JP2001345042A - 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 - Google Patents
冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法Info
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- JP2001345042A JP2001345042A JP2000164210A JP2000164210A JP2001345042A JP 2001345042 A JP2001345042 A JP 2001345042A JP 2000164210 A JP2000164210 A JP 2000164210A JP 2000164210 A JP2000164210 A JP 2000164210A JP 2001345042 A JP2001345042 A JP 2001345042A
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- electron
- cathode electrode
- resist layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】冷陰極電界電子放出素子の製造方法において、
左程複雑な工程を経ることなく、多数の微細な、且つ、
均一な開口部を確実に形成し得る方法を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、絶
縁層12及びゲート電極構成層13A上に第1のレジス
ト層30、保護膜31、粒子33が分散された第2のレ
ジスト層32を順次形成した後、第2のレジスト層32
を選択的に除去して粒子33の下に第2のレジスト層3
2を残し、次いで、露出した保護膜31を除去した後、
粒子33、第2のレジスト32層及び保護膜31を除去
し、更に、粒子33、第2のレジスト層32及び保護膜
31の下方に位置していた第1のレジスト層30を除去
し、その後と、残された第1のレジスト層31をエッチ
ング用マスクとしてゲート電極構成層をエッチングする
工程を含む。
左程複雑な工程を経ることなく、多数の微細な、且つ、
均一な開口部を確実に形成し得る方法を提供する。 【解決手段】冷陰極電界電子放出素子の製造方法は、絶
縁層12及びゲート電極構成層13A上に第1のレジス
ト層30、保護膜31、粒子33が分散された第2のレ
ジスト層32を順次形成した後、第2のレジスト層32
を選択的に除去して粒子33の下に第2のレジスト層3
2を残し、次いで、露出した保護膜31を除去した後、
粒子33、第2のレジスト32層及び保護膜31を除去
し、更に、粒子33、第2のレジスト層32及び保護膜
31の下方に位置していた第1のレジスト層30を除去
し、その後と、残された第1のレジスト層31をエッチ
ング用マスクとしてゲート電極構成層をエッチングする
工程を含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置
の製造方法に関する。
出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流の陰極線管(CRT)に代わる
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず、固体から真空中に電子を放出することが可能な
冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)も提案されており、画面の
明るさ及び低消費電力の観点から注目を集めている。
画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の
表示装置が種々検討されている。このような平面型の表
示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロル
ミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置
(PDP)を例示することができる。また、熱的励起に
よらず、固体から真空中に電子を放出することが可能な
冷陰極電界電子放出表示装置、所謂フィールドエミッシ
ョンディスプレイ(FED)も提案されており、画面の
明るさ及び低消費電力の観点から注目を集めている。
【0003】冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に
表示装置と呼ぶ場合がある)の代表的な構成例を図6〜
図8に示す。尚、図6に表示装置の模式的な一部端面図
を示し、図7に表示装置を分解した概念図を示し、図8
には表示装置の一部分の分解斜視図を示す。ここで、図
6はカソード電極の延びる方向を含む仮想垂直面で表示
装置を切断したときの図である。また、図7において、
一点鎖線で囲まれた領域が有効領域である。
表示装置と呼ぶ場合がある)の代表的な構成例を図6〜
図8に示す。尚、図6に表示装置の模式的な一部端面図
を示し、図7に表示装置を分解した概念図を示し、図8
には表示装置の一部分の分解斜視図を示す。ここで、図
6はカソード電極の延びる方向を含む仮想垂直面で表示
装置を切断したときの図である。また、図7において、
一点鎖線で囲まれた領域が有効領域である。
【0004】この表示装置においては、第1パネルP1
(カソードパネル)と第2パネルP2(アノードパネ
ル)とが対向配置され、両パネルP1,P2は、各々の周
縁部において枠体24を介して互いに接着され、両パネ
ル間の閉鎖空間が真空空間とされている。第1パネルP
1は、電子放出体として冷陰極電界電子放出素子(以
下、電子放出素子と呼ぶ場合がある)を備えている。図
6では、電子放出素子の一例として、円錐形の電子放出
部15を有する、所謂スピント(Spindt)型電子
放出素子を示す。スピント型電子放出素子は、支持体1
0上に形成されたストライプ状のカソード電極11と、
カソード電極11及び支持体10上に形成された絶縁層
12と、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲー
ト電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けら
れた開口部14内に形成された円錐形の電子放出部15
から構成されている。尚、電子放出部15は、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設け
られている。通常、多数の電子放出部15が、後述する
蛍光体層21の1つの領域に対応付けられている。一般
に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの
両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ
状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複す
る部分に相当する領域(1画素分の領域に相当する。こ
の領域を、以下、電子放出領域と呼ぶ)に、1又は複数
の電子放出素子が設けられている。更に、かかる電子放
出領域が、第1パネルP1の有効領域(実際の表示画面
として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状
に配列されている。
(カソードパネル)と第2パネルP2(アノードパネ
ル)とが対向配置され、両パネルP1,P2は、各々の周
縁部において枠体24を介して互いに接着され、両パネ
ル間の閉鎖空間が真空空間とされている。第1パネルP
1は、電子放出体として冷陰極電界電子放出素子(以
下、電子放出素子と呼ぶ場合がある)を備えている。図
6では、電子放出素子の一例として、円錐形の電子放出
部15を有する、所謂スピント(Spindt)型電子
放出素子を示す。スピント型電子放出素子は、支持体1
0上に形成されたストライプ状のカソード電極11と、
カソード電極11及び支持体10上に形成された絶縁層
12と、絶縁層12上に形成されたストライプ状のゲー
ト電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けら
れた開口部14内に形成された円錐形の電子放出部15
から構成されている。尚、電子放出部15は、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設け
られている。通常、多数の電子放出部15が、後述する
蛍光体層21の1つの領域に対応付けられている。一般
に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの
両電極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ
状に形成されており、これらの両電極の射影像が重複す
る部分に相当する領域(1画素分の領域に相当する。こ
の領域を、以下、電子放出領域と呼ぶ)に、1又は複数
の電子放出素子が設けられている。更に、かかる電子放
出領域が、第1パネルP1の有効領域(実際の表示画面
として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状
に配列されている。
【0005】一方、第2パネルP1は、ガラス等から成
る基板20上にドット状あるいはストライプ状に形成さ
れた複数の蛍光体層21と、蛍光体層21及び基板20
上に形成された導電性反射膜から成るアノード電極23
を有する。アノード電極23には、加速電源(アノード
電極駆動回路)27から、ゲート電極13に印加される
正電圧よりも高い正電圧が印加され、電子放出部15か
ら真空空間中へ放出された電子を、蛍光体層21に向か
って誘導する役割を果たす。また、アノード電極23
は、蛍光体層21を構成する蛍光体粒子をイオン等の粒
子によるスパッタから保護する機能、電子励起によって
生じた蛍光体層21の発光を基板20側へ反射させ、基
板20の外側から観察される表示画面の輝度を向上させ
る機能、及び、過剰な帯電を防止して第2パネルP2の
電位を安定化させる機能も有する。即ち、アノード電極
23は、アノード電極としての機能を果たすだけでな
く、陰極線管(CRT)の分野でメタルバック膜として
知られている部材が果たす機能とを兼ねている。アノー
ド電極23は、通常、アルミニウム薄膜を用いて構成さ
れている。尚、蛍光体層21と蛍光体層21との間の基
板20上には、ブラックマトリクス22が形成されてい
る。
る基板20上にドット状あるいはストライプ状に形成さ
れた複数の蛍光体層21と、蛍光体層21及び基板20
上に形成された導電性反射膜から成るアノード電極23
を有する。アノード電極23には、加速電源(アノード
電極駆動回路)27から、ゲート電極13に印加される
正電圧よりも高い正電圧が印加され、電子放出部15か
ら真空空間中へ放出された電子を、蛍光体層21に向か
って誘導する役割を果たす。また、アノード電極23
は、蛍光体層21を構成する蛍光体粒子をイオン等の粒
子によるスパッタから保護する機能、電子励起によって
生じた蛍光体層21の発光を基板20側へ反射させ、基
板20の外側から観察される表示画面の輝度を向上させ
る機能、及び、過剰な帯電を防止して第2パネルP2の
電位を安定化させる機能も有する。即ち、アノード電極
23は、アノード電極としての機能を果たすだけでな
く、陰極線管(CRT)の分野でメタルバック膜として
知られている部材が果たす機能とを兼ねている。アノー
ド電極23は、通常、アルミニウム薄膜を用いて構成さ
れている。尚、蛍光体層21と蛍光体層21との間の基
板20上には、ブラックマトリクス22が形成されてい
る。
【0006】表示装置における画像の表示に際しては、
電子放出部15に、カソード電極駆動回路25からカソ
ード電極11を通じて相対的に負電圧(制御信号・ビデ
オ信号)が印加され、ゲート電極13にはゲート電極駆
動回路26から相対的に正電圧(走査信号、スキャン信
号)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電
界に応じ、電子放出部15の先端から電子が量子トンネ
ル効果に基づき放出される。尚、電子放出体としては、
上述のようなスピント型電子放出素子に限られず、所謂
エッジ型や平面型やクラウン型等、各種のタイプの電子
放出素子が用いられる場合もある。また、上述とは逆
に、走査信号がカソード電極11に入力され、制御信号
がゲート電極13に入力される場合もある。
電子放出部15に、カソード電極駆動回路25からカソ
ード電極11を通じて相対的に負電圧(制御信号・ビデ
オ信号)が印加され、ゲート電極13にはゲート電極駆
動回路26から相対的に正電圧(走査信号、スキャン信
号)が印加される。これらの電圧印加によって生じた電
界に応じ、電子放出部15の先端から電子が量子トンネ
ル効果に基づき放出される。尚、電子放出体としては、
上述のようなスピント型電子放出素子に限られず、所謂
エッジ型や平面型やクラウン型等、各種のタイプの電子
放出素子が用いられる場合もある。また、上述とは逆
に、走査信号がカソード電極11に入力され、制御信号
がゲート電極13に入力される場合もある。
【0007】以下、従来のスピント型電子放出素子の製
造方法の概要を説明するが、この製造方法は、基本的に
は、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着によ
り形成する方法である。即ち、開口部14に対して蒸着
粒子は垂直に入射するが、開口部14の付近に形成され
るオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用し
て、開口部14の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減さ
せ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的
に形成する。以下、不要なオーバーハング状の堆積物の
除去を容易とするために、ゲート電極13上に剥離層1
7を予め形成しておく方法に基づくスピント型電子放出
素子の製造方法の概要を、支持体等の模式的な一部端面
図である図49及び図50を参照して説明する。
造方法の概要を説明するが、この製造方法は、基本的に
は、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着によ
り形成する方法である。即ち、開口部14に対して蒸着
粒子は垂直に入射するが、開口部14の付近に形成され
るオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用し
て、開口部14の底部に到達する蒸着粒子の量を漸減さ
せ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的
に形成する。以下、不要なオーバーハング状の堆積物の
除去を容易とするために、ゲート電極13上に剥離層1
7を予め形成しておく方法に基づくスピント型電子放出
素子の製造方法の概要を、支持体等の模式的な一部端面
図である図49及び図50を参照して説明する。
【0008】[工程−10]先ず、例えばガラスから成
る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ状
のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2から
成る絶縁層12を形成し、更に、ストライプ状のゲート
電極構成層13Aを絶縁層12上に形成する。ゲート電
極構成層13Aの形成は、例えば、スパッタ法、リソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき行うこと
ができる。
る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ状
のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2から
成る絶縁層12を形成し、更に、ストライプ状のゲート
電極構成層13Aを絶縁層12上に形成する。ゲート電
極構成層13Aの形成は、例えば、スパッタ法、リソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき行うこと
ができる。
【0009】[工程−20]次に、ゲート電極構成層1
3A及び絶縁層12に、エッチング用マスクとして機能
するレジスト層16をリソグラフィ技術によって形成す
る(図49の(A)参照)。その後、RIE(反応性イ
オン・エッチング)法にてゲート電極構成層13Aに開
口部14Aを形成し、更に、この開口部14Aと連通し
た孔部14Bを絶縁層12に形成する。尚、開口部14
A及び孔部14Bを総称して、開口部14と呼ぶ。開口
部14の底部にカソード電極11が露出している。その
後、レジスト層16をアッシング技術によって除去す
る。こうして、図49の(B)に示す構造を得ることが
できる。
3A及び絶縁層12に、エッチング用マスクとして機能
するレジスト層16をリソグラフィ技術によって形成す
る(図49の(A)参照)。その後、RIE(反応性イ
オン・エッチング)法にてゲート電極構成層13Aに開
口部14Aを形成し、更に、この開口部14Aと連通し
た孔部14Bを絶縁層12に形成する。尚、開口部14
A及び孔部14Bを総称して、開口部14と呼ぶ。開口
部14の底部にカソード電極11が露出している。その
後、レジスト層16をアッシング技術によって除去す
る。こうして、図49の(B)に示す構造を得ることが
できる。
【0010】[工程−30]次に、開口部14の底部に
露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形成
する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着することに
より、剥離層17を形成する。このとき、支持体10の
法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択する
ことにより、開口部14の底部にアルミニウムを殆ど堆
積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12上に
剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部14の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部14が実質的に縮径される(図49の
(C)参照)。
露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形成
する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着することに
より、剥離層17を形成する。このとき、支持体10の
法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択する
ことにより、開口部14の底部にアルミニウムを殆ど堆
積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12上に
剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部14の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部14が実質的に縮径される(図49の
(C)参照)。
【0011】[工程−40]次に、全面に例えばモリブ
デン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図50の
(A)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層18が成長する
に伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部14の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出部15となる。
デン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図50の
(A)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層18が成長する
に伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部14の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出部15となる。
【0012】[工程−50]その後、電気化学的プロセ
ス及び湿式プロセスによって剥離層17を絶縁層12及
びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及びゲ
ート電極13の上方の導電体層18を選択的に除去す
る。その結果、図50の(B)に示すように、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子
放出部15を残すことができる。
ス及び湿式プロセスによって剥離層17を絶縁層12及
びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及びゲ
ート電極13の上方の導電体層18を選択的に除去す
る。その結果、図50の(B)に示すように、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子
放出部15を残すことができる。
【0013】[工程−60]かかる電子放出素子が多数
形成された第1パネル(カソードパネル)P1と第2パ
ネル(アノードパネル)P2とを組み合わせると、図6
〜図8に示した表示装置を得ることができる。具体的に
は、例えば、セラミックスやガラスから作製された高さ
約1mmの枠体24を用意し、枠体24と第1パネルP
1と第2パネルP2とを例えばフリットガラスを用いて貼
り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、約450゜C
で10〜30分焼成すればよい。その後、表示装置の内
部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気し、適当な
方法で封止する。あるいは又、例えば、枠体24と第1
パネルP1と第2パネルP2との貼り合わせを高真空雰囲
気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依
っては、枠体無しで、第1パネルP1と第2パネルP2と
を貼り合わせてもよい。
形成された第1パネル(カソードパネル)P1と第2パ
ネル(アノードパネル)P2とを組み合わせると、図6
〜図8に示した表示装置を得ることができる。具体的に
は、例えば、セラミックスやガラスから作製された高さ
約1mmの枠体24を用意し、枠体24と第1パネルP
1と第2パネルP2とを例えばフリットガラスを用いて貼
り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、約450゜C
で10〜30分焼成すればよい。その後、表示装置の内
部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気し、適当な
方法で封止する。あるいは又、例えば、枠体24と第1
パネルP1と第2パネルP2との貼り合わせを高真空雰囲
気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依
っては、枠体無しで、第1パネルP1と第2パネルP2と
を貼り合わせてもよい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図50の
(B)に示した構造を有する電子放出素子の電子放出特
性は、開口部14の上端部を成すゲート電極13の縁部
から電子放出部15の先端部までの距離等に大きく依存
する。この距離は、通常、サブミクロンのオーダーであ
り、開口部14の形状の加工精度や直径の寸法精度に大
きく依存する。しかしながら、実際に大面積の支持体全
体に亙って均一な形状の開口部14を形成することは、
極めて困難である。また、電子放出素子の電子放出特性
は、電子放出部15の密度(即ち、開口部14の密度)
にも大きく影響を受ける。
(B)に示した構造を有する電子放出素子の電子放出特
性は、開口部14の上端部を成すゲート電極13の縁部
から電子放出部15の先端部までの距離等に大きく依存
する。この距離は、通常、サブミクロンのオーダーであ
り、開口部14の形状の加工精度や直径の寸法精度に大
きく依存する。しかしながら、実際に大面積の支持体全
体に亙って均一な形状の開口部14を形成することは、
極めて困難である。また、電子放出素子の電子放出特性
は、電子放出部15の密度(即ち、開口部14の密度)
にも大きく影響を受ける。
【0015】リソグラフィ技術によって開口部14を形
成する方法においては、ガラス基板から成る支持体を用
いる場合、最高解像度は1μm前後である。そして、現
在、入手可能なステップ式投影露光装置(ステッパ)の
最大投影サイズは44mm角である。従って、大面積の
支持体を用いる場合、ショット数が多数となり、処理時
間が著しく長くなり、表示装置の製造コストの上昇を招
くといった問題がある。更には、ステッパを用いた場
合、その焦点深度が±5μm程度と非常に浅く、支持体
表面の凹凸の影響を受け易く、開口部14の直径にばら
つきが生じ易い。
成する方法においては、ガラス基板から成る支持体を用
いる場合、最高解像度は1μm前後である。そして、現
在、入手可能なステップ式投影露光装置(ステッパ)の
最大投影サイズは44mm角である。従って、大面積の
支持体を用いる場合、ショット数が多数となり、処理時
間が著しく長くなり、表示装置の製造コストの上昇を招
くといった問題がある。更には、ステッパを用いた場
合、その焦点深度が±5μm程度と非常に浅く、支持体
表面の凹凸の影響を受け易く、開口部14の直径にばら
つきが生じ易い。
【0016】このような問題を解決するための方法とし
て、レジスト層にイオンを照射し、微細な孔をレジスト
層に形成した後、この孔を拡径する方法が、国際出願番
号PCT/US94/09762(国際公開番号WO9
5/07543)に開示されている。この方法によれ
ば、直径0.12μm程度の開口部14が形成可能であ
るが、イオンがレジスト層に対してランダムに照射され
るので、本来、開口部が形成されてはならないゲート電
極構成層にまで開口部が形成されてしまうといった問題
があるし、開口部の密度を高くした場合、開口部が重な
り合う確率が高くなり、有効に機能する電子放出部の密
度が低下してしまうといった問題もある。また、孔を拡
径するためにウエットエッチングを行うが、得られた開
口部の直径にばらつきが生じ易い。
て、レジスト層にイオンを照射し、微細な孔をレジスト
層に形成した後、この孔を拡径する方法が、国際出願番
号PCT/US94/09762(国際公開番号WO9
5/07543)に開示されている。この方法によれ
ば、直径0.12μm程度の開口部14が形成可能であ
るが、イオンがレジスト層に対してランダムに照射され
るので、本来、開口部が形成されてはならないゲート電
極構成層にまで開口部が形成されてしまうといった問題
があるし、開口部の密度を高くした場合、開口部が重な
り合う確率が高くなり、有効に機能する電子放出部の密
度が低下してしまうといった問題もある。また、孔を拡
径するためにウエットエッチングを行うが、得られた開
口部の直径にばらつきが生じ易い。
【0017】また、マスクパーティクルを用いて開口部
を形成する方法が、特許第2963376号公報、特許
第2963377号公報から公知である。この方法は、
マスクパーティクルを予め被加工物の表面に吸着させて
おき、その後、蒸着法やスパッタ法にて薄膜を形成する
と、マスクパーティクルの影の部分には薄膜が形成され
ないことを利用している。この方法においても、マスク
パーティクル同士が接触している場合、得られた開口部
と開口部とがつながってしまう。また、マスクパーティ
クルが完全に除去されない場合、マスクパーティクルの
表面に付着した導電性材料によって電子放出素子に短絡
が発生する虞がある。しかも、支持体全面に亙って均一
に、しかも、単層にてマスクパーティクルを配列するこ
とは極めて困難であるし、本来、開口部が形成されては
ならないゲート電極構成層にまで開口部が形成されてし
まうといった問題がある。
を形成する方法が、特許第2963376号公報、特許
第2963377号公報から公知である。この方法は、
マスクパーティクルを予め被加工物の表面に吸着させて
おき、その後、蒸着法やスパッタ法にて薄膜を形成する
と、マスクパーティクルの影の部分には薄膜が形成され
ないことを利用している。この方法においても、マスク
パーティクル同士が接触している場合、得られた開口部
と開口部とがつながってしまう。また、マスクパーティ
クルが完全に除去されない場合、マスクパーティクルの
表面に付着した導電性材料によって電子放出素子に短絡
が発生する虞がある。しかも、支持体全面に亙って均一
に、しかも、単層にてマスクパーティクルを配列するこ
とは極めて困難であるし、本来、開口部が形成されては
ならないゲート電極構成層にまで開口部が形成されてし
まうといった問題がある。
【0018】従って、本発明の第1の目的は、冷陰極電
界電子放出素子の製造方法あるいは冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法において、左程複雑な工程を経るこ
となく、多数の微細な、且つ、均一な開口部を確実に形
成し得る方法を提供することにある。また、本発明の第
2の目的は、冷陰極電界電子放出素子の製造方法あるい
は冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法において、第
1の目的に加え、本来、開口部が形成されてはならない
部分に開口部が形成されてしまうことなく、開口部を確
実に形成し得る方法を提供することにある。
界電子放出素子の製造方法あるいは冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法において、左程複雑な工程を経るこ
となく、多数の微細な、且つ、均一な開口部を確実に形
成し得る方法を提供することにある。また、本発明の第
2の目的は、冷陰極電界電子放出素子の製造方法あるい
は冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法において、第
1の目的に加え、本来、開口部が形成されてはならない
部分に開口部が形成されてしまうことなく、開口部を確
実に形成し得る方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法
は、(a)支持体の上方に形成されたカソード電極と、
(b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁層
と、(c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲート
電極と、(d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、底
部にカソード電極が露出した孔部と、(e)孔部内に設
けられた電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素子
の製造方法であって、(A)絶縁層上にゲート電極構成
層を形成する工程と、(B)絶縁層及びゲート電極構成
層上に第1のレジスト層を形成する工程と、(C)第1
のレジスト層上に保護膜を形成する工程と、(D)保護
膜上に、粒子が分散された第2のレジスト層を形成する
工程と、(E)第2のレジスト層を選択的に除去し、粒
子の下に第2のレジスト層を残す工程と、(F)露出し
た保護膜を除去する工程と、(G)粒子、第2のレジス
ト層及び保護膜を除去し、更に、粒子、第2のレジスト
層及び保護膜の下方に位置していた第1のレジスト層を
除去する工程と、(H)残された第1のレジスト層をエ
ッチング用マスクとしてゲート電極構成層をエッチング
し、以て、開口部が形成されたゲート電極を得る工程、
を含むことを特徴とする。
するための本発明の冷陰極電界電子放出素子の製造方法
は、(a)支持体の上方に形成されたカソード電極と、
(b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁層
と、(c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲート
電極と、(d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、底
部にカソード電極が露出した孔部と、(e)孔部内に設
けられた電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素子
の製造方法であって、(A)絶縁層上にゲート電極構成
層を形成する工程と、(B)絶縁層及びゲート電極構成
層上に第1のレジスト層を形成する工程と、(C)第1
のレジスト層上に保護膜を形成する工程と、(D)保護
膜上に、粒子が分散された第2のレジスト層を形成する
工程と、(E)第2のレジスト層を選択的に除去し、粒
子の下に第2のレジスト層を残す工程と、(F)露出し
た保護膜を除去する工程と、(G)粒子、第2のレジス
ト層及び保護膜を除去し、更に、粒子、第2のレジスト
層及び保護膜の下方に位置していた第1のレジスト層を
除去する工程と、(H)残された第1のレジスト層をエ
ッチング用マスクとしてゲート電極構成層をエッチング
し、以て、開口部が形成されたゲート電極を得る工程、
を含むことを特徴とする。
【0020】上記の第1の目的を達成するための本発明
の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法は、第1パネ
ルと第2パネルとが真空層を挟んで対向して配置され、
画素が2次元マトリックス状に配列されて成る有効領域
を有する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であっ
て、第1パネルは、支持体と、該支持体上に2次元マト
リックス状に配置され、画素を構成する複数の電子放出
領域から成り、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極
電界電子放出素子から構成され、該冷陰極電界電子放出
素子は、(a)支持体の上方に形成されたカソード電極
と、(b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁
層と、(c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲー
ト電極と、(d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、
底部にカソード電極が露出した孔部と、(e)孔部内に
設けられた電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法であって、第1パネルの製造工程に
は、(A)絶縁層上にゲート電極構成層を形成する工程
と、(B)絶縁層及びゲート電極構成層上に第1のレジ
スト層を形成する工程と、(C)第1のレジスト層上に
保護膜を形成する工程と、(D)保護膜上に、粒子が分
散された第2のレジスト層を形成する工程と、(E)第
2のレジスト層を選択的に除去し、粒子の下に第2のレ
ジスト層を残す工程と、(F)露出した保護膜を除去す
る工程と、(G)粒子、第2のレジスト層及び保護膜を
除去し、更に、粒子、第2のレジスト層及び保護膜の下
方に位置していた第1のレジスト層を除去する工程と、
(H)残された第1のレジスト層をエッチング用マスク
としてゲート電極構成層をエッチングし、以て、開口部
が形成されたゲート電極を得る工程、が含まれることを
特徴とする。
の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法は、第1パネ
ルと第2パネルとが真空層を挟んで対向して配置され、
画素が2次元マトリックス状に配列されて成る有効領域
を有する冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であっ
て、第1パネルは、支持体と、該支持体上に2次元マト
リックス状に配置され、画素を構成する複数の電子放出
領域から成り、各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極
電界電子放出素子から構成され、該冷陰極電界電子放出
素子は、(a)支持体の上方に形成されたカソード電極
と、(b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁
層と、(c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲー
ト電極と、(d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、
底部にカソード電極が露出した孔部と、(e)孔部内に
設けられた電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法であって、第1パネルの製造工程に
は、(A)絶縁層上にゲート電極構成層を形成する工程
と、(B)絶縁層及びゲート電極構成層上に第1のレジ
スト層を形成する工程と、(C)第1のレジスト層上に
保護膜を形成する工程と、(D)保護膜上に、粒子が分
散された第2のレジスト層を形成する工程と、(E)第
2のレジスト層を選択的に除去し、粒子の下に第2のレ
ジスト層を残す工程と、(F)露出した保護膜を除去す
る工程と、(G)粒子、第2のレジスト層及び保護膜を
除去し、更に、粒子、第2のレジスト層及び保護膜の下
方に位置していた第1のレジスト層を除去する工程と、
(H)残された第1のレジスト層をエッチング用マスク
としてゲート電極構成層をエッチングし、以て、開口部
が形成されたゲート電極を得る工程、が含まれることを
特徴とする。
【0021】本発明の冷陰極電界電子放出素子(以下、
単に電子放出素子と略称する)の製造方法あるいは冷陰
極電界電子放出表示装置(以下、単に表示装置と略称す
る)の製造方法(以下、これらを総称して、単に本発明
と呼ぶ場合がある)における前記工程(E)において、
第2のレジスト層の選択的な除去を、粒子をエッチング
用マスクとした異方性エッチング法に基づき行うことが
好ましい。これによって、粒子の径と略同一の径を有す
る第2のレジスト層が残され、最終的に、粒子の径と略
同一の径を有する開口部が形成されたゲート電極を得る
ことができる。
単に電子放出素子と略称する)の製造方法あるいは冷陰
極電界電子放出表示装置(以下、単に表示装置と略称す
る)の製造方法(以下、これらを総称して、単に本発明
と呼ぶ場合がある)における前記工程(E)において、
第2のレジスト層の選択的な除去を、粒子をエッチング
用マスクとした異方性エッチング法に基づき行うことが
好ましい。これによって、粒子の径と略同一の径を有す
る第2のレジスト層が残され、最終的に、粒子の径と略
同一の径を有する開口部が形成されたゲート電極を得る
ことができる。
【0022】あるいは又、本発明における前記工程
(E)において、第2のレジスト層の選択的な除去を、
粒子をエッチング用マスクとした異方性エッチング法に
基づき行い、前記工程(F)において、併せて、粒子の
一部分もエッチングし、粒子の径を縮径することが好ま
しい。これによって、縮径された粒子の径と略同一の径
を有する第2のレジスト層が残され、最終的には、縮径
された粒子の径と略同一の径を有する開口部が形成され
たゲート電極を得ることができる。また、第2のレジス
ト層中で、粒子同士が近接し、あるいは、接触していた
場合であっても、粒子の径を縮径するので、粒子の下に
残された第2のレジスト層同士が接触することがなくな
り、ゲート電極に最終的に得られる開口部の径は均一な
ものとなる。
(E)において、第2のレジスト層の選択的な除去を、
粒子をエッチング用マスクとした異方性エッチング法に
基づき行い、前記工程(F)において、併せて、粒子の
一部分もエッチングし、粒子の径を縮径することが好ま
しい。これによって、縮径された粒子の径と略同一の径
を有する第2のレジスト層が残され、最終的には、縮径
された粒子の径と略同一の径を有する開口部が形成され
たゲート電極を得ることができる。また、第2のレジス
ト層中で、粒子同士が近接し、あるいは、接触していた
場合であっても、粒子の径を縮径するので、粒子の下に
残された第2のレジスト層同士が接触することがなくな
り、ゲート電極に最終的に得られる開口部の径は均一な
ものとなる。
【0023】また、上記の第2の目的を達成するため
に、前記工程(C)と工程(D)の間で、開口部を形成
しないゲート電極構成層の領域の上方の第2のレジスト
層を除去する工程を含む構成とすることができる。
に、前記工程(C)と工程(D)の間で、開口部を形成
しないゲート電極構成層の領域の上方の第2のレジスト
層を除去する工程を含む構成とすることができる。
【0024】本発明においては、工程(H)に引き続
き、(I)絶縁層に孔部を形成し、以て、孔部の底部に
カソード電極を露出させる工程を更に含む構成とするこ
とができる。この場合、前記工程(I)に引き続き、孔
部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成
することが好ましい。これによって、円錐形の電子放出
部を有する所謂スピント型電子放出素子、王冠型の電子
放出部を有する所謂クラウン型電子放出素子、扁平な電
子放出部を有する所謂扁平型電子放出素子を製造するこ
とができる。あるいは又、この場合、カソード電極が電
子放出部として機能する形態とすることもできる。かか
る形態の電子放出素子は、平面型電子放出素子、クレー
タ型電子放出素子と呼ばれる。あるいは又、工程(H)
に引き続き、(I)絶縁層に孔部を形成し、次いで、
(J)カソード電極に孔部を形成する工程を更に含み、
カソード電極に設けられた孔部の端部が電子放出部に相
当する構成とすることもできる。これによって、所謂エ
ッジ型電子放出素子を得ることができる。尚、これらの
各種の電子放出素子の詳細については後述する。
き、(I)絶縁層に孔部を形成し、以て、孔部の底部に
カソード電極を露出させる工程を更に含む構成とするこ
とができる。この場合、前記工程(I)に引き続き、孔
部の底部に露出したカソード電極上に電子放出部を形成
することが好ましい。これによって、円錐形の電子放出
部を有する所謂スピント型電子放出素子、王冠型の電子
放出部を有する所謂クラウン型電子放出素子、扁平な電
子放出部を有する所謂扁平型電子放出素子を製造するこ
とができる。あるいは又、この場合、カソード電極が電
子放出部として機能する形態とすることもできる。かか
る形態の電子放出素子は、平面型電子放出素子、クレー
タ型電子放出素子と呼ばれる。あるいは又、工程(H)
に引き続き、(I)絶縁層に孔部を形成し、次いで、
(J)カソード電極に孔部を形成する工程を更に含み、
カソード電極に設けられた孔部の端部が電子放出部に相
当する構成とすることもできる。これによって、所謂エ
ッジ型電子放出素子を得ることができる。尚、これらの
各種の電子放出素子の詳細については後述する。
【0025】電子放出素子のタイプにもよるが、カソー
ド電極が支持体の上方に形成されているとは、支持体上
に直接形成されている場合と、支持体上に形成された層
間絶縁層や絶縁膜の上に形成されている場合を包含す
る。また、絶縁層が、少なくともカソード電極上に形成
されているとは、絶縁層が、カソード電極及び支持体上
に形成されている場合と、カソード電極及び層間絶縁層
や絶縁膜上に形成されている場合を包含する。
ド電極が支持体の上方に形成されているとは、支持体上
に直接形成されている場合と、支持体上に形成された層
間絶縁層や絶縁膜の上に形成されている場合を包含す
る。また、絶縁層が、少なくともカソード電極上に形成
されているとは、絶縁層が、カソード電極及び支持体上
に形成されている場合と、カソード電極及び層間絶縁層
や絶縁膜上に形成されている場合を包含する。
【0026】本発明においては、第1のレジスト層をネ
ガ型レジスト材料から構成し、第2のレジスト層をポジ
型レジスト材料から構成することが好ましい。レジスト
材料は周知の材料とすることができる。尚、第1のレジ
スト層、第2のレジスト層にエネルギー線を照射する
が、エネルギー線として、紫外線、イオンビーム、電子
線、X線を例示することができ、使用するエネルギー線
の種類によって適宜レジスト材料を選択する。
ガ型レジスト材料から構成し、第2のレジスト層をポジ
型レジスト材料から構成することが好ましい。レジスト
材料は周知の材料とすることができる。尚、第1のレジ
スト層、第2のレジスト層にエネルギー線を照射する
が、エネルギー線として、紫外線、イオンビーム、電子
線、X線を例示することができ、使用するエネルギー線
の種類によって適宜レジスト材料を選択する。
【0027】本発明において、第1のレジスト層をネガ
型レジスト材料から構成し、第2のレジスト層をポジ型
レジスト材料から構成する場合、第2のレジスト層への
エネルギー線の照射は、工程(D)の後に行う必要があ
る。また、第1のレジスト層へのエネルギー線の照射
は、用いるレジスト層、保護膜の構成材料、エネルギー
線の種類にもよるが、工程(E)の後に行ってもよい
し、工程(F)の後に行ってもよい。
型レジスト材料から構成し、第2のレジスト層をポジ型
レジスト材料から構成する場合、第2のレジスト層への
エネルギー線の照射は、工程(D)の後に行う必要があ
る。また、第1のレジスト層へのエネルギー線の照射
は、用いるレジスト層、保護膜の構成材料、エネルギー
線の種類にもよるが、工程(E)の後に行ってもよい
し、工程(F)の後に行ってもよい。
【0028】第2のレジスト層に含まれる粒子として、
ガラスビーズ(組成:例えばSiO 299.9%)を挙
げることができる。粒子は球状であることが好ましく、
直径は、形成すべき開口部の直径に依存するが、0.5
μm乃至3.0μm程度とすることが望ましい。例え
ば、液晶表示装置のスペーサとして市販されている球体
は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これを利用する
ことが好適である。保護膜としては、非感光性のカーボ
ン含有樹脂膜、クロム(Cr)膜、SiC膜、カーボン
膜、黒色の顔料を含む有機系材料膜を例示することがで
きる。
ガラスビーズ(組成:例えばSiO 299.9%)を挙
げることができる。粒子は球状であることが好ましく、
直径は、形成すべき開口部の直径に依存するが、0.5
μm乃至3.0μm程度とすることが望ましい。例え
ば、液晶表示装置のスペーサとして市販されている球体
は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これを利用する
ことが好適である。保護膜としては、非感光性のカーボ
ン含有樹脂膜、クロム(Cr)膜、SiC膜、カーボン
膜、黒色の顔料を含む有機系材料膜を例示することがで
きる。
【0029】本発明において、支持体は、少なくとも表
面が絶縁性部材から構成されていればよく、ガラス基
板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、
表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形
成された半導体基板を挙げることができる。また、第2
パネルの構成要素である基板も、支持体と同様に構成す
ることができる。
面が絶縁性部材から構成されていればよく、ガラス基
板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、
