JP2002208346A - 冷陰極電界電子放出素子の製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出素子の製造方法

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JP2002208346A
JP2002208346A JP2001103065A JP2001103065A JP2002208346A JP 2002208346 A JP2002208346 A JP 2002208346A JP 2001103065 A JP2001103065 A JP 2001103065A JP 2001103065 A JP2001103065 A JP 2001103065A JP 2002208346 A JP2002208346 A JP 2002208346A
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Kazuto Kimura
和人 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷陰極電界電子放出素子を、簡便、且つ、量産
性に優れたプロセスにより精度良く製造し得る方法を提
供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体10上にカソード電極11を形成する工程
と、(B)少なくともカソード電極11上に球体40を
配置する工程と、(C)カソード電極11、支持体10
及び球体40を絶縁層12によって被覆する工程と、
(D)絶縁層12上にゲート電極13を形成する工程
と、(E)球体40を除去し、以て、ゲート電極13及
び絶縁層12に開口部14を形成し、且つ、開口部14
の底部にカソード電極11を露出させる工程を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真空中に置かれた金属や半導体等に或る
閾値以上の強さの電界を与えると、金属や半導体の表面
近傍のエネルギー障壁を電子が量子トンネル効果によっ
て通過し、常温でも真空中に電子が放出されるようにな
る。かかる原理に基づく電子放出は、冷陰極電界電子放
出、あるいは単に電界放出(フィールド・エミッショ
ン)と呼ばれる。近年、この電界放出の原理を画像表示
に応用した平面型の冷陰極電界電子放出表示装置、所謂
フィールド・エミッション・ディスプレイ(FED)が
提案されており、高輝度、低消費電力等の長所を有する
ことから、従来の陰極線管(CRT)に代わる画像表示
装置として期待されている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単
に、表示装置と呼ぶ場合がある)は、一般に、2次元マ
トリックス状に配列され、各画素に対応した電子放出領
域を有するカソードパネルと、電子放出領域から放出さ
れた電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層を
有するアノードパネルとが、真空層を挟んで対向配置さ
れた構成を有する。各電子放出領域には、通常、複数の
電子放出部が形成され、更に、電子放出部から電子を引
き出すためのゲート電極が形成されている。電子の放出
に関与する最小構造単位(ここでは、電子放出部とゲー
ト電極を有する部分)が冷陰極電界電子放出素子(以
下、単に、電界放出素子と呼ぶ場合がある)である。
【0004】かかる従来の電界放出素子の代表例の1つ
として、電子放出部を円錐形の導電体で構成した、所謂
スピント(Spindt)型電界放出素子が知られてい
る。スピント型電界放出素子を組み込んだ表示装置の概
念図を、図53に示す。この表示装置は、カソードパネ
ルCPとアノードパネルAPとが、0.1mm〜1mm
程度の距離を隔てて対向配置された構成を有し、両パネ
ルの間の空間が真空とされている。スピント型電界放出
素子は、カソードパネルCP上に形成されており、支持
体10上に形成されたカソード電極11と、カソード電
極11及び支持体10上に形成された絶縁層12と、絶
縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極
13及び絶縁層12に設けられた開口部14と、開口部
14の底部に位置するカソード電極11上に形成された
円錐形の電子放出部15から構成されている。ゲート電
極13とカソード電極11とは、互いに異なる方向に各
々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射
影像が重複する領域(以下、重複領域と呼ぶ場合があ
る)に、通常、複数のスピント型電界放出素子が形成さ
れている。カソード電極11の射影像の延びる方向とゲ
ート電極13の射影像の延びる方向は、通常、90度の
角度を成す。重複領域(電子放出領域)は、カソードパ
ネルCPの有効領域(実際の表示画面として機能する領
域)内に、通常、2次元マトリックス状に配列されてい
る。
【0005】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に設けられた蛍光体層21と、蛍光体層
21上に設けられたアノード電極23から構成されてい
る。図53では、カラー表示装置を想定してストライプ
状又はドット状にパターニングされた蛍光体層21を示
すが、単色表示の表示装置については、蛍光体層21は
特にパターニングされていなくともよい。尚、パターニ
ングされた蛍光体層21間の隙間は、表示画面のコント
ラスト向上を目的としたブラックマトリックス22で埋
め込まれている。単色表示装置における各画素(カラー
表示装置では各サブピクセル)は、カソードパネルCP
側において重複領域に形成されたスピント型電界放出素
子の一群と、これらのスピント型電界放出素子の一群に
対面したアノードパネルAP側の蛍光体層21とによっ
て構成されている。表示装置の有効領域には、かかる画
素が、例えば数十万個ものオーダーにて配列されてい
る。
【0006】カソード電極11とゲート電極13との間
に或る電位差を与えると、電子放出部15の近傍に生じ
た電界によって電子放出部15の先端から電子が、量子
トンネル効果に基づき放出される。スピント型電界放出
素子における電子放出部15の鋭く尖った先端形状は、
低い駆動電圧で大きな放出電子電流を得る上で効果的な
形状である。放出された電子は、アノードパネルAP側
のアノード電極23に引き付けられ、アノード電極23
と基板20との間に形成された発光体層である蛍光体層
21に衝突する。その結果、蛍光体層21が励起されて
発光し、所望の画像を得ることができる。この電界放出
素子の動作は、基本的には、ゲート電極13及びカソー
ド電極11に印加される電圧によって制御される。
【0007】かかるスピント型電界放出素子の製造方法
の概要を、以下、図54及び図55を参照して説明す
る。この製造方法は、基本的には、円錐形の電子放出部
15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法である。
即ち、開口部14に対して蒸着粒子は垂直に入射する
が、開口部14の端部の付近に形成されるオーバーハン
グ状の堆積物による遮蔽効果を利用して、開口部14の
底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積
物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここ
では、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易と
するために、絶縁層12及びゲート電極13上に剥離層
17を予め形成しておく方法について説明する。
【0008】[工程−10]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上にニオブ(Nb)から成るカソード
電極11を形成した後、全面にSiO2から成る絶縁層
12を形成し、更に絶縁層12上に導電材料から成るス
トライプ状のゲート電極13を形成する。次に、ゲート
電極13及び絶縁層12に、エッチング用マスクとして
機能するレジスト層16をリソグラフィ技術によって形
成する(図54の(A)参照)。その後、RIE(反応
性イオン・エッチング)法にてゲート電極13、絶縁層
12に開口部14を形成する。開口部14の底部にカソ
ード電極11が露出している。その後、レジスト層16
をアッシング技術によって除去する。こうして、図54
の(B)に示す構造を得ることができる。
【0009】[工程−20]次に、アルミニウムを斜め
蒸着することにより、剥離層17を形成する。このと
き、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分
に大きく選択することにより、開口部14の底部にアル
ミニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及
び絶縁層12上に剥離層17を形成することができる。
この剥離層17は、開口部14の開口端部から庇状に張
り出しており、これにより開口部14が実質的に縮径さ
れる(図54の(C)参照)。
【0010】[工程−30]次に、全面に例えばモリブ
デン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図55の
(A)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有する導電材料層18が成長するに伴い、開口部1
4の実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部14
の底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口
部14の中央付近を通過するものに限られるようにな
る。その結果、開口部14の底部には円錐形の堆積物が
形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15とな
る。
【0011】[工程−40]その後、電気化学的プロセ
ス及び湿式プロセスによって剥離層17を絶縁層12及
びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及びゲ
ート電極13の上方の導電材料層18を選択的に除去す
る。その結果、図55の(B)に示すように、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子
放出部15を残すことができる。次いで、絶縁層12を
等方的にエッチングし、ゲート電極13の開口部端部を
露出させることが好ましい(図55の(C)参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図55の
(C)に示した構造を有する電界放出素子の電子放出特
性は、開口部14の上端部を成すゲート電極13の縁部
13Aから電子放出部15の先端部までの距離に大きく
依存する。この距離は、通常、サブミクロンのオーダー
であり、開口部14の形状の加工精度や直径の寸法精度
に大きく依存する。しかしながら、実際に大面積の支持
体全体に亙って膨大な数の開口部をリソグラフィ技術及
びドライエッチング技術に基づき形成することは、煩雑
な作業である。
【0013】また、リソグラフィ技術においては、微細
な開口部を形成するために、ステッパ露光装置や一括露
光(プロキシミティ)露光装置を使用する必要がある
が、前者の露光装置においては、高精度の位置合わせや
装置精度が要求され、高精度の露光用マスクも必要とさ
れ、表示装置の製造コストの上昇につながるといった問
題がある。更には、露光、現像、剥離等のプロセス数が
多く、スループットも長いし、露光原理から表示装置の
大型化には困難を伴う。後者の露光装置においては、光
の拡散や露光用マスク、レジスト材料に起因して、10
μm以下の開口部を形成することは困難である。更に
は、露光、現像、剥離等のプロセス数が多く、スループ
ットも長いし、均一性確保のための温度管理や基板のう
ねり等の管理も難しく、表示装置の大型化には困難を伴
う。
【0014】電界放出素子の製造において、球体を用い
て絶縁層及びゲート電極に開口部を形成する方法が、例
えば、特開平8−77917号公報あるいは特開平8−
77918号公報から公知である。これらの特許公開公
報に開示された方法においては、支持体上に電子放出部
を形成した後、全面に球体を配置し、次いで、電子放出
部、支持体及び球体上に絶縁層を形成し、更に、その上
にゲート電極を形成する。しかしながら、球体は絶縁層
で被覆された状態とはなっておらず、例えば、電子放出
部上に形成された絶縁層と、球体上に形成された絶縁層
とは、不連続な状態にある。球体は、ペイントブラシの
ようなブラシで最終的に除去される程度の力でしか、電
子放出部上に止まっていない。従って、電界放出素子の
製造工程によっては、絶縁層を形成した後に、球体が電
子放出部から脱離あるいは脱落してしまう虞がある。ま
た、球体の分布密度が増すと、球体の凝集が生じ、この
ような場合、球体の凝集形状(輪郭)に応じて変形した
開口部が形成されてしまう。
【0015】従って、本発明の目的は、冷陰極電界電子
放出素子を、簡便、且つ、量産性に優れたプロセスによ
り精度良く製造し得る方法、より具体的には、冷陰極電
界電子放出素子における電子放出孔である微細な開口部
等の形成を、リソグラフィ技術を用いることなく、簡
便、且つ、量産性に優れたプロセスにより精度良く形成
する方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出素子
の製造方法は、(A)支持体上にカソード電極を形成す
る工程と、(B)少なくともカソード電極上に球体を配
置する工程と、(C)カソード電極、支持体及び球体を
絶縁層によって被覆する工程と、(D)絶縁層上にゲー
ト電極を形成する工程と、(E)球体を除去し、以て、
ゲート電極及び絶縁層に開口部を形成し、且つ、開口部
の底部にカソード電極を露出させる工程、を備えている
ことを特徴とする。
【0017】本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法(以下、本発明の第1の態様に係る
製造方法と略称する場合がある)にあっては、工程
(C)において、カソード電極、支持体及び球体が絶縁
層によって被覆されるので、それ以降の工程で球体が脱
離あるいは脱落することを確実に防止することができ
る。しかも、球体を例えば散布することによって配置す
ることで、最終的に開口部を形成することができるの
で、冷陰極電界電子放出素子を、簡便、且つ、量産性に
優れたプロセスにより精度良く製造することができる。
【0018】尚、「少なくともカソード電極上に球体を
配置する」とは、工程(D)においてゲート電極が形成
されたとき、ゲート電極とカソード電極の重複領域に位
置するカソード電極の部分の上に球体が配置されている
ことが保証されていればよいことを意味し、球体の配置
方法にも依るが、カソード電極の全面、あるいは、支持
体上及びカソード電極上の全面に球体が配置されていて
もよい。
【0019】本発明の第1の態様に係る製造方法にあっ
ては、前記工程(B)において、少なくともカソード電
極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融させるこ
とが好ましい。このように、球体を部分的に溶融させる
ことによって、球体が少なくともカソード電極上に一種
の仮止めされるだけでなく、球体の底部近傍とカソード
電極表面との間に隙間が無くなり、最終的に開口部を形
成したとき、開口部の底部にカソード電極を確実に露出
させることができる。
【0020】本発明の第1の態様に係る製造方法におい
ては、前記工程(D)に引き続き、球体の上方に位置す
る絶縁層及びゲート電極の一部、並びに、球体の上部を
除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含む構成と
することができる。このような構成にすることによっ
て、工程(E)における球体の除去を容易に行うことが
できるばかりか、カソード電極表面からのゲート電極に
形成された開口部の端部の高さの均一化、ゲート電極に
形成された開口部の直径の均一化を図ることができる。
【0021】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、
(A)支持体上にカソード電極を形成する工程と、
(B)カソード電極及び支持体上に第1の絶縁層を形成
する工程と、(C)第1の絶縁層上にゲート電極を形成
する工程と、(D)少なくともゲート電極上に球体を配
置する工程と、(E)ゲート電極、第1の絶縁層及び球
体を第2の絶縁層によって被覆する工程と、(F)球体
を除去し、以て、第2の絶縁層に貫通孔を形成し、且
つ、貫通孔の底部にゲート電極を露出させる工程と、
(G)貫通孔が形成された第2の絶縁層をエッチング用
マスクとして用いて、ゲート電極及び第1の絶縁層をエ
ッチングし、以て、貫通孔と連通した開口部をゲート電
極及び第1の絶縁層に形成し、且つ、開口部の底部にカ
ソード電極を露出させる工程、を備えていることを特徴
とする。
【0022】本発明の第2の態様に係る冷陰極電界電子
放出素子の製造方法(以下、本発明の第2の態様に係る
製造方法と略称する場合がある)にあっては、工程
(E)において、ゲート電極、第1の絶縁層及び球体が
絶縁層によって被覆されるので、それ以降の工程で球体
が脱離あるいは脱落することを確実に防止することがで
きる。しかも、球体を例えば散布することによって配置
することで、最終的に開口部を形成することができるの
で、冷陰極電界電子放出素子を、簡便、且つ、量産性に
優れたプロセスにより精度良く製造することができる。
【0023】尚、「少なくともゲート電極上に球体を配
置する」とは、カソード電極とゲート電極の重複領域に
位置するゲート電極の部分の上に球体が配置されること
が保証されていればよいことを意味し、球体の配置方法
にも依るが、ゲート電極の全面、あるいは、第1の絶縁
層上及びゲート電極上の全面に球体が配置されていても
よい。
【0024】本発明の第2の態様に係る製造方法におい
ては、最終的に第2の絶縁層を残したままとしてもよ
い。あるいは又、前記工程(G)に引き続き、(H)第
2の絶縁層を除去する工程を更に含む構成とすることも
できる。尚、このような構成の本発明の第2の態様に係
る製造方法を、便宜上、本発明の第2Aの態様に係る製
造方法と呼ぶ。最終的に第2の絶縁層を残したままとす
れば、かかる第2の絶縁層は、電子放出部から放出され
た電子が、対向する蛍光体層以外の蛍光体層に入射し、
所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防
止する機能を有する。尚、本発明の第2Aの態様に係る
電界放出素子の製造方法において、場合によっては、第
2の絶縁層の代わりに導電材料等から成るマスク層を用
いることもできる。即ち、本発明の第2Aの態様に係る
電界放出素子の製造方法を採用する場合には、広くは、
第2の絶縁層の代わりに、ゲート電極、第1の絶縁層及
び球体をマスク層によって被覆すればよい。そして、球
体を除去し、以て、マスク層に貫通孔を形成し、且つ、
貫通孔の底部にゲート電極を露出させればよい。マスク
層は、第1の絶縁層及びゲート電極に損傷を与えること
なく除去できる材料であれば、如何なる材料から構成す
ることもできる。
【0025】あるいは又、本発明の第2の態様に係る製
造方法においては、前記工程(E)に引き続き、第2の
絶縁層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含み、
前記(F)においては、球体を除去し、以て、フォーカ
ス電極及び第2の絶縁層に貫通孔を形成し、且つ、貫通
孔の底部にゲート電極を露出させ、前記工程(G)にお
いては、貫通孔が形成されたフォーカス電極をエッチン
グ用マスクとして用いて、ゲート電極及び第1の絶縁層
をエッチングし、以て、貫通孔と連通した開口部をゲー
ト電極及び第1の絶縁層に形成し、且つ、開口部の底部
にカソード電極を露出させる構成とすることもできる。
尚、このような構成の本発明の第2の態様に係る製造方
法を、便宜上、本発明の第2Bの態様に係る製造方法と
呼ぶ。
【0026】ここで収束電極とは、開口部から放出され
アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以
て、輝度の向上や隣接画素間の色濁りの防止を可能とす
るための電極であり、アノード電極とカソード電極との
間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、カソー
ドパネルとアノードパネルとの間の距離が比較的長い、
所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置を想定
した場合に、特に有効な部材である。
【0027】あるいは又、本発明の第2の態様に係る製
造方法においては、前記工程(F)に引き続き、第2の
絶縁層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含む構
成とすることもできる。尚、このような構成の本発明の
第2の態様に係る製造方法を、便宜上、本発明の第2C
の態様に係る製造方法と呼ぶ。フォーカス電極の形成
は、例えば、斜め蒸着法にて行えばよい。
【0028】あるいは又、本発明の第2の態様に係る製
造方法においては、前記工程(G)に引き続き、第2の
絶縁層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含む構
成とすることもできる。尚、このような構成の本発明の
第2の態様に係る製造方法を、便宜上、本発明の第2D
の態様に係る製造方法と呼ぶ。フォーカス電極の形成
は、例えば、斜め蒸着法にて行えばよい。
【0029】本発明の第2Aの態様〜第2Dの態様を含
む本発明の第2の態様に係る製造方法にあっては、前記
工程(D)において、少なくともゲート電極上に球体を
配置した後、球体を部分的に溶融させることが好まし
い。このように、球体を部分的に溶融させることによっ
て、球体が少なくともゲート電極上に一種の仮止めされ
るだけでなく、球体の底部近傍とゲート電極表面との間
に隙間が無くなり、貫通孔を形成したとき、貫通孔の底
部にゲート電極を確実に露出させることができる。
【0030】本発明の第2Aの態様、第2Cの態様、第
2Dの態様を含む本発明の第2の態様に係る製造方法に
おいては、前記工程(E)に引き続き、球体の上方に位
置する第2の絶縁層の一部、並びに、球体の上部を除去
し、球体の一部を露出させる工程を更に含む構成とする
ことができる。また、本発明の第2Bの態様に係る製造
方法においては、フォーカス電極を形成した後、球体の
上方に位置する第2の絶縁層及びフォーカス電極の一
部、並びに、球体の上部を除去し、球体の一部を露出さ
せる工程を更に含む構成とすることができる。このよう
な構成にすることによって、工程(F)における球体の
除去を容易に行うことができるばかりか、ゲート電極表
面からの第2の絶縁層やフォーカス電極に形成された貫
通孔の端部の高さの均一化、第2の絶縁層やフォーカス
電極に形成された貫通孔の直径の均一化を図ることがで
きる。
【0031】本発明の第1の態様に係る製造方法、本発
明の第2Aの態様〜第2Dの態様を含む本発明の第2の
態様に係る製造方法(以下、これらを総称して、単に、
本発明の製造方法と呼ぶ場合がある)においては、開口
部の底部に露出したカソード電極が電子放出部に相当す
る構成とすることができる。尚、このような構造を有す
る冷陰極電界電子放出素子を第1の構造を有する冷陰極
電界電子放出素子と呼び、具体的には、平坦なカソード
電極の表面から電子を放出する平面型冷陰極電界電子放
出素子、凹凸が形成されたカソード電極の表面の凸部か
ら電子を放出するクレータ型冷陰極電界電子放出素子を
挙げることができる。
【0032】あるいは又、本発明の製造方法において
は、前記工程(A)において、支持体上にカソード電極
を形成し、併せて、カソード電極上に電子放出部を形成
する構成とすることができる。尚、このような構造を有
する冷陰極電界電子放出素子を第2の構造を有する冷陰
極電界電子放出素子と呼び、具体的には、クラウン型
(王冠状の電子放出部が、孔部の底部に位置するカソー
ド電極上に設けられた冷陰極電界電子放出素子)、扁平
型(略平面の電子放出部が、孔部の底部に位置するカソ
ード電極上に設けられた冷陰極電界電子放出素子)を挙
げることができる。
【0033】あるいは又、 本発明の第1の態様に係る製造方法においては、前
記工程(E)に引き続き、 本発明の第2Bの態様、第2Cの態様を含む本発明
の第2の態様に係る製造方法においては、前記工程
(G)に引き続き、 本発明の第2Aの態様に係る製造方法においては、
前記工程(G)と前記工程(H)との間で、若しくは、
前記工程(H)に引き続き、また、 本発明の第2Dの態様に係る製造方法においては、
前記工程(G)とフォーカス電極を形成する工程との間
で、若しくは、フォーカス電極を形成する工程の後、 開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を
形成する工程を更に含む構成とすることができる。尚、
このような構造を有する冷陰極電界電子放出素子を第3
の構造を有する冷陰極電界電子放出素子と呼び、具体的
には、スピント型(円錐形の電子放出部が、孔部の底部
に位置するカソード電極上に設けられた冷陰極電界電子
放出素子)あるいは、扁平型冷陰極電界電子放出素子を
挙げることができる。
【0034】あるいは又、 本発明の第1の態様に係る製造方法においては、前
記工程(E)に引き続き、 本発明の第2Bの態様、第2Cの態様を含む本発明
の第2の態様に係る製造方法においては、前記工程
(G)に引き続き、 本発明の第2Aの態様に係る製造方法においては、
前記工程(G)と前記工程(H)との間で、若しくは、
前記工程(H)に引き続き、また、 本発明の第2Dの態様に係る製造方法においては、
前記工程(G)とフォーカス電極を形成する工程との間
で、若しくは、フォーカス電極を形成する工程の後、 開口部の底部に露出したカソード電極に孔部を形成する
工程を更に含み、カソード電極に形成された孔部の端部
が電子放出部に相当する構成とすることができる。尚、
このような構造を有する冷陰極電界電子放出素子を第4
の構造を有する冷陰極電界電子放出素子と呼び、具体的
には、エッジ型冷陰極電界電子放出素子を挙げることが
できる。
【0035】尚、冷陰極電界電子放出表示装置は、
(1)本発明の製造方法によって得られた複数の冷陰極
電界電子放出素子が支持体上に形成されて成るカソード
パネルと、(2)基板と、冷陰極電界電子放出素子から
放出された電子によって発光する蛍光体層と、電子を蛍
光体層に向かって誘導するためのアノード電極から成る
アノードパネル、とが真空層を挟んで対向配置された構
造、即ち、カソードパネルとアノードパネルとがそれら
の周縁部で接合され、カソードパネルとアノードパネル
との間の空間が真空にされた構造を有する。
【0036】ゲート電極とカソード電極とは異なる方向
(例えば、ストライプ状のゲート電極の射影像とストラ
イプ状のカソード電極の射影像とが成す角度が90度)
に延びており、ゲート電極の射影像とカソード電極の射
影像とが重複する重複領域に位置する冷陰極電界電子放
出素子の電子放出部から電子が放出される構成とするこ
とが好ましい。カソード電極に相対的な負電圧を印加
し、ゲート電極に相対的な正電圧を印加し、アノード電
極にゲート電極よりも更に高い正電圧を印加する。電子
は、列選択されたカソード電極と行選択されたゲート電
極(あるいは、行選択されたカソード電極と列選択され
たゲート電極)との重複領域に位置する冷陰極電界電子
放出素子を構成する電子放出部から選択的に真空層中へ
放出され、アノード電極へ向かって加速され、アノード
パネル上の蛍光体層に衝突して、蛍光体層を励起・発光
させる。
【0037】本発明の製造方法においては、球体の状態
変化及び/又は化学変化によって球体を除去することが
好ましい。ここで、球体の状態変化及び/又は化学変化
とは、膨張、昇華、発泡、ガス発生、分解、燃焼、炭化
等の変化若しくはこれらの組合せを意味する。例えば、
球体が有機材料から成る場合、球体を燃焼させることに
よって除去することが一層好ましい。尚、本発明の第1
の態様に係る製造方法における球体の除去と、球体を被
覆したゲート電極及び絶縁層の部分の除去、あるいは、
本発明の第2の態様に係る製造方法における球体の除去
と、球体を被覆した第2の絶縁層の部分の除去は、必ず
しも同時に起こらなくてもよい。例えば、球体を被覆し
たゲート電極及び絶縁層の部分、あるいは、第2の絶縁
層の部分(これらの部分を総称して、絶縁層等の部分と
呼ぶ場合がある)を除去した後に球体の一部が残存して
いる場合、残存した球体の除去を後から行えばよい。
【0038】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を除去する工程において、球体を例えば燃焼させると、
例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気が発生し、球
体近傍の閉鎖空間の圧力が高まり、球体近傍の絶縁層等
は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の勢
いによって、球体を被覆した絶縁層等の部分が飛散し、
開口部や貫通孔が形成され、しかも、球体が除去され
る。即ち、本発明の製造方法において、球体を除去する
以前には開口部や貫通孔が存在せず、球体の除去に伴っ
て開口部や貫通孔が形成される。このとき、球体の燃焼
の初期過程は閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は
炭化する可能性もある。本発明の製造方法においては、
球体を被覆した絶縁層等の部分の厚さを、破裂によって
飛散し得る程度に薄くすることが好ましい。
【0039】本発明の製造方法において、球体の一部を
露出させた場合には、場合によっては、球体を外力によ
って除去することが可能である。ここで、外力とは、空
気又は不活性ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、
磁気吸引力、静電気力、遠心力等の物理的な力である。
あるいは又、この場合、球体を溶解する溶液に球体を浸
漬することによって、球体を除去することもできる。
【0040】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、球体を燃
焼によって除去する場合、重合度が極端に大きかった
り、多重結合含有量が極端に多い高分子材料では、燃焼
温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体の除去時、カソー
ド電極や絶縁層、ゲート電極、第2の絶縁層に悪影響が
