光層と発光層との間にブラックマトリクスが
形成されていてもよい。
【0022】更には、上記の目的は、表示用パネルと、
複数の電子放出領域を有する背面パネルとが真空空間を
挟んで対向配置されて成る平面型表示装置であって、表
示用パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電子
の照射によって発光する発光性結晶粒子から成る発光
層、及び、電極から成り、発光性結晶粒子の表面から電
子が侵入する深さまでの領域における結晶欠陥密度が5
×107ケ/cm2以下であることを特徴とする本発明の
平面型表示装置によって達成することができる。
【0023】本発明の平面型表示装置における表示用パ
ネルとして、上述の冷陰極電界電子放出表示装置を構成
するフロントパネル(アノードパネル)を例示すること
ができる。
【0024】本発明の表示用パネルあるいは平面型表示
装置における表示用パネルにおいては、発光層をスクリ
ーン印刷法あるいはスラリー法に基づき形成することが
できる。スクリーン印刷法による場合には、後述する本
発明の発光性結晶粒子組成物を支持体(場合によっては
電極及び支持体)上に印刷し、乾燥、焼成を経て発光層
を形成することができる。また、スラリー法による場合
には、感光性ポリマーを含むスラリー状の本発明の発光
性結晶粒子組成物を支持体(場合によっては電極及び支
持体)上に塗布して塗膜を形成し、露光により感光性ポ
リマーを現像液に対して不溶化することで発光層を形成
することができる。(R,G,B)の三原色を表示する
場合には、3種類の発光性結晶粒子組成物あるいは3種
類のスラリーを順次用い、スクリーン印刷法又はスラリ
ー法に基づき各色を発光する発光層を形成すればよい。
【0025】上記の目的は、エネルギー線の照射によっ
て発光する発光性結晶粒子であって、発光性結晶粒子の
表面からエネルギー線が侵入する深さまでの領域におけ
る結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2以下である発光性
結晶粒子を分散媒中に分散させて成ることを特徴とする
本発明の発光性結晶粒子組成物によって達成することが
できる。
【0026】本発明の発光性結晶粒子組成物における分
散媒として純水を挙げることができる。本発明の発光性
結晶粒子組成物のその他の組成として、例えば、分散
剤、保持剤としてのポリビニルアルコールを挙げること
ができ、更には、感光性ポリマーとして重クロム酸アン
モニウムを挙げることができる。尚、本発明における発
光性結晶粒子の表面には、分散性向上、接着性の向上を
目的として表面処理を施してもよい。
【0027】本発明の発光性結晶粒子、表示用パネル、
平面型表示装置あるいは発光性結晶粒子組成物(以下、
これらを総称して、単に、本発明と呼ぶ場合がある)に
おいては、発光性結晶粒子の表面からエネルギー線ある
いは電子が侵入する深さまでの領域における結晶欠陥密
度が1×107ケ/cm2以下であることが一層好まし
い。ここで、結晶欠陥として転位、積層欠陥あるいは双
晶境界を挙げることができる。
【0028】発光性結晶粒子の表面からエネルギー線あ
るいは電子が侵入する深さは、エネルギー線あるいは電
子の有するエネルギー、並びに、発光性結晶粒子を構成
する物質を想定し、発光性結晶粒子に侵入したエネルギ
ー線あるいは電子のエネルギー損失と、発光性結晶粒子
へのエネルギー線あるいは電子の侵入深さを上記のベー
テの式に基づきモンテカルロシミュレーションを行うこ
とによって、得ることができる。尚、シミュレーション
において、電子は1回の散乱で平均約43eV(平均自
由行程約4.8nm)のエネルギーを失い、平均150
回の弾性散乱を受けて停止するとする。
【0029】また、転位、積層欠陥あるいは双晶境界と
いった結晶欠陥の結晶欠陥密度は、発光性結晶粒子を透
過型電子顕微鏡で観察し、例えば、5μm×5μm四方
の発光性結晶粒子内における結晶欠陥の数を計り、1c
2当たりの結晶欠陥密度に換算することで、得ること
ができる。
【0030】本発明において、発光性結晶粒子として蛍
光体粒子を挙げることができる。具体的には、青色を発
光する蛍光体粒子としてZnS:Ag、ZnS:Ag,
Al、ZnS:Ag,Clを挙げることができる。ま
た、緑色を発光する蛍光体粒子として、Zn2SiO4
Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,Cd)S:
Cu、ZnS:Cu,Alを挙げることができる。更に
は、赤色を発光する蛍光体粒子として、Zn3(PO4
2:Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、YVO4:E
3+、Y22S:Eu3+、Y23:Eu3+を挙げること
ができる。また、赤橙色を発光する蛍光体粒子としてY
22S:Eu3+を、紫青色を発光する蛍光体粒子として
ZnS:Agを挙げることができる。
【0031】本発明の発光性結晶粒子あるいは発光性結
晶粒子組成物において、エネルギー線として電子線ビー
ムを挙げることができる。この場合、発光性結晶粒子を
照射する電子線ビームのエネルギーを0.5keV乃至
35keVとすることが好ましい。尚、このような構成
においては、具体的には、発光性結晶粒子によって、冷
陰極電界電子放出表示装置あるいはそのフロントパネル
(アノードパネル)、民生用(家庭用)、産業用(例え
ば、コンピュータディスプレイ用)、デジタル放送用あ
るいはプロジェクション型の陰極線管あるいはそのフェ
ースプレートを構成することができる。あるいは又、発
光性結晶粒子を照射する電子線ビームのエネルギーは
0.5keV乃至10keVであり、発光性結晶粒子の
表面から電子線ビームが侵入する深さは0.5μm以下
である構成とすることができる。尚、このような構成に
おいては、具体的には、発光性結晶粒子によって、冷陰
極電界電子放出表示装置あるいはそのフロントパネル
(アノードパネル)を構成することができる。あるいは
又、本発明の発光性結晶粒子において、エネルギー線と
して紫外線を挙げることができ、この場合、発光性結晶
粒子を照射する紫外線の波長を100nm乃至400n
mとすることが好ましい。尚、このような構成において
は、具体的には、発光性結晶粒子によって、プラズマ表
示装置あるいはそのリアパネルを構成することができ
る。
【0032】本発明においては、発光性結晶粒子の平均
粒径が1×10-8m乃至1×10-5m、好ましくは1×
10-6m乃至1×10-5mm、一層好ましくは4×10
-6m乃至8×10-6mであることが望ましい。尚、発光
性結晶粒子の平均粒径は、光散乱法やコルターカウンタ
ー法に基づきD50を求めることで得ることができる。ま
た、発光性結晶粒子の表面の平均粗度を5nm以下とす
ることが好ましい。発光性結晶粒子を透過型電子顕微鏡
で観察し、発光性結晶粒子の表面の凹凸を計測し、表面
が凹部から凸部そして凹部へと変化する部分の凹部の最
低位置と凸部の最高位置との間の水準差を求め、更に、
水準差の平均値を求め、かかる平均値を発光性結晶粒子
の表面の平均粗度とする。
【0033】本発明の平面型表示装置においては、各電
子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電子放出素子か
ら成り、各冷陰極電界電子放出素子は、(イ)基板と、
(ロ)基板上に設けられたストライプ状のカソード電極
と、(ハ)基板及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート
電極と、(ホ)ゲート電極及び絶縁層を貫通する開口部
と、(ヘ)開口部の底部に位置するカソード電極の部分
の上に設けられた電子放出電極、から成り、開口部の底
部に露出した電子放出電極から電子が放出される構造と
することができる。尚、このような構造を、便宜上、第
1の構造を有する冷陰極電界電子放出素子と呼ぶ。かか
る冷陰極電界電子放出素子の形式として、スピント型
(円錐形の電子放出電極が、開口部の底部に位置するカ
ソード電極の部分の上に設けられた冷陰極電界電子放出
素子)、クラウン型(王冠状の電子放出電極が、開口部
の底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられた
冷陰極電界電子放出素子)、扁平型(略平面の電子放出
電極が、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
上に設けられた冷陰極電界電子放出素子)を挙げること
ができる。
【0034】あるいは又、本発明の平面型表示装置にお
いては、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電
子放出素子から成り、各冷陰極電界電子放出素子は、
(イ)基板と、(ロ)基板上に設けられたストライプ状
のカソード電極と、(ハ)基板及びカソード電極上に形
成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられたストラ
イプ状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極及び絶縁層を
貫通し、底部にカソード電極が露出した開口部、から成
り、開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電
子を放出する構造とすることができる。尚、このような
構造を、便宜上、第2の構造を有する冷陰極電界電子放
出素子と呼ぶ。かかる冷陰極電界電子放出素子の形式と
して、平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平
面型冷陰極電界電子放出素子、凹凸が形成されたカソー
ド電極の表面の凸部から電子を放出するクレータ型冷陰
極電界電子放出素子を挙げることができる。
【0035】更には、本発明の平面型表示装置において
は、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電子放
出素子から成り、各冷陰極電界電子放出素子は、(イ)
基板と、(ロ)基板の上方に設けられ、エッジ部を有す
るストライプ状のカソード電極と、(ハ)少なくともカ
ソード電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に
設けられたストライプ状のゲート電極と、(ホ)少なく
ともゲート電極及び絶縁層を貫通する開口部、から成
り、開口部の底部若しくは側壁に露出したカソード電極
のエッジ部から電子を放出する構造とすることができ
る。尚、このような構造を、便宜上、第3の構造を有す
る冷陰極電界電子放出素子、あるいはエッジ型冷陰極電
界電子放出素子と呼ぶ。
【0036】第1の構造、第2の構造若しくは第3の構
造を有する冷陰極電界電子放出素子にあっては、ゲート
電極を構成する材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル
(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
鉄(Fe)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群
から選択された少なくとも1種類の金属、これらの金属
元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド)、あるいはシリコン(Si)等の半導体、
ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム、酸化
亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。ゲ
ート電極を作製するには、CVD法、スパッタリング
法、蒸着法、イオンプレーティング法、電解メッキ法、
無電解メッキ法、スクリーン印刷法、レーザーアブレー
ション法、ゾル−ゲル法等の公知の薄膜形成技術によ
り、上述の構成材料から成る薄膜を絶縁層上に形成す
る。尚、薄膜を絶縁層の全面に形成した場合には、公知
のパターニング技術を用いて薄膜をパターニングし、ス
トライプ状のゲート電極を形成する。ストライプ状のゲ
ート電極の形成後、ゲート電極に開口部を形成してもよ
いし、ストライプ状のゲート電極の形成と同時に、ゲー
ト電極に開口部を形成してもよい。また、薄膜を形成す
る前の絶縁層上に予めレジストパターンを形成しておけ
ば、リフトオフ法によるストライプ状のゲート電極の形
成が可能である。更には、ゲート電極の形状に応じた開
口部を有するマスクを用いて蒸着を行ったり、かかる開
口部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行え
ば、成膜後のパターニングは不要となる。また、ゲート
電極を、開口部を有し、導電性材料から成るストライプ
状の薄層を予め作製しておき、かかる薄層を絶縁層上に
固定することによって、絶縁層上にゲート電極を設ける
こともできる。
【0037】スピント型冷陰極電界電子放出素子から成
る第1の構造を有する冷陰極電界電子放出素子にあって
は、電子放出電極を構成する材料として、タングステ
ン、タングステン合金、モリブデン、モリブデン合金、
チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、
タンタル合金、クロム及びクロム合金、不純物を含有す
るシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)か
ら成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げ
ることができる。
【0038】クラウン型冷陰極電界電子放出素子から成
る第1の構造を有する冷陰極電界電子放出素子にあって
は、電子放出電極を構成する材料として、導電性粒子、
あるいは、導電性粒子とバインダの組合せを挙げること
ができる。導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材
料;タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル
(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロ
ム(Cr)等の高融点金属;あるいはITO(インジウ
ム錫酸化物)等の透明導電材料を挙げることができる。
バインダとして、例えば水ガラスといったガラスや汎用
樹脂を使用することができる。汎用樹脂として、塩化ビ
ニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、セル
ロースエステル樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂や、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱
硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率の向
上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出電極の寸法
に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の形
状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、特
に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起とな
り得るような形状であることが好ましい。寸法や形状の
異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。
【0039】扁平型冷陰極電界電子放出素子から成る第
1の構造を有する冷陰極電界電子放出素子にあっては、
電子放出電極を構成する材料として、カソード電極を構
成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成する
ことが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソ
ード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソ
ード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度
の大きさ等に基づいて決定すればよい。冷陰極電界電子
放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料
として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ
(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=
4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.2
8eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.