表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形
成された半導体基板を挙げることができる。また、第2
パネルの構成要素である基板も、支持体と同様に構成す
ることができる。
【0030】絶縁層の構成材料として、SiO2、Si
N、SiON、SOG(スピンオングラス)を、単独あ
るいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層
の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、ス
クリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
N、SiON、SOG(スピンオングラス)を、単独あ
るいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層
の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、ス
クリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0031】本発明の表示装置における第2パネルの具
体的な構成として、有効領域にアノード電極と蛍光体層
とを備え、蛍光体層が電子放出領域と対向している構成
とすることができる。アノード電極と蛍光体層は、基板
上に、蛍光体層、アノード電極の順に、あるいは又、ア
ノード電極、蛍光体層の順に形成されている。前者の場
合、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよ
い。また、後者の場合、蛍光体層の上に、アノード電極
と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。アノ
ード電極は、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被
覆した形式のアノード電極としてもよいし、1又は複数
の電子放出領域に対応するアノード電極ユニットが集合
した形式のアノード電極としてもよい。蛍光体層は、ス
トライプ状あるいはドット状に形成されている。尚、カ
ラー表示用の場合、ストライプ状又はドット状にパター
ニングされた赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に
対応する蛍光体層が交互に配置されている。ストライプ
状あるいはドット状の蛍光体層は、電子放出領域と対向
している。蛍光体層と蛍光体層の間には、ブラックマト
リクスが形成されていてもよい。アノード電極は、例え
ば、アルミニウムから成る金属薄膜や、ITO(インジ
ウム錫酸化物)等の透明導電材料から構成することがで
きる。
体的な構成として、有効領域にアノード電極と蛍光体層
とを備え、蛍光体層が電子放出領域と対向している構成
とすることができる。アノード電極と蛍光体層は、基板
上に、蛍光体層、アノード電極の順に、あるいは又、ア
ノード電極、蛍光体層の順に形成されている。前者の場
合、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよ
い。また、後者の場合、蛍光体層の上に、アノード電極
と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。アノ
ード電極は、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被
覆した形式のアノード電極としてもよいし、1又は複数
の電子放出領域に対応するアノード電極ユニットが集合
した形式のアノード電極としてもよい。蛍光体層は、ス
トライプ状あるいはドット状に形成されている。尚、カ
ラー表示用の場合、ストライプ状又はドット状にパター
ニングされた赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に
対応する蛍光体層が交互に配置されている。ストライプ
状あるいはドット状の蛍光体層は、電子放出領域と対向
している。蛍光体層と蛍光体層の間には、ブラックマト
リクスが形成されていてもよい。アノード電極は、例え
ば、アルミニウムから成る金属薄膜や、ITO(インジ
ウム錫酸化物)等の透明導電材料から構成することがで
きる。
【0032】本発明においては、第2のレジスト層を選
択的に除去し、更に、粒子の下に第2のレジスト層及び
保護膜を残し、かかる第2のレジスト層及び保護膜を一
種のエッチング用マスクとして第1のレジスト層に開口
領域を形成するので、最終的には、残された第2のレジ
スト層の大きさと略同一の大きさを有する開口部が形成
されたゲート電極を得ることができる。
択的に除去し、更に、粒子の下に第2のレジスト層及び
保護膜を残し、かかる第2のレジスト層及び保護膜を一
種のエッチング用マスクとして第1のレジスト層に開口
領域を形成するので、最終的には、残された第2のレジ
スト層の大きさと略同一の大きさを有する開口部が形成
されたゲート電極を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0034】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の電子放出素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法
に関する。図6に表示装置の模式的な一部端面図を示
し、図7に表示装置を分解した概念図を示し、図8に表
示装置の一部分の分解斜視図を示し、1つの電子放出素
子の拡大した模式的な一部端面図を図5の(C)に示
す。尚、図6はカソード電極の延びる方向を含む仮想垂
直面で表示装置を切断したときの図である。また、図7
において、一点鎖線で囲まれた領域が有効領域である。
の電子放出素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法
に関する。図6に表示装置の模式的な一部端面図を示
し、図7に表示装置を分解した概念図を示し、図8に表
示装置の一部分の分解斜視図を示し、1つの電子放出素
子の拡大した模式的な一部端面図を図5の(C)に示
す。尚、図6はカソード電極の延びる方向を含む仮想垂
直面で表示装置を切断したときの図である。また、図7
において、一点鎖線で囲まれた領域が有効領域である。
【0035】この表示装置における第1パネルP1(カ
ソードパネル)と第2パネルP2(アノードパネル)の
構成等は、従来の技術において説明した従来の表示装置
と同一であるので、詳細な説明は省略する。実施の形態
1においては、電子放出素子は、円錐形の電子放出部1
5を有する、所謂スピント(Spindt)型電子放出
素子である。スピント型電子放出素子の構造も従来のス
ピント型電子放出素子と同一であるので、詳細な説明は
省略する。更には、表示装置における画像の表示方法
も、従来の技術において説明した従来の表示装置と同一
であるので、詳細な説明は省略する。
ソードパネル)と第2パネルP2(アノードパネル)の
構成等は、従来の技術において説明した従来の表示装置
と同一であるので、詳細な説明は省略する。実施の形態
1においては、電子放出素子は、円錐形の電子放出部1
5を有する、所謂スピント(Spindt)型電子放出
素子である。スピント型電子放出素子の構造も従来のス
ピント型電子放出素子と同一であるので、詳細な説明は
省略する。更には、表示装置における画像の表示方法
も、従来の技術において説明した従来の表示装置と同一
であるので、詳細な説明は省略する。
【0036】以下、実施の形態1の電子放出素子の製造
方法、及び、表示装置の製造方法を、支持体等の模式的
な一部端面図である図1〜図5を参照して説明する。
尚、実施の形態1においては、第2のレジスト層の選択
的な除去を、粒子をエッチング用マスクとした異方性エ
ッチング法に基づき行う。
方法、及び、表示装置の製造方法を、支持体等の模式的
な一部端面図である図1〜図5を参照して説明する。
尚、実施の形態1においては、第2のレジスト層の選択
的な除去を、粒子をエッチング用マスクとした異方性エ
ッチング法に基づき行う。
【0037】[工程−100]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ
状のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2か
ら成る絶縁層12を形成し、更に、クロム(Cr)から
成り、ストライプ状のゲート電極構成層13Aを絶縁層
12上に形成する。ゲート電極構成層13Aの形成は、
例えば、スパッタ法、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づき行うことができる。ストライプ状の
カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延び、スト
ライプ状のゲート電極構成層13Aは図面の左右方向に
延びている。
成る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ
状のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2か
ら成る絶縁層12を形成し、更に、クロム(Cr)から
成り、ストライプ状のゲート電極構成層13Aを絶縁層
12上に形成する。ゲート電極構成層13Aの形成は、
例えば、スパッタ法、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づき行うことができる。ストライプ状の
カソード電極11は、図面の紙面垂直方向に延び、スト
ライプ状のゲート電極構成層13Aは図面の左右方向に
延びている。
【0038】[工程−110]その後、絶縁層12及び
ゲート電極構成層13A上に第1のレジスト層30をス
ピンコート法にて形成する。厚さが例えば2μmの第1
のレジスト層30は、ネガ型レジスト材料から構成され
ている。次に、スピンコート法にて、遮光性を有する非
感光性のカーボン含有樹脂から成る、厚さ1μmの保護
膜31を、第1のレジスト層30上に形成する。その
後、保護膜31上に、粒径0.5μm±0.01μmの
粒子径の揃ったガラスビーズ(組成:SiO299.9
%)から成る粒子33が分散された第2のレジスト層3
2を、スピンコート法にて形成する。尚、このようなガ
ラスビーズは、液晶表示装置におけるスペーサとして使
用されている。厚さが例えば2μmの第2のレジスト層
32は、ポジ型レジスト材料から構成されている。以上
の工程により、図1の(A)に示す構造を得ることがで
きる。
ゲート電極構成層13A上に第1のレジスト層30をス
ピンコート法にて形成する。厚さが例えば2μmの第1
のレジスト層30は、ネガ型レジスト材料から構成され
ている。次に、スピンコート法にて、遮光性を有する非
感光性のカーボン含有樹脂から成る、厚さ1μmの保護
膜31を、第1のレジスト層30上に形成する。その
後、保護膜31上に、粒径0.5μm±0.01μmの
粒子径の揃ったガラスビーズ(組成:SiO299.9
%)から成る粒子33が分散された第2のレジスト層3
2を、スピンコート法にて形成する。尚、このようなガ
ラスビーズは、液晶表示装置におけるスペーサとして使
用されている。厚さが例えば2μmの第2のレジスト層
32は、ポジ型レジスト材料から構成されている。以上
の工程により、図1の(A)に示す構造を得ることがで
きる。
【0039】第2のレジスト層32をスピンコート法に
て形成すれば、保護膜31全体に亙って均一な第2のレ
ジスト層32を形成することができる。また、スピンコ
ーティングにおける支持体の回転数や第2のレジスト層
32の粘度を最適化することによって、保護膜31全体
に亙って粒子を一層だけ含む第2のレジスト層32を形
成し得る。しかも、絶縁性の粒子を用いれば、たとえ、
最終的に粒子が残存したとしても、粒子によって短絡が
発生することがない。
て形成すれば、保護膜31全体に亙って均一な第2のレ
ジスト層32を形成することができる。また、スピンコ
ーティングにおける支持体の回転数や第2のレジスト層
32の粘度を最適化することによって、保護膜31全体
に亙って粒子を一層だけ含む第2のレジスト層32を形
成し得る。しかも、絶縁性の粒子を用いれば、たとえ、
最終的に粒子が残存したとしても、粒子によって短絡が
発生することがない。
【0040】[工程−120]次に、開口部を形成しな
いゲート電極構成層13Aの領域の上方の第2のレジス
ト層32を除去するために、露光用マスク34を用い
て、開口部を形成しないゲート電極構成層13Aの領域
の上方の第2のレジスト層32を紫外線を用いて露光す
る(図1の(B)参照)。露光された第2のレジスト層
32の領域を参照番号32Aで示す。露光された第2の
レジスト層32の領域32Aは、分解して現像液に可溶
性となる。尚、粒子33の下の第2のレジスト層32の
部分にも露光光が当たり、可溶性となる。その後、第2
のレジスト層32を現像し、可溶性となった領域32A
を除去すると、図2の(A)に示す構造を得ることがで
きる。
いゲート電極構成層13Aの領域の上方の第2のレジス
ト層32を除去するために、露光用マスク34を用い
て、開口部を形成しないゲート電極構成層13Aの領域
の上方の第2のレジスト層32を紫外線を用いて露光す
る(図1の(B)参照)。露光された第2のレジスト層
32の領域を参照番号32Aで示す。露光された第2の
レジスト層32の領域32Aは、分解して現像液に可溶
性となる。尚、粒子33の下の第2のレジスト層32の
部分にも露光光が当たり、可溶性となる。その後、第2
のレジスト層32を現像し、可溶性となった領域32A
を除去すると、図2の(A)に示す構造を得ることがで
きる。
【0041】[工程−130]その後、第2のレジスト
層32を選択的に除去し、粒子33の下に第2のレジス
ト層32を残す(図2の(B)参照)。具体的には、平
行平板のRIEエッチング装置を使用して、第2のレジ
スト層32を、以下の表1に例示する条件にて異方性エ
ッチングする。尚、このエッチング条件では、ガラスビ
ーズから成る粒子33及び保護膜31はエッチングされ
ず、粒子の下には柱状の第2のレジスト層32が残され
る。第2のレジスト層32の異方性エッチングは保護膜
31の表面で停止する。
層32を選択的に除去し、粒子33の下に第2のレジス
ト層32を残す(図2の(B)参照)。具体的には、平
行平板のRIEエッチング装置を使用して、第2のレジ
スト層32を、以下の表1に例示する条件にて異方性エ
ッチングする。尚、このエッチング条件では、ガラスビ
ーズから成る粒子33及び保護膜31はエッチングされ
ず、粒子の下には柱状の第2のレジスト層32が残され
る。第2のレジスト層32の異方性エッチングは保護膜
31の表面で停止する。
【0042】[表1] O2 :200SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー:1.3kW 支持体温度:0゜C
【0043】[工程−140]次いで、エッチング用ガ
スを代えて、以下の表2に例示する条件にて、露出した
保護膜31を、異方性エッチング法にて除去する(図3
の(A)参照)。
スを代えて、以下の表2に例示する条件にて、露出した
保護膜31を、異方性エッチング法にて除去する(図3
の(A)参照)。
【0044】[表2] CF4 :30SCCM O2 :30/10SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー:1.3kW 支持体温度:0゜C
【0045】[工程−150]その後、粒子33、第2
のレジスト層32及び保護膜31を除去し、更に、粒子
33、第2のレジスト層32及び保護膜31の下方に位
置していた第1のレジスト層30を除去する。具体的に
は、残された第2のレジスト層32及び保護膜31を一
種のエッチング用マスクとして、第1のレジスト層30
を紫外線を用いて露光する(図3の(B)参照)。露光
された第1のレジスト層30の領域を参照番号30Aで
示す。露光された第2のレジスト層30の領域30A
は、現像液に対して不可溶性あるいは難溶性となる。次
いで、カーボン含有樹脂から成る保護膜31を溶解する
溶液を用いて保護膜31を除去すると、これと同時に、
保護膜31上に残された粒子33及び第2のレジスト層
32も除去される(図3の(C)参照)。
のレジスト層32及び保護膜31を除去し、更に、粒子
33、第2のレジスト層32及び保護膜31の下方に位
置していた第1のレジスト層30を除去する。具体的に
は、残された第2のレジスト層32及び保護膜31を一
種のエッチング用マスクとして、第1のレジスト層30
を紫外線を用いて露光する(図3の(B)参照)。露光
された第1のレジスト層30の領域を参照番号30Aで
示す。露光された第2のレジスト層30の領域30A
は、現像液に対して不可溶性あるいは難溶性となる。次
いで、カーボン含有樹脂から成る保護膜31を溶解する
溶液を用いて保護膜31を除去すると、これと同時に、
保護膜31上に残された粒子33及び第2のレジスト層
32も除去される(図3の(C)参照)。
【0046】次いで、第1のレジスト層30を現像し、
粒子33、第2のレジスト層32及び保護膜31の下方
に位置していた第1のレジスト層30の可溶性の部分を
除去すると、開口領域30Bが形成された図4の(A)
に示す構造を得ることができる。
粒子33、第2のレジスト層32及び保護膜31の下方
に位置していた第1のレジスト層30の可溶性の部分を
除去すると、開口領域30Bが形成された図4の(A)
に示す構造を得ることができる。
【0047】[工程−160]その後、残された第1の
レジスト層31をエッチング用マスクとしてゲート電極
構成層13Aをエッチングし、以て、開口部14Aが形
成されたゲート電極13を得る。クロムから成るゲート
電極構成層13Aのエッチング条件を以下の表3に例示
する。
レジスト層31をエッチング用マスクとしてゲート電極
構成層13Aをエッチングし、以て、開口部14Aが形
成されたゲート電極13を得る。クロムから成るゲート
電極構成層13Aのエッチング条件を以下の表3に例示
する。
【0048】[表3] Cl2流量 :100SCCM O2流量 :100SCCM 圧力 :0.7Pa RFパワー :0.8kW(13.56MHz) エッチング温度:60°C
【0049】次いで、絶縁層12に孔部14Bを形成
し、以て、孔部14Bの底部にカソード電極11を露出
させる(図4の(B)参照)。SiO2から成る絶縁層
12のエッチング条件を、以下の表4に例示する。
し、以て、孔部14Bの底部にカソード電極11を露出
させる(図4の(B)参照)。SiO2から成る絶縁層
12のエッチング条件を、以下の表4に例示する。
【0050】[表4] エッチング装置:平行平板型RIE装置 C4F8流量 :30SCCM CO流量 :70SCCM Ar流量 :300SCCM 圧力 :7.3Pa RFパワー :1.3kW(13.56MHz) エッチング温度:20°C
【0051】その後、第1のレジスト層30をアッシン
グ処理によって除去し、図4の(C)に示す構造を得る
ことができる。尚。開口部14Aと孔部14Bを纏め
て、開口部14と呼ぶ場合がある。
グ処理によって除去し、図4の(C)に示す構造を得る
ことができる。尚。開口部14Aと孔部14Bを纏め
て、開口部14と呼ぶ場合がある。
【0052】[工程−170]次に、開口部14の底部
に露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形
成する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着すること
により、剥離層17を形成する。このとき、支持体10
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより、開口部14の底部にアルミニウムを殆ど
堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12上
に剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部14の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部14が実質的に縮径される(図5の
(A)参照)。
に露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形
成する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着すること
により、剥離層17を形成する。このとき、支持体10
の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択す
ることにより、開口部14の底部にアルミニウムを殆ど
堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12上
に剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部14の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部14が実質的に縮径される(図5の
(A)参照)。
【0053】[工程−180]次に、全面に例えばモリ
ブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図5の
(B)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層18が成長する
に伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部14の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出部15となる。
ブデン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図5の
(B)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層18が成長する
に伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部14の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出部15となる。
【0054】その後、電気化学的プロセス及び湿式プロ
セスによって剥離層17を絶縁層12及びゲート電極1
3の表面から剥離し、絶縁層12及びゲート電極13の
上方の導電体層18を選択的に除去する。その結果、図
5の(C)に示すように、孔部14B内に設けられた電
子放出部15、具体的には、開口部14(孔部14B)
の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子放
出部15を得ることができる。
セスによって剥離層17を絶縁層12及びゲート電極1
3の表面から剥離し、絶縁層12及びゲート電極13の
上方の導電体層18を選択的に除去する。その結果、図
5の(C)に示すように、孔部14B内に設けられた電
子放出部15、具体的には、開口部14(孔部14B)
の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子放
出部15を得ることができる。
【0055】[工程−190]かかる電子放出素子が多
数形成された第1パネル(カソードパネル)P1と第2
パネル(アノードパネル)P2とを組み合わせると、図
6〜図8に示した表示装置を得ることができる。具体的
には、例えば、セラミックスやガラスから作製された高
さ約1mmの枠体24を用意し、枠体24と第1パネル
P1と第2パネルP2とを例えばフリットガラスを用いて
貼り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、約450゜
Cで10〜30分焼成すればよい。その後、表示装置の
内部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気し、適当
な方法で封止する。あるいは又、例えば、枠体24と第
1パネルP1と第2パネルP2との貼り合わせを高真空雰
囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に
依っては、枠体無しで、第1パネルP1と第2パネルP2
とを貼り合わせてもよい。
数形成された第1パネル(カソードパネル)P1と第2
パネル(アノードパネル)P2とを組み合わせると、図
6〜図8に示した表示装置を得ることができる。具体的
には、例えば、セラミックスやガラスから作製された高
さ約1mmの枠体24を用意し、枠体24と第1パネル
P1と第2パネルP2とを例えばフリットガラスを用いて
貼り合わせ、フリットガラスを乾燥した後、約450゜
Cで10〜30分焼成すればよい。その後、表示装置の
内部を10-4Pa程度の真空度となるまで排気し、適当
な方法で封止する。あるいは又、例えば、枠体24と第
1パネルP1と第2パネルP2との貼り合わせを高真空雰
囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に
依っては、枠体無しで、第1パネルP1と第2パネルP2
とを貼り合わせてもよい。
【0056】第2パネルP2の製造方法の一例を、以
下、図12を参照して説明する。先ず、発光性結晶粒子
組成物を調製する。そのために、例えば、純水に分散剤
を分散させ、ホモミキサーを用いて3000rpmにて
1分間、撹拌を行う。次に、先に説明した発光性結晶粒
子を分散剤が分散した純水中に投入し、ホモミキサーを
用いて5000rpmにて5分間、撹拌を行う。その
後、例えば、ポリビニルアルコール及び重クロム酸アン
モニウムを添加して、十分に撹拌し、濾過する。
下、図12を参照して説明する。先ず、発光性結晶粒子
組成物を調製する。そのために、例えば、純水に分散剤
を分散させ、ホモミキサーを用いて3000rpmにて
1分間、撹拌を行う。次に、先に説明した発光性結晶粒
子を分散剤が分散した純水中に投入し、ホモミキサーを
用いて5000rpmにて5分間、撹拌を行う。その
後、例えば、ポリビニルアルコール及び重クロム酸アン
モニウムを添加して、十分に撹拌し、濾過する。
【0057】第2パネル(アノードパネル)P2の製造
においては、例えばガラスから成る基板20上の全面に
感光性被膜40を形成(塗布)する。そして、露光光源
(図示せず)から射出され、マスク43に設けられた孔
部44を通過した露光光によって、基板20上に形成さ
れた感光性被膜40を露光して感光領域41を形成する
(図12の(A)参照)。その後、感光性被膜40を現
像して選択的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像
後の感光性被膜)42を基板20上に残す(図12の
(B)参照)。次に、全面にカーボン剤(カーボンスラ
リー)を塗布し、乾燥、焼成した後、リフトオフ法にて
感光性被膜の残部42及びその上のカーボン剤を除去す
ることによって、露出した基板20上にカーボン剤から
成るブラックマトリクス22とを形成し、併せて、感光
性被膜の残部42を除去する(図12の(C)参照)。
その後、露出した基板20上に、赤、緑、青の各蛍光体
層21を形成する(図12の(D)参照)。具体的に
は、上述した各発光性結晶粒子(蛍光体粒子)から調製
された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の
感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全
面に塗布し、露光、現像し、次いで、緑色の感光性の発
光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布
し、露光、現像し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像すればよい。その後、蛍光体層21及びブラックマト
リクス22上にスパッタリング法にて厚さ約0.07μ
mのアルミニウム薄膜から成るアノード電極23を形成
する。尚、スクリーン印刷法等により各蛍光体層21を
形成することもできる。
においては、例えばガラスから成る基板20上の全面に
感光性被膜40を形成(塗布)する。そして、露光光源
(図示せず)から射出され、マスク43に設けられた孔
部44を通過した露光光によって、基板20上に形成さ
れた感光性被膜40を露光して感光領域41を形成する
(図12の(A)参照)。その後、感光性被膜40を現
像して選択的に除去し、感光性被膜の残部(露光、現像
後の感光性被膜)42を基板20上に残す(図12の
(B)参照)。次に、全面にカーボン剤(カーボンスラ
リー)を塗布し、乾燥、焼成した後、リフトオフ法にて
感光性被膜の残部42及びその上のカーボン剤を除去す
ることによって、露出した基板20上にカーボン剤から
成るブラックマトリクス22とを形成し、併せて、感光
性被膜の残部42を除去する(図12の(C)参照)。
その後、露出した基板20上に、赤、緑、青の各蛍光体
層21を形成する(図12の(D)参照)。具体的に
は、上述した各発光性結晶粒子(蛍光体粒子)から調製
された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の
感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全
面に塗布し、露光、現像し、次いで、緑色の感光性の発
光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布
し、露光、現像し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒
子組成物(蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現
像すればよい。その後、蛍光体層21及びブラックマト
リクス22上にスパッタリング法にて厚さ約0.07μ
mのアルミニウム薄膜から成るアノード電極23を形成
する。尚、スクリーン印刷法等により各蛍光体層21を
形成することもできる。
【0058】表示装置において、第1パネルP1と第2
パネルP2とを周縁部において接合する場合、接合は接
着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラスやセラミ
ック等の絶縁剛性材料から成る枠体24と接着層とを併
用して行ってもよい。枠体24と接着層とを併用する場
合には、枠体24の高さを適宜選択することにより、接
着層のみを使用する場合に比べ、第1パネルP1と第2
パネルP2との間の対向距離をより長く設定することが
可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリット
ガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程
度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点
金属材料としては、In(インジウム:融点157゜
C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95A
l5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2P
b98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
パネルP2とを周縁部において接合する場合、接合は接
着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラスやセラミ
ック等の絶縁剛性材料から成る枠体24と接着層とを併
用して行ってもよい。枠体24と接着層とを併用する場
合には、枠体24の高さを適宜選択することにより、接
着層のみを使用する場合に比べ、第1パネルP1と第2
パネルP2との間の対向距離をより長く設定することが
可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリット
ガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程
度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かかる低融点
金属材料としては、In(インジウム:融点157゜
C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点2
27〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融
点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融
点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95A
l5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はん
だ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2P
b98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はん
だ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上
の添字は全て原子%を表す)を例示することができる。
【0059】表示装置において、第1パネルP1と第2
パネルP2と枠体24の三者を接合する場合、三者を同
時に接合してもよいし、あるいは、第1段階で第1パネ
ルP1又は第2パネルP2のいずれか一方と枠体24とを
接合し、第2段階で第1パネルP1又は第2パネルP2の
他方と枠体24とを接合してもよい。三者同時接合や第
2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、第1パ
ネルP1と第2パネルP2と枠体24と接着層とにより囲
まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三
者の接合終了後、第1パネルP1と第2パネルP2と枠体
24と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空と
することもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の
雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、ま
た、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるい
は窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガ
ス)を含む不活性ガスであってもよい。
パネルP2と枠体24の三者を接合する場合、三者を同
時に接合してもよいし、あるいは、第1段階で第1パネ
ルP1又は第2パネルP2のいずれか一方と枠体24とを
接合し、第2段階で第1パネルP1又は第2パネルP2の
他方と枠体24とを接合してもよい。三者同時接合や第
2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、第1パ
ネルP1と第2パネルP2と枠体24と接着層とにより囲
まれた空間は、接合と同時に真空となる。あるいは、三
者の接合終了後、第1パネルP1と第2パネルP2と枠体
24と接着層とによって囲まれた空間を排気し、真空と
することもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の
雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、ま
た、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるい
は窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガ
ス)を含む不活性ガスであってもよい。
【0060】接合後に排気を行う場合、排気は、第1パ
ネルP1及び/又は第2パネルP2に予め接続されたチッ
プ管(図示せず)を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、第1パネル
P1及び/又は第2パネルP2の無効領域に設けられた貫
通孔(図示せず)の周囲に、フリットガラス又は上述の
低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度
に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切
りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温さ
せると、空間に残留ガスを放出させることができ、この
残留ガスを排気により空間外へ除去することができるの
で好適である。
ネルP1及び/又は第2パネルP2に予め接続されたチッ
プ管(図示せず)を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、第1パネル
P1及び/又は第2パネルP2の無効領域に設けられた貫
通孔(図示せず)の周囲に、フリットガラス又は上述の
低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度
に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切
りを行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温さ
せると、空間に残留ガスを放出させることができ、この
残留ガスを排気により空間外へ除去することができるの
で好適である。
【0061】(実施の形態2)実施の形態2の電子放出
素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法は、実施の
形態1の変形である。実施の形態2の方法が実施の形態
1の方法と相違する点は、第2のレジスト層を選択的に
除去した後、粒子をエッチング用マスクとした異方性エ
ッチング法に基づき、併せて、粒子の一部分もエッチン
グし、粒子の径を縮径する点にある。以下、支持体等の
模式的な一部端面図である図9を参照して、実施の形態
2の方法を説明する。尚、実施の形態2においては、粒
径0.5μm±0.01μmの粒子径の揃ったガラスビ
ーズ(組成:SiO299.9%)から成る粒子33を
使用した。
素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法は、実施の
形態1の変形である。実施の形態2の方法が実施の形態
1の方法と相違する点は、第2のレジスト層を選択的に
除去した後、粒子をエッチング用マスクとした異方性エ
ッチング法に基づき、併せて、粒子の一部分もエッチン
グし、粒子の径を縮径する点にある。以下、支持体等の
模式的な一部端面図である図9を参照して、実施の形態
2の方法を説明する。尚、実施の形態2においては、粒
径0.5μm±0.01μmの粒子径の揃ったガラスビ
ーズ(組成:SiO299.9%)から成る粒子33を
使用した。
【0062】先ず、実施の形態1の[工程−100]〜
[工程−130]と同様の工程を実行する。これによっ
て、図9の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−130]と同様の工程を実行する。これによっ
て、図9の(A)に示す構造を得ることができる。
【0063】次に、露出した保護膜31を除去するが、
同時に、粒子33の一部分もエッチングし、粒子33の
径を縮径する。エッチング条件を、以下の表5に例示す
る。これによって、第2のレジスト層32もエッチング
され、粒子33Aの下の第2のレジスト層32及び保護
膜31の径も縮径される(図9の(B)参照)。
同時に、粒子33の一部分もエッチングし、粒子33の
径を縮径する。エッチング条件を、以下の表5に例示す
る。これによって、第2のレジスト層32もエッチング
され、粒子33Aの下の第2のレジスト層32及び保護
膜31の径も縮径される(図9の(B)参照)。
【0064】[表5] CF4 :50SCCM CO :150SCCM Ar :200SCCM O2 :5SCCM 圧力 :4.7Pa RFパワー:1.35kW 支持体温度:25゜C
【0065】以降、実施の形態1の[工程−150]〜
[工程−190]と同様の工程を実行すればよい。
[工程−190]と同様の工程を実行すればよい。
【0066】粒子33Aの径と、第1のレジスト層30
に形成された開口領域の直径の関係を調べた結果を図1
0に示す。粒子33Aの径と、第1のレジスト層30に
形成された開口領域の直径とは、概ね一次関数の関係に
ある。つまり、エッチング条件と保護膜31の厚さを最
適化することによって、支持体10の面内で直径の揃っ
た開口部14Aを形成することができる。また、第2の
レジスト層32中で、粒子33同士が近接し、あるい
は、接触していた場合であっても、粒子33の径を縮径
するので、粒子33Aの下に残された第2のレジスト層
32同士が接触することがなくなり、ゲート電極13に
最終的に得られる開口部14Aの径は均一なものとな
る。
に形成された開口領域の直径の関係を調べた結果を図1
0に示す。粒子33Aの径と、第1のレジスト層30に
形成された開口領域の直径とは、概ね一次関数の関係に
ある。つまり、エッチング条件と保護膜31の厚さを最
適化することによって、支持体10の面内で直径の揃っ
た開口部14Aを形成することができる。また、第2の
レジスト層32中で、粒子33同士が近接し、あるい
は、接触していた場合であっても、粒子33の径を縮径
するので、粒子33Aの下に残された第2のレジスト層
32同士が接触することがなくなり、ゲート電極13に
最終的に得られる開口部14Aの径は均一なものとな
る。
【0067】(実施の形態3)実施の形態3の電子放出
素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法も、実施の
形態1の変形である。実施の形態3の方法が実施の形態
1の方法と相違する点は、第1のレジスト層を構成する
レジスト材料として、電子線に感光するネガ型レジスト
材料を用いた点、第1のレジスト層30への電子線の照
射を、第2のレジスト層32を選択的に除去し、粒子3
3の下に第2のレジスト層32を残した後、露出した保
護膜31を除去する前とした点にある。また、保護膜3
1をエッチングストッパーとして機能するクロム(C
r)から構成した。以下、支持体等の模式的な一部端面
図である図11を参照して、実施の形態3の方法を説明
する。
素子の製造方法、及び、表示装置の製造方法も、実施の
形態1の変形である。実施の形態3の方法が実施の形態
1の方法と相違する点は、第1のレジスト層を構成する
レジスト材料として、電子線に感光するネガ型レジスト
材料を用いた点、第1のレジスト層30への電子線の照
射を、第2のレジスト層32を選択的に除去し、粒子3
3の下に第2のレジスト層32を残した後、露出した保
護膜31を除去する前とした点にある。また、保護膜3
1をエッチングストッパーとして機能するクロム(C
r)から構成した。以下、支持体等の模式的な一部端面
図である図11を参照して、実施の形態3の方法を説明
する。
【0068】先ず、実施の形態1の[工程−100]〜
[工程−130]と同様の工程を実行する。これによっ
て、図2の(B)に示したと同様の構造を得ることがで
きる。尚、保護膜31をエッチングストッパーとして機
能するクロム(Cr)から構成したので、第2のレジス
ト層32のエッチングの際、第1のレジスト層30に損
傷が発生することを確実に防止することができる。
[工程−130]と同様の工程を実行する。これによっ
て、図2の(B)に示したと同様の構造を得ることがで
きる。尚、保護膜31をエッチングストッパーとして機
能するクロム(Cr)から構成したので、第2のレジス
ト層32のエッチングの際、第1のレジスト層30に損
傷が発生することを確実に防止することができる。
【0069】次に、残された第2のレジスト層32を一
種のエッチング用マスクとして、第1のレジスト層30
を電子線を用いて露光する(図11参照)。電子線のエ
ネルギーを、保護膜31を貫通して第1のレジスト層3
0を確実に感光するようなエネルギーとすればよい。
種のエッチング用マスクとして、第1のレジスト層30
を電子線を用いて露光する(図11参照)。電子線のエ
ネルギーを、保護膜31を貫通して第1のレジスト層3
0を確実に感光するようなエネルギーとすればよい。
【0070】その後、実施の形態1の[工程−14
0]、[工程−150](但し、第1のレジスト層30
の露光はこの工程では不要である)、[工程−160]
〜[工程−190]と同様の工程を実行すればよい。但
し、実施の形態1の[工程−140]と同様の工程にお
いて、クロムから成る保護膜31を異方性エッチング法
にて除去するとき、表2に示した条件において、CF4
ガスの代わりにCl2ガスを使用する。また、実施の形
態1の[工程−140]と同様の工程において、クロム
から成る保護膜31を溶解する溶液[Ce(NO3)4・
2NH4NO3(10〜20%)と、HClO4(1〜1
0%)とH2O(75〜85%)の混合溶液]を用いて
保護膜31を除去すると、これと同時に、保護膜31上
に残された粒子33及び第2のレジスト層32も除去さ
れる。
0]、[工程−150](但し、第1のレジスト層30
の露光はこの工程では不要である)、[工程−160]
〜[工程−190]と同様の工程を実行すればよい。但
し、実施の形態1の[工程−140]と同様の工程にお
いて、クロムから成る保護膜31を異方性エッチング法
にて除去するとき、表2に示した条件において、CF4
ガスの代わりにCl2ガスを使用する。また、実施の形
態1の[工程−140]と同様の工程において、クロム
から成る保護膜31を溶解する溶液[Ce(NO3)4・
2NH4NO3(10〜20%)と、HClO4(1〜1
0%)とH2O(75〜85%)の混合溶液]を用いて
保護膜31を除去すると、これと同時に、保護膜31上
に残された粒子33及び第2のレジスト層32も除去さ
れる。
【0071】尚、実施の形態3の方法に対して、実施の
形態2にて説明した方法を適用することもできるが、こ
の場合には、粒子の一部分もエッチングし、粒子の径を
縮径した後、残された第2のレジスト層32を一種のエ
ッチング用マスクとして、第1のレジスト層30を電子
線を用いて露光し、次いで、露出した保護膜を除去す
る。また、第2のレジスト層32を電子線に感光するポ
ジ型レジスト材料から構成することもできる。
形態2にて説明した方法を適用することもできるが、こ
の場合には、粒子の一部分もエッチングし、粒子の径を
縮径した後、残された第2のレジスト層32を一種のエ
ッチング用マスクとして、第1のレジスト層30を電子
線を用いて露光し、次いで、露出した保護膜を除去す
る。また、第2のレジスト層32を電子線に感光するポ
ジ型レジスト材料から構成することもできる。
【0072】(実施の形態4)以下の実施の形態におい
ては、各種の構成、構造の電子放出素子及びその製造方
法を説明するが、これらの電子放出素子の全てを、実施
の形態1〜実施の形態3にて説明した本発明の方法に対
して適用することができる。
ては、各種の構成、構造の電子放出素子及びその製造方
法を説明するが、これらの電子放出素子の全てを、実施
の形態1〜実施の形態3にて説明した本発明の方法に対
して適用することができる。
【0073】電子放出素子は、以下の3つの範疇に分類
することができる。即ち、第1の構造の電子放出素子
は、(イ)支持体と、(ロ)支持体上に設けられたスト
