JP2003007234A - 冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネル及びその製造方法、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソードパネル及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置およびその製造方法 - Google Patents

冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネル及びその製造方法、冷陰極電界電子放出表示装置用のカソードパネル及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置およびその製造方法

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JP2003007234A
JP2003007234A JP2001191493A JP2001191493A JP2003007234A JP 2003007234 A JP2003007234 A JP 2003007234A JP 2001191493 A JP2001191493 A JP 2001191493A JP 2001191493 A JP2001191493 A JP 2001191493A JP 2003007234 A JP2003007234 A JP 2003007234A
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Muneharu Hayashi
宗治 林
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分解や変質、変性が生じ難い隔壁を有する冷陰
極電界電子放出表示装置用のアノードパネルを提供す
る。 【解決手段】冷陰極電界電子放出表示装置用のアノード
パネルAPは、基板20、基板20上に形成された隔壁
22、隔壁22の間に形成された蛍光体層23、及び、
蛍光体層23から隔壁22に亙って形成されたアノード
電極24を備えており、隔壁22は、溶射材料の溶射に
よって形成された溶射層から構成されている。隔壁22
と基板20との間には、光吸収層21が形成されている
ことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極電界電子放
出表示装置用のアノードパネル及びその製造方法、冷陰
極電界電子放出表示装置用のカソードパネル及びその製
造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像機や情報端末機器に用
いられる表示装置の分野では、従来主流の陰極線管(C
RT)から、薄型化、軽量化、大画面化、高精細化の要
求に応え得る平面型(フラットパネル型)の表示装置へ
の移行が検討されている。このような平面型の表示装置
として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッ
センス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PD
P)、冷陰極電界電子放出表示装置(FED:フィール
ドエミッションディスプレイ)を例示することができ
る。この中でも、液晶表示装置は情報端末機器用の表示
装置として広く普及しているが、据置き型のテレビジョ
ン受像機に適用するには、高輝度化や大型化に未だ課題
を残している。これに対して、冷陰極電界電子放出表示
装置は、熱的励起によらず、量子トンネル効果に基づき
固体から真空中に電子を放出することが可能な冷陰極電
界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ場合があ
る)を利用しており、高輝度及び低消費電力の点から注
目を集めている。
【0003】電界放出素子を利用した冷陰極電界電子放
出表示装置(以下、単に表示装置と呼ぶ場合がある)の
模式的な一部端面図を図10に示し、カソードパネルC
Pの模式的な部分的斜視図を図11に示す。図示した電
界放出素子は、円錐形の電子放出部15を有する、所謂
スピント(Spindt)型電界放出素子と呼ばれるタ
イプの電界放出素子である。この電界放出素子は、支持
体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶
縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極
13及び絶縁層12に設けられた開口部14と、開口部
14の底部に位置するカソード電極11上に形成された
円錐形の電子放出部15から構成されている。一般に、
カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電
極の射影像が互いに直交する方向に各々ストライプ状に
形成されており、これらの両電極の射影像が重複する部
分に相当する領域(1画素分の領域に相当する。この領
域を、以下、電子放出領域と呼ぶ)に、通常、複数の電
界放出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領
域が、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示画面
として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状
に配列されている。
【0004】一方、アノードパネルAPは、基板20
と、基板20上に形成され、所定のパターンを有する蛍
光体層23(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体層23
R、緑色発光蛍光体層23G、青色発光蛍光体層23
B)と、その上に形成された反射膜としても機能するア
ノード電極24から構成されている。
【0005】1画素は、カソードパネル側の電子放出領
域と、これらの電界放出素子の一群に対面したアノード
パネル側の蛍光体層23とによって構成されている。有
効領域には、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個も
のオーダーにて配列されている。尚、蛍光体層23と蛍
光体層23との間の基板20上には隔壁122が形成さ
れている。隔壁122とスペーサ25と蛍光体層23の
配置状態を模式的に図2〜図4に示す。尚、従来の技術
の説明における隔壁122を、参照する図面においては
参照番号22で示す。
【0006】カソードパネルCPには、更に、電子放出
領域を取り囲むように、収束電極350が形成されてい
る。収束電極350は、開口部14から放出されアノー
ド電極24へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、
輝度の向上や隣接画素間の色濁りの防止を可能とするた
めの電極であり、アノード電極24とカソード電極11
との間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、カ
ソードパネルCPとアノードパネルAPとの間の距離が
比較的長い、所謂高電圧タイプの表示装置を想定した場
合に、特に有効な部材である。収束電極350には、収
束電源(図示せず)から相対的な負電圧が印加される。
尚、収束電極は、例えば、米国特許第5528103
号、同第5920151号、同第6013974号に開
示されている。ここで、従来の技術の説明における収束
電極350を、参照する図面においては参照番号50で
示す。収束電極350の平面形状は、例えば、格子形状
(井桁形状)である。ここで、図11においては収束電
極の図示を省略している。
【0007】アノードパネルAPとカソードパネルCP
とを、電子放出領域と蛍光体層23とが対向するように
配置し、周縁部において枠体30を介して接合すること
によって、表示装置を作製することができる。有効領域
を包囲し、画素を選択するための周辺回路が形成された
無効領域(実際の表示画面としては機能しない領域であ
り、有効領域の外側に位置する)には、真空排気用の貫
通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔には真
空排気後に封じ切られたチップ管(図示せず)が接続さ
れている。即ち、アノードパネルAPとカソードパネル
CPと枠体30とによって囲まれた空間は真空となって
いる。尚、アノードパネルAP及びカソードパネルCP
には外気によって圧力が加わる。そして、この圧力によ
って表示装置が破損しないように、アノードパネルAP
とカソードパネルCPとの間には、高さが例えば1mm
程度の所謂スペーサ25(図2〜図4参照)が配置され
ている。尚、図10においては、スペーサの図示を省略
した。
【0008】カソード電極11には相対的な負電圧がカ
ソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13
には相対的な正電圧がゲート電極制御回路32から印加
され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に
高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加され
る。かかる表示装置において表示を行う場合、例えば、
カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査
信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路3
2からビデオ信号を入力する。あるいは又、カソード電
極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入
力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走
査信号を入力する。カソード電極11とゲート電極13
との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子ト
ンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出さ
れ、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノ
ード電極24を透過し、蛍光体層23に衝突する。その
結果、蛍光体層23が励起されて発光し、所望の画像を
得ることができる。つまり、この表示装置の動作や明る
さは、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及
び、カソード電極11を通じて電子放出部15に印加さ
れる電圧によって制御される。
【0009】アノード電極24は、蛍光体層23からの
発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層2
3から反跳した電子、あるいは放出された二次電子を反
射させる反射膜としての機能、蛍光体層23の帯電防止
といった機能を有する。
【0010】また、隔壁122は、蛍光体層23から反
跳した電子、あるいは、蛍光体層23から放出された二
次電子が他の蛍光体層23に入射し、所謂光学的クロス
トーク(色濁り)が発生することを防止する機能を有す
る。あるいは又、蛍光体層23から反跳した電子、ある
いは、蛍光体層23から放出された二次電子が隔壁12
2を越えて他の蛍光体層23に向かって侵入したとき、
これらの電子が他の蛍光体層23と衝突することを防止
する機能を有する。尚、隔壁122は、例えば、米国特
許第5477105号、同第5576596号、同第5
543683号、同第5725787号、同第5912
056号、同第6022652号、同第6046539
号に開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来、収束電極350
は、光硬化型の有機材料(例えば、感光性ポリイミド樹
脂)と、その上に形成された導電材料層(例えば、アル
ミニウム層)から構成されている。また、隔壁122
も、光硬化型の有機材料(例えば、感光性ポリイミド樹
脂)から構成されている。そのため、表示装置の製造工
程における加熱処理工程に制約を受けるといった問題が
ある。即ち、例えば、加熱温度の上限が制約される。ま
た、電界放出素子から放出された電子が収束電極350
や隔壁122に衝突する結果、あるいは又、表示装置の
製造工程における加熱処理工程において、収束電極35
0や隔壁122を構成する有機材料に分解や変質が生
じ、ガスが発生するといった問題もある。このようなガ
スは、蛍光体層や電界放出素子に損傷が生じる原因とな
り、あるいは又、表示装置の画質の低下、例えば、輝
度、色度、色純度、ユニフォーミティ、コントラスト等
の低下の原因となる。
【0012】従って、本発明の第1の目的は、分解や変
質が生じ難い隔壁を有する冷陰極電界電子放出表示装置
用のアノードパネル及びその製造方法、並びに、冷陰極
電界電子放出表示装置及びその製造方法を提供すること
にある。
【0013】また、本発明の第2の目的は、分解や変質
が生じ難い収束電極を有する冷陰極電界電子放出表示装
置用のカソードパネル及びその製造方法、並びに、冷陰
極電界電子放出表示装置及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の冷陰極電界電子放出表示装置用のア
ノードパネル(以下、単に、アノードパネルと呼ぶ)
は、(A)基板、(B)基板上に形成された隔壁、
(C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、(D)ア
ノード電極、を備え、冷陰極電界電子放出素子から放出
された電子が蛍光体層に衝突することによって蛍光体層
が発光し、所望の画像を得るためのアノードパネルであ
って、隔壁は、溶射材料の溶射によって形成された溶射
層から構成されていることを特徴とする。
【0015】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、冷
陰極電界電子放出素子から構成された電子放出領域を備
えたカソードパネル、及び、アノードパネルから成り、
カソードパネル及びアノードパネルが真空層を介してそ
れらの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置
であって、アノードパネルは、(A)基板、(B)基板
上に形成された隔壁、(C)隔壁の間に形成された蛍光
体層、及び、(D)アノード電極、を備え、隔壁は、溶
射材料の溶射によって形成された溶射層から構成されて
いることを特徴とする。
【0016】本発明のアノードパネルあるいは本発明の
第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置にあって
は、蛍光体層からの光を吸収する光吸収層が隔壁と基板
との間に形成されていることが、表示画像のコントラス
ト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層
は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。以下の
説明においても同様である。あるいは又、溶射層は、蛍
光体層からの光を吸収する溶射材料から構成されている
ことが、表示画像のコントラスト向上といった観点から
好ましい。ここで、かかる溶射層は、所謂ブラックマト
リックスとして機能する。以下の説明においても同様で
ある。また、本発明のアノードパネルにおいては、溶射
層は導電性溶射材料から構成されていることが、溶射層
それ自体が一種の配線としても機能するが故に、アノー
ド電極の電位を所望の値に確実に保持するといった観点
から好ましい。以下の説明においても同様である。
【0017】上記の第1の目的を達成するための本発明
のアノードパネルの製造方法は、(A)基板、(B)基
板上に形成された隔壁、(C)隔壁の間に形成された蛍
光体層、及び、(D)アノード電極、を備え、冷陰極電
界電子放出素子から放出された電子が蛍光体層に衝突す
ることによって蛍光体層が発光し、所望の画像を得るた
めのアノードパネルの製造方法であって、開口を有する
マスクを基板上に配置して、隔壁を形成すべき基板の部
分を露出させた後、溶射材料を溶射することによって、
露出した基板の部分に溶射層から成る隔壁を形成する工
程を具備することを特徴とする。
【0018】上記の第1の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法は、冷陰極電界電子放出素子を備えたカソードパネ
ル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル及
びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で接
合された冷陰極電界電子放出表示装置であって、アノー
ドパネルは、(A)基板、(B)基板上に形成された隔
壁、(C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、
(D)アノード電極、を備えた冷陰極電界電子放出表示
装置の製造方法であって、開口を有するマスクを基板上
に配置して、隔壁を形成すべき基板の部分を露出させた
後、溶射材料を溶射することによって、露出した基板の
部分に溶射層から成る隔壁を形成する工程を具備するこ
とを特徴とする。
【0019】本発明のアノードパネルの製造方法、ある
いは又、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法においては、マスクを基板上に配置
する前に、隔壁を形成すべき基板の部分の表面に、蛍光
体層からの光を吸収する光吸収層を形成する工程を含む
ことが、表示画像のコントラスト向上といった観点から
好ましい。マスクは、開口を有する板状材料(シート状
材料)から構成することもできるが、所謂感光性材料か
ら構成することが好ましい。そして、後者の場合、光吸
収層を形成した後、感光性材料層を基板及び光吸収層上
に形成し、次いで、該感光性材料層を露光、現像するこ
とによって、感光性材料層から成り、開口を有するマス
クを基板上に配置する工程を含む構成とすることができ
る。そして、この場合、感光性材料層の露光を、感光性
材料層が形成されていない基板の裏面側から行えば、即
ち、背面露光方式を採用すれば、自己整合的に感光性材
料層の露光を行うことができ、好適である。
【0020】あるいは又、本発明のアノードパネルの製
造方法、あるいは又、本発明の第1の態様に係る冷陰極
電界電子放出表示装置の製造方法においては、マスクを
基板上に配置した後、溶射層を形成する前に、蛍光体層
からの光を吸収する溶射材料から構成された光吸収層を
溶射法によって露出した基板の部分に形成する工程を含
むことが、表示画像のコントラスト向上といった観点か
ら好ましい。ここで、マスクは、開口を有する板状材料
(シート状材料)から構成することもできるし、所謂感
光性ドライフィルムから構成することもできる。
【0021】本発明のアノードパネルの製造方法、ある
いは又、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置の製造方法においては、溶射層を、蛍光体層か
らの光を吸収する溶射材料から構成してもよい。また、
溶射層を導電性溶射材料から構成してもよい。
【0022】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置用のカ
ソードパネル(以下、単に、カソードパネルと呼ぶ)
は、(A)支持体上に設けられたカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)
ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開
口部の底部に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界
電子放出素子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリ
クス状に配置されて成るカソードパネルであって、アノ
ードパネルと対向するカソードパネルの面には、電子放
出領域に沿って収束電極が形成され、収束電極は、導電
性溶射材料の溶射によって形成された溶射層から構成さ
れていることを特徴とする。
【0023】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成るカソードパネル、及び、アノードパネルか
ら成り、カソードパネル及びアノードパネルが真空層を
介してそれらの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出
表示装置であって、アノードパネルと対向するカソード
パネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形成
され、収束電極は、導電性溶射材料の溶射によって形成
された溶射層から構成されていることを特徴とする。
【0024】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係るカソードパネルは、(A)支持体上
に設けられたカソード電極と、(B)支持体及びカソー
ド電極上に形成された絶縁層と、(C)絶縁層上に形成
されたゲート電極と、(D)ゲート電極及び絶縁層に設
けられた開口部と、(E)開口部の底部に位置する電子
放出部、から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた
電子放出領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカ
ソードパネルであって、アノードパネルと対向するカソ
ードパネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が
形成され、収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって
形成された溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導電
材料層から構成されていることを特徴とする。
【0025】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成るカソードパネル、及び、アノードパネルか
ら成り、カソードパネル及びアノードパネルが真空層を
介してそれらの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出
表示装置であって、アノードパネルと対向するカソード
パネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形成
され、収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成
された溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導電材料
層から構成されていることを特徴とする。
【0026】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第3の態様に係るカソードパネルは、(A)支持体上
に設けられたカソード電極と、(B)支持体及びカソー
ド電極上に形成された絶縁層と、(C)絶縁層上に形成
されたゲート電極と、(D)ゲート電極及び絶縁層に設
けられた開口部と、(E)開口部の底部に位置する電子
放出部、から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた
電子放出領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカ
ソードパネルであって、アノードパネルと対向するカソ
ードパネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が
形成され、収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって
形成された第1の溶射層と、導電性溶射材料の溶射によ
って第1の溶射層上に形成された第2の溶射層から構成
されていることを特徴とする。
【0027】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成るカソードパネル、及び、アノードパネルか
ら成り、カソードパネル及びアノードパネルが真空層を
介してそれらの周縁部で接合された冷陰極電界電子放出
表示装置であって、アノードパネルと対向するカソード
パネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形成
され、収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成
された第1の溶射層と、導電性溶射材料の溶射によって
第1の溶射層上に形成された第2の溶射層から構成され
ていることを特徴とする。
【0028】上記の第1の目的及び第2の目的を達成す
るための本発明の第5の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置は、本発明の第2の態様、第3の態様若しくは
第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置における
アノードパネルが、(A)基板、(B)基板上に形成さ
れた隔壁、(C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及
び、(D)アノード電極、を備え、隔壁は、溶射材料の
溶射によって形成された溶射層から構成されていること
を特徴とする。
【0029】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第1の態様に係るカソードパネルの製造方法は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成り、更に、アノードパネルと対向するカソー
ドパネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形
成されたカソードパネルの製造方法であって、開口を有
するマスクをカソードパネルの該面上に配置して、収束
電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分を露出さ
せた後、導電性溶射材料を溶射することによって、露出
したカソードパネルの該面の部分に溶射層から成る収束
電極を形成する工程を具備することを特徴とする。
【0030】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法は、(A)支持体上に設けられたカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)
ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開
口部の底部に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界
電子放出素子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリ
クス状に配置されて成るカソードパネル、及び、アノー
ドパネルから成り、カソードパネル及びアノードパネル
が真空層を介してそれらの周縁部で接合され、アノード
パネルと対向するカソードパネルの面には、電子放出領
域に沿って収束電極が形成された冷陰極電界電子放出表
示装置の製造方法であって、開口を有するマスクをカソ
ードパネルの該面上に配置して、収束電極を形成すべき
カソードパネルの該面の部分を露出させた後、導電性溶
射材料を溶射することによって、露出したカソードパネ
ルの該面の部分に溶射層から成る収束電極を形成する工
程を具備することを特徴とする。
【0031】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係るカソードパネルの製造方法は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成り、更に、アノードパネルと対向するカソー
ドパネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形
成されており、収束電極は、溶射層と、該溶射層の頂面
に形成された導電材料層から構成されているカソードパ
ネルの製造方法であって、開口を有するマスクをカソー
ドパネルの該面上に配置して、収束電極を形成すべきカ
ソードパネルの該面の部分を露出させた後、絶縁性溶射
材料を溶射することによって、露出したカソードパネル
の該面の部分に溶射層を形成する工程を具備することを
特徴とする。
【0032】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第3の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法は、(A)支持体上に設けられたカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)
ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開
口部の底部に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界
電子放出素子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリ
クス状に配置されて成るカソードパネル、及び、アノー
ドパネルから成り、カソードパネル及びアノードパネル
が真空層を介してそれらの周縁部で接合され、アノード
パネルと対向するカソードパネルの面には、電子放出領
域に沿って収束電極が形成されており、収束電極は、溶
射層と、該溶射層の頂面に形成された導電材料層から構
成されている冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法で
あって、開口を有するマスクをカソードパネルの該面上
に配置して、収束電極を形成すべきカソードパネルの該
面の部分を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶射するこ
とによって、露出したカソードパネルの該面の部分に溶
射層を形成する工程を具備することを特徴とする。
【0033】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第3の態様に係るカソードパネルの製造方法は、
(A)支持体上に設けられたカソード電極と、(B)支
持体及びカソード電極上に形成された絶縁層と、(C)
絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開口部の底部
に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界電子放出素
子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリクス状に配
置されて成り、更に、アノードパネルと対向するカソー
ドパネルの面には、電子放出領域に沿って収束電極が形
成されており、収束電極は、第1の溶射層と、第1の溶
射層上に形成された第2の溶射層から構成されているカ
ソードパネルの製造方法であって、開口を有するマスク
をカソードパネルの該面上に配置して、収束電極を形成
すべきカソードパネルの該面の部分を露出させた後、絶
縁性溶射材料を溶射することによって、露出したカソー
ドパネルの該面の部分に第1の溶射層を形成し、次い
で、導電性溶射材料を溶射することによって、第1の溶
射層上に第2の溶射層を形成する工程を具備することを
特徴とする。
【0034】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造
方法は、(A)支持体上に設けられたカソード電極と、
(B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、(D)
ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、(E)開
口部の底部に位置する電子放出部、から成る冷陰極電界
電子放出素子を複数備えた電子放出領域が2次元マトリ
クス状に配置されて成るカソードパネル、及び、アノー
ドパネルから成り、カソードパネル及びアノードパネル
が真空層を介してそれらの周縁部で接合され、アノード
パネルと対向するカソードパネルの面には、電子放出領
域に沿って収束電極が形成されており、収束電極は、第
1の溶射層と、第1の溶射層上に形成された第2の溶射
層から構成されている冷陰極電界電子放出表示装置の製
造方法であって、開口を有するマスクをカソードパネル
の該面上に配置して、収束電極を形成すべきカソードパ
ネルの該面の部分を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶
射することによって、露出したカソードパネルの該面の
部分に第1の溶射層を形成し、次いで、導電性溶射材料
を溶射することによって、第1の溶射層上に第2の溶射
層を形成する工程を具備することを特徴とする。
【0035】本発明のアノードパネルあるいはその製造
方法、本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表
示装置あるいはその製造方法におけるアノードパネル、
本発明の第5の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置
におけるアノードパネルにあっては、隔壁あるいは溶射
層を構成する溶射材料として、アノードパネルあるいは
冷陰極電界電子放出表示装置の製造工程における加熱処
理温度において変質、変性、分解等が生じない耐熱性の
ある材料を用いる必要があり、具体的には、セラミック
ス、例えば、チタニア(TiO2)といったチタン酸化
物、クロミア(Cr23)といったクロム酸化物、アル
ミナ(Al23)やグレイアルミナ(Al23・TiO
2)といったアルミニウム酸化物、マグネシア(Mg
O)やマグネシアスピネル(MgO・Al23)といっ
たマグネシウム酸化物、ジルコニア(ZrO2)やジル
コン(ZrO2・SiO2)といったジルコニウム酸化
物、シリコン酸化物、アルミニウム窒化物、シリコン窒
化物、ジルコニウム窒化物、マグネシウム窒化物、タン
グステンカーバイド(WC)、チタンカーバイド(Ti
C)、シリコンカーバイド(SiC)、クロムカーバイ
ド(Cr32)を挙げることができる。あるいは又、金
属材料、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、
ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、クロム(C
r)、タングステン(W)、チタン(Ti)、レニウム
(Re)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)を挙げる
ことができ、更には、金属合金、例えば、ニッケル−ク
ロム合金、鉄−ニッケル合金、コバール、フェライトを
例示することができる。更には、ガラスを用いることも
できるし、これらのセラミックス、金属、金属合金、ガ