3eV)、クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=
4.9eV)を例示することができる。電子放出電極
は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有している
ことが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが
好ましい。かかる材料として、炭素(Φ<1eV)、セ
シウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66
〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7e
V)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y2
3(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86
eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=
2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示す
ることができる。仕事関数Φが2eV以下である材料か
ら電子放出電極を構成することが、一層好ましい。尚、
電子放出電極を構成する材料は、必ずしも導電性を備え
ている必要はない。
【0040】特に好ましい電子放出電極の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出電
極をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×
107V/m以下の電界強度にて、平面型表示装置に必
要な放出電子電流密度を得ることができる。また、アモ
ルファスダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子
放出電極から得られる放出電子電流を均一化することが
でき、よって、平面型表示装置に組み込まれた場合の輝
度ばらつきの抑制が可能となる。更に、アモルファスダ
イヤモンドは、平面型表示装置内の残留ガスのイオンに
よるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するの
で、冷陰極電界電子放出素子の長寿命化を図ることがで
きる。
【0041】あるいは又、電子放出電極を構成する材料
として、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を
構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなる
ような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(A
g)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト
(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ
(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル
(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)
等の金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等
の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化
アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、
酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(Ca
O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(Sn
2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム
(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することが
できる。尚、電子放出電極を構成する材料は、必ずしも
導電性を備えている必要はない。
【0042】第2の構造を有する冷陰極電界電子放出素
子(平面型冷陰極電界電子放出素子あるいはクレータ型
冷陰極電界電子放出素子)、若しくは第3の構造を有す
る冷陰極電界電子放出素子(エッジ型冷陰極電界電子放
出素子)にあっては、電子放出領域に相当するカソード
電極を構成する材料として、タングステン(W)やタン
タル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリ
ブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属、
あるいはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体、炭素
薄膜を例示することができる。かかるカソード電極の厚
さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。カソード電極の形成方法
として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着
法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイオンプレ
ーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印
刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリーン印
刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカソー
ド電極を形成することが可能である。
【0043】あるいは又、第2の構造(平面型冷陰極電
界電子放出素子あるいはクレータ型冷陰極電界電子放出
素子)、第3の構造を有する冷陰極電界電子放出素子
(エッジ型冷陰極電界電子放出素子)、あるいは、扁平
型冷陰極電界電子放出素子から成る第1の構造を有する
冷陰極電界電子放出素子にあっては、カソード電極や電
子放出電極を、導電性微粒子を分散させた導電性ペース
トを用いて形成することもできる。導電性微粒子として
は、グラファイト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロ
ンチウム粉末、金属粉末の少なくとも一種を混合したグ
ラファイト粉末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等
の不純物を含むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライ
ク・カーボン粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;
(Sr,Ba,Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイ
ド粉末を例示することができる。特に、導電性微粒子と
してグラファイト粉末を選択することが、閾値電界の低
減や電子放出領域の耐久性の観点から好ましい。導電性
微粒子の形状を、球状、鱗片状の他、任意の定形形状や
不定形形状とすることができる。また、導電性微粒子の
粒径は、カソード電極や電子放出電極の厚さやパターン
幅以下であればよい。粒径が小さい方が、単位面積当た
りの放出電子数を増大させることができるが、あまり小
さ過ぎるとカソード電極や電子放出電極の導電性が劣化
する虞がある。よって、好ましい粒径の範囲はおおよそ
0.01〜4.0μmである。かかる導電性微粒子をガ
ラス成分その他の適当なバインダと混合して導電性ペー
ストを調製し、この導電性ペースを用いてスクリーン印
刷法により所望のパターンを形成した後、パターンを焼
成することによって電子放出領域として機能するカソー
ド電極や電子放出電極を形成することができる。あるい
は、スピンコーティング法とエッチング技術の組み合わ
せにより、電子放出領域として機能するカソード電極や
電子放出電極を形成することもできる。
【0044】また、スピント型冷陰極電界電子放出素子
やクラウン型冷陰極電界電子放出素子から成る第1の構
造を有する冷陰極電界電子放出素子にあっては、カソー
ド電極を構成する材料として、タングステン(W)、ニ
オブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(M
o)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(C
u)等の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化
合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoS
2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド)、あるい
はシリコン(Si)等の半導体、ITO(インジウム錫
酸化物)を例示することができる。カソード電極の形成
方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント
蒸着法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイオン
プレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリー
ン印刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリー
ン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカ
ソード電極を形成することが可能である。
【0045】本発明の平面型表示装置における電極に相
当するアノード電極の構成材料は、平面型表示装置の構
成によって適宜選択すればよい。即ち、平面型表示装置
が透過型(表示用パネルが表示面に相当する)であっ
て、且つ、支持体上にアノード電極と発光層がこの順に
積層されている場合には、支持体は元より、アノード電
極自身も透明である必要があり、ITO(インジウム錫
酸化物)等の透明導電材料を用いる。一方、平面型表示
装置が反射型(背面パネルが表示面に相当する)である
場合、及び、透過型であっても支持体上に発光層とアノ
ード電極とがこの順に積層されている場合には、ITO
の他、カソード電極やゲート電極に関連して上述した材
料を適宜選択して用いることができる。アノード電極と
発光層の構成例として、(1)支持体上に、アノード電
極を形成し、アノード電極の上に発光層を形成する構
成、(2)支持体上に、発光層を形成し、発光層上にア
ノード電極を形成する構成、を挙げることができる。
尚、(1)の構成において、発光層の上に、アノード電
極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。ま
た、(2)の構成において、アノード電極の上にメタル
バック膜を形成してもよい。
【0046】第1の構造〜第3の構造を有する冷陰極電
界電子放出素子において、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが直交
する方向に延びていることが、平面型表示装置の構造の
簡素化の観点から好ましい。尚、ストライプ状のカソー
ド電極とストライプ状のゲート電極の射影像が重複する
重複領域(単色表示装置の1画素分の領域、あるいは
又、カラー表示装置の1画素を構成する3つのサブピク
セルの内の1つのサブピクセル分の領域に相当する)に
電子放出領域(1又は複数の冷陰極電界電子放出素子か
ら構成されている)が設けられており、かかる重複領域
が、背面パネルの有効領域(実際の表示画面として機能
する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列され
ている。
【0047】第1の構造〜第3の構造を有する冷陰極電
界電子放出素子において、開口部の平面形状(基板表面
と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、
円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸み
を帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。開
口部の形成は、例えば、等方性エッチング、異方性エッ
チングと等方性エッチングの組合せによって行うことが
できる。また、絶縁層の構成材料として、SiO2、S
iN、SiON、SOG(スピンオングラス)を、単独
あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁
層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、
スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
尚、絶縁層を隔壁状に形成してもよい。この場合、隔壁
状の絶縁層を、隣り合うストライプ状のカソード電極の
間の領域、あるいは、複数のカソード電極を一群のカソ
ード電極群としたとき、隣り合うカソード電極群の間の
領域に形成すればよい。隔壁状の絶縁層を構成する材料
として、従来公知の絶縁材料を使用することができ、例
えば、広く用いられている低融点ガラスにアルミナ等の
金属酸化物を混合した材料を用いることができる。隔壁
状の絶縁層の形成方法として、スクリーン印刷法、サン
ドブラスト法、ドライフィルム法、感光法を例示するこ
とができる。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フ
ィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁状の
絶縁層を形成すべき部位の感光性フィルムを除去し、除
去によって生じた開口部に絶縁層材料を埋め込み、焼成
する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、
除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成用の絶縁層材
料が残り、隔壁状の絶縁層となる。感光法とは、基板上
に感光性を有する隔壁形成用の絶縁層材料を形成し、露
光及び現像によってこの絶縁層材料をパターニングした
後、焼成を行う方法である。
【0048】第1の構造〜第3の構造を有する冷陰極電
界電子放出素子において、カソード電極と電子放出電極
との間に抵抗体層を設けてもよい。あるいは又、カソー
ド電極の表面あるいはそのエッジ部が電子放出領域に相
当している場合、カソード電極を導電材料層、抵抗体
層、電子放出領域に相当する電子放出層の3層構成とし
てもよい。抵抗体層を設けることによって、冷陰極電界
電子放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図
ることができる。抵抗体層を構成する材料として、シリ
コンカーバイド(SiC)といったカーボン系材料、S
iN、アモルファスシリコン等の半導体材料、酸化ルテ
ニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の
高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体層の
形成方法として、スパッタ法や、CVD法やスクリーン
印刷法を例示することができる。抵抗値は、概ね1×1
5〜1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
【0049】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルを構成する基板あるいは表示用パネルを構成する支
持体は、少なくとも表面が絶縁性部材より構成されてい
ればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラ
ス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基
板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げること
ができる。
【0050】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルと表示用パネルとを周縁部において接合する場合、
接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラス
やセラミック等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層と
を併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場
合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層
のみを使用する場合に比べ、背面パネルと表示用パネル
との間の対向距離をより長く設定することが可能であ
る。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが
一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂
低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点金属材料
としては、In(インジウム:融点157゜C);イン
ジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220
〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜
C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag
2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304
〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309
゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融
点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5
Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融
点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au
88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は
全て原子%を表す)を例示することができる。
【0051】本発明の平面型表示装置において、背面パ
ネルと表示用パネルと枠体の三者を接合する場合、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階で背面
パネル又は表示用パネルのいずれか一方と枠体とを接合
し、第2段階で背面パネル又は表示用パネルの他方と枠
体とを接合してもよい。三者同時接合や第2段階におけ
る接合を高真空雰囲気中で行えば、背面パネルと表示用
パネルと枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と
同時に真空となる。あるいは、三者の接合終了後、背面
パネルと表示用パネルと枠体と接着層とによって囲まれ
た空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排
気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のい
ずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、
大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属
するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであって
もよい。
【0052】接合後に排気を行う場合、排気は、背面パ
ネル及び/又は表示用パネルに予め接続されたチップ管
を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガ
ラス管を用いて構成され、背面パネル及び/又は表示用
パネルの無効領域に設けられた貫通部の周囲に、フリッ
トガラス又は上述の低融点金属材料を用いて接合され、
空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切
られる。尚、封じ切りを行う前に、平面型表示装置全体
を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放
出させることができ、この残留ガスを排気により空間外
へ除去することができるので好適である。
【0053】先に説明したように、冷陰極電界電子放出
表示装置においては、加速電圧を10キロボルト程度以
下、例えば6キロボルト程度とする必要がある。このよ
うな加速電圧においては、電子のエネルギー損失のピー
クは、発光層の最表面近傍に位置する。また、電子は、
発光層の表面から約0.2〜0.3μmの深さ程度まで
しか達していない。従来の蛍光体粒子を透過型電子顕微
鏡で観察したところ、蛍光体粒子の表面近傍には、転
位、積層欠陥あるいは双晶境界といった結晶欠陥密度が
1×108ケ/cm2以上存在していることが、本発明者
の分析の結果、判明した。
【0054】また、先に説明したように、発光層におい
ては、エネルギー線(例えば電子)の有するエネルギー
の約10%が発光に寄与し、残りの約90%のエネルギ
ーは熱に変換される。即ち、発光層の表面近傍での発熱
が大きい。その結果、発光層が例えば硫化物系蛍光体粒
子から構成されている場合、その構成元素であるイオウ
が、単体、又は一酸化イオウ(SO)や二酸化イオウ
(SO2)の形で脱離し、硫化物系蛍光体粒子の組成変
化や発光中心の消失が生じる。このような現象は、発光
に寄与する発光性結晶粒子の部分に結晶欠陥が多いほど
顕著になる。更には、発光層の発熱により、転位の数が
増加するといった現象も認められる。また、結晶欠陥の
数が多いほど、発光性結晶粒子の発光効率が低下する。
【0055】本発明においては、発光性結晶粒子の表面
からエネルギー線あるいは電子が侵入する深さまでの領
域(実質的に発光に寄与する発光性結晶粒子の領域)に
おける転位、積層欠陥あるいは双晶境界といった結晶欠
陥密度(以下、単に、結晶欠陥密度と呼ぶ)を5×10
7ケ/cm2以下、好ましくは1×107ケ/cm2以下と
することによって、発光性結晶粒子の発光効率の向上を
図ることが可能となるだけでなく、発光性結晶粒子の劣
化を防ぐことが可能となる。発光性結晶粒子の発光によ
る輝度の初期値を100としたとき、輝度が50となる
までの時間は、例えば、陰極線管における電流密度を
0.2μA/cm2としたとき、結晶欠陥密度が1×1
8ケ/cm2では1×104時間であったものが、結晶
欠陥密度が1×107ケ/cm2では1×106時間とな
る。また、冷陰極電界電子放出表示装置における電流密
度を5μA/cm2としたとき、結晶欠陥密度が1×1
8ケ/cm2では1×103時間であったものが、結晶
欠陥密度が4×107ケ/cm2では1×104時間、結
晶欠陥密度が1×107ケ/cm2では1×105時間と
なる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態に基づき本発明を説明する。
【0057】(実施の形態1)赤色を発光する発光性結
晶粒子としてY22S:Eu、緑色を発光する発光性結
晶粒子としてZnS:Cu,Al、青色を発光する蛍光
体粒子としてZnS:Ag,Alを試作した。これらの
3種類の発光性結晶粒子において、発光性結晶粒子の表
面からエネルギー線が侵入する深さ(約0.3μm)ま
での領域における結晶欠陥密度は5×107ケ/cm2
あり、平均粒径は7.6μmであり、表面の平均粗度は
5nm以下であった。
【0058】実施の形態1においては、第1の構造を有
する冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼
ぶ)を備えた平面型表示装置を試作した。実施の形態1
の平面型表示装置の模式的な一部断面図は図1に示した
と同様である。この平面型表示装置は、表示用パネル2
0と、複数の電子放出領域を有する背面パネル10とが
真空空間を挟んで対向配置されて成る。各電子放出領域
は、複数のスピント型電界放出素子から構成されてい
る。スピント型電界放出素子は、図6の(B)に模式的
な一部端面図を示すように、基板11と、基板11上に
設けられたストライプ状のカソード電極12と、基板1
1及びカソード電極12上に形成された絶縁層13と、
絶縁層13上に設けられたストライプ状のゲート電極1
4と、ゲート電極14及び絶縁層13を貫通する開口部
15と、開口部15の底部に位置するカソード電極12
の部分の上に設けられた円錐形の電子放出電極16から
成る。ストライプ状のカソード電極12の射影像とスト
ライプ状のゲート電極14の射影像とは、異なる方向
(例えば直交する方向)に延びている。また、電子放出
領域は、ストライプ状のゲート電極14の射影像と、ス
トライプ状のカソード電極12の射影像の重複する重複
領域に位置している。尚、電子放出電極16は、開口部
15の底部に位置するカソード電極12の部分の上に設
けられている。多数の電子放出電極16が、後述する蛍
光体層22の1つに対応付けられている。電子放出電極
16には、カソード電極駆動回路31からカソード電極
12を通じて相対的に負電圧(ビデオ信号)が印加さ
れ、ゲート電極14にはゲート電極駆動回路32から相
対的に正電圧(走査信号)が印加される。これらの電圧
印加によって生じた電界に応じ、開口部15の底部に露
出した電子放出電極16の先端から電子が量子トンネル
効果に基づき放出される。上述とは逆に、走査信号がカ
ソード電極12に入力され、ビデオ信号がゲート電極1
4に入力される場合もある。
【0059】表示用パネル20は、ガラス等から成る支
持体21と、支持体21上にマトリクス状あるいはドッ
ト状に形成された複数の発光層(蛍光体層22)と、蛍
光体層22の間を埋めるブラックマトリクス23と、蛍
光体層22及びブラックマトリクス23上の全面に形成
された電極(アノード電極24)とから構成されてい
る。発光層(蛍光体層22)は、電子放出領域から飛来
した電子の照射によって発光する上述の各種の発光性結
晶粒子から成る。アノード電極24には、ゲート電極1
4に印加される正電圧よりも高い正電圧がアノード電極
駆動回路33から印加され、アノード電極24は、電子
放出電極16から真空空間中へ放出された電子を、蛍光
体層22に向かって誘導する役割を果たす。また、アノ
ード電極24は、蛍光体層22を構成する蛍光体粒子を
イオン等の粒子によるスパッタから保護すると共に、電
子励起によって生じた蛍光体層22の発光を支持体21
側へ反射させ、支持体21の外側から観察される表示画
面の輝度を向上させる機能も有する。アノード電極24
は、例えば、アルミニウム薄膜から構成されている。
尚、蛍光体層22及びアノード電極24の配置は、図2
あるいは図3に示したと同様とすることができる。
【0060】図2に示した表示用パネルの製造方法の一
例を、以下、図4を参照して説明する。先ず、発光性結
晶粒子組成物を調製する。そのために、例えば、純水に
分散剤を分散させ、ホモミキサーを用いて3000rp
mにて1分間、撹拌を行う。次に、先に説明した発光性
結晶粒子を分散剤が分散した純水中に投入し、ホモミキ
サーを用いて5000rpmにて5分間、撹拌を行う。
その後、例えば、ポリビニルアルコール及び重クロム酸
アンモニウムを添加して、十分に撹拌し、濾過する。
【0061】表示用パネルの製造においては、例えばガ
ラスから成る支持体21上の全面に感光性被膜40を形
成(塗布)する。そして、露光光源(図示せず)から射
出され、マスク43に設けられた孔部44を通過した露
光光によって、支持体21上に形成された感光性被膜4
0を露光して感光領域41を形成する(図4の(A)参
照)。その後、感光性被膜40を現像して選択的に除去
し、感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性被膜)4
2を支持体21上に残す(図4の(B)参照)。次に、
全面にカーボン剤(カーボンスラリー)を塗布し、乾
燥、焼成した後、リフトオフ法にて感光性被膜の残部4
2及びその上のカーボン剤を除去することによって、露
出した支持体21上にカーボン剤から成るブラックマト
リクス23とを形成し、併せて、感光性被膜の残部42
を除去する(図4の(C)参照)。その後、露出した支
持体21上に、赤、緑、青の各蛍光体層22を形成する
(図4の(D)参照)。具体的には、上述した各発光性
結晶粒子(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子
組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、更
に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラ
リー)を全面に塗布し、露光、現像すればよい。その
後、蛍光体層22及びブラックマトリクス23上にスパ
ッタリング法にて厚さ約0.07μmのアルミニウム薄
膜から成るアノード電極24を形成する。尚、スクリー
ン印刷法等により各蛍光体層22を形成することもでき
る。
【0062】次に、スピント型電界放出素子の製造方法
を説明する。スピント型電界放出素子の製造方法は、基
本的には、円錐形の電子放出電極16を金属材料の垂直
蒸着により形成する方法である。即ち、開口部15に対
して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部15の付近に
形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を
利用して、開口部15の底部に到達する蒸着粒子の量を
漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出電極16を自
己整合的に形成する。以下、不要なオーバーハング状の
堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極14上に
剥離層17を予め形成しておく方法に基づくスピント型
電界放出素子から成る第1の構造を有する電界放出素子
を備えた平面型表示装置の製造方法の概要を、基板等の
模式的な一部端面図である図5及び図6を参照して説明
する。
【0063】[工程−100]先ず、例えばガラスから
成る基板11上にニオブ(Nb)から成るストライプ状
のカソード電極12を形成した後、全面にSiO2から
成る絶縁層13を形成し、更に、ゲート電極14を絶縁
層13上に形成する。ゲート電極14の形成は、例え
ば、スパッタ法、リソグラフィ技術及びドライエッチン
グ技術に基づき行うことができる。次に、ゲート電極1
4及び絶縁層13に開口部15をRIE(反応性イオン
・エッチング)法にて形成し、開口部15の底部にカソ
ード電極12を露出させる(図5の(A)参照)。尚、
カソード電極12は、単一の材料層であってもよく、複
数の材料層を積層することによって構成することもでき
る。例えば、後の工程で形成される各電子放出電極の電
子放出特性のばらつきをカバーするために、カソード電
極12の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い材料で構
成することができる。
【0064】[工程−110]次に、開口部15の底部
に露出したカソード電極12上に、電子放出電極16を
形成する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着するこ
とにより、剥離層17を形成する。このとき、基板11
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより、開口部15の底部にアルミニウムを殆ど
堆積させることなく、ゲート電極14及び絶縁層13上
に剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部15の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部15が実質的に縮径される(図5の
(B)参照)。
【0065】[工程−120]次に、全面に例えばモリ
ブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図6の
(A)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層18が成長する