ライプ状のカソード電極と、(ハ)基板及びカソード電
極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられ
たストライプ状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を貫
通した開口部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し
た孔部と、(ヘ)孔部の底部に位置するカソード電極の
部分の上に設けられた電子放出部、から成り、孔部の底
部に露出した電子放出部から電子が放出される構造を有
する。かかる電子放出素子の形式として、先に説明した
スピント型(円錐形の電子放出部が、孔部の底部に位置
するカソード電極の部分の上に設けられた電子放出素
子)、クラウン型(王冠状の電子放出部が、孔部の底部
に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電子放
出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が、孔部の底部
に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電子放
出素子)を挙げることができる。
することができる。即ち、第1の構造の電子放出素子
は、(イ)支持体と、(ロ)支持体上に設けられたスト
ライプ状のカソード電極と、(ハ)基板及びカソード電
極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられ
たストライプ状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を貫
通した開口部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し
た孔部と、(ヘ)孔部の底部に位置するカソード電極の
部分の上に設けられた電子放出部、から成り、孔部の底
部に露出した電子放出部から電子が放出される構造を有
する。かかる電子放出素子の形式として、先に説明した
スピント型(円錐形の電子放出部が、孔部の底部に位置
するカソード電極の部分の上に設けられた電子放出素
子)、クラウン型(王冠状の電子放出部が、孔部の底部
に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電子放
出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が、孔部の底部
に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電子放
出素子)を挙げることができる。
【0074】第2の構造の電子放出素子は、(イ)支持
体と、(ロ)支持体上に設けられたストライプ状のカソ
ード電極と、(ハ)基板及びカソード電極上に形成され
た絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状
のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を貫通した開口部、
及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し、底部にカソー
ド電極が露出した孔部、から成り、孔部の底部に露出し
たカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かかる孔
部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出
する構造を有する。かかる電子放出素子の形式として、
平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電
子放出素子、凹凸が形成されたカソード電極の表面の凸
部から電子を放出するクレータ型電子放出素子を挙げる
ことができる。
体と、(ロ)支持体上に設けられたストライプ状のカソ
ード電極と、(ハ)基板及びカソード電極上に形成され
た絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられたストライプ状
のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を貫通した開口部、
及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し、底部にカソー
ド電極が露出した孔部、から成り、孔部の底部に露出し
たカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かかる孔
部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出
する構造を有する。かかる電子放出素子の形式として、
平坦なカソード電極の表面から電子を放出する平面型電
子放出素子、凹凸が形成されたカソード電極の表面の凸
部から電子を放出するクレータ型電子放出素子を挙げる
ことができる。
【0075】第3の構造の電子放出素子は、(イ)支持
体と、(ロ)支持体の上方に設けられ、エッジ部を有す
るストライプ状のカソード電極と、(ハ)少なくともカ
ソード電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に
設けられたストライプ状のゲート電極と、(ホ)少なく
とも、ゲート電極を貫通した開口部、及び、絶縁層を貫
通し、開口部と連通した孔部、から成り、孔部の底部若
しくは側壁に露出したカソード電極のエッジ部が電子放
出部に相当し、孔部の底部若しくは側壁に露出したカソ
ード電極のエッジ部から電子を放出する構造を有する。
このような構造を有する電子放出素子はエッジ型電子放
出素子とも呼ばれる。
体と、(ロ)支持体の上方に設けられ、エッジ部を有す
るストライプ状のカソード電極と、(ハ)少なくともカ
ソード電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に
設けられたストライプ状のゲート電極と、(ホ)少なく
とも、ゲート電極を貫通した開口部、及び、絶縁層を貫
通し、開口部と連通した孔部、から成り、孔部の底部若
しくは側壁に露出したカソード電極のエッジ部が電子放
出部に相当し、孔部の底部若しくは側壁に露出したカソ
ード電極のエッジ部から電子を放出する構造を有する。
このような構造を有する電子放出素子はエッジ型電子放
出素子とも呼ばれる。
【0076】スピント型電子放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電子放出素子の電子放出部は、例
えば、蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形
成することができる。
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電子放出素子の電子放出部は、例
えば、蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形
成することができる。
【0077】クラウン型電子放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム錫酸化物)等
の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電子放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、蒸着法、スパッタリング法に
よって形成することができる。
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム錫酸化物)等
の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電子放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、蒸着法、スパッタリング法に
よって形成することができる。
【0078】扁平型電子放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電子放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電子放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y2O3(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0079】特に好ましい電子放出部の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出部
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
07V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出
電子電流密度を得ることができる。また、アモルファス
ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部か
ら得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電子放出素子の長寿命
化を図ることができる。
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出部
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
07V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出
電子電流密度を得ることができる。また、アモルファス
ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部か
ら得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電子放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0080】あるいは又、電子放出部を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al2O3)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0081】第2の構造を有する電子放出素子(平面型
電子放出素子あるいはクレータ型電子放出素子)、若し
くは第3の構造を有する電子放出素子(エッジ型電子放
出素子)にあっては、電子放出部に相当するカソード電
極を構成する材料として、タングステン(W)やタンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属、
あるいはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体、炭素
薄膜を例示することができる。かかるカソード電極の厚
さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。カソード電極の形成方法
として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着
法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイオンプレ
ーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印
刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリーン印
刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカソー
ド電極を形成することが可能である。
電子放出素子あるいはクレータ型電子放出素子)、若し
くは第3の構造を有する電子放出素子(エッジ型電子放
出素子)にあっては、電子放出部に相当するカソード電
極を構成する材料として、タングステン(W)やタンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属、
あるいはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体、炭素
薄膜を例示することができる。かかるカソード電極の厚
さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。カソード電極の形成方法
として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着
法といった蒸着法、スパッタ法、CVD法やイオンプレ
ーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印
刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリーン印
刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状のカソー
ド電極を形成することが可能である。
【0082】あるいは又、第2の構造(平面型電子放出
素子あるいはクレータ型電子放出素子)、第3の構造を
有する電子放出素子(エッジ型電子放出素子)、あるい
は、扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有する電
子放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
素子あるいはクレータ型電子放出素子)、第3の構造を
有する電子放出素子(エッジ型電子放出素子)、あるい
は、扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有する電
子放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
【0083】また、スピント型電子放出素子やクラウン
型電子放出素子から成る第1の構造を有する電子放出素
子にあっては、カソード電極を構成する材料として、タ
ングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(T
a)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)等の金属、これらの金属元素
を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド)、あるいはシリコン(Si)等の半導体、I
TO(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
カソード電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着
法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタ
法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法
との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げるこ
とができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直
接、ストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
型電子放出素子から成る第1の構造を有する電子放出素
子にあっては、カソード電極を構成する材料として、タ
ングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(T
a)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)等の金属、これらの金属元素
を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド)、あるいはシリコン(Si)等の半導体、I
TO(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
カソード電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着
法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタ
法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法
との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げるこ
とができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直
接、ストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
【0084】第1の構造〜第3の構造を有する電子放出
素子において、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つ
の開口部及び孔部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部
及び孔部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲ
ート電極に複数の開口部を設け、かかる開口部と連通す
る1つの孔部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つ
の孔部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
素子において、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つ
の開口部及び孔部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部
及び孔部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲ
ート電極に複数の開口部を設け、かかる開口部と連通す
る1つの孔部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つ
の孔部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0085】第1の構造〜第3の構造を有する電子放出
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当している場
合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部
に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体
層を設けることによって、電子放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を
構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)と
いったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン
等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タ
ンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示する
ことができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタ法
や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができ
る。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましく
は数MΩとすればよい。
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当している場
合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部
に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体
層を設けることによって、電子放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を
構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)と
いったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン
等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タ
ンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示する
ことができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタ法
や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができ
る。抵抗値は、概ね1×105〜1×107Ω、好ましく
は数MΩとすればよい。
【0086】各種の電子放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド)、あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド)、あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
【0087】以下、各種の電子放出素子及びその製造方
法を説明する。
法を説明する。
【0088】[電子放出素子−1:スピント型電子放出
素子]スピント型電子放出素子の構造、及び、その製造
方法は、実施の形態1〜実施の形態3にて説明したとお
りである。尚、以下の説明においては、ゲート電極を貫
通した開口部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し
た孔部とを総称して、開口部14と呼ぶ場合がある。ま
た、「孔部の底部」を「開口部14の底部」と表記する
場合がある。
素子]スピント型電子放出素子の構造、及び、その製造
方法は、実施の形態1〜実施の形態3にて説明したとお
りである。尚、以下の説明においては、ゲート電極を貫
通した開口部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し
た孔部とを総称して、開口部14と呼ぶ場合がある。ま
た、「孔部の底部」を「開口部14の底部」と表記する
場合がある。
【0089】[電子放出素子−2:クラウン型電子放出
素子]クラウン型電子放出素子から成る第1の構造を有
する電子放出素子の模式的な一部端面図を図14の
(A)に示し、一部を切り欠いた模式的な斜視図を図1
4の(B)に示す。クラウン型電子放出素子は、支持体
10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及
びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁
層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極1
3及び絶縁層12を貫通した開口部14と、開口部14
(孔部)の底部に位置するカソード電極11の部分の上
に設けられたクラウン(王冠)型の電子放出部15Aか
ら構成されている。
素子]クラウン型電子放出素子から成る第1の構造を有
する電子放出素子の模式的な一部端面図を図14の
(A)に示し、一部を切り欠いた模式的な斜視図を図1
4の(B)に示す。クラウン型電子放出素子は、支持体
10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及
びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁
層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極1
3及び絶縁層12を貫通した開口部14と、開口部14
(孔部)の底部に位置するカソード電極11の部分の上
に設けられたクラウン(王冠)型の電子放出部15Aか
ら構成されている。
【0090】以下、クラウン型電子放出素子の製造方法
を、基板等の模式的な一部端面図等である図13〜図1
4を参照して説明する。
を、基板等の模式的な一部端面図等である図13〜図1
4を参照して説明する。
【0091】[工程−200]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上に、ストライプのカソード電極11を
形成する。尚、カソード電極11は、図面の紙面左右方
向に延びている。ストライプ状のカソード電極11は、
例えば支持体10上にITO膜をスパッタリング法によ
り約0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、IT
O膜をパターニングすることによって形成することがで
きる。カソード電極11は、単一の材料層であってもよ
く、複数の材料層を積層することによって構成すること
もできる。例えば、後の工程で形成される各電子放出部
の電子放出特性のばらつきをカバーするために、カソー
ド電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い材料
で構成することができる。次に、支持体10及びカソー
ド電極11上に絶縁層12を形成する。ここでは、一例
としてガラスペーストを全面に約3μmの厚さにスクリ
ーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水分や溶剤
を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するために、例え
ば100゜C、10分間の仮焼成、及び500゜C、2
0分間の本焼成といった2段階の焼成を行う。尚、上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
成る支持体10上に、ストライプのカソード電極11を
形成する。尚、カソード電極11は、図面の紙面左右方
向に延びている。ストライプ状のカソード電極11は、
例えば支持体10上にITO膜をスパッタリング法によ
り約0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、IT
O膜をパターニングすることによって形成することがで
きる。カソード電極11は、単一の材料層であってもよ
く、複数の材料層を積層することによって構成すること
もできる。例えば、後の工程で形成される各電子放出部
の電子放出特性のばらつきをカバーするために、カソー
ド電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い材料
で構成することができる。次に、支持体10及びカソー
ド電極11上に絶縁層12を形成する。ここでは、一例
としてガラスペーストを全面に約3μmの厚さにスクリ
ーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水分や溶剤
を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するために、例え
ば100゜C、10分間の仮焼成、及び500゜C、2
0分間の本焼成といった2段階の焼成を行う。尚、上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
【0092】次に、絶縁層12上に、ストライプ状のゲ
ート電極構成層を形成する。尚、ゲート電極構成層は、
図面の紙面垂直方向に延びている。即ち、ゲート電極構
成層の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード
電極11の射影像の延びる方向と90度を成す。
ート電極構成層を形成する。尚、ゲート電極構成層は、
図面の紙面垂直方向に延びている。即ち、ゲート電極構
成層の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード
電極11の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0093】[工程−210]次に、実施の形態1〜実
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極構成
層及び絶縁層12をRIE法に基づきエッチングし、ゲ
ート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開
口部14(孔部)の底部にカソード電極11を露出させ
る。開口部14の直径を約2〜50μmとする。
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極構成
層及び絶縁層12をRIE法に基づきエッチングし、ゲ
ート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開
口部14(孔部)の底部にカソード電極11を露出させ
る。開口部14の直径を約2〜50μmとする。
【0094】[工程−220]次に、第1のレジスト層
を除去し、ゲート電極13上、絶縁層12上、及び開口
部14の側壁面上に剥離層51を形成する(図13の
(A)参照)。かかる剥離層51を形成するには、例え
ば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法により
全面に塗布し、開口部14の底部の一部分のみを除去す
るようなパターニングを行う。この時点で、開口部14
の実質的な直径は、約1〜20μmに縮径される。
を除去し、ゲート電極13上、絶縁層12上、及び開口
部14の側壁面上に剥離層51を形成する(図13の
(A)参照)。かかる剥離層51を形成するには、例え
ば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法により
全面に塗布し、開口部14の底部の一部分のみを除去す
るようなパターニングを行う。この時点で、開口部14
の実質的な直径は、約1〜20μmに縮径される。
【0095】[工程−230]次に、図13の(B)に
示すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層
52を形成する。ここで使用する組成物原料は、例え
ば、導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子
を60重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重
量%含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、
10秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14
内における導電性組成物層52の表面は、組成物原料の
表面張力に起因して、開口部14の側壁面に沿って迫り
上がり、開口部14の中央部に向かって窪む。その後、
導電性組成物層52に含まれる水分を除去するための仮
焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
示すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層
52を形成する。ここで使用する組成物原料は、例え
ば、導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子
を60重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重
量%含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、
10秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14
内における導電性組成物層52の表面は、組成物原料の
表面張力に起因して、開口部14の側壁面に沿って迫り
上がり、開口部14の中央部に向かって窪む。その後、
導電性組成物層52に含まれる水分を除去するための仮
焼成を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0096】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層51との親和性、開口部14のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層51との親和性、開口部14のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0097】バインダは一般に導電性に劣るので、導電
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出部15Aの電気
抵抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞が
ある。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカ
ーボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にと
ると、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子
の割合は、電子放出部15Aの電気抵抗値、組成物原料
の粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概
ね30〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。
カーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択するこ
とにより、形成される電子放出部15Aの電気抵抗値を
十分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性
を良好に保つことが可能となる。但し、導電性粒子とし
てカーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた
場合には、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向があ
るので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料
粒子の割合を高めることが好ましく、60重量%以上と
することが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性
粒子の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調
整剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれてい
てもよい。尚、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜
で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成
物原料を用いてもよい。
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出部15Aの電気
抵抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞が
ある。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカ
ーボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にと
ると、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子
の割合は、電子放出部15Aの電気抵抗値、組成物原料
の粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概
ね30〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。
カーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択するこ
とにより、形成される電子放出部15Aの電気抵抗値を
十分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性
を良好に保つことが可能となる。但し、導電性粒子とし
てカーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた
場合には、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向があ
るので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料
粒子の割合を高めることが好ましく、60重量%以上と
することが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性
粒子の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調
整剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれてい
てもよい。尚、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜
で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成
物原料を用いてもよい。
【0098】一例として、王冠状の電子放出部15Aの
直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボ
ン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒
径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15Aの縁部に十分に
高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対
する電子放出部15Aの密着性が良好となる。
直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボ
ン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒
径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15Aの縁部に十分に
高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対
する電子放出部15Aの密着性が良好となる。
【0099】[工程−240]次に、図13の(C)に
示すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量%
の水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬すること
により行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を
行ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層5
1上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部1
4(孔部)の底部に露出したカソード電極11上の導電
性組成物層52の部分のみが残される。この残存した部
分が電子放出部15Aとなる。電子放出部15Aの形状
は、表面が開口部14の中央部に向かって窪み、王冠状
となる。[工程−240]が終了した時点における状態
を、図14に示す。図14の(B)は、電子放出素子の
一部を示す模式的な斜視図であり、図14の(A)は図
14の(B)の線A−Aに沿った模式的な一部端面図で
ある。図14の(B)では、電子放出部15Aの全体が
見えるように、絶縁層12とゲート電極13との一部を
切り欠いている。尚、1つの電子放出領域には、5〜1
00個程度の電子放出部15Aを設けることで十分であ
る。尚、導電性粒子の粒径が電子放出部15Aの表面に
確実に露出するように、電子放出部15Aの表面に露出
したバインダをエッチングによって除去してもよい。
示すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量%
の水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬すること
により行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を
行ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層5
1上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部1
4(孔部)の底部に露出したカソード電極11上の導電
性組成物層52の部分のみが残される。この残存した部
分が電子放出部15Aとなる。電子放出部15Aの形状
は、表面が開口部14の中央部に向かって窪み、王冠状
となる。[工程−240]が終了した時点における状態
を、図14に示す。図14の(B)は、電子放出素子の
一部を示す模式的な斜視図であり、図14の(A)は図
14の(B)の線A−Aに沿った模式的な一部端面図で
ある。図14の(B)では、電子放出部15Aの全体が
見えるように、絶縁層12とゲート電極13との一部を
切り欠いている。尚、1つの電子放出領域には、5〜1
00個程度の電子放出部15Aを設けることで十分であ
る。尚、導電性粒子の粒径が電子放出部15Aの表面に
確実に露出するように、電子放出部15Aの表面に露出
したバインダをエッチングによって除去してもよい。
【0100】[工程−250]次に、電子放出部15A
の焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30
分間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含ま
れるバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、
バインダが水ガラスのような無機材料である場合には、
無機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイ
ンダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬
化し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子
同士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解
したり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適
である。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温
度は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や欠陥
が生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、ゲ
ート電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によって上
昇したり、あるいはゲート電極やカソード電極に欠陥や
損傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲気とす
ることが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹脂を
使用した場合には、熱処理を必要としない場合がある。
の焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30
分間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含ま
れるバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、
バインダが水ガラスのような無機材料である場合には、
無機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイ
ンダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬
化し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子
同士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解
したり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適
である。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温
度は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や欠陥
が生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、ゲ
ート電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によって上
昇したり、あるいはゲート電極やカソード電極に欠陥や
損傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲気とす
ることが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹脂を
使用した場合には、熱処理を必要としない場合がある。
【0101】[電子放出素子−3:扁平型電子放出素
子]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有する電
子放出素子の模式的な一部断面図を、図15の(C)に
示す。扁平型電子放出素子は、例えばガラスから成る支
持体10上に形成されたカソード電極11、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、絶縁
層12上に形成されたゲート電極13、ゲート電極13
及び絶縁層12を貫通した開口部14、並びに、開口部
14(孔部)の底部に位置するカソード電極11の部分
の上に設けられた扁平の電子放出部15Bから成る。こ
こで、電子放出部15Bは、図15の(C)の紙面垂直
方向に延びたストライプ状のカソード電極11上に形成
されている。また、ゲート電極13は、図15の(C)
の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲ
ート電極13はクロム(Cr)から成る。電子放出部1
5Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層か
