JP2002124199A - 表示用パネル、表示装置、及び、それらの製造方法 - Google Patents

表示用パネル、表示装置、及び、それらの製造方法

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JP2002124199A
JP2002124199A JP2000397808A JP2000397808A JP2002124199A JP 2002124199 A JP2002124199 A JP 2002124199A JP 2000397808 A JP2000397808 A JP 2000397808A JP 2000397808 A JP2000397808 A JP 2000397808A JP 2002124199 A JP2002124199 A JP 2002124199A
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Shinjiro Kida
真二郎 貴田
Yasushi Ito
靖 伊藤
Tokiko Takahashi
斗紀子 高橋
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Sony Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】蛍光体層からの発光を効果的に反射することが
でき、しかも、簡素な構造を有するにも拘わらず、スペ
ーサの可視性という現象の抑制を可能とする表示用パネ
ルを提供する。 【解決手段】表示用パネルAPは、基板20、基板20
上に形成された隔壁21、該隔壁21の間の基板20上
に形成された蛍光体層22、及び、該蛍光体層22の上
方の隔壁21の間に、隔壁21に支持された状態で設け
られ、実質的に平坦な表面を有する反射膜24を備え、
電子線源15から射出され、反射膜24を透過した電子
が蛍光体層22に衝突することによって蛍光体層22が
発光し、所望の画像を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示用パネル及び
表示装置、並びに、それらの製造方法に関し、より詳し
くは、蛍光体層を備え、電子線源から射出された電子が
蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、所
望の画像を得るための表示用パネル、及び、かかる表示
用パネルを組み込んだ表示装置、並びに、それらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。このなかでも、液晶表示装置は情報端末機器用の表
示装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジ
ョン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課
題を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表
示装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づ
き固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極
電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】電界放出素子を利用した冷陰極電界電子放
出表示装置(以下、電界放出型表示装置と呼ぶ場合があ
る)の模式的な一部端面図を図1に示し、カソードパネ
ルCPの模式的な部分的斜視図を図4に示す。図示した
電界放出素子は、円錐形の電子放出部15を有する、所
謂スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれる
タイプの素子である。この電界放出素子は、支持体10
上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカ
ソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層1
2上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及
び絶縁層12に設けられた開口部14と、開口部14の
底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形
の電子放出部15から構成されている。一般に、カソー
ド電極11とゲート電極13とは、これらの両電極の射
影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に形成さ
れており、これらの両電極の射影像が重複する部分に相
当する領域(1画素分の領域に相当する。この領域を、
以下、重複領域と呼ぶ)に、通常、複数の電界放出素子
が配列されている。更に、かかる重複領域が、カソード
パネルCPの有効領域(実際の表示画面として機能する
領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されてい
る。
【0004】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍
光体層22と、その上に形成された反射膜として機能す
るアノード電極24から構成されている。1画素は、カ
ソードパネルCP側のカソード電極11とゲート電極1
3との重複領域に所定数配列された電界放出素子の一群
と、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパ
ネルAP側の蛍光体層22とによって構成されている。
有効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個
ものオーダーにて配列されている。尚、蛍光体層22と
蛍光体層22との間の基板20上には隔壁21が形成さ
れている。隔壁21とスペーサ25と蛍光体層22の配
置状態を模式的に図2に示す。
【0005】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電界放出素子と蛍光体層22とが対向するように
配置し、周縁部において枠体30を介して接合すること
によって、電界放出型表示装置を作製することができ
る。有効領域を包囲し、画素を選択するための周辺回路
が形成された無効領域には、真空排気用の貫通孔(図示
せず)が設けられており、この貫通孔には真空排気後に
封じ切られたチップ管(図示せず)が接続されている。
即ち、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体
30とによって囲まれた空間は真空となっている。尚、
アノードパネルAP及びカソードパネルCPには外気に
よって圧力が加わる。そして、この圧力によって電界放
出型表示装置が破損しないように、アノードパネルAP
とカソードパネルCPとの間には、高さが例えば1mm
程度の所謂スペーサ25(図2参照)が配置されてい
る。尚、図1においては、スペーサの図示を省略した。
【0006】カソード電極11には相対的な負電圧が走
査回路31から印加され、ゲート電極13には相対的な
正電圧が制御回路32から印加され、アノード電極24
にはゲート電極13よりも更に高い正電圧が加速電源3
3から印加される。かかる電界放出型表示装置において
表示を行う場合、例えば、カソード電極11に走査回路
31から走査信号を入力し、ゲート電極13に制御回路
32からビデオ信号を入力する。カソード電極11とゲ
ート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界に
より、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電
子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付け
られ、アノード電極24を透過し、蛍光体層22に衝突
する。その結果、蛍光体層22が励起されて発光し、所
望の画像を得ることができる。つまり、この電界放出型
表示装置の動作や明るさは、基本的に、ゲート電極13
に印加される電圧、及びカソード電極11を通じて電子
放出部15に印加される電圧によって制御される。
【0007】アノード電極24は、蛍光体層22からの
発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは放出された二次電子を反
射させる反射膜としての機能、蛍光体層22の帯電防止
といった機能を有する。また、隔壁21は、蛍光体層2
2から反跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出
された二次電子が他の蛍光体層22に入射し、所謂光学
的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機
能を有する。
【0008】以下、図65及び図66を参照して、従来
の電界放出型表示装置におけるアノードパネルAPの製
造方法の概要を説明する。
【0009】[工程−10]先ず、ガラス基板から成る
基板20上に隔壁21を形成する(図65の(A)参
照)。図に示した例においては、隔壁の平面形状(図2
を参照)は井桁状であり、その大きさは、およそ、縦×
横×高さが200μm×100μm×50μmである。
【0010】[工程−20]次に、赤色発光蛍光体層を
形成するために、例えばポリビニルアルコール(PV
A)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、
重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラ
リーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリ
ーを乾燥、露光、現像することによって、所定の隔壁2
1の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成する(図65の
(B)参照)。このような操作を、緑色発光蛍光体スラ
リー、青色発光蛍光体スラリーについても同様に行うこ
とによって、最終的に、所定の隔壁21の間に、赤色発
光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光
蛍光体層22Bを形成する(図65の(C)、及び、図
2の模式的な部分的配置図を参照)。
【0011】[工程−30]その後、各蛍光体層22
R,22G,22B(これらを総称して、単に蛍光体層
22と呼ぶ場合がある)の上に、主にアクリル系樹脂か
ら構成されたラッカーから成る中間膜23を形成する
(図65の(D)参照)。具体的には、水槽内に蛍光体
層22が形成された基板20を沈め、水面にラッカー膜
を形成した後、水槽内の水を抜くことによって、ラッカ
ーから成る中間膜23を蛍光体層22の上から隔壁21
の上に亙って形成することができる。尚、ラッカーに添
加された可塑剤の量や、水面にラッカー膜を形成すると
きの条件によって、ラッカー膜の硬さや延び率を変える
ことができ、これらを最適化することによって、中間膜
23を蛍光体層22の上から隔壁21の上に亙って形成
することができる。ここで、図面においては、中間膜2
3を平滑に表示しているが、実際には、蛍光体層表面の
凹凸を反映して、中間膜23は凹凸状態となっている。
【0012】[工程−40]その後、全面にアルミニウ
ムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形成
する(図65の(E)参照)。最後に、400゜C程度
の加熱処理を行うことによって、中間膜23を焼成する
と、図65の(F)に示すような構造を得ることができ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウムから成る
アノード電極24は、先に説明したように、蛍光体層2
2からの発光を反射させる反射膜としての機能を有する
が故に、出来る限り平滑であることが要求される。とこ
ろで、アノード電極24の平滑性は、中間膜23の平滑
性に大きく依存する。従って、蛍光体層22上に出来る
だけ平滑な中間膜23を形成する必要がある。然るに、
上述の従来のアノードパネルAPの製造方法において
は、[工程−30]において、恰も、井戸の底に形成す
るかのように、隔壁21の間に中間膜23を形成しなけ
ればならない。また、蛍光体層22の表面の凹凸(例え
ば、数μm程度の高低差を有する凹凸)を反映して、中
間膜23が凹凸状態となってしまう結果、その上に形成
されたアノード電極24も凹凸状態となってしまう(図
66の拡大した一部端面図を参照)。それ故、上述の製
造方法では、平滑なアノード電極24を形成することは
困難である。尚、陰極線管の製造における中間膜の形成
において採用されているようなスピンコーティング法
は、隔壁21が存在するが故に、採用が困難である。
【0014】また、電界放出型表示装置においては、ア
ノード電極24には数キロボルトの電圧が印加され、カ
ソード電極11やゲート電極13には数十ボルト程度の
電圧が印加される。それ故、隔壁21が設けられていて
も、隔壁21を越えた電子が他の蛍光体層に入射する場
合がある。このような現象が生じると、光学的クロスト
ーク(色濁り)が発生する原因となる。それ故、高画質
の電界放出型表示装置を実現するためには、このような
現象の発生を確実に防止する必要がある。
【0015】更には、従来の電界放出型表示装置におい
ては、電子放出部15から放出された電子は、アノード
電極24を透過するが、電子の何割かは、アノード電極
24を透過せずに、アノード電極24によって反射され
る。このように反射された電子は反射角が一定ではな
く、或る広がりを持っており、一般に、後方散乱電子と
呼ばれる。後方散乱電子の大部分は、電界放出型表示装
置内部の電界によって、再びアノードパネル側に引き寄
せられるが、その一部は、隔壁21を越えてしまい、幾
らかの運動エネルギーを持ってスペーサ25に衝突する
場合がある。スペーサ25は、例えばセラミックスとい
った誘電体材料から作製されているが故に、電子が衝突
すると、スペーサ25は正又は負に帯電する。スペーサ
25が正、負のどちらに帯電するか、あるいは、帯電す
る電荷量がその程度になるかは、電子が衝突する際の速
度及び角度によって異なり、また、スペーサ25を構成
する材料及びその表面状態によっても異なる。
【0016】スペーサ25がどのように帯電しても、ス
ペーサ25が帯電することは、スペーサ近傍の画素にお
ける電子ビームの軌道を歪めることになる。その結果、
電界放出型表示装置を見る者に、スペーサ25の存在を
認識させてしまうことになる。このような現象は、スペ
ーサの可視性と呼ばれる。
【0017】このようなスペーサの可視性といった問題
を解決するための手段が、米国特許第5532548号
に開示されている。この米国特許に開示された手段にお
いては、スペーサ自体に中間電位を持たせるための中間
電極が設けられている。しかしながら、薄く、細長いス
ペーサ、あるいは、一層複雑な形状を有するスペーサの
側面に、細長い中間電極を形成することは容易ではな
い。
【0018】また、米国特許第5589731号に開示
された方法においては、スペーサの材質と共に、薄い板
状ではない形状の様々なスペーサ25(ジグザグなスペ
ーサ25、ボリュームのあるスペーサ等)が開示されて
いる。然るに、複雑な形状を有するこれらのスペーサの
表面に中間電極を形成することは更に困難を極める。
【0019】比較的小さな面積の小型の電界放出型表示
装置においては、高強度の支持体や基板を使用すること
によって、スペーサ25を省略することが可能である。
しかしながら、中型あるいは大型の電界放出型表示装置
においては、スペーサ25を省略することは実用上、不
可能である。電界放出型表示装置の大型化に伴い、スペ
ーサ25自体も一層長い構造のものが求められている
が、長くなればなる程、作製が困難となる。それ故、分
割されたスペーサも検討されているが、このような分割
されたスペーサに、米国特許第5532548号に開示
された中間電極を適用することは、外部から所定の電位
を中間電極に印加することが極めて困難であり、実用
上、不可能に近い。
【0020】従って、本発明の目的は、蛍光体層からの
発光を効果的に反射することができ、しかも、簡素な構
造を有するにも拘わらず、スペーサの可視性という現象
の抑制を可能とする表示用パネル、かかる表示用パネル
を組み込んだ表示装置、並びに、それらの製造方法を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、(A)基
板、(B)基板上に形成された隔壁、(C)該隔壁の間
の基板上に形成された蛍光体層、及び、(D)該蛍光体
層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持された状態で設けら
れ、実質的に平坦な表面を有する反射膜、を備え、電子
線源から射出され、反射膜を透過した電子が蛍光体層に
衝突することによって蛍光体層が発光し、所望の画像を
得るための本発明の表示用パネルによって達成すること
ができる。
【0022】また、上記の目的は、電子線源を備えたカ
ソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カソー
ドパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれらの
周縁部で接合された表示装置であって、アノードパネル
は、(A)基板、(B)基板上に形成された隔壁、
(C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
び、(D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持
された状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反
射膜、を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過し
た電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発
光し、所望の画像を得る本発明の表示装置によって達成
することができる。
【0023】本発明の表示用パネルあるいは表示装置に
おいては、実質的に平坦な表面を有する反射膜が備えら
れているので、蛍光体層からの発光を効果的に反射する
ことができ、しかも、簡素な構造を有するにも拘わら
ず、スペーサの可視性という現象の抑制が可能である。
尚、実質的に平坦な表面とは、蛍光体層の表面凹凸情報
が反射膜表面に伝達されていないことを意味する。以下
においても同様である。尚、蛍光体層表面の凹凸の最高
高さよりも高い位置に反射膜が位置することが好まし
い。
【0024】本発明の表示用パネルあるいは表示装置に
おいては、蛍光体層の上方であって反射膜の下方の隔壁
の間に、隔壁に支持された状態で設けられた第2の反射
膜を更に備えている構成とすることができ、これによっ
て、一層効果的に蛍光体層からの発光を外部に向かって
反射することができる。尚、第2の反射膜は、反射膜と
同様に実質的に平坦な表面を有していてもよいし、蛍光
体層表面の凹凸を反映した表面を有していてもよい。
【0025】本発明の表示用パネル若しくは表示装置、
あるいは、後述する本発明の第1の態様若しくは第2の
態様に係るこれらの製造方法(以下、これらを総称し
て、単に、本発明と呼ぶ場合がある)において、反射膜
及び/又は第2の反射膜は、アルミニウム(Al)又は
クロム(Cr)から成ることが、蛍光体層からの発光を
効果的に反射することができるといった観点から好まし
い。反射膜及び/又は第2の反射膜は、例えば、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。
【0026】本発明の表示用パネル若しくは表示装置、
あるいは、後述する本発明の第1の態様に係るこれらの
製造方法において、反射膜は、隔壁の側面において支持
された状態で設けられている構成とすることができ、あ
るいは又、隔壁の頂面において支持された状態で設けら
れている構成とすることができる。
【0027】本発明においては、蛍光体層は、画素に対
応してストライプ状若しくはドット状に形成されていれ
ばよい。
【0028】本発明の表示用パネル、あるいは、後述す
る本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る表示用
パネルの製造方法においては、反射膜はアノード電極と
しても機能し、表示用パネルは冷陰極電界電子放出表示
装置のアノードパネルを構成する形態とすることができ
る。あるいは又、蛍光体層と基板との間にアノード電極
が形成されており、表示用パネルは冷陰極電界電子放出
表示装置のアノードパネルを構成する形態とすることも
できる。
【0029】また、本発明の表示装置、あるいは、後述
する本発明の第1の態様若しくは第2の態様に係る表示
装置の製造方法においては、表示装置は冷陰極電界電子
放出表示装置を構成し、反射膜はアノード電極としても
機能し、電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成さ
れている形態とすることができる。あるいは又、表示装
置は冷陰極電界電子放出表示装置を構成し、蛍光体層と
基板との間にアノード電極が形成されており、電子線源
は冷陰極電界電子放出素子から構成されている形態とす
ることもできる。
【0030】本発明において、反射膜は、蛍光体層に入
射する高速に加速された電子の殆どを透過させる厚さを
有することが望ましく、この場合、具体的には、反射膜
の厚さは、3×10-8m(30nm)乃至1.5×10
-7m(150nm)、好ましくは5×10-8m(50n
m)乃至1×10-7m(100nm)であることが望ま
しい。「高速に加速された電子」とは、3キロボルト乃
至10キロボルト、好ましくは6キロボルト乃至10キ
ロボルトの電位差によって加速された状態の電子を意味
する。また、「殆どを透過させる」とは、反射膜に入射
した電子の60%、好ましくは80%以上が反射膜を透
過することを意味する。あるいは又、本発明において、
反射膜は、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光
体層から放出された二次電子を蛍光体層に向かって反射
させ、あるいは又、これらの電子を反射膜にて吸収する
ような厚さであることが好ましい。この場合、蛍光体層
から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された
二次電子が反射膜を透過する割合は、60%以下、好ま
しくは30%以下であることが望ましい。
【0031】上記の目的は、(A)基板、(B)基板上
に形成された隔壁、(C)該隔壁の間の基板上に形成さ
れた蛍光体層、及び、(D)該蛍光体層の上方の隔壁の
間に、隔壁に支持された状態で設けられ、実質的に平坦
な表面を有する反射膜、を備え、電子線源から射出さ
れ、反射膜を透過した電子が蛍光体層に衝突することに
よって蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表示
用パネルを製造する方法であって、(a)隔壁及び蛍光
体層が形成された基板を、処理槽内に満たされた液体中
に、蛍光体層が液面側を向くように浸漬する工程と、
(b)液面上に、実質的に平坦な表面を有する中間膜を
形成する工程と、(c)処理槽から液体を排出して液面
を降下させることにより、中間膜を隔壁に接触させる工
程と、(d)中間膜を乾燥させることにより、中間膜
を、蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持された状
態にて配設する工程と、(e)中間膜上に反射膜を形成
する工程と、(f)中間膜を焼成する工程、から成るこ
とを特徴とする本発明の第1の態様に係る表示用パネル
の製造方法によって達成することができる。
【0032】また、上記の目的は、電子線源を備えたカ
ソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カソー
ドパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれらの
周縁部で接合された表示装置であって、アノードパネル
は、(A)基板、(B)基板上に形成された隔壁、
(C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
び、(D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持
された状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反
射膜、を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過し
た電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発
光し、所望の画像を得る表示装置の製造方法であって、
アノードパネルを、(a)隔壁及び蛍光体層が形成され
た基板を、処理槽内に満たされた液体中に、蛍光体層が
液面側を向くように浸漬する工程と、(b)液面上に、
実質的に平坦な表面を有する中間膜を形成する工程と、
(c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
により、中間膜を隔壁に接触させる工程と、(d)中間
膜を乾燥させることにより、中間膜を、蛍光体層の上方
の隔壁の間に、隔壁に支持された状態にて配設する工程
と、(e)中間膜上に反射膜を形成する工程と、(f)
中間膜を焼成する工程、を経て製造することを特徴とす
る本発明の第1の態様に係る表示装置の製造方法によっ
て達成することができる。
【0033】本発明の第1の態様に係る表示用パネルの
製造方法あるいは表示装置の製造方法(以下、これらを
総称して、単に、本発明の第1の態様に係る製造方法と
呼ぶ場合がある)にあっては、工程(d)において、蛍
光体層の上方の隔壁の間に隔壁に支持された状態にて中
間膜を配設するが故に、中間膜の平滑性は蛍光体層の表
面の凹凸に一切影響されることがなくなり、その結果、
実質的に平坦な表面を有する反射膜を容易に形成するこ
とが可能となる。
【0034】本発明の第1の態様に係る製造方法におい
ては、液体として水を使用することが好ましい。また、
中間膜を構成する材料としてラッカーを挙げることがで
きる。ここで、ラッカーには、広義のワニスの一種で、
セルロース誘導体、一般にニトロセルロースを主成分と
した配合物を低級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に
溶かしたもの、あるいは、他の合成高分子を用いたウレ
タンラッカー、アクリルラッカーが含まれる。
【0035】また、本発明の第1の態様に係る製造方法
においては、前記工程(d)と工程(e)との間で、平
坦な表面状態を維持しつつ、隔壁の側面において支持さ
れた状態で中間膜が配設されるように、中間膜を変形さ
せる工程を含む構成とすることができる。これによっ
て、最終的に、反射膜が、隔壁の側面において支持され
た状態を得ることができる。
【0036】上記の目的は、(A)基板、(B)基板上
に形成された隔壁、(C)該隔壁の間の基板上に形成さ
れた蛍光体層、及び、(D)該蛍光体層の上方の隔壁の
間に、隔壁に支持された状態で設けられ、実質的に平坦
な表面を有する反射膜、を備え、電子線源から射出さ
れ、反射膜を透過した電子が蛍光体層に衝突することに
よって蛍光体層が発光し、所望の画像を得るための表示
用パネルを製造する方法であって、(a)基板上に、隔
壁及び蛍光体層を形成する工程と、(b)隔壁の頂面
に、金属箔から成る反射膜を貼り合わせる工程、から成
ることを特徴とする本発明の第2の態様に係る表示用パ
ネルの製造方法によって達成することができる。
【0037】更には、上記の目的は、電子線源を備えた
カソードパネル、及び、アノードパネルから成り、カソ
ードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそれら
の周縁部で接合された表示装置であって、アノードパネ
ルは、(A)基板、(B)基板上に形成された隔壁、
(C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
び、(D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持
された状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反
射膜、を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過し
た電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発
光し、所望の画像を得る表示装置の製造方法であって、
アノードパネルを、(a)基板上に隔壁及び蛍光体層を
形成する工程と、(b)隔壁の頂面に金属箔から成る反
射膜を貼り合わせる工程、を経て製造することを特徴と
する本発明の第2の態様に係る表示装置の製造方法によ
って達成することができる。
【0038】本発明の第2の態様に係る表示用パネルの
製造方法あるいは表示装置の製造方法(これらを総称し
て、単に、本発明の第2の態様に係る製造方法と呼ぶ場
合がある)にあっては、工程(b)において、隔壁の頂
面に金属箔から成る反射膜を貼り合わせるが故に、実質
的に平坦な表面を有する反射膜を容易に形成することが
可能となる。
【0039】本発明の第2の態様に係る製造方法におい
ては、金属箔として、アルミニウム(Al)箔あるいは
クロム(Cr)箔を用いることが好ましい。
【0040】本発明において、表示用パネルあるいはア
ノードパネルを構成する基板、カソードパネルを構成す
る支持体は、少なくとも表面が絶縁性部材から構成され
ていればよく、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成された
ガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英
基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げるこ
とができる。
【0041】隔壁の形成方法として、スクリーン印刷
法、サンドブラスト形成法、ドライフィルム法、感光法
を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法と
は、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分
に開口部が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用
材料をスキージを用いて開口部を通過させ、基板上に隔
壁形成用材料層を形成した後、かかる隔壁形成用材料層
を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上
に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によっ
て隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去に
よって生じた開口部に隔壁形成用の材料を埋め込み、焼
成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃
焼、除去され、開口部に埋め込まれた隔壁形成用の材料
が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有
する隔壁形成用の材料層を形成し、露光及び現像によっ
てこの材料層をパターニングした後、焼成を行う方法で
ある。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン
印刷やロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出
式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成
し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層
の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成
用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方
法である。隔壁は、例えば、感光性ポリイミド樹脂層
や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した
鉛ガラス層から構成することができる。隔壁の平面形状
としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1画素に相当
する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層の四方を取り
囲む形状、あるいは、略矩形の(あるいはストライプ状
の)蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状
(ストライプ形状)を挙げることができる。
【0042】蛍光体層は、発光性結晶粒子(例えば、粒
径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光
性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発
光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗
布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体層を形成し、次
いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光
体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発
光蛍光体層を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶
粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露
光、現像して、青色発光蛍光体層を形成する方法にて形
成することができる。
【0043】蛍光体粒子を構成する蛍光体材料として
は、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いる
ことができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで
規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バラ
ンスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ
等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。
赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、(Y2
3:Eu)、(Y22S:Eu)、(YBO3Eu)、
(YVO4:Eu)、(Y0.960.600.404:Eu
0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdBO3
Eu)、(ScBO 3:Eu)、(3.5MgO・0.