ラスの2種類以上の混合物であってもよい。尚、溶射層
を導電性溶射材料から構成する場合、上述の各種の材料
の内、導電性を有する材料を適宜選択すればよく、例え
ば、隔壁あるいは溶射層の電気抵抗が1Ω・m以下とな
るような材料を選択することが好ましい。また、光吸収
層を、蛍光体層からの光を吸収する溶射材料から構成す
る場合、あるいは又、溶射層を、蛍光体層からの光を吸
収する溶射材料から構成する場合にも、上述の各種の材
料の内、蛍光体層からの光を吸収する溶射材料を適宜選
択すればよく、例えば、蛍光体層からの光を99%以上
吸収するような材料を選択することが好ましい。このよ
うな材料として、チタン酸化物、クロム酸化物、チタン
酸化物とアルミニウム酸化物の混合物を挙げることがで
きる。
【0036】隔壁を形成するための溶射法としては、あ
るいは又、蛍光体層からの光を吸収する溶射材料から構
成された光吸収層を溶射法によって形成するための溶射
法としては、周知の溶射法を採用することができ、例え
ば、プラズマ溶射法、フレーム溶射法、レーザー溶射
法、アーク溶射法を挙げることができる。
【0037】隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁
形状)、即ち、1画素に相当する、例えば平面形状が略
矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙
げることができ、あるいは、略矩形あるいはストライプ
状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状を挙げることができる。隔壁を格
子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続
的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形
状としてもよい。隔壁を帯状形状あるいはストライプ形
状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な
形状としてもよい。
【0038】隔壁を形成した後、マスクを除去する前
に、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよ
い。
【0039】アノードパネルにおいて、冷陰極電界電子
放出素子から放出された電子が先ず衝突する部位は、ア
ノードパネルの構造に依るが、アノード電極であり、あ
るいは又、蛍光体層である。
【0040】蛍光体層の平面形状(パターン)は、画素
に対応して、ドット状であってもよいし、ストライプ状
であってもよい。即ち、蛍光体層が隔壁の間に形成され
ているとは、隔壁の平面形状が格子形状(井桁形状)の
場合、隔壁で取り囲まれた基板の部分の上あるいは上方
に形成されていることを意味し、蛍光体層はドット状
(略矩形形状)の平面形状を有する。一方、隔壁の平面
形状が帯状(ストライプ形状)の場合、対向する一対の
隔壁で挟まれた基板の部分の上あるいは上方に形成され
ていることを意味し、蛍光体層はドット状(略矩形形
状)あるいはストライプ状の平面形状を有する。
【0041】蛍光体層は、発光性結晶粒子(例えば、粒
径5〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光
性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発
光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗
布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体層を形成し、次
いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光
体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発
光蛍光体層を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶
粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露
光、現像して、青色発光蛍光体層を形成する方法にて形
成することができる。
【0042】発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料とし
ては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用い
ることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSC
で規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バ
ランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほ
ぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好まし
い。赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(YBO3
u)、(YVO4:Eu)、(Y0.960.600.404
Eu0.04)、[(Y,Gd)BO3:Eu]、(GdB
3:Eu)、(ScBO3:Eu)、(3.5MgO・
0.5MgF2・GeO2:Mn)を例示することができ
る。緑色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、
(ZnSiO 2:Mn)、(BaAl1219:Mn)、
(BaMg2Al1627:Mn)、(MgGa24:M
n)、(YBO3:Tb)、(LuBO3:Tb)、(S
4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)を
例示することができる。青色発光蛍光体層を構成する蛍
光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaW
4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(Ba
MgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、
(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)を例
示することができる。
【0043】アノード電極の構成材料は、冷陰極電界電
子放出表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即
ち、冷陰極電界電子放出表示装置が透過型(アノードパ
ネルが表示面に相当する)であって、且つ、基板上にア
ノード電極と蛍光体層がこの順に積層されている場合に
は、基板は元より、アノード電極自身も透明である必要
があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材
料を用いる。一方、冷陰極電界電子放出表示装置が反射
型(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、
及び、透過型であっても基板上に蛍光体層とアノード電
極とがこの順に積層されている場合には、ITOの他、
アルミニウム(Al)あるいはクロム(Cr)を用いる
ことができる。アルミニウム(Al)あるいはクロム
(Cr)からアノード電極を構成する場合、アノード電
極の厚さとして、具体的には、3×10-8m(30n
m)乃至1.5×10-7m(150nm)、好ましくは
5×10-8m(50nm)乃至1×10-7m(100n
m)を例示することができる。アノード電極は、蒸着法
やスパッタリング法にて形成することができる。
【0044】アノード電極と蛍光体層の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極
の上に蛍光体層を形成する構成、(2)基板上に、蛍光
体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構
成、を挙げることができる。尚、(1)の構成におい
て、蛍光体層の上に、アノード電極と導通した所謂メタ
ルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成にお
いて、アノード電極の上にメタルバック膜を形成しても
よい。隔壁は基板上に形成されているが、(1)の場
合、隔壁がアノード電極上に形成されている場合もある
が、この場合も、隔壁が基板上に形成されているといっ
た概念に包含される。
【0045】隔壁と基板との間に蛍光体層からの光を吸
収する光吸収層を形成する場合、光吸収層を構成する材
料として、蛍光体層からの光を99%以上吸収する材料
を選択することが好ましい。このような材料として、カ
ーボン、金属薄膜、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト等
の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイ
ミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を
例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜
においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法と
の組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコー
ティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印
刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適
宜選択された方法にて形成することができる。尚、上記
(1)の場合であって、隔壁をアノード電極上に形成す
る場合、光吸収層は、基板とアノード電極との間に形成
してもよいし、アノード電極と隔壁との間に形成しても
よい。
【0046】本発明のアノードパネルの製造方法あるい
は本発明の第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装
置の製造方法にあっては、基板上にマスクを配置する
が、上記(1)の場合であって、隔壁がアノード電極上
に形成されている場合、アノード電極上にマスクを配置
するが、この場合も、基板上にマスクを配置するといっ
た概念に包含される。また、露出したアノード電極の部
分に溶射層から成る隔壁を形成するが、この場合も、露
出した基板の部分に溶射層から成る隔壁を形成するとい
った概念に包含される。即ち、本発明のアノードパネル
の製造方法あるいは本発明の第1の態様に係る冷陰極電
界電子放出表示装置の製造方法にあっては、基板上にマ
スクを配置するとは、広くは、カソードパネルと対向す
るアノードパネルの面上に開口を有するマスクを配置し
て、隔壁を形成すべきアノードパネルの該面の部分を露
出させることを意味する。
【0047】マスクは、例えば、感光性材料(例えば、
感光性液状レジスト材料や感光性ドライフィルム)から
構成することができ、あるいは又、金属、ガラス、セラ
ミック、耐熱性樹脂等から作製された板状材料(シート
状材料)から構成することができる。感光性材料層から
マスクを構成する場合、かかる感光性材料層にリソグラ
フィ技術を応用して開口を形成すればよく、基板上にマ
スクを配置するとは、マスクと基板とが(カソードパネ
ルと対向するアノードパネルの面とマスクとが)密着し
た状態を意味する。板状材料(シート状材料)からマス
クを構成する場合、かかる板状材料(シート状材料)に
機械加工等によって予め開口を設けておけばよく、基板
上にマスクを配置するとは、マスクが基板に載置された
状態(カソードパネルと対向するアノードパネルの面に
マスクが載置された状態)を意味する。また、感光性材
料層を基板及び光吸収層上に形成するとは、感光性材料
を感光性ドライフィルムから構成する場合、感光性ドラ
イフィルムを基板及び光吸収層に積層する(カソードパ
ネルと対向するアノードパネルの面に感光性ドライフィ
ルムを積層する)ことを意味し、感光性材料を感光性液
状レジスト材料から構成する場合、感光性液状レジスト
材料層を基板及び光吸収層上に成膜する(カソードパネ
ルと対向するアノードパネルの面上に感光性液状レジス
ト材料層を成膜する)ことを意味する。隔壁の形成後、
マスクの構成に依存して適宜選択された方法にてマスク
を基板上から取り除く。即ち、例えば、マスクを、化学
的に除去し(例えば、薬液によって剥離し、あるいは
又、焼成し)、あるいは又、機械的に除去する。
【0048】本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカ
ソードパネルあるいはその製造方法、本発明の第2の態
様〜第5の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置ある
いはその製造方法においては、収束電極が電子放出領域
に沿って設けられているが、収束電極の平面形状は、格
子形状(井桁形状)、即ち、1画素に相当する、例えば
平面形状が矩形の電子放出領域の四方を取り囲む形状を
挙げることができ、あるいは、例えば平面形状が矩形の
電子放出領域の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状を挙げることができる。収束電極
の平面形状が帯状形状あるいはストライプ形状である場
合、帯状形状あるいはストライプ形状の縁部は直線状に
限定されず、帯状形状あるいはストライプ形状の幅を電
子放出領域と近接する部分では狭くし、その他の部分で
は広くする構成とすることもできる。収束電極を格子形
状とする場合、1つの電子放出領域の四方を連続的に取
り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状とし
てもよい。収束電極を帯状形状あるいはストライプ形状
とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形
状としてもよい。収束電極を格子形状とする場合、収束
電極は、ゲート電極及び絶縁層の上あるいは上方に形成
される。一方、収束電極を帯状形状あるいはストライプ
形状とする場合、収束電極は、絶縁層の上あるいは上方
に形成され、あるいは又、絶縁層及びゲート電極の上あ
るいは上方に形成される。尚、収束電極を不連続な形状
とする場合には、収束電極の下に導電層を形成し、かか
る導電層の下に、導電層とゲート電極とが短絡しないよ
うに層間絶縁層を形成しておく。導電層は、導電性を有
する材料であれば、如何なる材料をも用いることができ
る。
【0049】収束電極を形成するための溶射法として
は、周知の溶射法を採用することができ、例えば、プラ
ズマ溶射法、フレーム溶射法、レーザー溶射法、アーク
溶射法を挙げることができる。
【0050】本発明の第1の態様に係るカソードパネル
あるいはその製造方法、若しくは、本発明の第2の態様
に係る冷陰極電界電子放出表示装置あるいはその製造方
法においては、収束電極を少なくともゲート電極の上方
に形成する場合、収束電極とゲート電極との短絡を防止
するために、収束電極とゲート電極との間に絶縁材料層
を形成しておく必要がある。かかる絶縁材料層の構成材
料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、As
SG、PbSG、SiN、SiON、SOG(スピンオ
ングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったS
iO2系材料、SiN、ポリイミド等の絶縁性樹脂を、
単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
絶縁材料層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリ
ング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用で
きる。
【0051】本発明の第1の態様若しくは第3の態様に
係るカソードパネルあるいはその製造方法、本発明の第
2の態様若しくは第4の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置あるいはその製造方法においては、導電性溶射
材料として、金属材料、例えば、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、モリブデン(M
o)、クロム(Cr)、タングステン(W)、チタン
(Ti)、レニウム(Re)、バナジウム(V)、ニオ
ブ(Nb)を挙げることができ、更には、金属合金、例
えば、ニッケル−クロム合金、鉄−ニッケル合金、コバ
ール、フェライトを例示することができる。更には、こ
れらの金属、金属合金の2種類以上の混合物であっても
よい。尚、例えば、導電性溶射材料によって構成される
収束電極の部分の電気抵抗が1Ω・m以下となるような
材料を選択することが好ましい。
【0052】本発明の第2の態様若しくは第3の態様に
係るカソードパネルあるいはその製造方法、本発明の第
3の態様若しくは第4の態様に係る冷陰極電界電子放出
表示装置あるいはその製造方法における絶縁性溶射材料
として、セラミックス、例えば、チタニア(TiO2
といったチタン酸化物、クロミア(Cr23)といった
クロム酸化物、アルミナ(Al23)やグレイアルミナ
(Al23・TiO2)といったアルミニウム酸化物、
マグネシア(MgO)やマグネシアスピネル(MgO・
Al23)といったマグネシウム酸化物、ジルコニア
(ZrO2)やジルコン(ZrO2・SiO2)といった
ジルコニウム酸化物、シリコン酸化物、アルミニウム窒
化物、シリコン窒化物、ジルコニウム窒化物、マグネシ
ウム窒化物、タングステンカーバイド(WC)、チタン
カーバイド(TiC)、シリコンカーバイド(Si
C)、クロムカーバイド(Cr32)を挙げることがで
きる。あるいは又、ガラスを用いることもできるし、こ
れらのセラミックス、ガラスの2種類以上の混合物であ
ってもよい。尚、例えば、絶縁性溶射材料によって構成
される収束電極の部分の電気抵抗が1×1010Ω・m以
上となるような材料を選択することが好ましい。
【0053】本発明の第2の態様に係るカソードパネル
あるいはその製造方法、本発明の第3の態様に係る冷陰
極電界電子放出表示装置あるいはその製造方法における
溶射層の頂面に形成された導電材料層を構成する材料
は、導電性を有する材料であれば、如何なる材料をも用
いることができる。導電材料層の形成方法として、電子
ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法を含む各種の真空
蒸着法、スパッタリング法、CVD法やイオンプレーテ
ィング法、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げること
ができる。尚、導電材料層は、溶射層の頂面から溶射層
の側面上方に亙って形成されていてもよい。
【0054】本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカ
ソードパネルの製造方法、本発明の第2の態様〜第4の
態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法にお
いては、冷陰極電界電子放出素子の構造、製造方法に依
るが、 支持体上にカソード電極を形成する工程 支持体及びカソード電極上に絶縁層を形成する工程 絶縁層上にゲート電極を形成する工程 少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程 を経た後、 収束電極を形成する工程 を経て、カソードパネルを完成させてもよい。
【0055】この場合、工程と工程の間で、あるい
は又、工程の後、開口部の底部に露出したカソード電
極上に電子放出部を形成してもよいし、開口部の底部に
露出したカソード電極を加工して電子放出部としてもよ
い。あるいは又、工程において、カソード電極上に電
子放出部を形成してもよいし、カソード電極を加工して
電子放出部としてもよい。
【0056】あるいは又、 支持体上にカソード電極を形成する工程 支持体及びカソード電極上に絶縁層を形成する工程 絶縁層上にゲート電極を形成する工程 を経た後、 収束電極を形成し、その後、 少なくとも絶縁層に開口部を形成する工程 を実行してもよい。
【0057】この場合、工程の後、開口部の底部に露
出したカソード電極上に電子放出部を形成してもよい
し、開口部の底部に露出したカソード電極を加工して電
子放出部としてもよい。あるいは又、工程において、
カソード電極上に電子放出部を形成してもよいし、カソ
ード電極を加工して電子放出部としてもよい。
【0058】尚、「少なくとも絶縁層に開口部を形成す
る」と表現したのは、ゲート電極の形成時、ゲート電極
の形成方法に依ってはゲート電極に開口部を同時に形成
する場合があるからであり、ゲート電極の形成時、ゲー
ト電極に開口部を形成しない場合には、工程や工程
において、ゲート電極にも開口部を形成する。
【0059】以上のカソードパネルの製造手順を、以下
の表1に纏めた。表1中の数字は、手順の順番を示す。
【0060】[表1]
【0061】本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカ
ソードパネルあるいはその製造方法、本発明の第2の態
様〜第4の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置ある
いはその製造方法における冷陰極電界電子放出素子(以
下、電界放出素子と略称する)は、開口部の底部に位置
する電子放出部の構造により、具体的には、以下の3つ
の範疇に分類することができる。即ち、第1の構造の電
界放出素子は、(イ)支持体上に設けられたストライプ
状のカソード電極と、(ロ)支持体及びカソード電極上
に形成された絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられたス
トライプ状のゲート電極と、(ニ)ゲート電極及び絶縁
層に設けられた開口部(尚、以下の説明において、ゲー
ト電極に設けられた開口部を第1の開口部、絶縁層に設
けられた開口部を第2の開口部と呼ぶ場合がある)と、
(ホ)第2の開口部の底部に位置するカソード電極上に
設けられた電子放出部、から成り、第2の開口部の底部
に露出した電子放出部から電子が放出される構造を有す
る。
【0062】このような第1の構造を有する電界放出素
子として、スピント型(円錐形の電子放出部が、第2の
開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられた電
界放出素子)、クラウン型(王冠状の電子放出部が、第
2の開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ
た電界放出素子)、扁平型(略平面の電子放出部が、第
2の開口部の底部に位置するカソード電極上に設けられ
た電界放出素子)を挙げることができる。
【0063】第2の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体上に設けられたストライプ状のカソード電極と、
(ロ)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
と、(ハ)絶縁層上に設けられたストライプ状のゲート
電極と、(ニ)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口
部と、から成り、第2の開口部の底部に露出したカソー
ド電極の部分が電子放出部に相当し、かかる第2の開口
部の底部に露出したカソード電極の部分から電子を放出
する構造を有する。
【0064】このような第2の構造を有する電界放出素
子として、平坦なカソード電極の表面から電子を放出す
る平面型電界放出素子、凹凸が形成されたカソード電極
の表面の凸部から電子を放出するクレータ型電界放出素
子を挙げることができる。
【0065】第3の構造の電界放出素子は、(イ)支持
体の上方に設けられ、エッジ部を有するストライプ状の
カソード電極と、(ロ)少なくともカソード電極上に形
成された絶縁層と、(ハ)絶縁層上に設けられたストラ
イプ状のゲート電極と、(ニ)少なくとも、ゲート電極
及び絶縁層に設けられた開口部、から成り、第2の開口
部の底部(側壁を含む)に露出したカソード電極のエッ
ジ部が電子放出部に相当し、第2の開口部の底部(側壁
を含む)に露出したカソード電極のエッジ部から電子を
放出する構造を有する。このような構造を有する電界放
出素子はエッジ型電界放出素子とも呼ばれる。
【0066】スピント型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、タングステン、タングス
テン合金、モリブデン、モリブデン合金、チタン、チタ
ン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合
金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリ
コン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る
群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げること
ができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、例
えば、真空蒸着法やスパッタリング法、CVD法によっ
て形成することができる。
【0067】クラウン型電界放出素子にあっては、電子
放出部を構成する材料として、導電性粒子、あるいは、
導電性粒子とバインダの組合せを挙げることができる。
導電性粒子として、黒鉛等のカーボン系材料;タングス
テン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタ
ン(Ti)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等の
高融点金属;あるいはITO(インジウム・錫酸化物)
等の透明導電材料を挙げることができる。バインダとし
て、例えば水ガラスといったガラスや汎用樹脂を使用す
ることができる。汎用樹脂として、塩化ビニル系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース
エステル系樹脂、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂や、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等
の熱硬化性樹脂を例示することができる。電子放出効率
の向上のためには、導電性粒子の粒径が電子放出部の寸
法に比べて十分に小さいことが好ましい。導電性粒子の
形状は、球形、多面体、板状、針状、柱状、不定形等、
特に限定されないが、導電性粒子の露出部が鋭い突起と
なり得るような形状であることが好ましい。寸法や形状
の異なる導電性粒子を混合して使用してもよい。クラウ
ン型電界放出素子の電子放出部は、例えば、リフトオフ
法と組み合わせた塗布法、真空蒸着法、スパッタリング
法によって形成することができる。
【0068】扁平型電界放出素子にあっては、あるいは
又、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカ
ソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密
度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子
におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、
タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.
02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜
4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、
銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、
クロム(Φ=4.5eV)、シリコン(Φ=4.9e
V)を例示することができる。電子放出部は、これらの
材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好まし
く、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。か
かる材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=
2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76e
V)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ
=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0e
V)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS
(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、
ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。
仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構
成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成す
る材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
【0069】特に好ましい電子放出部の構成材料とし
て、炭素、より具体的にはダイヤモンドやグラファイ
ト、カーボンナノチューブを挙げることができる。電子
放出部をこれらから構成する場合、5×107V/m以
下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電子電流密度
を得ることができる。また、ダイヤモンドは電気抵抗体
であるため、各電子放出部から得られる放出電子電流を
均一化することができ、よって、表示装置に組み込まれ
た場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これ
らの材料は、表示装置内の残留ガスのイオンによるスパ
ッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放
出素子の長寿命化を図ることができる。
【0070】あるいは又、電子放出部を構成する材料と
して、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構
成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよ
うな材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、
アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(C
o)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(N
b)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(T
a)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の
金属;シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の半
導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アル
ミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化
ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸
化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ
化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2
等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、
電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えて
いる必要はない。
【0071】第2の構造を有する電界放出素子(平面型
電界放出素子あるいはクレータ型電界放出素子)、若し
くは第3の構造を有する電界放出素子(エッジ型電界放
出素子)にあっては、電子放出部に相当するカソード電
極を構成する材料として、タングステン(W)やタンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、モリブ
デン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニウム(A
l)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属;
これらの合金や化合物(例えばTiN等の窒化物や、W
Si2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイ
ド);シリコン(Si)等の半導体;あるいはダイヤモ
ンド等の炭素薄膜を例示することができる。かかるカソ
ード電極の厚さは、おおよそ0.05〜0.5μm、好
ましくは0.1〜0.3μmの範囲とすることが望まし
いが、かかる範囲に限定するものではない。カソード電
極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱フィ
ラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、C
VD法やイオンプレーティング法とエッチング法との組
合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げることがで
きる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、ス
トライプ状のカソード電極を形成することが可能であ
る。
【0072】あるいは又、第2の構造(平面型電界放出
素子あるいはクレータ型電界放出素子)、第3の構造を
有する電界放出素子(エッジ型電界放出素子)、あるい
は、扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有する電
界放出素子にあっては、カソード電極や電子放出部を、
導電性微粒子を分散させた導電性ペーストを用いて形成
することもできる。導電性微粒子としては、グラファイ
ト粉末;酸化バリウム粉末、酸化ストロンチウム粉末、