及ぶ虞がある。それ故、これらに対する悪影響が生じる
虞のない温度にて燃焼若しくは炭化させることが可能な
高分子材料を選択することが好ましい。特に、絶縁層あ
るいは第2の絶縁層をガラス・ペーストのような、後工
程において焼成を要する材料を用いて形成する場合に
は、工数をなるべく減少させる観点から、ガラス・ペー
ストの焼成温度にて燃焼若しくは炭化可能な高分子材料
を選択することが好適である。ガラス・ペーストの典型
的な焼成温度は約530゜Cなので、かかる高分子材料
の燃焼温度は350〜500゜C程度であることが好ま
しい。また、燃焼温度よりも低温で、球体が部分的に溶
融するような材料であることが好ましい。代表的な高分
子材料として、スチレン系、ウレタン系、アクリル系、
ビニル系、ジビニルベンゼン系、メラミン系、ホルムア
ルデヒド系、ポリメチレン系のホモポリマー又は共重合
体を挙げることができる。あるいは又、球体として、カ
ソード電極やゲート電極上での確実な配置を確保するた
めに、付着力を有する固着タイプの球体を使用すること
もできる。固着タイプの球体として、アクリル系樹脂か
ら成る球体を例示することができる。
【0041】球体の配置方法として、散布法を挙げるこ
とができる。球体の散布には、例えば、液晶表示装置の
製造分野において、パネル間隔を一定に維持するための
スペーサを散布する技術を応用することができる。具体
的には、圧搾気体で球体をノズルから噴射する、所謂ス
プレーガンを用いることができる。尚、球体をノズルか
ら噴射する際、球体を揮発性の溶剤中に分散させた状態
としてもよい。あるいは、静電粉体塗装の分野で通常使
用されている装置や方法を利用して球体を散布すること
もできる。例えば、コロナ放電を利用して、静電粉体吹
付けガンにより負に帯電させた球体を、接地した支持体
に向かって吹き付けることができる。あるいは又、イソ
プロピルアルコール等の揮発性の溶剤中に球体を分散さ
せた状態で、バーコーターやスピンコーター等を用いて
球体を散布することもできる。本発明の製造方法で使用
する球体は、例えば、後述するように非常に小さいた
め、散布されるとカソード電極やゲート電極の表面に例
えば静電気力によって付着する。しかも、絶縁層や第2
の絶縁層によって被覆されるので、以降の工程において
も脱離・脱落することはない。複数の球体の配置した
後、球体を加圧すれば、複数の球体の重なりを解消する
ことができ、球体を単層に密に配置することができる。
【0042】尚、カソード電極やゲート電極上に配置さ
れた球体が密な状態となっても、最終的に形成される開
口部や貫通孔の大きさに左程の影響を与えない。その理
由は、開口部の底部に露出するカソード電極の大きさ
や、貫通孔の底部に露出するゲート電極の大きさは、球
体とカソード電極の接触面積、球体とゲート電極の接触
面積によって概ね規定されるからである。特開平8−7
7917号公報あるいは特開平8−77918号公報に
開示された電界放出素子の製造においては、球体は絶縁
層で被覆された状態とはなっておらず、例えば、電子放
出部上に形成された絶縁層と球体上に形成された絶縁層
とは不連続な状態にあるが故に、球体の配置が密な状態
となった場合、密な配置の複数の球体の集合体の大きさ
を有する開口部が絶縁層に形成され、開口部の大きさに
ばらつきが生じる虞がある。
【0043】球体の直径は、所望の開口部の直径、冷陰
極電界電子放出素子を用いて構成される冷陰極電界電子
放出表示装置の表示画面寸法、画素数、重複領域の寸
法、1画素を構成すべき冷陰極電界電子放出素子の個数
に応じて選択することができるが、0.1〜10μmの
範囲で選択することが好ましい。例えば、液晶表示装置
のスペーサとして市販されている球体は、粒径分布が1
〜3%と良好なので、これを利用することが好適であ
る。球体の形状は真球であることが理想的ではあるが、
必ずしも真球である必要はない。また、本発明の製造方
法に依っては、上述したように、球体の配置された場所
に開口部や貫通孔が形成されるが、カソード電極上ある
いはゲート電極に球体を1000〜10000個/mm
2程度の密度で配置することが好適である。例えば球体
を約1000個/mm2の密度でカソード電極あるいは
ゲート電極上に配置すると、例えば重複領域の寸法を仮
に0.5mm×0.2mmとした場合、1つの重複領域
内に約100個の球体が存在し、約100個の開口部が
形成されることになる。1つの重複領域にこの程度の個
数の開口部が形成されていれば、球体の粒径分布や真球
度のばらつきに起因する開口部の直径のばらつきはほぼ
平均化され、実用上の1画素(又は1サブピクセル)当
たりの放出電子電流密度や輝度はほぼ均一となる。
【0044】冷陰極電界電子放出素子の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の配置方法を採用した場合、カソード電極
あるいはゲート電極上における球体の配置はランダムと
なるので、冷陰極電界電子放出素子の配置はランダムと
なる。
【0045】本発明の製造方法において、支持体は、少
なくとも表面が絶縁性部材より構成されていればよく、
ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石
英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶
縁膜が形成された半導体基板を挙げることができる。ア
ノードパネルを構成する基板も、支持体と同様の構成と
することができる。
【0046】絶縁層、あるいは、第1の絶縁層、第2の
絶縁層の構成材料として、SiO2、SiN、SiO
N、ガラス・ペースト硬化物を挙げることができ、ま
た、これらをは適宜積層してもよい。絶縁層、あるい
は、第1の絶縁層、第2の絶縁層の形成には、構成する
材料に依存して、CVD法、塗布法、スピンコーティン
グ法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知の
プロセスが利用できる。本発明の第2の態様に係る製造
方法においては、第1の絶縁層と第2の絶縁層がエッチ
ング選択比を有していることが好ましい。
【0047】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド);あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム・錫酸化物)を例示することができる。
【0048】第1の構造〜第4の構造を有する電界放出
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当する場合、カ
ソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部に相当
する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体層を設
けることによって、電界放出素子の動作安定化、電子放
出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を構成す
る材料として、シリコンカーバイド(SiC)といった
カーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン等の半
導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタ
ル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示すること
ができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリング
法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することがで
きる。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好まし
くは数MΩとすればよい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0050】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の第1の態様に係る製造方法に関する。実施の形態1に
おける冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と
呼ぶ)は第1の構造を有し、より具体的には、平坦なカ
ソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素
子から構成されている。即ち、開口部の底部に露出した
カソード電極が電子放出部に相当する。
【0051】実施の形態1の平面型電界放出素子の模式
的な一部端面図を、図2の(B)に示す。この平面型電
界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形
成されたストライプ状のカソード電極11、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、絶縁
層12上に形成されたストライプ状のゲート電極13、
並びに、ゲート電極13及び絶縁層12を貫通し、底部
にカソード電極11が露出した開口部14から成る。カ
ソード電極11は、図2の紙面垂直方向に延び、ゲート
電極13は、図2の紙面左右方向に延びている。カソー
ド電極11はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はS
iO2から成る。ここで、開口部14の底部に露出した
カソード電極11の部分が電子放出部15Aに相当す
る。
【0052】第1の構造を有する電界放出素子(平面型
電界放出素子あるいは後述するクレータ型電界放出素
子)、若しくは、後述する第4の構造を有する電界放出
素子(エッジ型電界放出素子)にあっては、電子放出部
に相当するカソード電極を構成する材料として、タング
ステン(W)やタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チ
タン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、
アルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀
(Ag)等の金属;これらの合金や化合物(例えばTi
N等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、T
aSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導
体;あるいはダイヤモンド等の炭素薄膜を例示すること
ができる。かかるカソード電極の厚さは、おおよそ0.
05〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.3μmの範
囲とすることが望ましいが、かかる範囲に限定するもの
ではない。カソード電極の形成方法として、例えば電子
ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、
スパッタリング法、CVD法やイオンプレーティング法
とエッチング法との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ
法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ
法によれば、直接、ストライプ状のカソード電極を形成
することが可能である。
【0053】あるいは又、第1の構造(平面型電界放出
素子あるいはクレータ型電界放出素子)、第4の構造を
有する電界放出素子(エッジ型電界放出素子)、あるい
は、扁平型電界放出素子から成る第2の構造を有する電
界放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
【0054】以下、支持体等の模式的な一部端面である
図1及び図2を参照して、実施の形態1の平面型電界放
出素子の製造方法を説明する。
【0055】[工程−100]先ず、支持体10上に電
子放出部15Aとして機能するカソード電極11を形成
する。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)か
ら成るカソード電極用導電材料層をスパッタリング法に
て形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング
技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニング
する。これによって、ストライプ状のカソード電極11
を支持体10上に形成することができる(図1の(A)
参照)。尚、カソード電極11は、図1の紙面垂直方向
に延びている。
【0056】[工程−110]その後、少なくともカソ
ード電極上に、実施の形態1においては、全面に球体4
0を配置する(図1の(B)参照)。具体的には、全面
に球体40を散布する。球体40の散布は、例えば、圧
搾気体で球体40をノズルから噴射する、所謂スプレー
ガンを用いる方法とすることができる。尚、球体40を
ノズルから噴射する際、球体40を揮発性の溶剤中に分
散させた状態としてもよい。あるいは、静電粉体塗装の
分野で通常使用されている装置や方法を利用して球体4
0を散布することもできる。例えば、コロナ放電を利用
して、静電粉体吹付けガンにより負に帯電させた球体4
0を、接地した支持体10に向かって吹き付けることが
できる。あるいは又、イソプロピルアルコール等の揮発
性の溶剤中に球体40を分散させた状態で、バーコータ
ーやスピンコーター等を用いて球体40を散布すること
もできる。尚、アクリル系樹脂から成る、平均粒径5μ
mの球体40を使用した。球体40は、全面にランダム
に散布される。球体40の散布密度を約1000個/m
2とした。
【0057】その後、球体40を200゜C前後に加熱
することによって、球体40を部分的に溶融させる(図
1の(C)参照)。これによって、球体40の底部近傍
とカソード電極11の表面との間に隙間が無くなり、最
終的に開口部を形成したとき、開口部の底部にカソード
電極を確実に露出させることができる。
【0058】[工程−120]次いで、カソード電極1
1、支持体10及び球体40を絶縁層12によって被覆
する。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシ
ラン)を原料ガスとして用いるCVD法により絶縁層1
2を形成することができる。尚、絶縁層12を、スクリ
ーン印刷法に基づきガラスペーストから形成することも
できるし、スピンコーティング法によって絶縁層12を
形成することもできる。絶縁層12の平均膜厚を1.0
μmとした。その後、ストライプ状のゲート電極13を
絶縁層12上に形成する(図2の(A)参照)。具体的
には、スパッタリング法にてクロム(Cr)薄膜を絶縁
層12上に成膜した後、クロム薄膜をストライプ状にパ
ターニングすることによって、ストライプ状のゲート電
極13(平均膜厚:0.2μm)を得ることができる。
尚、ゲート電極13は、図2の紙面左右方向に延びてい
る。例えばスクリーン印刷法にて、ストライプ状のゲー
ト電極13を絶縁層12上に、直接形成することもでき
る。
【0059】[工程−130]その後、球体40を除去
し、以て、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14
を形成し、且つ、開口部14の底部にカソード電極11
を露出させる(図2の(B)参照)。具体的には、45
0゜Cに球体40を加熱することによって球体40を燃
焼させる。球体40の燃焼により、例えば、一酸化炭
素、二酸化炭素、水蒸気が発生し、球体40近傍の閉鎖
空間の圧力が高まり、球体40近傍の絶縁層12及びゲ
ート電極13の部分は或る耐圧限界を超えた時点で破裂
する。この破裂の勢いによって、球体40を被覆した絶
縁層12及びゲート電極13の部分が飛散し、ゲート電
極13及び絶縁層12に開口部14が形成され、しか
も、球体40が除去される。こうして、開口部14の底
部に露出したカソード電極11の部分が電子放出部15
Aに相当する電界放出素子を得ることができる。尚、ゲ
ート電極13の開口部端部が絶縁層12から露出してい
ない場合がある。そのような場合には、絶縁層12の等
方的なエッチングを行い、ゲート電極13の開口部端部
を露出させることが好ましい。等方的なエッチングは、
ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチ
ング種として利用するドライエッチング、あるいは、エ
ッチング液を利用するウェットエッチングにより行うこ
とができる。エッチング液として、例えば49%フッ酸
水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いるこ
とができる。
【0060】[工程−140]こうして電界放出素子が
多数形成されたカソードパネルCPとアノードパネルA
Pとを組み合わせると、図3に示す冷陰極電界電子放出
表示装置(以下、単に表示装置と略称する)を得ること
ができる。尚、アノードパネルAP及びカソードパネル
CPの模式的な部分的斜視図を図4に示す。具体的に
は、例えば、セラミックスやガラスから作製された高さ
約1mmの枠体24を用意し、枠体24とカソードパネ
ルCPとアノードパネルAPとを例えばフリットガラス
を用いて貼り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、約
450゜Cで10〜30分焼成すればよい。その後、表
示装置の内部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気
し、適当な方法で封止する。あるいは又、例えば、枠体
24とカソードパネルCPとアノードパネルAPとの貼
り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは
又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、カソード
パネルCPとアノードパネルAPとを貼り合わせてもよ
い。尚、以下に説明する各種の構造を有する電界放出素
子が多数形成されたカソードパネルCPとアノードパネ
ルAPとの組立も同様とすることができる。
【0061】尚、表示装置において、カソードパネルC
PとアノードパネルAPとを周縁部において接合する場
合、接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガ
ラスやセラミックス等の絶縁性剛性材料から成る枠体と
接着層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併
用する場合には、枠体の高さを適宜選択することによ
り、接着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネル
CPとアノードパネルAPとの間の対向距離をより長く
設定することが可能である。尚、接着層の構成材料とし
ては、上述のようなフリットガラスが一般的であるが、
融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を
用いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In
(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の
低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜
C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫
(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304
゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜
C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の
鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜
C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融
点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜
322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga
12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原
子%を表す)を例示することができる。
【0062】表示装置において、カソードパネルCPと
アノードパネルAPと枠体の三者を接合する場合、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソ
ードパネルCP又はアノードパネルAPのいずれか一方
と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネルCP又は
アノードパネルAPの他方と枠体とを接合してもよい。
三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中
で行えば、カソードパネルCPとアノードパネルAPと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルCPとアノードパネルAPと枠体と接着層とによって
囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合
後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減
圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気
体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0
族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスで
あってもよい。
【0063】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネルCP及び/又はアノードパネルAPに予め接続
されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパ
ネルCP及び/又はアノードパネルAPの無効領域(実
際の表示画面としては機能しない領域)に設けられた貫
通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材
料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、
熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前
に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空
間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを
排気により空間外へ除去することができるので好適であ
る。
【0064】電子放出部15Aには、制御回路30から
カソード電極11を通じて相対的に負電圧(ビデオ信
号)が印加され、ゲート電極13には走査回路31から
相対的に正電圧(走査信号)が印加される。これらの電
圧印加によって生じた電界に応じて、電子放出部15A
から電子が量子トンネル効果に基づき放出される。アノ
ード電極23には、ゲート電極13に印加される正電圧
よりも高い正電圧が加速電源32から印加され、アノー
ド電極23は、電子放出部15Aから真空空間中へ放出
された電子を蛍光体層21に向かって誘導する役割を果
たす。また、アノード電極23は、蛍光体層21を構成
する蛍光体粒子をイオン等の粒子によるスパッタから保
護すると共に、電子励起によって生じた蛍光体層21の
発光を基板20側へ反射させ、基板20の外側から観察
される表示画面の輝度を向上させる機能も有する。アノ
ード電極23は、例えば、厚さ約0.07μmのアルミ
ニウム薄膜から構成されている。
【0065】アノードパネルAPの製造方法の一例を、
以下、図52を参照して説明する。先ず、発光性結晶粒
子組成物を調製する。そのために、例えば、純水に分散
剤を分散させ、ホモミキサーを用いて3000rpmに
て1分間、撹拌を行う。次に、発光性結晶粒子を分散剤
が分散した純水中に投入し、ホモミキサーを用いて50
00rpmにて5分間、撹拌を行う。その後、例えば、
ポリビニルアルコール及び重クロム酸アンモニウムを添
加して、十分に撹拌し、濾過する。
【0066】アノードパネルAPの製造においては、例
えばガラスから成る基板20上の全面に感光性被膜33
を形成(塗布)する。そして、露光光源(図示せず)か
ら射出され、マスク36に設けられた開口37を通過し
た露光光によって、基板20上に形成された感光性被膜
33を露光して感光領域34を形成する(図52の
(A)参照)。その後、感光性被膜33を現像して選択
的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像後の感光性
被膜)35を基板20上に残す(図52の(B)参
照)。次に、全面にカーボン剤(カーボンスラリー)を
塗布し、乾燥、焼成した後、リフトオフ法にて感光性被
膜の残部35及びその上のカーボン剤を除去することに
よって、露出した基板20上にカーボン剤から成るブラ
ックマトリックス22とを形成し、併せて、感光性被膜
の残部35を除去する(図52の(C)参照)。その
後、露出した基板20上に、赤、緑、青の各蛍光体層2
1(21R,21G,21B)を形成する(図52の
(D)参照)。具体的には、各発光性結晶粒子(蛍光体
粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、
例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体
スラリー)を全面に塗布し、露光、現像し、次いで、緑
色の感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)
を全面に塗布し、露光、現像し、更に、青色の感光性の
発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布
し、露光、現像すればよい。その後、蛍光体層21及び
ブラックマトリックス22上にスパッタリング法にて厚
さ約0.07μmのアルミニウム薄膜から成るアノード
電極23を形成する。尚、スクリーン印刷法等により各
蛍光体層21を形成することもできる。
【0067】尚、アノード電極は、有効領域を1枚のシ
ート状の導電材料で被覆した形式のアノード電極として
もよいし、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は
複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合した
形式のアノード電極としてもよい。アノード電極が前者
の構成の場合、かかるアノード電極に加速電源を接続す
ればよいし、アノード電極が後者の構成の場合、例え
ば、各アノード電極ユニットに加速電源を接続すればよ
い。
【0068】尚、[工程−130]において、球体40
の除去時、図5に模式的な一部端面図を示すように、場
合によっては、ゲート電極13の一部分、特に開口部の
端部に相当する部分が残渣として残ってしまう。このよ
うな場合には、例えば純水やアルコールに全体を浸漬
し、超音波洗浄を行うことで残渣を除去すれば、図2の
(B)に示した構造を容易に得ることができる。尚、以
下に説明する各種の構造を有する電界放出素子において
も、ゲート電極の一部分、特に開口部の端部に相当する
部分が残渣として残ってしまった場合には、あるいは
又、フォーカス電極の一部分、特に開口部の端部に相当
する部分が残渣として残ってしまった場合には、同様の
処理を行えばよい。
【0069】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1にて説明した電界放出素子の製造方法の変形であ
る。実施の形態2においては、実施の形態1の[工程−
120]に引き続き、球体40の上方に位置する絶縁層
12及びゲート電極13の一部、並びに、球体40の上
部を化学的/機械的研磨法(CMP法)にて除去し、球
体40の一部を露出させる。この状態を図6の(A)の
模式的な一部端面図に示す。その後、球体40を、例え
ば水酸化カリウム水溶液を用いて溶解することで、球体
40を除去する(図6の(B)参照)。球体40の一部
が露出しているので、球体40を容易に溶解することが
できる。この状態では、ゲート電極13の開口部端部が
露出していない場合がある。そのような場合には、絶縁
層12を等方的にエッチングすればよい。こうして、図
6の(C)に一部端面図を示す電界放出素子を得ること
ができる。尚、この状態で球体40が残存していた場合
には、再び、球体40を溶解すればよい。球体40の上
方に位置する絶縁層及びゲート電極の一部、並びに、球
体40の上部(あるいは又、球体40の上方に位置する
第2の絶縁層及びフォーカス電極の一部、並びに、球体
40の上部)を化学的/機械的研磨法(CMP法)にて
除去し、球体40の一部を露出させる工程を、以下に説
明する各種の電界放出素子の製造方法に適用することが
できる。
【0070】(実施の形態3)実施の形態3も、実施の
形態1にて説明した電界放出素子の製造方法の変形であ
る。実施の形態3においては、図7の(A)に模式的な
一部端面図を示すように、開口部14の底部に露出した
カソード電極11の表面(電子放出部に相当する)に、
微小凹凸部11Aが形成されている。このような平面型
電界放出素子は、以下の製造方法にて製造することがで
きる。
【0071】[工程−300]先ず、[工程−100]
〜[工程−120]と略同様にして、支持体10上にス
トライプ状のカソード電極11を形成し、球体40を全
面に配置した後、全面に絶縁層12を形成し、更に、ス
トライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に形成す
る。即ち、例えばガラスから成る支持体10の上に、ス
パッタリング法により厚さ約0.2μmのタングステン
層を成膜し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基
づきタングステン層をストライプ状にパターニングし、
カソード電極11を形成する。次に、支持体10及びカ
ソード電極11上に球体40を配置した後、球体40を
部分的に溶融させ、次いで、支持体10、カソード電極