に伴い、開口部15の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部15の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部15の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部15の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出電極16となる。
【0066】その後、電気化学的プロセス及び湿式プロ
セスによって剥離層17を絶縁層13及びゲート電極1
4の表面から剥離し、絶縁層13及びゲート電極14の
上方の導電体層18を選択的に除去する。その結果、図
6の(B)に示すように、開口部15の底部に位置する
カソード電極12上に円錐形の電子放出電極16を残す
ことができる。
【0067】[工程−130]かかる電界放出素子が多
数形成された背面パネル(カソードパネル)10と表示
用パネル(アノードパネル)20とを組み合わせると、
図1に示した平面型表示装置を得ることができる。具体
的には、例えば、セラミックスやガラスから作製された
高さ約1mmの枠体(図示せず)を用意し、枠体と背面
パネル10と表示用パネル20とを例えばフリットガラ
スを用いて貼り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、
約450゜Cで10〜30分焼成すればよい。その後、
平面型表示装置の内部を10-4Pa程度の真空度となる
まで排気し、適当な方法で封止する。あるいは又、例え
ば、枠体と背面パネル10と表示用パネル20との貼り
合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、
平面型表示装置の構造に依っては、枠体無しで、背面パ
ネル10と表示用パネル20とを貼り合わせてもよい。
【0068】以上のようにして作製した平面型表示装置
である冷陰極電界電子放出表示装置と、従来の蛍光体粒
子に基づき作製した平面型表示装置である冷陰極電界電
子放出表示装置の輝度の経時変化を調べた。尚、従来の
蛍光体粒子として、赤色を発光する発光性結晶粒子とし
てY22S:Eu、緑色を発光する発光性結晶粒子とし
てZnS:Cu,Al、青色を発光する蛍光体粒子とし
て例えばZnS:Ag,Alを使用した。これらの3種
類の発光性結晶粒子において、発光性結晶粒子の表面か
らエネルギー線が侵入する深さ(約0.3μm)までの
領域における結晶欠陥密度は1×108ケ/cm2であ
り、平均粒径は4〜5μmであり、表面の平均粗度は約
10nmであった。輝度の初期値を100としたとき、
輝度が50となるまでの時間を測定したところ、従来の
蛍光体粒子を用いた平面型表示装置に対して、実施の形
態1における平面型表示装置は、輝度が50となるまで
の時間が約5倍となった。
【0069】(実施の形態2)実施の形態2〜実施の形
態12においては、各種の電界放出素子について説明す
る。実施の形態2においては、各電子放出領域を、複数
のクラウン型電界放出素子から構成した。実施の形態2
及び後述する実施の形態3〜実施の形態12における表
示用パネル20の構造は実施の形態1と同様とすること
ができるので、詳細な説明は省略する。
【0070】クラウン型電界放出素子から成る第1の構
造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図9の
(A)に示し、一部を切り欠いた模式的な斜視図を図9
の(B)に示す。クラウン型電界放出素子は、基板11
上に形成されたカソード電極12と、基板11及びカソ
ード電極12上に形成された絶縁層13と、絶縁層13
上に形成されたゲート電極14と、ゲート電極14及び
絶縁層13を貫通する開口部15と、開口部15の底部
に位置するカソード電極12の部分の上に設けられたク
ラウン(王冠)型の電子放出電極16Aから構成されて
いる。開口部15の底部に露出したクラウン(王冠)型
の電子放出電極16Aが電子放出領域に相当する。
【0071】以下、クラウン型電界放出素子の製造方法
を、基板等の模式的な一部端面図等である図7〜図9を
参照して説明する。
【0072】[工程−200]先ず、例えばガラスから
成る基板11上に、ストライプのカソード電極12を形
成する。尚、カソード電極12は、図面の紙面左右方向
に延びている。ストライプ状のカソード電極12は、例
えば基板11上にITO膜をスパッタリング法により約
0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、ITO膜
をパターニングすることによって形成することができ
る。カソード電極12は、単一の材料層であってもよ
く、複数の材料層を積層することによって構成すること
もできる。例えば、後の工程で形成される各電子放出電
極の電子放出特性のばらつきをカバーするために、カソ
ード電極12の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い材
料で構成することができる。次に、基板11及びカソー
ド電極12上に絶縁層13を形成する。ここでは、一例
としてガラスペーストを全面に約3μmの厚さにスクリ
ーン印刷する。次に、絶縁層13に含まれる水分や溶剤
を除去し、且つ、絶縁層13を平坦化するために、例え
ば100゜C、10分間の仮焼成、及び500゜C、2
0分間の本焼成といった2段階の焼成を行う。尚、上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO 2膜を形成し
てもよい。
【0073】次に、絶縁層13上に、ストライプ状のゲ
ート電極14を形成する(図7の(A)参照)。尚、ゲ
ート電極14は、図面の紙面垂直方向に延びている。ゲ
ート電極14は、例えば、絶縁層13上に厚さ約20n
mのクロム(Cr)膜と厚さ0.2μmの金(Au)膜
を電子ビーム蒸着法によりこの順に全面成膜し、続いて
この積層膜をパターニングすることにより形成すること
ができる。尚、クロム膜は、絶縁層13に対する金膜の
密着性の不足を補うために形成される。ゲート電極14
の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極
12の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0074】[工程−210]次に、例えばフォトレジ
スト材料から成るエッチング用マスクを用いてゲート電
極14及び絶縁層13をRIE法に基づきエッチング
し、ゲート電極14及び絶縁層13に開口部15を形成
し、開口部15の底部にカソード電極12を露出させる
(図7の(B)参照)。開口部15の直径を約2〜50
μmとする。
【0075】[工程−220]次に、エッチング用マス
クを除去し、ゲート電極14上、絶縁層13上、及び開
口部15の側壁面上に剥離層51を形成する(図8の
(A)参照)。かかる剥離層51を形成するには、例え
ば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法により
全面に塗布し、開口部15の底部の一部分のみを除去す
るようなパターニングを行う。この時点で、開口部15
の実質的な直径は、約1〜20μmに縮径される。
【0076】[工程−230]次に、図8の(B)に示
すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層5
2を形成する。ここで使用する組成物原料は、例えば、
導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子を6
0重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重量%
含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、10
秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部15内に
おける導電性組成物層52の表面は、組成物原料の表面
張力に起因して、開口部15の側壁面に沿って迫り上が
り、開口部15の中央部に向かって窪む。その後、導電
性組成物層52に含まれる水分を除去するための仮焼成
を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0077】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層51との親和性、開口部15のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0078】バインダは一般に導電性に劣るので、導電
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出電極16Aの電
気抵抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞
がある。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子として
カーボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例に
とると、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒
子の割合は、電子放出電極16Aの電気抵抗値、組成物
原料の粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮
し、概ね30〜95重量%の範囲に選択することが好ま
しい。カーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択
することにより、形成される電子放出電極16Aの電気
抵抗値を十分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士
の接着性を良好に保つことが可能となる。但し、導電性
粒子としてカーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合し
て用いた場合には、導電性粒子同士の接着性が低下する
傾向があるので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボ
ン系材料粒子の割合を高めることが好ましく、60重量
%以上とすることが特に好ましい。尚、組成物原料に
は、導電性粒子の分散状態を安定化させるための分散剤
や、pH調整剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が
含まれていてもよい。尚、導電性粒子を結合剤(バイン
ダ)の被膜で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させ
て成る組成物原料を用いてもよい。
【0079】一例として、王冠状の電子放出電極16A
の直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカー
ボン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の
粒径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好ま
しい。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択す
ることにより、王冠状の電子放出電極16Aの縁部に十
分に高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極12
に対する電子放出電極16Aの密着性が良好となる。
【0080】[工程−240]次に、図8の(C)に示
すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することに
より行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を行
ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層51
上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部15
の底部に露出したカソード電極12上の導電性組成物層
52の部分のみが残される。この残存した部分が電子放
出電極16Aとなる。電子放出電極16Aの形状は、表
面が開口部15の中央部に向かって窪み、王冠状とな
る。[工程−240]が終了した時点における状態を、
図9に示す。図9の(B)は、電界放出素子の一部を示
す模式的な斜視図であり、図9の(A)は図9の(B)
の線A−Aに沿った模式的な一部端面図である。図9の
(B)では、電子放出電極16Aの全体が見えるよう
に、絶縁層13とゲート電極14との一部を切り欠いて
いる。尚、1つの重複領域には、5〜100個程度の電
子放出電極16Aを設けることで十分である。尚、導電
性粒子の粒径が電子放出電極16Aの表面に確実に露出
するように、電子放出電極16Aの表面に露出したバイ
ンダをエッチングによって除去してもよい。
【0081】[工程−250]次に、電子放出電極16
Aの焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、3
0分間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含
まれるバインダの種類に応じて選択すればよい。例え
ば、バインダが水ガラスのような無機材料である場合に
は、無機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。
バインダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂
を硬化し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性
粒子同士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に
分解したり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが
好適である。いずれのバインダを用いるにしても、熱処
理温度は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や
欠陥が生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気
は、ゲート電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によ
って上昇したり、あるいはゲート電極やカソード電極に
欠陥や損傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲
気とすることが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性
樹脂を使用した場合には、熱処理を必要としない場合が
ある。
【0082】(実施の形態3)実施の形態3において
は、各電子放出領域を、複数の扁平型電界放出素子から
構成した。
【0083】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を
有する電界放出素子の模式的な一部断面図を、図10の
(C)に示す。扁平型電界放出素子は、例えばガラスか
ら成る基板11上に形成されたカソード電極12、基板
11及びカソード電極12上に形成された絶縁層13、
絶縁層13上に形成されたゲート電極14、ゲート電極
14及び絶縁層13を貫通する開口部15、並びに、開
口部15の底部に位置するカソード電極12の部分の上
に設けられた扁平の電子放出電極16Bから成る。ここ
で、電子放出電極16Bは、図10の(C)の紙面垂直
方向に延びたストライプ状のカソード電極12上に形成
されている。また、ゲート電極14は、図10の(C)
の紙面左右方向に延びている。カソード電極12及びゲ
ート電極14はクロム(Cr)から成る。電子放出電極
16Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層
から構成されている。また、電界放出素子の動作安定
化、電子放出特性の均一化のために、カソード電極12
と電子放出電極16Bとの間にSiCから成る抵抗体層
60が設けられている。図10の(C)に示した扁平型
電界放出素子においては、カソード電極12の表面の全
域に亙って、抵抗体層60及び電子放出電極16Bが形
成されているが、このような構造に限定するものではな
く、要は、少なくとも開口部15の底部に電子放出電極
16Bが設けられていればよい。
【0084】以下、基板等の模式的な一部断面図である
図10を参照して、扁平型電界放出素子の製造方法を説
明する。
【0085】[工程−300]先ず、基板11上に、ク
ロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパ
ッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエ
ッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパタ
ーニングする。これによって、ストライプ状のカソード
電極12を基板11上に形成することができる(図10
の(A)参照)。尚、カソード電極12は、図10の紙
面垂直方向に延びている。
【0086】[工程−310]次に、カソード電極12
上に、電子放出電極16Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料から成る電子放出電極16Bをスピンコーティン
グ法にて形成し、電子放出電極16Bを乾燥させる。そ
の後、電子放出電極16B及び抵抗体層60を公知の方
法に基づきパターニングする(図10の(B)参照)。
電子放出領域は電子放出電極16Bから構成される。
【0087】[工程−320]次に、全面に絶縁層13
を形成する。具体的には、電子放出電極16B及び基板
11上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る絶
縁層13を形成する。尚、絶縁層13を、ガラスペース
トをスクリーン印刷する方法や、SiO2層をCVD法
にて形成する方法に基づき形成することもできる。その
後、ストライプ状のゲート電極14を絶縁層13上に形
成する。
【0088】[工程−330]次に、ゲート電極14及
び絶縁層13に開口部15を形成し、開口部15の底部
に電子放出電極16Bを露出させる。その後、エッチン
グ用マスクを除去し、電子放出電極16B中の有機溶剤
を除去するために、400゜C、30分の熱処理を施
す。こうして、図10の(C)に示した電界放出素子を
得ることができる。
【0089】(実施の形態4)扁平型電界放出素子から
成る第1の構造を有する電界放出素子の変形例の模式的
な一部断面図を、図11の(C)に示す。図11の
(C)に示す扁平型電界放出素子においては、電子放出
電極16Bの構造が、図10の(C)に示した扁平型電
界放出素子と若干異なっている。以下、基板等の模式的
な一部断面図である図11を参照して、かかる電界放出
素子の製造方法を説明する。
【0090】[工程−400]先ず、基板11上にカソ
ード電極用導電材料層を形成する。具体的には、基板1
1の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した後、
カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を除去
する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソード
電極用導電材料層をスパッタ法にて形成する。更に、全
面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60を形成
し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉末塗料
層をスピンコーティング法にて形成し、グラファイト粉
末塗料層を乾燥させる。その後、剥離液を用いてレジス
ト材料層を除去すると、レジスト材料層上に形成された
カソード電極用導電材料層、抵抗体層60及びグラファ
イト粉末塗料層も除去される。こうして、所謂リフトオ
フ法に基づき、カソード電極12、抵抗体層60及び電
子放出電極16Bが積層された構造を得ることができる
(図11の(A)参照)。
【0091】[工程−410]次に、全面に絶縁層13
を形成した後、絶縁層13上にストライプ状のゲート電
極14を形成する(図11の(B)参照)。その後、ゲ
ート電極14及び絶縁層13に開口部15を形成するこ
とによって、開口部15の底部に電子放出電極16Bを
露出させる(図11の(C)参照)。開口部15の底部
に露出したカソード電極12の表面に設けられた電子放
出電極16Bから電子放出領域が構成される。
【0092】(実施の形態5)扁平型電界放出素子から
成る第1の構造を有する電界放出素子の別の変形例の模
式的な一部端面図を、図13の(B)に示す。この扁平
型電界放出素子においては、電子放出電極16Cは、C
VD法に基づき形成された炭素薄膜から構成されてい
る。
【0093】電子放出電極を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/cm程度の強度を有する電界)中に
置かれた状態とすればよい。
【0094】ところで、レジスト層をエッチング用マス
クとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜の
ような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、エ
ッチング反応系における反応副生成物として(CH)x
系あるいは(CF)x系等の炭素系ポリマーが堆積性物
質として生成する。一般に、プラズマエッチングにおい
て堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、この
堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト層の側壁
面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して所謂
側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工によ
って得られる形状の達成に寄与する。しかしながら、酸
素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、炭
素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成しても、直ち
に酸素ガスによって除去されてしまう。また、酸素ガス
をエッチング用ガスとして使用した場合には、レジスト
層の消耗も激しい。これらの理由により、従来のダイヤ
モンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、ダイヤモン
ド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が大きく、異
方性加工も困難な場合が多い。
【0095】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出電極を形成する構成とすればよい。即ち、この電界放
出素子の製造においては、基板上にカソード電極を形成
した後、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成し、その後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜
(電子放出電極に相当する)を形成する。尚、カソード
電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成する工程を、
炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
【0096】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の
底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されて
いればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部
分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に
延在するように形成されていてもよい。また、炭素薄膜
選択成長領域は、開口部の底部に位置するカソード電極
の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成
されていてもよい。
【0097】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極の表面と呼ぶ場合がある)
に、金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成す
る工程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若し
くは、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分
から成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。
また、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄
膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜
選択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又は
リン(P)を付着させることが望ましく、これによっ
て、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができ
る。炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又
はリンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成
長領域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合
物層に施すことによって化合物層を構成する化合物を分
解させ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又
はリンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化
合物としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例
示することができる。ホウ素を含む化合物として、トリ
フェニルボランを例示することができる。リンを含む化
合物として、トリフェニルフォスフィンを例示すること
ができる。
【0098】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極の表面に、金属粒子を付着させ、若しく
は、金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金
属薄膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去
することが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜
の表面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気
におけるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズ
マ法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴
プラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0099】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形
成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げる
ことができる。あるいは又、カソード電極の表面に金属
粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適
切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属
粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソー
ド電極の表面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱す
ることによって分解し、以て、表面に金属粒子が付着し
たカソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を
得る方法を挙げることができる。この場合、具体的に
は、溶媒と金属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形成し
た後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を残す方法を例示
することができる。金属化合物粒子は、金属粒子を構成
する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、塩化物、
臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機金属から成る群
から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが
好ましい。尚、これらの方法においては、適切な段階
で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を被覆した材料(例えば、マスク層)を
除去する。
【0100】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属薄膜を形成する方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解
メッキ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD
法(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD
法、Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を
挙げることができる。尚、物理的気相成長法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2
極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパ
ッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種
スパッタ法、(d)DC(direct current)法、RF法、
多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプ
レーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各
種イオンプレーティング法を挙げることができる。
【0101】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0102】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法を例示することができる。炭素薄膜の形態に
は、薄膜状はもとより、炭素のウィスカー、炭素のナノ
チューブ(中空及び中実を含む)が包含される。
【0103】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出電極における電子放出特性の
均一化を図ることができる。
【0104】以下、基板等の模式的な一部端面図である
図12及び図13を参照して、扁平型電界放出素子の製
造方法の一例を説明する。
【0105】[工程−500]先ず、例えばガラスから
成る基板11上にカソード電極用導電材料層を形成し、
次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基づき
カソード電極用導電材料層をパターニングすることによ
って、ストライプ状のカソード電極12を基板11上に
形成する。ストライプ状のカソード電極12は、図面の
紙面左右方向に延びている。カソード電極12は、例え
ばスパッタ法により形成された厚さ約0.2μmのクロ
ム(Cr)層から成る。
【0106】[工程−510]その後、全面に、具体的
には、基板11上及びカソード電極12上に絶縁層13
を形成する。
【0107】[工程−520]次いで、ストライプ状の