金属粉末の少なくとも一種を混合したグラファイト粉
末;窒素、リン、ホウ素、トリアゾール等の不純物を含
むダイヤモンド粒子又はダイヤモンドライク・カーボン
粉末;カーボン・ナノ・チューブ粉末;(Sr,Ba,
Ca)CO3粉末;シリコン・カーバイド粉末を例示す
ることができる。特に、導電性微粒子としてグラファイ
ト粉末を選択することが、閾値電界の低減や電子放出部
の耐久性の観点から好ましい。導電性微粒子の形状を、
球状、鱗片状の他、任意の定形形状や不定形形状とする
ことができる。また、導電性微粒子の粒径は、カソード
電極や電子放出部の厚さやパターン幅以下であればよ
い。粒径が小さい方が、単位面積当たりの放出電子数を
増大させることができるが、あまり小さ過ぎるとカソー
ド電極や電子放出部の導電性が劣化する虞がある。よっ
て、好ましい粒径の範囲はおおよそ0.01〜4.0μ
mである。かかる導電性微粒子をガラス成分その他の適
当なバインダと混合して導電性ペーストを調製し、この
導電性ペースを用いてスクリーン印刷法により所望のパ
ターンを形成した後、パターンを焼成することによって
電子放出部として機能するカソード電極や電子放出部を
形成することができる。あるいは、スピンコーティング
法とエッチング技術の組み合わせにより、電子放出部と
して機能するカソード電極や電子放出部を形成すること
もできる。
【0073】また、スピント型電界放出素子やクラウン
型電界放出素子から成る第1の構造を有する電界放出素
子にあっては、カソード電極を構成する材料として、タ
ングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(T
a)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)等の金属;これらの金属元素
を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物
や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシ
リサイド);シリコン(Si)等の半導体;ITO(イ
ンジウム・錫酸化物)を例示することができる。カソー
ド電極の形成方法として、例えば電子ビーム蒸着法や熱
フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング
法、CVD法やイオンプレーティング法とエッチング法
との組合せ、スクリーン印刷法、メッキ法等を挙げるこ
とができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直
接、ストライプ状のカソード電極を形成することが可能
である。
【0074】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、ゲート電極及び絶縁層に設けられた1つ
の第1の開口部及び第2の開口部内に1つの電子放出部
が存在してもよいし、ゲート電極及び絶縁層に設けられ
た1つの第1の開口部及び第2の開口部内に複数の電子
放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1の
開口部を設け、かかる第1の開口部と連通する1つの第
2の開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの
第2の開口部内に1又は複数の電子放出部が存在しても
よい。
【0075】第1の開口部あるいは第2の開口部の平面
形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断した
ときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを
帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とする
ことができる。第1の開口部の形成は、例えば、等方性
エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組
合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極
の形成方法に依っては、第1の開口部を直接形成するこ
ともできる。第2の開口部の形成も、例えば、等方性エ
ッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合
せによって行うことができる。
【0076】第1の構造〜第3の構造を有する電界放出
素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗
体層を設けてもよい。あるいは又、カソード電極の表面
あるいはそのエッジ部が電子放出部に相当している場
合、カソード電極を導電材料層、抵抗体層、電子放出部
に相当する電子放出層の3層構成としてもよい。抵抗体
層を設けることによって、電界放出素子の動作安定化、
電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体層を
構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)や
SiCNといったカーボン系材料、SiN、アモルファ
スシリコン等の半導体材料、酸化ルテニウム(Ru
2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸
化物を例示することができる。抵抗体層の形成方法とし
て、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法
を例示することができる。抵抗値は、概ね1×105
1×107Ω、好ましくは数MΩとすればよい。
【0077】各種の電界放出素子におけるゲート電極を
構成する導電性材料として、タングステン(W)、ニオ
ブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等
の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物
(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、T
iSi2、TaSi2等のシリサイド);あるいはシリコ
ン(Si)等の半導体やダイヤモンド、カーボン、IT
O(インジウム・錫酸化物)を例示することができる。
【0078】絶縁層の構成材料として、SiO2、BP
SG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiN、
SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラ
ス、ガラスペーストといったSiO2系材料、SiN、
ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合
わせて使用することができる。絶縁層の形成には、CV
D法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等
の公知のプロセスが利用できる。
【0079】カソードパネルを構成する支持体は、少な
くとも表面が絶縁性部材より構成されていればよく、ガ
ラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英
基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁
膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製
造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表
面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ま
しい。アノードパネルを構成する基板も、支持体と同様
に構成することができる。
【0080】カソードパネルとアノードパネルとを周縁
部において接合する場合、接合は接着層を用いて行って
もよいし、あるいはガラスやセラミックス等の絶縁剛性
材料から成る枠体と接着層とを併用して行ってもよい。
枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜
選択することにより、接着層のみを使用する場合に比
べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離
をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構
成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融
点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用
いてもよい。かかる低融点金属材料としては、In(イ
ンジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融
点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、S
95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)
系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、
Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb
97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)
系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜
鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜
314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜
C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点38
1゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)
を例示することができる。
【0081】カソードパネルとアノードパネルと枠体の
三者を接合する場合、三者を同時に接合してもよいし、
あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネ
ルのいずれか一方と枠体とを接合し、第2段階でカソー
ドパネル又はアノードパネルの他方と枠体とを接合して
もよい。三者同時接合や第2段階における接合を高真空
雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルと
枠体と接着層とにより囲まれた空間は、接合と同時に真
空となる。あるいは、三者の接合終了後、カソードパネ
ルとアノードパネルと枠体と接着層とによって囲まれた
空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気
を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいず
れであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大
気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属す
るガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであっても
よい。
【0082】接合後に排気を行う場合、排気は、カソー
ドパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチ
ップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的
にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/
又はアノードパネルの無効領域に設けられた貫通部の周
囲に、フリットガラス又は上述の低融点金属材料を用い
て接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着に
よって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、冷陰極
電界電子放出表示装置全体を一旦加熱してから降温させ
ると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残
留ガスを排気により空間外へ除去することができるの
で、好適である。
【0083】本発明においては、隔壁あるいは収束電極
を溶射材料から構成し、あるいは又、溶射法によって形
成するので、アノードパネルやカソードパネル、冷陰極
電界電子放出表示装置の製造工程において、あるいは
又、電子の衝突によって、隔壁や収束電極を構成する材
料に分解や変質、変性が生じ難いし、ガスの発生を抑制
することができる。
【0084】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0085】(実施の形態1)実施の形態1は、本発明
のアノードパネル及びその製造方法、並びに、本発明の
第1の態様に係る冷陰極電界電子放出表示装置(以下、
表示装置と略称する)及びその製造方法に関する。
【0086】図1に、実施の形態1の表示装置の模式的
な一部端面図を示し、表示装置を構成するアノードパネ
ルAPにおける隔壁22及び蛍光体層23の配置を模式
的に示す配置図を図2〜図4に示し、カソードパネルC
Pの模式的な部分的斜視図を図5に示す。尚、図1は、
例えば、図4の矢印A−Aに沿った端面図に相当する。
【0087】実施の形態1のアノードパネルAPは、例
えば、ガラス基板から成る基板20と、基板20上に形
成され、所定のパターンを有する蛍光体層23(カラー
表示の場合、赤色発光蛍光体層23R、緑色発光蛍光体
層23G、青色発光蛍光体層23B)と、その上に形成
された反射膜としても機能するアルミニウム薄膜から成
るアノード電極24から構成されている。そして、基板
20上には、ポリイミドから成る隔壁22が形成されて
おり、隔壁22と隔壁22との間の基板20の部分の上
には蛍光体層23が形成されている。アノード電極24
は、蛍光体層23の上から隔壁22の上に亙って、有効
領域全体に形成されている。図1に示したアノードパネ
ルAPにあっては、隔壁22と基板20との間に、蛍光
体層23からの光を吸収する光吸収層(ブラックマトリ
ックス)21が形成されている。光吸収層21は、酸化
クロム/クロム積層膜から成る。
【0088】一方、図1に示した表示装置における電界
放出素子は、第1の構造を有し、円錐形の電子放出部1
5を備えた、所謂スピント型電界放出素子である。この
電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電
極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成さ
れた絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電
極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた
開口部14(ゲート電極13に設けられた第1の開口部
14A、及び、絶縁層12に設けられた第2の開口部1
4B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極1
1上に形成された円錐形の電子放出部15から構成され
ている。一般に、カソード電極11とゲート電極13と
は、これらの両電極の射影像が互いに直交する方向に各
々ストライプ状に形成されており、これらの両電極の射
影像が重複する部分に相当する領域(1画素分の領域に
相当し、電子放出領域である)に、通常、複数の電界放
出素子が設けられている。更に、かかる電子放出領域
が、カソードパネルCPの有効領域内に、通常、2次元
マトリクス状に配列されている。
【0089】1画素は、カソードパネル側の電子放出領
域と、この電子放出領域に対面したアノードパネル側の
蛍光体層23とによって構成されている。有効領域に
は、かかる画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダ
ーにて配列されている。
【0090】隔壁22とスペーサ25と蛍光体層23の
配置状態を模式的に図2〜図4に示す。尚、図2〜図4
においては、隔壁22及びスペーサ25を明示するため
に、これらに斜線を付した。図2あるいは図3に示す例
にあっては、隔壁22の平面形状は、格子形状(井桁形
状)である。即ち、1画素に相当する、例えば平面形状
が略矩形(ドット状)の蛍光体層23の四方を取り囲む
形状である。一方、図4に示す例にあっては、略矩形の
蛍光体層23の対向する二辺と平行に延びる帯状形状あ
るいはストライプ形状である。尚、図4に示した例にお
いては、隔壁22の長さは約270μmであり、幅(厚
さ)は約40μmであり、高さは約50μmである。ま
た、長さ方向に沿った隔壁22と隔壁22との間の隙間
は約60μmであり、幅(厚さ)方向に沿った隔壁22
と隔壁22との間の隙間は約80μmである。
【0091】尚、カソードパネルCPとアノードパネル
APとの間には、両パネル間の距離を一定に維持するた
めの補助的手段として、有効領域内に等間隔にスペーサ
25が配置されている。尚、スペーサ25の一端部は、
隔壁22と隔壁22との間に挟み込まれている。即ち、
隔壁22は、スペーサ25の一端部を把持する機能も有
している。図1においては、スペーサ25を図示を省略
した。
【0092】この表示装置において表示を行う場合に
は、カソード電極11には相対的な負電圧がカソード電
極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対
的な正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、ア
ノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電
圧がアノード電極制御回路33から印加される。かかる
表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電
極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力
し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデ
オ信号を入力する。尚、これとは逆に、カソード電極1
1にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力
し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査
信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極
13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量
子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出
され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、蛍
光体層23に衝突する。その結果、蛍光体層23が励起
されて発光し、所望の画像を得ることができる。
【0093】以下、実施の形態1のアノードパネルAP
及び表示装置の製造方法を、図6及び図7を参照して説
明する。
【0094】[工程−100]先ず、ガラス基板から成
る基板20上に隔壁22を形成する。具体的には、先
ず、基板20全面にレジスト層を形成し、露光、現像を
行うことによって、隔壁22を形成すべき基板20の部
分の上のレジスト層を除去する。次いで、真空蒸着法に
て、全面にクロム膜、酸化クロム膜を順次成膜した後、
レジスト層並びにその上のクロム膜及び酸化クロム膜を
除去する。これによって、隔壁22を形成すべき基板2
0の部分に、ブラックマトリックスとして機能する光吸
収層21を形成することができる(図6の(A)参
照)。
【0095】[工程−110]その後、全面に、具体的
には、基板20及び光吸収層21上に厚さ50μmのア
ルカリ可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、
現像を行うことによって、開口41を有するマスク(感
光性ドライフィルム40)を基板20上に配置して、隔
壁22を形成すべき基板20の部分(具体的には、光吸
収層21)を露出させることができる(図6(B)参
照)。ここで、感光性ドライフィルム40の露光を、感
光性ドライフィルム40が積層されていない基板20の
裏面側から行う。これによって、自己整合的に感光性ド
ライフィルム40の露光を行うことができる。
【0096】[工程−120]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、クロム(Cr)から成る溶射材料
(導電性溶射材料である)を溶射することによって、露
出した基板20の部分に溶射層から成る隔壁22を形成
することができる。感光性ドライフィルム40の上に
は、溶射材料は殆ど堆積しない。次いで、マスクを除去
する前に、隔壁22を研磨し、隔壁22の頂面の平坦化
を図ることが好ましい。研磨は、研磨紙を用いた湿式研
磨によって行うことができる。その後、感光性ドライフ
ィルム40を除去することで、図6の(C)に示す構造
を得ることができる。隔壁22を導電性溶射材料から構
成することによって、隔壁22が一種の網目状やストラ
イプ状の配線としても機能し、アノード電極24を等電
位に制御することが容易となる。
【0097】[工程−130]次に、赤色発光蛍光体層
を形成するために、例えばポリビニルアルコール(PV
A)樹脂と水に赤色発光蛍光体粒子を分散させ、更に、
重クロム酸アンモニウムを添加した赤色発光蛍光体スラ
リーを全面に塗布した後、かかる赤色発光蛍光体スラリ
ーを乾燥、露光、現像することによって、所定の隔壁2
2の間に赤色発光蛍光体層23Rを形成する。このよう
な操作を、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体ス
ラリーについても同様に行うことによって、最終的に、
所定の隔壁22の間に、赤色発光蛍光体層23R、緑色
発光蛍光体層23G、青色発光蛍光体層23Bを形成す
る(図6の(D)、及び、図2〜図4の模式的な部分的
配置図を参照)。
【0098】[工程−140]その後、各蛍光体層23
(蛍光体層23R,23G,23B)の上に、主にアク
リル系樹脂から構成されたラッカーから成る中間膜26
を形成する(図7の(A)参照)。具体的には、水槽内
に蛍光体層23が形成された基板20を沈め、水面にラ
ッカー膜を形成した後、水槽内の水を抜くことによっ
て、ラッカーから成る中間膜26を蛍光体層23の上か
ら隔壁22の上に亙って形成することができる。尚、ラ
ッカーに添加された可塑剤の量や、水面にラッカー膜を
形成するときの条件によって、ラッカー膜の硬さや延び
率を変えることができ、これらを最適化することによっ
て、中間膜26を蛍光体層23の上から隔壁22の上に
亙って形成することができる。中間膜26を構成するラ
ッカーには、広義のワニスの一種で、セルロース誘導
体、一般にニトロセルロースを主成分とした配合物を低
級脂肪酸エステルのような揮発性溶剤に溶かしたもの、
あるいは、他の合成高分子を用いたウレタンラッカー、
アクリルラッカーが含まれる。
【0099】[工程−150]その後、全面にアルミニ
ウムから成るアノード電極24を真空蒸着法に基づき形
成する(図7の(B)参照)。最後に、400゜C程度
の加熱処理を行うことによって、中間膜26を焼成する
と、図7の(C)に示すような構造を有するアノードパ
ネルAPを得ることができる。
【0100】[工程−160]一方、複数の電界放出素
子から構成された電子放出領域を備えたカソードパネル
CPを準備する。尚、電界放出素子の詳細は後述する。
そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、蛍光
体層23と電子放出領域とが対向するようにアノードパ
ネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパ
ネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板
20と支持体10)とを、枠体30を介して、周縁部に
おいて接合する。接合に際しては、枠体30とアノード
パネルAPとの接合部位、及び枠体30とカソードパネ
ルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノー
ドパネルAPとカソードパネルCPと枠体30とを貼り
合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約
450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、ア
ノードパネルAPとカソードパネルCPと枠体30とフ
リットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔(図示
せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間
の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱
溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネル
APとカソードパネルCPと枠体30とに囲まれた空間
を真空にすることができる。その後、必要な外部回路と
の配線を行い、所謂3電極型の表示装置を完成させる。
【0101】表示装置は3電極型に限定されない。図8
に、2電極型の表示装置の模式的な一部断面図を示す。
尚、図8は、図4の矢印B−Bに沿った断面図に相当
し、隔壁の図示を省略している。この表示装置における
電界放出素子は、支持体10上に設けられたカソード電
極11と、カソード電極11上に形成された炭素薄膜1
6から構成された電子放出部15から成る。尚、アノー
ドパネルAPを構成するアノード電極24Aはストライ
プ状である。ストライプ状のカソード電極11の射影像
とストライプ状のアノード電極24Aの射影像とは直交
する。具体的には、カソード電極11は図8の紙面垂直
方向に延び、アノード電極24Aは図8の紙面左右方向
に延びている。この表示装置におけるカソードパネルC
Pにおいては、上述のような電界放出素子の複数から構
成された電子放出領域が有効領域に2次元マトリクス状
に多数形成されている。
【0102】1画素は、カソードパネル側においてスト
ライプ状のカソード電極11と、その上に形成された電
子放出部15と、電子放出部15に対面するようにアノ
ードパネルAPの有効領域に配列された蛍光体層23と
によって構成されている。有効領域には、かかる画素
が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列され
ている。
【0103】また、カソードパネルCPとアノードパネ
ルAPとの間には、両パネル間の距離を一定に維持する
ための補助的手段として、有効領域内に等間隔にスペー
サ25が配置されている。尚、スペーサ25の形状は、
ストライプ状の隔壁(リブ)に限らず、例えば球状でも
よいし、円柱形であってもよい。また、スペーサ25
は、全てのアノード電極/カソード電極の重複領域の四
隅に配置されていてもよいし、より疎に配置されていて
もよいし、配置が不規則であってもよい。
【0104】この表示装置においては、アノード電極2
4Aによって形成された電界に基づき、量子トンネル効
果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電
子がアノード電極24Aに引き付けられ、蛍光体層23
に衝突する。即ち、アノード電極24Aの射影像とカソ
ード電極11の射影像とが重複する領域(アノード電極
/カソード電極重複領域)に位置する電子放出部15か
ら電子が放出される、所謂単純マトリクス方式により、
表示装置の駆動が行われる。具体的には、カソード電極
制御回路31からカソード電極11に相対的に負の電圧
を印加し、アノード電極制御回路33からアノード電極
24Aに相対的に正の電圧を印加する。その結果、列選
択されたカソード電極11と行選択されたアノード電極
24A(あるいは、行選択されたカソード電極11と列
選択されたアノード電極24A)とのアノード電極/カ
ソード電極重複領域に位置する電子放出部15を構成す
る炭素薄膜16から選択的に真空空間中へ電子が放出さ
れ、この電子がアノード電極24Aに引き付けられてア
ノードパネルAPを構成する蛍光体層23に衝突し、蛍
光体層23を励起、発光させる。
【0105】尚、1画素を、カソードパネル側において
矩形形状のカソード電極11と、その上に形成された電
子放出部15と、電子放出部15に対面するようにアノ
ードパネルAPの有効領域に配列された蛍光体層23と
によって構成してもよい。この場合の1つの電子放出部
の模式的な斜視図を図9に示す。このような表示装置に
おいては、1画素単位で、カソード電極11に印加する
電圧の制御を行う。カソード電極11の平面形状は、図
9に模式的に示すように、略矩形であり、各カソード電
極11は、配線11A、及び、例えばトランジスタから
成るスイッチング素子(図示せず)を介してカソード電
極制御回路31に接続されている。また、アノード電極
24はアノード電極制御回路33に接続されている。ア
ノード電極24は、1枚の導電材料シートが有効領域を
覆う構造を有していればよい。場合によっては、1又は
複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応
するアノード電極ユニットが集合した形式のアノード電
極としてもよい。各カソード電極11に閾値電圧以上の
電圧が印加されると、アノード電極24によって形成さ
れる電界に基づき、量子トンネル効果に基づき電子放出
部15を構成する炭素薄膜16から電子が放出され、こ
の電子がアノード電極24に引き付けられ、蛍光体層2
3に衝突する。輝度は、カソード電極11に印加される
電圧によって制御される。
【0106】(実施の形態2)実施の形態2は、実施の
形態1の変形である。実施の形態2においては、光吸収
層を形成せず、その代わりに、溶射層が、蛍光体層から
の光を吸収する溶射材料から構成されている。
【0107】実施の形態2のアノードパネルの製造方法
にあっては、先ず、基板上に厚さ50μmのアルカリ可
溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、現像を行
うことによって、開口を有するマスク(感光性ドライフ
ィルム)を基板上に配置して、隔壁を形成すべき基板の
部分を露出させることができる。
【0108】その後、例えば、プラズマ溶射法に基づ
き、チタニア(TiO2)から成る溶射材料を溶射する
ことによって、露出した基板の部分に溶射層から成る隔
壁を形成することができる。感光性ドライフィルムの上
には、溶射材料は殆ど堆積しない。次いで、マスクを除
去する前に、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図る
ことが好ましい。研磨は、研磨紙を用いた湿式研磨によ
って行うことができる。その後、感光性ドライフィルム
を除去する。
【0109】以降、実施の形態1の[工程−130]〜
[工程−150]を実行することによって、アノードパ
ネルAPを得ることができ、更に、実施の形態1の[工
程−160]を実行することによって表示装置を得るこ
とができる。
【0110】代替的に、マスクを基板上に配置した後、
溶射層を形成する前に、先ず、蛍光体層からの光を吸収
する溶射材料[例えば、チタニア(TiO2)から成
る]から構成された光吸収層を溶射法によって露出した
基板の部分に形成し、次いで、実施の形態1の[工程−
120]と同様にして、光吸収層の上に隔壁(例えば、
導電性溶射材料から成る)を形成してもよい。
【0111】(実施の形態3)実施の形態3は、本発明
の第1の態様に係るカソードパネル及びその製造方法、
並びに、本発明の第2の態様に係る表示装置及びその製
造方法に関する。
【0112】図10に、実施の形態3の表示装置の模式
的な一部端面図を示し、カソードパネルCPの模式的な
部分的斜視図を図11に示し、1つの電子放出領域の模
式的な一部端面図を図12に示す。また、表示装置を構
成するカソードパネルCPにおけるカソード電極11、
ゲート電極13及び収束電極50の配置を模式的に示す
配置図を図13〜図19に例示する。尚、図10におい
ては、絶縁材料層51の図示を省略しており、図11に
おいては、絶縁材料層51及び収束電極50の図示を省
略している。また、図13〜図19においては、絶縁層
12、電子放出部15、絶縁材料層51の図示を省略し
ている。
【0113】実施の形態3におけるカソードパネルCP
は、絶縁材料層51及び収束電極50が設けられている
点、絶縁層12が平坦化されている点を除き、図1を参
照して説明した実施の形態1のカソードパネルCPと実
質的に同じ構造を有している。また、アノードパネルA
Pも、実質的に実施の形態1にて説明したアノードパネ
ルAPと同じ構造を有している。尚、図12において、
カソード電極11は図面の左右方向に延び、ゲート電極
13は図面の紙面垂直方向に延びている。
【0114】実施の形態3においては、電子放出領域に
沿って、アノードパネルAPと対向するカソードパネル
CPの面に(具体的には、例えば、ゲート電極13及び
絶縁層12の上方に)、SiO2から成る絶縁材料層5
1(図12参照)を介して収束電極50が形成されてい
る。ここで、収束電極50は、導電性溶射材料(具体的
には、クロム)のプラズマ溶射法に基づく溶射によって
形成された溶射層から構成されている。
【0115】収束電極50の平面形状は、図13〜図1
5に示すように格子形状(井桁形状)、即ち、1画素に
相当する、例えば平面形状が矩形の電子放出領域の四方
を取り囲む形状とすることができる。尚、収束電極50
には、明示のために斜線を付し、ゲート電極13の縁部
を実線及び点線で示し、カソード電極11の縁部を一点
鎖線で示す。ここで、図13に示すように、1つの電子
放出領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよい
し、図14、図15に示すように、不連続に取り囲む形
状としてもよい。あるいは、図16〜図19に示すよう
に、例えば平面形状が矩形の電子放出領域の対向する二
辺と平行に延びる帯状形状あるいはストライプ形状とす
ることができる。ここで、図16及び図17に示す例に
おいては、収束電極50は、カソード電極11の延びる
方向と平行に延びており、収束電極50は、絶縁層12
及びゲート電極13の上方に絶縁材料層51を介して形
成されている。一方、図18及び図19に示す例におい
ては、収束電極50は、ゲート電極13の延びる方向と
平行に延びており、収束電極50は、絶縁層12の上方
に絶縁材料層51を介して形成されており、あるいは
又、絶縁層12上に直接形成されている。これらの場