5MgF2・GeO2:Mn)を例示することができる。
緑色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、(Zn
SiO2:Mn)、(BaAl1219:Mn)、(Ba
Mg2Al1627:Mn)、(MgGa24:Mn)、
(YBO3:Tb)、(LuBO3:Tb)、(Sr4
38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)を例示
することができる。青色発光蛍光体層を構成する蛍光体
材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:P
b)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl
1423:Eu)、(Sr 227:Eu)、(Sr22
7:Sn)、(ZnS:Ag,Al)を例示すること
ができる。
【0044】ここで、蛍光体層が隔壁の間の基板上に形
成されているとは、隔壁の平面形状が格子形状(井桁形
状)の場合、隔壁で取り囲まれた基板の部分の上に形成
されていることを意味し、蛍光体層はドット状(略矩形
形状)の平面形状を有する。一方、隔壁の平面形状が帯
状(ストライプ形状)の場合、対向する一対の隔壁で挟
まれた基板の部分の上に形成されていることを意味し、
蛍光体層はドット状(略矩形形状)あるいはストライプ
状の平面形状を有する。
【0045】本発明を冷陰極電界電子放出表示装置ある
いはその製造方法に適用した場合、カソードパネルを構
成する冷陰極電界電子放出素子は如何なる形態の冷陰極
電界電子放出素子とすることもでき、例えば、円錐形の
電子放出部を有する所謂スピント型冷陰極電界電子放出
素子、王冠型の電子放出部を有する所謂クラウン型冷陰
極電界電子放出素子、扁平な電子放出部を有する所謂扁
平型冷陰極電界電子放出素子、平面型冷陰極電界電子放
出素子、クレータ型冷陰極電界電子放出素子を挙げるこ
とができる。尚、表示装置として、その他、蛍光表示管
を挙げることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0047】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
の表示用パネル及び表示装置、並びに、本発明の第1の
態様に係るこれらの製造方法に関し、より具体的には、
冷陰極電界電子放出表示装置(以下、単に、電界放出型
表示装置と呼ぶ)、及び、電界放出型表示装置を構成す
る表示用パネル、並びに、これらの製造方法に関する。
【0048】実施の形態1の表示用パネル(以下、アノ
ードパネルAPと呼ぶ)は、図3に拡大された模式的な
一部端面図を示すように、基板20、基板上に形成され
た隔壁21、隔壁21の間の基板20上に形成された蛍
光体層22(赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体
層22G、青色発光蛍光体層22B)、及び、蛍光体層
22の上方の隔壁21の間に、隔壁21に支持された状
態で設けられた反射膜24を備えている。そして、電子
線源(具体的には、冷陰極電界電子放出素子を構成する
電子放出部15)から射出され、反射膜24を透過した
電子が蛍光体層22に衝突することによって蛍光体層2
2が発光し、所望の画像を基板20の外表面上に得る。
実施の形態1におけるアノードパネルAPにおいては、
従来のアノードパネルと異なり、反射膜24は、実質的
に平坦な表面を有する。
【0049】実施の形態1においては、反射膜24はア
ノード電極としても機能し、有効領域を覆う薄い1枚の
シート状であり、加速電源33に接続されている。そし
て、反射膜24は、厚さ約70nmのアルミニウムから
成り、隔壁21の側面において支持された状態で設けら
れている(図1及び図3参照)。
【0050】本発明の表示装置の製造方法によって製造
される電界放出型表示装置の構成は、実質的に、図1に
示した表示装置と同様である。また、隔壁21とスペー
サ25と蛍光体層22の配置状態は図2と同様であり、
カソードパネルCPの模式的な部分的斜視図は図4と同
様である。それ故、電界放出型表示装置の詳細な説明は
省略する。
【0051】以下、基板等の模式的な一部断面図である
図5、及び、処理層等の模式図である図6〜図9を参照
して、実施の形態1の表示装置の製造方法、及び、表示
用パネル(アノードパネルAP)の製造方法を説明す
る。
【0052】[工程−100]先ず、ガラス基板から成
る基板20上に隔壁21を形成する(図5の(A)参
照)。隔壁21の平面形状は格子形状(井桁形状)であ
る。具体的には、酸化コバルト等の金属酸化物により黒
色に着色した鉛ガラス層を約50μmの厚さで形成した
後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によっ
て鉛ガラス層を選択的に加工することにより、格子形状
(井桁形状)の隔壁21(図2を参照)を得ることがで
きる。尚、場合によっては、低融点ガラスペーストをク
リーン印刷法にて基板20上に印刷し、次いで、かかる
低融点ガラスペーストを焼成することによって隔壁を形
成してもよいし、感光性ポリイミド樹脂層を基板20の
全面に形成した後、かかる感光性ポリイミド樹脂層を露
光、現像することによって、隔壁を形成してもよい。1
画素における隔壁21の大きさを、およそ、縦×横×高
さが200μm×100μm×50μmとした。尚、隔
壁21の形成前に、隔壁21を形成すべき基板20の部
分の表面に、例えば、酸化クロムから成るブラック・マ
トリックスを形成することが好ましい。
【0053】[工程−110]次に、赤色発光蛍光体層
22Rを形成するために、例えばポリビニルアルコール
(PVA)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、
更に、重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光
体スラリーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体
スラリーを乾燥する。その後、基板20側から赤色発光
蛍光体層22Rを形成すべき赤色発光蛍光体スラリーの
部分に紫外線を照射し、赤色発光蛍光体スラリーを露光
する。赤色発光蛍光体スラリーは基板20側から徐々に
硬化する。形成される赤色発光蛍光体層22Rの厚さ
は、赤色発光蛍光体スラリーに対する紫外線の照射量に
より決定される。ここでは、例えば、赤色発光蛍光体ス
ラリーに対する紫外線の照射時間を調整して、赤色発光
蛍光体層22Rの厚さを約8μmとした。その後、赤色
発光蛍光体スラリーを現像することによって、所定の隔
壁21の間に赤色発光蛍光体層22Rを形成することが
できる(図5の(B)参照)。以下、緑色発光蛍光体ス
ラリーに対して同様の処理を行うことによって緑色発光
蛍光体層22Gを形成し、更に、青色発光蛍光体スラリ
ーに対して同様の処理を行うことによって青色発光蛍光
体層22Bを形成する(図5の(C)参照)。尚、蛍光
体層22の表面は、微視的には、複数の蛍光体粒子によ
り凹凸となっている。蛍光体層の形成方法は、以上に説
明した方法に限定されず、赤色蛍光体スラリー、緑色蛍
光体スラリー、青色蛍光体スラリーを順次塗布した後、
各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を
形成してもよいし、スクリーン印刷法等により各蛍光体
層を形成してもよい。
【0054】[工程−120]その後、隔壁21及び蛍
光体層22が形成された基板20を、処理槽40内に満
たされた液体(具体的には、水)42中に、蛍光体層2
2が液面側を向くように浸漬する(図6参照)。尚、排
出部41は閉じておく。そして、液面上に、実質的に平
坦な表面を有する中間膜を形成する。具体的には、液面
上に、中間膜23を形成するためのラッカーから成る中
間膜材料23Aを展開する(図7参照)。ラッカーとし
ては、例えば、ニトロセルロース等の熱可塑性樹脂等を
含む材料を所定の溶剤に溶解させたものを用いることが
できる。所定の溶剤として、例えば、イソアミルアセテ
ート、ブタノール、トルエン及びキシレンを挙げること
ができる。ラッカーの組成は、形成される中間膜23の
硬さや延び等の特性に対して影響を及ぼし、後述する中
間膜23の変形特性を決定する因子である。中間膜23
の材料としてラッカーを用いることにより、その変形特
性を制御することが可能となる。続いて、ラッカーから
成る中間膜材料23Aを液面に浮遊させた状態におい
て、例えば2分間程度乾燥させる。これによって、中間
膜材料23Aは成膜され、液面上に中間膜23が平坦に
形成される。中間膜23を形成する際には、例えば、そ
の厚さが約30nmとなるようにラッカーの展開量を調
整する。
【0055】続いて、図8に示すように、排出部41を
開き、処理槽40から液体42を排出して液面を降下さ
せることにより、液面上に形成されていた中間膜23が
隔壁21に近づく方向に移動し、最終的に中間膜23が
隔壁21に接触する。このとき、隔壁21によって囲ま
れた基板20の部分20Aには液体が満たされた状態と
なり、中間膜23は、平坦な表面状態をほぼ維持したま
ま、隔壁21に対して被さるように接触する。
【0056】[工程−130]続いて、中間膜23を乾
燥させることにより、中間膜23を、蛍光体層22の上
方の隔壁21の間に、隔壁21に支持された状態にて配
設する(図5の(D)参照)。具体的には、平坦な表面
状態を維持しつつ、隔壁21の側面において支持された
状態で中間膜23が配設されるように、中間膜23を変
形させる。即ち、基板20等を処理槽40内から取り出
し、図9に示すように、基板20等を乾燥炉43内に搬
入し、所定の温度環境中にて乾燥させる。このとき、例
えば、基板20の表面(下面)が鉛直線Sに対して角度
α(例えば、0°<α≦45°)を成すように、基板2
0を傾けた状態で乾燥炉43内に基板20を固定する。
尚、図9では、例えば、角度αを比較的大きくした場合
(例えば、α=45°程度)を示している。この場合、
基板20が大きく傾くため、隔壁21によって囲まれた
基板20の部分20Aを満たしていた液体の大部分が排
出され、隔壁21によって囲まれた基板20の部分には
僅かな量の液体が残る。このような状態にすると、中間
膜23が変形し、蛍光体層22の上方に位置する中間膜
23の底面(以下、単に、中間膜23の底面と呼ぶ場合
がある)と蛍光体層22の表面との間の距離を短くする
ことが可能となる。即ち、隔壁21の側面において支持
された状態で中間膜23が配設される。尚、乾燥時にお
いて基板20を必ずしも傾けなければならないものでは
なく、傾けない(角度α=0°)ようにしてもよい。
【0057】この乾燥工程中において、中間膜23は隔
壁21の形状に沿って変形する。具体的には、中間膜2
3のうち、隔壁21によって囲まれた基板20の部分2
0Aの上方に位置する部分が自重により部分的に延び、
隔壁21の側壁に沿って蛍光体層側に落ち込むように変
形する。しかも、中間膜23は適度な硬さを有している
ため、中間膜23のかかる部分は、その一部が局部的に
落ち込むことなく、平坦な表面状態を維持したまま変形
する。このとき、中間膜23の乾燥時間や乾燥温度を調
整することにより、かかる部分を蛍光体層22と接触さ
せることなく、かかる部分が蛍光体層22から所定の間
隔を隔てた位置に到達した時点で中間膜23の変形を完
了させることができる。即ち、上記したラッカーの組成
と同様に、中間膜23の乾燥時間や乾燥温度等もまた中
間膜23の変形特性を決定する因子である。以下では、
上記した乾燥工程中において生じる中間膜23の一連の
変形に係る特性を、便宜上、「中間膜23の変形特性」
と呼ぶ。中間膜23の乾燥温度は例えば30°C〜60
°Cの範囲内とすることが好ましく、中間膜23の乾燥
時間は例えば数分〜数十分の範囲内とすることが好まし
い。乾燥温度を高くするほど中間膜23の変形を早期に
完了させることができ、中間膜23の底面と蛍光体層2
2の表面との間の距離を短くすることができる。一方、
乾燥温度を低くするほど、中間膜23の変形を長期化さ
せ、かかる距離を長くすることが可能となる。勿論、乾
燥温度の高低に伴い、乾燥時間は減増する。中間膜23
を形成する際には、ラッカーの組成や乾燥条件(乾燥温
度,乾燥時間)を適切に調整することにより「中間膜2
3の変形特性」を制御し、中間膜23の底面と蛍光体層
22の表面との間の距離が所望の値となるようにする。
また、基板20の傾き角度αを調整して、隔壁21によ
って囲まれた基板20の部分に残存する液体の量を調整
することにより、中間膜23の底面と蛍光体層22の表
面との間の距離を制御することもできる。
【0058】[工程−140]その後、中間膜23上に
反射膜24を形成する。具体的には、蒸着法又はスパッ
タリング法により、中間膜23を覆うように、アルミニ
ウム等の導電材料から成り、厚さ70nmの反射膜24
を形成する。反射膜24は下地である中間膜23の凹凸
に対応した凹凸形状を有する。ここで、隔壁21によっ
て囲まれた基板20の部分20Aの上方に位置する中間
膜23の部分の上に形成された反射膜24は、その表面
が実質的に平坦になるように、即ち、概ね鏡面を有する
ように形成される。
【0059】[工程−150]次いで、400゜C程度
で中間膜23を焼成する。この焼成処理により中間膜2
3が燃焼して焼失し、隔壁21に対して反射膜24が接
着することによりアノードパネルAPを完成することが
できる。このとき、隔壁21によって囲まれた基板20
の部分20Aの上方に形成された反射膜24の下面と、
蛍光体層22との間の距離Dが、例えば30μm程度と
なるようにする。中間膜23の底面と蛍光体層22の表
面との間の距離を制御することによって、距離Dを所望
の値とすることができる。尚、焼成時、蛍光体層22等
に含まれている残留溶剤や隔壁21によって囲まれた基
板20の部分20Aに残存していた液体は蒸発する。こ
れらの蒸発や中間膜23の燃焼により生じたガスは、例
えば、反射膜24のうち、隔壁21の形状に沿って折れ
曲がっている領域に生じる微細な孔を通じて外部に排出
される。この孔は微細なため、反射膜24の構造的な強
度や画像表示特性に深刻な影響を及ぼすものではない。
【0060】[工程−160]冷陰極電界電子放出素子
(以下、電界放出素子と呼ぶ場合がある)が形成された
カソードパネルCPを準備する。カソードパネルCPに
ついては、後に詳述する。そして、電界放出型表示装置
の組み立てを行う。具体的には、例えば、カソードパネ
ルCPにスペーサ25を取り付け、蛍光体層22と電界
放出素子とが対向するようにアノードパネルAPとカソ
ードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソ
ードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体1
0)とを、セラミックスやガラスから作製された高さ約
1mmの枠体30を介して、周縁部において接合する。
接合に際しては、枠体30とアノードパネルAPとの接
合部位、及び枠体30とカソードパネルCPとの接合部
位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAPとカ
ソードパネルCPと枠体30とを貼り合わせ、予備焼成
にてフリットガラスを乾燥した後、約450゜Cで10
〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAP
とカソードパネルCPと枠体30とフリットガラス(図
示せず)とによって囲まれた空間を、貫通孔(図示せ
ず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の
圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶
融により封じ切る。このようにして、アノードパネルA
PとカソードパネルCPと枠体30とに囲まれた空間を
真空にすることができる。あるいは又、例えば、枠体3
0とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り
合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、
表示装置の構造に依っては、枠体無しで、アノードパネ
ルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。
その後、必要な外部回路との配線接続を行い、表示装置
を完成させる。
【0061】実施の形態1の製造方法にて得られたアノ
ードパネルを組み込んだ電界放出型表示装置と、従来の
製造方法にて得られたアノードパネルを組み込んだ電界
放出型表示装置の輝度特性を調べた結果を図10に示
す。図10において、横軸は、アノード電極に相当する
反射膜24に対して印加された電圧値(3キロボルト〜
10キロボルト)を示しており、縦軸は、電界放出型表
示装置の輝度(cd/cm2)を表している。また、図
10において、「A」は、実施の形態1の製造方法にて
得られたアノードパネルを組み込んだ電界放出型表示装
置の輝度特性を示し、「B」は、従来の製造方法にて得
られたアノードパネルを組み込んだ電界放出型表示装置
の輝度特性を示す。図10に示す輝度特性の評価結果か
ら、実施の形態1の製造方法にて得られたアノードパネ
ルを組み込んだ電界放出型表示装置の輝度は、従来の製
造方法にて得られたアノードパネルを組み込んだ電界放
出型表示装置の輝度よりも約33〜34%程度向上して
いることが判る。尚、輝度特性を評価する前段階におい
て、輝度計を用いて双方の電界放出型表示装置における
アノードパネルの透過率を測定した。その結果、透過率
は約0.3%であった。このことは、蛍光体層22の上
方に位置する反射膜24の部分が連続膜になっているこ
とを示している。
【0062】実施の形態1の製造方法にて得られたアノ
ードパネルにおいては、図3に拡大した模式的な一部端
面図を示すように、蛍光体層22の上方に位置する反射
膜24の部分は、実質的に平坦な表面を有する。従っ
て、蛍光体層22からカソードパネル側に向かって放射
された光は、蛍光体層22の上方に位置する反射膜24
の部分で反射され、アノードパネルAPを通過して外部
へ放射される。
【0063】一方、図66に拡大した模式的な一部端面
図を示すように、従来の製造方法にて得られたアノード
パネルにおいては、蛍光体層22の上方に位置する反射
膜24の部分は、凹凸状態にある。従って、蛍光体層2
2からカソードパネル側に向かって放射された光は、蛍
光体層22の上方に位置する反射膜24の部分で乱反射
されてしまい、アノードパネルAPを通過して外部へ放
射される光量が減少する。
【0064】このように、蛍光体層22の上方に位置す
る反射膜24の部分が実質的に平坦な表面を有すること
によって、電界放出型表示装置の輝度向上を図ることが
できる。
【0065】尚、実施の形態1の製造方法にて得られた
アノードパネルにおいては、反射膜24が隔壁21の側
面において支持された状態で設けられているので、電子
放出部15から射出され、反射膜24の衝突し、反射膜
24によって反射された電子が、他の蛍光体層に侵入し
難くなるといった効果も有する。
【0066】実施の形態1における製造方法では、中間
膜23を構成するラッカーの組成やその乾燥条件(乾燥
温度、乾燥時間)を調整して中間膜23の変形特性を適
切に制御することにより、中間膜23と隔壁21とを接
触させた後、隔壁21の形状に沿って中間膜23を変形
させることができる。それ故、図5の(D)に示したよ
うに、蛍光体層22の上方に位置する中間膜23の部分
が、平坦な表面状態を維持しつつ、自重により蛍光体層
22から所定の間隔を隔てた状態まで落ち込む。このよ
うにして、中間膜23の破損等を回避しつつ、図5の
(D)に示したような構造的特徴を有する中間膜23を
安定して形成することができる。
【0067】尚、このような構造的特徴を有する中間膜
23を形成するための他の形成手法として、例えば、
[工程−110]の後、各蛍光体層22上に、可燃性樹
脂材料層28を、その表面が平坦になるように形成し
(図67の(A)参照)、続いて、全体を覆うように反
射膜24を形成する(図67の(B)参照)手法が考え
られる。可燃性樹脂材料層28は、例えば、PVA等に
ADC(重クロム酸アンモニウム)を添加した材料から
成り、中間膜23と同様に燃焼させることにより焼失さ
せることが可能である。しかしながら、このような手法
を用いた場合、可燃性樹脂材料層28の燃焼により多量
のガスが発生し、このガスの膨張作用により反射膜24
が延びて浮いたり、破れてしまう。反射膜24の破損等
は不要な放電現象等を誘発し、電界放出型表示装置の故
障の要因となる。これに対して、実施の形態1において
は、多量のガスを発生させる可燃性樹脂材料層28を用
いることなく、中間膜23を形成するので、中間膜23
の焼成工程において反射膜24等が悪影響を受けること
がない。尚、焼成工程において中間膜23の燃焼ガスや
水蒸気等が生じるが、これらの発生量は可燃性樹脂材料
層28の燃焼により生じるガスの発生量に比べれば僅か
であるため、反射膜24に破損等は生じない。
【0068】特に、実施の形態1では、ラッカーの組成
やその乾燥条件(乾燥温度、乾燥時間等)を調整するこ
とにより、中間膜23の変形特性を利用して、蛍光体層
22の上方に位置する中間膜23の部分と蛍光体層22
との間の距離を制御することができる。これにより、蛍
光体層22の上方に位置する反射膜24の部分と蛍光体
層22との間の距離Dを高い自由度で設定することがで
きる。
【0069】電界放出型表示装置から成る表示装置にお
けるアノードパネルあるいは表示用パネルにおける隔壁
21、スペーサ25及び蛍光体層22の配置の変形例
を、図11の配置図に模式的に示す。この例において
は、隔壁21の平面形状は、略矩形の蛍光体層22の対
向する二辺と平行に延びる帯状形状(ストライプ形状)
を有する。尚、蛍光体層22を、図11の上下方向に延
びるストライプ状とすることもできる。
【0070】電界放出型表示装置から成る表示装置にお
けるアノードパネルあるいは表示用パネルの変形例の模
式的な一部端面図を、図12の(A)、(B)、図13
の(A)、(B)に示す。
【0071】図12の(A)に示す例においては、反射
膜24は、隔壁21の頂面において支持された状態で設
けられている。このような反射膜24は、[工程−13
0]において、中間膜23が比較的変形し難くなるよう
に、ラッカーの組成等を調整すると共に、中間膜23の
乾燥時、基板20を傾けないようにすることで得ること
ができる。基板20を傾けない場合には、隔壁21によ
って囲まれた基板20の部分20Aに満たされた液体が
排出されずに残存し、この液体の存在により中間膜23
の変形が抑制される。即ち、基板20の傾き角度αもま
た、中間膜23の変形特性を決定する因子である。ある
いは又、このような反射膜24は、後述する実施の形態
2の製造方法にて製造することができる。
【0072】図12の(B)及び図13の(A)に示す