11及び球体40を絶縁層12によって被覆する。絶縁
層12は、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガ
スとして用いるCVD法により形成することができる。
更に、この絶縁層12の上にゲート電極13を形成す
る。ここまでのプロセスが終了した状態は、実質的に、
図2の(A)に示したと同様である。
【0072】[工程−310]次に、[工程−130]
と同様にして、球体40を除去し、ゲート電極13及び
絶縁層12に開口部14を形成し、且つ、開口部14の
底部にカソード電極11を露出させる。ここまでのプロ
セスが終了した状態は、実質的に、図2の(B)に示し
たと同様である。
【0073】[工程−320]その後、開口部14の底
部に露出したカソード電極11の部分に、微小凹凸部1
1Aを形成する。微小凹凸部11Aの形成に際しては、
エッチングガスとしてSF6を用い、カソード電極11
を構成するタングステン結晶粒のエッチング速度よりも
粒界のエッチング速度の方が早くなるような条件を設定
してRIE法に基づくドライエッチングを行う。その結
果、タングステンの結晶粒径をほぼ反映した寸法を有す
る微小凹凸部11Aを形成することができる。
【0074】このような実施の形態3における平面型電
界放出素子の構成においては、カソード電極11の微小
凹凸部11A、より具体的には微小凹凸部11Aの凸部
に、ゲート電極13から大きな電界が加わる。このと
き、凸部に集中する電界は、カソード電極11の表面が
平滑である場合に比べて大きいため、凸部からは量子ト
ンネル効果によって電子が効率良く放出される。従っ
て、開口部14の底部に単に平滑なカソード電極11が
露出している実施の形態1における平面型電界放出素子
に比べて、表示装置に組み込まれた場合の輝度の向上が
期待できる。それ故、図7の(A)に示した平面型電界
放出素子によれば、ゲート電極13とカソード電極11
との間の電位差が比較的小さくても、十分な放出電子電
流密度を得ることができ、表示装置の高輝度化が達成さ
れる。あるいは、同じ輝度を達成するために必要なゲー
ト電圧が低くて済み、以て、低消費電力化を達成するこ
とが可能である。
【0075】また、[工程−100]と同様の工程にお
いて、支持体10上に、タングステンから成るカソード
電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカ
ソード電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形
成した後、[工程−110]〜[工程−130]と同様
の工程を実行することによって、図7の(A)に示した
と同様の電界放出素子を作製することもできる。
【0076】あるいは又、[工程−100]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部1
1Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエ
ッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパタ
ーニングした後、[工程−110]〜[工程−130]
と同様の工程を実行することによっても、図7の(A)
に示したと同様の電界放出素子を作製することもでき
る。
【0077】図7の(B)には、電子放出部に相当する
カソード電極11の表面(より具体的には、少なくとも
微小凹凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている
平面型電界放出素子を示す。この被覆層11Bは、カソ
ード電極11を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい
材料から構成することが好ましく、どのような材料を選
択するかは、カソード電極11を構成する材料の仕事関
数、ゲート電極13とカソード電極11との間の電位
差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて
決定すればよい。被覆層11Bの構成材料として、アモ
ルファスダイヤモンドを例示することができる。原料ガ
スとして例えばCH4/H2混合ガスや、CO/H2混合
ガスを使用したCVD法に基づき被覆層11Bを形成す
ることができ、それぞれ炭素を含む化合物の熱分解によ
ってアモルファスダイヤモンドから成る被覆層11Bが
形成される。被覆層11Bをアモルファスダイヤモンド
を用いて構成した場合には、5×107V/m以下の電
界強度にて、表示装置に必要な放出電子電流密度を得る
ことができる。被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11
Aを反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11B
によって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放
出部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11
Aを設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹
凸部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11A
が電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合
には、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度
に選択することが好ましい。
【0078】具体的には、[工程−100]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングし、その
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工
程−110]〜[工程−130]と同様の工程を実行す
ることによって、図7の(B)に示す電界放出素子を作
製することもできる。
【0079】あるいは又、[工程−100]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成し
た後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部1
1Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆
層11B、カソード電極用導電材料層をパターニングし
た後、[工程−110]〜[工程−130]と同様の工
程を実行することによって、図7の(B)に示す電界放
出素子を作製することもできる。
【0080】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0081】尚、図2の(B)に示した平面型電界放出
素子の電子放出部15A(カソード電極11の表面)に
被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−10
0]において、例えば、支持体10上にカソード電極用
導電材料層を形成した後、カソード電極用導電材料層上
に被覆層11Bを形成し、次いで、リソグラフィ技術及
びドライエッチング技術に基づき、これらの層をパター
ニングすればよい。
【0082】(実施の形態4)実施の形態4も、実施の
形態1にて説明した電界放出素子の製造方法の変形であ
り、第1の構造を有する電界放出素子、具体的には、ク
レータ型電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態
4の電界放出素子においては、図10の(A)に模式的
な一部端面図を示し、図10の(B)に模式的な部分的
斜視図を示すように、カソード電極111の表面(電子
放出部に相当する)に、微小なクレータが形成されてい
る。即ち、電子を放出する複数の隆起部111Aと、各
隆起部111Aに囲まれた凹部111Bとを有するカソ
ード電極111が、支持体10上に形成されている。実
施の形態4においても、開口部14の底部に露出したカ
ソード電極が電子放出部に相当する。
【0083】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電界放出
素子の製造方法において球体(第2の球体)が使用さ
れ、凹部111Bが第2の球体の形状の一部を反映して
形成されることと関連している。従って、凹部111B
が略球面を成す場合、凹部111Bを囲む隆起部111
Aは円環状となり、この場合の凹部111Bと隆起部1
11Aとは、全体としてクレータあるいはカルデラのよ
うな形状を呈する。隆起部111Aは電子を放出する部
分であるため、電子放出効率を高める観点からは、その
先端部111Cが先鋭であることが特に好ましい。隆起
部111Aの先端部111Cのプロファイルは、不規則
な凹凸を有していても、あるいは滑らかであってもよ
い。1画素内における隆起部111Aの配置は規則的で
あってもランダムであってもよい。尚、凹部111B
は、凹部111Bの周方向に沿って連続した隆起部11
1Aにより囲まれていてもよいし、場合によっては、凹
部111Bの周方向に沿って不連続な隆起部111Aに
より囲まれていてもよい。
【0084】このようなクレータ型電界放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の第2の球体
41を被覆したストライプ状のカソード電極111を支
持体上に形成する工程と、第2の球体41を除去するこ
とによって、第2の球体41を被覆したカソード電極1
11の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起
部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、第2
の球体の形状の一部を反映した凹部111Bとを有する
カソード電極111を形成する工程、から成る。
【0085】第2の球体41の状態変化及び/又は化学
変化によって、第2の球体を除去することが好ましい。
ここで、第2の球体の状態変化及び/又は化学変化と
は、膨張、昇華、発泡、ガス発生、分解、燃焼、炭化等
の変化若しくはこれらの組合せを意味する。例えば、第
2の球体が有機材料から成る場合、第2の球体を燃焼さ
せることによって除去することが一層好ましい。尚、第
2の球体の除去と、第2の球体を被覆したカソード電極
の部分の除去は、必ずしも同時に起こらなくてもよい。
例えば、第2の球体を被覆したカソード電極の部分を除
去した後に第2の球体の一部が残存している場合、残存
した第2の球体の除去を後から行えばよい。
【0086】特に、第2の球体が有機材料から成る場
合、第2の球体を例えば燃焼させると、例えば、一酸化
炭素、二酸化炭素、水蒸気が発生し、第2の球体近傍の
閉鎖空間の圧力が高まり、第2の球体近傍のカソード電
極は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の
勢いによって、第2の球体を被覆したカソード電極の部
分が飛散し、隆起部及び凹部が形成され、しかも、第2
の球体が除去される。このとき、第2の球体の燃焼の初
期過程は閉鎖空間内で進行するため、第2の球体の一部
は炭化する可能性もある。第2の球体を被覆したカソー
ド電極の部分の厚さを、破裂によって飛散し得る程度に
薄くすることが好ましい。
【0087】後述する実施の形態6や実施の形態9にお
いても、第2の球体の状態変化及び/又は化学変化によ
って第2の球体を除去することができるが、カソード電
極の破裂を伴わないので、外力によって除去を行う方が
簡便な場合もある。ここで、外力とは、空気又は不活性
ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、
静電気力、遠心力等の物理的な力である。尚、実施の形
態6や実施の形態9においては、実施の形態4や後述す
る実施の形態7と異なり、第2の球体を被覆した部分の
カソード電極を飛散させる必要がないので、カソード電
極の残渣が発生し難いという利点がある。
【0088】後述する実施の形態6や実施の形態9で使
用される第2の球体は、少なくとも表面が、カソード電
極を構成する材料の界面張力(表面張力)に比べて、大
きな界面張力を有する材料から構成されていることが好
ましい。後述する実施の形態6や実施の形態9におい
て、第2の球体は、少なくとも表面が界面張力に関する
この条件を満たしていればよい。つまり、カソード電極
の界面張力よりも大きな界面張力を有している部分は、
第2の球体の表面のみであっても全体であってもよく、
また、第2の球体の表面及び/又は全体の構成材料は、
無機材料、有機材料、あるいは無機材料と有機材料の組
合せのいずれであってもよい。実施の形態6や実施の形
態9において、カソード電極等が通常の金属系材料から
構成されている場合、金属系材料の表面には吸着水分に
由来する水酸基、絶縁層の表面にはSi−O結合のダン
グリング・ボンドと吸着水分とに由来する水酸基が存在
し、親水性の高い状態にあるのが普通である。従って、
疎水性の表面処理層を有する第2の球体を用いること
が、特に有効である。疎水性の表面処理層の構成材料と
して、フッ素系樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレ
ンを挙げることができる。第2の球体が疎水性の表面処
理層を有する場合、疎水性の表面処理層の内側の部分を
芯材と称することにすると、芯材の構成材料は、ガラ
ス、セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子材料のい
ずれであってもよい。
【0089】第2の球体を構成する有機材料は特に限定
されないが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重
合度が極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多
い高分子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼によ
る第2の球体の除去時、カソード電極に悪影響が及ぶ虞
がある。それ故、これらに対する悪影響が生じる虞のな
い温度にて燃焼若しくは炭化させることが可能な高分子
材料を選択することが好ましい。高分子材料の燃焼温度
は350〜500゜C程度であることが好ましい。代表
的な高分子材料として、スチレン系、ウレタン系、アク
リル系、ビニル系、ジビニルベンゼン系、メラミン系、
ホルムアルデヒド系、ポリメチレン系のホモポリマー又
は共重合体を挙げることができる。あるいは又、第2の
球体として、支持体等の上での確実な配置を確保するた
めに、付着力を有する固着タイプの第2の球体を使用す
ることもできる。固着タイプの第2の球体として、アク
リル系樹脂から成る第2の球体を例示することができ
る。
【0090】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを第2の球体として使用することができる。実施
の形態4や後述する実施の形態7において、かかる加熱
膨張型マイクロスフェアを用い、熱膨張型マイクロスフ
ェアを加熱すると、外殻のポリマーが軟化し、しかも、
内包されたイソブタンがガス化して膨張する結果、粒径
が膨張前と比較して約4倍程度の真球の中空体が形成さ
れる。その結果、実施の形態4や後述する実施の形態7
において、電子を放出する隆起部、及び、隆起部に囲ま
れ、且つ、第2の球体の形状の一部を反映した凹部を、
カソード電極に形成することができる。尚、熱膨張型マ
イクロスフェアの加熱による膨張も、本明細書において
は、第2の球体の除去という概念に包含する。その後、
熱膨張型マイクロスフェアを適切な溶剤を用いて取り除
けばよい。
【0091】実施の形態4や後述する実施の形態7にお
いては、支持体上に複数の第2の球体を配置した後、第
2の球体を被覆するカソード電極を形成すればよい。こ
の場合においては、あるいは又、後述する実施の形態6
や実施の形態9においては、支持体上への複数の第2の
球体の配置方法として、球体40を配置方法と同様の方
法を挙げることができる。
【0092】あるいは、後述する実施の形態5や実施の
形態8のように、第2の球体とカソード電極材料とを分
散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層を支持
体上に形成し、以て、支持体上に複数の第2の球体を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極で第2の
球体を被覆した後、分散媒を除去することもできる。組
成物の性状としては、スラリーやペーストが可能であ
り、これらの所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を
適宜選択すればよい。組成物層を支持体上に形成する方
法としては、スクリーン印刷法が好適である。カソード
電極材料は、典型的には、分散媒中における沈降速度が
第2の球体よりも遅い微粒子であることが好適である。
かかる微粒子を構成する材料として、カーボン、バリウ
ム、ストロンチウム、鉄を挙げることができる。分散媒
を除去した後、必要に応じてカソード電極の焼成を行
う。組成物層を支持体上に形成する方法としては、噴霧
法、滴下法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法
を挙げることができる。尚、第2の球体が配置されると
共に、カソード電極材料から成るカソード電極で第2の
球体が被覆されるが、組成物層の形成方法に依っては、
かかるカソード電極のパターニングを行う必要がある。
【0093】あるいは、後述する実施の形態6や実施の
形態9にあっては、第2の球体を分散媒中に分散させて
成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成し、以
て、支持体上に複数の第2の球体を配置した後、分散媒
を除去することができる。組成物の性状としては、スラ
リーやペーストが可能であり、これらの所望の性状に応
じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。典型的
には、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を分散媒と
して用い、蒸発により分散媒を除去することができる。
組成物層を支持体上に形成する方法としては、噴霧法、
滴下法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法を挙
げることができる。
【0094】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、重複領域(電子放出領
域)に位置する隆起部から電子が放出される。従って、
隆起部は、機能上、重複領域にのみ存在すればよい。但
し、たとえ重複領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在
していたとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層
に被覆されたまま、何ら電子を放出するといった機能を
果たさない。従って、第2の球体を全面に配置しても何
ら問題は生じない。あるいは又、隆起部及び凹部が絶縁
層に設けられた開口部の底部に露出している場合であっ
ても、かかる絶縁層の部分にはゲート電極が形成されて
いない場合には、何ら電子を放出するといった機能を果
たさない。
【0095】第2の球体の直径は、所望の開口部の直
径、凹部の直径、電界放出素子を用いて構成される表示
装置の表示画面寸法、画素数、重複領域(電子放出領
域)の寸法、1画素を構成すべき電界放出素子の個数に
応じて選択することができるが、0.01〜1.0μm
の範囲で選択することが好ましい。更には、球体40の
直径をR1、第2の球体の直径をR2としたとき、0.0
1R1≦R2≦0.1R1を満足していることが好まし
い。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販されて
いる第2の球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、
これを利用することが好適である。第2の球体の形状は
真球であることが理想的ではあるが、必ずしも真球であ
る必要はない。支持体等の上には第2の球体を104
105個/mm2程度の密度で配置することが好適であ
る。
【0096】実施の形態4あるいは後述する実施の形態
5〜実施の形態9においては、第2の球体の形状の一部
が電子放出部を構成する凹部の形状に反映される。隆起
部の先端部のプロファイルは、不規則な凹凸を有してい
ても、あるいは滑らかであってもよいが、特に、実施の
形態4や実施の形態5、実施の形態7、実施の形態8に
おいては、この先端部はカソード電極の破断により形成
されるため、隆起部の先端部が不規則形状となり易い。
破断により隆起部に先端部が先鋭化すると、先端部が高
効率の電子放出部として機能し得るので、好都合であ
る。実施の形態4〜実施の形態9においては、凹部を囲
む隆起部はいずれも概ね円環状となり、この場合の凹部
と隆起部とは、全体としてクレータあるいはカルデラの
ような形状を呈する。
【0097】支持体等の上における隆起部の配置は規則
的であってもランダムであってもよく、第2の球体の配
置方法に依存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用
した場合、支持体等の上における隆起部の配置はランダ
ムとなる。
【0098】実施の形態4〜実施の形態9において、絶
縁層の形成後、絶縁層に開口部を形成するが、隆起部の
先端部に損傷が生じないように、隆起部を得た後、保護
層を形成し、開口部の形成後、保護層を取り除く構成と
することもできる。保護層を構成する材料として、クロ
ム(Cr)を例示することができる。
【0099】あるいは又、後述する実施の形態7〜実施
の形態9にて説明するように、隆起部を得た後、少なく
とも隆起部の表面に、実用的には、カソード電極の表面
に電子放出層を形成してもよい。ここで、電子放出層を
構成する材料として、カソード電極を構成する材料より
も仕事関数Φの小さい材料から構成することが好まし
く、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構
成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との
間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に
基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソー
ド電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出層は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出層を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出層を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0100】特に好ましい電子放出層の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出層
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出
電子電流密度を得ることができる。また、アモルファス
ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出層か
ら得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0101】あるいは又、電子放出層を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出層を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0102】実施の形態4あるいは後述する実施の形態
5〜実施の形態9においては、カソード電極と支持体と
の間にカソード電極を構成する材料よりも電気抵抗値の
小さな導電性を有する下地層を形成してもよい。かかる
下地層は、支持体上に第2の球体を配置する前に、支持
体表面に形成することが好ましい。
【0103】以下、図8〜図10を参照して、実施の形
態4の製造方法を説明するが、図8の(A)、図9の
(A)、図10の(A)は模式的な一部端面図であり、
図8の(B)、図9の(B)及び図10の(B)は、図
8の(A)、図9の(A)及び図10の(A)よりも広
い範囲を模式的に示す一部斜視図である。
【0104】[工程−400]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上の全面に、第2の球体41を配置す
る。第2の球体41は、例えばポリメチレン系の高分子
材料から成り、平均直径約0.1μm、粒径分布1%未
満である。第2の球体41を、スプレーガンを用い、支
持体10上におおよそ104個/mm2の密度でランダム
に配置する。スプレーガンを用いた散布は、第2の球体
41を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あるいは粉
末状態のままノズルから噴射する方式のいずれでもよ
い。配置された第2の球体41は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図8の(A)及び
(B)に示す。尚、支持体10上に第2の球体41を配
置する前に、カソード電極を形成すべき支持体10の部
分に下地層を形成しておいてもよい。
【0105】[工程−410]次に、複数の第2の球体
41を被覆したカソード電極111を支持体10上に形
成する。カソード電極111を形成した状態を、図9の
(A)及び(B)に示す。カソード電極111は、例え
ばカーボンペーストをストライプ状にスクリーン印刷す
ることによって形成することができる。このとき、第2
の球体41は支持体10上の全面に配置されているの
で、第2の球体41の中には、図9の(B)に示すよう
に、カソード電極111で被覆されないものも当然存在
する。次に、カソード電極111に含まれる水分や溶剤
を除去し、且つ、カソード電極111を平坦化するため
に、例えば150゜Cにてカソード電極111を乾燥す
る。この温度では、第2の球体41は何ら状態変化及び
/又は化学変化を起こさない。尚、上述のようなカーボ
ンペーストを用いたスクリーン印刷に替えて、カソード
電極111を構成するカソード電極用導電材料層を全面
に形成し、このカソード電極用導電材料層を通常のリソ
グラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパターニ
ングし、ストライプ状のカソード電極111を形成する
こともできる。リソグラフィ技術を適用する場合、通
常、レジスト材料層をスピンコーティング法により形成
するが、スピンコーティング時の支持体10の回転数が
500rpm程度、回転時間が数秒間程度であれば、第
2の球体41は脱離・脱落したり変位することなく、支
持体10上に保持され得る。
【0106】[工程−420]次に、第2の球体41を
除去することによって、第2の球体41を被覆したカソ
ード電極111の部分を除去し、以て、電子を放出する
複数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、
且つ、第2の球体41の形状の一部を反映した凹部11
1Bとを有するカソード電極111を形成する。この状
態を、図10の(A)及び(B)に示す。具体的には、
カソード電極111の焼成を兼ね、約530゜Cにて加
熱を行うことにより第2の球体41を燃焼させる。第2
の球体41の燃焼に伴って第2の球体41が閉じ込めら
れていた閉鎖空間の圧力が上昇し、第2の球体41を被
覆したカソード電極111の部分が或る耐圧限界を超え
た時点で破裂して除去される。その結果、支持体10上
に形成されたカソード電極111の一部分に、隆起部1
11A及び凹部111Bが形成される。尚、第2の球体
41を除去した後に、第2の球体41の一部分が残渣と
して残る場合には、使用する第2の球体41を構成する
材料にも依るが、適切な洗浄液を用いて残渣を除去すれ
ばよい。
【0107】[工程−430]その後、実施の形態1の
[工程−110]と同様にして、カソード電極111及
び支持体10上に球体40を配置し、次いで、球体40
を加熱することによって、球体40を部分的に溶融させ
る。次に、実施の形態1の[工程−120]と同様にし
て、カソード電極111、支持体10及び球体40を絶
縁層12によって被覆した後、絶縁層12上にゲート電
極13を形成する。ストライプ状のゲート電極13の射
影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極11
1の射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
その後、実施の形態1の[工程−130]と同様にして
球体40を除去し、以て、ゲート電極13及び絶縁層1
2に開口部14を形成し、且つ、開口部14の底部にカ
ソード電極111を露出させる。尚、隆起部111Aを
形成した後、例えば、クロムから成る保護層を形成して
おき、開口部14を形成した後、保護層を取り除いても
よい。こうして、クレータ型電界放出素子を得ることが
できる。次いで、実施の形態1の[工程−140]と同
様にして、表示装置の組み立てを行う。
【0108】(実施の形態5)実施の形態5の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態4の変形である。実施の
形態5の製造方法を図11を参照して説明するが、支持
体10上に複数の第2の球体41を配置する工程が、第
2の球体41とカソード電極材料とを分散媒中に分散さ
せて成る組成物から成る組成物層42を支持体10上に
形成し、以て、支持体10上に複数の第2の球体41を
配置し、カソード電極材料から成るカソード電極111
で第2の球体を被覆した後、分散媒を除去する工程から
成る、即ち、湿式法から成る点が、実施の形態4の製造
方法と相違する。以下、図11を参照して、実施の形態
5の製造方法を説明する。
【0109】[工程−500]先ず、支持体10上に複
数の第2の球体41を配置する。具体的には、第2の球
体41とカソード電極材料42Bとを分散媒42A中に
分散させて成る組成物から構成された組成物層42を支
持体10上に形成する。即ち、例えば、イソプロピルア
ルコールを分散媒42Aとして使用し、平均直径約1.