合、図16、図18に示すように、連続した形状として
もよいし、図17、図19に示すように、不連続な形状
としてもよい。尚、図14、図15、図17、図19に
示すように、収束電極50を不連続な形状とする場合に
は、収束電極50の下に導電層(図示せず)を形成し、
かかる導電層の下に、導電層とゲート電極13とが短絡
しないように層間絶縁層を形成しておく。導電層は、導
電性を有する材料であれば、如何なる材料をも用いるこ
とができる。
【0116】以下、図20を参照して、図13に示した
構造を有する実施の形態3のカソードパネルCPの製造
方法(表1における第1Aの製造方法手順)を説明す
る。尚、図を簡素化するために、図20においては、2
つの電子放出領域を示し、且つ、1つの電子放出領域に
おいては1つの電界放出素子のみを図示した。
【0117】[工程−300]先ず、支持体10上に、
電界放出素子を複数から構成された電子放出領域を形成
する。即ち、 支持体10上にストライプ状のカソード電極11を形
成する工程 支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形
成する工程 絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成
する工程 少なくとも絶縁層12に開口部14を形成する工程 を実行し、更に、 開口部の底部に露出したカソード電極11上に電子放
出部15を形成する工程 を実行する。尚、電界放出素子の製造方法は後述する。
【0118】[工程−310]次に、アノードパネルA
Pと対向するカソードパネルCPの面上に(具体的に
は、ゲート電極13及び絶縁層12上に)、絶縁材料層
51を介して収束電極50を形成する。即ち、先ず、収
束電極を形成すべきゲート電極13及び絶縁層12の部
分の上に絶縁材料層51を形成する。絶縁材料層51の
形成は、例えば、以下の方法にて行うことができる。即
ち、全面に感光性ドライフィルムを積層した後、露光、
現像を行うことによって、収束電極を形成すべきゲート
電極13及び絶縁層12の部分の感光性ドライフィルム
を除去する。そして、スパッタリング法にて全面にSi
2から成る絶縁材料層51を成膜した後、感光性ドラ
イフィルムを除去する。こうして、収束電極を形成すべ
きゲート電極13及び絶縁層12の部分の上に絶縁材料
層51を形成することができる(図20の(A)参
照)。
【0119】[工程−320]その後、開口43を有す
るマスク(感光性ドライフィルム42)をカソードパネ
ルCPの面上に(具体的には、ゲート電極13及び絶縁
層12の上に)配置して、収束電極を形成すべきカソー
ドパネルCPの面の部分(具体的には、絶縁材料層5
1)を露出させる。具体的には、絶縁材料層51、ゲー
ト電極13及び絶縁層12上に厚さ50μmのアルカリ
可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、現像を
行えばよい(図20(B)参照)。これによって、絶縁
材料層51が露出した状態となる。
【0120】[工程−330]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、クロム(Cr)から成る導電性溶射
材料を溶射することによって、絶縁材料層51の部分に
溶射層から成る収束電極50を形成することができる。
感光性ドライフィルム42の上には、溶射材料は殆ど堆
積しない。次いで、マスクを除去する前に、収束電極5
0を研磨し、収束電極50の頂面の平坦化を図ることが
好ましい。研磨は、研磨紙を用いた湿式研磨によって行
うことができる。その後、感光性ドライフィルム42を
除去することで、図12に示した構造を得ることができ
る。
【0121】[工程−340]その後、実施の形態1の
[工程−160]を実行することによって表示装置を得
ることができる。
【0122】(実施の形態4)実施の形態4は、実施の
形態3の製造方法の変形である。実施の形態4において
は、カソードパネルの第1Cの方法を実行する。即ち、 支持体10上にストライプ状のカソード電極11を形
成する工程 支持体10及びカソード電極11上に絶縁層12を形
成する工程 絶縁層12上にストライプ状のゲート電極13を形成
する工程 を経た後、 収束電極50を形成し、その後、 少なくとも絶縁層12に開口部14を形成する工程 を実行し、更に、 開口部の底部に露出したカソード電極11上に電子放
出部15を形成する工程 を実行する。
【0123】以下、図21〜図23を参照して、実施の
形態4の製造方法(表1における第1Cの製造方法手
順)の上記〜までの工程を説明する。
【0124】[工程−400]先ず、上記の工程〜
を実行することによって、図21の(A)に示す構造を
得ることができる。尚、カソード電極11は図面の左右
方向に延び、ゲート電極13は図面の紙面垂直方向に延
びている。
【0125】[工程−410]次に、収束電極を形成す
べきゲート電極13及び絶縁層12の部分の上に絶縁材
料層51を形成する。絶縁材料層51は、例えば、CV
D法とエッチング法の組合せによって形成することがで
きる(図21の(B)参照)。
【0126】[工程−420]その後、アノードパネル
APと対向するカソードパネルCPの面上に、開口を有
するマスクを配置して、収束電極を形成すべきカソード
パネルCPの面の部分を露出させる。具体的には、ゲー
ト電極13及び絶縁層12上に厚さ50μmのアルカリ
可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、現像を
行えばよい(図22(A)参照)。これによって、絶縁
材料層51が露出した状態となる。
【0127】[工程−430]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、クロム(Cr)から成る導電性溶射
材料を溶射することによって、露出した絶縁材料層51
の部分に溶射層から成る収束電極50を形成することが
できる。感光性ドライフィルム42の上には、溶射材料
は殆ど堆積しない。次いで、マスクを除去する前に、収
束電極50を研磨し、収束電極50の頂面の平坦化を図
ることが好ましい。研磨は、研磨紙を用いた湿式研磨に
よって行うことができる。その後、感光性ドライフィル
ム42を除去することで、図22の(B)に示す構造を
得ることができる。
【0128】[工程−440]次いで、リソグラフィ技
術及びエッチング技術に基づき、露出したゲート電極1
3に第1の開口部14Aを形成し、更に、絶縁層12に
第2の開口部14Bを形成する(図23参照)。
【0129】[工程−450]その後、開口部14の底
部に露出したカソード電極11上に電子放出部を形成す
る。電子放出部の形成方法は後述する。
【0130】[工程−460]その後、実施の形態1の
[工程−160]を実行することによって表示装置を得
ることができる。
【0131】[工程−400]、[工程−440]、
[工程−410]、[工程−420]、[工程−43
0]、[工程−450]、[工程−460]の順を経る
ことによって、カソードパネルCPを製造することもで
きる。尚、このような製造方法は、表1における第1B
の製造方法手順に該当する。
【0132】(実施の形態5)実施の形態5は、本発明
の第2の態様に係るカソードパネル及びその製造方法、
並びに、本発明の第3の態様に係る表示装置及びその製
造方法に関する。
【0133】実施の形態5の表示装置の模式的な一部端
面図、カソードパネルCPの模式的な部分的斜視図は、
基本的には、図10及び図11に示したと同様である。
また、表示装置を構成するカソードパネルCPにおける
カソード電極11、ゲート電極13及び収束電極150
の配置を模式的に示す配置図は、図13〜図19に例示
したと同様とすることができる。1つの電子放出領域の
模式的な一部端面図を図24に示す。尚、実施の形態5
のカソードパネルCPは、収束電極150が設けられて
いる点、絶縁層12が平坦化されている点を除き、図1
を参照して説明した実施の形態1のカソードパネルCP
と実質的に同じ構造を有している。また、アノードパネ
ルAPも、実質的に実施の形態1にて説明したアノード
パネルAPと同じ構造を有している。尚、図24におい
て、カソード電極11は図面の左右方向に延び、ゲート
電極13は図面の紙面垂直方向に延びている。
【0134】実施の形態5におけるカソードパネルCP
にあっては、アノードパネルAPと対向するカソードパ
ネルCPの面に(具体的には、例えば、ゲート電極13
及び絶縁層12の上に)、電子放出領域に沿って収束電
極150が形成されている。そして、収束電極150
は、アルミナ(Al23)から成る絶縁性溶射材料の溶
射によって形成された溶射層151と、該溶射層151
の頂面に形成されたクロム(Cr)から成る導電材料層
152から構成されている。ここで、溶射層151はプ
ラズマ溶射法に基づく溶射によって形成されており、導
電材料層152は真空蒸着法によって形成されている。
【0135】以下、図25を参照して、図24に示した
構造を有する実施の形態5のカソードパネルCPの製造
方法(表1における第1Aの製造方法手順)を説明す
る。尚、図を簡素化するために、図25においては、2
つの電子放出領域を示し、且つ、1つの電子放出領域に
おいては1つの電界放出素子のみを図示した。
【0136】[工程−500]先ず、実施の形態3の
[工程−300]と同様の工程を実行する。
【0137】[工程−510]次に、アノードパネルA
Pと対向するカソードパネルCPの面上に(具体的に
は、ゲート電極13及び絶縁層12上に)、収束電極1
50を形成する。即ち、先ず、開口43を有するマスク
(感光性ドライフィルム42)をカソードパネルCPの
面上に配置して、収束電極150を形成すべきカソード
パネルCPの面の部分を露出させる。具体的には、ゲー
ト電極13及び絶縁層12上に厚さ50μmのアルカリ
可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、現像を
行えばよい(図25(A)参照)。これによって、ゲー
ト電極13及び絶縁層12の一部分が露出した状態とな
る。
【0138】[工程−520]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、アルミナ(Al23)から成る絶縁
性溶射材料を溶射することによって、露出したゲート電
極13及び絶縁層12の部分に溶射層151を形成する
ことができる(図25の(B)参照)。感光性ドライフ
ィルム42の上には、溶射材料は殆ど堆積しない。次い
で、溶射層151を研磨し、溶射層151の頂面の平坦
化を図ることが好ましい。研磨は、研磨紙を用いた湿式
研磨によって行うことができる。
【0139】[工程−530]その後、全面に真空蒸着
法によって導電材料層152を形成する。こうして、導
電材料層152を溶射層151の頂面に形成することが
できる。その後、感光性ドライフィルム42を除去する
ことで、図24に示した構造を得ることができる。
【0140】[工程−540]その後、実施の形態1の
[工程−160]を実行することによって、表示装置を
得ることができる。
【0141】尚、実施の形態4と同様の工程を経ること
によって、即ち、表1における第1Bの製造方法手順あ
るいは第1Cの製造方法手順によって、カソードパネル
CPを製造することもできる。
【0142】また、[工程−520]の後、感光性ドラ
イフィルム42を除去し、次いで、斜め蒸着法にて、溶
射層151の頂面から溶射層151の側面上方に亙って
導電材料層152を形成してもよい。
【0143】(実施の形態6)実施の形態6は、本発明
の第3の態様に係るカソードパネル及びその製造方法、
並びに、本発明の第4の態様に係る表示装置及びその製
造方法に関する。
【0144】実施の形態6の表示装置の模式的な一部端
面図、カソードパネルCPの模式的な部分的斜視図は、
基本的には、図10及び図11に示したと同様である。
また、表示装置を構成するカソードパネルCPにおける
カソード電極11、ゲート電極13及び収束電極250
の配置を模式的に示す配置図は、図13〜図19に例示
したと同様とすることができる。1つの電子放出領域の
模式的な一部端面図を図26に示す。尚、実施の形態6
のカソードパネルCPは、収束電極250が設けられて
いる点、絶縁層12が平坦化されている点を除き、図1
を参照して説明した実施の形態1のカソードパネルCP
と実質的に同じ構造を有している。また、アノードパネ
ルAPも、実質的に実施の形態1にて説明したアノード
パネルAPと同じ構造を有している。尚、図26におい
て、カソード電極11は図面の左右方向に延び、ゲート
電極13は図面の紙面垂直方向に延びている。
【0145】実施の形態6におけるカソードパネルCP
にあっては、アノードパネルAPと対向するカソードパ
ネルCPの面に(具体的には、例えば、ゲート電極13
及び絶縁層12の上に)、電子放出領域に沿って収束電
極250が形成されている。そして、収束電極250
は、アルミナ(Al23)から成る絶縁性溶射材料の溶
射によって形成された第1の溶射層251と、クロム
(Cr)から成る導電性溶射材料の溶射によって第1の
溶射層251上に形成された第2の溶射層252から構
成されている。ここで、第1の溶射層251、第2の溶
射層252は、プラズマ溶射法に基づく溶射によって形
成されている。
【0146】以下、図27を参照して、図26に示した
構造を有する実施の形態6のカソードパネルCPの製造
方法(表1における第1Aの製造方法手順)を説明す
る。尚、図を簡素化するために、図27においては、2
つの電子放出領域を示し、且つ、1つの電子放出領域に
おいては1つの電界放出素子のみを図示した。
【0147】[工程−600]先ず、実施の形態3の
[工程−300]と同様の工程を実行する。
【0148】[工程−610]次に、アノードパネルA
Pと対向するカソードパネルCPの面上に(具体的に
は、ゲート電極13及び絶縁層12上に)、収束電極2
50を形成する。即ち、先ず、開口43を有するマスク
(感光性ドライフィルム42)をカソードパネルCPの
面上に配置して、収束電極250を形成すべきカソード
パネルCPの面の部分を露出させる。具体的には、ゲー
ト電極13及び絶縁層12上に厚さ50μmのアルカリ
可溶型の感光性ドライフィルムを積層し、露光、現像を
行えばよい。これによって、ゲート電極13及び絶縁層
12の一部分が露出した状態となる。
【0149】[工程−620]その後、例えば、プラズ
マ溶射法に基づき、アルミナ(Al23)から成る絶縁
性溶射材料を溶射することによって、露出したゲート電
極13及び絶縁層12の部分に第1の溶射層251を形
成することができる(図27の(A)参照)。感光性ド
ライフィルム42の上には、溶射材料は殆ど堆積しな
い。次いで、例えば、プラズマ溶射法に基づき、クロム
(Cr)から成る導電性溶射材料を溶射することによっ
て、第1の溶射層251上に第2の溶射層252を形成
することができる(図27の(B)参照)。感光性ドラ
イフィルム42の上には、溶射材料は殆ど堆積しない。
その後、第2の溶射層252を研磨し、第2の溶射層2
52の頂面の平坦化を図ることが好ましい。研磨は、研
磨紙を用いた湿式研磨によって行うことができる。次い
で、感光性ドライフィルム42を除去することで、図2
6に示した構造を得ることができる。
【0150】[工程−630]その後、実施の形態1の
[工程−160]を実行することによって表示装置を得
ることができる。
【0151】尚、実施の形態4と同様の工程を経ること
によって、即ち、表1における第1Bの製造方法手順あ
るいは第1Cの製造方法手順によって、カソードパネル
CPを製造することもできる。
【0152】(実施の形態7)以下、各種の電界放出素
子及びその製造方法について説明するが、これらの電界
放出素子を用いた表示装置の構成は、実施の形態1〜実
施の形態6における表示装置の構成とすればよいし、カ
ソードパネルCPにおける収束電極の形成方法は、実施
の形態3〜実施の形態6にて説明した方法とすればよ
い。
【0153】[スピント型電界放出素子]スピント型電
界放出素子を備えた本発明の第1の態様〜第3の態様に
係るカソードパネルCPは、表1における第1Aの製造
方法手順によって製造することが好ましい。
【0154】スピント型電界放出素子から成る第1の構
造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を、図2
9の(B)に示す。スピント型電界放出素子は、支持体
10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及
びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁
層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極1
3及び絶縁層12を貫通する開口部14と、開口部14
の底部に位置するカソード電極11上に設けられた円錐
形の電子放出部15から構成されている。
【0155】スピント型電界放出素子の製造方法は、基
本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸
着により形成する方法である。即ち、開口部14に対し
て蒸着粒子は垂直に入射するが、開口部14の付近に形
成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利
用して、開口部14の底部に到達する蒸着粒子の量を漸
減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整
合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の
堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13上に
剥離層60を予め形成しておく方法について、支持体等
の模式的な一部端面図である図28〜図29を参照して
説明する。
【0156】[工程−A0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上にニオブ(Nb)から成るストライ
プ状のカソード電極11を形成した後、全面にSiO2
から成る絶縁層12を形成し、更に、ゲート電極13を
絶縁層12上に形成する。ゲート電極13の形成は、例
えば、スパッタリング法、リソグラフィ技術及びドライ
エッチング技術に基づき行うことができる。次に、ゲー
ト電極13及び絶縁層12に開口部14をRIE(反応
性イオン・エッチング)法にて形成し、開口部14の底
部にカソード電極11を露出させる(図28の(A)参
照)。尚、カソード電極11は、単一の材料層であって
もよく、複数の材料層を積層することによって構成する
こともできる。例えば、後の工程で形成される各電子放
出部の電子放出特性のばらつきを少なくするために、カ
ソード電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率の高い
材料で構成することができる。
【0157】[工程−A1]次に、開口部14の底部に
露出したカソード電極11上に、電子放出部15を形成
する。具体的には、先ず、アルミニウムを斜め蒸着する
ことにより、剥離層60を形成する。このとき、支持体
10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選
択することにより、開口部14の底部にアルミニウムを
殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層1
2上に剥離層60を形成することができる。この剥離層
60は、開口部14の開口端部から庇状に張り出してお
り、これにより開口部14が実質的に縮径される(図2
8の(B)参照)。
【0158】[工程−A2]次に、全面に例えばモリブ
デン(Mo)を垂直蒸着する。このとき、図29の
(A)に示すように、剥離層60上でオーバーハング形
状を有するモリブデンから成る導電体層61が成長する
に伴い、開口部14の実質的な直径が次第に縮小される
ので、開口部14の底部において堆積に寄与する蒸着粒
子は、次第に開口部14の中央付近を通過するものに限
られるようになる。その結果、開口部14の底部には円
錐形の堆積物が形成され、この円錐形のモリブデンから
成る堆積物が電子放出部15となる。
【0159】その後、電気化学的プロセス及び湿式プロ
セスによって剥離層60を絶縁層12及びゲート電極1
3の表面から剥離し、絶縁層12及びゲート電極13の
上方の導電体層61を選択的に除去する。その結果、図
29の(B)に示すように、開口部14の底部に位置す
るカソード電極11上に円錐形の電子放出部15を残す
ことができる。
【0160】[クラウン型電界放出素子]クラウン型電
界放出素子を備えた本発明の第1の態様〜第3の態様に
係るカソードパネルCPは、表1における第1Aの製造
方法手順によって製造することが好ましい。
【0161】クラウン型電界放出素子から成る第1の構
造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図32
の(A)に示し、一部を切り欠いた模式的な斜視図を図
32の(B)に示す。クラウン型電界放出素子は、支持
体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10
及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶
縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極
13及び絶縁層12を貫通する開口部14と、開口部1
4の底部に位置するカソード電極11の部分の上に設け
られたクラウン(王冠)型の電子放出部15Aから構成
されている。
【0162】以下、クラウン型電界放出素子の製造方法
を、支持体等の模式的な一部端面図等である図30〜図
32を参照して説明する。
【0163】[工程−B0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上に、ストライプ状のカソード電極1
1を形成する。尚、カソード電極11は、図面の紙面左
右方向に延びている。ストライプ状のカソード電極11
は、例えば支持体10上にITO膜をスパッタリング法
により約0.2μmの厚さに全面に亙って成膜した後、
ITO膜をパターニングすることによって形成すること
ができる。尚、カソード電極11は、単一の材料層であ
ってもよく、複数の材料層を積層することによって構成
することもできる。例えば、後の工程で形成される各電
子放出部の電子放出特性のばらつきを少なくするため
に、カソード電極11の表層部を残部よりも電気抵抗率
の高い材料で構成することができる。次に、支持体10
及びカソード電極11上に絶縁層12を形成する。ここ
では、一例としてガラスペーストを全面に約3μmの厚
さにスクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる
水分や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するた
めに、例えば100゜C、10分間の仮焼成、及び50
0゜C、20分間の本焼成といった2段階の焼成を行
う。尚、上述のようなガラスペーストを用いたスクリー
ン印刷に替えて、例えばプラズマCVD法によりSiO
2膜を形成してもよい。
【0164】次に、絶縁層12上に、ストライプ状のゲ
ート電極13を形成する(図30の(A)参照)。尚、
ゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
ゲート電極13は、例えば、絶縁層12上に厚さ約20
nmのクロム(Cr)膜と厚さ0.2μmの金(Au)
膜を電子ビーム蒸着法によりこの順に全面成膜し、続い
てこの積層膜をパターニングすることにより形成するこ
とができる。尚、クロム膜は、絶縁層12に対する金膜
の密着性の不足を補うために形成される。ゲート電極1
3の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカソード電
極11の射影像の延びる方向と90度を成す。
【0165】[工程−B1]次に、例えばフォトレジス
ト材料から成るエッチング用マスクを用いてゲート電極
13及び絶縁層12をRIE法に基づきエッチングし、
ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14を形成し、
開口部14の底部にカソード電極11を露出させる(図
30の(B)参照)。開口部14の直径を約2〜50μ
mとする。
【0166】[工程−B2]次に、エッチング用マスク
を除去し、ゲート電極13上、絶縁層12上、及び開口
部14の側壁面上に剥離層62を形成する(図31の
(A)参照)。かかる剥離層62を形成するには、例え
ば、フォトレジスト材料をスピンコーティング法により
全面に塗布し、開口部14の底部の一部分(中央部)の
みを除去するようなパターニングを行えばよい。この時
点で、開口部14の実質的な直径は、約1〜20μmに
縮径される。
【0167】[工程−B3]次に、図31の(B)に示
すように、全面に組成物原料から成る導電性組成物層6
3を形成する。ここで使用する組成物原料は、例えば、
導電性粒子として平均粒径約0.1μmの黒鉛粒子を6
0重量%、バインダとして4号の水ガラスを40重量%
含む。この組成物原料を、例えば1400rpm、10
秒間の条件で全面にスピンコートする。開口部14内に
おける導電性組成物層63の表面は、組成物原料の表面
張力に起因して、開口部14の側壁面に沿って迫り上が
り、開口部14の中央部に向かって窪む。その後、導電
性組成物層63に含まれる水分を除去するための仮焼成
を、例えば大気中、400゜Cで30分間行う。
【0168】組成物原料において、バインダは、(1)
それ自身が導電性粒子の分散媒であってもよいし、
(2)導電性粒子を被覆していてもよいし、(3)適当
な溶媒に分散あるいは溶解されることによって、導電性
粒子の分散媒を構成してもよい。(3)のケースの典型
例は水ガラスであり、日本工業規格(JIS)K140
8に規定される1号乃至4号、又はこれらの同等品を使
用することができる。1号乃至4号は、水ガラスの構成
成分である酸化ナトリウム(Na2O)1モルに対する
酸化珪素(SiO2)のモル数(約2〜4モル)の違い
に基づく4段階の等級であり、それぞれ粘度が大きく異
なる。従って、リフトオフ・プロセスで水ガラスを使用
する際には、水ガラスに分散させる導電性粒子の種類や
含有量、剥離層62との親和性、開口部14のアスペク
ト比等の諸条件を考慮して、最適な等級の水ガラスを選
択するか、又は、これらの等級と同等の水ガラスを調製
して使用することが好ましい。
【0169】バインダは一般に導電性に劣るので、組成
物原料中の導電性粒子の含有量に対してバインダの含有
量が多過ぎると、形成される電子放出部15Aの電気抵
抗値が上昇し、電子放出が円滑に行われなくなる虞があ
る。従って、例えば水ガラス中に導電性粒子としてカー
ボン系材料粒子を分散させて成る組成物原料を例にとる
と、組成物原料の全重量に占めるカーボン系材料粒子の
割合は、電子放出部15Aの電気抵抗値、組成物原料の
粘度、導電性粒子同士の接着性等の特性を考慮し、概ね
30〜95重量%の範囲に選択することが好ましい。カ
ーボン系材料粒子の割合をかかる範囲内に選択すること
により、形成される電子放出部15Aの電気抵抗値を十
分に下げると共に、カーボン系材料粒子同士の接着性を
良好に保つことが可能となる。但し、導電性粒子として
カーボン系材料粒子にアルミナ粒子を混合して用いた場
合には、導電性粒子同士の接着性が低下する傾向がある
ので、アルミナ粒子の含有量に応じてカーボン系材料粒
子の割合を高めることが好ましく、60重量%以上とす
ることが特に好ましい。尚、組成物原料には、導電性粒
子の分散状態を安定化させるための分散剤や、pH調整
剤、乾燥剤、硬化剤、防腐剤等の添加剤が含まれていて
もよい。また、導電性粒子を結合剤(バインダ)の被膜
で覆った粉体を、適当な分散媒中に分散させて成る組成
物原料を用いてもよい。
【0170】一例として、王冠状の電子放出部15Aの
直径を概ね1〜20μmとし、導電性粒子としてカーボ
ン系材料粒子を使用した場合、カーボン系材料粒子の粒
径は概ね0.1μm〜1μmの範囲とすることが好まし
い。カーボン系材料粒子の粒径をかかる範囲に選択する
ことにより、王冠状の電子放出部15Aの縁部に十分に
高い機械的強度が備わり、且つ、カソード電極11に対
する電子放出部15Aの密着性が良好となる。
【0171】[工程−B4]次に、図31の(C)に示
すように、剥離層62を除去する。剥離は、2重量%の
水酸化ナトリウム水溶液中に、30秒間浸漬することに
より行う。このとき、超音波振動を加えながら剥離を行
ってもよい。これにより、剥離層62と共に剥離層62
上の導電性組成物層63の部分が除去され、開口部14
の底部に露出したカソード電極11上の導電性組成物層
63の部分のみが残される。この残存した部分が電子放
出部15Aとなる。電子放出部15Aの形状は、表面が
開口部14の中央部に向かって窪み、王冠状となる。
[工程−B4]が終了した時点における状態を、図32
に示す。図32の(B)は、電界放出素子の一部を示す
模式的な斜視図であり、図32の(A)は図32の
(B)の線A−Aに沿った模式的な一部端面図である。
図32の(B)では、電子放出部15Aの全体が見える
ように、絶縁層12とゲート電極13との一部を切り欠
いている。尚、1つの重複領域には、5〜100個程度
の電子放出部15Aを設けることで十分である。尚、導
電性粒子が電子放出部15Aの表面に確実に露出するよ
うに、電子放出部15Aの表面に露出したバインダをエ
ッチングによって除去してもよい。
【0172】[工程−B5]次に、電子放出部15Aの
焼成を行う。焼成は、乾燥大気中、400゜C、30分
間の条件で行う。尚、焼成温度は、組成物原料に含まれ
るバインダの種類に応じて選択すればよい。例えば、バ
インダが水ガラスのような無機材料である場合には、無
機材料を焼成し得る温度で熱処理を行えばよい。バイン
ダが熱硬化性樹脂である場合には、熱硬化性樹脂を硬化
し得る温度で熱処理を行えばよい。但し、導電性粒子同
士の密着性を保つために、熱硬化性樹脂が過度に分解し
たり炭化する虞のない温度で熱処理を行うことが好適で
ある。いずれのバインダを用いるにしても、熱処理温度
は、ゲート電極やカソード電極、絶縁層に損傷や欠陥が
生じない温度とする必要がある。熱処理雰囲気は、ゲー
ト電極やカソード電極の電気抵抗率が酸化によって上昇
したり、あるいはゲート電極やカソード電極に欠陥や損
傷が生ずることがないように、不活性ガス雰囲気とする
ことが好ましい。尚、バインダとして熱可塑性樹脂を使
用した場合には、熱処理を必要としない場合がある。
【0173】[扁平型電界放出素子(その1)]扁平型
電界放出素子(その1)を備えた本発明の第1の態様〜
第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1における
第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方法手順に
よって製造することが好ましい。
【0174】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を
有する電界放出素子の模式的な一部断面図を、図33の
(C)に示す。扁平型電界放出素子は、例えばガラスか
ら成る支持体10上に形成されたカソード電極11、支
持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層1
2、絶縁層12上に形成されたゲート電極13、ゲート
電極13及び絶縁層12を貫通する開口部14、並び
に、開口部14の底部に位置するカソード電極11の部
分の上に設けられた扁平の電子放出層15Bから成る。
ここで、電子放出層15Bは、図33の(C)の紙面垂
直方向に延びたストライプ状のカソード電極11上に形
成されている。また、ゲート電極13は、図33の
(C)の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
及びゲート電極13はクロムから成る。電子放出層15
Bは、具体的には、グラファイト粉末から成る薄層から
構成されている。また、電界放出素子の動作安定化、電
子放出特性の均一化のために、カソード電極11と電子
放出層15Bとの間にSiCから成る抵抗体層64が設
けられている。図33の(C)に示した扁平型電界放出
素子においては、カソード電極11の表面の全域に亙っ
て、抵抗体層64及び電子放出層15Bが形成されてい
るが、このような構造に限定するものではなく、要は、
少なくとも開口部14の底部に電子放出層15Bが設け
られていればよい。
【0175】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図33を参照して、扁平型電界放出素子の製造方法を
説明する。
【0176】[工程−C0]先ず、支持体10上に、ク
ロム(Cr)から成るカソード電極用導電材料層をスパ
ッタリング法にて形成した後、リソグラフィ技術及びド
ライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層
をパターニングする。これによって、ストライプ状のカ
ソード電極11を支持体10上に形成することができる
(図33の(A)参照)。尚、カソード電極11は、図
33の紙面垂直方向に延びている。
【0177】[工程−C1]次に、カソード電極11上
に、電子放出層15Bを形成する。具体的には、先ず、
全面にスパッタリング法にてSiCから成る抵抗体層6
4を形成し、次いで、抵抗体層64の上にグラファイト
粉末塗料から成る電子放出層15Bをスピンコーティン
グ法にて形成し、電子放出層15Bを乾燥させる。その
後、電子放出層15B及び抵抗体層64を公知の方法に
基づきパターニングする(図33の(B)参照)。電子
放出部は電子放出層15Bから構成される。
【0178】[工程−C2]次に、全面に絶縁層12を
形成する。具体的には、電子放出層15B及び支持体1
0上に、例えば、スパッタリング法にてSiO2から成
る絶縁層12を形成する。尚、絶縁層12を、ガラスペ
ーストをスクリーン印刷する方法や、SiO 2層をCV
D法にて形成する方法に基づき形成することもできる。
その後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層12上
に形成する。
【0179】[工程−C3]次に、エッチング用マスク
を設けた後、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部1
4を形成し、開口部14の底部に電子放出層15Bを露
出させる。その後、エッチング用マスクを除去し、電子
放出層15B中の有機溶剤を除去するために、400゜
C、30分の熱処理を施す。こうして、図33の(C)
に示した電界放出素子を得ることができる。
【0180】[扁平型電界放出素子(その2)]扁平型
電界放出素子(その2)を備えた本発明の第1の態様〜
第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1における
第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方法手順に
よって製造することが好ましい。
【0181】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を