例においては、図3及び図12の(A)に示した構造
に、更に、蛍光体層22の上方であって反射膜24の下
方の隔壁21の間に、隔壁21に支持された状態で設け
られた第2の反射膜26を更に備えている。このような
構造は、例えば、実施の形態1の製造方法の[工程−1
00]〜[工程−150]を実行した後、再び、[工程
−120]〜[工程−150]を実行することによっ
て、あるいは又、実施の形態1の製造方法の[工程−1
00]〜[工程−110]を実行した後、従来の製造方
法の[工程−30]、[工程−40]を実行し、更に、
実施の形態1の製造方法の[工程−120]〜[工程−
150]を実行することによって得ることができる。あ
るいは又、実施の形態1の製造方法の[工程−100]
〜[工程−150]を実行した後、後述する実施の形態
2の製造方法を実行することによって、あるいは又、実
施の形態1の製造方法の[工程−100]〜[工程−1
10]を実行した後、従来の製造方法の[工程−3
0]、[工程−40]を実行し、更に、実施の形態2の
製造方法を実行することによって得ることができる。
【0073】図13の(B)に示す例においては、蛍光
体層22と基板20との間に、反射膜24とは別に、ア
ノード電極27が形成されている。このような構造のア
ノードパネルは、実施の形態1の製造方法の[工程−1
00]において、隔壁21を形成する前に、基板20上
にアノード電極27を予め形成しておけばよい。隔壁2
1の形状に依っては、隔壁21の形成後にアノード電極
27を形成してもよい。尚、このような構造のアノード
パネルは、図12の(A)、(B)、図13の(A)に
て説明したアノードパネルに対しても適用することがで
きる。
【0074】ところで、以下に説明する各種の構成を有
するアノードパネルを想定して、後方散乱電子がスペー
サ等に与える悪影響を低減できる効果とその理由を以下
に説明する。そのために、電子散乱シミュレーションを
行った。尚、電子散乱シミュレーションにおいては10
万個の電子が入射するとし、(Bethe)の式("Practica
l Scanning Electron MIcroscopy", J.I. Goldstein an
d H. Yakowitz, pp 50, Pleum Press, New York (1975)
参照 )に基づきモンテカルロシミュレーションを行っ
た。即ち、或るエネルギー及び入射角で入射した電子
は、以下に説明する各層中で原子との衝突による散乱で
方向を変えながら、固有のエネルギーの減衰を経て、或
る一定の電子エネルギー値まで減衰したときに層内に止
まるという過程を計算した。
【0075】図14の(A)及び図15の(A)には、
厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜に入射角0
度で入射した電子の挙動を示す。また、図14の(B)
及び図15の(B)には、厚さ70nmのアルミニウム
から成る反射膜及びその下方にZnS層から成る蛍光体
層が存在する場合に、反射膜に入射角0度で入射した電
子の挙動を示す。更には、図14の(C)及び図15の
(C)には、ZnS層に入射角0度で入射した電子の挙
動を示す。尚、図14及び図15は一種の棒グラフであ
り、図14中、縦軸は、電子1つ当たり、電子がエネル
ギー減衰によって各層に残していく蓄積エネルギーの1
電子当たりの平均を絶対値で示し、図15中、縦軸は百
分率で示す。
【0076】ここで、図14の(A)及び図15の
(A)の棒グラフにおいて、最も上に位置する白抜きの
部分は、反射膜を透過する電子を示し、中間に位置する
黒い部分は反射膜にて反射された電子を示し、最も下に
位置する灰色の部分は反射膜に吸収される電子を示す。
また、図14の(B)及び図15の(B)の棒グラフに
おいて、最も上に位置する白抜きの部分はシミュレーシ
ョンにおいて生じた誤差を示し、その下に位置する黒い
部分は反射膜にて反射された電子を示し、その下に位置
する灰色の部分は反射膜に吸収される電子を示し、最も
下に位置する白抜きの部分はZnS層に吸収される電子
を示す。更には、図14の(C)及び図15の(C)の
棒グラフにおいて、最も上に位置する白抜きの部分はシ
ミュレーションにおいて生じた誤差を示し、その下に位
置する黒い部分は反射膜にて反射された電子を示し、そ
の下に位置する白抜きの部分はZnS層に吸収される電
子を示す。
【0077】図16の(A)には、厚さ70nmのアル
ミニウムから成る反射膜及びその下方にZnS層が存在
する場合に、反射膜に入射角0度で入射した電子であっ
て、反射膜によって反射される(即ち、後方散乱され
る)電子の有するエネルギー分布を示す。また、図16
の(B)には、ZnS層に入射角0度で入射した電子で
あって、ZnS層によって反射される(即ち、後方散乱
される)電子の有するエネルギー分布を示す。更には、
図17の(A)には、厚さ70nmのアルミニウムから
成る反射膜及びその下方にZnS層が存在する場合に、
反射膜に入射角0度で入射した電子であって、反射膜に
よって反射される(即ち、後方散乱される)電子の後方
散乱角度分布を示す。また、図17の(B)には、Zn
S層に入射角0度で入射した電子であって、ZnS層に
よって反射される(即ち、後方散乱される)電子の後方
散乱角度分布を示す。ここで、図17中、「HV」は、
電子の加速電圧を意味する。また、図17の縦軸及び横
軸は、原点からグラフ上の点を結んだ長さが、入射電子
総数に対してその方向に後方散乱する電子個数の割合を
示すような数値を示す。全体の広がりが大きければ、入
射電子総数に対する後方散乱電子個数の割合が大きい。
【0078】図18の(A)、(B)、(C)には、3
0nm、50nm、70nm、100nm、150nm
の厚さを有するアルミニウムから成る反射膜に、加速電
圧6キロボルト、8キロボルト、10キロボルトの電子
を入射角0度で入射させたとき、反射膜を透過してきた
電子の有するエネルギーをヒストグラムで表す。尚、図
18の(A)において、エネルギー約4.95eVの所
に認められる小さなピークは、厚さ150nmの反射膜
を透過してきた電子の有するエネルギーをヒストグラム
であり、エネルギー約5.35eVの所に認められるピ
ークは、厚さ100nmの反射膜を透過してきた電子の
有するエネルギーをヒストグラムであり、エネルギー約
5.5eVの所に認められるピークは、厚さ70nmの
反射膜を透過してきた電子の有するエネルギーをヒスト
グラムであり、エネルギー約5.7eVの所に認められ
るピークは、厚さ50nmの反射膜を透過してきた電子
の有するエネルギーをヒストグラムであり、エネルギー
約5.8eVの所に認められるピークは、厚さ30nm
の反射膜を透過してきた電子の有するエネルギーをヒス
トグラムである。図18の(B)及び図18の(C)に
おいて、最も低いエネルギーの値において現れるピーク
は、厚さ150nmの反射膜を透過してきた電子の有す
るエネルギーをヒストグラムである。
【0079】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射
膜に、入射角を0度、15度、30度、45度、60
度、75度の6通り、電子の加速電圧を1キロボルト、
4キロボルト、8キロボルトの3通りで変化させたとき
の、入射電子1つ当たりの反射膜に蓄積されるエネルギ
ー平均値、後方散乱電子のエネルギー平均値、その他失
われたエネルギーの絶対値を図19の(A)及び
(B)、図20の(A)及び(B)、図21の(A)及
び(B)に示し、それらの百分率を、図22の(A)及
び(B)、図23の(A)及び(B)、図24の(A)
及び(B)に示す。尚、図19〜図24の各棒グラフは
3つの部分から構成されているが、最も上の部分は、ア
ルミニウムから成る反射膜を透過する電子のエネルギ
ー、真中の部分は後方散乱される電子のエネルギー、最
も下の部分はそのた失われた電子のエネルギーを表す。
【0080】シミュレーションの結果を纏めると、以下
の通りとなる。
【0081】[結果−1]図14の(B)、図15の
(B)と、図14の(C)、図15の(C)とを比較す
ると、特に、ZnS層において、低加速電圧側(例え
ば、加速電圧1キロボルト等)において、後方散乱エネ
ルギーの割合が高い。従って、蛍光体層表面における後
方散乱電子(カソードパネル側に向かって反跳する電
子)を、反射膜の存在によって効果的に遮蔽し得ること
が判る。
【0082】[結果−2]また、図14の(A)及び図
15の(A)の結果から、反射膜の厚さが70nmで
は、反射膜を透過する電子が非常に多く、しかも、後方
散乱電子(カソードパネル側に向かって反跳する電子)
が非常に少ないことが判る。そして、電子の加速電圧が
高くなるに従い、殆どの電子が反射膜を透過することが
判る。尚、加速電圧の値が小さい電子においては、電子
のエネルギーは反射膜によって殆どが吸収されてしま
い、反射膜を透過する電子の割合は低い。
【0083】[結果−3]図16から、電子の加速電圧
が如何なる値であっても、後方散乱電子のエネルギー値
は広範囲に広がっていることが判る。これは、たとえ、
高エネルギーの電子群が反射膜に入射したとしても、後
方散乱電子の有するエネルギーのピークは、反射膜への
入射時のエネルギーよりも低くなっていることを示して
いる。
【0084】[結果−4]図17から、後方散乱された
電子は様々な角度分布を持って散乱することが判る。
【0085】[結果−5]また、図16の(A)と
(B)とを比較すると、低加速電圧の場合、Al/Zn
S層と比べて、ZnS層によって電子は遙かに大きな平
均エネルギー値を持って後方散乱することが判る。但
し、加速電圧の値が大きくなると、後方散乱電子の平均
エネルギー値は急激に下がる。
【0086】[結果−6]図18から、反射膜に入射し
た電子は、約0.5keVのエネルギーを減少しただけ
で、反射膜を透過することが判る。特に、加速電圧6キ
ロボルト以上にあっては、反射膜の厚さが150nmの
場合、反射膜に入射した電子の90%以上は、反射膜へ
の入射時のエネルギーよりも2keV程度以下しかエネ
ルギーは減少しない。
【0087】[結果−7]図19〜図24から、反射膜
への入射角が大きくなる程、後方散乱電子の割合が高く
なり、反射膜を透過する電子の割合が小さくなることが
判る。
【0088】以上のシミュレーションの結果から、本発
明の効果は、以下のように説明される。
【0089】蛍光体層を励起するために電子線源から射
出された電子は、反射膜に入射する。[結果−2]及び
[結果−6]から明らかなように、高電圧で加速、エネ
ルギー値の揃った電子群の殆どは、反射膜を透過し、蛍
光体層22に入射する。反射膜の存在は、[結果−1]
から明らかなように、蛍光体層22で反跳された(後方
散乱された)電子を遮蔽するといった重要な役割を果た
す。ここで、蛍光体層22からの後方散乱電子の物理的
性質を考えれば、たとえ電子が蛍光体層に垂直に入射し
たとしても、[結果−4]から明らかなように、後方散
乱電子は様々な角度分布を持って散乱する。中には、入
射してきた方向と180度の後方に(即ち、蛍光体層の
表面から垂直に)反跳する電子もあるが、その多くは、
斜めに散乱する。[結果−3]から明らかなように、後
方散乱電子の多くは、反射膜24及び蛍光体層22の内
部でエネルギーを失った後、反射膜24及び蛍光体層2
2から出てくるので、入射エネルギー値以下のエネルギ
ー値しか有しておらず、たとえ、加速電圧が8キロボル
トのような高電圧であっても、後方散乱電子の有するエ
ネルギー値はその半分にも満たない場合もある。[結果
−6]及び[結果−7]から明らかなように、蛍光体層
22の表面において後方散乱し(反跳し)、入射時より
も低いエネルギー側にシフトし、更に、反射膜24に対
して斜めに入射する(即ち、入射角が0度ではない)一
部の電子は、その多くが反射膜24によって吸収される
か、あるいは又、蛍光体層側に散乱される。
【0090】以上の結果として、実施の形態1の構造を
有するアノードパネルAPにおいては、電子線源から射
出され、反射膜24を一旦透過した電子は、反射膜24
から電子線源側に再び射出される確率が小さく、所謂、
スペーサの可視性という現象を効果的に抑制することが
できる。尚、以上の結果から、反射膜24は、蛍光体層
22に入射する高速に加速された電子の殆どを透過させ
る厚さを有することが好ましく、具体的には、反射膜2
4の厚さは、30nm乃至150nmであることが好ま
しい。あるいは又、反射膜24は、蛍光体層22から反
跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出された二
次電子を蛍光体層22に向かって反射させ、あるいは
又、これらの電子を反射膜24にて吸収するような厚さ
であることが好ましい。
【0091】(実施の形態2)実施の形態2は、本発明
の表示用パネル及び表示装置、並びに、本発明の第2の
態様に係るこれらの製造方法に関し、より具体的には、
電界放出型表示装置、及び、電界放出型表示装置を構成
する表示用パネル、並びに、これらの製造方法に関す
る。
【0092】実施の形態2においては、図12の(A)
に示した構造のアノードパネルを製造することができ
る。以下、実施の形態2の製造方法を説明する。
【0093】[工程−200]先ず、実施の形態1の
[工程−100]、[工程−110]と同様にして、基
板20上に、隔壁21及び蛍光体層22を形成する。
【0094】[工程−210]例えば、裏打ちされたア
ルミニウム箔のロールを準備する。そして、例えば、ロ
ールコーターを用いて、隔壁21の頂面に接着剤を塗布
し、次いで、ゴムローラーを用いてアルミニウム箔を隔
壁の頂面に圧着した後、接着剤を硬化させる。これによ
って、隔壁21の頂面に、実質的に平坦な表面を有す
る、即ち、概ね鏡面を有する反射膜24を貼り合わせる
ことができる。尚、接着剤として、硬化後に真空雰囲気
中に置かれたとき、ガス放出の無い、あるいは少ない接
着剤を選定することが好ましい。
【0095】(実施の形態3)以下、各種の電界放出素
子について説明する。
【0096】電界放出素子は、以下の3つの範疇に分類
することができる。即ち、第1の構造の電界放出素子
は、(イ)支持体と、(ロ)支持体上に設けられたスト
ライプ状のカソード電極と、(ハ)支持体及びカソード
電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けら
れたストライプ状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を
貫通した開口部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通
した孔部と、(ヘ)孔部の底部に位置するカソード電極
の部分の上に設けられた電子放出部、から成り、孔部の
底部に露出した電子放出部から電子が放出される構造を
有する。
【0097】このような第1の構造を有する電界放出素
子として、スピント型(円錐形の電子放出部が、孔部の
底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられた電
界放出素子)、クラウン型(王冠状の電子放出部が、孔
部の底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられ
た電界放出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が、孔
部の底部に位置するカソード電極の部分の上に設けられ
た電界放出素子)を挙げることができる。
【0098】第2の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体と、(ロ)支持体上に設けられたストライプ状のカソ
ード電極と、(ハ)支持体及びカソード電極上に形成さ
れた絶縁層と、(ニ)絶縁層上に設けられたストライプ
状のゲート電極と、(ホ)ゲート電極を貫通した開口
部、及び、絶縁層を貫通し、開口部と連通し、底部にカ
ソード電極が露出した孔部、から成り、孔部の底部に露
出したカソード電極の部分が電子放出部に相当し、かか
る孔部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を
放出する構造を有する。
【0099】このような第2の構造を有する電界放出素
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子、凹凸が形成されたカソード電極
の表面の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素
子を挙げることができる。
【0100】第3の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体と、(ロ)支持体の上方に設けられ、エッジ部を有す
るストライプ状のカソード電極と、(ハ)少なくともカ
ソード電極上に形成された絶縁層と、(ニ)絶縁層上に
設けられたストライプ状のゲート電極と、(ホ)少なく
とも、ゲート電極を貫通した開口部、及び、絶縁層を貫
通し、開口部と連通した孔部、から成り、孔部の底部若
しくは側壁に露出したカソード電極のエッジ部が電子放
出部に相当し、孔部の底部若しくは側壁に露出したカソ
ード電極のエッジ部から電子を放出する構造を有する。
このような構造を有する電界放出素子はエッジ型電界放
出素子とも呼ばれる。
【0101】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、蒸着法やスパッタリング法、CVD法によって形
成することができる。
【0102】クラウン型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム錫酸化物)等
の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電界放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、蒸着法、スパッタリング法に
よって形成することができる。
【0103】扁平型電界放出素子にあっては、電子放出
部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料
よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ま
しく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を
構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極と
の間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等
に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソ
ード電極を構成する代表的な材料として、タングステン
(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.8
7eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95e
V)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=
4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム
(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9eV)を例
示することができる。電子放出部は、これらの材料より
も小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その
値は概ね3eV以下であることが好ましい。かかる材料
として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14
eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、B
aO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.2
5〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO
(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05
eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=
2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが
2eV以下である材料から電子放出部を構成すること
が、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、
必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0104】特に好ましい電子放出部の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンド、中でもアモル
ファスダイヤモンドを挙げることができる。電子放出部
をアモルファスダイヤモンドから構成する場合、5×1
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出
電子電流密度を得ることができる。また、アモルファス
ダイヤモンドは電気抵抗体であるため、各電子放出部か
ら得られる放出電子電流を均一化することができ、よっ
て、表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制
が可能となる。更に、アモルファスダイヤモンドは、表
示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対し
て極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命
化を図ることができる。
【0105】あるいは又、電子放出部を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0106】第2の構造を有する電界放出素子(平面型
電界放出素子あるいはクレータ型電界放出素子)、若し
くは第3の構造を有する電界放出素子(エッジ型電界放
出素子)にあっては、電子放出部に相当するカソード電
極を構成する材料として、タングステン(W)やタンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属、
あるいはこれらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化
物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等の
シリサイド)、あるいはダイヤモンド等の半導体、炭素
薄膜を例示することができる。かかるカソード電極の厚
さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好ましくは0.