ら構成されている。また、電子放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化のために、カソード電極11と電
子放出部15Bとの間にSiCから成る抵抗体層60が
設けられている。図15の(C)に示した扁平型電子放
出素子においては、カソード電極11の表面の全域に亙
って、抵抗体層60及び電子放出部15Bが形成されて
いるが、このような構造に限定するものではなく、要
は、少なくとも開口部14(孔部)の底部に電子放出部
15Bが設けられていればよい。
子]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有する電
子放出素子の模式的な一部断面図を、図15の(C)に
示す。扁平型電子放出素子は、例えばガラスから成る支
持体10上に形成されたカソード電極11、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、絶縁
層12上に形成されたゲート電極13、ゲート電極13
及び絶縁層12を貫通した開口部14、並びに、開口部
14(孔部)の底部に位置するカソード電極11の部分
の上に設けられた扁平の電子放出部15Bから成る。こ
こで、電子放出部15Bは、図15の(C)の紙面垂直
方向に延びたストライプ状のカソード電極11上に形成
されている。また、ゲート電極13は、図15の(C)
の紙面左右方向に延びている。カソード電極11及びゲ
ート電極13はクロム(Cr)から成る。電子放出部1
5Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層か
ら構成されている。また、電子放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化のために、カソード電極11と電
子放出部15Bとの間にSiCから成る抵抗体層60が
設けられている。図15の(C)に示した扁平型電子放
出素子においては、カソード電極11の表面の全域に亙
って、抵抗体層60及び電子放出部15Bが形成されて
いるが、このような構造に限定するものではなく、要
は、少なくとも開口部14(孔部)の底部に電子放出部
15Bが設けられていればよい。
【0102】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図15を参照して、扁平型電子放出素子の製造方法を
説明する。
る図15を参照して、扁平型電子放出素子の製造方法を
説明する。
【0103】[工程−300]先ず、支持体10上に、
クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をス
パッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライ
エッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパ
ターニングする。これによって、ストライプ状のカソー
ド電極11を支持体10上に形成することができる(図
15の(A)参照)。尚、カソード電極11は、図15
の紙面垂直方向に延びている。
クロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をス
パッタ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライ
エッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパ
ターニングする。これによって、ストライプ状のカソー
ド電極11を支持体10上に形成することができる(図
15の(A)参照)。尚、カソード電極11は、図15
の紙面垂直方向に延びている。
【0104】[工程−310]次に、カソード電極11
上に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーティング
法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。その
後、電子放出部15B及び抵抗体層60を公知の方法に
基づきパターニングする(図15の(B)参照)。電子
放出部15Bから電子が放出される。
上に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先
ず、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーティング
法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。その
後、電子放出部15B及び抵抗体層60を公知の方法に
基づきパターニングする(図15の(B)参照)。電子
放出部15Bから電子が放出される。
【0105】[工程−320]次に、全面に絶縁層12
を形成する。具体的には、電子放出部15B及び支持体
10上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る絶
縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラスペース
トをスクリーン印刷する方法や、SiO2層をCVD法
にて形成する方法に基づき形成することもできる。その
後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に形
成する。
を形成する。具体的には、電子放出部15B及び支持体
10上に、例えば、スパッタ法にてSiO2から成る絶
縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラスペース
トをスクリーン印刷する方法や、SiO2層をCVD法
にて形成する方法に基づき形成することもできる。その
後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に形
成する。
【0106】[工程−330]次に、実施の形態1〜実
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極13
及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14(孔
部)の底部に電子放出部15Bを露出させる。その後、
第1のレジスト層を除去し、電子放出部15B中の有機
溶剤を除去するために、400゜C、30分の熱処理を
施す。こうして、図15の(C)に示した電子放出素子
を得ることができる。
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極13
及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14(孔
部)の底部に電子放出部15Bを露出させる。その後、
第1のレジスト層を除去し、電子放出部15B中の有機
溶剤を除去するために、400゜C、30分の熱処理を
施す。こうして、図15の(C)に示した電子放出素子
を得ることができる。
【0107】[電子放出素子−4:扁平型電子放出素子
の変形]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有す
る電子放出素子の変形例の模式的な一部断面図を、図1
6の(C)に示す。図16の(C)に示す扁平型電子放
出素子においては、電子放出部15Bの構造が、図15
の(C)に示した扁平型電子放出素子と若干異なってい
る。以下、支持体等の模式的な一部断面図である図16
を参照して、かかる[電子放出素子−4]の製造方法を
説明する。
の変形]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有す
る電子放出素子の変形例の模式的な一部断面図を、図1
6の(C)に示す。図16の(C)に示す扁平型電子放
出素子においては、電子放出部15Bの構造が、図15
の(C)に示した扁平型電子放出素子と若干異なってい
る。以下、支持体等の模式的な一部断面図である図16
を参照して、かかる[電子放出素子−4]の製造方法を
説明する。
【0108】[工程−400]先ず、支持体10上にカ
ソード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持
体10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を
除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成する。更
に、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料層をスピンコーティング法にて形成し、グラファ
イト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥離液を用いて
レジスト材料層を除去すると、レジスト材料層上に形成
されたカソード電極用導電材料層、抵抗体層60及びグ
ラファイト粉末塗料層も除去される。こうして、所謂リ
フトオフ法に基づき、カソード電極11、抵抗体層60
及び電子放出部15B(電子放出層)が積層された構造
を得ることができる(図16の(A)参照)。
ソード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持
体10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を
除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成する。更
に、全面にスパッタ法にてSiCから成る抵抗体層60
を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト粉
末塗料層をスピンコーティング法にて形成し、グラファ
イト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥離液を用いて
レジスト材料層を除去すると、レジスト材料層上に形成
されたカソード電極用導電材料層、抵抗体層60及びグ
ラファイト粉末塗料層も除去される。こうして、所謂リ
フトオフ法に基づき、カソード電極11、抵抗体層60
及び電子放出部15B(電子放出層)が積層された構造
を得ることができる(図16の(A)参照)。
【0109】[工程−410]次に、全面に絶縁層12
を形成した後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電
極13を形成する(図16の(B)参照)。その後、実
施の形態1〜実施の形態3にて説明した方法に基づき、
ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成する
ことによって、開口部14(孔部)の底部に電子放出部
15Bを露出させる(図16の(C)参照)。開口部1
4(孔部)の底部に露出したカソード電極11の表面に
設けられた電子放出部15Bから電子が放出される。
を形成した後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電
極13を形成する(図16の(B)参照)。その後、実
施の形態1〜実施の形態3にて説明した方法に基づき、
ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成する
ことによって、開口部14(孔部)の底部に電子放出部
15Bを露出させる(図16の(C)参照)。開口部1
4(孔部)の底部に露出したカソード電極11の表面に
設けられた電子放出部15Bから電子が放出される。
【0110】[電子放出素子−5:扁平型電子放出素子
の変形]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有す
る電子放出素子の別の変形例の模式的な一部端面図を、
図18の(B)に示す。この扁平型電子放出素子におい
ては、電子放出部15Cは、CVD法に基づき形成され
た炭素薄膜から構成されている。
の変形]扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有す
る電子放出素子の別の変形例の模式的な一部端面図を、
図18の(B)に示す。この扁平型電子放出素子におい
ては、電子放出部15Cは、CVD法に基づき形成され
た炭素薄膜から構成されている。
【0111】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/cm程度の強度を有する電界)中に
置かれた状態とすればよい。
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/cm程度の強度を有する電界)中に
置かれた状態とすればよい。
【0112】ところで、レジスト材料をエッチング用マ
スクとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜
のような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、
エッチング反応系における反応副生成物として(CH)
x系あるいは(CF)x系等の炭素系ポリマーが堆積性物
質として生成する。一般に、プラズマエッチングにおい
て堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、この
堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト材料の側壁
面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して所謂
側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工によ
って得られる形状の達成に寄与する。しかしながら、酸
素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、炭
素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成しても、直ち
に酸素ガスによって除去されてしまう。また、酸素ガス
をエッチング用ガスとして使用した場合には、レジスト
材料の消耗も激しい。これらの理由により、従来のダイ
ヤモンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、ダイヤモ
ンド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が大きく、
異方性加工も困難な場合が多い。
スクとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜
のような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、
エッチング反応系における反応副生成物として(CH)
x系あるいは(CF)x系等の炭素系ポリマーが堆積性物
質として生成する。一般に、プラズマエッチングにおい
て堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、この
堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト材料の側壁
面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して所謂
側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工によ
って得られる形状の達成に寄与する。しかしながら、酸
素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、炭
素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成しても、直ち
に酸素ガスによって除去されてしまう。また、酸素ガス
をエッチング用ガスとして使用した場合には、レジスト
材料の消耗も激しい。これらの理由により、従来のダイ
ヤモンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、ダイヤモ
ンド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が大きく、
異方性加工も困難な場合が多い。
【0113】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、この[電子放
出素子−5]の製造においては、支持体上にカソード電
極を形成した後、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成
長領域を形成し、その後、炭素薄膜選択成長領域上に炭
素薄膜(電子放出部に相当する)を形成する。尚、カソ
ード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成する工程
を、炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、この[電子放
出素子−5]の製造においては、支持体上にカソード電
極を形成した後、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成
長領域を形成し、その後、炭素薄膜選択成長領域上に炭
素薄膜(電子放出部に相当する)を形成する。尚、カソ
ード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成する工程
を、炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
【0114】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部
(孔部)の底部に位置するカソード電極の部分の表面に
形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソー
ド電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部
分の表面に延在するように形成されていてもよい。ま
た、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の底部に位置する
カソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、
部分的に形成されていてもよい。
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部
(孔部)の底部に位置するカソード電極の部分の表面に
形成されていればよく、開口部の底部に位置するカソー
ド電極の部分から開口部の底部以外のカソード電極の部
分の表面に延在するように形成されていてもよい。ま
た、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の底部に位置する
カソード電極の部分の表面の全面に形成されていても、
部分的に形成されていてもよい。
【0115】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極の表面と呼ぶ場合がある)
に、金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成す
る工程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若し
くは、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分
から成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。
また、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄
膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜
選択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又は
リン(P)を付着させることが望ましく、これによっ
て、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができ
る。炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又
はリンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成
長領域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合
物層に施すことによって化合物層を構成する化合物を分
解させ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又
はリンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化
合物としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例
示することができる。ホウ素を含む化合物として、トリ
フェニルボランを例示することができる。リンを含む化
合物として、トリフェニルフォスフィンを例示すること
ができる。
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極の表面と呼ぶ場合がある)
に、金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成す
る工程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若し
くは、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分
から成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。
また、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄
膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜
選択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又は
リン(P)を付着させることが望ましく、これによっ
て、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができ
る。炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又
はリンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成
長領域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合
物層に施すことによって化合物層を構成する化合物を分
解させ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又
はリンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化
合物としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例
示することができる。ホウ素を含む化合物として、トリ
フェニルボランを例示することができる。リンを含む化
合物として、トリフェニルフォスフィンを例示すること
ができる。
【0116】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極の表面に、金属粒子を付着させ、若しく
は、金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金
属薄膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去
することが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜
の表面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気
におけるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズ
マ法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴
プラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極の表面に、金属粒子を付着させ、若しく
は、金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金
属薄膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去
することが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜
の表面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気
におけるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズ
マ法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴
プラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0117】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形
成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げる
ことができる。あるいは又、カソード電極の表面に金属
粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適
切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属
粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソー
ド電極の表面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱す
ることによって分解し、以て、表面に金属粒子が付着し
たカソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を
得る方法を挙げることができる。この場合、具体的に
は、溶媒と金属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形成し
た後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を残す方法を例示
することができる。金属化合物粒子は、金属粒子を構成
する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、塩化物、
臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機金属から成る群
から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが
好ましい。尚、これらの方法においては、適切な段階
で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を被覆した材料(例えば、マスク層)を
除去する。
ド電極の表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形
成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げる
ことができる。あるいは又、カソード電極の表面に金属
粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適
切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属
粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソー
ド電極の表面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱す
ることによって分解し、以て、表面に金属粒子が付着し
たカソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を
得る方法を挙げることができる。この場合、具体的に
は、溶媒と金属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形成し
た後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を残す方法を例示
することができる。金属化合物粒子は、金属粒子を構成
する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、塩化物、
臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機金属から成る群
から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが
好ましい。尚、これらの方法においては、適切な段階
で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を被覆した材料(例えば、マスク層)を
除去する。
【0118】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属薄膜を形成する方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解
メッキ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD
法(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD
法、Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を
挙げることができる。尚、物理的気相成長法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2
極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパ
ッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種
スパッタ法、(d)DC(direct current)法、RF法、
多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプ
レーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各
種イオンプレーティング法を挙げることができる。
ド電極の表面に金属薄膜を形成する方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解
メッキ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD
法(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD
法、Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を
挙げることができる。尚、物理的気相成長法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2
極スパッタ法、直流スパッタ法、直流マグネトロンスパ
ッタ法、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、
イオンビームスパッタ法、バイアススパッタ法等の各種
スパッタ法、(d)DC(direct current)法、RF法、
多陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプ
レーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各
種イオンプレーティング法を挙げることができる。
【0119】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0120】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法を例示することができる。炭素薄膜の形態に
は、薄膜状はもとより、炭素のウィスカー、炭素のナノ
チューブ(中空及び中実を含む)が包含される。
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法を例示することができる。炭素薄膜の形態に
は、薄膜状はもとより、炭素のウィスカー、炭素のナノ
チューブ(中空及び中実を含む)が包含される。
【0121】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
【0122】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図17及び図18を参照して、扁平型電子放出素子の
製造方法の一例を説明する。
る図17及び図18を参照して、扁平型電子放出素子の
製造方法の一例を説明する。
【0123】[工程−500]先ず、例えばガラスから
成る支持体10上にカソード電極用導電材料層を形成
し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングすること
によって、ストライプ状のカソード電極11を支持体1
0上に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、
図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
は、例えばスパッタ法により形成された厚さ約0.2μ
mのクロム(Cr)層から成る。
成る支持体10上にカソード電極用導電材料層を形成
し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングすること
によって、ストライプ状のカソード電極11を支持体1
0上に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、
図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
は、例えばスパッタ法により形成された厚さ約0.2μ
mのクロム(Cr)層から成る。
【0124】[工程−510]その後、全面に、具体的
には、支持体10上及びカソード電極11上に絶縁層1
2を形成する。
には、支持体10上及びカソード電極11上に絶縁層1
2を形成する。
【0125】[工程−520]次いで、ストライプ状の
ゲート電極13を絶縁層12上に形成した後、実施の形
態1〜実施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート
電極13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部
14(孔部)の底部にカソード電極11を露出させた
後、第1のレジスト層を除去する(図17の(A)参
照)。ストライプ状のゲート電極13は図面の紙面垂直
方向に延びている。開口部14の平面形状は、例えば直
径1μm〜30μmの円形である。開口部14を、例え
ば、1画素分の領域(電子放出領域)に1個〜3000
個程度形成すればよい。
ゲート電極13を絶縁層12上に形成した後、実施の形
態1〜実施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート
電極13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部
14(孔部)の底部にカソード電極11を露出させた
後、第1のレジスト層を除去する(図17の(A)参
照)。ストライプ状のゲート電極13は図面の紙面垂直
方向に延びている。開口部14の平面形状は、例えば直
径1μm〜30μmの円形である。開口部14を、例え
ば、1画素分の領域(電子放出領域)に1個〜3000
個程度形成すればよい。
【0126】[工程−530]次に、開口部14(孔
部)の底部に露出したカソード電極11上に、電子放出
部15Cを形成する。具体的には、先ず、開口部14
(孔部)の底部に位置するカソード電極11の表面に炭
素薄膜選択成長領域70を形成する。そのために、先
ず、開口部14(孔部)の底部の中央部にカソード電極
11の表面が露出したマスク層71を形成する(図17
の(B)参照)。具体的には、レジスト材料層をスピン
コーティング法にて開口部14内を含む全面に成膜した
後、リソグラフィ技術に基づき、開口部14(孔部)の
底部の中央部に位置するレジスト材料層に孔部を形成す
ることによって、マスク層71を得ることができる。マ
スク層71は、開口部14(孔部)の底部に位置するカ
ソード電極11の一部分、開口部14の側壁、ゲート電
極13及び絶縁層12を被覆している。これによって、
次の工程で、開口部14(孔部)の底部の中央部に位置
するカソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成するが、カソード電極11とゲート電極13とが金
属粒子によって短絡することを確実に防止し得る。
部)の底部に露出したカソード電極11上に、電子放出
部15Cを形成する。具体的には、先ず、開口部14
(孔部)の底部に位置するカソード電極11の表面に炭
素薄膜選択成長領域70を形成する。そのために、先
ず、開口部14(孔部)の底部の中央部にカソード電極
11の表面が露出したマスク層71を形成する(図17
の(B)参照)。具体的には、レジスト材料層をスピン
コーティング法にて開口部14内を含む全面に成膜した
後、リソグラフィ技術に基づき、開口部14(孔部)の
底部の中央部に位置するレジスト材料層に孔部を形成す
ることによって、マスク層71を得ることができる。マ
スク層71は、開口部14(孔部)の底部に位置するカ
ソード電極11の一部分、開口部14の側壁、ゲート電
極13及び絶縁層12を被覆している。これによって、
次の工程で、開口部14(孔部)の底部の中央部に位置
するカソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成するが、カソード電極11とゲート電極13とが金
属粒子によって短絡することを確実に防止し得る。
【0127】次に、露出したカソード電極11の表面を
含むマスク層71上に、金属粒子を付着させる。具体的
には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液中
に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコール
を使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭
素薄膜選択成長領域70を形成すべきカソード電極11
の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。
その後、マスク層71を除去し、400゜C程度に加熱
することによって溶媒を除去し、露出したカソード電極
11の表面に金属粒子72を残すことで、炭素薄膜選択
成長領域70を得ることができる(図18の(A)参
照)。尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極1
1の表面に金属粒子72を固定させる機能(所謂、接着
機能)を有する。
含むマスク層71上に、金属粒子を付着させる。具体的
には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液中
に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコール
を使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭
素薄膜選択成長領域70を形成すべきカソード電極11
の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。
その後、マスク層71を除去し、400゜C程度に加熱
することによって溶媒を除去し、露出したカソード電極
11の表面に金属粒子72を残すことで、炭素薄膜選択
成長領域70を得ることができる(図18の(A)参
照)。尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極1
1の表面に金属粒子72を固定させる機能(所謂、接着
機能)を有する。
【0128】[工程−540]その後、炭素薄膜選択成
長領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形
成し、電子放出部15Cを得る。この状態を図18の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜73の成膜条件を、以下の表6に例示する。
長領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形
成し、電子放出部15Cを得る。この状態を図18の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜73の成膜条件を、以下の表6に例示する。
【0129】[表6] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0130】[電子放出素子−6:平面型電子放出素
子]平面型電子放出素子から成る第2の構造を有する電
子放出素子の模式的な一部断面図を、図19の(C)に
示す。この平面型電子放出素子は、例えばガラスから成
る支持体10上に形成されたストライプ状のカソード電
極11、支持体10及びカソード電極11上に形成され
た絶縁層12、絶縁層12上に形成されたストライプ状
のゲート電極13、並びに、ゲート電極13及び絶縁層
12を貫通し、底部にカソード電極11が露出した開口
部14から成る。カソード電極11は、図19の(C)
の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図19の
(C)の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はSiO2から
成る。ここで、開口部14(孔部)の底部に露出したカ
ソード電極11の部分が電子放出部15Dに相当する。
子]平面型電子放出素子から成る第2の構造を有する電
子放出素子の模式的な一部断面図を、図19の(C)に
示す。この平面型電子放出素子は、例えばガラスから成
る支持体10上に形成されたストライプ状のカソード電
極11、支持体10及びカソード電極11上に形成され
た絶縁層12、絶縁層12上に形成されたストライプ状
のゲート電極13、並びに、ゲート電極13及び絶縁層
12を貫通し、底部にカソード電極11が露出した開口
部14から成る。カソード電極11は、図19の(C)
の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図19の
(C)の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はSiO2から
成る。ここで、開口部14(孔部)の底部に露出したカ
ソード電極11の部分が電子放出部15Dに相当する。
【0131】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図19を参照して、平面型電子放出素子の製造方法を
説明する。
る図19を参照して、平面型電子放出素子の製造方法を
説明する。
【0132】[工程−600]先ず、支持体10上に電
子放出部15Dとして機能するカソード電極11を形成
する。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)か
ら成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングする。
これによって、ストライプ状のカソード電極11を支持
体10上に形成することができる(図19の(A)参
照)。尚、カソード電極11は、図19の紙面垂直方向
に延びている。
子放出部15Dとして機能するカソード電極11を形成
する。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)か
ら成るカソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成
した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に
基づきカソード電極用導電材料層をパターニングする。
これによって、ストライプ状のカソード電極11を支持
体10上に形成することができる(図19の(A)参
照)。尚、カソード電極11は、図19の紙面垂直方向
に延びている。
【0133】[工程−610]次に、例えばCVD法に
てSiO2から成る絶縁層12を、支持体10及びカソ
ード電極11の上に形成する。尚、絶縁層12を、スク
リーン印刷法に基づきガラスペーストから形成すること
もできる。
てSiO2から成る絶縁層12を、支持体10及びカソ
ード電極11の上に形成する。尚、絶縁層12を、スク
リーン印刷法に基づきガラスペーストから形成すること
もできる。
【0134】[工程−620]その後、ストライプ状の
ゲート電極13を絶縁層12上に形成する(図19の
(B)参照)。尚、ゲート電極13は、図19の紙面左
右方向に延びている。例えばスクリーン印刷法にて、ス
トライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に、直接形
成することもできる。
ゲート電極13を絶縁層12上に形成する(図19の
(B)参照)。尚、ゲート電極13は、図19の紙面左
右方向に延びている。例えばスクリーン印刷法にて、ス
トライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に、直接形
成することもできる。
【0135】[工程−630]次に、実施の形態1〜実
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極13
及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14(孔
部)の底部に電子放出部15Dとして機能するカソード
電極11を露出させる(図19の(C)参照)。
施の形態3にて説明した方法に基づき、ゲート電極13
及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14(孔
部)の底部に電子放出部15Dとして機能するカソード
電極11を露出させる(図19の(C)参照)。
【0136】[電子放出素子−7:平面型電子放出素子
の変形]図20の(A)に模式的な一部断面図を示す平
面型電子放出素子が図19の(C)に示した平面型電子
放出素子と相違する点は、開口部14(孔部)の底部に
露出したカソード電極11の表面(電子放出部に相当す
る)に、微小凹凸部11Aが形成されている点にある。
このような平面型電子放出素子は、以下の製造方法にて
製造することができる。
の変形]図20の(A)に模式的な一部断面図を示す平
面型電子放出素子が図19の(C)に示した平面型電子