有する電界放出素子の変形例の模式的な一部断面図を、
図34の(C)に示す。図34の(C)に示す扁平型電
界放出素子においては、電子放出層15Bの構造が、図
33の(C)に示した扁平型電界放出素子と若干異なっ
ている。以下、支持体等の模式的な一部断面図である図
34を参照して、かかる電界放出素子の製造方法を説明
する。
【0182】[工程−D0]先ず、支持体10上にカソ
ード電極用導電材料層を形成する。具体的には、支持体
10の全面にレジスト材料層(図示せず)を形成した
後、カソード電極を形成すべき部分のレジスト材料層を
除去する。その後、全面にクロム(Cr)から成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成す
る。更に、全面にスパッタリング法にてSiCから成る
抵抗体層64を形成し、次いで、抵抗体層64の上にグ
ラファイト粉末塗料層をスピンコーティング法にて形成
し、グラファイト粉末塗料層を乾燥させる。その後、剥
離液を用いてレジスト材料層を除去すると、レジスト材
料層上に形成されたカソード電極用導電材料層、抵抗体
層64及びグラファイト粉末塗料層も除去される。こう
して、カソード電極11、抵抗体層64及び電子放出層
15Bが積層された構造を得ることができる(図34の
(A)参照)。
【0183】[工程−D1]次に、全面に絶縁層12を
形成した後、絶縁層12上にストライプ状のゲート電極
13を形成する(図34の(B)参照)。その後、ゲー
ト電極13及び絶縁層12に開口部14を形成すること
によって、開口部14の底部に電子放出層15Bを露出
させる(図34の(C)参照)。開口部14の底部に露
出したカソード電極11の表面に設けられた電子放出層
15Bが電子放出部に相当する。
【0184】[扁平型電界放出素子(その3)]扁平型
電界放出素子から成る第1の構造を有する電界放出素子
の別の変形例の模式的な一部端面図を、図36の(B)
に示す。この扁平型電界放出素子においては、電子放出
部15Cは、CVD法に基づき形成された炭素薄膜から
構成されている。
【0185】この扁平型電界放出素子(その3)を備え
た本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカソードパネ
ルCPは、表1における第1Aの製造方法手順、第1B
の製造方法手順、あるいは第1Cの製造方法手順によっ
て製造することが好ましい。
【0186】電子放出部を炭素薄膜から構成すること
は、炭素(C)の仕事関数が低く、高い放出電子電流を
達成することができるので、好ましい。炭素薄膜から電
子を放出させるためには、炭素薄膜が適切な電界(例え
ば、107ボルト/m程度の強度を有する電界)中に置
かれた状態とすればよい。
【0187】ところで、レジスト層をエッチング用マス
クとして使用し、酸素ガスを用いてダイヤモンド薄膜の
ような炭素薄膜のプラズマエッチングを行った場合、エ
ッチング反応系における反応副生成物として(CHx
系あるいは(CFx)系等の炭素系ポリマーが堆積性物
質として生成する。一般に、プラズマエッチングにおい
て堆積性物質がエッチング反応系に生成した場合、この
堆積性物質はイオン入射確率の低いレジスト層の側壁
面、あるいは被エッチング物の加工端面に堆積して所謂
側壁保護膜を形成し、被エッチング物の異方性加工によ
って得られる形状の達成に寄与する。しかしながら、酸
素ガスをエッチング用ガスとして使用した場合には、炭
素系ポリマーから成る側壁保護膜は、生成しても、直ち
に酸素ガスによって除去されてしまう。また、酸素ガス
をエッチング用ガスとして使用した場合には、レジスト
層の消耗も激しい。これらの理由により、従来のダイヤ
モンド薄膜の酸素プラズマ加工においては、ダイヤモン
ド薄膜のマスクの寸法に対する寸法変換差が大きく、異
方性加工も困難な場合が多い。
【0188】このような問題を解決するためには、例え
ば、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
し、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜から成る電子放
出部を形成する構成とすればよい。即ち、この電界放出
素子の製造においては、支持体上にカソード電極を形成
した後、カソード電極の表面に炭素薄膜選択成長領域を
形成し、その後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜
(電子放出部に相当する)を形成する。尚、カソード電
極の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成する工程を、炭
素薄膜選択成長領域形成工程と呼ぶ。
【0189】ここで、炭素薄膜選択成長領域は、表面に
金属粒子が付着したカソード電極の部分、若しくは、表
面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分であるこ
とが好ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域における炭素
薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄
膜選択成長領域の表面には、硫黄(S)、ホウ素(B)
又はリン(P)が付着していることが望ましく、これら
の物質は一種の触媒としての作用を果たすと考えられ、
これによって、炭素薄膜の選択成長性を一層向上させる
ことができる。尚、炭素薄膜選択成長領域は、開口部の
底部に位置するカソード電極の部分の表面に形成されて
いればよく、開口部の底部に位置するカソード電極の部
分から開口部の底部以外のカソード電極の部分の表面に
延在するように形成されていてもよい。また、炭素薄膜
選択成長領域は、開口部の底部に位置するカソード電極
の部分の表面の全面に形成されていても、部分的に形成
されていてもよい。
【0190】炭素薄膜選択成長領域形成工程は、炭素薄
膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面
(以下、単にカソード電極表面と呼ぶ場合がある)に、
金属粒子を付着させ、若しくは、金属薄膜を形成する工
程から成り、以て、表面に金属粒子が付着し、若しく
は、表面に金属薄膜が形成されたカソード電極の部分か
ら成る炭素薄膜選択成長領域を得ることが好ましい。ま
た、この場合、炭素薄膜選択成長領域における炭素薄膜
の選択成長を一層確実なものとするために、炭素薄膜選
択成長領域の表面に、硫黄(S)、ホウ素(B)又はリ
ン(P)を付着させることが望ましく、これによって、
炭素薄膜の選択成長性を一層向上させることができる。
炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリンを
付着させる方法としては、例えば、硫黄、ホウ素又はリ
ンを含む化合物から成る化合物層を炭素薄膜選択成長領
域の表面に形成し、次いで、例えば加熱処理を化合物層
に施すことによって化合物層を構成する化合物を分解さ
せ、炭素薄膜選択成長領域の表面に硫黄、ホウ素又はリ
ンを残す方法を挙げることができる。硫黄を含む化合物
としてチオナフテン、チオフテン、チオフェンを例示す
ることができる。ホウ素を含む化合物として、トリフェ
ニルボロンを例示することができる。リンを含む化合物
として、トリフェニルフォスフィンを例示することがで
きる。
【0191】あるいは又、炭素薄膜選択成長領域におけ
る炭素薄膜の選択成長を一層確実なものとするために、
カソード電極表面に、金属粒子を付着させ、若しくは、
金属薄膜を形成した後、金属粒子の表面若しくは金属薄
膜の表面の金属酸化物(所謂、自然酸化膜)を除去する
ことが望ましい。金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表
面の金属酸化物の除去を、例えば、水素ガス雰囲気にお
けるマイクロ波プラズマ法、トランス結合型プラズマ
法、誘導結合型プラズマ法、電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマ法、RFプラズマ法等に基づくプラズマ還元処
理、アルゴンガス雰囲気におけるスパッタ処理、若しく
は、例えばフッ酸等の酸や塩基を用いた洗浄処理によっ
て行うことが望ましい。尚、炭素薄膜選択成長領域の表
面に硫黄、ホウ素又はリンを付着させる工程、あるいは
又、金属粒子の表面若しくは金属薄膜の表面の金属酸化
物を除去する工程を含む場合、絶縁層に開口部を設けた
後、炭素薄膜選択成長領域上に炭素薄膜を形成する前に
これらの工程を実行することが好ましい。
【0192】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属粒子を付着させる方法として、例え
ば、炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の
領域以外の領域を適切な材料(例えば、マスク層)で被
覆した状態で、溶媒と金属粒子から成る層を炭素薄膜選
択成長領域を形成すべきカソード電極の部分の表面に形
成した後、溶媒を除去し、金属粒子を残す方法を挙げる
ことができる。あるいは又、カソード電極表面に金属粒
子を付着させる工程として、例えば、炭素薄膜選択成長
領域を形成すべきカソード電極の領域以外の領域を適切
な材料(例えば、マスク層)で被覆した状態で、金属粒
子を構成する金属原子を含む金属化合物粒子をカソード
電極表面に付着させた後、金属化合物粒子を加熱するこ
とによって分解し、以て、表面に金属粒子が付着したカ
ソード電極の部分から成る炭素薄膜選択成長領域を得る
方法を挙げることができる。この場合、具体的には、溶
媒と金属化合物粒子から成る層を炭素薄膜選択成長領域
を形成すべきカソード電極の部分の表面に形成した後、
溶媒を除去し、金属化合物粒子を残す方法を例示するこ
とができる。金属化合物粒子は、金属粒子を構成する金
属のハロゲン化物(例えば、ヨウ化物、塩化物、臭化物
等)、酸化物、水酸化物及び有機金属から成る群から選
択された少なくとも1種類の材料から成ることが好まし
い。尚、これらの方法においては、適切な段階で、炭素
薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域以外
の領域を被覆した材料(例えば、マスク層)を除去す
る。
【0193】炭素薄膜選択成長領域を得るためにカソー
ド電極表面に金属薄膜を形成する方法として、例えば、
炭素薄膜選択成長領域を形成すべきカソード電極の領域
以外の領域を適切な材料で被覆した状態での、電解メッ
キ法、無電解メッキ法、MOCVD法を含むCVD法
(化学的気相成長法)、物理的気相成長法(PVD法、
Physical Vapor Deposition 法)等の公知の方法を挙げ
ることができる。尚、物理的気相成長法として、(a)
電子ビーム加熱法、抵抗加熱法、フラッシュ蒸着等の各
種真空蒸着法、(b)プラズマ蒸着法、(c)2極スパ
ッタリング法、直流スパッタリング法、直流マグネトロ
ンスパッタリング法、高周波スパッタリング法、マグネ
トロンスパッタリング法、イオンビームスパッタリング
法、バイアススパッタリング法等の各種スパッタリング
法、(d)DC(direct current)法、RF法、多陰極
法、活性化反応法、電界蒸着法、高周波イオンプレーテ
ィング法、反応性イオンプレーティング法等の各種イオ
ンプレーティング法を挙げることができる。
【0194】ここで、金属粒子あるいは金属薄膜は、モ
リブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(T
i)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、タングステ
ン(W)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、
鉄(Fe)、銅(Cu)、白金(Pt)及び亜鉛(Z
n)から成る群から選択された少なくとも1種類の金属
から構成されていることが好ましい。
【0195】炭素薄膜として、グラファイト薄膜、アモ
ルファスカーボン薄膜、ダイヤモンドライクカーボン薄
膜、あるいはフラーレン薄膜を挙げることができる。炭
素薄膜の形成方法として、マイクロ波プラズマ法、トラ
ンス結合型プラズマ法、誘導結合型プラズマ法、電子サ
イクロトロン共鳴プラズマ法、RFプラズマ法等に基づ
くCVD法、平行平板型CVD装置を用いたCVD法を
例示することができる。炭素薄膜の形態には、薄膜状は
もとより、炭素のウィスカー、炭素のナノチューブ(中
空及び中実を含む)が包含される。
【0196】尚、カソード電極の構造としては、導電材
料層の1層構成とすることもできるし、下層導電材料
層、下層導電材料層上に形成された抵抗体層、抵抗体層
上に形成された上層導電材料層の3層構成とすることも
できる。後者の場合、上層導電材料層の表面に炭素薄膜
選択成長領域を形成する。このように、抵抗体層を設け
ることによって、電子放出部における電子放出特性の均
一化を図ることができる。
【0197】以下、支持体等の模式的な一部端面図であ
る図35及び図36を参照して、扁平型電界放出素子の
製造方法の一例を説明する。
【0198】[工程−E0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10上にカソード電極用導電材料層を形成
し、次いで、周知のリソグラフィ技術及びRIE法に基
づきカソード電極用導電材料層をパターニングすること
によって、ストライプ状のカソード電極11を支持体1
0上に形成する。ストライプ状のカソード電極11は、
図面の紙面左右方向に延びている。カソード電極11
は、例えばスパッタリング法により形成された厚さ約
0.2μmのクロム(Cr)層から成る。
【0199】[工程−E1]その後、全面に、具体的に
は、支持体10上及びカソード電極11上に絶縁層12
を形成する。
【0200】[工程−E2]次いで、ストライプ状のゲ
ート電極13を絶縁層12上に形成した後、ゲート電極
13及び絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14
の底部にカソード電極11を露出させる(図35の
(A)参照)。ストライプ状のゲート電極13は図面の
紙面垂直方向に延びている。開口部14の平面形状は、
例えば直径1μm〜30μmの円形である。開口部14
を、例えば、1画素分の領域(重複領域)に1個〜30
00個程度形成すればよい。
【0201】[工程−E3]次に、開口部14の底部に
露出したカソード電極11上に、電子放出部15Cを形
成する。具体的には、先ず、開口部14の底部に位置す
るカソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域70
を形成する。そのために、先ず、開口部14の底部の中
央部にカソード電極11の表面が露出したマスク層65
を形成する(図35の(B)参照)。具体的には、レジ
スト材料層をスピンコーティング法にて開口部14内を
含む全面に成膜した後、リソグラフィ技術に基づき、開
口部14の底部の中央部に位置するレジスト材料層に孔
部を形成することによって、マスク層65を得ることが
できる。マスク層65は、開口部14の底部に位置する
カソード電極11の一部分、開口部14の側壁、ゲート
電極13及び絶縁層12を被覆している。これによっ
て、次の工程で、開口部14の底部の中央部に位置する
カソード電極11の表面に炭素薄膜選択成長領域を形成
するが、カソード電極11とゲート電極13とが金属粒
子によって短絡することを確実に防止し得る。
【0202】次に、露出したカソード電極11の表面を
含むマスク層65上に、金属粒子を付着させる。具体的
には、ニッケル(Ni)微粒子をポリシロキサン溶液中
に分散させた溶液(溶媒としてイソプロピルアルコール
を使用)をスピンコーティング法にて全面に塗布し、炭
素薄膜選択成長領域70を形成すべきカソード電極11
の部分の表面に溶媒と金属粒子から成る層を形成する。
その後、マスク層65を除去し、400゜C程度に加熱
することによって溶媒を除去し、露出したカソード電極
11の表面に金属粒子71を残すことで、炭素薄膜選択
成長領域70を得ることができる(図36の(A)参
照)。尚、ポリシロキサンは、露出したカソード電極1
1の表面に金属粒子71を固定させる機能(所謂、接着
機能)を有する。
【0203】[工程−E4]その後、炭素薄膜選択成長
領域70上に、厚さ約0.2μmの炭素薄膜16を形成
し、電子放出部15Cを得る。この状態を図36の
(B)に示す。マイクロ波プラズマCVD法に基づく炭
素薄膜16の成膜条件を、以下の表2に例示する。
【0204】[表2] [炭素薄膜の成膜条件] 使用ガス :CH4/H2=100/10SCCM 圧力 :1.3×103Pa マイクロ波パワー:500W(13.56MHz) 成膜温度 :500゜C
【0205】尚、[工程−E0]の後、カソード電極1
1上に[工程−E3]における炭素薄膜選択成長領域7
0を形成し、更に、[工程−E4]と同様の工程を実行
し、次いで、[工程−E1]、[工程−E2]を実行し
てもよい。即ち、扁平型電界放出素子(その3)を備え
た本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカソードパネ
ルCPは、表1における第2Aの製造方法手順あるいは
第2Bの製造方法手順によっても製造することができ
る。
【0206】[平面型電界放出素子(その1)]平面型
電界放出素子(その1)を備えた本発明の第1の態様〜
第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1における
第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方法手順に
よって製造することが好ましい。
【0207】平面型電界放出素子から成る第2の構造を
有する電界放出素子の模式的な一部断面図を、図37の
(C)に示す。この平面型電界放出素子は、例えばガラ
スから成る支持体10上に形成されたストライプ状のカ
ソード電極11、支持体10及びカソード電極11上に
形成された絶縁層12、絶縁層12上に形成されたスト
ライプ状のゲート電極13、並びに、ゲート電極13及
び絶縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露出
した開口部14から成る。カソード電極11は、図37
の(C)の紙面垂直方向に延び、ゲート電極13は、図
37の(C)の紙面左右方向に延びている。カソード電
極11及びゲート電極13はクロム(Cr)から成り、
絶縁層12はSiO2から成る。ここで、開口部14の
底部に露出したカソード電極11の部分が電子放出部1
5に相当する。
【0208】以下、支持体等の模式的な一部断面図であ
る図37を参照して、平面型電界放出素子の製造方法を
説明する。
【0209】[工程−F0]先ず、支持体10上に電子
放出部15として機能するカソード電極11を形成す
る。具体的には、支持体10上に、クロム(Cr)から
成るカソード電極用導電材料層をスパッタリング法にて
形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技
術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングす
る。これによって、ストライプ状のカソード電極11を
支持体10上に形成することができる(図37の(A)
参照)。尚、カソード電極11は、図37の紙面垂直方
向に延びている。
【0210】[工程−F1]次に、例えばCVD法にて
SiO2から成る絶縁層12を、支持体10及びカソー
ド電極11の上に形成する。尚、絶縁層12を、スクリ
ーン印刷法に基づきガラスペーストから形成することも
できる。
【0211】[工程−F2]その後、ストライプ状のゲ
ート電極13を絶縁層12上に形成する。具体的には、
先ず、全面にクロムから成る導電材料層をスパッタリン
グ法にて形成した後、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づき導電材料層をパターニングする。こ
れによって、ストライプ状のゲート電極13を形成する
ことができる(図37の(B)参照)。尚、ゲート電極
13は、図37の紙面左右方向に延びている。例えばス
クリーン印刷法にて、ストライプ状のゲート電極13を
絶縁層12上に、直接形成することもできる。
【0212】[工程−F3]次に、ゲート電極13及び
絶縁層12に開口部14を形成し、開口部14の底部に
電子放出部15として機能するカソード電極11を露出
させる(図37の(C)参照)。
【0213】[平面型電界放出素子(その2)]平面型
電界放出素子(その2)を備えた本発明の第1の態様〜
第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1における
第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方法手順に
よって製造することが好ましい。
【0214】図38の(A)に模式的な一部断面図を示
す平面型電界放出素子が図37の(C)に示した平面型
電界放出素子と相違する点は、開口部14の底部に露出
したカソード電極11の表面(電子放出部15に相当す
る)に、微小凹凸部11Aが形成されている点にある。
このような平面型電界放出素子は、以下の製造方法にて
製造することができる。
【0215】[工程−G0]先ず、[工程−F0]〜
[工程−F2]と略同様にして、支持体10上にストラ
イプ状のカソード電極11を形成し、全面に絶縁層12
を形成した後、ストライプ状のゲート電極13を絶縁層
12上に形成する。即ち、例えばガラス基板から成る支
持体10の上に、スパッタリング法により厚さ約0.2
μmのタングステン層を成膜し、通常の手順に従ってこ
のタングステン層をストライプ状にパターニングし、カ
ソード電極11を形成する。次に、支持体10及びカソ
ード電極11上に絶縁層12を形成する。絶縁層12
は、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとし
て用いるCVD法により形成することができる。更に、
この絶縁層12の上に、例えば厚さ約0.2μmのクロ
ムから成る導電材料層を成膜し、ストライプ状にパター
ニングして、ゲート電極13を形成する。ここまでのプ
ロセスが終了した状態は、実質的に、図37の(B)に
示したと同様である。
【0216】[工程−G1]次に、[工程−F3]と同
様にして、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部14
を形成し、開口部14の底部にカソード電極11を露出
させる。その後、開口部14の底部に露出したカソード
電極11の部分に、微小凹凸部11Aを形成する。微小
凹凸部11Aの形成に際しては、エッチングガスとして
SF6を用い、カソード電極11を構成するタングステ
ンの結晶粒のエッチング速度よりも粒界とエッチング速
度の方が早くなるようなエッチング条件を設定してRI
E法に基づくドライエッチングを行う。その結果、タン
グステンの結晶粒径をほぼ反映した寸法を有する微小凹
凸部11Aを形成することができる。
【0217】このような平面型電界放出素子の構成にお
いては、カソード電極11の微小凹凸部11A、より具
体的には微小凹凸部11Aの凸部に、ゲート電極13か
ら大きな電界が加わる。このとき、凸部に集中する電界
は、カソード電極11の表面が平滑である場合に比べて
大きいため、凸部からは量子トンネル効果によって電子
が効率良く放出される。従って、開口部14の底部に単
に平滑なカソード電極11が露出している平面型電界放
出素子に比べて、表示装置に組み込まれた場合の輝度の
向上が期待できる。それ故、図38の(A)に示した平
面型電界放出素子によれば、ゲート電極13とカソード
電極11との間の電位差が比較的小さくても、十分な放
出電子電流密度を得ることができ、表示装置の高輝度化
が達成される。あるいは、同じ輝度を達成するために必
要なゲート電圧が低くて済み、以て、低消費電力化を達
成することが可能である。
【0218】尚、絶縁層12をエッチングすることによ
って開口部14を形成し、その後に異方性エッチング技
術に基づきカソード電極11に微小凹凸部11Aを形成
したが、開口部14を形成するためのエッチングによっ
て、微小凹凸部11Aを同時に形成することも可能であ
る。即ち、絶縁層12をエッチングする際に、ある程度
のイオンスパッタ作用が期待できる異方的なエッチング
条件を採用し、垂直壁を有する開口部14が形成された
後もエッチングを継続することにより、開口部14の底
部に露出したカソード電極11の部分に微小凹凸部11
Aを形成することができる。その後、絶縁層12の等方
性エッチングを行えばよい。
【0219】また、[工程−F0]と同様の工程におい
て、支持体10上に、タングステンから成るカソード電
極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した後、リ
ソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソ
ード電極用導電材料層をパターニングし、次いで、カソ
ード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11Aを形成
した後、[工程−F1]〜[工程−F3]と同様の工程
を実行することによって、図38の(A)に示したと同
様の電界放出素子を作製することもできる。
【0220】あるいは又、[工程−F0]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、リソグラフィ技術及びドライエッ
チング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパター
ニングした後、[工程−F1]〜[工程−F3]と同様
の工程を実行することによって、図38の(A)に示し
たと同様の電界放出素子を作製することもできる。
【0221】図38の(B)には、図38の(A)に示
した電界放出素子の変形例を示す。図38の(B)に示
す電界放出素子においては、微小凹凸部11Aの先端部
の平均高さ位置が、絶縁層12の下面位置よりも支持体
10側に存在している(即ち、下がっている)。かかる
電界放出素子を形成するには、[工程−G1]における
ドライエッチングの継続時間を延長すればよい。このよ
うな構成によれば、開口部14の中央部近傍の電界強度
を一層高めることができる。
【0222】図39には、電子放出部15に相当するカ
ソード電極11の表面(より具体的には、少なくとも微
小凹凸部11A上)に被覆層11Bが形成されている平
面型電界放出素子を示す。
【0223】この被覆層11Bは、カソード電極11を
構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成す
ることが好ましく、どのような材料を選択するかは、カ
ソード電極11を構成する材料の仕事関数、ゲート電極
13とカソード電極11との間の電位差、要求される放
出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。
被覆層11Bの構成材料として、アモルファスダイヤモ
ンドを例示することができる。被覆層11Bをアモルフ
ァスダイヤモンドを用いて構成した場合には、5×10
7V/m以下の電界強度にて、表示装置に必要な放出電
子電流密度を得ることができる。
【0224】被覆層11Bの厚さは、微小凹凸部11A
を反映し得る程度に選択する。これは、被覆層11Bに
よって微小凹凸部11Aの凹部が埋め込まれ、電子放出
部の表面が平滑化されてしまっては、微小凹凸部11A
を設けた意味が無くなるからである。従って、微小凹凸
部11Aの寸法にも依るが、例えば微小凹凸部11Aが
電子放出部の結晶粒径を反映して形成されている場合に
は、被覆層11Bの厚さを概ね30〜100nm程度に
選択することが好ましい。また、微小凹凸部11Aの先
端部の平均高さ位置を絶縁層の下面位置よりも下げる場
合には、厳密には、被覆層11Bの先端部の平均高さ位
置を絶縁層の下面位置よりも下げることが、一層好まし
い。
【0225】具体的には、[工程−G1]の後、全面に
例えばCVD法によりアモルファスダイヤモンドから成
る被覆層11Bを形成すればよい。尚、被覆層11B
は、ゲート電極13及び絶縁層12の上に形成されたエ
ッチング用マスク(図示せず)の上にも堆積するが、こ
の堆積部分はエッチング用マスクの除去時、同時に除去
される。原料ガスとして例えばCH4/H2混合ガスや、
CO/H2混合ガスを使用したCVD法に基づき被覆層
11Bを形成することができ、それぞれ炭素を含む化合
物の熱分解によってアモルファスダイヤモンドから成る
被覆層11Bが形成される。
【0226】あるいは又、[工程−F0]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づ
きカソード電極用導電材料層をパターニングし、その
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、[工
程−F1]〜[工程−F3]と同様の工程を実行するこ
とによって、図39に示す電界放出素子を作製すること
もできる。
【0227】あるいは又、[工程−F0]と同様の工程
において、支持体10上に、タングステンから成るカソ
ード電極用導電材料層をスパッタリング法にて形成した
後、カソード電極用導電材料層の表面に微小凹凸部11
Aを形成し、次いで、被覆層11Bを形成した後、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき被覆層
11B、カソード電極用導電材料層をパターニングした
後、[工程−F1]〜[工程−F3]と同様の工程を実
行することによって、図39に示す電界放出素子を作製
することもできる。
【0228】あるいは又、被覆層を構成する材料とし
て、かかる材料の2次電子利得δがカソード電極を構成
する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるよう
な材料を適宜選択することもできる。
【0229】尚、図37の(C)に示した平面型電界放
出素子の電子放出部15(カソード電極11の表面)に
被覆層を形成してもよい。この場合には、[工程−F
3]の後、開口部14の底部に露出したカソード電極1
1の表面に被覆層11Bを形成すればよく、あるいは
又、[工程−F0]において、例えば、支持体10上に
カソード電極用導電材料層を形成した後、カソード電極
用導電材料層上に被覆層11Bを形成し、次いで、リソ
グラフィ技術及びドライエッチング技術に基づき、これ
らの層をパターニングすればよい。
【0230】[クレータ型電界放出素子(その1)]ク
レータ型電界放出素子(その1)を備えた本発明の第1
の態様〜第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1
における第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方
法手順によって製造することが好ましい。
【0231】クレータ型電界放出素子の模式的な一部断
面図を、図43の(B)に示す。クレータ型電界放出素
子においては、電子を放出する複数の隆起部111A
と、各隆起部111Aに囲まれた凹部111Bとを有す
るカソード電極111が、支持体10上に備えられてい
る。尚、絶縁層12及びゲート電極13を取り除いた模
式的な斜視図を図42の(B)に示す。
【0232】凹部の形状は特に限定されないが、典型的
には略球面を成す。これは、かかるクレータ型電界放出
素子の製造方法において球体が使用され、凹部111B
が球体の形状の一部を反映して形成されることと関連し
ている。従って、凹部111Bが略球面を成す場合、凹
部111Bを囲む隆起部111Aは円環状となり、この
場合の凹部111Bと隆起部111Aとは、全体として
クレータあるいはカルデラのような形状を呈する。隆起
部111Aは電子を放出する部分であるため、電子放出
効率を高める観点からは、その先端部111Cが先鋭で
あることが特に好ましい。隆起部111Aの先端部11
1Cのプロファイルは、不規則な凹凸を有していても、
あるいは滑らかであってもよい。1画素内における隆起
部111Aの配置は規則的であってもランダムであって
もよい。尚、凹部111Bは、凹部111Bの周方向に
沿って連続した隆起部111Aにより囲まれていてもよ
いし、場合によっては、凹部111Bの周方向に沿って
不連続な隆起部111Aにより囲まれていてもよい。
【0233】このようなクレータ型電界放出素子の製造
方法において、支持体上にストライプ状のカソード電極
を形成する工程は、より具体的には、複数の球体を被覆
したストライプ状のカソード電極を支持体上に形成する
工程と、球体を除去することによって、球体を被覆した
カソード電極の部分を除去し、以て、電子を放出する複
数の隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の
一部を反映した凹部とを有するカソード電極を形成する
工程、から成る。
【0234】球体の状態変化及び/又は化学変化によっ
て、球体を除去することが好ましい。ここで、球体の状
態変化及び/又は化学変化とは、膨張、昇華、発泡、ガ
ス発生、分解、燃焼、炭化等の変化若しくはこれらの組
合せを意味する。例えば、球体が有機材料から成る場
合、球体を燃焼させることによって除去することが一層
好ましい。尚、球体の除去と球体を被覆するカソード電
極の部分の除去、あるいは、球体の除去と球体を被覆す
るカソード電極、絶縁層及びゲート電極の部分の除去
は、必ずしも同時に起こらなくてもよい。例えば、球体
を被覆するカソード電極の部分、あるいはこれに加えて
絶縁層やゲート電極の部分を除去した後に球体の一部が
残存している場合、残存した球体の除去を後から行えば
よい。
【0235】特に、球体が有機材料から成る場合、球体
を例えば燃焼させると、例えば、一酸化炭素、二酸化炭
素、水蒸気が発生し、球体近傍の閉鎖空間の圧力が高ま
り、球体近傍のカソード電極は或る耐圧限界を超えた時
点で破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆す
るカソード電極の部分が飛散し、隆起部及び凹部が形成
され、しかも、球体が除去される。あるいは又、球体を
例えば燃焼させると、同様の機構に基づき、カソード電
極と絶縁層とゲート電極は或る耐圧限界を超えた時点で
破裂する。この破裂の勢いによって、球体を被覆するカ
ソード電極と絶縁層とゲート電極の部分が飛散し、隆起
部及び凹部と同時に開口部が形成され、しかも、球体が
除去される。即ち、球体を除去する以前には絶縁層及び
ゲート電極には開口部が存在せず、球体の除去に伴って
開口部が形成される。このとき、球体の燃焼の初期過程
は閉鎖空間内で進行するため、球体の一部は炭化する可
能性もある。球体を被覆するカソード電極の部分の厚さ
を、破裂によって飛散し得る程度に薄くすることが好ま
しい。また、球体を被覆するカソード電極、絶縁層及び
ゲート電極の部分の厚さを、破裂によって飛散し得る程
度に薄くすることが好ましく、特に、絶縁層について
は、球体を被覆していない部分の厚さを球体の直径と同
程度にすることが好適である。
【0236】後述する[クレータ型電界放出素子(その
3)]においても、球体の状態変化及び/又は化学変化
によって球体を除去することができるが、カソード電極