1〜0.3μmの範囲とすることが望ましいが、かかる
範囲に限定するものではない。カソード電極の形成方法
として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着
法といった蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオ
ンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリ
ーン印刷法、メッキ法等を挙げることができる。スクリ
ーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ストライプ状の
カソード電極を形成することが可能である。
【0107】あるいは又、第2の構造(平面型電界放出
素子あるいはクレータ型電界放出素子)、第3の構造を
有する電界放出素子(エッジ型電界放出素子)、あるい
は、扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有する電
界放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
【0108】また、スピント型電界放出素子やクラウン
型電界放出素子から成る第1の構造を有する電界放出素
子にあっては、カソード電極を構成する材料として、タ
ングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(T
a)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)等の金属、これらの金属元素
を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド)、あるいはシリコン(Si)等の半導体、I
TO(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
カソード電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着
法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリ
ング法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチン
グ法との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げ
ることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれ
ば、直接、ストライプ状のカソード電極を形成すること
が可能である。
【0109】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つ
の開口部及び孔部内に1つの電子放出部が存在してもよ
いし、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つの開口部
及び孔部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲ
ート電極に複数の開口部を設け、かかる開口部と連通す
る1つの孔部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つ
の孔部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
【0110】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当している場
合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部
に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体
層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を
構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)と
いったカーボン系材料、SiN、アモルファスシリコン
等の半導体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タ
ンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示する
ことができる。抵抗体層の形成方法として、スパッタリ
ング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示すること
ができる。抵抗値は、概ね1×10 5〜1×107Ω、好
ましくは数MΩとすればよい。
【0111】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属、これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド)、あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム錫酸化物)を例示することができる。
【0112】絶縁層の構成材料として、SiO2、Si
N、SiON、SOG(スピンオングラス)を、単独あ
るいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層
の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、ス
クリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
【0113】以下、各種の電界放出素子及びその製造方
法を説明する。
【0114】[スピント型電界放出素子]図26の
(B)に示す電界放出素子は、円錐形の電子放出部15
を有する所謂スピント型電界放出素子である。スピント
型電界放出素子は、支持体10と、支持体10上に設け
られたストライプ状のカソード電極11と、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶
縁層12上に設けられたストライプ状のゲート電極13
と、ゲート電極13を貫通した開口部、及び、絶縁層1
2を貫通し、開口部と連通した孔部と、孔部の底部に位
置するカソード電極11の部分の上に設けられた円錐状
の電子放出部15から成り、孔部の底部に露出した電子
放出部15から電子が放出される構造を有する。このス
ピント型電界放出素子の製造方法の概要を、以下、支持
体等の模式的な一部端面図である図25及び図26を参
照して説明する。
【0115】[工程−A1]先ず、例えばガラスから成
る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライプ状
のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2から
成る絶縁層12を形成し、更に、ストライプ状のゲート
電極13を絶縁層12上に形成する。ゲート電極13の
形成は、例えば、スパッタリング法、リソグラフィ技術
及びドライエッチング技術に基づき行うことができる。
【0116】[工程−A2]次に、ゲート電極13及び
絶縁層12に、エッチング用マスクとして機能するレジ
スト層16をリソグラフィ技術によって形成する(図2
5の(A)参照)。その後、RIE(反応性イオン・エ
ッチング)法にてゲート電極13に開口部を形成し、更
に、絶縁層12に孔部を形成する。尚、以下の説明にお
いて、特に断りのない限り、開口部及び孔部を総称して
開口部14と表現する。開口部14(孔部)の底部にカ
ソード電極11が露出している。その後、レジスト層1
6をアッシング技術によって除去する。こうして、図2
5の(B)に示す構造を得ることができる。
【0117】[工程−A3]次に、開口部14の底部に
露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形成
する。具体的には、アルミニウムを斜め蒸着することに
より、剥離層17を形成する。このとき、支持体10の
法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択する
ことにより、開口部14の底部にアルミニウムを殆ど堆
積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12上に
剥離層17を形成することができる。この剥離層17
は、開口部14の開口端部から庇状に張り出しており、
これにより開口部14が実質的に縮径される(図25の
(C)参照)。
【0118】[工程−A4]次に、全面に例えばモリブ
デン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図26の
(A)に示すように、剥離層17上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電材料層18が成長す
るに伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小され
るので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着
粒子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに
限られるようになる。その結果、開口部14の底部には
円錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンか
ら成る堆積物が電子放出部15となる。
【0119】[工程−A5]その後、電気化学的プロセ
ス及び湿式プロセスによって剥離層17を絶縁層12及
びゲート電極13の表面から剥離し、絶縁層12及びゲ
ート電極13の上方の導電材料層18を選択的に除去す
る。その結果、図26の(B)に示すように、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11上に円錐形の電子
放出部15を残すことができる。その後、絶縁層12を
等方的にエッチングし、ゲート電極13の開口部端部を
露出させることが好ましい。等方的なエッチングは、典
型的には、ウェットエッチング、あるいはラジカルが主
エッチング種となるドライエッチング条件下で行うこと
ができる。
【0120】[クラウン型電界放出素子]クラウン型電
界放出素子から成る電界放出素子の模式的な一部端面図
を図28の(A)に示し、一部を切り欠いた模式的な斜
視図を図28の(B)に示す。クラウン型電界放出素子
は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支
持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層1
2と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲ
ート電極13及び絶縁層12を貫通した開口部14と、
開口部14(孔部)の底部に位置するカソード電極11
の部分の上に設けられたクラウン(王冠)型の電子放出
部15Aから構成されている。
【0121】以下、クラウン型電界放出素子の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図等である図27〜図
28を参照して説明する。
【0122】[工程−B1]先ず、例えばガラスから成
る支持体10上に、ストライプのカソード電極11を形
成する。尚、カソード電極11は、図面の紙面左右方向
に延びている。ストライプ状のカソード電極11は、例
えば支持体10上にITO膜をスパッタリング法により
約0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、ITO
膜をパターニングすることによって形成することができ
る。カソード電極11は、単一の材料層であってもよ
く、複数の材料層を積層することによって構成すること
もできる。例えば、後の工程で形成される各電子放出部
の電子放出特性のばらつきを抑制するために、カソード
電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い材料で
構成することができる。尚、このようなカソード電極の
構成を、他の電界放出素子のカソード電極に適用するこ
とができる。次に、支持体10及びカソード電極11上
に絶縁層12を形成する。ここでは、一例としてガラス
ペーストを全面に約3μmの厚さにスクリーン印刷す
る。次に、絶縁層12に含まれる水分や溶剤を除去し、
且つ、絶縁層12を平坦化するために、例えば100゜
C、10分間の仮焼成、及び500゜C、20分間の本
焼成といった2段階の焼成を行う。尚、上述のようなガ
ラスペーストを用いたスクリーン印刷に替えて、例えば
プラズマCVD法によりSiO2膜を形成してもよい。
【0123】次に、絶縁層12上に、ストライプ状のゲ
ート電極13を形成する。尚、ゲート電極13は、図面
の紙面垂直方向に延びている。即ち、ゲート電極13の
射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極1
1の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0124】[工程−B2]次に、[工程−A2]と同
様にして、ゲート電極13及び絶縁層12をRIE法に
基づきエッチングし、ゲート電極13及び絶縁層12に
開口部14を形成し、開口部14(孔部)の底部にカソ
ード電極11を露出させる。開口部14の直径を約2〜
50μmとする。
【0125】[工程−B3]次に、ゲート電極13上、
絶縁層12上、及び開口部14の側壁面上に剥離層51
を形成する(図27の(A)参照)。かかる剥離層51
を形成するには、例えば、フォトレジスト材料をスピン
コーティング法により全面に塗布し、開口部14の底部
の一部分のみを除去するようなパターニングを行う。こ
の時点で、開口部14の実質的な直径は、約1〜20μ
mに縮径される。
【0126】[工程−B4]次に、図27の(B)に示
すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層5
2を形成する。ここで使用する組成物原料は、例えば、
導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子を6
0重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重量%
含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、10
秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14内に
おける導電性組成物層52の表面は、組成物原料の表面
張力に起因して、開口部14の側壁面に沿って迫り上が
り、開口部14の中央部に向かって窪む。その後、導電
性組成物層52に含まれる水分を除去するための仮焼成
を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0127】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層51との親和性、開口部14のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0128】バインダは一般に導電性に劣るので、導電
性組成物中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含
有量が多過ぎると、形成される電子放出部15Aの電気
抵抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞が
ある。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカ
ーボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にと
ると、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子
の割合は、電子放出部15Aの電気抵抗値、組成物原料
の粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概
ね30〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。
カーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択するこ
とにより、形成される電子放出部15Aの電気抵抗値を
十分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性
を良好に保つことが可能となる。但し、導電性粒子とし
てカーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた
場合には、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向があ
るので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料
粒子の割合を高めることが好ましく、60重量%以上と
することが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性
粒子の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調
整剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれてい
てもよい。尚、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜
で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成
物原料を用いてもよい。
【0129】一例として、王冠状の電子放出部15Aの
直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボ
ン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒
径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15Aの縁部に十分に
高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対
する電子放出部15Aの密着性が良好となる。
【0130】[工程−B5]次に、図27の(C)に示
すように、剥離層51を除去する。剥離は、2重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することに
より行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を行
ってもよい。これにより、剥離層51と共に剥離層51
上の導電性組成物層52の部分が除去され、開口部14
(孔部)の底部に露出したカソード電極11上の導電性
組成物層52の部分のみが残される。この残存した部分
が電子放出部15Aとなる。電子放出部15Aの形状
は、表面が開口部14の中央部に向かって窪み、王冠状
となる。[工程−B5]が終了した時点における状態
を、図28に示す。図28の(B)は、電界放出素子の
一部を示す模式的な斜視図であり、図28の(A)は図
28の(B)の線A−Aに沿った模式的な一部端面図で
ある。図28の(B)では、電子放出部15Aの全体が
見えるように、絶縁層12とゲート電極13との一部を
切り欠いている。尚、1つの電子放出領域には、5〜1
00個程度の電子放出部15Aを設けることで十分であ
る。尚、導電性粒子が電子放出部15Aの表面に確実に
露出するように、電子放出部15Aの表面に露出したバ
インダをエッチングによって除去してもよい。
【0131】[工程−B6]次に、電子放出部15Aの
焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30分
間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含まれ
るバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、バ
インダが水ガラスのような無機材料である場合には、無
機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイン
ダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬化
し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子同
士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解し
たり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適で
ある。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温度
は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や欠陥が
生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、ゲー
ト電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によって上昇
したり、あるいはゲート電極やカソード電極に欠陥や損
傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲気とする
ことが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹脂を使
用した場合には、熱処理を必要としない場合がある。
【0132】[扁平型電界放出素子−1]扁平型電界放
出素子−1から成る電界放出素子の模式的な一部断面図
を、図29の(C)に示す。扁平型電界放出素子−1
は、例えばガラスから成る支持体10上に形成されたカ
ソード電極11、支持体10及びカソード電極11上に
形成された絶縁層12、絶縁層12上に形成されたゲー
ト電極13、ゲート電極13及び絶縁層12を貫通した
開口部14、並びに、開口部14(孔部)の底部に位置
するカソード電極11の部分の上に設けられた扁平の電
子放出部15Bから成る。ここで、電子放出部15B
は、図29の(C)の紙面垂直方向に延びたストライプ
状のカソード電極11上に形成されている。また、ゲー
ト電極13は、図29の(C)の紙面左右方向に延びて
いる。カソード電極11及びゲート電極13はクロム
(Cr)から成る。電子放出部15Bは、具体的には、
グラファイト粉末から成る薄層から構成されている。ま
た、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化
のために、カソード電極11と電子放出部15Bとの間
にSiCから成る抵抗体層60が設けられている。図2
9の(C)に示した扁平型電界放出素子−1において
は、カソード電極11の表面の全域に亙って、抵抗体層
60及び電子放出部15Bが形成されているが、このよ
うな構造に限定するものではなく、要は、少なくとも開
口部14の底部に電子放出部15Bが設けられていれば
よい。
【0133】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図29を参照して、扁平型電界放出素子−1の製造方
法を説明する。
【0134】[工程−C1]先ず、支持体10上に、ク
ロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパ
ッタリング法にて形成した後、リソグラフィ技術及びド
ライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層
をパターニングする。これによって、ストライプ状のカ
ソード電極11を支持体10上に形成することができる
(図29の(A)参照)。尚、カソード電極11は、図
29の紙面垂直方向に延びている。
【0135】[工程−C2]次に、カソード電極11上
に、電子放出部15Bを形成する。具体的には、先ず、
全面にスパッタリング法にてSiCから成る抵抗体層6
0を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグラファイト
粉末塗料から成る電子放出部15Bをスピンコーティン
グ法にて形成し、電子放出部15Bを乾燥させる。その
後、電子放出部15B及び抵抗体層60を公知の方法に
基づきパターニングする(図29の(B)参照)。電子
放出部15Bから電子が放出される。
【0136】[工程−C3]次に、全面に絶縁層12を
形成する。具体的には、電子放出部15B及び支持体1
0上に、例えば、スパッタリング法にてSiO2から成
る絶縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラスペ
ーストをスクリーン印刷する方法や、SiO 2層をCV
D法にて形成する方法に基づき形成することもできる。
その後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層12上
に形成する。
【0137】[工程−C4]次に、[工程−A2]と同
様の方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12に開
口部14を形成し、開口部14(孔部)の底部に電子放
出部15Bを露出させる。その後、電子放出部15B中
の有機溶剤を除去するために、400゜C、30分の熱
処理を施す。その後、絶縁層12を等方的にエッチング
し、ゲート電極13の開口部端部を露出させることが好
ましい。こうして、図29の(C)に示した電界放出素
子−1を得ることができる。
【0138】[扁平型電界放出素子−2]扁平型電界放
出素子−2の模式的な一部断面図を、図30の(C)に
示す。図30の(C)に示す扁平型電界放出素子−2に
おいては、電子放出部15Bの構造が、図29の(C)
に示した扁平型電界放出素子−1と若干異なっている。
以下、支持体等の模式的な一部断面図である図30を参
照して、かかる扁平型電界放出素子−2の製造方法を説
明する。
【0139】[工程−D1]先ず、支持体10上にカソ
ード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持体
10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を
除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成す
る。更に、全面にスパッタリング法にてSiCから成る
抵抗体層60を形成し、次いで、抵抗体層60の上にグ
ラファイト粉末塗料層をスピンコーティング法にて形成
し、グラファイト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥
離液を用いてレジスト材料層を除去すると、レジスト材
料層上に形成されたカソード電極用導電材料層、抵抗体
層60及びグラファイト粉末塗料層も除去される。こう
して、所謂リフトオフ法に基づき、カソード電極11、
抵抗体層60及び電子放出部15B(電子放出層)が積
層された構造を得ることができる(図30の(A)参
照)。
【0140】[工程−D2]次に、全面に絶縁層12を
形成した後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極
13を形成する(図30の(B)参照)。その後、[工
程−A2]と同様の方法に基づき、ゲート電極13及び
絶縁層12に開口部14を形成することによって、開口
部14(孔部)の底部に電子放出部15Bを露出させる
(図30の(C)参照)。その後、絶縁層12を等方的
にエッチングし、ゲート電極13の開口部端部を露出さ
せることが好ましい。開口部14の底部に露出したカソ
ード電極11の表面に設けられた電子放出部15Bから
電子が放出される。
【0141】[扁平型電界放出素子−3]扁平型電界放
出素子の別の変形例の模式的な一部端面図を、図32の
(B)に示す。この扁平型電界放出素子−3において
は、電子放出部15Cは、CVD法に基づき形成された
炭素薄膜から構成されている。
【0142】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、106ボルト/m程度の強度を有する電界)中に置
かれた状態とすればよい。
【0143】ところで、レジスト材料をエッチング用マ
スクとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜
のような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、
エッチング反応系における反応副生成物として(C
x)系あるいは(CFx)系等の炭素系ポリマーが堆積
性物質として生成する。一般に、プラズマエッチングに
おいて堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、
この堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト材料の
側壁面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して
所謂側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工
によって得られる形状の達成に寄与する。しかしなが
ら、酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合に
は、炭素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成して
も、直ちに酸素ガスによって除去されてしまう。また、
酸素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、
レジスト材料の消耗も激しい。これらの理由により、従
来のダイヤモンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、
ダイヤモンド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が
大きく、異方性加工も困難な場合が多い。
【0144】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、この扁平型電
界放出素子−3の製造においては、支持体上にカソード
電極を形成した後、カソード電極の表面に炭素薄膜選択
成長領域を形成し、その後、炭素薄膜選択成長領域上に
炭素薄膜(電子放出部に相当する)を形成する。尚、カ
ソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成する工
程を、炭素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
【0145】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の
底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されて
いればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部
分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に
延在するように形成されていてもよい。また、炭素薄膜
選択成長領域は、開口部の底部に位置するカソード電極
の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成
されていてもよい。
【0146】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極の表面と呼ぶ場合がある)
に、金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成す
る工程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若し
くは、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分
から成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。
また、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄
膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜
選択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又は
リン(P)を付着させることが望ましく、これによっ
て、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができ
る。炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又
はリンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成
長領域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合
物層に施すことによって化合物層を構成する化合物を分
解させ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又
はリンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化
合物としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例
示することができる。ホウ素を含む化合物として、トリ
フェニルボロンを例示することができる。リンを含む化
合物として、トリフェニルフォスフィンを例示すること
ができる。
【0147】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極の表面に、金属粒子を付着させ、若しく
は、金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金
属薄膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去
することが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜
の表面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気
におけるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズ
マ法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴
プラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0148】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形
成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げる
ことができる。あるいは又、カソード電極の表面に金属
粒子を付着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適
切な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属
粒子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソー
ド電極の表面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱す
ることによって分解し、以て、表面に金属粒子が付着し
たカソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を
得る方法を挙げることができる。この場合、具体的に
は、溶媒と金属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成
長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形成し
た後、溶媒を除去し、金属化合物粒子を残す方法を例示
することができる。金属化合物粒子は、金属粒子を構成
する金属のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、塩化物、
臭化物等)、酸化物、水酸化物及び有機金属から成る群
から選択された少なくとも1種類の材料から成ることが
好ましい。尚、これらの方法においては、適切な段階