0μmのポリメチレン系の高分子材料から成る第2の球
体41と、平均直径約0.1μmのカーボン粒子をカソ
ード電極材料42Bとして分散媒42A中に分散させて
成る組成物を支持体10上にストライプ状にスクリーン
印刷し、組成物層42を形成する。図11の(A)に
は、組成物層42の形成直後の状態を示す。尚、支持体
10上に第2の球体41を配置する前に、カソード電極
を形成すべき支持体10の部分に下地層を形成しておい
てもよい。
【0110】[工程−510]支持体10に保持された
組成物層42中では、間もなく第2の球体41が沈降し
て支持体10上に配置されると共に、第2の球体41か
ら支持体10上に亙ってカソード電極材料42Bが沈降
し、カソード電極材料42Bから成るカソード電極11
1が形成される。これによって、支持体10上に複数の
第2の球体41を配置し、カソード電極材料から成るカ
ソード電極111で第2の球体41を被覆することがで
きる。この状態を、図11の(B)に示す。
【0111】[工程−520]その後、分散媒42Aを
例えば蒸発させることによって除去する。この状態を、
図11の(C)に示す。
【0112】[工程−530]次いで、実施の形態4の
[工程−420]、[工程−430]と同様の工程を実
行することによって、クレータ型電界放出素子を完成す
ることができる。次いで、実施の形態1の[工程−14
0]と同様にして、表示装置の組み立てを行う。
【0113】(実施の形態6)実施の形態6の電界放出
素子の製造方法も、実施の形態4の変形である。実施の
形態6の製造方法において、支持体上にストライプ状の
カソード電極を形成する工程は、より具体的には、支持
体上に複数の第2の球体を配置する工程と、電子を放出
する複数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、第2の
球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、各隆起部が
第2の球体の周囲に形成されたカソード電極を、支持体
上に設ける工程と、第2の球体を除去する工程、から成
る。支持体上への複数の第2の球体の配置は、第2の球
体の散布によって行う。また、第2の球体は疎水性の表
面処理層を有する。以下、かかる実施の形態6の電界放
出素子の製造方法を、図12を参照して説明する。
【0114】[工程−600]先ず、支持体10上に複
数の第2の球体141を配置する。具体的には、ガラス
から成る支持体10上の全面に、複数の第2の球体14
1を配置する。この第2の球体141は、例えばジビニ
ルベンゼン系の高分子材料から成る芯材141Aをポリ
テトラフルオロエチレン系樹脂から成る表面処理層14
1Bで被覆して成り、平均直径約0.1μm、粒径分布
1%未満である。第2の球体141を、スプレーガンを
用い、支持体10上におおよそ104個/mm2の密度で
ランダムに配置する。配置された第2の球体141は、
静電気力で支持体10上に吸着されている。ここまでの
プロセスが終了した状態を、図12の(A)に示す。
尚、支持体10上に第2の球体141を配置する前に、
カソード電極を形成すべき支持体10の部分に下地層を
形成しておいてもよい。
【0115】[工程−610]次に、電子を放出する複
数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且
つ、第2の球体141の形状の一部を反映した凹部11
1Bとを有し、各隆起部111Aが第2の球体141の
周囲に形成されたカソード電極111を、支持体10上
に設ける。具体的には、実施の形態4で述べたと同様
に、例えばカーボンペーストをストライプ状にスクリー
ン印刷するが、実施の形態6では、第2の球体141の
表面が表面処理層141Bにより疎水性を帯びているた
めに、第2の球体141の上にスクリーン印刷されたカ
ーボンペーストは直ちに弾かれて落下し、第2の球体1
41の周囲に堆積して隆起部111Aが形成される。隆
起部111Aの先端部111Cは、実施の形態4の場合
ほど先鋭とはならない。第2の球体141と支持体10
との間に入り込んだカソード電極111の部分が、凹部
111Bとなる。図12の(B)では、カソード電極1
11と第2の球体141との間に隙間が存在するように
図示されているが、カソード電極111と第2の球体1
41とは接触している場合もある。その後、カソード電
極111を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまで
のプロセスが終了した状態を、図12の(B)に示す。
【0116】[工程−620]次に、第2の球体141
に外力を与えることによって、支持体10上から第2の
球体141を除去する。具体的な除去方法としては、洗
浄や圧搾気体の吹付けを挙げることができる。ここまで
のプロセスが終了した状態を、図12の(C)に示す。
尚、第2の球体の除去は、第2の球体の状態変化及び/
又は化学変化に基づいて、より具体的には、例えば、燃
焼によって第2の球体を除去することも可能である。
【0117】[工程−630]その後、実施の形態4の
[工程−430]を実行することによって、クレータ型
電界放出素子を得ることができる。次いで、実施の形態
1の[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立
てを行う。
【0118】(実施の形態7)実施の形態7は、実施の
形態4の変形である。実施の形態7においては、隆起部
を形成した後、カソード電極の表面に電子放出層を形成
する。以下、かかる実施の形態7の電界放出素子の製造
方法を、図13を参照して説明する。
【0119】[工程−700]先ず、実施の形態4の
[工程−400]〜[工程−420]と同様にして、支
持体10上に形成されたカソード電極111の一部分
に、隆起部111A及び凹部111Bを形成する。尚、
支持体10上に第2の球体41を配置する前に、カソー
ド電極を形成すべき支持体10の部分に下地層を形成し
ておいてもよい。尚、実施の形態7においては、カソー
ド電極111をアルミニウムから構成した。
【0120】[工程−710]次に、全面に、アモルフ
ァス・ダイヤモンドから成る電子放出層43をCVD法
にて形成した後(図13の(A)参照)、カソード電極
111の外形形状と同じような形状となるように電子放
出層43をパターニングする。尚、電子放出層43を導
電性を備えていない材料から構成する場合には、電子放
出層43のパターニングを行う必要はない。図13の
(B)には、支持体10上に第2の球体41を配置する
前に、カソード電極を形成すべき支持体10の部分に下
地層44が形成されている例を示す。
【0121】[工程−720]その後、実施の形態1の
[工程−110]と同様にして、カソード電極111及
び支持体10上に球体40を配置し、次いで、球体40
を加熱することによって、球体40を部分的に溶融させ
る。次に、実施の形態1の[工程−120]と同様にし
て、カソード電極111、支持体10及び球体40を絶
縁層12によって被覆した後、絶縁層12上にゲート電
極13を形成する。ストライプ状のゲート電極13の射
影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極11
1の射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
その後、実施の形態1の[工程−130]と同様にして
球体40を除去し、以て、ゲート電極13及び絶縁層1
2に開口部14を形成し、且つ、開口部14の底部にカ
ソード電極111を露出させる。こうして、クレータ型
電界放出素子を得ることができる。次いで、実施の形態
1の[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立
てを行う。
【0122】(実施の形態8)実施の形態8の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態5及び実施の形態7の変
形である。実施の形態8の製造方法を以下説明するが、
支持体10上に複数の第2の球体41を配置する工程
が、第2の球体41とカソード電極材料とを分散媒中に
分散させて成る組成物から成る組成物層42を支持体1
0上に形成し、以て、支持体10上に複数の第2の球体
41を配置し、カソード電極材料から成るカソード電極
111で第2の球体を被覆した後、分散媒を除去する工
程から成る、即ち、湿式法から成る点が、実施の形態7
の製造方法と相違する。
【0123】[工程−800]先ず、実施の形態5の
[工程−500]〜[工程−520]と同様にして、図
11の(C)に示したと同様の状態を得る。尚、支持体
10上に第2の球体41を配置する前に、カソード電極
を形成すべき支持体10の部分に下地層を形成しておい
てもよい。
【0124】[工程−810]その後、実施の形態7の
[工程−710]と同様にして、カソード電極111の
上に電子放出層43を形成する。
【0125】[工程−820]次いで、実施の形態4の
[工程−430]と同様の工程を実行することによっ
て、クレータ型電界放出素子を完成することができる。
次いで、実施の形態1の[工程−140]と同様にし
て、表示装置の組み立てを行う。
【0126】(実施の形態9)実施の形態9の電界放出
素子の製造方法は、実施の形態6及び実施の形態7の変
形である。
【0127】[工程−900]先ず、実施の形態6の
[工程−600]〜[工程−620]と同様にして、図
12の(C)に示したと同様の状態を得る。尚、支持体
10上に第2の球体41を配置する前に、カソード電極
を形成すべき支持体10の部分に下地層を形成しておい
てもよい。
【0128】[工程−910]その後、実施の形態7の
[工程−710]と同様にして、カソード電極111の
上に電子放出層43を形成する。
【0129】[工程−920]次いで、実施の形態4の
[工程−430]と同様の工程を実行することによっ
て、クレータ型電界放出素子を完成することができる。
次いで、実施の形態1の[工程−140]と同様にし
て、表示装置の組み立てを行う。
【0130】(実施の形態10)実施の形態10も、実
施の形態1の変形であり、扁平型電界放出素子の製造方
法に関する。実施の形態10においては、支持体上にカ
ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
出部を形成する。
【0131】実施の形態10における扁平型電界放出素
子の模式的な一部断面図を、図15の(B)に示す。第
2の構造を有する電界放出素子である扁平型電界放出素
子は、例えばガラスから成る支持体10上に形成された
カソード電極11、支持体10及びカソード電極11上
に形成された絶縁層12、絶縁層12上に形成されたゲ
ート電極13、ゲート電極13及び絶縁層12を貫通し
た開口部14、並びに、開口部14の底部に位置するカ
ソード電極11上に設けられた扁平の電子放出部15B
から成る。ここで、電子放出部15Bは、図15の
(B)の紙面垂直方向に延びたストライプ状のカソード
電極11上に形成されている。また、ゲート電極13
は、図15の(B)の紙面左右方向に延びている。カソ
ード電極11及びゲート電極13はクロム(Cr)から
成る。電子放出部15Bは、具体的には、グラファイト
粉末から成る薄層から構成されている。また、電界放出
素子の動作安定化、電子放出特性の均一化のために、カ
ソード電極11と電子放出部15Bとの間にSiCから
成る抵抗体層50が設けられている。図15の(B)に
示した実施の形態10の扁平型電界放出素子において
は、カソード電極11の表面の全域に亙って、抵抗体層
50及び電子放出部15Bが形成されているが、このよ
うな構造に限定するものではなく、要は、少なくとも開
口部14の底部に電子放出部15Bが設けられていれば
よい。
【0132】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0133】特に好ましい電子放出部の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出部
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出
電子電流密度を得ることができる。また、アモルファス
ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部か
ら得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0134】あるいは又、電子放出部を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0135】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図14及び図15を参照して、実施の形態10の扁平
型電界放出素子の製造方法を説明する。
【0136】[工程−1000]先ず、支持体10上
に、クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層
をスパッタリング法にて形成した後、リソグラフィ技術
及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電
材料層をパターニングする。これによって、ストライプ
状のカソード電極11を支持体10上に形成することが
できる(図14の(A)参照)。尚、カソード電極11
は、図14の紙面垂直方向に延びている。
【0137】[工程−1010]次に、カソード電極1
1上に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタリング法にてSiCから成る抵抗体
層50を形成し、次いで、抵抗体層50の上にグラファ
イト粉末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーテ
ィング法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。
その後、電子放出部15B及び抵抗体層50を公知の方
法に基づきパターニングする(図14の(B)参照)。
電子放出部15Bから電子が放出される。
【0138】[工程−1020]その後、実施の形態1
の[工程−110]と同様にして、カソード電極111
及び支持体10上に球体40を配置し(図14の(C)
参照)、次いで、球体を加熱することによって、球体を
部分的に溶融させる(図14の(D)参照)。
【0139】[工程−1030]次に、全面に絶縁層1
2を形成する。具体的には、支持体10、電子放出部1
5B及び球体40を被覆するように、CVD法にてSi
2から成る絶縁層12を形成する。その後、ストライ
プ状のゲート電極13を絶縁層12上に形成する(図1
5の(A)参照)。
【0140】[工程−1040]その後、実施の形態1
の[工程−130]と同様にして球体40を除去し、以
て、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成
し、且つ、開口部14の底部に電子放出部15Bを露出
させる(図15の(B)参照)。こうして、扁平型電界
放出素子を得ることができる。次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0141】尚、[工程−1000]におけるカソード
電極の形成を、以下に説明する方法に基づき行うことも
できる。即ち、先ず、支持体10上にカソード電極用導
電材料層を形成する。具体的には、支持体10の全面に
レジスト材料層を形成した後、カソード電極を形成すべ
き部分のレジスト材料層を除去する。その後、全面にク
ロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパ
ッタリング法にて形成する。更に、全面にスパッタリン
グ法にてSiCから成る抵抗体層50を形成し、次い
で、抵抗体層50の上にグラファイト粉末塗料層をスピ
ンコーティング法にて形成し、グラファイト粉末塗料層
を乾燥させる。その後、剥離液を用いてレジスト材料層
を除去すると、レジスト材料層上に形成されたカソード
電極用導電材料層、抵抗体層50及びグラファイト粉末
塗料層も除去される。こうして、所謂リフトオフ法に基
づき、カソード電極11、抵抗体層50及び電子放出部
15B(電子放出層)が積層された構造を得ることがで
きる。
【0142】(実施の形態11)実施の形態11も、実
施の形態1の変形であり、扁平型電界放出素子の製造方
法に関する。実施の形態11においては、電子放出部1
5Cが、CVD法に基づき形成された炭素薄膜から構成
されている。第2の構造を有する電界放出素子を製造す
る実施の形態11においても、支持体上にカソード電極
を形成し、併せて、カソード電極上に電子放出部を形成
する。
【0143】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/m程度の強度を有する電界)中に置
かれた状態とすればよい。
【0144】ところで、レジスト材料をエッチング用マ
スクとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜
のような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、
エッチング反応系における反応副生成物として(C
x)系あるいは(CFx)系等の炭素系ポリマーが堆積
性物質として生成する。一般に、プラズマエッチングに
おいて堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、
この堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト材料の
側壁面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して
所謂側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工
によって得られる形状の達成に寄与する。しかしなが
ら、酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合に
は、炭素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成して
も、直ちに酸素ガスによって除去されてしまう。また、
酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、
レジスト材料の消耗も激しい。これらの理由により、従
来のダイヤモンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、
ダイヤモンド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が
大きく、異方性加工も困難な場合が多い。
【0145】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、実施の形態1
1の扁平型電界放出素子の製造においては、支持体上に
カソード電極を形成した後、カソード電極の表面に炭素
薄膜選択成長領域を形成し、その後、炭素薄膜選択成長
領域上に炭素薄膜(電子放出部に相当する)を形成す
る。尚、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成する工程を、炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼
ぶ。
【0146】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。炭素薄膜選択成長領域は、開口部の底部
に位置するカソード電極の部分の表面に形成されていれ
ばよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部分か
ら開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に延在
するように形成されていてもよい。また、炭素薄膜選択
成長領域は、開口部の底部に位置するカソード電極の部
分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成され
ていてもよい。
【0147】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極表面と呼ぶ場合がある)に、
金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成する工
程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若しく
は、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分か
ら成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。ま
た、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄膜
の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜選
択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又はリ
ン(P)を付着させることが望ましく、これによって、
炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができる。
炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリンを
付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又はリ
ンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成長領
域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合物層
に施すことによって化合物層を構成する化合物を分解さ
せ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化合物
としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例示す
ることができる。ホウ素を含む化合物として、トリフェ
ニルボロンを例示することができる。リンを含む化合物
として、トリフェニルフォスフィンを例示することがで
きる。
【0148】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極表面に、金属粒子を付着させ、若しくは、
金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金属薄
膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去する
ことが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表
面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気にお
けるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズマ
法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0149】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極表面に形成した
後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げることが
できる。あるいは又、カソード電極表面に金属粒子を付
着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成長領域を
形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適切な材料
(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属粒子を構
成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソード電極表
面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱することによ
って分解し、以て、表面に金属粒子が付着したカソード
電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を得る方法を
挙げることができる。この場合、具体的には、溶媒と金
属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成長領域を形成
すべきカソード電極表面に形成した後、溶媒を除去し、
金属化合物粒子を残す方法を例示することができる。金
属化合物粒子は、金属粒子を構成する金属のハロゲン化
物(例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物等)、酸化物、
水酸化物及び有機金属から成る群から選択された少なく
とも1種類の材料から成ることが好ましい。尚、これら
の方法においては、適切な段階で、炭素薄膜選択成長領
域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を被覆し
た材料(例えば、マスク層)を除去する。
【0150】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属薄膜を形成する方法として、例えば、
炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域
以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解メッ
キ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD法
(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD法、
Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を挙げ
ることができる。尚、物理的気相成長法として、(a)
電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各
種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2極スパ
ッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグネトロ
ンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネ
トロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング
法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング
法、(d)DC(direct current)法、RF法、多陰極
法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーテ
ィング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオ
ンプレーティング法を挙げることができる。
【0151】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0152】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法、平行平板型CVD装置を用いたCVD法を
例示することができる。炭素薄膜の形態には、薄膜状は
もとより、炭素のウィスカー、炭素のナノチューブ(中
空及び中実を含む)が包含される。
【0153】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
【0154】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図16を参照して、実施の形態11の扁平型電界放出
素子の製造方法を説明する。
【0155】[工程−1100]先ず、例えばガラス基
板から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材
料層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びR
IE法に基づき導電材料層をパターニングすることによ
って、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上
に形成する(図16の(A)参照)。ストライプ状のカ
ソード電極11は、図面の紙面左右方向に延びている。
導電材料層は、例えばスパッタリング法により形成され
た厚さ約0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0156】[工程−1110]その後、カソード電極
11の表面に炭素薄膜選択成長領域61を形成する。具
体的には、先ず、レジスト材料層をスピンコート法にて
全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、炭素薄
膜選択成長領域61を形成すべきカソード電極11の部
分の表面が露出したマスク層60を形成する(図16の
(B)参照)。次に、露出したカソード電極11の表面
を含むマスク層60上に、金属粒子を付着させる。具体
的には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液