の破裂を伴わないので、外力によって除去を行う方が簡
便な場合もある。また、後述する[クレータ型電界放出
素子(その4)]では、球体を除去する前の時点で既に
開口部が完成されているが、開口部の大きさが球体の直
径よりも大きい場合には、球体を外力によって除去する
ことができる。ここで、外力とは、空気又は不活性ガス
の吹付け圧力、洗浄液の吹付け圧力、磁気吸引力、静電
気力、遠心力等の物理的な力である。尚、[クレータ型
電界放出素子(その3)]あるいは[クレータ型電界放
出素子(その4)]においては、[クレータ型電界放出
素子(その1)]と異なり、球体を被覆する部分のカソ
ード電極、あるいは、場合によっては、更に絶縁層やゲ
ート電極を飛散させる必要がないので、カソード電極、
絶縁層あるいはゲート電極の残渣が発生し難いという利
点がある。
【0237】後述する[クレータ型電界放出素子(その
3)]あるいは[クレータ型電界放出素子(その4)]
で使用される球体は、少なくとも表面が、カソード電
極、構成に依っては絶縁層やゲート電極を構成する材料
の各界面張力(表面張力)に比べて、大きな界面張力を
有する材料から構成されていることが好ましい。これに
より、[クレータ型電界放出素子(その4)]では、カ
ソード電極、絶縁層及びゲート電極は球体の少なくとも
頂部を被覆することがなく、開口部が最初から絶縁層及
びゲート電極に形成された状態が得られる。開口部の直
径がどの程度になるかは、例えば、カソード電極、絶縁
層やゲート電極を構成する材料の厚さと球体の直径との
関係や、カソード電極、絶縁層やゲート電極の形成方
法、カソード電極、絶縁層やゲート電極を構成する材料
の界面張力(表面張力)に依存する。
【0238】後述する[クレータ型電界放出素子(その
3)]あるいは[クレータ型電界放出素子(その4)]
において、球体は、少なくとも表面が界面張力に関する
上述の条件を満たしていればよい。つまり、カソード電
極、絶縁層及びゲート電極の各界面張力よりも大きな界
面張力を有している部分は、球体の表面のみであっても
全体であってもよく、また、球体の表面及び/又は全体
の構成材料は、無機材料、有機材料、あるいは無機材料
と有機材料の組合せのいずれであってもよい。[クレー
タ型電界放出素子(その3)]あるいは[クレータ型電
界放出素子(その4)]において、カソード電極やゲー
ト電極が通常の金属系材料から構成され、絶縁層がガラ
ス等の酸化シリコン系材料から構成される場合、金属系
材料の表面には吸着水分に由来する水酸基、絶縁層の表
面にはSi−O結合のダングリング・ボンドと吸着水分
とに由来する水酸基が存在し、親水性の高い状態にある
のが普通である。従って、疎水性の表面処理層を有する
球体を用いることが、特に有効である。疎水性の表面処
理層の構成材料として、フッ素系樹脂、例えばポリテト
ラフルオロエチレンを挙げることができる。球体が疎水
性の表面処理層を有する場合、疎水性の表面処理層の内
側の部分を芯材と称することにすると、芯材の構成材料
は、ガラス、セラミックス、フッ素系樹脂以外の高分子
材料のいずれであってもよい。
【0239】球体を構成する有機材料は特に限定されな
いが、汎用の高分子材料が好適である。但し、重合度が
極端に大きかったり、多重結合含有量が極端に多い高分
子材料では、燃焼温度が高くなり過ぎ、燃焼による球体
の除去時、カソード電極や絶縁層、ゲート電極に悪影響
が及ぶ虞がある。それ故、これらに対する悪影響が生じ
る虞のない温度にて燃焼若しくは炭化させることが可能
な高分子材料を選択することが好ましい。特に、絶縁層
をガラスペーストのような、後工程において焼成を要す
る材料を用いて形成する場合には、工数をなるべく減少
させる観点から、ガラスペーストの焼成温度にて燃焼若
しくは炭化可能な高分子材料を選択することが好適であ
る。ガラスペーストの典型的な焼成温度は約530゜C
なので、かかる高分子材料の燃焼温度は350〜500
゜C程度であることが好ましい。代表的な高分子材料と
して、スチレン系、ウレタン系、アクリル系、ビニル
系、ジビニルベンゼン系、メラミン系、ホルムアルデヒ
ド系、ポリメチレン系のホモポリマー又は共重合体を挙
げることができる。あるいは又、球体として、支持体上
での確実な配置を確保するために、付着力を有する固着
タイプの球体を使用することもできる。固着タイプの球
体として、アクリル系樹脂から成る球体を例示すること
ができる。
【0240】あるいは又、例えば、塩化ビニリデン・ア
クリロニトリル共重合体を外殻とし、発泡材としてイソ
ブタンを内包し、カプセル化した加熱膨張型マイクロス
フェアを球体として使用することができる。[クレータ
型電界放出素子(その1)]において、かかる加熱膨張
型マイクロスフェアを用い、熱膨張型マイクロスフェア
を加熱すると、外殻のポリマーが軟化し、しかも、内包
されたイソブタンがガス化して膨張する結果、粒径が膨
張前と比較して約4倍程度の真球の中空体が形成され
る。その結果、[クレータ型電界放出素子(その1)]
において、電子を放出する隆起部、及び、隆起部に囲ま
れ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部を、カソー
ド電極に形成することができる。また、かかる凹部や隆
起部に加え、ゲート電極及び絶縁層を貫通した開口部を
形成することもできる。尚、熱膨張型マイクロスフェア
の加熱による膨張も、本明細書においては、球体の除去
という概念に包含する。その後、熱膨張型マイクロスフ
ェアを適切な溶剤を用いて取り除けばよい。
【0241】[クレータ型電界放出素子(その1)]に
おいては、支持体上に複数の球体を配置した後、球体を
被覆するカソード電極を形成すればよい。この場合にお
いては、あるいは又、後述する[クレータ型電界放出素
子(その3)]あるいは[クレータ型電界放出素子(そ
の4)]においては、支持体上への複数の球体の配置方
法として、球体を支持体上に散布する乾式法を挙げるこ
とができる。球体の散布には、例えば、液晶表示装置の
製造分野において、パネル間隔を一定に維持するための
スペーサを散布する技術を応用することができる。具体
的には、圧搾気体で球体をノズルから噴射する、所謂ス
プレーガンを用いることができる。尚、球体をノズルか
ら噴射する際、球体を揮発性の溶剤中に分散させた状態
としてもよい。あるいは、静電粉体塗装の分野で通常使
用されている装置や方法を利用して球体を散布すること
もできる。例えば、コロナ放電を利用して、静電粉体吹
付けガンにより負に帯電させた球体を、接地した支持体
に向かって吹き付けることができる。使用する球体は、
後述するように非常に小さいため、支持体上に散布され
ると支持体の表面に例えば静電気力によって付着し、以
降の工程においても容易に支持体から脱落することはな
い。支持体上に複数の球体の配置した後、球体を加圧す
れば、支持体上の複数の球体の重なりを解消することが
でき、球体を支持体上で単層に密に配置することができ
る。
【0242】あるいは、後述する[クレータ型電界放出
素子(その2)]のように、球体とカソード電極材料と
を分散媒中に分散させて成る組成物から成る組成物層を
支持体上に形成し、以て、支持体上に複数の球体を配置
し、カソード電極材料から成るカソード電極で球体を被
覆した後、分散媒を除去することもできる。組成物の性
状としては、スラリーやペーストが可能であり、これら
の所望の性状に応じ、分散媒の組成や粘度を適宜選択す
ればよい。組成物層を支持体上に形成する方法として
は、スクリーン印刷法が好適である。カソード電極材料
は、典型的には、分散媒中における沈降速度が球体より
も遅い微粒子であることが好適である。かかる微粒子を
構成する材料として、カーボン、バリウム、ストロンチ
ウム、鉄を挙げることができる。分散媒を除去した後、
必要に応じてカソード電極の焼成を行う。組成物層を支
持体上に形成する方法としては、噴霧法、滴下法、スピ
ンコーティング法、スクリーン印刷法を挙げることがで
きる。尚、球体が配置されると共に、カソード電極材料
から成るカソード電極で球体が被覆されるが、組成物層
の形成方法に依っては、かかるカソード電極のパターニ
ングを行う必要がある。
【0243】あるいは、後述する[クレータ型電界放出
素子(その3)]あるいは[クレータ型電界放出素子
(その4)]にあっては、球体を分散媒中に分散させて
成る組成物から成る組成物層を支持体上に形成し、以
て、支持体上に複数の球体を配置した後、分散媒を除去
することができる。組成物の性状としては、スラリーや
ペーストが可能であり、これらの所望の性状に応じ、分
散媒の組成や粘度を適宜選択すればよい。典型的には、
イソプロピルアルコール等の有機溶媒を分散媒として用
い、蒸発により分散媒を除去することができる。組成物
層を支持体上に形成する方法としては、噴霧法、滴下
法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法を挙げる
ことができる。
【0244】ところで、ゲート電極とカソード電極は互
いに異なる方向(例えば、ストライプ状のゲート電極の
射影像とストライプ状のカソード電極の射影像とが成す
角度が90度)に延びており、且つ、例えばストライプ
状にパターニングされており、重複領域に位置する隆起
部から電子が放出される。従って、隆起部は、機能上、
重複領域にのみ存在すればよい。但し、たとえ重複領域
以外の領域に隆起部及び凹部が存在していたとしても、
このような隆起部及び凹部は絶縁層に被覆されたまま、
何ら電子を放出するといった機能を果たさない。従っ
て、球体を全面に配置しても何ら問題は生じない。
【0245】これに対して、球体を被覆したカソード電
極、絶縁層及びゲート電極(ゲート電極)の各部分を除
去する場合、個々の球体の配置位置と開口部の形成位置
とが一対一に対応するため、重複領域以外の領域にも開
口部が形成される。以下、重複領域以外の領域に形成さ
れる開口部を「無効開口部」と呼び、電子放出に寄与す
る本来の開口部と区別する。ところで、重複領域以外の
領域に無効開口部が形成されたとしても、この無効開口
部は電界放出素子として何ら機能せず、重複領域に形成
される電界放出素子の動作に何ら悪影響を及ぼさない。
なぜなら、無効開口部の底部に隆起部及び凹部が露出し
ていても、無効開口部の上端部にゲート電極が形成され
ていないからであり、あるいは又、無効開口部の上端部
にゲート電極が形成されていても底部に隆起部及び凹部
が露出していないか、あるいは、無効開口部の底部に隆
起部及び凹部が露出しておらず、しかも、上端部にゲー
ト電極が形成されておらず、単に支持体の表面が露出し
ているか、のいずれかであるからである。従って、球体
を全面に配置しても何ら問題は生じない。尚、重複領域
とそれ以外の領域との境界線上に形成された孔は、開口
部に含まれる。
【0246】球体の直径は、所望の開口部の直径、凹部
の直径、電界放出素子を用いて構成される表示装置の表
示画面寸法、画素数、重複領域の寸法、1画素を構成す
べき電界放出素子の個数に応じて選択することができる
が、0.1〜10μmの範囲で選択することが好まし
い。例えば、液晶表示装置のスペーサとして市販されて
いる球体は、粒径分布が1〜3%と良好なので、これを
利用することが好適である。球体の形状は真球であるこ
とが理想的ではあるが、必ずしも真球である必要はな
い。また、電界放出素子の製造方法に依っては、上述し
たように、球体の配置された場所に開口部か無効開口部
のいずれかが形成され得るが、支持体上には球体を10
0〜5000個/mm2程度の密度で配置することが好
適である。例えば球体を約1000個/mm2の密度で
支持体上に配置すると、例えば重複領域の寸法を仮に
0.5mm×0.2mmとした場合、この重複領域内に
約100個の球体が存在し、約100個の隆起部が形成
されることになる。1つの重複領域にこの程度の個数の
隆起部が形成されていれば、球体の粒径分布や真球度の
ばらつきに起因する凹部の直径のばらつきはほぼ平均化
され、実用上、1画素(又は1サブピクセル)当たりの
放出電子電流密度や輝度はほぼ均一となる。
【0247】[クレータ型電界放出素子(その1)]あ
るいは後述する[クレータ型電界放出素子(その2)]
〜[クレータ型電界放出素子(その4)]においては、
球体の形状の一部が電子放出部を構成する凹部の形状に
反映される。隆起部の先端部のプロファイルは、不規則
な凹凸を有していても、あるいは滑らかであってもよい
が、特に、[クレータ型電界放出素子(その1)]や
[クレータ型電界放出素子(その2)]においては、こ
の先端部はカソード電極の破断により形成されるため、
隆起部の先端部が不規則形状となり易い。破断により隆
起部に先端部が先鋭化すると、先端部が高効率の電子放
出部として機能し得るので、好都合である。[クレータ
型電界放出素子(その1)]〜[クレータ型電界放出素
子(その4)]においては、凹部を囲む隆起部はいずれ
も概ね円環状となり、この場合の凹部と隆起部とは、全
体としてクレータあるいはカルデラのような形状を呈す
る。
【0248】支持体上における隆起部の配置は規則的で
あってもランダムであってもよく、球体の配置方法に依
存する。上述の乾式法あるいは湿式法を採用した場合、
支持体上における隆起部の配置はランダムとなる。
【0249】[クレータ型電界放出素子(その1)]〜
[クレータ型電界放出素子(その4)]において、絶縁
層の形成後、絶縁層に開口部を形成する場合、隆起部の
先端部に損傷が生じないように、隆起部を得た後、保護
層を形成し、開口部の形成後、保護層を取り除く構成と
することもできる。保護層を構成する材料として、クロ
ムを例示することができる。
【0250】以下、図40〜図43を参照して、[クレ
ータ型電界放出素子(その1)]の電界放出素子の製造
方法を説明するが、図40の(A)、図41の(A)、
図42の(A)模式的な一部端面図であり、図43の
(A)及び(B)は模式的な一部断面図であり、図40
の(B)、図41の(B)及び図42の(B)は、図4
0の(A)、図41の(A)及び図42の(A)よりも
広い範囲を模式的に示す一部斜視図である。
【0251】[工程−H0]先ず、複数の球体80を被
覆したカソード電極111を支持体10上に形成する。
具体的には、先ず、例えばガラス基板から成る支持体1
0上の全面に、球体80を配置する。球体80は、例え
ばポリメチレン系の高分子材料から成り、平均直径約5
μm、粒径分布1%未満である。球体80を、スプレー
ガンを用い、支持体10上におおよそ1000個/mm
2の密度でランダムに配置する。スプレーガンを用いた
散布は、球体を揮発性溶剤と混合して噴霧する方式、あ
るいは粉末状態のままノズルから噴射する方式のいずれ
でもよい。配置された球体80は、静電気力で支持体1
0上に保持されている。この状態を図40の(A)及び
(B)に示す。
【0252】[工程−H1]次に、球体80及び支持体
10上にカソード電極111を形成する。カソード電極
111を形成した状態を、図41の(A)及び(B)に
示す。カソード電極111は、例えばカーボンペースト
をストライプ状にスクリーン印刷することによって形成
することができる。このとき、球体80は支持体10上
の全面に配置されているので、球体80の中には、図4
1の(B)に示すように、カソード電極111で被覆さ
れないものも当然存在する。次に、カソード電極111
に含まれる水分や溶剤を除去し、且つ、カソード電極1
11を平坦化するために、例えば150゜Cにてカソー
ド電極111を乾燥する。この温度では、球体80は何
ら状態変化及び/又は化学変化を起こさない。尚、上述
のようなカーボンペーストを用いたスクリーン印刷に替
えて、カソード電極111を構成するカソード電極用導
電材料層を全面に形成し、このカソード電極用導電材料
層を通常のリソグラフィ技術とドライエッチング技術を
用いてパターニングし、ストライプ状のカソード電極1
11を形成することもできる。リソグラフィ技術を適用
する場合、通常、レジスト層をスピンコーティング法に
より形成するが、スピンコーティング時の支持体10の
回転数が500rpm程度、回転時間が数秒間程度であ
れば、球体80は脱落したり変位することなく、支持体
10上に保持され得る。
【0253】[工程−H2]次に、球体80を除去する
ことによって、球体80を被覆したカソード電極111
の部分を除去し、以て、電子を放出する複数の隆起部1
11Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体80
の形状の一部を反映した凹部111Bとを有するカソー
ド電極111を形成する。この状態を、図42の(A)
及び(B)に示す。具体的には、カソード電極111の
焼成を兼ね、約530゜Cにて加熱を行うことにより球
体80を燃焼させる。球体80の燃焼に伴って球体80
が閉じ込められていた閉鎖空間の圧力が上昇し、球体8
0を被覆するカソード電極111の部分が或る耐圧限界
を超えた時点で破裂して除去される。その結果、支持体
10上に形成されたカソード電極111の一部分に、隆
起部111A及び凹部111Bが形成される。尚、球体
を除去した後に、球体の一部分が残渣として残る場合に
は、使用する球体を構成する材料にも依るが、適切な洗
浄液を用いて残渣を除去すればよい。
【0254】[工程−H3]その後、カソード電極11
1及び支持体10上に絶縁層12を形成する。具体的に
は、例えば、ガラスペーストを全面に約5μmの厚さに
スクリーン印刷する。次に、絶縁層12に含まれる水分
や溶剤を除去し、且つ、絶縁層12を平坦化するため
に、例えば150゜Cにて絶縁層12を乾燥する。上述
のようなガラスペーストを用いたスクリーン印刷に替え
て、例えばプラズマCVD法によりSiO2膜を形成し
てもよい。
【0255】[工程−H4]次に、絶縁層12上に、ス
トライプ状のゲート電極13を形成する(図43の
(A)参照)。ゲート電極13は、例えばカーボンペー
ストをストライプ状にスクリーン印刷することによって
形成することができる。このときのストライプ状のゲー
ト電極13の射影像の延びる方向は、ストライプ状のカ
ソード電極111の射影像の延びる方向と90度の角度
を成している。次に、ゲート電極13に含まれる水分や
溶剤を除去し、且つ、ゲート電極13を平坦化するため
に、例えば150゜Cにてゲート電極13を乾燥した
後、ゲート電極13及び絶縁層12を構成する材料を焼
成する。尚、カーボンペーストを用いたスクリーン印刷
に替えて、ゲート電極13を構成するゲート電極を絶縁
層12の全面に形成し、次いで、ゲート電極を通常のリ
ソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いてパター
ニングしてもよい。
【0256】[工程−H5]その後、ゲート電極13の
射影像とカソード電極111の射影像とが重複する重複
領域において、ゲート電極13及び絶縁層12に開口部
14を形成し、以て、開口部14の底部に複数の複数の
隆起部111A及び凹部111Bを露出させる。開口部
14の形成は、通常のリソグラフィ技術によるレジスト
マスクの形成と、レジストマスクを用いたエッチングに
より行うことができる。但し、カソード電極111に対
して十分に高いエッチング選択比が確保できる条件でエ
ッチングを行うことが好ましい。あるいは又、隆起部1
11Aを形成した後、例えば、クロムから成る保護層を
形成しておき、開口部14を形成した後、保護層を取り
除くことが好ましい。その後、レジストマスクを除去す
る。こうして、図43の(B)に示した電界放出素子を
得ることができる。
【0257】尚、[クレータ型電界放出素子(その
1)]の製造方法の変形例として、[工程−H1]の
後、[工程−H3]〜[工程−H5]を実行し、次い
で、[工程−H2]を実行してもよい。この場合、球体
の燃焼とゲート電極13及び絶縁層12を構成する材料
の焼成を同時に行えばよい。
【0258】あるいは又、[工程−H1]の後、[工程
−H3]を実行し、更に、[工程−H4]と同様の工程
において、開口部を有していないストライプ状のゲート
電極を絶縁層上に形成した後、[工程−H2]を実行す
る。これによって、球体80を被覆したカソード電極1
11、絶縁層12及びゲート電極13の各部分が除去さ
れ、以て、ゲート電極13及び絶縁層12を貫通した開
口部が形成されると共に、電子を放出する隆起部111
Aと、隆起部111Aに囲まれ、且つ、球体80の形状
の一部を反映した凹部111Bとから成る電子放出部
を、開口部の底部に位置するカソード電極111に形成
することができる。即ち、球体80の燃焼に伴って球体
80が閉じ込められている閉鎖空間の圧力が上昇し、球
体を被覆する部分のカソード電極111と絶縁層12と
ゲート電極13とが或る耐圧限界を超えた時点で破裂
し、隆起部111A及び凹部111Bと同時に開口部が
形成され、しかも、球体80が除去される。開口部は、
ゲート電極13及び絶縁層12を貫通し、且つ、球体8
0の形状の一部を反映している。また、開口部の底部に
は、電子を放出する隆起部111A、及び、隆起部11
1Aに囲まれ、且つ、球体80の形状の一部を反映した
凹部111Bが残る。
【0259】[クレータ型電界放出素子(その2)]ク
レータ型電界放出素子(その2)を備えた本発明の第1
の態様〜第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1
における第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方
法手順によって製造することが好ましい。
【0260】[クレータ型電界放出素子(その2)]の
製造方法を図44を参照して説明するが、支持体10上
に複数の球体80を配置する工程が、球体80とカソー
ド電極材料とを分散媒中に分散させて成る組成物から成
る組成物層81を支持体10上に形成し、以て、支持体
10上に複数の球体80を配置し、カソード電極材料か
ら成るカソード電極111で球体を被覆した後、分散媒
を除去する工程から成る、即ち、湿式法から成る点が、
[クレータ型電界放出素子(その1)]の製造方法と相
違する。
【0261】[工程−I0]先ず、支持体10上に複数
の球体80を配置する。具体的には、球体80とカソー
ド電極材料81Bとを分散媒81A中に分散させて成る
組成物から成る組成物層81を支持体10上に形成す
る。即ち、例えば、イソプロピルアルコールを分散媒8
1Aとして使用し、平均直径約5μmのポリメチレン系
の高分子材料から成る球体80と、平均直径約0.05
μmのカーボン粒子をカソード電極材料81Bとして分
散媒81A中に分散させて成る組成物を支持体10上に
ストライプ状にスクリーン印刷し、組成物層81を形成
する。図44の(A)には、組成物層81の形成直後の
状態を示す。
【0262】[工程−I1]支持体10に保持された組
成物層81中では、間もなく球体80が沈降して支持体
10上に配置されると共に、球体80から支持体10上
に亙ってカソード電極材料81Bが沈降し、カソード電
極材料81Bから成るカソード電極111が形成され
る。これによって、支持体10上に複数の球体80を配
置し、カソード電極材料から成るカソード電極111で
球体80を被覆することができる。この状態を、図44
の(B)に示す。
【0263】[工程−I2]その後、分散媒81Aを例
えば蒸発させることによって除去する。この状態を、図
44の(C)に示す。
【0264】[工程−I3]次いで、[クレータ型電界
放出素子(その1)]の[工程−H2]〜[工程−H
5]と同様の工程、あるいは、[クレータ型電界放出素
子(その1)]の製造方法の変形例を実行することによ
って、図43の(B)に示したと同様の電界放出素子を
完成することができる。
【0265】[クレータ型電界放出素子(その3)]ク
レータ型電界放出素子(その3)を備えた本発明の第1
の態様〜第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1
における第2Aの製造方法手順あるいは第2Bの製造方
法手順によって製造することが好ましい。
【0266】[クレータ型電界放出素子(その3)]の
製造方法を説明するが、支持体上にストライプ状のカソ
ード電極を形成する工程は、より具体的には、支持体上
に複数の球体を配置する工程と、電子を放出する複数の
隆起部と、各隆起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部
を反映した凹部とを有し、各隆起部が球体の周囲に形成
されたカソード電極を、支持体上に設ける工程と、球体
を除去する工程、から成る。支持体上への複数の球体の
配置は、球体の散布によって行う。また、球体は疎水性
の表面処理層を有する。以下、[クレータ型電界放出素
子(その3)]を、図45を参照して説明する。
【0267】[工程−J0]先ず、支持体10上に複数
の球体180を配置する。具体的には、ガラス基板から
成る支持体10上の全面に、複数の球体180を配置す
る。この球体180は、例えばジビニルベンゼン系の高
分子材料から成る芯材180Aをポリテトラフルオロエ
チレン系樹脂から成る表面処理層180Bで被覆して成
り、平均直径約5μm、粒径分布1%未満である。球体
180を、スプレーガンを用い、支持体10上におおよ
そ1000個/mm2の密度でランダムに配置する。配
置された球体180は、静電気力で支持体10上に吸着
されている。ここまでのプロセスが終了した状態を、図
45の(A)に示す。
【0268】[工程−J1]次に、電子を放出する複数
の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且
つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111Bと
を有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成さ
れたカソード電極111を、支持体10上に設ける。具
体的には、[クレータ型電界放出素子(その1)]で述
べたと同様に、例えばカーボンペーストをストライプ状
にスクリーン印刷するが、[クレータ型電界放出素子
(その3)]では、球体180の表面が表面処理層18
0Bにより疎水性を帯びているために、球体180の上
にスクリーン印刷されたカーボンペーストは直ちに弾か
れて落下し、球体180の周囲に堆積して隆起部111
Aが形成される。隆起部111Aの先端部111Cは、
[クレータ型電界放出素子(その1)]の場合ほど先鋭
とはならない。球体180と支持体10との間に入り込
んだカソード電極111の部分が、凹部111Bとな
る。図45の(B)では、カソード電極111と球体1
80との間に隙間が存在するように図示されているが、
カソード電極111と球体180とは接触している場合
もある。その後、カソード電極111を例えば150゜
Cにて乾燥させる。ここまでのプロセスが終了した状態
を、図45の(B)に示す。
【0269】[工程−J2]次に、球体180に外力を
与えることによって、支持体10上から球体180を除
去する。具体的な除去方法としては、洗浄や圧搾気体の
吹付けを挙げることができる。ここまでのプロセスが終
了した状態を、図45の(C)に示す。尚、球体の除去
は、球体の状態変化及び/又は化学変化に基づいて、よ
り具体的には、例えば、燃焼によって球体を除去するこ
とも可能である。以下に説明する[クレータ型電界放出
素子(その4)]においても同様である。
【0270】[工程−J3]その後、[クレータ型電界
放出素子(その1)]の[工程−H3]〜[工程−H
5]を実行することによって、図43の(B)に示した
と略同様の電界放出素子を得ることができる。
【0271】尚、[クレータ型電界放出素子(その
3)]の製造方法の変形例として、[工程−J1]の
後、[クレータ型電界放出素子(その1)]の[工程−
H3]〜[工程−H5]を実行し、次いで、[工程−J
2]を実行してもよい。
【0272】[クレータ型電界放出素子(その4)]ク
レータ型電界放出素子(その4)を備えた本発明の第1
の態様〜第3の態様に係るカソードパネルCPは、表1
における第2Aの製造方法手順と概ね同様の手順によっ
て製造することが好ましい。
【0273】[クレータ型電界放出素子(その4)]の
製造方法を説明するが、この電界放出素子の製造方法に
おいて、支持体上にストライプ状のカソード電極を形成
する工程は、より具体的には、支持体上に複数の球体を
配置する工程と、電子を放出する複数の隆起部と、各隆
起部に囲まれ、且つ、球体の形状の一部を反映した凹部
とを有し、各隆起部が球体の周囲に形成されたカソード
電極を支持体上に設ける工程、から成る。尚、全面に絶
縁層を設ける際、球体の上方に開口部が形成された絶縁
層を、カソード電極及び支持体上に設ける。球体の除去
は、開口部の形成後に行う。[クレータ型電界放出素子
(その4)]の電界放出素子の製造方法においては、支
持体上への複数の球体の配置は、球体の散布によって行
う。また、球体は疎水性の表面処理層を有する。以下、
[クレータ型電界放出素子(その4)]を、図46及び
図47を参照して説明する。
【0274】[工程−K0]先ず、支持体10上に複数
の球体180を配置する。具体的には、[クレータ型電
界放出素子(その3)]の[工程−J0]と同様の工程
を実行する。
【0275】[工程−K1]その後、電子を放出する複
数の隆起部111Aと、各隆起部111Aに囲まれ、且
つ、球体180の形状の一部を反映した凹部111Bと
を有し、各隆起部111Aが球体180の周囲に形成さ
れたカソード電極111を、支持体10上に設ける。具
体的には、[クレータ型電界放出素子(その3)]の
[工程−J1]と同様の工程を実行する。
【0276】[工程−K2]次に、球体の上方に開口部
114Bが形成された絶縁層112を、カソード電極1
11及び支持体10上に設ける。具体的には、例えば、
ガラスペーストを全面に約5μmの厚さにスクリーン印
刷する。ガラスペーストを用いたスクリーン印刷は、
[クレータ型電界放出素子(その1)]と同様に行うこ
とができるが、球体180の表面が表面処理層180B
により疎水性を帯びているために、球体180の上にス
クリーン印刷されたガラスペーストは直ちに弾かれて落
下し、自らの表面張力により絶縁層112の球体180
の上の部分は収縮する。その結果、球体180の頂部は
絶縁層112に覆われることなく、開口部114B内に
露出する。この状態を図46の(A)に示す。図示した
例では、開口部114Bの上端部の直径は球体180の
直径よりも大きいが、表面処理層180Bの界面張力
が、ガラスペーストの界面張力よりも小さい場合には、
開口部114Bの直径が小さくなる傾向にある。逆に、
表面処理層180Bの界面張力が、ガラスペーストの界
面張力よりも著しく大きい場合には、開口部114Bの
直径は大きくなり易い。その後、絶縁層112を例えば
150゜Cにて乾燥させる。
【0277】[工程−K3]次に、開口部114Bと連
通する開口部114Aを有するゲート電極113を絶縁
層112上に形成する。具体的には、例えば、カーボン
ペーストをストライプ状にスクリーン印刷する。カーボ
ンペーストを用いたスクリーン印刷は、[クレータ型電
界放出素子(その1)]と同様に行えばよいが、球体1
80の表面が表面処理層180Bにより疎水性を帯びて
いるために、球体180の上にスクリーン印刷されたカ
ーボンペーストは直ちに弾かれて、自らの表面張力によ
り収縮し、絶縁層112の表面のみに付着した状態とな
る。このとき、ゲート電極113は、図示するように、
絶縁層112の開口端部から開口部114B内へ若干回
り込むように形成されることもある。その後、ゲート電
極113を例えば150゜Cにて乾燥させる。ここまで
のプロセスが終了した状態を、図46の(B)に示す。
尚、表面処理層180Bの界面張力が、カーボンペース
トの界面張力よりも小さい場合には、開口部114Bの
直径が小さくなる傾向にある。逆に、表面処理層180
Bの界面張力が、カーボンペーストの界面張力よりも著
しく大きい場合には、開口部114Bの直径は大きくな
り易い。
【0278】[工程−K4]次に、開口部114A,1
14Bの底部に露出した球体180を除去する。具体的
には、カソード電極111と絶縁層112とゲート電極
113の焼成を兼ね、ガラスペーストの典型的な焼成温
度である約530゜Cにて加熱を行うことにより、球体
180を燃焼させる。このとき、[クレータ型電界放出
素子(その1)]と異なり、絶縁層112及びゲート電
極113には開口部114A,114Bが最初から形成
されているので、カソード電極111や絶縁層112、
ゲート電極113の一部が飛散することはなく、球体1
80は速やかに除去される。尚、開口部114A,11
4Bの上端部の直径が球体180の直径よりも大きい場
合、球体180を燃焼させなくとも、例えば、洗浄や圧
搾気体の吹付け等の外力によって球体180を除去する
ことが可能である。ここまでのプロセスが終了した状態
を、図47の(A)に示す。
【0279】[工程−K5]その後、開口部114Bの
側壁面に相当する絶縁層112の一部を等方的にエッチ
ングすると、図47の(B)に示す電界放出素子を完成
することができる。ここでは、ゲート電極113の端部
が下方を向いているが、このことは、開口部14内の電
界強度を高める上で好ましい。
【0280】[エッジ型電界放出素子]エッジ型電界放
出素子を備えた本発明の第1の態様〜第3の態様に係る
カソードパネルCPは、表1における第2Aの製造方法
手順あるいは第2Bの製造方法手順によって製造するこ
とが好ましい。
【0281】エッジ型電界放出素子の模式的な一部断面
図を図48の(A)に示す。このエッジ型電界放出素子
は、支持体10上に形成されたストライプ状のカソード
電極211と、支持体10及びカソード電極211上に
形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたス
トライプ状のゲート電極13から構成されており、開口
部14がゲート電極13及び絶縁層12に設けられてい
る。開口部14の底部にはカソード電極211のエッジ
部211Aが露出している。カソード電極211及びゲ
ート電極13に電圧を印加することによって、カソード
電極211のエッジ部211Aから電子が放出される。
【0282】尚、図48の(B)に示すように、開口部
14内のカソード電極211の下の支持体10に凹部1
0Aが形成されていてもよい。あるいは又、模式的な一
部断面図を図48の(C)に示すように、支持体10上
に形成された第1のゲート電極13Aと、支持体10及
び第1のゲート電極13A上に形成された第1の絶縁層
12Aと、第1の絶縁層12A上に形成されたカソード
電極211と、第1の絶縁層12A及びカソード電極2
11に形成された第2の絶縁層12Bと、第2の絶縁層
12B上に形成された第2のゲート電極13Bから構成
することもできる。そして、開口部14が、第2のゲー
ト電極13B、第2の絶縁層12B、カソード電極21
1及び第1の絶縁層12Aに設けられており、開口部1
4の側壁にはカソード電極211のエッジ部211Aが
露出している。カソード電極211並びに第1のゲート
電極13A、第2のゲート電極13Bに電圧を印加する
ことによって、カソード電極211のエッジ部211A
から電子が放出される。
【0283】例えば、図48の(C)に示したエッジ型
電界放出素子の製造方法を、支持体等の模式的な一部端
面図である図49を参照して、以下、説明する。
【0284】[工程−L0]先ず、例えばガラス基板か
ら成る支持体10の上に、スパッタリング法により厚さ
約0.2μmのタングステン膜を成膜し、通常の手順に
従ってフォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技
術によりこのタングステン膜をパターニングし、第1の