で、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を被覆した材料(例えば、マスク層)を
除去する。
【0149】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極の表面に金属薄膜を形成する方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解
メッキ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD
法(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD
法、Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を
挙げることができる。尚、物理的気相成長法として、
(a)電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着
等の各種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2
極スパッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグ
ネトロンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、
マグネトロンスパッタリング法、イオンビームスパッタ
リング法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタ
リング法、(d)DC(direct current)法、RF法、多
陰極法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレ
ーティング法、反応性イオンプレーティング法等の各種
イオンプレーティング法を挙げることができる。
【0150】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0151】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法、平行平板型CVD装置を用いたCVD法を
例示することができる。炭素薄膜の形態には、薄膜状は
もとより、炭素のウィスカー、炭素のナノチューブ(中
空及び中実を含む)が包含される。
【0152】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
【0153】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図31及び図32を参照して、扁平型電界放出素子−
3の製造方法の一例を説明する。
【0154】[工程−E1]先ず、例えばガラスから成
る支持体10上にカソード電極用導電材料層を形成し、
次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基づき
カソード電極用導電材料層をパターニングすることによ
って、ストライプ状のカソード電極11を支持体10上
に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、図面
の紙面左右方向に延びている。カソード電極11は、例
えばスパッタリング法により形成された厚さ約0.2μ
mのクロム(Cr)層から成る。
【0155】[工程−E2]その後、全面に、具体的に
は、支持体10上及びカソード電極11上に絶縁層12
を形成する。
【0156】[工程−E3]次いで、ストライプ状のゲ
ート電極13を絶縁層12上に形成した後、[工程−A
2]と同様の方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層
12に開口部14を形成し、開口部14(孔部)の底部
にカソード電極11を露出させる(図31の(A)参
照)。ストライプ状のゲート電極13は図面の紙面垂直
方向に延びている。開口部14の平面形状は、例えば直
径1μm〜30μmの円形である。開口部14を、例え
ば、1画素分の領域(電子放出領域)に1個〜3000
個程度形成すればよい。
【0157】[工程−E4]次に、開口部14の底部に
露出したカソード電極11上に、電子放出部15Cを形
成する。具体的には、先ず、開口部14の底部に位置す
るカソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域70
を形成する。そのために、先ず、開口部14の底部の中
央部にカソード電極11の表面が露出したマスク層71
を形成する(図31の(B)参照)。具体的には、レジ
スト材料層をスピンコーティング法にて開口部14内を
含む全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、開
口部14の底部の中央部に位置するレジスト材料層に孔
部を形成することによって、マスク層71を得ることが
できる。マスク層71は、開口部14の底部に位置する
カソード電極11の一部分、開口部14の側壁、ゲート
電極13及び絶縁層12を被覆している。これによっ
て、次の工程で、開口部14の底部の中央部に位置する
カソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
するが、カソード電極11とゲート電極13とが金属粒
子によって短絡することを確実に防止し得る。
【0158】次に、露出したカソード電極11の表面を
含むマスク層71上に、金属粒子を付着させる。具体的
には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液中
に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコール
を使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭
素薄膜選択成長領域70を形成すべきカソード電極11
の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。
その後、マスク層71を除去し、400゜C程度に加熱
することによって溶媒を除去し、露出したカソード電極
11の表面に金属粒子72を残すことで、炭素薄膜選択
成長領域70を得ることができる(図32の(A)参
照)。尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極1
1の表面に金属粒子72を固定させる機能(所謂、接着
機能)を有する。
【0159】[工程−E5]その後、炭素薄膜選択成長
領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜73を形成
し、電子放出部15Cを得る。この状態を図32の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜73の成膜条件を、以下の表1に例示する。
【0160】[表1] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0161】[平面型電界放出素子−1]平面型電界放
出素子−1の模式的な一部断面図を、図33の(C)に
示す。この平面型電界放出素子−1は、例えばガラスか
ら成る支持体10上に形成されたストライプ状のカソー
ド電極11、支持体10及びカソード電極11上に形成
された絶縁層12、絶縁層12上に形成されたストライ
プ状のゲート電極13、並びに、ゲート電極13及び絶
縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露出した
開口部14から成る。カソード電極11は、図33の
(C)の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図3
3の(C)の紙面左右方向に延びている。カソード電極
11はクロム(Cr)から成り、絶縁層12はSiO2
から成る。ここで、開口部14の底部に露出したカソー
ド電極11の部分が電子放出部15Dに相当する。
【0162】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図33を参照して、平面型電界放出素子−1の製造方
法を説明する。
【0163】[工程−F1]先ず、支持体10上に電子
放出部15Dとして機能するカソード電極11を形成す
る。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)から
成るカソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて
形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技
術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングす
る。これによって、ストライプ状のカソード電極11を
支持体10上に形成することができる(図33の(A)
参照)。尚、カソード電極11は、図33の紙面垂直方
向に延びている。
【0164】[工程−F2]次に、例えばCVD法にて
SiO2から成る絶縁層12を、支持体10及びカソー
ド電極11の上に形成する。尚、絶縁層12を、スクリ
ーン印刷法に基づきガラスペーストから形成することも
できる。
【0165】[工程−F3]その後、ストライプ状のゲ
ート電極13を絶縁層12上に形成する(図33の
(B)参照)。尚、ゲート電極13は、図33の紙面左
右方向に延びている。例えばスクリーン印刷法にて、ス
トライプ状のゲート電極13を絶縁層12上に、直接形
成することもできる。
【0166】[工程−F4]次に、[工程−A2]と同
様の方法に基づき、ゲート電極13及び絶縁層12に開
口部14を形成し、開口部14(孔部)の底部に電子放
出部15Dとして機能するカソード電極11を露出させ
る(図33の(C)参照)。その後、絶縁層12を等方
的にエッチングし、ゲート電極13の開口部端部を露出
させることが好ましい。
【0167】[平面型電界放出素子−2]図34の
(A)に模式的な一部断面図を示す平面型電界放出素子
−1の変形例である平面型電界放出素子−2が図33の
(C)に示した平面型電界放出素子−1と相違する点
は、開口部14の底部に露出したカソード電極11の表
面(電子放出部に相当する)に、微小凹凸部11Aが形
成されている点にある。このような平面型電界放出素子
−2は、以下の製造方法にて製造することができる。
【0168】[工程−G1]先ず、[工程−F1]〜
[工程−F3]と略同様にして、支持体10上にストラ
イプ状のカソード電極11を形成し、全面に絶縁層12
を形成した後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層
12上に形成する。即ち、例えばガラスから成る支持体
10の上に、スパッタリング法により厚さ約0.2μm
のタングステン層を成膜し、通常の手順に従って、この
タングステン層をストライプ状にパターニングし、カソ
ード電極11を形成する。次に、支持体10及びカソー
ド電極11上に絶縁層12を形成する。絶縁層12は、
TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして用
いるCVD法により形成することができる。更に、この
絶縁層12の上に、ゲート電極13を形成する。ここま
でのプロセスが終了した状態は、実質的に、図33の
(B)に示したと同様である。
【0169】[工程−G2]次に、[工程−F4]と同
様にして、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14
を形成し、開口部14の底部にカソード電極11を露出
させる。その後、開口部14の底部に露出したカソード
電極11の部分に、微小凹凸部11Aを形成する。微小
凹凸部11Aの形成に際しては、エッチングガスとして
SF6を用い、カソード電極11を構成するタングステ
ンの結晶粒と粒界との間でエッチング速度の差が大きく
なるような条件を設定してRIE法に基づくドライエッ
チングを行う。その結果、タングステンの結晶粒径をほ
ぼ反映した寸法を有する微小凹凸部11Aを形成するこ
とができる。
【0170】このような平面型電界放出素子−2の構成
においては、カソード電極11の微小凹凸部11A、よ
り具体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲート電極1
3から大きな電界が加わる。このとき凸部に集中する電
界は、カソード電極11の表面が平滑である場合に比べ
て大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電
子が効率良く放出される。従って、開口部14の底部に
単に平滑なカソード電極11が露出している平面型電界
放出素子−1に比べて、表示装置に組み込まれた場合の
輝度の向上が期待できる。それ故、図34の(A)に示
した平面型電界放出素子−2によれば、ゲート電極13
とカソード電極11との間の電位差が比較的小さくて
も、十分な放出電子電流密度を得ることができ、表示装
置の高輝度化が達成される。あるいは、同じ輝度を達成
するために必要なゲート電圧が低くて済み、以て、低消
費電力化を達成することが可能である。
【0171】尚、絶縁層12をエッチングすることによ
って孔部を形成し、しかる後に異方性エッチング技術に
基づきカソード電極11に微小凹凸部11Aを形成した
が、開口部14を形成するためのエッチングによって、
微小凹凸部11Aを同時に形成することも可能である。
即ち、絶縁層12をエッチングする際に、ある程度のイ
オンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチング条件
を採用し、垂直壁を有する開口部14が形成された後も
エッチングを継続することにより、開口部14の底部に
露出したカソード電極11の部分に微小凹凸部11Aを
形成することができる。その後、絶縁層12の等方性エ
ッチングを行えばよい。
【0172】また、[工程−G1]と同様の工程におい
て、支持体10上に、タングステンから成るカソード電
極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソ
ード電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソ
ード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形成
した後、[工程−F2]〜[工程−F4]と同様の工程
を実行することによって、図34の(A)に示したと同
様の電界放出素子を作製することもできる。
【0173】あるいは又、[工程−G1]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパター
ニングした後、[工程−F2]〜[工程−F4]と同様
の工程を実行することによって、図34の(A)に示し
たと同様の電界放出素子を作製することもできる。
【0174】図34の(B)には、図34の(A)に示
した電界放出素子の変形例を示す。図34の(B)に示
す電界放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電界放出素子を形成するには、[工程−G2]における
ドライエッチングの継続時間を延長すればよい。このよ
うな構成によれば、開口部14の中央部近傍の電界強度
を一層高めることができる。
【0175】図35には、電子放出部に相当するカソー
ド電極11の表面(より具体的には、少なくとも微小凹
凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている平面型
電界放出素子を示す。
【0176】この被覆層11Bは、カソード電極11を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極11を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
13とカソード電極11との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層11Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層11Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電
子電流密度を得ることができる。
【0177】被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げ
る場合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高
さ位置を絶縁層12の下面位置よりも下げることが、一
層好ましい。
【0178】具体的には、[工程−F2]の後、全面に
例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから成
る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11B
は、ゲート電極13及び絶縁層12の上に形成されたレ
ジスト層(図示せず)の上にも堆積するが、この堆積部
分はレジスト層の除去時、同時に除去される。原料ガス
として例えばCH4/H2混合ガスや、CO/H2混合ガ
スを使用したCVD法に基づき被覆層11Bを形成する
ことができ、それぞれ炭素を含む化合物の熱分解によっ
てアモルファスダイヤモンドから成る被覆層11Bが形
成される。
【0179】あるいは又、[工程−F1]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づ
きカソード電極用導電材料層をパターニングし、その
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工
程−F2]〜[工程−F4]と同様の工程を実行するこ
とによって、図35に示す電界放出素子を作製すること
もできる。
【0180】あるいは又、[工程−F1]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層
11B、カソード電極用導電材料層をパターニングした
後、[工程−F2]〜[工程−F4]と同様の工程を実
行することによって、図35に示す電界放出素子を作製
することもできる。
【0181】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0182】尚、図33の(C)に示した平面型電界放
出素子の電子放出部15D(カソード電極11の表面)
に被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−F
4]の後、開口部14の底部に露出したカソード電極1
1の表面に被覆層11Bを形成すればよく、あるいは
又、[工程−F1]において、例えば、支持体10上に
カソード電極用導電材料層を形成した後、カソード電極
用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次いで、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、これ
らの層をパターニングすればよい。
【0183】[クレータ型電界放出素子−1]クレータ
型電界放出素子−1の模式的な一部断面図を、図39の
(B)に示す。クレータ型電界放出素子−1は、電子を
放出する複数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに
囲まれた凹部111Bとを有するカソード電極111
が、支持体10上に備えられている。尚、絶縁層12及
びゲート電極13を取り除いた模式的な斜視図を図38
の(B)に示す。
【0184】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電界放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部111B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部111Bが略球面を成す場合、凹
部111Bを囲む隆起部111Aは円環状となり、この
場合の凹部111Bと隆起部111Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部111Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部111Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部111Aの先端部11
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部111Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部111Bは、凹部111Bの周方向に
沿って連続した隆起部111Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部111Bの周方向に沿って
不連続な隆起部111Aにより囲まれていてもよい。
【0185】このようなクレータ型電界放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極を支持体上に形成する
工程と、球体を除去することによって、球体を被覆した
カソード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複
数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の
一部を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する
工程、から成る。
【0186】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去は、必ずしも同時に起こらなくてもよ
い。例えば、球体を被覆するカソード電極の部分を除去
した後に球体の一部が残存している場合、残存した球体
の除去を後から行えばよい。
【0187】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球体を
例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソード電
極は或る耐圧限界を超えた時点で破裂する。この破裂の
勢いによって、球体を被覆するカソード電極の部分が飛
散し、隆起部及び凹部と同時に孔部が形成され、しか
も、球体が除去される。即ち、球体を除去する以前には
カソード電極には孔部が存在せず、球体の除去に伴って
孔部が形成される。このとき、球体の燃焼の初期過程は
閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は炭化する可能
性もある。球体を被覆するカソード電極の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しい。
【0188】後述するクレータ型電界放出素子−3ある
いはクレータ型電界放出素子−4においても、球体の状
態変化及び/又は化学変化によって球体を除去すること
ができるが、カソード電極の破裂を伴わないので、外力
によって除去を行う方が簡便な場合もある。ここで、外
力とは、空気又は不活性ガスの吹付け圧力、洗浄液の吹
付け圧力、磁気吸引力、静電気力、遠心力等の物理的な
力である。尚、クレータ型電界放出素子−3において
は、クレータ型電界放出素子−1と異なり、球体を被覆
する部分のカソード電極を飛散させる必要がないので、
カソード電極の残渣が発生し難いという利点がある。
【0189】後述するクレータ型電界放出素子−3ある
いはクレータ型電界放出素子−4で使用される球体は、
少なくとも表面が、カソード電極を構成する材料の界面
張力(表面張力)に比べて、大きな界面張力を有する材
料から構成されていることが好ましい。後述するクレー
タ型電界放出素子−3あるいはクレータ型電界放出素子
−4において、球体は、少なくとも表面が界面張力に関
するこの条件を満たしていればよい。つまり、カソード
電極の界面張力よりも大きな界面張力を有している部分
は、球体の表面のみであっても全体であってもよく、ま
た、球体の表面及び/又は全体の構成材料は、無機材
料、有機材料、あるいは無機材料と有機材料の組合せの
いずれであってもよい。クレータ型電界放出素子−3あ
るいはクレータ型電界放出素子−4において、カソード
電極等が通常の金属系材料から構成されている場合、金
属系材料の表面には吸着水分に由来する水酸基、絶縁層
の表面にはSi−O結合のダングリング・ボンドと吸着
水分とに由来する水酸基が存在し、親水性の高い状態に
あるのが普通である。従って、疎水性の表面処理層を有
する球体を用いることが、特に有効である。疎水性の表
面処理層の構成材料として、フッ素系樹脂、例えばポリ
テトラフルオロエチレンを挙げることができる。球体が
疎水性の表面処理層を有する場合、疎水性の表面処理層
の内側の部分を芯材と称することにすると、芯材の構成
材料は、ガラス、セラミックス、フッ素系樹脂以外の高
分子材料のいずれであってもよい。
【0190】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極に悪影響が及ぶ虞がある。それ
故、これらに対する悪影響が生じる虞のない温度にて燃
焼若しくは炭化させることが可能な高分子材料を選択す
ることが好ましい。特に、絶縁層をガラスペーストのよ
うな、後工程において焼成を要する材料を用いて形成す
る場合には、工数をなるべく減少させる観点から、ガラ
スペーストの焼成温度にて燃焼若しくは炭化可能な高分
子材料を選択することが好適である。ガラスペーストの
典型的な焼成温度は約530゜Cなので、かかる高分子
材料の燃焼温度は350〜500゜C程度であることが
好ましい。代表的な高分子材料として、スチレン系、ウ
レタン系、アクリル系、ビニル系、ジビニルベンゼン
系、メラミン系、ホルムアルデヒド系、ポリメチレン系
のホモポリマー又は共重合体を挙げることができる。あ
るいは又、球体として、支持体上での確実な配置を確保
するために、付着力を有する固着タイプの球体を使用す
ることもできる。固着タイプの球体として、アクリル系
樹脂から成る球体を例示することができる。
【0191】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。クレータ型
電界放出素子−1において、かかる加熱膨張型マイクロ
スフェアを用い、熱膨張型マイクロスフェアを加熱する
と、外殻のポリマーが軟化し、しかも、内包されたイソ
ブタンがガス化して膨張する結果、粒径が膨張前と比較
して約4倍程度の真球の中空体が形成される。その結
果、クレータ型電界放出素子−1において、電子を放出
する隆起部、及び、隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状
の一部を反映した凹部を、カソード電極に形成すること
ができる。尚、熱膨張型マイクロスフェアの加熱による
膨張も、本明細書においては、球体の除去という概念に
包含する。その後、熱膨張型マイクロスフェアを適切な
溶剤を用いて取り除けばよい。
【0192】クレータ型電界放出素子−1においては、
支持体上に複数の球体を配置した後、球体を被覆するカ
ソード電極を形成すればよい。この場合においては、あ
るいは又、後述するクレータ型電界放出素子−3あるい
はクレータ型電界放出素子−4においては、支持体上へ
の複数の球体の配置方法として、球体を支持体上に散布
する乾式法を挙げることができる。球体の散布には、例
えば、液晶表示装置の製造分野において、パネル間隔を
一定に維持するためのスペーサを散布する技術を応用す
ることができる。具体的には、圧搾気体で球体をノズル
から噴射する、所謂スプレーガンを用いることができ
る。尚、球体をノズルから噴射する際、球体を揮発性の
溶剤中に分散させた状態としてもよい。あるいは、静電
粉体塗装の分野で通常使用されている装置や方法を利用
して球体を散布することもできる。例えば、コロナ放電
を利用した静電粉体吹付けガンにより負に帯電させた球
体を、接地した支持体に向かって吹き付けることができ
る。使用する球体は、後述するように非常に小さいた
め、支持体上に散布されると支持体の表面に例えば静電
気力によって付着し、以降の工程においても容易に支持
体から脱落することはない。支持体上に複数の球体の配
置した後、球体を加圧すれば、支持体上の複数の球体の
重なりを解消することができ、球体を支持体上で単層に
密に配置することができる。
【0193】あるいは、後述するクレータ型電界放出素
子−2のように、球体とカソード電極材料とを分散媒中
に分散させて成る組成物から成る組成物層を支持体上に
形成し、以て、支持体上に複数の球体を配置し、カソー
ド電極材料から成るカソード電極で球体を被覆した後、
分散媒を除去することもできる。組成物の性状として
は、スラリーやペーストが可能であり、これらの所望の
性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択すればよ
い。組成物層を支持体上に形成する方法としては、スク
リーン印刷法が好適である。カソード電極材料は、典型
的には、分散媒中における沈降速度が球体よりも遅い微
粒子であることが好適である。かかる微粒子を構成する
材料として、カーボン、バリウム、ストロンチウム、鉄
を挙げることができる。分散媒を除去した後、必要に応
じてカソード電極の焼成を行う。組成物層を支持体上に
形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコーテ
ィング法、スクリーン印刷法を挙げることができる。
尚、球体が配置されると共に、カソード電極材料から成
るカソード電極で球体が被覆されるが、組成物層の形成
方法に依っては、かかるカソード電極のパターニングを
行う必要がある。
【0194】あるいは、後述するクレータ型電界放出素
子−3あるいはクレータ型電界放出素子−4にあって
は、球体を分散媒中に分散させて成る組成物から成る組
成物層を支持体上に形成し、以て、支持体上に複数の球
体を配置した後、分散媒を除去することができる。組成
物の性状としては、スラリーやペーストが可能であり、
これらの所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜
選択すればよい。典型的には、イソプロピルアルコール
等の有機溶媒を分散媒として用い、蒸発により分散媒を
除去することができる。組成物層を支持体上に形成する
方法としては、噴霧法、滴下法、スピンコーティング
法、スクリーン印刷法を挙げることができる。
【0195】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、電子放出領域に位置する
隆起部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能
上、電子放出領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ
電子放出領域以外の領域に隆起部及び凹部が存在してい
たとしても、このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆
されたまま、何ら電子を放出するといった機能を果たさ
ない。従って、球体を全面に配置しても何ら問題は生じ
ない。
【0196】これに対して、球体を被覆したカソード電
極用導電材料層、絶縁層及びゲート電極を構成する層の
各部分を除去する場合、個々の球体の配置位置と開口部
の形成位置とが一対一に対応するため、電子放出領域以
外の領域にも開口部が形成される。以下、電子放出領域
以外の領域に形成される開口部を「無効開口部」と呼
び、電子放出に寄与する本来の開口部と区別する。とこ
ろで、電子放出領域以外の領域に無効開口部が形成され
たとしても、この無効開口部は電界放出素子として何ら
機能せず、電子放出領域に形成される電界放出素子の動
作に何ら悪影響を及ぼさない。なぜなら、無効開口部の
底部に隆起部及び凹部が露出していても、無効開口部の
上端部にゲート電極が形成されていないからであり、あ
るいは又、無効開口部の上端部にゲート電極が形成され
ていても底部に隆起部及び凹部が露出していないか、あ
るいは、無効開口部の底部に隆起部及び凹部が露出して
おらず、しかも、上端部にゲート電極が形成されておら
ず、単に支持体の表面が露出しているか、のいずれかで
あるからである。従って、球体を全面に配置しても何ら
問題は生じない。尚、電子放出領域とそれ以外の領域と
の境界線上に形成された孔は、開口部に含まれる。
【0197】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電界放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、電子放出領域の寸法、1画素を構
成すべき電界放出素子の個数に応じて選択することがで
きるが、0.1〜10μmの範囲で選択することが好ま
しい。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販され
ている球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これ
を利用することが好適である。球体の形状は真球である
ことが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。支持体上には球体を100〜5000個/mm2
度の密度で配置することが好適である。例えば球体を約
1000個/mm2の密度で支持体上に配置すると、例
えば電子放出領域の寸法を仮に0.5mm×0.2mm
とした場合、この電子放出領域内に約100個の球体が
存在し、約100個の隆起部が形成されることになる。
1つの電子放出領域にこの程度の個数の隆起部が形成さ
れていれば、球体の粒径分布や真球度のばらつきに起因
する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化され、実用上、
1画素(又は1サブピクセル)当たりの放出電子電流密
度や輝度はほぼ均一となる。
【0198】クレータ型電界放出素子−1あるいは後述
するクレータ型電界放出素子−2〜クレータ型電界放出
素子−4においては、球体の形状の一部が電子放出部を
構成する凹部の形状に反映される。隆起部の先端部のプ
ロファイルは、不規則な凹凸を有していても、あるいは
滑らかであってもよいが、特に、クレータ型電界放出素
子−1やクレータ型電界放出素子−2においては、この
先端部はカソード電極の破断により形成されるため、隆
起部の先端部が不規則形状となり易い。破断により隆起
部に先端部が先鋭化すると、先端部が高効率の電子放出
部として機能し得るので、好都合である。クレータ型電
界放出素子−1〜クレータ型電界放出素子−4において
は、凹部を囲む隆起部はいずれも概ね円環状となり、こ
の場合の凹部と隆起部とは、全体としてクレータあるい
はカルデラのような形状を呈する。
【0199】支持体上における隆起部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。尚、
凹部の周方向に沿って連続した隆起部により凹部が囲ま
れていてもよいし、場合によっては、凹部の周方向に沿
って不連続な隆起部により凹部が囲まれていてもよい。
【0200】クレータ型電界放出素子−1〜クレータ型
電界放出素子−4において、絶縁層の形成後、絶縁層に
開口部を形成するが、隆起部の先端部に損傷が生じない
ように、隆起部を得た後、保護層を形成し、開口部の形
成後、保護層を取り除く構成とすることもできる。保護
層を構成する材料として、クロムを例示することができ
る。
【0201】以下、図36〜図39を参照して、クレー
タ型電界放出素子−1の製造方法を説明するが、図36
の(A)、図37の(A)、図38の(A)模式的な一
部端面図であり、図39の(A)及び(B)は模式的な
一部断面図であり、図36の(B)、図37の(B)及
び図38の(B)は、図36の(A)、図37の(A)
及び図38の(A)よりも広い範囲を模式的に示す一部
斜視図である。
【0202】[工程−H1]先ず、複数の球体80を被
覆したカソード電極111を支持体10上に形成する。
具体的には、先ず、例えばガラスから成る支持体10上
の全面に、球体80を配置する。球体80は、例えばポ
リメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5μ
m、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレーガ
ンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm2
の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた散
布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、ある