放出素子と相違する点は、開口部14(孔部)の底部に
露出したカソード電極11の表面(電子放出部に相当す
る)に、微小凹凸部11Aが形成されている点にある。
このような平面型電子放出素子は、以下の製造方法にて
製造することができる。
【0137】[工程−700]先ず、[工程−600]
〜[工程−620]と略同様にして、支持体10上にス
トライプ状のカソード電極11を形成し、全面に絶縁層
12を形成した後、ストライプ状のゲート電極13を絶
縁層12上に形成する。即ち、例えばガラスから成る支
持体10の上に、スパッタ法により厚さ約0.2μmの
タングステン層を成膜し、通常の手順に従って、このタ
ングステン層をストライプ状にパターニングし、カソー
ド電極11を形成する。次に、支持体10及びカソード
電極11上に絶縁層12を形成する。絶縁層12は、T
EOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして用い
るCVD法により形成することができる。更に、この絶
縁層12の上に、ゲート電極13を形成する。ここまで
のプロセスが終了した状態は、実質的に、図19の
(B)に示したと同様である。
〜[工程−620]と略同様にして、支持体10上にス
トライプ状のカソード電極11を形成し、全面に絶縁層
12を形成した後、ストライプ状のゲート電極13を絶
縁層12上に形成する。即ち、例えばガラスから成る支
持体10の上に、スパッタ法により厚さ約0.2μmの
タングステン層を成膜し、通常の手順に従って、このタ
ングステン層をストライプ状にパターニングし、カソー
ド電極11を形成する。次に、支持体10及びカソード
電極11上に絶縁層12を形成する。絶縁層12は、T
EOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして用い
るCVD法により形成することができる。更に、この絶
縁層12の上に、ゲート電極13を形成する。ここまで
のプロセスが終了した状態は、実質的に、図19の
(B)に示したと同様である。
【0138】[工程−710]次に、[工程−630]
と同様にして、実施の形態1〜実施の形態3にて説明し
た方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12に開口
部14を形成し、開口部14(孔部)の底部にカソード
電極11を露出させる。その後、開口部14(孔部)の
底部に露出したカソード電極11の部分に、微小凹凸部
11Aを形成する。微小凹凸部11Aの形成に際して
は、エッチングガスとしてSF6を用い、カソード電極
11を構成するタングステンの結晶粒と粒界との間でエ
ッチング速度の差が大きくなるような条件を設定してR
IE法に基づくドライエッチングを行う。その結果、タ
ングステンの結晶粒径をほぼ反映した寸法を有する微小
凹凸部11Aを形成することができる。
と同様にして、実施の形態1〜実施の形態3にて説明し
た方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12に開口
部14を形成し、開口部14(孔部)の底部にカソード
電極11を露出させる。その後、開口部14(孔部)の
底部に露出したカソード電極11の部分に、微小凹凸部
11Aを形成する。微小凹凸部11Aの形成に際して
は、エッチングガスとしてSF6を用い、カソード電極
11を構成するタングステンの結晶粒と粒界との間でエ
ッチング速度の差が大きくなるような条件を設定してR
IE法に基づくドライエッチングを行う。その結果、タ
ングステンの結晶粒径をほぼ反映した寸法を有する微小
凹凸部11Aを形成することができる。
【0139】このような平面型電子放出素子の構成にお
いては、カソード電極11の微小凹凸部11A、より具
体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲート電極13か
ら大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電界
は、カソード電極11の表面が平滑である場合に比べて
大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電子
が効率良く放出される。従って、開口部14(孔部)の
底部に単に平滑なカソード電極11が露出している平面
型電子放出素子に比べて、表示装置に組み込まれた場合
の輝度の向上が期待できる。それ故、図20の(A)に
示した平面型電子放出素子によれば、ゲート電極13と
カソード電極11との間の電位差が比較的小さくても、
十分な放出電子電流密度を得ることができ、表示装置の
高輝度化が達成される。あるいは、同じ輝度を達成する
ために必要なゲート電圧が低くて済み、以て、低消費電
力化を達成することが可能である。
いては、カソード電極11の微小凹凸部11A、より具
体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲート電極13か
ら大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電界
は、カソード電極11の表面が平滑である場合に比べて
大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電子
が効率良く放出される。従って、開口部14(孔部)の
底部に単に平滑なカソード電極11が露出している平面
型電子放出素子に比べて、表示装置に組み込まれた場合
の輝度の向上が期待できる。それ故、図20の(A)に
示した平面型電子放出素子によれば、ゲート電極13と
カソード電極11との間の電位差が比較的小さくても、
十分な放出電子電流密度を得ることができ、表示装置の
高輝度化が達成される。あるいは、同じ輝度を達成する
ために必要なゲート電圧が低くて済み、以て、低消費電
力化を達成することが可能である。
【0140】尚、絶縁層12をエッチングすることによ
って孔部を形成し、しかる後に異方性エッチング技術に
基づきカソード電極11に微小凹凸部11Aを形成した
が、開口部14を形成するためのエッチングによって、
微小凹凸部11Aを同時に形成することも可能である。
即ち、絶縁層12をエッチングする際に、ある程度のイ
オンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチング条件
を採用し、垂直壁を有する開口部14が形成された後も
エッチングを継続することにより、開口部14(孔部)
の底部に露出したカソード電極11の部分に微小凹凸部
11Aを形成することができる。その後、絶縁層12の
等方性エッチングを行えばよい。
って孔部を形成し、しかる後に異方性エッチング技術に
基づきカソード電極11に微小凹凸部11Aを形成した
が、開口部14を形成するためのエッチングによって、
微小凹凸部11Aを同時に形成することも可能である。
即ち、絶縁層12をエッチングする際に、ある程度のイ
オンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチング条件
を採用し、垂直壁を有する開口部14が形成された後も
エッチングを継続することにより、開口部14(孔部)
の底部に露出したカソード電極11の部分に微小凹凸部
11Aを形成することができる。その後、絶縁層12の
等方性エッチングを行えばよい。
【0141】また、[工程−600]と同様の工程にお
いて、支持体10上に、タングステンから成るカソード
電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、リソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード
電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソード
電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形成した
後、[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程
を実行することによって、図20の(A)に示したと同
様の電子放出素子を作製することもできる。
いて、支持体10上に、タングステンから成るカソード
電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、リソグ
ラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード
電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソード
電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形成した
後、[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程
を実行することによって、図20の(A)に示したと同
様の電子放出素子を作製することもできる。
【0142】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを
形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッチン
グ技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニン
グした後、[工程−610]〜[工程−630]と同様
の工程を実行することによって、図20の(A)に示し
たと同様の電子放出素子を作製することもできる。
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを
形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッチン
グ技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニン
グした後、[工程−610]〜[工程−630]と同様
の工程を実行することによって、図20の(A)に示し
たと同様の電子放出素子を作製することもできる。
【0143】図20の(B)には、図20の(A)に示
した電子放出素子の変形例を示す。図20の(B)に示
す電子放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電子放出素子を形成するには、[工程−710]におけ
るドライエッチングの継続時間を延長すればよい。この
ような構成によれば、開口部14の中央部近傍の電界強
度を一層高めることができる。
した電子放出素子の変形例を示す。図20の(B)に示
す電子放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電子放出素子を形成するには、[工程−710]におけ
るドライエッチングの継続時間を延長すればよい。この
ような構成によれば、開口部14の中央部近傍の電界強
度を一層高めることができる。
【0144】図21には、電子放出部に相当するカソー
ド電極11の表面(より具体的には、少なくとも微小凹
凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている平面型
電子放出素子を示す。
ド電極11の表面(より具体的には、少なくとも微小凹
凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている平面型
電子放出素子を示す。
【0145】この被覆層11Bは、カソード電極11を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極11を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
13とカソード電極11との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層11Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層11Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電
子電流密度を得ることができる。
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極11を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
13とカソード電極11との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層11Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層11Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電
子電流密度を得ることができる。
【0146】被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げ
る場合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高
さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げることが、一
層好ましい。
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げ
る場合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高
さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げることが、一
層好ましい。
【0147】具体的には、[工程−710]の後、全面
に例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから
成る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11B
は、ゲート電極13及び絶縁層12の上に形成された第
1のレジスト層(図示せず)の上にも堆積するが、この
堆積部分は第1のレジスト層の除去時、同時に除去され
る。原料ガスとして例えばCH4/H2混合ガスや、CO
/H2混合ガスを使用したCVD法に基づき被覆層11
Bを形成することができ、それぞれ炭素を含む化合物の
熱分解によってアモルファスダイヤモンドから成る被覆
層11Bが形成される。
に例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから
成る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11B
は、ゲート電極13及び絶縁層12の上に形成された第
1のレジスト層(図示せず)の上にも堆積するが、この
堆積部分は第1のレジスト層の除去時、同時に除去され
る。原料ガスとして例えばCH4/H2混合ガスや、CO
/H2混合ガスを使用したCVD法に基づき被覆層11
Bを形成することができ、それぞれ炭素を含む化合物の
熱分解によってアモルファスダイヤモンドから成る被覆
層11Bが形成される。
【0148】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカ
ソード電極用導電材料層をパターニングし、その後、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形
成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工程−6
10]〜[工程−630]と同様の工程を実行すること
によって、図21に示す電子放出素子を作製することも
できる。
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカ
ソード電極用導電材料層をパターニングし、その後、カ
ソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形
成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工程−6
10]〜[工程−630]と同様の工程を実行すること
によって、図21に示す電子放出素子を作製することも
できる。
【0149】あるいは又、[工程−600]と同様の工
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを
形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層11
B、カソード電極用導電材料層をパターニングした後、
[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程を実
行することによって、図21に示す電子放出素子を作製
することもできる。
程において、支持体10上に、タングステンから成るカ
ソード電極用導電材料層をスパッタ法にて形成した後、
カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを
形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リソグラ
フィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層11
B、カソード電極用導電材料層をパターニングした後、
[工程−610]〜[工程−630]と同様の工程を実
行することによって、図21に示す電子放出素子を作製
することもできる。
【0150】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0151】尚、図19の(C)に示した平面型電子放
出素子の電子放出部15D(カソード電極11の表面)
に被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−6
30]の後、開口部14(孔部)の底部に露出したカソ
ード電極11の表面に被覆層11Bを形成すればよく、
あるいは又、[工程−600]において、例えば、支持
体10上にカソード電極用導電材料層を形成した後、カ
ソード電極用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次
いで、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づき、これらの層をパターニングすればよい。
出素子の電子放出部15D(カソード電極11の表面)
に被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−6
30]の後、開口部14(孔部)の底部に露出したカソ
ード電極11の表面に被覆層11Bを形成すればよく、
あるいは又、[工程−600]において、例えば、支持
体10上にカソード電極用導電材料層を形成した後、カ
ソード電極用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次
いで、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基
づき、これらの層をパターニングすればよい。
【0152】[電子放出素子−8:クレータ型電子放出
素子]クレータ型電子放出素子の模式的な一部断面図
を、図25の(B)に示す。クレータ型電子放出素子
は、電子を放出する複数の隆起部111Aと、各隆起部
111Aに囲まれた凹部111Bとを有するカソード電
極111が、支持体10上に備えられている。尚、絶縁
層12及びゲート電極13を取り除いた模式的な斜視図
を図24の(B)に示す。
素子]クレータ型電子放出素子の模式的な一部断面図
を、図25の(B)に示す。クレータ型電子放出素子
は、電子を放出する複数の隆起部111Aと、各隆起部
111Aに囲まれた凹部111Bとを有するカソード電
極111が、支持体10上に備えられている。尚、絶縁
層12及びゲート電極13を取り除いた模式的な斜視図
を図24の(B)に示す。
【0153】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電子放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部111B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部111Bが略球面を成す場合、凹
部111Bを囲む隆起部111Aは円環状となり、この
場合の凹部111Bと隆起部111Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部111Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部111Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部111Aの先端部11
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部111Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部111Bは、凹部111Bの周方向に
沿って連続した隆起部111Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部111Bの周方向に沿って
不連続な隆起部111Aにより囲まれていてもよい。
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電子放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部111B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部111Bが略球面を成す場合、凹
部111Bを囲む隆起部111Aは円環状となり、この
場合の凹部111Bと隆起部111Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部111Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部111Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部111Aの先端部11
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部111Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部111Bは、凹部111Bの周方向に
沿って連続した隆起部111Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部111Bの周方向に沿って
不連続な隆起部111Aにより囲まれていてもよい。
【0154】このようなクレータ型電子放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極を支持体上に形成する
工程と、球体を除去することによって、球体を被覆した
カソード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複
数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の
一部を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する
工程、から成る。
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極を支持体上に形成する
工程と、球体を除去することによって、球体を被覆した
カソード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複
数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の
一部を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する
工程、から成る。
【0155】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去は、必ずしも同時に起こらなくてもよ
い。例えば、球体を被覆するカソード電極の部分を除去
した後に球体の一部が残存している場合、残存した球体
の除去を後から行えばよい。
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去は、必ずしも同時に起こらなくてもよ
い。例えば、球体を被覆するカソード電極の部分を除去
した後に球体の一部が残存している場合、残存した球体
の除去を後から行えばよい。
【0156】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球体を
例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソード電
極は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の
勢いによって、球体を被覆するカソード電極の部分が飛
散し、隆起部及び凹部と同時に孔部が形成され、しか
も、球体が除去される。即ち、球体を除去する以前には
カソード電極には孔部が存在せず、球体の除去に伴って
孔部が形成される。このとき、球体の燃焼の初期過程は
閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は炭化する可能
性もある。球体を被覆するカソード電極の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しい。
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球体を
例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソード電
極は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の
勢いによって、球体を被覆するカソード電極の部分が飛
散し、隆起部及び凹部と同時に孔部が形成され、しか
も、球体が除去される。即ち、球体を除去する以前には
カソード電極には孔部が存在せず、球体の除去に伴って
孔部が形成される。このとき、球体の燃焼の初期過程は
閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は炭化する可能
性もある。球体を被覆するカソード電極の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しい。
【0157】後述する[電子放出素子−10]において
も、球体の状態変化及び/又は化学変化によって球体を
除去することができるが、カソード電極の破裂を伴わな
いので、外力によって除去を行う方が簡便な場合もあ
る。ここで、外力とは、空気又は不活性ガスの吹付け圧
力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、静電気力、遠心
力等の物理的な力である。尚、[電子放出素子−10]
においては、[電子放出素子−8]と異なり、球体を被
覆する部分のカソード電極を飛散させる必要がないの
で、カソード電極の残渣が発生し難いという利点があ
る。
も、球体の状態変化及び/又は化学変化によって球体を
除去することができるが、カソード電極の破裂を伴わな
いので、外力によって除去を行う方が簡便な場合もあ
る。ここで、外力とは、空気又は不活性ガスの吹付け圧
力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、静電気力、遠心
力等の物理的な力である。尚、[電子放出素子−10]
においては、[電子放出素子−8]と異なり、球体を被
覆する部分のカソード電極を飛散させる必要がないの
で、カソード電極の残渣が発生し難いという利点があ
る。
【0158】後述する[電子放出素子−10]で使用さ
れる球体は、少なくとも表面が、カソード電極を構成す
る材料の界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張
力を有する材料から構成されていることが好ましい。後
述する[電子放出素子−10]において、球体は、少な
くとも表面が界面張力に関するこの条件を満たしていれ
ばよい。つまり、カソード電極の界面張力よりも大きな
界面張力を有している部分は、球体の表面のみであって
も全体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全
体の構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材
料と有機材料の組合せのいずれであってもよい。[電子
放出素子−10]において、カソード電極等が通常の金
属系材料から構成されている場合、金属系材料の表面に
は吸着水分に由来する水酸基、絶縁層の表面にはSi−
O結合のダングリング・ボンドと吸着水分とに由来する
水酸基が存在し、親水性の高い状態にあるのが普通であ
る。従って、疎水性の表面処理層を有する球体を用いる
ことが、特に有効である。疎水性の表面処理層の構成材
料として、フッ素系樹脂、例えばポリテトラフルオロエ
チレンを挙げることができる。球体が疎水性の表面処理
層を有する場合、疎水性の表面処理層の内側の部分を芯
材と称することにすると、芯材の構成材料は、ガラス、
セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子材料のいずれ
であってもよい。
れる球体は、少なくとも表面が、カソード電極を構成す
る材料の界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張
力を有する材料から構成されていることが好ましい。後
述する[電子放出素子−10]において、球体は、少な
くとも表面が界面張力に関するこの条件を満たしていれ
ばよい。つまり、カソード電極の界面張力よりも大きな
界面張力を有している部分は、球体の表面のみであって
も全体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全
体の構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材
料と有機材料の組合せのいずれであってもよい。[電子
放出素子−10]において、カソード電極等が通常の金
属系材料から構成されている場合、金属系材料の表面に
は吸着水分に由来する水酸基、絶縁層の表面にはSi−
O結合のダングリング・ボンドと吸着水分とに由来する
水酸基が存在し、親水性の高い状態にあるのが普通であ
る。従って、疎水性の表面処理層を有する球体を用いる
ことが、特に有効である。疎水性の表面処理層の構成材
料として、フッ素系樹脂、例えばポリテトラフルオロエ
チレンを挙げることができる。球体が疎水性の表面処理
層を有する場合、疎水性の表面処理層の内側の部分を芯
材と称することにすると、芯材の構成材料は、ガラス、
セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子材料のいずれ
であってもよい。
【0159】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極に悪影響が及ぶ虞がある。それ
故、これらに対する悪影響が生じる虞のない温度にて燃
焼若しくは炭化させることが可能な高分子材料を選択す
ることが好ましい。特に、絶縁層をガラスペーストのよ
うな、後工程において焼成を要する材料を用いて形成す
る場合には、工数をなるべく減少させる観点から、ガラ
スペーストの焼成温度にて燃焼若しくは炭化可能な高分
子材料を選択することが好適である。ガラスペーストの
典型的な焼成温度は約530゜Cなので、かかる高分子
材料の燃焼温度は350〜500゜C程度であることが
好ましい。代表的な高分子材料として、スチレン系、ウ
レタン系、アクリル系、ビニル系、ジビニルベンゼン
系、メラミン系、ホルムアルデヒド系、ポリメチレン系
のホモポリマー又は共重合体を挙げることができる。あ
るいは又、球体として、支持体上での確実な配置を確保
するために、付着力を有する固着タイプの球体を使用す
ることもできる。固着タイプの球体として、アクリル系
樹脂から成る球体を例示することができる。
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極に悪影響が及ぶ虞がある。それ
故、これらに対する悪影響が生じる虞のない温度にて燃
焼若しくは炭化させることが可能な高分子材料を選択す
ることが好ましい。特に、絶縁層をガラスペーストのよ
うな、後工程において焼成を要する材料を用いて形成す
る場合には、工数をなるべく減少させる観点から、ガラ
スペーストの焼成温度にて燃焼若しくは炭化可能な高分
子材料を選択することが好適である。ガラスペーストの
典型的な焼成温度は約530゜Cなので、かかる高分子
材料の燃焼温度は350〜500゜C程度であることが
好ましい。代表的な高分子材料として、スチレン系、ウ
レタン系、アクリル系、ビニル系、ジビニルベンゼン
系、メラミン系、ホルムアルデヒド系、ポリメチレン系
のホモポリマー又は共重合体を挙げることができる。あ
るいは又、球体として、支持体上での確実な配置を確保
するために、付着力を有する固着タイプの球体を使用す
ることもできる。固着タイプの球体として、アクリル系
樹脂から成る球体を例示することができる。
【0160】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。[電子放出
素子−8]において、かかる加熱膨張型マイクロスフェ
アを用い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱すると、外
殻のポリマーが軟化し、しかも、内包されたイソブタン
がガス化して膨張する結果、粒径が膨張前と比較して約
4倍程度の真球の中空体が形成される。その結果、[電
子放出素子−8]において、電子を放出する隆起部、及
び、隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映し
た凹部を、カソード電極に形成することができる。尚、
熱膨張型マイクロスフェアの加熱による膨張も、本明細
書においては、球体の除去という概念に包含する。その
後、熱膨張型マイクロスフェアを適切な溶剤を用いて取
り除けばよい。
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。[電子放出
素子−8]において、かかる加熱膨張型マイクロスフェ
アを用い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱すると、外
殻のポリマーが軟化し、しかも、内包されたイソブタン
がガス化して膨張する結果、粒径が膨張前と比較して約
4倍程度の真球の中空体が形成される。その結果、[電
子放出素子−8]において、電子を放出する隆起部、及
び、隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映し
た凹部を、カソード電極に形成することができる。尚、
熱膨張型マイクロスフェアの加熱による膨張も、本明細
書においては、球体の除去という概念に包含する。その
後、熱膨張型マイクロスフェアを適切な溶剤を用いて取
り除けばよい。
【0161】[電子放出素子−8]においては、支持体
上に複数の球体を配置した後、球体を被覆するカソード
電極を形成すればよい。この場合においては、あるいは
又、後述する[電子放出素子−10]においては、支持
体上への複数の球体の配置方法として、球体を支持体上
に散布する乾式法を挙げることができる。球体の散布に
は、例えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル
間隔を一定に維持するためのスペーサを散布する技術を
応用することができる。具体的には、圧搾気体で球体を
ノズルから噴射する、所謂スプレーガンを用いることが
できる。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発
性の溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、
静電粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を
利用して球体を散布することもできる。例えば、コロナ
放電を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させ
た球体を、接地した支持体に向かって吹き付けることが
できる。使用する球体は、後述するように非常に小さい
ため、支持体上に散布されると支持体の表面に例えば静
電気力によって付着し、以降の工程においても容易に支
持体から脱落することはない。支持体上に複数の球体の
配置した後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体
の重なりを解消することができ、球体を支持体上で単層
に密に配置することができる。
上に複数の球体を配置した後、球体を被覆するカソード
電極を形成すればよい。この場合においては、あるいは
又、後述する[電子放出素子−10]においては、支持
体上への複数の球体の配置方法として、球体を支持体上
に散布する乾式法を挙げることができる。球体の散布に
は、例えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル
間隔を一定に維持するためのスペーサを散布する技術を
応用することができる。具体的には、圧搾気体で球体を
ノズルから噴射する、所謂スプレーガンを用いることが
できる。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発
性の溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、
静電粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を
利用して球体を散布することもできる。例えば、コロナ
放電を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させ
た球体を、接地した支持体に向かって吹き付けることが
できる。使用する球体は、後述するように非常に小さい
ため、支持体上に散布されると支持体の表面に例えば静
電気力によって付着し、以降の工程においても容易に支
持体から脱落することはない。支持体上に複数の球体の
配置した後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体
の重なりを解消することができ、球体を支持体上で単層
に密に配置することができる。
【0162】あるいは、後述する[電子放出素子−9]
のように、球体とカソード電極材料とを分散媒中に分散
させて成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成
し、以て、支持体上に複数の球体を配置し、カソード電
極材料から成るカソード電極で球体を被覆した後、分散
媒を除去することもできる。組成物の性状としては、ス
ラリーやペーストが可能であり、これらの所望の性状に
応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。組成
物層を支持体上に形成する方法としては、スクリーン印
刷法が好適である。カソード電極材料は、典型的には、
分散媒中における沈降速度が球体よりも遅い微粒子であ
ることが好適である。かかる微粒子を構成する材料とし
て、カーボン、バリウム、ストロンチウム、鉄を挙げる
ことができる。分散媒を除去した後、必要に応じてカソ
ード電極の焼成を行う。組成物層を支持体上に形成する
方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコーティング
法、スクリーン印刷法を挙げることができる。尚、球体
が配置されると共に、カソード電極材料から成るカソー
ド電極で球体が被覆されるが、組成物層の形成方法に依
っては、かかるカソード電極のパターニングを行う必要
がある。
のように、球体とカソード電極材料とを分散媒中に分散
させて成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成
し、以て、支持体上に複数の球体を配置し、カソード電
極材料から成るカソード電極で球体を被覆した後、分散
媒を除去することもできる。組成物の性状としては、ス
ラリーやペーストが可能であり、これらの所望の性状に
応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。組成
物層を支持体上に形成する方法としては、スクリーン印
刷法が好適である。カソード電極材料は、典型的には、
分散媒中における沈降速度が球体よりも遅い微粒子であ
ることが好適である。かかる微粒子を構成する材料とし
て、カーボン、バリウム、ストロンチウム、鉄を挙げる
ことができる。分散媒を除去した後、必要に応じてカソ
ード電極の焼成を行う。組成物層を支持体上に形成する
方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコーティング
法、スクリーン印刷法を挙げることができる。尚、球体
が配置されると共に、カソード電極材料から成るカソー
ド電極で球体が被覆されるが、組成物層の形成方法に依
っては、かかるカソード電極のパターニングを行う必要
がある。
【0163】あるいは、後述する[電子放出素子−1
0]にあっては、球体を分散媒中に分散させて成る組成
物から成る組成物層を支持体上に形成し、以て、支持体
上に複数の球体を配置した後、分散媒を除去することが
できる。組成物の性状としては、スラリーやペーストが
可能であり、これらの所望の性状に応じ、分散媒の組成
や粘度を適宜選択すればよい。典型的には、イソプロピ
ルアルコール等の有機溶媒を分散媒として用い、蒸発に
より分散媒を除去することができる。組成物層を支持体
上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコ
ーティング法、スクリーン印刷法を挙げることができ
る。
0]にあっては、球体を分散媒中に分散させて成る組成
物から成る組成物層を支持体上に形成し、以て、支持体
上に複数の球体を配置した後、分散媒を除去することが
できる。組成物の性状としては、スラリーやペーストが
可能であり、これらの所望の性状に応じ、分散媒の組成
や粘度を適宜選択すればよい。典型的には、イソプロピ
ルアルコール等の有機溶媒を分散媒として用い、蒸発に
より分散媒を除去することができる。組成物層を支持体
上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコ
ーティング法、スクリーン印刷法を挙げることができ
る。
【0164】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、電子放出領域に位置する
隆起部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能
上、電子放出領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ
電子放出領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在してい
たとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆
されたまま、何ら電子を放出するといった機能を果たさ
ない。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じ
ない。
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、電子放出領域に位置する
隆起部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能
上、電子放出領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ
電子放出領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在してい
たとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆
されたまま、何ら電子を放出するといった機能を果たさ
ない。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じ
ない。
【0165】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電子放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、電子放出領域の寸法、1画素を構
成すべき電子放出素子の個数に応じて選択することがで
きるが、0.1〜10μmの範囲で選択することが好ま
しい。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販され
ている球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これ
を利用することが好適である。球体の形状は真球である
ことが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。支持体上には球体を100〜5000個/mm2程
度の密度で配置することが好適である。例えば球体を約
1000個/mm2の密度で支持体上に配置すると、例
えば電子放出領域の寸法を仮に0.5mm×0.2mm
とした場合、この電子放出領域内に約100個の球体が
存在し、約100個の隆起部が形成されることになる。
1つの電子放出領域にこの程度の個数の隆起部が形成さ
れていれば、球体の粒径分布や真球度のばらつきに起因
する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化され、実用上、
1画素(又は1サブピクセル)当たりの放出電子電流密
度や輝度はほぼ均一となる。
の直径、電子放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、電子放出領域の寸法、1画素を構
成すべき電子放出素子の個数に応じて選択することがで
きるが、0.1〜10μmの範囲で選択することが好ま
しい。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販され
ている球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これ
を利用することが好適である。球体の形状は真球である
ことが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。支持体上には球体を100〜5000個/mm2程
度の密度で配置することが好適である。例えば球体を約
1000個/mm2の密度で支持体上に配置すると、例
えば電子放出領域の寸法を仮に0.5mm×0.2mm
とした場合、この電子放出領域内に約100個の球体が
存在し、約100個の隆起部が形成されることになる。
1つの電子放出領域にこの程度の個数の隆起部が形成さ
れていれば、球体の粒径分布や真球度のばらつきに起因
する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化され、実用上、
1画素(又は1サブピクセル)当たりの放出電子電流密
度や輝度はほぼ均一となる。
【0166】[電子放出素子−8]あるいは後述する