ゲート電極14を絶縁層13上に形成した後、ゲート電
極14及び絶縁層13に開口部15を形成し、開口部1
5の底部にカソード電極12を露出させる(図12の
(A)参照)。ストライプ状のゲート電極14は図面の
紙面垂直方向に延びている。開口部15の平面形状は、
例えば直径1μm〜30μmの円形である。開口部15
を、例えば、1画素分の領域(重複領域)に1個〜30
00個程度形成すればよい。
【0108】[工程−530]次に、開口部15の底部
に露出したカソード電極12上に、電子放出電極16C
を形成する。具体的には、先ず、開口部15の底部に位
置するカソード電極12の表面に炭素薄膜選択成長領域
70を形成する。そのために、先ず、開口部15の底部
の中央部にカソード電極12の表面が露出したマスク層
71を形成する(図12の(B)参照)。具体的には、
レジスト材料層をスピンコーティング法にて開口部15
内を含む全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づ
き、開口部15の底部の中央部に位置するレジスト材料
層に孔部を形成することによって、マスク層71を得る
ことができる。マスク層71は、開口部15の底部に位
置するカソード電極12の一部分、開口部15の側壁、
ゲート電極14及び絶縁層13を被覆している。これに
よって、次の工程で、開口部15の底部の中央部に位置
するカソード電極12の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成するが、カソード電極12とゲート電極14とが金
属粒子によって短絡することを確実に防止し得る。
【0109】次に、露出したカソード電極12の表面を
含むマスク層71上に、金属粒子を付着させる。具体的
には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液中
に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコール
を使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭
素薄膜選択成長領域70を形成すべきカソード電極12
の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。
その後、マスク層71を除去し、400゜C程度に加熱
することによって溶媒を除去し、露出したカソード電極
12の表面に金属粒子72を残すことで、炭素薄膜選択
成長領域70を得ることができる(図13の(A)参
照)。尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極1
2の表面に金属粒子72を固定させる機能(所謂、接着
機能)を有する。
【0110】[工程−540]その後、炭素薄膜選択成
長領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形
成し、電子放出電極16Cを得る。この状態を図13の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜73の成膜条件を、以下の表1に例示する。
【0111】[表1] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0112】(実施の形態6)平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する電界放出素子の模式的な一部断
面図を、図14の(C)に示す。この平面型電界放出素
子は、例えばガラスから成る基板11上に形成されたス
トライプ状のカソード電極12、基板11及びカソード
電極12上に形成された絶縁層13、絶縁層13上に形
成されたストライプ状のゲート電極14、並びに、ゲー
ト電極14及び絶縁層13を貫通し、底部にカソード電
極12が露出した開口部15から成る。カソード電極1
2は、図14の(C)の紙面垂直方向に延び、ゲート電
極14は、図14の(C)の紙面左右方向に延びてい
る。カソード電極12及びゲート電極14はクロム(C
r)から成り、絶縁層13はSiO2から成る。ここ
で、開口部15の底部に露出したカソード電極12の部
分が電子放出領域116に相当する。
【0113】以下、基板等の模式的な一部断面図である
図14を参照して、平面型電界放出素子の製造方法を説
明する。
【0114】[工程−600]先ず、基板11上に電子
放出領域116として機能するカソード電極12を形成
する。具体的には、基板11上に、クロム(Cr)から
成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成し
た後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングする。こ
れによって、ストライプ状のカソード電極12を基板1
1上に形成することができる(図14の(A)参照)。
尚、カソード電極12は、図14の紙面垂直方向に延び
ている。
【0115】[工程−610]次に、例えばCVD法に
てSiO2から成る絶縁層13を、基板11及びカソー
ド電極12の上に形成する。尚、絶縁層13を、スクリ
ーン印刷法に基づきガラスペーストから形成することも
できる。
【0116】[工程−620]その後、ストライプ状の
ゲート電極14を絶縁層13上に形成する。具体的に
は、先ず、全面にクロムから成る導電材料層をスパッタ
法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチ
ング技術に基づき導電材料層をパターニングする。これ
によって、ストライプ状のゲート電極14を形成するこ
とができる(図14の(B)参照)。尚、ゲート電極1
4は、図14の紙面左右方向に延びている。例えばスク
リーン印刷法にて、ストライプ状のゲート電極14を絶
縁層13上に、直接形成することもできる。
【0117】[工程−630]次に、ゲート電極14及
び絶縁層13に開口部15を形成し、開口部15の底部
に電子放出領域116として機能するカソード電極12
を露出させる(図14の(C)参照)。
【0118】(実施の形態7)図15の(A)に模式的
な一部断面図を示す平面型電界放出素子が図14の
(C)に示した平面型電界放出素子と相違する点は、開
口部15の底部に露出したカソード電極12の表面(電
子放出領域116に相当する)に、微小凹凸部12Aが
形成されている点にある。このような平面型電界放出素
子は、以下の製造方法にて製造することができる。
【0119】[工程−700]先ず、実施の形態1の
[工程−600]〜[工程−620]と略同様にして、
基板11上にストライプ状のカソード電極12を形成
し、全面に絶縁層13を形成した後、ストライプ状のゲ
ート電極14を絶縁層13上に形成する。即ち、例えば
ガラスから成る基板11の上に、スパッタ法により厚さ
約0.2μmのタングステン層を成膜し、通常の手順に
従ってこのタングステン層をストライプ状にパターニン
グし、カソード電極12を形成する。次に、基板11及
びカソード電極12上に絶縁層13を形成する。絶縁層
13は、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガス
として用いるCVD法により形成することができる。更
に、この絶縁層13の上に、例えば厚さ約0.2μmの
クロムから成る導電材料層を成膜し、ストライプ状にパ
ターニングして、ゲート電極14を形成する。ここまで
のプロセスが終了した状態は、実質的に、図14の
(B)に示したと同様である。
【0120】[工程−710]次に、[工程−630]
と同様にして、ゲート電極14及び絶縁層13に開口部
15を形成し、開口部15の底部にカソード電極12を
露出させる。その後、開口部15の底部に露出したカソ
ード電極12の部分に、微小凹凸部12Aを形成する。
微小凹凸部12Aの形成に際しては、エッチングガスと
してSF6を用い、カソード電極12を構成するタング
ステンの結晶粒と粒界との間でエッチング速度の差が大
きくなるような条件を設定してRIE法に基づくドライ
エッチングを行う。その結果、タングステンの結晶粒径
をほぼ反映した寸法を有する微小凹凸部12Aを形成す
ることができる。
【0121】このような平面型電界放出素子の構成にお
いては、カソード電極12の微小凹凸部12A、より具
体的には微小凹凸部12Aの凸部に、ゲート電極14か
ら大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電界
は、カソード電極12の表面が平滑である場合に比べて
大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電子
が効率良く放出される。従って、開口部15の底部に単
に平滑なカソード電極12が露出している平面型電界放
出素子に比べて、平面型表示装置に組み込まれた場合の
輝度の向上が期待できる。それ故、図15の(A)に示
した平面型電界放出素子によれば、ゲート電極14とカ
ソード電極12との間の電位差が比較的小さくても、十
分な放出電子電流密度を得ることができ、平面型表示装
置の高輝度化が達成される。あるいは、同じ輝度を達成
するために必要なゲート電圧が低くて済み、以て、低消
費電力化を達成することが可能である。
【0122】尚、絶縁層13をエッチングすることによ
って開口部15を形成し、しかる後に異方性エッチング
技術に基づきカソード電極12に微小凹凸部12Aを形
成したが、開口部15を形成するためのエッチングによ
って、微小凹凸部12Aを同時に形成することも可能で
ある。即ち、絶縁層13をエッチングする際に、ある程
度のイオンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチン
グ条件を採用し、垂直壁を有する開口部15が形成され
た後もエッチングを継続することにより、開口部15の
底部に露出したカソード電極12の部分に微小凹凸部1
2Aを形成することができる。その後、絶縁層13の等
方性エッチングを行えばよい。
【0123】また、[工程−600]と同様の工程にお
いて、基板11上に、タングステンから成るカソード電
極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、リソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電
極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソード電
極用導電材料層の表面に微小凹凸部12Aを形成した
後、[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程
を実行することによって、図15の(A)に示したと同
様の電界放出素子を作製することもできる。
【0124】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、基板11上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部12Aを形
成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニング
した後、[工程−610]〜[工程−630]と同様の
工程を実行することによって、図15の(A)に示した
と同様の電界放出素子を作製することもできる。
【0125】図15の(B)には、図15の(A)に示
した電界放出素子の変形例を示す。図15の(B)に示
す電界放出素子においては、微小凹凸部12Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層13の下面位置よりも基板1
1側に存在している(即ち、下がっている)。かかる電
界放出素子を形成するには、[工程−710]における
ドライエッチングの継続時間を延長すればよい。このよ
うな構成によれば、開口部15の中央部近傍の電界強度
を一層高めることができる。
【0126】図16には、電子放出領域116に相当す
るカソード電極12の表面(より具体的には、少なくと
も微小凹凸部12A上)に被覆層12Bが形成されてい
る平面型電界放出素子を示す。
【0127】この被覆層12Bは、カソード電極12を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極12を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
14とカソード電極12との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層12Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層12Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、平面型表示装置に必要な
放出電子電流密度を得ることができる。
【0128】被覆層12Bの厚さは、微小凹凸部12A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層12Bに
よって微小凹凸部12Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
領域の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部12
Aを設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹
凸部12Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部12A
が電子放出領域の結晶粒径を反映して形成されている場
合には、被覆層12Bの厚さを概ね30〜100nm程
度に選択することが好ましい。また、微小凹凸部12A
の先端部の平均高さ位置を絶縁層の下面位置よりも下げ
る場合には、厳密には、被覆層12Bの先端部の平均高
さ位置を絶縁層の下面位置よりも下げることが、一層好
ましい。
【0129】具体的には、[工程−710]の後、全面
に例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから
成る被覆層12Bを形成すればよい。尚、被覆層12B
は、ゲート電極14及び絶縁層13の上に形成されたエ
ッチング用マスク(図示せず)の上にも堆積するが、こ
の堆積部分はエッチング用マスクの除去時、同時に除去
される。原料ガスとして例えばCH4/H2混合ガスや、
CO/H2混合ガスを使用したCVD法に基づき被覆層
12Bを形成することができ、それぞれ炭素を含む化合
物の熱分解によってアモルファスダイヤモンドから成る
被覆層12Bが形成される。
【0130】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、基板11上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソ
ード電極用導電材料層をパターニングし、その後、カソ
ード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部12Aを形成
し、次いで、被覆層12Bを形成した後、[工程−61
0]〜[工程−630]と同様の工程を実行することに
よって、図16に示す電界放出素子を作製することもで
きる。
【0131】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、基板11上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部12Aを形
成し、次いで、被覆層12Bを形成した後、リソグラフ
ィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層12
B、カソード電極用導電材料層をパターニングした後、
[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程を実
行することによって、図16に示す電界放出素子を作製
することもできる。
【0132】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0133】尚、図14の(C)に示した平面型電界放
出素子の電子放出領域116(カソード電極12の表
面)に被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程
−630]の後、開口部15の底部に露出したカソード
電極12の表面に被覆層12Bを形成すればよく、ある
いは又、[工程−600]において、例えば、基板11
上にカソード電極用導電材料層を形成した後、カソード
電極用導電材料層上に被覆層12Bを形成し、次いで、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、
これらの層をパターニングすればよい。
【0134】(実施の形態8)クレータ型電界放出素子
の模式的な一部断面図を、図20の(B)に示す。クレ
ータ型電界放出素子は、電子を放出する複数の隆起部1
12Aと、各隆起部112Aに囲まれた凹部112Bと
を有するカソード電極112が、基板11上に備えられ
ている。尚、絶縁層13及びゲート電極14を取り除い
た模式的な斜視図を図19の(B)に示す。
【0135】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電界放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部112B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部112Bが略球面を成す場合、凹
部112Bを囲む隆起部112Aは円環状となり、この
場合の凹部112Bと隆起部112Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部112Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部112Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部112Aの先端部11
2Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部112Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部112Bは、凹部112Bの周方向に
沿って連続した隆起部112Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部112Bの周方向に沿って
不連続な隆起部112Aにより囲まれていてもよい。
【0136】このようなクレータ型電界放出素子の製造
方法において、基板上にストライプ状のカソード電極を
形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆し
たストライプ状のカソード電極を基板上に形成する工程
と、球体を除去することによって、球体を被覆したカソ
ード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の
隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部
を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する工
程、から成る。
【0137】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去、あるいは、球体の除去と球体を被覆す
るカソード電極、絶縁層及びゲート電極の部分の除去
は、必ずしも同時に起こらなくてもよい。例えば、球体
を被覆するカソード電極の部分、あるいはこれに加えて
絶縁層やゲート電極の部分を除去した後に球体の一部が
残存している場合、残存した球体の除去を後から行えば
よい。
【0138】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球体を
例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソード電
極と絶縁層とゲート電極は或る耐圧限界を超えた時点で
破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆するカ
ソード電極と絶縁層とゲート電極の部分が飛散し、隆起
部及び凹部と同時に開口部が形成され、しかも、球体が
除去される。即ち、球体を除去する以前には絶縁層及び
ゲート電極には開口部が存在せず、球体の除去に伴って
開口部が形成される。このとき、球体の燃焼の初期過程
は閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は炭化する可
能性もある。球体を被覆するカソード電極の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しい。また、球体を被覆するカソード電極、絶縁層及び
ゲート電極の部分の厚さを、破裂によって飛散し得る程
度に薄くすることが好ましく、特に、絶縁層について
は、球体を被覆していない部分の厚さを球体の直径と同
程度にすることが好適である。
【0139】後述する実施の形態10においても、球体
の状態変化及び/又は化学変化によって球体を除去する
ことができるが、カソード電極の破裂を伴わないので、
外力によって除去を行う方が簡便な場合もある。また、
後述する実施の形態11では、球体を除去する前の時点
で既に開口部が完成されているが、開口部の大きさが球
体の直径よりも大きい場合には、球体を外力によって除
去することができる。ここで、外力とは、空気又は不活
性ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引
力、静電気力、遠心力等の物理的な力である。尚、実施
の形態10、実施の形態11においては、実施の形態8
と異なり、球体を被覆する部分のカソード電極、あるい
は、場合によっては、更に絶縁層やゲート電極を飛散さ
せる必要がないので、カソード電極、絶縁層あるいはゲ
ート電極の残渣が発生し難いという利点がある。
【0140】後述する実施の形態10、実施の形態11
で使用される球体は、少なくとも表面が、カソード電
極、構成に依っては絶縁層やゲート電極を構成する材料
の各界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張力を
有する材料から構成されていることが好ましい。これに
より、実施の形態11では、カソード電極、絶縁層及び
ゲート電極は球体の少なくとも頂部を被覆することがな
く、開口部が最初から絶縁層及びゲート電極に形成され
た状態が得られる。開口部の直径がどの程度になるか
は、例えば、カソード電極、絶縁層やゲート電極を構成
する材料の厚さと球体の直径との関係や、カソード電
極、絶縁層やゲート電極の形成方法、カソード電極、絶
縁層やゲート電極を構成する材料の界面張力(表面張
力)に依存する。
【0141】後述する実施の形態10、実施の形態11
において、球体は、少なくとも表面が界面張力に関する
上述の条件を満たしていればよい。つまり、カソード電
極、絶縁層及びゲート電極の各界面張力よりも大きな界
面張力を有している部分は、球体の表面のみであっても
全体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全体
の構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材料
と有機材料の組合せのいずれであってもよい。実施の形
態10、実施の形態11において、カソード電極やゲー
ト電極が通常の金属系材料から構成され、絶縁層がガラ
ス等の酸化シリコン系材料から構成される場合、金属系
材料の表面には吸着水分に由来する水酸基、絶縁層の表
面にはSi−O結合のダングリング・ボンドと吸着水分
とに由来する水酸基が存在し、親水性の高い状態にある
のが普通である。従って、疎水性の表面処理層を有する
球体を用いることが、特に有効である。疎水性の表面処
理層の構成材料として、フッ素系樹脂、例えばポリテト
ラフルオロエチレンを挙げることができる。球体が疎水
性の表面処理層を有する場合、疎水性の表面処理層の内
側の部分を芯材と称することにすると、芯材の構成材料
は、ガラス、セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子
材料のいずれであってもよい。
【0142】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極や絶縁層、ゲート電極に悪影響
が及ぶ虞がある。それ故、これらに対する悪影響が生じ
る虞のない温度にて燃焼若しくは炭化させることが可能
な高分子材料を選択することが好ましい。特に、絶縁層
をガラスペーストのような、後工程において焼成を要す
る材料を用いて形成する場合には、工数をなるべく減少
させる観点から、ガラスペーストの焼成温度にて燃焼若
しくは炭化可能な高分子材料を選択することが好適であ
る。ガラスペーストの典型的な焼成温度は約530゜C
なので、かかる高分子材料の燃焼温度は350〜500
゜C程度であることが好ましい。代表的な高分子材料と
して、スチレン系、ウレタン系、アクリル系、ビニル
系、ジビニルベンゼン系、メラミン系、ホルムアルデヒ
ド系、ポリメチレン系のホモポリマー又は共重合体を挙
げることができる。あるいは又、球体として、基板上で
の確実な配置を確保するために、付着力を有する固着タ
イプの球体を使用することもできる。固着タイプの球体
として、アクリル系樹脂から成る球体を例示することが
できる。
【0143】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。実施の形態
8において、かかる加熱膨張型マイクロスフェアを用
い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱すると、外殻のポ
リマーが軟化し、しかも、内包されたイソブタンがガス
化して膨張する結果、粒径が膨張前と比較して約4倍程
度の真球の中空体が形成される。その結果、実施の形態
8において、電子を放出する隆起部、及び、隆起部に囲
まれ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部を、カソ
ード電極に形成することができる。また、かかる凹部や
隆起部に加え、ゲート電極及び絶縁層を貫通した開口部
を形成することもできる。尚、熱膨張型マイクロスフェ
アの加熱による膨張も、本明細書においては、球体の除
去という概念に包含する。その後、熱膨張型マイクロス
フェアを適切な溶剤を用いて取り除けばよい。
【0144】実施の形態8においては、基板上に複数の
球体を配置した後、球体を被覆するカソード電極を形成
すればよい。この場合においては、あるいは又、後述す
る実施の形態10、実施の形態11においては、基板上
への複数の球体の配置方法として、球体を基板上に散布
する乾式法を挙げることができる。球体の散布には、例
えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル間隔を
一定に維持するためのスペーサを散布する技術を応用す
ることができる。具体的には、圧搾気体で球体をノズル
から噴射する、所謂スプレーガンを用いることができ
る。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発性の
溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、静電
粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を利用
して球体を散布することもできる。例えば、コロナ放電
を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させた球
体を、接地した基板に向かって吹き付けることができ
る。使用する球体は、後述するように非常に小さいた
め、基板上に散布されると基板の表面に例えば静電気力
によって付着し、以降の工程においても容易に基板から
脱落することはない。基板上に複数の球体の配置した
後、球体を加圧すれば、基板上の複数の球体の重なりを
解消することができ、球体を基板上で単層に密に配置す
ることができる。
【0145】あるいは、後述する実施の形態9のよう
に、球体とカソード電極材料とを分散媒中に分散させて
成る組成物から成る組成物層を基板上に形成し、以て、
基板上に複数の球体を配置し、カソード電極材料から成
るカソード電極で球体を被覆した後、分散媒を除去する
こともできる。組成物の性状としては、スラリーやペー
ストが可能であり、これらの所望の性状に応じ、分散媒
の組成や粘度を適宜選択すればよい。組成物層を基板上
に形成する方法としては、スクリーン印刷法が好適であ
る。カソード電極材料は、典型的には、分散媒中におけ
る沈降速度が球体よりも遅い微粒子であることが好適で
ある。かかる微粒子を構成する材料として、カーボン、
バリウム、ストロンチウム、鉄を挙げることができる。
分散媒を除去した後、必要に応じてカソード電極の焼成
を行う。組成物層を基板上に形成する方法としては、噴
霧法、滴下法、スピンコーティング法、スクリーン印刷
法を挙げることができる。尚、球体が配置されると共
に、カソード電極材料から成るカソード電極で球体が被
覆されるが、組成物層の形成方法に依っては、かかるカ
ソード電極のパターニングを行う必要がある。
【0146】あるいは、後述する実施の形態10、実施
の形態11にあっては、球体を分散媒中に分散させて成
る組成物から成る組成物層を基板上に形成し、以て、基
板上に複数の球体を配置した後、分散媒を除去すること
ができる。組成物の性状としては、スラリーやペースト
が可能であり、これらの所望の性状に応じ、分散媒の組
成や粘度を適宜選択すればよい。典型的には、イソプロ
ピルアルコール等の有機溶媒を分散媒として用い、蒸発
により分散媒を除去することができる。組成物層を基板
上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコ
ーティング法、スクリーン印刷法を挙げることができ
る。
【0147】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、重複領域に位置する隆起
部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能上、
重複領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ重複領域
以外の領域に隆起部及び凹部が存在していたとしても、
このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆されたまま、
何ら電子を放出するといった機能を果たさない。従っ
て、球体を全面に配置しても何ら問題は生じない。
【0148】これに対して、球体を被覆したカソード電
極、絶縁層及びゲート電極(ゲート電極)の各部分を除
去する場合、個々の球体の配置位置と開口部の形成位置
とが一対一に対応するため、重複領域以外の領域にも開
口部が形成される。以下、重複領域以外の領域に形成さ
れる開口部を「無効開口部」と呼び、電子放出に寄与す
る本来の開口部と区別する。ところで、重複領域以外の
領域に無効開口部が形成されたとしても、この無効開口
部は電界放出素子として何ら機能せず、重複領域に形成
される電界放出素子の動作に何ら悪影響を及ぼさない。
なぜなら、無効開口部の底部に隆起部及び凹部が露出し
ていても、無効開口部の上端部にゲート電極が形成され
ていないからであり、あるいは又、無効開口部の上端部
にゲート電極が形成されていても底部に隆起部及び凹部
が露出していないか、あるいは、無効開口部の底部に隆
起部及び凹部が露出しておらず、しかも、上端部にゲー
ト電極が形成されておらず、単に基板の表面が露出して
いるか、のいずれかであるからである。従って、球体を
全面に配置しても何ら問題は生じない。尚、重複領域と
それ以外の領域との境界線上に形成された孔は、開口部
に含まれる。
【0149】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電界放出素子を用いて構成される平面型表示装
置の表示画面寸法、画素数、重複領域の寸法、1画素を
構成すべき電界放出素子の個数に応じて選択することが
できるが、0.1〜10μmの範囲で選択することが好
ましい。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販さ
れている球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、こ
れを利用することが好適である。球体の形状は真球であ
ることが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要は
ない。また、電界放出素子の製造方法に依っては、上述
したように、球体の配置された場所に開口部か無効開口
部のいずれかが形成され得るが、基板上には球体を10
0〜5000個/mm2程度の密度で配置することが好
適である。例えば球体を約1000個/mm2の密度で
基板上に配置すると、例えば重複領域の寸法を仮に0.