中に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコー
ルを使用)をスピンコート法にて全面に塗布し、溶媒と
金属粒子から成る層を炭素薄膜選択成長領域61を形成
すべきカソード電極11の部分の表面に形成する。その
後、マスク層60を除去し、400゜C程度に加熱する
ことによって溶媒を除去し、露出したカソード電極11
の表面に金属粒子62を残すことで、炭素薄膜選択成長
領域61を得ることができる(図16の(C)参照)。
尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極11の表
面に金属粒子62を固定させる機能(所謂、接着機能)
を有する。
【0157】[工程−1120]その後、炭素薄膜選択
成長領域61上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜63を
形成し、電子放出部15Cを得る。この状態を図16の
(D)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜63の成膜条件を、以下の表1に例示する。
【0158】[表1] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500°C
【0159】[工程−1130]次に、実施の形態1の
[工程−110]と同様にして、カソード電極11、支
持体10及び電子放出部15C上に球体を配置し、次い
で、球体を加熱することによって、球体を部分的に溶融
させる。そして、全面に絶縁層を形成する。具体的に
は、支持体10、電子放出部15C、カソード電極11
及び球体を被覆するように、CVD法にてSiO2から
成る絶縁層を形成する。その後、ストライプ状のゲート
電極を絶縁層上に形成する。次いで、実施の形態1の
[工程−130]と同様にして球体を除去し、以て、ゲ
ート電極及び絶縁層に開口部を形成し、且つ、開口部の
底部に電子放出部15Cを露出させる。こうして、扁平
型電界放出素子を得ることができる。その後、実施の形
態1の[工程−140]と同様にして、表示装置の組み
立てを行う。
【0160】尚、金属粒子の代わりに、例えばチタン
(Ti)から成る金属薄膜をスパッタ法に基づき形成し
てもよい。また、金属粒子を付着させた後、あるいは
又、金属薄膜を形成した後、金属粒子や金属薄膜の表面
の金属酸化物(自然酸化膜)を除去してもよいし、例え
ばチオナフテン溶液をスピンコート法にて全面に塗布し
た後、加熱処理を施すことによって、炭素薄膜選択成長
領域61の表面に硫黄(S)を付着させてもよい。ま
た、金属化合物粒子を付着させた後、あるいは又、金属
化合物薄膜を形成した後、金属化合物粒子や金属化合物
薄膜を熱分解し、カソード電極の表面に金属粒子が付着
して成り、あるいは又、金属薄膜が形成されて成る炭素
薄膜選択成長領域を得てもよい。
【0161】(実施の形態12)実施の形態12も、実
施の形態1の変形であり、スピント型電界放出素子の製
造方法に関する。第3の構造を有する電界放出素子を製
造する実施の形態12においては、開口部を形成した
後、開口部の底部に露出したカソード電極上に電子放出
部を形成する。
【0162】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形
成することができる。
【0163】また、スピント型電界放出素子にあって
は、カソード電極を構成する材料として、タングステン
(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデ
ン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)等の金属;これらの金属元素を含む合金ある
いは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、M
oSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シ
リコン(Si)等の半導体;ITO(インジウム・錫酸
化物)を例示することができる。カソード電極の形成方
法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸
着法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイ
オンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スク
リーン印刷法、メッキ法等を挙げることができる。スク
リーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状
のカソード電極を形成することが可能である。
【0164】図17の(C)に示す電界放出素子は、円
錐形の電子放出部15Dを有する所謂スピント型電界放
出素子である。スピント型電界放出素子は、支持体10
と、支持体10上に設けられたストライプ状のカソード
電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成
された絶縁層12と、絶縁層12上に設けられたストラ
イプ状のゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層
12を貫通した開口部14と、開口部14の底部に位置
するカソード電極11上に設けられた円錐状の電子放出
部15Dから成り、開口部14の底部に露出した電子放
出部15Dから電子が放出される構造を有する。このス
ピント型電界放出素子の製造方法の概要を、以下、支持
体等の模式的な一部端面図である図17を参照して説明
する。
【0165】[工程−1200]先ず、実施の形態1の
[工程−100]と同様にして、例えば、例えばガラス
基板から成る支持体10上に、ニオブ(Nb)から成
り、ストライプ状のカソード電極11を形成する。その
後、実施の形態1の[工程−110]と同様にして、全
面に球体40を配置した後、球体40を部分的に溶融さ
せ、次いで、[工程−120]と同様にして、支持体1
0、カソード電極11及び球体40を絶縁層12によっ
て被覆した後、絶縁層12上にゲート電極13を形成す
る。その後、[工程−130]と同様にして、球体を除
去し、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形
成し、且つ、開口部14の底部にカソード電極11を露
出させる。こうして、図2の(B)に示したと略同様の
構造を得ることができる。
【0166】[工程−1210]次に、アルミニウムを
斜め蒸着することにより、剥離層17を形成する。この
とき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十
分に大きく選択することにより、開口部14の底部にア
ルミニウムを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13
及び絶縁層12上に剥離層17を形成することができ
る。この剥離層17は、開口部14の開口端部から庇状
に張り出しており、これにより開口部14が実質的に縮
径される(図17の(A)参照)。
【0167】[工程−1220]次に、全面に例えばモ
リブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図17の
(B)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有する導電材料層18が成長するに伴い、開口部1
4の実質的な直径が次第に縮小されるので、開口部14
の底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に開口
部14の中央付近を通過するものに限られるようにな
る。その結果、開口部14の底部には円錐形の堆積物が
形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15Dとな
る。
【0168】[工程−1230]その後、電気化学的プ
ロセス及び湿式プロセスによって剥離層17を絶縁層1
2及びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及
びゲート電極13の上方の導電材料層18を選択的に除
去する。その結果、図17の(C)に示すように、開口
部14の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の
電子放出部15Dを残すことができる。その後、絶縁層
12を等方的にエッチングし、ゲート電極13の開口部
端部を露出させることが好ましい。等方的なエッチング
は、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エ
ッチング種として利用するドライエッチング、あるい
は、エッチング液を利用するウェットエッチングにより
行うことができる。エッチング液として、例えば49%
フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用
いることができる。
【0169】(実施の形態13)実施の形態13は、実
施の形態12にて説明したスピント型電界放出素子の製
造方法の変形例である。実施の形態13のスピント型電
界放出素子の製造方法を、以下、支持体等の模式的な一
部端面図である図18〜図21を参照して説明するが、
このスピント型電界放出素子は、基本的には、以下の工
程に基づき作製される。即ち、ゲート電極13及び絶縁
層12に開口部14を形成した後、(a)開口部14内
を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層71を形成
し、(b)次いで、開口部14の中央部に位置する導電
材料層71の領域を遮蔽するように、マスク材料層72
を導電材料層71上に形成した後、(c)導電材料層7
1の支持体10に対して垂直な方向におけるエッチング
速度がマスク材料層72の支持体に対して垂直な方向に
おけるエッチング速度よりも速くなる異方性エッチング
条件下で導電材料層71とマスク材料層72とをエッチ
ングすることにより、導電材料層71から成り、先端部
が錐状形状を有する電子放出部15Eを開口部14内に
露出したカソード電極11上に形成する。
【0170】尚、開口部14の形成までは、実施の形態
12と同様とすればよいので、それ以降の工程を説明す
る。後述する実施の形態14〜実施の形態18において
も同様とする。また、図面の簡素化のために、開口部1
4の近傍のゲート電極13や絶縁層12を平坦な状態に
て表示するが、実際には、球体40の影響を受けて、こ
れらは、開口部14の近傍では湾曲している。
【0171】[工程−1300]実施の形態12と同様
にして開口部14を形成した後(図18の(A)参
照)、全面に密着層70をスパッタリング法にて形成す
る(図18の(B)参照)。この密着層70は、ゲート
電極13が形成されていない絶縁層12の露出面や開口
部14の側壁面に露出している絶縁層12と、次の工程
で全面的に成膜される導電材料層71との間の密着性を
高めるために設けられる層である。導電材料層71をタ
ングステンで形成することを前提とし、タングステンか
ら成る密着層70を、DCスパッタリング法により0.
07μmの厚さに形成する。
【0172】[工程−1310]次に、開口部14内を
含む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る
電子放出部形成用の導電材料層71を水素還元減圧CV
D法により形成する(図19の(A)参照)。成膜され
た導電材料層71の表面には、開口部14の上端面と底
面との間の段差を反映した凹部71Aが形成される。
【0173】[工程−1320]次に、開口部14の中
央部に位置する導電材料層71の領域(具体的には凹部
71A)を遮蔽するようにマスク材料層72を形成す
る。具体的には、先ず、ピンコート法により厚さ0.3
5μmのレジスト材料をマスク材料層72として導電材
料層71の上に形成する(図19の(B)参照)。マス
ク材料層72は、導電材料層71の凹部71Aを吸収
し、ほぼ平坦な表面となる。次に、マスク材料層72を
酸素系ガスを用いたRIE法によりエッチングする。こ
のエッチングを、導電材料層71の平坦面が露出した時
点で終了する。これにより、導電材料層71の凹部71
Aを平坦に埋め込むようにマスク材料層72が残る(図
20の(A)参照)。
【0174】[工程−1330]次に、導電材料層71
とマスク材料層72と密着層70とをエッチングし、円
錐形状の電子放出部15Eを形成する(図20の(B)
参照)。これらの層のエッチングは、導電材料層71の
エッチング速度がマスク材料層72のエッチング速度よ
りも速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチン
グ条件を以下の表2に例示する。
【0175】[表2] [導電材料層71等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0176】[工程−1340]その後、等方的なエッ
チング条件にて開口部14の内部において絶縁層12に
設けられた開口部14の側壁面を後退させると、図21
に示す電界放出素子が完成される。等方的なエッチング
は実施の形態12の[工程−1230]にて説明したと
同様とすればよい。
【0177】ここで、[工程−1330]において、電
子放出部15Eが形成される機構について、図22を参
照して説明する。図22の(A)は、エッチングの進行
に伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図2
2の(B)は、エッチング時間と開口部14の中心にお
ける被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフであ
る。開口部14の中心におけるマスク材料層の厚さをh
p、開口部14の中心における電子放出部15Eの高さ
をheとする。
【0178】表2に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層72のエッチング速度より
も、導電材料層71のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層72が存在しない領域では、導電材料層7
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
72が存在する領域では、最初にマスク材料層72が除
去されないとその下の導電材料層71のエッチングが始
まらないので、マスク材料層72がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp
少区間)、マスク材料層72が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層72の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。he
減少区間の開始時期は、マスク材料層72が厚さが最大
となる開口部14の中心で最も遅く、マスク材料層72
の薄い開口部14の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出部15Eが形成される。
【0179】レジスト材料から成るマスク材料層72の
エッチング速度に対する導電材料層71のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Eの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図23を参照し
て説明する。図23の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図23の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図23の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Eの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層72
の膜減りに比べて導電材料層71の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Eはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0180】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表2に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
【0181】(実施の形態14)実施の形態14のスピ
ント型電界放出素子の製造方法は、実施の形態13の製
造方法の変形である。この製造方法においては、マスク
材料層により遮蔽される導電材料層の領域を、実施の形
態13における製造方法におけるよりも狭くすることが
可能である。即ち、実施の形態14におけるスピント型
電界放出素子の製造方法においては、開口部の上端面と
底面との間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上
端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材
料層の表面に生成させ、工程(b)において、導電材料
層の全面にマスク材料層を形成した後、マスク材料層と
導電材料層とを支持体の表面に対して平行な面内で除去
することにより、柱状部にマスク材料層を残す。
【0182】以下、実施の形態14におけるスピント型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図24〜図26を参照して説明する。
【0183】[工程−1400]実施の形態1と同様に
してゲート電極13を形成した後、全面に例えば Si
2から成る厚さ0.2μmのエッチング停止層73を
形成する。エッチング停止層73は、電界放出素子の機
能上不可欠な部材ではなく、後工程で行われる導電材料
層71のエッチング時に、ゲート電極13を保護する役
割を果たす。尚、導電材料層71のエッチング条件に対
してゲート電極13が十分に高いエッチング耐性を持ち
得る場合には、エッチング停止層73を省略しても構わ
ない。その後、実施の形態1の[工程−130]と同様
にして、エッチング停止層73、ゲート電極13、絶縁
層12を貫通し、底部にカソード電極11が露出した開
口部14を形成する。このようにして、図24の(A)
に示す状態が得られる。
【0184】[工程−1410]次に、開口部14内を
含む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンか
ら成る密着層70を形成する。次いで、開口部14内を
含む全面に電子放出部形成用の導電材料層71を形成す
る(図24の(B)参照)。但し、実施の形態14にお
ける導電材料層71は、実施の形態13の製造方法で述
べた凹部71Aよりも深い凹部71Aが表面に生成され
るように、導電材料層71の厚さを選択する。即ち、導
電材料層71の厚さを適切に設定することによって、開
口部14の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状
部71Bとこの柱状部71Bの上端に連通する拡大部7
1Cとから成る略漏斗状の凹部71Aを導電材料層71
の表面に生成させることができる。
【0185】[工程−1420]次に、導電材料層71
の全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5
μmの銅(Cu)から成るマスク材料層72を形成する
(図25の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表
3に例示する。
【0186】 [表3] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0187】[工程−1430]その後、マスク材料層
72と導電材料層71とを支持体10の表面に対して平
行な面内で除去することにより、柱状部71Bにマスク
材料層72を残す(図25の(B)参照)。この除去
は、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行う
ことができる。
【0188】[工程−1440]次に、導電材料層71
と密着層70のエッチング速度がマスク材料層72のエ
ッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
で、導電材料層71とマスク材料層72と密着層70と
をエッチングする。その結果、開口部14内に錐状形状
を有する電子放出部15Eが形成される(図26の
(A)参照)。尚、電子放出部15Eの先端部にマスク
材料層72が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングによりマスク材料層72を除去す
ることができる。
【0189】[工程−1450]次に、等方的なエッチ
ング条件で開口部14の内部において絶縁層12に設け
られた開口部14の側壁面を後退させると、図26の
(B)に示す電界放出素子が完成される。等方的なエッ
チングについては、実施の形態12の製造方法で説明し
たと同様とすればよい。
【0190】ところで、実施の形態14の製造方法で形
成された電子放出部15Eにおいては、実施の形態13
の製造方法で形成された電子放出部15Eに比べ、より
鋭い錐状形状が達成されている。これは、マスク材料層
72の形状と、マスク材料層72のエッチング速度に対
する導電材料層71のエッチング速度の比の違いに起因
する。この違いについて、図27を参照しながら説明す
る。図27は、被エッチング物の表面プロファイルが一
定時間毎にどのように変化するかを示す図であり、図2
7の(A)は銅から成るマスク材料層72を用いた場
合、図27の(B)はレジスト材料から成るマスク材料
層72を用いた場合をそれぞれ示す。尚、簡略化のため
に導電材料層71のエッチング速度と密着層70のエッ
チング速度とをそれぞれ等しいものと仮定し、図27に
おいては密着層70の図示を省略する。
【0191】銅から成るマスク材料層72を用いた場合
(図27の(A)参照)は、マスク材料層72のエッチ
ング速度が導電材料層71のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層72が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Eを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層72を用いた場合(図27の
(B)参照)は、マスク材料層72のエッチング速度が
導電材料層71のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層72が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Eの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0192】また、柱状部71Bに残るマスク材料層7
2には、柱状部71Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Eの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部71Bの深さは、導電材料層71の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部71Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層72の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Eの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部71Aに残るマスク材料層72において
は、凹部71Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部71Aが浅くマスク材
料層72の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Eの錐状形状の鈍化が始まる。電界放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0193】(実施の形態15)実施の形態15の製造
方法は、実施の形態14のスピント型電界放出素子の製
造方法の変形である。実施の形態15の製造方法におい
ては、工程(a)において、開口部の上端面と底面との
間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通
する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表
面に生成させ、工程(b)において、導電材料層の全面
にマスク材料層を形成した後、導電材料層上と拡大部内
のマスク材料層を除去することにより、柱状部にマスク
材料層を残す。以下、実施の形態15におけるスピント
型電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部
端面図である図28及び図29を参照して説明する。
【0194】[工程−1500]先ず、図25の(A)
に示したマスク材料層72の形成までを実施の形態14
の製造方法の[工程−1400]〜[工程−1420]
と同様に行った後、導電材料層71上と拡大部71C内
のマスク材料層72のみを除去することにより、柱状部
71Bにマスク材料層72を残す(図28の(A)参
照)。このとき、例えば希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングを行うことにより、タングステンから成る
導電材料層71を除去することなく、銅から成るマスク
材料層72のみを選択的に除去することができる。柱状
部71B内に残るマスク材料層72の高さは、エッチン
グ時間に依存するが、このエッチング時間は、拡大部7
1Cに埋め込まれたマスク材料層72の部分が十分に除
去される限りにおいて、それ程の厳密さを要しない。な
ぜなら、マスク材料層72の高低に関する議論は、図2
7の(A)を参照しながら前述した柱状部71Bの浅深
に関する議論と実質的に同じであり、マスク材料層72
の高低は最終的に形成される電子放出部15Eの形状に
大きな影響を及ぼさないからである。
【0195】[工程−1510]次に、導電材料層71
とマスク材料層72と密着層70のエッチングを、実施
の形態14の製造方法と同様に行い、図28の(B)に
示すような電子放出部15Eを形成する。この電子放出
部15Eは、図26の(A)に示したように全体が錐状
形状を有していても勿論構わないが、図28の(B)に
は先端部のみが錐状形状を有する変形例を示した。かか
る形状は、柱状部71Bに埋め込まれたマスク材料層7
2の高さが低いか、若しくは、マスク材料層72のエッ
チング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部
15Eとしての機能に何ら支障はない。
【0196】[工程−1520]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部14の内部において絶縁層12に設
けられた開口部14の側壁面を後退させると、図29に
示す電界放出素子が完成される。等方的なエッチングに
ついては、実施の形態12の作製方法で説明したと同様
とすればよい。
【0197】(実施の形態16)実施の形態16の製造
方法は、実施の形態13の製造方法の変形である。実施
の形態16の模式的な一部端面図を図30に示す。実施
の形態16が実施の形態13と異なる点は、電子放出部
が、基部74と、基部74上に積層された錐状の電子放
出部15Eとから構成されている点にある。ここで、基
部74と電子放出部15Eとは異なる導電材料から構成
されている。具体的には、基部74は、電子放出部15
Eとゲート電極13の開口端部との間の距離を調節する
ための部材であり、且つ、抵抗体層としての機能を有
し、不純物を含有するポリシリコン層から構成されてい
る。電子放出部15Eはタングステンから構成されてお
り、錐状形状、より具体的には円錐形状を有する。尚、
基部74と電子放出部15Eとの間には、TiNから成
る密着層70が形成されている。尚、密着層70は、電
子放出部の機能上不可欠な構成要素ではなく、製造上の
理由で形成されている。絶縁層12がゲート電極13の
直下から基部74の上端部にかけてえぐられている。
【0198】以下、実施の形態16の製造方法を、支持
体等の模式的な一部端面図である図31〜図33を参照
して説明する。
【0199】[工程−1600]先ず、開口部14の形
成までを実施の形態12と同様に行う。続いて、開口部
14内を含む全面に基部形成用の導電材料層74Aを形
成する。導電材料層74Aは、抵抗体層としても機能
し、ポリシリコン層から構成され、プラズマCVD法に
より形成することができる。次いで、全面に、スピンコ
ート法にてレジスト材料から成る平坦化層75を表面が
略平坦となるように形成する(図31(A)参照)。次
に、平坦化層75と導電材料層74Aのエッチング速度
が共に略等しくなる条件で両層をエッチングし、開口部
14の底部を上面が平坦な基部74で埋め込む(図31
の(B)参照)。エッチングは、塩素系ガスと酸素系ガ
スとを含むエッチングガスを用いたRIE法により行う
ことができる。導電材料層74Aの表面を平坦化層75
で一旦平坦化してからエッチングを行っているので、基
部74の上面が平坦となる。