[電子放出素子−9]、[電子放出素子−10]におい
ては、球体の形状の一部が電子放出部を構成する凹部の
形状に反映される。隆起部の先端部のプロファイルは、
不規則な凹凸を有していても、あるいは滑らかであって
もよいが、特に、[電子放出素子−8]や[電子放出素
子−9]においては、この先端部はカソード電極の破断
により形成されるため、隆起部の先端部が不規則形状と
なり易い。破断により隆起部に先端部が先鋭化すると、
先端部が高効率の電子放出部として機能し得るので、好
都合である。[電子放出素子−8]〜[電子放出素子−
10]においては、凹部を囲む隆起部はいずれも概ね円
環状となり、この場合の凹部と隆起部とは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。
[電子放出素子−9]、[電子放出素子−10]におい
ては、球体の形状の一部が電子放出部を構成する凹部の
形状に反映される。隆起部の先端部のプロファイルは、
不規則な凹凸を有していても、あるいは滑らかであって
もよいが、特に、[電子放出素子−8]や[電子放出素
子−9]においては、この先端部はカソード電極の破断
により形成されるため、隆起部の先端部が不規則形状と
なり易い。破断により隆起部に先端部が先鋭化すると、
先端部が高効率の電子放出部として機能し得るので、好
都合である。[電子放出素子−8]〜[電子放出素子−
10]においては、凹部を囲む隆起部はいずれも概ね円
環状となり、この場合の凹部と隆起部とは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。
【0167】支持体上における隆起部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。尚、
凹部の周方向に沿って連続した隆起部により凹部が囲ま
れていてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿
って不連続な隆起部により凹部が囲まれていてもよい。
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。尚、
凹部の周方向に沿って連続した隆起部により凹部が囲ま
れていてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿
って不連続な隆起部により凹部が囲まれていてもよい。
【0168】[電子放出素子−8]〜[電子放出素子−
10]において、絶縁層の形成後、絶縁層に開口部を形
成するが、隆起部の先端部に損傷が生じないように、隆
起部を得た後、保護層を形成し、開口部の形成後、保護
層を取り除く構成とすることもできる。保護層を構成す
る材料として、クロムを例示することができる。
10]において、絶縁層の形成後、絶縁層に開口部を形
成するが、隆起部の先端部に損傷が生じないように、隆
起部を得た後、保護層を形成し、開口部の形成後、保護
層を取り除く構成とすることもできる。保護層を構成す
る材料として、クロムを例示することができる。
【0169】以下、図22〜図25を参照して、[電子
放出素子−8]の電子放出素子の製造方法を説明する
が、図22の(A)、図23の(A)、図24の(A)
模式的な一部端面図であり、図25の(A)及び(B)
は模式的な一部断面図であり、図22の(B)、図23
の(B)及び図24の(B)は、図22の(A)、図2
3の(A)及び図24の(A)よりも広い範囲を模式的
に示す一部斜視図である。
放出素子−8]の電子放出素子の製造方法を説明する
が、図22の(A)、図23の(A)、図24の(A)
模式的な一部端面図であり、図25の(A)及び(B)
は模式的な一部断面図であり、図22の(B)、図23
の(B)及び図24の(B)は、図22の(A)、図2
3の(A)及び図24の(A)よりも広い範囲を模式的
に示す一部斜視図である。
【0170】[工程−800]先ず、複数の球体80を
被覆したカソード電極111を支持体10上に形成す
る。具体的には、先ず、例えばガラスから成る支持体1
0上の全面に、球体80を配置する。球体80は、例え
ばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5
μm、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレー
ガンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm
2の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた
散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あ
るいは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれ
でもよい。配置された球体80は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図22の(A)及び
(B)に示す。
被覆したカソード電極111を支持体10上に形成す
る。具体的には、先ず、例えばガラスから成る支持体1
0上の全面に、球体80を配置する。球体80は、例え
ばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5
μm、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレー
ガンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm
2の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた
散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あ
るいは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれ
でもよい。配置された球体80は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図22の(A)及び
(B)に示す。
【0171】[工程−810]次に、球体80及び支持
体10上にカソード電極111を形成する。カソード電
極111を形成した状態を、図23の(A)及び(B)
に示す。カソード電極111は、例えばカーボンペース
トをストライプ状にスクリーン印刷することによって形
成することができる。このとき、球体80は支持体10
上の全面に配置されているので、球体80の中には、図
23の(B)に示すように、カソード電極111で被覆
されないものも当然存在する。次に、カソード電極11
1に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極
111を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソ
ード電極111を乾燥する。この温度では、球体80は
何ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上
述のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に
替えて、カソード電極111を構成するカソード電極用
導電材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材
料層を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術
を用いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極
111を形成することもできる。リソグラフィ技術を適
用する場合、通常、レジスト材料層をスピンコーティン
グ法により形成するが、スピンコーティング時の支持体
10の回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程
度であれば、球体80は脱落したり変位することなく、
支持体10上に保持され得る。
体10上にカソード電極111を形成する。カソード電
極111を形成した状態を、図23の(A)及び(B)
に示す。カソード電極111は、例えばカーボンペース
トをストライプ状にスクリーン印刷することによって形
成することができる。このとき、球体80は支持体10
上の全面に配置されているので、球体80の中には、図
23の(B)に示すように、カソード電極111で被覆
されないものも当然存在する。次に、カソード電極11
1に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極
111を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソ
ード電極111を乾燥する。この温度では、球体80は
何ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上
述のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に
替えて、カソード電極111を構成するカソード電極用
導電材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材
料層を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術
を用いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極
111を形成することもできる。リソグラフィ技術を適
用する場合、通常、レジスト材料層をスピンコーティン
グ法により形成するが、スピンコーティング時の支持体
10の回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程
度であれば、球体80は脱落したり変位することなく、
支持体10上に保持され得る。
【0172】[工程−820]次に、球体80を除去す
ることによって、球体80を被覆したカソード電極11
1の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部
111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体8
0の形状の一部を反映した凹部111Bとを有するカソ
ード電極111を形成する。この状態を、図24の
(A)及び(B)に示す。具体的には、カソード電極1
11の焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことに
より球体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球
体80が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、
球体80を被覆するカソード電極111の部分が或る耐
圧限界を超えた時点で破裂して除去される。その結果、
支持体10上に形成されたカソード電極111の一部分
に、隆起部111A及び凹部111Bが形成される。
尚、球体を除去した後に、球体の一部分が残渣として残
る場合には、使用する球体を構成する材料にも依るが、
適切な洗浄液を用いて残渣を除去すればよい。
ることによって、球体80を被覆したカソード電極11
1の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部
111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体8
0の形状の一部を反映した凹部111Bとを有するカソ
ード電極111を形成する。この状態を、図24の
(A)及び(B)に示す。具体的には、カソード電極1
11の焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことに
より球体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球
体80が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、
球体80を被覆するカソード電極111の部分が或る耐
圧限界を超えた時点で破裂して除去される。その結果、
支持体10上に形成されたカソード電極111の一部分
に、隆起部111A及び凹部111Bが形成される。
尚、球体を除去した後に、球体の一部分が残渣として残
る場合には、使用する球体を構成する材料にも依るが、
適切な洗浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0173】[工程−830]その後、カソード電極1
11及び支持体10上に絶縁層12を形成する。具体的
には、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚さ
にスクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水
分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するため
に、例えば150゜Cにて絶縁層12を乾燥する。上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
11及び支持体10上に絶縁層12を形成する。具体的
には、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚さ
にスクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水
分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するため
に、例えば150゜Cにて絶縁層12を乾燥する。上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
【0174】[工程−840]次に、絶縁層12上に、
ストライプ状のゲート電極13を形成する(図25の
(A)参照)。ストライプ状のゲート電極13の射影像
の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極111の
射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
ストライプ状のゲート電極13を形成する(図25の
(A)参照)。ストライプ状のゲート電極13の射影像
の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極111の
射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
【0175】[工程−850]その後、ゲート電極13
の射影像とカソード電極111の射影像とが重複する電
子放出領域において、実施の形態1〜実施の形態3にて
説明した方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12
に開口部14を形成し、以て、開口部14(孔部)の底
部に複数の複数の隆起部111A及び凹部111Bを露
出させる。尚、カソード電極111に対して十分に高い
エッチング選択比が確保できる条件でエッチングを行う
ことが好ましい。あるいは又、隆起部111Aを形成し
た後、例えば、クロムから成る保護層を形成しておき、
開口部14を形成した後、保護層を取り除くことが好ま
しい。その後、レジストマスクを除去する。こうして、
図25の(B)に示した電子放出素子を得ることができ
る。
の射影像とカソード電極111の射影像とが重複する電
子放出領域において、実施の形態1〜実施の形態3にて
説明した方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12
に開口部14を形成し、以て、開口部14(孔部)の底
部に複数の複数の隆起部111A及び凹部111Bを露
出させる。尚、カソード電極111に対して十分に高い
エッチング選択比が確保できる条件でエッチングを行う
ことが好ましい。あるいは又、隆起部111Aを形成し
た後、例えば、クロムから成る保護層を形成しておき、
開口部14を形成した後、保護層を取り除くことが好ま
しい。その後、レジストマスクを除去する。こうして、
図25の(B)に示した電子放出素子を得ることができ
る。
【0176】尚、[電子放出素子−8]の製造方法の変
形例として、[工程−810]の後、[工程−830]
〜[工程−850]を実行し、次いで、[工程−82
0]を実行してもよい。この場合、球体の燃焼とゲート
電極13及び絶縁層12を構成する材料の焼成を同時に
行えばよい。
形例として、[工程−810]の後、[工程−830]
〜[工程−850]を実行し、次いで、[工程−82
0]を実行してもよい。この場合、球体の燃焼とゲート
電極13及び絶縁層12を構成する材料の焼成を同時に
行えばよい。
【0177】[電子放出素子−9:クレータ型電子放出
素子の変形]クレータ型電子放出素子の製造方法の変形
を図26を参照して説明するが、支持体10上に複数の
球体80を配置する工程が、球体80とカソード電極材
料とを分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物
層81を支持体10上に形成し、以て、支持体10上に
複数の球体80を配置し、カソード電極材料から成るカ
ソード電極111で球体を被覆した後、分散媒を除去す
る工程から成る、即ち、湿式法から成る点が、[電子放
出素子−8]の製造方法と相違する。
素子の変形]クレータ型電子放出素子の製造方法の変形
を図26を参照して説明するが、支持体10上に複数の
球体80を配置する工程が、球体80とカソード電極材
料とを分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物
層81を支持体10上に形成し、以て、支持体10上に
複数の球体80を配置し、カソード電極材料から成るカ
ソード電極111で球体を被覆した後、分散媒を除去す
る工程から成る、即ち、湿式法から成る点が、[電子放
出素子−8]の製造方法と相違する。
【0178】[工程−900]先ず、支持体10上に複
数の球体80を配置する。具体的には、球体80とカソ
ード電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて成
る組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成す
る。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒8
1Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン系
の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.05
μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして分
散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上に
ストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形成
する。図26の(A)には、組成物層81の形成直後の
状態を示す。
数の球体80を配置する。具体的には、球体80とカソ
ード電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて成
る組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成す
る。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒8
1Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン系
の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.05
μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして分
散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上に
ストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形成
する。図26の(A)には、組成物層81の形成直後の
状態を示す。
【0179】[工程−910]支持体10に保持された
組成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支持
体10上に配置されると共に、球体80から支持体10
上に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソード
電極材料81Bから成るカソード電極111が形成され
る。これによって、支持体10上に複数の球体80を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極111で
球体80を被覆することができる。この状態を、図26
の(B)に示す。
組成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支持
体10上に配置されると共に、球体80から支持体10
上に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソード
電極材料81Bから成るカソード電極111が形成され
る。これによって、支持体10上に複数の球体80を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極111で
球体80を被覆することができる。この状態を、図26
の(B)に示す。
【0180】[工程−920]その後、分散媒81Aを
例えば蒸発させることによって除去する。この状態を、
図26の(C)に示す。
例えば蒸発させることによって除去する。この状態を、
図26の(C)に示す。
【0181】[工程−930]次いで、[電子放出素子
−8]の[工程−820]〜[工程−850]と同様の
工程、あるいは、[電子放出素子−8]の製造方法の変
形例を実行することによって、図25の(B)に示した
と同様の電子放出素子を完成することができる。
−8]の[工程−820]〜[工程−850]と同様の
工程、あるいは、[電子放出素子−8]の製造方法の変
形例を実行することによって、図25の(B)に示した
と同様の電子放出素子を完成することができる。
【0182】[電子放出素子−10:クレータ型電子放
出素子の変形]このクレータ型電子放出素子の製造方法
の変形において、支持体上にストライプ状のカソード電
極を形成する工程は、より具体的には、支持体上に複数
の球体を配置する工程と、電子を放出する複数の隆起部
と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映
した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形成された
カソード電極を、支持体上に設ける工程と、球体を除去
する工程、から成る。支持体上への複数の球体の配置
は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性の表
面処理層を有する。以下、かかる電子放出素子の製造方
法を、図27を参照して説明する。
出素子の変形]このクレータ型電子放出素子の製造方法
の変形において、支持体上にストライプ状のカソード電
極を形成する工程は、より具体的には、支持体上に複数
の球体を配置する工程と、電子を放出する複数の隆起部
と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映
した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形成された
カソード電極を、支持体上に設ける工程と、球体を除去
する工程、から成る。支持体上への複数の球体の配置
は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性の表
面処理層を有する。以下、かかる電子放出素子の製造方
法を、図27を参照して説明する。
【0183】[工程−1000]先ず、支持体10上に
複数の球体180を配置する。具体的には、ガラスから
成る支持体10上の全面に、複数の球体180を配置す
る。この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高
分子材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエ
チレン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成
り、平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体
180を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよ
そ1000個/mm2の密度でランダムに配置する。配
置された球体180は、静電気力で支持体10上に吸着
されている。ここまでのプロセスが終了した状態を、図
27の(A)に示す。
複数の球体180を配置する。具体的には、ガラスから
成る支持体10上の全面に、複数の球体180を配置す
る。この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高
分子材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエ
チレン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成
り、平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体
180を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよ
そ1000個/mm2の密度でランダムに配置する。配
置された球体180は、静電気力で支持体10上に吸着
されている。ここまでのプロセスが終了した状態を、図
27の(A)に示す。
【0184】[工程−1010]次に、電子を放出する
複数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、
且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111B
とを有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成
されたカソード電極111を、支持体10上に設ける。
具体的には、[電子放出素子−8]で述べたと同様に、
例えばカーボンペーストをストライプ状にスクリーン印
刷するが、[電子放出素子−10]では、球体180の
表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯びているた
めに、球体180の上にスクリーン印刷されたカーボン
ペーストは直ちに弾かれて落下し、球体180の周囲に
堆積して隆起部111Aが形成される。隆起部111A
の先端部111Cは、[電子放出素子−8]の場合ほど
先鋭とはならない。球体180と支持体10との間に入
り込んだカソード電極111の部分が、凹部111Bと
なる。図27の(B)では、カソード電極111と球体
180との間に隙間が存在するように図示されている
が、カソード電極111と球体180とは接触している
場合もある。その後、カソード電極111を例えば15
0゜Cにて乾燥させる。ここまでのプロセスが終了した
状態を、図27の(B)に示す。
複数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、
且つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111B
とを有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成
されたカソード電極111を、支持体10上に設ける。
具体的には、[電子放出素子−8]で述べたと同様に、
例えばカーボンペーストをストライプ状にスクリーン印
刷するが、[電子放出素子−10]では、球体180の
表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯びているた
めに、球体180の上にスクリーン印刷されたカーボン
ペーストは直ちに弾かれて落下し、球体180の周囲に
堆積して隆起部111Aが形成される。隆起部111A
の先端部111Cは、[電子放出素子−8]の場合ほど
先鋭とはならない。球体180と支持体10との間に入
り込んだカソード電極111の部分が、凹部111Bと
なる。図27の(B)では、カソード電極111と球体
180との間に隙間が存在するように図示されている
が、カソード電極111と球体180とは接触している
場合もある。その後、カソード電極111を例えば15
0゜Cにて乾燥させる。ここまでのプロセスが終了した
状態を、図27の(B)に示す。
【0185】[工程−1020]次に、球体180に外
力を与えることによって、支持体10上から球体180
を除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気
体の吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセス
が終了した状態を、図27の(C)に示す。尚、球体の
除去は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づい
て、より具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去
することも可能である。
力を与えることによって、支持体10上から球体180
を除去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気
体の吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセス
が終了した状態を、図27の(C)に示す。尚、球体の
除去は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づい
て、より具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去
することも可能である。
【0186】[工程−1030]その後、[電子放出素
子−8]の[工程−830]〜[工程−850]を実行
することによって、図25の(B)に示したと略同様の
電子放出素子を得ることができる。
子−8]の[工程−830]〜[工程−850]を実行
することによって、図25の(B)に示したと略同様の
電子放出素子を得ることができる。
【0187】[電子放出素子−11:エッジ型電子放出
素子]エッジ型電子放出素子の模式的な一部断面図を図
28の(A)に示す。このエッジ型電子放出素子は、支
持体10上に形成されたストライプ状のカソード電極2
11と、支持体10及びカソード電極211上に形成さ
れた絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたストライ
プ状のゲート電極13から構成されており、開口部14
がゲート電極13及び絶縁層12に設けられている。開
口部14(孔部)の底部にはカソード電極211のエッ
ジ部211Aが露出している。カソード電極211及び
ゲート電極13に電圧を印加することによって、カソー
ド電極211のエッジ部211Aから電子が放出され
る。
素子]エッジ型電子放出素子の模式的な一部断面図を図
28の(A)に示す。このエッジ型電子放出素子は、支
持体10上に形成されたストライプ状のカソード電極2
11と、支持体10及びカソード電極211上に形成さ
れた絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたストライ
プ状のゲート電極13から構成されており、開口部14
がゲート電極13及び絶縁層12に設けられている。開
口部14(孔部)の底部にはカソード電極211のエッ
ジ部211Aが露出している。カソード電極211及び
ゲート電極13に電圧を印加することによって、カソー
ド電極211のエッジ部211Aから電子が放出され
る。
【0188】尚、図28の(B)に示すように、開口部
14内のカソード電極211の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図28の(C)に示すように、支持体10上
に形成された第1のゲート電極13Aと、支持体10及
び第1のゲート電極13A上に形成された層間絶縁層1
2Aと、層間絶縁層12A上に形成されたカソード電極
211と、層間絶縁層12A及びカソード電極211に
形成された絶縁層12Bと、絶縁層12B上に形成され
た第2のゲート電極13Bから構成することもできる。
そして、開口部14が、第2のゲート電極13B、絶縁
層12B、カソード電極211及び層間絶縁層12Aに
設けられており、開口部14の側壁にはカソード電極2
11のエッジ部211Aが露出している。カソード電極
211並びに第1のゲート電極13A、第2のゲート電
極13Bに電圧を印加することによって、電子放出部に
相当するカソード電極211のエッジ部211Aから電
子が放出される。
14内のカソード電極211の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図28の(C)に示すように、支持体10上
に形成された第1のゲート電極13Aと、支持体10及
び第1のゲート電極13A上に形成された層間絶縁層1
2Aと、層間絶縁層12A上に形成されたカソード電極
211と、層間絶縁層12A及びカソード電極211に
形成された絶縁層12Bと、絶縁層12B上に形成され
た第2のゲート電極13Bから構成することもできる。
そして、開口部14が、第2のゲート電極13B、絶縁
層12B、カソード電極211及び層間絶縁層12Aに
設けられており、開口部14の側壁にはカソード電極2
11のエッジ部211Aが露出している。カソード電極
211並びに第1のゲート電極13A、第2のゲート電
極13Bに電圧を印加することによって、電子放出部に
相当するカソード電極211のエッジ部211Aから電
子が放出される。
【0189】例えば、図28の(C)に示したエッジ型
電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図29を参照して、以下、説明する。
電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図29を参照して、以下、説明する。
【0190】[工程−1100]先ず、例えばガラスか
ら成る支持体10の上に、スパッタリングにより厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に従
ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術
によりこのタングステン膜をパターニングし、第1のゲ
ート電極13Aを形成する。次に、全面に、SiO2か
ら成る厚さ0.3μmの層間絶縁層12Aを形成した
後、層間絶縁層12Aの上にタングステンから成るスト
ライプ状のカソード電極211を形成する(図29の
(A)参照)。
ら成る支持体10の上に、スパッタリングにより厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に従
ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術
によりこのタングステン膜をパターニングし、第1のゲ
ート電極13Aを形成する。次に、全面に、SiO2か
ら成る厚さ0.3μmの層間絶縁層12Aを形成した
後、層間絶縁層12Aの上にタングステンから成るスト
ライプ状のカソード電極211を形成する(図29の
(A)参照)。
【0191】[工程−1110]その後、全面に、例え
ばSiO2から成る厚さ0.7μmの絶縁層12Bを形
成し、次いで、絶縁層12B上にストライプ状の第2の
ゲート電極13Bを形成する(図29の(B)参照)。
ばSiO2から成る厚さ0.7μmの絶縁層12Bを形
成し、次いで、絶縁層12B上にストライプ状の第2の
ゲート電極13Bを形成する(図29の(B)参照)。
【0192】[工程−1120]次に、実施の形態1〜
実施の形態3にて説明した方法に基づき、第2のゲート
電極13Bを例えばRIE法により異方的にエッチング
し、開口部を形成する。次に、開口部の底面に露出した
絶縁層12Bを等方的にエッチングし、孔部を形成す
る。絶縁層12BをSiO2を用いて形成しているの
で、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを
行う。絶縁層12Bに形成された孔部の壁面は、第2の
ゲート電極13Bに形成された開口部の開口端面よりも
後退するが、このときの後退量はエッチング時間の長短
により制御することができる。ここでは、絶縁層12B
に形成された孔部の下端が、第2のゲート電極13Bに
形成された開口部の開口端面よりも後退するまで、ウェ
ットエッチングを行う。
実施の形態3にて説明した方法に基づき、第2のゲート
電極13Bを例えばRIE法により異方的にエッチング
し、開口部を形成する。次に、開口部の底面に露出した
絶縁層12Bを等方的にエッチングし、孔部を形成す
る。絶縁層12BをSiO2を用いて形成しているの
で、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを
行う。絶縁層12Bに形成された孔部の壁面は、第2の
ゲート電極13Bに形成された開口部の開口端面よりも
後退するが、このときの後退量はエッチング時間の長短
により制御することができる。ここでは、絶縁層12B
に形成された孔部の下端が、第2のゲート電極13Bに
形成された開口部の開口端面よりも後退するまで、ウェ
ットエッチングを行う。
【0193】次に、孔部の底面に露出したカソード電極
211を、イオンを主エッチング種とする条件によりド
ライエッチングする。イオンを主エッチング種とするド
ライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電圧
の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒
子であるイオンを加速することができるため、一般には
異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面は
垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の主
エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成分
が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱に
よってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソー
ド電極211の露出面の中で、本来であれば開口部によ
って遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、あ
る程度の確率で主エッチング種が入射する。このとき、
支持体10の法線に対する入射角の小さい主エッチング
種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチング種
ほど入射確率は低い。
211を、イオンを主エッチング種とする条件によりド
ライエッチングする。イオンを主エッチング種とするド
ライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電圧
の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒
子であるイオンを加速することができるため、一般には
異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面は
垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の主
エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成分
が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱に
よってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソー
ド電極211の露出面の中で、本来であれば開口部によ
って遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、あ
る程度の確率で主エッチング種が入射する。このとき、
支持体10の法線に対する入射角の小さい主エッチング
種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチング種
ほど入射確率は低い。
【0194】従って、カソード電極211に形成された
孔部の上端部の位置は、絶縁層12Bに形成された孔部
の下端部とほぼ揃っているものの、カソード電極211
に形成された孔部の下端部の位置はその上端部よりも突
出した状態となる。つまり、カソード電極211のエッ
ジ部211Aの厚さが、突出方向の先端部に向けて薄く
なり、エッジ部211Aが先鋭化される。例えば、エッ
チング・ガスとしてSF6を用いることにより、カソー
ド電極211の良好な加工を行うことができる。
孔部の上端部の位置は、絶縁層12Bに形成された孔部
の下端部とほぼ揃っているものの、カソード電極211
に形成された孔部の下端部の位置はその上端部よりも突
出した状態となる。つまり、カソード電極211のエッ
ジ部211Aの厚さが、突出方向の先端部に向けて薄く
なり、エッジ部211Aが先鋭化される。例えば、エッ
チング・ガスとしてSF6を用いることにより、カソー
ド電極211の良好な加工を行うことができる。
【0195】次に、カソード電極211に形成された孔
部の底面に露出した層間絶縁層12Aを等方的にエッチ
ングし、層間絶縁層12Aに孔部を形成し、開口部14
を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用いた
ウェットエッチングを行う。層間絶縁層12Aに形成さ
れた孔部の壁面は、カソード電極211に形成された孔
部の下端部よりも後退する。このときの後退量はエッチ
ング時間の長短により制御可能である。開口部14の完
成後に第1のレジスト層を除去すると、図28の(C)
に示した構成を得ることができる。
部の底面に露出した層間絶縁層12Aを等方的にエッチ
ングし、層間絶縁層12Aに孔部を形成し、開口部14
を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用いた
ウェットエッチングを行う。層間絶縁層12Aに形成さ
れた孔部の壁面は、カソード電極211に形成された孔
部の下端部よりも後退する。このときの後退量はエッチ
ング時間の長短により制御可能である。開口部14の完
成後に第1のレジスト層を除去すると、図28の(C)
に示した構成を得ることができる。
【0196】[電子放出素子−12:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−1]にて説
明したスピント型電子放出素子の製造方法の変形例を、
以下、支持体等の模式的な一部端面図である図30〜図
32を参照して説明するが、このスピント型電子放出素
子は、基本的には、以下の工程に基づき作製される。即
ち、 (a)支持体10上にストライプ状のカソード電極11
を形成する工程 (b)カソード電極11上を含む支持体10上に絶縁層
12を形成する工程 (c)絶縁層12上にストライプ状のゲート電極構成層
を形成する工程 (d)底部にカソード電極11が露出した開口部14
を、ゲート電極構成層及び絶縁層12に形成する工程 (e)開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の導
電材料層91を形成する工程 (f)開口部14の中央部に位置する導電材料層91の
領域を遮蔽するように、マスク材料層92を導電材料層
91上に形成する工程 (g)導電材料層91の支持体10に対して垂直な方向
におけるエッチング速度がマスク材料層92の支持体に
対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速くな
る異方性エッチング条件下で導電材料層91とマスク材
料層92とをエッチングすることにより、導電材料層9
1から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出部15
Eを開口部14内に露出したカソード電極11上に形成
する工程
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−1]にて説
明したスピント型電子放出素子の製造方法の変形例を、
以下、支持体等の模式的な一部端面図である図30〜図
32を参照して説明するが、このスピント型電子放出素
子は、基本的には、以下の工程に基づき作製される。即
ち、 (a)支持体10上にストライプ状のカソード電極11
を形成する工程 (b)カソード電極11上を含む支持体10上に絶縁層
12を形成する工程 (c)絶縁層12上にストライプ状のゲート電極構成層
を形成する工程 (d)底部にカソード電極11が露出した開口部14
を、ゲート電極構成層及び絶縁層12に形成する工程 (e)開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の導
電材料層91を形成する工程 (f)開口部14の中央部に位置する導電材料層91の
領域を遮蔽するように、マスク材料層92を導電材料層
91上に形成する工程 (g)導電材料層91の支持体10に対して垂直な方向
におけるエッチング速度がマスク材料層92の支持体に
対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速くな
る異方性エッチング条件下で導電材料層91とマスク材
料層92とをエッチングすることにより、導電材料層9
1から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出部15
Eを開口部14内に露出したカソード電極11上に形成
する工程
【0197】[工程−1200]先ず、例えばガラス基
板上に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支
持体10上に、クロム(Cr)から成るカソード電極1
1を設ける。具体的には、支持体10上に、例えばスパ
ッタ法やCVD法にてクロムから成るカソード電極用導
電材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電材料層
をパターニングすることによって、複数のカソード電極
11を含む、行方向に平行に延びるストライプ状のカソ
ード電極用導電材料層を形成することができる。カソー
ド電極用導電材料層の幅を例えば50μm、カソード電
極用導電材料層間スペースを例えば30μmとする。そ
の後、カソード電極11上及びカソード電極用導電材料
層上を含む支持体10上に、原料ガスとしてTEOS
(テトラエトキシシラン)を使用するプラズマCVD法
にてSiO2から成る絶縁層12を形成する。絶縁層1
2の厚さを約1μmとする。次に、絶縁層12上の全面