いは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれで
もよい。配置された球体80は、静電気力で支持体10
上に保持されている。この状態を図36の(A)及び
(B)に示す。
【0203】[工程−H2]次に、球体80及び支持体
10上にカソード電極111を形成する。カソード電極
111を形成した状態を、図37の(A)及び(B)に
示す。カソード電極111は、例えばカーボンペースト
をストライプ状にスクリーン印刷することによって形成
することができる。このとき、球体80は支持体10上
の全面に配置されているので、球体80の中には、図3
7の(B)に示すように、カソード電極111で被覆さ
れないものも当然存在する。次に、カソード電極111
に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極1
11を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソー
ド電極111を乾燥する。この温度では、球体80は何
ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上述
のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に替
えて、カソード電極111を構成するカソード電極用導
電材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材料
層を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術を
用いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極1
11を形成することもできる。リソグラフィ技術を適用
する場合、通常、レジスト材料層をスピンコーティング
法により形成するが、スピンコーティング時の支持体1
0の回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程度
であれば、球体80は脱落したり変位することなく、支
持体10上に保持され得る。
【0204】[工程−H3]次に、球体80を除去する
ことによって、球体80を被覆したカソード電極111
の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部1
11Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体80
の形状の一部を反映した凹部111Bとを有するカソー
ド電極111を形成する。この状態を、図38の(A)
及び(B)に示す。具体的には、カソード電極111の
焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことにより球
体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球体80
が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、球体8
0を被覆するカソード電極111の部分が或る耐圧限界
を超えた時点で破裂して除去される。その結果、支持体
10上に形成されたカソード電極111の一部分に、隆
起部111A及び凹部111Bが形成される。尚、球体
を除去した後に、球体の一部分が残渣として残る場合に
は、使用する球体を構成する材料にも依るが、適切な洗
浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0205】[工程−H4]その後、カソード電極11
1及び支持体10上に絶縁層12を形成する。具体的に
は、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚さに
スクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水分
や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するため
に、例えば150゜Cにて絶縁層12を乾燥する。上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
【0206】[工程−H5]次に、絶縁層12上に、ス
トライプ状のゲート電極13を形成する(図39の
(A)参照)。ストライプ状のゲート電極13の射影像
の延びる方向は、ストライプ状のカソード電極111の
射影像の延びる方向と90度の角度を成している。
【0207】[工程−H6]その後、ゲート電極13の
射影像とカソード電極111の射影像とが重複する電子
放出領域において、[工程−A2]と同様の方法に基づ
き、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成
し、以て、開口部14(孔部)の底部に複数の複数の隆
起部111A及び凹部111Bを露出させる。尚、カソ
ード電極111に対して十分に高いエッチング選択比が
確保できる条件でエッチングを行うことが好ましい。あ
るいは又、隆起部111Aを形成した後、例えば、クロ
ムから成る保護層を形成しておき、開口部14を形成し
た後、保護層を取り除くことが好ましい。こうして、図
39の(B)に示した電界放出素子を得ることができ
る。
【0208】尚、クレータ型電界放出素子−1の製造方
法の変形例として、[工程−H2]の後、[工程−H
4]〜[工程−H6]を実行し、次いで、[工程−H
3]を実行してもよい。この場合、球体の燃焼とゲート
電極13及び絶縁層12を構成する材料の焼成を同時に
行えばよい。
【0209】あるいは又、[工程−H2]の後、[工程
−H4]を実行し、更に、[工程−H5]と同様の工程
において、開口部を有していないストライプ状のゲート
電極を構成する層を絶縁層上に形成した後、[工程−H
3]を実行する。これによって、球体80を被覆したカ
ソード電極111、絶縁層12及びゲート電極13を構
成する層の各部分が除去され、以て、ゲート電極13及
び絶縁層12を貫通した開口部14が形成されると共
に、電子を放出する隆起部111Aと、隆起部111A
に囲まれ、且つ、球体80の形状の一部を反映した凹部
111Bとから成る電子放出部を、開口部14の底部に
位置するカソード電極111に形成することができる。
即ち、球体80の燃焼に伴って球体80が閉じ込められ
ている閉鎖空間の圧力が上昇し、球体を被覆する部分の
カソード電極111と絶縁層12とゲート電極13を構
成する層とが或る耐圧限界を超えた時点で破裂し、隆起
部111A及び凹部111Bと同時に開口部14が形成
され、しかも、球体80が除去される。開口部14は、
ゲート電極13及び絶縁層12を貫通し、且つ、球体8
0の形状の一部を反映している。また、開口部14の底
部には、電子を放出する隆起部111A、及び、隆起部
111Aに囲まれ、且つ、球体80の形状の一部を反映
した凹部111Bが残る。
【0210】[クレータ型電界放出素子−2]クレータ
型電界放出素子−2の製造方法の図40を参照して説明
するが、支持体10上に複数の球体80を配置する工程
が、球体80とカソード電極材料とを分散媒中に分散さ
せて成る組成物から成る組成物層81を支持体10上に
形成し、以て、支持体10上に複数の球体80を配置
し、カソード電極材料から成るカソード電極111で球
体を被覆した後、分散媒を除去する工程から成る、即
ち、湿式法から成る点が、クレータ型電界放出素子−1
の製造方法と相違する。
【0211】[工程−J1]先ず、支持体10上に複数
の球体80を配置する。具体的には、球体80とカソー
ド電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて成る
組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成す
る。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒8
1Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン系
の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.05
μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして分
散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上に
ストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形成
する。図40の(A)には、組成物層81の形成直後の
状態を示す。
【0212】[工程−J2]支持体10に保持された組
成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支持体
10上に配置されると共に、球体80から支持体10上
に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソード電
極材料81Bから成るカソード電極111が形成され
る。これによって、支持体10上に複数の球体80を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極111で
球体80を被覆することができる。この状態を、図40
の(B)に示す。
【0213】[工程−J3]その後、分散媒81Aを例
えば蒸発させることによって除去する。この状態を、図
40の(C)に示す。
【0214】[工程−J4]次いで、クレータ型電界放
出素子−1の[工程−H3]〜[工程−H6]と同様の
工程、あるいは、クレータ型電界放出素子−1の製造方
法の変形例を実行することによって、図39の(B)に
示したと同様の電界放出素子を完成することができる。
【0215】[クレータ型電界放出素子−3]このクレ
ータ型電界放出素子−3の製造方法において、支持体上
にストライプ状のカソード電極を形成する工程は、より
具体的には、支持体上に複数の球体を配置する工程と、
電子を放出する複数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且
つ、球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、各隆起
部が球体の周囲に形成されたカソード電極を、支持体上
に設ける工程と、球体を除去する工程、から成る。支持
体上への複数の球体の配置は、球体の散布によって行
う。また、球体は疎水性の表面処理層を有する。以下、
かかる電界放出素子の製造方法を、図41を参照して説
明する。
【0216】[工程−K1]先ず、支持体10上に複数
の球体180を配置する。具体的には、ガラスから成る
支持体10上の全面に、複数の球体180を配置する。
この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高分子
材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエチレ
ン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成り、
平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体18
0を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよそ1
000個/mm2の密度でランダムに配置する。配置さ
れた球体180は、静電気力で支持体10上に吸着され
ている。ここまでのプロセスが終了した状態を、図41
の(A)に示す。
【0217】[工程−K2]次に、電子を放出する複数
の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且
つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111Bと
を有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成さ
れたカソード電極111を、支持体10上に設ける。具
体的には、クレータ型電界放出素子−1で述べたと同様
に、例えばカーボンペーストをストライプ状にスクリー
ン印刷するが、クレータ型電界放出素子−3では、球体
180の表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯び
ているために、球体180の上にスクリーン印刷された
カーボンペーストは直ちに弾かれて落下し、球体180
の周囲に堆積して隆起部111Aが形成される。隆起部
111Aの先端部111Cは、クレータ型電界放出素子
−1の場合ほど先鋭とはならない。球体180と支持体
10との間に入り込んだカソード電極111の部分が、
凹部111Bとなる。図41の(B)では、カソード電
極111と球体180との間に隙間が存在するように図
示されているが、カソード電極111と球体180とは
接触している場合もある。その後、カソード電極111
を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまでのプロセ
スが終了した状態を、図41の(B)に示す。
【0218】[工程−K3]次に、球体180に外力を
与えることによって、支持体10上から球体180を除
去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気体の
吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセスが終
了した状態を、図41の(C)に示す。尚、球体の除去
は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づいて、よ
り具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去するこ
とも可能である。
【0219】[工程−K4]その後、クレータ型電界放
出素子−1の[工程−H4]〜[工程−H6]を実行す
ることによって、図39の(B)に示したと略同様の電
界放出素子を得ることができる。
【0220】尚、クレータ型電界放出素子−3の製造方
法の変形例として、[工程−K2]の後、クレータ型電
界放出素子−1における[工程−H4]〜[工程−H
6]を実行し、次いで、[工程−K3]を実行してもよ
い。
【0221】[クレータ型電界放出素子−4]クレータ
型電界放出素子−4の製造方法において、支持体上にス
トライプ状のカソード電極を形成する工程は、より具体
的には、支持体上に複数の球体を配置する工程と、電子
を放出する複数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、
球体の形状の一部を反映した凹部とを有し、各隆起部が
球体の周囲に形成されたカソード電極を支持体上に設け
る工程、から成る。尚、全面に絶縁層を設ける際、球体
の上方に開口部が形成された絶縁層を、カソード電極及
び支持体上に設ける。球体の除去は、開口部の形成後に
行う。クレータ型電界放出素子−4の製造方法において
は、支持体上への複数の球体の配置は、球体の散布によ
って行う。また、球体は疎水性の表面処理層を有する。
以下、クレータ型電界放出素子−4の製造方法を、図4
2及び図43を参照して説明する。
【0222】[工程−L1]先ず、支持体10上に複数
の球体180を配置する。具体的には、クレータ型電界
放出素子−3の製造工程における[工程−K1]と同様
の工程を実行する。
【0223】[工程−L2]その後、電子を放出する複
数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且
つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111Bと
を有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成さ
れたカソード電極111を、支持体10上に設ける。具
体的には、クレータ型電界放出素子−3の製造工程にお
ける[工程−K2]と同様の工程を実行する。
【0224】[工程−L3]次に、球体の上方に開口部
14Aが形成された絶縁層12を、カソード電極111
及び支持体10上に設ける。具体的には、例えば、ガラ
スペーストを全面に約5μmの厚さにスクリーン印刷す
る。球体180の表面が表面処理層180Bにより疎水
性を帯びているために、球体180の上にスクリーン印
刷されたガラスペーストは直ちに弾かれて落下し、自ら
の表面張力により絶縁層12の球体180の上の部分は
収縮する。その結果、球体180の頂部は絶縁層12に
覆われることなく、開口部14A内に露出する。この状
態を図42の(A)に示す。図示した例では、開口部1
4Aの上端部の直径は球体180の直径よりも大きい
が、表面処理層180Bの界面張力が、ガラスペースト
の界面張力よりも小さい場合には、開口部14Aの直径
が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層180Bの
界面張力が、ガラスペーストの界面張力よりも著しく大
きい場合には、開口部14Aの直径は大きくなり易い。
その後、絶縁層12を例えば150゜Cにて乾燥させ
る。
【0225】[工程−L4]次に、開口部14Aと連通
する開口部14Bを有するゲート電極13を絶縁層12
上に形成する。具体的には、例えば、ペーストをストラ
イプ状にスクリーン印刷する。球体180の表面が表面
処理層180Bにより疎水性を帯びているために、球体
180の上にスクリーン印刷されたペーストは直ちに弾
かれて、自らの表面張力により収縮し、絶縁層12の表
面のみに付着した状態となる。このとき、ゲート電極1
3は、図示するように、絶縁層12の開口端部から開口
部14A内へ若干回り込むように形成されることもあ
る。その後、ゲート電極13を例えば150゜Cにて乾
燥させる。ここまでの工程が終了した状態を、図42の
(B)に示す。尚、表面処理層180Bの界面張力が、
ペーストの界面張力よりも小さい場合には、開口部14
Aの直径が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層1
80Bの界面張力が、ペーストの界面張力よりも著しく
大きい場合には、開口部14Aの直径は大きくなり易
い。
【0226】[工程−L5]次に、開口部14B,14
Aの底部に露出した球体180を除去する。具体的に
は、カソード電極111と絶縁層12との焼成を兼ね、
ガラスペーストの典型的な焼成温度である約530゜C
にて加熱を行うことにより、球体180を燃焼させる。
このとき、クレータ型電界放出素子−1と異なり、絶縁
層12及びゲート電極13には開口部14A,14Bが
最初から形成されているので、カソード電極111や絶
縁層12、ゲート電極13の一部が飛散することはな
く、球体180は速やかに除去される。尚、開口部14
A,14Bの上端部の直径が球体180の直径よりも大
きい場合、球体180を燃焼させなくとも、例えば、洗
浄や圧搾気体の吹付け等の外力によって球体180を除
去することが可能である。ここまでの工程が終了した状
態を、図43の(A)に示す。
【0227】[工程−L6]その後、開口部14Aの側
壁面に相当する絶縁層12の一部を等方的にエッチング
すると、図43の(B)に示す電界放出素子を完成する
ことができる。ここでは、ゲート電極13の端部が下方
を向いているが、このことは、開口部14内の電界強度
を高める上で好ましい。
【0228】[エッジ型電界放出素子]エッジ型電界放
出素子の模式的な一部断面図を図44の(A)に示す。
このエッジ型電界放出素子は、支持体10上に形成され
たストライプ状のカソード電極211と、支持体10及
びカソード電極211上に形成された絶縁層12と、絶
縁層12上に形成されたストライプ状のゲート電極13
から構成されており、開口部14がゲート電極13及び
絶縁層12に設けられている。開口部14の底部にはカ
ソード電極211のエッジ部211Aが露出している。
カソード電極211及びゲート電極13に電圧を印加す
ることによって、カソード電極211のエッジ部211
Aから電子が放出される。
【0229】尚、図44の(B)に示すように、開口部
14内のカソード電極211の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図44の(C)に示すように、支持体10上
に形成された第1のゲート電極13Aと、支持体10及
び第1のゲート電極13A上に形成された層間絶縁層1
2Aと、層間絶縁層12A上に形成されたカソード電極
211と、層間絶縁層12A及びカソード電極211に
形成された絶縁層12Bと、絶縁層12B上に形成され
た第2のゲート電極13Bから構成することもできる。
そして、開口部14が、第2のゲート電極13B、絶縁
層12B、カソード電極211及び層間絶縁層12Aに
設けられており、開口部14の側壁にはカソード電極2
11のエッジ部211Aが露出している。カソード電極
211並びに第1のゲート電極13A、第2のゲート電
極13Bに電圧を印加することによって、電子放出部に
相当するカソード電極211のエッジ部211Aから電
子が放出される。
【0230】例えば、図44の(C)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図45を参照して、以下、説明する。
【0231】[工程−M1]先ず、例えばガラスから成
る支持体10の上に、スパッタリング法により厚さ約
0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に従
ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術
によりこのタングステン膜をパターニングし、第1のゲ
ート電極13Aを形成する。次に、全面に、SiO2
ら成る厚さ0.3μmの層間絶縁層12Aを形成した
後、層間絶縁層12Aの上にタングステンから成るスト
ライプ状のカソード電極211を形成する(図45の
(A)参照)。
【0232】[工程−M2]その後、全面に、例えばS
iO2から成る厚さ0.7μmの絶縁層12Bを形成
し、次いで、絶縁層12B上にストライプ状の第2のゲ
ート電極13Bを形成する(図45の(B)参照)。
【0233】[工程−M3]次に、[工程−A2]と同
様の方法に基づき、第2のゲート電極13Bを例えばR
IE法により異方的にエッチングし、開口部を形成す
る。次に、開口部の底面に露出した絶縁層12Bを等方
的にエッチングし、孔部を形成する。絶縁層12BをS
iO2を用いて形成しているので、緩衝化フッ酸水溶液
を用いたウェットエッチングを行う。絶縁層12Bに形
成された孔部の壁面は、第2のゲート電極13Bに形成
された開口部の開口端面よりも後退するが、このときの
後退量はエッチング時間の長短により制御することがで
きる。ここでは、絶縁層12Bに形成された孔部の下端
が、第2のゲート電極13Bに形成された開口部の開口
端面よりも後退するまで、ウェットエッチングを行う。
【0234】次に、孔部の底面に露出したカソード電極
211を、イオンを主エッチング種とする条件によりド
ライエッチングする。イオンを主エッチング種とするド
ライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電圧
の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電粒
子であるイオンを加速することができるため、一般には
異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面は
垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の主
エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成分
が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱に
よってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソー
ド電極211の露出面の中で、本来であれば開口部によ
って遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、あ
る程度の確率で主エッチング種が入射する。このとき、
支持体10の法線に対する入射角の小さい主エッチング
種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチング種
ほど入射確率は低い。
【0235】従って、カソード電極211に形成された
孔部の上端部の位置は、絶縁層12Bに形成された孔部
の下端部とほぼ揃っているものの、カソード電極211
に形成された孔部の下端部の位置はその上端部よりも突
出した状態となる。つまり、カソード電極211のエッ
ジ部211Aの厚さが、突出方向の先端部に向けて薄く
なり、エッジ部211Aが先鋭化される。例えば、エッ
チング・ガスとしてSF6を用いることにより、カソー
ド電極211の良好な加工を行うことができる。
【0236】次に、カソード電極211に形成された孔
部の底面に露出した層間絶縁層12Aを等方的にエッチ
ングし、層間絶縁層12Aに孔部を形成し、開口部14
を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液を用いた
ウェットエッチングを行う。層間絶縁層12Aに形成さ
れた孔部の壁面は、カソード電極211に形成された孔
部の下端部よりも後退する。このときの後退量はエッチ
ング時間の長短により制御可能である。開口部14の完
成後に第1のレジスト層を除去すると、図44の(C)
に示した構成を得ることができる。
【0237】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−1][スピント型電界放出素子]にて説明したスピ
ント型電界放出素子の製造方法の変形例を、以下、支持
体等の模式的な一部端面図である図46〜図49を参照
して説明するが、このスピント型電界放出素子は、基本
的には、以下の工程に基づき作製される。即ち、 (a)支持体10上にストライプ状のカソード電極11
を形成する工程 (b)カソード電極11上を含む支持体10上に絶縁層
12を形成する工程 (c)絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を
形成する工程 (d)底部にカソード電極11が露出した開口部14
を、ゲート電極13及び絶縁層12に形成する工程 (e)開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の導
電材料層91を形成する工程 (f)開口部14の中央部に位置する導電材料層91の
領域を遮蔽するように、マスク材料層92を導電材料層
91上に形成する工程 (g)導電材料層91の支持体10に対して垂直な方向
におけるエッチング速度がマスク材料層92の支持体に
対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速くな
る異方性エッチング条件下で導電材料層91とマスク材
料層92とをエッチングすることにより、導電材料層9
1から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出部15
Eを開口部14内に露出したカソード電極11上に形成
する工程
【0238】[工程−N1]先ず、例えばガラス基板上
に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支持体
10上に、クロム(Cr)から成るカソード電極11を
設ける。具体的には、支持体10上に、例えばスパッタ
リング法やCVD法にてクロムから成るカソード電極用
導電材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電材料
層をパターニングすることによって、複数のカソード電
極11を形成することができる。カソード電極11の幅
を例えば50μm、カソード電極間スペースを例えば3
0μmとする。その後、カソード電極11上を含む支持
体10上に、原料ガスとしてTEOS(テトラエトキシ
シラン)を使用するプラズマCVD法にてSiO2から
成る絶縁層12を形成する。絶縁層12の厚さを約1μ
mとする。次に、絶縁層12上の全面に、カソード電極
11と直交する方向に平行に延びるストライプ状のゲー
ト電極13を形成する。
【0239】次に、カソード電極11とゲート電極13
との重複領域である電子放出領域、即ち、1画素におい
て、ゲート電極13と絶縁層12とを貫通した開口部1
4を、[工程−A2]と同様の方法に基づき形成する
(図46の(A)参照)。開口部14の平面形状は、例
えば、直径0.3μmの円形である。開口部14は、通
常、1画素に数百乃至千個程度形成される。
【0240】[工程−N2]次に、全面に密着層90を
スパッタリング法にて形成する(図46の(B)参
照)。この密着層90は、ゲート電極13や開口部14
の側壁面に露出している絶縁層12と、次の工程で全面
的に成膜される導電材料層91との間の密着性を高める
ために設けられる層である。導電材料層91をタングス
テンで形成することを前提とし、タングステンから成る
密着層90を、DCスパッタリング法により0.07μ
mの厚さに形成する。
【0241】[工程−N3]次に、開口部14内を含む
全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る電子
放出部形成用の導電材料層91を水素還元減圧CVD法
により形成する(図47の(A)参照)。成膜された導
電材料層91の表面には、開口部14の上端面と底面と
の間の段差を反映した凹部91Aが形成される。
【0242】[工程−N4]次に、開口部14の中央部
に位置する導電材料層91の領域(具体的には凹部91
A)を遮蔽するようにマスク材料層92を形成する。具
体的には、先ず、スピンコート法により厚さ0.35μ
mのレジスト材料をマスク材料層92として導電材料層
91の上に形成する(図47の(B)参照)。マスク材
料層92は、導電材料層91の凹部91Aを吸収し、ほ
ぼ平坦な表面となる。次に、マスク材料層92を酸素系
ガスを用いたRIE法によりエッチングする。このエッ
チングを、導電材料層91の平坦面が露出した時点で終
了する。これにより、導電材料層91の凹部91Aを平
坦に埋め込むようにマスク材料層92が残る(図48の
(A)参照)。
【0243】[工程−N5]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90とをエッチングし、円錐形
状の電子放出部15Eを形成する(図48の(B)参
照)。これらの層のエッチングは、導電材料層91のエ
ッチング速度がマスク材料層92のエッチング速度より
も速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチング
条件を以下の表2に例示する。
【0244】[表2] [導電材料層91等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0245】[工程−N6]その後、等方的なエッチン
グ条件にて開口部14の内部において絶縁層12に設け
られた開口部14の側壁面を後退させると、図49に示
す電界放出素子が完成される。等方的なエッチングは、
ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチ
ング種として利用するドライエッチング、あるいは、エ
ッチング液を利用するウェットエッチングにより行うこ
とができる。エッチング液として、例えば49%フッ酸
水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いるこ
とができる。
【0246】ここで、[工程−N5]において、電子放
出部15Eが形成される機構について、図50を参照し
て説明する。図50の(A)は、エッチングの進行に伴
って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時間毎
にどのように変化するかを示す模式図であり、図50の
(B)は、エッチング時間と開口部14の中心における
被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフである。開
口部14の中心におけるマスク材料層の厚さをhp、開
口部14の中心における電子放出部15Eの高さをhe
とする。
【0247】表2に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層92のエッチング速度より
も、導電材料層91のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層92が存在しない領域では、導電材料層9
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
92が存在する領域では、最初にマスク材料層92が除
去されないとその下の導電材料層91のエッチングが始
まらないので、マスク材料層92がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp
少区間)、マスク材料層92が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層92の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。hp
減少区間の開始時期は、マスク材料層92が厚さが最大
となる開口部14の中心で最も遅く、マスク材料層92
の薄い開口部14の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出部15Eが形成される。
【0248】レジスト材料から成るマスク材料層92の
エッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Eの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図51を参照し
て説明する。図51の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図51の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図51の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Eの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層92
の膜減りに比べて導電材料層91の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Eはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0249】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表2に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
【0250】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−2][スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
2]の製造方法は、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−1]の製造方法の変形である。この製造方法
においては、マスク材料層により遮蔽される導電材料層
の領域を、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形
−1]における製造方法におけるよりも狭くすることが
可能である。即ち、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−2]におけるスピント型電界放出素子の製造
方法においては、開口部の上端面と底面との間の段差を
反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通する拡大部
とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表面に生成さ
せ、工程(f)において、導電材料層の全面にマスク材
料層を形成した後、マスク材料層と導電材料層とを支持
体の表面に対して平行な面内で除去することにより、柱
状部にマスク材料層を残す。
【0251】以下、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−2]におけるスピント型電界放出素子の製造
方法を、支持体等の模式的な一部端面図である図52〜
図54を参照して説明する。
【0252】[工程−P1]先ず、支持体10上にカソ
ード電極11を形成する。カソード電極11は、例えば
DCスパッタリング法により、TiN層(厚さ0.1μ
m)、Ti層(厚さ5nm)、Al−Cu層(厚さ0.