【0200】[工程−1610]次に、開口部14の残
部を含む全面に密着層70を成膜し、更に、開口部14
の残部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層71
を成膜し、開口部14の残部を導電材料層71で埋め込
む(図32の(A)参照)。密着層70は、スパッタリ
ング法により形成される厚さ0.07μmのTiN層で
あり、導電材料層71は減圧CVD法により形成される
厚さ0.6μmのタングステン層である。導電材料層7
1の表面には、開口部14の上端面と底面との間の段差
を反映して凹部71Aが形成されている。
【0201】[工程−1620]次に、導電材料層71
の全面に、スピンコート法によりレジスト材料ら成るマ
スク材料層72を表面が略平坦となるように形成する
(図32の(B)参照)。マスク材料層72は、導電材
料層71の表面の凹部71Aを吸収して平坦な表面とな
っている。次に、マスク材料層72を酸素系ガスを用い
たRIE法によりエッチングする(図33の(A)参
照)。このエッチングは、導電材料層71の平坦面が露
出した時点で終了する。これにより、導電材料層71の
凹部71Aにマスク材料層72が平坦に残され、マスク
材料層72は、開口部14の中央部に位置する導電材料
層71の領域を遮蔽するように形成されている。
【0202】[工程−1630]次に、実施の形態13
の製造方法の[工程−1330]と同様にして、導電材
料層71、マスク材料層72及び密着層70を共にエッ
チングすると、前述の機構に基づき対レジスト選択比の
大きさに応じた円錐形状を有する電子放出部15Eと密
着層70とが形成され、電子放出部が完成される(図3
3の(B)参照)。その後、開口部14の内部において
絶縁層12に設けられた開口部14の側壁面を後退させ
ると、図30に示した電界放出素子を得ることができ
る。
【0203】(実施の形態17)実施の形態17の製造
方法は、実施の形態14の製造方法の変形である。実施
の形態17の模式的な一部端面図を図35の(B)に示
す。実施の形態17が実施の形態14と異なる点は、電
子放出部が、実施の形態16と同様に、基部74と、基
部74上に積層された錐状の電子放出部15Eとから構
成されている点にある。ここで、基部74と電子放出部
15Eとは異なる導電材料から構成されている。具体的
には、基部74は、電子放出部15Eとゲート電極13
の開口端部との間の距離を調節するための部材であり、
且つ、抵抗体層としての機能を有し、不純物を含有する
ポリシリコン層から構成されている。電子放出部15E
はタングステンから構成されており、錐状形状、より具
体的には円錐形状を有する。尚、基部74と電子放出部
15Eとの間には、TiNから成る密着層70が形成さ
れている。尚、密着層70は、電子放出部の機能上不可
欠な構成要素ではなく、製造上の理由で形成されてい
る。絶縁層12がゲート電極13の直下から基部74の
上端部にかけてえぐられている。
【0204】以下、実施の形態17の製造方法を、支持
体等の模式的な一部端面図である図34及び図35を参
照して説明する。
【0205】[工程−1700]先ず、開口部14の形
成までを、実施の形態14の製造方法の[工程−140
0]と同様に行う。次に、開口部14内を含む全面に基
部形成用の導電材料層を形成し、導電材料層をエッチン
グすることによって、開口部14の底部を埋め込む基部
74を形成することができる。尚、図示される基部74
は平坦化された表面を有しているが、表面が窪んでいて
もよい。尚、平坦化された表面を有する基部74は、実
施の形態16の製造方法の[工程−1600]と同様の
プロセスによって形成可能である。更に、[工程−14
10]〜[工程−1420]と同様にして、開口部14
の残部を含む全面に、密着層70及び電子放出部形成用
の導電材料層71を順次形成する。このとき、開口部1
4の残部の上端面と底面との間の段差を反映した柱状部
71Bとこの柱状部71Bの上端に連通する拡大部71
Cとから成る略漏斗状の凹部71Aが導電材料層71の
表面に生成されるように、導電材料層71の厚さを選択
する。次に、導電材料層71上にマスク材料層72を形
成する。このマスク材料層72は、例えば銅を用いて形
成する。図34の(A)は、ここまでのプロセスが終了
した状態を示している。
【0206】[工程−1710]次に、マスク材料層7
2と導電材料層71とを支持体10の表面に対して平行
な面内で除去することにより、柱状部71Bにマスク材
料層72を残す(図34の(B)参照)。この除去は、
[工程−1430]と同様に、化学的機械的研磨法(C
MP法)により行うことができる。
【0207】[工程−1720]次に、導電材料層71
とマスク材料層72と密着層70とをエッチングする
と、前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応
じた円錐形状を有する電子放出部15Eが形成される。
これらの層のエッチングは、実施の形態14の製造方法
の[工程−1440]と同様に行うことができる。電子
放出部15Eと基部74、及び、電子放出部15Eと基
部74の間に残存する密着層70とによって、電子放出
部が形成される。電子放出部は、全体が錐状形状を有し
ていても勿論構わないが、図35の(A)には基部74
の一部が開口部14の底部を埋め込むように残存した状
態を示した。かかる形状は、柱状部71Bに埋め込まれ
たマスク材料層72の高さが低いか、若しくは、マスク
材料層72のエッチング速度が比較的速い場合に生じ得
るが、電子放出部としての機能に何ら支障はない。
【0208】[工程−1730]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部14の内部において絶縁層12の側
壁面を後退させると、図35の(B)に示した電界放出
素子が完成される。等方的なエッチング条件は、実施の
形態12の製造方法で説明したと同様とすればよい。
【0209】(実施の形態18)実施の形態18の製造
方法は、実施の形態15のスピント型電界放出素子の製
造方法の変形である。実施の形態18が実施の形態15
と異なる点は、電子放出部が、実施の形態16と同様
に、基部74と、基部74上に積層された錐状の電子放
出部15Eとから構成されている点にある。以下、スピ
ント型電界放出素子である実施の形態18の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図である図36を参照
して説明する。
【0210】[工程−1800]マスク材料層72の形
成までを実施の形態17の製造方法の[工程−170
0]と同様に行う。その後、導電材料層71上と拡大部
71C内のマスク材料層72のみを除去することによ
り、柱状部71Bにマスク材料層72を残す(図36参
照)。例えば希フッ酸水溶液を用いたウェットエッチン
グを行い、タングステンから成る導電材料層71を除去
することなく、銅から成るマスク材料層72のみを選択
的に除去することができる。この後の導電材料層71と
マスク材料層72のエッチング、絶縁層12の等方的な
エッチング等のプロセスは、全て、実施の形態17の製
造方法と同様に行うことができる。
【0211】(実施の形態19)実施の形態19も、実
施の形態1の変形であり、第3の構造を有する、CVD
法に基づき形成された炭素薄膜から構成された電子放出
部を有する扁平型電界放出素子の製造方法に関する。実
施の形態19においては、実施の形態11と異なり、開
口部を形成した後、開口部の底部に露出したカソード電
極上に電子放出部を形成する。炭素薄膜、炭素薄膜選択
成長領域の形成に関しては、実施の形態11にて説明し
たと同様とすることができるので、詳細な説明は省略す
る。
【0212】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図37を参照して、実施の形態19の扁平型電界放出
素子の製造方法を説明する。
【0213】[工程−1900]先ず、例えばガラス基
板から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材
料層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びR
IE法に基づき導電材料層をパターニングすることによ
って、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上
に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、図面
の紙面垂直方向に延びている。導電材料層は、例えばス
パッタリング法により形成された厚さ約0.2μmのク
ロム(Cr)層から成る。
【0214】[工程−1910]その後、カソード電極
11の表面に炭素薄膜選択成長領域61を形成する。具
体的には、先ず、レジスト材料層をスピンコート法にて
全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、炭素薄
膜選択成長領域61を形成すべきカソード電極11の部
分の表面が露出したマスク層60を形成する。次に、露
出したカソード電極11の表面を含むマスク層60上
に、金属粒子を付着させる。具体的には、ニッケル(N
i)微粒子をポリシロキサン溶液中に分散させた溶液
(溶媒としてイソプロピルアルコールを使用)をスピン
コート法にて全面に塗布し、溶媒と金属粒子から成る層
を炭素薄膜選択成長領域61を形成すべきカソード電極
11の部分の表面に形成する。その後、マスク層60を
除去し、400゜C程度に加熱することによって溶媒を
除去し、露出したカソード電極11の表面に金属粒子6
2を残すことで、炭素薄膜選択成長領域61を得ること
ができる(図37の(A)参照)。尚、ポリシロキサン
は、露出したカソード電極11の表面に金属粒子62を
固定させる機能(所謂、接着機能)を有する。
【0215】尚、金属粒子の代わりに、例えばチタン
(Ti)から成る金属薄膜をスパッタ法に基づき形成し
てもよい。また、金属粒子を付着させた後、あるいは
又、金属薄膜を形成した後、金属粒子や金属薄膜の表面
の金属酸化物(自然酸化膜)を除去してもよいし、例え
ばチオナフテン溶液をスピンコート法にて全面に塗布し
た後、加熱処理を施すことによって、炭素薄膜選択成長
領域61の表面に硫黄(S)を付着させてもよい。ま
た、金属化合物粒子を付着させた後、あるいは又、金属
化合物薄膜を形成した後、金属化合物粒子や金属化合物
薄膜を熱分解し、カソード電極の表面に金属粒子が付着
して成り、あるいは又、金属薄膜が形成されて成る炭素
薄膜選択成長領域を得てもよい。
【0216】[工程−1920]その後、実施の形態1
の[工程−110]と同様にして、カソード電極11、
支持体10及び炭素薄膜選択成長領域61上に球体を配
置し、次いで、球体を加熱することによって、球体を部
分的に溶融させる。そして、全面に絶縁層12を形成す
る。具体的には、支持体10、カソード電極11、炭素
薄膜選択成長領域61及び球体を被覆するように、CV
D法にてSiO2から成る絶縁層12を形成する。その
後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に形
成する。次いで、実施の形態1の[工程−130]と同
様にして球体を除去し、以て、ゲート電極13及び絶縁
層12に開口部14を形成し、且つ、開口部14の底部
に炭素薄膜選択成長領域61を露出させる(図37の
(B)参照)。
【0217】[工程−1930]次いで、炭素薄膜選択
成長領域61上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜63を
形成し、電子放出部15Cを得る。この状態を図37の
(C)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜63の成膜条件は表1に例示したと同様とすれば
よい。こうして、扁平型電界放出素子を得ることができ
る。その後、実施の形態1の[工程−140]と同様に
して、表示装置の組み立てを行う。
【0218】(実施の形態20)実施の形態20も、実
施の形態1の変形であり、第4の構造を有するエッジ型
電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態20にお
いては、開口部を形成した後、開口部の底部に露出した
カソード電極に孔部を形成する。カソード電極に形成さ
れた孔部の端部が電子放出部15Fに相当する。エッジ
型電界放出素子の構造を図38の(A)、(B)及び
(C)に模式的な一部端面図で示す。
【0219】エッジ型電界放出素子の一例の模式的な一
部端面図を図38の(A)に示す。このエッジ型電界放
出素子は、支持体10上に形成されたストライプ状のカ
ソード電極211と、支持体10及びカソード電極21
1上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成さ
れたストライプ状のゲート電極13から構成されてお
り、開口部14がゲート電極13及び絶縁層12に設け
られている。開口部14の底部にはカソード電極211
のエッジ部211Aが露出している。カソード電極21
1及びゲート電極13に電圧を印加することによって、
カソード電極211のエッジ部211Aから電子が放出
される。
【0220】尚、図38の(B)に示すように、開口部
14内のカソード電極211の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図38の(C)に示すように、支持体10上
に形成された下層ゲート電極13Aと、支持体10及び
下層ゲート電極13A上に形成された層間絶縁層12A
と、層間絶縁層12A上に形成されたカソード電極21
1と、層間絶縁層12A及びカソード電極211に形成
された絶縁層12Bと、絶縁層12B上に形成されたゲ
ート電極13Bから構成することもできる。そして、開
口部14が、ゲート電極13B及び絶縁層12Bに設け
られており、開口部14の底部にはカソード電極211
のエッジ部211Aが露出している。更には、カソード
電極211に孔部14Aが形成され、層間絶縁層12A
に第2の孔部14Bが形成されている。カソード電極2
11並びに下層ゲート電極13A、ゲート電極13Bに
電圧を印加することによって、電子放出部15Fに相当
するカソード電極211のエッジ部211Aから電子が
放出される。
【0221】例えば、図38の(C)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図39を参照して、以下、説明する。
【0222】[工程−2000]先ず、例えばガラスか
ら成る支持体10の上に、スパッタリング法により厚さ
約0.2μmのタングステン膜を成膜し、フォトリソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術によりこのタング
ステン膜をパターニングし、下層ゲート電極13Aを形
成する。次に、全面に、SiO2から成る厚さ0.3μ
mの層間絶縁層12Aを形成した後、層間絶縁層12A
の上にタングステンから成るストライプ状のカソード電
極211を形成する(図39の(A)参照)。
【0223】[工程−2010]その後、全面に、実施
の形態1の[工程−110]と同様にして、球体40を
配置した後、球体を部分的に溶融させる(図39の
(B)参照)。
【0224】[工程−2020]その後、例えばSiO
2から成る厚さ0.7μmの絶縁層12Bによって層間
絶縁層12A、カソード電極211及び球体40を被覆
し、次いで、絶縁層12B上にストライプ状のゲート電
極13Bを形成する(図39の(C)参照)。
【0225】[工程−2030]次に、実施の形態1の
[工程−130]と同様にして、球体40を除去する
(図39の(D)参照)。これによって、ゲート電極1
3B及び絶縁層12Bに開口部14を形成することがで
きる。
【0226】[工程−2040]次に、開口部14の底
面に露出したカソード電極211を、イオンを主エッチ
ング種とする条件によりドライエッチングする。イオン
を主エッチング種とするドライエッチングでは、被エッ
チング物へのバイアス電圧の印加やプラズマと磁界との
相互作用を利用して荷電粒子であるイオンを加速するこ
とができるため、一般には異方性エッチングが進行し、
被エッチング物の加工面は垂直壁となる。しかし、この
工程では、プラズマ中の主エッチング種の中にも垂直以
外の角度を有する入射成分が若干存在すること、及び開
口部の端部における散乱によってもこの斜め入射成分が
生ずることにより、カソード電極211の露出面の中
で、本来であれば開口部によって遮蔽されてイオンが到
達しないはずの領域にも、ある程度の確率で主エッチン
グ種が入射する。このとき、支持体10の法線に対する
入射角の小さい主エッチング種ほど入射確率は高く、入
射角の大きい主エッチング種ほど入射確率は低い。
【0227】従って、カソード電極211に形成された
孔部14Aの上端部の位置は、絶縁層12Bに形成され
た開口部14の下端部とほぼ揃っているものの、カソー
ド電極211に形成された孔部14Aの下端部の位置は
その上端部よりも突出した状態となる。つまり、カソー
ド電極211のエッジ部211Aの厚さが、突出方向の
先端部に向けて薄くなり、エッジ部211Aが先鋭化さ
れる。例えば、エッチング・ガスとしてSF6を用いる
ことにより、カソード電極211の良好な加工を行うこ
とができる。
【0228】次に、カソード電極211に形成された孔
部14Aの底面に露出した層間絶縁層12Aを等方的に
エッチングし、層間絶縁層12Aに第2の孔部14Bを
形成する。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェ
ットエッチングを行う。層間絶縁層12Aに形成された
第2の孔部14Bの壁面は、カソード電極211に形成
された孔部14Aの下端部よりも後退する。このときの
後退量はエッチング時間の長短により制御可能である。
こうして、図38の(C)に示した構成を得ることがで
きる。
【0229】(実施の形態21)実施の形態21は、本
発明の第2の態様に係る製造方法に関する。そして、実
施の形態21においては、電界放出素子は第1の構造を
有し、より具体的には、実施の形態1と同様に、平坦な
カソード電極の表面から電子を放出する平面型電界放出
素子から構成されている。即ち、開口部の底部に露出し
たカソード電極が電子放出部に相当する。
【0230】実施の形態21の平面型電界放出素子の模
式的な一部端面図を、図41の(C)に示す。この平面
型電界放出素子は、実施の形態1にて説明した電界放出
素子において、更に、ゲート電極13の上に第2の絶縁
層212が形成され、第2の絶縁層212には、開口部
114に連通した貫通孔214が形成されている。即
ち、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたス
トライプ状のカソード電極11、支持体10及びカソー
ド電極11上に形成された第1の絶縁層12、第1の絶
縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電極1
3、ゲート電極13及び第1の絶縁層112上に形成さ
れた第2の絶縁層212、第2の絶縁層212を貫通す
る貫通孔214、並びに、ゲート電極13及び絶縁層1
2を貫通し、底部にカソード電極11が露出した開口部
114から成る。カソード電極11は、図41の紙面垂
直方向に延び、ゲート電極13は、図41の紙面左右方
向に延びている。カソード電極11はクロム(Cr)か
ら成る。また、第1の絶縁層112と第2の絶縁層21
との間にはエッチング選択比があることが要求され、例
えば、第1の絶縁層112をSiO2から構成し、第2
の絶縁層212をSiNから構成することが好ましい。
尚、開口部114の底部に露出したカソード電極11の
部分が電子放出部15Aに相当する。
【0231】以下、支持体等の模式的な一部端面である
図40及び図41を参照して、実施の形態21の平面型
電界放出素子の製造方法を説明する。
【0232】[工程−2100]先ず、支持体10上に
電子放出部15Aとして機能するカソード電極11を形
成する。具体的には、実施の形態1の[工程−100]
と同様の工程を実行する。尚、カソード電極11は、図
面の紙面垂直方向に延びている。
【0233】[工程−2110]次いで、カソード電極
11及び支持体10上に第1の絶縁層112を形成す
る。具体的には、例えばTEOS(テトラエトキシシラ
ン)を原料ガスとして用いるCVD法により第1の絶縁
層112を形成することができる。尚、第1の絶縁層1
12を、スクリーン印刷法に基づきガラスペーストから
形成することもできる。その後、ストライプ状のゲート
電極13を第1の絶縁層112上に形成する(図40の
(A)参照)。具体的には、スパッタリング法にてクロ
ム(Cr)薄膜を第1の絶縁層112上に成膜した後、
クロム薄膜をストライプ状にパターニングすることによ
って、ストライプ状のゲート電極13を得ることができ
る。尚、ゲート電極13は、図面の紙面左右方向に延び
ている。例えばスクリーン印刷法にて、ストライプ状の
ゲート電極13を第1の絶縁層112上に、直接形成す
ることもできる。
【0234】[工程−2120]その後、少なくともカ
ソード電極上に、実施の形態21においては、全面に球
体40を配置する(図40の(B)参照)。具体的に
は、実施の形態1の[工程−110]と同様の工程を実
行すればよい。尚、アクリル系樹脂から成る、平均粒径
5μmの球体40を使用した。球体40は、全面にラン
ダムに散布される。尚、球体40の散布密度を約100
0個/mm2とした。次いで、球体を200゜C前後に
加熱することによって、球体を部分的に溶融させる(図
40の(C)参照)。これによって、球体40の底部近
傍とゲート電極13の表面との間に隙間が無くなり、後
の工程において、第2の絶縁層に貫通孔を形成したと
き、貫通孔の底部にゲート電極13を確実に露出させる
ことができる。
【0235】[工程−2130]次いで、ゲート電極1
3、第1の絶縁層212及び球体40を第2の絶縁層2
12によって被覆する(図41の(A)参照)。具体的
には、例えばCVD法により、SiNから成る第2の絶
縁層212を形成することができる。第2の絶縁層21
2の平均膜厚を0.5μmとした。尚、第2の絶縁層2
12をスピンコーティング法にて形成することもでき
る。
【0236】[工程−2140]その後、球体40を除
去し、以て、第2の絶縁層112に貫通孔214を形成
し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極13を露出
させる(図41の(B)参照)。具体的には、450゜
Cに球体40を加熱することによって球体40を燃焼さ
せる。球体40の燃焼により、例えば、一酸化炭素、二
酸化炭素、水蒸気が発生し、球体40近傍の閉鎖空間の
圧力が高まり、球体40近傍の第2の絶縁層212の部
分は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の
勢いによって、球体を被覆した第2の絶縁層212の部
分が飛散し、第2の絶縁層212に貫通孔214が形成
され、しかも、球体40が除去される。
【0237】[工程−2150]次いで、貫通孔214
の底部に露出したゲート電極13をRIE法に基づきエ
ッチングし、更に、第1の絶縁層212を等方的にエッ
チングすることによって、ゲート電極13及び第1の絶
縁層112に、貫通孔214に連通した開口部114を
形成し、且つ、開口部114の底部に、電子放出部15
Aとして機能するカソード電極11を露出させることが
できる(図41の(C)参照)。次いで、実施の形態1
の[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立て
を行う。
【0238】このように、最終的に第2の絶縁層212
を残したままとすれば、かかる第2の絶縁層212は、
電子放出部15Aから放出された電子が、対向する蛍光
体層以外の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク
(色濁り)が発生することを防止する機能を有する。
【0239】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−215
0]の後、第2の絶縁層212をエッチング法にて除去
してもよい。こうして得られた構造の模式的な一部端面
図を図42に示す。尚、このように第2の絶縁層212
を除去する場合、場合によっては、第2の絶縁層212
の代わりに導電材料やその他の材料から成るマスク層を
用いることもできる。即ち、本発明の第2Aの態様に係
る電界放出素子の製造方法を採用する場合には、広く
は、第2の絶縁層の代わりに、[工程−2130]にお
いて、ゲート電極13、第1の絶縁層212及び球体4
0をマスク層によって被覆すればよい。そして、[工程
−2140]においては、球体40を除去し、以て、マ
スク層に貫通孔を形成し、且つ、貫通孔の底部にゲート
電極を露出させればよい。マスク層は、第1の絶縁層1
12及びゲート電極13、カソード電極11に損傷を与
えることなく除去できる材料であれば、如何なる材料か
ら構成することもできる。
【0240】更には、実施の形態21の電界放出素子の
製造方法(本発明の第2Aの態様に係る電界放出素子の
製造方法を含む)に対して、実施の形態2及び実施の形
態3にて説明した電界放出素子の製造方法を適用するこ
ともできる。
【0241】(実施の形態22)実施の形態22は、実
施の形態21にて説明した電界放出素子の製造方法の変
形であり、第1の構造を有する電界放出素子であるクレ
ータ型電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態2
2における電子放出部は、実施の形態4と同様の構成を
有する。即ち、図10の(A)に模式的な一部端面図を
示し、図10の(B)に模式的な部分的斜視図を示した
ように、カソード電極111の表面(電子放出部に相当
する)に、微小なクレータが形成されている。即ち、電
子を放出する複数の隆起部111Aと、各隆起部111
Aに囲まれた凹部111Bとを有するカソード電極11
1が、支持体10上に形成されている。実施の形態22
においても、開口部の底部に露出したカソード電極が電
子放出部に相当する。
【0242】隆起部111Aの形状、凹部111Bの形
状、第2の球体41、第2の球体41の配置方法や除去
方法等に関しては、実施の形態4にて説明したと同様と
することができるので、詳細な説明は省略する。
【0243】以下、図8〜図10を参考にして、実施の
形態22の製造方法を説明する。
【0244】[工程−2200]先ず、実施の形態4の
[工程−400]、[工程−410]と同様にして、支
持体10上に複数の第4の球体41を配置した後、複数
の第2の球体41を被覆したカソード電極111を支持
体10上に形成する。次いで、実施の形態4の[工程−
420]と同様にして、第2の球体41を除去すること
によって、第2の球体41を被覆したカソード電極11
1の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部
111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、第2の
球体41の形状の一部を反映した凹部111Bとを有す
るカソード電極111を形成する。
【0245】尚、以上の工程の代わりに、実施の形態5
の[工程−500]〜[工程−520]、あるいは、実
施の形態6の[工程−600]〜[工程−620]、実
施の形態7の[工程−700]〜[工程−710]、実
施の形態8の[工程−800]〜[工程−810]、実
施の形態9の[工程−900]〜[工程−910]を実
行してもよい。
【0246】[工程−2210]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11及び支持体10上に第1の絶縁層112を形成した
後、第1の絶縁層112上にゲート電極13を形成す
る。そして、[工程−2120]と同様にして、少なく
ともゲート電極13上に球体40を配置した後、球体4
0の一部を溶融させる。その後、[工程−2130]と
同様にして、ゲート電極13、第1の絶縁層112及び
球体40を第2の絶縁層212によって被覆した後、
[工程−2140]と同様にして、球体40を除去し、
以て、第2の絶縁層212に貫通孔214を形成し、且
つ、貫通孔214の底部にゲート電極13を露出させ
る。次いで、[工程−2150]と同様にして、貫通孔
214が形成された第2の絶縁層212をエッチング用
マスクとして用いて、ゲート電極13及び第1の絶縁層
112をエッチングし、以て、貫通孔214と連通した
開口部114をゲート電極13及び第1の絶縁層112
に形成し、且つ、開口部114の底部にカソード電極1
11を露出させる。こうして、クレータ型電界放出素子
を得ることができる。次いで、実施の形態1の[工程−
140]と同様にして、表示装置の組み立てを行う。
【0247】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−221
0]の後、第2の絶縁層212をエッチング法にて除去
してもよい。この場合、第2の絶縁層212の代わりに
導電材料やその他の材料から成るマスク層を用いること
もできる。更には、実施の形態22の電界放出素子の製
造方法(本発明の第2Aの態様に係る電界放出素子の製
造方法を含む)に対して、実施の形態2にて説明した電
界放出素子の製造方法を適用することもできる。
【0248】(実施の形態23)実施の形態23も、実
施の形態21の変形であり、扁平型電界放出素子の製造
方法に関する。第2の構造を有する電界放出素子の製造
方法である実施の形態23においては、支持体上にカソ
ード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放出