に、カソード電極用導電材料層と直交する方向に平行に
延びるストライプ状のゲート電極構成層を形成する。
板上に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支
持体10上に、クロム(Cr)から成るカソード電極1
1を設ける。具体的には、支持体10上に、例えばスパ
ッタ法やCVD法にてクロムから成るカソード電極用導
電材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電材料層
をパターニングすることによって、複数のカソード電極
11を含む、行方向に平行に延びるストライプ状のカソ
ード電極用導電材料層を形成することができる。カソー
ド電極用導電材料層の幅を例えば50μm、カソード電
極用導電材料層間スペースを例えば30μmとする。そ
の後、カソード電極11上及びカソード電極用導電材料
層上を含む支持体10上に、原料ガスとしてTEOS
(テトラエトキシシラン)を使用するプラズマCVD法
にてSiO2から成る絶縁層12を形成する。絶縁層1
2の厚さを約1μmとする。次に、絶縁層12上の全面
に、カソード電極用導電材料層と直交する方向に平行に
延びるストライプ状のゲート電極構成層を形成する。
【0198】次に、カソード電極用導電材料層とゲート
電極構成層との重複領域である電子放出領域、即ち、1
画素領域において、ゲート電極構成層と絶縁層12とを
貫通した開口部14を、実施の形態1〜実施の形態3に
て説明した方法に基づき形成する(図30の(A)参
照)。開口部14の平面形状は、例えば、直径0.3μ
mの円形である。開口部14は、通常、1画素領域に数
百乃至千個程度形成される。
電極構成層との重複領域である電子放出領域、即ち、1
画素領域において、ゲート電極構成層と絶縁層12とを
貫通した開口部14を、実施の形態1〜実施の形態3に
て説明した方法に基づき形成する(図30の(A)参
照)。開口部14の平面形状は、例えば、直径0.3μ
mの円形である。開口部14は、通常、1画素領域に数
百乃至千個程度形成される。
【0199】[工程−1210]次に、全面に密着層9
0をスパッタ法にて形成する(図30の(B)参照)。
この密着層90は、ゲート電極構成層の非形成部や開口
部14の側壁面に露出している絶縁層12と、次の工程
で全面的に成膜される導電材料層91との間の密着性を
高めるために設けられる層である。導電材料層91をタ
ングステンで形成することを前提とし、タングステンか
ら成る密着層90を、DCスパッタ法により0.07μ
mの厚さに形成する。
0をスパッタ法にて形成する(図30の(B)参照)。
この密着層90は、ゲート電極構成層の非形成部や開口
部14の側壁面に露出している絶縁層12と、次の工程
で全面的に成膜される導電材料層91との間の密着性を
高めるために設けられる層である。導電材料層91をタ
ングステンで形成することを前提とし、タングステンか
ら成る密着層90を、DCスパッタ法により0.07μ
mの厚さに形成する。
【0200】[工程−1220]次に、開口部14内を
含む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る
電子放出部形成用の導電材料層91を水素還元減圧CV
D法により形成する(図31の(A)参照)。成膜され
た導電材料層91の表面には、開口部14の上端面と底
面との間の段差を反映した凹部91Aが形成される。
含む全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る
電子放出部形成用の導電材料層91を水素還元減圧CV
D法により形成する(図31の(A)参照)。成膜され
た導電材料層91の表面には、開口部14の上端面と底
面との間の段差を反映した凹部91Aが形成される。
【0201】[工程−1230]次に、開口部14の中
央部に位置する導電材料層91の領域(具体的には凹部
91A)を遮蔽するようにマスク材料層92を形成す
る。具体的には、先ず、ピンコート法により厚さ0.3
5μmのレジスト材料をマスク材料層92として導電材
料層91の上に形成する(図31の(B)参照)。マス
ク材料層92は、導電材料層91の凹部91Aを吸収
し、ほぼ平坦な表面となる。次に、マスク材料層92を
酸素系ガスを用いたRIE法によりエッチングする。こ
のエッチングを、導電材料層91の平坦面が露出した時
点で終了する。これにより、導電材料層91の凹部91
Aを平坦に埋め込むようにマスク材料層92が残る(図
32の(A)参照)。
央部に位置する導電材料層91の領域(具体的には凹部
91A)を遮蔽するようにマスク材料層92を形成す
る。具体的には、先ず、ピンコート法により厚さ0.3
5μmのレジスト材料をマスク材料層92として導電材
料層91の上に形成する(図31の(B)参照)。マス
ク材料層92は、導電材料層91の凹部91Aを吸収
し、ほぼ平坦な表面となる。次に、マスク材料層92を
酸素系ガスを用いたRIE法によりエッチングする。こ
のエッチングを、導電材料層91の平坦面が露出した時
点で終了する。これにより、導電材料層91の凹部91
Aを平坦に埋め込むようにマスク材料層92が残る(図
32の(A)参照)。
【0202】[工程−1240]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングし、円
錐形状の電子放出部15Eを形成する(図32の(B)
参照)。これらの層のエッチングは、導電材料層91の
エッチング速度がマスク材料層92のエッチング速度よ
りも速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチン
グ条件を以下の表7に例示する。
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングし、円
錐形状の電子放出部15Eを形成する(図32の(B)
参照)。これらの層のエッチングは、導電材料層91の
エッチング速度がマスク材料層92のエッチング速度よ
りも速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチン
グ条件を以下の表7に例示する。
【0203】[表7] [導電材料層91等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0204】[工程−1250]その後、等方的なエッ
チング条件にて開口部14(孔部)の内部において絶縁
層12に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退
させると、図33に示す電子放出素子が完成される。等
方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのよう
にラジカルを主エッチング種として利用するドライエッ
チング、あるいは、エッチング液を利用するウェットエ
ッチングにより行うことができる。エッチング液とし
て、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容
積比)混合液を用いることができる。
チング条件にて開口部14(孔部)の内部において絶縁
層12に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退
させると、図33に示す電子放出素子が完成される。等
方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのよう
にラジカルを主エッチング種として利用するドライエッ
チング、あるいは、エッチング液を利用するウェットエ
ッチングにより行うことができる。エッチング液とし
て、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容
積比)混合液を用いることができる。
【0205】ここで、[工程−1240]において、電
子放出部15Eが形成される機構について、図34を参
照して説明する。図34の(A)は、エッチングの進行
に伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図3
4の(B)は、エッチング時間と開口部14の中心にお
ける被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフであ
る。開口部14の中心におけるマスク材料層の厚さをh
p、開口部14の中心における電子放出部15Eの高さ
をheとする。
子放出部15Eが形成される機構について、図34を参
照して説明する。図34の(A)は、エッチングの進行
に伴って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す模式図であり、図3
4の(B)は、エッチング時間と開口部14の中心にお
ける被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフであ
る。開口部14の中心におけるマスク材料層の厚さをh
p、開口部14の中心における電子放出部15Eの高さ
をheとする。
【0206】表7に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層92のエッチング速度より
も、導電材料層91のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層92が存在しない領域では、導電材料層9
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
92が存在する領域では、最初にマスク材料層92が除
去されないとその下の導電材料層91のエッチングが始
まらないので、マスク材料層92がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp減
少区間)、マスク材料層92が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層92の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。hp
減少区間の開始時期は、マスク材料層92が厚さが最大
となる開口部14の中心で最も遅く、マスク材料層92
の薄い開口部14の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出部15Eが形成される。
ト材料から成るマスク材料層92のエッチング速度より
も、導電材料層91のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層92が存在しない領域では、導電材料層9
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
92が存在する領域では、最初にマスク材料層92が除
去されないとその下の導電材料層91のエッチングが始
まらないので、マスク材料層92がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp減
少区間)、マスク材料層92が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層92の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。hp
減少区間の開始時期は、マスク材料層92が厚さが最大
となる開口部14の中心で最も遅く、マスク材料層92
の薄い開口部14の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出部15Eが形成される。
【0207】レジスト材料から成るマスク材料層92の
エッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Eの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図35を参照し
て説明する。図35の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図35の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図35の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Eの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層92
の膜減りに比べて導電材料層91の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Eはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2流
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
エッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Eの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図35を参照し
て説明する。図35の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図35の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図35の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Eの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層92
の膜減りに比べて導電材料層91の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Eはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2流
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0208】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表7に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表7に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
【0209】[電子放出素子−13:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−13]の製
造方法は、[電子放出素子−12]の製造方法の変形で
ある。この製造方法においては、マスク材料層により遮
蔽される導電材料層の領域を、[電子放出素子−12]
における製造方法におけるよりも狭くすることが可能で
ある。即ち、[電子放出素子−13]におけるスピント
型電子放出素子の製造方法においては、開口部の上端面
と底面との間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の
上端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電
材料層の表面に生成させ、工程(f)において、導電材
料層の全面にマスク材料層を形成した後、マスク材料層
と導電材料層とを支持体の表面に対して平行な面内で除
去することにより、柱状部にマスク材料層を残す。
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−13]の製
造方法は、[電子放出素子−12]の製造方法の変形で
ある。この製造方法においては、マスク材料層により遮
蔽される導電材料層の領域を、[電子放出素子−12]
における製造方法におけるよりも狭くすることが可能で
ある。即ち、[電子放出素子−13]におけるスピント
型電子放出素子の製造方法においては、開口部の上端面
と底面との間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の
上端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電
材料層の表面に生成させ、工程(f)において、導電材
料層の全面にマスク材料層を形成した後、マスク材料層
と導電材料層とを支持体の表面に対して平行な面内で除
去することにより、柱状部にマスク材料層を残す。
【0210】以下、[電子放出素子−13]におけるス
ピント型電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的
な一部端面図である図36〜図38を参照して説明す
る。
ピント型電子放出素子の製造方法を、支持体等の模式的
な一部端面図である図36〜図38を参照して説明す
る。
【0211】[工程−1300]先ず、支持体10上に
カソード電極11を形成する。カソード電極11を含む
カソード電極用導電材料層は、例えばDCスパッタ法に
より、TiN層(厚さ0.1μm)、Ti層(厚さ5n
m)、Al−Cu層(厚さ0.4μm)、Ti層(厚さ
5nm)、TiN層(厚さ0.02μm)及びTi層
(0.02μm)をこの順に積層して積層膜を形成し、
続いてこの積層膜をパターニングして形成する。尚、図
ではカソード電極11を単層で表した。次に、支持体1
0とカソード電極11の上に、厚さ0.7μmの絶縁層
12を、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガス
とするプラズマCVD法に基づき形成する。次いで、絶
縁層12の上にゲート電極構成層を形成する。
カソード電極11を形成する。カソード電極11を含む
カソード電極用導電材料層は、例えばDCスパッタ法に
より、TiN層(厚さ0.1μm)、Ti層(厚さ5n
m)、Al−Cu層(厚さ0.4μm)、Ti層(厚さ
5nm)、TiN層(厚さ0.02μm)及びTi層
(0.02μm)をこの順に積層して積層膜を形成し、
続いてこの積層膜をパターニングして形成する。尚、図
ではカソード電極11を単層で表した。次に、支持体1
0とカソード電極11の上に、厚さ0.7μmの絶縁層
12を、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガス
とするプラズマCVD法に基づき形成する。次いで、絶
縁層12の上にゲート電極構成層を形成する。
【0212】更に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層93を形成する。エッチ
ング停止層93は、電子放出素子の機能上不可欠な部材
ではなく、後工程で行われる導電材料層91のエッチン
グ時に、ゲート電極13を保護する役割を果たす。尚、
導電材料層91のエッチング条件に対してゲート電極1
3が十分に高いエッチング耐性を持ち得る場合には、エ
ッチング停止層93を省略しても構わない。その後、R
IE法により、エッチング停止層93、ゲート電極1
3、絶縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露
出した開口部14を、実施の形態1〜実施の形態3にて
説明した方法に基づき形成する。このようにして、図3
6の(A)に示す状態が得られる。
0.2μmのエッチング停止層93を形成する。エッチ
ング停止層93は、電子放出素子の機能上不可欠な部材
ではなく、後工程で行われる導電材料層91のエッチン
グ時に、ゲート電極13を保護する役割を果たす。尚、
導電材料層91のエッチング条件に対してゲート電極1
3が十分に高いエッチング耐性を持ち得る場合には、エ
ッチング停止層93を省略しても構わない。その後、R
IE法により、エッチング停止層93、ゲート電極1
3、絶縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露
出した開口部14を、実施の形態1〜実施の形態3にて
説明した方法に基づき形成する。このようにして、図3
6の(A)に示す状態が得られる。
【0213】[工程−1310]次に、開口部14内を
含む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンか
ら成る密着層90を形成する(図36の(B)参照)。
次いで、開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の
導電材料層91を形成する。但し、[電子放出素子−1
3]における導電材料層91は、[電子放出素子−1
2]の製造方法で述べた凹部91Aよりも深い凹部91
Aが表面に生成されるように、導電材料層91の厚さを
選択する。即ち、導電材料層91の厚さを適切に設定す
ることによって、開口部14の上端面と底面との間の段
差を反映して、柱状部91Bとこの柱状部91Bの上端
に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部91
Aを導電材料層91の表面に生成させることができる。
含む全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンか
ら成る密着層90を形成する(図36の(B)参照)。
次いで、開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の
導電材料層91を形成する。但し、[電子放出素子−1
3]における導電材料層91は、[電子放出素子−1
2]の製造方法で述べた凹部91Aよりも深い凹部91
Aが表面に生成されるように、導電材料層91の厚さを
選択する。即ち、導電材料層91の厚さを適切に設定す
ることによって、開口部14の上端面と底面との間の段
差を反映して、柱状部91Bとこの柱状部91Bの上端
に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部91
Aを導電材料層91の表面に生成させることができる。
【0214】[工程−1320]次に、導電材料層91
の全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5
μmの銅(Cu)から成るマスク材料層92を形成する
(図37の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表
8に例示する。
の全面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5
μmの銅(Cu)から成るマスク材料層92を形成する
(図37の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表
8に例示する。
【0215】 [表8] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0216】[工程−1330]その後、マスク材料層
92と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平
行な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク
材料層92を残す(図37の(B)参照)。この除去
は、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行う
ことができる。
92と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平
行な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク
材料層92を残す(図37の(B)参照)。この除去
は、例えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行う
ことができる。
【0217】[工程−1340]次に、導電材料層91
と密着層90のエッチング速度がマスク材料層92のエ
ッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
で、導電材料層91とマスク材料層92と密着層90と
をエッチングする。その結果、開口部14内に錐状形状
を有する電子放出部15Eが形成される(図38の
(A)参照)。尚、電子放出部15Eの先端部にマスク
材料層92が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングによりマスク材料層92を除去す
ることができる。
と密着層90のエッチング速度がマスク材料層92のエ
ッチング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下
で、導電材料層91とマスク材料層92と密着層90と
をエッチングする。その結果、開口部14内に錐状形状
を有する電子放出部15Eが形成される(図38の
(A)参照)。尚、電子放出部15Eの先端部にマスク
材料層92が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングによりマスク材料層92を除去す
ることができる。
【0218】[工程−1350]次に、等方的なエッチ
ング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層1
2に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退させ
ると、図38の(B)に示す電子放出素子が完成され
る。等方的なエッチングについては、[電子放出素子−
12]の製造方法で説明したと同様とすればよい。
ング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層1
2に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退させ
ると、図38の(B)に示す電子放出素子が完成され
る。等方的なエッチングについては、[電子放出素子−
12]の製造方法で説明したと同様とすればよい。
【0219】ところで、[電子放出素子−13]の製造
方法で形成された電子放出部15Eにおいては、[電子
放出素子−12]の製造方法で形成された電子放出部1
5Eに比べ、より鋭い錐状形状が達成されている。これ
は、マスク材料層92の形状と、マスク材料層92のエ
ッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速度
の比の違いに起因する。この違いについて、図39を参
照しながら説明する。図39は、被エッチング物の表面
プロファイルが一定時間毎にどのように変化するかを示
す図であり、図39の(A)は銅から成るマスク材料層
92を用いた場合、図39の(B)はレジスト材料から
成るマスク材料層92を用いた場合をそれぞれ示す。
尚、簡略化のために導電材料層91のエッチング速度と
密着層90のエッチング速度とをそれぞれ等しいものと
仮定し、図39においては密着層90の図示を省略す
る。
方法で形成された電子放出部15Eにおいては、[電子
放出素子−12]の製造方法で形成された電子放出部1
5Eに比べ、より鋭い錐状形状が達成されている。これ
は、マスク材料層92の形状と、マスク材料層92のエ
ッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速度
の比の違いに起因する。この違いについて、図39を参
照しながら説明する。図39は、被エッチング物の表面
プロファイルが一定時間毎にどのように変化するかを示
す図であり、図39の(A)は銅から成るマスク材料層
92を用いた場合、図39の(B)はレジスト材料から
成るマスク材料層92を用いた場合をそれぞれ示す。
尚、簡略化のために導電材料層91のエッチング速度と
密着層90のエッチング速度とをそれぞれ等しいものと
仮定し、図39においては密着層90の図示を省略す
る。
【0220】銅から成るマスク材料層92を用いた場合
(図39の(A)参照)は、マスク材料層92のエッチ
ング速度が導電材料層91のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層92が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Eを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層92を用いた場合(図39の
(B)参照)は、マスク材料層92のエッチング速度が
導電材料層91のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層92が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Eの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
(図39の(A)参照)は、マスク材料層92のエッチ
ング速度が導電材料層91のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層92が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Eを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層92を用いた場合(図39の
(B)参照)は、マスク材料層92のエッチング速度が
導電材料層91のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層92が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Eの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0221】また、柱状部91Bに残るマスク材料層9
2には、柱状部91Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Eの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部91Bの深さは、導電材料層91の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部91Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層92の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Eの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部91Aに残るマスク材料層92において
は、凹部91Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部91Aが浅くマスク材
料層92の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Eの錐状形状の鈍化が始まる。電子放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
2には、柱状部91Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Eの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部91Bの深さは、導電材料層91の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部91Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層92の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Eの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部91Aに残るマスク材料層92において
は、凹部91Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部91Aが浅くマスク材
料層92の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Eの錐状形状の鈍化が始まる。電子放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0222】[電子放出素子−14:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−14]の製
造方法は、[電子放出素子−13]のスピント型電子放
出素子の製造方法の変形である。[電子放出素子−1
4]の製造方法においては、工程(e)において、開口
部の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状部とこ
の柱状部の上端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の
凹部を導電材料層の表面に生成させ、工程(f)におい
て、導電材料層の全面にマスク材料層を形成した後、導
電材料層上と拡大部内のマスク材料層を除去することに
より、柱状部にマスク材料層を残す。以下、[電子放出
素子−14]におけるスピント型電子放出素子の製造方
法を、支持体等の模式的な一部端面図である図40及び
図41を参照して説明する。
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−14]の製
造方法は、[電子放出素子−13]のスピント型電子放
出素子の製造方法の変形である。[電子放出素子−1
4]の製造方法においては、工程(e)において、開口
部の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状部とこ
の柱状部の上端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の
凹部を導電材料層の表面に生成させ、工程(f)におい
て、導電材料層の全面にマスク材料層を形成した後、導
電材料層上と拡大部内のマスク材料層を除去することに
より、柱状部にマスク材料層を残す。以下、[電子放出
素子−14]におけるスピント型電子放出素子の製造方
法を、支持体等の模式的な一部端面図である図40及び
図41を参照して説明する。
【0223】[工程−1400]先ず、図37の(A)
に示したマスク材料層92の形成までを[電子放出素子
−13]の製造方法の[工程−1300]〜[工程−1
320]と同様に行った後、導電材料層91上と拡大部
91C内のマスク材料層92のみを除去することによ
り、柱状部91Bにマスク材料層92を残す(図40の
(A)参照)。このとき、例えば希フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングを行うことにより、タングステン
から成る導電材料層91を除去することなく、銅から成
るマスク材料層92のみを選択的に除去することができ
る。柱状部91B内に残るマスク材料層92の高さは、
エッチング時間に依存するが、このエッチング時間は、
拡大部91Cに埋め込まれたマスク材料層92の部分が
十分に除去される限りにおいて、それ程の厳密さを要し
ない。なぜなら、マスク材料層92の高低に関する議論
は、図39の(A)を参照しながら前述した柱状部91
Bの浅深に関する議論と実質的に同じであり、マスク材
料層92の高低は最終的に形成される電子放出部15E
の形状に大きな影響を及ぼさないからである。
に示したマスク材料層92の形成までを[電子放出素子
−13]の製造方法の[工程−1300]〜[工程−1
320]と同様に行った後、導電材料層91上と拡大部
91C内のマスク材料層92のみを除去することによ
り、柱状部91Bにマスク材料層92を残す(図40の
(A)参照)。このとき、例えば希フッ酸水溶液を用い
たウェットエッチングを行うことにより、タングステン
から成る導電材料層91を除去することなく、銅から成
るマスク材料層92のみを選択的に除去することができ
る。柱状部91B内に残るマスク材料層92の高さは、
エッチング時間に依存するが、このエッチング時間は、
拡大部91Cに埋め込まれたマスク材料層92の部分が
十分に除去される限りにおいて、それ程の厳密さを要し
ない。なぜなら、マスク材料層92の高低に関する議論
は、図39の(A)を参照しながら前述した柱状部91
Bの浅深に関する議論と実質的に同じであり、マスク材
料層92の高低は最終的に形成される電子放出部15E
の形状に大きな影響を及ぼさないからである。
【0224】[工程−1410]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90のエッチングを、[電
子放出素子−13]の製造方法と同様に行い、図40の
(B)に示すような電子放出部15Eを形成する。この
電子放出部15Eは、図38の(A)に示したように全
体が錐状形状を有していても勿論構わないが、図40の
(B)には先端部のみが錐状形状を有する変形例を示し
た。かかる形状は、柱状部91Bに埋め込まれたマスク
材料層92の高さが低いか、若しくは、マスク材料層9
2のエッチング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電
子放出部15Eとしての機能に何ら支障はない。
とマスク材料層92と密着層90のエッチングを、[電
子放出素子−13]の製造方法と同様に行い、図40の
(B)に示すような電子放出部15Eを形成する。この
電子放出部15Eは、図38の(A)に示したように全
体が錐状形状を有していても勿論構わないが、図40の
(B)には先端部のみが錐状形状を有する変形例を示し
た。かかる形状は、柱状部91Bに埋め込まれたマスク
材料層92の高さが低いか、若しくは、マスク材料層9
2のエッチング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電
子放出部15Eとしての機能に何ら支障はない。
【0225】[工程−1420]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層
12に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退さ
せると、図41に示す電子放出素子が完成される。等方
的なエッチングについては、[電子放出素子−12]の
作製方法で説明したと同様とすればよい。
チング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層
12に設けられた開口部14(孔部)の側壁面を後退さ
せると、図41に示す電子放出素子が完成される。等方
的なエッチングについては、[電子放出素子−12]の
作製方法で説明したと同様とすればよい。
【0226】[電子放出素子−15:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−15]の製
造方法は、[電子放出素子−12]の製造方法の変形で
ある。[電子放出素子−15]の模式的な一部端面図を
図42に示す。[電子放出素子−15]が[電子放出素
子−12]と異なる点は、電子放出部が、基部94と、
基部94上に積層された錐状の電子放出部15Eとから
構成されている点にある。ここで、基部94と電子放出
部15Eとは異なる導電材料から構成されている。具体
的には、基部94は、電子放出部15Eとゲート電極1
3の開口端部との間の距離を調節するための部材であ
り、且つ、抵抗体層としての機能を有し、不純物を含有
するポリシリコン層から構成されている。電子放出部1
5Eはタングステンから構成されており、錐状形状、よ
り具体的には円錐形状を有する。尚、基部94と電子放
出部15Eとの間には、TiNから成る密着層90が形
成されている。尚、密着層90は、電子放出部の機能上
不可欠な構成要素ではなく、製造上の理由で形成されて
いる。絶縁層12がゲート電極13の直下から基部94
の上端部にかけてえぐられることにより、開口部14が
形成されている。
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−15]の製
造方法は、[電子放出素子−12]の製造方法の変形で
ある。[電子放出素子−15]の模式的な一部端面図を
図42に示す。[電子放出素子−15]が[電子放出素
子−12]と異なる点は、電子放出部が、基部94と、
基部94上に積層された錐状の電子放出部15Eとから
構成されている点にある。ここで、基部94と電子放出
部15Eとは異なる導電材料から構成されている。具体
的には、基部94は、電子放出部15Eとゲート電極1
3の開口端部との間の距離を調節するための部材であ
り、且つ、抵抗体層としての機能を有し、不純物を含有
するポリシリコン層から構成されている。電子放出部1
5Eはタングステンから構成されており、錐状形状、よ
り具体的には円錐形状を有する。尚、基部94と電子放
出部15Eとの間には、TiNから成る密着層90が形
成されている。尚、密着層90は、電子放出部の機能上
不可欠な構成要素ではなく、製造上の理由で形成されて
いる。絶縁層12がゲート電極13の直下から基部94
の上端部にかけてえぐられることにより、開口部14が
形成されている。
【0227】以下、[電子放出素子−15]の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図である図43〜図4
5を参照して説明する。
を、支持体等の模式的な一部端面図である図43〜図4
5を参照して説明する。
【0228】[工程−1500]先ず、開口部14の形
成までを、[電子放出素子−12]の製造方法の[工程
−1200]と同様に行う。続いて、開口部14内を含
む全面に基部形成用の導電材料層94Aを形成する。導
電材料層94Aは、抵抗体層としても機能し、ポリシリ
コン層から構成され、プラズマCVD法により形成する
ことができる。次いで、全面に、スピンコート法にてレ
ジスト材料から成る平坦化層95を表面が略平坦となる
ように形成する(図43の(A)参照)。次に、平坦化
層95と導電材料層94Aのエッチング速度が共に略等
しくなる条件で両層をエッチングし、開口部14(孔
部)の底部を上面が平坦な基部94で埋め込む(図43
の(B)参照)。エッチングは、塩素系ガスと酸素系ガ
スとを含むエッチングガスを用いたRIE法により行う
ことができる。導電材料層94Aの表面を平坦化層95
で一旦平坦化してからエッチングを行っているので、基
部94の上面が平坦となる。
成までを、[電子放出素子−12]の製造方法の[工程
−1200]と同様に行う。続いて、開口部14内を含
む全面に基部形成用の導電材料層94Aを形成する。導
電材料層94Aは、抵抗体層としても機能し、ポリシリ
コン層から構成され、プラズマCVD法により形成する
ことができる。次いで、全面に、スピンコート法にてレ
ジスト材料から成る平坦化層95を表面が略平坦となる
ように形成する(図43の(A)参照)。次に、平坦化
層95と導電材料層94Aのエッチング速度が共に略等
しくなる条件で両層をエッチングし、開口部14(孔
部)の底部を上面が平坦な基部94で埋め込む(図43
の(B)参照)。エッチングは、塩素系ガスと酸素系ガ
スとを含むエッチングガスを用いたRIE法により行う
ことができる。導電材料層94Aの表面を平坦化層95
で一旦平坦化してからエッチングを行っているので、基
部94の上面が平坦となる。
【0229】[工程−1510]次に、開口部14の残
部を含む全面に密着層90を成膜し、更に、開口部14
の残部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層91
を成膜し、開口部14の残部を導電材料層91で埋め込
む(図44の(A)参照)。密着層90は、スパッタ法
により形成される厚さ0.07μmのTiN層であり、
導電材料層91は減圧CVD法により形成される厚さ
0.6μmのタングステン層である。導電材料層91の
表面には、開口部14の上端面と底面との間の段差を反
映して凹部91Aが形成されている。
部を含む全面に密着層90を成膜し、更に、開口部14
の残部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層91
を成膜し、開口部14の残部を導電材料層91で埋め込
む(図44の(A)参照)。密着層90は、スパッタ法
により形成される厚さ0.07μmのTiN層であり、
導電材料層91は減圧CVD法により形成される厚さ
0.6μmのタングステン層である。導電材料層91の
表面には、開口部14の上端面と底面との間の段差を反
映して凹部91Aが形成されている。
【0230】[工程−1520]次に、導電材料層91
の全面に、スピンコート法によりレジスト材料ら成るマ
スク材料層92を表面が略平坦となるように形成する
(図44の(B)参照)。マスク材料層92は、導電材
料層91の表面の凹部91Aを吸収して平坦な表面とな
っている。次に、マスク材料層92を酸素系ガスを用い
たRIE法によりエッチングする(図45の(A)参
照)。このエッチングは、導電材料層91の平坦面が露
出した時点で終了する。これにより、導電材料層91の
凹部91Aにマスク材料層92が平坦に残され、マスク
材料層92は、開口部14の中央部に位置する導電材料
層91の領域を遮蔽するように形成されている。
の全面に、スピンコート法によりレジスト材料ら成るマ
スク材料層92を表面が略平坦となるように形成する
(図44の(B)参照)。マスク材料層92は、導電材
料層91の表面の凹部91Aを吸収して平坦な表面とな
っている。次に、マスク材料層92を酸素系ガスを用い
たRIE法によりエッチングする(図45の(A)参
照)。このエッチングは、導電材料層91の平坦面が露
出した時点で終了する。これにより、導電材料層91の
凹部91Aにマスク材料層92が平坦に残され、マスク
材料層92は、開口部14の中央部に位置する導電材料
層91の領域を遮蔽するように形成されている。
【0231】[工程−1530]次に、[電子放出素子
−12]の製造方法の[工程−1240]と同様にし
て、導電材料層91、マスク材料層92及び密着層90
を共にエッチングすると、前述の機構に基づき対レジス
ト選択比の大きさに応じた円錐形状を有する電子放出部
15Eと密着層90とが形成され、電子放出部が完成さ
れる(図45の(B)参照)。その後、開口部14(孔
部)の内部において絶縁層12に設けられた開口部14
(孔部)の側壁面を後退させると、図42に示した電子
放出素子を得ることができる。
−12]の製造方法の[工程−1240]と同様にし
て、導電材料層91、マスク材料層92及び密着層90
を共にエッチングすると、前述の機構に基づき対レジス
ト選択比の大きさに応じた円錐形状を有する電子放出部
15Eと密着層90とが形成され、電子放出部が完成さ
れる(図45の(B)参照)。その後、開口部14(孔
部)の内部において絶縁層12に設けられた開口部14
(孔部)の側壁面を後退させると、図42に示した電子
放出素子を得ることができる。
【0232】[電子放出素子−16:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−16]の製
造方法は、[電子放出素子−13]の製造方法の変形で
ある。[電子放出素子−16]の模式的な一部端面図を
図47の(B)に示す。[電子放出素子−16]が[電
子放出素子−13]と異なる点は、電子放出部が、[電
子放出素子−15]と同様に、基部94と、基部94上
に積層された錐状の電子放出部15Eとから構成されて
いる点にある。ここで、基部94と電子放出部15Eと
は異なる導電材料から構成されている。具体的には、基
部94は、電子放出部15Eとゲート電極13の開口端
部との間の距離を調節するための部材であり、且つ、抵
抗体層としての機能を有し、不純物を含有するポリシリ
コン層から構成されている。電子放出部15Eはタング
ステンから構成されており、錐状形状、より具体的には
円錐形状を有する。尚、基部94と電子放出部15Eと