4μm)、Ti層(厚さ5nm)、TiN層(厚さ0.
02μm)及びTi層(0.02μm)をこの順に積層
して積層膜を形成し、続いてこの積層膜をパターニング
して形成することができる。尚、図ではカソード電極1
1を単層で表した。次に、支持体10とカソード電極1
1の上に、厚さ0.7μmの絶縁層12を、TEOS
(テトラエトキシシラン)を原料ガスとするプラズマC
VD法に基づき形成する。次いで、絶縁層12の上にゲ
ート電極13を形成する。
【0253】更に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層93を形成する。エッチ
ング停止層93は、電界放出素子の機能上不可欠な部材
ではなく、後工程で行われる導電材料層91のエッチン
グ時に、ゲート電極13を保護する役割を果たす。尚、
導電材料層91のエッチング条件に対してゲート電極1
3が十分に高いエッチング耐性を持ち得る場合には、エ
ッチング停止層93を省略しても構わない。その後、R
IE法により、エッチング停止層93、ゲート電極1
3、絶縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露
出した開口部14を、[工程−A2]と同様の方法に基
づき形成する。このようにして、図52の(A)に示す
状態が得られる。
【0254】[工程−P2]次に、開口部14内を含む
全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンから成
る密着層90を形成する。次いで、開口部14内を含む
全面に電子放出部形成用の導電材料層91を形成する
(図52の(B)参照)。但し、[スピント型電界放出
素子の製造方法の変形−2]における導電材料層91
は、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−1]
の製造方法で述べた凹部91Aよりも深い凹部91Aが
表面に生成されるように、導電材料層91の厚さを選択
する。即ち、導電材料層91の厚さを適切に設定するこ
とによって、開口部14の上端面と底面との間の段差を
反映して、柱状部91Bとこの柱状部91Bの上端に連
通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹部91Aを
導電材料層91の表面に生成させることができる。
【0255】[工程−P3]次に、導電材料層91の全
面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5μm
の銅(Cu)から成るマスク材料層92を形成する(図
53の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表3に
例示する。
【0256】 [表3] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0257】[工程−P4]その後、マスク材料層92
と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行な
面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材料
層92を残す(図53の(B)参照)。この除去は、例
えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行うことが
できる。
【0258】[工程−P5]次に、導電材料層91と密
着層90のエッチング速度がマスク材料層92のエッチ
ング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、導
電材料層91とマスク材料層92と密着層90とをエッ
チングする。その結果、開口部14内に錐状形状を有す
る電子放出部15Eが形成される(図54の(A)参
照)。尚、電子放出部15Eの先端部にマスク材料層9
2が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングによりマスク材料層92を除去することが
できる。
【0259】[工程−P6]次に、等方的なエッチング
条件で開口部14の内部において絶縁層12に設けられ
た開口部14の側壁面を後退させると、図54の(B)
に示す電界放出素子が完成される。等方的なエッチング
については、[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−1]の製造方法で説明したと同様とすればよい。
【0260】ところで、[スピント型電界放出素子の製
造方法の変形−2]の製造方法で形成された電子放出部
15Eにおいては、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−1]の製造方法で形成された電子放出部15
Eに比べ、より鋭い錐状形状が達成されている。これ
は、マスク材料層92の形状と、マスク材料層92のエ
ッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速度
の比の違いに起因する。この違いについて、図55を参
照しながら説明する。図55は、被エッチング物の表面
プロファイルが一定時間毎にどのように変化するかを示
す図であり、図55の(A)は銅から成るマスク材料層
92を用いた場合、図55の(B)はレジスト材料から
成るマスク材料層92を用いた場合をそれぞれ示す。
尚、簡略化のために導電材料層91のエッチング速度と
密着層90のエッチング速度とをそれぞれ等しいものと
仮定し、図55においては密着層90の図示を省略す
る。
【0261】銅から成るマスク材料層92を用いた場合
(図55の(A)参照)は、マスク材料層92のエッチ
ング速度が導電材料層91のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層92が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Eを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層92を用いた場合(図55の
(B)参照)は、マスク材料層92のエッチング速度が
導電材料層91のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層92が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Eの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0262】また、柱状部91Bに残るマスク材料層9
2には、柱状部91Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Eの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部91Bの深さは、導電材料層91の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部91Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層92の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Eの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部91Aに残るマスク材料層92において
は、凹部91Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部91Aが浅くマスク材
料層92の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Eの錐状形状の鈍化が始まる。電界放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0263】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−3][スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
3]の製造方法は、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−2]のスピント型電界放出素子の製造方法の
変形である。[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−3]の製造方法においては、工程(e)において、
開口部の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状部
とこの柱状部の上端に連通する拡大部とから成る略漏斗
状の凹部を導電材料層の表面に生成させ、工程(f)に
おいて、導電材料層の全面にマスク材料層を形成した
後、導電材料層上と拡大部内のマスク材料層を除去する
ことにより、柱状部にマスク材料層を残す。以下、[ス
ピント型電界放出素子の製造方法の変形−3]における
スピント型電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式
的な一部端面図である図56及び図57を参照して説明
する。
【0264】[工程−Q1]先ず、図53の(A)に示
したマスク材料層92の形成までを[スピント型電界放
出素子の製造方法の変形−2]の製造方法の[工程−P
1]〜[工程−P3]と同様に行った後、導電材料層9
1上と拡大部91C内のマスク材料層92のみを除去す
ることにより、柱状部91Bにマスク材料層92を残す
(図56の(A)参照)。このとき、例えば希フッ酸水
溶液を用いたウェットエッチングを行うことにより、タ
ングステンから成る導電材料層91を除去することな
く、銅から成るマスク材料層92のみを選択的に除去す
ることができる。柱状部91B内に残るマスク材料層9
2の高さは、エッチング時間に依存するが、このエッチ
ング時間は、拡大部91Cに埋め込まれたマスク材料層
92の部分が十分に除去される限りにおいて、それ程の
厳密さを要しない。なぜなら、マスク材料層92の高低
に関する議論は、図55の(A)を参照しながら前述し
た柱状部91Bの浅深に関する議論と実質的に同じであ
り、マスク材料層92の高低は最終的に形成される電子
放出部15Eの形状に大きな影響を及ぼさないからであ
る。
【0265】[工程−Q2]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90のエッチングを、[スピン
ト型電界放出素子の製造方法の変形−2]の製造方法と
同様に行い、図56の(B)に示すような電子放出部1
5Eを形成する。この電子放出部15Eは、図54の
(A)に示したように全体が錐状形状を有していても勿
論構わないが、図56の(B)には先端部のみが錐状形
状を有する変形例を示した。かかる形状は、柱状部91
Bに埋め込まれたマスク材料層92の高さが低いか、若
しくは、マスク材料層92のエッチング速度が比較的速
い場合に生じ得るが、電子放出部15Eとしての機能に
何ら支障はない。
【0266】[工程−Q3]その後、等方的なエッチン
グ条件で開口部14の内部において絶縁層12に設けら
れた開口部14の側壁面を後退させると、図57に示す
電界放出素子が完成される。等方的なエッチングについ
ては、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
1]の作製方法で説明したと同様とすればよい。
【0267】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−4][スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
4]の製造方法は、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−1]の製造方法の変形である。[スピント型
電界放出素子の製造方法の変形−4]の模式的な一部端
面図を図58に示す。[スピント型電界放出素子の製造
方法の変形−4]が[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−1]と異なる点は、電子放出部が、基部94
と、基部94上に積層された錐状の電子放出部15Eと
から構成されている点にある。ここで、基部94と電子
放出部15Eとは異なる導電材料から構成されている。
具体的には、基部94は、電子放出部15Eとゲート電
極13の開口端部との間の距離を調節するための部材で
あり、且つ、抵抗体層としての機能を有し、不純物を含
有するポリシリコン層から構成されている。電子放出部
15Eはタングステンから構成されており、錐状形状、
より具体的には円錐形状を有する。尚、基部94と電子
放出部15Eとの間には、TiNから成る密着層90が
形成されている。尚、密着層90は、電子放出部の機能
上不可欠な構成要素ではなく、製造上の理由で形成され
ている。絶縁層12がゲート電極13の直下から基部9
4の上端部にかけてえぐられることにより、開口部14
が形成されている。
【0268】以下、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−4]の製造方法を、支持体等の模式的な一部
端面図である図59〜図61を参照して説明する。
【0269】[工程−R1]先ず、開口部14の形成ま
でを、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
1]の製造方法の[工程−N1]と同様に行う。続い
て、開口部14内を含む全面に基部形成用の導電材料層
94Aを形成する。導電材料層94Aは、抵抗体層とし
ても機能し、ポリシリコン層から構成され、プラズマC
VD法により形成することができる。次いで、全面に、
スピンコート法にてレジスト材料から成る平坦化層95
を表面が略平坦となるように形成する(図59(A)参
照)。次に、平坦化層95と導電材料層94Aのエッチ
ング速度が共に略等しくなる条件で両層をエッチング
し、開口部14の底部を上面が平坦な基部94で埋め込
む(図59の(B)参照)。エッチングは、塩素系ガス
と酸素系ガスとを含むエッチングガスを用いたRIE法
により行うことができる。導電材料層94Aの表面を平
坦化層95で一旦平坦化してからエッチングを行ってい
るので、基部94の上面が平坦となる。
【0270】[工程−R2]次に、開口部14の残部を
含む全面に密着層90を成膜し、更に、開口部14の残
部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層91を成
膜し、開口部14の残部を導電材料層91で埋め込む
(図60の(A)参照)。密着層90は、スパッタリン
グ法により形成される厚さ0.07μmのTiN層であ
り、導電材料層91は減圧CVD法により形成される厚
さ0.6μmのタングステン層である。導電材料層91
の表面には、開口部14の上端面と底面との間の段差を
反映して凹部91Aが形成されている。
【0271】[工程−R3]次に、導電材料層91の全
面に、スピンコート法によりレジスト材料から成るマス
ク材料層92を表面が略平坦となるように形成する(図
60の(B)参照)。マスク材料層92は、導電材料層
91の表面の凹部91Aを吸収して平坦な表面となって
いる。次に、マスク材料層92を酸素系ガスを用いたR
IE法によりエッチングする(図61の(A)参照)。
このエッチングは、導電材料層91の平坦面が露出した
時点で終了する。これにより、導電材料層91の凹部9
1Aにマスク材料層92が平坦に残され、マスク材料層
92は、開口部14の中央部に位置する導電材料層91
の領域を遮蔽するように形成されている。
【0272】[工程−R4]次に、[スピント型電界放
出素子の製造方法の変形−1]の製造方法の[工程−N
5]と同様にして、導電材料層91、マスク材料層92
及び密着層90を共にエッチングすると、前述の機構に
基づき対レジスト選択比の大きさに応じた円錐形状を有
する電子放出部15Eと密着層90とが形成され、電子
放出部が完成される(図61の(B)参照)。その後、
開口部14の内部において絶縁層12に設けられた開口
部14の側壁面を後退させると、図58に示した電界放
出素子を得ることができる。
【0273】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−5][スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
5]の製造方法は、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−2]の製造方法の変形である。[スピント型
電界放出素子の製造方法の変形−5]の模式的な一部端
面図を図63の(B)に示す。[スピント型電界放出素
子の製造方法の変形−5]が[スピント型電界放出素子
の製造方法の変形−2]と異なる点は、電子放出部が、
[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−4]と同
様に、基部94と、基部94上に積層された錐状の電子
放出部15Eとから構成されている点にある。ここで、
基部94と電子放出部15Eとは異なる導電材料から構
成されている。具体的には、基部94は、電子放出部1
5Eとゲート電極13の開口端部との間の距離を調節す
るための部材であり、且つ、抵抗体層としての機能を有
し、不純物を含有するポリシリコン層から構成されてい
る。電子放出部15Eはタングステンから構成されてお
り、錐状形状、より具体的には円錐形状を有する。尚、
基部94と電子放出部15Eとの間には、TiNから成
る密着層90が形成されている。尚、密着層90は、電
子放出部の機能上不可欠な構成要素ではなく、製造上の
理由で形成されている。絶縁層12がゲート電極13の
直下から基部94の上端部にかけてえぐられることによ
り、開口部14が形成されている。
【0274】以下、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−5]の製造方法を、支持体等の模式的な一部
端面図である図62及び図63を参照して説明する。
【0275】[工程−S1]先ず、開口部14の形成ま
でを、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
1]の製造方法の[工程−N1]と同様に行う。次に、
開口部14内を含む全面に基部形成用の導電材料層を形
成し、導電材料層をエッチングすることによって、開口
部14の底部を埋め込む基部94を形成することができ
る。尚、図示される基部94は平坦化された表面を有し
ているが、表面が窪んでいてもよい。尚、平坦化された
表面を有する基部94は、[スピント型電界放出素子の
製造方法の変形−4]の製造方法の[工程−R1]と同
様のプロセスによって形成可能である。更に、開口部1
4の残部を含む全面に、密着層90及び電子放出部形成
用の導電材料層91を順次形成する。このとき、開口部
14の残部の上端面と底面との間の段差を反映した柱状
部91Bとこの柱状部91Bの上端に連通する拡大部9
1Cとから成る略漏斗状の凹部91Aが導電材料層91
の表面に生成されるように、導電材料層91の厚さを選
択する。次に、導電材料層91上にマスク材料層92を
形成する。このマスク材料層92は、例えば銅を用いて
形成する。図62の(A)は、ここまでのプロセスが終
了した状態を示している。
【0276】[工程−S2]次に、マスク材料層92と
導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行な面
内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材料層
92を残す(図62の(B)参照)。この除去は、[工
程−P4]と同様に、化学的機械的研磨法(CMP法)
により行うことができる。
【0277】[工程−S3]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90とをエッチングすると、前
述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応じた円
錐形状を有する電子放出部15Eが形成される。これら
の層のエッチングは、[スピント型電界放出素子の製造
方法の変形−2]の製造方法の[工程−P5]と同様に
行うことができる。電子放出部15Eと基部94、及
び、電子放出部15Eと基部94の間に残存する密着層
90とによって、電子放出部が形成される。電子放出部
は、全体が錐状形状を有していても勿論構わないが、図
63の(A)には基部94の一部が開口部14の底部を
埋め込むように残存した状態を示した。かかる形状は、
柱状部91Bに埋め込まれたマスク材料層92の高さが
低いか、若しくは、マスク材料層92のエッチング速度
が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部としての機
能に何ら支障はない。
【0278】[工程−S4]その後、等方的なエッチン
グ条件で開口部14の内部において絶縁層12の側壁面
を後退させると、図63の(B)に示した電界放出素子
が完成される。等方的なエッチング条件は、[スピント
型電界放出素子の製造方法の変形−1]の製造方法で説
明したと同様とすればよい。
【0279】[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−6][スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
6]の製造方法は、[スピント型電界放出素子の製造方
法の変形−3]のスピント型電界放出素子の製造方法の
変形である。[スピント型電界放出素子の製造方法の変
形−6]がスピント型電界放出素子の製造方法の変形−
3]と異なる点は、電子放出部が、[スピント型電界放
出素子の製造方法の変形−4]と同様に、基部94と、
基部94上に積層された錐状の電子放出部15Eとから
構成されている点にある。以下、スピント型電界放出素
子である[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
6]の製造方法を、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図64を参照して説明する。
【0280】[工程−T1]マスク材料層92の形成ま
でを[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−5]
の製造方法の[工程−S1]と同様に行う。その後、導
電材料層91上と拡大部91C内のマスク材料層92の
みを除去することにより、柱状部91Bにマスク材料層
92を残す(図64参照)。例えば希フッ酸水溶液を用
いたウェットエッチングを行い、タングステンから成る
導電材料層91を除去することなく、銅から成るマスク
材料層92のみを選択的に除去することができる。この
後の導電材料層91とマスク材料層92のエッチング、
絶縁層12の等方的なエッチング等のプロセスは、全
て、[スピント型電界放出素子の製造方法の変形−5]
の製造方法と同様に行うことができる。
【0281】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカ
ソードパネル、表示装置の構造、構成、製造方法は例示
であり、適宜変更することができる。表示装置において
は、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示と
することもできる。
【0282】更には、電界放出素子の製造において使用
した各種材料も例示であり、適宜変更することができ
る。電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つ
の電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素
子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部
が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子
放出部が対応する形態とすることもできる。
【0283】ゲート電極の上方に収束電極を形成する構
造とすることもできる。ここで収束電極とは、開口部か
ら放出されアノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束
させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の色濁りの防止を
可能とするための電極であり、アノード電極とカソード
電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであっ
て、カソードパネルとアノードパネルとの間の距離が比
較的長い、所謂高電圧タイプの平面型表示装置を想定し
た場合に、特に有効な部材である。収束電極には、収束
電源から相対的な負電圧が印加される。収束電極は、必
ずしも電界放出素子ごとに設けられている必要はなく、
例えば、電界放出素子の所定の配列方向に沿って延在さ
せることにより、複数の電界放出素子に共通の収束効果
を及ぼすこともできる。
【0284】表示装置において、カソードパネルCPと
アノードパネルAPとを周縁部において接合する場合、
接合は接着層を用いて行ってもよいし、あるいはガラス
やセラミックス等の絶縁性剛性材料から成る枠体と接着
層とを併用して行ってもよい。枠体と接着層とを併用す
る場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接
着層のみを使用する場合に比べ、カソードパネルCPと
アノードパネルAPとの間の対向距離をより長く設定す
ることが可能である。尚、接着層の構成材料としては、
フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜40
0゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。かか
る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点1
57゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80
20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点
227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;P
97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag
5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn
1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;
Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高
温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、
Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系
標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう
材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することが
できる。
【0285】表示装置において、カソードパネルCPと
アノードパネルAPと枠体の三者を接合する場合、三者
を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソ
ードパネルCP又はアノードパネルAPのいずれか一方
と枠体とを接合し、第2段階でカソードパネルCP又は
アノードパネルAPの他方と枠体とを接合してもよい。
三者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中
で行えば、カソードパネルCPとアノードパネルAPと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルCPとアノードパネルAPと枠体と接着層とによって
囲まれた空間を排気し、真空とすることもできる。接合
後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減
圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気
体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0
族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスで
あってもよい。
【0286】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネルCP及び/又はアノードパネルAPに予め接続
されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管
は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパ
ネルCP及び/又はアノードパネルAPの無効領域に設
けられた貫通孔の周囲に、フリットガラス又は上述の低
融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に
達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切り
を行う前に、表示装置全体を一旦加熱してから降温させ
ると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残
留ガスを排気により空間外へ除去することができるので
好適である。
【0287】表示装置においては、電界放出素子の構成
に依存して(例えば、電子放出部を炭素薄膜から構成す
る場合)、絶縁層やゲート電極を設けずに、単に、カソ
ード電極上に電子放出部を設けた構造とすることもでき
る。このような構造においては、1画素(1サブピクセ
ル)単位で、カソード電極に印加する電圧の制御を行
う。カソード電極の平面形状を略矩形とし、各カソード
電極を配線及び例えばトランジスタから成るスイッチン
グ素子を介して制御回路に接続する。各カソード電極に
閾値電圧以上の電圧が印加されると、アノード電極によ
って形成される電界に基づき、量子トンネル効果に基づ
き電子放出部から電子が放出され、この電子がアノード
電極に引き付けられ、蛍光体層に衝突する。輝度は、カ
ソード電極に印加される電圧によって制御される。
【0288】ゲート電極を、開口部が形成された帯状あ
るいはシート状の金属箔から構成し、支持体上にゲート
電極支持部を形成し、金属箔がかかるゲート電極支持部
の頂面に接するように、且つ、電子放出部の上方に開口