5mm×0.2mmとした場合、この重複領域内に約1
00個の球体が存在し、約100個の隆起部が形成され
ることになる。1つの重複領域にこの程度の個数の隆起
部が形成されていれば、球体の粒径分布や真球度のばら
つきに起因する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化さ
れ、実用上、1画素(又は1サブピクセル)当たりの放
出電子電流密度や輝度はほぼ均一となる。
【0150】実施の形態8あるいは後述する実施の形態
9〜実施の形態11においては、球体の形状の一部が電
子放出電極を構成する凹部の形状に反映される。隆起部
の先端部のプロファイルは、不規則な凹凸を有していて
も、あるいは滑らかであってもよいが、特に、実施の形
態8や実施の形態9においては、この先端部はカソード
電極の破断により形成されるため、隆起部の先端部が不
規則形状となり易い。破断により隆起部に先端部が先鋭
化すると、先端部が高効率の電子放出電極として機能し
得るので、好都合である。実施の形態8〜実施の形態1
1においては、凹部を囲む隆起部はいずれも概ね円環状
となり、この場合の凹部と隆起部とは、全体としてクレ
ータあるいはカルデラのような形状を呈する。
【0151】基板上における隆起部の配置は規則的であ
ってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依存
する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、基
板上における隆起部の配置はランダムとなる。尚、凹部
の周方向に沿って連続した隆起部により凹部が囲まれて
いてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿って
不連続な隆起部により凹部が囲まれていてもよい。
【0152】実施の形態8〜実施の形態11において、
絶縁層の形成後、絶縁層に開口部を形成する場合、隆起
部の先端部に損傷が生じないように、隆起部を得た後、
保護層を形成し、開口部の形成後、保護層を取り除く構
成とすることもできる。保護層を構成する材料として、
クロムを例示することができる。
【0153】以下、図17〜図20を参照して、実施の
形態8の電界放出素子の製造方法を説明するが、図17
の(A)、図18の(A)、図19の(A)模式的な一
部端面図であり、図20の(A)及び(B)は模式的な
一部断面図であり、図17の(B)、図18の(B)及
び図19の(B)は、図17の(A)、図18の(A)
及び図19の(A)よりも広い範囲を模式的に示す一部
斜視図である。
【0154】[工程−800]先ず、複数の球体80を
被覆したカソード電極112を基板11上に形成する。
具体的には、先ず、例えばガラスから成る基板11上の
全面に、球体80を配置する。球体80は、例えばポリ
メチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5μm、
粒径分布1%未満である。球体80を、スプレーガンを
用い、基板11上におおよそ1000個/mm2の密度
でランダムに配置する。スプレーガンを用いた散布は、
球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あるいは粉
末状態のままノズルから噴射する方式のいずれでもよ
い。配置された球体80は、静電気力で基板11上に保
持されている。この状態を図17の(A)及び(B)に
示す。
【0155】[工程−810]次に、球体80及び基板
11上にカソード電極112を形成する。カソード電極
112を形成した状態を、図18の(A)及び(B)に
示す。カソード電極112は、例えばカーボンペースト
をストライプ状にスクリーン印刷することによって形成
することができる。このとき、球体80は基板11上の
全面に配置されているので、球体80の中には、図18
の(B)に示すように、カソード電極112で被覆され
ないものも当然存在する。次に、カソード電極112に
含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極11
2を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソード
電極112を乾燥する。この温度では、球体80は何ら
状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上述の
ようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、カソード電極112を構成するカソード電極用導電
材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材料層
を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用
いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極11
2を形成することもできる。リソグラフィ技術を適用す
る場合、通常、レジスト層をスピンコーティング法によ
り形成するが、スピンコーティング時の基板11の回転
数が500rpm程度、回転時間が数秒間程度であれ
ば、球体80は脱落したり変位することなく、基板11
上に保持され得る。
【0156】[工程−820]次に、球体80を除去す
ることによって、球体80を被覆したカソード電極11
2の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部
112Aと、各隆起部112Aに囲まれ、且つ、球体8
0の形状の一部を反映した凹部112Bとを有するカソ
ード電極112を形成する。この状態を、図19の
(A)及び(B)に示す。具体的には、カソード電極1
12の焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことに
より球体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球
体80が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、
球体80を被覆するカソード電極112の部分が或る耐
圧限界を超えた時点で破裂して除去される。その結果、
基板11上に形成されたカソード電極112の一部分
に、隆起部112A及び凹部112Bが形成される。
尚、球体を除去した後に、球体の一部分が残渣として残
る場合には、使用する球体を構成する材料にも依るが、
適切な洗浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0157】[工程−830]その後、カソード電極1
12及び基板11上に絶縁層13を形成する。具体的に
は、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚さに
スクリーン印刷する。次に、絶縁層13に含まれる水分
や溶剤を除去し、且つ、絶縁層13を平坦化するため
に、例えば150゜Cにて絶縁層13を乾燥する。上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO 2膜を形成し
てもよい。
【0158】[工程−840]次に、絶縁層13上に、
ストライプ状のゲート電極14を形成する(図20の
(A)参照)。ゲート電極14は、例えばカーボンペー
ストをストライプ状にスクリーン印刷することによって
形成することができる。このときのストライプ状のゲー
ト電極14の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカ
ソード電極112の射影像の延びる方向と90度の角度
を成している。次に、ゲート電極14に含まれる水分や
溶剤を除去し、且つ、ゲート電極14を平坦化するため
に、例えば150゜Cにてゲート電極14を乾燥した
後、ゲート電極14及び絶縁層13を構成する材料を焼
成する。尚、カーボンペーストを用いたスクリーン印刷
に替えて、ゲート電極14を構成するゲート電極を絶縁
層13の全面に形成し、次いで、ゲート電極を通常のリ
ソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパター
ニングしてもよい。
【0159】[工程−850]その後、ゲート電極14
の射影像とカソード電極112の射影像とが重複する重
複領域において、ゲート電極14及び絶縁層13に開口
部15を形成し、以て、開口部15の底部に複数の複数
の隆起部112A及び凹部112Bを露出させる。開口
部15の形成は、通常のリソグラフィ技術によるレジス
トマスクの形成と、レジストマスクを用いたエッチング
により行うことができる。但し、カソード電極112に
対して十分に高いエッチング選択比が確保できる条件で
エッチングを行うことが好ましい。あるいは又、隆起部
112Aを形成した後、例えば、クロムから成る保護層
を形成しておき、開口部15を形成した後、保護層を取
り除くことが好ましい。その後、レジストマスクを除去
する。こうして、図20の(B)に示した電界放出素子
を得ることができる。
【0160】尚、実施の形態8の製造方法の変形例とし
て、[工程−810]の後、[工程−830]〜[工程
−850]を実行し、次いで、[工程−820]を実行
してもよい。この場合、球体の燃焼とゲート電極14及
び絶縁層13を構成する材料の焼成を同時に行えばよ
い。
【0161】あるいは又、[工程−810]の後、[工
程−830]を実行し、更に、[工程−840]と同様
の工程において、開口部を有していないストライプ状の
ゲート電極を絶縁層上に形成した後、[工程−820]
を実行する。これによって、球体80を被覆したカソー
ド電極112、絶縁層13及びゲート電極14の各部分
が除去され、以て、ゲート電極14及び絶縁層13を貫
通した開口部が形成されると共に、電子を放出する隆起
部112Aと、隆起部112Aに囲まれ、且つ、球体8
0の形状の一部を反映した凹部112Bとから成る電子
放出電極を、開口部の底部に位置するカソード電極11
2に形成することができる。即ち、球体80の燃焼に伴
って球体80が閉じ込められている閉鎖空間の圧力が上
昇し、球体を被覆する部分のカソード電極112と絶縁
層13とゲート電極14とが或る耐圧限界を超えた時点
で破裂し、隆起部112A及び凹部112Bと同時に開
口部が形成され、しかも、球体80が除去される。開口
部は、ゲート電極14及び絶縁層13を貫通し、且つ、
球体80の形状の一部を反映している。また、開口部の
底部には、電子を放出する隆起部112A、及び、隆起
部112Aに囲まれ、且つ、球体80の形状の一部を反
映した凹部112Bが残る。
【0162】(実施の形態9)実施の形態9は、クレー
タ型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の形態
9の製造方法を図21を参照して説明するが、基板11
上に複数の球体80を配置する工程が、球体80とカソ
ード電極材料とを分散媒中に分散させて成る組成物から
成る組成物層81を基板11上に形成し、以て、基板1
1上に複数の球体80を配置し、カソード電極材料から
成るカソード電極112で球体を被覆した後、分散媒を
除去する工程から成る、即ち、湿式法から成る点が、実
施の形態8の製造方法と相違する。
【0163】[工程−900]先ず、基板11上に複数
の球体80を配置する。具体的には、球体80とカソー
ド電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて成る
組成物から成る組成物層81を基板11上に形成する。
即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒81A
として使用し、平均直径約5μmのポリメチレン系の高
分子材料から成る球体80と、平均直径約0.05μm
のカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして分散媒
81A中に分散させて成る組成物を基板11上にストラ
イプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形成する。
図21の(A)には、組成物層81の形成直後の状態を
示す。
【0164】[工程−910]基板11に保持された組
成物層81中では、間もなく球体80が沈降して基板1
1上に配置されると共に、球体80から基板11上に亙
ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソード電極材
料81Bから成るカソード電極112が形成される。こ
れによって、基板11上に複数の球体80を配置し、カ
ソード電極材料から成るカソード電極112で球体80
を被覆することができる。この状態を、図21の(B)
に示す。
【0165】[工程−920]その後、分散媒81Aを
例えば蒸発させることによって除去する。この状態を、
図21の(C)に示す。
【0166】[工程−930]次いで、実施の形態8の
[工程−820]〜[工程−850]と同様の工程、あ
るいは、実施の形態8の製造方法の変形例を実行するこ
とによって、図20の(B)に示したと同様の電界放出
素子を完成することができる。
【0167】(実施の形態10)実施の形態10も、ク
レータ型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態10の製造方法において、基板上にストライプ状の
カソード電極を形成する工程は、より具体的には、基板
上に複数の球体を配置する工程と、電子を放出する複数
の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一
部を反映した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形
成されたカソード電極を、基板上に設ける工程と、球体
を除去する工程、から成る。基板上への複数の球体の配
置は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性の
表面処理層を有する。以下、実施の形態10を、図22
を参照して説明する。
【0168】[工程−1000]先ず、基板11上に複
数の球体180を配置する。具体的には、ガラスから成
る基板11上の全面に、複数の球体180を配置する。
この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高分子
材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエチレ
ン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成り、
平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体18
0を、スプレーガンを用い、基板11上におおよそ10
00個/mm2の密度でランダムに配置する。配置され
た球体180は、静電気力で基板11上に吸着されてい
る。ここまでのプロセスが終了した状態を、図22の
(A)に示す。
【0169】[工程−1010]次に、電子を放出する
複数の隆起部112Aと、各隆起部112Aに囲まれ、
且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部112B
とを有し、各隆起部112Aが球体180の周囲に形成
されたカソード電極112を、基板11上に設ける。具
体的には、実施の形態8で述べたと同様に、例えばカー
ボンペーストをストライプ状にスクリーン印刷するが、
実施の形態10では、球体180の表面が表面処理層1
80Bにより疎水性を帯びているために、球体180の
上にスクリーン印刷されたカーボンペーストは直ちに弾
かれて落下し、球体180の周囲に堆積して隆起部11
2Aが形成される。隆起部112Aの先端部112C
は、実施の形態8の場合ほど先鋭とはならない。球体1
80と基板11との間に入り込んだカソード電極112
の部分が、凹部112Bとなる。図22の(B)では、
カソード電極112と球体180との間に隙間が存在す
るように図示されているが、カソード電極112と球体
180とは接触している場合もある。その後、カソード
電極112を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここま
でのプロセスが終了した状態を、図22の(B)に示
す。
【0170】[工程−1020]次に、球体180に外
力を与えることによって、基板11上から球体180を
除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気体
の吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセスが
終了した状態を、図22の(C)に示す。尚、球体の除
去は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づいて、
より具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去する
ことも可能である。以下に説明する実施の形態11にお
いても同様である。
【0171】[工程−1030]その後、実施の形態8
の[工程−830]〜[工程−850]を実行すること
によって、図20の(B)に示したと略同様の電界放出
素子を得ることができる。
【0172】尚、実施の形態10の製造方法の変形例と
して、[工程−1010]の後、実施の形態8の[工程
−830]〜[工程−850]を実行し、次いで、[工
程−1020]を実行してもよい。
【0173】(実施の形態11)実施の形態11も、ク
レータ型電界放出素子の製造方法の変形である。実施の
形態11の製造方法において、基板上にストライプ状の
カソード電極を形成する工程は、より具体的には、基板
上に複数の球体を配置する工程と、電子を放出する複数
の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一
部を反映した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形
成されたカソード電極を基板上に設ける工程、から成
る。尚、全面に絶縁層を設ける際、球体の上方に開口部
が形成された絶縁層を、カソード電極及び基板上に設け
る。球体の除去は、開口部の形成後に行う。実施の形態
11の電界放出素子の製造方法においては、基板上への
複数の球体の配置は、球体の散布によって行う。また、
球体は疎水性の表面処理層を有する。以下、実施の形態
11を、図23及び図24を参照して説明する。
【0174】[工程−1100]先ず、基板11上に複
数の球体180を配置する。具体的には、実施の形態1
0の[工程−1000]と同様の工程を実行する。
【0175】[工程−1110]その後、電子を放出す
る複数の隆起部112Aと、各隆起部112Aに囲ま
れ、且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部11
2Bとを有し、各隆起部112Aが球体180の周囲に
形成されたカソード電極112を、基板11上に設け
る。具体的には、実施の形態10の[工程−1010]
と同様の工程を実行する。
【0176】[工程−1120]次に、球体の上方に開
口部15Aが形成された絶縁層113を、カソード電極
112及び基板11上に設ける。具体的には、例えば、
ガラスペーストを全面に約5μmの厚さにスクリーン印
刷する。ガラスペーストを用いたスクリーン印刷は、実
施の形態8と同様に行うことができるが、球体180の
表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯びているた
めに、球体180の上にスクリーン印刷されたガラスペ
ーストは直ちに弾かれて落下し、自らの表面張力により
絶縁層113の球体180の上の部分は収縮する。その
結果、球体180の頂部は絶縁層113に覆われること
なく、開口部15A内に露出する。この状態を図23の
(A)に示す。図示した例では、開口部15Aの上端部
の直径は球体180の直径よりも大きいが、表面処理層
180Bの界面張力が、ガラスペーストの界面張力より
も小さい場合には、開口部15Aの直径が小さくなる傾
向にある。逆に、表面処理層180Bの界面張力が、ガ
ラスペーストの界面張力よりも著しく大きい場合には、
開口部15Aの直径は大きくなり易い。その後、絶縁層
113を例えば150゜Cにて乾燥させる。
【0177】[工程−1130]次に、開口部15Aと
連通する開口部15Bを有するゲート電極114を絶縁
層113上に形成する。具体的には、例えば、カーボン
ペーストをストライプ状にスクリーン印刷する。カーボ
ンペーストを用いたスクリーン印刷は、実施の形態8と
同様に行えばよいが、球体180の表面が表面処理層1
80Bにより疎水性を帯びているために、球体180の
上にスクリーン印刷されたカーボンペーストは直ちに弾
かれて、自らの表面張力により収縮し、絶縁層113の
表面のみに付着した状態となる。このとき、ゲート電極
114は、図示するように、絶縁層113の開口端部か
ら開口部15A内へ若干回り込むように形成されること
もある。その後、ゲート電極114を例えば150゜C
にて乾燥させる。ここまでのプロセスが終了した状態
を、図23の(B)に示す。尚、表面処理層180Bの
界面張力が、カーボンペーストの界面張力よりも小さい
場合には、開口部15Aの直径が小さくなる傾向にあ
る。逆に、表面処理層180Bの界面張力が、カーボン
ペーストの界面張力よりも著しく大きい場合には、開口
部15Aの直径は大きくなり易い。
【0178】[工程−1140]次に、開口部15B,
15Aの底部に露出した球体180を除去する。具体的
には、カソード電極112と絶縁層113とゲート電極
114の焼成を兼ね、ガラスペーストの典型的な焼成温
度である約530゜Cにて加熱を行うことにより、球体
180を燃焼させる。このとき、実施の形態8と異な
り、絶縁層113及びゲート電極114には開口部15
A,15Bが最初から形成されているので、カソード電
極112や絶縁層113、ゲート電極114の一部が飛
散することはなく、球体180は速やかに除去される。
尚、開口部15A,15Bの上端部の直径が球体180
の直径よりも大きい場合、球体180を燃焼させなくと
も、例えば、洗浄や圧搾気体の吹付け等の外力によって
球体180を除去することが可能である。ここまでのプ
ロセスが終了した状態を、図24の(A)に示す。
【0179】[工程−1150]その後、開口部15A
の側壁面に相当する絶縁層113の一部を等方的にエッ
チングすると、図24の(B)に示す電界放出素子を完
成することができる。ここでは、ゲート電極114の端
部が下方を向いているが、このことは、開口部15内の
電界強度を高める上で好ましい。
【0180】(実施の形態12)実施の形態12はエッ
ジ型電界放出素子に関する。このエッジ型電界放出素子
の模式的な一部断面図を図25の(A)に示す。このエ
ッジ型電界放出素子は、基板11上に形成されたストラ
イプ状のカソード電極212と、基板11及びカソード
電極212上に形成された絶縁層13と、絶縁層13上
に形成されたストライプ状のゲート電極14から構成さ
れており、開口部15がゲート電極14及び絶縁層13
に設けられている。開口部15の底部にはカソード電極
212のエッジ部212Aが露出している。カソード電
極212及びゲート電極14に電圧を印加することによ
って、カソード電極212のエッジ部212Aから電子
が放出される。
【0181】尚、図25の(B)に示すように、開口部
15内のカソード電極212の下の基板11に凹部11
Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一部
断面図を図25の(C)に示すように、基板11上に形
成された第1のゲート電極14Aと、基板11及び第1
のゲート電極14A上に形成された第1の絶縁層13A
と、第1の絶縁層13A上に形成されたカソード電極2
12と、第1の絶縁層13A及びカソード電極212に
形成された第2の絶縁層13Bと、第2の絶縁層13B
上に形成された第2のゲート電極14Bから構成するこ
ともできる。そして、開口部15が、第2のゲート電極
14B、第2の絶縁層13B、カソード電極212及び
第1の絶縁層13Aに設けられており、開口部15の側
壁にはカソード電極212のエッジ部212Aが露出し
ている。カソード電極212並びに第1のゲート電極1
4A、第2のゲート電極14Bに電圧を印加することに
よって、カソード電極212のエッジ部212Aから電
子が放出される。
【0182】例えば、図25の(C)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、基板等の模式的な一部端面
図である図26を参照して、以下、説明する。
【0183】[工程−1200]先ず、例えばガラスか
ら成る基板11の上に、スパッタリングにより厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に従
ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術
によりこのタングステン膜をパターニングし、第1のゲ
ート電極14Aを形成する。次に、全面に、SiO2
ら成る厚さ0.3μmの第1の絶縁層13Aを形成した
後、第1の絶縁層13Aの上にタングステンから成るス
トライプ状のカソード電極212を形成する(図26の
(A)参照)。
【0184】[工程−1210]その後、全面に、例え
ばSiO2から成る厚さ0.7μmの第2の絶縁層13
Bを形成し、次いで、第2の絶縁層13B上にストライ
プ状の第2のゲート電極14Bを形成する(図26の
(B)参照)。第2のゲート電極14Bの構成材料や厚
さについては、第1のゲート電極14Aと同じであって
もよいし、異なっていてもよい。
【0185】[工程−1220]次に、全面にレジスト
層90を形成した後、レジスト層90に第2のゲート電
極14Bの表面を一部露出させるようにレジスト開口部
90Aを形成する。レジスト開口部90Aの平面形状は
矩形である。矩形の長辺はおおよそ100μm、短辺は
数μm〜10μmである。続いて、レジスト開口部90
Aの底面に露出した第2のゲート電極14Bを例えばR
IE法により異方的にエッチングし、開口部を形成す
る。次に、開口部の底面に露出した第2の絶縁層13B
を等方的にエッチングし、開口部を形成する(図26の
(C)参照)。第2の絶縁層13BをSiO2を用いて
形成しているので、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングを行う。第2の絶縁層13Bに形成された
開口部の壁面は、第2のゲート電極14Bに形成された
開口部の開口端面よりも後退するが、このときの後退量
はエッチング時間の長短により制御することができる。
ここでは、第2の絶縁層13Bに形成された開口部の下
端が、第2のゲート電極14Bに形成された開口部の開
口端面よりも後退するまで、ウェットエッチングを行
う。
【0186】次に、開口部の底面に露出したカソード電
極212を、イオンを主エッチング種とする条件により
ドライエッチングする。イオンを主エッチング種とする
ドライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電
圧の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電
粒子であるイオンを加速することができるため、一般に
は異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面
は垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の
主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成
分が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱
によってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソ
ード電極212の露出面の中で、本来であれば開口部に
よって遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、
ある程度の確率で主エッチング種が入射する。このと
き、基板11の法線に対する入射角の小さい主エッチン
グ種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチング
種ほど入射確率は低い。
【0187】従って、カソード電極212に形成された
開口部の上端部の位置は、第2の絶縁層13Bに形成さ
れた開口部の下端部とほぼ揃っているものの、カソード
電極212に形成された開口部の下端部の位置はその上
端部よりも突出した状態となる。つまり、カソード電極
212のエッジ部212Aの厚さが、突出方向の先端部
に向けて薄くなり、エッジ部212Aが先鋭化される。
例えば、エッチング・ガスとしてSF6を用いることに
より、カソード電極212の良好な加工を行うことがで
きる。
【0188】次に、カソード電極212に形成された開
口部の底面に露出した第1の絶縁層13Aを等方的にエ
ッチングし、第1の絶縁層13Aに開口部を形成し、開
口部15を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液
を用いたウェットエッチングを行う。第1の絶縁層13
Aに形成された開口部の壁面は、カソード電極212に
形成された開口部の下端部よりも後退する。このときの
後退量はエッチング時間の長短により制御可能である。
開口部15の完成後にレジスト層90を除去すると、図
25の(C)に示した構成を得ることができる。
【0189】(実施の形態13)実施の形態13におい
ては、本発明の発光性結晶粒子を陰極線管に適用した。
また、表示用パネルを陰極線管のフェースプレートとし
た。カラー受像管用ガラスバルブの一部を切り欠いた模
式図を図27に示すように、フェースプレート300
は、ガラスパネル301とファンネル302とをガラス
接着剤によって接合されて成る。ファンネル302の近
傍のガラスパネル301にはテンションバンド307が
巻かれており、カラー受像管用ガラスバルブの強度を高
めている。図28に模式的な斜視図を示すように、色選
別機構303には、スリット304が設けられている。
そして、アパーチャーグリル型の色選別機構303は、
スリット304の延びる方向に張力を加えた状態で、抵
抗溶接法やレーザ溶接法によってフレーム部材305に
取り付けられている。フレーム部材305は、スプリン
グから成る取付具306によってガラスパネル301に
着脱自在に取り付けられている。ガラスパネル301の
内面301Aには、蛍光体層314が形成されている。
ここで、蛍光体層314は、実施の形態1にて説明した
発光性結晶粒子から構成されている。尚、蛍光体層31
4の上にはメタルバック膜が形成されているが、メタル
バック膜の図示は省略した。
【0190】ガラスパネル等の模式的な一部端面図であ
る図29及び図30を参照して、フェースプレートの製
造方法の概要、特に、蛍光体層314の形成方法を説明
する。ここで、ストライプ型のカラー蛍光体層の形成
は、ガラスパネル301の垂直方向と平行に延びたスト
ライプ状のスリット304が設けられたアパーチャグリ
ル型の色選別機構303が取り付けられたガラスパネル
301を用いて行われる。尚、図29の(B)にのみ、
色選別機構303を図示した。
【0191】先ず、ガラスパネル301の内面301A
に感光性被膜310を塗布し、乾燥させた後(図29の
(A)参照)、露光光源(図示せず)から射出され、色
選別機構303に設けられたストライプ状のスリット3
04を通過した紫外線によって、感光性被膜310にス
トライプ状の露光領域311を形成する(図29の
(B)参照)。尚、この露光処理は、赤、緑、青のそれ
ぞれの蛍光体層を形成するために、露光光源の位置をず
らして、3回行う。次いで、感光性被膜310を現像し
て選択的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像後の
感光性被膜)312をガラスパネル301の内面301
Aに残す(図29の(C)参照)。その後、全面にカー
ボン剤を塗布し、リフトオフ法にて感光性被膜の残部3
12及びその上のカーボン剤を除去することによって、
カーボン剤から成るストライプ状のブラックストライプ
313を形成する(図30の(A)参照)。その後、露
出したガラスパネル301の内面301B(ブラックス
トライプ313の間の露出したフェースプレート301
の内面の部分301B)に、赤、緑、青のストライプ状
の各蛍光体層314を形成する(図21の(B)参
照)。具体的には、実施の形態1にて説明した各発光性
結晶粒子(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子
組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、更
に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラ
リー)を全面に塗布し、露光、現像すればよい。
【0192】尚、色選別機構は、ドットタイプのシャド
ウマスク型あるいはスロットタイプのシャドウマスク型
であってもよい。
【0193】(実施の形態14)実施の形態14におい
ては、本発明の発光性結晶粒子をプラズマ表示装置(P
DP)に適用した。AC型プラズマ表示装置の典型的な
構成例を、図31に示す。このAC型プラズマ表示装置
は所謂3電極型に属し、一対の放電維持電極413の間
で主に放電が生じる。図31に示すAC型プラズマ表示
装置は、フロントパネル410とリアパネル420とが
周縁部で貼り合わされて成る。リアパネル420上の蛍
光体層424の発光は、フロントパネル410を通して
観察される。
【0194】フロントパネル410は、透明な第1の基
板411と、第1の基板411上にストライプ状に設け
られ、透明導電材料から成る対になった放電維持電極4
13と、放電維持電極413のインピーダンスを低下さ
せるために設けられ、放電維持電極413よりも電気抵
抗率の低い材料から成るバス電極412と、バス電極4
12及び放電維持電極413上を含む第1の基板411
上に形成された誘電体膜として機能する保護層414と
から構成されている。
【0195】一方、リアパネル420は、第2の基板4
21と、第2の基板421上にストライプ状に設けられ
たアドレス電極(データ電極とも呼ばれる)422と、
アドレス電極422上を含む第2の基板421上に形成
された誘電体膜423と、誘電体膜423上であって隣
り合うアドレス電極422の間の領域にアドレス電極4
22と平行に延びる絶縁性の隔壁425と、誘電体膜4
23上から隔壁425の側壁面上に亙って設けられた蛍
光体層424とから構成されている。蛍光体層424
は、赤色蛍光体層424R、緑色蛍光体層424G、及
び、青色蛍光体層424Bから構成されており、これら
の各色の蛍光体層424R,424G,424Bが所定
の順序に従って設けられている。ここで、蛍光体層42
4R,424G,424Bは、実施の形態1にて説明し
た発光性結晶粒子から構成されている。蛍光体層の形成
方法として、実施の形態1にて説明した各発光性結晶粒
子(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物
を使用した、厚膜印刷法、蛍光体粒子をスプレーする方
法、蛍光体層の形成予定部位に予め粘着性物質を付けて
おき、蛍光体粒子を付着させる方法、感光性の蛍光体ペ
ーストを使用し、露光及び現像によって蛍光体層をパタ
ーニングする方法、全面に蛍光体層を形成した後に不要
部をサンドブラスト法により除去する方法を挙げること
ができる。
【0196】図31は分解斜視図であり、実際にはリア
パネル420側の隔壁425の頂部がフロントパネル4
10側の保護層414に当接している。一対の放電維持
電極413と、2つの隔壁425の間に位置するアドレ
ス電極422とが重複する領域が、放電セルに相当す
る。そして、隣り合う隔壁425と蛍光体層424と保
護層414とによって囲まれた空間内には、希ガスが封
入されている。
【0197】放電維持電極413が延びる方向とアドレ
ス電極422が延びる方向とは90度の角度を成してお
り、隣り合う一対の放電維持電極413と、3原色を発
光する蛍光体層424R,424G,424Bの1組と
が重複する領域が1画素に相当する。グロー放電が隣り
合う一対の放電維持電極413間で生じることから、こ
のタイプのプラズマ表示装置は「面放電型」と称され
る。放電セルにおいては、希ガス中でのグロー放電に基
づき発生した真空紫外線の照射によって励起された蛍光
体層が、蛍光体材料の種類に応じた特有の発光色を呈す
る。尚、封入された希ガスの種類に応じた波長を有する
真空紫外線が発生する。希ガスとして、He(共鳴線の
波長=58.4nm)、Ne(同74.4nm)、Ar
(同107nm)、Kr(同124nm)、Xe(同1
47nm)を単独で用いるか、又は混合して用いること
が可能であるが、ペニング効果による放電開始電圧の低
下が期待できる混合ガスが特に有用である。かかる混合
ガスとしては、Ne−Ar混合ガス、He−Xe混合ガ
ス、Ne−Xe混合ガスを挙げることができる。尚、こ
れらの希ガスの中でも最も長い共鳴線波長を有するXe
は、波長172nmの強い真空紫外線も放射するので、
好適な希ガスである。
【0198】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した平面型表示装置や陰
極線管、プラズマ表示装置、冷陰極電界電子放出表示装
置、冷陰極電界電子放出素子の構造、構成、発光性結晶
粒子組成物の組成、その調製方法は例示であり、適宜変
更することができるし、平面型表示装置や冷陰極電界電
子放出素子、陰極線管の製造方法も例示であり、適宜変
更することができる。
【0199】更には、冷陰極電界電子放出素子の製造に
おいて使用した各種材料も例示であり、適宜変更するこ
とができる。冷陰極電界電子放出素子においては、専ら
1つの開口部に1つの電子放出電子放出電極が対応する
形態を説明したが、冷陰極電界電子放出素子の構造に依
っては、1つの開口部に複数の電子放出電極が対応した
形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出電極が
対応する形態とすることもできる。
【0200】また、基板上に電子放出領域を形成し、併
せて、基板上にゲート電極支持部を形成し、複数の孔部
が形成されたストライプ状の導電材料箔を、複数の孔部
が電子放出領域の上方に位置するように、ゲート電極支
持部によって支持された状態に配設し、以て、ストライ
プ状の導電材料箔から構成され、複数の孔部を有するゲ
ート電極を電子放出領域の上方に位置させる構成の冷陰
極電界電子放出素子とすることもできる。
【0201】更には、表面伝導型電子放出素子と通称さ
れる素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る基
板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウ
ム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化
パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積
を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対
の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電
極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の
電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の
電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を
有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギ
ャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、
炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子を表示用パ
ネル(アノードパネル)上の発光層(蛍光体層)に衝突
させることによって、発光層(蛍光体層)が励起されて
発光し、所望の画像を得ることができる。
【0202】
【発明の効果】本発明においては、発光性結晶粒子の表
面からエネルギー線あるいは電子が侵入する深さまでの
領域(実質的に発光に寄与する発光性結晶粒子の領域)
における結晶欠陥密度を規定することによって、発光性
結晶粒子の発光効率の向上を図ることが可能となるだけ
でなく、発光性結晶粒子の劣化を防ぐことが可能とな
る。その結果、例えば平面型表示装置における輝度の経
時劣化を、実用上、問題とならない程度に低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1における第1の構造の平面
型表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】蛍光体層がマトリクス状に配置された表示用パ
ネルの模式的な平面図、及び、模式的な一部断面図であ
る。
【図3】蛍光体層がストライプ状に配置された表示用パ
ネルの模式的な平面図、及び、模式的な一部断面図であ
る。
【図4】表示用パネルの製造方法の一例を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図5】スピント型電界放出素子から成る第1の構造を
有する実施の形態1の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図6】図5に引き続き、スピント型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態1の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図7】クラウン型電界放出素子から成る第1の構造を
有する実施の形態2の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図8】図7に引き続き、クラウン型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態2の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図9】図8に引き続き、クラウン型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態2の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図10】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態3の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図11】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態4の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図12】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態5の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部端面図である。
【図13】図12に引き続き、扁平型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態5の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図14】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態6の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図15】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の変形例の模式的な一部断面図であ
る。
【図16】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の別の変形例の模式的な一部断面図で
ある。
【図17】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態8の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部端面図、及び、部分的な斜
視図である。
【図18】図17に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図19】図18に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図20】図19に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部断面図
である。
【図21】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態9の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図22】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態10の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図23】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態11の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図24】図23に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態11の電界放出素子
の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図である。
【図25】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する実施の形態12の電界放出素子の模式的な一部断
面図である。
【図26】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する実施の形態12の電界放出素子の製造方法を説明
するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図27】カラー受像管用ガラスバルブの一部を切り欠
いた模式図である。
【図28】アパーチャーグリル型の色選別機構の模式的
な斜視図である。
【図29】カラー受像管用ガラスバルブの製造工程を説
明するためのフェースプレート等の模式的な一部端面図
である。
【図30】図29に引き続き、カラー受像管用ガラスバ
ルブの製造工程を説明するためのフェースプレート等の
模式的な一部端面図である。
【図31】プラズマ表示装置の概念的な分解斜視図であ
る。
【図32】加速電圧を31.5キロボルトとし、蛍光体
層をZnSから構成したときの、蛍光体層に入射した電
子のエネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの
関係をベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーショ
ンを行った結果を示すグラフである。
【図33】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
nSから構成したときの、蛍光体層に入射した電子のエ
ネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの関係を
ベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーションを行
った結果を示すグラフである。
【図34】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
nSから構成したときの、蛍光体層に入射した電子のエ
ネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの関係を
ベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーションを行
った結果を示すグラフである。
【図35】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
n及びZnSから構成したときの、蛍光体層に入射した
電子のエネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さ
の関係をベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーシ
ョンを行った結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・背面パネル、11・・・基板、11A・・・
凹部、12,112,212・・・カソード電極、11
2A・・・隆起部、112B・・・凹部、112C・・
・先端部、212A・・・エッジ部、13,13A,1
3B,113・・・絶縁層、14,14A,14B,1
14・・・ゲート電極、15,15A,15B・・・開
口部、16,16A,16B・・・電子放出電極、20
・・・表示用パネル、21・・・支持体、22,22
R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・ブラッ