ゲート電極13Aを形成する。次に、全面に、SiO2
から成る厚さ0.3μmの第1の絶縁層12Aを形成し
た後、第1の絶縁層12Aの上にタングステンから成る
ストライプ状のカソード電極211を形成する(図49
の(A)参照)。
【0285】[工程−L1]その後、全面に、例えばS
iO2から成る厚さ0.7μmの第2の絶縁層12Bを
形成し、次いで、第2の絶縁層12B上にストライプ状
の第2のゲート電極13Bを形成する(図49の(B)
参照)。第2のゲート電極13Bの構成材料や厚さにつ
いては、第1のゲート電極13Aと同じであってもよい
し、異なっていてもよい。
【0286】[工程−L2]次に、全面にレジスト層8
2を形成した後、レジスト層82に第2のゲート電極1
3Bの表面を一部露出させるようにレジスト開口部82
Aを形成する。レジスト開口部82Aの平面形状は矩形
である。矩形の長辺はおおよそ100μm、短辺は数μ
m〜10μmである。続いて、レジスト開口部82Aの
底面に露出した第2のゲート電極13Bを例えばRIE
法により異方的にエッチングし、開口部を形成する。次
に、開口部の底面に露出した第2の絶縁層12Bを等方
的にエッチングし、開口部を形成する(図49の(C)
参照)。第2の絶縁層12BをSiO2を用いて形成し
ているので、緩衝化フッ酸水溶液を用いたウェットエッ
チングを行う。第2の絶縁層12Bに形成された開口部
の壁面は、第2のゲート電極13Bに形成された開口部
の開口端面よりも後退するが、このときの後退量はエッ
チング時間の長短により制御することができる。ここで
は、第2の絶縁層12Bに形成された開口部の下端が、
第2のゲート電極13Bに形成された開口部の開口端面
よりも後退するまで、ウェットエッチングを行う。
【0287】次に、開口部の底面に露出したカソード電
極211を、イオンを主エッチング種とする条件により
ドライエッチングする。イオンを主エッチング種とする
ドライエッチングでは、被エッチング物へのバイアス電
圧の印加やプラズマと磁界との相互作用を利用して荷電
粒子であるイオンを加速することができるため、一般に
は異方性エッチングが進行し、被エッチング物の加工面
は垂直壁となる。しかし、この工程では、プラズマ中の
主エッチング種の中にも垂直以外の角度を有する入射成
分が若干存在すること、及び開口部の端部における散乱
によってもこの斜め入射成分が生ずることにより、カソ
ード電極211の露出面の中で、本来であれば開口部に
よって遮蔽されてイオンが到達しないはずの領域にも、
ある程度の確率で主エッチング種が入射する。このと
き、支持体10の法線に対する入射角の小さい主エッチ
ング種ほど入射確率は高く、入射角の大きい主エッチン
グ種ほど入射確率は低い。
【0288】従って、カソード電極211に形成された
開口部の上端部の位置は、第2の絶縁層12Bに形成さ
れた開口部の下端部とほぼ揃っているものの、カソード
電極211に形成された開口部の下端部の位置はその上
端部よりも突出した状態となる。つまり、カソード電極
211のエッジ部211Aの厚さが、突出方向の先端部
に向けて薄くなり、エッジ部211Aが先鋭化される。
例えば、エッチング・ガスとしてSF6を用いることに
より、カソード電極211の良好な加工を行うことがで
きる。
【0289】次に、カソード電極211に形成された開
口部の底面に露出した第1の絶縁層12Aを等方的にエ
ッチングし、第1の絶縁層12Aに開口部を形成し、開
口部14を完成させる。ここでは、緩衝化フッ酸水溶液
を用いたウェットエッチングを行う。第1の絶縁層12
Aに形成された開口部の壁面は、カソード電極211に
形成された開口部の下端部よりも後退する。このときの
後退量はエッチング時間の長短により制御可能である。
開口部14の完成後にレジスト層82を除去すると、図
48の(C)に示した構成を得ることができる。
【0290】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−1] スピント型電界放出素子:製造方法の変形−1〜スピン
ト型電界放出素子:製造方法の変形−6によって得られ
る本発明の第1の態様〜第3の態様に係るカソードパネ
ルCPは、表1における第1Aの製造方法手順によって
製造することが好ましい。
【0291】先に、[スピント型電界放出素子]にて説
明したスピント型電界放出素子の製造方法の変形例を、
以下、支持体等の模式的な一部端面図である図50〜図
52を参照して説明するが、このスピント型電界放出素
子(図53参照)は、基本的には、以下の工程に基づき
作製される。即ち、 (a)支持体10上にカソード電極11を形成する工程 (b)カソード電極11上を含む支持体10上に絶縁層
12を形成する工程 (c)絶縁層12上にゲート電極13を形成する工程 (d)底部にカソード電極11が露出した開口部14
を、少なくとも絶縁層12に形成する工程 (e)開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の導
電材料層91を形成する工程 (f)開口部14の中央部に位置する導電材料層91の
領域を遮蔽するように、マスク材料層92を導電材料層
91上に形成する工程 (g)導電材料層91の支持体10に対して垂直な方向
におけるエッチング速度がマスク材料層92の支持体1
0に対して垂直な方向におけるエッチング速度よりも速
くなる異方性エッチング条件下で導電材料層91とマス
ク材料層92とをエッチングすることにより、導電材料
層91から成り、先端部が錐状形状を有する電子放出部
15Dを開口部14内に露出したカソード電極11上に
形成する工程
【0292】[工程−M0]先ず、例えばガラス基板上
に厚さ約0.6μmのSiO2層を形成して成る支持体
10上に、クロム(Cr)から成るカソード電極11を
設ける。具体的には、支持体10上に、例えばスパッタ
リング法やCVD法にてクロムから成るカソード電極用
導電材料層を堆積させ、かかるカソード電極用導電材料
層をパターニングすることによって、複数のカソード電
極11を形成することができる。カソード電極11の幅
を例えば50μm、カソード電極11の間のスペースを
例えば30μmとする。その後、全面に、具体的には、
カソード電極11及び支持体10上に、原料ガスとして
TEOS(テトラエトキシシラン)を使用するプラズマ
CVD法にてSiO2から成る絶縁層12を形成する。
絶縁層12の厚さを約1μmとする。次に、絶縁層12
上の全面に、カソード電極11と直交する方向に平行に
延びるストライプ状のゲート電極13を形成する。
【0293】次に、ストライプ状のカソード電極11と
ストライプ状のゲート電極13との重複領域、即ち、1
画素領域において、ゲート電極13と絶縁層12とを貫
通する開口部14を形成する。開口部14の平面形状
は、例えば、直径0.3μmの円形である。開口部14
は、通常、1画素領域(1重複領域)に数百乃至千個程
度形成される。開口部14を形成するには、通常のフォ
トリソグラフィ技術により形成されたレジスト層をマス
クとして、先ず、ゲート電極13に開口部14を形成
し、続いて、絶縁層12に開口部14を形成する。RI
E終了後、レジスト層をアッシングにより除去する(図
50の(A)参照)。
【0294】[工程−M1]次に、全面に密着層90を
スパッタリング法にて形成する(図50の(B)参
照)。この密着層90は、ゲート電極が形成されていな
い領域や開口部14の側壁面に露出している絶縁層12
と、次の工程で全面的に成膜される導電材料層91との
間の密着性を高めるために設けられる層である。導電材
料層91をタングステンで形成することを前提とし、タ
ングステンから成る密着層90を、DCスパッタリング
法により0.07μmの厚さに形成する。
【0295】[工程−M2]次に、開口部14内を含む
全面に、厚さ約0.6μmのタングステンから成る電子
放出部形成用の導電材料層91を水素還元減圧CVD法
により形成する(図51の(A)参照)。成膜された導
電材料層91の表面には、開口部14の上端面と底面と
の間の段差を反映した凹部91Aが形成される。
【0296】[工程−M3]次に、開口部14の中央部
に位置する導電材料層91の領域(具体的には凹部91
A)を遮蔽するようにマスク材料層92を形成する。具
体的には、先ず、スピンコート法により厚さ0.35μ
mのレジスト層をマスク材料層92として導電材料層9
1の上に形成する(図51の(B)参照)。マスク材料
層92は、導電材料層91の凹部91Aを吸収し、ほぼ
平坦な表面となる。次に、マスク材料層92を酸素系ガ
スを用いたRIE法によりエッチングする。このエッチ
ングを、導電材料層91の平坦面が露出した時点で終了
する。これにより、導電材料層91の凹部91Aを平坦
に埋め込むようにマスク材料層92が残る(図52の
(A)参照)。
【0297】[工程−M4]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90とをエッチングし、円錐形
状の電子放出部15Dを形成する(図52の(B)参
照)。これらの層のエッチングは、導電材料層91のエ
ッチング速度がマスク材料層92のエッチング速度より
も速くなる異方性エッチング条件下で行う。エッチング
条件を以下の表3に例示する。
【0298】[表3] [導電材料層91等のエッチング条件] SF6流量 :150SCCM O2流量 :30SCCM Ar流量 :90SCCM 圧力 :35Pa RFパワー:0.7kW(13.56MHz)
【0299】[工程−M5]その後、等方的なエッチン
グ条件にて開口部14の内部において絶縁層12に設け
られた開口部14の側壁面を後退させると、図53に示
す電界放出素子が完成される。等方的なエッチングは、
ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチ
ング種として利用するドライエッチング、あるいは、エ
ッチング液を利用するウェットエッチングにより行うこ
とができる。エッチング液として、例えば49%フッ酸
水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いるこ
とができる。
【0300】ここで、[工程−M4]において、電子放
出部15Dが形成される機構について、図54を参照し
て説明する。図54の(A)は、エッチングの進行に伴
って、被エッチング物の表面プロファイルが一定時間毎
にどのように変化するかを示す模式図であり、図54の
(B)は、エッチング時間と開口部14の中心における
被エッチング物の厚さとの関係を示すグラフである。開
口部14の中心におけるマスク材料層の厚さをhp、開
口部14の中心における電子放出部15Dの高さをhe
とする。
【0301】表3に示したエッチング条件では、レジス
ト材料から成るマスク材料層92のエッチング速度より
も、導電材料層91のエッチング速度の方が当然速い。
マスク材料層92が存在しない領域では、導電材料層9
1が直ぐにエッチングされ始め、被エッチング物の表面
が速やかに下降してゆく。これに対して、マスク材料層
92が存在する領域では、最初にマスク材料層92が除
去されないとその下の導電材料層91のエッチングが始
まらないので、マスク材料層92がエッチングされてい
る間は被エッチング物の厚さの減少速度は遅く(hp
少区間)、マスク材料層92が消失した時点で初めて、
被エッチング物の厚さの減少速度がマスク材料層92の
存在しない領域と同様に速くなる(he減少区間)。he
減少区間の開始時期は、マスク材料層92が厚さが最大
となる開口部14の中心で最も遅く、マスク材料層92
の薄い開口部14の周辺に向かって早くなる。このよう
にして、円錐形状の電子放出部15Dが形成される。
【0302】レジスト材料から成るマスク材料層92の
エッチング速度に対する導電材料層91のエッチング速
度の比を、「対レジスト選択比」と称することにする。
この対レジスト選択比が、電子放出部15Dの高さと形
状を決定する重要な因子であることを、図55を参照し
て説明する。図55の(A)は、対レジスト選択比が相
対的に小さい場合、図55の(C)は、対レジスト選択
比が相対的に大きい場合、図55の(B)はこれらの中
間である場合の、電子放出部15Dの形状を示してい
る。対レジスト選択比が大きいほど、マスク材料層92
の膜減りに比べて導電材料層91の膜減りが激しくなる
ので、電子放出部15Dはより高く、且つ鋭くなること
が判る。対レジスト選択比は、SF6流量に対するO2
量の割合を高めると低下する。また、基板バイアスを併
用してイオンの入射エネルギーを変化させることが可能
なエッチング装置を用いる場合には、RFバイアスパワ
ーを高めたり、バイアス印加用の交流電源の周波数を下
げることで、対レジスト選択比を下げることができる。
対レジスト選択比の値は1.5以上、好ましくは2以
上、より好ましくは3以上に選択される。
【0303】尚、上記のエッチングにおいては当然、ゲ
ート電極13やカソード電極11に対して高い選択比を
確保する必要があるが、表3に示した条件で全く問題は
ない。なぜなら、ゲート電極13やカソード電極11を
構成する材料は、フッ素系のエッチング種では殆どエッ
チングされず、上記の条件であれば、概ね10以上のエ
ッチング選択比が得られるからである。
【0304】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−2]スピント型電界放出素子の製造方法の変形−2
は、スピント型電界放出素子の製造方法の変形−1の変
形である。製造方法の変形−2においては、マスク材料
層により遮蔽される導電材料層の領域を、製造方法の変
形−1におけるよりも狭くすることが可能である。即
ち、製造方法の変形−2においては、開口部の上端面と
底面との間の段差を反映して、柱状部とこの柱状部の上
端に連通する拡大部とから成る略漏斗状の凹部を導電材
料層の表面に生成させ、工程(f)において、導電材料
層の全面にマスク材料層を形成した後、マスク材料層と
導電材料層とを支持体の表面に対して平行な面内で除去
することにより、柱状部にマスク材料層を残す。
【0305】以下、スピント型電界放出素子の製造方法
の変形−2を、支持体等の模式的な一部端面図である図
56〜図58を参照して説明する。
【0306】[工程−N0]先ず、支持体10上にカソ
ード電極11を形成する。カソード電極11を含むカソ
ード電極用導電材料層は、例えばDCスパッタリング法
により、TiN層(厚さ0.1μm)、Ti層(厚さ5
nm)、Al−Cu層(厚さ0.4μm)、Ti層(厚
さ5nm)、TiN層(厚さ0.02μm)及びTi層
(0.02μm)をこの順に積層して積層膜を形成し、
続いてこの積層膜をストライプ状にパターニングして形
成する。尚、図ではカソード電極11を単層で表した。
次に、全面に、具体的には、支持体10とカソード電極
11の上に、厚さ0.7μmの絶縁層12を、TEOS
(テトラエトキシシラン)を原料ガスとするプラズマC
VD法に基づき形成する。次いで、絶縁層12の上にス
トライプ状のゲート電極13を形成する。
【0307】更に、全面に例えば SiO2から成る厚さ
0.2μmのエッチング停止層93を形成する。エッチ
ング停止層93は、電界放出素子の機能上不可欠な部材
ではなく、後工程で行われる導電材料層91のエッチン
グ時に、ゲート電極13を保護する役割を果たす。尚、
導電材料層91のエッチング条件に対してゲート電極1
3が十分に高いエッチング耐性を持ち得る場合には、エ
ッチング停止層93を省略しても構わない。その後、R
IE法により、エッチング停止層93、ゲート電極1
3、絶縁層12を貫通し、底部にカソード電極11が露
出した開口部14を形成する。このようにして、図56
の(A)に示す状態が得られる。
【0308】[工程−N1]次に、開口部14内を含む
全面に、例えば厚さ0.03μmのタングステンから成
る密着層90を形成する(図56の(B)参照)。次い
で、開口部14内を含む全面に電子放出部形成用の導電
材料層91を形成する。但し、製造方法の変形−2にお
ける導電材料層91は、製造方法の変形−1で述べた凹
部91Aよりも深い凹部91Aが表面に生成されるよう
に、導電材料層91の厚さを選択する。即ち、導電材料
層91の厚さを適切に設定することによって、開口部1
4の上端面と底面との間の段差を反映して、柱状部91
Bとこの柱状部91Bの上端に連通する拡大部91Cと
から成る略漏斗状の凹部91Aを導電材料層91の表面
に生成させることができる。
【0309】[工程−N2]次に、導電材料層91の全
面に、例えば無電解メッキ法により、厚さ約0.5μm
の銅(Cu)から成るマスク材料層92を形成する(図
57の(A)参照)。無電解メッキ条件を以下の表4に
例示する。
【0310】 [表4] メッキ液 :硫酸銅(CuSO4・5H2O) 7g/リットル ホルマリン(37%HCHO) 20ml/リットル 水酸化ナトリウム(NaOH) 10g/リットル 酒石酸ナトリウムカリウム 20g/リットル メッキ浴温度:50゜C
【0311】[工程−N3]その後、マスク材料層92
と導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行な
面内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材料
層92を残す(図57の(B)参照)。この除去は、例
えば化学的機械的研磨法(CMP法)により行うことが
できる。
【0312】[工程−N4]次に、導電材料層91と密
着層90のエッチング速度がマスク材料層92のエッチ
ング速度よりも速くなる異方性エッチング条件下で、導
電材料層91とマスク材料層92と密着層90とをエッ
チングする。その結果、開口部14内に錐状形状を有す
る電子放出部15Dが形成される(図58の(A)参
照)。尚、電子放出部15Dの先端部にマスク材料層9
2が残存する場合には、希フッ酸水溶液を用いたウェッ
トエッチングによりマスク材料層92を除去することが
できる。
【0313】[工程−N5]次に、等方的なエッチング
条件で開口部14の内部において絶縁層12に設けられ
た開口部14の側壁面を後退させると、図58の(B)
に示す電界放出素子が完成される。このとき、エッチン
グ停止層93も除去される。等方的なエッチングについ
ては、製造方法の変形−1で説明したと同様とすればよ
い。
【0314】ところで、製造方法の変形−2で形成され
た電子放出部15Dにおいては、製造方法の変形−1で
形成された電子放出部15Dに比べ、より鋭い錐状形状
が達成されている。これは、マスク材料層92の形状
と、マスク材料層92のエッチング速度に対する導電材
料層91のエッチング速度の比の違いに起因する。この
違いについて、図59を参照しながら説明する。図59
は、被エッチング物の表面プロファイルが一定時間毎に
どのように変化するかを示す図であり、図59の(A)
は銅から成るマスク材料層92を用いた場合、図59の
(B)はレジスト材料から成るマスク材料層92を用い
た場合をそれぞれ示す。尚、簡略化のために導電材料層
91のエッチング速度と密着層90のエッチング速度と
をそれぞれ等しいものと仮定し、図59においては密着
層90の図示を省略する。
【0315】銅から成るマスク材料層92を用いた場合
(図59の(A)参照)は、マスク材料層92のエッチ
ング速度が導電材料層91のエッチング速度に比べて十
分に遅いために、エッチング中にマスク材料層92が消
失することがなく、従って、先端部の鋭い電子放出部1
5Dを形成することができる。これに対して、レジスト
材料から成るマスク材料層92を用いた場合(図59の
(B)参照)は、マスク材料層92のエッチング速度が
導電材料層91のエッチング速度に比べてそれ程遅くな
いために、エッチング中にマスク材料層92が消失し易
く、従って、マスク材料層消失後の電子放出部15Dの
錐状形状が鈍化する傾向がある。
【0316】また、柱状部91Bに残るマスク材料層9
2には、柱状部91Bの深さが多少変化しても、電子放
出部15Dの形状は変化し難いというメリットもある。
即ち、柱状部91Bの深さは、導電材料層91の厚さや
ステップカバレージのばらつきによって変化し得るが、
柱状部91Bの幅は深さによらずほぼ一定なので、マス
ク材料層92の幅もほぼ一定となり、最終的に形成され
る電子放出部15Dの形状には大差が生じない。これに
対して、凹部91Aに残るマスク材料層92において
は、凹部91Aが浅い場合と深い場合とでマスク材料層
の幅も変化してしまうため、凹部91Aが浅くマスク材
料層92の厚さが薄い場合ほど、より早期に電子放出部
15Dの錐状形状の鈍化が始まる。電界放出素子の電子
放出効率は、ゲート電極とカソード電極との間の電位
差、ゲート電極とカソード電極との間の距離、電子放出
部の構成材料の仕事関数の他、電子放出部の先端部の形
状によっても変化する。このため、必要に応じて上述の
ようにマスク材料層の形状やエッチング速度を選択する
ことが好ましい。
【0317】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−3]製造方法の変形−3は、製造方法の変形−2の
変形である。製造方法の変形−3においては、工程
(e)において、開口部の上端面と底面との間の段差を
反映して、柱状部とこの柱状部の上端に連通する拡大部
とから成る略漏斗状の凹部を導電材料層の表面に生成さ
せ、工程(f)において、導電材料層の全面にマスク材
料層を形成した後、導電材料層上と拡大部内のマスク材
料層を除去することにより、柱状部にマスク材料層を残
す。以下、スピント型電界放出素子の製造方法の変形−
3を、支持体等の模式的な一部端面図である図60及び
図61を参照して説明する。
【0318】[工程−P0]先ず、図57の(A)に示
したマスク材料層92の形成までを製造方法の変形−2
の[工程−N0]〜[工程−N2]と同様に行った後、
導電材料層91上と拡大部91C内のマスク材料層92
のみを除去することにより、柱状部91Bにマスク材料
層92を残す(図60の(A)参照)。このとき、例え
ば希フッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行うこ
とにより、タングステンから成る導電材料層91を除去
することなく、銅から成るマスク材料層92のみを選択
的に除去することができる。柱状部91B内に残るマス
ク材料層92の高さは、エッチング時間に依存するが、
このエッチング時間は、拡大部91Cに埋め込まれたマ
スク材料層92の部分が十分に除去される限りにおい
て、それ程の厳密さを要しない。なぜなら、マスク材料
層92の高低に関する議論は、図59の(A)を参照し
ながら前述した柱状部91Bの浅深に関する議論と実質
的に同じであり、マスク材料層92の高低は最終的に形
成される電子放出部15Dの形状に大きな影響を及ぼさ
ないからである。
【0319】[工程−P1]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90のエッチングを、製造方法
の変形−2と同様に行い、図60の(B)に示すような
電子放出部15Dを形成する。この電子放出部15D
は、図58の(A)に示したように全体が錐状形状を有
していても勿論構わないが、図60の(B)には先端部
のみが錐状形状を有する変形例を示した。かかる形状
は、柱状部91Bに埋め込まれたマスク材料層92の高
さが低いか、若しくは、マスク材料層92のエッチング
速度が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部15D
としての機能に何ら支障はない。
【0320】[工程−P2]その後、等方的なエッチン
グ条件で開口部14の内部において絶縁層12に設けら
れた開口部14の側壁面を後退させると、図61に示す
電界放出素子が完成される。等方的なエッチングについ
ては、製造方法の変形−1で説明したと同様とすればよ
い。
【0321】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−4]製造方法の変形−4は、製造方法の変形−1の
変形である。製造方法の変形−4にて製造されたスピン
ト型電界放出素子の模式的な一部端面図を図62に示
す。製造方法の変形−4が製造方法の変形−1と異なる
点は、電子放出部が、基部94と、基部94上に積層さ
れた錐状の電子放出部15Dとから構成されている点に
ある。ここで、基部94と電子放出部15Dとは異なる
導電材料から構成されている。具体的には、基部94
は、電子放出部15Dとゲート電極13の開口端部との
間の距離を調節するための部材であり、且つ、抵抗体層
としての機能を有し、不純物を含有するポリシリコン層
から構成されている。電子放出部15Dはタングステン
から構成されており、錐状形状、より具体的には円錐形
状を有する。尚、基部94と電子放出部15Dとの間に
は、TiNから成る密着層90が形成されている。尚、
密着層90は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素で
はなく、製造上の理由で形成されている。絶縁層12が
ゲート電極13の直下から基部94の上端部にかけてえ
ぐられることにより、開口部14が形成されている。
【0322】以下、製造方法の変形−4を、支持体等の
模式的な一部端面図である図63〜図65を参照して説
明する。
【0323】[工程−Q0]先ず、開口部14の形成ま
でを、製造方法の変形−1の[工程−M0]と同様に行
う。続いて、開口部14内を含む全面に基部形成用の導
電材料層94Aを形成する。導電材料層94Aは、抵抗
体層としても機能し、ポリシリコン層から構成され、プ
ラズマCVD法により形成することができる。次いで、
全面に、スピンコート法にてレジスト層から成る平坦化
層95を表面が略平坦となるように形成する(図63の
(A)参照)。次に、平坦化層95と導電材料層94A
のエッチング速度が共に略等しくなる条件で両層をエッ
チングし、開口部14の底部を上面が平坦な基部94で
埋め込む(図63の(B)参照)。エッチングは、塩素
系ガスと酸素系ガスとを含むエッチングガスを用いたR
IE法により行うことができる。導電材料層94Aの表
面を平坦化層95で一旦平坦化してからエッチングを行
っているので、基部94の上面が平坦となる。
【0324】[工程−Q1]次に、開口部14の残部を
含む全面に密着層90を成膜し、更に、開口部14の残
部を含む全面に電子放出部形成用の導電材料層91を成
膜し、開口部14の残部を導電材料層91で埋め込む
(図64の(A)参照)。密着層90は、スパッタリン
グ法により形成される厚さ0.07μmのTiN層であ
り、導電材料層91は減圧CVD法により形成される厚
さ0.6μmのタングステン層である。導電材料層91
の表面には、開口部14の上端面と底面との間の段差を
反映して凹部91Aが形成されている。
【0325】[工程−Q2]次に、導電材料層91の全
面に、スピンコート法によりレジスト層から成るマスク
材料層92を表面が略平坦となるように形成する(図6
4の(B)参照)。マスク材料層92は、導電材料層9
1の表面の凹部91Aを吸収して平坦な表面となってい
る。次に、マスク材料層92を酸素系ガスを用いたRI
E法によりエッチングする(図65の(A)参照)。こ
のエッチングは、導電材料層91の平坦面が露出した時
点で終了する。これにより、導電材料層91の凹部91
Aにマスク材料層92が平坦に残され、マスク材料層9
2は、開口部14の中央部に位置する導電材料層91の
領域を遮蔽するように形成されている。
【0326】[工程−Q3]次に、製造方法の変形−1
の[工程−M4]と同様にして、導電材料層91、マス
ク材料層92及び密着層90を共にエッチングすると、
前述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応じた
円錐形状を有する電子放出部15Dと密着層90とが形
成され、電子放出部が完成される(図65の(B)参
照)。その後、開口部14の内部において絶縁層12に
設けられた開口部14の側壁面を後退させると、図62
に示した電界放出素子を得ることができる。
【0327】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−5]製造方法の変形−5は、製造方法の変形−2の
変形である。製造方法の変形−5にて製造されるスピン
ト型電界放出素子の模式的な一部端面図を図67の
(B)に示す。製造方法の変形−5が製造方法の変形−
2と異なる点は、電子放出部が、製造方法の変形−4と
同様に、基部94と、基部94上に積層された錐状の電
子放出部15Dとから構成されている点にある。ここ
で、基部94と電子放出部15Dとは異なる導電材料か
ら構成されている。具体的には、基部94は、電子放出
部15Dとゲート電極13の開口端部との間の距離を調
節するための部材であり、且つ、抵抗体層としての機能
を有し、不純物を含有するポリシリコン層から構成され
ている。電子放出部15Dはタングステンから構成され
ており、錐状形状、より具体的には円錐形状を有する。
尚、基部94と電子放出部15Dとの間には、TiNか
ら成る密着層90が形成されている。尚、密着層90
は、電子放出部の機能上不可欠な構成要素ではなく、製
造上の理由で形成されている。絶縁層12がゲート電極
13の直下から基部94の上端部にかけてえぐられるこ
とにより、開口部14が形成されている。
【0328】以下、製造方法の変形−5を、支持体等の
模式的な一部端面図である図66及び図67を参照して
説明する。
【0329】[工程−R0]先ず、開口部14の形成ま
でを、製造方法の変形−1の[工程−M0]と同様に行
う。次に、開口部14内を含む全面に基部形成用の導電
材料層を形成し、導電材料層をエッチングすることによ
って、開口部14の底部を埋め込む基部94を形成する
ことができる。尚、図示される基部94は平坦化された
表面を有しているが、表面が窪んでいてもよい。尚、平
坦化された表面を有する基部94は、製造方法の変形−
4の[工程−Q0]と同様のプロセスによって形成可能
である。更に、開口部14の残部を含む全面に、密着層
90、及び電子放出部形成用の導電材料層91を順次形
成する。このとき、開口部14の残部の上端面と底面と
の間の段差を反映した柱状部91Bとこの柱状部91B
の上端に連通する拡大部91Cとから成る略漏斗状の凹
部91Aが導電材料層91の表面に生成されるように、
導電材料層91の厚さを選択する。次に、導電材料層9
1上にマスク材料層92を形成する。このマスク材料層
92は、例えば銅を用いて形成する。図66の(A)
は、ここまでのプロセスが終了した状態を示している。
【0330】[工程−R1]次に、マスク材料層92と
導電材料層91とを支持体10の表面に対して平行な面
内で除去することにより、柱状部91Bにマスク材料層
92を残す(図66の(B)参照)。この除去は、製造
方法の変形−2の[工程−N3]と同様に、化学的機械
的研磨法(CMP法)により行うことができる。
【0331】[工程−R2]次に、導電材料層91とマ
スク材料層92と密着層90とをエッチングすると、前
述の機構に基づき対レジスト選択比の大きさに応じた円
錐形状を有する電子放出部15Dが形成される。これら
の層のエッチングは、製造方法の変形−2の[工程−N
4]と同様に行うことができる。電子放出部15Dと基
部94、及び、電子放出部15Dと基部94の間に残存
する密着層90とによって、電子放出部が形成される。
電子放出部は、全体が錐状形状を有していても勿論構わ
ないが、図67の(A)には基部94の一部が開口部1
4の底部を埋め込むように残存した状態を示した。かか
る形状は、柱状部91Bに埋め込まれたマスク材料層9
2の高さが低いか、若しくは、マスク材料層92のエッ
チング速度が比較的速い場合に生じ得るが、電子放出部
としての機能に何ら支障はない。
【0332】[工程−R3]その後、等方的なエッチン
グ条件で開口部14の内部において絶縁層12の側壁面
を後退させると、図67の(B)に示した電界放出素子
が完成される。等方的なエッチング条件は、製造方法の
変形−1で説明したと同様とすればよい。
【0333】[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−6]製造方法の変形−6は、製造方法の変形−3の
変形である。製造方法の変形−6が製造方法の変形−3
と異なる点は、電子放出部が、製造方法の変形−4と同
様に、基部94と、基部94上に積層された錐状の電子
放出部15Dとから構成されている点にある。以下、製
造方法の変形−6を、支持体等の模式的な一部端面図で
ある図68を参照して説明する。
【0334】[工程−S0]マスク材料層92の形成ま
でを製造方法の変形−5の[工程−R0]と同様に行
う。その後、導電材料層91上と拡大部91C内のマス
ク材料層92のみを除去することにより、柱状部91B
にマスク材料層92を残す(図68参照)。例えば希フ
ッ酸水溶液を用いたウェットエッチングを行い、タング
ステンから成る導電材料層91を除去することなく、銅
から成るマスク材料層92のみを選択的に除去すること
ができる。この後の導電材料層91とマスク材料層92
のエッチング、絶縁層12の等方的なエッチング等のプ
ロセスは、全て、製造方法の変形−5と同様に行うこと
ができる。
【0335】以上、本発明を、発明の実施の形態に基づ
き説明したが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。発明の実施の形態にて説明したアノードパネルやカ
ソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は
例示であり、適宜変更することができるし、アノードパ
ネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造
方法も例示であり、適宜変更することができる。
【0336】更には、アノードパネルやカソードパネル
の製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変
更することができる。電界放出素子においては、専ら1
つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明し
たが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に
複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開
口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもで
きる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1の開口部を
設け、絶縁層にかかる複数の第1の開口部に連通した1
つの第2の開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設
ける形態とすることもできる。
【0337】ゲート電極を、有効領域を1枚のシート状
の導電材料(開口部を有する)で被覆した形式のゲート
電極とすることもできる。この場合には、かかるゲート
電極に正の電圧(例えば160ボルト)を印加する。そ
して、各画素を構成する電子放出部とカソード電極制御
回路との間に、例えば、TFTから成るスイッチング素
子を設け、かかるスイッチング素子の作動によって、各
画素を構成する電子放出部への印加状態を制御し、画素
の発光状態を制御する。
【0338】あるいは又、カソード電極を、有効領域を
1枚のシート状の導電材料で被覆した形式のカソード電
極とすることもできる。この場合には、かかるカソード
電極に電圧(例えば0ボルト)を印加する。そして、各
画素を構成する電子放出部とゲート電極制御回路との間