部が位置するように、金属箔が張架された構成とするこ
ともできる。尚、この場合、金属箔に形成された複数の
開口部の下方に1つの電子放出部が形成されていてもよ
いし、金属箔に形成された1つの開口部の下方に1つの
電子放出部が形成されていてもよい。
【0289】表面伝導型電界放出素子と通称される電界
放出素子から電子放出領域を構成することもできる。こ
の表面伝導型電界放出素子は、例えばガラスから成る支
持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジ
ウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸
化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面
積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一
対の電極がマトリクス状に形成されて成る。それぞれの
電極の上には炭素薄膜が形成されている。そして、一対
の電極の内の一方の電極に行方向配線が接続され、一対
の電極の内の他方の電極に列方向配線が接続された構成
を有する。一対の電極に電圧を印加することによって、
ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わ
り、炭素薄膜から電子が放出される。かかる電子をアノ
ードパネル上の蛍光体層に衝突させることによって、蛍
光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることがで
きる。
【0290】
【発明の効果】本発明においては、実質的に平坦な表面
を有する反射膜が備えられているので、即ち、反射膜が
概ね鏡面を有しているので、蛍光体層からの発光を効果
的に反射することができ、表示装置の輝度向上を図るこ
とができる。また、輝度が向上するので、従来と同じ輝
度とする場合には、表示装置の低消費電力化を図ること
ができる。また、反射膜を、蛍光体層の上方の隔壁の間
の任意の位置に、隔壁に支持された状態で設けることが
できるので、散乱電子による光学的クロストークの発生
に確実に対処することができる。しかも、簡素な構造を
有するにも拘わらず、スペーサの可視性という現象の抑
制が可能である。それ故、スペーサに中間電極といった
電界補正機構を取り付け、あるいは形成することが不要
となり、スペーサを分割したり、複雑な形状とすること
が可能となるし、表示装置の構造、構成の簡素化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装置
の模式的な一部端面図である。
【図2】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装置
におけるアノードパネルあるいは表示用パネルにおける
隔壁及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図3】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装置
におけるアノードパネルあるいは表示用パネルの拡大さ
れた模式的な一部端面図である。
【図4】冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソー
ドパネルの模式的な部分的斜視図である。
【図5】発明の実施の形態1における表示用パネルある
いは表示装置の製造方法を説明するための基板等の模式
的な一部端面図である。
【図6】発明の実施の形態1における表示用パネルある
いは表示装置の製造方法を説明するための模式図であ
る。
【図7】発明の実施の形態1における表示用パネルある
いは表示装置の製造方法を説明するための模式図であ
る。
【図8】発明の実施の形態1における表示用パネルある
いは表示装置の製造方法を説明するための模式図であ
る。
【図9】発明の実施の形態1における表示用パネルある
いは表示装置の製造方法を説明するための模式図であ
る。
【図10】発明の実施の形態1にて得られた表示用パネ
ル(アノードパネル)と、従来の製造方法にて得られた
表示用パネル(アノードパネル)の輝度特性を表すグラ
フである。
【図11】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装
置におけるアノードパネルあるいは表示用パネルにおけ
る隔壁及び蛍光体層の配置の変形例を模式的に示す配置
図である。
【図12】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装
置におけるアノードパネルあるいは表示用パネルの変形
例の模式的な一部端面図である。
【図13】冷陰極電界電子放出表示装置から成る表示装
置におけるアノードパネルあるいは表示用パネルの別の
変形例の模式的な一部端面図である。
【図14】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に入射角0度で入射した電子の挙動、厚さ70nmのア
ルミニウムから成る反射膜及びその下方にZnS層が存
在する場合に反射膜に入射角0度で入射した電子の挙
動、ZnS層に入射角0度で入射した電子の挙動をそれ
ぞれ示す棒グラフである。
【図15】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に入射角0度で入射した電子の挙動、厚さ70nmのア
ルミニウムから成る反射膜及びその下方にZnS層が存
在する場合に反射膜に入射角0度で入射した電子の挙
動、ZnS層に入射角0度で入射した電子の挙動をそれ
ぞれ示す棒グラフである。
【図16】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
及びその下方にZnS層が存在する場合に、反射膜に入
射角0度で入射した電子であって、反射膜によって後方
散乱される電子の有するエネルギー分布を示すグラフ、
及び、ZnS層に入射角0度で入射した電子であって、
ZnS層によって後方散乱される電子の有するエネルギ
ー分布を示すグラフである。
【図17】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
及びその下方にZnS層が存在する場合に、反射膜に入
射角0度で入射した電子であって、反射膜によって後方
散乱される電子の後方散乱角度分布を示すグラフ、及
び、ZnS層に入射角0度で入射した電子であって、Z
nS層によって後方散乱される電子の後方散乱角度分布
を示すグラフである。
【図18】各種の厚さを有するアルミニウムから成る反
射膜に、各種の加速電圧の電子を入射角0度で入射させ
たとき、反射膜を透過してきた電子の有するエネルギー
を表したヒストグラムである。
【図19】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を0度及び15度に変化させ、電子の加速電
圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3通
りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜に
蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネルギ
ー平均値、シミュレーション誤差の絶対値を示す棒グラ
フである。
【図20】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を30度及び45度に変化させ、電子の加速
電圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3
通りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜
に蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネル
ギー平均値、シミュレーション誤差の絶対値を示す棒グ
ラフである。
【図21】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を60度及び75度に変化させ、電子の加速
電圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3
通りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜
に蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネル
ギー平均値、シミュレーション誤差の絶対値を示す棒グ
ラフである。
【図22】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を0度及び15度に変化させ、電子の加速電
圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3通
りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜に
蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネルギ
ー平均値、シミュレーション誤差の百分率を示す棒グラ
フである。
【図23】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を30度及び45度に変化させ、電子の加速
電圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3
通りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜
に蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネル
ギー平均値、シミュレーション誤差の百分率を示す棒グ
ラフである。
【図24】厚さ70nmのアルミニウムから成る反射膜
に、入射角を60度及び75度に変化させ、電子の加速
電圧を1キロボルト、4キロボルト、8キロボルトの3
通りで変化させたときの、入射電子1つ当たりの反射膜
に蓄積されるエネルギー平均値、後方散乱電子のエネル
ギー平均値、シミュレーション誤差の百分率を示す棒グ
ラフである。
【図25】スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図26】図25に引き続き、スピント型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図27】クラウン型冷陰極電界電子放出素子の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図28】図27に引き続き、クラウン型冷陰極電界電
子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図29】扁平型冷陰極電界電子放出素子−1の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図であ
る。
【図30】扁平型冷陰極電界電子放出素子−2の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図であ
る。
【図31】扁平型冷陰極電界電子放出素子−3の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図32】図32に引き続き、扁平型冷陰極電界電子放
出素子−3の製造方法を説明するための支持体等の模式
的な一部端面図である。
【図33】平面型冷陰極電界電子放出素子−1の製造方
法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図であ
る。
【図34】平面型冷陰極電界電子放出素子−2の模式的
な一部断面図である。
【図35】平面型冷陰極電界電子放出素子−2の模式的
な一部断面図である。
【図36】クレータ型冷陰極電界電子放出素子−1の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図、及び、部分的な斜視図である。
【図37】図36に引き続き、クレータ型冷陰極電界電
子放出素子−1の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図38】図38に引き続き、クレータ型冷陰極電界電
子放出素子−1の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図、及び、部分的な斜視図である。
【図39】図39に引き続き、クレータ型冷陰極電界電
子放出素子−1の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部断面図である。
【図40】クレータ型冷陰極電界電子放出素子−2の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断面図
である。
【図41】クレータ型冷陰極電界電子放出素子−3の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図42】クレータ型冷陰極電界電子放出素子−4の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図43】図42に引き続き、クレータ型冷陰極電界電
子放出素子−4の製造方法を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図44】エッジ型冷陰極電界電子放出素子の模式的な
一部断面図である。
【図45】エッジ型冷陰極電界電子放出素子の製造方法
を説明するための支持体等の模式的な一部端面図であ
る。
【図46】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−1]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図47】図46に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−1]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図48】図47に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−1]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図49】図48に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−1]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図50】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
【図51】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
【図52】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−2]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図53】図52に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−2]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図54】図53に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−2]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図55】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図56】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−3]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図57】図56に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−3]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図58】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−4]にて得られるスピント型冷陰極電界電
子放出素子の模式的な一部端面図である。
【図59】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−4]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図60】図59に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−4]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図61】図60に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−4]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図62】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−5]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図63】図62に引き続き、[スピント型冷陰極電界
電子放出素子の製造方法の変形−5]を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図64】[スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造
方法の変形−6]を説明するための支持体等の模式的な
一部端面図である。
【図65】従来の冷陰極電界電子放出表示装置あるいは
冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネルの製造
方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図であ
る。
【図66】従来の冷陰極電界電子放出表示装置あるいは
冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネルの一部
分を拡大した模式的な端面図である。
【図67】中間膜の代わりに、可燃性樹脂材料層を用い
た場合の表示用パネルの製造方法を説明するための基板
等の模式的な一部端面図である。
【符号の説明】 AP・・・アノードパネル、CP・・・カソードパネ
ル、10・・・支持体、11,111,211・・・カ
ソード電極、111A・・・隆起部、111B・・・凹
部、111C・・・先端部、11A・・・微小凹凸部、
11B・・・被覆層、12,12A,12B・・・絶縁
層、13,13A,13B・・・ゲート電極、14.1
4A,14B・・・開口部、15,15A,15B,1
5C,15D,15E・・・電子放出部、17・・・剥
離層、18・・・導電材料層、20・・・基板、21・
・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体
層、23・・・中間膜、24・・・反射膜(アノード電
極)、25・・・スペーサ、26・・・第2の反射膜、
27・・・アノード電極、30・・・枠体、31・・・
走査回路、32・・・制御回路、33・・・加速電源、
40・・・処理層、41・・・排出部、42・・・液
体、43・・・乾燥炉、51・・・剥離層、52・・・
導電性組成物層、60・・・抵抗体層、70・・・炭素
薄膜選択成長領域、71・・・マスク層、72・・・金
属粒子、73・・・炭素薄膜、80,180・・・球
体、81・・・組成物層、81A・・・分散媒、81B
・・・カソード電極材料、180A・・・芯材、180
B・・・表面処理層、90・・・密着層、91・・・導
電材料層、91A・・・凹部、91B・・・柱状部、9
1C・・・拡大部、92・・・マスク材料層、93・・
・エッチング停止層、94・・・基部、94A・・・導
電材料層、95・・・平坦化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 斗紀子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5C028 CC02 5C036 BB02 BB05 CC10 CC11 CC14 EE01 EE14 EF01 EF06 EF09 EG24 EG36 EH08 EH26

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得るための表示用パネル。
  2. 【請求項2】蛍光体層の上方であって反射膜の下方の隔
    壁の間に、隔壁に支持された状態で設けられた第2の反
    射膜を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の表示用パネル。
  3. 【請求項3】反射膜は、アルミニウム又はクロムから成
    ることを特徴とする請求項1に記載の表示用パネル。
  4. 【請求項4】反射膜は、隔壁の側面において支持された
    状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の表示用パネル。
  5. 【請求項5】反射膜は、隔壁の頂面において支持された
    状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    の表示用パネル。
  6. 【請求項6】蛍光体層は、画素に対応してストライプ状
    若しくはドット状に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の表示用パネル。
  7. 【請求項7】反射膜はアノード電極としても機能し、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
    ドパネルを構成することを特徴とする請求項1に記載の
    表示用パネル。
  8. 【請求項8】蛍光体層と基板との間にアノード電極が形
    成されており、 表示用パネルは、冷陰極電界電子放出表示装置のアノー
    ドパネルを構成することを特徴とする請求項1に記載の
    表示用パネル。
  9. 【請求項9】反射膜は、蛍光体層に入射する高速に加速
    された電子の殆どを透過させる厚さを有することを特徴
    とする請求項1に記載の表示用パネル。
  10. 【請求項10】反射膜の厚さは、30nm乃至150n
    mであることを特徴とする請求項9に記載の表示用パネ
    ル。
  11. 【請求項11】反射膜は、蛍光体層から反跳した電子、
    あるいは、蛍光体層から放出された二次電子を蛍光体層
    に向かって反射させ、あるいは又、これらの電子を反射
    膜にて吸収するような厚さであることを特徴とする請求
    項1に記載の表示用パネル。
  12. 【請求項12】電子線源を備えたカソードパネル、及
    び、アノードパネルから成り、カソードパネル及びアノ
    ードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で接合され
    た表示装置であって、 アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得る表示装置。
  13. 【請求項13】蛍光体層の上方であって反射膜の下方の
    隔壁の間に、隔壁に支持された状態で設けられた第2の
    反射膜を更に備えていることを特徴とする請求項12に
    記載の表示装置。
  14. 【請求項14】反射膜は、アルミニウム又はクロムから
    成ることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  15. 【請求項15】反射膜は、隔壁の側面において支持され
    た状態で設けられていることを特徴とする請求項12に
    記載の表示装置。
  16. 【請求項16】反射膜は、隔壁の頂面において支持され
    た状態で設けられていることを特徴とする請求項12に
    記載の表示装置。
  17. 【請求項17】蛍光体層は、画素に対応してストライプ
    状若しくはドット状に形成されていることを特徴とする
    請求項12に記載の表示装置。
  18. 【請求項18】表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置
    を構成し、 反射膜はアノード電極としても機能し、 電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  19. 【請求項19】表示装置は冷陰極電界電子放出表示装置
    を構成し、 蛍光体層と基板との間にアノード電極が形成されてお
    り、 電子線源は冷陰極電界電子放出素子から構成されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
  20. 【請求項20】反射膜は、蛍光体層に入射する高速に加
    速された電子の殆どを透過させる厚さを有することを特
    徴とする請求項12に記載の表示装置。
  21. 【請求項21】反射膜の厚さは、30nm乃至150n
    mであることを特徴とする請求項20に記載の表示装
    置。
  22. 【請求項22】反射膜は、蛍光体層から反跳した電子、
    あるいは、蛍光体層から放出された二次電子を蛍光体層
    に向かって反射させ、あるいは又、これらの電子を反射
    膜にて吸収するような厚さであることを特徴とする請求
    項12に記載の表示装置。
  23. 【請求項23】(A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得るための表示用パネルを製造する方法で
    あって、 (a)隔壁及び蛍光体層が形成された基板を、処理槽内
    に満たされた液体中に、蛍光体層が液面側を向くように
    浸漬する工程と、 (b)液面上に、実質的に平坦な表面を有する中間膜を
    形成する工程と、 (c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
    により、中間膜を隔壁に接触させる工程と、 (d)中間膜を乾燥させることにより、中間膜を、蛍光
    体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持された状態にて配
    設する工程と、 (e)中間膜上に反射膜を形成する工程と、 (f)中間膜を焼成する工程、 から成ることを特徴とする表示用パネルの製造方法。
  24. 【請求項24】液体は水であることを特徴とする請求項
    23に記載の表示用パネルの製造方法。
  25. 【請求項25】中間膜を構成する材料はラッカーである
    ことを特徴とする請求項23に記載の表示用パネルの製
    造方法。
  26. 【請求項26】前記工程(d)と工程(e)との間で、
    平坦な表面状態を維持しつつ、隔壁の側面において支持
    された状態で中間膜が配設されるように、中間膜を変形
    させる工程を含むことを特徴とする請求項23に記載の
    表示用パネルの製造方法。
  27. 【請求項27】(A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得るための表示用パネルを製造する方法で
    あって、 (a)基板上に、隔壁及び蛍光体層を形成する工程と、 (b)隔壁の頂面に、金属箔から成る反射膜を貼り合わ
    せる工程、 から成ることを特徴とする表示用パネルの製造方法。
  28. 【請求項28】電子線源を備えたカソードパネル、及
    び、アノードパネルから成り、カソードパネル及びアノ
    ードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で接合され
    た表示装置であって、 アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得る表示装置の製造方法であって、 アノードパネルを、 (a)隔壁及び蛍光体層が形成された基板を、処理槽内
    に満たされた液体中に、蛍光体層が液面側を向くように
    浸漬する工程と、 (b)液面上に、実質的に平坦な表面を有する中間膜を
    形成する工程と、 (c)処理槽から液体を排出して液面を降下させること
    により、中間膜を隔壁に接触させる工程と、 (d)中間膜を乾燥させることにより、中間膜を、蛍光
    体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持された状態にて配
    設する工程と、 (e)中間膜上に反射膜を形成する工程と、 (f)中間膜を焼成する工程、 を経て製造することを特徴とする表示装置の製造方法。
  29. 【請求項29】液体は水であることを特徴とする請求項
    28に記載の表示装置の製造方法。
  30. 【請求項30】中間膜を構成する材料はラッカーである
    ことを特徴とする請求項28に記載の表示装置の製造方
    法。
  31. 【請求項31】前記工程(d)と工程(e)との間で、
    平坦な表面状態を維持しつつ、隔壁の側面において支持
    された状態で中間膜が配設されるように、中間膜を変形
    させる工程を含むことを特徴とする請求項28に記載の
    表示装置の製造方法。
  32. 【請求項32】電子線源を備えたカソードパネル、及
    び、アノードパネルから成り、カソードパネル及びアノ
    ードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で接合され
    た表示装置であって、 アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)該隔壁の間の基板上に形成された蛍光体層、及
    び、 (D)該蛍光体層の上方の隔壁の間に、隔壁に支持され
    た状態で設けられ、実質的に平坦な表面を有する反射
    膜、 を備え、電子線源から射出され、反射膜を透過した電子
    が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、
    所望の画像を得る表示装置の製造方法であって、 アノードパネルを、 (a)基板上に隔壁及び蛍光体層を形成する工程と、 (b)隔壁の頂面に金属箔から成る反射膜を貼り合わせ
    る工程、 を経て製造することを特徴とする表示装置の製造方法。
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