クマトリクス、24,25・・・アノード電極、31・
・・カソード電極駆動回路、32・・・ゲート電極駆動
回路、33・・・加速電源(アノード電極駆動回路)、
40・・・感光性被膜、41・・・感光領域、42・・
・感光性被膜の残部、43・・・マスク、44・・・孔
部、51・・・剥離層、52・・・導電性組成物層、6
0・・・抵抗体層、70・・・炭素薄膜選択成長領域、
71・・・マスク層、72・・・金属粒子、73・・・
炭素薄膜、80,180・・・球体、180A・・・芯
材、180B・・・表面処理層、81・・・組成物層、
81A・・・分散媒、81B・・・カソード電極材料、
90・・・レジスト層、90A・・・レジスト開口部、
300・・・カラー受像管用ガラスバルブ、301・・
・フェースプレート、301A・・・フェースプレート
の内面、302・・・ファンネル、303・・・色選別
機構、304・・・スリット、305・・・フレーム部
材、306・・・取付具、307・・・テンションバン
ド、310・・・感光性被膜、311・・・露光領域、
312・・・感光性被膜の残部、313・・・ブラック
ストライプ、314・・・蛍光体層、410・・・フロ
ントパネル、411・・・第1の基板、412・・・バ
ス電極、413・・・放電維持電極、414・・・保護
層、420・・・リアパネル、424・・・蛍光体層、
421・・・第2の基板、422・・・アドレス電極、
423・・・誘電体膜、425・・・隔壁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月16日(2001.3.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】発光性結晶粒子、発光性結晶粒子組成
物、表示用パネル及び平面型表示装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エネルギー線の照
射によって発光する発光性結晶粒子、発光性結晶粒子組
成物、かかる発光性結晶粒子から構成された表示用パネ
ル、及び、かかる表示装置から作製された平面型表示装
置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置の代表的な構
成例を図1に示す。この表示装置においては、表示用パ
ネル20と背面パネル10とが対向配置され、両パネル
10,20は、各々の周縁部において図示しない枠体を
介して互いに接着され、両パネル間の閉鎖空間が真空空
間とされている。背面パネル10は、電子放出体として
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)
を備えている。図1では、電界放出素子の一例として、
円錐形の電子放出電極16を有する、所謂スピント(S
pindt)型電界放出素子を示す。スピント型電界放
出素子は、基板11上に形成されたストライプ状のカソ
ード電極12と、カソード電極12及び基板11上に形
成された絶縁層13と、絶縁層13上に形成されたスト
ライプ状のゲート電極14と、ゲート電極14及び絶縁
層13に設けられた開口部15内に形成された円錐形の
電子放出電極16から構成されている。尚、電子放出電
極16は、開口部15の底部に位置するカソード電極1
2の部分の上に設けられている。通常、多数の電子放出
電極16が、後述する蛍光体層(発光層)22の1つに
対応付けられている。電子放出電極16には、カソード
電極駆動回路31からカソード電極12を通じて相対的
に負電圧(ビデオ信号)が印加され、ゲート電極14に
はゲート電極駆動回路32から相対的に正電圧(走査信
号)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電
界に応じ、電子放出電極16の先端から電子が量子トン
ネル効果に基づき放出される。尚、電子放出体として
は、上述のようなスピント型電界放出素子に限られず、
所謂エッジ型や平面型やクラウン型等、他のタイプの電
界放出素子が用いられる場合もある。また、上述とは逆
に、走査信号がカソード電極12に入力され、ビデオ信
号がゲート電極14に入力される場合もある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】図3の(A)に、蛍光体層22R,22
G,22Bがストライプ状に形成された表示用パネルの
模式的な平面図を示し、図3の(B)及び(C)に、図
3の線X−Xに沿った模式的な一部断面図を示す。図3
の参照符号は図2と共通であり、共通部分については詳
しい説明を省略する。図3の(B)は、アノード電極2
4が導電性反射膜から成る構成例、図3の(C)はアノ
ード電極25が透明導電膜から成る構成例を示す。アノ
ード電極24,25の形成領域は、表示用パネルの有効
領域のほぼ全面に亙っている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】しかも、冷陰極電界電子放出表示装置にお
いては、陰極線管の場合と異なり、或る電界放出素子か
ら放出された電子が衝突する蛍光体層(より具体的に
は、蛍光体粒子)の位置は概ね一定である。従って、常
に電子が衝突する蛍光体粒子の劣化が他の蛍光体粒子
比べて著しく、陰極線管よりも蛍光体粒子の劣化の進行
が早い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】本発明の表示用パネルとして、民生用(家
庭用)、産業用(例えば、コンピュータディスプレイ
用)、デジタル放送用あるいはプロジェクション型の陰
極線管の所謂フェースプレート、あるいは又、冷陰極電
界電子放出表示装置を構成するフロントパネル(アノー
ドパネル)を例示することができる。陰極線管のフェー
スプレートは、一般に、ガラスパネル(本発明の表示用
パネルにおける支持体に相当する)、発光性結晶粒子か
ら成り、ガラスパネルの内面にストライプ状あるいはド
ット状に形成された発光層、発光層と発光層との間のガ
ラスパネル内面に形成されたブラックマトリクス、並び
に、発光層及びブラックマトリクス上に形成されたメタ
ルバック膜(本発明の表示用パネルにおける電極に相当
する)から構成されている。また、冷陰極電界電子放出
表示装置のフロントパネル(アノードパネル)は、支持
体、発光性結晶粒子から成り、ストライプ状あるいはド
ット状に形成された発光層(カラー表示用の場合、スト
ライプ状又はドット状にパターニングされた赤(R)、
緑(G)、青(B)の三原色に対応する発光層が交互に
配置されている)、並びに、アノード電極(本発明の表
示用パネルにおける電極に相当する)から構成されてい
る。尚、発光層と発光層との間にブラックマトリクスが
形成されていてもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】本発明の平面型表示装置においては、各電
子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電子放出素子か
ら成り、陰極電界電子放出素子は、(イ)基板と、
(ロ)基板上に設けられたストライプ状のカソード電極
と、(ハ)基板及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート
電極と、(ホ)ゲート電極及び絶縁層を貫通する開口部
と、(ヘ)開口部の底部に位置するカソード電極の部分
の上に設けられた電子放出電極、から成り、開口部の底
部に露出した電子放出電極から電子が放出される構造と
することができる。尚、このような構造を、便宜上、第
1の構造を有する冷陰極電界電子放出素子と呼ぶ。かか
る冷陰極電界電子放出素子の形式として、スピント型
(円錐形の電子放出電極が、開口部の底部に位置するカ
ソード電極の部分の上に設けられた冷陰極電界電子放出
素子)、クラウン型(王冠状の電子放出電極が、開口部
の底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられた
冷陰極電界電子放出素子)、扁平型(略平面の電子放出
電極が、開口部の底部に位置するカソード電極の部分の
上に設けられた冷陰極電界電子放出素子)を挙げること
ができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】あるいは又、本発明の平面型表示装置にお
いては、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電
子放出素子から成り、陰極電界電子放出素子は、
(イ)基板と、(ロ)基板上に設けられたストライプ状
のカソード電極と、(ハ)基板及びカソード電極上に形
成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられたストラ
イプ状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極及び絶縁層を
貫通し、底部にカソード電極が露出した開口部、から成
り、開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電
子を放出する構造とすることができる。尚、このような
構造を、便宜上、第2の構造を有する冷陰極電界電子放
出素子と呼ぶ。かかる冷陰極電界電子放出素子の形式と
して、平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平
面型冷陰極電界電子放出素子、凹凸が形成されたカソー
ド電極の表面の凸部から電子を放出するクレータ型冷陰
極電界電子放出素子を挙げることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】更には、本発明の平面型表示装置において
は、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電子放
出素子から成り、陰極電界電子放出素子は、(イ)基
板と、(ロ)基板の上方に設けられ、エッジ部を有する
ストライプ状のカソード電極と、(ハ)少なくともカソ
ード電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設
けられたストライプ状のゲート電極と、(ホ)少なくと
もゲート電極及び絶縁層を貫通する開口部、から成り、
開口部の底部若しくは側壁に露出したカソード電極のエ
ッジ部から電子を放出する構造とすることができる。
尚、このような構造を、便宜上、第3の構造を有する冷
陰極電界電子放出素子、あるいはエッジ型冷陰極電界電
子放出素子と呼ぶ。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】(実施の形態1)赤色を発光する発光性結
晶粒子としてY22S:Eu、緑色を発光する発光性結
晶粒子としてZnS:Cu,Al、青色を発光する発光
性結晶粒子としてZnS:Ag,Alを試作した。これ
らの3種類の発光性結晶粒子において、発光性結晶粒子
の表面からエネルギー線が侵入する深さ(約0.3μ
m)までの領域における結晶欠陥密度は5×107ケ/
cm2であり、平均粒径は7.6μmであり、表面の平
均粗度は5nm以下であった。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】次に、スピント型電界放出素子の製造方法
を説明する。スピント型電界放出素子の製造方法は、基
本的には、円錐形の電子放出電極16を金属材料の垂直
蒸着により形成する方法である。即ち、開口部15に対
して蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部15の付近に
形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を
利用して、開口部15の底部に到達する蒸着粒子の量を
漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出電極16を自
己整合的に形成する。以下、不要なオーバーハング状の
堆積物の除去を容易とするために、絶縁層13及びゲー
ト電極14上に剥離層17を予め形成しておく方法に基
づくスピント型電界放出素子から成る第1の構造を有す
る電界放出素子を備えた平面型表示装置の製造方法の概
要を、基板等の模式的な一部端面図である図5及び図6
を参照して説明する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】その後、電気化学的プロセス及び湿式プロ
セスによって剥離層17を絶縁層13及びゲート電極1
4の表面から剥離し、絶縁層13及びゲート電極14
の導電体層18を選択的に除去する。その結果、図6の
(B)に示すように、開口部15の底部に位置するカソ
ード電極12上に円錐形の電子放出電極16を残すこと
ができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】[工程−240]次に、図8の(C)に示
すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することに
より行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を行
ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層51
上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部15
の底部に露出したカソード電極12上の導電性組成物層
52の部分のみが残される。この残存した部分が電子放
出電極16Aとなる。電子放出電極16Aの形状は、表
面が開口部15の中央部に向かって窪み、王冠状とな
る。[工程−240]が終了した時点における状態を、
図9に示す。図9の(B)は、電界放出素子の一部を示
す模式的な斜視図であり、図9の(A)は図9の(B)
の線A−Aに沿った模式的な一部端面図である。図9の
(B)では、電子放出電極16Aの全体が見えるよう
に、絶縁層13とゲート電極14との一部を切り欠いて
いる。尚、1つの電子放出領域(重複領域には、5〜
100個程度の電子放出電極16Aを設けることで十分
である。尚、導電性粒子が電子放出電極16Aの表面に
確実に露出するように、電子放出電極16Aの表面に露
出したバインダをエッチングによって除去してもよい。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】[工程−330]次に、ゲート電極14及
び絶縁層13上にエッチング用マスクを形成した後、
ート電極14及び絶縁層13に開口部15を形成し、開
口部15の底部に電子放出電極16Bを露出させる。そ
の後、エッチング用マスクを除去し、電子放出電極16
B中の有機溶剤を除去するために、400゜C、30分
の熱処理を施す。こうして、図10の(C)に示した電
界放出素子を得ることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】電子放出電極を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/程度の強度を有する電界)中に置
かれた状態とすればよい。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正内容】
【0097】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極表面と呼ぶ場合がある)に、
金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成する工
程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若しく
は、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分か
ら成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。ま
た、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄膜
の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜選
択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又はリ
ン(P)を付着させることが望ましく、これによって、
炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができる。
炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリンを
付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又はリ
ンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成長領
域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合物層
に施すことによって化合物層を構成する化合物を分解さ
せ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化合物
としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例示す
ることができる。ホウ素を含む化合物として、トリフェ
ニルボロンを例示することができる。リンを含む化合物
として、トリフェニルフォスフィンを例示することがで
きる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極表面に、金属粒子を付着させ、若しくは、
金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金属薄
膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去する
ことが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表
面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気にお
けるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズマ
法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正内容】
【0099】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極表面に形成した
後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げることが
できる。あるいは又、カソード電極表面に金属粒子を付
着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成長領域を
形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適切な材料
(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属粒子を構
成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソード電極表
面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱することによ
って分解し、以て、表面に金属粒子が付着したカソード
電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を得る方法を
挙げることができる。この場合、具体的には、溶媒と金
属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成長領域を形成
すべきカソード電極表面に形成した後、溶媒を除去し、
金属化合物粒子を残す方法を例示することができる。金
属化合物粒子は、金属粒子を構成する金属のハロゲン化
物(例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物等)、酸化物、
水酸化物及び有機金属から成る群から選択された少なく
とも1種類の材料から成ることが好ましい。尚、これら
の方法においては、適切な段階で、炭素薄膜選択成長領
域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を被覆し
た材料(例えば、マスク層)を除去する。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属薄膜を形成する方法として、例えば、
炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域
以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解メッ
キ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD法
(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD法、
Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を挙げ
ることができる。尚、物理的気相成長法として、(a)
電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各
種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2極スパ
ッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパッタ
法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオ
ンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種スパ
ッタ法、(d)DC(direct current)法、RF法、多陰
極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレー
ティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イ
オンプレーティング法を挙げることができる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正内容】
【0101】ここで、炭素薄膜選択成長領域を形成する
ための金属粒子あるいは金属薄膜は、モリブデン(M
o)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、クロム(C
r)、コバルト(Co)、タングステン(W)、ジルコ
ニウム(Zr)、タンタル(Ta)、鉄(Fe)、銅
(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Zn)から成る群か
ら選択された少なくとも1種類の金属から構成されてい
ることが好ましい。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】[工程−530]次に、開口部15の底部
に露出したカソード電極12上に、電子放出電極16C
を形成する。具体的には、先ず、開口部15の底部に位
置するカソード電極12の部分の表面に炭素薄膜選択成
長領域70を形成する。そのために、先ず、開口部15
の底部の中央部にカソード電極12の表面が露出したマ
スク層71を形成する(図12の(B)参照)。具体的
には、レジスト材料層をスピンコーティング法にて開口
部15内を含む全面に成膜した後、リソグラフィ技術に
基づき、開口部15の底部の中央部に位置するレジスト
材料層に孔部を形成することによって、マスク層71を
得ることができる。マスク層71は、開口部15の底部
に位置するカソード電極12の一部分、開口部15の側
壁、ゲート電極14及び絶縁層13を被覆している。こ
れによって、次の工程で、開口部15の底部の中央部に
位置するカソード電極12の部分の表面に炭素薄膜選択
成長領域を形成するが、カソード電極12とゲート電極
14とが金属粒子によって短絡することを確実に防止し
得る。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】[工程−700]先ず、実施の形態6
[工程−600]〜[工程−620]と略同様にして、
基板11上にストライプ状のカソード電極12を形成
し、全面に絶縁層13を形成した後、ストライプ状のゲ
ート電極14を絶縁層13上に形成する。即ち、例えば
ガラスから成る基板11の上に、スパッタ法により厚さ
約0.2μmのタングステン層を成膜し、通常の手順に
従ってこのタングステン層をストライプ状にパターニン
グし、カソード電極12を形成する。次に、基板11及
びカソード電極12上に絶縁層13を形成する。絶縁層
13は、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガス
として用いるCVD法により形成することができる。更
に、この絶縁層13の上に、例えば厚さ約0.2μmの
クロムから成る導電材料層を成膜し、ストライプ状にパ
ターニングして、ゲート電極14を形成する。ここまで
のプロセスが終了した状態は、実質的に、図14の
(B)に示したと同様である。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正内容】
【0147】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、電子放出領域(重複領
に位置する隆起部から電子が放出される。従って、
隆起部は、機能上、電子放出領域(重複領域にのみ存
在すればよい。但し、たとえ電子放出領域(重複領域
以外の領域に隆起部及び凹部が存在していたとしても、
このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆されたまま、
何ら電子を放出するといった機能を果たさない。従っ
て、球体を全面に配置しても何ら問題は生じない。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正内容】
【0148】これに対して、球体を被覆したカソード電
極、絶縁層及びゲート電極(ゲート電極)の各部分を除
去する場合、個々の球体の配置位置と開口部の形成位置
とが一対一に対応するため、電子放出領域(重複領域
以外の領域にも開口部が形成される。以下、電子放出領
域(重複領域以外の領域に形成される開口部を「無効
開口部」と呼び、電子放出に寄与する本来の開口部と区
別する。ところで、電子放出領域(重複領域以外の領
域に無効開口部が形成されたとしても、この無効開口部
は電界放出素子として何ら機能せず、電子放出領域(
複領域に形成される電界放出素子の動作に何ら悪影響
を及ぼさない。なぜなら、無効開口部の底部に隆起部及
び凹部が露出していても、無効開口部の上端部にゲート
電極が形成されていないからであり、あるいは又、無効
開口部の上端部にゲート電極が形成されていても底部に
隆起部及び凹部が露出していないか、あるいは、無効開
口部の底部に隆起部及び凹部が露出しておらず、しか
も、上端部にゲート電極が形成されておらず、単に基板
の表面が露出しているか、のいずれかであるからであ
る。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じな
い。尚、電子放出領域(重複領域とそれ以外の領域と
の境界線上に形成された孔は、開口部に含まれる。
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0153
【補正方法】変更
【補正内容】
【0153】以下、図17〜図20を参照して、実施の
形態8の電界放出素子の製造方法を説明するが、図17
の(A)、図18の(A)、図19の(A)模式的な
一部端面図であり、図20の(A)及び(B)は模式的
な一部断面図であり、図17の(B)、図18の(B)
及び図19の(B)は、図17の(A)、図18の
(A)及び図19の(A)よりも広い範囲を模式的に示
す一部斜視図である。
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正内容】
【0158】[工程−840]次に、絶縁層13上に、
ストライプ状のゲート電極14を形成する(図20の
(A)参照)。ゲート電極14は、例えばカーボンペー
ストをストライプ状にスクリーン印刷することによって
形成することができる。このときのストライプ状のゲー
ト電極14の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカ
ソード電極112の射影像の延びる方向と90度の角度
を成している。次に、ゲート電極14に含まれる水分や
溶剤を除去し、且つ、ゲート電極14を平坦化するため
に、例えば150゜Cにてゲート電極14を乾燥した
後、ゲート電極14及び絶縁層13を構成する材料を焼
成する。尚、カーボンペーストを用いたスクリーン印刷
に替えて、ゲート電極14を構成する導電材料層を絶縁
層13の全面に形成し、次いで、導電材料層を通常のリ
ソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパター
ニングしてもよい。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0191
【補正方法】変更
【補正内容】
【0191】先ず、ガラスパネル301の内面301A
に感光性被膜310を塗布し、乾燥させた後(図29の
(A)参照)、露光光源(図示せず)から射出され、色
選別機構303に設けられたストライプ状のスリット3
04を通過した紫外線によって、感光性被膜310にス
トライプ状の露光領域311を形成する(図29の
(B)参照)。尚、この露光処理は、赤、緑、青のそれ
ぞれの蛍光体層を形成するために、露光光源の位置をず
らして、3回行う。次いで、感光性被膜310を現像し
て選択的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像後の
感光性被膜)312をガラスパネル301の内面301
Aに残す(図29の(C)参照)。その後、全面にカー
ボン剤を塗布し、リフトオフ法にて感光性被膜の残部3
12及びその上のカーボン剤を除去することによって、
カーボン剤から成るストライプ状のブラックマトリクス
313を形成する(図30の(A)参照)。その後、露
出したガラスパネル301の内面301B(ブラック
トリクス313の間の露出したフェースプレート301
の内面の部分301B)に、赤、緑、青のストライプ状
の各蛍光体層314を形成する(図30の(B)参
照)。具体的には、実施の形態1にて説明した各発光性
結晶粒子(蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子
組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物
(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、更
に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラ
リー)を全面に塗布し、露光、現像すればよい。
【手続補正29】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0197
【補正方法】変更
【補正内容】
【0197】放電維持電極413が延びる方向とアドレ
ス電極422が延びる方向とは90度の角度を成してお
り、対の放電維持電極413と、3原色を発光する蛍
光体層424R,424G,424Bの1組とが重複す
る領域が1画素に相当する。グロー放電が一対の放電維
持電極413間で生じることから、このタイプのプラズ
マ表示装置は「面放電型」と称される。放電セルにおい
ては、希ガス中でのグロー放電に基づき発生した真空紫
外線の照射によって励起された蛍光体層が、蛍光体材料
の種類に応じた特有の発光色を呈する。尚、封入された
希ガスの種類に応じた波長を有する真空紫外線が発生す
る。希ガスとして、He(共鳴線の波長=58.4n
m)、Ne(同74.4nm)、Ar(同107n
m)、Kr(同124nm)、Xe(同147nm)を
単独で用いるか、又は混合して用いることが可能である
が、ペニング効果による放電開始電圧の低下が期待でき
る混合ガスが特に有用である。かかる混合ガスとして
は、Ne−Ar混合ガス、He−Xe混合ガス、Ne−
Xe混合ガスを挙げることができる。尚、これらの希ガ
スの中でも最も長い共鳴線波長を有するXeは、波長1
72nmの強い真空紫外線も放射するので、好適な希ガ
スである。
【手続補正30】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0199
【補正方法】変更
【補正内容】
【0199】更には、冷陰極電界電子放出素子の製造に
おいて使用した各種材料も例示であり、適宜変更するこ
とができる。冷陰極電界電子放出素子においては、専ら
1つの開口部に1つの電子放出電極が対応する形態を説
明したが、冷陰極電界電子放出素子の構造に依っては、
1つの開口部に複数の電子放出電極が対応した形態、あ
るいは、複数の開口部に1つの電子放出電極が対応する
形態とすることもできる。
【手続補正31】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1における平面型表示装置の
模式的な一部端面図である。
【図2】蛍光体層がマトリクス状に配置された表示用パ
ネルの模式的な平面図、及び、模式的な一部断面図であ
る。
【図3】蛍光体層がストライプ状に配置された表示用パ
ネルの模式的な平面図、及び、模式的な一部断面図であ
る。
【図4】表示用パネルの製造方法の一例を説明するため
の支持体等の模式的な一部端面図である。
【図5】スピント型電界放出素子から成る第1の構造を
有する実施の形態1の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図6】図5に引き続き、スピント型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態1の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図7】クラウン型電界放出素子から成る第1の構造を
有する実施の形態2の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図8】図7に引き続き、クラウン型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態2の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図9】図8に引き続き、クラウン型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態2の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図10】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態3の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図11】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態4の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図12】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する実施の形態5の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部端面図である。
【図13】図12に引き続き、扁平型電界放出素子から
成る第1の構造を有する実施の形態5の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図14】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態6の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図15】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の変形例の模式的な一部断面図であ
る。
【図16】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の別の変形例の模式的な一部断面図で
ある。
【図17】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態8の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部端面図、及び、部分的な斜
視図である。
【図18】図17に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図19】図18に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図20】図19に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態8の電界放出素子の
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部断面図
である。
【図21】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態9の電界放出素子の製造方法を説明する
ための基板等の模式的な一部断面図である。
【図22】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態10の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図23】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する実施の形態11の電界放出素子の製造方法を説明す
るための基板等の模式的な一部端面図である。
【図24】図23に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する実施の形態11の電界放出素子
の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面
図である。
【図25】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する実施の形態12の電界放出素子の模式的な一部断
面図である。
【図26】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する実施の形態12の電界放出素子の製造方法を説明
するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図27】カラー受像管用ガラスバルブの一部を切り欠
いた模式図である。
【図28】アパーチャーグリル型の色選別機構の模式的
な斜視図である。
【図29】カラー受像管用ガラスバルブの製造工程を説
明するためのフェースプレート等の模式的な一部端面図
である。
【図30】図29に引き続き、カラー受像管用ガラスバ
ルブの製造工程を説明するためのフェースプレート等の
模式的な一部端面図である。
【図31】プラズマ表示装置の概念的な分解斜視図であ
る。
【図32】加速電圧を31.5キロボルトとし、蛍光体
層をZnSから構成したときの、蛍光体層に入射した電
子のエネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの
関係をベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーショ
ンを行った結果を示すグラフである。
【図33】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
nSから構成したときの、蛍光体層に入射した電子のエ
ネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの関係を
ベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーションを行
った結果を示すグラフである。
【図34】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
nSから構成したときの、蛍光体層に入射した電子のエ
ネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さの関係を
ベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーションを行
った結果を示すグラフである。
【図35】加速電圧を6キロボルトとし、蛍光体層をZ
n及びZnSから構成したときの、蛍光体層に入射した
電子のエネルギー損失と、蛍光体層への電子の侵入深さ
の関係をベーテの式に基づきモンテカルロシミュレーシ
ョンを行った結果を示すグラフである。
【手続補正32】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 10・・・背面パネル、11・・・基板、11A・・・
凹部、12,112,212・・・カソード電極、11
2A・・・隆起部、112B・・・凹部、112C・・
・先端部、212A・・・エッジ部、13,13A,1
3B,113・・・絶縁層、14,14A,14B,1
14・・・ゲート電極、15,15A,15B・・・開
口部、16,16A,16B・・・電子放出電極、20
・・・表示用パネル、21・・・支持体、22,22
R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・ブラッ
クマトリクス、24,25・・・アノード電極、31・
・・カソード電極駆動回路、32・・・ゲート電極駆動
回路、33・・・加速電源(アノード電極駆動回路)、
40・・・感光性被膜、41・・・感光領域、42・・
・感光性被膜の残部、43・・・マスク、44・・・孔
部、51・・・剥離層、52・・・導電性組成物層、6
0・・・抵抗体層、70・・・炭素薄膜選択成長領域、
71・・・マスク層、72・・・金属粒子、73・・・
炭素薄膜、80,180・・・球体、180A・・・芯
材、180B・・・表面処理層、81・・・組成物層、
81A・・・分散媒、81B・・・カソード電極材料、
90・・・レジスト層、90A・・・レジスト開口部、
300・・・カラー受像管用ガラスバルブ、301・・
・フェースプレート、301A・・・フェースプレート
の内面、302・・・ファンネル、303・・・色選別
機構、304・・・スリット、305・・・フレーム部
材、306・・・取付具、307・・・テンションバン
ド、310・・・感光性被膜、311・・・露光領域、
312・・・感光性被膜の残部、313・・・ブラック
マトリクス、314・・・蛍光体層、410・・・フロ
ントパネル、411・・・第1の基板、412・・・バ
ス電極、413・・・放電維持電極、414・・・保護
層、420・・・リアパネル、424・・・蛍光体層、
421・・・第2の基板、422・・・アドレス電極、
423・・・誘電体膜、425・・・隔壁
【手続補正33】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正34】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B 29/20 29/20 31/12 31/12 C

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エネルギー線の照射によって発光する発光
    性結晶粒子であって、 発光性結晶粒子の表面からエネルギー線が侵入する深さ
    までの領域における結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2
    以下であることを特徴とする発光性結晶粒子。
  2. 【請求項2】発光性結晶粒子の表面からエネルギー線が
    侵入する深さまでの領域における結晶欠陥密度が1×1
    7ケ/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の発光性結晶粒子。
  3. 【請求項3】発光性結晶粒子は蛍光体粒子であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光性結晶粒
    子。
  4. 【請求項4】エネルギー線は電子線ビームであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載
    の発光性結晶粒子。
  5. 【請求項5】発光性結晶粒子を照射する電子線ビームの
    エネルギーは0.5keV乃至35keVであることを
    特徴とする請求項4に記載の発光性結晶粒子。
  6. 【請求項6】発光性結晶粒子を照射する電子線ビームの
    エネルギーは0.5keV乃至10keVであり、 発光性結晶粒子の表面から電子線ビームが侵入する深さ
    は0.5μm以下であることを特徴とする請求項4に記
    載の発光性結晶粒子。
  7. 【請求項7】エネルギー線は紫外線であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発光
    性結晶粒子。
  8. 【請求項8】発光性結晶粒子を照射する紫外線の波長は
    100nm乃至400nmであることを特徴とする請求
    項7に記載の発光性結晶粒子。
  9. 【請求項9】平均粒径が1×10-8m乃至1×10-5
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれ
    か1項に記載の発光性結晶粒子。
  10. 【請求項10】表面の平均粗度が5nm以下であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記
    載の発光性結晶粒子。
  11. 【請求項11】支持体、真空空間中から飛来した電子の
    照射によって発光する発光性結晶粒子から成る発光層、
    及び、電極から成る表示用パネルであって、 発光性結晶粒子の表面から電子が侵入する深さまでの領
    域における結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2以下であ
    ることを特徴とする表示用パネル。
  12. 【請求項12】表示用パネルと、複数の電子放出領域を
    有する背面パネルとが真空空間を挟んで対向配置されて
    成る平面型表示装置であって、 表示用パネルは、支持体、電子放出領域から飛来した電
    子の照射によって発光する発光性結晶粒子から成る発光
    層、及び、電極から成り、 発光性結晶粒子の表面から電子が侵入する深さまでの領
    域における結晶欠陥密度が5×107ケ/cm2以下であ
    ることを特徴とする平面型表示装置。
  13. 【請求項13】各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (イ)基板と、 (ロ)基板上に設けられたストライプ状のカソード電極
    と、 (ハ)基板及びカソード電極上に形成された絶縁層と、 (ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート電極
    と、 (ホ)ゲート電極及び絶縁層を貫通する開口部と、 (ヘ)開口部の底部に位置するカソード電極の部分の上
    に設けられた電子放出電極、から成り、 開口部の底部に露出した電子放出電極から電子が放出さ
    れることを特徴とする請求項12に記載の平面型表示装
    置。
  14. 【請求項14】各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (イ)基板と、 (ロ)基板上に設けられたストライプ状のカソード電極
    と、 (ハ)基板及びカソード電極上に形成された絶縁層と、 (ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート電極
    と、 (ホ)ゲート電極及び絶縁層を貫通し、底部にカソード
    電極が露出した開口部、から成り、 開口部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を
    放出することを特徴とする請求項12に記載の平面型表
    示装置。
  15. 【請求項15】各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極
    電界電子放出素子から成り、 各冷陰極電界電子放出素子は、 (イ)基板と、 (ロ)基板の上方に設けられ、エッジ部を有するストラ
    イプ状カソード電極と、 (ハ)少なくともカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート電極
    と、 (ホ)少なくともゲート電極及び絶縁層を貫通する開口
    部、から成り、 開口部の底部若しくは側壁に露出したカソード電極のエ
    ッジ部から電子を放出することを特徴とする請求項12
    に記載の平面型表示装置。
  16. 【請求項16】エネルギー線の照射によって発光する発
    光性結晶粒子であって、発光性結晶粒子の表面からエネ
    ルギー線が侵入する深さまでの領域における結晶欠陥密
    度が5×107ケ/cm2以下である発光性結晶粒子を分
    散媒中に分散させて成ることを特徴とする発光性結晶粒
    子組成物。
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