の間には、TiNから成る密着層90が形成されてい
る。尚、密着層90は、電子放出部の機能上不可欠な構
成要素ではなく、製造上の理由で形成されている。絶縁
層12がゲート電極13の直下から基部94の上端部に
かけてえぐられることにより、開口部14が形成されて
いる。
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−16]の製
造方法は、[電子放出素子−13]の製造方法の変形で
ある。[電子放出素子−16]の模式的な一部端面図を
図47の(B)に示す。[電子放出素子−16]が[電
子放出素子−13]と異なる点は、電子放出部が、[電
子放出素子−15]と同様に、基部94と、基部94上
に積層された錐状の電子放出部15Eとから構成されて
いる点にある。ここで、基部94と電子放出部15Eと
は異なる導電材料から構成されている。具体的には、基
部94は、電子放出部15Eとゲート電極13の開口端
部との間の距離を調節するための部材であり、且つ、抵
抗体層としての機能を有し、不純物を含有するポリシリ
コン層から構成されている。電子放出部15Eはタング
ステンから構成されており、錐状形状、より具体的には
円錐形状を有する。尚、基部94と電子放出部15Eと
の間には、TiNから成る密着層90が形成されてい
る。尚、密着層90は、電子放出部の機能上不可欠な構
成要素ではなく、製造上の理由で形成されている。絶縁
層12がゲート電極13の直下から基部94の上端部に
かけてえぐられることにより、開口部14が形成されて
いる。
【0233】以下、[電子放出素子−16]の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図である図46及び図
47を参照して説明する。
を、支持体等の模式的な一部端面図である図46及び図
47を参照して説明する。
【0234】[工程−1600]先ず、開口部14の形
成までを、[電子放出素子−12]の製造方法の[工程
−1200]と同様に行う。次に、開口部14内を含む
全面に基部形成用の導電材料層を形成し、導電材料層を
エッチングすることによって、開口部14(孔部)の底
部を埋め込む基部94を形成することができる。尚、図
示される基部94は平坦化された表面を有しているが、
表面が窪んでいてもよい。尚、平坦化された表面を有す
る基部94は、[電子放出素子−15]の製造方法の
[工程−1500]と同様のプロセスによって形成可能
である。更に、開口部14の残部を含む全面に、密着層
90及び電子放出部形成用の導電材料層91を順次形成
する。このとき、開口部14の残部の上端面と底面との
間の段差を反映した柱状部91Bとこの柱状部91Bの
上端に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部
91Aが導電材料層91の表面に生成されるように、導
電材料層91の厚さを選択する。次に、導電材料層91
上にマスク材料層92を形成する。このマスク材料層9
2は、例えば銅を用いて形成する。図46の(A)は、
ここまでのプロセスが終了した状態を示している。
成までを、[電子放出素子−12]の製造方法の[工程
−1200]と同様に行う。次に、開口部14内を含む
全面に基部形成用の導電材料層を形成し、導電材料層を
エッチングすることによって、開口部14(孔部)の底
部を埋め込む基部94を形成することができる。尚、図
示される基部94は平坦化された表面を有しているが、
表面が窪んでいてもよい。尚、平坦化された表面を有す
る基部94は、[電子放出素子−15]の製造方法の
[工程−1500]と同様のプロセスによって形成可能
である。更に、開口部14の残部を含む全面に、密着層
90及び電子放出部形成用の導電材料層91を順次形成
する。このとき、開口部14の残部の上端面と底面との
間の段差を反映した柱状部91Bとこの柱状部91Bの
上端に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部
91Aが導電材料層91の表面に生成されるように、導
電材料層91の厚さを選択する。次に、導電材料層91
上にマスク材料層92を形成する。このマスク材料層9
2は、例えば銅を用いて形成する。図46の(A)は、
ここまでのプロセスが終了した状態を示している。
【0235】[工程−1610]次に、マスク材料層9
2と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行
な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材
料層92を残す(図46の(B)参照)。この除去は、
[工程−1330]と同様に、化学的機械的研磨法(C
MP法)により行うことができる。
2と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行
な面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材
料層92を残す(図46の(B)参照)。この除去は、
[工程−1330]と同様に、化学的機械的研磨法(C
MP法)により行うことができる。
【0236】[工程−1620]次に、導電材料層91
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングする
と、前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応
じた円錐形状を有する電子放出部15Eが形成される。
これらの層のエッチングは、[電子放出素子−13]の
製造方法の[工程−1340]と同様に行うことができ
る。電子放出部15Eと基部94、及び、電子放出部1
5Eと基部94の間に残存する密着層90とによって、
電子放出部が形成される。電子放出部は、全体が錐状形
状を有していても勿論構わないが、図47の(A)には
基部94の一部が開口部14(孔部)の底部を埋め込む
ように残存した状態を示した。かかる形状は、柱状部9
1Bに埋め込まれたマスク材料層92の高さが低いか、
若しくは、マスク材料層92のエッチング速度が比較的
速い場合に生じ得るが、電子放出部としての機能に何ら
支障はない。
とマスク材料層92と密着層90とをエッチングする
と、前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応
じた円錐形状を有する電子放出部15Eが形成される。
これらの層のエッチングは、[電子放出素子−13]の
製造方法の[工程−1340]と同様に行うことができ
る。電子放出部15Eと基部94、及び、電子放出部1
5Eと基部94の間に残存する密着層90とによって、
電子放出部が形成される。電子放出部は、全体が錐状形
状を有していても勿論構わないが、図47の(A)には
基部94の一部が開口部14(孔部)の底部を埋め込む
ように残存した状態を示した。かかる形状は、柱状部9
1Bに埋め込まれたマスク材料層92の高さが低いか、
若しくは、マスク材料層92のエッチング速度が比較的
速い場合に生じ得るが、電子放出部としての機能に何ら
支障はない。
【0237】[工程−1630]その後、等方的なエッ
チング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層
12の側壁面を後退させると、図47の(B)に示した
電子放出素子が完成される。等方的なエッチング条件
は、[電子放出素子−12]の製造方法で説明したと同
様とすればよい。
チング条件で開口部14(孔部)の内部において絶縁層
12の側壁面を後退させると、図47の(B)に示した
電子放出素子が完成される。等方的なエッチング条件
は、[電子放出素子−12]の製造方法で説明したと同
様とすればよい。
【0238】[電子放出素子−17:スピント型電子放
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−17]の製
造方法は、[電子放出素子−14]のスピント型電子放
出素子の製造方法の変形である。[電子放出素子−1
7]が電子放出素子−14と異なる点は、電子放出部
が、[電子放出素子−15]と同様に、基部94と、基
部94上に積層された錐状の電子放出部15Eとから構
成されている点にある。以下、スピント型電子放出素子
である[電子放出素子−17]の製造方法を、支持体等
の模式的な一部端面図である図48を参照して説明す
る。
出素子の製造方法の変形][電子放出素子−17]の製
造方法は、[電子放出素子−14]のスピント型電子放
出素子の製造方法の変形である。[電子放出素子−1
7]が電子放出素子−14と異なる点は、電子放出部
が、[電子放出素子−15]と同様に、基部94と、基
部94上に積層された錐状の電子放出部15Eとから構
成されている点にある。以下、スピント型電子放出素子
である[電子放出素子−17]の製造方法を、支持体等
の模式的な一部端面図である図48を参照して説明す
る。
【0239】[工程−1700]マスク材料層92の形
成までを[電子放出素子−16]の製造方法の[工程−
1600]と同様に行う。その後、導電材料層91上と
拡大部91C内のマスク材料層92のみを除去すること
により、柱状部91Bにマスク材料層92を残す(図4
8参照)。例えば希フッ酸水溶液を用いたウェットエッ
チングを行い、タングステンから成る導電材料層91を
除去することなく、銅から成るマスク材料層92のみを
選択的に除去することができる。この後の導電材料層9
1とマスク材料層92のエッチング、絶縁層12の等方
的なエッチング等のプロセスは、全て、[電子放出素子
−16]の製造方法と同様に行うことができる。
成までを[電子放出素子−16]の製造方法の[工程−
1600]と同様に行う。その後、導電材料層91上と
拡大部91C内のマスク材料層92のみを除去すること
により、柱状部91Bにマスク材料層92を残す(図4
8参照)。例えば希フッ酸水溶液を用いたウェットエッ
チングを行い、タングステンから成る導電材料層91を
除去することなく、銅から成るマスク材料層92のみを
選択的に除去することができる。この後の導電材料層9
1とマスク材料層92のエッチング、絶縁層12の等方
的なエッチング等のプロセスは、全て、[電子放出素子
−16]の製造方法と同様に行うことができる。
【0240】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した第1パネルや表示装
置の構造、構成、製造方法は例示であり、適宜変更する
ことができる。
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明した第1パネルや表示装
置の構造、構成、製造方法は例示であり、適宜変更する
ことができる。
【0241】更には、電子放出素子の製造において使用
した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。電子放出素子においては、専ら1つの開口部に1つ
の電子放出部が対応する形態を説明したが、電子放出素
子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部
が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子
放出部が対応する形態とすることもできる。
した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。電子放出素子においては、専ら1つの開口部に1つ
の電子放出部が対応する形態を説明したが、電子放出素
子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部
が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子
放出部が対応する形態とすることもできる。
【0242】更には、表面伝導型電子放出素子と通称さ
れる素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る基
板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウ
ム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化
パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積
を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対
の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電
極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の
電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の
電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を
有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギ
ャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、
炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子を第2パネ
ル(アノードパネル)上の発光層(蛍光体層)に衝突さ
せることによって、発光層(蛍光体層)が励起されて発
光し、所望の画像を得ることができる。
れる素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る基
板上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウ
ム(In2O3)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化
パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積
を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対
の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの電
極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対の
電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対の
電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成を
有する。一対の電極に電圧を印加することによって、ギ
ャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、
炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子を第2パネ
ル(アノードパネル)上の発光層(蛍光体層)に衝突さ
せることによって、発光層(蛍光体層)が励起されて発
光し、所望の画像を得ることができる。
【0243】電子放出素子を構成しない絶縁層の部分の
上に収束電極を形成する構造とすることもできる。ここ
で収束電極とは、開口部から放出されアノード電極へ向
かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣
接画素間の色濁りの防止を可能とするための電極であ
り、アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キ
ロボルトのオーダーであって、第1パネルと第2パネル
との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの平面型
表示装置を想定した場合に、特に有効な部材である。収
束電極には、収束電源から相対的な負電圧が印加され
る。収束電極は、必ずしも各冷陰極電界電子放出素子ご
とに設けられている必要はなく、例えば、冷陰極電界電
子放出素子の所定の配列方向に沿って延在させることに
より、複数の冷陰極電界電子放出素子に共通の収束効果
を及ぼすこともできる。
上に収束電極を形成する構造とすることもできる。ここ
で収束電極とは、開口部から放出されアノード電極へ向
かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣
接画素間の色濁りの防止を可能とするための電極であ
り、アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キ
ロボルトのオーダーであって、第1パネルと第2パネル
との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの平面型
表示装置を想定した場合に、特に有効な部材である。収
束電極には、収束電源から相対的な負電圧が印加され
る。収束電極は、必ずしも各冷陰極電界電子放出素子ご
とに設けられている必要はなく、例えば、冷陰極電界電
子放出素子の所定の配列方向に沿って延在させることに
より、複数の冷陰極電界電子放出素子に共通の収束効果
を及ぼすこともできる。
【0244】
【発明の効果】本発明においては、所謂フォトリソグラ
フィ技術を用いることなく、しかも、左程複雑な工程を
経ることなく、多数の微細な、且つ、均一な開口部を確
実に形成することができる。形成される開口部の径は、
第2のレジスト層に含まれる粒子の径あるいは、エッチ
ングされた粒子の径に依存するので、形成すべき開口部
の径の自由度が高い。しかも、第2のレジスト層に含ま
れる粒子の密度を決定しておけば、開口部の形成密度、
更には、電子放出部の密度を高い自由度をもって決定す
ることができる。また、場合によっては、開口部が形成
されてはならない部分に開口部が形成されてしまうこと
なく、開口部を確実に形成することができる。更には、
粒子をエッチングすれば、第2のレジスト層中でたとえ
粒子同士が重なり合っても、形成された開口部同士が重
なり合うことがなく、所望の形状を有する開口部を形成
することができる。
フィ技術を用いることなく、しかも、左程複雑な工程を
経ることなく、多数の微細な、且つ、均一な開口部を確
実に形成することができる。形成される開口部の径は、
第2のレジスト層に含まれる粒子の径あるいは、エッチ
ングされた粒子の径に依存するので、形成すべき開口部
の径の自由度が高い。しかも、第2のレジスト層に含ま
れる粒子の密度を決定しておけば、開口部の形成密度、
更には、電子放出部の密度を高い自由度をもって決定す
ることができる。また、場合によっては、開口部が形成
されてはならない部分に開口部が形成されてしまうこと
なく、開口部を確実に形成することができる。更には、
粒子をエッチングすれば、第2のレジスト層中でたとえ
粒子同士が重なり合っても、形成された開口部同士が重
なり合うことがなく、所望の形状を有する開口部を形成
することができる。
【図1】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出素子
及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図2】図1に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図3】図2に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図5】図4に引き続き、発明の実施の形態1の冷陰極
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
電界電子放出素子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図6】冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な一部端
面図である。
面図である。
【図7】冷陰極電界電子放出表示装置を分解した概念図
である。
である。
【図8】冷陰極電界電子放出表示装置の模式的な分解斜
視図である。
視図である。
【図9】発明の実施の形態2の冷陰極電界電子放出素子
及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明する
ための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図10】縮径された粒子の径と、第1のレジスト層に
形成された開口領域の直径の関係を調べた結果を示すグ
ラフである。
形成された開口領域の直径の関係を調べた結果を示すグ
ラフである。
【図11】発明の実施の形態3の冷陰極電界電子放出素
子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
子及び冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図12】第2パネル(アノードパネル)の製造方法の
一例を説明するための支持体等の模式的な一部端面図で
ある。
一例を説明するための支持体等の模式的な一部端面図で
ある。
【図13】クラウン型電子放出素子から成る第1の構造
を有する電子放出素子[電子放出素子−2]の製造方法
を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
を有する電子放出素子[電子放出素子−2]の製造方法
を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図14】図13に引き続き、クラウン型電子放出素子
から成る第1の構造を有する電子放出素子[電子放出素
子−2]の製造方法を説明するための基板等の模式的な
一部端面図である。
から成る第1の構造を有する電子放出素子[電子放出素
子−2]の製造方法を説明するための基板等の模式的な
一部端面図である。
【図15】扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−3]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−3]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図16】扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−4]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−4]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図17】扁平型電子放出素子から成る第1の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−5]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部端面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−5]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図18】図18に引き続き、扁平型電子放出素子から
成る第1の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
5]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図である。
成る第1の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
5]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図である。
【図19】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−6]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−6]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図20】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子の変形例の模式的な一部断面図であ
る。
する電子放出素子の変形例の模式的な一部断面図であ
る。
【図21】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子の別の変形例の模式的な一部断面図で
ある。
する電子放出素子の別の変形例の模式的な一部断面図で
ある。
【図22】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−8]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部端面図、及び、部分
的な斜視図である。
する電子放出素子[電子放出素子−8]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部端面図、及び、部分
的な斜視図である。
【図23】図23に引き続き、平面型電子放出素子から
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図、及び、部分的な斜視図である。
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図24】図24に引き続き、平面型電子放出素子から
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図、及び、部分的な斜視図である。
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図25】図25に引き続き、平面型電子放出素子から
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
断面図である。
成る第2の構造を有する電子放出素子[電子放出素子−
8]の製造方法を説明するための基板等の模式的な一部
断面図である。
【図26】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−9]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−9]の製造方法を説
明するための基板等の模式的な一部断面図である。
【図27】平面型電子放出素子から成る第2の構造を有
する電子放出素子[電子放出素子−10]の製造方法を
説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
する電子放出素子[電子放出素子−10]の製造方法を
説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図28】エッジ型電子放出素子から成る第3の構造を
有する電子放出素子[電子放出素子−11]の模式的な
一部断面図である。
有する電子放出素子[電子放出素子−11]の模式的な
一部断面図である。
【図29】エッジ型電子放出素子から成る第3の構造を
有する電子放出素子[電子放出素子−11]の製造方法
を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
有する電子放出素子[電子放出素子−11]の製造方法
を説明するための基板等の模式的な一部端面図である。
【図30】図33に示すスピント型電子放出素子[電子
放出素子−12]の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
放出素子−12]の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図31】図30に引き続き、図33に示すスピント型
電子放出素子[電子放出素子−12]の製造方法を説明
するための支持体等の模式的な一部端面図である。
電子放出素子[電子放出素子−12]の製造方法を説明
するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図32】図31に引き続き、図33に示すスピント型
電子放出素子[電子放出素子−12]の製造方法を説明
するための支持体等の模式的な一部端面図である。
電子放出素子[電子放出素子−12]の製造方法を説明
するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図33】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
2]の模式的な一部端面図である。
2]の模式的な一部端面図である。
【図34】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
明するための図である。
【図35】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
状の関係を模式的に示す図である。
【図36】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
3]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
3]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図37】図36に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−13]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−13]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図38】図37に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−13]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−13]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図39】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図40】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
4]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
4]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図41】図40に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−14]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−14]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図42】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
5]の模式的な一部端面図である。
5]の模式的な一部端面図である。
【図43】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
5]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
5]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図44】図43に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−15]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−15]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図45】図44に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−15]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−15]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図46】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
6]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
6]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図47】図46に引き続き、スピント型電子放出素子
[電子放出素子−16]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
[電子放出素子−16]の製造方法を説明するための支
持体等の模式的な一部端面図である。
【図48】スピント型電子放出素子[電子放出素子−1
7]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
7]の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一
部端面図である。
【図49】従来のスピント型冷陰極電界電子放出素子の
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図50】図49に引き続き、従来のスピント型冷陰極
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
P1・・・第1パネル(カソードパネル)、P2・・・第
2パネル(アノードパネル)、10・・・支持体、1
1,111,211・・・カソード電極、111A・・
・隆起部、111B・・・凹部、111C・・・先端
部、11A・・・微小凹凸部、11B・・・被覆層、1
2,12A,12B・・・絶縁層、13,13A,13
B・・・ゲート電極、14.14A・・・開口部、14
B・・・孔部、15,15A,15B,15C,15
D,15E・・・電子放出部、17・・・剥離層、18
・・・導電体層、20・・・基板、21,21R,21
G,21B・・・蛍光体層、22・・・ブラックマトリ
クス、23・・・アノード電極、24・・・枠体、25
・・・カソード電極駆動回路、26・・・ゲート電極駆
動回路、27・・・加速電源(アノード電極駆動回
路)、30・・・第1のレジスト層、31・・・保護
膜、32・・・第2のレジスト層、33・・・粒子、3
4・・・露光用マスク、51・・・剥離層、52・・・
導電性組成物層、60・・・抵抗体層、70・・・炭素
薄膜選択成長領域、71・・・マスク層、72・・・金
属粒子、73・・・炭素薄膜、80,180・・・球
体、81・・・組成物層、81A・・・分散媒、81B
・・・カソード電極材料、180A・・・芯材、180
B・・・表面処理層、90・・・密着層、91・・・導
電材料層、91A・・・凹部、91B・・・柱状部、9
1C・・・拡大部、92・・・マスク材料層、93・・
・エッチング停止層、94・・・基部、94A・・・導
電材料層、95・・・平坦化層
2パネル(アノードパネル)、10・・・支持体、1
1,111,211・・・カソード電極、111A・・
・隆起部、111B・・・凹部、111C・・・先端
部、11A・・・微小凹凸部、11B・・・被覆層、1
2,12A,12B・・・絶縁層、13,13A,13
B・・・ゲート電極、14.14A・・・開口部、14
B・・・孔部、15,15A,15B,15C,15
D,15E・・・電子放出部、17・・・剥離層、18
・・・導電体層、20・・・基板、21,21R,21
G,21B・・・蛍光体層、22・・・ブラックマトリ
クス、23・・・アノード電極、24・・・枠体、25
・・・カソード電極駆動回路、26・・・ゲート電極駆
動回路、27・・・加速電源(アノード電極駆動回
路)、30・・・第1のレジスト層、31・・・保護
膜、32・・・第2のレジスト層、33・・・粒子、3
4・・・露光用マスク、51・・・剥離層、52・・・
導電性組成物層、60・・・抵抗体層、70・・・炭素
薄膜選択成長領域、71・・・マスク層、72・・・金
属粒子、73・・・炭素薄膜、80,180・・・球
体、81・・・組成物層、81A・・・分散媒、81B
・・・カソード電極材料、180A・・・芯材、180
B・・・表面処理層、90・・・密着層、91・・・導
電材料層、91A・・・凹部、91B・・・柱状部、9
1C・・・拡大部、92・・・マスク材料層、93・・
・エッチング停止層、94・・・基部、94A・・・導
電材料層、95・・・平坦化層
Claims (18)
- 【請求項1】(a)支持体の上方に形成されたカソード
電極と、 (b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁層
と、 (c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲート電極
と、 (d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、底部にカソ
ード電極が露出した孔部と、 (e)孔部内に設けられた電子放出部、から成る冷陰極
電界電子放出素子の製造方法であって、 (A)絶縁層上にゲート電極構成層を形成する工程と、 (B)絶縁層及びゲート電極構成層上に第1のレジスト
層を形成する工程と、 (C)第1のレジスト層上に保護膜を形成する工程と、 (D)保護膜上に、粒子が分散された第2のレジスト層
を形成する工程と、 (E)第2のレジスト層を選択的に除去し、粒子の下に
第2のレジスト層を残す工程と、 (F)露出した保護膜を除去する工程と、 (G)粒子、第2のレジスト層及び保護膜を除去し、更
に、粒子、第2のレジスト層及び保護膜の下方に位置し
ていた第1のレジスト層を除去する工程と、 (H)残された第1のレジスト層をエッチング用マスク
としてゲート電極構成層をエッチングし、以て、開口部
が形成されたゲート電極を得る工程、を含むことを特徴
とする冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項2】前記工程(E)において、第2のレジスト
層の選択的な除去を、粒子をエッチング用マスクとした
異方性エッチング法に基づき行うことを特徴とする請求
項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項3】前記工程(E)において、第2のレジスト
層の選択的な除去を、粒子をエッチング用マスクとした
異方性エッチング法に基づき行い、前記工程(F)にお
いて、併せて、粒子の一部分もエッチングし、粒子の径
を縮径することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電
界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項4】前記工程(C)と工程(D)の間で、開口
部を形成しないゲート電極構成層の領域の上方の第2の
レジスト層を除去する工程を含むことを特徴とする請求
項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項5】工程(H)に引き続き、 (I)絶縁層に孔部を形成し、以て、孔部の底部にカソ
ード電極を露出させる工程を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の冷陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項6】前記工程(I)に引き続き、孔部の底部に
露出したカソード電極上に電子放出部を形成することを
特徴とする請求項5に記載の冷陰極電界電子放出素子の
製造方法。 - 【請求項7】カソード電極は電子放出部として機能する
ことを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電界電子放出
素子の製造方法。 - 【請求項8】工程(H)に引き続き、 (I)絶縁層に孔部を形成し、次いで、 (J)カソード電極に孔部を形成する工程を更に含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
当することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電
子放出素子の製造方法。 - 【請求項9】第1のレジスト層はネガ型レジスト材料か
ら構成され、第2のレジスト層はポジ型レジスト材料か
ら構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷
陰極電界電子放出素子の製造方法。 - 【請求項10】第1パネルと第2パネルとが真空層を挟
んで対向して配置され、画素が2次元マトリックス状に
配列されて成る有効領域を有する冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法であって、 第1パネルは、支持体と、該支持体上に2次元マトリッ
クス状に配置され、画素を構成する複数の電子放出領域
から成り、 各電子放出領域は、1又は複数の冷陰極電界電子放出素
子から構成され、 該冷陰極電界電子放出素子は、 (a)支持体の上方に形成されたカソード電極と、 (b)少なくともカソード電極上に形成された絶縁層
と、 (c)絶縁層上に形成され、開口部を有するゲート電極
と、 (d)絶縁層に形成され、開口部と連通し、底部にカソ
ード電極が露出した孔部と、 (e)孔部内に設けられた電子放出部、から成る冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法であって、 第1パネルの製造工程には、 (A)絶縁層上にゲート電極構成層を形成する工程と、 (B)絶縁層及びゲート電極構成層上に第1のレジスト
層を形成する工程と、 (C)第1のレジスト層上に保護膜を形成する工程と、 (D)保護膜上に、粒子が分散された第2のレジスト層
を形成する工程と、 (E)第2のレジスト層を選択的に除去し、粒子の下に
第2のレジスト層を残す工程と、 (F)露出した保護膜を除去する工程と、 (G)粒子、第2のレジスト層及び保護膜を除去し、更
に、粒子、第2のレジスト層及び保護膜の下方に位置し
ていた第1のレジスト層を除去する工程と、 (H)残された第1のレジスト層をエッチング用マスク
としてゲート電極構成層をエッチングし、以て、開口部
が形成されたゲート電極を得る工程、が含まれることを
特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。 - 【請求項11】前記工程(E)において、第2のレジス
ト層の選択的な除去を、粒子をエッチング用マスクとし
た異方性エッチング法に基づき行うことを特徴とする請
求項10に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方
法。 - 【請求項12】前記工程(E)において、第2のレジス
ト層の選択的な除去を、粒子をエッチング用マスクとし
た異方性エッチング法に基づき行い、 前記工程(F)において、併せて、粒子の一部分もエッ
チングし、粒子の径を縮径することを特徴とする請求項
10に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。 - 【請求項13】前記工程(C)と工程(D)の間で、開
口部を形成しないゲート電極構成層の領域の上方の第2
のレジスト層を除去する工程を含むことを特徴とする請
求項10に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方
法。 - 【請求項14】工程(H)に引き続き、 (I)絶縁層に孔部を形成し、以て、孔部の底部にカソ
ード電極を露出させる工程を更に含むことを特徴とする
請求項10に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法。 - 【請求項15】前記工程(I)に引き続き、孔部の底部
に露出したカソード電極上に電子放出部を形成すること
を特徴とする請求項14に記載の冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法。 - 【請求項16】カソード電極は電子放出部として機能す
ることを特徴とする請求項14に記載の冷陰極電界電子
放出表示装置の製造方法。 - 【請求項17】工程(H)に引き続き、 (I)絶縁層に孔部を形成し、次いで、 (J)カソード電極に孔部を形成する工程を更に含み、 カソード電極に形成された孔部の端部が電子放出部に相
当することを特徴とする請求項10に記載の冷陰極電界
電子放出表示装置の製造方法。 - 【請求項18】第1のレジスト層はネガ型レジスト材料
から構成され、第2のレジスト層はポジ型レジスト材料
から構成されていることを特徴とする請求項10に記載
の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000164210A JP2001345042A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 |
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JP2000164210A JP2001345042A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001345042A true JP2001345042A (ja) | 2001-12-14 |
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ID=18667859
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JP2000164210A Pending JP2001345042A (ja) | 2000-06-01 | 2000-06-01 | 冷陰極電界電子放出素子の製造方法、及び、冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2001345042A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007287403A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Futaba Corp | 電界電子放出素子の製造方法 |
CN117810310A (zh) * | 2024-02-29 | 2024-04-02 | 浙江晶科能源有限公司 | 太阳能电池制备方法、太阳能电池及光伏组件 |
-
2000
- 2000-06-01 JP JP2000164210A patent/JP2001345042A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007287403A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Futaba Corp | 電界電子放出素子の製造方法 |
CN117810310A (zh) * | 2024-02-29 | 2024-04-02 | 浙江晶科能源有限公司 | 太阳能电池制备方法、太阳能电池及光伏组件 |
CN117810310B (zh) * | 2024-02-29 | 2024-06-07 | 浙江晶科能源有限公司 | 太阳能电池制备方法、太阳能电池及光伏组件 |
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