部を形成する。実施の形態23における電子放出部は、
実施の形態10と同様の構成を有する。即ち、図43の
(A)に示すように、実施の形態23における扁平型電
界放出素子は、例えばガラスから成る支持体10上に形
成されたカソード電極11、支持体10及びカソード電
極11上に形成された第1の絶縁層112、第1の絶縁
層112上に形成されたゲート電極13、ゲート電極1
3及び第1の絶縁層112を貫通した開口部114、並
びに、開口部114の底部に位置するカソード電極11
上に設けられた扁平の電子放出部15Bから成る。尚、
実施の形態23においては、更に、第1の絶縁層112
及びゲート電極13上に第2の絶縁層212が形成され
ており、第2の絶縁層212には、開口部114と連通
した貫通孔214が形成されている。ここで、電子放出
部15Bは、図43の紙面垂直方向に延びたストライプ
状のカソード電極11上に形成されている。また、ゲー
ト電極13は、図43の紙面左右方向に延びている。カ
ソード電極11及びゲート電極13はクロム(Cr)か
ら成る。電子放出部15Bは、具体的には、グラファイ
ト粉末から成る薄層から構成されている。また、電界放
出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化のために、
カソード電極11と電子放出部15Bとの間にSiCか
ら成る抵抗体層50が設けられている。図43に示した
実施の形態23の扁平型電界放出素子においては、カソ
ード電極11の表面の全域に亙って、抵抗体層50及び
電子放出部15Bが形成されているが、このような構造
に限定するものではなく、要は、少なくとも開口部11
4の底部に電子放出部15Bが設けられていればよい。
実施の形態23の扁平型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料を、実施の形態10の扁平型電界
放出素子における電子放出部を構成する材料と同様とす
ればよいので、詳細な説明は省略する。
【0249】以下、図15を参考にして、実施の形態2
3の扁平型電界放出素子の製造方法を説明する。
【0250】[工程−2300]先ず、実施の形態10
の[工程−1000]と同様にして、支持体10上にス
トライプ状のカソード電極11を支持体10上に形成す
る。次に、[工程−1010]と同様にして、カソード
電極11上に、電子放出部15Bを形成する。
【0251】[工程−2310]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11、電子放出部15B及び支持体10上に第1の絶縁
層112を形成した後、第1の絶縁層112上にゲート
電極13を形成する。そして、[工程−2120]と同
様にして、少なくともゲート電極13上に球体40を配
置した後、球体40の一部を溶融させる。その後、[工
程−2130]と同様にして、ゲート電極13、第1の
絶縁層112及び球体40を第2の絶縁層212によっ
て被覆した後、[工程−2140]と同様にして、球体
40を除去し、以て、第2の絶縁層212に貫通孔21
4を形成し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極1
3を露出させる。次いで、[工程−2150]と同様に
して、貫通孔214が形成された第2の絶縁層212を
エッチング用マスクとして用いて、ゲート電極13及び
第1の絶縁層112をエッチングし、以て、貫通孔21
4と連通した開口部114をゲート電極13及び第1の
絶縁層112に形成し、且つ、開口部114の底部に電
子放出部15Bを露出させる。こうして、扁平型電界放
出素子を得ることができる。次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0252】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−231
0]の後、第2の絶縁層212をエッチング法にて除去
してもよい(図43の(B)参照)。この場合、第2の
絶縁層212の代わりに導電材料やその他の材料から成
るマスク層を用いることもできる。更には、実施の形態
23の電界放出素子の製造方法(本発明の第2Aの態様
に係る電界放出素子の製造方法を含む)に対して、実施
の形態2にて説明した電界放出素子の製造方法を適用す
ることもできる。
【0253】また、実施の形態10にて説明した製造方
法の変形例を、実施の形態23の電界放出素子の製造方
法に適用することもできる。
【0254】(実施の形態24)実施の形態24も、実
施の形態21の変形であり、扁平型電界放出素子の製造
方法に関する。第2の構造を有する電界放出素子の製造
方法である実施の形態24においては、実施の形態11
と同様に、電子放出部15CがCVD法に基づき形成さ
れた炭素薄膜から構成されている。実施の形態24にお
いても、支持体上にカソード電極を形成し、併せて、カ
ソード電極上に電子放出部を形成する。
【0255】電子放出部を構成する炭素薄膜、炭素薄膜
選択成長領域形成工程に関しては、実施の形態11と同
様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0256】以下、図16を参考にして、実施の形態2
4の扁平型電界放出素子の製造方法を説明する。
【0257】[工程−2400]先ず、実施の形態11
の[工程−1100]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料
層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRI
E法に基づき導電材料層をパターニングすることによっ
て、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上に
形成する。その後、[工程−1110]及び[工程−1
120]と同様にして、カソード電極11の表面に炭素
薄膜選択成長領域61を形成した後、炭素薄膜選択成長
領域61上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜63を形成
し、電子放出部15Cを得る。この状態は、図16の
(D)に示したと同様である。
【0258】[工程−2410]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11、電子放出部15C及び支持体10上に第1の絶縁
層112を形成した後、第1の絶縁層112上にゲート
電極13を形成する。そして、[工程−2120]と同
様にして、少なくともゲート電極13上に球体40を配
置した後、球体40の一部を溶融させる。その後、[工
程−2130]と同様にして、ゲート電極13、第1の
絶縁層112及び球体40を第2の絶縁層212によっ
て被覆した後、[工程−2140]と同様にして、球体
40を除去し、以て、第2の絶縁層212に貫通孔21
4を形成し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極1
3を露出させる。次いで、[工程−2150]と同様に
して、貫通孔214が形成された第2の絶縁層212を
エッチング用マスクとして用いて、ゲート電極13及び
第1の絶縁層112をエッチングし、以て、貫通孔21
4と連通した開口部114をゲート電極13及び第1の
絶縁層112に形成し、且つ、開口部114の底部に電
子放出部15Cを露出させる。こうして、扁平型電界放
出素子を得ることができる。次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0259】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−241
0]の後、第2の絶縁層212をエッチング法にて除去
してもよい。この場合、第2の絶縁層212の代わりに
導電材料やその他の材料から成るマスク層を用いること
もできる。更には、実施の形態24の電界放出素子の製
造方法(本発明の第2Aの態様に係る電界放出素子の製
造方法を含む)に対して、実施の形態2にて説明した電
界放出素子の製造方法を適用することもできる。
【0260】また、実施の形態11にて説明した製造方
法の変形例を、実施の形態24の電界放出素子の製造方
法に適用することもできる。
【0261】(実施の形態25)実施の形態25も、実
施の形態21の変形であり、スピント型電界放出素子の
製造方法に関する。第3の構造を有する電界放出素子の
製造方法である実施の形態25においては、実施の形態
12と同様に、開口部を形成した後、開口部の底部に露
出したカソード電極上に電子放出部を形成する。
【0262】尚、実施の形態25におけるスピント型電
界放出素子において、電子放出部を構成する材料、カソ
ード電極を構成する材料に関しては、実施の形態12に
て説明したと同様とすることができるので、詳細な説明
は省略する。
【0263】図44の(A)に示す電界放出素子は、円
錐形の電子放出部15Dを有する所謂スピント型電界放
出素子である。スピント型電界放出素子は、支持体10
と、支持体10上に設けられたストライプ状のカソード
電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成
された第1の絶縁層112と、第1の絶縁層112上に
設けられたストライプ状のゲート電極13と、ゲート電
極13及び第1の絶縁層112を貫通した開口部114
と、開口部114の底部に位置するカソード電極11上
に設けられた円錐状の電子放出部15Dから成り、開口
部114の底部に露出した電子放出部15Dから電子が
放出される構造を有する。尚、実施の形態25において
は、更に、第1の絶縁層112及びゲート電極13上に
第2の絶縁層212が形成されており、第2の絶縁層2
12には、開口部114と連通した貫通孔214が形成
されている。
【0264】実施の形態25のスピント型電界放出素子
の製造方法の概要を、以下、図17を参考にして、説明
する。
【0265】[工程−2500]先ず、実施の形態12
の[工程−1200]と同様にして、例えば、例えばガ
ラス基板から成る支持体10上に、ニオブ(Nb)から
成り、ストライプ状のカソード電極11を形成する。
【0266】[工程−2510]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11及び支持体10上に第1の絶縁層112を形成した
後、第1の絶縁層112上にゲート電極13を形成す
る。そして、[工程−2120]と同様にして、少なく
ともゲート電極13上に球体40を配置した後、球体4
0の一部を溶融させる。その後、[工程−2130]と
同様にして、ゲート電極13、第1の絶縁層112及び
球体40を第2の絶縁層212によって被覆した後、
[工程−2140]と同様にして、球体40を除去し、
以て、第2の絶縁層212に貫通孔214を形成し、且
つ、貫通孔214の底部にゲート電極13を露出させ
る。次いで、[工程−2150]と同様にして、貫通孔
214が形成された第2の絶縁層212をエッチング用
マスクとして用いて、ゲート電極13及び第1の絶縁層
112をエッチングし、以て、貫通孔214と連通した
開口部114をゲート電極13及び第1の絶縁層112
に形成し、且つ、開口部114の底部にカソード電極1
1を露出させる。
【0267】[工程−2520]次に、実施の形態12
の[工程−1210]と同様にして、アルミニウムを斜
め蒸着することにより、第2の絶縁層212上に剥離層
17を形成した後、[工程−1220]と同様にして、
全面に例えばモリブデン(Mo)を垂直蒸着する。これ
によって、開口部114の底部には円錐形の堆積物が形
成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15Dとな
る。その後、[工程−1230]と同様にして、電気化
学的プロセス及び湿式プロセスによって剥離層17を第
2の絶縁層212の表面から剥離し、第2の絶縁層21
2上の導電材料層18を選択的に除去する。その結果、
開口部114の底部に位置するカソード電極11上に円
錐形の電子放出部15Dを残すことができる。その後、
第1の絶縁層112を等方的にエッチングし、ゲート電
極13の開口部端部を露出させることが好ましい。こう
して、スピント型電界放出素子を得ることができる。次
いで、実施の形態1の[工程−140]と同様にして、
表示装置の組み立てを行う。
【0268】尚、[工程−2520]の代わりに、実施
の形態13の[工程−1300]〜[工程−1340]
を実行してもよいし、実施の形態14の[工程−140
0]〜[工程−1450]を実行してもよいし、実施の
形態15の[工程−1500]〜[工程−1520]を
実行してもよいし、実施の形態16の[工程−160
0]〜[工程−1630]を実行してもよいし、実施の
形態17の[工程−1700]〜[工程−1730]を
実行してもよいし、実施の形態18の[工程−180
0]を実行してもよい。
【0269】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−251
0]の後、あるいは又、[工程−2520]の後、第2
の絶縁層212をエッチング法にて除去してもよい(図
44の(B)参照)。この場合、第2の絶縁層212の
代わりに導電材料やその他の材料から成るマスク層を用
いることもできる。更には、実施の形態25の電界放出
素子の製造方法(本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法を含む)に対して、実施の形態2にて説
明した電界放出素子の製造方法を適用することもでき
る。
【0270】(実施の形態26)実施の形態26も、実
施の形態21の変形であり、第3の構造を有する、CV
D法に基づき形成された炭素薄膜から構成された電子放
出部を有する扁平型電界放出素子の製造方法に関する。
図45の(A)に模式的な一部端面図を示す実施の形態
26の電界放出素子においては、実施の形態24と異な
り、開口部を形成した後、開口部の底部に露出したカソ
ード電極上に電子放出部を形成する。炭素薄膜、炭素薄
膜選択成長領域の形成に関しては、実施の形態11にて
説明したと同様とすることができるので、詳細な説明は
省略する。
【0271】以下、図37を参考にして、実施の形態2
6の扁平型電界放出素子の製造方法を説明する。
【0272】[工程−2600]先ず、実施の形態19
の[工程−1900]と同様にして、例えばガラス基板
から成る支持体10上にカソード電極形成用の導電材料
層を形成し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRI
E法に基づき導電材料層をパターニングすることによっ
て、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上に
形成する。その後、[工程−1910]と同様にして、
カソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域61を
形成する。
【0273】[工程−2610]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11、炭素薄膜選択成長領域61及び支持体10上に第
1の絶縁層112を形成した後、第1の絶縁層112上
にゲート電極13を形成する。そして、[工程−212
0]と同様にして、少なくともゲート電極13上に球体
40を配置した後、球体40の一部を溶融させる。その
後、[工程−2130]と同様にして、ゲート電極1
3、第1の絶縁層112及び球体40を第2の絶縁層2
12によって被覆した後、[工程−2140]と同様に
して、球体40を除去し、以て、第2の絶縁層212に
貫通孔214を形成し、且つ、貫通孔214の底部にゲ
ート電極13を露出させる。次いで、[工程−215
0]と同様にして、貫通孔214が形成された第2の絶
縁層212をエッチング用マスクとして用いて、ゲート
電極13及び第1の絶縁層112をエッチングし、以
て、貫通孔214と連通した開口部114をゲート電極
13及び第1の絶縁層112に形成し、且つ、開口部1
14の底部に炭素薄膜選択成長領域61を露出させる。
【0274】[工程−2620]次に、実施の形態19
の[工程−1930]と同様にして、炭素薄膜選択成長
領域61上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜63を形成
し、電子放出部15Cを得る。こうして、扁平型電界放
出素子を得ることができる。その後、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。
【0275】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−261
0]の後、あるいは又、[工程−2620]の後、第2
の絶縁層212をエッチング法にて除去してもよい(図
45の(B)参照)。この場合、第2の絶縁層212の
代わりに導電材料やその他の材料から成るマスク層を用
いることもできる。更には、実施の形態26の電界放出
素子の製造方法(本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法を含む)に対して、実施の形態2にて説
明した電界放出素子の製造方法を適用することもでき
る。
【0276】(実施の形態27)実施の形態27も、実
施の形態21の変形であり、第4の構造を有する電界放
出素子であるエッジ型電界放出素子の製造方法に関す
る。実施の形態27においては、開口部を形成した後、
開口部の底部に露出したカソード電極に孔部を形成す
る。カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部
に相当する。模式的な一部端面図を図46の(A)、図
47の(A)及び図48の(A)に示す実施の形態27
におけるエッジ型電界放出素子の構造は、第2の絶縁層
及び貫通孔が設けられている点を除き、実質的に図38
の(A)、(B)及び(C)に模式的な一部端面図で示
したエッジ型電界放出素子と同様である。
【0277】例えば、図48の(A)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、以下、説明する。
【0278】[工程−2700]先ず、実施の形態20
の[工程−2000]と同様にして、例えばガラスから
成る支持体10の上に、スパッタリング法により厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、フォトリソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術によりこのタングス
テン膜をパターニングし、下層ゲート電極13Aを形成
する。次に、全面に、SiO2から成る厚さ0.3μm
の層間絶縁層12Aを形成した後、層間絶縁層12Aの
上にタングステンから成るストライプ状のカソード電極
211を形成する。
【0279】[工程−2710]その後、実施の形態2
1の[工程−2110]と同様にして、カソード電極1
11、層間絶縁層12A及び支持体10上に第1の絶縁
層112を形成した後、第1の絶縁層112上にゲート
電極13を形成する。そして、[工程−2120]と同
様にして、少なくともゲート電極13上に球体40を配
置した後、球体40の一部を溶融させる。その後、[工
程−2130]と同様にして、ゲート電極13、第1の
絶縁層112及び球体40を第2の絶縁層212によっ
て被覆した後、[工程−2140]と同様にして、球体
40を除去し、以て、第2の絶縁層212に貫通孔21
4を形成し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極1
3を露出させる。次いで、[工程−2150]と同様に
して、貫通孔214が形成された第2の絶縁層212を
エッチング用マスクとして用いて、ゲート電極13及び
第1の絶縁層112をエッチングし、以て、貫通孔21
4と連通した開口部114をゲート電極13及び第1の
絶縁層112に形成し、且つ、開口部114の底部にカ
ソード電極211を露出させる。
【0280】[工程−2720]次に、実施の形態20
の[工程−2040]と同様にして、開口部114の底
面に露出したカソード電極211及び層間絶縁層12A
に孔部14A,14Bを形成する。
【0281】尚、本発明の第2Aの態様に係る電界放出
素子の製造方法にて説明したように、[工程−271
0]の後、あるいは又、[工程−2720]の後、第2
の絶縁層212をエッチング法にて除去してもよい(図
46の(B)、図47の(B)及び図48の(B)参
照)。この場合、第2の絶縁層212の代わりに導電材
料やその他の材料から成るマスク層を用いることもでき
る。更には、実施の形態27の電界放出素子の製造方法
(本発明の第2Aの態様に係る電界放出素子の製造方法
を含む)に対して、実施の形態2にて説明した電界放出
素子の製造方法を適用することもできる。
【0282】(実施の形態28)実施の形態28も、実
施の形態21の変形であり、且つ、本発明の第2Bの態
様に係る電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態
28においては、電界放出素子は第1の構造を有し、よ
り具体的には、実施の形態1と同様に、平坦なカソード
電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子から
構成されている。即ち、開口部の底部に露出したカソー
ド電極が電子放出部に相当する。
【0283】実施の形態28においては、第2の絶縁層
の形成に引き続き、第2の絶縁層上にフォーカス電極を
形成する工程を更に含む。そして、球体を除去すること
によって、フォーカス電極及び第2の絶縁層に貫通孔を
形成し、且つ、貫通孔の底部にゲート電極を露出させ
る。更には、貫通孔が形成されたフォーカス電極をエッ
チング用マスクとして用いて、ゲート電極及び第1の絶
縁層をエッチングし、以て、貫通孔と連通した開口部を
ゲート電極及び第1の絶縁層に形成し、且つ、開口部の
底部にカソード電極を露出させる。
【0284】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図49を参照して、実施の形態28の電界放出素子の
製造方法を説明する。
【0285】[工程−2800]先ず、実施の形態21
の[工程−2100]〜[工程−2130]までを実行
し、ゲート電極13、第1の絶縁層212及び球体40
を第2の絶縁層212によって被覆する。
【0286】[工程−2810]その後、第2の絶縁層
212上にフォーカス電極を形成する。具体的には、例
えば、アルミニウムから成る、厚さ0.2μmのフォー
カス電極80を全面にスパッタリング法にて成膜する
(図49の(A)参照)。
【0287】[工程−2820]その後、実施の形態2
1の[工程−2140]と同様にして、球体40を除去
し、以て、フォーカス電極80及び第2の絶縁層112
に貫通孔214を形成し、且つ、貫通孔214の底部に
ゲート電極13を露出させる(図49の(B)参照)。
【0288】[工程−2830]次いで、実施の形態2
1の[工程−2150]と同様にして、貫通孔214の
底部に露出したゲート電極13をRIE法に基づきエッ
チングし、更に、第1の絶縁層212を等方的にエッチ
ングすることによって、ゲート電極13及び第1の絶縁
層112に、貫通孔214に連通した開口部114を形
成し、且つ、開口部114の底部に、電子放出部15A
として機能するカソード電極11を露出させることがで
きる(図49の(C)参照)。次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。尚、フォーカス電極80には、カソード電極11
に印加すると同程度の電位、0ボルトあるいは負の電位
を印加すればよい。ここで、フォーカス電極80を、第
2の絶縁層212上の全面に形成したままとしてもよい
し、例えば、[工程−2830]の後、ストライプ状に
パターニングしてもよい。
【0289】尚、実施の形態28の電界放出素子の製造
方法に対して、実施の形態2にて説明した電界放出素子
の製造方法を適用することもできる。即ち、フォーカス
電極80を形成した後、球体40の上方に位置する第2
の絶縁層212及びフォーカス電極80の一部、並び
に、球体40の上部を除去し、球体40の一部を露出さ
せる工程を更に含んでもよい。あるいは又は、実施の形
態3にて説明した電界放出素子の製造方法を適用するこ
ともできる。
【0290】更には、第2の絶縁層212を形成した後
にフォーカス電極80を形成する工程(フォーカス電極
を形成した後、球体の上方に位置する第2の絶縁層及び
フォーカス電極の一部、並びに、球体の上部を除去し、
球体の一部を露出させる工程を含む)を、実施の形態2
2〜実施の形態27にて説明した各種の電界放出素子の
製造方法に適用することができる。
【0291】(実施の形態29)実施の形態29も、実
施の形態21の変形であり、且つ、本発明の第2Cの態
様に係る電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態
29においても、電界放出素子は第1の構造を有し、よ
り具体的には、実施の形態1と同様に、平坦なカソード
電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子から
構成されている。即ち、開口部の底部に露出したカソー
ド電極が電子放出部に相当する。
【0292】実施の形態29においては、球体40を除
去し、以て、第2の絶縁層212に貫通孔214を形成
し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極13を露出
させた後、第2の絶縁層212上にフォーカス電極80
を形成する。
【0293】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図50を参照して、実施の形態29の電界放出素子の
製造方法を説明する。
【0294】[工程−2900]先ず、実施の形態21
の[工程−2100]〜[工程−2140]までを実行
し、ゲート電極13、第1の絶縁層212及び球体40
を第2の絶縁層212によって被覆した後、球体40を
除去し、以て、第2の絶縁層212に貫通孔214を形
成し、且つ、貫通孔214の底部にゲート電極13を露
出させる(図50の(A)参照)。
【0295】[工程−2910]その後、第2の絶縁層
212上にフォーカス電極80を形成する。具体的に
は、例えば、アルミニウムから成る、厚さ0.2μmの
フォーカス電極80を全面に斜め蒸着法にて成膜する
(図50の(B)参照)。このとき、支持体10の法線
に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択すること
により、貫通孔214の底部に蒸着粒子を堆積させるこ
となく、第2の絶縁層212上にフォーカス電極80を
形成することができる。
【0296】[工程−2920]次いで、実施の形態2
1の[工程−2150]と同様にして、貫通孔214の
底部に露出したゲート電極13をRIE法に基づきエッ
チングし、更に、第1の絶縁層212を等方的にエッチ
ングすることによって、ゲート電極13及び第1の絶縁
層112に、貫通孔214に連通した開口部114を形
成し、且つ、開口部114の底部に、電子放出部15A
として機能するカソード電極11を露出させることがで
きる(図50の(C)参照)。次いで、実施の形態1の
[工程−140]と同様にして、表示装置の組み立てを
行う。尚、フォーカス電極80を、第2の絶縁層212
上の全面に形成したままとしてもよいし、例えば、[工
程−2920]の後、ストライプ状にパターニングして
もよい。
【0297】尚、実施の形態29の電界放出素子の製造
方法に対して、実施の形態2及び実施の形態3にて説明
した電界放出素子の製造方法を適用することもできる。
【0298】更には、貫通孔214を形成した後の第2
の絶縁層212上にフォーカス電極80を形成する工程
(実施の形態2にて説明した電界放出素子の製造方法を
含む)を、実施の形態22〜実施の形態27にて説明し
た各種の電界放出素子の製造方法に適用することができ
る。
【0299】(実施の形態30)実施の形態30も、実
施の形態21の変形であり、且つ、本発明の第2Dの態
様に係る電界放出素子の製造方法に関する。実施の形態
30においても、電界放出素子は第1の構造を有し、よ
り具体的には、実施の形態1と同様に、平坦なカソード
電極の表面から電子を放出する平面型電界放出素子から
構成されている。即ち、開口部の底部に露出したカソー
ド電極が電子放出部に相当する。
【0300】実施の形態30においては、貫通孔214
が形成された第2の絶縁層212をエッチング用マスク
として用いて、ゲート電極13及び第1の絶縁層112
をエッチングし、貫通孔214と連通した開口部114
をゲート電極13及び第1の絶縁層112に形成し、且
つ、開口部114の底部にカソード電極11を露出させ
た後、第2の絶縁層212上にフォーカス電極80を形
成する。
【0301】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図51を参照して、実施の形態30の電界放出素子の
製造方法を説明する。
【0302】[工程−3000]先ず、実施の形態21
の[工程−2100]〜[工程−2150]までを実行
し、開口部114の底部にカソード電極11を露出させ
る(図51の(A)参照)。
【0303】[工程−3010]その後、第2の絶縁層
212上にフォーカス電極80を形成する。具体的に
は、例えば、アルミニウムから成る、厚さ0.2μmの
フォーカス電極80を全面に斜め蒸着法にて成膜する
(図51の(B)参照)。このとき、支持体10の法線
に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択すること