に、例えば、TFTから成るスイッチング素子を設け、
かかるスイッチング素子の作動によって、各画素を構成
する電子放出部への印加状態を制御し、画素の発光状態
を制御する。
【0339】
【発明の効果】本発明においては、隔壁あるいは収束電
極を溶射材料から構成し、あるいは又、溶射法によって
形成するので、アノードパネルやカソードパネル、冷陰
極電界電子放出表示装置の製造工程において、隔壁や収
束電極を構成する材料に分解や変質、変性が生じ難いが
故に、その製造工程における加熱処理温度を高い自由度
をもって設定することができる。また、冷陰極電界電子
放出表示装置における真空度の劣化、蛍光体層や電界放
出素子の劣化を抑制することができる。更には、画質、
例えばコントラスト及び色純度の向上を一層確実に図る
ことができる。
【0340】また、本発明によれば、汎用的な材料を使
用することにより、材料コストを削減することができ
る。しかも、冷陰極電界電子放出表示装置の大画面化に
際しても、溶射法は溶射面積サイズによる影響が無いの
で、容易に大きなサイズの支持体あるいは基板に対し
て、収束電極や隔壁を一様に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図2】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁及び
蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。
【図3】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁及び
蛍光体層の配置の変形例を模式的に示す配置図である。
【図4】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁及び
蛍光体層の配置の別の変形例を模式的に示す配置図であ
る。
【図5】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置を構成するカソードパネルの模式的な部分的
斜視図である。
【図6】発明の実施の形態1におけるアノードパネルの
製造方法を説明するための基板等の模式的な一部端面図
である。
【図7】図6に引き続き、発明の実施の形態1における
アノードパネルの製造方法を説明するための基板等の模
式的な一部端面図である。
【図8】発明の実施の形態1における冷陰極電界電子放
出表示装置の変形例の模式的な一部端面図である。
【図9】発明の実施の形態1の冷陰極電界電子放出表示
装置の別の変形例における1つの電子放出部の模式的な
斜視図である。
【図10】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置の模式的な一部端面図である。
【図11】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルの模式的な部分
的斜視図である。
【図12】発明の実施の形態3における1つの電子放出
領域の模式的な一部端面図である。
【図13】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の配置を模式的に示す
配置図である。
【図14】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の別の配置を模式的に
示す配置図である。
【図15】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の更に別の配置を模式
的に示す配置図である。
【図16】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の更に別の配置を模式
的に示す配置図である。
【図17】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の更に別の配置を模式
的に示す配置図である。
【図18】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の更に別の配置を模式
的に示す配置図である。
【図19】発明の実施の形態3における冷陰極電界電子
放出表示装置を構成するカソードパネルにおけるカソー
ド電極、ゲート電極及び収束電極の更に別の配置を模式
的に示す配置図である。
【図20】発明の実施の形態3におけるカソードパネル
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図21】発明の実施の形態4におけるカソードパネル
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図22】図21に引き続き、発明の実施の形態4にお
けるカソードパネルの製造方法を説明するための支持体
等の模式的な一部端面図である。
【図23】図22に引き続き、発明の実施の形態4にお
けるカソードパネルの製造方法を説明するための支持体
等の模式的な一部端面図である。
【図24】発明の実施の形態5における1つの電子放出
領域の模式的な一部端面図である。
【図25】発明の実施の形態5におけるカソードパネル
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図26】発明の実施の形態6における1つの電子放出
領域の模式的な一部端面図である。
【図27】発明の実施の形態6におけるカソードパネル
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図28】スピント型電界放出素子から成る第1の構造
を有する電界放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図29】図28に引き続き、スピント型電界放出素子
から成る第1の構造を有する電界放出素子の製造方法を
説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図30】クラウン型電界放出素子から成る第1の構造
を有する電界放出素子の製造方法を説明するための支持
体等の模式的な一部端面図である。
【図31】図30に引き続き、クラウン型電界放出素子
から成る第1の構造を有する電界放出素子の製造方法を
説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図32】図31に引き続き、クラウン型電界放出素子
から成る第1の構造を有する電界放出素子の製造方法を
説明するための支持体等の模式的な一部端面図、及び、
部分的な斜視図である。
【図33】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する電界放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部断面図である。
【図34】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する電界放出素子の変形例の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部断面図である。
【図35】扁平型電界放出素子から成る第1の構造を有
する電界放出素子の別の変形例の製造方法を説明するた
めの支持体等の模式的な一部端面図である。
【図36】図35に引き続き、扁平型電界放出素子から
成る第1の構造を有する電界放出素子の別の変形例の製
造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図37】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の製造方法を説明するための支持体等
の模式的な一部断面図である。
【図38】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の変形例の模式的な一部断面図であ
る。
【図39】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の別の変形例の模式的な一部断面図で
ある。
【図40】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の更に別の変形例の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図、及び、部分的
な斜視図である。
【図41】図40に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する電界放出素子の更に別の変形例
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図、及び、部分的な斜視図である。
【図42】図41に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する電界放出素子の更に別の変形例
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図、及び、部分的な斜視図である。
【図43】図42に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する電界放出素子の更に別の変形例
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部断
面図である。
【図44】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の更に別の変形例の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部断面図である。
【図45】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の更に別の変形例の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図46】平面型電界放出素子から成る第2の構造を有
する電界放出素子の更に別の変形例の製造方法を説明す
るための支持体等の模式的な一部端面図である。
【図47】図46に引き続き、平面型電界放出素子から
成る第2の構造を有する電界放出素子の更に別の変形例
の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端
面図である。
【図48】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する電界放出素子の模式的な一部断面図である。
【図49】エッジ型電界放出素子から成る第3の構造を
有する電界放出素子の一例の製造方法を説明するための
支持体等の模式的な一部端面図である。
【図50】図53に示すスピント型電界放出素子を製造
するための、[スピント型電界放出素子:製造方法の変
形−1]を説明するための支持体等の模式的な一部端面
図である。
【図51】図50に引き続き、図53に示すスピント型
電界放出素子を製造するための、[スピント型電界放出
素子:製造方法の変形−1]を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図52】図51に引き続き、図53に示すスピント型
電界放出素子を製造するための、[スピント型電界放出
素子:製造方法の変形−1]を説明するための支持体等
の模式的な一部端面図である。
【図53】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−1]にて得られるスピント型電界放出素子の模式的な
一部端面図である。
【図54】円錐形状の電子放出部が形成される機構を説
明するための図である。
【図55】対レジスト選択比と、電子放出部の高さと形
状の関係を模式的に示す図である。
【図56】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−2]を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図57】図56に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−2]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図58】図57に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−2]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図59】被エッチング物の表面プロファイルが一定時
間毎にどのように変化するかを示す図である。
【図60】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−3]を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図61】図60に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−3]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図62】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−4]にて製造されるスピント型電界放出素子の模式的
な一部端面図である。
【図63】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−4]を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図64】図63に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−4]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図65】図64に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−4]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図66】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−5]を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【図67】図66に引き続き、[スピント型電界放出素
子:製造方法の変形−5]を説明するための支持体等の
模式的な一部端面図である。
【図68】[スピント型電界放出素子:製造方法の変形
−6]を説明するための支持体等の模式的な一部端面図
である。
【符号の説明】
CP・・・カソードパネル、AP・・・アノードパネ
ル、10・・・支持体、10A・・・凹部、11,11
1,211・・・カソード電極、111A・・・隆起
部、111B・・・凹部、111C・・・先端部、21
1A・・・エッジ部、12,12A,12B,112・
・・絶縁層、13,13A,13B,113・・・ゲー
ト電極、14,114A,114B・・・開口部、1
5,15A,15B,15C,15D・・・電子放出
部、16・・・炭素薄膜、20・・・基板、21・・・
光吸収層(ブラックマトリクス)、22・・・隔壁、2
3,23R,23G,23B・・・蛍光体層、24・・
・アノード電極、25・・・スペーサ、26・・・中間
膜、30・・・枠体、31・・・カソード電極制御回
路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノー
ド電極制御回路、40,42・・・マスク(感光性ドラ
イフィルム)、41,43・・・開口、50,150,
250・・・収束電極、51・・・絶縁材料層、151
・・・溶射層、152・・・導電材料層、251・・・
第1の溶射層、252・・・第2の溶射層、60・・・
剥離層、61・・・導電体層、62・・・剥離層、63
・・・導電性組成物層、64・・・抵抗体層、70・・
・炭素薄膜選択成長領域、65・・・マスク層、71・
・・金属粒子、80,180・・・球体、180A・・
・芯材、180B・・・表面処理層、81・・・組成物
層、81A・・・分散媒、81B・・・カソード電極材
料、82・・・レジスト層、82A・・・レジスト開口
部、90・・・密着層、91・・・導電材料層、91A
・・・凹部、91B・・・柱状部、91C・・・拡大
部、92・・・マスク材料層、93・・・エッチング停
止層、94・・・基部、94A・・・導電材料層、95
・・・平坦化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 9/24 H01J 9/24 A (54)【発明の名称】 冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネル及びその製造方法、冷陰極電界電子放出表示装 置用のカソードパネル及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置およびその製造 方法

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、 (D)アノード電極、 を備え、冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が
    蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、所
    望の画像を得るための冷陰極電界電子放出表示装置用の
    アノードパネルであって、 隔壁は、溶射材料の溶射によって形成された溶射層から
    構成されていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表
    示装置用のアノードパネル。
  2. 【請求項2】隔壁と基板との間には、蛍光体層からの光
    を吸収する光吸収層が形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノ
    ードパネル。
  3. 【請求項3】溶射層は、蛍光体層からの光を吸収する溶
    射材料から構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネ
    ル。
  4. 【請求項4】溶射層は導電性溶射材料から構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極電界電子放
    出表示装置用のアノードパネル。
  5. 【請求項5】(A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、 (D)アノード電極、 を備え、冷陰極電界電子放出素子から放出された電子が
    蛍光体層に衝突することによって蛍光体層が発光し、所
    望の画像を得るための冷陰極電界電子放出表示装置用の
    アノードパネルの製造方法であって、 開口を有するマスクを基板上に配置して、隔壁を形成す
    べき基板の部分を露出させた後、溶射材料を溶射するこ
    とによって、露出した基板の部分に溶射層から成る隔壁
    を形成する工程を具備することを特徴とする冷陰極電界
    電子放出表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】マスクを基板上に配置する前に、隔壁を形
    成すべき基板の部分の表面に、蛍光体層からの光を吸収
    する光吸収層を形成する工程を含むことを特徴とする請
    求項5に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノー
    ドパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】マスクは感光性材料から成り、 光吸収層を形成した後、感光性材料層を基板及び光吸収
    層上に形成し、次いで、該感光性材料層を露光、現像す
    ることによって、感光性材料層から成り、開口を有する
    マスクを基板上に配置する工程を含むことを特徴とする
    請求項6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノ
    ードパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】感光性材料層の露光を、感光性材料層が形
    成されていない基板の裏面側から行うことを特徴とする
    請求項7に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノ
    ードパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】マスクを基板上に配置した後、溶射層を形
    成する前に、蛍光体層からの光を吸収する溶射材料から
    構成された光吸収層を溶射法によって露出した基板の部
    分に形成する工程を含むことを特徴とする請求項5に記
    載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネルの
    製造方法。
  10. 【請求項10】溶射層は、蛍光体層からの光を吸収する
    溶射材料から構成されていることを特徴とする請求項5
    に記載の冷陰極電界電子放出表示装置用のアノードパネ
    ルの製造方法。
  11. 【請求項11】溶射層は導電性溶射材料から構成されて
    いることを特徴とする請求項5に記載の冷陰極電界電子
    放出表示装置用のアノードパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】冷陰極電界電子放出素子から構成された
    電子放出領域を備えたカソードパネル、及び、アノード
    パネルから成り、カソードパネル及びアノードパネルが
    真空層を介してそれらの周縁部で接合された冷陰極電界
    電子放出表示装置であって、 アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、 (D)アノード電極、 を備え、 隔壁は、溶射材料の溶射によって形成された溶射層から
    構成されていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表
    示装置。
  13. 【請求項13】隔壁と基板との間には、蛍光体層からの
    光を吸収する光吸収層が形成されていることを特徴とす
    る請求項12に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  14. 【請求項14】溶射層は、蛍光体層からの光を吸収する
    溶射材料から構成されていることを特徴とする請求項1
    2に記載の冷陰極電界電子放出表示装置。
  15. 【請求項15】溶射層は導電性溶射材料から構成されて
    いることを特徴とする請求項12に記載の冷陰極電界電
    子放出表示装置。
  16. 【請求項16】冷陰極電界電子放出素子を備えたカソー
    ドパネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパ
    ネル及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁
    部で接合された冷陰極電界電子放出表示装置であって、 アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、 (D)アノード電極、 を備えた冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法であっ
    て、 開口を有するマスクを基板上に配置して、隔壁を形成す
    べき基板の部分を露出させた後、溶射材料を溶射するこ
    とによって、露出した基板の部分に溶射層から成る隔壁
    を形成する工程を具備することを特徴とする冷陰極電界
    電子放出表示装置の製造方法。
  17. 【請求項17】マスクを基板上に配置する前に、隔壁を
    形成すべき基板の部分の表面に、蛍光体層からの光を吸
    収する光吸収層を形成する工程を含むことを特徴とする
    請求項16に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造
    方法。
  18. 【請求項18】マスクは感光性材料から成り、 光吸収層を形成した後、感光性材料層を基板及び光吸収
    層上に形成し、次いで、該感光性材料層を露光、現像す
    ることによって、感光性材料層から成り、開口を有する
    マスクを基板上に配置する工程を含むことを特徴とする
    請求項16に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造
    方法。
  19. 【請求項19】感光性材料層の露光を、感光性材料層が
    形成されていない基板の裏面側から行うことを特徴とす
    る請求項18に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製
    造方法。
  20. 【請求項20】マスクを基板上に配置した後、溶射層を
    形成する前に、蛍光体層からの光を吸収する溶射材料か
    ら構成された光吸収層を溶射法によって露出した基板の
    部分に形成する工程を含むことを特徴とする請求項16
    に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  21. 【請求項21】溶射層は、蛍光体層からの光を吸収する
    溶射材料から構成されていることを特徴とする請求項1
    6に記載の冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  22. 【請求項22】溶射層は導電性溶射材料から構成されて
    いることを特徴とする請求項16に記載の冷陰極電界電
    子放出表示装置の製造方法。
  23. 【請求項23】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成る冷陰極電界
    電子放出表示装置用のカソードパネルであって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、導電性溶射材料の溶射によって形成された
    溶射層から構成されていることを特徴とする冷陰極電界
    電子放出表示装置用のカソードパネル。
  24. 【請求項24】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成る冷陰極電界
    電子放出表示装置用のカソードパネルであって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成された
    溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導電材料層から
    構成されていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表
    示装置用のカソードパネル。
  25. 【請求項25】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成る冷陰極電界
    電子放出表示装置用のカソードパネルであって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成された
    第1の溶射層と、導電性溶射材料の溶射によって第1の
    溶射層上に形成された第2の溶射層から構成されている
    ことを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置用のカソ
    ードパネル。
  26. 【請求項26】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成り、更に、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成された冷陰極電界電
    子放出表示装置用のカソードパネルの製造方法であっ
    て、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、導電性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に溶射層から
    成る収束電極を形成する工程を具備することを特徴とす
    る冷陰極電界電子放出表示装置用のカソードパネルの製
    造方法。
  27. 【請求項27】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成り、更に、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成されており、 収束電極は、溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導
    電材料層から構成されている冷陰極電界電子放出表示装
    置用のカソードパネルの製造方法であって、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に溶射層を形
    成する工程を具備することを特徴とする冷陰極電界電子
    放出表示装置用のカソードパネルの製造方法。
  28. 【請求項28】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成り、更に、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成されており、 収束電極は、第1の溶射層と、第1の溶射層上に形成さ
    れた第2の溶射層から構成されている冷陰極電界電子放
    出表示装置用のカソードパネルの製造方法であって、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に第1の溶射
    層を形成し、次いで、導電性溶射材料を溶射することに
    よって、第1の溶射層上に第2の溶射層を形成する工程
    を具備することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装
    置用のカソードパネルの製造方法。
  29. 【請求項29】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合された冷陰極電界電子放出表示装置であって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、導電性溶射材料の溶射によって形成された
    溶射層から構成されていることを特徴とする冷陰極電界
    電子放出表示装置。
  30. 【請求項30】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合された冷陰極電界電子放出表示装置であって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成された
    溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導電材料層から
    構成されていることを特徴とする冷陰極電界電子放出表
    示装置。
  31. 【請求項31】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合された冷陰極電界電子放出表示装置であって、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成され、 収束電極は、絶縁性溶射材料の溶射によって形成された
    第1の溶射層と、導電性溶射材料の溶射によって第1の
    溶射層上に形成された第2の溶射層から構成されている
    ことを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装置。
  32. 【請求項32】アノードパネルは、 (A)基板、 (B)基板上に形成された隔壁、 (C)隔壁の間に形成された蛍光体層、及び、 (D)アノード電極、 を備え、 隔壁は、溶射材料の溶射によって形成された溶射層から
    構成されていることを特徴とする請求項29乃至請求項
    31のいずれか1項に記載の冷陰極電界電子放出表示装
    置。
  33. 【請求項33】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合され、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成された冷陰極電界電
    子放出表示装置の製造方法であって、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、導電性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に溶射層から
    成る収束電極を形成する工程を具備することを特徴とす
    る冷陰極電界電子放出表示装置の製造方法。
  34. 【請求項34】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合され、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成されており、 収束電極は、溶射層と、該溶射層の頂面に形成された導
    電材料層から構成されている冷陰極電界電子放出表示装
    置の製造方法であって、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に溶射層を形
    成する工程を具備することを特徴とする冷陰極電界電子
    放出表示装置の製造方法。
  35. 【請求項35】(A)支持体上に設けられたカソード電
    極と、 (B)支持体及びカソード電極上に形成された絶縁層
    と、 (C)絶縁層上に形成されたゲート電極と、 (D)ゲート電極及び絶縁層に設けられた開口部と、 (E)開口部の底部に位置する電子放出部、 から成る冷陰極電界電子放出素子を複数備えた電子放出
    領域が2次元マトリクス状に配置されて成るカソードパ
    ネル、及び、アノードパネルから成り、カソードパネル
    及びアノードパネルが真空層を介してそれらの周縁部で
    接合され、 アノードパネルと対向するカソードパネルの面には、電
    子放出領域に沿って収束電極が形成されており、 収束電極は、第1の溶射層と、第1の溶射層上に形成さ
    れた第2の溶射層から構成されている冷陰極電界電子放
    出表示装置の製造方法であって、 開口を有するマスクをカソードパネルの該面上に配置し
    て、収束電極を形成すべきカソードパネルの該面の部分
    を露出させた後、絶縁性溶射材料を溶射することによっ
    て、露出したカソードパネルの該面の部分に第1の溶射
    層を形成し、次いで、導電性溶射材料を溶射することに
    よって、第1の溶射層上に第2の溶射層を形成する工程
    を具備することを特徴とする冷陰極電界電子放出表示装
    置の製造方法。
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