により、貫通孔214の側面、開口部114の側面や底
部に蒸着粒子を堆積させることなく、第2の絶縁層21
2上にフォーカス電極80を形成することができる。こ
うして、フォーカス電極80を備えた電界放出素子を得
ることができる。次いで、実施の形態1の[工程−14
0]と同様にして、表示装置の組み立てを行う。尚、フ
ォーカス電極80を、第2の絶縁層212上の全面に形
成したままとしてもよいし、[工程−3010]の後、
ストライプ状にパターニングしてもよい。
【0304】尚、実施の形態30の電界放出素子の製造
方法に対して、実施の形態2及び実施の形態3にて説明
した電界放出素子の製造方法を適用することもできる。
【0305】更には、開口部114を形成した後の第2
の絶縁層212上にフォーカス電極80を形成する工程
(実施の形態2にて説明した電界放出素子の製造方法を
含む)を、実施の形態22〜実施の形態27にて説明し
た各種の電界放出素子の製造方法に適用することができ
る。尚、第3の構造あるいは第4の構造を有する電界放
出素子を製造する場合、フォーカス電極の形成は、電子
放出部の形成の前であってもよいし、電子放出部の形成
の後であってもよい。
【0306】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施の形態にて説明した電界放出素子の構造、製造
方法、使用した材料、製造条件等は例示であり、適宜変
更することができる。また、アノードパネルの構造、製
造方法も例示であり、適宜変更することができる。電界
放出素子においては、1つの開口部に1つの電子放出部
が対応した構造、1つの開口部に複数の電子放出部が対
応した構造、複数の開口部に1つの電子放出部が対応し
た構造とすることができる。
【0307】
【発明の効果】本発明においては。球体を用いて開口部
あるいは貫通孔を形成するので、高価な露光装置が不要
であるし、高精度の位置合わせプロセス、露光、現像、
剥離等のプロセスも不要である。また、各種の管理も容
易であり、スループットの向上を図ることができるし、
材料費も安価である。しかも、開口部や貫通孔の径は球
体の直径に依存するだけなので、一括露光法では困難で
あった10μm以下の微細な開口部や貫通孔を容易に形
成することができるし、ばらつきの少ない開口部や貫通
孔を形成することができる。更には、球体の配置方法は
球体の直径に依存することが無いので、表示装置の大型
化に比較的容易に対処することができる。また、開口部
や貫通孔を稠密に配置でき、巨視的には均一な分布とす
ることができるので、表示装置における輝度の均一化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面である。
【図2】図1に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面である。
【図3】冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端
面図である。
【図4】冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソー
ドパネルの模式的な部分的斜視図である。
【図5】発明の実施の形態1の平面型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法の変形例を説明するための支持体等の
模式的な一部端面である。
【図6】発明の実施の形態2の平面型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面である。
【図7】発明の実施の形態3の平面型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法によって得られた冷陰極電界電子放出
素子の模式的な一部端面である。
【図8】実施の形態4のクレータ型冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図9】図8に引き続き、実施の形態4のクレータ型冷
陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図、及び、部分的な斜視図であ
る。
【図10】図10に引き続き、実施の形態4のクレータ
型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図、及び、部分的な斜視図
である。
【図11】実施の形態5のクレータ型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部断面図である。
【図12】実施の形態6のクレータ型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図13】実施の形態7のクレータ型冷陰極電界電子放
出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図14】実施の形態10の扁平型冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部断面図である。
【図15】図14に引き続き、実施の形態10の扁平型
冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部断面図である。
【図16】実施の形態11の扁平型冷陰極電界電子放出
素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部断面図である。
【図17】実施の形態12のスピント型冷陰極電界電子
放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的
な一部断面図である。
【図18】発明の実施の形態13のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図19】図18に引き続き、発明の実施の形態13の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図20】図19に引き続き、発明の実施の形態13の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図21】図20に引き続き、発明の実施の形態13の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図22】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
【図23】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
【図24】発明の実施の形態14のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図25】図24に引き続き、発明の実施の形態14の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図26】図25に引き続き、発明の実施の形態14の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図27】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図28】発明の実施の形態15のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図29】図28に引き続き、発明の実施の形態15の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図30】発明の実施の形態16のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法にて得られるスピント型冷陰
極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図31】発明の実施の形態16のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図32】図31に引き続き、発明の実施の形態16の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図33】図32に引き続き、発明の実施の形態16の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図34】発明の実施の形態17のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図35】図34に引き続き、発明の実施の形態17の
スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図36】発明の実施の形態18のスピント型冷陰極電
界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図37】発明の実施の形態19の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図38】発明の実施の形態20のエッジ型冷陰極電界
電子放出素子の模式的な一部断面図である。
【図39】発明の実施の形態20のエッジ型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模
式的な一部端面図である。
【図40】発明の実施の形態21の平面型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面である。
【図41】図40に引き続き、発明の実施の形態21の
平面型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するた
めの支持体等の模式的な一部端面である。
【図42】発明の実施の形態21の平面型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法の変形例によって得られた平面型
冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図43】発明の実施の形態23の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図44】発明の実施の形態25の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図45】発明の実施の形態26の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図46】発明の実施の形態27の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図47】発明の実施の形態27の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図48】発明の実施の形態27の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法によって得られた扁平型冷陰極電
界電子放出素子の模式的な一部端面である。
【図49】発明の実施の形態28の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面である。
【図50】発明の実施の形態29の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面である。
【図51】発明の実施の形態30の扁平型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面である。
【図52】アノードパネルAPの製造方法の一例を説明
するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図53】スピント型冷陰極電界電子放出素子を組み込
んだ従来の表示装置の構成例を示す一部分の模式的な端
面図である。
【図54】従来のスピント型冷陰極電界電子放出素子の
製造方法を示す工程図である。
【図55】図54に引き続き、従来のスピント型冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
10・・・支持体、11,111,211・・・カソー
ド電極、11A・・・微小凹凸部、11B・・・被覆
層、111A・・・隆起部、111B・・・凹部、11
1C・・・先端部、211A・・・エッジ部、12,1
12,212,12A,12B・・・絶縁層、13,1
3A,13B・・・ゲート電極、14,114・・・開
口部、14A,14B・・・孔部、214・・・貫通
孔、15A,15B,15C,15D,15E,15F
・・・電子放出部、16・・・レジスト層、17・・・
剥離層、18・・・導電材料層、20・・・基板、2
1,21R,21G,21B・・・蛍光体層、22・・
・ブラックマトリックス、23・・・アノード電極、2
4・・・枠体、30・・・制御回路、31・・・走査回
路、32・・・加速電源、33・・・感光性被膜、34
・・・感光領域、35・・・感光性被膜の残部(露光、
現像後の感光性被膜)、36・・・マスク、37・・・
開口、40・・・球体、41・・・第2の球体、42・
・・組成物層、42A・・・分散媒、42B・・・カソ
ード電極材料、43・・・電子放出層、44・・・下地
層、50・・・抵抗体層、60・・・マスク層、61・
・・炭素薄膜選択成長領域、62・・・金属粒子、63
・・・炭素薄膜、70・・・密着層、71・・・導電材
料層、71A・・・凹部、71B・・・柱状部、71C
・・・拡大部、72・・・マスク材料層、73・・・エ
ッチング停止層、74・・・基部、74A・・・導電材
料層、75・・・平坦化層、80・・・フォーカス電極

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)支持体上にカソード電極を形成する
    工程と、 (B)少なくともカソード電極上に球体を配置する工程
    と、 (C)カソード電極、支持体及び球体を絶縁層によって
    被覆する工程と、 (D)絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (E)球体を除去し、以て、ゲート電極及び絶縁層に開
    口部を形成し、且つ、開口部の底部にカソード電極を露
    出させる工程、を備えていることを特徴とする冷陰極電
    界電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記工程(B)において、少なくともカソ
    ード電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子
    放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記工程(D)に引き続き、球体の上方に
    位置する絶縁層及びゲート電極の一部、並びに、球体の
    上部を除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放出
    素子の製造方法。
  4. 【請求項4】開口部の底部に露出したカソード電極が電
    子放出部に相当することを特徴とする請求項1に記載の
    冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記工程(A)において、支持体上にカソ
    ード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放出
    部を形成することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極
    電界電子放出素子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記工程(E)に引き続き、開口部の底部
    に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工程
    を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電
    界電子放出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】前記工程(E)に引き続き、開口部の底部
    に露出したカソード電極に孔部を形成する工程を更に含
    み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  8. 【請求項8】(A)支持体上にカソード電極を形成する
    工程と、 (B)カソード電極及び支持体上に第1の絶縁層を形成
    する工程と、 (C)第1の絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 (D)少なくともゲート電極上に球体を配置する工程
    と、 (E)ゲート電極、第1の絶縁層及び球体を第2の絶縁
    層によって被覆する工程と、 (F)球体を除去し、以て、第2の絶縁層に貫通孔を形
    成し、且つ、貫通孔の底部にゲート電極を露出させる工
    程と、 (G)貫通孔が形成された第2の絶縁層をエッチング用
    マスクとして用いて、ゲート電極及び第1の絶縁層をエ
    ッチングし、以て、貫通孔と連通した開口部をゲート電
    極及び第1の絶縁層に形成し、且つ、開口部の底部にカ
    ソード電極を露出させる工程、を備えていることを特徴
    とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  9. 【請求項9】前記工程(D)において、少なくともゲー
    ト電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融させ
    ることを特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放
    出素子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程(E)に引き続き、球体の上方
    に位置する第2の絶縁層の一部、並びに、球体の上部を
    除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含むことを
    特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  11. 【請求項11】開口部の底部に露出したカソード電極が
    電子放出部に相当することを特徴とする請求項8に記載
    の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記工程(A)において、支持体上にカ
    ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
    出部を形成することを特徴とする請求項8に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  13. 【請求項13】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工
    程を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の冷陰極
    電界電子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極に孔部を形成する工程を更に
    含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】前記工程(G)に引き続き、 (H)第2の絶縁層を除去する工程を更に含むことを特
    徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放出素子の製
    造方法。
  16. 【請求項16】前記工程(D)において、少なくともゲ
    ート電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融さ
    せることを特徴とする請求項15に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】前記工程(E)に引き続き、球体の上方
    に位置する第2の絶縁層の一部、並びに、球体の上部を
    除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含むことを
    特徴とする請求項15に記載の冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  18. 【請求項18】開口部の底部に露出したカソード電極が
    電子放出部に相当することを特徴とする請求項15に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】前記工程(A)において、支持体上にカ
    ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
    出部を形成することを特徴とする請求項15に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】前記工程(G)と前記工程(H)との間
    で、若しくは、前記工程(H)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工
    程を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】前記工程(G)と前記工程(H)との間
    で、若しくは、前記工程(H)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極に孔部を形成する工程を更に
    含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項15に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  22. 【請求項22】前記工程(E)に引き続き、第2の絶縁
    層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含み、 前記(F)においては、球体を除去し、以て、フォーカ
    ス電極及び第2の絶縁層に貫通孔を形成し、且つ、貫通
    孔の底部にゲート電極を露出させ、 前記工程(G)においては、貫通孔が形成されたフォー
    カス電極をエッチング用マスクとして用いて、ゲート電
    極及び第1の絶縁層をエッチングし、以て、貫通孔と連
    通した開口部をゲート電極及び第1の絶縁層に形成し、
    且つ、開口部の底部にカソード電極を露出させることを
    特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  23. 【請求項23】前記工程(D)において、少なくともゲ
    ート電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融さ
    せることを特徴とする請求項22に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  24. 【請求項24】フォーカス電極を形成した後、球体の上
    方に位置する第2の絶縁層及びフォーカス電極の一部、
    並びに、球体の上部を除去し、球体の一部を露出させる
    工程を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  25. 【請求項25】開口部の底部に露出したカソード電極が
    電子放出部に相当することを特徴とする請求項22に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  26. 【請求項26】前記工程(A)において、支持体上にカ
    ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
    出部を形成することを特徴とする請求項22に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  27. 【請求項27】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工
    程を更に含むことを特徴とする請求項22に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  28. 【請求項28】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極に孔部を形成する工程を更に
    含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項22に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  29. 【請求項29】前記工程(F)に引き続き、第2の絶縁
    層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含むことを
    特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  30. 【請求項30】前記工程(D)において、少なくともゲ
    ート電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融さ
    せることを特徴とする請求項29に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  31. 【請求項31】前記工程(E)に引き続き、球体の上方
    に位置する第2の絶縁層の一部、並びに、球体の上部を
    除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含むことを
    特徴とする請求項29に記載の冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  32. 【請求項32】開口部の底部に露出したカソード電極が
    電子放出部に相当することを特徴とする請求項29に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  33. 【請求項33】前記工程(A)において、支持体上にカ
    ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
    出部を形成することを特徴とする請求項29に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  34. 【請求項34】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成する工
    程を更に含むことを特徴とする請求項29に記載の冷陰
    極電界電子放出素子の製造方法。
  35. 【請求項35】前記工程(G)に引き続き、開口部の底
    部に露出したカソード電極に孔部を形成する工程を更に
    含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項29に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
  36. 【請求項36】前記工程(G)に引き続き、第2の絶縁
    層上にフォーカス電極を形成する工程を更に含むことを
    特徴とする請求項8に記載の冷陰極電界電子放出素子の
    製造方法。
  37. 【請求項37】前記工程(D)において、少なくともゲ
    ート電極上に球体を配置した後、球体を部分的に溶融さ
    せることを特徴とする請求項36に記載の冷陰極電界電
    子放出素子の製造方法。
  38. 【請求項38】前記工程(E)に引き続き、球体の上方
    に位置する第2の絶縁層の一部、並びに、球体の上部を
    除去し、球体の一部を露出させる工程を更に含むことを
    特徴とする請求項36に記載の冷陰極電界電子放出素子
    の製造方法。
  39. 【請求項39】開口部の底部に露出したカソード電極が
    電子放出部に相当することを特徴とする請求項36に記
    載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。
  40. 【請求項40】前記工程(A)において、支持体上にカ
    ソード電極を形成し、併せて、カソード電極上に電子放
    出部を形成することを特徴とする請求項36に記載の冷
    陰極電界電子放出素子の製造方法。
  41. 【請求項41】前記工程(G)とフォーカス電極を形成
    する工程との間で、若しくは、フォーカス電極を形成す
    る工程の後、開口部の底部に露出したカソード電極上に
    電子放出部を形成する工程を更に含むことを特徴とする
    請求項36に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方
    法。
  42. 【請求項42】前記工程(G)とフォーカス電極を形成
    する工程との間で、若しくは、フォーカス電極を形成す
    る工程の後、開口部の底部に露出したカソード電極に孔
    部を形成する工程を更に含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
    当することを特徴とする請求項36に記載の冷陰極電界
    電子放出素子の製造方法。
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